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医療向けeラーニング比較10選|看護・医療安全・接遇に強いサービスと選び方

医療向け eラーニングのサムネイル画像

看護師や医療事務など多職種のスタッフを抱える医療機関では、医療安全や院内感染対策、接遇、診療報酬改定への対応まで、定期的に実施すべき研修が数多くあります。ところがシフト勤務で全員を同じ時間に集めるのは難しく、集合研修の準備や出欠管理に追われていないでしょうか。

こうした課題に応えるのが、医療現場に特化したeラーニングです。看護実務や医療安全の教材があらかじめ用意され、受講状況を一元管理できるため、シフトの合間でも一人ひとりが必要な研修を受けられます。一方で、既存の汎用的な学習管理システム(LMS)に自院の教材を載せて運用する選択肢もあり、自院の目的や規模によって最適な形は変わります。

本記事では、医療機関の職員研修に使えるeラーニング10サービスをタイプ別に比較・解説します。看護実務・医療安全・接遇など職種/領域別に学べる内容、病床数やID数など規模別の料金相場、シフト勤務でも受講漏れを防ぐ受講管理機能、そして医療特化サービスと汎用LMSの使い分けまで整理しました。自院の課題に合うサービスを選ぶ判断材料としてご活用ください。

また、自院の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「約1分で終わる選定診断ツールをご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

本記事の対象範囲

本記事では、病院・クリニック・介護施設などの医療機関で、看護師・医師・医療事務・介護職といった職員の研修をeラーニングで整えたい教育研修担当者に向けて、医療現場の研修に使えるサービスを比較します。医療安全や看護実務など医療特化の教材を備えたサービスに加え、自院の教材を載せて運用する汎用LMSも、医療研修に活用できる選択肢として取り上げます。

取り上げるのは、医療機関の職員研修という目的に照らして候補になりうる10サービスです。特定の診療科の専門医向け生涯教育や、手術トレーニング用のシミュレーターは、職員全体の研修とは目的が異なります。業種を問わずeラーニング/LMSを幅広く比較したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

医療向けeラーニングとは|シフト勤務・多職種の現場でなぜ必要か

医療向けeラーニングとは、医療機関の職員が受講すべき研修を、インターネット経由で個々の都合に合わせて学べるようにする仕組みです。看護実務や医療安全といった医療現場に固有のテーマを、あらかじめ用意された教材で学べる点が、一般的な企業研修用のサービスと異なります。

そもそも医療機関には、法律で従業者への研修実施が義務づけられています。医療法第6条の12は、病院等の管理者に対し「従業者に対する研修の実施その他の当該病院等における医療の安全を確保するための措置」を講じるよう定めています。具体的にどの研修が必要かは、下位の医療法施行規則で列挙されています。

医療に係る安全管理のため、従業者の医療の安全に関する意識、他の従業者と相互に連携して業務を行うことについての認識、業務を安全に行うための技能の向上等を目的として、医療に係る安全管理のための基本的な事項及び具体的な方策についての職員研修を実施すること。

出典:医療法施行規則 第一条の十一|e-Gov法令検索

同条では、この医療安全の職員研修に加えて、院内感染対策・医薬品の安全使用・医療機器の安全使用に関する研修の実施も定められています。これらは病院だけでなく無床のクリニックにも及ぶため、規模を問わず多くの医療機関が対象になります。

さらに、これらの研修をどのくらいの頻度で実施すべきかは、厚生労働省の施行通知で示されています。たとえば院内感染対策の研修について、通知は次のように運用の目安を定めています。

本研修は、病院等全体に共通する院内感染に関する内容について、年2回程度定期的に開催するほか、必要に応じて開催すること。また、研修の実施内容(開催又は受講日時、出席者、研修項目)について記録すること。

出典:医療安全対策に関する行政評価・監視 結果報告書(施行通知 医政発第0330010号を引用)|総務省

年2回程度の定期開催と、受講日時・出席者・研修項目の記録が求められる点が、医療機関の研修運用を難しくしています。集合研修で全職員を同じ時間に集めようとすると、夜勤明けや休みのスタッフが受講できず、後日の補講や出欠の記録に手間がかかります。eラーニングであれば、各自が空いた時間に受講し、システム上で受講状況を記録・管理できるため、シフト勤務と多職種を抱える医療現場との相性がよいといえます。

医療法施行規則が定める4つの法定職員研修(医療安全・院内感染対策・医薬品の安全使用・医療機器の安全使用)を示した図解。医療安全と院内感染対策は施行通知で年2回程度の定期開催と記録が求められる。

出典・参考資料は以下のとおりです。

出典・参考資料(2件)

