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エスクロー決済とは?仕組みと、自社で代金を預かる設計が資金移動業に該当するかを解説

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自社のサービス上で売り手と買い手をつなぐとき、「取引代金をいったん自社で預かってから、商品やサービスの提供を確認して売り手に渡したい」と考える場面は少なくありません。

この「代金を第三者が一時的に預かる」仕組みがエスクロー決済です。ただし、その預かる役を自社(プラットフォーム)が担う設計にすると、資金決済に関する法律(以下、資金決済法)上の為替取引や収納代行の該当性という論点が生じ、場合によっては資金移動業の登録が必要になることがあります。

本記事では、エスクロー決済の代金の流れをまず整理したうえで、自社で全部預かる設計と第三者のサービスを使う設計で規制の該当関係がどう変わるかを、資金決済法の条文や当局の見解を引きながら切り分けて解説します。あわせて、代金の預かり・回収・分配を任せられる決済代行・収納代行サービスと、その費用の考え方も紹介します。

自社の取引設計が規制に触れないかを確かめ、現実的な実現手段を選ぶための判断材料として、順に読み進めてください。

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エスクロー決済とは

エスクロー決済とは、売り手と買い手の間に信頼できる第三者が入り、買い手が支払った代金を第三者がいったん預かったうえで、商品や役務の提供が確認できてから売り手に渡す決済の仕組みです。エスクロー(escrow)は「第三者預託」を意味し、面識のない相手同士の取引でも、代金の持ち逃げや商品の未着といったトラブルを防ぎます。

抽象的な定義だけでは自社の設計に当てはめにくいため、まず代金と商品が誰の手元をどう動くのかを、時系列で確認します。

  1. 買い手と売り手が取引の契約を結ぶ
  2. 買い手が代金を第三者(エスクロー提供者)に支払い、第三者が代金を預かる
  3. 入金の確認を受けて、売り手が商品の発送や役務の提供を行う
  4. 買い手が商品の受け取り・内容を確認する
  5. 確認をもって、第三者が預かっていた代金を売り手に引き渡す
エスクロー決済の代金の流れを5ステップで示した図。STEP1 契約:買い手と売り手が取引の契約を結ぶ。STEP2 代金を預かる:買い手が第三者に代金を支払い、第三者が預かる。STEP3 発送・提供:入金の確認後、売り手が商品を発送・役務を提供する。STEP4 検収:買い手が商品の受け取り・内容を確認する。STEP5 売り手へ引き渡し:確認をもって、第三者が預かった代金を売り手へ引き渡す。

この流れの要は、「間に入って代金を預かる役」を誰が担うかです。専門の第三者(決済代行会社や信託を用いる事業者など)が担う場合と、取引の場を提供するプラットフォーム自身が担う場合とでは、後述するとおり規制上の位置づけが変わります。フリマアプリやオークションサイトで、購入者の支払いが運営会社を経由して出品者に渡る仕組みは、このエスクロー型の代表例です。

どんな取引でエスクロー決済が必要か

ここからは、エスクロー決済がどんなトラブルを防ぎ、どのような取引で効果を発揮するのかを整理します。

どんなトラブルを防げるか

エスクロー決済は、前払いした代金の持ち逃げや商品の未着、そして納品したのに代金が支払われないという、売り手・買い手双方の未回収リスクを防ぎます。第三者が代金を預かり、入金を確認してから発送を促す流れになるため、買い手は「お金だけ払って商品が届かない」事態を避けられ、売り手は「商品を送ったのに代金が支払われない」事態を避けられます。

非対面の取引では、相手の信用を事前に確かめることが難しく、どちらが先に義務を果たすかで不安が残ります。代金の受け渡しに第三者が介在することで、この「先に動いた側が損をするかもしれない」という不均衡を解消できます。

どんな取引・事業で効くか

面識のない当事者同士が取引するマッチングサービスやマーケットプレイス、金額の大きい取引、越境の取引で特に効果があります。フリマ・オークションのような個人間取引、クラウドソーシングやスキルシェアのような役務の取引、企業間(BtoB)の取引プラットフォームなど、運営者が売り手と買い手をつなぐ事業では、取引の安全性がサービスそのものの信頼に直結します。

自社のプラットフォームでこうした取引を扱う場合、代金を安全に受け渡す仕組みは、利用者の定着とトラブル対応コストの削減の両面で重要になります。一方で、その代金を「自社で預かる」設計にするかどうかは、次に述べる規制の観点を踏まえて判断する必要があります。

