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オンライン決済の入金サイクル徹底比較|主要18社の締め日・入金日と資金繰りへの影響

オンライン決済の入金サイクル徹底比較|主要18社の締め日・入金日と資金繰りへの影響のサムネイル画像

オンラインでカード決済を導入している事業者の多くが、決済手数料の何%かばかりを見て比較してきた結果、いざ運用を始めると「6月に売れた分の入金が8月末」で仕入れの支払いが先に来てしまい、資金が回らない状況に直面します。

手数料の0.1%差より、締め日から入金日までのタイムラグが資金繰りに与えるインパクトの方が大きい局面は少なくありません。入金サイクルは、決済手数料と並ぶ選定軸として扱う必要があります。

本記事では、主要オンライン決済18社の締め日・入金日を実データで横並び比較したうえで、月商×サイクル日数で寝る運転資金の試算、早期入金オプションの選び方、決済サービス乗り換え以外の打ち手(売掛金早期資金化・仕入れ支払サイト交渉)まで、資金繰りに直結する選定軸を整理します。

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主要オンライン決済18サービスの入金サイクル比較表|締め日・入金日・最短入金オプション

ここからは、主要なオンライン決済(決済代行)サービス18社の入金サイクルを、締め日・入金日・最短入金オプション・振込手数料・指定銀行条件で横並びに整理します。各行の出典URLは公式サイト・公式FAQへ直接リンクしているため、締め・入金日の最新情報は原典で確認してください。

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サービス名Paysys(ペイシス)サブスクペイSquare(オンライン決済)StripePGマルチペイメントサービス(GMO PG)GMOイプシロンSBペイメントサービスe-SCOTT Smart(SP.LINKS)KOMOJUペイジェントPayPay(オンライン決済・直接契約)楽天ペイ(オンライン決済)Amazon PayPaidy(後払い)PAY.JPテレコムクレジットスコア後払い(@払い)elepay
締め日月末締め(詳細な締め日はプランにより異なる。詳細は要問い合わせ)毎月末締め毎日締め(自動入金)週次は任意の曜日を選択可(4営業日前までに処理された決済を締め対象)月末締めが標準(サービス・契約による)月末締め(クレジットカード決済の標準)基本は月2回(15日締め・末日締め)毎月15日締め/毎月末日締め(EC-CUBE連携プラン)月次または週次から選択毎月末締めが標準月末締め月末締めが標準14日周期(月2回・自動)月末締め月末締め(月1回)/月2回プランは15日・末日締め月末締め契約時に選択(毎週/月2回/月1回から選択可)月末締め
入金日翌月払い(月1回または月2回・プランで選択可)翌月16日または翌月末(プラン選択)三井住友銀行・みずほ銀行は決済日の翌営業日/その他金融機関は毎週水曜締め・金曜振込既定は手動/週次または月次を選択可(日次入金は日本では利用不可)翌月または翌々月払いが標準翌々月20日振込(クレジットカード決済の標準)15日締め末日払い/末日締め翌15日払い15日締め→当月末日入金/末日締め→翌月15日入金(EC-CUBE連携プラン)月次(月末締め翌月末払い)または週次(毎週金曜)通常:翌月9営業日後(締め日が土日祝の場合は10営業日後)翌月入金(月1回)翌月20日払いが基本14日周期・初期設定(サイクル日数の変更はセラーセントラルのサポート問い合わせで依頼可能)翌月20日払い(加盟店手数料と入金手数料550円を差し引いた額)翌月入金(月1回)/プランで月2回選択可翌月10日払い(月次入金だが翌月10日で他社の翌月末〜翌々月20日より早い水準)選択したサイクルに応じて入金(毎週選択で最短の入金頻度)クレジットカード決済:翌月25日以降/コード決済:翌月末(決済手段別にサイクルが異なる)
最短入金オプションプランで月1回・月2回から選択翌月16日入金を選択即時入金サービス(1.5%の手数料で数分〜1時間程度)なし(日本ではInstant Payouts・日次入金いずれも利用不可)早期入金サービス(複数の入金サイクルから選択可能・有償)早期入金サービス:全決済の入金を翌月15日/随時入金サービス:最短3営業日(早期入金の契約が前提)入金オプションで最大月6回まで設定可能プラン別(本体は要問い合わせ)週次入金の選択早期入金オプション:締め日後5営業日(複数回締めにも対応)決済代行経由で導入した場合は代行会社により異なる楽天銀行を振込先に指定で翌日入金(土日祝含む)/他行は土日祝の入金に非対応初期設定の14日周期以外を選ぶには要申請なし(月次固定)月2回入金プラン詳細は要問い合わせ毎週入金の選択(BNPL・後払いで最短水準)詳細は要問い合わせ
振込手数料要問い合わせ要問い合わせ無料無料(内部残高からの通常入金)要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ(プラン別)要問い合わせ国内銀行は無料/海外銀行は2,500円/回要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ(楽天銀行は無料)要問い合わせ550円(税込)250円/回要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
指定銀行条件指定条件なし指定条件なし三井住友・みずほで翌営業日、他行は週1回国内銀行への振込に対応指定条件なし指定条件なし指定条件なし指定条件なし指定条件なし指定条件なし指定条件なし楽天銀行で翌日入金指定条件なし指定条件なし指定条件なし指定条件なし指定条件なし指定条件なし
公式ソース公式公式公式公式公式公式公式公式公式公式公式公式公式公式公式公式公式公式
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は各社公式サイト・公式FAQに基づく2026年7月時点の情報です。実際のプラン・オプションの適用可否については各社情報をご確認ください。

