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無料で使えるID管理システム15選を比較|無料プラン・無料トライアル・OSSの違いと選び方

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クラウドサービスの利用が増えるほど、社員が使うIDやパスワードの数はふくらみ、管理はExcelや個々の社員任せになりがちです。退職者のアカウントが消し忘れられたり、誰がどのサービスを使っているか棚卸しできなかったりする状態は、不正アクセスや情報漏えいの入り口になります。そこで、まずはコストをかけずにID管理を始めたいと考える担当者は少なくありません。

ただ、ひとくちに「無料で使えるID管理システム」といっても中身はさまざまです。ずっと無料で使える永年無料プラン、一定期間だけ試せる無料トライアル、ソフトウェア自体は無償で自社サーバーに構築するオープンソースでは、使える範囲も運用の手間もまったく異なります。無料でどこまでできて、どこから有料になるのかが見えないまま選ぶと、あとで想定外の制限や費用に突き当たります。

本記事では、無料で使えるID管理システム・IDaaS15サービスを、無料プラン・無料トライアル・オープンソースの3つの形態に分けて比較・解説します。無料で使える機能と制限、無料から有料へ切り替える判断のポイント、自社に合う選び方まで整理しました。コストを抑えて自社に合うID管理を始めたい方が、無料の候補を見極めるための材料としてご活用ください。

また、自社の状況に合わせて無料で使える候補を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツールをご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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無料で使えるID管理システムとは?個人向けパスワード管理との違い

ID管理システムは、社員が業務で使う複数のサービスのアカウント(ID)を一元管理し、認証やアクセス権を統制するためのツールです。クラウド型で提供されるものはIDaaS(Identity as a Service)とも呼ばれ、シングルサインオン(一度のログインで複数サービスを使えるSSO)、多要素認証(MFA)、入社・退職に合わせたアカウントの発行・停止などをまとめて担います。

本記事が扱うのは、こうした法人向けのID管理システム・IDaaSを無料で使い始められる製品です。無料の入り口は大きく3つに分かれます。ずっと無料で使える永年無料プラン、機能をひととおり試せる無料トライアル、そしてソフトウェア自体が無償で公開されているオープンソースです。それぞれ無料で使える範囲や運用の担い手が違うため、後の章で1つずつ整理します。

ここで注意したいのが、個人向けのパスワード管理ソフトとの違いです。検索すると両者が混ざって出てきますが、個人向けソフトはひとりの利用者が自分のパスワードを金庫のように保管するもので、社員全員のアカウントを管理者がまとめて発行・停止したり、退職者のアクセスを一括で止めたりする機能は基本的に持ちません。

組織としてIDを統制したい場合は、管理者コンソールでメンバーを管理でき、SSOやアカウントの自動発行に対応した法人向けのID管理システム・IDaaSを選ぶ必要があります。

無料という条件を外して、有料プランも含めたID管理システム・IDaaS全体から比較したい場合は、以下の記事で仕組みや選び方、主要サービスの違いを詳しく解説しています。

無料で使えるID管理システムの3つの形態と、それぞれの違い

ここでは、無料で使えるID管理システムを「無料プラン」「無料トライアル」「オープンソース」の3つの形態に分け、コストの続き方と運用の担い手という観点で違いを整理します。同じ「無料」でも、どこまで・いつまで無料なのかが大きく異なります。

無料で使えるID管理システムの3つの形態(永年無料プラン・無料トライアル・オープンソース)を、コストの続き方・運用の担い手・向く企業の3つの観点で比較した図解。永年無料プランは上限内なら期限なく無料でクラウド提供、無料トライアルは14〜30日程度のみ無料、オープンソースはライセンス費用ゼロだが運用は自社が担う。

1つ目の永年無料プランは、ユーザー数や機能に上限を設けたうえで、その範囲内であれば期限なく無料で使い続けられる形態です。クラウドで提供され、サーバーの構築や保守は提供事業者が担うため、担当者はアカウントを登録すればすぐ使い始められます。小規模なうちは無料のまま運用し、人数や必要な機能が増えたら有料プランへ移る使い方に向きます。

2つ目の無料トライアルは、有料製品の機能を一定期間だけ無料で試せる形態です。期間は製品によって14日から30日程度が中心で、試用が終わると契約しない限り利用は止まります。恒久的に無料で使う手段ではありませんが、本格導入を前提に、有料版の機能や自社サービスとの連携を導入前に確かめたい場合に適します。

3つ目のオープンソースは、ソフトウェア自体が無償で公開されており、ライセンス費用をかけずに使える形態です。ただし「無料」の意味が他の2つとは異なり、多くは自社のサーバーに構築して運用するため、運用の担い手は自社になります。ライセンスは無料でも、運用できる技術者がいることが前提です(構築・運用の具体的な負担は後の章で整理します)。

無料プラン・無料トライアル・オープンソースで使える機能と制限

ここからは、3つの形態それぞれで無料で使える機能の範囲と、無料ならではの制限を見ていきます。ユーザー数の上限、連携できるサービスの数、多要素認証の方式、サポートの手厚さは、無料か有料かで差が出やすい部分です。製品ごとの具体的な数値は後述の比較表で一覧できます。

