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自治体のSMS活用法|納税催告・防災・健診など業務別の使い方と選び方を解説

自治体のSMS活用法のサムネイル画像

住民税や水道料金の督促で電話をかけてもつながらない、郵送で催告状を送っても反応が薄い。案内や通知のたびに、抽出・印刷・郵送に多くの人手と費用がかかっていないでしょうか。

こうした課題の解決策として、多くの自治体がSMS(ショートメッセージ)による住民連絡を取り入れています。SMSは携帯電話番号だけで届き、アプリの登録も不要です。総務省「令和8年版 情報通信白書」によると、スマートフォンの世帯保有率は2025年で91.8%に達しており、住民の多くが日常的に使う端末へ直接届く連絡手段として広がっています。

出典・参考資料(1件)

本記事では、自治体がSMSを納税催告・健診案内・防災連絡などの業務でどう活用しているかを業務別に整理し、実際の導入事例と効果、そして役所ならではの導入要件(LGWAN対応・個人情報保護・なりすまし対策など)とサービスの選び方まで解説します。自庁で導入すべきか、どの業務から始めるかを判断する材料としてお役立てください。

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自治体でのSMSの主な活用シーン(業務別)

はじめに、自治体・役所がSMSを実際にどの業務で使っているかを業務別に整理します。自分の課の業務に当てはめて、どんな内容をどのタイミングで送れるかをイメージする手がかりにしてください。

業務分野送る内容の例送るタイミング期待できる効果
納税・公共料金の催告/収納住民税・国民健康保険料・水道料金などの納付案内、滞納者への催告納期限の前後、督促のタイミング電話・郵送より反応を得やすく、自主納付を促す。督促にかかる工数を削減
健診・予防接種の案内健康診断・がん検診の受診勧奨、予防接種やアンケートの案内受診期間の開始前、締切前のリマインド郵送費・印刷費を抑えつつ、受診率向上や回答回収につなげる
防災・避難の緊急連絡避難情報、災害時の安否確認、給水・復旧情報災害発生時・警戒レベル上昇時屋内でも届き、アプリ登録が不要なため、緊急情報を即時に伝えられる
子育て・高齢者支援交付金・手当の決定通知、面談やイベントのリマインド手続き期間中、対象者への個別連絡時対象者に確実に届き、問い合わせ対応や再送の手間を減らす
証明書交付・窓口手続きの通知証明書の交付準備完了、書類の不備連絡、来庁予約のリマインド準備が整った時点、来庁予定の前日など来庁忘れや二度手間を防ぎ、窓口業務を平準化する

いずれの業務も、共通するのは「相手に確実に届き、すぐに読んでもらいたい連絡」である点です。次章では、これらの活用で実際にどんな効果が出たのかを、自治体の導入事例で確認します。

SMS導入で自治体が得られる効果(自治体の事例と数字)

ここからは、SMSを導入した自治体で得られた効果を、実際の事例とともに紹介します。数字はいずれも各サービス提供事業者が公表した導入事例(自治体職員へのインタビュー)に基づくもので、自治体自身の公表資料ではない点に留意してご覧ください。

納税催告:豊島区

豊島区税務課の事例では、従来の手段では連絡が取りづらかった滞納者にSMSで催告を配信したところ、反応が得られたと報告されています。担当者は導入事例のインタビューで次のように述べています。

従来の手段では連絡が取りづらかった滞納者(1,009人)に対してSMS配信を行ったところ、その後1ヶ月で159人から反応があったんです。最終的に自主的に納付をされた人数は261人、収納金額は8,715,203円に上りました。

出典:絶対リーチ!SMS 導入事例「豊島区役所様」|AI CROSS株式会社(2018年4月取材)

個人名は記載せず「税に関するお知らせ」という文面にするなど、個人情報の取り扱いにも配慮した運用が語られています。督促のように相手が受け取りを避けがちな連絡でも、SMSであれば一定の反応を引き出せることを示す事例です。

