銀行のプロパー融資では希望額に届かない、あるいは事業資金の調達先を増やしたい。そんなとき、保有する不動産を担保に数百万円から数億円規模の資金を借りられるのが不動産担保ローンです。無担保のビジネスローンより金利が低く、借入期間も長く取れるため、法人・個人事業主の資金調達手段として選択肢に挙がります。
ただし、提供元は大きく銀行系とノンバンク系に分かれ、金利・融資スピード・審査の柔軟性・対応エリアは会社ごとに大きく異なります。「低金利だが審査が厳しく時間のかかる銀行系」と「金利は高めだが担保評価を重視して審査が速いノンバンク系」のどちらが自社に合うのかは、急ぎ度や資金使途によって変わります。
本記事では、銀行系5社・ノンバンク系10社の不動産担保ローンを、金利・融資限度額・融資スピード・事務手数料・対応エリア・第2順位抵当の可否まで実額で横断比較します。掲載する銀行系は個人向け、ノンバンク系は事業者向けが中心で、事業資金なら実質的にノンバンク系から選ぶことになります。
あわせて、諸費用の総額目安や、銀行で断られた場合にノンバンクが受け皿になり得る条件も整理しました。自社に合う借入先を判断するための材料としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて最適な不動産担保ローンを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。銀行系かノンバンク系か迷っている方は、こちらもあわせてご活用ください。
目次
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不動産担保ローンとは(仕組みと特徴)
不動産担保ローンは、土地や建物などの不動産を担保に入れて資金を借りる融資商品です。金融機関は担保となる不動産に抵当権を設定し、万一返済が滞った場合は担保不動産を処分して債権を回収します。貸し手にとって回収の裏づけがあるぶん、無担保の融資に比べて金利が低く、融資限度額も大きく、返済期間も長く設定しやすいのが特徴です。
担保に入れられる不動産は、自宅や投資用マンション、事業用の土地・建物など幅広く、金融機関によっては借地・底地や共有持分、築古物件にも対応します。本人名義だけでなく、家族や親族、法人名義の不動産を担保にできる商品もあります。資金の使い道は、事業資金・つなぎ資金・複数借入のおまとめ・教育資金など、事業性資金に限定する商品と、原則自由とする商品に分かれます。
また、事業性資金として借りる場合や法人が借りる場合、居宅以外の不動産を担保にする場合は、原則として貸金業法の総量規制(借入残高を年収の3分の1までに制限する規制)の対象外になります。個人事業主が事業資金として借りる場合も、返済能力を確認したうえで年収の3分の1を超える借入が認められる例外貸付として扱われます。まとまった資金を長期で調達しやすいのは、この仕組みによるものです。
カードローン(無担保ローン)との違い
無担保のカードローンやビジネスローンは、担保や保証人を必要とせず、申込から融資までが速い一方、担保がないぶん金利が高く、融資限度額も数百万円から1,000万円程度にとどまることが一般的です。審査では申込者本人や会社の信用力・返済能力が中心に見られます。
これに対して不動産担保ローンは、担保不動産の評価額が審査の柱になります。信用情報だけで判断されるわけではないため、無担保では希望額に届かなかった場合でも、担保の評価次第で高額・長期の借入ができる可能性があります。
反面、抵当権設定のための登記費用や事務手数料といった諸費用が別途かかり、審査にも一定の日数を要します。まとまった額を低金利で長く借りたい場合は不動産担保ローン、少額を急ぎで借りたい場合は無担保ローンが向きます。
少額・スピード重視で、担保を差し入れずに借りられる無担保の選択肢も候補にしたい場合は、事業者向けのビジネスローンとの比較も有効です。以下の記事で、無担保のビジネスローンを金利・即日融資・審査の柔軟性からタイプ別に比較しています。
不動産担保ローンのメリット・デメリット
不動産担保ローンを検討する前に、そもそもこの商品が自社に向くのかを、メリットとデメリットの両面から確認しておきます。
メリットは、低金利・高額・長期の3点に集約されます。担保があるぶん無担保ローンより金利が低く、融資限度額は数千万円から数億円規模まで対応する商品もあります。返済期間も最長30〜35年と長く設定でき、月々の返済負担を抑えられます。信用情報に不安がある場合でも、担保不動産の評価次第で融資を受けられる可能性がある点も、事業者にとっては大きな利点です。
デメリットは、担保を失うリスクと諸費用です。返済が滞れば、担保に入れた自宅や事業用不動産を処分される可能性があります。事業の浮き沈みと生活基盤を切り離せない点は、借入前に十分に検討すべきです。法人が借りる場合も、代表者が担保提供者や連帯保証人になるケースが多く、事業の失敗が経営者個人の資産に直結しやすい構造は理解しておく必要があります。
また、抵当権設定登記の費用や事務手数料といった初期コストが数十万円単位でかかり、担保評価や本審査にも時間を要します。当日中に資金が必要なケースには不向きで、借入額・返済計画・担保のバランスを冷静に見極めることが欠かせません。
銀行系とノンバンク系の違い|どちらが自分に合うか
不動産担保ローンの提供元は、銀行・ネット銀行が扱う銀行系と、貸金業登録を受けたノンバンク(信販会社・事業者金融など)が扱うノンバンク系に大きく分かれます。両者は金利・審査スピード・審査の柔軟性ではっきりした違いがあり、この違いを理解することが会社選びの出発点になります。
銀行系は、金利の低さが最大の強みです。年2%台から借りられる商品もあり、長期・高額の借入や、複数ローンのおまとめ・借り換えでコストを抑えたい場合に向きます。一方で審査は厳しめで、申込者の年収・勤続年数・信用情報が細かく見られ、融資実行まで数週間から1か月程度かかることも珍しくありません。
ここで注意したいのは、本記事で扱う銀行系5行の商品はいずれも個人向けで、法人や事業性資金には利用できない点です。事業資金を借りたい法人・個人事業主にとっては、後述のノンバンク系(または各行が別に用意する事業者向けの不動産担保ビジネスローン)が実質的な選択肢になります。銀行系の低金利が活きるのは、おまとめ・借り換え・生活資金といった個人利用のケースです。
