サービス比較の記事一覧

法人保険でリスクに備えたい
カーボンクレジットを活用したい
自社のECサイトを構築・運用したい

サービス比較の記事一覧

法人保険でリスクに備えたい
カーボンクレジットを活用したい
自社のECサイトを構築・運用したい

デジタル資産を発行・活用したい

ステーブルコイン・RWA発行支援
の関連情報


関連サービス資料を
無料で一括ダウンロード

ステーブルコインとは?仕組み・種類・日本の法規制と主要銘柄をわかりやすく解説

ステーブルコインとは

ニュースやSNSで「ステーブルコイン」という言葉を見かける機会が急に増え、「そもそもこれは何なのか」を一度きちんと押さえておきたい、と感じている方は少なくありません。企業が円建てステーブルコインを発行し始めた、日本で法整備が進んだ、決済に使えるらしい——断片は耳に入るものの、ビットコインとの違い、電子マネーや銀行預金との違いが言い分けられず、モヤモヤしたままになりがちです。

本記事では、まず「一言でこれは何なのか」を独立した1行で示したうえで、価値が安定する仕組み・種類・既知の金融手段との違い・主要銘柄・日本の法規制・過去に壊れた前例・これからの動向を、一続きで追いかけます。

読み終えたときに、社内や家族に1分で説明でき、次に何を調べるかに進める状態が到達点です。

ステーブルコインとは

ステーブルコインとは、米ドルや日本円などの法定通貨(またはコモディティ)に価値が連動するよう設計され、ブロックチェーン上で発行・送受信される、価格の安定を目指したデジタル通貨です。

ビットコインのように需給で価格が大きく変動する暗号資産と違い、ステーブルコインは「1コイン=1ドル」「1コイン=1円」のように、基準となる資産の価値に張り付いて動くよう作られています。この価格の安定が、決済・国際送金・暗号資産取引の待機資金といった実務用途を成立させる土台になります。

日本では2023年6月に改正資金決済法が施行され、ステーブルコインのうち法定通貨に連動して発行されるものが「電子決済手段」として法的に位置づけられました。

発行体は銀行・資金移動業者・信託会社に限定され、2025年10月には資金移動業者JPYC株式会社が電子決済手段として国内初の円建てステーブルコイン「JPYC」の発行を開始しています(前払式支払手段版の「JPYC Prepaid」は先行して存在し、電子決済手段としての位置づけを取ったのはこの JPYC が国内初です)。

なぜ「価値が安定する」のか(担保方式の仕組み)

ステーブルコインの価格が基準資産に連動するのは、発行者が「1コインの発行と引き換えに、それに見合う価値の資産を裏に置き、いつでも交換に応じる」という仕組みを取っているためです。この「基準価格に張り付いている状態」をペッグと呼び、コインを発行体に戻して法定通貨で受け取る手続きを償還と呼びます。

市場で価格が0.99ドルまで下がっても、市場で買って発行体に1ドルで償還すれば差益が出るため、この裁定取引が働いて価格が基準に戻ります。「裏に何を置くか」と「発行量をどう調整するか」の方式が、後述する種類の違いに直結します。

おおまかには次の3つの方法で価格が安定させられています。

  1. 裏付けとして同額の資産を積む(法定通貨・国債などによる裏付け):発行体は預かった日本円・米ドルや、それを短期国債などに置き換えたリザーブ資産を保有し、いつでも1対1で法定通貨に戻せる状態を維持します。代表例が USDC で、Circle 社が定期的にリザーブ内訳を開示しています。
  2. 裏付けとして別の暗号資産を過剰に積む(暗号資産担保):担保となる暗号資産の価格変動リスクを吸収するため、発行額を上回る価値の暗号資産(例:150%相当)をスマートコントラクトにロックしておく設計です。代表例が DAI で、担保比率が下限を割り込むと自動で清算される仕組みを持ちます。
  3. アルゴリズムで供給量を伸縮させる(無担保・アルゴリズム型):需給に応じて発行・回収を機械的に行い、価格を基準に引き戻す設計です。裏付け資産を持たないため、需給と信認が崩れると急速に破綻するリスクがあります。代表例だった UST(TerraUSD)は2022年5月に大規模な暴落を起こし、後述するようにアルゴリズム型の脆さを露呈しました。

裏付けの中身が「本当に額面通りに存在するか」は、法定通貨担保型では発行体のリザーブ開示や監査報告書、暗号資産担保型ではスマートコントラクトのオンチェーンデータ、アルゴリズム型ではアルゴリズム自体のロジックによって、それぞれ確かめ方が変わります。次節で、この方式の違いを4分類で整理します。

ステーブルコインの4つの種類

担保方式で分けると、ステーブルコインは大きく次の4種類に整理できます。各行に代表銘柄を並置しているので、抽象論で終わらせず「実在するものとしてどう並んでいるか」を確認しながら読んでください。

