タクシーの車内で現金しか扱えないと、クレジットカードやタッチ決済、交通系ICで支払いたい乗客を取りこぼしてしまいます。訪日客や配車アプリ経由の利用が広がるなかで、対応できる決済手段の少なさが売上の機会損失につながる場面も増えています。
タクシー向けの決済端末は種類が多く、選び方の勘所も端末のタイプによって変わります。タクシーメーターと運賃を連動させる据置型と、SIMを内蔵して走行中でも決済できる持ち運び型では、重視すべき点が異なるためです。
この記事では、タクシー向けの決済端末をメーター連動型・車載モバイル型・個人タクシー向けの低コスト型の3タイプに分けて整理し、対応ブランド・決済手数料・初期費用・入金サイクル・車内での使い勝手を比較します。法人での全車両導入から個人タクシーの1台導入まで、自社の運行形態に合った端末を選ぶための材料としてご活用ください。
目次
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本記事の対象範囲|タクシー向け決済端末はメーター連動型と車載モバイル型に分かれる
この記事で扱うのは、タクシーの車内でクレジットカード・タッチ決済・交通系IC・QRコードなどのキャッシュレス決済を受け付けるための決済端末です。飲食店や小売店の店頭に据える一般的な決済端末とは、求められる条件が違います。
タクシー向けの端末は、大きくメーター連動型・車載モバイル型・個人タクシー向けの低コスト型の3タイプに分かれます。メーター連動型はタクシーメーターが確定した運賃を端末へ自動で引き渡す据置型、車載モバイル型はSIMを内蔵し、メーターと連動しなくても走行中に決済できる持ち運び型です。低コスト型は、個人タクシーがスマートフォンや小型端末で最小構成を組む選択肢です。
どのタイプが合うかは、法人で全車両にそろえるのか個人で1台導入するのか、メーターとの正確な連動を重視するのかといった運行形態によって変わります。まずは自社の運行がどのタイプに近いかを押さえてから、対応ブランドや費用の比較に進むと迷いにくくなります。
タクシーに絞らず、店舗やオフィスも含めたクレジットカード決済端末全般から比較したい場合は、以下の記事で端末の種類・手数料・選び方をまとめて解説しています。
クレジットカード決済端末おすすめ15選を比較|種類・手数料・選び方を解説
店舗で「クレジットカードは使えますか」と聞かれて断り、そのまま会計を逃した経験はありませんか。キャッシュレス比率が上がるなかで、現金しか扱えない店舗は来店客の選択肢から外れやすくなっています。一方で、決済端末は据置型・オールインワン・モバイ…
タクシーにキャッシュレス決済端末を導入するメリット
ここからは、タクシーにキャッシュレス決済端末を導入することで得られる効果を整理します。乗客の利便性だけでなく、乗務員の負担軽減や会計の正確さにも関わります。
第一に、幅広い決済手段に対応できます。クレジットカードやタッチ決済に加え、交通系IC、QRコード決済、海外ブランドまで受け付けられれば、支払い方法が理由で乗車をためらう乗客を減らせます。
釣銭の受け渡しや売上集計のミスを抑えられる点も見逃せません。現金を扱う回数が減れば、降車時の会計での間違いや、日々の締め作業での誤差が起きにくくなります。
会計そのものも短くなります。カードをかざす、タッチするだけで支払いが完了すれば、乗客の降車がスムーズになり、次の乗車までの回転を早められます。
訪日客や配車アプリ経由の利用を取り込みやすくなることも導入の後押しになります。海外発行カードやタッチ決済に対応していれば、現金を持たない乗客の需要をそのまま売上につなげられます。
タクシー決済端末のタイプ別の特徴(メーター連動型/車載モバイル型/個人・低コスト型)
タクシー向けの決済端末は、運行形態に沿って3つのタイプに整理できます。まず自社がどのタイプに当てはまるかを確認すると、候補を絞り込みやすくなります。各タイプの代表的なサービスは、後半の比較表とサービス個別紹介でまとめて取り上げます。

