業績の悪化や過剰債務、資金繰りの逼迫に直面し、自社だけでは立て直しの道筋が描けないと感じていませんか。金融機関へのリスケジュール(返済条件の変更)交渉や、赤字事業の見直し、再生計画の策定までを社内の人材だけで進めるのは容易ではありません。こうした局面で頼りになるのが、事業再生を専門に手がけるコンサルティング会社です。
ただし、一口に事業再生コンサルといっても、会計・税務を母体とする総合ファーム、現場に常駐して実行まで担う独立系の再生ファーム、大企業の大型案件を得意とするBIG4系のアドバイザリーなど、出自も得意領域も費用感も大きく異なります。自社の局面がリスケ中心なのか、現場の立て直しが要るのか、金融機関との調整が要るのかによって、選ぶべき依頼先は変わります。
本記事では、事業再生に対応する主要なコンサルティング会社13社を4つのタイプに分けて比較・解説します。依頼できる範囲と再生の進め方、依頼先タイプごとの強み、費用・報酬の考え方、私的整理や中小企業活性化協議会などの公的スキームとの関係までを整理しました。過剰債務や資金繰りの悪化に直面した中堅・中小企業の経営者や財務の責任者が、自社に合う依頼先を絞り込むための判断材料としてご活用ください。
また、自社の局面に合う依頼先タイプを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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事業再生コンサルとは|依頼できることと再生の進め方
事業再生コンサルとは、収益力の低下や過剰債務、資金繰りの悪化によって経営が行き詰まった、あるいは行き詰まりつつある企業に対し、財務と事業の両面から立て直しを支援する専門家です。中小企業の事業再生等に関するガイドラインでは、こうした「収益力の低下、過剰債務等による財務内容の悪化、資金繰りの悪化等」が生じた状態を「有事」と定義しており、事業再生コンサルはこの有事の局面で経営者に伴走します。
事業再生コンサルに依頼できること
事業再生コンサルに任せられる業務は、財務の数値分析から現場の立て直しまで幅広く、会社の状態や依頼先の得意領域によって組み合わせが変わります。主な支援内容は次のとおりです。
- 財務・事業のデューデリジェンス(DD):貸借対照表や損益計算書を精査し、実態の債務超過額や赤字の構造、資金繰りの実態を可視化します。事業ごとの採算や強み・弱みも評価します。
- 再生計画の策定:不採算事業の整理、コスト構造の見直し、収益改善の施策を織り込んだ事業計画と、返済猶予や債務減免を含む金融支援策を立案します。
- 金融機関との調整:メインバンクをはじめとする取引金融機関に対し、リスケジュールや債権放棄などの金融支援について合意形成を進めます。
- 実行支援・モニタリング:計画をつくって終わりにせず、現場に入って施策の実行を支え、計画と実績の差異を管理します。経営人材として常駐するケースもあります。
どこまでを外部に任せ、どこを自社で担うかは会社ごとに異なります。財務分析だけを依頼する場合もあれば、金融機関調整から現場の実行支援までを一括で委ねる場合もあります。
事業再生の進み方(4つのフェーズ)
事業再生は、現状把握から実行までを段階的に進めます。中小企業活性化協議会の再生計画策定支援でも、企業概要の調査から事業計画の策定、金融支援策の調整という流れで進められており、民間の事業再生コンサルの支援もおおむね次の4つのフェーズで整理できます。

