資金繰りに悩む中で「ファクタリング」を調べていると、審査が甘い・即日現金化をうたう業者が数多く見つかります。その中に、ファクタリングを装いながら実態は違法な高金利貸付を行う闇金業者が紛れていることをご存じでしょうか。
正規のファクタリングは、売掛債権を売買して資金を調達する合法的な手段です。一方で、契約の形だけをファクタリングに見せかけ、実質は無登録の貸付を行う「偽装ファクタリング」や「給与ファクタリング」は、貸金業法や出資法に違反する違法行為にあたります。両者は契約書の見た目が似ているため、申し込む前に自分で見分けられるかどうかが、被害を避ける分かれ目になります。
本記事では、ファクタリングを装う闇金・偽装業者を見分けるための具体的なチェックポイントを、「なぜそれが違法のサインなのか」という法的な理由とあわせて解説します。給与ファクタリングの違法性、実際に裁判で違法と判断された事例、被害に遭ったときの相談窓口、そして安心して使える正規のファクタリング会社の選び方まで整理しました。目の前の業者が安全かどうかを判断するための材料としてご活用ください。
目次
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ファクタリングは闇金なのか?正規ファクタリングと闇金・偽装ファクタリングの違い
まず前提として、ファクタリング会社そのものが闇金というわけではありません。正規のファクタリングは合法的な資金調達手段であり、違法なのは「ファクタリングを装った闇金(偽装ファクタリング)」です。両者がどう違うのかを最初に整理します。

正規ファクタリングが合法な理由
正規のファクタリングは、企業が保有する売掛債権(請求書などの代金を受け取る権利)をファクタリング会社に売却し、入金期日より前に現金化する取引です。お金を借りるのではなく債権を売買する仕組みのため、法律上は「貸付け」ではなく債権譲渡にあたります。
債権を譲り渡せることは、民法でも認められています。
債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
出典:民法 第466条第1項|e-Gov法令検索
債権の売買である以上、正規のファクタリングには貸金業の登録は不要で、貸付けに課される利息制限法や出資法の上限金利も直接は適用されません。手数料の水準に法律上の上限が定められていないのはこのためです。裏を返すと、この「貸付けではない」という建前を悪用し、実態は高金利の貸付なのにファクタリングを装う業者が現れる余地が生まれます。
偽装ファクタリングとは?闇金がファクタリングを装う理由
偽装ファクタリングとは、契約の形式だけをファクタリングに見せかけ、実態は貸付けを行う手口です。業界団体である日本貸金業協会は、その実態を次のように説明しています。
「偽装ファクタリング」とは、高額な手数料を差し引き、売掛債権の買い取り代金を支払うものの、正規の債権売買でないことから、買主が回収リスクを負わず、債権回収できない場合は買戻しを行わせるもので、実態は貸付けです。貸金業の登録がされていない無登録業者のヤミ金融です。
出典:悪質な金融業者にご注意!|日本貸金業協会
闇金がファクタリングを装うのは、無登録での貸付という違法行為を「債権の売買」という合法的な取引に見せかけ、貸金業登録や金利規制を逃れるためです。しかし後述するとおり、契約書の文言がどうであれ、取引の実態が貸付けと認められれば貸金業法や出資法の規制対象となります。
ファクタリングを装う闇金・偽装業者の見分け方チェックリスト
ここからは、目の前の業者が安全かどうかを自分で判断するためのチェックポイントを解説します。それぞれ「なぜそれが違法・危険のサインなのか」という理由もあわせて示すので、当てはまる項目が多いほど慎重な判断が必要です。
まず、危険なサインを一覧で確認しましょう。以下に1つでも当てはまる場合は、契約を急がず慎重に見極める必要があります。
- 手数料が相場からかけ離れて高い、または不自然に安い
- 償還請求権あり(買戻し)を求めてくる
- 分割返済や支払いの繰り延べを認める
- 契約書・見積書を出さない、説明が曖昧
- 会社情報が不明、対面を避ける、現金を手渡ししようとする
- 担保・保証人・過剰な個人情報を要求する
- 貸金業登録が確認できないのに、実質的な貸付けを行っている
それぞれのサインについて、なぜ危険なのかを順に解説します。会社情報や登録の有無は申し込む前に確認でき、償還請求権や分割返済の可否は契約書・見積書を取り寄せて確認できます。