← 横にスクロールできます →
種別法定通貨担保型暗号資産担保型コモディティ担保型アルゴリズム型(無担保型)
仕組み米ドル・日本円などの法定通貨や、それに準じる短期国債などを1対1で裏に置き、いつでも法定通貨と交換に応じる。別の暗号資産(ETH など)を発行額より多く担保としてスマートコントラクトにロックし、担保比率が下限を割ると自動清算する。金や原油といった現物商品を保管し、1トークンに一定量の商品を紐付ける。裏付け資産を持たず、需給に応じて発行と回収を機械的に行い、基準価格に戻すように調整する。
裏付け現金・預金・短期国債などの流動性の高い資産ETH・BTC などの暗号資産を過剰担保金・原油などの現物資産なし(供給量調整のみ)
代表銘柄USDT(Tether)/USDC(Circle)/JPYC/PYUSD(PayPal USD)DAI(MakerDAO)PAX Gold(PAXG)/Tether Gold(XAUT)UST(TerraUSD、2022年5月に崩壊)
リスク傾向リザーブの実在・監査品質・発行体の破綻リスク。銀行預金破綻の影響も受けうる(後述の USDC 2023年3月ディペッグ参照)担保に使う暗号資産の急落局面での連鎖清算・オラクル価格のズレなど現物の保管・監査の信頼性、コモディティ自体の価格変動(安定通貨ではなく安定商品)信認が崩れると価格と発行量の悪循環(デス・スパイラル)で急速に破綻する構造リスク

※上記は2026年7月時点の一般的な整理です。各銘柄の最新の裏付け構成・発行体は各社公式情報をご確認ください。

法定通貨担保型は現行の主力で、時価総額の上位を USDT と USDC が占めています。暗号資産担保型は DeFi(分散型金融)と親和性が高く、日本の電子決済手段の枠組みとは位置づけが異なります。

コモディティ担保型は「値動きを抑えたい」ではなく「金や原油と連動する」ことが目的で、資産運用寄りの用途です。アルゴリズム型は理論的な魅力の一方で崩壊事例があり、現在は主力から外れています。

近年では、法定通貨担保型のうち米国国庫債(Tビル=米国財務省が発行する短期国債)を主なリザーブに据えた「Tビル連動型」を別カテゴリとして扱う整理や、デリバティブでのヘッジと担保運用を組み合わせて価格を維持する「合成ドル型」(Ethena USDe など)といった、既存の4分類に完全には収まらない設計も登場しています。本記事では法定通貨担保型の派生として整理し、細分化はしていません。

また、日本の改正資金決済法上の「電子決済手段」に該当するのは、原則として法定通貨に価値が連動する型(法定通貨担保型・信託型)です。暗号資産担保型やアルゴリズム型は日本の電子決済手段の枠組みには入らず、暗号資産としての規制に服する扱いになります。

既知のものとの違い(暗号資産・電子マネー・銀行預金)

ステーブルコインを腹落ちさせる近道は、既に知っているお金の仕組み——通常の暗号資産、電子マネー、銀行預金——と並べて位置づけを確認することです。次の表は、発行者・裏付け・価値の動き・法的位置づけ・破綻時の保護の観点で、4者を横並びにしたものです。

← 横にスクロールできます →
項目発行者裏付け価値の動き法的位置づけ(日本)破綻時の保護
ステーブルコイン銀行・資金移動業者・信託会社(日本の電子決済手段の場合)/海外は民間発行体法定通貨・国債/暗号資産の過剰担保/コモディティ/アルゴリズム(種類による)基準資産(法定通貨など)に連動し、常時ほぼ一定を目指す改正資金決済法上の「電子決済手段」(法定通貨連動のもの)発行体ごとに保全方法が異なる(100%以上の保全義務・信託保全など)。銀行預金のような預金保険制度はない
通常の暗号資産(ビットコイン等)特定の発行体は存在せず、参加者による分散運営裏付け資産なし(供給量とプロトコル設計のみ)需給で大きく変動(数十%動くこともある)資金決済法上の「暗号資産」/取扱には暗号資産交換業の登録が必要利用者資産の保護は取扱交換業者の分別管理・信託保全に依存(暗号資産自体の預金保険はない)
電子マネー(Suica/楽天Edy 等)電子マネー事業者(鉄道会社・流通企業など)利用者からの事前チャージ金(前払式支払手段の発行保証金として法令上供託が求められる)1円=1円のまま動かない(額面での支払い専用)資金決済法上の「前払式支払手段」(第3条)発行保証金の供託により、破綻時は上限内で払戻を受けられる仕組み
銀行預金銀行(免許を得た預金取扱金融機関)銀行が受け入れた資金と、これに基づく貸出・運用資産円建てで額面のまま動かない(外貨預金を除く)銀行法・預金保険法などで規律1金融機関あたり預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息が預金保険で保護される

※上記は2026年7月時点の一般的な整理です。各金融手段の詳細な要件・上限は関係法令・所管機関の最新情報をご確認ください。

ステーブルコインを「デジタル版の銀行預金」や「電子マネーの一種」と言い切れないのは、この表の各行の性質が少しずつ異なるためです。発行者は法制度で絞られている一方、破綻時の保護は銀行預金と同じではなく、価値の連動はビットコインではなく法定通貨に張り付く——という組み合わせが、ステーブルコイン独自の位置づけを作っています。

