訪日客の免税販売を扱う店舗では、パスポートの確認から免税額の計算、購入記録情報の送信までをレジ周りでどう回すかが、日々の会計スピードと事務負担を左右します。2021年10月1日以降、免税販売を行うには手続きの電子化が必要とされており、紙の書類だけで免税販売を続けることはできません。
免税販売のたびに国税庁へ送るこの電子データを購入記録情報(旅券情報と購入内容を記録したもの)といい、送る方法には店舗が自ら送信する方法と、承認送信事業者(税務署長の承認を受けて送信を代行する事業者)に委託する方法の2通りがあります。どちらを選ぶかによって、月々の費用も、店舗側で用意する機器やソフトウェアも変わります。
さらに2026年11月1日には、店頭で免税価格のまま販売する現行の方式から、いったん税込で販売し、出国時の税関確認を経て消費税相当額を返金する「リファンド方式」へ切り替わります。現行制度と併用する移行期間は設けられていません。
本記事では、免税手続きに特化した専業システムと、免税に対応するPOSレジ(レジ本体に免税機能を持つもの・外部の免税システムと組み合わせて使うもの)を合わせた24サービスを取り上げます。費用・購入記録情報の送信方式・リファンド方式への対応という同じ軸で並べ、自店の売り方に合う選択肢を絞り込むための材料を整理しました。
すぐに候補を見比べたい場合は、「免税システム・免税対応POSレジ比較表」や、免税件数と既存レジの状況から絞り込める「30秒で終わる選定診断ツール」もご活用ください。
目次
免税システムの5つのタイプ
免税システムの選択肢は、大きく2つの系統に分かれます。免税手続きをレジ側で扱うPOSレジが2型(レジ本体に免税機能を持つものと、外部の免税システムと組み合わせるもの)と、免税手続きそのものを引き受ける専業システムが3型で、合わせて5つです。ここからは、それぞれがどのような仕組みで、どんな店舗に向くのかを解説します。
前半2型はPOSレジそのものの選択肢なので、レジの入れ替えや新規導入を伴います(このうち1つ目が、レジ1台で会計から免税手続きまで完結する「レジ一体型」です)。いま使っているレジをそのまま残したい場合に見るのは、後半3型の免税専業システムです。専業システムはレジの構成を問わず導入でき、免税手続きだけを切り出して電子化できます。
この分かれ道を先に決めておくと、比較表の24サービスを2つの系統に分けて読めます。前半2型を見るか後半3型を見るかで、費用の見方も契約先も変わります。

レジ1台で会計から免税手続きまで完結させるタイプ
POSレジ本体が免税機能を持ち、パスポートの読み取り・免税対象額の計算・購入記録情報の作成と送信までを1台の中で行う型です。会計と免税手続きが同じ画面で完結するため、レジと免税システムに同じ内容を打ち直す二重入力が起きません。
国税庁への送信の担い手は製品によって異なり、レジの提供会社自身が承認送信事業者になっているものと、同じ提供会社の免税システムや他社の承認送信事業者を経由するものが混在します。どちらであっても店舗の操作は1台で済みますが、契約先と費用の内訳は変わるため、見積もりの段階で内訳まで出してもらってください。
レジの入れ替えを前提とする型なので、既存レジの残存価値や、免税以外の機能(在庫管理・多店舗管理)の乗り換えも合わせて判断することになります。免税件数が多く、レジ前の滞留を短くしたい店舗に向きます。
レジは会計に徹し、免税手続きは外部システムに任せるタイプ
レジ本体は免税手続きを持たず、外部の免税システムと組み合わせて免税販売に対応するPOSレジ・決済端末です。レジそのものは会計・在庫・売上分析を担い、免税の部分だけを別のシステムに預ける形になります。
決済端末にレジのアプリと免税システムのアプリを追加し、端末1台の中で会計から送信までを完結させる構成もこの型に含まれます。すでにその端末を置いている店舗なら、機器を増やさずに免税へ対応できます。
判断の分かれ目は連携の深さにあります。会計データが免税システム側へ自動で渡る構成なら、販売品の転記は不要です。連携がない場合はレジで会計したあとに商品と金額を入力し直すことになり、免税件数が増えるほど手間とミスが積み上がります。
検討時は、レジの提供会社が連携先の免税システムを公式に明示しているか、その連携で何が自動化されるのかまで踏み込んで確認することが重要です。連携先が特定できない場合、実質は別々の運用になります。
免税手続きに特化してシンプルに使うタイプ
免税販売手続きだけを担う専業のシステムで、タブレットやスマートフォン、パソコンなどの汎用端末で動くものが中心です。レジの構成を問わず導入でき、免税だけを切り出して電子化できるのが特徴といえます。
多くは承認送信事業者が提供しており、国税庁への送信はその事業者を介して行われます。一方で店舗自らが送信する自社送信型もあり、その場合は送信用のソフトウェアの用意と電子証明書の管理が店舗側の仕事として残ります。
費用体系の幅が広いのもこの型で、月額数千円の定額から、免税売上に対する数パーセントの従量課金、端末ごとの買い切りまで選択肢があります。免税件数がまだ読めない段階の店舗が、投資を小さく始めるのに適しています。
集客・分析まで含めて免税を売上につなげるタイプ
免税手続きの電子化に加えて、免税購入者の分析や多言語での販促、決済手段の提供までを併せて扱う型です。国際的な還付ネットワークを持つ事業者や、中国系キャッシュレス決済の受け入れを免税手続きと同じ端末で行えるものもこの型に含まれます。
費用は、店舗から月額を取らずに旅行者側が負担する手数料で回収するモデルが目立ちます。店舗の持ち出しを抑えられる反面、旅行者の受け取り額が減るため、接客時の説明が必要になります。
免税店の許可申請の書類作成を無料で代行するなど、導入時の事務まで引き受けるサービスもこの型に含まれます。免税手続きそのものは店頭で行いつつ、始めるまでの手間を減らしたい場合の選択肢になります。
免税売上の構成比が高く、リピーターや国籍別の傾向を販促に使いたい百貨店・専門店・大型店に向きます。免税手続きを義務への対応で終わらせたくない店舗が検討する型です。
申請や免税データの精査まで任せるタイプ
システムの提供にとどまらず、免税店の許可申請の書類作成、購入記録情報の内容確認や入力、旅行者への返金の実務、免税カウンターの運営といった、店舗の手を離せる範囲が広い型です。店舗スタッフの作業をパスポートとレシートの撮影だけに絞り、残りを事業者側で処理する運用モデルもあります。
引き受ける範囲はサービスごとに違い、店頭の操作は店舗に残したうえで返金の実務だけを担うものもあります。どこまでが自店の作業として残るかは、契約前に必ず確認する部分です。
商業施設や商店街のように、複数の店舗をまとめて1つの免税カウンターで処理する形にも対応します。単店ではなく面で免税を回したい場合や、店舗ごとにスタッフ教育を行う余力がない場合の選択肢になります。
免税販売の責任は店舗側に残るため、代行の範囲がどこまでか(入力までか、内容の点検までか、還付の実務までか)を契約前に線引きしておくことが求められます。
30秒でわかる、自店に合う免税システム診断
どの型に当てはまるかは、レジを入れ替えられるか、免税販売が月に何件あるか、申請や入力までを任せたいかで変わります。この3点から自店に合う型と候補を絞り込めるよう、貴社の状況に合わせた「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
免税システムの選び方
ここからは、比較表を読む前に押さえておきたい7つの観点を、決定への影響が大きい順に整理します。観光庁が免税店向けに公表している資料でも、導入検討時のポイントとして次の4点が挙げられています。
出典:免税販売手続の電子化に向けて(2021年3月)|観光庁
- 1 承認送信事業者であることの確認 前提として、国税庁に購入記録情報を送信する許可を得ている承認送信事業者であることを確認しておきましょう。
- 2 サービス内容 基本機能だけでなく、POSとの連携や購入情報の分析、キャッシュレス決済対応など、貴社が必要とする機能を持つシステムを選択しましょう。
- 3 コスト 契約時にかかる費用(工事費や機材の購入費)とランニングコスト(月額料金や機材のレンタル費)を確認し、最適なシステムを選択しましょう。
- 4 サポート体制 導入機器に関する保証や故障対応、コールセンターや休日対応などのサポート体制についても確認しておきましょう。
この4点は2021年3月時点の観点で、2026年11月のリファンド方式移行は含まれていません。以下では、この4点を土台にしながら、制度移行への追随という現在の判断軸を加えて整理します。
免税専業システムとPOSレジ搭載型のどちらを軸にするか
最初の分かれ道は、免税手続きをレジ側に寄せるか、レジとは別の免税システムに任せるかです。ここでは免税手続きの完結範囲・既存レジとの関係・費用体系の3つの軸で両者を並べます(送信方式とリファンド方式への対応は、それぞれ次の項と後半で扱います)。
完結範囲で見ると、レジ側を軸にした場合は免税手続きが1台で完結するか、レジと連携する免税アプリへ会計データを渡すかのいずれかになります。専業システムは免税手続きだけを独立して引き受けます。免税件数が1日に何十件も出る店舗では、打ち直しが発生しない構成のほうがレジ前の待ち時間を短くしやすくなります。
既存レジとの関係では判断が逆に働きます。導入から日が浅いレジがある、あるいはレジの入れ替えが本部決裁になる場合、レジを触らずに免税だけ足せる専業システムのほうが着地が早くなります。
費用体系も両者で性格が異なります。レジ搭載型は免税機能が上位プランの条件になっていることがあり、免税以外の機能も含めた月額として跳ね返ります。専業システムは免税だけの費用として切り出せるため、免税件数に応じた見直しがしやすい構造です。
レジ搭載型を軸にすると決めた場合、選ぶ対象は免税機能だけでなくレジそのものに広がります。免税以外の機能や決済手数料まで含めて比べ直すことになるため、主要なPOSレジを初期費用・月額・決済手数料・対応業種という共通の軸で並べた次の記事も、レジの候補出しにご活用ください。
購入記録情報の送信方式(自社送信と承認送信事業者経由)をどう選ぶか
購入記録情報を国税庁へ送る方法は、制度上2通りに限られています。国税庁のパンフレットは次のように説明しています。
事業者自ら購入記録情報を送信する方法のほか、事業者と承認送信事業者との間で購入記録情報の送信に係る契約を締結し、この承認送信事業者を介して購入記録情報を送信する方法もあります。
出典:輸出物品販売場制度について(令和5年4月・令和7年5月改訂)|国税庁
観光庁の資料では、前者を自社送信、後者を他社送信と呼び分けています。自社送信は「購入記録情報を国税庁が管理する免税販売管理システムへ送信するためのソフトウェア・アプリケーションを用意する必要があります」、他社送信は「事前に承認送信事業者と契約する必要があります」と整理されています。
承認送信事業者は名乗れば済むものではありません。消費税法施行令第18条の4第4項は、承認送信事業者を、一定の要件を満たす事業者で「購入記録情報を提供することにつき、その納税地を所轄する税務署長の承認を受けた者」と定めています。候補を絞る際に、承認を受けているかどうかを前提条件に置く根拠がここにあります。
選択の違いは、税務署へ出す書類の中身にも表れます。観光庁の資料によれば、自社送信では電子証明書の発行のために電子メールアドレスを記載し、他社送信では承認送信事業者の名称と識別符号を記載します。委託する場合は店舗側で電子証明書を取得する必要がなく、証明書の更新作業も発生しません。

