製造業の経理は、材料費・労務費・製造経費が複雑に絡む原価計算を抱え、汎用の会計ソフトだけでは製品ごとの損益がつかみにくいという悩みが起こりがちです。生産管理や在庫のデータが会計と分かれて管理され、月末に転記作業とミスが発生している現場も少なくありません。
では製造業では、銀行明細の自動取込や自動仕訳が使える汎用クラウド会計で足りるのでしょうか。それとも、工程別・製番別の原価管理や生産管理システムとの連携まで担う、高機能な会計ソフトや基幹業務システム(ERP)が必要なのでしょうか。この見極めが、導入後に「原価が見えるようになったか」を左右します。
本記事では、製造業向けに使える会計ソフト11製品を、製造業の会計処理・原価管理の深さ・生産管理や在庫との連携といった観点で比較・解説します。自社の規模や製造形態に合った候補を、診断ツール・比較表・タイプ別の紹介から見つけるための検討材料としてご活用ください。
目次
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本記事「製造業向け会計ソフト」の対象範囲
本記事は、原価計算・製造原価の把握・生産や在庫データとの連携といった、製造業に特有の会計課題に対応できる会計ソフトに絞って比較します。一般的な仕訳・帳簿・決算の使いやすさを軸に会計ソフト全般を比べたい場合は、業種を限定しない比較記事のほうが候補を広く見渡せます。
製造業といっても、量産で比較的単純な原価構造の中小メーカーと、個別受注生産で製番ごとの原価精度が損益を左右する企業とでは、必要な機能が大きく異なります。本記事では、この幅を踏まえて汎用クラウド会計から個別原価計算・ERPまでを対象に含めています。
まず、自社がどのタイプに向くのか、部門別会計で足りるのか工程別・製番別の原価管理まで必要なのかは、企業規模や製造形態によって変わります。自社に合うタイプとサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
【比較表】製造業向け会計ソフトのタイプ別比較
ここからは、製造業向けに使える会計ソフト11製品を3つのタイプ別に比較します。初期費用・月額料金・対応規模・製造業の原価科目対応・原価管理の深さ・生産管理/在庫連携・部門別会計・インボイス制度/電子帳簿保存法への対応などを一覧にしているので、自社が重視する項目から候補を絞り込めます。
汎用型は部門別会計で製造原価を把握する前提のため、「製造業の原価科目対応」は汎用科目での対応(△)が中心で、製番別・工程別の個別原価まで求める場合は個別原価型・ERPが対象になります。どの列を重く見るかは自社の製造形態で変わるため、迷ったら直後の「判断基準」と、記事後半の「選び方(比較ポイント)」もあわせてご確認ください。
表の対応度の記号は、◎=その領域を中核機能として搭載し深く対応/●=標準機能で対応/△=上位プランや外部連携・汎用科目など条件付き・限定的に対応/×=非対応を表します。各セルのかっこ内に、対応の具体的な中身(対応プラン・連携方式など)を添えています。
中小製造業向け 汎用クラウド会計の比較
| サービス名 | 弥生会計 Next | freee会計 | マネーフォワード クラウド会計 | ジョブカン会計 |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 月額料金 | 約2,900円〜 (エントリー。部門別会計はベーシック 月約4,200円〜) | 2,980円〜 (ひとり法人・年払い税抜) | 2,480円〜 (ひとり法人。部門別会計はビジネスプラン以上) | 2,500円〜 (3ユーザー) |
| 対応規模 | 中小法人 | 個人事業主〜上場企業 | ひとり法人〜中小(〜50名) | 中小企業・個人事業主 |
| 製造業の原価科目対応 | △(汎用科目で対応) | △(汎用科目・タグで対応) | △(汎用科目で対応) | △(汎用科目で対応) |
| 部門別会計 | △(ベーシックプラン以上) | △(タグ機能で分析) | △(ビジネスプラン以上) | ●(部門別集計) |
| 原価管理の深さ | ×(個別原価計算は非対応) | ×(個別原価計算は非対応) | ×(個別原価計算は非対応) | △(プロジェクト・工程別集計) |
| 生産管理・在庫連携 | △(CSV・外部連携) | △(API・外部連携) | △(API・外部連携) | △(CSV・API連携) |
| インボイス・電子帳簿保存法対応 | ● | ● | ● | ● |
| 無料トライアル | 最大3か月 | 30日間 | 1か月 | 30日間 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
内部統制・グループ管理に対応する高機能クラウド会計の比較(中小〜中堅)
| サービス名 | マネーフォワード クラウド会計Plus | 勘定奉行クラウド | PCAクラウド 会計 | TKC FXクラウドシリーズ |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 要お問い合わせ | 0〜70,000円 (エディションによる) | 0円 (イニシャル0プラン) | 要お問い合わせ (会計事務所経由) |