主要なステーブルコイン銘柄

抽象論だけでは頭に定着しにくいため、ここでは実在する主要な銘柄を8つ挙げます。銘柄名・裏付け通貨・発行体・時価総額の目安・日本での取扱状況をあわせて把握してください。時価総額の水準は変動が大きいため、確認する時点の最新値は各銘柄の公式ページや CoinMarketCap などの公開データで見ることを前提にした概略値です。

  • USDT(Tether):米ドル連動、発行体は Tether Limited。時価総額は千億ドル規模でステーブルコインとして最大級、多くの取引所で基軸通貨として使われる。日本では SBI VCトレード等が取り扱いを開始。
  • USDC(USD Coin):米ドル連動、発行体は Circle Internet Financial。時価総額は数百億ドル規模。リザーブ内訳の月次開示など透明性訴求が強く、機関投資家・DeFi 双方での利用が多い。日本では SBI VCトレード・bitFlyer 等が取扱。
  • DAI:米ドル連動、発行体は分散型自律組織(DAO=スマートコントラクト上で運営される組織形態)MakerDAO(2024年に Sky へリブランド、DAI は後継 USDS に1:1でアップグレード可能だが DAI 自体も併存)。時価総額は数十億ドル規模。ETH などの暗号資産を過剰担保としてスマートコントラクト(ブロックチェーン上で自動実行される契約プログラム)で発行する暗号資産担保型の代表例。
  • USDe(Ethena USDe):米ドル連動、発行体は Ethena Labs。時価総額は10億ドル台。デリバティブでのヘッジと担保運用を組み合わせて価格を維持する「合成ドル」型で、既存の担保型・アルゴリズム型のいずれとも異なる設計。
  • PYUSD(PayPal USD):米ドル連動、発行体は Paxos Trust Company(PayPal とのパートナーシップ)。時価総額は数億〜10億ドル規模。PayPal 経由での送金・決済用途を主眼にした後発銘柄。
  • JPYC:日本円連動、発行体は JPYC株式会社(資金移動業者・関東財務局長第00099号)。改正資金決済法下で発行される国内初の資金移動業型・円建てステーブルコインで、2025年10月27日に発行開始。累計発行額は同年10月開始後、数億円〜十数億円規模で伸長中。
  • EURC:ユーロ連動、発行体は Circle Internet Financial。時価総額は数億ドル規模。USDC のユーロ版という位置づけで、欧州の MiCA 規制対応の実例として言及される。
  • XAUT(Tether Gold):金1トロイオンス連動、発行体は TG Commodities Limited。時価総額は数億ドル規模。1トークンが物理的な金の所有権に紐付くコモディティ担保型の代表例。

USDT・USDC・DAI がグローバルな三本柱で、これに欧州向けの EURC、金連動の XAUT、後発の USDe・PYUSD、そして日本の JPYC が続く、というのが2026年時点の主な地図です。日本国内の暗号資産取引所での取扱可否は銘柄ごとに異なり、外国発行の電子決済手段(USDC 等)については、次節の法規制で扱う「1回あたり100万円の受入上限」といった国内固有のルールが加わります。

ステーブルコインは何に使われているのか

価格が安定しているという性質が、実務でどう活かされているのかを見ておきます。ここでは代表的な4つの用途に絞って整理します。

  • 国際送金・越境決済:銀行のコルレスネットワークを経由せず、ブロックチェーン上で数分〜数十分・低コストで送金できるため、海外向けの支払いや個人送金で使われる。米国 Stripe や Circle が越境B2B送金の商用サービスを展開し、日本国内でも JPYC を用いた決済実証が始まっている。
  • 暗号資産取引の待機資金:ビットコインなどの暗号資産をいったん現金化せずに、価格変動の影響を避ける退避先としてステーブルコインで保有するケース。取引所内の売買ペアの基軸通貨としても USDT・USDC が広く使われる。
  • DeFi(分散型金融)でのレンディング・イールドファーミング:スマートコントラクト上の貸出・流動性提供に、価格の安定したステーブルコインを差し入れて利回りを得る使い方。Aave・Compound などが代表例で、担保・借入の計算単位としてステーブルコインが機能する。
  • 企業間・企業-個人の決済:加盟店が受け取った代金を法定通貨に換算せずステーブルコインのまま処理する、あるいは給与・報酬をステーブルコインで支払うといった使い方。決済プラットフォーム Stripe が加盟店向けに「Pay with Crypto」を提供し、SpaceX が新興市場の Starlink 利用者からステーブルコインで料金を受け付け、Google Cloud が一部顧客から PayPal 発行の PYUSD で利用料を受け付けるといった実例が公表されている。

いずれの用途も、価格が動きにくいから成立するという点は共通です。ビットコインで給与を払うと翌月の受取額が上下してしまう問題を、法定通貨に張り付くステーブルコインが解消し、ブロックチェーンの決済スピードと低コストだけを取り出せる、という構造で理解しておくと迷いにくくなります。