ノンバンク系は、審査の柔軟性とスピードが強みです。信用情報より担保不動産の評価を重視する傾向があり、銀行で断られたケースや、借地・共有持分・築古物件など銀行が敬遠しがちな担保でも相談に応じる会社があります。最短即日審査・翌営業日融資に対応する会社もあり、期日が迫った資金需要に向きます。
金利は上限が年15%前後まで届き、銀行系より高めになりがちで(下限は担保評価次第で年2%台の会社もあります)、急ぎ度や担保の特殊性と金利負担を天秤にかけて選ぶことになります。事業性資金に対応する会社が多いのも、法人・個人事業主にとってはノンバンク系の利点です。
まとめると、時間に余裕があり金利を最優先するなら銀行系、急ぎ・事業性資金・審査の柔軟性を求めるならノンバンク系が基本の選び分けです。次章では、両者を具体的に読み解くための比較ポイントを整理します。
不動産担保ローンを比較する8つのポイント
ここからは、各社を比較するときに押さえたい8つの観点を解説します。金利や融資限度額といった数値だけでなく、自社の資金使途や急ぎ度に照らして優先順位を付けることが、後悔しない借入につながります。
1. 金利(銀行系/ノンバンク系の相場)
金利は総返済額を左右する最重要ポイントです。相場は提供形態で大きく分かれ、銀行系はおおむね年2〜10%台、ノンバンク系は年2〜15%程度に設定される傾向があります(ノンバンク系は上限が年15%前後まで届く点が銀行系との違いです)。ノンバンク系の上限が年15.0%前後で揃うのは、利息制限法の上限(元本100万円以上で年15.0%)を踏まえた設定です。
後述の比較表では、各社が実際に適用する「契約利率」(実勢のレンジ)と、諸費用まで含めた上限を示す「実質年率」を、公表状況に応じて併記しています。金利で会社を比べるときは、実際に適用される契約利率のレンジを基準に見ると、負担感をつかみやすくなります。
金利には、市場金利に連動して見直される変動金利型と、一定期間は金利が変わらない固定金利型があります。借入期間が長いほど金利変動の影響を受けやすいため、返済計画とあわせてどちらの金利タイプを選ぶかも検討します。なお、公表されている金利は下限が「最も条件の良い場合」の数字であることが多く、実際に適用される金利は担保評価や信用状況で決まる点に注意が必要です。
2. 融資限度額
借りられる額の下限・上限は会社ごとに幅があります。数十万円の少額から対応する会社もあれば、上限を5億円や10億円とする会社もあります。希望額が大きいほど、上限の高い会社や担保評価に強い会社が選択肢になります。
3. 融資スピード
仮審査の回答が最短即日の会社から、融資実行まで数週間かかる会社まで差があります。つなぎ資金や期日の迫った支払いに充てる場合は、審査回答と実行までの日数を必ず確認しておきましょう。一般に銀行系は遅め、ノンバンク系は速めです。
4. 審査の柔軟性
信用情報を重視するか、担保評価を重視するかは会社によって異なります。銀行で否決された、または希望額に届かなかった場合は、担保評価を重視するノンバンク系のほうが融資に至る可能性があります。ただし柔軟な審査は金利の高さと引き換えである点は理解しておく必要があります。
5. 諸費用(事務手数料・登記費用など)
金利以外にも、事務手数料や抵当権設定の登記費用がかかります。総支払額に効くため、金利だけでなく諸費用を含めた総額で比較します。具体的な費用の内訳と目安は、後の「諸費用と総額シミュレーション」で解説します。
6. 対応エリア
全国対応の会社もあれば、首都圏や一部都市圏の物件に限る会社もあります。担保不動産の所在地が対応エリア外だと、そもそも申し込めません。地方の物件を担保にする場合は特に確認が必要です。
7. 第2順位抵当・住宅ローン残債ありの可否
住宅ローンが残っている自宅を担保にできるか、すでに抵当権が設定されている不動産に第2順位・第3順位で融資を受けられるかは、会社ごとに対応が分かれます。担保余力の範囲で対応する会社が多く、この可否は借入可能額を左右します。
8. 返済期間・返済方法
返済期間は1年程度の短期から最長30〜35年まで幅があり、期間が長いほど月々の返済額は抑えられますが、総支払利息は増えます。返済方法には、毎月元金と利息を合わせて一定額を返す元利均等返済、元金を均等に返す元金均等返済、期日に元金を一括で返す元金一括返済(毎月は利息のみ)があります。
事業のキャッシュフローに合わせるなら、当面の負担を抑えられる元金一括や長期の元利均等が向く場合があります。一方、総コストを抑えたいなら短めの期間で元金を早く減らす方法が有利です。自社の資金繰りと出口(売却・借り換え・完済)の見通しに合わせて選びましょう。
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30秒診断|あなたに合う不動産担保ローンは?
いくつかの質問に答えるだけで、銀行系・ノンバンク系のどのタイプが自社の状況に合うかの目安がわかります。担保にする不動産の有無や、金利・スピードのどちらを重視するかに沿って、候補を絞り込んでみてください。
【比較表】銀行系・ノンバンク系の不動産担保ローンを一覧比較
ここからは、銀行系・ノンバンク系の主要な不動産担保ローンを、金利・融資限度額・融資スピード・事務手数料・対応エリア・第2順位抵当の可否・対象者の観点で一覧にまとめます。数値は各社の公式情報にもとづく2026年8月時点のものです。適用条件により変わるため、詳細は各社の公式情報でご確認ください。
銀行系不動産担保ローンの比較
| サービス名 | スター不動産担保ローン(東京スター銀行) | りそなフリーローン(有担保型) | オリックス銀行 不動産担保ローン | 楽天銀行 不動産担保ローン | 不動産担保ローン(ドコモSMTBネット銀行) |
|---|---|---|---|---|---|
| 金利(実質年率) | 変動 年1.75%〜8.25% 固定(3・5・10年) 年3.15%〜10.60% | 変動金利 上限 年15.0%(下限は要確認) | 年2.425%〜4.425%(変動) | 年2.99%〜11.75% (固定・5年毎見直し、2026年8月実行分) | 変動 年3.70%〜9.90% (時期により変動) |
| 融資限度額 | 100万円以上 (上限は公式非公開) | 100万円〜1億円 | 2,000万円〜2億円 | 100万円〜1億円未満 | 300万円〜1億円 |
| 融資スピード | 仮審査 最短当日 本審査 最短4日 | Web事前審査 最短3営業日 | 要問い合わせ(公式非公開) | 事前審査 最短翌営業日 | 仮審査 即日〜3営業日 実行まで3週間〜1ヶ月 |