手数料が相場からかけ離れて高い、または不自然に安い
正規のファクタリングでも手数料には幅があります。取引先に知らせず自社と業者だけで契約する2者間ファクタリングは手数料が高めで、取引先の承諾を得て契約する3者間ファクタリングは低めになる傾向があります。本記事の後半で紹介する正規サービスでも、公表されている手数料はおおむね1%〜10%程度です。
これに対し、金利に換算すると年利数百%にもなるような法外な手数料を求める業者は、ファクタリングを装った違法な貸付けの疑いが濃厚です。逆に、相場より極端に安い料率を示して契約を急がせ、後から不明瞭な費用を上乗せする手口もあるため、安さだけで飛びつくのも危険です。
ただし注意したいのは、手数料の高さだけでは違法とは言い切れない点です。正規のファクタリングは貸付けではないため、利息制限法や出資法の上限金利は直接適用されません。手数料は他のサインと組み合わせて、取引の実態が貸付けにあたらないかで判断する必要があります。
仮に取引が実質的な貸付けと認められれば、業として貸付けを行う場合の金利の上限は年20%で、超えると刑事罰の対象になります(年109.5%を超えるとさらに重い罰則が科されます)。
償還請求権あり(買戻し)を求めてくる
正規のファクタリングは、売掛先が倒産して売掛金を回収できなくなっても、利用者が支払った代金を返す必要のない「ノンリコース(償還請求権なし)」が原則です。売掛先の未回収リスクをファクタリング会社が引き受けるからこそ、債権の売買として成立します。
これに対し、売掛先が支払わなかったときに利用者へ買戻しを求める「償還請求権あり(ウィズリコース)」の契約は、未回収リスクを利用者に負わせるもので、実質的にお金を貸して返済させる貸付けに近づきます。契約時に買戻し条項や償還請求権の有無を必ず確認しましょう。契約書に「ノンリコース」と書かれていても安心はできず、その理由は後述の判例で説明します。
分割返済や「支払いの繰り延べ」を認める
ファクタリングは債権の売買であり、融資ではないため「返済」という概念がそもそも存在しません。それにもかかわらず「分割で支払える」「今月は手数料だけでよい」といった返済の繰り延べ(ジャンプ)に応じる業者は、実態が貸付けである可能性が高いといえます。
分割での支払いを認められるのは、貸金業の登録を受けた貸金業者に限られます。ファクタリングを名乗りながら分割返済を持ちかける時点で、貸金業法に抵触する疑いがあります。
契約書・見積書を出さない、説明が曖昧
手数料の内訳や契約条件を書面で示さず、口頭でのやり取りだけで契約を進めようとする業者には注意が必要です。証拠を残したくない業者ほど、契約書や見積書の交付を渋り、質問をはぐらかす傾向があります。
契約前に手数料の総額・買取額・入金日などの条件を書面で確認できるかどうかは、業者の透明性を測る基本的な指標です。あとで「聞いていない費用」を請求されるトラブルを避けるためにも、書面での明示を求めましょう。
会社情報が不明、対面を避ける、現金を手渡ししようとする
法人名・代表者名・所在地・固定電話・設立年などの会社情報が公式サイトで確認できない業者は避けるべきです。連絡手段が携帯電話やSNSのみ、事務所の所在がマンションの一室で不明瞭といった場合も、正規の事業者としての実態が疑わしくなります。
また、対面や本人確認を不自然に避けたり、資金を銀行振込ではなく現金で手渡ししようとしたりする業者にも警戒が必要です。取引の記録が残らないようにする手口で、後から実態を追いにくくするためと考えられます。
担保・保証人・過剰な個人情報を要求する
ファクタリングは売掛債権の売買であり、原則として担保や保証人を必要としません。担保や連帯保証人を求めてくる場合は、取引の実態が貸付けである疑いが強まります。
加えて、銀行口座の暗証番号やインターネットバンキングのID・パスワード、家族や勤務先の連絡先、通帳や身分証の写真など、取引に不要な過剰な個人情報を求める業者にも注意してください。取り立てや不正利用に悪用されるおそれがあります。
貸金業登録が確認できない
実質的に貸付けを行う業者は、本来であれば貸金業の登録が必要です。無登録でお金を貸す業者は、それだけで違法なヤミ金融にあたります。業者名やサイトに記載された登録番号は、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で照合できます。
