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不正アクセスとは?手口・原因・被害事例から対策・被害時の対応までわかりやすく解説

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インターネットバンキングの不正送金や、会員サイトへの不正ログインによる情報漏えいなど、不正アクセスの被害は年々身近になっています。国家公安委員会などがまとめた統計では、令和7年の不正アクセス行為の認知件数は7,190件と、前年から約34%増えました。テレワークやクラウド利用の広がりで、企業が守るべき入り口も増え続けています。

「不正アクセスとは、そもそもどこからが違法なのか」「自社の何が狙われ、どう防げばよいのか」を、正確に押さえておきたい担当者は少なくありません。被害に遭ってしまったときに、どこへ届け出て、何から手を付ければよいのかも、事前に知っておきたいところです。

この記事では、不正アクセスの定義から、主な手口と原因、最新の発生状況、予防対策、被害時の事後対応と届出先、そして不正アクセス禁止法での扱いまでを順に整理します。自社のセキュリティ対策を見直すための基礎知識として活用してください。

不正アクセスとは

不正アクセスとは、本来アクセスする権限を持たない人が、他人のIDやパスワードを使ったり、システムの弱点を突いたりして、ネットワーク経由でコンピュータやサービスに侵入する行為を指します。総務省は次のように説明しています。

不正アクセスとは、本来はアクセス権限を持たない者が、サーバや情報システムの内部へ侵入する行為です。

出典:不正アクセスとは?(国民のためのサイバーセキュリティサイト)|総務省

ポイントは「権限のない人が」「他人になりすましたり、防御の隙を突いたりして」入り込む点にあります。正規の利用者が自分のアカウントでログインするのは、当然ながら不正アクセスではありません。他人のアカウントを無断で使う、あるいはアクセスを制限された領域へ制限を回避して入り込む——ここからが違法な不正アクセスです。

警察庁も、不正アクセスを「他人のIDやパスワードを使用しサービスを悪用したり、不正にコンピュータに侵入する犯罪」と位置づけています。

こうした行為は、後述する不正アクセス禁止法(正式名称は不正アクセス行為の禁止等に関する法律)で明確に禁止され、罰則も定められています。まずは、実際にどのような手口で不正アクセスが行われるのかを見ていきます。

不正アクセスの主な手口・種類

ここからは、不正アクセスに使われる代表的な手口を5つに分けて解説します。実際の攻撃は、これらを組み合わせて行われることも少なくありません。

不正アクセスの主な手口を5つに分類した図。なりすまし(他人のID・パスワードを悪用、検挙の9割超が識別符号窃用型)、フィッシング詐欺(偽メール・偽サイトで認証情報を入力させ盗む)、脆弱性の悪用(OS・ソフトや設定の不備を突くセキュリティ・ホール攻撃型)、マルウェア感染(ウイルス・スパイウェアで認証情報を窃取・遠隔操作)、ソーシャルエンジニアリング(人の心理や油断につけ込み聞き出しやのぞき見で認証情報を得る)の5種類を並べている。

なりすまし(ID・パスワードの不正利用)

他人のIDとパスワードを何らかの方法で入手し、正規利用者になりすましてログインする手口です。総当たりでパスワードを試すブルートフォース攻撃、別のサービスから漏えいしたID・パスワードの組み合わせを使い回すパスワードリスト攻撃などが含まれます。警察庁の統計では、令和7年(2025年)に検挙された不正アクセスの手口の9割以上がこの「識別符号窃用型」(他人のID・パスワードを悪用する型)でした。

フィッシング詐欺

金融機関や有名サービスを装った偽メール・偽サイトへ誘導し、利用者自身にID・パスワードやカード情報を入力させて盗み取る攻撃です。盗んだ認証情報は、そのままなりすましログインに使われます。警察庁の令和7年のデータでも、識別符号窃用型のうち「フィッシングサイトから入手」が2割近くを占め、主要な入手経路の一つとなっています。

脆弱性の悪用

OSやソフトウェア、Webアプリケーションに残る欠陥(脆弱性)や、設定の不備を突いた侵入も後を絶ちません。修正プログラム(パッチ)が未適用のサーバーや、公開範囲を誤ったクラウドの設定などが標的になります。警察庁の分類では「セキュリティ・ホール攻撃型」にあたり、件数自体は識別符号窃用型より少ないものの、一度突かれると被害が大きくなりやすい点に注意が必要です。

