海外の取引先やフリーランスへの送金を、銀行の画面で1件ずつ手入力していませんか。件数が増えるほど入力の手間と確認の負担は膨らみ、会計システムや受発注データとの二重入力も避けられません。送金件数が増えると、海外送金を社内システムと連携させて自動化したいという課題が出てきます。
その手段の一つが、海外送金をAPI連携で扱えるサービスです。ただしAPI連携といっても、送金指図まで自動で完結できるサービスもあれば、データ連携までで送金の実行操作は画面に残るサービスもあり、対応範囲はまちまちです。自社の送金頻度や既存システムに合うものを、どのような観点で選べばよいのでしょうか。
本記事では、API連携できる法人向けの海外送金サービスを比較・解説します。API連携でできること・できないこと、専門サービス・連携基盤(iPaaS)・銀行APIという3つの連携形態の向き不向き、料金や対応通貨の違いまで整理しました。送金業務の自動化を検討する際に、自社に合う手段を判断するための材料としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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海外送金APIとは?API連携でできること・できないこと
ここからは、海外送金APIで何ができ、何ができないのかを整理します。海外送金APIとは、海外送金サービスが提供するプログラム接続の窓口(API)を通じて、送金に関わる処理を自社のシステムから自動でやり取りする仕組みです。銀行やサービスの管理画面を人が操作する代わりに、会計システムや受発注システムから送金データを直接受け渡せる点が特徴です。

API連携で自動化できる処理は、主に次の4つに分けられます。1つ目は送金指図で、送金額・通貨・受取人を指定して送金を登録・実行する処理です。2つ目は受取人(送金先口座)の登録・管理で、取引先の口座情報をあらかじめ登録しておく処理を指します。
3つ目は為替レートの取得で、送金前に適用レートを照会します。4つ目は着金・処理ステータスの取得で、送金がどこまで進んだかをWebhook(イベント通知の仕組み)などで受け取る仕組みです。
一方で、API連携でも自動化できない、あるいは残る作業があります。まず、サービスによっては受取人登録や送金データの連携まではAPIで行える一方、送金の実行操作だけは管理画面での承認が必要な場合があります。
次に、本人確認や送金目的の確認といった手続きは、後述のとおり法令上の要請として送金サービス側で行われるため、完全に省略はできません。さらに、対応通貨や送金先の国、日本の法人が利用できるかどうかもサービスごとに異なります。
「APIがある」ことと「自社の送金業務をどこまで自動化できるか」は必ずしも一致しません。この後の比較で、サービスごとの対応範囲を1つずつ確認していきます。
API連携で海外送金業務を自動化するメリット
ここでは、海外送金をAPI連携で自動化すると実務にどのような効果があるのかを整理します。
第一に、送金1件ごとの手入力がなくなり、入力の手間と転記ミスを減らせます。会計システムや受発注システムに登録済みの支払データをそのまま送金に回せるため、同じ情報を送金画面へ入力し直す二重入力も解消できます。送金件数が多い事業者ほど、この省力化の効果は大きくなります。
第二に、着金・処理ステータスをAPIで取得できると、月次の消込や支払管理が進めやすくなります。送金がいつ完了したか、手数料や適用レートがいくらだったかをデータで受け取れるため、経理が着金確認のために管理画面を1件ずつ見に行く必要が減ります。
第三に、承認や記録の統制を保ったまま処理を回せます。誰がいつ送金を登録・承認したかをシステム側の記録として残せるため、手作業の送金台帳に頼るよりも証跡を整えやすくなります。ただし、自動化の範囲や承認をどこに残すかはサービスや連携方法によって変わるため、統制設計とあわせて検討する必要があります。
海外送金APIの連携形態と向き不向き
ここからは、海外送金を自社システムとつなぐ方法を3つの連携形態に分けて整理します。「誰が提供するサービスを、どのように自社システムとつなぐか」で分けると、自社の送金頻度・件数・開発リソース・既存システムのどれを重視すべきかが見えてきます。

API連携に対応した海外送金専門サービスを直接つなぐ
