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公的個人認証(JPKI)とは?サービス・認証局の違いと本人確認の仕組みをわかりやすく解説

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マイナンバーカードで口座を開いたり行政手続きをしたりする画面で、ふと「公的個人認証」という言葉に出くわして、これが何なのか引っかかった方は少なくありません。似た言葉に「公的個人認証サービス」「公的個人認証局」もあり、同じものなのか違うものなのかが分かりにくいのも、この言葉のつまずきやすいところです。

公的個人認証を一言でいえば、マイナンバーカードのICチップに入っている電子証明書を使って、オンラインで「本人であること」を証明する仕組みです。この記事では、その正体を平易に解説したうえで、混同しやすい「サービス」「認証局」との言葉の違い、2種類の電子証明書、安全性の仕組みまでを一目で分かる形に整理します。

あわせて、本人確認の仕組みとして公的個人認証を使う側になる事業者に向けて、2027年4月の犯罪収益移転防止法(犯収法)改正で何が変わるのか、公的個人認証に対応したオンライン本人確認(eKYC)をどう選ぶのかまで解説します。まずは「公的個人認証とは何か」から見ていきましょう。

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公的個人認証(JPKI)とは?

一言でいうと「電子証明書でオンライン本人確認をする仕組み」

公的個人認証サービス(JPKI:Japanese Public Key Infrastructure)とは、マイナンバーカードのICチップに記録された電子証明書を使い、インターネット上で本人であることを証明する仕組みです。「なりすまし」や情報の改ざんを防ぎ、行政の申請やインターネットサイトへのログインを、対面や郵送に頼らずオンラインで安全に行えます。

この仕組みは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が全国共通の運営主体となり、2004年(平成16年)から提供されています。根拠となる法律は「電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律」(公的個人認証法)です。

マイナンバーカードの電子証明書を使う仕組み

公的個人認証の中心にあるのが、マイナンバーカードのICチップに記録された「電子証明書」です。電子証明書は、印鑑証明書の電子版のようなもので、「この操作をしているのは確かに本人だ」ということを第三者が確認できるデータです。

利用者はスマートフォンやICカードリーダーでカードを読み取り、暗証番号を入力します。カードの中に安全に保管された鍵と電子証明書によって本人性が確認されるため、券面(カード表面)の情報を目視したり、本人確認書類のコピーを送ったりする必要がありません。マイナンバーカードそのものが、オンライン本人確認の「鍵」として働くと考えると分かりやすいでしょう。

また近年は、スマートフォン本体にマイナンバーカードの機能を搭載し、物理カードを持ち歩かずに本人確認を行える仕組み(本人確認では「ル方式」と呼ばれます)も広がっています。物理カードによる公的個人認証(JPKI)との違いや対応時期は、以下の記事で整理しています。

公的個人認証で何ができる?使われている場面

公的個人認証は、行政の手続きから民間サービスまで、次のような場面で本人確認の手段として利用されています。

  • e-Tax(国税電子申告・納税システム): 確定申告などの電子申請で、書類が本人によるものであることを署名で証明
  • マイナポータル: 行政サービスのオンライン窓口へのログイン
  • コンビニ交付: コンビニのマルチコピー機で住民票の写しや印鑑登録証明書などを取得する際のログイン
  • 銀行口座・証券口座の開設: 民間事業者のオンライン本人確認(eKYC)での利用
  • 各種オンライン契約・アプリの本人確認: 携帯電話の契約、住宅ローン、キャッシュレス決済アプリなど

「公的個人認証」「サービス」「認証局」「検証者」の違い

ここからは、混同しやすい4つの言葉の違いを整理します。「公的個人認証」を調べていると、「公的個人認証サービス」「公的個人認証局」「署名検証者」といった似た言葉が出てきて、同じものを指しているのか分かりにくくなりがちです。まず全体像を対比表で押さえましょう。

4つの言葉の対比

言葉指すもの誰が関わるか
公的個人認証マイナンバーカードの電子証明書で本人確認する「仕組み・考え方」の総称
公的個人認証サービス(JPKI)その仕組みを提供する「サービスの正式名称」。電子証明書の発行・失効情報の提供などを含む運営はJ-LIS
公的個人認証局(認証局)電子証明書を発行し、その正しさを保証する「発行元」。JPKIではJ-LISがこれにあたるJ-LIS(+市区町村が窓口)
署名検証者・利用者証明検証者電子証明書が有効かを機構に確認して本人確認に「使う側」。行政機関や、認定を受けた民間事業者行政機関・認定事業者