マルウェア感染

攻撃者は、ウイルスやスパイウェアなどの不正なプログラムに端末を感染させ、そこから認証情報を盗んだり、遠隔操作の足がかりを作ったりします。キーボード入力を記録して認証情報を抜き取るスパイウェアは、なりすましの前段として使われます。メールの添付ファイルや不正サイトが感染経路になりやすく、端末単位の対策が欠かせません。

ソーシャルエンジニアリング

技術的な攻撃ではなく、人の心理や油断につけ込んで認証情報を聞き出す手口です。関係者を装った電話での問い合わせ、背後からの入力ののぞき見(ショルダーハッキング)、退職者や知人が知り得た情報の悪用などが典型例です。警察庁の統計でも、聞き出しやのぞき見、元従業員・知人による犯行が一定の割合を占めており、システムだけでは防ぎきれない領域だといえます。

それぞれの手口に対する具体的な防ぎ方は、後述の予防対策でまとめて整理します。次は、これらの手口が成立してしまう「原因」——自社のどこが狙われるのかを見ていきます。

不正アクセスが起こる原因(自社のどこが狙われるか)

不正アクセスは、攻撃者の手口が巧妙であるだけでなく、狙われる側の管理の甘さや設定の不備が重なって成立します。主な原因は、次の4つに整理できます。

  • ID・パスワード管理の甘さ:推測されやすいパスワード、複数サービスでの使い回し、退職者アカウントの放置などが、なりすまし(識別符号窃用型)の入り口になります。実際に警察庁の統計でも、パスワードの設定・管理の甘さにつけ込んで認証情報を入手された件数が最多です。
  • 脆弱性の放置:OS・ソフトウェアの更新を怠り、修正プログラムが未適用のまま運用していると、既知の欠陥を突かれます。公開サーバーやVPN機器、クラウドの設定不備も同じく狙われます。
  • アクセス権限管理の不備:必要以上に広い権限を付与していたり、共有アカウントを使い回していたりすると、一つの認証情報が漏れただけで被害範囲が一気に広がります。
  • 従業員のセキュリティ意識の不足:不審なメールのリンクを開く、業務端末で危険なサイトを閲覧するといった行動が、フィッシングやマルウェア感染につながります。ソーシャルエンジニアリングも、この意識の隙を突いた手口です。

いずれも、手口と表裏一体の関係にあります。自社の弱点がどこにあるかを把握したうえで、後述の予防対策を優先度をつけて講じることが重要です。

不正アクセスによる被害事例と最新の発生状況

ここでは、不正アクセスによって実際に起きている被害の内容と、公的統計が示す最新の発生状況を確認します。

実際の被害事例

近年は、大手企業や広く使われるサービスでも、不正アクセスによる情報漏えいの公表が相次いでいます。実際に公表された事案を2つ見てみましょう。

2025年5月、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を運営する株式会社PR TIMESは、管理者画面が第三者に不正アクセスされ、最大90万1,603件の個人情報や、発表前のプレスリリース1,682件、メディアリスト最大2万514件が漏えいした可能性があると公表しました。

侵入経路になったのは、追加の経緯が不明のまま許可されていたIPアドレスと、普段使われていない社内管理の共有アカウントでした。同社は再発防止策として、管理者画面へのアクセスを社内接続とVPN接続のみに制限し、共有アカウントの廃止を予定しています。認証情報や権限の管理に生じた運用上の隙が突かれた事例といえます。

出典・参考資料(1件)

2025年3月には、NTTコミュニケーションズが、社内システム「オーダ情報流通システム」への不正アクセスにより、法人のお客さま向けサービスの一部情報が外部に流出した可能性があると公表しました。

流出の可能性がある情報は法人1万7,891社分で、契約番号・契約名・担当者名・電話番号・メールアドレス・住所などが含まれます。同社は不審な通信ログの検知から初動措置を取り、その後に特定した不正アクセスを受けた装置を社内ネットワークから遮断しました(個人のお客さま向けサービスの情報は含まれていません)。

出典・参考資料(1件)

これらの事例が示すように、不正アクセスの被害は情報の漏えいにとどまりません。総務省は、侵入後に起こる典型的な被害を次のように説明しています。

ホームページの内容を書き換えたり、保存されている顧客情報や機密情報を窃取したり、重要なファイルを消去したりします。

出典:不正アクセスとは?(国民のためのサイバーセキュリティサイト)|総務省

侵入されたシステムにバックドア(裏口)を作られ、その後も継続的に侵入されたり、外部の他組織を攻撃する踏み台として悪用されたりする点も見過ごせません。被害が自社だけにとどまらず、取引先や利用者にまで広がるおそれがあります。

