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オンライン決済の種類一覧|手段ごとの違いと「自社にどこまで揃えるか」の決め方

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ネットで代金を受け取ろうとオンライン決済を調べ始めると、クレジットカードのほかにコンビニ払いやキャリア決済、○○ペイなど、思っていたより多くの手段が出てきます。まず気になるのは「オンライン決済には全部でどんな種類があり、それぞれ何が違うのか」という全体像ではないでしょうか。

オンライン決済の種類は、クレジットカード決済・コンビニ決済・キャリア決済・ID決済・電子マネー決済・銀行決済・口座振替・後払い・QRコード決済などに分けられます。手段ごとに、使う客層や商材、入金までの早さ、手数料の傾向、未回収リスクの有無が変わってきます。

本記事では、まずオンライン決済の種類を一覧で示し、各手段の仕組みと違いを整理します。そのうえで、手段を増やす費用と、手段がないことで失う売上を突き合わせて「自社にどこまで揃えるべきか」を判断する考え方まで踏み込みます。読み終えたときに、自社に必要な決済手段を線引きし、それらをまとめて導入する次の一歩へ進める状態を目指します。

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オンライン決済とは

オンライン決済とは、インターネットを通じて非対面で代金を支払う決済の総称です。ECサイトでの商品購入、サブスクリプションの月額課金、予約サービスの事前決済など、対面でレジを介さずに代金を受け渡す場面で使われます。手段の名前は多岐にわたりますが、いずれも「対面の現金授受を、通信を介した仕組みに置き換えたもの」という点は共通しています。

背景にあるのは、キャッシュレス決済の広がりです。経済産業省の集計では、2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%で、2010年の13.2%から上昇を続けています。内訳はクレジットカード・デビットカード・電子マネー・コード決済の4区分で構成され、クレジットカードが大半を占めます。ネットで代金を受け取る事業者にとって、複数の決済手段への対応は前提になりつつあります。

出典・参考資料(1件)

オンライン決済とオフライン決済の違い

オフライン決済は、実店舗で購入者と対面し、その場で現金や決済端末を使って代金を受け取る方法です。これに対しオンライン決済は、購入者が手元の端末から通信を通じて支払い手続きを行い、事業者は非対面で入金を受けます。

この違いは、後で手段を比べるときの前提になります。非対面では購入者の顔が見えないため、代金を確実に回収できるか(未回収リスク)や、遠隔地の顧客でも使えるか(非対面での使いやすさ)が、手段選びの判断材料として効いてきます。

オンライン決済の種類

ここからは、オンライン決済の主な種類を一覧で示し、続けて各手段が「どういう決済か」を仕組みとともに解説します。まずは、どんな手段があるのかを一望してください。

実際にどの手段がどれだけ使われているかは、公的統計にも表れています。総務省の令和6年通信利用動向調査によると、インターネットで商品を購入した人の決済方法は、次のようになっています。

インターネットにより商品等を購入した15歳以上の人の決済方法をみると、「クレジットカード払い(代金引換時の利用を除く)」の割合が79.8%と最も高く、次いで、「電子マネーによる支払い(○○ペイなどのQRコード決済、楽天Edy、Suicaなど)」(43.5%)、「コンビニエンスストアでの支払い」(33.7%)などとなっている。

出典:令和6年 通信利用動向調査報告書(世帯編)|総務省(報告書PDF・p.34 図表5-14

この調査では、ほかにインターネットバンキング等での振込(23.0%)、通信料金への上乗せによる支払い(=キャリア決済、16.3%)、代金引換(16.1%)が続きます。同じ「オンライン決済」でも、使われ方には大きな差があることが読み取れます。

クレジットカード決済

クレジットカード決済は、購入者がカード番号などを入力し、カード会社が代金を立て替えて事業者に支払う後払いの仕組みです。前掲の総務省調査でも利用率79.8%と最も高く、オンライン決済の標準手段といえます。代金の回収はカード会社が担うため、事業者から見た未回収リスクは低く抑えられます。

一方で、不正利用への対策が制度として求められている点に注意が必要です。クレジット取引セキュリティ対策協議会の「クレジットカード・セキュリティガイドライン」では、EC加盟店に本人認証の導入が求められています。