- 財務・事業デューデリジェンス:財務の実態と事業ごとの採算を把握し、再生の可能性と課題を見極めます。
- 再生計画の策定:収益改善策と金融支援策を組み合わせ、実現可能な計画としてまとめます。
- 金融機関との調整:リスケジュールや債権放棄などの金融支援について、取引金融機関の合意を得ます。
- 実行支援・モニタリング:計画に沿って施策を実行し、進捗を管理しながら軌道に乗せます。
依頼先を選ぶときは、どのフェーズに強みがあるかを見ることが大切です。財務分析に強くても現場の実行支援まで担わない会社もあれば、現場常駐での立て直しを主軸とする会社もあります。
事業再生コンサルの4つのタイプと強み
事業再生コンサルは、出自と得意領域、支援スタイル、主戦場とする企業規模によって、大きく4つのタイプに分けられます。自社の局面がどのタイプと相性が良いかを掴むことで、依頼先の候補を効率よく絞り込めます。
見分ける軸は、財務・数値の裏づけを重視するか、現場に常駐して実行まで担うか、より小規模の企業に公的スキームを使って伴走するか、大企業・上場企業の大型案件かです。次の4タイプを、自社に近いものから読んでください。
会計系総合ファーム型
税務・会計事務所を母体とし、財務デューデリジェンスから再生計画、承継やM&Aまでをワンストップで担うタイプです。公認会計士や税理士など有資格者が多く在籍し、数値の裏づけに基づいた再生計画づくりを得意とします。財務の透明化と金融機関への説明力を重視する企業に向きます。
独立系・事業再生特化ファーム型
事業再生とハンズオン(現場常駐)の実行支援を主軸に据えたタイプです。産業再生機構の出身者などが在籍し、経営人材として現場に入り、中堅・中小企業のV字回復を実務で支えます。計画をつくるだけでなく、施策を現場で回しきる伴走力を求める企業に向きます。
中小企業の伴走・経営改善型
独立系・事業再生特化ファーム型が中堅規模の抜本再生も担うのに対し、こちらはより小規模〜中小に軸足を置き、公的スキームの活用度が高い点が分かれ目です。
中小企業活性化協議会や経営改善計画策定支援事業を使いながら、黒字化・財務体質の改善・金融機関対応を軸に、身の丈に合った再生を伴走します。まずは金融機関との関係を立て直し、着実に収益を改善したい企業に向きます。
BIG4系FAS・大手アドバイザリー型
監査法人グループを母体とするファイナンシャルアドバイザリー(FAS)で、ターンアラウンドやリストラクチャリングを専門部隊で手がけるタイプです。大企業や上場企業の危機局面、大型債務の再編、クロスボーダー案件を主な対象とします。
中堅・中小企業がこのタイプを選ぶ場面は限られますが、案件規模が大きい場合の選択肢として押さえておくとよいでしょう。
4つのタイプの特徴と、どんな企業に向くかを整理すると次のとおりです。
| タイプ | 会計系総合ファーム型 | 独立系・事業再生特化ファーム型 | 中小企業の伴走・経営改善型 | BIG4系FAS・大手アドバイザリー型 |
|---|---|---|---|---|
| 特徴 | 財務DDと数値に基づく再生計画・会計税務まで一気通貫 | 現場常駐のハンズオン実行支援が主軸 | 黒字化・財務体質改善・金融機関対応、公的スキームの活用 | 大型債務の再編・クロスボーダー案件に対応 |
| 該当する主なファーム | 山田コンサルティンググループ/AGSコンサルティング/みらいコンサルティンググループ | IGPI/フロンティア・マネジメント/ロングブラックパートナーズ/リヴァンプ/みそうパートナーズ | TOMAコンサルタンツグループ/ノーススターパートナーズ | デロイト トーマツ/KPMG FAS/PwCアドバイザリー |
| 向いている企業 | 財務の透明化と金融機関への説明力を重視する中堅・中小 | 計画だけでなく現場の立て直しまで任せたい中堅・中小 | まず金融機関との関係を立て直したい小規模〜中小 | 大企業・上場企業や大型案件 |
自社がどのタイプに向いているか迷う場合は、いくつかの質問に答えるだけで合う依頼先タイプを絞り込める、次の診断ツールもご活用ください。
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【比較表】事業再生コンサル13社を比較
ここからは、事業再生に対応する主要なコンサルティング会社13社を横断的に比較します。タイプ、支援スタイル、対象企業規模、対応できる再生・金融手法、専門家体制、費用・報酬体系を一覧にまとめました。会社名をクリックすると、各社の詳しい紹介にジャンプできます。
| サービス | 山田コンサルティンググループ | AGSコンサルティング | みらいコンサルティンググループ | 経営共創基盤(IGPI) | フロンティア・マネジメント | ロングブラックパートナーズ | リヴァンプ | みそうパートナーズ | TOMAコンサルタンツグループ | ノーススターパートナーズ | デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー | KPMG FAS | PwCアドバイザリー |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タイプ | 会計系総合ファーム型 | 会計系総合ファーム型 | 会計系総合ファーム型 | 独立系・事業再生特化ファーム型 | 独立系・事業再生特化ファーム型 | 独立系・事業再生特化ファーム型 | 独立系・事業再生特化ファーム型 | 独立系・事業再生特化ファーム型 | 中小企業の伴走・経営改善型 | 中小企業の伴走・経営改善型 | BIG4系FAS・大手アドバイザリー型 | BIG4系FAS・大手アドバイザリー型 | BIG4系FAS・大手アドバイザリー型 |
| 支援スタイル | アドバイス中心 | アドバイス中心 | アドバイス中心 | 現場常駐ハンズオン | 現場常駐ハンズオン | 現場常駐ハンズオン | 現場常駐ハンズオン | ハンズオン(経営者伴走) | 現場常駐ハンズオン | 伴走支援中心 | アドバイス中心 | アドバイス中心 | アドバイス中心 |
| 対象企業規模 | 中堅・中小(オーナー企業中心) | 中堅・中小〜上場企業 | 中小企業中心 | 大企業〜中堅企業 | 中堅〜大企業・上場企業 | 中堅・中小企業 | 中堅〜大手 (小売・外食中心) | 中堅・中小企業 | 中堅・中小(年商数億〜50億円中心) | 中小企業中心 | 大企業・上場企業中心 | 大企業・上場企業中心 | 大企業・上場企業中心 |
| 対応する再生・金融手法 | 財務・事業DD、再生スキーム構築、実行手続き支援、M&A・事業承継 | 事前簡易調査〜現状把握〜再生計画〜実行・モニタリング、金融機関連携、M&A | スポンサー型M&A・EBO・官民一体型ファンド・再生系サービサー活用の使い分け | ターンアラウンド、M&A・PMI、出資(マイノリティ投資) | 財務・事業DD、再生計画策定、金融機関との利害調整、経営参画、M&A・事業承継 | 財務・事業・資金繰りDD、私的整理、リスケ・DDS・DES・債権放棄・ファンド債権売却、スポンサー探索 | 事業構造の転換、現場オペレーション改善、販売戦略、エクイティ投資 | 現状把握・改善施策の立案、事業計画策定、経営革新(再成長)、M&A・事業承継 | 財務・事業DD、私的整理・スポンサー型、金融機関交渉(リスケ)、資産売却・再生ファンド紹介 | 財務体質改善・資金繰り改善、金融機関交渉・面談、黒字化支援 | M&Aアドバイザリー、リストラクチャリング、グループ再編、クロスボーダーM&A、フォレンジック | M&A・財務DD、ターンアラウンド&リストラクチャリング、PMI、フォレンジック | M&A・DD・バリュエーション、リストラクチャリング、グループ再編、PPP/PFI(官民連携) |
| 専門家体制 | 公認会計士・税理士・司法書士・中小企業診断士ほか | 公認会計士121名・税理士124名(従業員782名/2026年1月) | 公認会計士・税理士・司法書士・社会保険労務士ほか | プロフェッショナル約220名(産業再生機構出身者が中核) | グループ連結417名(産業再生機構出身者・業界別専門家) | 127名(大手外資系アドバイザリー出身者中心/2026年1月) | 382名(経営・マーケティング・DX・財務の横断チーム) | 公認会計士を中核(戦略コンサル・経営企画出身者で構成) | 税理士・公認会計士・社労士・行政書士ほか約200名 | 財務・金融機関対応の専門家(東京・大阪・神戸に拠点) | グループ合併新会社で約11,000名(法務・税務・財務の専門家) | 戦略・財務の専門家(KPMGグローバルネットワーク) | 戦略・M&A・再生の専門家(PwCグローバルネットワーク) |
| 費用・報酬体系 | 要問い合わせ(非公開) | 要問い合わせ (M&Aは着手金・中間金+レーマン方式が目安) | 要問い合わせ(非公開) | 要問い合わせ (成功報酬型・出資型を含む) | 要問い合わせ(非公開) | 要問い合わせ(非公開) | 要問い合わせ(非公開) | 要問い合わせ(非公開) | 要問い合わせ(非公開) | 要問い合わせ(非公開) | 要問い合わせ(案件ごとの個別見積り) | 要問い合わせ(案件ごとの個別見積り) | 要問い合わせ(案件ごとの個別見積り) |
| 特徴・主な実績 | 東証プライム上場(証券コード4792)。事業承継・資本政策・相続の相談 年間2,000件超(公式) | 会計事務所発のワンストップ。M&A支援390件・事業承継 年間約580件(公式)。企業再生は提携先からの紹介制 | 会計コアのワンストップ。複数の再生スキームを企業の状況に応じて使い分け | 産業再生機構の元中心メンバーが2007年に創業。執行役員以上の肩書で経営に当事者として入るハンズオン支援 | 東証プライム上場(証券コード7038)。経営コンサルとM&Aアドバイザリーのハイブリッド。産業再生機構出身者が創業 | 中堅・中小に特化した現場常駐型。300社を超える支援実績を公式に掲示 | 小売・外食などの現場再建に実績。カメラのキタムラをリストラなしで黒字化(公式事例) | 幹部は公認会計士資格を保有。再生から再成長・M&A・事業承継まで一貫。東京・大阪に拠点 | 税務・会計・労務・M&Aのワンストップ。常駐で実行・モニタリングまで伴走 | 黒字化・財務体質改善に特化。黒字化率97.6%・再建350社超を自社サイトで公表(母集団・時点の定義は要確認) | 2025年12月に3社が合併し合同会社デロイト トーマツへ。150を超える国・地域のネットワークでクロスボーダー対応 | 戦略〜ポストディールを一気通貫で支援。東京・大阪・京都・名古屋・福岡の国内5拠点 | ディール全域を横断。第二種金融商品取引業登録、インフラ(PPP/PFI)にも対応 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
タイプ別・事業再生コンサルの紹介
ここからは、4つのタイプごとに各社の特徴・体制・実績を紹介します。自社の局面に近いタイプから読み進めてください。
会計系総合ファーム型
ここからは会計系総合ファーム型の3社を、体制と再生の得意領域の違いから紹介します。
1. 山田コンサルティンググループ(山田コンサルティンググループ株式会社)