| 月額料金 | 要お問い合わせ (利用ID数に応じる) | 7,750円〜 (Eシステム・税抜) | 19,200円〜 (会計hyper・税抜) | 要お問い合わせ (会計事務所経由) |
| 対応規模 | IPO準備・中堅〜上場 | 小規模〜中小 (中堅以上は奉行V ERP) | 中小〜中堅 | 小規模〜上場企業 |
| 製造業の原価科目対応 | △(汎用科目で対応) | △(汎用科目で対応) | △(汎用科目で対応) | △(汎用科目で対応) |
| 部門別会計 | ●(部門・プロジェクト管理) | ●(部門別管理) | ●(部門・セグメント管理) | ●(部門別業績管理) |
| 原価管理の深さ | △(プロジェクト別集計) | ×(個別原価は個別原価管理編) | ×(個別原価は個別原価会計) | ×(個別原価計算は非対応) |
| 生産管理・在庫連携 | △(公開API・iPaaS) | △(奉行API連携) | △(API・PCAシリーズ連携) | △(販売管理・業務システム連携) |
| インボイス・電子帳簿保存法対応 | ● | ● | ● | ● |
| 無料トライアル | なし (無料相談・見積もり) | 30日間 | 2か月 | 要お問い合わせ |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
個別原価計算・生産管理連携の高機能型/ERPの比較
| サービス名 | PROACTIVE | PCAクラウド 個別原価会計 | 勘定奉行クラウド[個別原価管理編] |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 要お問い合わせ | 0円 | 50,000円〜 (初年度) |
| 月額料金 | 要お問い合わせ | 19,200円〜 (税抜) | 27,500円〜 (iA。iB31,250円〜/iS37,750円〜) |
| 対応規模 | 中堅〜大企業 | 中小〜中堅 (個別受注生産・建設) | 中小〜中堅 (個別受注・建設・プロジェクト型) |
| 製造業の原価科目対応 | ●(生産管理・原価計算を統合) | ●(プロジェクト別個別原価) | ●(プロジェクト別個別原価) |
| 部門別会計 | ●(多軸セグメント管理) | ●(部門管理) | ●(部門管理) |
| 原価管理の深さ | ◎(生産管理MESと会計を一体運用) | ◎(工事進行/完成/原価回収基準・配賦) | ◎(自動配賦・進捗度基準の原価振替) |
| 生産管理・在庫連携 | ◎(生産管理・在庫を統合) | △(PCAシリーズ連携) | △(API・CSV連携) |
| インボイス・電子帳簿保存法対応 | △(要お問い合わせ) | ● | ● |
| 無料トライアル | 要お問い合わせ | 2か月 | 30日間 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は各タイプにおける一般的な機能の傾向です。個別のサービスにおける実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。
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汎用クラウド会計で足りるか、原価管理・生産管理連携型/ERPが必要かの判断基準
製造業向けの会計ソフト選びで最初に迷うのは、使い慣れた汎用クラウド会計で足りるのか、原価管理や生産管理と連携する高機能型・ERPまで必要なのか、という点です。判断は、企業規模・製造形態(個別受注か量産か)・原価管理に求める精度・生産管理や在庫との連携の要否で分かれます。それぞれが向くケースを整理します。
規模と原価管理の深さで見ると、大きく次の3タイプに分かれます。

汎用クラウド会計(製造業対応型)が向くケース
製造原価を部門別・製品グループ別に把握できれば十分で、工程ごとや受注案件ごとの細かな原価は求めない場合は、部門別会計に対応した汎用クラウド会計が向きます。数十名規模の量産型メーカーや、材料費が原価の大半を占める比較的単純な原価構造の企業が該当します。
この型は、銀行明細やクレジットカードの自動取込・自動仕訳、電子帳簿保存法やインボイス制度への標準対応など、経理の日常業務を効率化する機能が充実しています。生産管理や在庫の数値は、CSV取込や外部サービス連携で会計に取り込む運用が中心になります。導入・運用の負担が軽く、月額数千円から始められる製品が多い点も、専任の経理担当が少ない中小製造業に適しています。
原価管理・生産管理連携型/ERP(高機能型)が向くケース
製番別・工程別の個別原価計算や、複数の間接費を作業時間などの基準で振り分ける配賦計算が必要な場合は、原価管理や生産管理と連携する高機能型・ERPが向きます。個別受注生産や多品種少量生産で、案件ごとの採算が経営判断に直結する製造業が典型です。原価の精度が見積や受注の可否を左右するため、財務会計と原価管理を一体で運用できる仕組みが効果を発揮します。