メーター連動型(運賃を自動連携する車載据置型)
タクシーメーターと連動し、確定した運賃を手入力なしで決済へ引き継ぐ据置型の端末です。乗務員が金額を打ち込む手間がないため、打ち間違いや不正入力の余地を抑えられ、正確な運賃処理を重視する事業者に向きます。
車両への据え付けを前提とするため、法人が全車両へまとめて導入し、売上を一元管理したい場合の中心的な選択肢になります。改正割賦販売法にもとづく決済端末のIC対応も、メーター連動型の製品では標準的に満たされています。代表的なサービスに、セイコーソリューションズのCREPiCOや、モバイル・コマース・ソリューションのマルチ決済端末機 TX-01があります。
車載モバイル型(SIM内蔵で走行中も決済できる持ち運び端末)
SIMを内蔵し、メーターと連動しなくても車内・屋外を問わず決済できる持ち運び型の端末です。走行中もモバイル回線で通信できるため、Wi-Fiのない車内でも支払いが完結します。
レシートプリンター内蔵・バッテリー駆動・タッチ決済対応といった、車内運用に直結する機能を備えた製品が多い点も特徴です。既存の車両へ後付けで導入しやすく、メーター連動にこだわらず幅広い決済手段へ対応したい事業者に適しています。アルファポータブルやPayCAS Mobile、GMOマルチ決済端末ソリューションなどが代表的なサービスです。
個人タクシー・低コスト導入型(スマホ/小型端末で最小構成)
スマートフォンとカードリーダー、または小型のオールインワン端末で、最小限の構成から始めるタイプです。初期費用を抑えて1台から導入したい個人事業者に向きます。
メーター連動や全車両の一括管理は前提としない代わりに、契約や設置の手続きが簡単で、月々の固定費も読みやすいのが利点です。まずキャッシュレス対応を始めたい個人タクシー向けの入り口として検討できます。SquareやSTORES 決済、Airペイなどが代表的なサービスです。
タクシー向け決済端末の選び方(比較のポイント)
タイプの見当がついたら、タイプをまたいで候補を絞り込む観点を整理します。ここでは対応ブランド・費用・車内仕様・サポートの4点に沿って、判断の勘所を整理します。
対応ブランドは十分か(クレカ・タッチ決済・交通系IC・QR・海外ブランド)
受け付けられる決済手段の幅は、取りこぼす乗客の数に直結します。国際カードブランド、タッチ決済、交通系IC、QRコード決済、海外発行ブランドのうち、自社の乗客層が使う手段をカバーできているかを確認しましょう。
判断の分かれ目は乗客層です。観光地や空港送迎で訪日客が多いなら海外ブランドとタッチ決済の対応が重要になり、通勤・生活路線が中心なら交通系ICやQRコードの使い勝手が効いてきます。同じ端末でも対応ブランドはプランやオプションで差が出るため、必要な手段が標準で使えるかまで見ておくと安心です。
費用・決済手数料・入金サイクルは見合うか
端末は初期費用・月額固定費・決済手数料の3つで総額が決まります。導入時の負担だけでなく、売上に対して継続的にかかる決済手数料まで含めて、運行規模に見合うかを試算することが重要です。
入金サイクルもあわせて確認します。売上が入金されるまでの期間はサービスによって異なり、月1回のまとめ入金か、数日で振り込まれる短サイクルかで手元資金の回り方が変わります。特に個人タクシーでは、手数料率の低さよりも入金の早さが実務上の使い勝手を左右することもあります。
車内で使える端末仕様か(SIM内蔵の走行中通信・バッテリー・レシートプリンター内蔵)
車内は固定のWi-Fiがなく、電源やスペースも限られる特殊な運用環境です。走行中でも決済を完結できるよう、モバイル回線で通信するSIM内蔵かどうかは最初に確認したい仕様です。
バッテリーの持続時間とレシートプリンターの有無も判断材料になります。1回の充電で1乗務をまかなえる駆動時間があるか、領収書をその場で発行できるプリンターを内蔵しているかは、端末のタイプによって差が出るため、自社の乗務のしかたに合うかを確認しましょう。
導入後のサポート・故障時対応は充実しているか
端末が動かなければ決済を受けられず、その間の売上機会を失います。乗務中の無人に近い環境で使うからこそ、故障時にどれだけ早く復旧できるかは選定の要になります。
問い合わせ窓口の対応時間、代替機の貸し出しやバックアップ手段の有無、操作方法の研修まで含めて確認しましょう。全車両で運用する法人では、複数台の一括サポートや管理画面での稼働状況の把握ができるかも、日々の運用負担を左右します。
自社がどのタイプに適しているか、判断が難しいケースもあります。そのような場合でも自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
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【比較表】タクシー向け決済端末を費用・対応ブランド・メーター連動可否で比較
ここからは、主要なタクシー向け決済端末を、端末タイプ・メーター連動可否・対応ブランド・通信方式・決済手数料・費用・入金サイクル・レシートプリンターの有無で横並びに比較します。気になる端末は、続くサービス個別紹介で詳細をご確認ください。
| サービス名 | CREPiCO(クレピコ) | マルチ決済端末機 TX-01 | アルファポータブル | Anywhere(エニウェア) | PAYGATE(ペイゲート) | PayCAS Mobile | CASHIER PAYMENT | 楽天ペイ ターミナル | USEN PAY | JMSおまかせサービス | GMOマルチ決済端末ソリューション | KAZAPi(かざっぴ) | Square(スクエア) | STORES 決済 | Airペイ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 端末タイプ | メーター連動型 (車載据置) | メーター連動型 (車載据置) | 車載モバイル型 (オールインワン) | 車載モバイル型 (オールインワン/mPOS) | 車載モバイル型 (オールインワン) | 車載モバイル型 (オールインワン) | 車載モバイル型 (オールインワン) | 車載モバイル型 (オールインワン据置兼用) | 車載モバイル型 (オールインワン) | 車載モバイル型 (オールインワン据置/モバイル) | 車載モバイル型 (LTEモバイル型・据置兼用) | 車載モバイル型 (ハンディ型) | 低コスト型 (スマホ+リーダー) | 低コスト型 (スマホ+カードリーダー) | 低コスト型 (iPad/iPhone+リーダー) |