自社で代金を預かる設計は規制に触れるか

エスクロー決済を検討するプラットフォーム事業者にとって最大の論点が、「買い手の代金を自社が預かって売り手に渡す設計は、法規制に触れないか」です。結論から言うと、触れるかどうかは一律には決まらず、誰が受取人か・どのような契約構造かによって変わります。ここでは、その切り分けの考え方を条文と当局の整理にもとづいて解説します。

出発点になるのが「為替取引」という概念です。資金決済法は為替取引そのものを定義していませんが、最高裁判所は、隔地者間で現金を直接輸送せずに資金を移動する仕組みを利用して、顧客の依頼を受けて資金を移動すること(またはその遂行)を為替取引にあたると判断しています(最高裁判所 2001年〈平成13年〉3月12日決定)。

そして、銀行等以外の者がこの為替取引を業として営むことが「資金移動業」であり、営むには内閣総理大臣の登録が必要です。

この法律において「資金移動業」とは、銀行等以外の者が為替取引を業として営むことをいう。

出典:資金決済に関する法律 第2条第2項|e-Gov法令検索

「自社で全部預かる場合」の該当関係

代金を自社で預かって売り手に渡す行為が「為替取引」に当たり、それを業として営むと判断される場合は、資金移動業の登録が必要になります。ただし、収納代行(代金の回収を代行する仕組み)の形をとっていても為替取引に該当する場合があることが、2020年(令和2年)の資金決済法改正で明文化されました。

改正で新設された第2条の2は、収納代行の形で代金を受け入れて受取人に引き渡す行為のうち、次の各号に該当するものを「為替取引に該当するものとする」と定めています。その第1号が、受取人(売り手)が個人である類型です。

受取人が個人(事業として又は事業のために受取人となる場合におけるものを除く。)であることその他の内閣府令で定める要件を満たす行為(次号に該当する行為を除く。)

出典:資金決済に関する法律 第2条の2第1号|e-Gov法令検索

ここで重要なのが、括弧書きの「事業として又は事業のために受取人となる場合におけるものを除く」という文言です。つまり、受取人(売り手)が事業者である企業間(BtoB)の取引は、この号から外れます。

金融審議会の報告書も、債権者が事業者などで、かつ債務者が支払った時点で弁済が終了し二重支払いの危険がないことが契約上明らかな収納代行については、為替取引に関する規制を適用する必要性は必ずしも高くないと整理しています。

収納代行のうち、①債権者が事業者や国・地方公共団体であり、かつ、②債務者が収納代行業者に支払いをした時点で債務の弁済が終了し、債務者に二重支払の危険がないことが契約上明らかである場合には、既に一定の利用者保護は図られていると考えることが可能である。したがって、こうした収納代行について、為替取引に関する規制を適用する必要性は、必ずしも高くないと考えられる。

出典:金融審議会「決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ」報告(令和元年12月20日)|金融庁

一方で、エスクローサービスそのものについては、同じ報告書が「現時点で共通の認識を得られておらず」「直ちに制度整備を図ることは必ずしも適当ではなく、引き続き検討課題とすることが考えられる」として、2020年(令和2年)の改正でも一律の規制対象とはされませんでした。したがって、「自社で預かる=直ちに資金移動業の登録が必要」と単純化するのは正確ではありません。

実際、当局のガイドラインも、為替取引に該当するかは取引内容に応じて最終的に個別具体的に判断するとしています。

事業者の行為が為替取引に該当するかは、その事業者が行う取引内容等に応じ、最終的には個別具体的に判断することに留意する。

出典:事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)14 資金移動業者関係 Ⅰ-2-1|金融庁

自社のケースがどちらに寄るかの目安としては、売り手が個人で、自社が代金をいったん全額預かってから渡す典型的なフリマ・CtoC型は、為替取引に該当するリスクが相対的に高い側です。一方、売り手が事業者であるBtoB取引で、買い手が支払った時点で債務が消える収納代行として組めば、規制の必要性は高くないと整理される側に寄ります。

ただし、この境目は契約構造によって変わるため、自社の設計がどちらに当たるかは専門家に確認するのが安全です。

「第三者サービスを使う場合」の考え方

決済代行会社や収納代行会社など、外部の第三者が代金の受領・回収・売り手への精算を担う設計であれば、自社が為替取引の主体になりにくく、実装のハードルは大きく下がります。買い手からの入金を受けるのも、売り手へ支払うのも、その資格を備えた第三者が行うため、プラットフォームは取引の場と代金の受け渡し指示を担う立場にとどまりやすくなります。