| 事務手数料 | 融資額の2.2%〜3.3%(税込) | 110,000円(税込・一律) | 融資額の2.20%以内(税込) | 融資額の2.20% (最低38,500円) | 保証委託1.32%+融資事務0.88%(税込) |
| 返済期間 | 1年〜30年 | 1年〜30年 | 1年〜35年 | 1年〜25年 | 1年〜35年 |
| 対応エリア | 全国 | 全国(離島を除く) | 首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市 | 全国(一部地域を除く) | 全国 |
| 第2順位抵当 | ●担保余力の範囲内で可 | ●住宅ローン返済中の自宅も可 | △原則1順位(第2順位以降は個別審査) | △住宅ローン返済中は可(順位は要確認) | ●住宅ローン抵当権付きでも申込可 |
| 対象者 | 個人のみ (事業性資金は不可) | 個人のみ (事業性資金は不可) | 個人・個人事業主(条件付き) (事業性資金は不可) | 個人のみ (事業性資金は不可) | 個人のみ (事業性資金は不可) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※記載内容は2026年8月時点の各社公表情報にもとづきます。金利・手数料は適用条件により変動し、「要問い合わせ」は公式サイトで金額・対応可否が公表されていない項目です。最新の詳細は各社の公式情報でご確認ください。
ノンバンク系不動産担保ローンの比較
| サービス名 | セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン | AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン | 丸の内AMS 不動産担保ローン | MIRAIアセットファイナンス 不動産担保ローン | アサックス(ASAX)不動産担保ローン | つばさコーポレーション 不動産ビジネスローン | 日宝 不動産活用ローン | ファンドワン 不動産担保融資 | マテリアライズ 不動産担保ローン | アクト・ウィル 不動産担保融資 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 金利(実質年率) | 実質年率15.0%以内 (変動3.4〜5.2% / 固定4.5〜9.9%) | 固定 年2.99%〜14.80% 変動 年2.99%〜11.80% | 年率3.8%〜(実質年率15.0%以下) | 契約利率 年4.0%〜9.5% (実質年率15.0%以内) | 契約利率 年2.20%〜8.76% (実質年率15.00%以下) | 年4.00%〜15.00%(実質年率15.00%以下) | 実質年率 年4.0%〜9.9% | 実質年率 2.50%〜15.00%以下 | 実質年率 年15.0%以下 (※公式LPにより表記差) | 実質年率 年8.00%〜15.00% |
| 融資限度額 | 500万円〜5億円 | 100万円〜5億円 | 500万円〜5億円 | 30万円〜5億円 | 300万円〜10億円 | 50万円〜5億円 | 50万円〜5億円 | 300万円〜1億円 | 100万円〜1億円 (※上限は公式LPにより表記差) | 5,000万円まで (以上は要相談) |
| 融資スピード | 仮審査 最短即日 本審査 最短3営業日 | 簡易診断 最短1日 実行まで最短3日 | 最短2日で融資 | 即日審査 最短翌営業日融資 | 簡易審査1日 最短3日で融資実行 | 最短即日〜1週間程度 | 最短即日〜1週間目安 | 要問い合わせ(公式非公開) | 最短即日審査 最短翌営業日融資 | 最短即日(会社共通訴求) |
| 事務手数料 | 融資額の1.65%以内 (別途調査料0.55%以内) | 0.00%〜3.00% (調査料・保証料は無料) | 0〜6.0% | 融資額の0〜5.0% | 融資額の0%〜3.3% | 0%〜5.00% | 要問い合わせ(公式非公開) | 要問い合わせ(公式非公開) | 0〜5.0% (※公式LPにより表記差) | 融資額の1.00%〜3.00% |
| 返済期間 | 5年〜25年 | 最長30年 | 1ヶ月〜35年 | 1ヶ月〜20年 | 3ヶ月〜35年 | 最長30年 | 1ヶ月〜30年 | 一括 1〜12ヶ月 分割 最長35年 | 1ヶ月〜20年 | 12ヶ月以内 |
| 対応エリア | 要問い合わせ | 全国 | 一都三県(一部対応外あり) | 1都3県中心(他は要相談) | 1都3県(個人向け) | 全国 | 全国 | 要問い合わせ | 全国(一部市区町村を除く) | 全国(出張対応) |
| 第2順位抵当 | ●抵当順位を問わず可 | ●抵当順位は不問 | ●2番・3番抵当でも可 | ●2番・3番抵当でも可 | ●第2順位以下も融資実績多数 | ●二番・三番抵当以下も可 | ●抵当順位を問わず可 | 要問い合わせ | ●2番・3番抵当でも可 | 要問い合わせ |
| 対象者 | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 | 個人・法人 | 個人・個人事業主・法人 | 法人・個人事業主・個人 | 個人事業主・法人 | 法人・個人事業主・個人 | 法人・個人事業主 | 個人・法人 (公式に区分明示なし) | 法人専用 (個人事業主・フリーランスは不可) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※記載内容は2026年8月時点の各社公表情報にもとづきます。金利・手数料は適用条件により変動し、「要問い合わせ」は公式サイトで金額・対応可否が公表されていない項目です。最新の詳細は各社の公式情報でご確認ください。
不動産担保ローンのサービス個別紹介
比較表で概観した各社について、特徴・条件・向いている読者を個別に紹介します。まずは金利の低さが強みの銀行系から、続いて審査の柔軟性とスピードが強みのノンバンク系の順に見ていきます。
銀行系不動産担保ローン
銀行系は、いずれも金利の低さが魅力で、長期・高額の借入や個人のおまとめ・借り換えに向きます。ただし本記事で扱う5行はすべて個人向けで、法人・事業性資金には利用できません。事業資金が目的の法人・個人事業主は、次のノンバンク系から選ぶことになります。
1. スター不動産担保ローン(株式会社東京スター銀行)