上記のうち加盟店決済・請求書決済など「日本の事業者が実際に暗号資産・ステーブルコインで代金を受け取るサービス」を機能・手数料・適法性で横並びに比較したい場合は、以下の記事もあわせてご参照ください。

日本のステーブルコインをめぐる法規制

日本では、2022年6月に成立し2023年6月1日に施行された改正資金決済法により、法定通貨に連動するステーブルコインが「電子決済手段」として法的に位置づけられました。改正前は暗号資産・前払式支払手段のいずれの箱にもきれいに収まらなかったステーブルコインに、専用のカテゴリを新設した形です。

要点は次の3つです。

  • 「電子決済手段」の定義(資金決済法 第2条第5項):物品購入・役務提供の対価の弁済に不特定の者に対して使用でき、電子情報処理組織を用いて移転できる財産的価値で、通貨建資産(法定通貨建てで表示され、法定通貨で払戻を受けられるもの)として法令で定めるもの、と定義される。この定義に該当する円建て・ドル建てステーブルコインが「電子決済手段」となる。
  • 発行主体は3類型に限定:電子決済手段の発行は、銀行・資金移動業者・信託会社(特定信託会社による特定信託受益権の発行)に限定される。誰でも発行できるわけではなく、資金移動業や信託業などの免許・許認可が前提となる。
  • 電子決済手段等取引業(仲介)の制度化:発行体ではなく、電子決済手段の売買・交換・管理を業として行う事業者は「電子決済手段等取引業者」として金融庁への登録が必要になる。外国発行のステーブルコイン(USDC 等)を国内で取り扱う場合も、この登録を得た事業者が仲介する。

実務で押さえておきたいポイントとして、外国発行の電子決済手段を仲介する場合は「利用者1人あたり1回100万円の移転上限」および「利用者1人あたり管理額100万円の上限」など資金移動業型の要件に準じた規制が適用されます。この規制のため、日本国内の暗号資産取引所で USDC などを扱う際は個別の限度額が設けられています。

この枠組みの下で、2025年に国内初の円建てステーブルコインとして JPYC(資金移動業者による発行)が動き始めたほか、3メガバンクによる信託型ステーブルコインの共同検討などが公表されています。「日本ではまだ規制が曖昧」という記述は改正前の状態を映したものであり、現在は電子決済手段としての枠組みが法制度として整った状態です。

「安定」と言いながら壊れた前例(リスク事例)

ステーブルコインは「安定」を看板に掲げますが、過去には基準価格から大きく乖離した事例が実際にあります。ここでは代表的な2件を、事実と時系列で紹介します。誠実な理解のために、うまく機能した部分だけでなく壊れた部分もあわせて知っておいてください。

Terra/UST の崩壊(2022年5月)

UST(TerraUSD)は Terraform Labs が発行していた米ドル連動のアルゴリズム型ステーブルコインで、姉妹通貨 LUNA と交換できる仕組みで価格を維持していました。時価総額はピーク時に約180億ドル規模まで拡大し、DeFi プロトコル Anchor Protocol での年率約20%の預金金利で急速にユーザーを集めました。

2022年5月、大口の売却をきっかけに UST が1ドルを下回り始めると、価格を戻すために LUNA の増発が急激に進行し、LUNA の価格が暴落。この暴落が UST への信認をさらに損ね、価格と発行量の悪循環(デス・スパイラル)が数日で完結しました。

UST は1桁セント台まで下落し、LUNA は実質ゼロに近い水準まで崩落。数百億ドル規模の価値が短期間で消失し、その後 Terraform Labs 代表は米国 SEC などから提訴・訴追を受けています。

Terra/UST の事例は、裏付け資産を持たないアルゴリズム型が、需給の均衡と発行体・アルゴリズムへの信認だけで価格を保っていた構造の脆さを示しました。以降、アルゴリズム型の主要銘柄は市場から退場が進み、法定通貨担保型と暗号資産担保型が主流という現在の地図につながっています。

USDC の一時的ディペッグ(2023年3月・SVB破綻の余波)

2023年3月、米国のシリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻が明らかになった際、Circle 社は USDC のリザーブのうち一部(当時の開示で約33億ドル)を SVB に預けていたことを公表しました。この情報が広がったことで、USDC は一時 1ドルを大きく割り込み、0.87ドル台まで下落。法定通貨担保型でも、預け先の銀行破綻という「裏付け側のリスク」に影響されうることが顕在化しました。

その後、米当局が SVB の預金全額保護を発表したこと、Circle 社が資金保護と交換再開を明確に打ち出したことを受けて、USDC は数日以内にほぼ1ドルまで回復しました。Terra/UST とは異なり、裏付け資産自体は実在しており、預け先の一時的な問題が信認低下と一時的な乖離を生んだ、というのがこの事例の構造です。

Terra/UST が「アルゴリズム型の構造リスクが露呈した」事例だとすれば、USDC 2023年3月は「法定通貨担保型でも短期的な乖離は起こり得る」事例です。両者を並べて理解しておくと、「ステーブルコインの価格は絶対に動かない」という単純化を避けられます。