医療向けeラーニングで学べる内容(職種・領域別)

ここからは、医療向けeラーニングでどのような研修を学べるのかを、職種や領域ごとに整理します。自院で必要としている研修の範囲と、各サービスが得意とする領域を突き合わせる際の土台になります。

看護・多職種の実務研修は、多くの医療特化サービスが中心に据える領域です。看護技術やアセスメント、急変対応といった臨床の実務に加え、経験年数や役割に応じた段階別の学習に対応する教材があります。

日本看護協会は2016年に「看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版)」を公表し、看護実践能力を4つの力と5段階の習熟段階で整理しました。こうした指標に沿って、施設が職種・経験年数別に教育を設計する動きが広がっており、レベル別のコンテンツを備えたサービスが求められています。

医療安全・感染対策は、前述のとおり法令で研修の実施が義務づけられている領域です。医療事故防止やインシデント対応、標準予防策やアウトブレイク時の対応など、全職員に共通して受講させたいテーマを、専門の講師や監修者による教材で学べます。年2回程度の定期研修を、集合形式に頼らず受講管理まで含めて回せる点に価値があります。

接遇・コミュニケーションは、患者満足度や院内の雰囲気に直結する領域です。受付や電話対応、クレーム対応、多職種連携のためのコミュニケーションなどを扱い、動画教材でロールモデルを見せる形が多く採られています。

医療経営・管理職育成は、師長・主任などのマネジメント層や、経営に関わる職員向けの領域です。労務管理や人材育成、病院経営の考え方などを扱い、現場のリーダー育成や離職防止を目的に導入されます。

診療報酬改定・制度対応は、医療機関に固有の学習テーマです。診療報酬は2年ごとに改定され、直近は2026年度(令和8年度)改定が行われました。改定内容を事務職員や医療スタッフが正しく理解する必要があり、改定のたびに教材が更新されるサービスであれば、制度変更への追随を任せられます。

個人情報保護・ハラスメント防止・情報セキュリティといったコンプライアンス研修は、医療機関に限らず幅広い業種で共通して求められるテーマです。医療特化サービスではカバーしきれない分をどう補うか検討したい場合は、教材テーマや料金体系を横断して整理した以下の記事も参考になります。

出典・参考資料(2件)

自院の課題別|医療向けeラーニングのタイプ

医療向けeラーニングは、どの領域の研修を得意とするかによって性格が分かれます。ここでは、自院がまず解決したい課題を起点に、4つのタイプに整理します。次の診断ツールや比較表と対応しているので、自院に近いタイプを確認してから読み進めると、候補を絞り込みやすくなります。

医療向けeラーニングを自院の課題別に4タイプ(看護・多職種の実務研修/医療安全・コンプライアンス/接遇・医療経営・管理職育成/汎用LMSで内製)に整理した早見マップ。各タイプの主眼と向いている医療機関を示す。

看護・多職種の実務研修に強いタイプ

看護技術や急変対応、多職種の実務研修を、経験年数・役割に応じた段階別のコンテンツで提供するタイプです。看護部を中心に、幅広い職種の継続教育を1つのサービスでまかないたい医療機関に向いています。経験年数や役割に応じたコース設計と、階層別の受講管理に対応する点が共通します。

医療安全・コンプライアンス研修に強いタイプ

法令で義務づけられた医療安全・院内感染対策の研修を、専門的な教材と受講管理で確実に回すことに主眼を置くタイプです。全職員への一斉受講と受講記録の保存を重視する医療機関に向いています。受講後の理解度をテストで確認できるサービスも、このタイプに含まれます。

接遇・医療経営・管理職育成に強いタイプ

接遇やコミュニケーション、管理職のマネジメント、医療経営など、実務研修以外のテーマを動画中心で幅広く扱うタイプです。人材育成や離職防止、職場づくりに力を入れたい医療機関・介護施設に向いています。動画教材を中心に据え、医療・介護の現場運営や経営の視点を扱うサービスが多いのが特徴です。

汎用LMSを医療研修に活用するタイプ

医療専用の教材は持たないものの、自院で作成したマニュアルや動画を配信し、受講管理やテストを行える汎用の学習管理システムです。既に自前の研修コンテンツがあり、それをオンライン化して配信基盤を整えたい医療機関に向いています。教材作成のしやすさや料金の手ごろさが特徴で、1IDあたりの単価が低く小さく始めやすいものが多く含まれます。