また、複数の工場や子会社を持ち、グループ全体で会計基盤をそろえたい場合や、上場準備で仕訳承認・権限管理などの内部統制を強化したい企業も、この型が候補になります。導入前には、品目マスタや工数記録といった現場の運用が整っているかを確認しておくと、原価管理機能を活かしやすくなります。
この高機能型は、大きく2つに分かれます。1つは部門別会計を軸に内部統制やグループ管理を強化した型(中小〜中堅で会計基盤の堅牢さを求める企業向け)、もう1つは製番別・工程別の個別原価計算まで踏み込む型(個別受注生産で原価精度が損益を左右する企業向け)です。以降のタイプ別紹介と比較表では、この2つを分けて扱います。
生産管理から原価計算・会計までを一つの基盤で動かすERPそのものを、生産形態別に広く比べたい場合は、製造業向けERPに絞った比較記事が候補選びの手がかりになります。
タイプ別 製造業向け会計ソフトの個別紹介
ここからは、上記3タイプごとに、各サービスの機能・料金・特徴・向いている企業を1社ずつ紹介します。診断や判断基準で見当をつけたタイプの中から、自社の要件に合う製品を確認してください。
中小製造業向け 部門別会計で製造原価を管理する汎用クラウド会計
銀行明細の自動取込・自動仕訳に加え、製造業の勘定科目や部門別会計に対応し、製造原価を部門別で把握できるタイプです。生産管理や在庫のデータは外部連携やCSVで補います。数十名規模の量産や、比較的単純な原価構造の中小製造業に向いています。
1. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextは、パッケージ会計ソフトで長年の実績を持つ弥生株式会社が2025年4月に正式リリースした法人向けクラウド会計です。帳簿・決算書の作成に加え、見積・請求書発行、経費精算、証憑管理を1つのサービスに統合し、これらのデータが会計へ自動連携する構成をとります。
銀行・クレジットカードの明細を自動取得してAIが勘定科目を提案し、仕訳を自動化します。製造原価を部門ごとに把握したい場合は、部門管理に対応するベーシックプラン以上が必要です。インボイス制度と電子帳簿保存法にも対応します。
料金は年契約・税抜で、エントリー34,800円、ベーシック50,400円、ベーシックプラス84,000円の3プランです(いずれも年額、2025年4月の正式リリース時点)。1事業者につき1回、最大3か月の無料体験を用意しています。生産・在庫のデータはCSVや外部連携で会計に取り込む運用が前提となるため、比較的単純な原価構造の中小製造業に向きます。
2. freee会計(フリー株式会社)

簿記の知識が浅くても使える設計を掲げるクラウド会計が、フリー株式会社のfreee会計です。質問に答える形の記帳やAIによる自動仕訳を軸に、取引データの取得から決算書作成までを同一のプラットフォームで完結できます。
銀行・クレジットカード・POSレジなど1,000を超える金融機関・サービスと連携し、明細を自動で取り込みます。電子帳簿保存法(JIIMA認証取得)とインボイス制度に対応。部門別の損益はタグ機能で分析でき、予実管理はアドバンス・エンタープライズで利用できます。
法人向けは2024年7月改定の5プラン構成です。料金は年払い時の月額・税抜で、ひとり法人2,980円、スタンダード8,980円、アドバンス39,780円(スターター以上は従量課金が別途)、エンタープライズは要問い合わせです。個人事業主から上場企業までを対象とし、成長段階に応じてプランを上げていけます。
製造業では、部門タグや取引先タグを使って製造部門の費用や製品グループ別の損益を分けて把握する使い方が中心になります。仕掛品や製造原価を専用の原価科目で細かく積み上げる用途には向かないため、量産中心で比較的単純な原価構造の中小メーカーに適しています。生産管理・在庫のデータはAPI連携やCSVで取り込みます。
3. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計は、ひとり法人から50名規模までを想定した株式会社マネーフォワードの標準版クラウド会計です。複式簿記を前提に、勘定科目を自分で設定する自由度が高く、経理の実務経験がある担当者が細かく運用したい場合に向きます。
2,300以上の金融関連サービスと連携して明細を自動取得し、AIが勘定科目を提案します。部門・案件別の損益分析は上位のビジネスプランで対応し、部門ごとの製造原価の把握はこのプランが前提です。証憑をAI-OCRで読み取る機能も備え、月100件を超えると1件20円(税抜)の従量課金が発生します。
料金は2025年6月改定後の体系で、月払いはひとり法人3,980円、スモールビジネス5,980円、ビジネス7,980円の3プランです(いずれも税抜)。ビジネスプランは4名以上が1名月300円の従量課金です。請求書・経費・給与などのクラウドシリーズと同一基盤で連携し、インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応します。