これからのステーブルコイン動向

ステーブルコインを取り巻く環境は、日本・米国・欧州でそれぞれの規制整備が進み、発行体・利用シーンも増えています。ここでは断定的な予測ではなく、現在進行中の動きを事実として押さえておきます。

  • 日本での円建てステーブルコイン発行の本格化:JPYC株式会社が2025年10月27日に国内初の資金移動業型・円建てステーブルコイン「JPYC」の発行を開始。3メガバンク(三菱UFJ・三井住友・みずほ)が信託型の共同発行を検討する動きも公表されています。
  • 米国での連邦法整備:2025年に米連邦議会でステーブルコインの発行・監督を包括的に定める GENIUS 法が成立し、米国の連邦レベルの規制枠組みが整い始めました。連邦・州の二重規制の整理や、発行体の裏付け資産・情報開示の統一が進む方向にあります。
  • 欧州の MiCA 規則の適用:欧州連合の暗号資産市場規則(MiCA)が2024年から段階的に適用され、法定通貨連動・非連動のトークンで区別した規制が整いました。USDC のユーロ版 EURC など、MiCA 準拠を明示する銘柄が増えています。
  • 市場規模の拡大:グローバルなステーブルコインの時価総額はここ数年で数千億ドル規模に達しており、上位を USDT・USDC・DAI が占める構図が続いています。決済・DeFi・トークン化資産(RWA)との連携が今後の使いどころとして議論されています。

これから注目したいのは、既存の暗号資産の投機的な文脈から離れて、決済・国際送金・トークン化資産の交換手段としての「金融インフラの一部品」になりうるか、という点です。日本の電子決済手段としての枠組みは、その組み込みを支えるための足場と言えます。

先ほど触れた「トークン化資産(RWA)」は、株式・債券・不動産・ファンド持分といった現実資産をブロックチェーン上でトークンとして扱う仕組みで、ステーブルコインと並んで金融インフラのデジタル化を語るうえでの中心概念のひとつです。RWAの仕組み・発行方法・具体的な金融商品事例まで一気通貫で押さえたい方は、以下の解説記事もあわせてご覧ください。

ステーブルコインとしばしば並べて論じられるのが、中央銀行が発行する「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」です。民間の発行体が発行するステーブルコインとは、発行主体・法的裏付け・利用範囲の考え方が根本から異なるため、両者を並べて位置づけを整理しておきたい方向けに、CBDCの仕組みと各国の導入事例を以下の記事で解説しています。

電子マネー・仮想通貨・ステーブルコイン・CBDCを含む「デジタル通貨」全体の見取り図を、上位概念からもう一段ひろく俯瞰したい場合は、こちらの記事もご参照ください。

ステーブルコイン発行・活用を支える国内サービス例

ここまでで「ステーブルコインとは何か」の全体像を確認しました。仕事や事業の文脈で次に検討する場合は、円建てステーブルコインを実際に発行・活用する国内サービスや、事業者向けにステーブルコイン発行・運用の業務基盤を提供するサービスに触れておくと、選択肢の解像度が上がります。3件を、位置づけの違いがわかる形で並べます。

以下では、円建てステーブルコインの発行・活用を担う3社を、位置づけの違いがわかる形で並べます。

← 横にスクロールできます →
サービス名JPYC(JPYC EX)JPYC AppsSimplex Stablecoin
提供会社JPYC株式会社JPYC株式会社シンプレクス株式会社
位置づけ電子決済手段(資金移動業型)としての円建てステーブルコインの発行・償還前払式支払手段版「JPYC Prepaid」を購入・利用するアプリ発行体・流通業者向けのステーブルコイン業務システム
主な機能JPYC の発行・償還(銀行振込・銀行口座への払戻し)・ノンカストディ型ウォレット送受金JPYC Prepaid の購入(銀行振込から最短5分でウォレット着金)・web3 ウォレットでの保有・送金・残高譲渡発行・償還/裏付資産管理/リスクモニタリング/eKYC・アドレススクリーニング連携/ウォレット管理
対応チェーンEthereum・Polygon・AvalancheEthereum・Polygon・Avalanche ほか発行済みチェーンマルチチェーン対応(具体的な対応チェーンは公式に非開示)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る公式サイト

※上記は2026年7月時点の各社公式情報等に基づく整理です。最新の対応チェーン・機能・提供状況は各社の公式情報をご確認ください。

1. JPYC(JPYC株式会社)

日本円ステーブルコイン JPYC(JPYC EX)のウェブサイト

JPYC は、資金移動業者JPYC株式会社(関東財務局長第00099号)が発行する日本円連動のステーブルコインです。改正資金決済法上の「電子決済手段」として、国内で初めて資金移動業型の枠組みで発行された銘柄で、2025年10月27日に発行を開始しました。1JPYC=1円で発行・償還が行われ、発行残高の100%以上が日本円資産(預貯金・国債)で保全されます。