| メーター連動可否 | ● | ● | × | × | × | × | × | × | × | × | × | △(現行実装は要確認) | × | × | × |
| 対応決済ブランド | クレジット・デビット・銀聯 交通系IC・iD・QUICPay QR(新機種) | クレジット6ブランド 交通系IC・電子マネー QR(Alipay・WeChat等) | クレジット・タッチ決済 電子マネー・交通系IC QR(70種類以上) | クレジット・タッチ決済 電子マネー・交通系IC QR・J-Debit | クレジット・タッチ決済 電子マネー・交通系IC QR・共通ポイント(約29種) | クレジット・タッチ決済 電子マネー・交通系IC QR(30種類以上) | クレジット5ブランド 電子マネー・交通系IC QR(約25種) | クレジット・タッチ決済 電子マネー・交通系IC 楽天ペイQR・楽天ポイント | クレジット6ブランド・タッチ決済 電子マネー・交通系IC QR(合計約70〜71種) | クレジット7ブランド 電子マネー14種・交通系IC QR(71種訴求) | クレジット6ブランド 電子マネー・交通系IC9種 QR10種・銀聯・J-Debit | クレジット5ブランド 電子マネー・交通系IC全種 QR(Alipay・WeChat等) | クレジット・銀聯 電子マネー・交通系IC QR7種(PayPay等) | クレジット6ブランド 交通系IC・QUICPay+/iD QR20種以上 | クレジット7ブランド・タッチ決済 電子マネー・交通系IC QR10種・各種ポイント(92種) |
| 通信方式(SIM内蔵) | 要問い合わせ | LTE(4G・ドコモ) (SIM内蔵は非公開) | SIM内蔵(4G)/Wi-Fi | モバイル回線(4G)/Wi-Fi (A920MAX) | 4G/Wi-Fi | SIM内蔵(ソフトバンク4G)/Wi-Fi | SIM(4G)/Wi-Fi (A920) | 4G LTE/Wi-Fi (優待SIM提供) | 4G/Wi-Fi (USEN PAY・A920MAX) | LTE(693円/月)/Wi-Fi (Mobile2) | LTE(モバイル型)/Ethernet(据置) | 3G/LTE内蔵 (回線内蔵・工事不要) | スマホ/タブレット依存 (Wi-Fi・モバイル) | スマホ/タブレット依存 (Bluetooth) | スマホ/タブレット依存 (Bluetooth) |
| 決済手数料率 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 3.24%〜 (導入応援プログラム2.48%) | 要問い合わせ (提供形態により異なる) | クレジット2.90%〜 (中小1.98%〜)/QR2.00%〜 | クレジット2.20%〜/QR1.98%〜 (中小応援プログラム適用時) | Visa・Master 2.98% 電子マネー3.25%/QR2.8%〜 | クレジット3.24% QR・電子マネー2.95%〜 (最強プランで2.20%〜) | Visa・Master 2.99%〜 電子マネー・QR 3.24%〜 | 3.24% (中小応援プログラム2.48%〜) | 要問い合わせ (公式非開示) | 要問い合わせ | 対面3.25%〜 (年間3,000万円未満は2.5%) | クレジット1.98%〜(スタンダードVisa/Master) 電子マネー・QR 3.24% | クレジット3.24% 交通系IC2.95%/QR0.99%〜 (中小2.48%はタクシー対象外) |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 0円 | 要問い合わせ | 実質端末代のみ (端末0円キャンペーン) | 0円 (キャンペーン適用時) | 0円 | 0円 | 0円(USEN PAY) | 0円 | 要問い合わせ | 要問い合わせ (レンタル・保証金なし) | 0円 (端末代は別途) | 端末27,720円 (スタンダード年間契約で1台無料) | 0円 (リーダー無償貸与) |
| 月額・固定費 | 要問い合わせ | 要問い合わせ (保証オプション月額300円) | 0円 | 要問い合わせ | 3,300円(税込) (スマレジ有料プランで0円) | 1,980円〜(税別) | A920:2,200円/台 (VEGA3000は0円) | 0円 (最強プラン スタンダードは2,200円) | 0〜3,980円 (取扱高で変動) | 0円 (Wi-Fi非利用時LTE693円) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 0円 | フリー0円/スタンダード3,300円 | 0円 |
| 入金サイクル | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 月1〜8回から選択 | 要問い合わせ (提供形態による) | クレジット・電子マネー月2回 QR月1回 | 月2回 (最短翌日の月1回も選択可) | Visa/Master月2回 電子マネー月1〜2回/QR月1回 | 楽天銀行指定で365日最短翌日 (振込手数料無料) | カード月2回・電子マネー/QR月1回 (飲食・不動産は翌日入金) | 月2回(振込手数料0円) 月6回の早期払いも選択可 | 原則月2回 | 要問い合わせ | 三井住友・みずほは翌営業日 他行は水曜締め・毎週金曜 | 手動は最短翌々日 自動は翌月20日 | 月6回(みずほ/三菱UFJ/三井住友) その他は月3回 |
| レシートプリンター | ●(車載プリンター連動) | ●(内蔵) | ●(内蔵) | ●(A920MAXは内蔵) | ●(内蔵) | ●(内蔵) | ●(内蔵) | ●(内蔵) | ●(内蔵) | ●(内蔵) | ●(内蔵) | ●(内蔵) | △(ターミナルは内蔵/リーダーは別途) | △(別途プリンター) | △(別売プリンター) |
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サービス個別紹介
メーター連動型の主なサービス
まず、タクシーメーターと連動し運賃を自動で処理する据置型の端末を紹介します。
1. CREPiCO(セイコーソリューションズ株式会社)