スター不動産担保ローンは、東京スター銀行が個人向けに提供する不動産担保ローンです。借入本人のほか、配偶者・実父母・実兄弟姉妹が所有する不動産も担保にでき、住宅ローンの借換・おまとめ・セカンドハウス購入・相続関連資金など、事業性資金を除く幅広い用途に利用できます。
金利は変動金利型が年1.75%~8.25%、固定金利型(3年・5年・10年)が年3.15%~10.60%です。融資限度額は100万円以上(上限は公式非公開)で、仮審査は最短当日、本審査は最短4日で回答が得られます。住宅ローン残債がある物件や第2順位抵当でも、担保余力の範囲内で申し込めます。
対象は個人のみで、法人および事業性資金(法人・個人事業主の運転・設備資金等)には利用できません。事業資金の調達で不動産担保を検討する場合は、同行が別途扱う法人・個人事業主向けの「スター不動産担保ビジネスローン」が案内先になります。
2. りそなフリーローン(有担保型)(株式会社りそな銀行)

りそなフリーローン(有担保型)は、用途に応じて「ライフイベントプラン」と「不動産購入プラン」の2つに分かれる、りそな銀行・埼玉りそな銀行の個人向け不動産担保ローンです。本人または三親等以内の親族が所有する国内の土地・建物を担保に、無担保のフリーローンより高額・長期の借入ができます。
金利は変動金利型で、公式に明示されているのは上限の年15%まで(適用される下限〜実勢レンジは公式サイトで要確認)です。融資限度額は100万円以上1億円以内、返済期間は1年以上30年以内です。事務手数料は借入額によらず一律110,000円(税込)で、Web事前審査は最短3営業日で回答が得られます。
住宅ローン返済中の自宅も担保にでき、りそな指定の団体信用生命保険が保険料無料・金利上乗せなしで原則付帯します。ただし対象は個人で、運転資金などの事業性資金には対応しません(法人向けには収益物件購入等に用途を限定した別商品「不動産購入ローン」が用意されています)。
3. オリックス銀行 不動産担保ローン(オリックス銀行株式会社)