利用者向けの発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」で口座を開設し、銀行振込で入金すると登録ウォレットに JPYC が発行され、JPYC を返送すれば銀行口座へ日本円で払戻を受けられます。Ethereum・Polygon・Avalanche のマルチチェーンに対応し、事業者が顧客資産を預からないノンカストディ型で運営されるのが構造上の特徴です。

TIS との協業による法人向けステーブルコイン決済の社会実装、N Suite など法人資産管理SaaS との連携など、自社発行のステーブルコインを他社サービスに広げる形の事業展開が公表されています。円建てステーブルコインの発行体そのものが選択肢に入る場合の代表的な出発点です。

2. JPYC Apps(JPYC株式会社)

JPYC Appsのウェブサイト

JPYC Apps は、日本円ステーブルコイン「JPYC Prepaid」を購入・利用するためのアプリで、JPYC株式会社が提供します。JPYC(EX)が扱う資金移動業型 JPYC=電子決済手段であるのに対し、JPYC Apps が扱う「JPYC Prepaid」は前払式支払手段版の JPYC で、法的位置づけが異なる同社の別プロダクトです。

銀行振込での購入から最短5分で手元の web3 ウォレット(ブロックチェーン上の資産を自分で管理する財布アプリ)へ着金し、Ethereum・Polygon・Avalanche をはじめとする発行済みチェーンで JPYC を保有・送金・譲渡できる、というのが利用者側の主な体験です。

ステーブルコインの発行体側サービスのうち「利用者が実際に円建てステーブルコインを手に入れて使う」ステップを担当する位置づけで、Slash など複数の Web3 決済サービスが JPYC を受取通貨の選択肢に含めることでユーザーの手元の JPYC が決済で回るようになります。決済側の受入基盤ではなく、通貨レイヤーを担う側という点で、加盟店向け決済代行とは役割が分かれます。

2025年10月の資金移動業型 JPYC の発行開始以降、JPYC Prepaid から資金移動業型 JPYC への移行や機能拡張も段階的に進んでいます。個人・法人が「円建てステーブルコインを保有して何ができるか」を実地で確かめる出発点として位置づけられます。

3. Simplex Stablecoin(シンプレクス株式会社)

Simplex Stablecoinのウェブサイト

Simplex Stablecoin は、金融IT大手のシンプレクス株式会社が提供する、ステーブルコインの発行体・流通業者向け業務システムです。銘柄そのものを発行するのではなく、発行・運用に必要な口座管理(eKYC/アドレスチェック/反社チェック連携)、発行・償還と裏付資産管理、リスクモニタリング、ウォレット管理などをまとめて提供する立場です。

資金移動業型(1号電子決済手段)に加え、預金型・信託型(3号電子決済手段)への順次対応が予定されており、発行体・電子決済手段等取引業者の双方が対象になります。自社ウォレット「Simplex Fourth」と組み合わせることで、法定通貨の入出金に合わせたオンチェーン Mint/Burn 連動まで一気通貫で提供できるのが構造的な特徴です。

実績としては、JPYC のステーブルコイン取引システム構築を担ったことが公表されています。ステーブルコイン発行そのものではなく、発行を支えるバックエンドまで含めて内製・伴走できる相手を探す場合の候補として位置づけられます。

ここで挙げた3件は「円建てステーブルコインの発行・活用」を担う個別サービスの位置づけを示す例です。事業として発行や運用に踏み出す段階で、発行体・発行基盤・受託発行・規制対応コンサルといったタイプ別に主要サービスを横並びで比較したい場合は、以下の記事に発行支援サービス全体の比較・選び方を整理しています。

まとめ

ステーブルコインとは、法定通貨などに価値が連動するよう設計された、価格の安定を目指すデジタル通貨でした。担保方式によって法定通貨担保型・暗号資産担保型・コモディティ担保型・アルゴリズム型に分かれ、実銘柄では USDT・USDC・DAI・JPYC などが代表格です。

ビットコインのように大きく価格が動かず、電子マネーのように前払式支払手段にも収まらず、銀行預金のような預金保険もない——という組み合わせがステーブルコイン独自の位置づけを作っています。

日本では改正資金決済法(2023年6月施行)により電子決済手段として法的な枠組みが整い、発行体は銀行・資金移動業者・信託会社に限定されました。この枠の下で2025年10月には電子決済手段として国内初の円建てステーブルコイン JPYC が発行を開始しています。

一方で、Terra/UST のようにアルゴリズム型が崩壊した事例、USDC のように法定通貨担保型でも預け先の銀行破綻で一時的にディペッグした事例もあり、「安定」の看板は仕組みと運用の質に支えられて成り立つことも押さえておきたいところです。

ここまでの内容が腹落ちしたら、次は自社や個人の文脈で「どの銘柄を扱う取引所を使うか」「事業として発行や活用に踏み出すなら誰と組むか」に検討を進める段階に入ります。関連するサービスの資料は下記からまとめて入手できるので、比較検討の第一歩としてご利用ください。

よくある質問(FAQ)