最新の発生状況(認知件数の推移)

不正アクセス行為の認知件数は、近年おおむね増加傾向にあります。国家公安委員会・総務大臣・経済産業大臣が令和8年3月に公表した資料によると、令和7年(2025年)の認知件数は7,190件で、前年から1,832件(約34.2%)増加しました。過去5年の推移は次のとおりです。

認知件数
令和3年1,516件
令和4年2,200件
令和5年6,312件
令和6年5,358件
令和7年7,190件

令和5年から令和6年にかけて一度減少したものの、令和7年は再び増加し、過去5年で最も多い件数となりました。認知件数は、被害の届出や捜査で把握された犯罪構成要件に該当する行為の数であり、実際の被害はこれを上回るとみられます。企業規模を問わず、対策の優先度を上げるべき状況が続いています。

被害の中身を見ると、金銭に直結するものが目立ちます。令和7年に認知された不正アクセス後の行為を種類別に見ると、インターネットバンキングでの不正送金等が4,747件と最も多く、次いで証券会社のインターネット取引サービスでの不正取引等が1,484件、インターネットショッピングでの不正購入が228件と続きます。

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不正アクセスを防ぐ予防対策

ここからは、不正アクセスを未然に防ぐための対策を整理します。警察庁は、被害に遭わないための基本として次の3点を挙げています。

不正アクセスの被害に遭わないためには、OSやソフトウェアを最新の状態に保つこと。IDやパスワードを適切に管理すること。ウィルス対策ソフト等を導入すること。などが重要です。

出典:不正アクセス対策|警察庁

この基本を踏まえ、企業として取り組みたい対策を、前章で挙げた原因に対応づけて整理すると次のようになります。

  • 多要素認証(MFA)の導入:ID・パスワードに加え、ワンタイムパスワードや生体認証など複数の要素で本人確認を行います。認証情報が漏れても、なりすましログインを防ぐ効果が高い対策です。
  • 強固なパスワード管理と使い回しの禁止:推測されにくいパスワードを設定し、サービスごとに使い分けます。パスワード管理ツールの活用や、退職者アカウントの速やかな停止も含めて運用します。
  • OS・ソフトウェアの更新:修正プログラムを速やかに適用し、脆弱性を放置しません。VPN機器やクラウドの設定も定期的に点検します。
  • アクセス権限の最小化:業務に必要な範囲だけに権限を絞り、共有アカウントを避けます。万一認証情報が漏れても、被害範囲を限定できます。
  • 従業員へのセキュリティ教育:不審なメールやサイトの見分け方、報告のルールを周知します。フィッシングやソーシャルエンジニアリングへの耐性を高めます。
  • 脆弱性診断・ログ管理による監視:定期的な脆弱性診断で弱点を洗い出し、通信やログを継続的に監視して異常の兆候を早期に捉えます。予防だけでなく「検知」の仕組みを備える考え方については、後の章で詳しく解説します。

多要素認証やアクセス権限の管理など、警察庁が挙げる3つの基本を超える踏み込んだ対策は、総務省やIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公開するガイダンスも参考になります。

出典・参考資料(2件)

ここで挙げた対策は、実際には「従業員一人ひとりが日常的に守ること」と「管理者・情報システム部門が仕組みで整えること」に役割が分かれます。誰が何から着手すればよいかをチェックリスト形式で具体的に確認したい場合は、次の記事が参考になります。

不正アクセスの被害に遭ったときの事後対応と届出先

予防を尽くしても、被害を完全にゼロにはできません。実際に不正アクセスの被害に遭ったとき、あるいはその疑いがあるときの初動と届出先を、あらかじめ押さえておきましょう。

事後対応の手順(遮断・変更・証拠保全)

警察庁は、被害に遭った場合の対応として、サービス提供会社への相談、パスワードの変更、ログイン履歴等の保全、警察への通報・相談という流れを示しています。

不正アクセスされたサービス等にログインできる場合は、早急にパスワードを変更してください。他のインターネットサービスで同じパスワードを使用している場合は、そのパスワードも早急に変更してください。ログイン履歴が確認できる場合は、ログイン画面を保存・印字等を行い、証拠を保全してください。

