ECサイトやオンラインサービスを運営していると、身に覚えのない不正利用を理由にカード会社から売上を取り消され、商品は発送済みなのに代金を回収できない——そんなチャージバックの損失に悩む事業者は少なくありません。
この損失を金銭で肩代わりしてくれるとされる「チャージバック保証」とは本当に損失を補償してくれる仕組みなのか、どのサービスがいくらで提供しているのかを確かめたくて、このページを開いた方も多いはずです。
結論から言えば、チャージバック保証は「不正利用を減らす」検知とは別に、発生したチャージバックの損失を保証会社や決済代行会社が金銭で肩代わりする仕組みです。ただし、誰が・いくらで・どこまでの範囲を補償するのかは、サービスによって大きく異なります。
本記事では、チャージバック保証・補償を提供する主なサービスの保証範囲・料率・保証上限・対応決済を一覧で比較し、混同されがちな「保証型」と「補償団体保険(保険型)」の違い、保証されない免責条件、申請から補償金受取までの流れまで整理します。自社の損失額に見合う対策を選ぶ材料としてご活用ください。
目次
チャージバック保証とは
チャージバック保証とは、クレジットカードの不正利用などでチャージバックが発生したとき、その損失額を保証会社や決済代行会社が加盟店に代わって負担する仕組みです。チャージバックとは、カード会社が加盟店への支払いを拒絶し、売上が取り消される事象を指します。商品を発送したのに代金を回収できない、という金銭的な損失を肩代わりする点に本質があります。
ここで押さえておきたいのが、「保証」と「不正検知」は役割が異なるという点です。不正検知(不正注文検知システムやEMV 3-Dセキュアなどの本人認証)は、不正な取引を未然に止めて被害の発生を減らすための対策です。一方でチャージバック保証は、検知で防ぎ切れずに発生してしまったチャージバックの損失を、事後に金銭で補う対策です。前者が「防ぐ」、後者が「起きた損を埋める」という二層の関係にあります。
注意したいのは、チャージバック保証が備えるのは契約後に発生するチャージバックだという点です。多くのサービスでは、契約前にすでに起きてしまった過去の損失をさかのぼって補償することはできません。不正利用による損失が続いているなら、早く対策を講じるほど、その後に発生する分をカバーできる範囲が広がります。
チャージバックがそもそもなぜ起き、売上取消の損失が最終的に加盟店に及ぶのかという仕組みは、決済代行の仕組みを図解した以下の記事で詳しく解説しています。本記事は、その損失を補償するサービスをどう選ぶかに焦点を当てます。
チャージバック保証・補償を提供する主なサービス
チャージバック保証・補償は、決済代行会社(PSP)や保証会社が提供しています。代表的なサービスと提供会社を挙げると、次のとおりです。
- アクル「チャージバック保証サービス」(株式会社アクル)— 保証型の提供元本体。不正注文検知「ASUKA」も手がけ、多くの決済代行会社の「保証」の実体を担っています。
- GMOイプシロン「チャージバック保証サービス」(GMOイプシロン、株式会社アクルと提携)— 料率と保証上限を公開している保証型サービスです。
- ペイジェント/ゼウス(カードサービス)のチャージバック保証— いずれも株式会社アクルの保証を各決済代行が提供する保証型です。
- GMOペイメントゲートウェイ「チャージバック補償団体保険」(引受: 三井住友海上)— 損害保険会社が引き受ける保険型の補償制度です。
- 楽天ペイ「チャージバック補償団体保険制度」(楽天ペイメント)— 楽天ペイの加盟店向けに用意された保険型の補償制度です。
ここで見えてくるのが、チャージバック保証には大きく2つの提供モデルがあるという点です。ひとつは保証会社が加盟店に代わって請求額を負担する「保証型」で、決済代行各社が提供する保証の多くは株式会社アクルの仕組みを採用しています。
もうひとつは、決済代行が用意した団体保険に加盟店が加入し、損害保険会社が保険金を支払う「補償団体保険(保険型)」です。両者は費用の見え方も補償の範囲も異なるため、後半であらためて詳しく整理します。
【比較表】保証範囲・料率・保証上限・対応決済の横断比較
主なチャージバック保証・補償サービスの保証(補償)の対象範囲・料率や費用・保証上限・対応決済を一覧で比較します。料率や上限を公開していないサービスは「非公開(要見積もり)」と記載しました。読者の最初の関心である「どの会社が・いくらで・どこまで」を、まずこの表で確認してください。