【診断】自院の課題に合う医療向けeラーニングがわかる診断ツール

自院がどのタイプに当てはまるか判断が難しい場合は、以下の選定診断ツールをご活用ください。解決したい課題(看護・多職種の実務研修/医療安全・コンプライアンス/接遇・医療経営/汎用LMS活用)と施設の規模、重視する点に答えると、条件に合うサービスと、本記事の比較表・個別紹介の該当箇所を絞り込めます。

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医療向けeラーニングの選び方

ここからは、医療向けeラーニングを選ぶ際に確認したい観点を整理します。医療現場ならではの事情を踏まえて、自院の条件に当てはめながら読み進めてください。

自院の職種構成に、学べる内容の範囲が合うか

最初に確認したいのは、自院で研修を受けさせたい職種と、サービスが備える教材の範囲が合っているかです。看護部の実務研修を軸にしたいのか、全職員の医療安全研修を確実に回したいのか、事務職の接遇や経営層の育成まで含めたいのかによって、適したサービスは変わります。看護に強いサービスに接遇や経営の教材が薄い場合もあれば、その逆もあるため、自院で優先度の高い領域から教材の充実度を見比べるのが確実です。

医療特化サービスと汎用LMSのどちらが自院に向くか

医療特化サービスは、医療安全や看護実務の教材があらかじめ用意されているため、自院で教材を作る手間をかけずに研修を始められます。

一方、汎用LMSは医療専用の教材を持たない代わりに、自院で作成したマニュアルや動画を柔軟に配信でき、料金の下限も低い傾向があります。すでに独自の研修資料がそろっていて配信基盤だけ整えたい場合は汎用LMS、教材ごと任せたい場合は医療特化サービス、と切り分けて考えると判断しやすくなります。

なお、医療特化サービスの中にも、既製教材に加えて自院で作成した教材を登録・配信できるものがあり、両者の境界は完全に分かれるわけではありません。両者を組み合わせ、必修研修は特化サービス、独自教材は汎用LMSで配信する運用もあります。

診療報酬改定・医療安全など定期的に更新される研修に対応できるか

医療機関の研修には、内容が定期的に見直される、または繰り返し実施が求められるものがあります。医療安全・院内感染対策の研修は年2回程度の定期開催と記録が求められ、診療報酬改定は2年ごとに行われます。

改定のたびに教材が更新されるサービスや、受講履歴を年度ごとに管理・出力できるサービスであれば、制度変更や定期研修の運用負担を軽くできます。教材の更新頻度や、法定研修に対応した記録の残し方を確認しておくと安心です。

シフト勤務・多職種でも受講漏れを防ぐ受講管理ができるか

医療現場では、夜勤や交代勤務のために全員が同じ時間に受講できません。誰が未受講かを一覧で把握し、対象者に自動でリマインドを送れる受講管理機能があると、受講漏れを防ぎやすくなります。あわせて、スマートフォンで受講できるか、操作が現場スタッフにとって分かりやすいかも、定着を左右する要素です。管理者側の手間と、受講者側の使いやすさの両面から確認しておくと、導入後の運用が回りやすくなります。

自院の規模に合った料金体系か

医療向けeラーニングの料金は、病床数やID数など施設の規模に応じて決まる形が中心です。同じサービスでも、小規模なクリニックと大規模病院では月額が大きく変わります。

初期費用の有無、最低契約ID数、オプション教材の追加料金まで含めて、自院の規模で実際にいくらになるかを見積もることが大切です。料金を公開していないサービスも多いため、その場合は資料請求や問い合わせで概算を確認します。次の料金相場の章もあわせて参考にしてください。

導入実績・サポート体制は十分か

同じ規模・診療科の医療機関での導入実績があるサービスは、自院でも運用しやすい可能性が高いといえます。導入施設数や、同種の施設での活用例を確認しておくと、導入後のイメージがつかめます。加えて、導入時のカリキュラム設計支援や、運用開始後の問い合わせ対応など、サポート体制の手厚さも比較したい点です。教育担当者の人手が限られる施設ほど、伴走してくれるサポートの有無が運用の成否を左右します。

医療向けeラーニングの料金相場(病床数・ID数など規模別)

医療向けeラーニングの料金は、施設の規模を基準に決まる形が一般的です。目安としては、医療特化サービスが月額数万円台から、自院で作成した教材を配信する汎用LMSが1IDあたり月額数百円台から始まり、これに初期費用の有無やオプション教材の料金が加わります。代表的な料金体系は次のように分かれます。

病床数に応じた月額型は、看護・多職種向けの医療特化サービスに多く見られます。199床以下・499床以下などの区分ごとに月額が設定され、施設の規模が大きいほど料金も上がります。全職員が受講対象になる前提で、施設単位での契約となる形です。