東証プライムに上場する(証券コード4792)独立系の総合コンサルティングファームです。事業承継・M&A・事業再生・会計税務・海外事業支援を一つの窓口で扱い、公認会計士・税理士・司法書士・中小企業診断士など多様な有資格者が案件ごとにチームを組みます。
事業再生の領域では、事業と財務を一体で立て直す方針を掲げ、再生スキームの構築から各種実行手続きまでを支援します。事業承継・資本政策・相続の相談実績は年間2,000件超(公式)にのぼり、財務の数値を起点に金融機関へ説明できる計画づくりを担います。
対象は中堅・中小のオーナー企業が中心で、M&Aは案件規模や国内外を問わず対応するとしています。料金は公開されておらず、支援範囲に応じた個別見積もりとなるため、具体的な費用は問い合わせで確認してください。
2. AGSコンサルティング(株式会社AGSコンサルティング)

会計・税務顧問を土台に、IPO支援・事業承継・企業再生・M&A・国際税務までをワンストップで手がけるアカウンティング・ファームです。AGS税理士法人と一体で運営し、従業員782名のうち公認会計士121名・税理士124名を擁します(いずれも2026年1月時点の公式値)。
企業再生は「事前簡易調査」「現状把握・課題の抽出」「再生計画の策定」「実行とモニタリング」の4段階で進め、メガバンクや大手地銀との協力体制を敷きます。ただしこのサービスは提携先から紹介を受けた企業のみが相談でき、新規の直接相談は受け付けていません。
M&Aアドバイザリーは累計390件、事業承継は年間約580件の支援実績を公式に示しています。M&A報酬は着手金・中間金にレーマン方式などの成功報酬を組み合わせる形が案内されていますが、具体的な金額は案件ごとの見積もりとなります。
3. みらいコンサルティンググループ(みらいコンサルティング株式会社)

事業再生の進め方を、企業の状況に合わせて複数のスキームから選ぶのがみらいコンサルティンググループの特徴です。スポンサー企業へ譲渡するM&A型、経営陣・従業員が買い取るEBO型、官民一体型ファンドの活用、再生系サービサーの活用といった手法を使い分けます。
母体は会計をコアとするワンストップのコンサルティングで、公認会計士・税理士・司法書士・社会保険労務士などの専門家が、再生に加えてIPO・M&A・人事・内部統制までを一つの窓口で支援します。支援対象は中小企業が中心で、創業期から成熟期まで成長ステージに応じて対応します。
定量的な再生実績や具体的な料金は公式サイトで公開されておらず、支援範囲を含めて問い合わせで確認する形になります(2026年8月時点)。
独立系・事業再生特化ファーム型
ここからは独立系・事業再生特化ファーム型の5社を、規模や得意な再生手法の違いから紹介します。
4. 経営共創基盤(IGPI)(株式会社経営共創基盤)