融資限度額2,000万円~2億円と高額帯に対応するのが、オリックス銀行が個人向けに提供する不動産担保ローンです。相続税資金・自社株購入資金・海外不動産購入・投資用不動産購入など資金使途が幅広く、資金の使い道の対象となる不動産の所在地は問いません(事業性資金や生活資金などの消費性資金は対象外です)。
金利は変動金利型のみで年2.425%~年4.425%、融資期間は1年以上35年以内です。事務手数料は借入金額の2.20%(税込)以内、保証料は不要で、団体信用生命保険はオリックス銀行負担で付帯します。担保は第1順位の抵当権設定が原則ですが、第2順位以降でも個別審査で可能な場合があります。
申込には前年度税込年収700万円以上(借入時満30歳以上60歳未満)が求められ、個人事業主は営業開始後3年以上など所定の条件を満たせば対象になります。ただし担保として差し入れられる不動産は、首都圏・近畿圏・名古屋市・福岡市の居住用不動産に限られます。
4. 楽天銀行 不動産担保ローン(楽天銀行株式会社)

楽天銀行が個人向けに提供する、来店不要でオンライン完結する不動産担保ローンです。自己所有または三親等以内の親族が所有する不動産を担保に、事業性資金と楽天銀行からの借入の借換を除く原則自由な用途で、100万円以上1億円未満まで借り入れられます。
金利は固定金利(5年毎見直し)で、2026年8月実行分は年2.99%~年11.75%(実行月により変わり、9月実行分は年3.18%~年11.94%)です。事前審査は最短翌営業日で回答が得られ、事務手数料は借入額の2.20%(最低38,500円)です。繰上返済手数料は無料で、随時一部・全額の返済ができます。
住宅ローン返済中の物件でも申し込める一方、対象は個人のみで、法人や事業性資金には利用できません。楽天銀行には法人・個人事業主向けの無担保「ビジネスローン」も別途ありますが、本商品は個人が不動産を担保に借りるための商品という位置づけです。
5. 不動産担保ローン(株式会社ドコモSMTBネット銀行/旧・住信SBIネット銀行)

