経理担当者や新規事業のご担当者の中には、「収納代行と決済代行の違いがよく分からない」「自社にどの回収サービスを導入すべきか判断できない」という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、そうしたお悩みにお応えするために、収納代行と決済代行の定義・仕組み・違い・選び方を網羅的に解説します。
さらに、主要な収納代行サービス会社の特徴や、導入を成功させるためのチェックリスト、よくある質問への回答も掲載しています。サービス導入を検討している法人の方は、ぜひ最後までご覧ください。

コンビニ収納代行・決済代行のおすすめ9社の手数料を比較!コンビニ払いの選び方も解説
「コンビニ収納代行と決済代行の違いがわからず、どちらを選べばいいか迷っている」 「請求書の回収業務に手間がかかり、未収リスクも心配」 「ECサイトで決済手段を増やしたいが、複数の契約管理が負担」 このようなお悩みはありませんか? コンビニで…
目次
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サービス掲載を相談する収納代行・決済代行とは何か
まずは収納代行と決済代行という言葉の意味を整理します。両者はどちらも企業が顧客から代金を受け取る際に利用するサービスですが、その役割と提供範囲が異なります。ここではそれぞれの基本的な仕組み・特徴を確認しましょう。
収納代行の仕組み・特徴

収納代行とは、企業(サービス提供者)が顧客から支払われる代金の回収業務を第三者に委託するサービスを指します。
具体的には、収納代行業者が企業に代わって請求書を発行し、顧客はその請求金額をコンビニエンスストアや銀行など提携先の窓口で支払います。収納代行業者は顧客から代金を受け取り、一定の手数料を差し引いた上で企業にまとめて送金します。
例えば、ECサイト運営企業がコンビニでの支払いに対応するために収納代行サービスを導入すると、全国の主要コンビニや銀行と一括契約した形となり、個別に各社と契約する手間を省けます。また、コンビニ払込票の発行や入金確認も代行会社が担うため、売上金を一元管理でき、入金消込などの事務負担を軽減できます。
要するに収納代行は、「顧客が現金などで支払った代金を一時的に預かり、企業に代わって回収・送金してくれるサービス」です。そのため現金払いを希望する顧客層にも対応できるのが大きな特徴です。
決済代行の仕組み・特徴

決済代行とは、企業(加盟店)とクレジットカード会社や銀行、電子マネー提供会社など各種決済機関との間に立ち、様々な決済手段の導入手続きや代金回収業務を一括して代行するサービスを指します。
クレジットカード決済やスマホ決済、銀行振込、キャリア決済、後払い決済など複数の決済方法をまとめて提供できるのが特徴で、収納代行(コンビニ決済)も決済代行サービスの一部に含まれることがあります。
企業が自力でクレジットカードや電子マネー、携帯キャリア決済などを導入しようとすると、それぞれの決済提供会社と個別に契約・システム接続する必要があり非常に手間がかかります。しかし決済代行会社を利用すれば、一社との契約で各種決済手段をまとめて使えるようになり、審査手続きや売上金の管理も代行してもらえるため大幅な効率化が可能です。
例えば、ある小売事業者が決済代行サービスに申し込むと、クレジットカード決済やPayPayなどのQRコード決済、さらにはコンビニ支払い(収納代行)までワンストップで導入できます。決済代行会社が裏側で各決済機関とのやり取りや入金管理をしてくれるため、加盟店(EC事業者)は売上入金を一括で受け取れるようになります。
つまり決済代行は、「複数の決済方法をまとめて代行提供してくれるサービス」と言えます。収納代行との違いについて、次の項で詳しく見てみましょう。
収納代行と決済代行の仕組みの違い
収納代行と決済代行は、一見似たようなサービスに思えますが、支払いの流れ(資金移動の仕組み)や対応できる決済手段などに明確な違いがあります。ここでは両者の仕組みを比較し、その違いをわかりやすく整理します。

決済手段の種類