製造業では、部門別会計を使って製造部門ごとの原価や製品グループ別の損益を把握する使い方が中心です。部門別会計はビジネスプラン以上で利用できます。工程別・製番別の個別原価計算までは行わないため、部門単位で製造原価を管理できれば足りる中小製造業に向きます。生産管理・在庫のデータはAPI連携やCSVで会計へ取り込みます。
4. ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

勤怠・給与・経費精算などのジョブカンシリーズを展開する株式会社DONUTSが提供するクラウド会計が、ジョブカン会計です。パッケージソフトの操作性を引き継いだキーボード中心の入力と、タブ表示による複数帳簿の同時閲覧を特徴とします。
試算表は月次・期間・年間推移・前年比較で確認でき、部門別の集計に対応します。2025年3月に追加されたプロジェクト管理機能では、仕訳ごとにプロジェクトを紐づけ、プロジェクト比較・工程比較で案件や工程別の数値を集計できます。銀行・カード明細の自動取込、インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応します。
料金はアカウント単位の課金で、スタートアップ2,500円(3ユーザー)、ビジネス5,000円(5ユーザー)、エンタープライズ50,000円(ユーザー数上限なし)の月額制です(2026年6月時点の確認値)。30日間の無料トライアルを提供します。証憑のAI-OCR・AI仕訳は有償オプション「ジョブカン証憑管理」で利用でき、中小企業や個人事業主を主な対象とします。
内部統制・グループ管理に対応する高機能クラウド会計(中小〜中堅)
部門別・セグメント別の業績管理に加え、仕訳承認や権限管理などの内部統制、グループ・多拠点への対応まで備えたタイプです。中小〜中堅の製造業で、部門別に製造原価を把握しつつ、内部統制やグループ管理、上場準備にも耐える会計基盤を求める場合に向いています。製番別・工程別の個別原価計算までは、次の個別原価・ERP型が担います。
5. マネーフォワード クラウド会計Plus(株式会社マネーフォワード)

IPO準備や上場を見据えた中堅企業に向けて、株式会社マネーフォワードが2020年に提供を開始した会計システムです。中小企業向けの「マネーフォワード クラウド会計」とは別製品の上位版で、銀行明細やクレジットカードの自動取得・自動仕訳といった自動化を引き継ぎつつ、内部統制の機能を加えています。
仕訳承認フロー・権限設定・操作ログ(仕訳更新履歴)・月次締めといった内部統制機能を備え、紙ベースの承認プロセスを画面上で完結できます。監査法人と会計システムを共有し、証憑の電子添付や遠隔での監査手続きにも対応します。
経費精算・給与計算・債権管理・請求書など同社クラウドシリーズと同一基盤で連携するほか、公開APIやiPaaSで既存システムともつなげます。料金は利用ID数に応じた要見積もり方式で、監査法人や税理士法人など外部共有用のアカウントもIDに数えられます(公式料金ページ、2026年6月時点)。導入実績は1,000社以上で、無料トライアルはなく無料見積もり・オンライン相談を受け付けています。
6. 勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

株式会社オービックビジネスコンサルタントの基幹業務システム「奉行シリーズ」に属するクラウド会計で、現行世代の正式名称は勘定奉行iクラウドです。金融機関の入出金明細や領収書・Excelデータからの学習で伝票起票を自動化し、標準で50種を超える帳票を備えます。
部門・補助科目・取引先などの軸で試算表を集計する部門別管理に対応し、給与奉行・固定資産奉行・申告奉行・債権債務奉行など同社製品とデータ連携できます。電子帳簿保存法はJIIMA認証4種を取得し、インボイス制度にも対応します。
製品系列上は小規模〜中小企業向けに位置づけられており、中堅・グループ・上場企業向けには上位のSaaS型ERP「奉行V ERPクラウド」が別に用意されています。料金は年額制で、最小構成のEシステムが年額93,000円から(税抜、月額換算7,750円から)、初期費用はエディションにより0〜70,000円です(公式料金ページ、2026年6月時点)。30日間の無料お試しを利用できます。
7. PCAクラウド 会計(ピー・シー・エー株式会社)

老舗の会計ソフト「PCA会計」をクラウド化した財務会計システムで、ピー・シー・エー株式会社(東証プライム上場)が提供します。日常の伝票入力から元帳・試算表・決算書、経営分析帳票までを作成でき、標準グレードの「PCAクラウド 会計」と、中堅企業向け上位グレードの「PCAクラウド 会計 hyper」に分かれます。
上位のhyperでは、複数会社を企業グループとして登録する合算領域・子会社領域の作成、事業別・地域別のセグメント管理、部門の階層管理に対応し、複数子会社を持つ親会社の管理用途を想定しています。仕訳の承認機能や予算管理を備えるため、担当者が入力し責任者が確認する運用にも合います。