経営共創基盤(IGPI)は、産業再生機構の元中心メンバーが2007年に設立した独立系のコンサルティングファームです。経営戦略コンサルティング、M&A(財務アドバイザリー)、経営者派遣・現場常駐型の実行支援までを一つのチームで手がけます(2024年10月にグループは持株会社体制へ移行しています)。
支援の中心にあるのは、プロフェッショナルが執行役員以上の肩書でクライアントの経営に当事者として入り込むハンズオン型の実行支援です。戦略立案から実行、M&A後のPMI(統合後のシナジー創出)まで、担当を変えずに継続して伴走します。
報酬面では、通常のコンサルティングフィーに加えて出資や成功報酬型を組み合わせ、クライアントとリスクを共有する契約形態を採ることがあります。具体的な料率や着手金は公開されていないため、支援範囲とあわせた個別の見積もり確認が必要です。
5. フロンティア・マネジメント(フロンティア・マネジメント株式会社)

経営コンサルティングとM&Aアドバイザリーを一つの会社で手がけるハイブリッドモデルを掲げる独立系ファームです。2007年に産業再生機構出身の大西正一郎氏らが設立し、現在は東証プライム市場に上場しています(証券コード7038、グループ連結の従業員は417名/2025年12月末現在)。
事業・財務のデューデリジェンスから再生計画の策定、金融機関との利害調整、経営改革(ターンアラウンド)のための経営参画、各種再生手続き上の支援までをトータルで担います。M&Aアドバイザリーと経営コンサルティングの両輪を持つため、再生とその先の成長戦略を地続きで描ける体制です。
大手金融機関系列に属さない独立系の立場を強みとし、M&Aによる事業売却・再編までを同じ体制で検討したい企業に向きます。費用は案件ごとの個別見積もりで、公式サイトに料金の記載はありません。
6. ロングブラックパートナーズ(ロングブラックパートナーズ株式会社)

大手外資系アドバイザリー出身者らが2008年に設立した独立系の財務コンサルティングファームです。中堅・中小企業に対象を絞り、現場常駐型の事業再生・経営改善を主軸に据えています(従業員127名/2026年1月現在)。
財務・事業・資金繰りのデューディリジェンスから再生計画の策定、私的整理や金融支援手法の調整、スポンサー探索、計画実行段階の継続支援までを一貫して担います。金融支援では、リスケジュール、DDS(資本性劣後ローン)、DES(債務の株式化)、債権放棄、地域再生ファンドへの債権売却など、具体的な選択肢を提示します。
プロジェクト期間中はスタッフが現場に常駐し、ファクトベースの分析から計画の実行までをシームレスに支援します。公式サイトでは300社を超える支援実績を掲げており、中堅・中小規模の再生案件を数多く手がけてきた点が特徴です。費用は要問い合わせです。
7. リヴァンプ(株式会社リヴァンプ)

2005年設立の経営支援会社で、「共創型コンサルティング」を掲げ、戦略立案から現場での実行・運営までを一貫して支援します。流通・小売・外食・アパレルなど、現場オペレーションの比重が大きい業界での再生・改善に実績を持ちます(従業員382名/2025年12月末時点)。
助言にとどまらず、店舗運営の見直しや現場オペレーションの改善、販売戦略の立案・実施といった具体的なアクションまで踏み込む実行伴走型が特徴です。コンサルティングに加えてエクイティ投資も行い、経営への関与を深める形も採ります。
公式ケーススタディでは、カメラのキタムラの経営支援において、3事業を柱とする事業構造への転換と店舗スタッフのマルチタスク化に取り組み、リストラを伴わない黒字化を実現したと紹介しています。費用は要問い合わせです。
8. みそうパートナーズ(みそうパートナーズ株式会社)

公認会計士を中核に、戦略コンサル出身者や事業会社の経営企画出身者で構成される経営コンサルティングファームです。代表の山本淳氏をはじめ幹部が公認会計士資格を持ち、財務・会計の裏づけに強みを置きます。
中堅・中小企業を主対象に、事業再生・経営革新(再成長支援)・M&A支援・事業承継の4領域を手がけます。事業再生では現状の把握から改善施策の立案、事業計画の策定までを支援し、再生から再成長、さらにM&Aや承継による出口までを連続して描ける体制です。
再生局面の立て直しだけでなく、その先の再成長や事業承継までを一つの窓口で相談したい中堅・中小企業に向きます。東京と大阪に拠点を構えます。費用は公式サイトに記載がなく、要問い合わせです。
中小企業の伴走・経営改善型
ここからは中小企業の伴走・経営改善型の2社を、支援の重心と対象規模の違いから紹介します。
9. TOMAコンサルタンツグループ(TOMAコンサルタンツグループ株式会社)

TOMAコンサルタンツグループ株式会社は、税理士・公認会計士・社会保険労務士・行政書士などの専門家が所属し、税務・会計から事業承継・M&Aまでをグループ内で担うワンストップ型のコンサルティングファームです。事業再生では、財務・事業のデューデリジェンスから再生計画の策定、金融機関との交渉、資金調達支援までを一貫して手がけます。
特徴は、計画を立てて終わりにせず、コンサルタントが常駐して実行とモニタリングまで伴走する点です。ノンコア事業や遊休資産の売却、再生ファンドの紹介による資金化など、資金繰りの立て直しも実務面から支えます。
対象は年商数億円から50億円規模の中堅・中小企業が中心で、規模は限定しないとしています。事業承継やM&Aまで見据えて再生を進めたい企業に向く選択肢です。費用は公式サイトに記載がなく、個別の問い合わせが必要です。
10. ノーススターパートナーズ(ノーススターパートナーズ株式会社)