比較表を眺めると、「月末締め翌月末(〜翌々月)払い」を基本にしつつ、有償の早期入金オプションで最短翌営業日〜数営業日まで短縮できるという構造が見えてきます。Squareの三井住友・みずほ翌営業日入金や、楽天ペイの楽天銀行翌日入金のように、指定銀行を選ぶだけで無償で短縮できるサービスもあります。

自社が現在使っているサービスと候補サービスの入金日差から、乗り換えた場合に何日分の運転資金が浮くかを、次の節で試算します。

入金サイクルとは|締め日と入金日の基本を最短で押さえる

入金サイクルは、比較表で答えは示しましたが、用語を整理しておきます。ここからは、締め日・入金日・サイト日数という3つの用語を最短で押さえます。

入金サイクルとは、決済(消費者のカード利用)が完了してから、事業者の銀行口座に売上代金が振り込まれるまでの期間と頻度を指します。期間は「締め日から入金日まで」で表現され、頻度は「月1回・月2回・週1回・毎日」など、決済代行サービスが定める周期で決まります。

  • 締め日: 売上を集計する日。「月末締め」なら1日〜末日の売上を月末に集計し、次の入金日に振り込みます
  • 入金日: 集計した売上が銀行口座に振り込まれる日。「翌月末払い」「翌月20日払い」など
  • サイト日数: 締め日から入金日までの日数。「月末締め翌月末払い」なら約30日、「月末締め翌々月20日払い」なら約50日、「月末締め翌々月末払い」なら約60日
  • 平均資金拘束日数: 売上発生から入金までにかかる日数の平均。1ヶ月分の売上は締め日までの平均約15日+締め日〜入金日のサイト日数で滞留するため、「月末締め翌月末払い」の平均資金拘束日数は約45日、「翌々月末払い」なら約75日と、サイト日数より15日長くなる(後述の試算表で使用)

例えば、月末締め・翌月末払いの決済代行を使っている場合、6月1日に売れた商品の代金は6月末に締められ、7月末に入金されます。売上発生から入金まで約60日(≒2ヶ月)のズレが生じるわけです。この間の運転資金は、事業者自身が仕入れ・広告費・人件費で立て替えることになります。

決済代行を経由した資金の流れ|3者間モデルと4者間モデル

「なぜ入金が売上発生から数週間〜2ヶ月遅れるのか」の背景には、決済代行を経由する資金フローの構造があります。ここからは、決済代行のあり・なしで資金の流れがどう変わるかを整理します。

3者間モデル(消費者・事業者・カード会社の直接契約)

事業者が国際ブランド(Visa/Mastercard等)のイシュア/アクワイアラと直接契約する方式です。消費者のカード利用金額をカード会社が事業者に立替払いします。中小EC事業者にとっては、加盟店審査・与信要件・システム開発の負担が大きく、実質的な選択肢としては大手アクワイアラーとの直接契約に限られます。

4者間モデル(決済代行を経由する現実的な選択肢)