水道料金の督促:大府市

愛知県大府市では、水道料金の長期滞納者に対して、文書と電話で行っていた督促にSMSを加えました。ある導入事例によると、次の効果が報告されています。

水道料金の長期滞納者に対して、文書と電話で行っていた督促業務に新たにSMSを導入。納付率を下げることなく電話督促に係る工数を約6割削減し、業務効率化に繋がった。

出典:KDDI Message Cast 導入事例(大府市)

電話や文書だけでは接触が難しかった滞納者にもSMSで連絡でき、納付率を下げずに督促の工数を抑えられた点が、この事例の要点です。公共料金の収納業務でも、SMSを既存の手段に加える形で効率化が図れることを示しています。

子育て世帯への案内:刈谷市

愛知県刈谷市では、妊婦向けアンケートの郵送をSMSに切り替えました。ある導入事例では、母子保健を担当する職員が効果を次のように説明しています。

直接的な郵送料はもちろん、封筒の印刷費用なども含めると、30%ほどのコスト削減に成功しました。(中略)郵送の頃はおよそ1週間かけて準備をしていましたが、今は1日で全ての作業を終えることもあります。

出典:Cuenote SMS 導入事例「刈谷市役所様」|ユミルリンク株式会社

コストだけでなく、準備にかかる事務時間が大きく短縮された点が、繰り返し発生する案内業務では効果として大きいと語られています。

交付金の決定通知:貝塚市

大阪府貝塚市では、出産・子育て応援交付金の交付決定通知をSMSでも行えるよう、要綱・要領を整備したうえで運用しています。健康推進課の職員は取材に対して、次のように述べています。

令和5年4月時点で、約1,100件の交付決定をSMSにて通知しました。(中略)郵送でお知らせする方法と比べると、市の作業工数は半分以下になりました。

出典:ジチタイワークス 取材記事(貝塚市 健康福祉部健康推進課、2023年6月)

通知業務にSMSを組み込むには、根拠となる要綱・要領の整備が前提になる点も、この事例から読み取れます。

ここで挙げた事例は、催告・収納や案内・通知の分野に集中しています。防災・避難の緊急連絡でもSMSは屋内に届きやすく即時性が高いという特性から活用が広がっていますが、効果を数値で公表した導入事例は、催告・収納の分野に比べると多くありません。防災用途で検討する場合は、平常時のテスト配信の運用や、既存の防災無線・アプリとの併用を前提に効果を見込むとよいでしょう。

出典・参考資料(4件)

役所ならではのSMS導入で押さえる要件・注意点

自治体のSMS活用は、民間企業とは前提が異なります。ここでは庁内側で確認・整備しておくべきことを、送信の準備から送信後までの流れに沿って整理します。サービスに求める条件は次章の「選び方」で扱うため、本章は自庁のネットワークや制度・運用の観点に絞ります。

LGWANに対応させる必要があるか

自治体のネットワークは、扱う情報の機密性に応じて分離されています。総務省の資料では、LGWAN(総合行政ネットワーク)を次のように定義しています。

LGWAN(総合行政ネットワーク)は、地方公共団体間や地方公共団体と政府機関間の通信を行うための、インターネットから分離された行政専用ネットワーク。

出典:総務省自治行政局「自治体の情報システムについて」(令和3年6月30日)

自治体の情報システムは「マイナンバー利用事務系」「LGWAN接続系」「インターネット接続系」の三層に分離されており、LGWAN接続系の端末からインターネットへ直接出ることはできません。

そのため、庁内のLGWAN環境から住民へSMSを送るには、LGWAN上で提供されるサービス(LGWAN-ASP)に対応したSMS送信サービスが必要です。LGWAN対応版は通常のインターネット経由の送信とは接続経路が異なり、LGWAN-ASPとしての申し込みが別途必要になったり、料金が通常版と異なったりする場合があります。