旧・住信SBIネット銀行が2026年8月に商号変更したドコモSMTBネット銀行が、個人向けに提供する不動産担保ローンです。自己名義の不動産に保証会社(L&Fアセットファイナンス)を抵当権者とする抵当権を設定し、事業性資金を除く原則自由な用途で300万円~1億円を借り入れられます。
金利は変動金利で年3.70%~9.90%(時期により変動するため最新値は要確認)、融資期間は1年~35年です。仮審査は即日~3営業日、融資実行までの総期間は3週間~1ヶ月程度が目安です。全国の不動産が担保対象で、団体信用生命保険への加入は不要です。
諸費用として保証委託事務手数料1.32%・融資事務取扱手数料0.88%に加え、繰上返済時には返済額の3.143%(税込)がかかります。利用できるのは個人のみで、法人は銀行では申し込めません(法人は保証会社のL&Fアセットファイナンスへの相談案内となります)。
ノンバンク系不動産担保ローン
ノンバンク系は、担保評価を重視した柔軟な審査と融資スピードが強みで、事業性資金や、銀行で断られたケースの受け皿になります。金利は銀行系より高めですが、対応できる担保や融資までの速さに各社の個性が出ます。
1. セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン(株式会社セゾンファンデックス)

東証プライム上場のクレディセゾンが100%出資する株式会社セゾンファンデックスが手がける、法人・個人事業主向けの不動産担保ローンです。同社はノンバンクとして事業用リースバックや補助金つなぎ融資など複数商品を展開しており、そのなかで不動産担保ローンを主力商品に位置づけています。
実質年率は15.0%以内(融資利率は変動金利3.4%〜5.2%、固定金利4.5%〜9.9%)、融資限度額は500万円〜5億円で、返済期間は5年〜25年です。融資スピードは仮審査が最短即日、本審査が最短3営業日となっています。事務手数料は融資金額の1.65%以内、調査料は0.55%以内です。
担保は抵当順位を問わず、法人・代表者だけでなく親族が所有する不動産も担保として提供できます。保証人は原則不要(法人融資は代表者の連帯保証が原則必要)。赤字決算など銀行融資が難しいケースでも相談可能と公式サイトで案内しています。
2. AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン(AGビジネスサポート株式会社)

アイフルグループのAGビジネスサポート株式会社が提供する、法人・個人事業主向けの不動産担保ビジネスローンです。土地・建物に(根)抵当権を設定して事業資金を融資する商品で、全国の物件を対象としています。
金利は固定金利型が年2.99%〜14.80%(2025年5月1日以降の新規契約分は2.99%〜11.80%)、変動金利型が年2.99%〜11.80%です。融資限度額は100万円〜5億円、返済期間は最長30年(360回以内)で、簡易診断は最短1日、融資実行までは最短3日としています。
特徴は、事務手数料0.00%〜3.00%が別途かかるものの、調査料・保証料は無料としている点です。抵当順位は不問と公式に明記しており、既存の抵当権が付いた不動産でも申込対象になり得ます。問い合わせは平日9:30〜18:00に受け付けています。
3. 丸の内AMS 不動産担保ローン(丸の内AMS株式会社)

対応エリアを東京・神奈川・埼玉・千葉の一都三県に絞り込んでいるのが、丸の内AMS株式会社の不動産担保ローンです。個人・法人向けの不動産担保ローンに加え、共有名義・共有持分の不動産を担保にできる商品も扱っています。
金利は年率3.8%〜(実質年率15.0%以下)、融資限度額は500万円〜5億円、返済期間は1ヶ月〜35年、事務手数料は0〜6.0%です。融資は最短2日で実行としています。2番・3番抵当や住宅ローン残債がある物件でも融資可能と明記しています。
注意したいのは対応エリアで、一都三県が中心ですが、その圏内でも昭島市・あきる野市・青梅市など対応外の市区町村があります。共有名義・持分ローンでは、他の共有者の同意を得ずに申込者本人の持分のみで融資を受けられる点も特徴です。
4. MIRAIアセットファイナンス 不動産担保ローン(株式会社MIRAIアセットファイナンス)

土曜・日曜も営業する点を打ち出しているのが、株式会社MIRAIアセットファイナンスの不動産担保ローンです。個人・個人事業主・法人を対象に、築古物件・共有持分・差押物件など銀行が敬遠しがちな不動産でも相談可能とうたっています。
契約利率は年4.0%〜9.5%、実質年率は年15.0%以内、融資限度額は30万円〜5億円です。返済期間は1ヶ月〜20年、事務手数料は融資金額の0〜5.0%となっています。即日審査で、最短翌営業日の融資も承るとしています。
営業時間は10:00〜18:30で、定休日は祝日のみ(土日も営業)のため、平日に時間が取りにくい場合の相談先になり得ます。2番・3番抵当でも融資可、契約が成立するまで費用は一切かからないとしています。対応エリアは1都3県が中心で、それ以外は要相談です。
5. アサックス(ASAX)不動産担保ローン(株式会社アサックス)

1969年創業の株式会社アサックスは、不動産担保ローンを専業とし、東京証券取引所スタンダード市場に上場するノンバンクです(証券コード8772)。恵比寿・日本橋・新宿・池袋・横浜の5店舗を構え、公式サイトでは年間1,500件以上の融資実績を掲げています。
契約利率は年2.20%〜8.76%(実質年率は15.00%以下)、融資限度額は300万円〜10億円と上限が高めです。返済期間は3ヶ月〜35年、事務手数料は融資額の0%〜3.3%で、簡易審査は1日、最短3日で融資を実行するとしています。
第2順位以下の抵当権や住宅ローン残債がある物件のほか、築古物件、建ぺい率・容積率オーバー物件、共有持分物件など、対応できる担保の幅が広いのも特徴です。資金使途は原則自由で、個人向けローンの対象エリアは1都3県です。
6. つばさコーポレーション 不動産ビジネスローン(株式会社つばさコーポレーション)