消費者と事業者の間に決済代行会社(PSP)が入り、複数のカード会社・決済手段への窓口を一元化する方式です。中小・中堅のEC事業者はほぼこの4者間モデルで運用しています。

資金の流れとしては、消費者がカードを利用すると、カード会社は決済代行会社に代金を支払い、決済代行会社が事業者に振り込みます。この「決済代行会社の締め日から事業者への入金日まで」の期間が、比較表で示した入金サイクルの正体です。決済代行会社は複数のカード会社・決済手段からの入金を集約するため、事業者の入金は月1回や月2回にまとまるのが一般的です。

月商×サイクル日数で寝る運転資金を試算する|月商500万/1,500万/5,000万の3ケース

入金サイクルの長さは、そのまま「事業者が立て替える運転資金の額」に直結します。ここからは、電卓で追える単純な試算式で、自社の月商と入金サイクルから寝る運転資金を掴みます。

試算式は、日商 × 平均資金拘束日数 で寝る運転資金の目安が出ます。日商は月商÷30、平均資金拘束日数は「締めまでの平均15日+締め後入金までのサイト日数」の合計です。掛け算だけで済むため、電卓や表計算ソフトで自社の数字をすぐ当てはめられます。

3つの月商規模で、冒頭で提示した「月末締め翌々月末払い」(平均資金拘束日数 約75日)から始まり、「月末締め翌月末払い」(約45日)・「月末締め翌月20日払い」(約35日)・「月2回入金」(約22日)・「翌営業日入金」(約1日)まで並べて、乗り換えると何日分の資金が浮くかを比較します。

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月商500万円(日商 約16.7万円)月商1,500万円(日商 約50万円)月商5,000万円(日商 約167万円)
翌々月末払い(拘束約75日)約1,250万円約3,750万円約1億2,500万円
翌月末払い(拘束約45日)約750万円約2,250万円約7,500万円
翌月20日払い(拘束約35日)約583万円約1,750万円約5,833万円
月2回入金(拘束約22日)約367万円約1,100万円約3,667万円
翌営業日入金(拘束約1日)約17万円約50万円約167万円

※月商÷30を日商とし、サイト日数を締め日中央値からの日数として概算した目安値です。実際の必要運転資金は仕入れ支払サイト・広告費・人件費など他の変数の影響を受けます。

冒頭で示した「6月売上→8月末入金」のような翌々月末払い(拘束約75日)に近い運用の事業者なら、月商1,500万円で寝ている運転資金は約3,750万円。ここから「翌営業日入金」(拘束約1日)に乗り換えれば約50万円まで圧縮され、差額の約3,700万円が仕入れ拡大・広告投資・人件費の余裕や短期借入の返済に回せる資金として解放されます。

決済手数料の差は月商1,500万円で0.1%あたり月1.5万円(年18万円)ですが、上記のように入金サイクルの差は数百万円〜数千万円の資金インパクトを持ちます。資金繰りが逼迫する成長期には、料率0.1%の差より入金サイクルの短縮の方が経営に効く場面が多くなります。

早期入金・即時入金オプションの選び方|手数料と資金インパクトを比べる

比較表の「最短入金オプション」列で示したとおり、主要オンライン決済サービスの多くは有償の早期入金オプションを備えています。ここからは、オプションの手数料と、資金が寝ることによる機会損失を比べる考え方を整理します。

代表的なオプションは次の2種類に分かれます。

  • 早期入金サービス(入金サイクルの短縮): 標準の翌々月入金を翌月に短縮するなど、入金サイクル自体を有償で早めるオプション。GMOイプシロン・ペイジェント・GMO PGなど大手PSPが提供
  • 即時入金・随時入金サービス: 通常の入金サイクルとは別に、必要な時に決済済み売上を最短数営業日〜数分で振込するオプション。Squareの即時入金サービスは1.5%の手数料で数分〜1時間程度、GMOイプシロンの随時入金は最短3営業日で入金されます

有償オプションを使うかどうかの判断軸は、「手数料が、寝ている資金の機会損失(あるいは短期借入の金利負担)を下回るか」です。

例えば、月商1,500万円で通常サイクル45日から早期入金オプションで15日に短縮する場合、寝る運転資金は約2,250万円から約750万円へ約1,500万円減ります。短期借入の実効金利を年3%とすれば、この差額に対応する金利節約は年間約45万円(月3.75万円)。早期入金オプションの手数料が売上の0.2%(月商1,500万円で月3万円)なら、金利負担の節約分でカバーできる計算になります。