一方で、インターネット接続系の端末から運用する方法もあり、どの端末・どのネットワークから送るのかによって選ぶべきサービスや手続きが変わります。まずは自庁の運用体制を情報システム担当と整理し、対応版の要否や費用を各サービスに確認しましょう。

出典・参考資料(1件)

個人情報保護のルールを満たしているか

住民の携帯電話番号は個人情報です。自治体が住民にSMSを送ること自体は、目的や内容が適切であれば問題ありませんが、番号は取得時の利用目的の範囲内で使う必要があります。個人情報の保護に関する法律 第69条は、次のように定めています。

行政機関の長等は、法令に基づく場合を除き、利用目的以外の目的のために保有個人情報を自ら利用し、又は提供してはならない。

出典:個人情報の保護に関する法律 第69条第1項|e-Gov法令検索

2023年4月からは、自治体の個人情報保護制度も国の法律に共通ルール化され、個人情報保護委員会が官民・国・地方を一元的に所管しています。庁内では、SMS送信が既存の利用目的の範囲に収まるか、あるいは要綱・要領の整備が必要かを、個人情報保護の担当部署と早めに確認しておくと安心です。

出典・参考資料(2件)

送信対象の番号を正しく管理できるか

SMSは携帯電話番号を宛先に送るため、送信対象の抽出と番号の管理が運用の要になります。転居や番号変更で情報が古くなると届かず、抽出条件や宛先の取り違えは誤送信につながります。対象者を業務システムから正確に抽出できるか、複数人でのチェックやテスト配信、誤送信を防ぐ仕組みがあるかを、運用フローとあわせて確認しましょう。

送達確認・未達を把握できるか

送った情報が「誰に届き、誰に届かなかったか」を把握できると、督促や案内の次の一手を打ちやすくなります。携帯電話を持っていない住民や、番号が登録・更新されていないケースでは届かないため、SMSだけに頼らず郵送や電話と併用する設計も必要です。配信結果(到達・未達)のレポート機能があるか、未達分をどうフォローするかを検討しておきましょう。

なりすましを防ぎ「本物」と信じてもらえるか

近年は自治体をかたる詐欺SMSも出回っており、住民が「役場からのSMSは本物か」と警戒することがあります。実際に、送信を始める前に「役場からのSMSは本物である」旨を住民へ周知する自治体もあります。

住民の画面での見え方も、本物と信じてもらううえで大切です。サービスによっては、数字の電話番号ではなく自治体名などの発信者名(送信元表示名)で届いたり、キャリアの認証を受けた共通の送信元番号やロゴ付きの公式アカウントとして表示されたりします。こうした発信元が自治体だと分かる工夫と、事前の広報・公式サイトでの周知を組み合わせることが、なりすまし対策として重要です。

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自治体向けSMS送信サービスの選び方

ここからは、前章で整理した庁内側の要件を踏まえて、サービス側に求める条件を確認する観点を整理します。前章と重なるLGWANや送達確認も、ここでは「各サービスがどこまで対応しているかを比べる」視点で見ます。1つのサービスに決め打ちする前に、次の観点で複数社を比べると、自庁の運用に合うサービスを見極めやすくなります。

自治体・官公庁での導入実績があるか

自治体での導入実績は、業務要件やセキュリティ要件への対応経験の裏づけになります。どの自治体でどんな業務に使われたか、公表事例があるかを確認しましょう。担当者が毎年替わる庁内でも運用しやすいよう、導入時の支援や運用ノウハウの提供があるかもあわせて見ておくとよいでしょう。

LGWAN対応やセキュリティ認証を満たしているか

庁内のLGWAN環境から送るなら、LGWAN対応版(LGWAN-ASP)を提供しているかが必須の確認事項です。あわせて、情報セキュリティマネジメントの国際規格であるISMS(ISO/IEC 27001)やプライバシーマークといった第三者認証の取得状況も、個人情報を扱ううえでの判断材料になります。認証の有無はサービスによって公式の記載が異なるため、比較検討時に公式資料で確認しましょう。