ノーススターパートナーズ株式会社は、中小企業の黒字化と財務体質改善を軸に企業再生を支援する経営コンサルティング会社です。東京・大阪・神戸に拠点を置き、資金繰りの改善や財務リストラクチャリング、金融機関との交渉を中心に手がけます。
金融機関対応の実績を前面に打ち出しており、公式サイトでは黒字化率97.6%、再建社数350社超、金融機関との面談件数3,000件超といった数値を掲げています。ただし母集団や算定時点の定義は公式サイト上で明示されていないため、実際の数え方は問い合わせ時の確認が必要です。
黒字化にとどまらず、その後の成長戦略や上場(IPO)支援まで手がける点も特徴です。金融機関との関係を立て直しつつ、再生後の成長も見据えたい企業に向きます。費用は公式サイトに記載がなく、個別の問い合わせが必要です。
BIG4系FAS・大手アドバイザリー型
ここからはBIG4系FAS・大手アドバイザリー型の3社を紹介します。大企業・上場企業や大型案件が主な対象なので、中堅・中小企業の再生を検討している場合は読み飛ばしても構いません。
11. デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(合同会社デロイト トーマツ)

合同会社デロイト トーマツが、BIG4系のデロイト トーマツ グループの一員として担うファイナンシャルアドバイザリー機能です。同社は2025年12月1日に、コンサルティング・ファイナンシャルアドバイザリー・リスクアドバイザリーの3社が合併して発足しました。M&Aアドバイザリー、フォレンジック(不正調査)、事業再生を専門領域としています。
150を超える国・地域のグローバルネットワークを活用したクロスボーダー案件への対応と、戦略立案からPMI(買収後の統合)までを一気通貫で支える体制を掲げています。3社合併により、コンサルティング・リスクアドバイザリー・ファイナンシャルアドバイザリーの知見を1つの法人内で組み合わせて提供する体制へ移行しました。
大型M&A・グループ再編・クロスボーダー案件を主な対象としており、依頼先として想定されるのは大企業・上場企業が中心です。費用は案件ごとの個別見積りで、公式には公開されていません。
12. KPMG FAS(株式会社KPMG FAS)

KPMGのグローバルネットワークに属し、M&A・事業再生・不正対策などのトランザクション領域を専門に手がけるBIG4系FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)が、株式会社KPMG FASです。経営コンサルティングを主とするKPMGコンサルティング株式会社とは別の法人にあたります。
経営戦略の策定からM&A・PMI、ターンアラウンド&リストラクチャリング(事業再生)、フォレンジック(不正調査)までを自社の専門家でワンストップに提供します。事業再生では、M&Aを含む幅広い選択肢を組み合わせ、計画の立案から実行までを一気通貫で支援するとしています。
拠点は東京・大阪・京都・名古屋・福岡の国内5か所です。大型ディールやクロスボーダー案件を主眼とするため、中堅・中小企業が主な依頼層となる場面は限られます。費用は案件ごとの個別見積りとなります。
13. PwCアドバイザリー(PwCアドバイザリー合同会社)