| サービス名 | GMOイプシロン チャージバック保証 | アクル チャージバック保証サービス | ペイジェント チャージバック保証 | ゼウス/カードサービス チャージバック保証 | GMOペイメントゲートウェイ 補償団体保険 | 楽天ペイ 補償団体保険制度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供モデル | 保証型 (アクル提携) | 保証型 (提供元本体) | 保証型 (アクル) | 保証型 (アクル) | 保険型 (引受:三井住友海上) | 保険型 |
| 保証(補償)の対象範囲 | 第三者による 不正利用 | 第三者による 不正利用 (不正検知審査の通過が前提) | 第三者による 不正利用 | 第三者による 不正利用 | 不正利用等による チャージバック | 不正利用等による チャージバック |
| 料率・費用 | 月額3,900円 | 非公開(要見積もり) | 非公開(要見積もり) | 非公開(要見積もり) | 月7,800円/23,600円/52,000円 (プラン別) | 5,000〜8,000円台 (プラン別・参考値) |
| 保証(支払)上限 | 月30万円 (3Dセキュア認証支援 導入時は月100万円) | 非公開(要見積もり) | 非公開(要見積もり) | 非公開(要見積もり) | 月5万〜50万円 (縮小支払割合50%) | 国内 月15万円 海外 月50万円 (参考値) |
| 対応決済・条件 | クレジットカード PayPal・Yahoo!ウォレット キャリア決済 | 非公開 (要問い合わせ) | 要問い合わせ | ゼウス決済の 利用が必要 | クレジットカード | 楽天ペイの 利用が前提 |
| 詳細情報 | 公式サイト | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は2026年7月時点の各社公式情報をもとにした内容です。最新の料率・保証範囲は各社にご確認ください。楽天ペイの補償額・保険料は参考値です。
公開されている料率・上限を具体的に見ると、保証型のGMOイプシロンは月額3,900円で保証上限が月30万円(3Dセキュア認証支援サービスの導入時は月100万円)です。
保険型のGMOペイメントゲートウェイの補償団体保険は、月額保険料がエコノミー7,800円・スタンダード23,600円・プレミアム52,000円のプラン制で、支払限度額は月5万〜50万円、損害額に対する縮小支払割合は50%と定められています。一方、アクル本体やペイジェント、ゼウスの保証型は料率を公開しておらず、個別の見積もりが前提です。
数値だけでなく、保証の対象範囲がサービスによって異なる点にも注意が必要です。保証型の多くは対象を「第三者による不正利用」に限定しており、後述する免責条件と合わせて確認しておくことが、導入後のミスマッチを防ぐうえで重要になります。
料率を公開していないアクル本体・ペイジェント・ゼウス(カードサービス)の保証型は、取扱商材やチャージバックの発生状況に応じて料率が決まるため、見積もりを取って比較することになります。ペイジェント・ゼウスはいずれもアクルの保証を各社経由で利用する形です。保険型の楽天ペイの補償額・保険料は上表では参考値としているため、最新の条件は各社の公式ページで確認してください。
公開されている値をはじめ、各社の公表値は以下の公式ページで確認できます。
出典・参考資料(3件)
- 出典:チャージバック保証サービス|GMOイプシロン(https://www.epsilon.jp/service/option/chargeback_guaranteed.html)
- 出典:チャージバック補償団体保険|GMOペイメントゲートウェイ(https://www.gmo-pg.com/service/security-chargeback/)
- 出典:チャージバック保証サービス|株式会社アクル(https://akuru-inc.com/service/chargeback/)
保証の対象外・免責条件