無料プランで使える機能と制限

永年無料プランは、SSOや基本的なユーザー管理、多要素認証といった中核機能を無料の範囲でも使えるものが多く見られます。一方で、無料で登録できるユーザー数には上限が設けられているのが一般的です。永年無料プランでは50ユーザー前後を無料の上限とする製品が多く、製品ごとの正確な上限は後述の比較表で確認できます。

制限がかかりやすいのは、外部サービスとの連携数、監査ログの保持期間、より高度な多要素認証やアクセス制御、そしてサポートです。無料の範囲ではサポートがコミュニティフォーラムやヘルプ記事に限られ、電話やメールでの個別対応やSLA(サービス品質保証)は有料プランで提供されることが多くなっています。小規模で基本的な使い方に収まるうちは無料で十分でも、統制を強めたい段階では有料の機能が必要になります。

出典・参考資料(2件)

無料トライアルで使える機能と制限

無料トライアルは、有料版とほぼ同じ機能を試せるのが利点です。SSOやアカウントの自動発行、外部サービス連携など、有料でしか使えない機能を導入前に自社の環境で確かめられます。試用期間は14日から30日程度、対象ユーザー数を区切って提供するなど、試せる範囲は製品ごとに異なります。

制限は「期間」です。試用期間を過ぎると、契約しない限り利用は停止します。試用中に登録したアカウントや設定を本番でそのまま引き継げるかは製品によって異なるため、試す前に確認しておくと切り替えがスムーズです。恒久的に無料で使いたいのか、有料導入を前提に試したいのかで、この形態が向くかどうかが決まります。

オープンソース(セルフホスト)で使える機能と制限

オープンソースのID管理ソフトは、SSOやSAML・OpenID Connectといった標準プロトコル、多要素認証など、商用のIDaaSでも使われる標準的な機能をライセンス費用ゼロで使えます。ユーザー数の上限がない点も大きな利点です。

制限というより前提として押さえたいのは、運用を自社で担う点です。サーバーの用意、初期構築、定期的なアップデート、障害時の復旧までを自社の技術者が行います。多くはコミュニティによるフォーラムやドキュメントが情報源で、個別のサポートを受けたい場合は有償のサブスクリプションを別途契約する形になります。ライセンスは無料でも、運用体制を用意できるかが導入の分かれ目です。

無料のID管理システムで解決できる業務課題

ここでは、コストをかけずに導入しても、ID管理の中核的な業務課題をどこまで解消できるかを整理します。無料だからといって効果が小さいわけではなく、運用の属人化を防ぐうえで役立つ場面は多くあります。

まず解消しやすいのが、退職者アカウントの削除漏れです。IDを一元管理していれば、退職や異動のタイミングで対象者のアカウントを管理画面から停止でき、連携するサービスへのアクセスをまとめて遮断できます。サービスごとに個別へ解約手続きをしていた状態と比べ、消し忘れによる不正アクセスのリスクを下げられます。

次に、アカウント棚卸しの属人化です。誰がどのサービスを使えるのかを管理画面で一覧でき、権限の付与・変更の記録も残るため、担当者の記憶や個別の台帳に頼らずに現状を把握できます。監査や社内点検で利用状況の証跡を求められた際にも、確認の手間を抑えられます。

こうした退職者アカウントの統制やアカウント棚卸しは、法令の面でも裏づけがあります。個人情報保護法は事業者に個人データの安全管理措置を義務づけており(第23条)、その内容を示す個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、技術的な措置の一つとして、担当者や取り扱う範囲を限定する「アクセス制御」と、正当な権限を持つ人だけを認証する仕組みを挙げています。

退職者のアカウントを消し忘れて残す状態は、この不要なアクセスの防止に反する典型例です。無料のID管理システムでも、こうした統制の土台をコストをかけずに整えられます。

個人データを取り扱うことのできる機器及び当該機器を取り扱う従業者を明確化し、個人データへの不要なアクセスを防止する。

出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)技術的安全管理措置|個人情報保護委員会

出典・参考資料(2件)

ただし、無料の範囲では監査ログの保持期間が短かったり、細かなアクセス制御や自動連携できるサービス数に上限があったりします。全社的に厳密な統制や長期の証跡保管が必要になった段階では、有料プランや上位の製品を検討する必要があります。無料でどこまで賄えるかは、次の比較表と選び方の章で具体的に見ていきます。

しかし、自社がどの形態に向いているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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【比較表】無料で使えるID管理システム15サービス

ここからは、無料で使えるID管理システム15サービスを、無料の形態・無料で使えるユーザー数の上限・外部サービス連携・多要素認証・サポートといった観点で横断的に比較します。永年無料プラン・無料トライアル・オープンソースが一覧で見比べられるため、自社の使い方に合う候補を絞り込めます。