ここで注意したいのは、正規のファクタリングは債権の売買なので、そもそも貸金業登録が不要な点です。したがって「検索して出てこない=闇金」と単純には言えません。分割返済や買戻しを求めるなど、これまで挙げた貸付けの疑いがあるサインを示す業者が無登録の場合に、違法な貸付けの可能性が強まります。
出典・参考資料(1件)
給与ファクタリング(給与前借り)はほぼ違法
個人が勤務先から受け取る予定の給与(賃金債権)を業者に売って先に現金を受け取る「給与ファクタリング」は、事業者向けのファクタリングとは異なり、原則として違法な貸付けにあたります。給与前借りをうたう広告を見かけても、安易に利用しないよう注意が必要です。
「原則として」とあるのは、ここで違法となるのが、第三者の業者が賃金債権を買い取って現金を渡す取引だからです。勤務先の福利厚生としての給与前払いや、債権の買取りを伴わない賃金の立替は、これとは別の仕組みとして扱われます。
金融庁は、給与ファクタリングが貸金業に該当するとの見解を明確に示しています。
いわゆる「給与ファクタリング」などと称して、業として、個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うことは、貸金業に該当します(注)。
出典:給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!|金融庁
この背景には、賃金は労働者本人に直接支払わなければならないという労働基準法の原則があります。労働基準法第24条第1項は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定めており、賃金債権を第三者に譲渡しても、使用者は本人にしか支払えません。そのため業者は労働者本人を通じてしか資金を回収できず、この資金の流れは経済的に「貸付け」と同じ機能を持つと判断されます。
この点は、2023年(令和5年)2月20日の最高裁判所の決定でも確認されています。給与ファクタリングを営んでいた業者の刑事事件で、最高裁は次のように判断しました。
このような事情の下では、本件取引に基づく金銭の交付は、貸金業法2条1項と出資法5条3項にいう「貸付け」に当たる。
出典:最高裁判所第三小法廷 令和5年2月20日決定|裁判所
無登録で貸付けを行えば貸金業法違反となり、金利が法定の上限を超えれば出資法違反にもなります。金融庁も、給与ファクタリングの利用者が年利に換算して数百〜千数百%にのぼる法外な利息を支払わされたり、勤務先への連絡といった違法な取り立てを受けたりする危険があると注意を呼びかけています。給与ファクタリングは家計をかえって悪化させる典型的な手口であり、利用は避けるべきです。
出典・参考資料(3件)
ここで違法とされるのは、個人が勤務先から受け取る「給与」を売る取引です。個人事業主やフリーランスが事業の売掛金(取引先への請求代金)を売却して資金化する正規のファクタリングは、これとは別の合法的な資金調達手段として利用できます。個人で使えるサービスの選び方や、信頼できる業者を見極めるポイントは、次の記事で詳しく解説しています。
形式でなく「実態」で判断される——摘発事例・判例が示す違法性の線引き
チェックリストの各項目がなぜ有効なのかは、実際の裁判例を見るとよく分かります。ここでは、違法かどうかがどの基準で判断されるのかを、判例をもとに解説します。
契約書に「ノンリコース」と書いてあっても安心できない
最も重要な点は、違法かどうかが契約書の文言ではなく取引の実態で判断されるということです。契約書に「償還請求権なし(ノンリコース)」と書かれていても、実際には利用者が未回収リスクを負う仕組みになっていれば、貸付けと判断されます。
先に触れた最高裁の決定は、この点を明確に示しています。この事件では契約上「使用者が支払わないリスクは業者が負担する」とされていたにもかかわらず、最高裁は取引の実態から次のように判断しました。
そうすると、本件取引に基づく金銭の交付は、それが、形式的には、債権譲渡の対価としてされたものであり、また、使用者の不払の危険は被告人が負担するとされていたとしても、実質的には、被告人と顧客の二者間における、返済合意がある金銭の交付と同様の機能を有するものと認められる。
出典:最高裁判所第三小法廷 令和5年2月20日決定|裁判所
このように、契約書上はノンリコースを装っていても、実質的に利用者へ返済を求める構造であれば貸付けと認定されます。金融庁も、譲受人に償還請求権・買戻請求権が付いている、売掛先への通知や承諾が不要になっている、といった特徴を持つ取引は、ファクタリングを装ったヤミ金融の可能性があるとしています。契約書の一文だけを見て安心せず、リスクを実際に誰が負う仕組みなのかを確かめることが大切です。