ひとことで整理すると、「公的個人認証」という仕組みを、「公的個人認証局(J-LIS)」が電子証明書を発行して支え、「サービス(JPKI)」として提供し、「検証者」が本人確認に利用するという関係です。多くの場面で「公的個人認証」「公的個人認証サービス」はほぼ同じ意味で使われ、厳密には後者がサービスとしての正式名称にあたります。

公的個人認証局(=J-LIS)とは

公的個人認証局とは、電子証明書を発行し、その内容が正しいことを保証する「発行元(認証局)」です。JPKIでは、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が全国共通の認証局として電子証明書を発行しています。実際にカードへ電子証明書を記録する窓口は市区町村(住民の居住地の自治体)で、制度の所管はデジタル庁・総務省です。

認証局が「発行元」として信頼の起点になっているため、検証する側は、その電子証明書がJ-LISという信頼できる認証局から発行されたものかどうかをたどって確認できます。「認証局」は技術用語では CA(Certification Authority)とも呼ばれます。

署名検証者・利用者証明検証者とは

署名検証者・利用者証明検証者とは、電子証明書が有効かどうかを機構(J-LIS)に確認しながら、本人確認に「利用する側」を指します。行政機関などに加え、主務大臣(内閣総理大臣及び総務大臣)の認定を受けた民間事業者が、この検証者として公的個人認証を利用できます。公式のガイドラインでは、署名検証者を次のように定めています。

署名検証者とは、行政機関等、裁判所、主務大臣が認定した民間事業者等のうち、機構に公的個人認証法第17条第1項の届出をした者をいう。

公的個人認証サービス利用のための民間事業者向けガイドライン|デジタル庁・総務省

当初、公的個人認証の利用先は行政機関などに限られていましたが、2016年(平成28年)1月からは、認定を受けた民間事業者も検証者として利用できるようになりました。これにより、銀行や証券会社などが自社のオンライン本人確認に公的個人認証を組み込めるようになっています。署名を検証する場合が「署名検証者」、ログイン時などの本人確認に使う場合が「利用者証明検証者」です。

マイナンバーカードの電子証明書は2種類(署名用/利用者証明用)

ここからは、公的個人認証の要となる電子証明書を、2つの種類に分けて具体的に見ていきます。マイナンバーカードには、用途の異なる2種類の電子証明書が記録されています。

署名用電子証明書と利用者証明用電子証明書の違い

項目署名用電子証明書利用者証明用電子証明書
主な用途電子文書を作成・送信する際に「本人が作成し、改ざんされていない」ことを証明ログインした人が「利用者本人」であることを証明
使う場面の例e-Taxなどの電子申請、オンライン契約マイナポータルへのログイン、コンビニ交付
暗証番号6〜16桁の英数字4桁の数字
有効期限発行から5回目の誕生日まで発行から5回目の誕生日まで
住所・氏名変更時失効する(再発行が必要)失効しない

ざっくり分けると、「文書に電子的な署名(ハンコ)を押す」のが署名用、「ログインして本人だと示す」のが利用者証明用です。署名用はより重要な用途に使うため、暗証番号も6〜16桁の英数字と長く設定されています。

有効期限・更新・暗証番号のつまずきポイント

電子証明書の有効期間は、発行の日から5回目の誕生日までです。マイナンバーカード自体の有効期限(発行から10回目の誕生日まで)とは別に管理されるため、カードは有効でも電子証明書だけが先に期限切れになることがあります。有効期間が切れる前に、市区町村の窓口などで更新手続きができます。

また、引越しや結婚などで住所・氏名・性別が変わると、署名用電子証明書は失効します(利用者証明用は失効しません)。この場合は市区町村の窓口で電子証明書を再発行する必要があります。暗証番号を連続で間違えるとロックがかかり(署名用は5回、利用者証明用は3回連続でロック)、その際も窓口での再設定が必要です。オンライン手続きの直前に慌てないよう、有効期限と暗証番号は事前に確認しておくと安心です。

公的個人認証の仕組みと安全性

ここからは、「なぜ公的個人認証は安全といえるのか」を、仕組みの面から解説します。

公的個人認証は、「公開鍵暗号方式」と呼ばれる暗号技術を土台にしています。公開鍵暗号方式とは、対になった2つの鍵(秘密鍵と公開鍵)を使い、片方で処理したデータはもう片方でしか正しく確認できないという性質を利用した仕組みです。マイナンバーカードのICチップには秘密鍵が安全に保管され、外部から読み取られない設計になっています。