EC加盟店は、不正利用対策としてEMV‐3Dセキュア(カード決済時に本人認証を行うサービス)の導入と適切な不正ログイン対策(Webサイトへのログイン時の本人認証等の対策)を実施する。

出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】改訂について|経済産業省・クレジット取引セキュリティ対策協議会(2025年3月5日プレスリリース

このEMV 3-Dセキュア(本人認証の仕組み)は、2025年3月末までに原則すべてのEC加盟店で導入することが求められました。カード決済を扱う場合は、決済手段としての利便性だけでなく、この本人認証への対応も前提になります。

出典・参考資料(1件)

  • 参考資料:「クレジットカード・セキュリティガイドライン【5.0版】」改訂について(2025年3月末までの原則全EC加盟店導入を明記)|経済産業省(2024年3月15日プレスリリース

デビットカード決済

デビットカード決済は、購入と同時に購入者の銀行口座から代金が即時に引き落とされる仕組みです。カード番号を入力して支払う操作はクレジットカードと似ていますが、後払いではなく口座残高の範囲内で支払う即時払いである点が異なります。

クレジットカードを持たない層や、使いすぎを避けたい購入者に選ばれます。多くの決済代行サービスではクレジットカード決済の枠組みの中で扱われるため、カード決済に対応すれば併せて受け付けられるケースが一般的です。

コンビニ決済

注文後に発行された払込票番号などを使い、購入者が最寄りのコンビニエンスストアの窓口や端末で代金を支払うのがコンビニ決済です。多くは商品発送前に支払う前払い方式のため、事業者にとっては未回収リスクを抑えやすい手段です。

クレジットカードを持たない購入者や、カード情報の入力に抵抗がある層をカバーできます。前掲の総務省調査でも利用率33.7%と根強く、幅広い顧客層を取りこぼさないための選択肢になります。

キャリア決済

キャリア決済は、購入代金を携帯電話の通信料金と合算して後日支払う仕組みです。総務省調査では「通信料金への上乗せによる支払い」として16.3%が利用しています。購入者は携帯電話会社の認証だけで支払えるため、カード情報の入力が不要で、少額のデジタルコンテンツなどと相性がよい手段です。

ただし、月あたりの利用限度額が設けられている点は押さえておく必要があります。ドコモのd払い(電話料金合算払い)は20歳以上で最大10万円/月(20歳未満は最大1万円/月)、ソフトバンクまとめて支払いは満20歳以上で最大10万円/月です。auかんたん決済は年齢別の固定上限を公表しておらず、契約状況等に応じてKDDIの基準で変動するとされています。いずれも高額商材には向きにくい手段といえます。

出典・参考資料(3件)

  • 参考資料:d払い(電話料金合算払い)のご利用限度額|NTTドコモ(公式ヘルプ
  • 参考資料:ソフトバンクまとめて支払い|ソフトバンク(公式サービスページ
  • 参考資料:auかんたん決済|au(KDDI)(公式ヘルプ

ID決済(アカウント決済)

ID決済(アカウント決済)は、購入者がPayPay・楽天ペイ・Amazon Payなどのアカウントにログインするだけで支払える仕組みです。カードや住所などの情報は各サービスに登録済みのため、購入者は決済のたびに情報を入力する必要がありません。

最大の利点は、入力の手間を減らして購入直前の離脱(カゴ落ち)を抑えられることです。すでにそのIDを使い慣れた購入者をそのまま取り込めるため、新規顧客の獲得にもつながります。実際の代金の原資は、紐づけられたカードや残高によって即時払いから後払いまで幅があります。

PayPay・楽天ペイ・Amazon PayといったID決済ごとの仕組みの違いや、導入するメリット・デメリット、主要サービスの特徴は、以下の記事で詳しく解説しています。

電子マネー決済

電子マネー決済は、Suicaなどの交通系電子マネーや楽天Edy、WAON、nanacoといった、あらかじめチャージした残高から支払う前払い式の手段です。オンラインでは、これらの残高やアプリと連携して代金を支払います。