収納代行が対応するのは基本的に「コンビニでの現金支払い」や「銀行振込(払込票/振込用紙を用いた支払い)」といったオフライン決済が中心です。最近では、払込票にQRコードやバーコードを印刷し、PayPayなどのキャッシュレス決済に対応するケースも増えていますが、収納代行の本来の基本はあくまで現金回収の代行です。
一方、決済代行はクレジットカード、電子マネー、QRコード決済、携帯キャリア決済、オンライン銀行決済、後払い決済など幅広いキャッシュレス決済手段を一括導入できます。
資金の流れ
収納代行の場合、顧客 → (現金支払い) → 提携先コンビニ/銀行 → 収納代行業者 → 企業という流れになります。顧客から受け取った現金は収納代行業者の口座に一旦集約され、一定期間内にまとめて企業の口座へ振り込まれます。
一方、決済代行の場合は、例えばクレジットカード決済であれば顧客 → カード会社/決済ネットワーク → 決済代行会社 → 企業という流れになります。決済代行会社が各決済手段ごとの入金情報を取りまとめ、所定のサイクル(例えば月2回など)で加盟店に売上金を支払います。
手数料負担
収納代行では、支払い時の手数料を誰が負担するかを事前に決めることができます。例えばコンビニで支払う際の手数料(数百円程度)を「顧客負担」にすることも「企業負担」にすることも可能です。
一方、決済代行の場合、クレジットカード手数料など決済手数料は基本的に加盟店(企業側)の負担となります。顧客からすればコンビニ支払いでは払込1件あたり数百円の手数料がかかるケースがありますが、クレジットカード払いやQRコード決済では通常手数料はかかりません(その分企業が手数料を支払う形)。
主な利用シーン
以上を踏まえると、収納代行は「現金中心の代金回収サービス」であり、決済代行は「複数の決済手段をまとめて代行する包括サービス」だと言えます。それぞれの仕組みを把握したところで、次に両者のメリットとデメリットを見ていきましょう。
収納代行と決済代行のメリット・デメリット
ここでは収納代行と決済代行それぞれについて、導入するメリットおよび注意すべきデメリットを整理します。自社のニーズに合ったサービスを選ぶために、良い点と悪い点の双方を正しく理解しておきましょう。
収納代行のメリット
- 現金派の顧客にも販売機会を提供できる
- 入金管理の手間削減
- 未回収リスクの軽減(後払い保証サービスの活用)
1.現金派の顧客にも販売機会を提供できる
収納代行を導入する最大の利点は、クレジットカードを持たない顧客やオンライン決済に抵抗がある顧客にも対応できる点です。未成年や高齢者など、現金払いを好む層を取りこぼさずに済むため、顧客層の拡大と売上機会の増加につながります。
2.入金管理の手間削減
収納代行サービスを利用すれば、代行会社から入金結果がまとめて通知されるため(多くの業者は入金データの一括提供や通知メールサービスがあります)、入金確認作業や消込作業の工数を大幅に削減できます。売上金も一定周期で一括入金されるので資金管理が楽になるというメリットもあります。
3.未回収リスクの軽減(後払い保証サービスの活用)
収納代行は本来、前払い型(支払い後に商品発送)ですが、後払い的に使うことも可能です。ただしその場合、顧客の未払い(滞納)リスクが発生します。そこで一部サービスでは、未収金保証オプション(立替払い)が用意されています。
これにより、代金未回収の損失を防げるため、安心して掛売り的な運用が可能です。保証内容はサービスにより異なるため、必要に応じて確認するとよいでしょう。
収納代行のデメリット・注意点
- 手数料などコストが発生する
- 入金サイクルの遅れ
- カスタマイズ性やリアルタイム性の制約
1.手数料などコストが発生する
収納代行サービスを利用するには、初期導入費用や月額基本料、および取引ごとの手数料がかかります。費用体系はサービス提供各社で様々ですが、一般的に1件あたり150~200円前後の手数料が相場です(この他に請求書発行費用や振込手数料が加算される場合もあります)。
月額費用が無料のプランを提供する業者もありますが、取引件数が増えると手数料負担も大きくなるため、売上規模に見合ったコストか十分シミュレーションしておく必要があります。