出典・参考資料(3件)
2026年11月1日以降、この役割には税関確認情報の取得が加わり、呼び名も承認送受信事業者に変わります。ただし契約をやり直す必要はなく、国税庁は経過措置を次のように示しています。
令和8年10月31日に承認を受けている承認送信事業者は、令和8年11月1日において新制度における承認送受信事業者の承認を受けたものとみなされます(改正令附則2④)。
上記1又は2の経過措置の適用を受けるために申請書や届出書、添付書類を改めて提出する必要はありません。
出典:輸出物品販売場制度に関するQ&A(リファンド方式・概要編)(令和8年4月改訂)|国税庁
いま承認送信事業者と契約しても、事業者側の承認が仕切り直しになることはありません。ただしこれは事業者の承認の話であり、その事業者のシステムがリファンド方式に対応するかどうかは別問題です。ここは候補ごとに個別に確かめてください。
既存レジ・周辺機器との連携とパスポート読み取りの精度
パスポートの読み取り方式は、専用スキャナ、端末の内蔵カメラ、Visit Japan Webで表示される免税販売用二次元コードの読み取りに分かれます。国税庁の資料では、二次元コードの提示を受けて旅券情報の提供を受ける方法による免税販売手続きが認められています。
読み取りの正確さは、単なる使い勝手の話にとどまりません。リファンド方式では、送信した購入記録情報にもとづいて税関が確認を行うため、入力の誤りがそのまま免税の可否に跳ね返ります。
税関の確認は、免税店から提供された購入記録情報に基づき行うため、購入記録情報は誤りや入力漏れのないように正しく設定し、国税庁(免税販売管理システム)に提供する必要があります。購入記録情報に誤りや入力漏れがあり、税関の確認が行えない場合、原則として免税購入対象者は税関による免税対象物品の持出し確認を受けることができず、免税店を経営する事業者においては、税関確認情報の取得・保存ができないことから、免税の適用を受けることはできません。
出典:輸出物品販売場制度 リファンド方式について(令和7年12月)|国税庁
入力補助や自動読み取りにかける費用の意味は、この一文から説明できます。手入力の項目が多い構成ほど、免税が成立しない取引が出るリスクを店舗が抱えることになります。
周辺機器の扱いも総額を左右します。観光庁の資料には「旅券読取り機器等は、免税電子化システム事業者からのレンタルが可能な場合もあります」とあり、購入とレンタルのどちらになるかで初期費用の見え方が変わります。
酒税免税・一般物品と消耗品の判別など取扱商品への対応
取扱商品による確認事項は2つあります。1つ目の酒税の免税は、酒蔵・蒸留所など、自社で製造した酒類をその製造場で免税販売する店舗に関わる項目で、消費税の免税とは別の制度です。国税庁は輸出酒類販売場制度を次のように説明しています。
酒類製造者が、消費税法に規定する輸出物品販売場の許可を受けた酒類の製造場において、自ら製造した酒類を外国人旅行者などの非居住者に対して、一定の方法で販売する場合には、当該酒類に係る消費税に加えて酒税が免除されます。
出典:輸出酒類販売場制度について|国税庁
そのため、酒類を仕入れて販売する一般の小売店では、酒類を扱っていても酒税は免除されず、消費税の免税だけが対象になります。酒税の免税を受けるには、消費税の輸出物品販売場の許可に加えて輸出酒類販売場の許可も必要で、扱うデータも酒類購入記録情報という別立てのものになります。
2つ目は、一般物品と消耗品の判別です。現行制度では、一般物品は税抜5,000円以上、消耗品は5,000円以上50万円以下が免税の対象で、消耗品は指定された方法で包装する必要があります。合計額が5,000円以上であれば、一般物品を消耗品と同じ方法で包装して消耗品として扱うこともできるため、レジ側で合算判定と包装区分の切り替えまで行えるかが実務上の分かれ目になります。
ただしこの判別は、2026年11月1日以降は不要になります。同日以降は一般物品と消耗品の区分そのものと、消耗品の購入上限額(50万円)・特殊包装・通常生活の用に供するかどうかの要件が廃止され、購入下限額の5,000円だけが区分なしの判定として残ります。
そこで確認の主眼は、判別機能の有無そのものより、区分廃止への切り替えをベンダーがいつ・どのように行うのか、追加費用が発生するのかに置くことになります。移行を挟む数か月は現行のルールで運用する必要があるため、両方の状態を扱えるかどうかが実質的な判断材料です。
出典・参考資料(3件)
対応言語と訪日客の国籍構成
免税販売手続きでは、購入者への説明が制度上の義務として定められています。国税庁が挙げるのは次の3点です。
- 購入日から90日以内の出国時に、税関で旅券を提示等して確認を受ける必要があること
- 税関の求めに応じて免税対象物品を提示できるようにしなければならないこと
- 確認を受けた物品を遅滞なく輸出しなければならず、輸出しなかった場合は消費税相当額が徴収されること
これらはリーフレットの交付や掲示などの方法で説明する必要があります。
この説明を店舗で自作する必要はありません。国税庁は日本語・英語・簡体字・繁体字・韓国語の説明用リーフレットを公開しており、「このリーフレットはリファンド方式に対応したものですので、令和8年11月1日以降に販売を行う取引から使用します。」と使用時期まで示しています。
そのうえでシステム側に求めたいのは、操作画面と発行帳票が自店の来店客の言語をカバーしているかです。免税額や返金の条件を旅行者本人が画面で確認できると、レジでの説明にかかる時間が短くなります。対応言語は比較表と各サービスの紹介で確認できるので、来店客の国籍構成と突き合わせてください。
出典・参考資料(1件)
来店客の国籍構成は、支払い手段をどこまで受けられるかにも同じように効いてきます。Alipay+やWeChat Payといった海外のQRコード決済を店頭で受けられるかは免税システムではなく決済端末側の仕様で決まるため、免税対応と合わせて決済手段も見直す場合は、次の記事で対応ブランドと手数料を確認できます。
制度改正に追随できるベンダーかを見極める
免税販売は、2021年10月の電子化に続いて2026年11月のリファンド方式移行と、短い期間に制度が二度動く領域です。しかも今回は、現行の運用を続けながら切り替える猶予がありません。
免税店を経営する事業者の方が、令和8年11月1日以降も免税店で行う取引について免税の適用を受けるためには、リファンド方式に対応する必要があります。現行制度とリファンド方式を併用する移行期間はありません。
出典:【令和7年度税制改正】輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します(令和7年4月)|国税庁
だからこそ、対応の実績と提供方法を確認しておくことに意味があります。具体的には、2021年の電子化にどの時期に対応したか、機能追加を通常のアップデートとして提供するのか別料金の追加モジュールとするのか、改正時のサポート窓口と操作説明の提供方法という3点です。
「対応予定」という表記の扱いにも注意が要ります。提供時期が明示されているか、いつ時点の情報かまで確かめると、11月1日に間に合うかどうかの見当が立ちます。全国免税店協会は返金に対応予定の事業者一覧を公開しており(2026年8月時点で12社)、国税庁もその所在を案内しています。
ただし掲載は同協会の会員企業に限られ、内容も各社の自己申告にもとづく参考情報です。掲載がないことが非対応を意味するものではありません。
サポート体制と繁忙時間帯の障害対応
免税手続きが止まると、レジ前の行列がそのまま販売機会の損失になります。観光庁の資料が挙げる4点目のサポート体制は、免税販売では会計そのものが止まる領域だけに、確認の優先度が高い項目です。
確認したいのは、受付時間が店舗の営業時間を覆っているか、土日祝や夜間に連絡できるか、機器の故障時に代替機が届くまでどれくらいかかるかの3点です。24時間365日のコールセンターや全国のフィールドエンジニア網を備える製品もあり、多店舗で運用する場合は差が出やすい部分です。
導入時のスタッフ教育の支援も、あわせて確認しておきたい観点です。免税販売は担当者が固定されにくく、人が入れ替わるたびに手順を伝え直す必要があるため、操作説明の教材や練習用モードの有無が現場の負担を左右します。
免税システムの費用相場と料金体系
ここからは、免税システムにかかる費用の内訳と、免税件数の水準ごとにどの体系が有利になるのかを整理します。
初期費用・月額固定・件数従量・買い切りという4つの料金体系
初期費用は、契約時のサーバー設定費や機器の購入費として発生します。汎用端末のカメラで読み取る構成では0円とするものが多く、他社のPOSレジとデータ連携する構成では設定費として1店舗あたり15,000円程度、代行型では初回の事務手数料として1万円前後という実額が公表されています。金額と課金単位は下の表で確認できます。