提供基盤はデータセンター版・on AWS版・サブスク版から選べます。電子帳簿保存法はJIIMA認証を取得し、インボイス制度にも対応します(電子インボイスは関連製品との併用が前提)。会計 hyper単体の料金は月額19,200円から(税抜、公式料金ページ、2026年9月時点)で、初期費用0円のプランと2か月の無料体験が用意されています。
グループの会計基盤を統一することが月次決算のスピードにどう表れるかについて、提供元のピー・シー・エー株式会社は、製造業の導入事例を次のように説明しています。

関西最大手の業務用パンメーカーであるオリエンタルベーカリー様の事例をご紹介します。同社はグループ企業を含めたバックオフィスの効率化を目指し、『PCAクラウド』を中心としたシステム刷新を実施されました。導入前は、グループ企業のデータ集計や確認作業に膨大な時間がかかり、月次決算が大幅に遅れていました。経営状況をリアルタイムに把握できないことが課題だったのです。導入後は、グループ全体の会計データをクラウドでリアルタイムに一元化・連携したことで、月次決算の期間を11日間短縮することに成功しました。これにより月初7営業日以内にグループ全体の正確な経営状況を可視化できるようになり、経営陣の意思決定スピードが大きく向上しています。
8. TKC FXクラウドシリーズ(株式会社TKC)

全国の税理士・公認会計士で構成されるTKC全国会の会計事務所による月次巡回監査とセットで利用することを前提に、株式会社TKCが提供するクラウド会計システム群です。市販はされておらず、TKC会員の会計事務所を介して導入する仕組みが、汎用のクラウド会計ソフトとの構造的な違いです。
対象規模に応じて、小規模のFXまいスタークラウドから、中小のFX2クラウド、中堅・上場準備企業向けで内部統制・牽制に対応するFX4クラウド、連結決算や外貨別取引管理に対応する上場企業向けのFX5クラウドまで揃います。FX4クラウドでは、独立受託会社監査人の保証報告書を無償で提供します。
限界利益を軸にした365日変動損益計算書や部門別・得意先別の業績確認、証憑保存機能(電子帳簿保存法のJIIMA認証取得)を備え、領収書等をAI-OCRで読み取るオプションも選べます。決算書が適時に記帳されたことを株式会社TKCが第三者として証明する記帳適時性証明書や、財務情報を金融機関へ開示するTKCモニタリング情報サービスも利用できます。
料金は会計事務所との顧問契約に紐づくため公表されておらず、導入時は会員事務所への問い合わせが必要です(公式サイトに料金記載なし、2026年6月時点)。
個別受注・多品種製造向け 個別原価計算と生産管理に対応する高機能型/ERP
製番別・工番別や工程別の個別原価計算、配賦、生産管理や在庫との連携までを会計と一体で担うタイプです。個別原価に特化したエディションや、ERPに組み込まれた会計モジュールが含まれます。個別受注生産や、原価精度が損益を左右する製造業に向いています。
これらの製品は、必要な機能や連携の範囲が企業ごとに大きく異なるため、詳細な仕様や料金は公式サイトや個別相談で確認するのが一般的です。導入前に、自社の製番・工程の管理方法や既存の生産管理システムとの連携要件を整理しておくと、比較検討を進めやすくなります。
9. PROACTIVE(SCSK株式会社)

SCSK株式会社が1993年からERPパッケージとして提供する、国産の統合型ERPです。財務会計・管理会計に加え、人事給与、販売・購買・在庫管理、生産管理(MES)までを1系統でカバーし、生産現場のデータと会計処理を同じ基盤で扱えます。
提供形態はSaaS・オンプレミス・IaaS、および業務領域ごとに使い分けるハイブリッド導入から選べます。法改正対応が頻繁な会計・人事給与はSaaS、業界固有の要件が強い販売・生産管理はオンプレミスという組み合わせを公式が推奨しています。導入実績は製品系譜全体の累計で7,500社超(2026年時点の公式トップ記載)です。
料金は初期費用・月額とも個別見積で、公表された定価はありません(2026年7月時点、要お問い合わせ)。中堅〜大企業の基幹システム刷新を主な対象とする価格帯で、生産管理と会計を一体で運用したい規模の製造業に向きます。
10. PCAクラウド 個別原価会計(ピー・シー・エー株式会社)

「プロジェクト」マスタを核に、案件・受注ロット・プロダクト・工番といった単位で原価を集計できる、ピー・シー・エー株式会社のクラウド会計です。財務会計処理とプロジェクト別の個別原価計算を、同じクラウド上で完結します。
原価計算基準は工事進行基準・工事完成基準・原価回収基準から選択でき、受注生産業から建設業まで対応します。仕掛品から完成への振替や共通費の配賦を自動処理し、プロジェクトごとに予算を登録すれば、請負金額からの予想利益や原価予算残高を入力と同時に確認できます。
料金は初期費用0円、月額19,200円(税抜)から(公式記載、2026年9月時点)で、2か月の無料体験プログラムが用意されています。個別受注生産や案件型ビジネスの中小〜中堅企業が主な対象です。
11. 勘定奉行クラウド[個別原価管理編](株式会社オービックビジネスコンサルタント)