導入前に複数社から見積りを取り、初期費用・固定費・手数料率を比較検討しましょう。
2.入金サイクルの遅れ
コンビニ払いの場合、顧客が支払ってから企業に入金されるまでタイムラグがあります。コンビニ店頭で現金を受け取ってもらえるのは便利な反面、その代金は収納代行業者を経由してまとめて精算されるため、入金が数日〜数週間後になるケースもあります。
クレジットカード決済であれば即時に利用可否が分かり売上計上もしやすいですが、コンビニ決済では支払い期限内に顧客が払わないと売上にならないリスクもあります。
したがって、資金繰り上すぐに入金が必要なビジネスでは注意が必要です。
3.カスタマイズ性やリアルタイム性の制約
収納代行サービスは基本的に決められた帳票(払込票フォーマット)やシステムを利用するため、自社独自の決済方法やリアルタイム連携には限界があります。
例えば、リアルタイムで入金を検知して即座にサービス提供を開始するようなオンラインビジネスでは、コンビニ払込票の入金確認待ちではスピード感に欠けます。
また、決済方法自体も現金払い前提のため、ユーザーエクスペリエンスがデジタル決済ほどスムーズでない場合があります。
このように、即時性や柔軟なカスタマイズを求めるケースでは適さない可能性がある点に留意しましょう。
決済代行のメリット
- 複数の決済手段をまとめて導入できる
- 決済業務のアウトソースによる効率化
- 継続課金やBtoB決済にも対応可能
1.複数の決済手段をまとめて導入できる
決済代行サービス最大のメリットは、1社との契約・接続で主要な決済手段を網羅できることです。クレジットカードはもちろん、電子マネー、QRコード決済、後払い決済、コンビニ支払いなどを一括導入できるため、顧客のニーズに合わせた支払い方法を幅広く提供できます。
これにより決済手段不足による機会損失を防ぎ、売上拡大につなげることができます。各決済ごとに個別契約する場合と比べ、導入・運用の手間や時間を大幅に削減できる点も大きな魅力です。
2.決済業務のアウトソースによる効率化
決済代行会社は加盟店に代わって決済に関する煩雑な業務(審査・契約・システム接続・売上金管理など)をまとめて引き受けてくれます。
例えばカード決済導入時に必要なカード会社の審査や、毎月のカード売上の精算、セキュリティ基準(PCI DSSなど)への準拠も決済代行会社がサポートします。
これにより、自社内のリソースを本業に集中でき、バックオフィス業務を効率化できます。また不正検知システムやチャージバック対応など、専門会社ならではの高度なサービスを利用できるのもメリットです。
3.継続課金やBtoB決済にも対応可能
決済代行サービスの中には、定期課金(サブスクリプション)に強いものや、BtoB取引の掛売り決済に特化したものもあります。
例えば、毎月会費をクレジットカードや口座振替で自動引き落とす機能や、企業間の請求書後払いに対応した与信管理付き決済代行サービスなどです。
自社のビジネスモデルにフィットする決済代行サービスを選べば、収益回収の自動化やキャッシュフロー安定化といった効果も期待できます。このように、幅広いニーズに応える柔軟性が決済代行の強みと言えます。
決済代行のデメリット・注意点
- 手数料コストが売上利益に影響
- 導入時の審査・準備が必要
- 複数手段導入による運用管理の複雑化
1.手数料コストが売上利益に影響
決済代行ではクレジットカード手数料や各決済のシステム利用料など、取引額に応じた手数料が常に発生します。クレジットカードの場合は売上の〇%という形で、業種や取扱高によって2%台~5%前後の料率となるのが一般的です。
これらの手数料は基本的にすべて加盟店(企業)の負担となるため、利益率の圧迫要因になります。商品やサービスのマージンが低い場合、決済手数料負担が無視できないコストとなるため、価格設定や費用対効果を十分に検討する必要があります。
また、決済代行会社によっては月額費用や初期費用がかかる場合もあるため、トータルコストを見極めることが重要です。
2.導入時の審査・準備が必要