チャージ済みの残高から支払うため、購入者にとっては使いすぎの心配が少なく、少額決済で手軽に使われます。ただし、総務省の分類では、QRコード決済(○○ペイ)や交通系マネーがまとめて「電子マネーによる支払い」に含まれる点に注意が必要で、この区分の利用率43.5%はQRコード決済を含んだ数値です。

銀行決済(ネットバンキング・ペイジー)

銀行決済は、購入者がインターネットバンキングやATMを通じて代金を振り込む方法です。総務省調査では、ネットバンキング等での振込が23.0%を占めます。カードを使わずに支払える一方、購入者の振込操作を待つため、入金確認まで時間差が生じることがあります。

関連する仕組みに、ペイジー(Pay-easy)があります。ペイジーは、日本マルチペイメントネットワーク運営機構などが運営する仕組みで、金融機関のATMやインターネットバンキングで収納機関番号などを入力して支払います。請求書や払込票の番号を使う前払いに近い使われ方をしますが、コンビニの窓口や共用ATMでは利用できず、コンビニ決済とは別の手段である点に注意が必要です。

出典・参考資料(1件)

  • 参考資料:ペイジー(Pay-easy)とは・使い方|日本マルチペイメントネットワーク推進協議会・運営機構(公式サイト

口座振替

口座振替は、購入者があらかじめ預金口座を登録しておき、事業者が指定日に自動で代金を引き落とす仕組みです。公共料金や家賃のように、毎月継続して発生する代金の回収に使われてきました。

継続課金では、口座振替が大きな役割を果たします。クレジットカードは有効期限切れや限度額超過で決済が止まることがありますが、口座振替はカードを持たない顧客や、カード更新による失効の影響を受けにくく、回収チャネルを二重化できます。定期購入やサブスクリプションの未回収を抑えたい事業者にとって、有力な選択肢です。

後払い決済(BNPL)

後払い決済(BNPL)は、購入者が商品を受け取った後に、届いた請求書やコンビニ・銀行で代金を支払う仕組みです。Paidyやatone、NP後払いなどが該当します。購入時にカード情報の入力が不要で、「商品を確認してから支払いたい」という購入者の不安を解消できるため、初めて利用する店舗での購入を後押しします。

事業者にとっての利点は、未回収リスクを後払い決済の提供会社が引き受ける点です。多くのサービスでは、購入者が支払わなかった場合でも提供会社が代金を保証するため、事業者は回収の心配なく後払いを提供できます。カードを持たない層や若年層を取りこぼしたくない場合に効きます。

QRコード決済

QRコード決済は、○○ペイと呼ばれるスマートフォンの決済アプリで、画面に表示されたコードを読み取って支払う手段です。オンラインでは、決済画面からアプリへ遷移して支払いを完結させる形が一般的です。

ID決済・電子マネー・QRコード決済は紛らわしいので、何を軸に分けているかで整理すると分かりやすくなります。ID決済はアカウントにログインして支払う点、電子マネーは事前にチャージした残高から支払う点、QRコード決済はコードの読み取りやアプリ連携という支払い体験に着目した呼び方です。PayPayのように、1つのサービスが複数にまたがることもあります。

スマートフォン利用者の多くが日常的に使っており、決済のたびに情報を入力せずに済むため、スマホ経由の購入と相性がよい手段です。前述のとおり、総務省統計ではQRコード決済は「電子マネーによる支払い」の区分に含まれています。

代金引換(代引き)

代金引換(代引き)は、商品配達時に配送業者へ代金を支払い、その代金が事業者に渡る仕組みです。厳密にはオンライン上で決済が完結するわけではありませんが、EC物販で長く使われてきた手段で、総務省調査でも16.1%が利用しています。

「商品を受け取ってから支払いたい」「事前にカード情報を渡したくない」という購入者に選ばれます。一方で、受け取り拒否による返品や、配送業者への代引き手数料が発生する点は、事業者側のコストとして考慮が必要です。

決済手段の違いを比較

ここまで見てきた手段を、支払い方式・向く客層や商材・入金までの傾向・手数料の傾向・未回収リスクの観点で一覧にまとめます。自社が扱う商材や客層に照らして、どの手段が噛み合うかを確認してください。