海外送金を専門に手がける資金移動業者やフィンテック事業者が公開するAPIに、自社システムを直接つなぐ形態です。送金指図・受取人登録・レート取得・着金ステータス取得まで幅広い処理をAPIで扱えるサービスが多く、送金の自動化を深く進めやすい形態といえます。
一方で、APIを呼び出す仕組みを自社で開発・保守する必要があります。開発リソースを割ける企業や、送金件数が多く自動化の投資に見合う企業に向いています。
連携基盤(iPaaS)を経由してつなぐ
会計ソフトやERPなど複数のシステムをノーコードでつなぐ連携基盤(iPaaS)を間にはさみ、海外送金サービスと自社システムを結ぶ形態です。自社でAPIを一から開発せずに送金データの連携を組める点が特徴で、開発リソースが限られる企業でも着手しやすい方法です。
ただし、連携基盤がどこまでの処理に対応しているかによって自動化の範囲が決まり、送金の実行操作は送金サービスの画面で行う運用が残る場合があります。データ連携の省力化を優先し、送金実行の承認は人が担う運用を許容できる企業に向いています。
銀行のAPI・外為Webサービスを使う
取引のある銀行が提供するAPIや、法人向けの外為Webサービスを使う形態です。既存の銀行口座を通じて送金でき、振込や入出金明細の取得とあわせて社内システムと連携できる点が利点です。
ただし、銀行が公開するAPIは国内振込や口座照会が中心で、海外送金そのものはWeb画面での操作となり、明細データやファイル(CSVなど)の連携にとどまることが多いのが実情です。そのため、送金の実行までAPIで自動化することを主目的とする場合は、専門サービスや連携基盤が中心的な選択肢になります。
既存の銀行取引を軸に扱いたい場合は、銀行ごとの対応差が大きいため、まず取引銀行の外為Webサービスや銀行APIが海外送金の連携・自動化にどこまで対応しているかを確認するところから始めるとよいでしょう。
自社がどの形態・どのサービスに向いているか迷う場合は、以下の選定診断ツールで、送金件数や開発体制などから候補を絞り込めます。
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API連携できる法人向け海外送金サービス比較
ここからは、API連携できる主要な海外送金サービスを横断的に比較します。提供主体と連携形態、API機能(送金実行・受取人登録・レート取得・着金ステータス取得)の対応可否、対応通貨、料金・為替の考え方、日本での提供可否、主な向きを一覧で整理しました。自社の送金業務に必要な処理をどこまで自動化できるかという観点で確認してください。
| サービス名 | Wise Business | Airwallex(エアウォレックス) | ActRecipe(アクトレシピ) |
|---|---|---|---|
| 提供主体・連携形態 | 資金移動業者 (専門サービス直接API) | 資金移動業者(第二種) (専門サービス直接API) | iPaaS(連携基盤) 経由でWise等と接続 |
| 送金実行(API) | ● | ● | × |
| 受取人登録(API) | ● | ● | × |
| レート取得(API) | ● | ● | × |
| 着金ステータス取得(API) | ● | ● | × |
| 対応通貨 | 40通貨以上 | 60通貨以上 (取扱通貨) | 連携先(Wise等)に準ずる |
| 料金・為替の考え方 | 銀行間レート(仲値)を上乗せなしで適用 送金手数料は固定+変動(通貨ペア・入金方法で変動) | 現地通貨送金は無料/SWIFT送金2,200〜3,800円 両替は銀行間レート+0.2%〜のマークアップ | iPaaS利用料 月5万円〜(Standard・年間契約) 送金手数料は連携先のWise側で別途 |
| 日本での提供可否 | 日本で提供 (資金移動業者・関東財務局長第00040号) | 日本で提供(第二種資金移動業者・関東財務局長第00100号) API機能はグローバルの仕様。多通貨口座・法人カード・ソフトウェア連携などは日本法人では利用不可(2026年7月時点)で、API連携が日本の自社の利用対象かは導入前に営業窓口へ要確認 | 日本で提供 (国内iPaaS事業者) |
| 主な向き | 送金実行までAPIで自動化したい、送金件数の多い企業 | 越境EC・貿易など海外取引が多く、日本での提供範囲を確認して使える企業 | 開発を抑え、送金データの連携から自動化したい企業 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