Q. ステーブルコインとは何ですか?

A. ステーブルコインとは、米ドルや日本円などの法定通貨(またはコモディティ)に価値が連動するよう設計され、ブロックチェーン上で発行・送受信される、価格の安定を目指したデジタル通貨です。

「1コイン=1ドル」「1コイン=1円」のように基準となる資産の価値に張り付いて動くよう作られており、需給で大きく変動するビットコインなどの暗号資産とは価格の動き方が根本的に異なります。決済・国際送金・暗号資産取引の待機資金などで使われ、日本では改正資金決済法(2023年6月施行)上の「電子決済手段」として法的に位置づけられています。

Q. ステーブルコインとビットコインの違いは何ですか?

A. ステーブルコインとビットコインの主な違いは、価格変動の大きさと、価値の裏付けの有無です。

ビットコインは特定の発行体を持たず、参加者による分散運営のもとで需給に応じて価格が数十%動くこともある投機色の強い暗号資産です。一方でステーブルコインは法定通貨や国債などの裏付け資産を持ち、その資産の価値に価格を張り付かせるよう設計されているため、決済・送金・待機資金として使いやすくなっています。

日本の資金決済法上も、ビットコインは「暗号資産」、法定通貨連動のステーブルコインは「電子決済手段」と別カテゴリで整理されています。

Q. ステーブルコインは電子マネーとどう違うのですか?

A. ステーブルコインと電子マネー(Suica・楽天Edy など)の違いは、価値を移せる範囲と、法的な位置づけです。

電子マネーは事業者にチャージした前払い残高を、その事業者のシステム内で使う「前払式支払手段」で、原則として発行者と加盟店の間でしか使えず、他人への譲渡や払戻は制限されています。ステーブルコインは同じ資金決済法上でも「電子決済手段」に位置づけられ、対応するウォレットや決済ネットワークがあれば、発行体の閉じた枠を越えて不特定の相手への送金・法定通貨への償還が可能です。

同じ「額面が動かないデジタルマネー」でも、動ける範囲と裏側の仕組みが異なります。

Q. ステーブルコインは銀行預金と何が違うのですか?

A. ステーブルコインと銀行預金の主な違いは、発行主体・裏付けの仕組み・破綻時の保護制度です。

銀行預金は銀行が受け入れた資金を貸出などに運用しつつ額面のまま返す仕組みで、1金融機関あたり預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息が預金保険で保護されます。ステーブルコインは銀行・資金移動業者・信託会社などが発行しますが、預金保険の対象ではなく、発行体ごとに定められた裏付け資産の保全(100%以上の保全義務・信託保全など)でのみ利用者資産を守ります。

同じ「円建てで動きにくいデジタルマネー」でも、破綻時の受け皿が異なる点は押さえておいてください。

Q. ステーブルコインは中央銀行デジタル通貨(CBDC)とどう違うのですか?

A. ステーブルコインとCBDCの主な違いは、発行主体と法的位置づけです。

CBDC(中央銀行デジタル通貨)は中央銀行そのものが発行する法定通貨のデジタル版で、法貨性(強制通用力)を持ち、その国の通貨制度の一部として位置づけられます。ステーブルコインは民間の発行体(銀行・資金移動業者・信託会社など)が発行する電子決済手段で、法定通貨に価値を連動させる設計であっても、それ自体が法定通貨というわけではありません。

日本では日銀がCBDCの実証を進める一方、民間発行のステーブルコインが電子決済手段として先行して制度化されており、両者は並行して整備が進んでいます。

Q. ステーブルコインに元本保証や預金保険はありますか?

A. ステーブルコインには、銀行預金のような預金保険制度は適用されず、公的な元本保証もありません

日本の電子決済手段としてのステーブルコインは、発行体(銀行・資金移動業者・信託会社)に対して発行残高の100%以上の資産保全(供託・信託・預貯金など)を義務づける仕組みで利用者資産を守ります。ただしこれは預金保険機構による保険とは別枠で、発行体そのものや保全先の破綻・不正が起きたときの回収可能性は保全方法の設計に依存します。

裏付け方式の違い(法定通貨担保・暗号資産担保・アルゴリズム)で安全性の水準が変わることは、本文の担保方式の解説とあわせて確認してください。

Q. 日本で買えるステーブルコインにはどんなものがありますか?

A. 日本国内では、円建てステーブルコイン「JPYC」と、暗号資産取引所を通じて取り扱われるUSDCなどの米ドル建てステーブルコインが主な選択肢です。

JPYCは資金移動業者JPYC株式会社(関東財務局長第00099号)が2025年10月27日に発行を開始した国内初の資金移動業型・円建てステーブルコインで、JPYC EXで口座を開設して銀行振込により発行・償還を受けられます。USDCはSBI VCトレード・bitFlyerなど複数の国内暗号資産取引所での取扱が始まっており、USDTもSBI VCトレード等が取扱を開始しました。

外国発行の電子決済手段には「1回あたり100万円の移転上限」「1人あたり管理額100万円の上限」など日本固有のルールが適用されるため、取扱条件は取引所ごとに確認してください。