月額固定は、端末単位で課金するものと店舗単位で課金するものに分かれます。公表されている金額は端末あたり3,000円から9,000円、店舗あたり3,000円からという水準で、免税専業システムはこの範囲に収まります。店舗単位の契約なら、同じ店で端末を増やしても金額が変わりません。どちらの単位で課金されるかは、多店舗・複数レジの店ほど総額を左右します。
件数従量は、免税売上に対する料率で課金する方式です。公表されている料率は免税売上の1.5%という水準で、店舗ではなく旅行者側が手数料を負担する設計を採るものもあります。月額を持たずに始められる反面、免税売上が伸びるほど負担が増えます。
買い切りは、端末やライセンス単位で一括購入する方式です。公表額は1店舗12,000円(税込・月額0円)から1台300,000円まで幅があります。月額が発生しないため長期では有利になりますが、制度改正時のアップデートが別料金になるかどうかで実質的な負担が変わります。
以下は、料金を公式に公表している12サービスの実額を体系別に並べたものです。免税の費用が本体の料金に含まれるかどうかが公表されていないものは、本体側の料金を掲載し、その旨をセルに記しています。金額はいずれも各社の公式情報にもとづく2026年8月時点のもので、税区分は公式表記に従っています。
| サービス名 | スマレジ | stera pack | Square POSレジ | eあっと免税 | 免税ネット | J-TaxFree | 日本免税 | Smart Detax | PIE VAT | Ocean Tax Refund | REMOTAX | yb.TaxFree |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な料金体系 | 月額固定(プラン別) | 月額固定(初年度0円) | 月額0円(決済手数料のみ) | 月額固定(プラン別) | 月額固定(店舗単位) | 月額固定または従量 | 月額固定・従量・買い切り | 月額固定または従量 | 従量(旅行者負担) | 初期・月額0円 | 初期費用のみ(購入者負担) | 買い切り |
| 初期費用 | 0円 (別途導入支援費用の案内あり) | 0円 (端末費用も0円) | 0円 (専用端末は別途) | 15,000円/店 (他社POS連携プランのみ) | 0円 (初期費用・初月無料の案内) | 要お問い合わせ (台数に応じて見積もり) | 0円(全プラン) | 0円(全プラン) | 0円 | 0円 | 10,780円(税込) | —(買い切り額に含む) |
| 月額費用 | 0〜15,400円 (税込・プラン別) 免税機能の対象プランは 公式に明示なし | 初年度0円 2年目以降3,300円(税込) | 0円 (PIE VAT連携も0円) | 0円(Windows/POS連動) 1,480円(決済端末・税別) | 3,000円〜/店舗 | 3,000円〜/台 | 5,000円(固定プラン) 0円(従量プラン) | 3,000〜9,000円/端末 (月次定額型) | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 (本部閲覧は500円/店舗) |
| 免税手続きの従量課金 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 免税売上×手数料率 (料率は要お問い合わせ) | 料率は要お問い合わせ | 免税売上の1.5% (免税額従量型) | 免税手続き手数料1.5% (旅行者が負担) | 負担者・料率とも 公式に記載なし(要問い合わせ) | 免税手数料を購入者から徴収 (料率は要お問い合わせ) | 記載なし |
| 買い切り | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 300,000円/台 | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 12,000円/店舗(税込) |
免税件数と店舗数の水準から、どの料金体系が有利かを読む
どの体系が有利かは、免税件数と1件あたりの免税売上で決まります。公的な統計として相場が示されている領域ではないため、各社が公表している課金単位から、自店の数字で分岐点を計算するのが確実です。
月額固定と件数従量の分岐点は、月額料金を料率で割ると求められます。月額5,000円のプランと免税売上1.5%の従量プランを比べる場合、月の免税売上が約33万円を超えたあたりから月額固定のほうが安くなる計算です。自店の免税売上が月に何十万円の水準かを先に押さえておくと、見積もりの比較が速くなります。
買い切りと月額固定の分岐点は、買い切り額を月額で割った月数で見ます。30万円の買い切りと月額5,000円なら60か月、12,000円の買い切りと月額3,000円なら4か月です。ここに制度改正時のアップデート費用が上乗せされる可能性を織り込むと、実際の回収期間は延びます。
店舗数も体系の選択に効きます。端末単位の課金では店舗と端末が増えるほど費用が積み上がりますが、店舗単位の定額なら1店舗内で端末を増やしても金額が変わりません。多店舗展開の予定があるなら、課金単位が端末か店舗かを見積もり時に確かめておくと、後からの増額を避けられます。
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【比較表】免税システム・免税対応POSレジ比較24選
ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、免税専業システムと免税に対応するPOSレジを合わせた24サービスを、同じ列で比較します。タイプ・費用・購入記録情報の送信方式・リファンド方式への対応・返金の担い手・酒税免税の対応を、1つの表で突き合わせられる構成です。
「リファンド方式への対応」の欄は、「対応済み」が公式に提供開始を確認できるもの、「対応表明」が表明はあるが提供前のもの、「公式に記載なし」が公表情報で確認できないものを指します。「公式に記載なし」は非対応という意味ではなく、問い合わせで確認が必要な状態を指します。
24サービスの内訳は、対応済みが4件、対応表明が10件、公式に記載なしが7件で、残る3件は自社としては未表明ながら連携先の免税システムが対応しているものです。2026年8月の時点で、公式に提供を開始しているのは全体の2割弱にとどまります。だからこそ、候補ごとに提供時期を確かめる必要があります。
| サービス名 | スマレジ | BCPOS | RegiGrow | タロスの免税POSレジ | JRS-BPOS-TAX | Airレジ | POS+ | USENレジ | NECモバイルPOS | Square POSレジ | stera pack | eあっと免税 | J-TaxFree | 日本免税 | 免税ネット | Easy Detax | yb.TaxFree | PIE VAT | Global Blue | Smart Detax | グローバル・タックスフリー | Ocean Tax Refund | REMOTAX | FreeFreeShopping |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社スマレジ | 株式会社ビジコム | 株式会社陽光システム | 株式会社タロスシステムズ | 日本リテイルシステム株式会社 | 株式会社リクルート | ポスタス株式会社 | 株式会社USEN | 日本電気株式会社 | Block, Inc. | 三井住友カード株式会社 | 株式会社ビジコム | 株式会社J&J Tax Free | 株式会社日本免税 | 株式会社アドスマート | 株式会社東光オーエーシステム | 株式会社山文 | 株式会社Pie Systems Japan | グローバルブルー・ ティエフエス・ジャパン株式会社 | スマートテクノロジーズ& リソーシーズ株式会社 | グローバル・タックスフリー 株式会社 | 株式会社Ocean | 株式会社TomoBiz | 株式会社にないて |
| タイプ | レジ1台で完結 | レジ1台で完結 | レジ1台で完結 | レジ1台で完結 | レジ1台で完結 | レジは会計に徹する | レジは会計に徹する | レジは会計に徹する | レジは会計に徹する | レジは会計に徹する | レジは会計に徹する | 免税特化 | 免税特化 | 免税特化 | 免税特化 | 免税特化 | 免税特化 | 集客・分析まで | 集客・分析まで | 集客・分析まで | 集客・分析まで | 申請・精査まで代行 | 申請・精査まで代行 | 申請・精査まで代行 |