※2026年9月時点で各社が公開する情報にもとづきます。API機能の列はAPIが提供する機能の対応可否を示し、日本の自社で利用できるかは「日本での提供可否」列をあわせてご確認ください。ActRecipeは送金APIではなく連携基盤(iPaaS)で、価値は送金データ連携の自動化にあります。導入前に各社の最新情報をご確認ください。
ここまでの比較はAPI連携に対応したサービスに絞ったものです。API連携の有無にこだわらず、手数料や為替コストの観点から銀行・ネット銀行・専門サービスまで海外送金サービスを広く見比べたい場合は、次の記事で主要14サービスを比較しています。
API連携できる海外送金サービスの個別紹介
ここからは、比較したサービスをそれぞれ詳しく紹介します。各サービスのAPIで送金の実行まで完結できるのか、データ連携までにとどまるのかという点を中心に、対応範囲を確認していきます。
1. Wise Business(ワイズ・ビジネス法人アカウント)

ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社が日本で運営する、英国 Wise Payments Limited の法人向け多通貨アカウントです。1つのアカウントで40種類以上の通貨を保有・受取・両替・送金でき、両替には為替マージンを上乗せしないミッドマーケットレート(仲値)を適用します。
送金や残高照会などをプログラムから扱えるWise Business APIを公開しています。Wise自身が資金移動業者として送金を実行するため、送金データの連携だけでなく送金の実行までを自社システム側から自動化しうる点が特徴です。日本では第一種・第二種資金移動業者として登録し(関東財務局長第00040号)、顧客資金は信託口座で分別管理されます。
アカウント開設は無料で、外貨の口座情報を取得する際に1回限りの設定手数料3,000円がかかります。送金手数料は固定手数料と送金額に応じた変動手数料の合計で、通貨ペアや入金方法によって変わります。残高からの送金は1回100万円まで、銀行振込を経由する送金は1回最大1.5億円までと、送金経路によって限度額が分かれる点も確認しておきましょう。
2. Airwallex(エアウォレックス)

2015年にオーストラリア・メルボルンで創業したグローバル金融プラットフォームで、日本では Airwallex Japan株式会社が第二種資金移動業者として提供しています(関東財務局長第00100号、登録日2025年9月8日)。越境EC・貿易・インバウンド事業など、海外取引のある企業を主な対象としています。
グローバルでは、現地決済ネットワークを通じた120カ国以上への現地通貨送金を無料と案内し、SWIFT送金・外貨両替・法人カード・API連携などの機能も展開しています。日本では口座開設・維持費が無料で、SWIFT送金の手数料は2,200円〜3,800円です。
ただし、グローバルで提供される機能の一部は日本法人では利用できません。日本の料金ページ上では、多通貨口座・外貨両替(FXコンバージョン)・法人カード・経費管理・請求書支払い・ソフトウェア連携などに「日本法人には現在ご利用いただけません」と表示されています(2026年7月時点)。
日本で使える範囲は海外送金やオンライン決済が中心のため、利用したい機能やAPI連携が日本で提供されているかを事前に確認しておく必要があります。
3. ActRecipe(アクトレシピ)

クラウド上のSaaSやFinTechサービス同士をノーコードで連携し、業務を自動化するiPaaS(連携基盤)です。アクトレシピ株式会社(旧社名: アスタリスト株式会社)が2019年8月から提供しており、会計ソフト・銀行API・SmartHRなど100種類以上の連携に対応します。ActRecipe自体は海外送金サービスではなく、送金データの連携を担う基盤にあたります。
海外送金の文脈では、2022年5月にWise(旧TransferWise)とのAPI連携に対応しました。Wise上に受取人の口座情報が登録されていれば、送金の金額や送金先のデータをActRecipeからWiseへ連携できます。
ただし送金の実行操作はWise上で行う必要が残り、自動化できるのは送金データの受け渡しまでです。プレスリリースでも「WiseへのAPI連携後、送金を実行するためにはWise上での操作が必要」と説明されています。