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サービス名GMOトラスト・ログインGoogle Cloud IdentityJumpCloudCloudflare Zero TrustBitwardenZoho VaultLastPassCloudGate UNOOktaOneLoginSeciossLinkKeycloakauthentikZITADELFreeIPA
無料の形態永年無料プラン永年無料プラン永年無料プラン永年無料プラン永年無料プラン永年無料プラン永年無料プラン無料トライアル無料トライアル無料トライアル無料トライアルオープンソースオープンソースオープンソースオープンソース
無料で使えるユーザー数上限上限の明記なし(要確認)50ユーザー(申請で追加可・無料)10ユーザー/10デバイス50ユーザー2ユーザー(無料組織)個人利用向け(チーム共有は有料)個人向けFreeのみ(1人・単一デバイス種別)恒常無料枠なし(30日間トライアル)恒常無料枠なし(30日間トライアル)恒常無料枠なし(30日間トライアル)恒常無料枠なし(30日間・10ライセンス)無制限(セルフホスト)無制限(OSS版・内部ユーザー数上限なし)セルフホストは無制限(クラウド無料枠は100 DAU/日)無制限(セルフホスト)
SSO・外部連携(無料範囲)SSOを無料提供(連携アプリ数無制限)200以上のアプリにSSO(SAML/OIDC)無料は限定的なSSO連携既存IdP連携・ZTNA(無料枠に含む)×SSO(SAML/OIDC)はEnterpriseのみ×SSO/SAMLはエンタープライズのみ×SSOは法人Businessのみ400以上のSaaSにSSO(トライアルで評価)7,000超のアプリ連携(トライアルで評価)数千アプリに対応(トライアルで評価)SAML/OIDC SSO(トライアルで評価)OIDC・OAuth2・SAML2を標準搭載OIDC・SAML・LDAP等(OSS版で利用可)OIDC・SAML2・SCIM対応KerberosベースSSO(Linux/Unix中心)
多要素認証(無料範囲)×無料枠では有料オプション2段階認証・セキュリティキー無料プランにMFAを含むIdP側MFAと連携(独立MFAも提供)2段階ログインは可(組織向けDuo等は有料)MFA対応(OneAuth・OTP・パスキー)LastPass Authenticatorに対応パスキー(FIDO2)・生体・OTP(全プラン対応)MFA標準(アダプティブMFAは上位プラン)プッシュ・OTP・WebAuthn・アダプティブ認証OTP・FIDO(パスキー)・証明書認証パスキー・TOTP/HOTP対応TOTP・WebAuthn/パスキー(OSS版)パスキー(FIDO2)・OTP・U2F要確認
サポート(無料範囲)サポートは有償プラン中心コミュニティのみ(SLAなし)コミュニティ中心(有償で手厚い)コミュニティのみ(SLAなし)ヘルプセンター・コミュニティ日本語ナレッジ・窓口(有償で拡充)ヘルプセンター中心国産・日本語サポート日本法人・国内代理店あり代理店経由で日本語サポート国産・日本語サポート(平日10〜18時)コミュニティのみ(商用はRed Hat/NRI)コミュニティ(Discord)のみGitHubコミュニティ(有償で専任)コミュニティのみ(商用はRed Hat IdM)
提供形態クラウドクラウドクラウドクラウドクラウド/セルフホストクラウドクラウドクラウドクラウドクラウドクラウドセルフホストセルフホストセルフホスト/クラウドセルフホスト
有料プランの目安290〜500円/ID・月(最小30ID・税抜)Premium 月額$6〜/ユーザーパッケージ$9〜/ユーザー・月(USD・年払い)月額$7前後/ユーザー(Pay-as-you-go・要確認)Teams $4〜・Enterprise $6〜/ユーザー・月(年間)108〜860円/ユーザー・月(年間払い)Teams $4・Business $7/ユーザー・月(年払い)400〜600円/ユーザー・月(税抜)940円〜/ユーザー・月(年契約・最低24万円/年)要問い合わせ(代理店。海外参考$4〜/ユーザー)60〜600円/ユーザー・月(税抜・プランにより)OSSは無料(商用サポートは要問い合わせ)Enterprise $5/ユーザー・月〜(年間契約)クラウドPro 月額$100〜/Enterprise要問い合わせOSSは無料(商用はRed Hat IdM=RHEL)
詳細情報サービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※料金・無料枠の内容は2026年8月時点の各社公式情報に基づきます。通貨・税・支払条件は各社の公式表記に従うため、比較の際はご注意ください。最新の内容は各社公式サイトでご確認ください。

無料で使えるID管理システム15サービスの個別紹介

ここからは、無料で使える各サービスの特徴と、無料で使える範囲、どんな企業に向くかを個別に紹介します。3つの形態ごとに分けて取り上げます。

無料プランで継続利用できるサービス

まずは、ユーザー数などの範囲内であれば期限なく無料で使い続けられる、永年無料プランを持つサービスです。ここには性格の異なる2種類が含まれる点に注意してください。GMOトラスト・ログイン・Google Cloud Identity・JumpCloud・Cloudflare Zero Trustは、無料枠の中で管理者が社員のアカウントをまとめて発行・停止する一元管理まで無料で行えます。