| 初期費用 | 0円 (別途導入支援費用の案内あり) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 0円 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ (公式は「0円から」) | 要お問い合わせ | 0円 (専用端末は別途) | 0円 (端末費用も0円) | 15,000円/店 (他社POS連携プランのみ) | 要お問い合わせ | 0円 | 0円 (初期費用・初月無料の案内) | 要お問い合わせ | 12,000円/店舗 (税込・買い切り価格) | 0円 | 要お問い合わせ | 0円 | 要お問い合わせ | 0円 | 10,780円(税込) | 要お問い合わせ |
| 月額費用 | 0〜15,400円 (税込・プラン別) | 5,000円〜 (eあっと免税は0円) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 0円 (免税システムは別途) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 0円 (PIE VAT連携も0円) | 初年度0円 2年目以降3,300円(税込) | 0円(Windows/POS連動) 1,480円(決済端末・税別) | 3,000円〜/台 (従量プランもあり) | 5,000円(固定)/0円(従量) 買い切り300,000円/台 | 3,000円〜/店舗 | 要お問い合わせ | 0円 (本部閲覧は500円/店舗) | 0円 (旅行者が1.5%負担) | 要お問い合わせ | 3,000〜9,000円/端末 (従量型は0円+1.5%) | 要お問い合わせ | 0円 | 0円 (免税手数料は購入者負担) | 要お問い合わせ |
| 購入記録情報の送信 | 承認送信事業者経由 (スマレジが送信) | 承認送信事業者経由 (ビジコムが送信) | 自社送信 (POSから直接送信) | 未確認 (新制度はJ&J Tax Free経由) | 承認送信事業者経由 (J&J Tax Free) | 承認送信事業者経由 (別途契約する免税システム) | 承認送信事業者経由 (連携先のグローバル・タックス フリー/識別符号を公式に掲載) | 承認送信事業者経由 (連携先のグローバル・タックス フリー/識別符号を公式に掲載) | 承認送信事業者経由 (連携先のJ&J Tax Free) | 承認送信事業者経由 (連携先のPie Systems Japan) | 承認送信事業者経由 (eあっと免税/ スマートデタックス) | 承認送信事業者経由 (ビジコムが送信) | 承認送信事業者経由 (J&J Tax Freeが送信) | 承認送信事業者経由 (日本免税が送信) | 承認送信事業者経由 (アドスマートが送信) | 承認送信事業者経由 (東光オーエーシステム) | 自社送信 (店舗から国税庁へ直接) | 承認送信事業者経由 (Pie Systems Japan) | 承認送信事業者経由 (グローバルブルー) | 承認送信事業者経由 (スマートデタックス) | 承認送信事業者経由 (識別符号を公式サイトに掲載) | 承認送信事業者経由 (株式会社Ocean) | 承認送信事業者経由 (TomoBizが代行送信) | 承認送信事業者経由 (にないてが送信) |
| リファンド方式への対応 | 対応表明(時期未定) | 対応済み(2026年7月提供開始) | 対応表明(時期未定) Global Blue連携で対応 | 対応表明(時期未定) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 自社は未表明/連携先の J-TaxFreeが対応表明 | 自社は未表明/連携先の PIE VATが対応済み | 自社は未表明/連携先の eあっと免税は対応済み (stera版は未案内) | 対応済み(2026年7月提供開始) | 対応表明(時期未定) 返金サービスJ-TaxRefund | 対応表明(2026年11月予定) | 対応表明(2026年11月予定) | 対応表明(時期未定) | 公式に記載なし | 対応済み(公式に明記) | 対応表明(時期未定) | 対応済み (2026年7月 返金サービス提供開始) | 対応表明(時期未定) 3社で基本合意の段階 | 対応表明(時期未定) | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 返金の担い手 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ベンダーが代行 (連携先のPIE VAT) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ベンダーが代行 (カード・銀行振込・QR決済) | ベンダーが代行(予定) (ステーブルコインで受け取り) | ベンダーが代行(予定) (返金対応予定の事業者一覧に掲載) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ベンダーが代行 (135通貨に対応) | ベンダーが代行(予定) (返金対応予定の事業者一覧に掲載) | ベンダーが代行 (キャッシュレスで送金) | ベンダーが代行(予定) (返金対応予定の事業者一覧に掲載) | ベンダーが代行 (30通貨以上・PayPal等) | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 酒税免税 | ●観光庁一覧で対応と申告 | ×公式に消費税免税のみと明記 | △個別カスタマイズ対応 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ×eあっと免税は消費税免税のみ | ×公式に消費税免税のみと明記 | ●観光庁一覧で対応と申告 | ●観光庁一覧で対応と申告 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ●公式サイトに明記 | ●観光庁一覧で対応と申告 | ●観光庁一覧で対応と申告 | ●観光庁一覧で対応と申告 | 公式に記載なし | ●観光庁一覧で対応と申告 | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 向いている店舗 | 免税件数が多く レジも入れ替える小売店 | 通信障害時も会計を 止めたくない小売店 | 免税販売が中心の 小売店 | リユース業の店舗 | 年中無休の保守を 求める店舗 | すでにAirレジを使い 免税は別システムで回す店舗 | 会計情報を免税アプリへ 自動連携したい小売店 | 24時間365日の サポートを求める店舗 | 免税帳票の自動出力を 求める店舗 | 費用をかけずに 免税販売を始める店舗 | 決済と免税を 1台で扱う店舗 | Windows PCで 免税だけ足したい店舗 | 既存POSと組み合わせ 返金まで任せたい店舗 | 料金体系を 選びたい店舗 | レジ横の端末を 増やす小規模店 | 既存レジを残して 免税会計を足したいアパレル店 | 月額を持ちたくない 単店・酒類製造者 | 店舗負担なしで 始めたい店舗 | 訪日客比率が高い 百貨店・専門店 | 手持ちの端末だけで 始めたい店舗 | 免税カウンターを置く 大型商業施設 | 費用をかけず 返金まで任せたい店舗 | スタッフの作業を 最小にしたい店舗 | 商店街・商業施設で まとめて対応する事業者 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は各社の公式情報にもとづく2026年8月時点の内容です。「公式に記載なし」は非対応を意味するものではありません。個別のサービスにおける実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。
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各サービスの詳細
ここからは、比較表で候補を絞った読者に向けて、各サービスの機能・料金・免税手続きの担い方を1社ずつ解説します。並びは前述の5つのタイプの順で、どの店舗に向くかは比較表の「向いている店舗」列と合わせてご覧ください。
レジ1台で会計から免税手続きまで完結させる
レジ本体に免税機能を持ち、会計から購入記録情報の送信までを1台でまかなえる5サービスです。送信の担い手が自社か連携先かはサービスごとに異なります。
1. スマレジ(株式会社スマレジ)