セイコーソリューションズ株式会社が展開する決済ブランド「CREPiCO(クレピコ)」のうち、タクシー向けにはメーターと連動する車載据置型の端末があります。運賃が確定するとメーターから金額を引き継ぎ、車載プリンターと連動して領収書の発行まで行います。車両に固定して使う据置型のため、走行中の通信方式は公式に明示がなく、導入時に確認しておくとよいでしょう。
連動型のAT-7400は、ICクレジット・タッチ決済・銀聯・電子マネーに対応し、自動日報やETC連携、改正割賦販売法にもとづくIC対応を備えます。2025年には後継にあたる新機種AT-P100が発表され、公式サイトでは一般提供の開始を2026年1月予定と案内しています。
タクシー分野では、みんなのタクシー株式会社などのタクシー配車事業者に採用されています。タクシー向け端末の初期費用や決済手数料率は公式に公開されていないため、導入にあたっては個別の問い合わせが必要です。
2. マルチ決済端末機 TX-01(モバイル・コマース・ソリューション株式会社)

タクシーメーター各社との連動を前提に設計された、車載型のマルチ決済端末機です。提供元のモバイル・コマース・ソリューション株式会社は、株式会社矢崎計器やニシベ計器製造所のメーターと連動でき、確定した運賃を決済処理へつなげられると案内しています。
クレジット・デビット・交通系ICなどの電子マネー・QRコード決済に対応し、接触ICはEMVに準拠します。通信はNTTドコモのLTE(4G)で、Wi-Fiのない走行中の車内でも決済を完結でき、領収書はサーマルプリンターで発行します。高齢のドライバーでも扱いやすい操作性を掲げ、タクシー会社への導入実績は2021年3月時点で4万台超と公式サイトに記載しています。
公式サイトは「タクシークレジット決済端末機 シェアNo.1」(全国ハイヤー・タクシー連合会調べ、2017年3月)とうたっています。初期費用や決済手数料率は公開されていないため、料金は問い合わせが必要です。月額300円の保証オプションに加入すると、故障時に24時間以内で代替機が発送されます。
車載モバイル型の主なサービス
次に、SIMを内蔵し走行中でも決済できる持ち運び型の端末を紹介します。
3. アルファポータブル(アルファノート株式会社)

アルファノート株式会社が、決済代行から端末提供までを自社で一体で手がけるオールインワン型のモバイル決済端末です。バッテリーを内蔵しWi-Fi・4G回線の両方に対応するため、走行中の車内でも支払いを完結できます。
同社は無線型の決済端末を早い時期から提供し、車内で決済するタクシー業界での利用実績を重ねてきました。クレジットカード・交通系IC・QRコードなど70種類以上のキャッシュレス決済に1台で対応し、レシート印字と領収書発行まで内蔵プリンターで完結します。
持ち運び型の端末がタクシーで求められるようになった経緯について、同社の早坂氏は次のように述べています。

当時、特に需要があったのがタクシー業界でした。車内で決済する以上、無線型でないと現実的にビジネスが回らないわけです。そのほか、デリバリーや屋外でのスポット利用といった、有線端末では対応しきれない場面でも多くご利用いただいてきました。固定式端末しかなかった時代から「持ち運べる」ことの価値に向き合ってきたことが、いまのアルファポータブルにつながっています。
初期費用・端末費用・月額基本料・解約違約金はいずれも0円で、決済手数料は3.24%から、入金サイクルは月1回から月8回まで選べます。中小事業者向けの導入応援プログラムの適用時は、対象6ブランドの決済手数料が2.48%になります。困りごとに備え、24時間の有人電話サポートにも対応しています。
4. Anywhere(エニウェア)(株式会社リンク・プロセシング)

持ち運び型のオールインワン端末「Anywhere A920MAX」を中核に、株式会社リンク・プロセシングが提供する加盟店向けキャッシュレス決済のブランドです。A920MAXはバッテリーとモバイル回線を標準搭載し、走行中の車内でも決済でき、タクシーや訪問修理などの移動先での利用を想定しています。メーター連動には対応しないため、確定した運賃を入力して決済します。
A920MAXはIC・磁気カードリーダー、QRコードリーダー、レシートプリンターを1台に備え、クレジットカードのタッチ決済・交通系IC・QRコード決済に対応します。手持ちのスマートフォンやタブレットをカードリーダー化する方式(mPOS)の「Anywhere L3」もあり、運用に合わせて機種を選べます。
端末費用・初期費用・月額費用・決済手数料は、直販か決済代行会社経由かといった提供形態によって異なり、公式サイトでは公開されていません。導入時は個別の見積もりを確認してください。
5. PAYGATE(ペイゲート)(株式会社スマレジ)

クレジットカード・タッチ決済・電子マネー・QRコード・共通ポイントを1台に集約したマルチ決済端末です。クラウドPOS「スマレジ」を展開する株式会社スマレジが提供し、公称29種類の決済手段に対応します。
サーマルプリンターを内蔵し、4G通信と内蔵バッテリーを備えます。フル充電で約300回の決済ができ、Wi-Fiのない走行中の車内でも4G回線で支払いを完結でき、メーターとは連動しないため確定運賃を入力して決済します。
端末費用は通常39,600円(税込)ですが、数量限定のキャンペーンで0円になります。月額費用は3,300円(税込)で、スマレジの有料プラン契約者は月額0円のプランを選べます。
決済手数料はVISA・Mastercardで2.90%から、中小事業者向けプランでは1.98%から(適用条件あり)です。端末費用や基本料率は公開情報にもとづく参考値のため、最新の金額と適用条件は公式サイトでの確認をおすすめします。
6. PayCAS Mobile(ペイキャス モバイル)(SBペイメントサービス株式会社)