逆に、Squareの即時入金(1.5%手数料)は「今日中にどうしても現金が必要」といったスポット利用が前提で、常用すると決済手数料と合わせて4%超の負担になるため注意が必要です。

入金サイクルを短くする4つの打ち手|決済使い分け・早期入金・売掛金早期資金化・仕入れ支払サイト交渉

入金サイクルへの対処は、決済サービスの乗り換えだけが選択肢ではありません。ここからは、自社の状況に合う打ち手を4つ整理します。上から順に取り組みやすいものと考えてください。

打ち手①:入金サイクルの短い決済サービスへの乗り換え・複数併用

最も直接的な打ち手が、入金サイクルの短いサービスへの乗り換えです。比較表を見ると、Squareは三井住友・みずほ指定で翌営業日入金、楽天ペイは楽天銀行指定で翌日入金(土日祝含む)と、指定銀行を選ぶだけで無償で大幅に短縮できるサービスがあります。

ただし、乗り換え判断には決済手数料・対応決済手段・接続方式・審査期間などの他の選定軸もあり、入金サイクル単体で決めない方が安全です。既存の決済代行を残しつつ、入金サイクルの短いサービスを追加導入して決済経路を使い分ける方法も現実的です。「常用は既存PSP・急ぎの資金化はSquare」といった構成にすれば、乗り換えリスクを避けながら選択肢を増やせます。

打ち手②:現行サービスの早期入金オプションの活用

乗り換えのハードルが高い場合、まずは現行サービスの早期入金オプションを検討します。GMOイプシロン・ペイジェント・GMO PG・SBペイメントサービスなど、大手PSPは有償で入金回数を増やしたり入金サイクルを短縮できるオプションを備えています。

手数料と、寝る資金の機会損失(短期借入の金利負担)を比べる考え方は前節で示したとおりです。既存のカード会社・アクワイアラ契約はそのままなので、加盟店審査・システム改修の負担なく短期間で導入できるのが利点です。

打ち手③:売掛金の早期資金化(ファクタリング)

決済代行の入金を待たずに、発生済みの売掛金(決済代行から事業者への未入金分)を第三者に譲渡して即座に現金化する方法です。ファクタリングと呼ばれる仕組みで、決済代行の入金サイクル自体は変わらないものの、実質的な資金化タイミングを大幅に早められます。

手数料は取引形態(2社間・3社間)と債務者の与信で決まり、一般的には売掛金額の1〜20%程度と幅があります。決済代行の早期入金オプションが売上の0.1〜0.5%程度で済むのに対し、ファクタリングは手数料負担が大きくなる代わりに取引先の与信リスクをファクタリング会社に移せるという利点があります。急な入金遅延・貸倒リスクに対する保険的な役割としても機能します。

実際にファクタリング会社を選定する段階では、手数料水準・入金スピード・買取可能額を横並びで比較することで、自社の資金化ニーズに合う業者を絞り込みやすくなります。主要業者の比較は以下の記事で整理しています。

打ち手④:仕入れ支払サイトの交渉・現金割引の見直し

入金サイクルの短縮ではなく、資金流出のタイミングを遅らせる打ち手です。仕入れ先への支払サイトを「月末締め翌月末」から「月末締め翌々月末」に延ばすだけで、入金と支払いのズレを埋められる場合があります。

ただし、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の適用対象は資本金要件(親事業者・下請事業者の資本金区分)で決まり、適用取引では支払期日を受領後60日以内のできる限り短い期間内で定めなければならず、無制限に延ばすことはできません。仕入れ先が下請法上の下請事業者に該当するかを確認したうえで、法令の枠内で交渉することが前提となります。

公正取引委員会と中小企業庁が下請法の運用基準を公表しているため、交渉前に該当条項を確認しておきます。

出典・参考資料(1件)

比較検討で見落としがちな5つの条件|最低入金額・振込手数料・土日祝・指定銀行・変更可否

比較表の主要な列(締め日・入金日・最短入金オプション)だけで判断すると、実運用に入ってから「想定と違う」場面に遭遇します。ここからは、比較検討で見落としがちな条件を5つ整理します。