iPad・iPhoneを端末に使うクラウド型のPOSレジです。公式トップページによれば導入店舗数は2026年4月時点で56,000店舗を突破しており(直近1ヶ月に取引実績のある店舗数)、小売・飲食といった業種別のプランを揃えています。
免税販売では、国税庁の承認送信事業者として、読み取ったパスポート情報から購入記録情報を作成し、国税庁へ自動送信する構成をとります。読み取りはiPad内蔵カメラのほかVisit Japan Webの二次元コードにも対応し、最低購入金額などの条件は自動計算で判定されます。
料金は1店舗あたり月額0円のスタンダードから、プレミアム5,500円、プレミアムプラス8,800円、小売向けのリテールビジネス15,400円まで(いずれも税込)。免税に関わる機能をどのプランから使えるかは公式ページに明示がないため、見積もりの段階で確認が必要です。
2026年11月の新制度については、リファンド方式への対応予定を公式ページで表明しており、時期は決まり次第案内するとしています。
2. BCPOS(株式会社ビジコム)

株式会社ビジコムが小売店を中心に提供するWindows用のPOSアプリケーションです。一体型PC・タブレット・POS筐体からハードウェアを選べ、クラウドとオンプレミスのハイブリッド構成により、ネットワーク障害時も会計を続けられる仕様になっています。
免税手続きはBCPOS単体ではなく、同社の免税電子化システム「eあっと免税」と連携して行い、会計から免税手続きまでを一連の操作でつなぎます。送信は承認送信事業者であるビジコム自身のサーバーを経由する方式で、店舗側で電子証明書を取得・更新する必要がありません。パスポートリーダー各種のほか、Visit Japan WebのQRコード読み取りにも対応します。
リファンド方式には2026年7月22日提供開始のWindows版最新バージョンで対応済みで、制度移行前に操作を試せるトレーニングモードを備えます。eあっと免税のWindows版は初期費用・月額利用料とも0円、stera terminal版は月額1,480円(税別)を目安に調整中とされています。酒税の免税には対応していません。
3. RegiGrow(株式会社陽光システム)