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決済手段クレジットカード決済デビットカード決済コンビニ決済キャリア決済ID決済(アカウント決済)電子マネー決済銀行決済(ネットバンキング・ペイジー)口座振替後払い決済(BNPL)QRコード決済代金引換(代引き)
支払い方式後払い即時払い前払いが中心後払い(通信料金と合算)紐づけ原資により即時〜後払い前払い(チャージ式)即時払いに近い後払い(後日自動引落)後払い(商品到着後)紐づけ原資により即時〜後払い商品受取時に支払い
向く客層・商材ほぼ全業種の標準手段カード非保有層・使いすぎを避けたい層カード非保有層・物販少額・デジタルコンテンツ対象IDを使い慣れた層・カゴ落ち対策少額・スマホ利用者高額・法人・カード非保有層継続課金・定額サービスカード非保有層・初回購入の不安解消スマホ利用者・少額物販・非対面に不安のある層
入金までの傾向月1〜2回が中心カード決済に準じる入金確認まで時間差ありサービスにより異なるサービスにより異なるサービスにより異なる振込操作を待つため差が出る指定日にまとめて引落提供会社が立替・保証サービスにより異なる配送業者経由で事業者へ
手数料の傾向売上に対する料率型(数%が目安)カード決済に準じる件数あたりの定額型が中心比較的高めの傾向料率型が中心料率型が中心件数あたりの定額型が中心件数あたりの定額型が中心料率型が中心料率型が中心代引き手数料が発生
未回収リスク低い(回収はカード会社)低い(残高範囲で即時)低い(前払いの場合)低い(回収は通信会社)低い(原資側で保証)低い(残高から充当)低い(入金確認後に提供する運用)残高不足時の再請求が必要低い(提供会社が保証する場合)低い(原資側で保証)受取拒否による返品の可能性

※上記は一般的な傾向です。実際の手数料率・入金サイクルはサービスや契約条件により異なるため、各社情報をご確認ください。

手数料の水準を大まかに掴んでおくと、比較の見当がつきます。クレジットカード決済は売上に対する料率型で、中小事業者ではおおむね数%(3〜5%程度)が一つの目安です。コンビニ決済や口座振替、銀行振込などは、料率ではなく1件あたり数十〜数百円の定額型が中心になります。ただし実際の料率・定額は、業種やカードブランド、取扱高、契約条件によって幅があるため、具体的な金額は各サービスの見積りで確認してください。

支払い方式(前払い・即時払い・後払い)で整理する

手段が多くて覚えきれないときは、代金がいつ動くか、という支払い方式で束ねると整理できます。おおむね次の3つに分けられます。

  • 前払い:代金を先に受け取ってから商品・サービスを提供する。コンビニ決済、電子マネー決済(チャージ式)など。未回収リスクを抑えやすい
  • 即時払い:購入と同時に代金が動く。デビットカード決済、銀行決済(ネットバンキング)など
  • 後払い:先に商品・サービスを提供し、後で代金を回収する。クレジットカード決済、キャリア決済、後払い決済(BNPL)、口座振替など。購入のハードルは下がるが、回収の担い手を確認しておく
オンライン決済の支払い方式を3つに整理した図。前払いはコンビニ決済・電子マネー決済(チャージ式)で未回収リスクを抑えやすい。即時払いはデビットカード決済・銀行決済(ネットバンキング)で口座残高の範囲内で支払う。後払いはクレジットカード決済・キャリア決済・後払い決済(BNPL)・口座振替で、回収の担い手を確認する。

後払いの手段は、代金の回収をカード会社・通信会社・後払い決済の提供会社が担うため、事業者から見た未回収リスクは低く抑えられるものが多くあります。どの手段がどの方式に当たるかを押さえておくと、次の「どこまで揃えるか」の判断がしやすくなります。

自社にどこまで揃えるべきか(損益分岐で決める)

手段の全体像が見えると、次に迷うのが「自社はどこまで揃えるべきか」です。手段を増やせば取りこぼす注文は減りますが、そのぶん手数料と運用の負担が増えます。感覚で決めず、手段を1つ増やす費用と、その手段がないことで失う売上を突き合わせて線を引く考え方を整理します。