決済代行サービスを利用するには、事前に加盟店審査を通過する必要があります。特にクレジットカード決済では決済代行会社経由でカード会社の審査が行われ、企業の信頼性やビジネスモデル、Webサイト表記の適正などがチェックされます。
場合によっては必要な書類準備やサイト修正を求められることもあります。そのため、サービス申し込みから実際に利用開始できるまでに数週間程度のリードタイムが発生する可能性があります。
また、自社ECサイトへの決済システム組み込みや、動作テストなど技術的な作業も必要です。スムーズに導入するためには事前準備と社内調整を怠らないようにしましょう。
3.複数手段導入による運用管理の複雑化
決済代行によって多彩な決済手段を提供できる反面、運用面で管理すべき項目が増える点にも注意が必要です。
例えば、クレジットカードでは売上の確定やキャンセル処理、コンビニ決済では支払期限管理、口座振替では残高不足時の再請求対応など、各決済ごとに異なるオペレーションが発生します。
決済代行会社の管理画面上で一元管理できるとはいえ、社内の担当者が各決済のルールを理解しておく必要があります。利用明細の照合作業も決済種別ごとに内容が異なるため、当初は戸惑うこともあるでしょう。導入後は社内体制の整備と担当者教育を行い、ミスなく運用できるようにすることが大切です。
以上が収納代行と決済代行それぞれのメリット・デメリットです。
まとめると、収納代行は、現金派の顧客に対応しやすく、請求業務の負担を軽減できるのが強みですが、回収までに時間がかかり、手数料が割高になりやすい点に注意が必要です。
一方で決済代行は、多様なキャッシュレス決済を一括導入できる利便性が魅力ですが、初期導入のハードルや手数料体系の複雑さに留意する必要があります。
決済代行の仕組みやビジネスモデルの詳細は『決済代行の仕組み・ビジネスモデルを解説!業界地図・手数料・選び方まで』をご覧ください。
次章では、法規制の面から両サービスを整理し、安心して利用するためのポイントを解説します。

コンビニ収納代行・決済代行のおすすめ9社の手数料を比較!コンビニ払いの選び方も解説
「コンビニ収納代行と決済代行の違いがわからず、どちらを選べばいいか迷っている」 「請求書の回収業務に手間がかかり、未収リスクも心配」 「ECサイトで決済手段を増やしたいが、複数の契約管理が負担」 このようなお悩みはありませんか? コンビニで…
法的観点で見る収納代行と決済代行(資金決済法との関係)
収納代行や決済代行を利用・提供する上で、その法的な位置づけも把握しておくことが重要です。特に「資金決済に関する法律(資金決済法)」において、これらのサービスがどのように扱われるかを整理しておきましょう。
収納代行の法的な取扱い
収納代行サービスはもともと「債権回収の代行」とされ、銀行のような免許や登録は不要とされてきました。また、一時的な資金預かりであり「資金移動業」にも該当しないという解釈が一般的だったため、許認可不要で参入しやすいビジネスとされてきた経緯があります。
しかし、2021年5月施行の改正資金決済法により、一部の収納代行サービスが資金移動業(資金決済法上の規制対象)に該当し得ることが明確化されました。
改正法では、例えば「収納代行業者が顧客から預かった資金を即時に送金しない場合」には、その資金が預り金とみなされ資金移動業と同等の扱いとなる可能性が示されています。長期間資金を保持する収納代行は利用者保護の観点から問題視され、利用者資金の分別管理や返還確保の仕組みが求められるようになりました。
要するに、収納代行業者が送金までに時間を要する形態の場合には、金融庁への資金移動業者としての登録義務など追加の法的義務が発生し得るということです。
具体例として、割り勘アプリ(複数人から集めたお金を一人に送金するようなサービス)は、利用者から資金を集めて一時プールし別の利用者へ送金する形になるため、改正法下では資金移動業に該当するとされています。この場合、運営事業者は金融庁への登録や資産保全義務、本人確認義務など厳格な規制遵守が求められます。
一方で、エスクローサービス(物品売買の仲介決済)は、一時預かりはするものの取引成立時に限定して送金する契約形態のため資金移動業に該当しないとされています。