条件①:最低入金額

売上金が一定額に満たない場合、次回の入金日に繰り越されるサービスがあります。決済件数が少ない事業初期・季節変動の大きい業種では、想定した入金日に振り込まれないケースが発生します。導入前に最低入金額の有無と金額を確認しておきます。

条件②:振込手数料の有無と負担者

入金の都度、振込手数料が売上から差し引かれるサービスがあります。手数料は無料〜数百円と幅があり、Paidyの場合は入金1回あたり550円(税込)が差し引かれます。Squareは全金融機関で無料、楽天ペイは楽天銀行なら無料です。月2回入金・週次入金など入金回数を増やすと、その分振込手数料の総額も増えるため、入金回数と手数料の両方を見て判断します。

条件③:土日祝・月末休日の扱い

入金日が土日祝に該当する場合、翌営業日に繰り越されるのが一般的です。「毎月20日払い」でも20日が日曜なら21日、月末払いでも月末が休日なら翌月初にずれ込みます。楽天ペイのように楽天銀行指定で土日祝含む翌日入金に対応するサービスもある一方、大半のサービスは営業日ベースの運用です。

ペイジェントの通常入金は「毎月末締め・翌月9営業日後入金」ですが、締め日が土日祝の場合は10営業日後にずれ込みます。連休・年末年始・ゴールデンウィークをまたぐ月は入金が数日〜1週間遅れることを想定して資金計画を組む必要があります。

条件④:指定銀行の有無

Squareは三井住友銀行・みずほ銀行を振込先に指定した場合のみ翌営業日入金、それ以外は毎週水曜締め・金曜振込です。楽天ペイは楽天銀行指定で翌日入金、他行は土日祝の入金に対応しません。

入金サイクルの短さを訴求するサービスの中には、特定銀行の口座保有が条件になっているケースがあります。自社のメインバンクが指定銀行に該当するか、あるいは指定銀行の口座を新規開設する運用が現実的かを、比較検討の段階で確認しておきます。

条件⑤:入金サイクル変更の可否と手続き

導入後に入金サイクルを変更できるかどうかもチェック項目です。Amazon Payのように「原則14日周期・変更はセラーセントラルのサポート問い合わせで依頼可能」というサービスもあれば、KOMOJUのように「月次または週次から選択」と初期設定で選べるサービスもあります。

Stripeは既定が手動入金で、週次・月次はダッシュボードで自分で切り替えられます。事業の成長段階に応じて入金サイクルを見直す運用は現実的なため、変更の手続きが自社で完結するのか、営業窓口経由になるのかを事前に把握しておきます。

入金サイクルの短さで選ぶオンライン決済サービスの個別紹介

ここまでの比較・試算を踏まえ、入金サイクル観点で代表的な主要サービスを個別に紹介します。入金スピードの強みが明確な1・2番目に競合サービス(Square・GMOイプシロン)を、3・4番目に会員・BtoBビジネスで導入しやすいカタログ掲載サービス(Paysys・サブスクペイ)を配置しました。乗り換え候補としての資料請求・詳細検討に進む前の判断材料としてお使いください。

1. Square(Square株式会社)

Squareの公式サイト(オンライン決済ソリューションページ)

SquareはBlock, Inc.傘下のSquare株式会社が提供する、対面・非対面の両方に対応する決済プラットフォームです。オンライン決済では、初期費用・月額費用なしで導入でき、決済手数料と入金だけのシンプルな料金体系が特徴となります。

入金サイクル観点の最大の強みは、三井住友銀行またはみずほ銀行を振込先に指定すれば決済日の翌営業日に入金される点です。その他の金融機関でも毎週水曜締め・金曜振込と週1回入金で、振込手数料は全金融機関で無料です。有償の「即時入金サービス」を使えば、1.5%の手数料で数分〜1時間程度で入金されます(常用すると決済手数料と合わせて4%超の負担になるため、スポット利用が前提です)。

資金繰りに直結する入金スピードで選ぶ場合、指定銀行条件を満たせるかを最初に確認する価値があるサービスです。

2. GMOイプシロン(GMOイプシロン株式会社)

GMOイプシロンの公式サイト(サービスページ)