![勘定奉行クラウド[個別原価管理編]公式サイトのスクリーンショット](https://i0.wp.com/wpcatalog.cryptobk.jp/wp-content/uploads/2026/09/kanjo-bugyo-cloud-kobetsu-genka-sitecapture.png?resize=1200%2C517&ssl=1)
勘定奉行クラウドの自動仕訳・証憑連携の基盤に、プロジェクト(案件)単位の原価管理を載せたエディションです。株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供し、Microsoft Azure 上で稼働します。
請負金額・進捗・予定期間をプロジェクト単位で一元管理し、プロジェクト別原価報告書を自動出力します。報告書には入金・粗利の情報が統合され、案件の採算を同一画面で確認できます。労務費の計上、設定基準に基づく間接費の自動配賦、進捗度を基準とした原価振替まで自動化されます。
料金は3つのシステム構成から選べます。基本機能のiAシステムが月額27,500円(年額330,000円、初期費用50,000円)から、多角的分析機能付きのiBシステム、管理会計機能付きのiSシステムと段階が上がります(公式料金ページ、2026年9月時点)。30日間の無料体験があります。
製造業の会計・経理が抱える課題(原価計算・生産/在庫管理との連携)
製造業向けの会計ソフトを選ぶ前に、製造業の経理に特有の課題を整理します。汎用的な会計ソフトだけでは対応が難しい背景を押さえると、比較すべき機能が明確になります。
原価計算が複雑で損益が見えにくい(材料費・労務費・製造経費の集計と配賦)
製造業では、仕入や販売の記帳だけでなく、製品を作るためにかかった原価を集計する必要があります。原価は材料費・労務費・製造経費に分かれ、複数の製品や工程にまたがる間接費は、何らかの基準で各製品に振り分ける配賦という処理が欠かせません。この集計と配賦が煩雑なため、製品ごとの本当の損益が見えにくくなります。
販売管理や生産管理の数値を手作業で会計に転記していると、集計に時間がかかるうえ入力ミスも起こります。結果として、原価が確定するのが月末や翌月にずれ込み、値上げ交渉や不採算品の見直しといった経営判断が後手に回りやすくなります。
製造原価報告書と原価計算の構造(原価計算の基礎)
製造業の原価は、企業会計審議会が公表した原価計算基準において、消費される財貨や用役の種類にもとづき「材料費・労務費・経費」の3つ(原価の三要素)に分類されています。
材料費とは、物品の消費によつて生ずる原価をいい〔…〕
出典:原価計算基準 第八 製造原価要素の分類基準(一)形態別分類|企業会計審議会
労務費とは、労働用役の消費によつて生ずる原価をいい〔…〕
経費とは、材料費、労務費以外の原価要素をいい〔…〕
これら3要素を集計して当期の製品製造原価を計算し、その内訳を一覧にしたものが製造原価報告書(製造原価明細書とも呼ばれます)です。上場企業など金融商品取引法にもとづく開示を行う会社は、財務諸表等規則により当期製品製造原価の内訳を記載した明細書を損益計算書に添付することが求められます。

非上場の中小製造業に法律上の作成義務はありませんが、製品別の採算を把握したり、金融機関へ経営状況を説明したりするために任意で作成するのが一般的です。
出典・参考資料(1件)
生産管理・在庫データと会計が分断され転記の手間とミスが多い
製造現場では、生産管理システムや在庫管理システムに、製造数量・仕掛品・材料の受払といったデータが蓄積されています。これらが会計ソフトと連携していないと、担当者が数値を目視で拾って仕訳を起こすことになり、二重入力の手間と転記ミスが発生します。
とくに月次の棚卸資産(仕掛品・製品在庫)の評価は、原価計算の結果と直結するため、現場データと会計のずれがそのまま損益の誤差になります。生産・在庫と会計をつなぐ仕組みがあるかどうかは、経理の負担と数字の正確さを大きく左右します。
製造業向け会計ソフトを導入するメリット
製造業に対応した会計ソフトを導入すると、原価計算や現場連携の課題がどう解消されるのかを、実務の効果に沿って整理します。
正確な原価計算で製品別・案件別の損益が見える
原価科目や配賦計算に対応した会計ソフトを使うと、材料費・労務費・製造経費を製品や受注案件ごとに集計でき、どの製品が利益を生み、どの案件が赤字かを数字で把握できます。勘や経験に頼っていた採算判断を、実際の原価データにもとづく判断へ切り替えられます。
入力・転記の工数を削減し属人化を防ぐ
銀行明細の自動取込や、生産・販売データの連携により、手作業の仕訳入力と転記が減ります。経理の作業がソフト上の記録として残るため、特定の担当者しか処理内容を把握していないという属人化の解消にもつながります。担当者の異動や退職があっても、業務を引き継ぎやすくなります。
生産管理・在庫データとの連携で経理と現場をつなぐ
生産管理システムや在庫管理システムと連携できる会計ソフトなら、製造数量や材料の受払、仕掛品の状況が会計へ反映され、月次決算のスピードが上がります。現場が入力したデータがそのまま原価計算の基礎になるため、経理と製造現場が同じ数字を見ながら改善に取り組めます。