多くのマッチングサービスやマーケットプレイスが、自前で代金を保持せず、決済代行・収納代行の仕組みを組み合わせて安全な取引を実現しているのはこのためです。

また、代金の保全を「信託」の形で組成する方法もあります。この場合は資金決済法ではなく信託業法が関係し、信託業を営むには原則として内閣総理大臣の免許(管理型信託業に限れば登録)が必要です。エスクローを信託で実現するか、決済代行・収納代行で実現するかによって、関係する法律と手続きが変わる点に注意してください。

利用者にチャージ残高やプリペイドを持たせる設計にする場合は、代金を預かって分配する論点とは別に、前払式支払手段(資金決済法)の規制が関わります。代金を預かって売り手に渡す設計とは規制の建付けが異なるため、分けて考える必要があります。

自社で全部預かる設計と、第三者に委ねる設計の規制上の違いを整理すると、次のようになります。

← 横にスクロールできます →
論点 / 設計パターン自社で代金を全部預かって分配する設計第三者(決済代行・収納代行)に代金の受領・分配を委ねる設計
為替取引(資金決済法)への該当受取人(売り手)が個人で実質的な資金移動にあたる類型などは、収納代行の形でも為替取引に該当しうる(第2条の2第1号)資格を備えた第三者が代金を受領・回収・精算するため、自社が為替取引の主体になりにくい
資金移動業の登録(第37条)為替取引に当たり業として営む場合は登録が必要になりうる自社での登録は原則不要になりやすい(実装するサービス側が対応)
収納代行としての整理受取人が事業者(BtoB)で二重支払リスクがない類型は、規制の必要性が高くないと整理される収納代行・決済代行サービスの枠組みで代金の回収・精算を代行できる
エスクローとしての扱いエスクロー自体は規制対象化が見送られ検討課題。該当性は最終的に個別具体的に判断される信託で組成する場合は信託業法(免許/管理型は登録)が関係する
前払式支払手段との区別独自残高・プリペイドを発行する設計なら、別途、前払式支払手段の論点が生じる自社が独自残高を発行しなければ、前払式支払手段の論点は生じにくい

※上記は一般的な整理であり、個別の設計が規制に該当するかは取引内容により異なります。実際の判断は専門家・当局にご確認ください。

このように、規制の該当性は「自社か第三者か」「受取人が事業者か個人か」「収納代行として債務が消滅し二重支払リスクがないか」といった条件で変わり、最終的には個別具体的な判断が必要です。自社独自のスキームで代金を預かる設計を検討する場合は、事前に弁護士や当局へ確認することをおすすめします。一方、確実性を重視するなら、資格を備えた決済代行・収納代行サービスを使うのが現実的な選択肢です。

出典・参考資料(3件)

エスクロー決済を実現する方法(自前構築か、決済代行・収納代行サービスか)

ここからは、エスクロー型の代金の受け渡しを実際にどう実装するかを、手段の中身に絞って見ていきます。大きく、自前で構築する方法と、決済代行・収納代行サービスを利用する方法に分かれます。

自前で構築する場合は、代金の預かり・分別管理・分配の仕組みをシステムとして用意する必要があり、前章で述べた規制対応の負担も自社で抱えることになります。開発コストと法務対応の両面で、立ち上げ期の事業者には重い選択肢です。

これに対して、決済代行・収納代行サービスを利用する方法は、代金の受領・回収・売り手への精算という「間に入って預かる」機能を、資格を備えた第三者に任せられるのが利点です。実現の形は、大きく次の3つに整理できます。

  • 決済代行:カード・コンビニ・口座振替などで買い手から代金を受領し、加盟店(売り手)へ精算する。オンラインでの都度決済・継続課金に向く
  • 収納代行・集金代行:口座振替やコンビニ払込などで代金を回収し、入金管理・消込(入金と請求データの照合)まで一元化する。定期的な集金・請求に向く
  • BtoB掛け払い(請求代行):企業間取引で与信・請求・代金回収を代行し、売掛金の保証まで担う。売り手への立替入金でエスクローに近い保全を実現する