自社にどこまで決済手段を揃えるかを損益分岐で判断する図。手段を1つ増やして拾える売上(その手段しか使わない購入者の割合×想定客単価×サイトへの流入)と、増える費用(初期・月額費用、決済手数料、運用工数、入金までのラグ、セキュリティ・未回収)を突き合わせる。拾える売上が増える費用を上回れば追加する価値があり、下回れば見送る。拾える売上の大きい手段から順に足していく。

手段を増やすメリット=取りこぼしていた売上を拾う

ある決済手段がないと、その手段しか使わない購入者は買えずに離れてしまいます。決済事業者の調査でも、希望する決済手段がない場合に購入をやめて離脱する傾向が示されています。

SBペイメントサービスがECサイト利用者に行った調査では、希望する決済手段がなかった場合の購入行動について、次の結果が示されています。

男女ともに56.5%以上が、そのECサイトでは購入せず離脱する傾向にあることが分かりました。また、そのうち44.8%以上の人は他のECサイトもしくは実店舗で購入する意向がある

出典:ECサイトで物品、デジタルコンテンツ・サービスを支払う際の決済手段に関する調査(2025年度版)|SBペイメントサービス(プレスリリース

これは決済事業者の自社調査による数値ですが、手段の不足が売上の取りこぼしにつながり得ることを示しています。手段を1つ加えることで拾える売上は、おおまかには「その手段しか使わない購入者の割合 × 想定される客単価 × サイトへの流入」で見積もれます。まずは失っているかもしれない売上の大きさを、自社の数字で捉えることが出発点になります。

「その手段しか使わない購入者の割合」は正確には測りにくい値ですが、いくつかの手掛かりで近似できます。

  • ターゲットとする客層でその手段がどれだけ使われているか(前掲の総務省統計のような手段別利用率)を出発点にする
  • 決済画面まで進んで離脱したカゴ落ちのログを見る
  • 月額の安い手段から小さく導入し、実際の利用件数を測る

厳密な1つの数字を出すより、桁の見当をつけることが判断には十分に役立ちます。

手段を増やすコストと注意点

手段を増やす側にも費用がかかります。判断の前に、次の負担を洗い出しておきます。

  • 初期費用・月額費用:手段を追加すると、その分の導入費用や固定費が増えることがある
  • 決済手数料:手段ごとに料率や定額の手数料がかかる。取扱高が大きいほど、料率の差が効いてくる
  • 運用工数:入金確認・消込・返金対応など、手段が増えるほど日々の事務が増える
  • 入金までのラグ:手段によって入金サイクルが異なり、資金繰りに影響する
  • セキュリティ・未回収:カード決済では本人認証(EMV 3-Dセキュア)への対応が求められ、後払いや口座振替では未回収への備えが要る

これらは手段ごとに大きさが異なります。取扱高が小さいうちは月額固定費の影響が大きく、取扱高が伸びると手数料率の差が効いてくる、といった具合に、自社の規模によっても重みが変わります。

損益分岐の考え方(費用 × 失う売上で線を引く)

揃えるかどうかは、手段を1つ増やしたときの「拾える売上」と「増える費用」を並べて見比べると判断できます。拾える売上(その手段しか使わない購入者を取り込むことで得られる利益)が、増える費用(初期・月額・手数料・運用工数)を上回るなら、その手段は追加する価値があります。逆に、拾える売上がわずかで費用のほうが大きければ、いったん見送る判断になります。

数字を入れて考えると、判断がはっきりします。たとえば月商500万円のECサイトで、コンビニ決済がないために買えずに離れる購入者が仮に全体の3%いるとすれば、月およそ15万円・年間180万円の注文機会を逃している計算になります。

一方でコンビニ決済の追加費用が、月額数千円と1件あたり数十〜百数十円程度にとどまるなら、拾える売上のほうが大きく、追加する価値があると判断できます。これはあくまで仮の数値による例で、割合や費用は自社の実数に置き換えて試算してください。

目安としては、クレジットカードのように利用率が高く未回収リスクの低い手段は多くの事業で優先度が高く、利用が特定の客層に偏る手段は、その客層の売上が無視できない規模かどうかで判断が分かれます。すべてを揃えるのではなく、拾える売上の大きい手段から順に足していくのが現実的です。