このように、収納代行サービスは、資金の流れや送金のタイミングなど仕組みによって規制対象か否かが分かれます。
決済代行の法的な取扱い
決済代行サービスに関しては、提供する内容によって異なる法的枠組みが適用されます。
1.資金決済法の適用有無
多くの決済代行業者(例:SBペイメントサービス、GMOペイメントゲートウェイ)は、加盟店と決済手段をAPIなどで接続する技術的な役割を担っており、資金を預からないため「資金移動業者」としての登録義務は発生しません。
2.クレジットカード情報を扱う場合
カード情報を扱う場合には「割賦販売法」に基づく登録義務が発生するケースがあります。特に、加盟店契約を一括で行う「包括加盟店方式」を採る場合は、「包括信用購入あっせん業者」として登録が必要です。
3.売上金を一時的に預かるケース
売上金を自社口座で一時的に預かり、後に他の決済事業者へ送金する場合は、収納代行と同様に「資金移動業」に該当する可能性があります。この場合、金融庁への登録や分別管理、本人確認義務などが求められます。
4.セキュリティ・個人情報保護の対応
カード情報や個人情報を扱うため、PCI DSS準拠や個人情報保護法への対応も不可欠です。
このように、決済代行サービスには複数の法律が関係し、提供スキームによって必要な対応が異なる点に注意が必要です。
利用者視点で注意すべき収納代行・決済代行の法的ポイント
収納代行や決済代行サービスを利用する企業(加盟店)側にとって、最も重要なのは、提供事業者が必要な法令遵守をしているかどうかを確認することです。
信頼できる事業者であれば、改正資金決済法を中心に規制対応を行っており、契約時の約款やサービス説明にも資金の流れや保全体制が明示されています。
なお、収納代行や決済代行を「利用する」だけであれば、特別な許認可は不要です。ただし、自社で新たにエスクローや送金サービスを開発・提供する場合は、資金移動業などの規制対象となる可能性があるため、必ず専門家に相談しましょう。
まとめると、
- 収納代行は以前は無許可で提供可能でしたが、2021年の法改正により、送金のタイミングなどにより資金移動業としての登録が必要な場合があります。
- 決済代行も、提供する決済手段によっては資金移動業や割賦販売法の対象(包括信用購入あっせん業者)となることがあります。
いずれにせよ、信頼性の高いサービス提供会社を選ぶことが重要であり、その判断材料としては法律遵守状況や企業としての実績、サポート体制の明確さなどを確認すると良いでしょう。
自社に合ったサービスの選び方と判断基準
ここまで収納代行と決済代行の仕組みを見てきましたが、最終的に自社にはどちらを導入すべきか、あるいは両方必要かを判断するにはいくつかの観点があります。以下では、サービス選定の際にチェックすべきポイントを整理します。
顧客の支払いニーズ・決済手段の適合性
消費者向けビジネスで現金払いニーズが高い(例:若年層向け商材や、高齢者にも利用されるサービスなど)場合は収納代行(コンビニ支払い)への対応が有効です。
一方、オンライン完結型サービスや全国規模のECサイトでクレジットカード決済は必須でしょうし、昨今はQRコード決済やバーコード決済を求めるユーザーも増えています。その場合は決済代行でキャッシュレス決済を一括導入するのが適しています。
自社のビジネスモデルと回収方式の相性
単発課金型(都度課金)のEC販売が中心なら、支払いごとにコンビニでもカードでも選べる環境を用意するのが親切です。
一方、月額課金型(サブスクリプション)のサービスであれば、毎回ユーザーに支払い手続きを踏ませるコンビニ払いは煩雑なので、自動課金できるクレジットカードや口座振替が向いています。
また企業間取引で掛売りが発生する場合は、請求書後払いに対応した決済代行(BtoB決済サービス)を検討するとよいでしょう。
コスト面(手数料・初期費用)
収納代行であれば払込1件あたりの手数料や月額基本料、決済代行であればカード手数料率やゲートウェイ利用料などを比較しましょう。
特に取引件数や取引額が多い企業では、わずかな手数料率の差が年間コストに大きく影響します。例えば月1,000件の決済がある場合、1件あたり10円手数料が安くなるだけで年間12万円のコスト削減になります。