ここで一点、押さえておきたい違いがあります。これらの決済代行・収納代行サービスは、買い手からの代金の受領・回収と売り手への精算を代行しますが、フリマのように「買い手が受け取りを確認するまで代金を保留し、確認後に売り手へ渡す」という検収連動の保留機能そのものを標準で備えているとは限りません。

売り手の未回収を防ぐ保証(BtoB掛け払いなど)や、役務の完了報告に合わせた入金タイミングの設定で近い運用ができる場合もありますが、対応の可否はサービスによって異なります。買い手の検収が終わるまで代金を止める仕組みが必須なら、その要件を満たせるかを各サービスに個別に確認してください。

決済代行と収納代行は、いずれも代金の回収を第三者に任せられる点では共通しますが、対応する集金手段や、入金管理・消込までカバーする範囲に違いがあります。両者の違いと代金がどのように流れるのかを図解で詳しく確認したい場合は、収納代行を掘り下げた解説記事が参考になります。

マーケットプレイスでの代金の分配に特化した海外の仕組み(Stripe Connectなど)も存在します。ここでは、国内で導入・サポートを受けやすい決済代行・収納代行サービスを中心に紹介します。自社の取引がBtoCかBtoBか、都度決済か定期集金か、といった条件に合わせて、次の比較を参考に候補を絞り込んでください。

代金の預かり・分配に使える決済・収納代行サービスの比較

ここでは、代金の受領・回収・精算を任せられる決済代行・収納代行サービスを、料金の考え方・対応する集金手段・向いている取引の観点で比較します。各サービスの詳細は、比較表の下で個別に解説します。

← 横にスクロールできます →
サービスPaysys(ペイシス)サブスクペイリコーリース 集金代行サービスRP掛け払いGMOペイメントゲートウェイビリングシステム 収納代行
提供会社株式会社ペイメントフォー株式会社ROBOT PAYMENTリコーリース株式会社株式会社ROBOT PAYMENTGMOペイメントゲートウェイ株式会社ビリングシステム株式会社
提供形態決済代行
(オンライン決済)
決済代行
(継続課金特化)
収納代行
(口座振替・コンビニ)
BtoB掛け払い
(請求代行)
決済代行
(収納代行・口座振替含む)
収納代行
(決済代行)
対象取引BtoB・BtoCBtoB・BtoCBtoC中心BtoBのみBtoB・BtoCBtoB・BtoC
主な集金手段クレジットカード
コンビニ/ペイジー
WEB口座振替 等
クレジットカード
口座振替/コンビニ
銀行振込 等
口座振替
コンビニ決済
銀行振込/口座振替
クレジットカード(掛け払い)
クレジットカード
口座振替/コンビニ収納
Pay-easy 等(30以上)
クレジットカード
口座振替/コンビニ
銀行振込/ペイジー 等
継続課金・定期集金(クレカ・WEB口座振替)(継続課金に特化)(口座振替の定期集金)(掛け売りの定期請求)(定期購入・サブスク対応)(口座振替の定期集金)
代金の保証(未回収リスク)×(保証機能は非提供)(掛け払い決済の連携で対応)×(保証機能は非提供)(適格債権は100%保証)×(保証機能は非提供)×(保証機能は非提供)
費用・手数料の目安初期費用0円〜(BtoB限定)
手数料〜1.99%(BtoB)
月額は要問い合わせ
初期・月額は要問い合わせ
カード2.5%〜+7円/件
口座振替85円/件
導入費用0円
未使用月の基本料金0円
手数料は個別見積(1件から)
初期・月額は要問い合わせ
手数料率は個別見積
(公式ページで表記に幅)
要問い合わせ
(決済手段ごとに個別料率)
要問い合わせ
(初期・月額・手数料とも個別見積)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見る

各サービスの詳しい特徴(決済代行・収納代行・掛け払い)

ここからは、各サービスの提供形態・特徴を個別に紹介します。自社の取引タイプに合うサービスを見極める参考にしてください。

1. Paysys(ペイシス)(株式会社ペイメントフォー)

Paysys(ペイシス)の公式サイト

Paysys(ペイシス)は、システム開発をせずにオンライン決済を導入できる決済代行サービスです。買い手からの代金の受領と加盟店(売り手)への精算を第三者であるペイメントフォーが担うため、プラットフォームが自前で代金を保持しない形を組みやすいのが特徴です。