大量送信や繁忙期の安定性に耐えられるか

納期限前の催告や災害時の緊急連絡では、短時間に大量のSMSを送る場面があります。一斉配信に対応した処理能力や、繁忙期でも安定して送れる配信基盤かを確認しましょう。国内キャリアと直接接続(直収)しているサービスは、間に別の事業者を挟まずに送るため、中継を経由する方式より到達率が高くなりやすく、確実に届けたい自治体の用途に向いています。

送達確認や双方向など必要な機能がそろっているか

配信結果のレポート、予約配信、長文送信、住民からの返信を受ける双方向SMS、業務システムと連携するAPIなど、必要な機能は業務によって異なります。督促なら送達確認と返信受付、案内なら予約配信とテンプレートといったように、自庁の使い方に必要な機能がそろっているかを洗い出して照合しましょう。

費用の目安と料金体系が運用に合うか

SMS送信サービスの料金は、初期費用と1通あたりの従量課金で構成されることが多く、月額基本料の有無や送信量に応じた単価はサービスごとに異なります。目安として、封書やはがきの郵送では1通あたり数十円の切手代に印刷・封入の手間が加わるのに対し、SMSは1通あたり数円から十数円程度とされ、送る件数が多い業務ほどコスト差が大きくなります。

想定する送信件数をもとに年間の費用を試算し、予算や決裁の枠に収まるかを確認しましょう。単価はプランや送信量で変わり、料金を公開していないサービスもあるため、正確な費用は複数社の資料を取り寄せて比較すると判断しやすくなります。

自治体向けSMS送信サービスの比較と個別紹介

ここでは、LGWAN対応や自治体での導入実績など、自治体の要件に合うSMS送信サービスを比較します。まず一覧で全体像をつかみ、そのあと各サービスの特徴を個別に紹介します。認証や料金など公式に記載のない項目は、各社の資料で確認することをおすすめします。

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サービス名オーロラSMS by メディアSMSKDDI Message CastSMSLINKアクリートSMS(SMSコネクト)空電プッシュCuenote SMSSMAPS絶対リーチ!SMSジチタイSMS
LGWAN対応要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
セキュリティ認証(ISMS・Pマーク)ISMS(ISO/IEC 27001)・27017
Pマーク(本体保有)
要問い合わせ
(サービス単位の明示なし)
Pマーク保有(本体)
ISMSは公式に記載なし
ISMS(ISO/IEC 27001)・27017
Pマーク(本体保有)
要問い合わせ
(FISC安全対策基準に準拠)
ISMS(ISO/IEC 27001)・27017
Pマーク(本体保有)
ISMS(ISO/IEC 27001)取得(本体)
Pマークは公式に記載なし
ISMS(ISO/IEC 27001)・Pマークを取得要問い合わせ
(公式に記載なし)
自治体導入実績あり
(行政機関に導入・自治体を含む)
あり
(大府市の水道料金督促ほか)
あり
(導入業種に自治体を含む)
公式に記載なしあり
(伊丹市の市税徴収ほか)
あり
(刈谷市の妊婦向けアンケートほか)
あり
(湖西市水道課ほか公式事例)
あり
(豊島区の税催告ほか)
全国140以上の自治体
(2024年12月末時点)
主な特徴国内4キャリア直収の高到達率
LGWAN対応版・長文/双方向に対応
共通番号「0005」と認証済み公式アカウントでなりすまし対策
RCS配信にも対応
国内キャリア直収の高到達率
自治体向けの活用事例を発信
国内4キャリア直収・到達率99.9%
本人認証(SMS・IVR)に強み
NTTグループ・国内法人SMSでシェア上位
API送信・LGWAN連携で督促に強み
国内4キャリア直収・到達率99.9%
部門ごとに独立した領域で個人情報を管理
新事業特例制度の認定でSMS債権譲渡通知に法的効力
催告・収納に強み
国内全キャリア直収の高到達率
RCS版と同一基盤・未対応端末はSMSへ自動切替
自治体専用設計・LGWAN経由で送信
他人接続判定・送達確認・双方向SMS
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