出典:不正アクセス対策(不正アクセスの被害に遭ったら)|警察庁

実務では、被害の拡大を止めることが最優先です。侵入が疑われる端末やサーバーをネットワークから切り離し、被害範囲が広がらないようにします。並行して、漏えいしたおそれのある情報や不正な操作の痕跡を、ログ・画面の保存という形で証拠として残します。原因の調査と再発防止策の検討は、被害を止めたうえで進めます。

不正アクセスの被害に遭ったときの事後対応を4ステップで示したフロー図。STEP1 遮断:侵入が疑われる端末・サーバーをネットワークから切り離し被害の拡大を止める(最優先)、STEP2 パスワード変更:ログインできる場合は早急に変更し同じパスワードの使い回し先も変更、STEP3 証拠保全:ログイン履歴やログイン画面を保存・印字して証拠として残す、STEP4 届出・相談:警察・IPA・個人情報保護委員会など状況に応じた届出先へ速やかに連絡する、という順に矢印でつないでいる。

届出・相談先(警察・IPA・個人情報保護委員会)

被害の状況に応じて、届出・相談先は次のように使い分けます。

  • 警察(最寄りの警察署・サイバー犯罪相談窓口):不正アクセスは犯罪です。保全したログイン履歴等を持参して、最寄りの警察署またはサイバー犯罪相談窓口へ通報・相談します。
  • IPA(独立行政法人情報処理推進機構):経済産業省告示「コンピュータ不正アクセス対策基準」に基づき、コンピュータ不正アクセス被害の届出を受け付けています。手口の分析や再発防止に役立てられます。
  • 個人情報保護委員会:個人データが漏えいした場合は、個人情報保護法に基づく報告義務が生じることがあります。特に不正アクセスによる漏えいは報告対象に含まれます。

個人情報の漏えいについては、個人情報保護法第26条が、一定の場合に個人情報保護委員会への報告を義務づけています。

個人情報取扱事業者は、その取り扱う個人データの漏えい、滅失、毀損その他の個人データの安全の確保に係る事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護委員会規則で定めるものが生じたときは、個人情報保護委員会規則で定めるところにより、当該事態が生じた旨を個人情報保護委員会に報告しなければならない。

出典:個人情報の保護に関する法律 第26条|e-Gov法令

個人情報保護委員会は、報告が必要な事態として、不正の目的による行為(不正アクセスにより個人データが漏えいした場合など)を含む4類型を定めています。報告には速報(速やかに)と確報(原則30日以内、不正の目的による場合は60日以内)の期限があり、あわせて本人への通知も求められます。不正アクセスで個人データが漏えいしたときは、報告義務が生じる可能性が高いと考えておくと安全です。

出典・参考資料(3件)

不正アクセス禁止法での扱い

不正アクセスは、2000年(平成12年)に施行された不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律)によって明確に禁止されています。同法は不正アクセス行為そのものを禁止し、罰則も定めています。

第三条 何人も、不正アクセス行為をしてはならない。

第十一条 第三条の規定に違反した者は、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

出典:不正アクセス行為の禁止等に関する法律 第3条・第11条|e-Gov法令

ここでいう不正アクセス行為とは、同法第2条第4項で、他人のID・パスワード(識別符号)を無断で入力してログインする行為や、セキュリティの制限を回避して利用できる状態にする行為などと定義されています。正規の利用権者や管理者の承諾を得て行う場合は含まれません。

さらに同法は、不正アクセス行為の本体だけでなく、その周辺行為も禁止しています。他人の識別符号を不正に取得する行為(第4条)、不正アクセスを助長する行為(第5条)、他人の識別符号を不正に保管する行為(第6条)、そしてアクセス管理者になりすまして識別符号の入力を不正に要求する行為(第7条、いわゆるフィッシング)です。これらの多くは、平成24年(2012年)の法改正で整備されました。

(4)識別符号の入力を不正に要求する行為の禁止等 アクセス管理者になりすまし、その他アクセス管理者であると誤認させて、(…)行為をすることを禁止するとともに、その違反者を処罰することとする。

出典:不正アクセス行為の禁止等に関する法律の一部を改正する法律の概要|警察庁

こうした周辺行為(第4条・第6条・第7条など)に違反した場合の罰則は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、不正アクセス行為そのもの(第3条違反=3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)より軽い法定刑です。