導入方式は、開発不要のメールリンクタイプ・フォームタイプから、自社システムへ組み込むAPI連携までを用意し、スモールスタートから事業拡大まで一貫して使い続けられます。BtoB・BtoCのどちらにも対応し、本人認証(EMV 3-Dセキュア)を追加費用なしで利用できる点も、取引の安全性を高める要素です。

手数料はBtoB向けプランで〜1.99%(2026年6月時点、MCB FinTechカタログのサービスページ記載)で、詳細は個別見積もりとなります。

2. サブスクペイ(株式会社ROBOT PAYMENT)

サブスクペイの公式サイト

ROBOT PAYMENTが提供するサブスクペイは、継続課金や定期購入の代金回収の自動化に強みを持つ決済代行サービスです。クレジットカード・口座振替・コンビニ決済などで買い手から代金を受領・回収し、売り手への精算までを担う決済代行サービスで、累計導入は14,000社以上に上ります(2026年6月時点、公式サイト記載)。

月額会費・定期購入・サブスクリプションといった、繰り返し発生する集金を自動化する機能(自動課金・課金日の統一・解約フォーム・自動リトライなど)が揃っています。本人認証のEMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)を追加料金0円で標準提供する点も安心材料です。

手数料はクレジットカード決済で2.5%〜(別途トランザクション費用7円/件)、口座振替で85円/件が目安で、初期・月額費用は個別見積もりとなります(2026年6月時点)。

3. リコーリース 集金代行サービス(リコーリース株式会社)

リコーリース 集金代行サービスの公式サイト

口座振替とコンビニ決済で代金の回収を第三者に任せたい場合の選択肢が、リコーリースの集金代行サービスです。売り手に代わってリコーリースが代金を回収・管理するため、事業者が自ら代金を預かる負担を抑えられます。

導入費用0円、サービスを使わなかった月の基本料金0円、請求件数1件から利用可能で、個人事業主も申し込めるなど、小規模・スポット利用に親和的な料金設計が特徴です。全国約66,000店舗のコンビニ・ドラッグストアが受付窓口となり、コンビニ決済は払込金額の上限が30万円のため、それを超える場合は口座振替を組み合わせます。振替手数料などの料金は取扱件数に応じた個別見積もりとなります。

口座振替が代金の未回収の抑制にどうつながるのかについて、リコーリースの担当者は次のように説明しています。

那須田氏
リコーリース株式会社 BPO本部 BPO営業部 マーケティング課
那須田氏
独自インタビューより

効果として分かりやすいのは未収率とサービス継続率の改善です。口座振替では振込手続や現金を持ってくるのを忘れたなどの支払者側の都合に関係なく、口座に残高が入っていれば引落しできるため、一般に回収率が90%を超えている他、サービスの継続率が高くなる傾向があります。

4. RP掛け払い(株式会社ROBOT PAYMENT)

RP掛け払いの公式サイト

企業間(BtoB)の取引プラットフォームで、売り手への代金の保全までを重視するなら、ROBOT PAYMENTのRP掛け払いが本題に近い選択肢です。与信審査から請求書の作成・送付、代金回収、入金消込、督促までを代行し、法人間取引のみを対象とします。

最大の特徴は、与信を通過した適格債権については、取引先の入金遅延や貸し倒れが起きても100%の債権保証が付く点です。売り手は代金の未回収リスクを負わずに取引でき、実質的に第三者が代金を立て替えて保全する、エスクローに近い形を実現します。手数料率は公式ページによって下限の表記に幅があり、初期費用・月額費用とあわせて要問い合わせとなります。

5. GMOペイメントゲートウェイ 収納代行・口座振替(GMOペイメントゲートウェイ株式会社)

GMOペイメントゲートウェイ 収納代行・口座振替の公式サイト

規模と信頼性を重視して総合的な収納代行を検討するなら、GMOペイメントゲートウェイの「PGマルチペイメントサービス」が候補になります。クレジットカード・コンビニ決済・口座振替・Pay-easyなど30以上の決済手段を1契約で導入でき、収納代行・口座振替・継続課金に対応します。

口座振替では、顧客の口座情報を事業者側で保持・管理する必要がなく、GMO-PGが口座登録・振替処理を代行します。申込方式は書面型とオンライン完結型を選べ、オンラインは即時登録に対応します。公共料金・税金・施設利用料など、定期請求・集金業務を持つ事業者向けの収納代行用途も公式に掲げています。料金は決済手段・契約条件に応じた個別見積もりのため、実費感の把握には資料請求が前提となります。