自治体向けに絞らず、SMS送信サービス全体を料金相場・到達率・用途別(認証・督促・販促)の観点で比較したい場合は、以下の記事で主要サービスを詳しく解説しています。庁内の比較検討で選択肢を広げたいときにご活用ください。

オーロラSMS by メディアSMS(株式会社メディア4u)

オーロラSMS by メディアSMSのウェブサイト

オーロラSMSは、国内主要キャリアとの直接接続による高い到達率を強みとする法人向けSMS配信サービスです。自治体向けには「オーロラSMS for LGWAN」を提供し、LGWAN環境からの送信に対応しています。

ISMS(ISO/IEC 27001)やプライバシーマークを取得し、金融機関や行政機関での導入実績を持つため、セキュリティ要件を重視する自治体が検討しやすいサービスです。長文送信や双方向SMS、承認フローなどの運用機能もそろっています。

KDDI Message Cast(KDDI株式会社・Supership株式会社)

KDDI Message Castのウェブサイト

KDDI Message Castは、KDDIの国内キャリア網への接続を背景に、高い到達率を訴求する法人向けメッセージ配信サービスです。共通番号「0005」やキャリア認証を受けた公式アカウントを通じて配信できるため、住民に「本物」と信じてもらうためのなりすまし対策に強みがあります。

前章で紹介した大府市の水道料金督促のように、自治体での催告・収納業務での活用事例も公表されています。SMSに加えて、携帯電話番号あてに画像やボタンを送れるRCS(リッチコミュニケーションサービス)配信にも対応します。

SMSLINK(株式会社ネクスウェイ)

SMSLINKのウェブサイト

SMSLINKは、TISインテックグループの株式会社ネクスウェイが提供するSMS配信サービスです。国内キャリアへの直接接続による高い到達率を持ち、導入業種に自治体を含みます。公式サイトでは自治体向けのSMS活用事例やノウハウを発信しており、自治体での利用イメージをつかみやすいのが特徴です。プライバシーマークを取得しているほか、認証コード送信などのオプション機能も提供しています。

アクリートSMS(株式会社アクリート)

アクリートSMSのウェブサイト

アクリートSMSは、一方向SMSの「SMSコネクト」を中核に、双方向SMSやIVR(音声自動応答)認証などをそろえた法人向けSMSサービスです。公式ラインナップに「SMSコネクト for LGWAN」を掲げ、LGWAN環境での利用に対応しています。国内主要4キャリアとの直接接続で到達率を訴求し、ISMSやプライバシーマークも取得しているため、自治体の要件を満たしやすいサービスです。

空電プッシュ(NTTドコモビジネスX株式会社)

空電プッシュのウェブサイト

空電プッシュは、NTTドコモビジネスX株式会社(NTTグループ)が提供するSMS送信サービスです。事業者から個人へ一斉送信するSMS(A2P-SMS)の国内法人市場で、売上シェア1位を公表しています(デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ)。

Web管理画面からの送信に加え、業務システムと連携するAPI送信に対応し、行政専用ネットワークとの連携(LGWAN対応)も用意されています。督促や通知など、確実に届けたい自治体の連絡業務に向いたサービスです。

Cuenote SMS(ユミルリンク株式会社)

Cuenote SMSのウェブサイト

Cuenote SMSは、メール配信でも実績のあるユミルリンク株式会社が提供するSMS配信サービスです。国内4キャリアへの直接接続と高い到達率を強みとし、自治体向けには「Cuenote SMS for LGWAN」を提供しています。