料金はStandardプランが月額50,000円〜(年間契約、1企業アカウントあたり)で、個別要件に応じるProfessionalプランは要問い合わせです。一部の連携を無料で試せるFreeプラン(β)もあります。海外送金サービス本体の契約・審査は、連携先のWise側で別途必要になります。
API連携・送金自動化を進める際の注意点
ここでは、海外送金をAPI連携で自動化する際に、あらかじめ押さえておきたい実務上の注意点を整理します。
まず、期待する自動化の範囲と実際の対応範囲がずれていないかを確認します。前述のとおり、受取人登録や送金データの連携まではAPIで行えても、送金の実行操作は管理画面での承認が必要なサービスがあります。導入前に「送金指図までAPIで完結するのか、データ連携までなのか」を各サービスの仕様で確かめておくと、想定した省力化が実現できないという食い違いを避けられます。
次に、本人確認や送金目的の確認といった手続きは、自動化しても残ります。海外送金を担う銀行や資金移動業者は、犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)上の特定事業者にあたります。取引時確認として、顧客の本人特定事項(法人であれば名称・所在地)、取引を行う目的(送金理由)、事業の内容を確認する義務を負います。
これらの入力・確認の工程はAPIで自動化しても無くならないため、承認や記録の統制を崩さない形でシステムに組み込む必要があります。
出典・参考資料(1件)
また、一定額を超える海外送金は、外国為替及び外国貿易法(外為法)にもとづく支払等の報告の対象になります。日本銀行の案内によれば、3千万円相当額を超える支払等が支払等報告書の対象で、報告は通常、送金に用いる銀行や資金移動業者の為替取引を通じて行われます。API連携で送金を自動化しても、この報告の枠組み自体は変わりません。
さらに、送金先によっては経済制裁や許可の対象となる取引があります。外為法では、主務大臣が特定の支払について許可を受ける義務を課すことができ、銀行等は許可の有無などを確認した後でなければ、その支払に係る為替取引を行ってはならないと定められています。
制裁対象や許可が必要な取引の確認は送金サービス側で行われるため、自動化していても対象取引はそのまま実行されるわけではありません。制裁対象は随時更新されるため、最新の情報は財務省の公式情報で確認してください。
手数料や為替レートの内訳がデータで確認できるかも見ておきます。送金コストは送金手数料だけでなく、為替レートに上乗せされる差額(マークアップ)の有無でも変わります。銀行間レートを基準に手数料を明示するサービスもあれば、レートに差額を含める形のサービスもあります。API連携で取得できる情報に手数料・適用レートの内訳が含まれていると、送金コストを可視化しやすくなります。
あわせて、導入のしやすさを見極める観点として、開発者向けのドキュメントやテスト用のサンドボックス環境が用意されているか、送金の承認を自社のどの工程に残せるかも確認しておくとよいでしょう。連携基盤(iPaaS)は設定を中心に比較的短期間で着手しやすい一方、専門サービスのAPIを直接つなぐ場合は、要件次第で相応の開発・保守体制が必要になります。
まとめ
海外送金のAPI連携は、送金1件ごとの手入力や二重入力を減らし、着金確認や消込を省力化する手段です。ただし、自動化できる範囲はサービスと連携形態によって異なります。送金指図までAPIで完結させたい場合は専門サービスを直接つなぐ形態、開発リソースを抑えてデータ連携から始めたい場合は連携基盤を経由する形態が中心の選択肢になります。
開発リソースは限られるが送金実行まで自動化したい場合は、まず連携基盤でデータ連携から始めて段階的にAPI化する、あるいは外部の開発会社に必要な範囲だけ委託する進め方もあります。既存の銀行取引を軸にしたい場合は、取引銀行の外為Webサービスや銀行APIが海外送金にどこまで対応しているかを確認するところから始めます。
選ぶ際は、必要な処理(送金実行・受取人登録・レート取得・着金ステータス取得)をどこまで自動化できるか、対応通貨や日本での提供可否が自社の送金先に合うか、本人確認や報告といった手続きを崩さず組み込めるかを確認してください。各サービスの資料を取り寄せ、自社の送金業務に必要な条件で比較検討を進めてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 海外送金APIとは何ですか?