一方、Bitwarden(無料は2ユーザーまで)・Zoho Vault・LastPassはパスワード管理ツールで、無料枠は個人利用が中心です。チームでの共有や管理者による統制には有料プランが必要になります。無料のままチームでID/アカウントを一元管理したい場合は前者、まず個人や少人数でパスワード共有から試したい場合は後者が目安です。

1. GMOトラスト・ログイン(GMOグローバルサイン株式会社)

GMOトラスト・ログインの公式サイト画面

GMOグローバルサイン株式会社が運営するクラウド型ID管理サービス(IDaaS)です。Google WorkspaceやMicrosoft 365、サイボウズ、Salesforceといった主要なSaaSへのシングルサインオン(SSO)と、ID・パスワードの一元管理をまとめて担います。

無料で使える基本プランではシングルサインオンを利用でき、連携できるアプリ数に上限はありません。多要素認証やアクセス制限、ID連携などは有料オプションや上位プランで追加する形です。無料で登録できるID数の上限といった範囲の詳細は、公式に確認しておくと安心です。

まずは費用をかけずSSOから始め、利用状況の可視化や退職者アカウントの自動停止といったSaaS管理機能へ後から広げたい企業に適した選択肢です。

2. Google Cloud Identity(グーグル合同会社)

Google Cloud Identityの公式サイト画面

Google Cloud Identityは、Google Workspaceのようなメールやドキュメント機能を含まず、ID管理とデバイス管理に特化した法人向けのIDaaSです。ユーザーやグループを一元管理し、SAML/OIDCベースのSSOで外部クラウドアプリへのログインを統合します。

永年無料のFree Editionは、標準で50ユーザーまでディレクトリ管理・SSO・2段階認証・基本的なデバイス管理を利用できます。50ユーザーを超える場合も、上限引き上げの申請が承認されれば追加分を無料で使えます。Context-Aware Accessや高度なデバイス管理、24時間365日サポートは有料のPremium Editionで提供されます。

メールやドキュメント機能は不要で、ID管理とSSOだけを無料で導入したい企業や、Google Cloud(GCP)を利用していて同じ管理画面でID基盤を一元化したい企業が主な対象です。

3. JumpCloud(JumpCloud, Inc.)

JumpCloudの公式サイト画面

JumpCloudは、クラウドディレクトリを中核に、SSO・多要素認証・デバイス管理(MDM)・パスワード管理までを1つのプラットフォームに統合した米国発のサービスです。Active Directoryを置かずに、Windows・Mac・Linuxを横断してユーザーIDを一元管理できます。

無料プランは最大10ユーザー・10デバイスまでで、基本的なディレクトリ、デバイス管理、限定的なSSO連携、多要素認証を利用できます。必要な機能は、Cloud DirectoryやSSO、パスワード管理などを1ユーザーあたり月額3〜6ドル(機能・支払条件により異なる)から個別に追加できます。

少人数のうちからID・デバイス管理をまとめて始めたい企業に向きます。国内に日本法人はなく、本体のサポートは英語が中心で、日本語での対応は株式会社アクトなどの正規代理店が担います。

4. Cloudflare Zero Trust(Cloudflare, Inc.)

Cloudflare Zero Trustの公式サイト画面

Cloudflare Zero Trustは、社内アプリやSaaSへのアクセスを、利用者の身元やデバイスの状態に応じて都度検証するZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)を中核とするサービスです。ID管理の面では、Microsoft Entra IDやOkta、Google Workspaceなど既存のID基盤を集約し、その手前でアクセスを制御する役割を担います。

無料プランは最大50ユーザーまでで、中核となるAccess(ZTNA)、DNSフィルタリングのGateway、WARPクライアントを利用できます。リモートブラウザ分離などの高度な機能や専用サポートは、有料のPay-as-you-goプランやEnterpriseプランで提供されます。

既存のIDプロバイダーを活かしつつ、VPNに代わるアクセス制御を無料で試したい小規模なチームやPoC(概念実証)用途に向きます。ID基盤を持たない場合は、メールにワンタイムPINを送るログイン方式も選べます。

5. Bitwarden(Bitwarden, Inc.)

Bitwardenの公式サイト画面

Bitwardenは、ソースコードをGitHubで公開しているオープンソースのパスワード管理ツールです。暗号化はエンドツーエンドのゼロ知識方式で、クラウド(SaaS)での利用に加え、Enterpriseプランでは自社サーバーへのセルフホストにも対応します。

法人向けには最大2ユーザー・2コレクションまで無料で使える組織向けプラン(Free organization)があり、2人までのチームでパスワードやログイン情報を共有できます。人数が増える場合は、SCIMプロビジョニングに対応するTeams(1ユーザー月額4ドル〜)や、SSO連携・セルフホストに対応するEnterprise(同6ドル〜、いずれも年間契約)へ広げます。

まず少人数でパスワード共有を無料で試し、必要に応じて有料プランへ広げたい企業や、オープンソースであることや自社での運用(セルフホスト)を重視する企業に向いています。