ID・ユーザー数に応じた型は、契約するID数に単価を掛けて算出します。費用は受講対象となる職員数でおおむね決まるため、自院で受講させたい職員数を把握しておくと見積もりを取りやすくなります。年会費として一定のID数がまとめて含まれるサービスもあり、汎用LMSでもこの形が中心で、1IDあたり月額数百円から利用できるものもあります。

プラン単位の定額型は、機能や教材の範囲でプランが分かれ、施設ごとに初期費用と月額を組み合わせる形です。導入支援の手厚いプランほど料金が上がる傾向があります。

医療特化サービスは料金を公開せず「要問い合わせ」としている場合も少なくありません。その場合は、自院の病床数・職員数を伝えて見積もりを取り、初期費用やオプション教材の追加料金まで含めた総額で比較するのが確実です。各サービスの具体的な料金は、次の比較表と各サービス紹介で確認できます。

【比較表】医療向けeラーニング主要サービス

ここまで整理した観点をもとに、主要な医療向けeラーニング10サービスを、対象職種・学べる内容・料金体系・受講管理機能・導入実績・無料トライアルの有無で横並びに比較します。自院の優先順位に合わせて見比べてください。

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サービス名学研ナーシングサポート(GNS)e-JINZAI for medical welfareメディカルナイスナレッジセーフティプラスBaritessサクラボWaculbalearningBOXCloud Campus コンテンツパック100AirCourse
対象職種・施設看護師・看護補助者
(病院)
医療・介護・福祉の
幅広い業種
医療機関の全職員
(看護師教育中心)
病院の全職員
(医師〜事務職)
病院の全職員病院・クリニックの
管理職〜新入職員
医療・介護施設の
全階層
全職種対応
(汎用LMS)
全職種対応
(汎用LMS)
全職種対応
(汎用LMS)
学べる主な内容医療安全・感染対策・
倫理・診療報酬改定
階層別研修・医療福祉
専門職研修・AI/DX
自院教材を配信
(感染対策研修など)
医療安全(事故再現)・
感染対策
医療安全・感染対策
(自院教材も登録可)
接遇・ヒューマンスキル・
医療経営(診療報酬)
階層別マネジメント・
法定研修・職員定着
自院教材を配信
(既製の医療教材なし)
自院教材を配信
(汎用教材は別売)
自院教材+汎用教材
(医療専用教材なし)
料金(規模別)月額39,800〜69,800円
(病床数別・税別)
初期費用は要問い合わせ
年会費600,000円〜
(1〜100ID・税別)
100ID超は要問い合わせ
初期350,000円〜+
月額25,000〜65,000円
(ユーザー数別・クラウド版)
要問い合わせ要問い合わせ月額24,800円〜
(10名・税別、人数別)
60名以上は要問い合わせ
初期11,000〜110,000円+
月額22,000〜55,000円
(プラン別・税込)
無料プランあり(10ID)
有料は年額33,000円〜
(税込・100ID単位)
本体 年額840,000円〜+
教材1ID年額999円
(税抜、初期10万円〜)
初期0円/月額300円〜
(1ライセンス・年間契約
一括払い・税抜)
受講管理機能受講状況一覧・レポートLMS標準装備習熟度を可視化未受講者リマインド集合研修と一元管理管理者IDで受講管理進捗を自動記録成績・進捗管理履歴分析・CSV出力組織階層で管理
導入実績病院約3,300施設
利用者約130万人
(公式15周年ページ)
非公開
(シリーズ全体で3,000
ユーザー、単独値は非開示)
掲載事例13施設
(公式サイト掲載・時点不明)
全国450以上
(病院・看護学校等、
2023年12月時点)
非公開
(製品群全体で400施設超)
非公開約100法人・約400施設
(継続率87%)
有料1,200社突破
(全業種・2023年11月末)
240社・160万人以上
(Cloud Campus全体)
928社
(全業種・2024年12月期末)
無料トライアル・デモ無料デモ体験あり無料トライアル2週間無料体験版ありあり(条件は要問い合わせ)デモサイト体験お試しあり(日数要確認)×(無料版なし・低額プランで試用可)無料プランで試用可無料トライアル・デモフリープランで試用可
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト詳細を見る詳細を見る詳細を見る

※上記は各サービスの一般的な機能・料金の傾向です。個別の機能搭載の有無や提供形態、最新の料金については各社の公式情報をご確認ください。

医療向けeラーニングサービスの個別紹介

ここからは、各サービスの特徴を個別に紹介します。対象職種や学べる内容、料金、導入実績を、タイプごとにまとめました。

看護・多職種の実務研修に強いサービス

1. 学研ナーシングサポート(GNS)(株式会社学研メディカルサポート)