貸金に該当する(違法)とされた判例
事業者向けのファクタリングでも、実態が貸付けと判断された裁判例があります。東京地方裁判所の令和4年3月4日判決では、利用者に買戻しをさせる契約が貸金業法違反にあたると判断されました。判決は、受領額より高い額面の支払いを求める買戻義務を、債務の保証を求めるに等しく、支払不能などのリスクを利用者に負担させるものだと評価しています。
さらにさかのぼると、大阪地方裁判所の平成29年3月3日判決でも、実質的に金銭消費貸借(貸付け)と判断されています。業者が債権回収リスクをほとんど負わず、利用者が買戻しを行わざるを得ない立場に置かれていたことが理由です。いずれの事例も共通するのは、未回収リスクを利用者側が負わされている点です。
出典・参考資料(1件)
ファクタリングとして適法とされた判例
一方で、ファクタリングが適法な債権譲渡と認められた裁判例もあります。東京地方裁判所の令和2年9月18日判決では、業者が売掛先の無資力リスクを負い、償還請求権がなく買戻しも予定されていないことから、債務不履行のリスクが業者側に移転しているとして、適法な債権譲渡と判断されました。
違法とされた事例と適法とされた事例を分けるのは、結局のところ「売掛先が支払わなかったときのリスクを誰が負うか」です。リスクを業者が負うなら債権の売買(正規のファクタリング)、利用者が負うなら実質的な貸付け、という線引きになります。この視点を持っておくと、チェックリストの各項目が何を確かめようとしているのかが理解しやすくなります。
出典・参考資料(1件)
違法業者は実際に摘発・処罰されている
偽装ファクタリングや給与ファクタリングは、無登録営業や超高金利での貸付を理由に、実際に刑事事件として摘発されています。前述の最高裁まで争われた事件も、給与ファクタリング業者が貸金業法違反と出資法違反に問われた刑事事件で、業者側の上告は棄却され有罪が確定しました。
こうした業者は、資金繰りに困った中小企業や個人を狙い、審査の甘さや即日現金化を強調して勧誘します。摘発が続いている現実を踏まえ、「困っているときほど、うまい話には慎重になる」という姿勢が被害を避ける第一歩になります。
闇金・偽装ファクタリング被害に遭ったときの相談窓口
すでに契約してしまった、あるいは違法な取り立てを受けているといった場合は、一人で抱え込まず公的な相談窓口に連絡してください。早い段階で相談することで、被害の拡大を防げる可能性があります。主な窓口は次のとおりです。
- 金融庁 金融サービス利用者相談室:電話 0570-016811(IP電話からは 03-5251-6811)。受付は平日10:00〜17:00。
- 財務局の多重債務相談窓口:返済や取り立てに関する相談に対応。
- 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター:電話 0570-051051(IP電話からは 03-5739-3861)。
- 警察相談専用電話 #9110:脅迫的な取り立てなど、被害や犯罪に関わる相談。
- 消費者ホットライン 188:最寄りの消費生活センターなどの相談窓口につながります。
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安全な正規ファクタリング会社の選び方
ここまでの見分け方を踏まえると、安心して利用できる正規のファクタリング会社は、次のような点を満たしています。申し込み先を選ぶときの判断軸として整理しておきましょう。
- 償還請求権なし(ノンリコース)を明示している:売掛先が倒産しても返還義務を負わない旨が公式に示されています。
- 手数料が総額で明示されている:手数料率や費用の内訳が事前に確認でき、後から不明瞭な費用を上乗せされる心配がありません。
- 会社情報・取引実績が公開されている:運営会社・所在地・実績が公式サイトで確認でき、必要に応じて顧問弁護士や認定・加盟団体などの裏づけがあります。
- 契約手続きの流れが明確:オンラインで完結できるか、対面での説明を受けられるかを含め、手続きが分かりやすく案内されています。
以下では、これらの条件を満たす正規のファクタリングサービスの例として、契約実績や情報開示の面で確認しやすい3社を比較します。
※上記は各社公式情報にもとづく2026年7月時点の情報です。手数料率・入金スピードは審査結果や契約条件により異なります。最新の情報は各社公式でご確認ください。