6. Zoho Vault(ゾーホージャパン株式会社)

Zoho Vaultの公式サイト画面

Zoho Vaultは、CRMやメールなどのビジネスアプリを展開するZohoが提供する法人向けパスワード管理ツールです。日本ではゾーホージャパン株式会社が販売・サポート・日本語化を担い、保管データをAES-256で暗号化するゼロ知識アーキテクチャに基づきます。

永久無料プランがあり、パスワードの保存数や利用端末数に上限はなく、自動入力やパスワード生成、セキュリティダッシュボードを使えます。ただしチーム共有は無料プランには含まれず、役割ベースの権限や監査レポートはスタンダード以上、SSOやAD/SAML連携はエンタープライズで提供されます。

まず個人単位でパスワード管理を無料で始め、組織での共有や統制は段階的に有料へ広げたい企業や、すでにZohoのビジネスアプリを使っていて同じベンダーで揃えたい企業に向きます。

7. LastPass(LastPass US LP)

LastPassの公式サイト画面

LastPassは、ブラウザ拡張機能やデスクトップ・モバイルアプリで動作するパスワード管理ツールで、2008年から提供されています。暗号化はデバイス側で行うゼロ知識方式を採用しています。

無料で継続利用できる個人向けのFreeプランがありますが、利用できるデバイスの種類が1つに限られ、共有フォルダによるチーム共有は使えません。組織でパスワードを共有・統制する場合は、共有フォルダや管理機能を備えるTeams、ポリシー管理・プロビジョニング・SSO/MFA連携・ダークウェブ監視まで含むBusinessといった有料プランが対象になります。

個人での無料利用から始めつつ、将来的に法人プランでの一元管理を見据える企業に向きます。なお2022年にはバックアップデータが流出するセキュリティインシデントが発生しており、選定時にはその後の対応状況も含めて確認しておくと安心です。

ここまでのBitwardenやZoho Vaultのように、SSOやアカウント統制まではまだ必要なく、まずはパスワードやログイン情報の保管・共有を無料で始めたいという場合は、法人向けのパスワード管理ツールに絞って比較する方が候補を選びやすくなります。共有範囲・監査ログ・SSO連携といった観点での比較は、以下の記事で解説しています。

無料トライアルで試してから導入できるサービス

続いて、有料製品の機能を一定期間だけ無料で試せるサービスです。本格導入を前提に、有料版の機能や自社環境との相性を導入前に確かめたい企業に向きます。

8. CloudGate UNO(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

CloudGate UNO の公式サイト

シングルサインオン・多要素認証・アクセス制限・ID管理を1つに統合した、株式会社インターナショナルシステムリサーチの国産IDaaSです。Google WorkspaceやMicrosoft 365など400以上のクラウドサービスとの連携に対応します。

パスキー(FIDO2)によるパスワードレス認証を全プラン・全ユーザーで無制限に使えるほか、IPアドレス・デバイス証明書・国や地域・時間帯によるアクセス制限を備えます。導入前に30日間の無料トライアルで機能を試せます。

本格導入時は、SSO・多要素認証・アクセス制限・ID管理を含む Standard Plus(月額400円/ユーザー、税込440円)が基本プランで、Active Directory連携を加えた Enterprise Plus(同500円、税込550円)などの上位プランも用意されています。

9. Okta(Okta Japan株式会社)

Okta の公式サイト

従業員や委託先など「働く人」のIDを管理するプラットフォームが、米Okta, Inc.のWorkforce Identity Cloudです。日本ではOkta Japan株式会社が窓口となり、SSO・多要素認証・ユーザーディレクトリを統合的に扱えます。

7,000を超える事前構築済みのアプリ連携(Okta Integration Network)を持ち、リスクに応じて認証を動的に変えるアダプティブ認証や、パスワードレスのOkta FastPassに対応します。アダプティブ認証はCore Essentials以上のプランに含まれます。

30日間の無料トライアルを購入義務なしで試せます。本格導入時はSSO・多要素認証を含むStarter(月額940円/ユーザー、年単位請求)から選べ、リスクベースの多要素認証を使う場合はCore Essentials(同2,020円)以上が対象で、最低契約額は年240,000円です。

10. OneLogin(One Identity LLC)

OneLogin の公式サイト

米One Identity LLC(旧OneLogin)が開発するOneLoginは、SSO・多要素認証・ディレクトリ連携を統合したクラウド型のID管理サービス(IDaaS)です。日本ではペンティオやNECソリューションイノベータなどの代理店を通じて販売・日本語サポートが提供されます。

認証方式はプッシュ通知型のOneLogin ProtectやWebAuthn、生体認証、サードパーティ認証器などに対応し、機械学習でログインのリスクを評価して認証を動的に変えるSmartFactor Authenticationを備えます。SAML・SCIM・RADIUS・LDAPに対応し、クラウドとオンプレミスが混在する環境も一元管理できます。