学研ナーシングサポート(GNS)の公式サイト

学研ナーシングサポート(GNS)は、学研グループの学研メディカルサポートが2011年から提供する、看護師・看護補助者向けの講義型eラーニングです。医療安全・感染対策・倫理・診療報酬改定・様式9研修など、院内研修で定期的に求められるテーマを年度単位(4月〜翌3月)で継続配信します。

基礎習得から看護管理者向けまで20以上のコース区分を用意し、看護実践能力の習熟段階に応じた研修計画表と紐づけて運用できます。

料金は病床数別の月額制(いずれも税別、初期費用は要問い合わせ)で、199床以下が39,800円、200〜399床が49,800円、400〜599床が59,800円、600床以上が69,800円です。外国語版コースや看護管理者向けコースなどはオプションで追加できます。無料のデモ体験も利用できます。

英語・ベトナム語・インドネシア語・ネパール語・ミャンマー語の字幕付き外国語版コースを別オプションで選べるため、日本語を母語としないスタッフの教育にも対応します。導入実績は病院約3,300施設・利用者約130万人(公式の15周年特設ページ記載)で、医療・看護向けeラーニングとしては規模の大きいサービスです。

2. e-JINZAI for medical welfare(株式会社ビズアップ総研)

e-JINZAI for medical welfareの公式サイト

病院や診療所に加え、歯科医院・調剤薬局・介護施設・障害者福祉施設・保育施設まで、医療福祉の幅広い業種を対象にするのがe-JINZAI for medical welfareです。株式会社ビズアップ総研が業種別に展開するeラーニング「e-JINZAI」シリーズの医療福祉版にあたります。

研修は、階層別基礎研修に階層別テーマ研修(36テーマ)・時流テーマ研修(17テーマ)・医療福祉専門職研修(7大部門)を重ねた多層構成で、AI・DX研修や課題解決型研修(PBL)まで扱います。学習管理システム(LMS)を標準装備し、受講履歴やテスト結果を一元管理できます。

料金はID単位の会費制で、1〜100IDの年会費は600,000円(税別)、この範囲内であれば追加料金なく動画やLMS機能を利用できます。100IDを超える場合の料金は要問い合わせです。導入前には2週間の無料トライアルを申し込めます。

3. メディカルナイスナレッジ(スキルインフォメーションズ株式会社)

メディカルナイスナレッジの公式サイト

院内にあるマニュアルや教材をそのままアップロードして研修コンテンツを作れるのが、スキルインフォメーションズが提供するメディカルナイスナレッジです。集合研修で実施していた感染対策研修などをeラーニング化し、看護師教育や院内研修の効率化に使われています。

クラウド版と院内ネットワーク版の2形態があり、施設のセキュリティ方針に合わせて導入形態を選べます。クラウド版は初期費用350,000円〜、月額はユーザー数別で50〜99ユーザーの25,000円から700〜999ユーザーの65,000円まで(標準12ヶ月契約)。無料体験版も用意されています。

北海道大学病院や大阪国際がんセンターなど、専門性の高い医療機関13施設の導入実績を公式サイトに掲載しています(掲載時点の記載はなし)。公式サイトの導入事例では、900床の大学病院で医療安全研修の最終受講率が96%以上に達したケースが紹介されています。

医療安全・コンプライアンス研修に強いサービス

4. セーフティプラス(エルゼビア・ジャパン株式会社)

セーフティプラスの公式サイト

医学・科学分野の学術出版で知られるエルゼビアの日本法人、エルゼビア・ジャパンが2016年から提供する医療安全研修専用のeラーニングがセーフティプラスです。医療事故を再現したドラマ形式の動画で、インシデントの背景と対処法を学ぶ構成になっています。

対象は医師・看護師から事務職員まで病院で働く全職員です。コンテンツは基礎・事例・動画講義の3シリーズで、事例シリーズは日本医療機能評価機構のインシデントレポートをもとにした再現動画で構成されます。感染対策の概論・具体・アウトブレイク対策など、感染管理に特化したコースも複数収載しています。

導入実績は全国450以上の病院・クリニック・看護学校・医学部(公式パンフレット2023年12月版の記載)。聖隷横浜病院の導入事例では、医療安全研修の受講率が導入前69.4%から導入後93%に改善し、研修満足度97.9%が報告されています。料金は公式に非公開で、金額や無料トライアルの条件は問い合わせが必要です。