事業モデル別の推奨カバレッジと優先順位

必要な決済手段は、事業モデルによって変わります。ここからは、代表的な事業モデルごとに、まず揃えたい手段と、次に足すことを検討したい手段の優先順位を整理します。自社に近いモデルの箇所を参考にしてください。

EC物販

不特定多数の個人が購入するEC物販では、まずクレジットカード決済を軸に据えます。そのうえで、カードを持たない層を拾うコンビニ決済や後払い決済、スマホ経由の購入に効くID決済・QRコード決済を、客層に合わせて足していくのが基本です。「商品を見てから支払いたい」という不安が強い商材では、後払い決済の有無が購入の後押しになります。

SaaS・サブスク(継続課金)

毎月継続して代金を回収するSaaSやサブスクリプションでは、まずクレジットカードの継続課金を基本に据えます。そのうえで、決済失敗による失効・未回収が経営に響く規模になったら、口座振替を次に足して回収チャネルを二重化するのが優先順位の付け方です。口座振替がカード更新の失敗やカード非保有層をどう補うかは、前掲の「口座振替」の項で述べたとおりです。

継続課金に特化した決済システムを、カードの自動更新や決済失敗時のリトライといった回収を安定させる機能で比較したい場合は、以下の記事もご参照ください。

サービス業(予約・スクール等)

予約制のサービスやスクール、イベントでは、事前に代金を確保できる前払い手段が向きます。クレジットカードに加え、コンビニ決済やID決済で申し込み時点の支払いを受けられると、無断キャンセルや未回収を抑えられます。単発の利用が中心で常時ECを持たない場合は、月額固定費の負担を抑えられる手段を選ぶ視点も必要です。

BtoB

企業間取引では、請求書に基づく銀行振込が根強く使われます。取引先の締め・支払いサイクルに合わせるため、銀行決済を基本にしつつ、与信や未回収の負担を軽くしたい場合は、請求と回収を代行する掛け払い(企業間後払い)の活用も選択肢になります。個人向けとは求められる手段が異なるため、取引先の支払い慣行を前提に組み立てます。

揃えたい手段をまとめて導入するなら決済代行(PSP)

自社に必要な手段を絞り込めたら、次はそれらをどう導入するかです。決済手段は、カード会社や各サービスと個別に契約して自前でつなぐこともできますが、手段ごとに審査・契約・システム連携・入金管理を別々に抱えることになり、運用が煩雑になります。

こうした自前構築の負担は、決済代行を提供する事業者側からも語られています。ペイメントフォーの仙名氏は、同社がかつて決済システムのみを提供していた頃の状況を次のように振り返ります。

仙名氏
株式会社ペイメントフォー ペイメントソリューション部WEB決済グループマネージャー
仙名氏
独自インタビューより

お客様に導入いただく際は、お客様側でサイトやシステムをご用意いただき、開発をしていただいたうえでご利用いただくという流れでした。ただ、そうなると開発コストが数百万円かかったり、システム担当者がいない会社では人を雇わなければいけなかったり、外注しなければいけなかったりと、結局「こんなにコストや手間かかるなら導入できない」というケースが多くありました。

これをまとめて解決するのが決済代行(PSP)です。決済代行会社と1社契約すれば、クレジットカード・コンビニ・キャリア決済・ID決済・口座振替など複数の手段を一括で導入でき、入金や売上の管理も1つの画面で扱えます。このように、揃えたい手段の集合を一度に満たせることが、決済代行を選ぶ理由そのものです。

事業者の債権回収を代行する通常の決済代行(収納代行)は、従来から資金決済法上の為替取引(資金移動業)の規制対象外と整理されています。どの決済代行会社を選ぶかは、対応できる決済手段の範囲に加え、手数料・入金サイクル・セキュリティ対応・サポート体制などで比較検討することが重要です。

出典・参考資料(1件)