ソフトバンク回線のSIMを内蔵したモバイル型のオールインワン決済端末です。提供元はソフトバンクグループのSBペイメントサービス株式会社で、Wi-Fiのない走行中の車内でも持ち運んで決済でき、メーターとは連動せず確定運賃を入力して決済します。
Androidベースの端末にプリンターと各種カードリーダー、バッテリーを内蔵し、クレジットカード・電子マネー・QRコードなど30種類以上のキャッシュレス決済に1台で対応します。降車時にその場で領収書を発行でき、乗客を待たせずに会計を終えられます。
中小事業者応援プログラムの適用時は、QRコード決済が1.98%から、クレジットカード決済が2.20%からの決済手数料で利用できます。ライトプランの月額費用は1,980円(税別)で、入金は月2回、最短翌日振込の月1回も選べます。
7. CASHIER PAYMENT(株式会社ユニエイム)

モバイル型のオールインワン端末「A920」を軸に、クラウドPOSレジ「CASHIER」を提供する株式会社ユニエイムが展開するキャッシュレス決済サービスです。A920はレシートプリンターを内蔵し、SIM通信(4G)とバッテリー駆動で、Wi-Fiのない走行中の車内でも決済でき、メーターとは連動せず確定運賃を入力します。
1台でクレジットカード・電子マネー・QRコード決済を扱えます。据置型・ポータブル型の「VEGA3000」も選べ、月額固定費のないVEGA3000と、月額はかかるが手数料率の低いA920を、決済件数の規模に応じて選べます。
A920は初期費用・端末費用が0円(キャンペーン中)で、月額費用は1台あたり2,200円です。決済手数料はVISA・Mastercardが2.98%(非課税)、電子マネーが3.25%(税抜)、QRコード決済が2.8%からです。
8. 楽天ペイ ターミナル(楽天ペイメント株式会社)

決済機能・タブレット・プリンター・通信機能を1台に搭載したオールインワン端末で、楽天ペイメント株式会社が提供する「楽天ペイ(実店舗決済)」のラインナップです。4G LTE通信に対応するため、据え置きだけでなく本体を持ち運んでの利用もできます。
クレジットカードのタッチ決済・電子マネー・楽天ペイのQRコード決済・楽天ポイントを1台で受け付けます。通信用の「楽天ペイ加盟店優待SIM」を月額0円で提供しており(公式に今後有料化予定と注記)、Wi-Fiのない走行中の車内でも通信できます。メーターとは連動しないため、確定運賃を入力して決済します。
初期費用・月額費用は0円です。振込先に楽天銀行を指定すると、土日祝を含む365日、最短翌日に売上が自動入金され、振込手数料も無料になります。決済手数料はクレジットカードが3.24%、QRコード・電子マネーが2.95%からです。
9. USEN PAY(株式会社USEN)

店舗向けサービスを幅広く手がける株式会社USENのマルチ決済端末です。主力の「USEN PAY」はレシートプリンターを内蔵したコードレス端末で、4G回線に対応し、Wi-Fiのない走行中の車内でも持ち運んで決済できます。目玉である翌日入金サービスは飲食業・不動産業が対象でタクシーでは使えないため、タクシーでは標準の手数料水準や車内での使い勝手で判断することになります。
クレジットカード・電子マネー・QRコードを合わせて約70種類のブランドに対応し、クレジットカードのタッチ決済も利用できます。全国約140か所の拠点網と年中無休のサポートを持ち、故障時は無償交換や出張修理に対応します。
端末費用は0円で、月額費用は取扱高に応じて0円から3,980円です。VISA・Mastercardの決済手数料は2.99%からです。翌日入金サービスは飲食業と不動産業のみが対象で、タクシーは対象外となる点に注意が必要です(標準の入金はカードが月2回、電子マネー・QRが月1回)。
10. JMSおまかせサービス(株式会社ジェイエムエス)

JCB・三菱UFJニコス・ユーシーカードの出資で設立された決済代行会社、株式会社ジェイエムエスが提供するマルチ決済サービスです。各決済ブランドを個別に契約せず、一度の手続きでまとめて導入でき、複数の決済事業者からの入金を一本化できます。
端末はプリンター内蔵のオールインワン型で、据置型の「VEGA3000 Countertop」と、ワイヤレスで持ち運べるモバイル型の「VEGA3000 Mobile2」があります。タクシーではMobile2が該当し、LTE通信(月額693円)で走行中の車内でも決済でき、メーターとは連動しないため確定運賃を入力します。
初期費用・端末費用・月額固定費・解約金はいずれも0円です。決済手数料は全ブランド一律3.24%で、中小企業応援プログラムの適用時は主要クレジットカードブランドが2.48%からになります。入金は月2回(振込手数料0円)で、月6回の早期払い(1回198円)も選べます。
11. GMOマルチ決済端末ソリューション(GMOフィナンシャルゲート株式会社)

東証プライム市場に上場するGMOフィナンシャルゲート株式会社が提供する、対面決済向けのマルチ決済端末ソリューションです。中核端末「VEGA3000-Touch」は据置型・モバイル型・ピンパッド型の3形態があり、LTE通信のモバイル型はタクシーや訪問販売などの可搬用途を想定しています。モバイル型はLTEで走行中の車内でも決済でき、メーターとは連動しないため確定運賃を入力します。
接触・非接触の両方のカードリーダーと高速プリンターを1台に搭載し、クレジットカード6ブランド、交通系ICを含む電子マネー、10種類のQRコード決済、銀聯、J-Debit、各種ポイント、免税に対応します。
初期費用・月額費用・決済手数料は公式サイトで公開されておらず、業種や取扱高に応じた個別見積もりとなります。入金は原則として月2回で、24時間365日対応のコールセンターを備えます。
12. KAZAPi(かざっぴ)(株式会社エム・ピー・ソリューション)