6. ビリングシステム 収納代行(ビリングシステム株式会社)

ビリングシステム 収納代行の公式サイト

ビリングシステムの収納代行サービスは、複数の集金手段を横断して代金を収納代行し、入金管理まで一元化できるのが特徴です。クレジットカード・口座振替・コンビニ・ペイジーなどを窓口として第三者が代金を回収し、入金の一元管理と消込までをまとめて担います。

同社は前払式支払手段(第三者型)発行者や電子決済等代行業者などの登録を保有し、PCI DSS・ISMS・プライバシーマークの認証を取得しています。第三者が代金を預かって処理する規制対応の実装例として、自社で預からずに委ねる設計と相性が良い点が特徴です。銀行振込のリアルタイム入金通知(クイック入金)にも対応します。初期費用・月額・手数料は要問い合わせとなります。

代金の預かり・分配にかかる費用・手数料の相場

ここでは、決済代行・収納代行サービスを使う場合の費用の考え方を整理します。費用は「初期費用」「月額費用」「取引ごとの手数料」に分かれ、取引金額や決済手段、業態によって変わるのが一般的です。紹介する各サービスの多くは料金を個別見積もりとしており、公開された料率が確認できるのは主にPaysysとサブスクペイに限られます。実費感は資料請求で確認する前提で、以下の相場観を目安にしてください。

取引ごとの手数料は、決済手段によって水準が異なります。クレジットカード決済ではおおむね数%(サブスクペイはカード決済で2.5%〜、別途トランザクション費用7円/件)、口座振替では1件あたり数十円〜(サブスクペイは85円/件)が目安です。BtoB向けの決済では、Paysysのように〜1.99%といった料率が示される例もあります(いずれも2026年6月時点、公式または掲載情報にもとづく)。

手数料が業態や取引規模によってどう変わるのかについて、Paysysを提供するペイメントフォーは料金の決まり方を次のように説明しています。

仙名氏
株式会社ペイメントフォー ペイメントソリューション部WEB決済グループマネージャー
仙名氏
独自インタビューより

料金は個別見積もりとさせていただいています。変動する要素としては、まず「業態」があります。B2Bサービスであれば特別な条件で提供でき、1.99%という手数料をご提示させていただいています。B2C事業者様については「売上規模」に応じて手数料が変動します。

初期費用・月額費用は、リコーリースの集金代行のように「導入費用0円・使わない月は基本料金0円」で始められるサービスがある一方、多くのサービスは業態や取扱件数に応じた個別見積もりとしています。実際の費用は資料請求や問い合わせで確認するのが確実です。手数料率の数%の差が、取引量が増えるほどコストに大きく響くため、想定する取引額・件数を前提に複数社を比較することをおすすめします。

手数料や対応する決済手段、向いている業態は、決済代行・オンライン決済サービスごとに幅があります。本記事で取り上げた以外のサービスも含めて、料率や決済手段、実店舗・EC・サブスクといった業態別の選び方を広く見比べたい場合は、オンライン決済システムを網羅的に比較した記事が参考になります。

エスクロー決済(代金の預かり・分配)導入の流れと注意点

最後に、決済代行・収納代行サービスを使って代金の預かり・分配を実装する際の一般的な流れと、押さえておきたい注意点を整理します。

  1. 自社の取引タイプ(BtoC/BtoB、都度決済/定期集金、想定する取引額・件数)を整理する
  2. 条件に合う決済代行・収納代行サービスを比較し、資料請求・見積もりを取る
  3. 契約・審査を経て、導入方式(メールリンク・フォーム・API連携など)を決める
  4. システムの実装・テストを行い、運用を開始する

導入方式によって期間は変わり、開発不要のタイプなら短期間で、API連携で自社システムに組み込む場合は実装・テストに相応の期間を見込みます。

注意点として、代金を自社で預かる独自スキームを設計する場合は、前述のとおり為替取引・資金移動業などの該当性が個別具体的に判断されるため、事前に弁護士や当局へ確認してください。決済代行・収納代行サービスを使う場合でも、対応する決済手段・入金サイクル・保証の有無はサービスごとに異なるため、自社の取引に必要な条件を満たすかを契約前に確かめることが大切です。