チャージバックが起きれば何でも補償されるわけではありません。保証・補償の対象外となる主なケースを、公式に明示されている条件から整理します。自社が実際に困っているチャージバックがこの対象に入るかどうかが、選定の分かれ目になります。
- 第三者による不正利用以外は対象外:保証型の多くは、対象を第三者による不正利用に限定しています。商品未着や「頼んでいない」といったクレーム(いわゆるフレンドリーフラウドを含む)は対象外です。
- 不正検知の審査を通過していることが前提:アクルの保証は、推奨する不正検知システムの審査を実施・通過したにもかかわらずチャージバックが発生した場合を対象としています。カード会社などから不正利用の疑いを連絡されたのに出荷したものは対象外です。
- 期間・契約の条件:アクルの保証では、売上日(商品出荷日)から6か月を経過したもの、売上日が契約日以前のもの、契約終了後のチャージバックは対象外とされています。
- 保証料の未納・故意過失:GMOイプシロンでは、保証料を支払っていない月は対象外で、加盟店に故意・過失があると判断されたチャージバックも除外されます。
- 保険型は縮小支払割合と支払限度がある:GMOペイメントゲートウェイの補償団体保険では、損害額の50%(縮小支払割合)が保険金の対象で、月額・保険期間ごとに支払限度額が定められています。
とくに「第三者による不正利用に限定」という線引きは重要です。チャージバックの原因が不正利用ではなくクレームや商品未着にある場合、多くの保証型サービスでは補償されません。自社で発生しているチャージバックの原因を確認したうえで、対象範囲が合うサービスを選ぶ必要があります。
出典・参考資料(2件)
- 出典:チャージバック保証サービス(保証の対象・対象外)|株式会社アクル(https://akuru-inc.com/service/chargeback/)
- 出典:チャージバック保証サービス(保証範囲・免責)|GMOイプシロン(https://www.epsilon.jp/service/option/chargeback_guaranteed.html)
申請から補償金受取までの流れ
チャージバックが発生してから、実際に補償を受け取るまでの流れは提供モデルによって異なります。代表的な2つのパターンを見ておきましょう。
保証型(アクルの例)では、チャージバックが確定した後、加盟店がWEBフォームから支払を申請し、配送伝票やカード会社からの通知書の写しをアップロードします。毎月15日までに支払審査を通過したものが、翌月末日に支払われる運用です。
保険型(GMOペイメントゲートウェイの補償団体保険)では、チャージバックが発生すると、まずGMOが加盟店の売上金から相殺し、加盟店が引受保険会社である三井住友海上へ保険金を請求して支払いを受ける、という流れになります。
いずれのモデルでも、配送伝票などの証憑をそろえて申請する必要があります。補償金の入金までには一定の期間がかかるため、キャッシュフローへの影響も見込んでおくとよいでしょう。
保証型と補償団体保険(保険型)の違い
「チャージバック保証」と「チャージバック保険(補償団体保険)」は、しばしば同じ意味で語られますが、仕組みは異なります。どちらが自社に合うかを判断するために、構造の違いを整理します。
| 提供モデル | 保証型(保証会社が負担) | 補償団体保険(保険型) |
|---|---|---|
| しくみ | 保証会社・決済代行が加盟店に代わり請求額を負担。多くが株式会社アクルの仕組み | 決済代行の団体保険に加盟店が加入し、損害保険会社が保険金を支払う |
| 費用の見え方 | 月額固定または個別見積もり(非公開が多い) | プラン制の保険料を公開している場合が多い |
| 補償の範囲 | 第三者による不正利用が中心。全額補償の設計が多い(上限内) | 縮小支払割合(例: 損害額の50%)と月額・保険期間の支払限度がある |
| 前提条件 | 不正検知システムの審査を通過していること | 保険への加入。プランに応じた保険料の支払い |
※2026年7月時点の各社公式情報をもとに整理した一般的な傾向です。詳細は各サービスの最新情報をご確認ください。
保証型は、審査を通過した不正利用について請求額を負担する設計が中心で、費用は個別見積もりのことが多い一方、上限内であれば損失を全額カバーしやすいのが特徴です。