不正アクセスは「うっかり」では済まされない犯罪であり、被害を受けた側が届け出れば捜査の対象になります。この法的な裏づけがあることも、対策を講じるべき理由の一つです。

出典・参考資料(2件)

予防だけでは防げない——不正検知ソリューションで自動検知する

多要素認証やパスワード管理などの予防策は不可欠ですが、それだけで不正アクセスを完全に止めることはできません。正規の認証情報が漏れてしまえば、予防の網をすり抜けて「正しいログイン」に見える侵入が起こり得るからです。そこで重要になるのが、侵入や不正ログインの兆候をリアルタイムに捉える「検知」の仕組みです。

不正検知ソリューションは、守る対象によって得意な領域が分かれます。ネットワークを流れる通信から外部からの侵入や不審な挙動を捉えるものと、ログインや取引時のユーザーの振る舞いからアカウント乗っ取り・不正ログインを捉えるものが代表的です。

ここでは、この2つの領域それぞれから代表的なサービスを1つずつ取り上げます。まずは検知の考え方を掴む例としてご覧ください。数多くのソリューションを機能や料金まで含めて比較したい場合は、記事末尾で案内する比較記事が役立ちます。

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サービス名Network BlackboxSardine
提供会社株式会社クワッドマイナージャパン
(国内総代理店:フーバーブレイン)
株式会社DGビジネステクノロジー
(Sardine AI 正規代理店)
検知の対象領域ネットワーク侵入・内部の不審通信
(外部からの侵入/水平移動/データ持ち出し)
不正ログイン・アカウント乗っ取り(ATO)
(なりすまし登録/決済・取引の不正)
検知方式・技術NDR(100%フルパケットキャプチャ)
シグネチャ検知+振る舞い異常検知
MITRE ATT&CKベースの脅威ハンティング
行動バイオメトリクス+デバイスインテリジェンス
AI/機械学習による不正検知
提供形態アプライアンス型
(ミラーリングでネットワークに導入)
ソフトウェア型
(登録・ログイン・決済など各タッチポイントに適用)
料金要問い合わせ要問い合わせ
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る

Network Blackbox(株式会社クワッドマイナージャパン)

Network Blackboxのウェブサイト

Network Blackboxは、ネットワークを流れる通信を100%取り込んで解析するNDR(Network Detection and Response)型の不正検知製品です。株式会社クワッドマイナージャパンが提供し、国内では東証グロース上場のフーバーブレインが総代理店を務めています。

外部からの侵入や、侵入後に組織内部で広がる不審な通信、データの持ち出しといった「ネットワーク上に痕跡が残る」不正アクセスの検知と事後調査を担います。

特徴は、全パケットを保存する方式により、検知した脅威を過去の通信までさかのぼって詳しく調べられる点にあります。既知の攻撃パターンを捉えるシグネチャ検知と、通常と異なる振る舞いを捉える異常検知の両方を備え、MITRE ATT&CK(攻撃の手口を体系化した知識ベース)に基づく脅威ハンティングにも対応します。

EDRやSIEM(端末やログを監視・集約する他のセキュリティ製品)と連携する設計で、ネットワーク層の可視化を担う役割です。エンドポイント単体の操作やクラウドへの不正ログインなど、通信に現れない事象は対象外のため、後述のアカウント不正検知などと組み合わせて使います。

Sardine(株式会社DGビジネステクノロジー)

Sardineのウェブサイト

米Sardine AIが開発し、日本ではデジタルガレージグループの株式会社DGビジネステクノロジーが正規代理店として提供しているのがSardineです。行動バイオメトリクスとデバイスインテリジェンスを組み合わせ、AIで不正を検知するプラットフォームです。

会員登録・ログイン・情報変更・決済など各タッチポイントに適用でき、不正ログインやアカウント乗っ取り(ATO)、なりすまし登録の検知を得意とします。

アカウント乗っ取りに対しては、フィッシングやリモート操作による「操作の誘導」の検知、ヘッドレスブラウザやプロキシを使った自動化攻撃の検知、メールアドレスや多要素認証設定の変更監視といったアプローチを組み合わせます。

タイピングやマウス操作などの振る舞い、端末やIPの偽装の有無を分析し、正規利用者になりすました不正ログインを見分ける仕組みです。ネットワーク側の侵入検知とは対象領域が異なり、ログイン・取引の入り口を守る役割を担います。