まとめ

エスクロー決済は、第三者が代金を預かって検収後に売り手へ渡すことで、面識のない相手同士の取引でも代金の持ち逃げや商品未着を防ぐ仕組みです。プラットフォーム事業者にとっての要点は、その「預かる役」を自社で担うか、第三者に委ねるかの選択にあります。

自社で全部預かる設計は、受取人が個人か事業者か、収納代行として二重支払リスクがないか、エスクローに該当するかなどによって、為替取引・資金移動業の該当性が変わり、最終的には個別具体的な判断が必要です。確実性を重視するなら、資格を備えた決済代行・収納代行サービスに代金の受領・回収・精算を委ねるのが現実的です。自社の取引タイプに合うサービスを、料率と導入条件を踏まえて比較検討してください。

よくある質問(FAQ)

Q. エスクロー決済とは何ですか?

エスクロー決済とは、売り手と買い手の間に第三者が入り、買い手が支払った代金を第三者がいったん預かったうえで、商品や役務の提供を確認してから売り手に渡す決済の仕組みです。面識のない相手同士の取引でも、代金の持ち逃げや商品の未着といったトラブルを防げます。フリマアプリやマーケットプレイスで、購入者の支払いが運営会社を経由して出品者に渡る仕組みが代表例です。

Q. エスクロー決済を自社で提供すると資金移動業の登録が必要ですか?

自社で代金を預かって売り手に渡す設計が資金移動業の登録を要するかは、一律には決まらず、受取人が誰か・どのような契約構造かによって、最終的に個別具体的に判断されます。代金を預かって渡す行為が資金決済法上の「為替取引」に当たり、それを業として営むと判断される場合は登録が必要です。

ただし、収納代行の形をとっていても為替取引に該当することがある一方、受取人が事業者で二重支払いのリスクがない類型などは規制の必要性が高くないと整理されており、単純に「自社で預かる=登録が必要」とは言い切れません。自社独自のスキームを検討する場合は、事前に弁護士や当局へ確認することをおすすめします。

Q. エスクロー決済の規制はBtoBとBtoCで扱いが変わりますか?

はい、受取人(売り手)が事業者であるBtoB取引か、個人であるBtoC・CtoC取引かによって、為替取引への該当関係が変わります。2020年(令和2年)改正の資金決済法は、受取人が個人である類型などを収納代行の形であっても為替取引に該当すると整理する一方、事業として受取人となる場合(BtoB)はこの類型から外れます。

金融審議会の報告書も、受取人が事業者で、支払い時点で弁済が終了し二重支払いのリスクがない収納代行については規制の必要性が高くないと整理しています。

ただし個別の設計が該当するかは取引内容により異なるため、最終的な判断は専門家に確認してください。

Q. 収納代行と決済代行は何が違いますか?

どちらも代金の回収を第三者が代行する点は共通しますが、向いている用途が異なります。決済代行はカード・コンビニ・口座振替などで買い手から代金を受領し、売り手(加盟店)へ精算する仕組みで、オンラインの都度決済や継続課金に向きます。収納代行は口座振替やコンビニ払込で代金を回収し、入金管理・消込まで一元化する仕組みで、定期的な集金・請求に向きます。

どちらも自社で代金を保持せず、代金の受領・回収・精算を資格を備えた第三者に委ねられるため、エスクロー型の代金の受け渡しを実現する手段として使えます。自社の取引が都度決済中心か定期集金中心かで、適した方式が変わります。

Q. エスクロー決済の手数料は売り手と買い手のどちらが負担しますか?

手数料を誰が負担するかは法律で決まっておらず、サービスの規約や運営者の設計によって自由に決められます。一般には、運営者が出品手数料などに含めて徴収する形や売り手が負担する形が多い一方、企業間取引では買い手が負担するモデルもあります。

決済代行・収納代行サービスを使う場合の手数料の水準は決済手段によって異なる(クレジットカードは数%、口座振替は1件あたり数十円が目安)ため、想定する取引額・件数を前提に見積もりを取って比較するのが確実です。

Q. 決済代行・収納代行サービスの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

導入期間は選ぶ導入方式によって変わり、開発不要のメールリンク型・フォーム型なら比較的短期間で始められ、自社システムにAPI連携で組み込む場合は契約・審査に加えて実装・テストに相応の期間を見込みます。まずは自社の取引タイプ(BtoC・BtoB、都度決済・定期集金、想定する取引額・件数)を整理し、条件に合うサービスの資料請求・見積もりから始めると、必要な期間や費用の見通しも立てやすくなります。

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