インボイス制度・電子帳簿保存法にスムーズに対応できる
クラウド会計ソフトの多くは、法令改正への対応をアップデートで反映します。令和5年10月1日から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)では、仕入税額控除を受けるために適格請求書の発行や登録番号の管理が必要になりますが、対応した会計ソフトを使えば請求書の発行や記帳の要件を満たしやすくなります。
出典・参考資料(1件)
また電子帳簿保存法では、注文書や請求書などをメールやWebでやり取りする電子取引について、そのデータを電子のまま保存することが所得税法・法人税法上の保存義務者に求められます。会計ソフトの電子取引データ保存機能を使えば、書類を紙に出力して保管する手間なく、法令の要件に沿った保存を進められます。
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電子帳簿保存法そのものの保存要件や、対応するメリット・導入時に押さえるポイントをもう少し詳しく確認したい場合は、以下の記事で整理しています。
製造業向け会計ソフトの選び方(比較ポイント)
比較表や個別紹介で候補を絞り込む際に、製造業ならではの視点で確認したい5つのポイントを解説します。自社の製造形態や規模に当てはめながら読み進めてください。
製造業の会計処理・原価科目に対応しているか
まず、製造業の会計処理に必要な勘定科目や集計に対応しているかを確認しましょう。具体的には、材料費・労務費・製造経費といった原価科目や、仕掛品・製品といった棚卸資産の勘定を扱え、製造原価報告書に相当する集計が出せるかどうかが目安です。汎用会計ソフトでも、部門別会計を使えば製造部門の原価を分けて把握できる製品があります。
自社が製品別・部門別のどの粒度で原価を見たいかを先に決めると、必要な対応範囲が判断しやすくなります。
原価管理(個別原価・工程別原価・配賦)の深さは十分か
次に、求める原価管理の深さと製品の機能が合っているかを見ます。量産で製品グループ別の原価が分かれば足りるのか、個別受注で製番ごとの原価を積み上げたいのか、工程別に原価を把握して工程改善につなげたいのかによって、必要な機能が変わります。間接費を作業時間や機械稼働時間で振り分ける配賦の設定ができるか、実際原価と標準原価を比較できるかも、原価精度を求める企業では重要な分岐点です。
汎用会計の部門別集計で足りなければ、個別原価計算に対応したエディションやERPが選択肢になります。
生産管理・在庫管理と連携できるか
生産管理システムや在庫管理システムと会計を連携できるかは、経理の工数と数字の正確さに直結します。連携の方法には、同一ベンダーの製品どうしを内部で結ぶ形、APIで外部システムとデータをやり取りする形、CSVで取り込む形があります。リアルタイムでの反映が必要か、月次でまとめて取り込めば足りるかを整理し、既存の生産管理・在庫管理システムと無理なくつながる連携方式を持つ製品かを見極めましょう。
現場の運用を大きく変えずに済む連携形態を選ぶと、定着しやすくなります。
自社規模・製造形態(個別受注/量産)に適合するか
会計ソフトには、想定する企業規模や利用人数の目安があります。数名の経理で運用する中小メーカーと、複数拠点で多人数が同時に使う中堅企業とでは、適した製品が異なります。個別受注生産か量産か、単一工場か複数工場かといった製造形態も、必要な原価管理やグループ管理の機能に影響します。
将来の増員や拠点拡大を見込むなら、上位プランへの移行やユーザー追加のしやすさもあわせて確認しておくと、乗り換えの手戻りを避けられます。
サポート体制・製造業での導入実績は十分か
原価計算や生産連携の設定は、導入時につまずきやすい部分です。導入支援や運用サポートの範囲、製造業での導入実績、会計事務所や販売パートナーによる支援を受けられるかも確認しておきたい点です。とくに個別原価計算やERPは、自社の製造プロセスに合わせた初期設定の巧拙が使い勝手を左右するため、同業種での導入経験が豊富なサポートを受けられるかどうかが、導入後の定着に効いてきます。
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まとめ
製造業向けの会計ソフトは、自社の規模と原価管理に求める深さで選ぶのが基本です。部門別に製造原価を把握できれば足りる中小製造業は、自動仕訳や法令対応が充実した汎用クラウド会計が有力な候補になります。内部統制やグループ管理まで求める中堅企業は高機能クラウド会計、製番別・工程別の個別原価計算や生産管理との連携が必要な企業は、原価管理特化型やERPが向きます。
迷ったときは、診断ツールで自社に合うタイプの目星をつけ、比較表とタイプ別の個別紹介で候補を絞り込むと効率的です。気になるサービスは資料を取り寄せ、原価計算や生産・在庫連携が自社の製造プロセスに合うかを具体的に確かめたうえで導入を検討してください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 製造業の原価計算とは何ですか?