保険型は保険料が公開されていて予算を立てやすい反面、縮小支払割合によって損害の一部のみが支払われ、支払限度額を超えた分は自社負担になります。「保険」という言葉に安心して加入したら、実際には損害の半分しか戻らなかった、という誤解を避けるためにも、この違いは押さえておきたいところです。
不正検知との関係:保証だけでは守り切れない二層構造
チャージバック保証を検討するうえで欠かせないのが、不正検知との関係です。ここを踏まえておくと、保証をどう位置づけるべきかが見えてきます。
保証型のサービスは、そもそも不正検知システムの審査を通過していることを補償の前提にしています。検知で不正をふるいにかけたうえで、それでもすり抜けて発生したチャージバックを保証が補う、という二層構造です。検知を入れずに保証だけで損失をゼロにする、という使い方は想定されていません。
保険型でも、支払限度額や縮小支払割合があるため、被害が大きくなれば自社負担が残ります。不正の発生自体を減らす検知と、発生した損失を補う保証・保険は、どちらか一方だけで完結させず組み合わせて考えるのが基本です。保証を検討する際は、あわせて不正注文検知やEMV 3-Dセキュアなどの未然防止策も見ておくと、損失を抑える設計がしやすくなります。
自社に合う保証サービスの選び方
自社に合う保証を選ぶには、これまで見てきた選定軸を自社の状況に当てはめて確認することが大切です。判断のポイントは、提供モデル(保証型か保険型か)、保証の対象範囲、保証上限と対応決済、そして免責条件の4点になります。
大まかな指針としては、チャージバックの原因が第三者による不正利用で、損失を上限内で全額カバーしたいなら保証型が向きます。保険料を予算化して備えたい場合は保険型が選択肢になりますが、縮小支払割合で損害の一部が自社負担として残る点は踏まえておきましょう。
被害額が大きい場合は、保証上限が自社の月間損失に足りるか、自社が使っている決済手段が対応決済に含まれるかも確認しておきましょう。そのうえで、とくに判断に迷いやすい「費用に見合うか」と「3Dセキュア対応による上限の変化」を掘り下げます。
ここまで見てきたとおり、チャージバック保証の多くは決済代行会社のオプションとして提供されます。保証の条件だけでなく、手数料や対応決済を含めて決済代行そのものを横断で見比べたい場合は、以下の比較記事も選定の材料になります。
保証料は自社の損失額に見合うか(費用対効果の考え方)
チャージバック保証を入れるべきかは、保証料と、いま発生している損失額を突き合わせて考えると判断しやすくなります。おおまかには、次の3つの要素を並べて見比べる方法があります。
- 月間・年間のチャージバック損失額(実際に回収できなかった代金)
- 保証・補償にかかる費用(月額固定の保証料や保険料、見積もりの料率)
- 保証上限・支払限度と、実際に補償される割合(保険型は縮小支払割合を加味)
たとえば、月間のチャージバック損失が保証上限の範囲に収まり、保証料が損失額を下回るのであれば、費用をかけて損失の変動リスクを平準化する意味は大きくなります。
逆に、損失が小さい、あるいはチャージバックの原因が保証の対象外(クレーム・商品未着など)に偏っている場合は、保証よりもまず不正検知や本人認証で発生自体を抑えるほうが効果的なこともあります。自社の損失の「額」と「原因」を把握することが、費用対効果を見極める出発点です。
3Dセキュア対応で保証の上限・条件はどう変わるか
本人認証の対応状況は、保証の条件にも影響します。ECサイトでは、クレジットカード・セキュリティガイドライン(事務局: 一般社団法人日本クレジット協会)にもとづき、EMV 3-Dセキュア(本人認証サービス。従来の3Dセキュアを強化した仕組み)を2025年3月末までに原則導入することが求められました。
この本人認証への対応は、チャージバック保証の上限にも関わってきます。GMOイプシロンのチャージバック保証サービスでは、基本の保証上限が月30万円のところ、3Dセキュア認証支援サービスを導入すると月100万円まで引き上げられます。
本人認証で不正の発生を抑えつつ、保証の上限も高める、という組み合わせが可能になっているわけです。上限を最大化したい場合は、本人認証への対応状況も合わせて確認するとよいでしょう。
出典・参考資料(2件)