  • 参考資料:決済法制・仲介法制に関する論点について(規制改革推進会議 投資WG 資料)|金融庁(2020年4月10日 資料PDF

対応できる決済手段が広い決済代行サービス

ここでは、複数の決済手段を一括で導入できる決済代行サービスを、対応範囲の広い代表例として2社紹介します。いずれもクレジットカードに加えてコンビニや口座振替などに対応し、揃えたい手段をまとめて満たしたい事業者に向いています。まずは対応手段や料金の傾向を一覧で確認してください。より多くの決済代行を横並びで比較したい場合は、この後の関連記事もあわせてご覧ください。

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サービス比較Paysys(ペイシス)サブスクペイ
提供会社株式会社ペイメントフォー株式会社ROBOT PAYMENT
対応する決済手段クレジットカード(5ブランド)
PayPay
コンビニ決済
ペイジー
銀行振込(バーチャル口座)
クレジットカード
口座振替
コンビニ決済
銀行振込(バーチャル口座)
メールリンク決済
掛け払い
継続課金(クレカ・WEB口座振替)(クレカ・口座振替)
初期費用0円〜
(BtoB限定プラン)
要問い合わせ
月額費用要問い合わせ要問い合わせ
決済手数料の傾向〜1.99%
(BtoB限定プラン)
クレジットカード2.5%〜
(+7円/件)
口座振替85円/件
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る

※上記は各社の公開情報・提供資料に基づく概要です。初期費用・月額費用や手数料は個別見積りの項目が多く、対応決済手段・条件は契約内容により異なります。最新の詳細は各社の資料でご確認ください。

Paysys(ペイシス)(株式会社ペイメントフォー)

Paysys(ペイシス)の公式サイト。システム開発不要で請求URLを発行し、メール・SMS・SNSで案内してオンライン決済を完結できる決済サービス。

Paysys(ペイシス)は、システム開発をせずに導入できる点を強みとする決済サービスです。管理画面から請求用のURLやQRコードを発行し、メール・SMS・SNSなどで取引先へ案内するだけで、オンライン決済を完結できます。

対応する決済手段が幅広く、クレジットカード5ブランド・PayPay(オンライン決済)・コンビニ決済・ペイジー・バーチャル口座(銀行振込)に加え、継続課金ではクレジットカードとWEB口座振替に対応します。BtoCの都度決済からBtoBの継続的な回収まで、複数の手段を1つのサービスでまとめて扱えるのが特徴です。料金は業態や売上規模に応じた個別見積りとなっています。

サブスクペイ(株式会社ROBOT PAYMENT)

サブスクペイの公式サイト。株式会社ROBOT PAYMENTが提供する、継続課金・サブスクリプションに特化した決済・顧客管理プラットフォーム。

サブスクペイは、株式会社ROBOT PAYMENTが提供する、継続課金・サブスクリプションに特化した決済サービスです。決済に加えて顧客情報や契約・請求の管理までを1つのプラットフォームで扱え、定期購入やスクール、コンテンツ配信など継続的な代金回収を伴う業種を主な対象としています。

対応する決済手段は、クレジットカード・口座振替・銀行振込・コンビニ決済・メールリンク決済など幅広く、クレジットカードと口座振替を併用して回収チャネルを二重化できます。カードの自動リトライや有効期限切れ前の更新URL自動送付など、継続課金で起きやすい決済失敗による回収漏れを仕組みで抑えられる点も特徴で、累計導入企業は14,000社以上とされています(2026年6月時点・公式サイト)。

ここで挙げたのは対応範囲の広い代表例で、オンライン決済に対応する決済代行サービスはほかにも数多くあります。実店舗・EC・サブスクといった事業形態ごとの選び方や、主要サービスの対応手段・料金・機能を横並びで比較したい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。導入を具体的に検討する段階で、あわせてご覧ください。

まとめ

オンライン決済の種類は、クレジットカード決済を中心に、デビットカード・コンビニ・キャリア・ID決済・電子マネー・銀行決済・口座振替・後払い・QRコード決済・代金引換まで多岐にわたります。それぞれ支払い方式や向く客層、入金の早さ、手数料、未回収リスクが異なるため、まずは全体像を押さえたうえで、自社の商材と客層に噛み合う手段を見極めることが出発点になります。