広島に拠点を置く株式会社陽光システムの小売業向けPOSシステムで、免税に対応する構成は「インバウンド対応の店舗にぴったりな、免税販売専用POS」として案内されています。委託販売・製造直売・チケット発行など複数の業種別パッケージを展開するうちの一つという位置づけです。
会計時にキーボードのボタンを押すと、免税対象金額の計算と免税可否の判定が行われます。パスポートはスキャナで読み込み、上陸年月日などをPOS画面で入力する流れです。送信については、POSから国税庁のシステムへ購入記録情報を自動で送る自社送信方式と公式サイトに記載されています。
2026年11月のリファンド方式には、グローバルブルーのクラウド型免税手続きソリューションと連携して対応するとしており、POS画面に免税用の画面がポップアップ表示される仕様です。料金は公式サイトに掲載がないため、構成に応じた問い合わせでの確認になります。
4. タロスの免税POSレジ(株式会社タロスシステムズ)

ブランド品・貴金属・ホビー用品・家電といった中古商材を扱うリユース業向けのPOSレジ「タロスPOS」に、免税レジ機能を加えた構成です。免税レジ機能は単独では提供されず、タロスPOSの導入が前提になる点は、候補に入れる前に押さえておきたい条件です。
免税対象金額の計算と商品ごとの免税可否判定はレジ画面で確認でき、パスポートはスキャンで読み取ります。レシートは日本語・英語・中国語・韓国語の4言語に標準対応します。
2026年11月1日施行の新制度についても、リファンド方式に対応すると公式サイトに明記されています。ただし新制度の利用には別途、株式会社J&J Tax Freeとの契約が必要である旨が同ページに注記されています。契約先と費用が2本立てになる点は、見積もりの前に確認しておきたい条件です。
導入実績はタロスPOS全体で2026年8月時点2,114店と公式サイトに記載があり、このうち免税機能を使う店舗数は公表されていません。免税レジ機能単体の料金も公式サイトには掲載がないため、タロスPOS本体と合わせた見積もりで確認することになります。
5. JRS-BPOS-TAX(日本リテイルシステム株式会社)

1976年設立の日本リテイルシステム株式会社が提供する、免税電子化に対応したPOSレジです。同社はPOS及び周辺機器の販売からシステム開発・保守までを手がけており、免税販売の機能をPOSレジ製品に組み込む形をとっています。
パスポートの読み取りにはDESKO製のパスポートリーダーを搭載します。免税データは、承認送信事業者である株式会社J&J Tax Freeへ直接送信する構成です。レジ機能は売上登録・点検・精算と免税販売、免税販売情報の送信で構成され、自動釣銭機やキャッシュレス端末の接続、在庫管理はオプションとして用意されています。
保守は会社全体のサービスとして年中無休・24時間体制を掲げ、メーカー・機種を問わず全国で対応するとしています。料金は公式サイトに掲載がないため、店舗の構成に応じた見積もりでの確認が必要です。
レジは会計に徹し、免税手続きは外部システムに任せる
レジ本体は免税手続きを持たず、外部の免税システムと組み合わせて免税販売に対応する6サービスです。いずれもレジ側の選択肢なので、連携先と、その連携で何が自動化されるかに注目して読み比べてください。
6. Airレジ(株式会社リクルート)

株式会社リクルートが提供するiPad・iPhone向けのPOSレジアプリで、本体は初期費用・月額費用ともに0円です。会計・商品管理・顧客管理・売上分析を1つのアプリで扱い、キャッシュレス決済は同社のAirペイとの連携でまかないます。
免税販売については、公式FAQに「Airレジに他社の免税電子化に対応した免税システムと連携する機能はありません。」と明記されています。会計データが免税システムへ渡らないため、Airレジ側で課税商品として登録した商品を、免税システム側でも免税商品として別途登録する二重の運用になります。
その公式FAQが利用時の案内先として挙げているのは、J-TaxFreeシステム(株式会社J&J Tax Free)とスマートデタックス(スマートテクノロジーズ&リソーシーズ株式会社)の2つです。免税システム側の費用はAirレジの料金には含まれず、各社への問い合わせが必要になります。リファンド方式への対応方針も、Airレジ公式には記載がありません。
7. POS+(ポスタス株式会社)

飲食店向けのPOS+food、小売店向けのPOS+retail、美容サロン向けのPOS+beautyと、業態ごとにエディションが分かれたクラウド型のモバイルPOSレジです。免税の機能が公式に案内されているのは、このうち小売店向けのPOS+retailになります。
免税販売は、グローバル・タックスフリー株式会社が提供する免税アプリとの連携で対応します。会計が終わると商品情報と金額がPOS+から免税アプリへ自動で渡るため、免税アプリ側で金額や商品を打ち直す必要がありません。利用には、管理画面での連携設定と商品マスタへの免税対象商品の登録が必要です。
パスポートの読み取り機能はPOS+側に組み込まれ、読み取った旅券情報を免税アプリで使う構成です。一般物品と消耗品の判別が自動で行われるかどうか、リファンド方式にいつ対応するかは公式ページに記載がありません。本体の料金も公表されておらず、資料請求または問い合わせでの確認になります。
8. USENレジ(株式会社USEN)

免税商品の会計から免税帳票の発行までをレジ本体の機能で行える点が、株式会社USENのタブレット型POSレジ「USENレジ」の特徴です。この記載があるのは小売店向けのUSENレジTAB STOREの機能一覧で、飲食・美容・治療院向けのエディションについては明記がありません。
そのうえで、購入記録情報の電子化はグローバル・タックスフリー株式会社の免税アプリと連携するオプション機能として提供されます。免税の会計はレジ側、国税庁への送信は連携先という分担で、自社送信か承認送信事業者経由かの区分や、リファンド方式への対応時期までは公式ページに書かれていません。
費用は公式サイトに「0円からはじめられます」とあるものの、初期費用と月額の具体額、免税オプションの料金はいずれも公表されていません。サポートは24時間365日受付のカスタマーセンターと全国のフィールドエンジニアが担い、契約から納品までは約10営業日と案内されています。
9. NECモバイルPOS(日本電気株式会社)

iPadをレジ端末として使うサブスクリプション型のクラウドPOSで、決済・セルフオーダー・予約管理など40を超える他社サービスや機器と標準で連携できます。日本電気株式会社が飲食業界向けに開発したもので、レジを軸に置いたまま周辺サービスだけを入れ替える使い方を想定した構成です。
免税販売では、株式会社J&J Tax Freeの「J-TaxFreeシステム」と連携します。会計時の販売品一覧がJ-TaxFreeシステムへ渡り、購入記録票や購入者誓約書といった免税の帳票を自動で出力できる構成です。パスポート情報の読み取りと転記は、連携先のJ-TaxFreeシステム側が担います。
リファンド方式については、J-TaxFreeシステム側が公式サイトで対応を表明している一方、NECモバイルPOSとしての対応時期や追加費用は公表されていません。連携の両側で足並みがそろうかを見積もりの段階で確かめておきたい点です。本体の料金も問い合わせでの確認になります。
10. Square POSレジ(Block, Inc.)