ここで紹介したのは、検知の対象領域が異なる代表的な2サービスです。検知方式やタイプ別の選び方まで含めて不正検知ソリューション全体を比較検討したい方は、次の記事で詳しく解説しています。

まとめ

不正アクセスとは、権限のない人が他人のID・パスワードの悪用やシステムの弱点を突いて侵入する行為で、不正アクセス禁止法で禁止された犯罪です。手口はなりすまし・フィッシング・脆弱性の悪用・マルウェア・ソーシャルエンジニアリングに大別され、その多くは認証情報の管理の甘さや脆弱性の放置といった自社側の弱点につけ込みます。

令和7年の認知件数は7,190件と増加傾向にあり、被害はネットバンキングの不正送金など金銭面にも及びます。多要素認証やパスワード管理、脆弱性対策といった予防に加え、侵入や不正ログインの兆候をリアルタイムに捉える「検知」の仕組みを備えることが、被害を最小限に抑える鍵になります。万一の際は、遮断・証拠保全のうえ、警察・IPA・個人情報保護委員会など適切な届出先へ速やかに連絡しましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q. 不正アクセスとは何ですか?

A. 不正アクセスとは、本来アクセスする権限を持たない人が、他人のID・パスワードを悪用したり、システムの弱点を突いたりして、ネットワーク経由でコンピュータやサービスに侵入する行為です。正規の利用者が自分のアカウントでログインするのは該当しません。他人になりすます、あるいはアクセスを制限された領域へ制限を回避して入り込む——ここからが違法な不正アクセスの線引きになります。

Q. 不正アクセスを禁止する法律はありますか?

A. あります。不正アクセスは「不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律)」で禁止されており、違反すると3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されます。2000年に施行された法律です。

他人のID・パスワードの無断利用やセキュリティの制限を回避した侵入だけでなく、識別符号の不正取得・保管や、アクセス管理者になりすまして入力を求めるフィッシングといった周辺行為も禁止の対象です。被害を受けた側が届け出れば捜査の対象になります。

出典・参考資料(1件)

Q. 不正アクセスの被害を受けていないか確認する方法はありますか?

A. 不正アクセスの被害は、身に覚えのないログイン履歴やログイン通知、覚えのない送金・購入・設定変更、届いていないはずの認証コードの受信といった痕跡から確認できます。あわせて、サービスのアクセスログやセキュリティログ、送受信した覚えのないメールの履歴も点検します。

一つでも不審な痕跡が見つかったときは、早急にパスワードを変更し、ログイン画面を保存して証拠を残したうえで、後述の届出・相談先に連絡します。

Q. 不正アクセスは検知して未然に防げますか?

A. 予防策だけで完全に防ぐことは難しいものの、不正検知の仕組みを備えることで、侵入や不正ログインの兆候を早期に捉えて被害の拡大を防げます。多要素認証やパスワード管理などの予防策は不可欠ですが、正規の認証情報が漏れると「正しいログイン」に見える侵入は予防の網をすり抜けます。

そこで、ネットワークの通信を監視するNDRや、ログイン・取引時の振る舞いから不正を見分けるソリューションを組み合わせ、防御と検知を両輪でそろえる考え方が現実的です。

Q. 不正アクセスの被害に遭ったら、どこに通報・届出すればよいですか?

A. 不正アクセスの被害は、最寄りの警察署またはサイバー犯罪相談窓口に通報・相談できます。あわせて、手口の分析や再発防止に役立てる届出はIPA(情報処理推進機構)、個人データが漏えいした場合は個人情報保護委員会が届出先になります。

連絡の前に、被害の疑いがある端末をネットワークから切り離し、安全な別の端末からパスワードを変更したうえで、ログイン履歴などの証拠を保全しておくと、原因調査や被害の証明に役立ちます。

出典・参考資料(2件)

Q. 不正アクセス対策は個人と企業でそれぞれ何ができますか?

A. 個人はパスワードの適切な管理と使い回しの防止・多要素認証の有効化・OSやソフトの更新が基本で、企業はこれに加えてアクセス権限の最小化・ログ管理による監視・従業員教育・体制づくりに取り組みます。個人でできる対策の多くは追加費用なしで着手でき、なりすましやパスワードリスト攻撃といった代表的な手口の多くを防げます。

企業は仕組みで備える領域が広く、脆弱性診断や不正検知ソリューションで人手だけでは回しにくい監視を補うと、無理なく守りを広げられます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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