5. Baritess(株式会社メディシステムソリューション)

Baritessの公式サイト

電子カルテネットワーク上で動作するオンプレミス型のeラーニングシステムがBaritessです。株式会社メディシステムソリューションが提供し、院内の電子カルテ端末からそのまま受講できるため、新たなデバイス調達なしで医療安全研修や感染対策研修を実施できます。

対面の集合研修とオンラインのeラーニングを1つの管理画面で一元管理でき、参加申込・出欠管理から未受講者への催促通知までをまとめて運用できます。Word・PowerPoint・PDF・画像・動画ファイルは変換不要でそのまま教材登録が可能です。テスト機能では制限時間の設定、正答率による修了判定、問題単位での画像登録に対応しています。

同社は病院グループウェア「CoMedix」やインシデント管理システム「ファントルくん」も展開しており、これらの製品群全体で全国400以上の病院に稼働しています(Baritess単体の導入数は非公開)。Baritessはこれらの製品と一体型で動作します。料金は初期・月額とも要問い合わせです。

接遇・医療経営・管理職育成に強いサービス

6. サクラボ(株式会社日本教育クリエイト)

サクラボの公式サイト

医療経営の知識と階層別のヒューマンスキル研修を一つにまとめた動画サービスがサクラボです。株式会社日本教育クリエイトが運営し、病院・クリニック向けに600以上の研修動画を提供しています。同社は医療・介護・福祉分野の人材サービスを手がける三幸グループの一員です。

研修動画は、管理職向けのリーダーシップや部下育成、新入職員向けの接遇・ビジネスマナーといったヒューマンスキル分野と、診療報酬・施設基準や労務管理、人事制度などの医療経営知識分野で構成されます。医師事務作業補助者や医療事務向けの専門職研修も収載しています。

料金は受講人数に応じた段階制で、受講者10名・管理者1名から利用できます。月額は10名で24,800円(税別)から、人数帯が上がるごとに増える設定で、60名以上は要問い合わせです。契約は原則6ヶ月以上で、無料のお試し期間は設けられているものの、公式サイト内で日数の表記が分かれているため問い合わせて確認する必要があります。

7. Waculba(株式会社日本経営)

Waculbaの公式サイト

職員の定着とマネジメント人材の育成を主眼に置いた、医療・介護施設向けのeラーニングがWaculbaです。医療・介護福祉業界に特化したコンサルティングファームである日本経営グループが開発し、株式会社日本経営が提供しています。対象は病院グループ、介護・福祉施設、クリニックです。

一般職から監督職・管理職・経営幹部まで階層別に教材を体系化し、病院向け・介護向けの法定研修や医師事務作業補助者の32時間研修にも対応します。受講状況や視聴履歴を自動で記録・可視化する受講管理機能に加え、月次のオンラインセミナー「Waculbaゼミ」で他施設のリーダー層と事例を共有できます。2025年6月には動画視聴やゼミ申込に対応した専用スマートフォンアプリも提供を開始しました。

料金は3プラン制です。フルプランが初期費用110,000円・月額55,000円〜(最低契約12ヶ月、導入時のカリキュラム設計や6ヶ月間の定例ミーティングなどの支援付き)、ライトプランが初期費用11,000円・月額22,000円〜、ライトプランミニが初期費用なしの3ヶ月66,000円の買い切りで、いずれも税込です。

導入実績は約100法人・約400施設、年間の継続率は87%と公式サイトに記載されています(時点の表記はなし)。

汎用LMSを医療研修に活用するサービス

8. learningBOX(learningBOX株式会社)

learningBOXの公式サイト

自院で作成したマニュアルや研修動画を配信し、受講状況を管理できる学習管理システム(LMS)がlearningBOXです。learningBOX株式会社が提供し、教材作成・テスト作成・採点・成績管理など、院内研修をデジタル化するうえで必要な基本機能を備えます。

医療分野向けの既製教材は付属しませんが、院内で用意した医療安全や感染対策の資料をそのまま教材化し、確認テストと組み合わせて受講コースを設計できます。付加サービスのlearningBOX ONを使えば、コンプライアンスなど汎用テーマの既製コンテンツを追加することも可能です。

10アカウントまでは無期限で無料のフリープランがあり、小規模なクリニックなら費用をかけずに研修配信を始められます。11アカウント以上は100アカウント単位の有料プランとなり、スターターは年額33,000円(税込)からです。

9. Cloud Campus コンテンツパック100(株式会社サイバー大学)

Cloud Campus コンテンツパック100の公式サイト

受講者が何人増えても料金が変わらない定額制のLMSがCloud Campusです。フルオンライン大学「サイバー大学」を運営する株式会社サイバー大学が自社開発し、動画・スライド・テストの制作から配信、受講管理までを1つの基盤でまかなえます。