決済手数料だけで使えるPOSレジアプリで、アプリ本体の初期費用と月額費用は0円です。提供するのはBlock, Inc.で、対面決済の手数料は年間のキャッシュレス決済額が3,000万円未満かつ主要カードブランドの場合に2.5%からとなります。
免税販売は、株式会社Pie Systems Japanの免税システム「PIE VAT」とのAPI連携で対応します。Square POSレジで会計したあとPIE VATアプリで該当の注文を選ぶと売上データが自動で同期され、パスポートの読み取りから国税庁へのデータ送信までをタブレット上で行えます。
この連携は、導入費用も月額利用料もかかりません。リファンド方式についても、追加の費用や契約なしで運用を続けられるとPie Systems Japanが表明しています。いずれも連携先による発表で、Block, Inc.自身の告知ではない点は押さえておきたいところです。
11. stera pack(三井住友カード株式会社)

三井住友カード株式会社が提供する加盟店向けの決済パッケージで、レジ機能を内蔵した据置型端末「stera terminal」を端末費用・初期費用0円で導入できます。サービス利用料は初年度0円、2年目以降は月3,300円(税込)で、直近1年間の累計キャッシュレス決済額が3,000万円以上なら永年無料になります。
免税手続きは、端末のアプリマーケット「stera market」からアプリを追加して行います。用意されているのは株式会社ビジコムの「eあっと免税 for stera」とスマートデタックスの2つで、いずれも国税庁の承認送信事業者が提供するものです。ビジコムはeあっと免税について新しい制度に対応予定と表明していますが、stera terminal版に限った案内は出ていません。
eあっと免税 for stera では、端末のカメラでパスポートの券面やVisit Japan Webの免税用二次元コードを読み取り、購入記録情報の送信までを端末内で行えます。ただし対応は消費税の免税のみで、酒税の免税には対応していません。アプリの月額料金は公式に調整中と記載があり、確定額は問い合わせでの確認になります。
免税手続きに特化してシンプルに使う
免税販売手続きだけを担う専業システム6サービスです。費用体系の幅が広く、送信方式も承認送信事業者経由と自社送信型に分かれます。
12. eあっと免税(株式会社ビジコム)

Windows PC、決済端末、専用端末「Seav-ME」と、店舗の環境に合わせて動かす機器を選べる免税電子化システムです。提供元の株式会社ビジコムは自社でPOSレジも手がけており、BCPOSやリアレジ for steraと連動させた場合は、会計から免税手続きまでを同じ操作で進められます。
費用はプランごとに分かれます。Windowsプランは月額0円、POSレジ連動プランも免税システムとしては月額0円で、後者はBCPOSなど別途のPOSレジ利用料(月額5,000円〜)が前提になります。他社POSとCSVで連携するプランは初期費用(サーバー設定費)が1店舗あたり15,000円、決済端末を使うプランは月額1,480円(税別)で、公式サイトには料金調整中の注記が付いています。
購入記録情報は、承認送信事業者である同社のサーバーを経由して国税庁へ送信されるため、店舗側で電子証明書を導入・更新する作業は発生しません。2026年11月のリファンド方式に対応したWindows版アプリは、2026年7月22日に提供が始まっています。
13. J-TaxFree(株式会社J&J Tax Free)

株式会社JTBと株式会社ジェーシービーが折半出資する株式会社J&J事業創造、そのグループ会社である株式会社J&J Tax Freeが運営する免税システムです。PC・タブレット・スマートフォンで免税の電子申請を行え、公式サイトには契約企業数約1,000社・契約店舗数約15,000店舗(2025年時点)と記載があります。
料金は、初期費用(1台)に1台あたり月額3,000円〜の定額を組み合わせるプランと、初期費用に免税売上への料率を組み合わせる従量プランの2本立てです。初期費用と手数料率は台数に応じた見積もりとされ、公式サイトに金額の記載はありません。購入記録情報は承認送信事業者として同社が送信し、POSベンダー6社との連携では、レジ内で処理を完結させる組込版と既存POSの売上データを渡す連動版を選べます。
2026年11月のリファンド方式には、Webベースの返金サービス「J-TaxRefund」で対応します。訪日客は専用アプリを入れずにパスポート情報と返金方法を登録でき、返金の受け取りはクレジットカード、銀行振込、QRコード決済アプリなどから選ぶ設計です。同サービスはJ-TaxFreeシステムの利用者以外にも提供されます。
14. 日本免税(株式会社日本免税)

2024年10月に発表された、株式会社日本免税の免税電子化システムです。自社のPOSレジは持たないPOS連動型で、パスポートの自動読み取りやオフラインモードに加え、購入者の情報を扱うCRM機能とデータ分析用のBI管理画面を備えます。
初期費用は全プラン無料で、月額5,000円の固定プラン、基本料金0円の従量制プラン、1台30万円の買い切りプランから選べます。従量制の手数料率は公式サイトに記載がなく、問い合わせが必要です。購入記録情報は、承認送信事業者として同社が国税庁へ送信します。
観光庁が公表している免税システム事業者の一覧(2026年1月13日現在)では、酒税免税への対応と、スマートフォン・タブレットからPOSレジ・PCまでの全端末区分に該当すると申告しています。リファンド方式への対応としては、2026年3月3日にJPYC株式会社との提携を発表し、日本円ステーブルコインで還付金を受け取る仕組みを2026年11月に実装する予定としています。
15. 免税ネット(株式会社アドスマート)

iPadなどの汎用端末で免税手続きを行うサービスです。株式会社アドスマートが提供しており、契約単位が端末ではなく店舗になっているため、同じ店舗でレジ横の端末を増やしても月額料金は変わりません。1日あたりの処理は最大100件までとされています。
月額は1店舗3,000円から。初期費用については、公式サイトで初期費用と最初の1か月分を無料とする案内が出ています(2026年8月時点)。税務署へ申請書類を提出して識別符号を取得したあと、最短翌日から使い始められるとしています。
購入記録情報の送信は、承認送信事業者の認定番号(5-0133-0103-1699-0140-0001)を公式サイトに掲げる同社が担います。2026年11月のリファンド方式に対応する旨も公式サイトに明記されており、同社のクラウド型POS「販売ネット」との連携も可能です。酒税免税への対応は公表されていません。
16. Easy Detax(株式会社東光オーエーシステム)

「アパレル業界向け免税会計」として案内されている免税処理システムです。提供元は株式会社東光オーエーシステムで、レジそのものを置き換えるのではなく、既存のPOSレジ運用に免税の会計と書類作成を足す構成をとります。
一般物品と消耗品の区分はマスタの定義にしたがって自動で振り分けられ、区分ごとの集計額が免税対象の範囲に収まるかを判定したうえで消費税を計算します。パスポートは専用スキャナで読み取り、Visit Japan Webの免税QRコードにも対応します。
購入記録情報は、識別符号(2-0110-0101-5298-0140-0001)を公式サイトに記載する同社が、承認送信事業者として送信します。初期費用・月額費用はいずれも公式サイトに掲載がなく、問い合わせが必要です。2026年の制度改正についてはシステムを拡張する予定と記載されていますが、対応時期と追加費用は示されていません。
17. yb.TaxFree(株式会社山文)