A. 海外送金APIとは、海外送金サービスの機能を自社システムからプログラム経由で呼び出すための接続の窓口です。銀行やサービスの管理画面を人が操作する代わりに、会計システムや受発注システムから送金データを直接やり取りできます。
送金指図、受取人(送金先口座)の登録・管理、為替レートの取得、着金・処理ステータスの取得といった処理を自動化できますが、どの処理までAPIで扱えるかはサービスによって異なります。
Q. 海外送金APIで送金業務はどこまで自動化できますか?
A. 海外送金APIで自動化できる範囲は、送金の実行までAPIで完結できるサービスと、データ連携まではできても送金の実行操作は管理画面に残るサービスに分かれます。
専門サービスのAPIを直接つなぐ形態では、送金の実行までを自社システムから自動化しうる場合があります。一方、連携基盤(iPaaS)を経由する形態では、送金データの受け渡しまでを自動化でき、送金の実行操作は連携先サービスの画面に残ることがあります。各サービスの対応範囲は比較表と個別紹介で確認してください。
「APIがある」ことと「自社の送金業務をどこまで自動化できるか」は一致しないため、導入前に各サービスの仕様で送金指図までAPIで完結するのか、データ連携までなのかを確認してください。
Q. 海外送金APIは直接開発する方法と連携基盤(iPaaS)経由のどちらが自社に向いていますか?
A. 開発リソースを割けて送金実行まで作り込みたい企業は専門サービスのAPIを直接つなぐ形態、開発を抑えて送金データの連携から始めたい企業は連携基盤(iPaaS)経由が向きます。直接APIはAPIを呼び出す仕組みを自社で開発・保守する必要がある分、自動化を深く進めやすい形態です。
iPaaS経由はノーコードで会計ソフトやERPと海外送金サービスを結べる反面、連携基盤が対応する処理の範囲で自動化できることが決まります。開発リソースは限られるが将来は送金実行まで自動化したい場合は、まずiPaaSでデータ連携から始め、必要に応じて直接APIへ広げる段階的な進め方もあります。
既存の銀行取引を軸にしたい場合は、取引銀行の外為Web・銀行APIの海外送金への対応可否を確認するところから始めます。
Q. 海外送金をAPIで自動化しても、本人確認や送金理由の確認、外為法の報告は必要ですか?
A. 海外送金をAPIで自動化しても、本人確認(本人特定事項)や送金目的の確認、外為法にもとづく支払等の報告といった手続きはそのまま必要になります。海外送金を担う銀行や資金移動業者は犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)上の特定事業者にあたり、取引時確認として本人特定事項・取引を行う目的などの確認義務を負います。
また外国為替及び外国貿易法(外為法)にもとづき、日本銀行の案内では3千万円相当額を超える支払等が支払等報告書の対象とされ、報告は通常、送金に用いる銀行や資金移動業者の為替取引を通じて行われます。これらの確認・報告の枠組みはAPI連携でも変わらないため、承認や記録の統制を崩さない形でシステムに組み込む設計が必要です。
Q. 海外送金APIの対応通貨や日本での提供可否はどう確認すればよいですか?
A. 各サービスの公式ドキュメントや料金ページで、対応する通貨・送金先の国と、日本の法人が利用できる機能の範囲を事前に確認します。特に海外発のグローバルサービスでは、本国で提供している機能でも日本法人では利用できない場合があり、料金ページなどに「日本ではご利用いただけません」と示されていることがあります。各サービスの日本での提供範囲は比較表の「日本での提供可否」欄でも確認できます。
対応通貨・料金・日本での提供可否は変更される場合があるため、本記事の比較表もあわせて確認しつつ、最終的には導入前に各社の最新情報を確かめてください。
Q. 海外送金はどれくらいの件数からAPI連携の投資に見合いますか?
A. 海外送金のAPI連携は、送金件数が多く、手入力や会計・受発注データとの二重入力の負担が大きい企業ほど、省力化の効果が投資に見合いやすくなります。1件ごとの手入力や着金確認に多くの工数がかかっている場合や、既存システムに登録済みの支払データをそのまま送金に回したい場合は、API連携の効果が出やすい状況といえます。
一方、送金がスポット的で件数が限られるなら、まずは一括アップロードや画面操作での運用で足りることもあります。判断の目安としては、1件あたりの手入力・着金確認にかかる時間に月間の送金件数を掛けた作業量が、API連携やiPaaSの導入・運用コストを上回るかどうかで、投資に見合うかを見積もれます。
自社の送金頻度・件数と、確保できる開発リソースを踏まえて、直接API・iPaaS経由・銀行の外為Webのいずれで始めるかを検討してください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。