スライドと動画を組み合わせたビデオスライドや録画機能で、院内の研修教材を自作して全職員に配信できます。受講者数による料金の増減がないため、職員数の多い病院でも全体の費用を見積もりやすいのが特徴です。

別売りのコンテンツパック100を追加すると、コンプライアンスや情報セキュリティなど30カテゴリ・100本以上の汎用教材が1IDあたり年額999円(税抜)で見放題になります。LMS本体はEntryプランで年額840,000円・初期費用100,000円(いずれも税抜)からで、導入実績はCloud Campus全体で240社・160万人以上と公表されています。

10. AirCourse(KIYOラーニング株式会社)

AirCourseの公式サイト

AirCourseは、東証グロース市場に上場するKIYOラーニング株式会社が提供するLMSです。動画研修が受け放題の標準コンテンツライブラリと、自社オリジナルのコース作成機能を組み合わせて使える点が特徴で、院内で撮影した研修動画やスライドを教材化して職員に配信・管理できます。

1,300コース・8,000本以上(公式サイトの記載)の標準コンテンツにはコンプライアンスや情報セキュリティ、ビジネススキルが含まれますが、医療専用の教材ではありません。医療安全や感染対策といった院内固有の研修は、自作コースとして用意して組み合わせる形になります。

初期費用は0円で、年間契約一括払いなら1ライセンス月額300円(税抜)から利用でき、利用人数が増えるほど単価が下がる段階割引があります。標準ライブラリを含むコンテンツプラスプランは同500円からです。期限のないフリープランも用意されており、機能を試してから導入を判断できます。

医療向けeラーニング導入のメリットと注意点

最後に、医療向けeラーニングを導入する効果と、運用で気をつけたい点を整理します。

導入の効果として大きいのは、集合研修の準備・開催の負担を軽くできることです。会場や講師の手配、日程調整に追われず、教材の配信と受講管理をシステムに任せられます。シフト勤務のスタッフも各自の都合に合わせて受講でき、受講状況が一覧で見えるため、未受講者へのフォローもしやすくなります。記録の保存が求められる研修でも、受講履歴をシステム上に残せる点は実務上の利点です。

教材の質という面でも、医療特化サービスであれば専門の講師や監修者による教材を利用でき、自院で一から作る負担を抑えられます。診療報酬改定のように内容が更新されるテーマも、教材が随時見直されるサービスなら制度変更に追随しやすくなります。

一方で、注意したい点もあります。eラーニングは各自のペースで受講できる反面、受講を促す仕組みがないと後回しにされがちです。未受講者へのリマインドや、締め切りの設定、受講状況の定期的な確認など、運用面の工夫が欠かせません。

また、実技を伴う研修や、その場での質疑が重要な内容は、eラーニングだけで完結させず集合研修と組み合わせる判断も必要です。導入前に、自院のどの研修をeラーニングに置き換え、どの研修は対面で残すのかを整理しておくと、現場に定着しやすくなります。

まとめ

医療向けeラーニングは、シフト勤務と多職種を抱える医療機関が、法令で求められる研修を含めて職員教育を効率的に回すための有力な手段です。看護・多職種の実務研修を軸にしたいのか、医療安全・コンプライアンス研修を確実に回したいのか、接遇や経営層の育成まで広げたいのか、あるいは自院の教材を配信できる汎用LMSがよいのか、まずは自院の優先課題からタイプを絞り込むのが近道です。

そのうえで、教材の範囲・料金体系・受講管理機能・導入実績を比較し、自院の規模と運用体制に合うサービスを選んでください。気になるサービスは、資料請求や無料トライアルで実際の教材と操作感を確かめてください。自院での運用イメージがつかみやすくなります。

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よくある質問(FAQ)

Q. eラーニングだけで院内の研修はすべて完結できますか?

A. 医療安全や制度解説など知識を学ぶ研修はeラーニングで完結できますが、実技を伴う研修や、その場での質疑が重要な内容は集合研修との組み合わせが必要です。導入前に、自院のどの研修をeラーニングに置き換え、どの研修を対面で残すかを整理しておくと、現場に定着しやすくなります。多くのサービスは受講状況の記録や未受講者への通知に対応しているため、対面研修の出欠管理とあわせて一元的に運用することもできます。