- 出典:「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂されました(2025年3月5日)|経済産業省(https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250305002/20250305002.html)
- 出典:チャージバック保証サービス(3Dセキュア認証支援導入時の上限)|GMOイプシロン(https://www.epsilon.jp/service/option/chargeback_guaranteed.html)
チャージバック保証に対応する決済・不正対策サービス
ここでは、チャージバック保証・補償を提供する主なサービスを個別に紹介します。保証は不正検知とセットで機能するため、検知の提供元も含めて見ていきます。
アクル チャージバック保証サービス(株式会社アクル)

株式会社アクルは、チャージバック保証の提供元として、決済代行各社の「保証」の実体を担ってきた会社です。不正注文検知サービス「ASUKA」やEMV 3-Dセキュア領域の「ASUKA-3DS」も手がけており、検知と保証を組み合わせた多層的な不正対策を一社で提供しています。
チャージバック保証サービスは、推奨する不正検知システムの審査を通過したにもかかわらず発生したチャージバックについて、請求額を負担する保証型です。申請はWEBフォームから行い、毎月15日までに審査を通過したものが翌月末に支払われます。
料率は個別見積もりのため、自社の取扱商材やチャージバックの状況に応じて相談する形になります。不正検知の「ASUKA」はMCB FinTechカタログにも掲載されており、検知から保証までを見据えて検討したい事業者にとって有力な選択肢です。
GMOイプシロン チャージバック保証サービス

GMOイプシロンのチャージバック保証サービスは、株式会社アクルと提携して提供される保証型で、料率と保証上限を公開している点が特徴です。月額3,900円で、保証上限は月30万円、3Dセキュア認証支援サービスを導入すると月100万円まで引き上げられます。
対象となるのはクレジットカード決済・PayPal決済・Yahoo!ウォレット決済・スマートフォンキャリア決済のいずれかで、海外発行カードも対象に含まれます。故意・過失があると判断されたチャージバックや、保証料を支払っていない月は対象外です。決済代行としてオンライン決済を導入しながら、費用の見える形で不正利用の損失に備えたい事業者に適しています。
GMOペイメントゲートウェイ チャージバック補償団体保険

GMOペイメントゲートウェイのチャージバック補償団体保険は、三井住友海上が引き受ける保険型の補償制度です。月額保険料はエコノミー7,800円・スタンダード23,600円・プレミアム52,000円のプランに分かれ、支払限度額は月5万〜50万円、損害額に対する縮小支払割合は50%と定められています。
チャージバックが発生すると、GMOが売上金から相殺し、加盟店が三井住友海上へ保険金を請求する流れになります。保険料を公開しているため予算を立てやすく、GMOペイメントゲートウェイの決済を利用している加盟店が、保険の形で損失に備えたい場合の選択肢となります。損害の一部が自社負担として残る点は、加入前に確認しておきましょう。
チャージバック対策は、どの決済システムでオンライン決済を受けるかという土台の選定と切り離せません。以下の記事では、実店舗・EC・サブスクといった導入形態別にオンライン決済システムの選び方と主要サービスを比較しています。決済まわり全体を見直したうえで保証を組み込みたい方は、あわせてご覧ください。
まとめ
チャージバック保証は、不正利用などで発生したチャージバックの損失を、保証会社や決済代行が金銭で肩代わりする仕組みです。ただし、保証会社が請求額を負担する「保証型」と、損害保険会社が支払う「補償団体保険(保険型)」では、費用の見え方も補償の範囲も異なります。保証型は第三者による不正利用が中心で不正検知の審査通過が前提、保険型は縮小支払割合や支払限度がある、という違いを押さえておくことが大切です。
選ぶ際は、自社のチャージバックの「額」と「原因」を把握したうえで、提供モデル・保証範囲・上限・対応決済・免責条件を突き合わせて判断してください。まずは料率や保証範囲が自社に合いそうなサービスの資料を取り寄せ、現状の損失額と見比べるところから始めてください。
よくある質問(FAQ)