この仕組みにより、なりすまし(他人による本人のふり)や、通信途中でのデータの盗聴・改ざんを防ぎます。加えて、利用時には本人しか知らない暗証番号の入力が必要なため、仮にカードを他人が手にしても、暗証番号がなければ利用できません。券面の目視や書類のコピーに頼る方法と比べ、偽造・改ざんによる不正のリスクを抑えやすいのが特徴です。

事業者が知っておくべき民間利用と2027年犯収法改正への対応

ここから先は、本人確認の仕組みとして公的個人認証を導入する事業者向けの内容です。個人の方は、ここまでで公的個人認証の全体像はつかめます。事業者に向けて、民間利用の考え方と、2027年に控える制度変更への対応を解説します。

なぜ今、事業者に公的個人認証への対応が求められるのか

背景にあるのが、2027年4月に施行予定の犯罪収益移転防止法(犯収法)施行規則の改正です。この改正では、非対面のオンライン本人確認で主流だった「ホ方式」(本人確認書類の画像を送信する方法)などが原則廃止され、マイナンバーカードを用いた公的個人認証(JPKI)に原則一本化される見込みです。

この方式は、犯収法施行規則のなかで「マイナンバーカードのICチップの署名用電子証明書と電子署名を使う方法」として定められています。条文上のカタカナの符号は改正のたびに前後するため、ここでは符号ではなく方式の中身で示します。目安として、現行規則では6条1項1号「カ」、2027年4月施行の改正後は同号「ヌ」にあたります。

金融機関や決済事業者など、犯収法で本人確認が義務づけられる特定事業者は、2027年4月の施行に向けて、本人確認フローの見直しやシステム改修が必要になります。

2025年・2027年の犯収法改正で本人確認の方式全体がどう変わるのか、書類画像を送る「ホ方式」の廃止や公的個人認証(JPKI)を用いる方式への移行スケジュールの全体像は、以下の記事で詳しく解説しています。

公的個人認証を本人確認に使うメリットと注意点

事業者が本人確認に公的個人認証を採用するかを判断するうえで、メリットと運用上の注意点の両面を押さえておくことが大切です。

メリット

  • 偽造・なりすましのリスクが低い: ICチップの電子証明書で確認するため、書類画像の偽造や加工による不正を抑えやすくなります
  • 対面・郵送が不要: オンラインで本人確認が完結し、来店や本人確認書類の郵送が要りません
  • 事務コストの削減: 目視確認や書類の授受にかかっていた人件費・事務コストを抑えられます

導入・運用上の注意点

  • 連携開発の負担: 自社システムへの組み込みには、電子証明書の読み取りや有効性確認の実装が必要です
  • 法令・ガイドライン改正への継続対応: 犯収法など関連ルールの改正に合わせて、フローの見直しが継続的に求められます
  • 運用・セキュリティ体制: 個人情報や認証データを扱うため、相応のセキュリティ・運用体制が求められます

民間事業者はどう使う?自前で検証者になるか、eKYC経由か

民間事業者が公的個人認証を本人確認に使う方法は、大きく2つに分かれます。1つは、自社が主務大臣の認定を受けて署名検証者・利用者証明検証者となり、J-LISと直接やりとりする方法です。ただし、認定の取得やシステム開発、継続的な運用の負担は小さくありません。

もう1つは、公的個人認証に対応したオンライン本人確認(eKYC)サービスを利用する方法です。認定やシステム連携の多くをサービス側が担うため、自社での開発・運用負担を抑えながら公的個人認証を取り入れられます。多くの事業者にとっては、後者のeKYC経由が現実的な選択肢になります。次章では、公的個人認証に対応したeKYCサービスを比較します。

【比較表】公的個人認証(JPKI)対応eKYCサービスの比較

ここからは、公的個人認証(JPKI)に対応したオンライン本人確認(eKYC)サービスを紹介します。まずは主要サービスの対応方式や実装形態を一覧で比較し、その後で各サービスの特徴を個別に見ていきます。