Q. 医療向けeラーニングと汎用のLMS(学習管理システム)はどう違いますか?

A. 医療向けeラーニングは医療安全や看護実務などの専門教材があらかじめ用意されているのに対し、汎用LMSは医療専用の教材を持たず、自院で作成した教材を配信するための基盤である点が大きな違いです。

教材ごと任せたい場合は医療特化サービス、すでに独自の研修資料がそろっていて配信基盤だけ整えたい場合は汎用LMSが向きます。必修研修は特化サービス、独自教材は汎用LMSと、両者を組み合わせて運用する医療機関もあります。

Q. 医療安全や院内感染対策の法定研修は、医療向けeラーニングで対応できますか?

A. 医療安全・院内感染対策などの法定研修は、eラーニングでの実施が可能で、受講記録の保存まで含めて運用できます。医療法施行規則第1条の11は、医療安全・院内感染対策・医薬品・医療機器の安全使用に関する職員研修の実施を定めています。

あわせて厚生労働省の施行通知は、医療安全と院内感染対策の研修を年2回程度定期的に開催し、開催日時・出席者・研修項目を記録するよう求めています。eラーニングであれば各自が空いた時間に受講し、受講日時や対象者をシステム上に記録できるため、これらの要件に沿った運用がしやすくなります。

ただし、対応の可否や記録の残し方はサービスによって異なるため、導入前に確認しておくと安心です。

出典・参考資料(2件)

Q. 医療向けeラーニングは診療報酬改定に対応できますか?

A. 改定のたびに教材が更新される医療特化サービスを選べば、診療報酬改定への対応を任せられます。診療報酬は2年ごとに改定され(直近は2026年度改定)、事務職員や医療スタッフが改定内容を正しく理解する必要があります。教材の更新頻度はサービスによって異なるため、制度変更への追随を重視する場合は、改定対応の有無や更新の頻度を事前に確認しておくことをおすすめします。

Q. 医療向けeラーニングの料金相場はどのくらいですか?

A. 医療向けeラーニングの料金は、病床数やID数など施設の規模に応じて決まる形が中心で、医療特化サービスは月額数万円台から、汎用LMSは1IDあたり月額数百円からが一つの目安です

同じサービスでも、小規模なクリニックと大規模病院では月額が大きく変わり、初期費用やオプション教材の追加料金がかかる場合もあります。料金を公開していないサービスも多いため、自院の病床数・職員数を伝えて見積もりを取り、初期費用まで含めた総額で比較するのが確実です。

Q. 医療向けeラーニングに初期費用はかかりますか?

A. 初期費用の有無はサービスによって異なり、初期費用0円で月額のみのものから、数十万円の初期費用が必要なものまで分かれます。汎用LMSには初期費用が無料のプランや無料枠を設けるものもある一方、導入時のカリキュラム設計や運用支援が手厚いサービスでは初期費用が発生する傾向があります。月額だけでなく、初期費用まで含めた総額で比較検討することが大切です。

Q. シフト勤務で全員が同時に受講できなくても、受講管理はできますか?

A. 多くの医療向けeラーニングは、誰が未受講かを一覧で把握し、対象者へ自動でリマインドを送れる受講管理機能を備えており、シフト勤務でも受講漏れを防ぎやすくなっています。夜勤明けや休みのスタッフも各自の都合に合わせて受講でき、受講状況はシステム上に記録されます。スマートフォンでの受講に対応するサービスを選べば、通勤時間や休憩中でも学べるため、現場に定着しやすくなります。

Q. 医療向けeラーニングは無料トライアルやデモで試せますか?

A. 多くのサービスが無料トライアルやデモ体験を用意しており、契約前に教材の内容や管理画面の操作感を確認できます。試用できる期間やデモの範囲はサービスごとに異なり、数日〜2週間程度が一つの目安です。導入後のミスマッチを防ぐため、実際に運用する研修担当者と、受講する現場スタッフの双方で操作性を確かめておくことが大切です。

Q. 自院で作成した研修資料を医療向けeラーニングで配信できますか?

A. 自院のマニュアルや研修動画をアップロードして教材化できるサービスが多く、既存のPowerPointやPDF、動画をそのまま活用できるものもあります。汎用LMSはこの自院教材の配信を主目的としており、医療特化サービスのなかにも自院教材の登録に対応するものがあります。既存の研修資料を活かしたい場合は、対応するファイル形式や、確認テストを組み合わせられるかを確認しておくと導入がスムーズです。

Q. 医療向けeラーニングは介護施設や訪問看護でも使えますか?

A. 医療・介護・福祉を幅広く対象とし、介護施設や訪問看護、調剤薬局まで使えるサービスもあります。介護向けの法定研修や職種別の専門研修に対応した教材を備えるものもあるため、医療と介護をまたぐ法人では、自院・自施設の業種や職種に教材の範囲が合うかを確認して選びましょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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