M&Aから事業再生、インフラ関連まで、ディール全域を横断して支援するのが、PwC Japanグループのアドバイザリーファーム、PwCアドバイザリー合同会社です。第二種金融商品取引業(関東財務局長(金商)第3239号)の登録を受け、第二種金融商品取引業協会に加入しています。
M&A戦略やフィナンシャルアドバイザリー、企業価値評価、デューデリジェンス、PMI、リストラクチャリング(事業再生)に加え、民間インフラプロジェクトやPPP/PFI(官民連携事業)を独立したサービスラインとして掲げている点が、他のBIG4系FASと異なる特徴です。
PwCグローバルネットワークを通じたクロスボーダー案件への対応を志向しています。主な守備範囲は大型M&A・グループ再編・インフラ案件で、中堅・中小企業向けというより大企業・上場企業向けの依頼先といえます。費用は案件ごとの個別見積りです。
事業再生コンサルの選び方
事業再生コンサルは、依頼先によって得意なフェーズも支援スタイルも異なります。ここでは、自社に合う依頼先を見極めるための考え方を整理します。
自社で対応するか、外部に任せるかをどう見極めるか
まず検討したいのは、どこまでを外部に任せるかです。資金繰りにまだ余裕があり、収益改善の方向性も社内で描ける段階なら、財務デューデリジェンスや計画策定だけをスポットで依頼する選択肢があります。
一方、金融機関へのリスケジュール交渉が必要な段階や、赤字事業の抜本的な見直しに現場の実行力が要る段階では、計画策定から実行支援までを一貫して任せられる依頼先が向きます。自社の経営陣に再生の実務経験がない場合ほど、実行まで伴走してもらえる体制を重視したほうが計画は絵に描いた餅になりにくくなります。
依頼先の選定で確認したい5つの軸
依頼先を比べるときは、次の軸を自社の局面に当てはめて確認するとよいでしょう。
- 金融機関との交渉力:リスケジュールや債権放棄の合意形成には、金融機関の実務や公的スキームに通じた交渉力が要ります。地方銀行や公的機関出身者の在籍、私的整理の関与実績が確認のポイントになります。
- 実行支援(ハンズオン)の有無:計画策定だけで終わる会社と、現場に常駐して施策を回す会社があります。現場の立て直しが要るなら、経営人材の派遣・常駐に対応するかが見極めどころです。
- 同業種・同規模の支援実績:業種特有の商習慣やコスト構造を理解しているかで、施策の精度が変わります。自社と近い業種・規模の実績があるかが判断材料になります。
- 費用対効果:報酬の体系(着手金・月額顧問・成功報酬など)と、得られる支援の範囲が見合っているかが判断のポイントです。相場や体系の考え方は次の章で解説します。
- 経営者への寄り添い:再生は数字だけでなく、経営者や従業員の納得を得ながら進める必要があります。担当者との相性や、経営者の意向を尊重する姿勢も見ておきたい軸です。なお、依頼が即座に社長退任を意味するわけではなく、経営者が主体となって進めるのが基本です(詳しくはFAQを参照)。
陥りやすい失敗パターンと回避策
依頼先選びを誤ると、再生が進まないだけでなく、時間とコストを失うことにもなりかねません。よくある失敗と回避のポイントを押さえておきましょう。
- 財務のリスケだけで終わってしまう:返済猶予を取り付けても、赤字の構造が変わらなければ再び行き詰まります。事業面の収益改善まで踏み込める依頼先かどうかが分かれ目です。
- 計画をつくるだけで現場に入らない:立派な再生計画でも、実行されなければ意味がありません。実行支援やモニタリングまで担うかを契約前に確かめておきたいところです。
- 金融機関対応が弱く計画が通らない:金融機関の合意を得られなければ再生計画は動きません。金融調整の実務に通じた依頼先かどうかが重要になります。
事業再生コンサルの費用・報酬の相場
事業再生コンサルの費用は、案件の規模や支援範囲によって大きく変わり、料金を公開していない会社が大半です。ここでは、報酬体系の考え方と、公的スキームを使った場合の費用の目安を分けて整理します。
民間の事業再生コンサルの報酬体系
民間の事業再生コンサルの報酬は、次のような要素を組み合わせて設計されるのが一般的です。多くの会社は具体的な金額を公開しておらず、案件の規模や難易度に応じた個別見積もりとなります。依頼前に、どの要素がどの範囲の支援に対応するのかを確認しておくことが大切です。
- 着手金:契約時に支払う初期費用。デューデリジェンスや初期の調査に対応します。
- 月額顧問料(リテイナー):継続的な支援に対して毎月支払う費用。実行支援やモニタリングの期間に応じて発生します。
- 成功報酬:金融支援の合意や再生計画の成立、資産売却の成約など、成果に応じて支払う費用です。
- デューデリジェンス費用:財務・事業の調査に対する費用。着手金に含まれる場合と、別建ての場合があります。
相場感を一律に示すことは難しく、同じ支援範囲でも会社や案件によって金額は変わります。各社の公表状況は本記事の比較表・個別紹介を参照し、実際の費用は複数社から見積もりを取って比べることをおすすめします。
公的スキームを使った場合の費用の目安
民間コンサルへの依頼とは別に、公的スキームを使えば費用を抑えて再生に着手できます。国が各都道府県に設置する中小企業活性化協議会は、相談から一次対応までを無料で利用できます。
第一次段階までは無料でご利用いただけます。第二次段階では、協議会が外部の専門家等に依頼する場合、その活動費等の一部をご負担いただきます。
出典:中小企業活性化協議会による支援|独立行政法人 中小企業基盤整備機構
また、認定支援機関の支援を受けて金融支援を伴う経営改善計画を策定する場合には、経営改善計画策定支援事業(通称405事業)により、デューデリジェンスや計画策定にかかる費用の3分の2が補助されます。
補助の上限額は枠によって異なります。通常枠ではデューデリジェンス・計画策定支援が上限200万円・伴走支援が上限100万円、私的整理ガイドラインに基づく中小版ガイドライン枠では計画策定支援などが上限300万円・伴走支援が上限100万円が目安です。金額は年度や運用で変わるため、利用時は所管の協議会に確認してください。
出典・参考資料(2件)
- 参考資料:中小企業活性化協議会による支援|独立行政法人 中小企業基盤整備機構(https://www.smrj.go.jp/sme/succession/revitalization/index.html)
- 参考資料:経営改善計画策定支援事業(405事業)|静岡県中小企業活性化協議会(https://shizuoka-sme.go.jp/menu/plan/)
事業再生の制度・公的スキームと依頼先タイプの対応
事業再生では、法的整理によらずに金融機関との合意で立て直しを図る「私的整理」や、それを支える公的なスキームが用意されています。どの制度を使いこなせるかは依頼先タイプによって濃淡があります。ここでは主な制度と、それぞれを得意とする依頼先タイプを対応づけます。