30日間の無料トライアルでは、ユーザー数・アプリ数・ディレクトリ連携を制限なく試せます。日本での料金は代理店ごとに異なるため、本格導入時の費用は問い合わせて確認する形になります。

SeciossLink の公式サイト

株式会社セシオスが開発・提供するSeciossLinkは、ID管理・シングルサインオン・多要素認証・アクセス制御を核とした国産のIDaaSです。開発から日本語サポートまで国内で完結します。

多要素認証はワンタイムパスワード、Windows HelloのFIDO認証(パスキー)、証明書認証などに対応します。大学・研究機関向けのEducationプラン(月額60円/ユーザー、税抜)や学認(GakuNin)への対応があり、東北大学・東洋大学など大規模教育機関への導入事例が公式に掲載されています。

無料トライアルは30日間・10ライセンス分で、Standardまたはゼロトラストライセンスから選んで試せ、申込後は10分前後で環境が発行されます。本格導入時は一般企業向けのStandardライセンス(月額150円/ユーザー、税抜)などから選べます。

オープンソースで自社構築できるサービス

最後に、ソフトウェア自体を無償で使えるオープンソースのサービスです。運用を自社で担える技術体制があり、ライセンス費用を抑えて自由に構築したい企業に向きます。

12. Keycloak(Keycloakプロジェクト/主要スポンサー Red Hat, Inc.)

Keycloakの公式サイト

Keycloakは、Apache License 2.0で公開されているオープンソースのID・アクセス管理ソフトウェアです。2023年4月にCloud Native Computing Foundation(CNCF)のインキュベーティングプロジェクトとなり、コミュニティ主導で開発されています。ライセンス費用はかからず、ダウンロードから商用利用まで無償で利用できます。

OpenID Connect・OAuth 2.0・SAML 2.0の3つの標準プロトコルを追加ライセンスなしで利用でき、シングルサインオン、多要素認証、外部IDプロバイダーとの連携、LDAP・Active Directoryとのユーザー連携などをそなえます。管理コンソールからユーザーやロールを一元管理でき、Kubernetes向けの公式Operatorも用意されています。

提供元がマネージドサービスを用意していないため、自社のサーバーやコンテナ環境に構築し、データベース連携・SSL証明書の設定・バージョンアップや脆弱性対応まで自社で担う前提です。国内ではNRI(野村総合研究所)や日立製作所が有償サポートや日本語ドキュメントを提供しており、運用できる技術者がいれば、商用のIDaaSでも使われる標準的な機能をライセンス費用なしで構築できます。

13. authentik(Authentik Security Inc.)

authentikの公式サイト

authentik(オーセンティック)は、Authentik Security Inc.が開発するオープンソースのIdP(アイデンティティプロバイダー)/SSOプラットフォームです。OSS版はMITライセンスで公開され、内部ユーザー数の制限なく無償で使えます。クラウド型のSaaS版はなく、自社インフラへのセルフホストが前提です。

OIDC/OAuth2・SAML2・LDAP・RADIUS・SCIM・Kerberosといった主要プロトコルに対応し、TOTPやWebAuthn(パスキー)による多要素認証、ユーザー属性や時間・場所に応じた条件付きアクセスもOSS版の範囲で利用できます。デプロイはDocker Compose・Kubernetes・Terraformに対応します。

運用にはPostgreSQLとRedisを含むインフラの構築・冗長化・バージョンアップを自社で担う必要があり、OSS版の公式サポートはコミュニティDiscordに限られます。SLA付きサポートやMicrosoft Entra ID・Google Workspace連携などが必要な場合は、有償のEnterprise版(内部ユーザー1人あたり月額5ドル〜、年間契約)が用意されています。

14. ZITADEL(CAOS Ltd.)

ZITADELの公式サイト

ZITADEL(ジタデル)は、スイスのCAOS Ltd.が開発するオープンソースのID基盤です。Go言語とPostgreSQLで構築され、無償のセルフホスト版とフルマネージドのZITADEL Cloudを同一コードベースで提供します。セルフホスト版はライセンス費用がかからず、ユーザー数・組織数の制限なく使えます。

セルフホスト版のライセンスは、2025年3月のv3以降、Apache 2.0からコピーレフトのAGPL-3.0に変更されました。改変版をSaaSとして外部提供する場合は改変部分の公開義務が生じますが、改変を外部に提供しない自社利用の範囲であればこの義務は生じません。

OpenID Connect・SAML 2.0・SCIM 2.0・FIDO2/WebAuthnに対応し、組織単位のマルチテナント構造を標準でそなえます。

セルフホスト版はPostgreSQL 14以上を自社で用意して構築・運用する前提で、公式SLAはなくGitHubコミュニティでのサポートとなります。インフラ運用を避けたい場合は、100 DAU(日次アクティブユーザー)まで無料のZITADEL Cloudも選べます。

15. FreeIPA(FreeIPAプロジェクト/Red Hat・Fedora Project)

FreeIPAの公式サイト

FreeIPA(フリーアイピーエー)は、Linux/Unix系サーバーのユーザーとホストを一元管理するためのオープンソースの統合ID管理システムです。名称の「IPA」はIdentity, Policy, Audit(識別・ポリシー・監査)を表します。ライセンス費用はかからず、ソースコードを入手して自社サーバーに構築する前提のソフトウェアです。