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サービス名ネクスウェイの本人確認(eKYC)ソリューションxID(クロスID)TRUSTDOCKダブルスタンダードeKYC
対応方式公的個人認証(JPKI)対応
書類画像・ICチップ読取・SMS・郵送にも対応
公的個人認証(JPKI)に特化
書類画像・ICチップ読取型は非対応
公的個人認証(JPKI)対応
書類画像・ICチップ読取・郵送など複数方式+法人KYC
公的個人認証(JPKI)対応
撮影型・ICチップ読取型にも対応
実装形態アプリ提供/API(ライブラリ)提供API/SDK提供(xIDアプリ連携)API提供
アプリ・アップローダー(JS組込)
API/パッケージ/フルカスタマイズ
BPO・目視審査目視確認・後工程の代行に対応×JPKI特化のため提供なし24時間365日の有人審査を自社運用要問い合わせ
特徴複数の本人確認方式をワンストップ提供
法人確認・BPOまで対応
導入300社以上(うち特定事業者100社以上)
JPKIに特化したデジタルID基盤
xIDアプリが全1,741自治体で利用可(2024年11月時点)
NTTデータと技術・サービス連携
eKYCのコア機能を自社開発
公的個人認証の導入支援に強み
行政〜金融まで幅広い業種に対応
署名検証者(2022年1月主務大臣認定)
東証プライム上場企業が提供
顔認証・OCR・データクレンジング技術
詳細情報公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は各社公式情報に基づく2026年7月時点の情報です。最新の対応方式・実績は各社にご確認ください。

公的個人認証に対応した主なeKYCサービス

ここからは、公的個人認証に対応した主なeKYCサービスを個別に紹介します。

1. ネクスウェイの本人確認(eKYC)ソリューション(株式会社ネクスウェイ)

ネクスウェイの本人確認(eKYC)ソリューションのウェブサイト

情報通信事業を手がける株式会社ネクスウェイが提供する、本人確認のデジタル認証サービスです。公的個人認証(JPKI)を活用した本人確認を、自社で認定取得やシステム構築を行うことなく導入できる点が特徴です。

eKYCに加え、目視確認を代行するBPOサービスや発送業務まで組み合わせられるため、本人確認業務全体の運用負担を軽減したい事業者にとって有力な選択肢となります。2027年の犯収法改正を見据えた、公的個人認証への移行相談にも対応しています。

2. xID(クロスID)(xID株式会社)

xID(クロスID)のウェブサイト

マイナンバーカードと結び付いたデジタルIDを発行し、公的個人認証(JPKI)に的を絞って提供するのがxID(クロスID)です。xIDのAPI・SDKを通じて、事業者は公的個人認証による本人確認機能を利用できます。

公的個人認証を中核に据えている点が強みで、自治体・行政サービスとの連携実績も持ちます。JPKIを前提としたIDの活用や、公的個人認証に的を絞った本人確認基盤を検討する事業者に適しています。

3. TRUSTDOCK(株式会社TRUSTDOCK)

TRUSTDOCKのウェブサイト

犯収法をはじめ幅広い法令のユースケースをカバーするのが、eKYC・本人確認サービスのTRUSTDOCKです。公的個人認証(JPKI)を含む複数の本人確認方式に対応し、行政から金融まで横断的な導入実績を持ちます。

アプリやAPIでの提供に加え、24時間365日の目視確認体制など、本人確認業務を幅広くカバーできる点が特徴です。複数方式を組み合わせて運用したい事業者や、公的個人認証への移行を含めて相談したい事業者にとって候補になります。

4. ダブルスタンダードeKYC(株式会社ダブルスタンダード)

ダブルスタンダードeKYCのウェブサイト

ダブルスタンダードeKYCは、犯収法への対応を軸に本人確認を提供するサービスです。公的個人認証(JPKI)に対応し、署名検証者(2022年1月に主務大臣認定を取得)としての利用を前提とした本人確認を実現します。

AML/CFT(マネー・ローンダリング/テロ資金供与対策)関連の機能との連携も視野に入れられるため、金融領域など法令要件の厳しい業種で公的個人認証を取り入れたい事業者に適しています。

ここまで公的個人認証(JPKI)に対応したサービスを見てきましたが、対応方式や導入費用も含めてeKYCサービス全体を比較し、自社の要件に合うものを選びたい方は、以下の記事で選び方まで詳しく解説しています。

まとめ

公的個人認証(JPKI)は、マイナンバーカードのICチップに記録された電子証明書を使い、オンラインで本人であることを証明する仕組みです。電子証明書には署名用・利用者証明用の2種類があり、公開鍵暗号方式によってなりすましや改ざんを防ぎます。「公的個人認証局(J-LIS)」が電子証明書を発行し、「検証者」が本人確認に利用する、という言葉の関係を押さえておくと混乱しにくくなります。

本人確認の仕組みとして公的個人認証を使う事業者にとっては、2027年4月の犯収法改正が大きな節目になります。非対面の本人確認が公的個人認証へ原則一本化される見込みを踏まえ、自社の本人確認フローの見直しと、対応するeKYCサービスの検討を早めに進めておくとよいでしょう。まずは各サービスの資料を取り寄せ、自社の要件に合うかを比較することから始めてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 公的個人認証とマイナンバーカードは同じものですか?