※「オンライン完結」の△は、買取金額の上限や初回の対面推奨など条件付きで対応することを示します。3社とも償還請求権のない(ノンリコース)契約で、売掛先が倒産しても買戻し義務は生じません。
ビートレーディング(株式会社ビートレーディング)

2012年創業のファクタリング専業会社で、2社間・3社間ファクタリングに加え、注文書を対象とした注文書ファクタリングにも対応しています。累計買取額は1,824億円(2026年3月時点、公式サイト)、取引社数は9.1万社以上と、実績を公式に開示している点が特徴です。
手数料は2社間で4%〜、3社間で2%〜と公式サイトでレンジを明示しており、売掛先が倒産しても返還義務を負わないノンリコース契約を採用しています。顧問弁護士(弁護士法人わかさ)の公表や、中小企業等経営強化法に基づく経営革新等支援機関の認定(2026年4月)など、事業者としての裏づけも公開されています。
審査は最短2時間、300万円未満はオンラインでの申し込みにも対応しており、初めてファクタリングを利用する事業者にも検討しやすいサービスです。
PAYTODAY(Dual Life Partners株式会社)

独自のAI審査により、面談不要でオンラインのみで手続きが完結するファクタリングサービスです。法人だけでなく個人事業主・フリーランスも対象としており、買取金額は10万円からと少額のニーズにも対応しています。
手数料は1%〜9.5%と上限まで公式に明示されており、初期費用・月額費用は無料で、費用は手数料のみという分かりやすい料金体系です。売掛先が倒産しても支払義務を負わないノンリコースであることを公式のよくある質問で明記しているほか、債権譲渡登記を行わない方針も公表しています。最短30分での審査回答をうたい、急いで資金を用意したい場面でも検討しやすい選択肢です。
入金前払いシステム(株式会社JTC)

株式会社JTCが2013年頃から提供する、中小企業向けのファクタリング(入金前払いシステム)です。建設・運送・製造など、継続的に売掛金が発生する業種の利用が多く、数千万円から数億円規模の高額な資金調達の相談にも対応しています。
手数料は売掛金の内容や税金滞納の有無などによって変動し、取引先に知らせない非通知契約の場合で1.2%〜10%程度が目安とされています。契約前に償還請求権(ノンリコース)の内容を詳しく説明する方針を掲げており、売掛先が倒産しても買取代金を返す必要はないと案内しています。
調達可能額は100万円から売掛金の範囲内で上限なしとされ、契約は対面・オンラインの両方に対応します。まとまった金額の資金調達を検討する事業者に向いたサービスです。
本記事で見てきたとおり、ファクタリングは仕組みのうえで貸金業と隣り合わせにあり、契約前に償還請求権の内容をどう説明するかは、業者を見極めるうえでの手がかりになります。この点について、同社の池田氏はインタビューで次のように述べています。
今後発生するのはどんな売掛金なのか、履歴、過去取引内容、貸金業と似ている為、お客様にしっかりと説明しています。特に償還請求権(ノンリコース)の事などの内容を詳しく説明しております。
ここで取り上げた3社のほかにも、正規のファクタリング会社は数多くあります。手数料・入金スピード・買取可能額といった条件でより幅広く比較して申し込み先を選びたい場合は、こちらのまとめ記事もあわせてご覧ください。
参考資料・関連リンク
本記事で参照した公的機関・法令の情報は以下のとおりです。業者の安全性を自分で確かめる際にもご活用ください。
出典・参考資料(6件)
まとめ
正規のファクタリングは売掛債権を売買する合法的な資金調達手段ですが、その仕組みを悪用して違法な貸付を行う偽装ファクタリング・給与ファクタリングが存在します。両者は契約書の見た目が似ているため、手数料の水準・償還請求権の有無・分割返済の可否・会社情報の透明性・貸金業登録の有無といったサインを、それぞれの法的な理由とあわせて確認することが大切です。
とくに、違法かどうかは契約書の文言ではなく取引の実態で判断される点は、最高裁の決定でも示された重要なポイントです。「ノンリコース」と書かれていても、未回収リスクを利用者が負う仕組みであれば貸付けと判断されます。少しでも不安を感じたら契約を急がず、公的な相談窓口や、情報開示のしっかりした正規のファクタリング会社を選ぶようにしてください。
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ファクタリングと闇金に関するよくある質問(FAQ)