Q. チャージバック保証とは何ですか?
A. チャージバック保証とは、不正利用などでチャージバック(カード会社が加盟店への支払いを拒絶し売上が取り消される事象)が発生したとき、その損失額を保証会社や決済代行会社が加盟店に代わって負担する仕組みです。商品を発送したのに代金を回収できない、という金銭的な損失を事後に肩代わりする点が本質で、不正取引を未然に止める「不正検知」とは役割が異なります。
Q. チャージバックの損失は誰が負担するのですか?
A. チャージバックが発生すると、原則として加盟店(EC事業者)が売上取消による損失を負担します。不正利用であっても、商品は発送済みなのに代金だけが回収できない状態になりやすいのが実情です。チャージバック保証は、この加盟店負担となる損失を保証会社や決済代行が肩代わりするために用意された仕組みです。
Q. チャージバック保証(保証型)と補償団体保険(保険型)はどちらを選ぶべきですか?
A. 上限内で損失を全額カバーしたいなら保証型、保険料を公開していて予算の立てやすさを重視するなら保険型が向きます。保証型は審査を通過した第三者による不正利用について請求額を負担する設計が中心で、費用は個別見積もりのことが多い一方、上限内なら損失を全額カバーしやすいのが特徴です。
保険型は保険料が公開されている反面、縮小支払割合(例: 損害額の50%)や支払限度額があり、超えた分は自社負担として残ります。自社のチャージバックの「額」と「原因」を踏まえて選ぶのが基本です。
Q. クレームや商品未着によるチャージバックも保証されますか?
A. 多くの保証型サービスは対象を「第三者による不正利用」に限定しており、クレームや商品未着(いわゆるフレンドリーフラウドを含む)は対象外です。そのため、自社で発生しているチャージバックの原因が不正利用ではなくクレーム・商品未着に偏っている場合、保証を入れても補償されないミスマッチが起こり得ます。導入前に、自社の被害の原因が対象範囲に入るかを必ず確認してください。
Q. 料率を公開していないチャージバック保証サービスの費用はどう確認すればよいですか?
A. 料率を公開していない保証型は個別見積もりが前提のため、取扱商材やチャージバックの発生状況を伝えて見積もりを取り、月間の損失額と突き合わせて確認します。アクル本体やペイジェント、ゼウスの保証型は料率を非公開としており、費用は問い合わせベースで把握する形になります。
一方、GMOイプシロン(月額3,900円)やGMOペイメントゲートウェイの補償団体保険(プラン制の月額保険料)のように、料率・保険料を公開しているサービスもあるため、予算を先に固めたい場合は公開型から比較する方法もあります。
Q. チャージバック保証と不正検知は両方必要ですか?
A. 基本は両方を組み合わせて考えます。保証型の多くは、不正検知システムの審査を通過していることを補償の前提にしているためです。
検知で不正をふるいにかけたうえで、それでもすり抜けて発生したチャージバックを保証が補う二層構造になっており、検知を入れずに保証だけで損失をゼロにする使い方は想定されていません。保険型でも支払限度や縮小支払割合があるため、発生自体を減らす検知とセットで設計すると損失を抑えやすくなります。
Q. 保証上限を超えたチャージバックはどうなりますか?
A. 保証上限・支払限度額を超えた分は、原則として自社負担になります。たとえばGMOイプシロンの保証上限は月30万円(3Dセキュア認証支援サービスの導入時は月100万円)、GMOペイメントゲートウェイの補償団体保険は支払限度額が月5万〜50万円で、いずれも上限を超えた損失はカバーされません。
保険型では上限内でも縮小支払割合により損害の一部のみが支払われる点にも注意が必要です。自社の月間損失額が上限に収まるかを、選定時に必ず確認してください。
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