株式会社エム・ピー・ソリューションが、NECグループやカード会社・電子マネー会社と連携して提供する対面向けのマルチキャッシュレス決済端末です。バッテリーと通信回線を内蔵したハンディ型で、レジから離れた車内でも利用できます。
2025年には宮崎県の宮交タクシー株式会社へ261台が導入されました。クレジットカード5ブランド、交通系ICを含む電子マネー、コード決済に1台で対応し、支払い手段が異なっても入金と経理処理を一本化できます。3GまたはLTEの通信回線を内蔵するため、インターネット回線の工事は不要です。
タクシーメーターとの連動は、2018年に一部機種で実装予定と発表されたものの、現行モデルでの対応可否は公式サイトで明示されていません。メーター連動を重視する場合は、導入時に個別の確認が必要です。
契約はレンタル方式で、預かり保証金や解約時のペナルティはなく、最低契約期間の定めもありません。月額費用や決済手数料は公式サイトで公開されておらず、問い合わせが必要です。故障時は代替機の手配を含め、24時間365日のサポートに対応します。
個人タクシー・低コスト導入型の主なサービス
最後に、スマートフォンや小型端末で最小構成から始められる、個人タクシー向けの端末を紹介します。
13. Square(Square株式会社)

Square(スクエア)は、手持ちのスマートフォンにアプリを入れるだけでタッチ決済を受け付けられる「スマホでタッチ決済」を端末代0円で用意しています。ICカードの挿入や電子マネー、QRコードまで受けたい場合は、4,980円(税込)のSquare リーダーをスマートフォンにBluetoothで接続して使います。車内では接続したスマートフォンのモバイル回線で通信するため、走行中でも決済できます。
初期費用・月額固定費・振込手数料はいずれも0円で、かかるのは決済ごとの手数料のみです。対面のクレジットカード決済は標準3.25%〜で、年間キャッシュレス決済額3,000万円未満かつ主要6ブランドの対面決済であれば2.5%が適用されます。
売上の入金は、三井住友銀行・みずほ銀行の口座なら決済日の翌営業日、その他の金融機関でも毎週水曜締めの金曜振込で、いずれも振込手数料はかかりません。タクシーメーターとの連動には対応しないため、確定した運賃を入力して決済する運用になります。
14. STORES 決済(STORES 株式会社)

STORES 決済は、STORES 株式会社が提供する対面キャッシュレス決済です。約103×71×18mmのカードリーダーをスマートフォンやタブレットにBluetoothで接続し、アプリの画面で決済します。車内では接続したスマートフォンのモバイル回線で通信するため、据置きの機材を持たずに走行中でも決済できます。
料金はフリープラン(月額0円)とスタンダードプラン(月額3,300円・税込、年間契約)の2つです。端末はフリーで27,720円(税込)ですが、スタンダードの年間契約なら1台目が無料になります。対面のクレジットカード決済手数料はVisa・Mastercardがフリー2.48%/スタンダード1.98%、交通系電子マネー・QUICPay+・iD・QRコード決済は両プランとも3.24%です。
売上の入金は、振込を依頼して決済日から最短翌々日で受け取る手動入金と、毎月末締めで翌月20日に受け取る自動入金から選べます。手動入金は売上10万円以上で振込手数料が無料です。タクシーメーターとは連動せず、確定した運賃をアプリに入力して決済します。
15. Airペイ(株式会社リクルート)