GMOイプシロンは、GMOペイメントゲートウェイのグループ会社であるGMOイプシロン株式会社が提供する、中小EC・スタートアップ向けのオンライン決済代行サービスです。初期費用・トランザクション処理料が0円で、クレジットカード・コンビニ決済・電子マネー・キャリア決済・後払い決済など多様な決済手段を一括導入できます。

入金サイクルは標準で「月末締め翌々月20日振込」ですが、二段階の入金短縮オプションが用意されています。「早期入金サービス」を契約すれば全決済の入金が翌月15日に短縮され、さらに「随時入金サービス」を追加契約すれば、売上金を最短3営業日で入金できます。EC事業の売上規模拡大に応じて、段階的に入金頻度を上げていける設計です。

月商数百万円〜数億円規模の中小EC事業者にとって、決済手数料と入金サイクルのバランスを取りやすい主要選択肢となります。

3. Paysys(株式会社ペイメントフォー)

Paysysの公式サイト(サービス概要ページ)

Paysysは、株式会社ペイメントフォーが提供するBtoB・BtoC双方向のオンライン決済サービスです。管理画面から請求ページを発行し、メール・SMS・SNSなどで送付できるためシステム開発が不要で、導入・運用の負担を抑えられます。

入金サイクルは月1回または月2回から選択でき、契約プランに応じて締め日・入金日を柔軟に設定できます。BtoB限定プランで手数料〜1.99%と競争力のある水準を訴求しており、PCI DSS準拠・EMV 3-Dセキュア標準対応・ISMS・Pマーク取得と、セキュリティ・コンプライアンス面の認証も揃っています。

継続的な代金回収を伴うBtoB請求業務や、システム開発リソースを最小化しながらオンライン決済を導入したい事業者に適しています。

4. サブスクペイ(株式会社ROBOT PAYMENT)

サブスクペイの公式サイト(サービス概要ページ)

サブスクペイは、東証グロース上場の株式会社ROBOT PAYMENT(証券コード4374)が提供する、サブスクリプション・継続課金ビジネスに特化した決済プラットフォームです。累計導入14,000社以上の実績を持ちます。

クレジットカードに加え、口座振替(紙・Web)・コンビニ決済・銀行振込(バーチャル口座)・メールリンク決済・掛け払いまで幅広く一元管理でき、継続課金特有の失効・未回収(カード有効期限切れ・残高不足)を、自動リトライ・カード更新URL自動送付でヘッジできる設計が特徴です。クレジットカード決済手数料は「2.5%〜(業界最安水準)」と訴求されており、月商規模で個別の料率調整に応じてもらえます。

会員ビジネス・SaaS・定期購入・寄付など、月次・年次で継続的な入金がある事業モデルで特に価値を発揮します。

本記事では入金サイクル観点で4サービスを個別に取り上げましたが、実店舗・EC・サブスクリプションなど自社のビジネス形態に合わせて幅広く候補を比較したい場合は、以下の記事で主要オンライン決済システム36サービスを網羅的に扱っています。

まとめ

本記事では、主要オンライン決済18サービスの入金サイクルを実データで比較し、月商×サイクル日数で寝る運転資金の試算、早期入金オプションの選び方、決済サービス乗り換え以外の3つの打ち手までを整理しました。

決済手数料の0.1%差より、締め日から入金日までのタイムラグが資金繰りに与えるインパクトの方が大きい局面は少なくありません。自社の月商と現行の入金サイクルから寝る運転資金を試算し、乗り換え・早期入金オプション・売掛金早期資金化・仕入れ支払サイト交渉のいずれが最も費用対効果が高いかを比べて判断することが、健全な資金繰りにつながります。

入金サイクルを短くしたい候補サービスの資料は、まとめて一括で請求できます。決済手数料と合わせた実質コストで比較検討を進めてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 入金サイクルとは何ですか?