資金使途を限定しない不動産担保融資として、株式会社つばさコーポレーションが個人事業主・法人向けに用意しているのが不動産ビジネスローンです。同社は5種類の不動産担保系ローンを展開しており、本商品はそのうち資金使途自由の事業者向け商品にあたります。
適用年率は4.00%〜15.00%(実質年率15.00%以下)、融資限度額は50万円〜5億円、融資期間は最長30年、融資事務手数料は0%〜5.00%です。返済方式は元金一括返済・元利均等返済・元金自由返済から選べ、連帯保証人は原則不要となっています。
公式のよくある質問では、日本全国の不動産を融資対象とし、二番・三番抵当以下(住宅ローンなど既存の抵当権が残る物件)でも融資可能と回答しています。融資までの期間は最短当日から1週間程度としていますが、これは商品を限定しない一般回答のため、個別の適用は要確認です。
7. 日宝 不動産活用ローン(株式会社日宝)

1971年創業の株式会社日宝は、不動産担保融資を専業とするノンバンクです。法人・個人事業主・個人を対象に全国対応で融資しており、依頼対象の「不動産活用ローン」は資金使途が自由で、法人・個人を問わず利用できる商品として位置づけられています。
不動産活用ローンの実質年率は4.0%〜9.9%、融資限度額は50万円〜5億円、融資期間は1ヶ月〜30年です。返済方式は元利均等返済・元金一括返済・元金自由返済の3方式から選べます。融資は当日から1週間以内としていますが、事務手数料など諸費用の料率は公式サイトに記載がなく、要問い合わせです。
抵当順位を問わず、住宅ローンや他の不動産担保ローンの返済中でも申込可能と公式に明記しています。借地・底地・共有持分・再建築不可・調整区域など、金融機関では担保評価が難しい物件にも対応するとしています。
8. ファンドワン 不動産担保融資(ファンドワン株式会社)

不動産を担保に、無担保の事業者ローンより大きな資金を調達したい法人・個人事業主に向けた商品が、ファンドワン株式会社の不動産担保融資です。土地・自宅・賃貸マンションを担保対象とし、保証人は不要としています。
実質年率は2.50%〜15.00%以下、融資限度額は300万円〜1億円で、同社の無担保事業者ローン(上限500万円)を超える規模の調達に対応します。返済は一括返済が1〜12ヶ月、元金均等・元利均等返済なら2〜420ヶ月(最長35年)から選べます。
一方で、事務手数料など諸費用の料率、不動産担保融資に固有の融資スピードや対応エリア、第2順位抵当・住宅ローン残債がある物件の可否は、公式サイトに明示がありません。申込前に個別の確認が必要です。
9. マテリアライズ 不動産担保ローン(株式会社マテリアライズ)

信用情報より担保物件の評価を重視する審査方針を掲げているのが、株式会社マテリアライズの不動産担保ローンです。調整区域内の物件・他人名義の物件・再建築不可物件など、他社で取り扱いが難しいとされる不動産にも対応するとしています。
実質年率は年15.0%以下で、返済期間は1ヶ月〜20年、最短即日審査・最短翌営業日融資としています。なお融資額(上限は1億円または3億円)・適用年率・事務手数料は公式LPによって表記差があるため、申込前に一次情報での確認が必要です(※公式LPにより表記差)。
2番・3番抵当や住宅ローン残債がある物件でも対応可と公式に明記しています。共有持分・借地権・底地権・再建築不可・市街化調整区域の不動産も対象で、全国対応(一部市区町村を除く)です。資金使途は自由で、問い合わせは平日9:30〜18:30に受け付けています。
10. アクト・ウィル 不動産担保融資(株式会社アクト・ウィル)

転売用不動産の購入資金や競売物件の代金納付資金など、短期でまとまった資金を必要とする場面に向けて、株式会社アクト・ウィルが用意する不動産担保融資です。同社が扱う8種類の資金調達メニューの1つにあたります。
実質年率は年利8.00%〜15.00%、融資限度額は5,000万円まで(5,000万円以上は要相談)、事務手数料は融資額の1.00%〜3.00%です。担保は不動産で、保証人は不要(法人契約のため代表者の連帯保証があれば原則不要)としています。
返済期間は12ヶ月以内で、書き換えによる継続も可能な短期・反復型の商品設計です。本サービスは法人専用で、個人事業主・フリーランスは利用できません。対象不動産の種類や第2順位抵当の可否は公式に明示がなく、個別の確認が必要です。
不動産以外の資産を担保にする選択肢
不動産を持っていない、あるいは自宅や事業用不動産を担保に入れたくないという場合には、不動産以外の資産を担保にする選択肢もあります。ここでは、暗号資産(ビットコイン・イーサリアムなど)を担保に資金を借りられるサービスを、代替的な選択肢として紹介します。
デジタルアセット担保ローン(Fintertech株式会社)