Q. 偽装ファクタリングとは何ですか?
A. 偽装ファクタリングとは、契約の形だけをファクタリング(債権の売買)に見せかけ、実態は無登録で高金利の貸付を行う違法な手口です。日本貸金業協会は、高額な手数料を差し引いて代金を支払うものの、買主が回収リスクを負わず、債権を回収できない場合は買戻しをさせるもので、実態は貸付けにあたる無登録業者のヤミ金融だと説明しています。
正規のファクタリングは売掛債権を売買する合法的な資金調達手段であり、「ファクタリング会社=闇金」ではない点にも注意してください。
出典・参考資料(1件)
Q. 給与ファクタリングと事業者向けのファクタリングは何が違うのですか?
A. 給与ファクタリングは個人の給与(賃金債権)を買い取る取引で原則として違法な貸付けにあたり、事業者向けのファクタリングは企業の売掛債権を売買する合法的な資金調達手段です。給与ファクタリングは、賃金を直接労働者本人に支払わなければならないという労働基準法24条1項の原則から、業者が本人を通じてしか資金を回収できず、経済的に貸付けと同じ機能を持つと判断されます。
金融庁も貸金業に該当するとの見解を示しており、最高裁も令和5年2月20日の決定で「貸付け」に当たると判断しています。
出典・参考資料(3件)
Q. ファクタリングの手数料が安すぎる場合も危険なのですか?
A. 手数料が相場より極端に安い場合も、契約を急がせて後から不明瞭な費用を上乗せする手口である可能性があり、注意が必要です。一方で、手数料の高さだけでは違法とは言い切れません。正規のファクタリングは貸付けではないため利息制限法や出資法の上限金利が直接は適用されず、手数料に法律上の上限がないためです。
そのため手数料の水準は単独で判断せず、償還請求権の有無や契約の透明性など他のサインと組み合わせ、取引の実態が貸付けにあたらないかで見極める必要があります。
Q. 契約書に「償還請求権なし(ノンリコース)」と書いてあれば安全と言い切れますか?
A. いいえ、契約書に「ノンリコース」と書かれていても、実際には利用者が未回収リスクを負う仕組みになっていれば貸付けと判断されるため、安全とは言い切れません。違法かどうかは契約書の文言ではなく取引の実態で判断されます。
最高裁令和5年2月20日の決定でも、契約上は業者が不払いのリスクを負うとされていたにもかかわらず、実質的には返済合意のある金銭の交付と同じ機能を持つとして「貸付け」と認定されました。契約書の一文だけを見て安心せず、リスクを実際に誰が負う仕組みなのかを確かめることが大切です。
出典・参考資料(1件)
Q. 業者が貸金業登録を受けているかは、どこで確認できますか?
A. 金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で確認できます。実質的に貸付けを行う業者は本来、貸金業の登録が必要で、無登録でお金を貸す業者はそれだけで違法なヤミ金融にあたります。正規のファクタリングは債権売買のため登録は不要ですが、「実質は貸付けなのにファクタリングを装う業者」を見抜くうえで、登録の有無や、そもそも貸付けを行っていないかの確認は有効な手がかりになります。
出典・参考資料(1件)
Q. 闇金・偽装ファクタリングと契約してしまった場合は、どうすればよいですか?
A. 一人で抱え込まず、金融庁の金融サービス利用者相談室(0570-016811)や警察相談専用電話#9110などの公的な相談窓口にすぐ連絡してください。すでに契約してしまった場合や違法な取り立てを受けている場合も、早い段階で相談することで被害の拡大を防げる可能性があります。
返済や取り立てに関しては日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センター(0570-051051)や財務局の多重債務相談窓口、消費者ホットライン(188)でも相談できます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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