Airペイ(エアペイ)は、株式会社リクルートが提供する店舗向けの決済サービスです。中小事業者向けにクレジットカード手数料を2.48%へ下げるディスカウントプログラムがありますが、対象外業種にタクシーが含まれるため、タクシーでは標準の手数料率での利用になります。
iPadまたはiPhoneに専用のカードリーダーをBluetooth接続して使い、カードリーダーは審査通過後に無償で貸与されるため、端末代の初期負担なく始められます。
クレジットカード7ブランドやタッチ決済、交通系電子マネー、主要なQRコード決済など、公式表記で92種(2026年9月時点)の決済手段に1台で対応します。
手数料はクレジットカード・電子マネーが3.24%、交通系電子マネーが2.95%(税込3.24%)、QRコード決済はCOIN+が0.99%(税込1.08%)、そのほかのQRが2.95%(税込3.24%)です。
売上はみずほ・三菱UFJ・三井住友のいずれかを入金口座にすると月6回、その他は月3回で入金され、振込手数料はかかりません(ゆうちょ銀行を除く)。通信は接続したiPad/iPhone側の回線を利用するため、モバイル回線に対応した端末なら走行中でも決済でき、メーター連動には対応しません。
メーター連動の仕組みと満たすべき要件(改正割賦販売法など)
ここからは、メーターと連動する仕組みの利点と、決済端末が満たすべき法令上の要件を整理します。運賃処理の正確さと、カード決済に求められる安全対策の2つに関わります。
メーター連動型は、タクシーメーターが確定した運賃を決済端末へ自動で引き渡します。乗務員が金額を手で入力する必要がないため、打ち間違いによる過不足や意図的な不正入力の余地を抑えられ、降車時の会計も短くなります。
決済端末そのものにも、法令にもとづく要件があります。クレジットカードの対面決済を受け付けるタクシー事業者は、割賦販売法(昭和三十六年法律第百五十九号)上の「クレジットカード等購入あつせん関係販売業者」、いわゆる加盟店に当たります。
同法第三十五条の十七の十五は、加盟店に対して「経済産業省令で定める基準に従い、利用者によるクレジットカード番号等の不正な利用を防止するために必要な措置」を講じることを義務づけています。
条文自体は特定の端末を名指ししていません。この「必要な措置」の具体的な中身は、経済産業省の解説と業界団体の実行計画で示されています。経済産業省 商取引監督課の資料では、加盟店が講じるべき措置と改正法の対応関係が次のように整理されています。
クレジット取引セキュリティ対策協議会において策定された「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画」に掲げられた措置又はこれと同等以上の措置を講じている場合には、「必要かつ適切な措置」が講じているものと認められる。
■クレジットカード番号等の不正利用の防止(改正法第35条の17の15)/2.偽造カードによる不正利用対策/決済端末の「100%IC対応」の実現
出典:改正割賦販売法について(資料15、2018年4月)|経済産業省 商取引監督課
改正割賦販売法は2018年6月1日に施行されました。加盟店が講じる不正利用防止の措置の一つとして、対面加盟店の決済端末をIC対応にすることが、実行計画のなかで位置づけられています。
クレジットカードの「100%IC化」の実現/決済端末の「100%IC対応」の実現
出典:クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画-2019- 概要版(2019年3月1日)|クレジット取引セキュリティ対策協議会
対面加盟店の決済端末のIC対応は2020年3月までの完了目標として掲げられ、現在はIC対応の端末が標準となっています。個々の製品では、このIC対応を国際規格名の「EMV」対応として案内するものもあります。タクシー向けの決済端末を選ぶ際は、こうした要件を満たした製品かどうかを確認しておくとよいでしょう。
タクシー車内での運用チェックポイント
ここからは、車内という運用環境ならではの確認事項を整理します。店頭とは違い、走行中の通信や電源、設置スペースに制約があるため、実際の乗務を想定した確認が欠かせません。
まず走行中の通信です。電波の届きにくい地下やトンネル、山間部を通る路線では、モバイル回線が一時的に途切れることがあります。通信が不安定になったときの再送のしくみや、オフライン時に決済をどう扱うかまで確認しておくと、電波状況に左右されにくくなります。
バッテリーの持続時間も実務に直結します。1回の充電で1乗務分をまかなえるか、車載の電源から給電しながら使えるかを確認しましょう。あわせて、端末を運転席まわりに固定する車載ホルダーを設置できるかも、乗務中の操作しやすさを左右します。
端末が故障したときのバックアップも想定しておきます。乗務中に端末が止まると決済を受けられないため、代替機の手配にかかる時間や、現金など他の会計手段への切り替え方をあらかじめ決めておくと、乗務中に決済できない事態を避けられます。
タクシーのインバウンド対応(海外ブランド・タッチ決済・多言語)
訪日客の利用が多い事業者ほど、海外発行カードやタッチ決済への対応が売上を左右します。現金を持たない乗客にそのまま支払ってもらえる体制が、機会損失を防ぎます。
タクシー業界の団体も、訪日客への対応として決済端末の導入を促しています。一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会は、資料のなかで次のように述べています。
海外から日本を訪れたお客様にスムーズにタクシー運賃をお支払いいただけるようクレジットカード、電子マネー、交通系 IC カード、QR コード決済対応端末の導入を促進します。
出典:TAXI TODAY in Japan 2025|一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会
海外発行ブランドや銀聯、Alipay・WeChat Payなどの海外QRに対応した端末なら、現金を持たない訪日客の支払いを車内でそのまま受けられます。多言語の案内表示を備えた端末は、乗務員と乗客の言葉が通じにくい場面でも会計を進めやすくなります。
まとめ
タクシー向けの決済端末は、メーター連動型・車載モバイル型・個人向けの低コスト型に整理できます。まず自社の運行が法人の一括導入か個人の1台導入か、メーターとの正確な連動を重視するかを見極め、そのうえで対応ブランド・費用と決済手数料・車内で使える端末仕様・導入後のサポートの4点で候補を比較するのが近道です。