前章で紹介した刈谷市の妊婦向けアンケートのように、部門ごとに独立した作業領域で個人情報を管理しながら配信できる設計で、健診・子育て支援などの案内業務での活用実績があります。

SMAPS(リンクスコーポレーション株式会社)

SMAPSのウェブサイト

SMAPSは、リンクスコーポレーション株式会社が提供するSMS配信サービスで、対応業種に自治体を明示しています。産業競争力強化法に基づく新事業特例制度の認定(経済産業省)を受け、SMSでの債権譲渡通知に法的効力を持たせられる点が特徴です。ISMSを取得し、湖西市水道課など自治体の公式導入事例もあるため、税や公共料金の督促での活用を具体的に検討しやすいサービスです。

絶対リーチ!SMS(AI CROSS株式会社)

絶対リーチ!SMSのウェブサイト

絶対リーチ!SMSは、AI CROSS株式会社が提供するSMS配信サービスで、前章で紹介した豊島区の税催告事例のように、自治体の納付催告・収納業務での活用実績があります。国内全キャリアとの直接接続による高い到達率を訴求し、ISMSやプライバシーマークを取得しています。RCS版とも同一プラットフォームで管理でき、未対応端末には自動でSMSに切り替えて送信します。

ジチタイSMS(株式会社ジチタイワークス)

ジチタイSMSのウェブサイト

ジチタイSMSは、自治体向けメディアを運営する株式会社ジチタイワークスが提供する、自治体専用に設計されたSMS送信サービスです。税の滞納催告・健康診断案内・災害時の避難情報伝達など、住民向け通知業務での活用を想定しています。

行政専用ネットワークLGWAN経由での利用に対応し、外部インターネットサーバーを介さずに送信できる点を自治体向けの特徴として掲げています。料金や認証の詳細は非公開のため、導入検討時は個別の問い合わせで確認するとよいでしょう。

自治体がSMSを導入する進め方(スモールスタート)

最後に、自治体がSMSを導入する際の進め方を整理します。いきなり全業務に広げるのではなく、1つの業務から小さく始めるのが現実的です。

まず、効果が見えやすい業務を1つ選びます。納税催告や健診の受診勧奨のように、反応率やコスト削減が数字で表れやすく、対象者を抽出しやすい業務が向いています。次に、その業務で扱う個人情報の利用目的にSMS送信が収まるか、要綱・要領の整備が必要かを、個人情報保護の担当部署と確認しましょう。

あわせて、庁内のどのネットワークから送るか(LGWAN対応が必要か)を情報システム担当と整理し、条件に合うサービスの資料を複数取り寄せて比較しましょう。

納税催告など督促業務から始める場合は、SMSでの督促の具体的な送り方や、そのまま使える文面例、詐欺SMSと誤認されないための注意点を、以下の記事でまとめて解説しています。文面づくりや運用ルールを検討する際の参考にしてください。

その後は、テスト配信で文面や送達を確認したうえで小規模に運用を開始し、反応率や工数削減の効果を測りながら対象業務を広げていく流れが取り組みやすいでしょう。上司や関係部署への説明では、他自治体の導入事例と数字が合意形成の材料になります。

まとめ

自治体のSMS活用は、納税催告・健診案内・防災連絡・各種通知など、住民に確実に届けたい業務で広がっています。到達率の高さと郵送費・人件費の削減が主な効果で、豊島区・大府市・刈谷市・貝塚市などの事例では、反応率の向上や工数の削減が報告されています。

導入にあたっては、LGWAN対応の要否、個人情報保護のルール、送信対象の管理、送達確認、なりすまし対策という、役所ならではの要件を押さえることが欠かせません。まずは効果の見えやすい1業務から小さく始め、複数のサービスを比較しながら自庁に合う形を探していくとよいでしょう。各社の資料は、料金や機能をまとめて比較する出発点になります。

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よくある質問(FAQ)