389 Directory Server(LDAP)、MIT Kerberos、証明書局のDogtag、DNSといったコンポーネントを1つのスイートに統合し、Web UIとコマンドラインから一元管理できます。Kerberosベースのシングルサインオン、ホストベースアクセス制御、sudo権限の集中管理、Active Directoryとのクロスフォレストトラストによる連携などに対応します。

開発基盤はRed Hat, Inc.とFedora Projectが支えており、商用サポートが必要な場合はRHELに含まれるRed Hat Identity Managementへ移る選択肢があります。

FreeIPA自体はコミュニティサポート(メーリングリスト・IRC)のみで、サーバー構築・冗長化・パッチ適用・障害対応は自社で担います。サーバーはFedora/RHEL系での動作が前提となる点にも注意が必要です。

無料のID管理システムの選び方

ここからは、無料の候補を自社に合わせて絞り込むための確認ポイントを整理します。無料であることに加え、必要な機能を満たせるか、将来の拡張に耐えるか、運用できる体制があるかを見ていきます。

無料の範囲で必要な機能とユーザー数を満たせるか

最初に確認したいのは、自社で使いたい機能と人数が無料の範囲に収まるかです。永年無料プランはユーザー数に上限があり、上限を超えると有料に切り替わります。SSOで連携したいサービスの数や、必要な多要素認証の方式が無料の範囲に含まれるかも合わせて確認すると、導入後に「使いたい機能が有料だった」という食い違いを防げます。

将来の全社展開やSSO拡張に耐えられるか

無料で小さく始めても、利用者や連携サービスが増えれば有料プランや上位製品への移行が視野に入ります。そのとき同じ製品の有料プランへスムーズに広げられるか、上位プランでどこまで機能が伸びるかを事前に見ておくと、乗り換えの手戻りを避けられます。今の規模だけでなく、1〜2年後の使い方を想定して選ぶことが大切です。

オープンソースの場合、運用できる体制があるか

オープンソースを選ぶ場合は、構築と運用を担える技術者が社内にいるかが分かれ目です。サーバーの用意、初期構築、アップデート、障害対応までを自社で継続できる体制がないと、ライセンスが無料でも運用が回らなくなります。専任の担当を置けない場合は、クラウドで提供される無料プランや無料トライアルのほうが現実的な選択肢になります。

提供元の信頼性とサポートの範囲を確認できるか

ID管理は認証の土台となるため、提供元の実績やセキュリティ認証(ISO/IEC 27001など)の取得状況、サービスの継続性を確認しておくと安心です。無料の範囲ではサポートがコミュニティやヘルプ記事に限られることが多いため、トラブル時にどこまで自力で対応する必要があるかも把握しておきます。日本語でのサポートや管理画面の日本語対応が必要な場合は、その点も選定の条件になります。

無料から有料への移行を判断するポイント

無料で使い始めた後、どのタイミングで有料に切り替えるかは多くの担当者が迷う点です。ここでは、移行を判断する目安と、切り替え時に確認しておきたいことを整理します。

移行を考える最も分かりやすいきっかけは、無料枠のユーザー数上限に近づいたときです。人数が増えて上限を超えると、そのまま同じ製品の有料プランへ移るのが自然な流れになります。加えて、無料では使えない高度な多要素認証や細かなアクセス制御、長期の監査ログ保持が必要になった段階も、有料を検討する目安です。

切り替え時に確認したいのが、データや設定の引き継ぎです。無料プランで登録したアカウントや連携設定を有料プランへそのまま引き継げるか、オープンソースから商用製品へ移る場合は移行の手間がどの程度かを見ておくと、乗り換えの負担を見積もれます。特定の製品に深く合わせ込むほど他への乗り換えは重くなるため、最初の段階で標準的なプロトコルに対応しているかを確認しておくと、選択肢を残せます。

社内で有料化の承認を得る際は、無料で試して見えた効果を具体的に示すと説得力が増します。退職者アカウントの停止にかかっていた時間がどれだけ減ったか、棚卸しの手間がどう変わったかといった実績を、無料期間のうちに記録しておくと、費用に見合う効果を数字で説明しやすくなります。無料で試す、効果を示す、有料へ広げるという順序で進めると、無理のない導入につながります。

有料への切り替えでどの程度の効果が見込めるかは、実際に導入した企業の事例も判断の材料になります。パスワード関連の運用負荷の変化について、次のような声があります。

平澤氏
株式会社インターナショナルシステムリサーチ 営業本部マーケティング部
平澤氏
独自インタビューより

導入と同時にパスワードレス認証に切り替えた企業では、IT部門の業務の約20%を占めていたパスワード関連のヘルプデスク業務が「0%」になったという事例があります。

まとめ

無料で使えるID管理システムは、永年無料プラン・無料トライアル・オープンソースの3つの形態に分かれ、無料で使える範囲や運用の担い手が異なります。小規模で手軽に始めたいなら永年無料プラン、有料導入を前提に試すなら無料トライアル、運用体制があり自由度を重視するならオープンソースが向きます。

無料でも退職者アカウントの削除漏れや棚卸しの属人化といった課題は解消できますが、ユーザー数や監査ログ、サポートには制限があります。自社の規模と必要な機能を無料の範囲と照らし合わせ、将来の拡張まで見据えて選ぶことが、無理のないID管理につながります。まずは比較表と診断ツールで、自社に合う無料の候補を絞り込んでみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. ID管理システム(IDaaS)とは何ですか?