製造業の原価計算とは、製品の製造にかかった費用を材料費・労務費・製造経費の3つ(原価の三要素)に分けて集計し、製品ごとの原価を計算する手続きです。これら3要素には、複数の製品や工程にまたがる間接費が含まれ、それらを作業時間などの一定の基準で各製品に振り分ける「配賦」という処理が必要になります。
この集計と配賦が煩雑なため製品別の損益が見えにくくなりますが、原価科目や配賦に対応した会計ソフトを使えば計算を自動化し、製品別・案件別の採算を数字で把握できます。
Q. 製造業向け会計ソフトは、汎用クラウド会計と高機能型・ERPのどちらを選べばよいですか?
製造業向け会計ソフトは、製造原価を部門別・製品グループ別に把握できれば足りるなら汎用クラウド会計、製番別・工程別の個別原価計算や生産管理との連携まで必要なら高機能型・ERPが向きます。数十名規模の量産型メーカーや、材料費が原価の大半を占める比較的単純な原価構造の企業は、自動仕訳や法令対応が充実し月額数千円から始められる汎用クラウド会計で日常業務を効率化できます。
一方、個別受注生産で案件ごとの採算が経営判断に直結する企業や、複数工場・上場準備で内部統制やグループ管理が求められる企業は、財務会計と原価管理を一体で運用できる高機能型・ERPが候補になります。
Q. 製造業向け会計ソフトで個別原価計算に対応するにはどうすればよいですか?
個別原価計算に対応するには、製番・工番・プロジェクトといった単位で原価を集計できる、個別原価計算対応のエディションやERPを選ぶ必要があります。汎用クラウド会計の部門別会計では部門やグループ単位までの集計にとどまり、受注案件ごとの原価の積み上げまではカバーしきれないためです。
個別原価型の製品では、材料費・労務費の案件別計上、間接費の配賦、仕掛品から完成品への振替などを自動処理でき、案件ごとに登録した予算と実績を比較して採算を確認できます。
Q. 製造原価報告書は中小の製造業でも作成しなければなりませんか?
製造原価報告書は、上場企業など金融商品取引法にもとづく開示を行う会社には財務諸表等規則により損益計算書への添付が求められますが、非上場の中小製造業に法律上の作成義務はありません。ただし、製品別の採算を把握したり、金融機関へ経営状況を説明したりするために、管理目的で任意に作成するのが一般的です。原価科目や部門別会計に対応した会計ソフトを使えば、製造原価報告書に相当する集計を自動で出力できます。
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Q. 製造業向け会計ソフトは生産管理・在庫管理システムと連携できますか?
製造業向け会計ソフトは、同一ベンダー製品どうしの内部連携・APIによる外部システム連携・CSVでの取り込みといった方式で、生産管理システムや在庫管理システムと連携できます。
連携方式は製品によって異なります。製造数量・仕掛品・材料の受払といったデータをリアルタイムで反映したいのか、月次でまとめて取り込めば足りるのかを整理しましょう。そのうえで、既存の生産管理・在庫管理システムと無理なくつながる方式を持つ製品を選ぶと、現場の運用を変えずに導入できます。生産・在庫と会計がつながると、転記の手間とミスが減り、月次決算のスピードも上がります。
Q. 製造業の原価計算はエクセルでも管理できますか?
製造業の原価計算は、取扱品目や工程が限られていればエクセルでも管理できますが、品目や間接費が増えると集計・配賦が煩雑になり、計算ミスや月次の遅れが生じやすくなります。とくに生産管理や在庫のデータを手作業で転記していると、二重入力の負担が大きく、原価の確定が翌月にずれ込んで経営判断が後手に回りがちです。
原価計算に対応した会計ソフトなら、自動計算とデータ連携で原価をリアルタイムに近い形で把握でき、担当者しか処理を把握していないという属人化も防げます。
Q. 製造業向け会計ソフトはインボイス制度や電子帳簿保存法に対応していますか?
多くのクラウド会計ソフトは、インボイス制度(適格請求書等保存方式)と電子帳簿保存法に標準で対応しており、法令改正の内容もアップデートで反映されます。インボイス制度では仕入税額控除のために適格請求書の発行や登録番号の管理が必要で、電子帳簿保存法では注文書・請求書などの電子取引データを電子のまま保存することが求められますが、対応した会計ソフトを使えばこれらの要件を満たしやすくなります。
導入前には、電子取引データ保存機能やJIIMA認証の取得状況を確認しておくと安心です。
Q. 製造業向け会計ソフトの料金の目安はどのくらいですか?
製造業向け会計ソフトの料金は、汎用クラウド会計なら月額数千円(年額3〜8万円台)から、個別原価計算に対応する高機能型なら月額2万円前後から、生産管理まで含むERPは個別見積もりが目安です。具体的には、部門別会計に対応する汎用型は年額3万円台〜8万円台、個別原価に対応するクラウド会計は月額19,200円(税抜)から、統合型ERPは要問い合わせと幅があります。
料金だけでなく、初期費用の有無・ユーザー数や証憑読み取りの従量課金・無料体験の有無まで含めて、自社の規模と必要な原価管理の深さに見合うかを確認するとよいでしょう。
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MCB FinTechカタログでは、製造業向けに使える会計ソフトの最新資料を無料で一括ダウンロードできます。初期費用、月額費用、製造業の原価科目対応、原価管理(個別原価・工程別・配賦)、生産管理・在庫連携、部門別会計、インボイス・電子帳簿保存法対応、対応規模、サポート内容、導入事例など、比較に必要な情報をすばやく把握できます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