Q. 自治体のSMS活用とは何ですか?

A. 自治体のSMS活用とは、住民の携帯電話番号あてにショートメッセージ(SMS)を送り、納税催告・健診案内・防災連絡などの通知業務を行う取り組みです。アプリの登録が不要で携帯電話番号だけで届くため、郵送や電話に比べて低コストかつ確実に住民へ連絡できる手段として、多くの自治体が導入しています。

Q. 自治体が住民にSMSを送るのは法律上問題ないですか?

A. 自治体が住民にSMSを送ること自体は、利用目的や内容が適切であれば問題ありません。ただし、住民の携帯電話番号は個人情報であり、個人情報の保護に関する法律により、取得時の利用目的の範囲内で使う必要があります。SMS送信が既存の利用目的の範囲に収まるか、要綱・要領の整備が必要かを、事前に個人情報保護の担当部署と確認しておくと安心です。

Q. 自治体からのSMSは住民全員に届きますか?

A. 自治体からのSMSは、自治体が把握している携帯電話番号あてに届く仕組みのため、住民全員に必ず届くわけではありません。携帯電話を持っていない住民や、番号を登録・更新していない住民、転居や番号変更で情報が古くなっている住民には届きません。SMSだけに頼らず、郵送や電話と併用して届かない層をフォローする設計が必要です。

Q. 自治体からのSMSは高齢者やガラケーの住民にも届きますか?

A. 自治体からのSMSは、スマートフォンだけでなくガラケー(フィーチャーフォン)を含む多くの携帯電話で受信できるため、高齢者を含む幅広い世代に届きやすい手段です。アプリのインストールや会員登録が不要で、受信すると端末の画面に通知が表示されるため、スマートフォンやアプリの操作に不慣れな住民でも内容を確認しやすい点が特徴です。

Q. 自治体からの本物のSMSは、迷惑SMSや詐欺SMSとどう見分けられますか?

A. 自治体からの本物のSMSは、発信元が明確で、不審なリンクや個人情報・金銭の入力を求めない点が、詐欺・迷惑SMSとの違いです。近年は自治体をかたる詐欺SMSも出回っているため、送信を始める前に「役場からのSMSは本物である」旨を広報や公式サイトで住民に周知しておくと安心です。あわせて、キャリアの認証を受けた送信元番号や発信者名を表示できるサービスを使うと、住民が本物だと見分けやすくなります。

Q. 自治体が送ったSMSが届いたかどうか(到達・未達)は把握できますか?

A. 多くのSMS送信サービスでは、「到達」「未達」などの配信結果をレポートで確認でき、誰に届き誰に届かなかったかを把握できます。未達となった住民には郵送や電話でフォローするなど、次の一手を打ちやすくなります。督促や案内の効果を測るうえでも、送達確認(配信レポート)機能の有無は、サービス選定時に確認したい観点です。

Q. 自治体のSMSは防災無線やLINE、メールとどう使い分ければよいですか?

A. 自治体のSMSは、アプリ登録が不要で携帯電話番号だけで屋内にも届くため、防災無線やLINE・メールを補う確実な連絡手段として併用するのが効果的です。防災無線は屋内で聞き取りにくいことがあり、LINEはアプリのインストールと事前のアカウント登録が必要です。SMSはこれらの弱点を補い、登録の手間なく住民の端末に直接通知を表示できるため、緊急連絡や重要な通知で併用すると到達率と確実性が高まります。

Q. 自治体向けSMS送信サービスの費用はどのくらいかかりますか?

A. 自治体向けSMS送信サービスの費用は、初期費用と1通あたりの従量課金で構成されるのが一般的です。月額基本料の有無や、送信量・文字数に応じた単価はサービスごとに異なり、料金を公開していないサービスもあります。想定する年間の送信件数をもとに複数社の資料で費用を試算し、予算や決裁の枠に収まるかを比較するとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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