私的整理(準則型私的整理手続)
私的整理は、破産や民事再生などの法的整理によらず、金融機関との合意で返済猶予や債務減免を受けて再生や廃業を図る手続きです。中小企業の事業再生等に関するガイドラインは、この私的整理を次のように定義しています。
経営困難な状況にある中小企業者である債務者を対象に、破産手続、民事再生手続、会社更生手続又は特別清算手続等の法的整理手続によらずに、債務者である中小企業者と債権者である金融機関等の間の合意に基づき、債務(主として金融債務)について返済猶予、債務減免等を受けることにより、当該中小企業者の円滑な事業再生や廃業を行うことを目的とする私的整理手続
出典:中小企業の事業再生等に関するガイドライン(令和8年3月一部改定)|中小企業の事業再生等に関する研究会(事務局=全国銀行協会)
私的整理では、弁護士や公認会計士などの第三者の支援専門家が中立・公正な立場で再生計画の相当性を検証します。事業再生コンサルは、この計画づくりと金融機関との調整の実務を担う役割を果たします。財務の裏づけに強い会計系総合ファーム型や、金融調整に通じた独立系・中小伴走型が力を発揮する場面です。
中小企業活性化協議会
中小企業活性化協議会は、国が各都道府県に設置した公的機関で、収益力改善から事業再生、廃業・再チャレンジまでを支援します。
国が47都道府県に設置し、公正中立な機関である中小企業活性化協議会では、収益力改善、事業再生、廃業・再チャレンジ等の経営課題に対し、支援を行っています。
出典:中小企業活性化協議会による支援|独立行政法人 中小企業基盤整備機構
協議会の再生計画策定支援では、企業概要の調査から事業計画の策定、そしてリスケジュールや債権放棄などの金融支援策を金融機関と調整しながら取りまとめます。この公的な入口を活用しつつ、実務を伴走するのが中小企業の伴走・経営改善型の依頼先です。相談から一次対応までは無料で利用できるため、まず協議会に相談してから民間コンサルの支援範囲を検討する進め方もあります。
経営改善計画策定支援事業(405事業)
405事業は、認定支援機関(認定を受けた税理士・公認会計士・中小企業診断士・コンサルなど)の支援を受けて金融支援を伴う経営改善計画を策定する際に、その費用の3分の2を補助する制度です。
国が認定した専門家の支援を受けて、元金返済猶予、新規融資等の金融支援を伴う本格的な経営改善計画を…策定する場合、その費用の2/3を補助し、事業者の経営改善を促すものです。
出典:経営改善計画策定支援事業(405事業)|静岡県中小企業活性化協議会
通常枠に加え、私的整理ガイドラインに基づく再生計画を策定する「中小版ガイドライン枠」があり、費用面から中小企業の再生を後押しします。公的スキームに精通した中小伴走型や会計系総合ファーム型が、この制度を活用した支援を得意とします。
事業再生ADR
事業再生ADRは、産業競争力強化法に基づく制度で、法的手続によらず債権者と債務者の合意で企業の再建を図ります。
事業再生ADR手続の利用目的は、事業価値の著しい毀損によって再建に支障が生じないよう会社更生法や民事再生法などの法的手続によらずに、債権者と債務者の合意に基づき、債務(主として金融債務)について、猶予・減免等をすることにより、経営困難な状況にある企業を再建することであります。
出典:事業再生ADRについて|一般社団法人 事業再生実務家協会(JATP)
事業再生ADRは、つなぎ融資を要する案件や上場企業を含む比較的大型の案件で使われる傾向があります。大型債務の再編に対応するBIG4系FAS・大手アドバイザリー型が関与する場面が多く、中堅・中小企業では中小版ガイドラインや活性化協議会が第一の選択肢になります。
事業再生の出口としてのM&A(スポンサー型再生・第二会社方式)
再生の選択肢は自力再建だけではありません。事業の一部または全部を第三者に譲渡し、スポンサーの資本や信用のもとで事業を存続させる「出口としてのM&A」も、有力な手段です。とくに自力での再建が難しい局面では、優良な事業を切り出して残す第二会社方式が用いられます。
「第二会社方式」とは、過剰債務を抱えて経営難に陥っている会社から採算性の良い事業だけを会社分割や事業譲渡によって別会社(第二会社)へ分離することで優良事業の存続を図り、不採算事業・過剰債務とともに残された旧会社を清算などしてしまう事業再生手法です。
出典:第二会社方式という事業再生手法について教えてください。|J-Net21(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)
こうしたスポンサー型再生や事業譲渡では、譲渡先の探索や条件交渉を担うファイナンシャルアドバイザー(FA)の役割が重要になります。売り手側に立って利益相反を避けながら交渉を進める専任のFAは、再生局面での事業売却を有利に進める助けになります。以下では、事業や会社の売却を出口に選ぶ場合に活用できるM&Aアドバイザリーを紹介します。
1. M&A Lead(M&A Lead株式会社)

M&A Lead株式会社が手がける、売主(譲渡企業)だけに立つセルサイド専任のM&Aアドバイザリーです。売主・買主の双方から手数料を受け取る仲介とは異なり、買主からは手数料を受け取らない片手取引モデルを採り、譲渡価格や雇用・契約条件など売主に有利な条件の追求に専念できる立場を明確にしています。
報酬は着手金・中間金・月額報酬がいずれも0円の完全成功報酬制で、譲渡が成立するまで費用が発生しません。成功報酬は譲渡対価に応じたレーマン方式(1〜5%)で算出します。相談は無料で、全国の企業にオンラインでも対応します。
事業承継から、投資ファンドのイグジット、上場企業の子会社カーブアウトまで幅広い譲渡実績があり、過剰債務を抱えた会社から優良事業を切り出して残す再生局面の事業譲渡でも、売主専任のファイナンシャルアドバイザーとして条件交渉を支えます。
2. Consensus Base(コンセンサス・ベイス株式会社)