決済端末は改正割賦販売法にもとづくIC対応が前提となっており、走行中の通信や領収書発行など車内運用の条件も端末ごとに差があります。海外ブランドやタッチ決済への対応は、訪日客の需要を取り込むうえでも確認しておきたい観点です。
比較表と選定診断ツールを活用しながら候補を絞り込み、費用や対応条件を資料で確かめたうえで、自社の運行形態に合った端末を選んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. タクシーの決済端末とは何ですか?
A. タクシーの決済端末とは、車内でクレジットカード・タッチ決済・交通系IC・QRコードなどのキャッシュレス決済を受け付けるための機器です。店頭に据える一般的な決済端末と違い、タクシーメーターと運賃を連動させる据置型(メーター連動型)と、SIMを内蔵して走行中でも決済できる持ち運び型(車載モバイル型)に大きく分かれます。
個人タクシーでは、スマートフォンにカードリーダーをつなぐ低コスト構成から始める選択肢もあります。自社の運行形態に合わせてタイプを選ぶのが基本です。
Q. タクシーの決済端末はメーター連動が必須ですか?
A. タクシーの決済端末にメーター連動は必須ではなく、メーターと連動しない車載モバイル型でも確定運賃を手入力すればキャッシュレス決済を受け付けられます。ただしメーター連動型なら運賃が自動で端末に引き継がれるため、打ち間違いや不正入力の余地を抑えられ、降車時の会計も短くなります。
全車両で売上を一元管理し、正確な運賃処理を重視する法人はメーター連動型が中心的な選択肢になります。1台から手軽に始めたい個人タクシーや、既存車両へ後付けしたい場合は、メーター非連動の車載モバイル型で足りることが多いです。
Q. タクシーの決済端末は導入までどのくらいかかりますか?
A. 導入までの期間は端末のタイプで幅があります。スマートフォンにカードリーダーをつなぐ低コスト型は申し込みから数日で使い始められる一方、レンタル方式のハンディ型やメーター連動型の据置端末は、申し込みから利用開始まで1〜3か月程度かかる場合があります。
キャッシュレス対応を始めたい時期から逆算し、加盟店審査や端末の発送・設置にかかる期間を早めに確認しておくと、乗務開始に間に合わせやすくなります。
Q. 個人タクシーでも決済端末を導入できますか?
A. 個人タクシーでも決済端末を導入でき、スマートフォンにカードリーダーをつなぐ構成や小型のオールインワン端末なら、1台から初期費用を抑えて始められます。端末代や月額固定費が0円のサービスもあり、かかるのは決済ごとの手数料のみという料金体系も選べます。
個人タクシーでは、手数料率の低さよりも売上が入金されるまでの早さが実務上の使い勝手を左右することもあります。契約・設置の手続きの簡単さや月々の固定費の読みやすさとあわせて、入金サイクルも確認して選ぶとよいでしょう。
Q. タクシーの決済端末はWi-Fiのない走行中でも使えますか?
A. モバイル回線で通信するSIM内蔵の端末であれば、固定のWi-Fiがない走行中の車内でも決済を完結できます。車載モバイル型の多くはSIMを内蔵し、4G/LTE回線で通信します(メーター連動型は機種により通信方式が異なるため、走行中の通信可否は各社への確認が必要です)。
一方、スマートフォンにカードリーダーをつなぐ低コスト型は、スマートフォン側のモバイル通信を利用します。電波の届きにくい地下や山間部を走る路線では、通信が不安定になったときの再送やオフライン時の挙動もあわせて確認しておくと安心です。
Q. タクシーの決済端末は複数台をまとめて管理できますか?
A. 法人で全車両に導入する場合、管理画面で各車両の売上や稼働状況をまとめて確認できるサービスが多く、決済手段が異なっても入金や経理処理を一本化できる端末もあります。
複数台で運用するときは、故障時に代替機を何台まで手配できるか、サポート窓口が全車両を一括で対応できるかもあわせて確認しておくと安心です。
Q. タクシーの決済端末でその場で領収書を発行できますか?
A. レシートプリンターを内蔵した端末なら、乗客へその場で領収書を発行できます。車載モバイル型は端末単体にプリンターを内蔵する製品が中心で、メーター連動型はメーターと連動して領収書発行まで担う構成が多く見られます。
スマートフォンにカードリーダーをつなぐ低コスト型では、別途モバイルプリンターが必要になる場合や、電子レシートで対応する場合があります。乗客に紙の領収書を渡す機会が多いなら、プリンター内蔵かどうかを事前に確認しておきましょう。
Q. タクシーの決済端末は改正割賦販売法に対応している必要がありますか?
A. クレジットカードの対面決済を受け付けるタクシー事業者は割賦販売法上の加盟店に当たり、端末はIC対応であることが求められます。同法第三十五条の十七の十五は、加盟店にカード番号の不正利用を防止する必要な措置を義務づけており、業界の実行計画では対面加盟店の決済端末の「100%IC対応」がその措置の一つに位置づけられています。
製品によっては、このIC対応を国際規格名の「EMV対応」として案内する場合があります。
改正割賦販売法は2018年6月1日に施行され、現在はIC対応の端末が標準です。市販されているタクシー向けの端末は基本的にこの要件を満たしていますが、選定時にはIC対応(EMV対応)をうたっているかを念のため確認しておくとよいでしょう。
Q. メーター連動型の導入には配線工事が必要ですか?
A. メーター連動型はタクシーメーターと接続する車載設置が前提のため、端末の取り付けやメーターとの連動設定が必要になります。連動の具体的な仕組みや対応するメーターは各社で異なるため、導入前に確認してください。
一方、通信回線を内蔵する車載モバイル型の端末は、インターネット回線の工事が不要で、届いたその日から使い始められるものもあります。
Q. タクシーの決済端末で受けた売上はいつ入金されますか?
A. タクシーの決済端末の入金サイクルはサービスによって異なり、月1〜2回のまとめ入金から、指定口座を使えば最短翌営業日に振り込まれる短サイクルまで幅があります。本記事で紹介した端末にも、特定の銀行口座を入金先にすると翌日入金や振込手数料無料になるものがあります。
手元資金の回り方に直結するため、特に個人タクシーでは入金の早さが実務上の使い勝手を左右します。手数料率とあわせて、入金回数・入金までの日数・振込手数料の有無を確認して選ぶとよいでしょう。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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