A. ID管理システムとは、社員が業務で使う複数のサービスのアカウント(ID)を一元管理し、認証やアクセス権をまとめて統制するツールです。クラウド型で提供されるものはIDaaS(Identity as a Service)とも呼ばれ、シングルサインオン(SSO)、多要素認証、入社・退職に合わせたアカウントの発行・停止などを担います。

Q. 無料のID管理システムは、無料プラン・無料トライアル・オープンソースで何が違いますか?

A. 無料のID管理システムは、永年無料で使い続けられる「無料プラン」、一定期間だけ試せる「無料トライアル」、ライセンス費用をかけずに自社構築する「オープンソース」の3つに分かれます。無料プランはユーザー数などに上限がある範囲で継続利用でき、無料トライアルは期間を過ぎると契約しない限り停止し、オープンソースはライセンスが無料でもサーバー構築・運用を自社で担う点が異なります。

Q. 無料のID管理システムは、無料でどこまで使えますか?

A. 無料のID管理システムは、SSOや基本的なユーザー管理、多要素認証といった中核機能を無料の範囲でも使えるものが多い一方、ユーザー数の上限や連携できるサービス数、監査ログの保持期間、サポートに制限があります

たとえば無料プランでは登録できるユーザー数が数十人程度までに制限されることが多く、電話やメールでの個別サポートやSLA(サービス品質保証)は有料プランで提供されるのが一般的です。製品ごとの具体的な範囲は本記事の比較表で確認できます。

Q. 無料のID管理システムでもセキュリティは大丈夫ですか?

A. 無料のID管理システムでも、SSOや多要素認証、通信・保管データの暗号化といった基本的なセキュリティ機能は無料の範囲で使えるものが多く、適切に設定すれば安全に運用できます。ただし高度なアクセス制御や長期の監査ログ保持は有料になることが多いため、提供元の実績やISO/IEC 27001などの認証取得状況とあわせて、自社に必要なセキュリティ要件を無料の範囲が満たせるかを確認しておくと安心です。

Q. 個人向けのパスワード管理ソフトと法人向けのID管理システムは何が違いますか?

A. 個人向けパスワード管理ソフトはひとりの利用者が自分のパスワードを保管するもので、法人向けのID管理システムは管理者が社員全員のアカウントをまとめて発行・停止し、退職者のアクセスを一括で止められる点が異なります。

検索すると両者が混ざって出てきますが、組織としてIDを統制したい場合は、管理者コンソールを備え、SSOやアカウントの自動発行に対応した法人向けのID管理システム・IDaaSを選ぶ必要があります。

Q. 無料のID管理システムで、退職者アカウントの削除や棚卸しはできますか?

A. 無料のID管理システムでも、IDを一元管理していれば退職・異動のタイミングで管理画面からアカウントを停止でき、誰がどのサービスを使えるかの棚卸しも行えます。サービスごとに個別で解約手続きをしていた状態と比べ、消し忘れによる不正アクセスのリスクを下げられます。

ただし無料の範囲では監査ログの保持期間が短かったり自動連携できるサービス数に上限があったりするため、全社的に厳密な統制や長期の証跡保管が必要な段階では有料プランの検討が必要です。

Q. 無料から有料へは、どのタイミングで切り替えるべきですか?

A. 無料から有料への切り替えは、無料枠のユーザー数上限に近づいたときや、高度な多要素認証・細かなアクセス制御・長期の監査ログ保持が必要になったときが目安です。費用は製品により幅がありますが、クラウド型IDaaSはおおむね1ユーザーあたり月額数百円から、機能が充実した上位プランで千円台からが中心です。無料で試して効果を具体的に示してから有料へ広げる順序で進めると、社内の承認も得やすくなります。

Q. Microsoft Entra ID(旧Azure AD)の無料版は使えますか?

A. 使えます。Microsoft Entra ID(旧Azure Active Directory)には無料エディションがあり、Microsoft 365 を契約していれば付帯して利用でき、シングルサインオンや基本的な多要素認証、ユーザー・グループ管理を無料の範囲で行えます。条件付きアクセスなどの高度な統制は有料エディション(Microsoft Entra ID P1/P2)が対象です。

すでに Microsoft 365 を使っている企業では、Entra ID の無料枠も有力な選択肢になります。有料版も含めた全体像は、ID管理システム・IDaaS全体の比較をあわせてご確認ください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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