デジタルアセット担保ローンは、保有するビットコインやイーサリアムを担保に差し入れ、暗号資産を売却せずに日本円または米ドルで資金を借りられる有担保ローンです。担保にするのは不動産ではなく暗号資産で、大和証券グループとクレディセゾンの合弁会社であるFintertech株式会社が運営しています。
実質年率は4.0%〜8.0%で、融資金額が大きいほど低金利になります。担保掛目は50%、融資限度額は200万円〜5億円(事業者向けは500万円から)で、基本契約の締結から最短3営業日で借入金を受け取れます。
返済方式は元利一括返済で、契約期間(1年、延長可)中の毎月の返済・利払いが発生しない点が、毎月元利を返済していく不動産担保ローンとの違いです。担保に入れるのは暗号資産であって不動産ではないため、不動産を持っていない場合や、自宅・事業用不動産を担保に入れたくない場合の選択肢になります。
また、担保にできる不動産がない場合や、借入で負債を増やさずに資金を確保したい場合は、保有する売掛債権(請求書)を期日前に現金化するファクタリングも選択肢になります。担保・保証人が不要で、赤字や債務超過の局面でも利用できる可能性がある資金調達手段です。手数料や入金スピード、買取可能額の比較は以下の記事で解説しています。
諸費用と総額シミュレーション
不動産担保ローンでは、金利以外に初期費用として諸費用がかかります。「結局いくらかかるのか」を把握しておかないと、総支払額の比較を誤ります。主な諸費用は、事務手数料・抵当権設定の登記費用・契約書の印紙税の3つです。
事務手数料は、融資額に対して0〜3%程度(会社によっては5〜6%)が相場です。たとえば融資額1,000万円で手数料率2.2%なら22万円になります。手数料無料をうたう会社もありますが、その場合は金利や保証料で調整されていないかを確認します。
抵当権設定の登記費用は、登録免許税と司法書士報酬で構成されます。抵当権設定登記の登録免許税は、原則として債権金額の0.4%(1,000分の4)です。融資額1,000万円なら4万円、5,000万円なら20万円が目安になります。これに司法書士へ支払う報酬が加わりますが、報酬額は自由化されており事務所ごとに異なるため、見積もりで確認しておきましょう。
契約書の印紙税は、金銭消費貸借契約書に課される税金で、記載金額に応じて決まります。たとえば借入額が1,000万円超5,000万円以下なら2万円、5,000万円超1億円以下なら6万円です。
これらを合わせると、融資額1,000万円のケースでは、事務手数料22万円+登録免許税4万円+司法書士報酬(数万円〜)+印紙税2万円で、おおむね30万円前後の諸費用が初期に必要になる計算です。金利が同じでも諸費用の差で総額は変わるため、必ず諸費用を含めて比較してください。
出典・参考資料(3件)
審査基準と「銀行で断られた場合」の選択肢
不動産担保ローンの審査では、大きく2つの点が見られます。1つは借り手の返済能力(収入・事業の安定性・信用情報)、もう1つは担保不動産の評価(立地・築年数・権利関係・処分のしやすさ)です。無担保ローンが返済能力を中心に見るのに対し、不動産担保ローンは担保評価の比重が高いのが特徴です。
そのため、銀行の審査で否決された場合や希望額に届かなかった場合でも、担保評価を重視するノンバンク系なら融資に至る可能性があります。銀行が敬遠しがちな借地・共有持分・築古物件・再建築不可の物件でも、相談に応じる会社があります。信用情報に一部懸念がある場合でも、担保の価値と返済計画で総合的に判断されます。
ただし、「ノンバンクなら誰でも必ず借りられる」わけではありません。担保評価の結果、申込者の状況、物件の種類や所在地によって結果は変わります。審査を通りやすくするには、返済計画を具体的に示す、提出書類の不備をなくす、担保不動産の資料を整えておくといった準備が有効です。金利の高さと引き換えである点も踏まえ、無理のない借入額にとどめることが大切です。
申込から融資までの流れ
不動産担保ローンは、無担保ローンより手続きの工程が多く、担保評価や登記が挟まります。一般的な流れは次のとおりです。
- 仮審査(事前審査)の申込:借入希望額・担保物件の情報・本人や会社の情報を提出し、借入の見込みを確認します。最短即日で回答する会社もあります。
- 面談・本申込:仮審査を通過したら、必要書類(本人確認書類・収入や決算の資料・不動産の登記事項証明書など)を提出して正式に申し込みます。
- 不動産の調査・担保評価:担保物件の現地調査や評価が行われます。ここで融資可能額が固まります。
- 本審査:返済能力と担保評価をもとに、最終的な融資可否・条件が決まります。
- 契約・抵当権設定:金銭消費貸借契約を結び、担保不動産に抵当権を設定する登記を行います。
- 融資実行:指定口座に融資金が振り込まれます。
実行までの期間は、ノンバンク系で最短翌営業日〜数日、銀行系で数週間〜1か月程度が目安です。急ぎの場合は、仮審査の回答スピードと実行までの日数を事前に確認しておくと安心です。
信頼できる会社の見分け方(正規の貸金業登録の確認)
不動産担保ローンを扱うノンバンクの中には、ごく一部に違法な高金利で貸し付ける業者も存在します。安心して借りるために、申し込む前にその会社が正規の貸金業登録を受けているかを確認しましょう。
貸金業を営むには、財務局または都道府県への登録が法律で義務づけられています。金融庁が提供する「登録貸金業者情報検索サービス」で、会社名や登録番号から正規の登録業者かどうかを検索できます。
会社の公式サイトに記載された貸金業登録番号(「東京都知事(○)第○号」など)が、この検索結果と一致するかを確かめましょう。登録番号のカッコ内の数字は登録の更新回数を表し、数字が大きいほど営業年数が長い目安になります。
あわせて、金利が利息制限法・出資法の上限内か、日本貸金業協会に加盟しているか、会社概要や所在地が明確かも確認の目安になります。極端に好条件をうたう、契約前に手数料を要求するといった業者には注意が必要です。銀行や大手銀行グループのノンバンクは、この点で安心して比較検討できます。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:登録貸金業者情報検索サービス|金融庁(リンク)
まとめ
不動産担保ローンは、保有する不動産を担保にまとまった資金を低金利・長期で調達できる手段です。選び分けの軸はシンプルで、時間に余裕があり金利を最優先するなら銀行系、急ぎ・事業性資金・審査の柔軟性を求めるならノンバンク系が基本です。そのうえで、金利・融資限度額・融資スピード・諸費用・対応エリア・第2順位抵当の可否を、自社の資金使途に照らして比較してください。
金利だけでなく諸費用を含めた総額で見比べ、正規の貸金業登録がある信頼できる会社を選ぶことが、後悔しない借入の条件です。複数社の仮審査を比較して、自社に最も有利な条件を見極めましょう。
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よくある質問(FAQ)
Q. 不動産担保ローンとは何ですか?
A. 不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保に入れて資金を借りる融資商品です。金融機関は担保となる不動産に抵当権を設定し、返済が滞った場合は担保を処分して債権を回収します。
回収の裏づけがあるぶん、無担保のカードローンやビジネスローンに比べて金利が低く、融資限度額が大きく、返済期間も長く設定しやすいのが特徴です。自宅や投資用物件、事業用の土地・建物のほか、家族や法人名義の不動産を担保にできる商品もあります。
Q. 銀行の審査に落ちても、ノンバンクの不動産担保ローンなら借りられますか?
A. 銀行で断られた場合でも、担保評価を重視するノンバンク系なら融資に至る可能性はありますが、誰でも必ず借りられるわけではありません。ノンバンク系は信用情報よりも担保不動産の価値を重視する傾向があり、借地・共有持分・築古物件・再建築不可など、銀行が敬遠しがちな担保でも相談に応じる会社があります。
ただし担保評価の結果や申込者の状況、物件の種類・所在地によって結果は変わります。金利は銀行系より高めになる点も踏まえ、無理のない借入額にとどめることが大切です。
Q. 不動産担保ローンは、住宅ローンが残っている自宅や第2順位の抵当でも借りられますか?
A. 不動産担保ローンは、住宅ローンの残債がある物件や第2順位以降の抵当でも、担保余力の範囲内であれば借りられる会社があります。対応は会社ごとに分かれ、本記事の比較でも第2順位抵当や住宅ローン残債ありに応じる銀行系・ノンバンク系がそれぞれあります。借入可能額は「担保評価額から先順位の残債を差し引いた担保余力」に左右されるため、残債の状況とあわせて各社に確認してください。
Q. 不動産担保ローンの諸費用は総額でいくらかかりますか?
A. 不動産担保ローンの諸費用は、事務手数料・抵当権設定の登記費用・契約書の印紙税が主で、融資額1,000万円ならおおむね30万円前後が目安です。
内訳は、事務手数料が融資額の0〜3%程度(例: 2.2%なら22万円)、抵当権設定登記の登録免許税が債権金額の0.4%(1,000万円で4万円)、印紙税が借入額に応じた定額(1,000万円超5,000万円以下で2万円)で、これに司法書士報酬が別途数万円〜加わります。金利が同じでも諸費用の差で総支払額は変わるため、必ず諸費用を含めて比較してください。
Q. 不動産担保ローンは繰上返済できますか。手数料はかかりますか?
A. 不動産担保ローンの繰上返済手数料は会社ごとに異なり、無料の会社もあれば、返済額に対して数%かかる会社もあります。繰上返済手数料を無料とする銀行系がある一方、繰上返済時に返済額の数%(3%前後)がかかる会社もあります。具体的な料率は各社で異なるため、比較表でご確認ください。
借入期間の途中で完済・借り換えを見込む場合は、この手数料の有無が総コストに効くため、契約前に確認しておくと安心です。
Q. 不動産担保ローンに団体信用生命保険(団信)は付きますか?
A. 不動産担保ローンの団信は、付帯する会社と付帯しない会社に分かれ、住宅ローンのように必ず付くわけではありません。団信は、借入者が死亡または所定の高度障害状態になったときに、保険金で残債が返済される仕組みです。
保険料無料・金利上乗せなしで団信が付帯する銀行系がある一方、団信への加入が不要(付帯なし)の商品もあります。付帯の有無・任意か必須か・金利上乗せの有無は各社で異なるため、各社の公式情報や比較表でご確認ください。
Q. 不動産担保ローンは申込から融資まで何日かかりますか?
A. 不動産担保ローンの融資実行までの期間は、ノンバンク系で最短翌営業日〜数日、銀行系で数週間〜1か月程度が目安です。不動産担保ローンは仮審査・本審査に加えて、担保物件の調査・評価や抵当権設定の登記が挟まるため、無担保ローンより工程が多く時間がかかります。期日の迫ったつなぎ資金などに充てる場合は、仮審査の回答スピードと融資実行までの日数を事前に確認しておきましょう。
Q. 不動産担保ローンは複数社に同時に申し込んでもよいですか?
A. 仮審査(事前審査)の段階であれば、複数社に同時に申し込んでも問題ありません。むしろ複数社の仮審査結果を比べることで、金利や諸費用を含めて最も有利な条件を選びやすくなります。ただし本審査の申込は信用情報に照会履歴が残るため、まずは仮審査で条件を絞り込み、そのうえで本申込に進むのがおすすめです。
Q. 事業性資金として不動産担保ローンを借りる場合、総量規制の対象になりますか?
A. 法人向けの貸付や、居宅などを除く不動産を担保とする貸付は総量規制の対象外で、個人事業者が事業資金として借りる場合も例外扱いで年収の3分の1を超えて借りられます。総量規制は、個人の借入残高を年収の3分の1までに制限する貸金業法の規制です。
法人はそもそも対象外で、居宅等以外の不動産を担保とする貸付は除外貸付として残高に算入されません。また銀行が提供する不動産担保ローンは、銀行が貸金業者ではないためそもそも総量規制の対象外です。まとまった資金を長期で調達しやすいのは、この仕組みによるものです。
Q. 自宅を担保にする不動産担保ローンには、どんなリスクがありますか?
A. 不動産担保ローンの最大のリスクは、返済が滞ると担保に入れた自宅や事業用不動産を競売などで処分される可能性があることです。事業の浮き沈みと生活基盤を切り離せなくなるため、借入額と返済計画は慎重に見極める必要があります。
あわせて、抵当権設定の登記費用や事務手数料などの初期コストが数十万円単位でかかる点、担保評価や本審査に時間を要し当日中の資金化には不向きな点も、借入前に理解しておくべきデメリットです。
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