A. 公的個人認証とマイナンバーカードは同じものではなく、公的個人認証は「マイナンバーカードのICチップに記録された電子証明書を使って、オンラインで本人であることを証明する仕組み」の名称です。マイナンバーカードは、その電子証明書を安全に格納する「入れ物(媒体)」にあたります。

カードがなければ公的個人認証は使えませんが、両者は「道具(カード)」と「仕組み(公的個人認証)」の関係にあると整理すると分かりやすいでしょう。

Q. 公的個人認証と公的個人認証サービス(JPKI)は何が違いますか?

A. 両者はほぼ同じものを指し、「公的個人認証サービス(JPKI)」がJ-LISの提供するサービスとしての正式名称です。「公的個人認証」は仕組み・考え方の総称として使われ、「公的個人認証サービス(JPKI:Japanese Public Key Infrastructure)」は、その仕組みを電子証明書の発行や失効情報の提供まで含めて提供するサービスの正式名称です。

日常的な文章では両者はほぼ同義で使われ、厳密には後者がサービス名にあたります。

Q. 公的個人認証とeKYCの違いは何ですか?

A. 公的個人認証はマイナンバーカードの電子証明書で本人確認する「方式(手段)の一つ」であり、eKYCはオンラインで本人確認を完結させる「仕組み全体」を指す言葉です。eKYC(electronic Know Your Customer)には、本人確認書類の画像と容貌を突き合わせる方式など複数の手法があり、公的個人認証はそのうちの一つに位置づけられます。

2027年4月の犯罪収益移転防止法(犯収法)改正では、非対面のeKYCが公的個人認証を用いる方式へ原則一本化される見込みです。

Q. 公的個人認証はスマートフォンだけで使えますか?

A. 公的個人認証は、マイナンバーカードをスマートフォンのNFC(近距離無線通信)機能で読み取れば、ICカードリーダーがなくてもスマホだけで利用できます。加えて、対応するスマートフォンでは、カードの電子証明書に相当する「スマホ用電子証明書」を端末に搭載し、手続きのたびにカードをかざさなくても公的個人認証を利用できる仕組みも始まっています。

ただし、利用する行政サービスや事業者のアプリが、これらの読み取り方式に対応している必要があります。

Q. 公的個人認証の暗証番号を忘れた・ロックされた場合はどうすればよいですか?

A. 暗証番号を忘れた場合やロックされた場合は、市区町村の窓口で暗証番号の初期化・再設定の手続きを行えば、公的個人認証を再び利用できます。暗証番号を一定回数連続で間違えるとロックがかかるため、手続きにはマイナンバーカードと本人確認書類を持参します。近年は、コンビニのマルチコピー機やスマートフォンのアプリから再設定できる仕組みも整いつつあります。

オンライン手続きの直前に慌てないよう、暗証番号は事前に確認しておくと安心です。

Q. 公的個人認証(電子証明書)の有効期限が切れたらどうなりますか?

A. 電子証明書の有効期限(発行から5回目の誕生日まで)が切れると、その電子証明書を使った公的個人認証は利用できなくなります。マイナンバーカード本体の有効期限(発行から10回目の誕生日まで)とは別に管理されるため、カードは有効でも電子証明書だけが先に期限切れになる点に注意が必要です。有効期間満了の3ヶ月前から市区町村の窓口で更新でき、更新すれば引き続き利用できます。

Q. 事業者が公的個人認証を本人確認に使うにはどうすればよいですか?

A. 事業者が公的個人認証を本人確認に使う方法は、自社で主務大臣の認定を受けて「署名検証者・利用者証明検証者」になるか、公的個人認証に対応したeKYCサービスを利用するかの2通りです。前者は認定取得やシステム開発・運用の負担が大きいため、認定やシステム連携の多くをサービス側が担うeKYC経由を選ぶ事業者が多くなっています。

2027年4月の犯収法改正で公的個人認証への一本化が見込まれるため、対応eKYCの比較・検討を早めに進めておくとよいでしょう。

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