Q. JPYCとは何ですか?

A. JPYCとは、JPYC株式会社が改正資金決済法下で発行する、国内初の資金移動業型・円建てステーブルコインです。

1JPYC=1円で発行・償還が行われ、発行残高の100%以上が日本円資産(預貯金・国債)で保全されます。利用者は発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」で口座を開設し、銀行振込での入金でウォレットにJPYCを受け取り、返送すれば銀行口座で日本円として払戻を受けられます。

Ethereum・Polygon・Avalancheのマルチチェーンに対応し、事業者が顧客資産を預からないノンカストディ型で運営されるのが特徴で、2025年10月27日から発行が開始されています。

Q. USDTとUSDCの違いは何ですか?

A. USDTとUSDCは、どちらも米ドルに連動する法定通貨担保型ステーブルコインですが、発行体・時価総額・裏付け資産の透明性で違いがあります

USDTはTether Limitedが発行する時価総額最大級の銘柄で、多くの取引所の基軸通貨として使われます。USDCはCircle Internet Financialが発行し、リザーブ内訳の月次開示など透明性訴求が強いのが特徴で、機関投資家・DeFi双方での利用が多い銘柄です。用途や求める透明性のレベルによって使い分けられています。

Q. Terra/USTのような崩壊がまた起きる可能性はないのですか?

A. ステーブルコインについては、裏付け資産を持たないアルゴリズム型が主流の座に返り咲かない限り、Terra/USTと同じ形の崩壊が繰り返される可能性は低いと考えられていますが、法定通貨担保型でも一時的なディペッグは起こり得ます。

Terra/USTの崩壊は、裏付け資産を持たずに需給の均衡と姉妹通貨LUNAとの交換だけで価格を維持する構造の脆さが露呈した事例で、以降アルゴリズム型の主要銘柄は市場から退場が進みました。一方、法定通貨担保型でも2023年3月にUSDCがSVB破綻の余波で一時0.87ドル台まで下落した事例があり、「担保型なら絶対に動かない」わけではありません。

裏付けの中身と発行体・預け先のリスクを個別に見る姿勢は引き続き必要です。

Q. ステーブルコインを企業でも保有・利用できますか?

A. ステーブルコインは、法人による保有・利用も可能で、実際に国際送金や決済実証への活用が始まっています

たとえばJPYCは資金移動業型として個人・法人双方がJPYC EXで口座を開設でき、TISとの協業による法人向けステーブルコイン決済の社会実装も公表されています。海外ではStripeがSpaceXやGoogle等のグローバル企業向けにステーブルコイン決済を提供しており、越境B2B送金・給与支払い・加盟店決済などで利用が広がっています。

企業導入時は電子決済手段等取引業者(金融庁登録)を介する必要があるほか、外国発行ステーブルコインの取扱条件・自社の会計処理・税務対応を個別に確認してください。事業として発行や運用の基盤を用意する場合は、Simplex Stablecoinのようなシステム提供事業者と組む選択肢もあります。

Q. ステーブルコインで得た利益に税金はかかりますか?

A. ステーブルコインで生じた利益は、原則として課税対象となり、個人の場合は暗号資産の売買益と同様に雑所得(総合課税)として扱われるのが一般的な整理です。

ステーブルコインと日本円の交換益に加え、ステーブルコインで別の暗号資産を購入した際の含み益実現なども課税事象となり得ます。損益計算の方法・確定申告の要否は取引金額や区分(給与所得者の20万円ルールなど)で変わり、法人の場合はさらに別の会計・税務処理が求められます。実際の申告・処理は最新の国税庁公表資料や税理士など専門家への相談を前提としてください(本記事は税務助言ではありません)。

Q. ステーブルコインはどこで保管するのが安全ですか?

A. ステーブルコインは、短期の売買・決済用は取引所や発行体アプリの管理下、長期の保有はハードウェアウォレットなどのセルフカストディに置くのが一般的な考え方です。

取引所やアプリでの保管は使い勝手が良く、法定通貨との交換・決済が完結しやすい半面、取引所自体のハッキング・破綻リスクにさらされます。ハードウェアウォレット(Ledger・Trezorなど)にステーブルコインを移せば、秘密鍵を自分で管理でき第三者リスクを減らせますが、鍵を紛失すると資産へアクセスできなくなるため、シードフレーズの保管方法・利用チェーンの選択などをあわせて理解する必要があります。

用途・金額・自分の運用能力に応じて使い分けるのが実務的です。

ステーブルコイン関連サービスの料金・手数料を一括チェック

ステーブルコインの発行・活用・発行支援に対応する各社のサービスは、対応チェーン・機能範囲・料金体系・法的位置づけが大きく異なります。MCB FinTechカタログでは、カテゴリに掲載中のサービスの最新資料をワンクリックで一括入手でき、機能・料金・対応スキームなど比較に必要な情報をすばやく把握できます。

MCB FinTechカタログに掲載しませんか?

MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修者は記事の内容について監修しています。

関連記事

新着記事