入金サイクルとは、決済が完了してから事業者の銀行口座に売上代金が振り込まれるまでの期間と頻度を指します。期間は「締め日から入金日まで」、頻度は「月1回・月2回・週1回・毎日」など決済代行が定める周期です。オンライン決済は「月末締め翌月末払い(サイト約45日)」が標準ですが、早期入金オプションや指定銀行の選択で翌営業日まで短縮できるサービスも増えています。

Q. 「月末締め翌月末払い」だと、サイト日数は実際に何日ですか?

入金サイクルが「月末締め翌月末払い」の場合、1ヶ月分の売上を通算したサイト日数は締め日中央値からの平均で約45日になります。月初1日に発生した売上は約60日後、月末に発生した売上は約30日後の入金となり、平均すると約45日です。日商×約45日が寝ている運転資金の目安になるため、月商1,500万円の事業者であれば約2,250万円が売上発生から入金までの間、事業者側の立て替えとして必要になります。

Q. 決済手数料と入金サイクルは、どちらを優先して選ぶべきですか?

優先順位は自社の状況次第ですが、資金繰りが逼迫しやすい成長期の事業者ほど、決済手数料の0.1%差より入金サイクルの短縮の方が経営に効きます。月商1,500万円で手数料0.1%差は年18万円ですが、拘束日数45日→1日への短縮は約2,200万円の運転資金解放に相当します。両者はトレードオフになるケースが多く、月商と資金の逼迫度を踏まえて判断してください。

Q. 入金スピードで選ぶ場合、どのオンライン決済サービスが有力候補になりますか?

入金スピードで選ぶ場合の有力候補は、Square(三井住友・みずほ指定で翌営業日)、楽天ペイ(楽天銀行指定で翌日・土日祝含む)、GMOイプシロン(早期入金+随時入金で最短3営業日)、ペイジェント(早期入金で締め日後5営業日)です。指定銀行条件付きのサービスは、自社メインバンクが該当するか、または口座新規開設が現実的かを事前に確認してください。詳細は冒頭の比較表で確認できます。

Q. 振込手数料が無料のオンライン決済サービスはありますか?

Squareは全金融機関で振込手数料無料、楽天ペイは楽天銀行を振込先に指定した場合に無料です。多くの決済代行では入金の都度、数百円の振込手数料が売上から差し引かれ、Paidyは1回あたり550円(税込)が発生します。月2回入金や週次入金など入金回数を増やすと振込手数料の総額も比例して増えるため、入金回数と手数料の両方を見て判断してください。

Q. Amazon Payの入金サイクルは変更できますか?

Amazon Payは初期設定が14日周期(月2回・自動)で、サイクル日数の変更はセラーセントラルのサポート問い合わせで依頼できます。他社ではStripeがダッシュボードで手動・週次・月次を切り替えでき、KOMOJUは契約時に月次・週次を選ぶ形式です。導入後に入金サイクルを見直す場面もあるため、変更手続きが自社で完結するのか営業窓口経由かを事前に把握しておきましょう。

Q. 早期入金オプションを常用しても採算は合いますか?

早期入金オプションが採算に合うかは、オプション手数料と「寝ている資金の機会損失(短期借入の実効金利換算)」を比較して判断します。月商1,500万円で通常45日→15日に短縮する場合、寝る運転資金は約1,500万円減り、実効金利年3%換算で年間約45万円の節約に相当します。オプション手数料が売上の0.2%(年36万円)に収まれば採算が合う計算です。

一方でSquareの即時入金(1.5%)のような高手数料オプションはスポット利用が前提で、常用すると決済手数料と合わせて4%超の負担になるため注意してください。

Q. ファクタリングは決済代行の入金より早いのですか?

ファクタリングは、決済代行の入金サイクル自体を変えずに、発生済みの売掛金を第三者に譲渡して最短即日〜数日で現金化する仕組みです。決済代行の早期入金オプションが売上の0.1〜0.5%で済むのに対し、ファクタリングは手数料1〜20%と負担が大きい代わりに、取引先の与信リスクをファクタリング会社に移せます。決済代行の入金短縮策で足りない場合の次の選択肢と位置づけると分かりやすい打ち手です。

Q. 決済サービスを複数併用すると経理処理は煩雑になりませんか?

複数のオンライン決済を併用すると入金消込・売上計上の作業量は増えますが、大半のサービスは決済データのCSVエクスポートやAPI連携に対応しており、会計ソフト自動取り込みで作業負担を吸収できます。「常用は既存PSP・急ぎの資金化はSquare」といった使い分けなら経路が明確に分かれ、経理処理も切り分けやすくなります。既存の決済経路を残したまま資金繰りの選択肢を増やせるのが併用の利点です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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