コンセンサス・ベイス株式会社が2023年に開始した、Web3・ブロックチェーン業界に特化したM&Aアドバイザリーです。対象はWeb3・ブロックチェーン事業を営む企業に限られ、一般業種の事業再生の出口として選ぶ先ではありません。
ブロックチェーン受託開発で培った技術理解を、M&Aの技術デューデリジェンスや事業評価に活かし、候補先の探索から取引スキーム設計、契約交渉、統合後の実務まで支援します。自社のWeb3アセットを売却・資本提携したい局面での選択肢で、料金は案件ごとの個別見積もり、初期相談は無料です。
自社の課題が事業再生だけにとどまらず、資金調達や財務戦略、M&Aといった財務全般にわたる場合は、対応領域ごとに依頼先を見渡せると絞り込みがしやすくなります。以下の記事では、事業再生を含む金融コンサルティング会社を専門領域別に整理し、選び方や費用相場もまとめています。
まとめ
事業再生コンサルは、会計系総合ファーム型・独立系の事業再生特化ファーム型・中小企業の伴走型・BIG4系FASの4つのタイプに分かれ、得意なフェーズも支援スタイルも異なります。自社の局面が、財務の立て直しが中心なのか、現場の実行支援が要るのか、金融機関との調整が要るのかを見極め、それに合うタイプから依頼先を絞り込むことが、再生を前に進める近道です。
依頼先を選ぶ際は、金融機関との交渉力、実行支援の有無、同業種の実績、費用対効果、経営者への寄り添いという軸で複数社を比べ、私的整理や中小企業活性化協議会などの公的スキームも視野に入れて検討してください。まずは各社の資料を取り寄せ、支援範囲と体制を具体的に比較することをおすすめします。
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よくある質問(FAQ)
Q. 事業再生コンサルとは何ですか?
A. 事業再生コンサルとは、過剰債務や資金繰りの悪化で経営が行き詰まった企業を、財務と事業の両面から立て直す専門家です。財務・事業のデューデリジェンスによる現状把握から、再生計画の策定、金融機関との調整、現場での実行支援までを、会社の状態や依頼先の得意領域に応じて担います。
どこまでを外部に任せるかは会社ごとに異なり、財務分析だけを依頼することも、金融機関調整から実行支援まで一括で委ねることもできます。
Q. 事業再生コンサルの費用相場はどのくらいですか?
A. 事業再生コンサルの費用は、料金を公開していない会社が大半で、案件の規模や支援範囲に応じた個別見積もりとなるのが一般的です。報酬は着手金・月額顧問料(リテイナー)・成功報酬・デューデリジェンス費用などを組み合わせて設計され、同じ支援範囲でも会社や案件によって金額は変わります。
費用を抑えたい場合は、相談から一次対応まで無料で使える中小企業活性化協議会や、計画策定にかかる費用の3分の2が補助される経営改善計画策定支援事業(405事業)といった公的スキームの活用も検討できます。実際の費用は複数社から見積もりを取って比べることをおすすめします。
Q. 事業再生コンサルに依頼すると社長は退任しなければなりませんか?
A. 事業再生コンサルに依頼しても、退任が前提になるわけではなく、事業を最もよく知る経営者が主体となって再生を進めるのが基本です。多くの依頼先は、経営責任を社長だけに押し付けるのではなく、経営者と一緒に立て直しを進める姿勢を掲げています。
ただし、金融機関に債権放棄(借入金の免除)を求めるようなケースでは、経営責任として退任や株主としての責任を求められることもあります。どこまでの金融支援を目指すかによって、経営者に求められる責任の重さは変わります。
Q. リスケジュール中でも資金調達はできますか?
A. リスケジュール(返済条件の変更)中は金融機関からの新規融資は原則として難しくなりますが、資金調達の手段は銀行融資だけに限られません。日本政策金融公庫の資本性劣後ローン、遊休資産の売却によるオフバランス化、再生ファンドの活用など、複数の手段を組み合わせて資金繰りを立て直します。こうした調達手段の設計や実行の支援も、事業再生コンサルの役割に含まれます。
Q. 私的整理と法的整理は何が違いますか?
A. 私的整理と法的整理の違いは、裁判所が関与する法的手続によるかどうかにあります。法的整理は破産・民事再生・会社更生・特別清算といった裁判所の手続によるのに対し、私的整理はこれらによらず、債務者である中小企業者と債権者である金融機関等の合意に基づいて返済猶予や債務減免を受け、事業再生や廃業を図る手続きです。
取引先を巻き込まずに金融機関との調整で進められるため、事業価値の毀損を抑えやすい点が私的整理の特徴です。事業再生コンサルは、この私的整理における再生計画づくりと金融機関調整の実務を担います。
Q. 事業再生コンサルへの依頼から支援着手までどのくらいかかりますか?
A. 着手までの期間は会社の状況によって幅がありますが、多くは無料相談から始まり、支援範囲の提案・契約を経てデューデリジェンスに着手する流れをたどります。資金繰りが逼迫した危機局面では、情報収集から契約・着手までが短期間で連続することも少なくありません。おおよそのスケジュール感は初回相談の際に確認しておくと、金融機関への対応時期などの段取りが立てやすくなります。
Q. 中小企業でも事業再生コンサルに依頼できますか?
A. 中小企業でも事業再生コンサルに依頼でき、小規模〜中小企業に寄り添う「中小企業の伴走・経営改善型」の依頼先や、公的スキームの活用という選択肢があります。年商数億円規模から相談を受け付ける会社もあり、規模の大きさを問わず対応するとしている会社も少なくありません。
費用や体制の面で民間コンサルへの依頼をためらう場合は、まず中小企業活性化協議会の無料相談から入り、必要に応じて民間コンサルの支援範囲を検討する進め方もあります。
Q. 民間の事業再生コンサルと中小企業活性化協議会はどう使い分ければよいですか?
A. 両者は、中小企業活性化協議会を無料の公的な入口として使い、踏み込んだ実務支援を民間コンサルに任せる併用が基本です。協議会は国が各都道府県に設置した公正中立な機関で、相談から一次対応までを無料で利用できます。
一方、現場に常駐しての実行支援や、再生後の成長・M&Aまで見据えた伴走は、民間の事業再生コンサルが得意とします。まず協議会に相談して自社の状況を整理してから、民間コンサルに任せる範囲を見極める進め方が現実的です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。