ただし単純に「安い」だけで選ぶのは危険です。サポート品質や信頼性とのバランスも考慮し、自社の予算内で最も費用対効果の高いサービスを選びましょう。
複数社の料金プランを比較し、初期費用無料だが手数料高め、逆に月額費用かかるが手数料安い、など様々なパターンをシミュレーションすることをお勧めします。
サービス提供企業の信頼性・実績
お金を扱うサービスだけに、提供企業の信用度も無視できません。過去の導入実績が豊富か、同業種・同規模の導入事例があるか、大手企業との提携や認証を受けているか、といった点を確認しましょう。
また、資金決済法改正への対応状況(資金移動業登録の有無)やPCI DSS準拠など法令・セキュリティ対策もしっかり講じている企業が望ましいです。
公式サイトやプレスリリースでその会社の沿革や財務状況を把握するとともに、口コミや評判も参考にすると安心です。
信頼性の高い業者を選ぶことで、サービス障害や倒産リスクによる資金滞留の心配を減らすことができます。
管理画面・レポーティング機能やサポート
実際に運用する際の使い勝手も比較しましょう。Web管理画面でリアルタイムに入金状況が確認できるか、会計システム向けにCSVデータ出力が可能か、といった機能は経理効率に影響します。
また顧客からの支払い問い合わせに迅速に対応できるよう、サポート体制が充実しているかも大事なポイントです。24時間サポートや専任担当の有無、未払い発生時の対応などを確認し、安心して長期間付き合えるサービスか見極めてください。
以上の観点を総合し、自社の状況に最もマッチする収納代行/決済代行サービスを選定しましょう。「顧客ニーズへの適合度」「ビジネスモデルとの相性」「コスト」「信頼性」「使いやすさ」という5つの軸で比較検討すると判断しやすくなります。

コンビニ収納代行・決済代行のおすすめ9社の手数料を比較!コンビニ払いの選び方も解説
「コンビニ収納代行と決済代行の違いがわからず、どちらを選べばいいか迷っている」 「請求書の回収業務に手間がかかり、未収リスクも心配」 「ECサイトで決済手段を増やしたいが、複数の契約管理が負担」 このようなお悩みはありませんか? コンビニで…
よくある質問(FAQ)
最後に、収納代行・決済代行に関するよくある質問をQ&A形式でまとめます。
Q1. 収納代行と決済代行は併用できますか?
A. はい、可能です。決済代行会社を通じてカード決済とコンビニ払いを同時導入でき、入金管理も一元化できます。顧客の選択肢が広がり売上機会拡大につながります。
Q2. コンビニ収納代行の入金サイクルは?
A. 通常3〜10営業日。週1〜2回の振込サイクルが多く、カード決済に比べ遅れるため資金繰り確認が必要です。
Q3. 費用はどれくらい?
A. 「初期費用」「月額料」「手数料」で構成され、初期費用数万〜10万円、月額0〜数万円、手数料150〜200円/件が一般的です。件数や機能により異なるため、複数社比較が推奨されます。
Q4. 資金決済法改正の影響は?
A. 利用企業への直接義務はありませんが、信頼できる登録業者を選ぶ重要性が高まりました。
Q5. 決済代行を導入すれば収納代行は不要?
A. 多くの決済代行サービスが収納代行を内包しているため、別契約は不要です。既存契約を継続する場合のみ個別対応が必要です。
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主要な収納代行サービスや決済代行サービスについて、もっと詳しい資料を入手したいという方も多いでしょう。
MCB FinTechカタログでは、国内主要な収納代行・決済代行サービスの詳細資料を一括で請求することができます。複数サービスを比較検討する際に非常に便利ですので、導入判断にぜひご活用ください。
各社の料金プランや導入事例が載ったパンフレットをまとめて取り寄せ、一度に比較検討することで、より自社にマッチした最適なサービスが見えてくるはずです。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋 真倫