どこまで揃えるかは、手段を増やす費用と、その手段がないことで失う売上を突き合わせて線を引きます。すべてを揃えるのではなく、拾える売上の大きい手段から優先的に足していくのが現実的です。必要な手段を絞り込めたら、それらをまとめて導入できる決済代行サービスの比較検討へ進んでください。

よくある質問(FAQ)

Q. オンライン決済とは何ですか?

A. オンライン決済とは、インターネットを通じて非対面で代金を支払う決済の総称です。ECサイトでの商品購入、サブスクリプションの月額課金、予約サービスの事前決済など、対面でレジを介さずに代金を受け渡す場面で使われ、クレジットカード決済をはじめ複数の支払い手段があります。

Q. オンライン決済にはどんな種類がありますか?

A. オンライン決済の種類は、クレジットカード決済・デビットカード決済・コンビニ決済・キャリア決済・ID決済・電子マネー決済・銀行決済・口座振替・後払い決済(BNPL)・QRコード決済・代金引換などに分けられます。手段ごとに向く客層や商材、入金までの早さ、手数料の傾向、未回収リスクの有無が異なるため、全体像を押さえたうえで自社の商材と客層に噛み合う手段を選ぶことが出発点になります。

Q. オンライン決済は最低限どの決済手段を入れるべきですか?

A. 多くの事業で、まず優先すべきはクレジットカード決済です。 総務省調査でも利用率が79.8%と最も高く、代金の回収をカード会社が担うため未回収リスクも低く、ほぼ全業種の標準手段になります。そのうえで、カードを持たない層を拾うコンビニ決済や後払い決済、スマホ経由の購入に効くID決済・QRコード決済を、自社の客層に合わせて足していくのが現実的です。

Q. オンライン決済の手段を増やすと手数料はどれだけ増えますか?

A. 手数料は手段ごとに、売上に対する料率型(数%が目安)と、件数あたりの定額型に分かれます。 クレジットカードやID決済などは料率型、コンビニ決済や口座振替などは件数あたりの定額が中心です。取扱高が小さいうちは月額固定費の影響が大きく、取扱高が伸びるほど料率の差が効いてくるため、手段を1つ増やすたびに「その手段で拾える売上」と「増える費用」を並べて追加の可否を見極めることになります。

Q. 後払い決済(BNPL)は導入すべきですか?

A. 後払い決済は、カードを持たない層や「商品を見てから支払いたい」という不安が強い商材で効果が大きい手段です。 Paidyやatone、NP後払いなどが該当し、多くのサービスでは購入者が支払わなかった場合でも提供会社が代金を保証するため、事業者は未回収の心配なく提供できます。若年層やカード非保有層を取りこぼしたくない場合に、導入を検討する価値があります。

Q. BtoBのオンライン決済は銀行振込だけで十分ですか?

A. 取引先の支払い慣行によっては銀行振込中心で足りますが、与信や未回収の負担を軽くしたい場合は掛け払い(企業間後払い)も選択肢になります。 企業間取引では請求書に基づく銀行振込が根強く、取引先の締め・支払いサイクルに合わせる必要があります。個人向けとは求められる手段が異なるため、取引先の支払い慣行を前提に組み立てるのが基本です。

Q. オンライン決済は導入から利用開始までどれくらいかかりますか?

A. 決済手段や審査状況によりますが、審査を伴うクレジットカード決済ではおおむね1〜1.5ヶ月程度が目安です。 手段ごとに審査や書類提出が必要になるため、複数の手段をまとめて導入できる決済代行を使うと、審査・契約・システム連携を一本化でき、各手段を個別に契約するより準備の手間を抑えられます。導入スケジュールには審査期間を見込んでおくと安心です。

Q. オンライン決済は売上が入金されるまでどれくらいかかりますか?

A. 入金サイクルは手段やサービスによって異なりますが、月1〜2回にまとめて入金される形が中心です。 例えば当月末を締め日、翌月末を入金日とするように、売上の発生から入金まで時間差(入金ラグ)が生じます。この差は資金繰りに影響するため、決済代行を選ぶ際は対応手段や手数料だけでなく、締め日・入金日もあわせて確認しておくとよいでしょう。

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