株式会社山文が自社開発したWindows PC向けの免税ソフトです。最小構成はWindows PCとA4プリンターで、パスポートリーダーやレシートプリンターはオプションになります。特許上の懸念からPOSシステムとの直接連携は行わない方針が公式サイトで示されており、商品データは手入力かCSV取込で登録します。
費用は1店舗12,000円(税込)の買い切りで、月額料金は発生しません。複数店舗の状況を本部でまとめて確認する場合のみ、1店舗あたり月500円のオプション(6か月以上の契約が前提)が加わります。国税庁への送信機能を除いた試用も可能です。
購入記録情報は、承認送信事業者を経由せず国税庁のサーバーへ直接送る自社送信型です。送信を事業者に委託しないため中間サーバーの管理コストが発生しない設計である一方、電子証明書の管理をはじめ送信まわりの手続きは店舗側に残ります。酒税免税に対応し酒造メーカーでの利用も想定される一方、2026年11月のリファンド方式への対応は製品ページで公表されていません(2026年8月時点)。
集客・分析まで含めて免税を売上につなげる
免税手続きに加えて、購入者の分析や販促、決済手段の提供まで扱う4サービスです。店舗の費用負担を抑える設計を採るものが多く含まれます。
18. PIE VAT(株式会社Pie Systems Japan)

訪日客のスマートフォンアプリで免税手続きから返金までを完結させる仕組みで、POSレジ自体は提供せず、スマレジ・Shopify・Squareといった既存のレジと連携して使います。運営する株式会社Pie Systems Japanは米シリコンバレー発のPie Systems Inc.の日本法人で、公式サイトに国税庁の承認送信事業者であることを明記しています。
店舗側の初期費用・月額費用はかからず、免税手続き手数料1.5%を訪日客が負担する料金体系です。返金は135通貨に対応し、複数の受け取り手段を用意しています。
免税店の申請書類の作成・提出は契約税理士が無料で代行するほか、インバウンド集客向けのマーケティング機能も併せて提供します。商業施設向けにはデジタル免税カウンター「PIE VAT Station」を展開し、公式サイトのニュースでは2026年8月時点で国内27施設目の開設を伝えています。加えて、2026年11月のリファンド方式には対応済みと公式サイトで説明しています。
19. Global Blue(グローバルブルー・ティエフエス・ジャパン株式会社)

スイスに本拠を置く免税還付事業者Global Blueと株式会社NTTデータの合弁により2013年9月に設立された事業者で、国税庁の承認送信事業者として購入記録情報の送信を代行します。名称の似たグローバル・タックスフリー株式会社(後述)とは資本関係のない別の会社です。
そのため購入記録情報の送信設備や7年間の保管環境を店舗側で用意する必要がなく、免税書類の印刷時には免税額が自動で計算されます。免税購入者データの集計や免税リピーターの分析まで含め、免税手続きから返金、税関での承認確認までを一貫して扱う設計です。
同社は全国47都道府県での導入実績と年間1,400万件を超える免税取引を公表しています(いずれも集計期間の明記はありません)。料金体系は公式サイトで公開されていないため、費用は問い合わせでの確認が必要です。2026年11月のリファンド方式については、2026年3月のリテールテックJAPAN 2026で対応ソリューションの実機デモを公開したと発表しています。
20. Smart Detax(スマートテクノロジーズ&リソーシーズ株式会社)

手持ちのスマートフォンやタブレットのカメラでパスポートを読み取る免税システムで、専用リーダーやレジの入れ替えを伴わずに導入できます。運営するスマートテクノロジーズ&リソーシーズ株式会社は、承認送信事業者の登録番号を公式サイトに掲載しています。国際規格に沿ったパスポート194か国分に対応し、読み取りにかかる時間は約1秒と説明されています。
料金は3つのプランに分かれ、初期費用はいずれも無料です。端末ごとの月次定額型が月額3,000〜9,000円、免税額従量型は月額無料で免税売上の1.5%のみ、単一カウンターで運用する場合の完全無料型も選べます。
購入記録情報は7年間クラウドに保管して集計・分析でき、別店舗での同一商品の買い回りを検知するアラート機能も無償で使えます。2026年11月のリファンド方式には、SBペイメントサービス株式会社と共同開発した還付申請プラットフォーム「JPrefund」で対応します。2026年7月には、免税システムとのデータ連携から返金の送金処理までを一体で扱うサービスの提供を開始したと発表しています。
21. グローバル・タックスフリーの免税システム(グローバル・タックスフリー株式会社)

大型商業施設の免税一括カウンターの運営受託と、小売店舗が自店で免税処理を行うためのアプリ提供という2つの形で免税販売に対応しています。会社概要には設立2012年7月、資本金11億386万円と記載があり、東京本社のほか韓国ソウルとシンガポールにも拠点を持ちます。
公式サイトには承認送信事業者の識別符号が掲載されており、観光庁が公表する電子化対応の免税システム事業者一覧(2026年1月13日現在)にも、スマートフォン・タブレット、POSレジ、パソコンのいずれにも対応するとされています。同一覧の酒税対応欄は空欄で、酒類の免税販売に使えるかは公式サイトでも確認できません。
POSレジとの連携では、会計完了後に会計情報を免税アプリへ自動で渡すPOS+(ポスタス)との組み合わせが公表されています。
2026年2月には、アイルランドのPlanet(Planet Payment Group Holdings Limited)が日本事業の主要投資家となり、国内では「Planet」ブランドを掲げて事業を進めると発表しました。翌月の3月2日には三井住友カード株式会社を加えた3社で、リファンド方式に対応するシステム構築や店頭オペレーションの整備を進める基本合意を公表しています。
ただし公表されているのは基本合意までで、提供開始の時期や追加費用は明らかにされていません。料金体系も公式サイトには掲載がなく、費用は問い合わせでの確認が必要です。
申請や免税データの精査まで任せる
免税店の許可申請や購入記録情報の点検、免税カウンターの運営までを引き受ける3サービスです。店舗側の作業をどこまで減らせるかが比較の軸になります。
22. Ocean Tax Refund(株式会社Ocean)

株式会社Oceanが手がける免税リファンドシステムで、免税店向けアプリのパスポート登録・商品情報登録・免税申請という3ステップで手続きが完了します。パスポートはOCRで自動読み取りされ、観光庁の電子化対応事業者一覧(2026年1月13日現在)では対応端末の4区分と酒税対応の全ての欄に○が付いています。
このタイプの中では、店頭の手続き操作が店舗側に残る構成です。免税店の許可申請や購入記録情報の入力を代行するという案内は公式サイトで確認できず、店舗の手を離れるのは、30種類以上の通貨とPayPal・カード送金に対応する旅行者への返金処理の部分になります。
既存のPOSシステム向けには、購入記録情報の送信・税関確認結果・返金ステータスの連携をまとめて処理するAPIやSDKを2026年3月から無料で提供しています。費用は公式サイトで初期費用・月額費用ともに0円と案内されていますが、利用料を誰がどの料率で負担するかまでは公式情報で確認できないため、見積もり時に確かめておきたい点です。
23. REMOTAX(株式会社TomoBiz)

店舗スタッフがパスポートとレシートを撮影して送ると、内容の確認と入力、還付金の計算、国税庁システムへの購入記録情報の送信までを株式会社TomoBizがリモートで処理する、免税手続きの代行サービスです。観光庁の電子化対応事業者一覧では、対応端末としてスマホ/タブレットのみに○が付いています。
2023年9月からは委託型のサービスも用意され、商業施設や商店街にある複数店舗の購入を1つの免税カウンターでまとめて処理できます。ただし免税店の許可申請そのものを代行する案内は公式サイトになく、代行の範囲は購入記録情報の確認・入力と送信までと読み取れます。
費用は初回事務手数料10,780円(税込)のみで月額は0円、免税手数料を購入者から徴収する仕組みが基本です。公式サイトは手数料を「免税商品購入額の数%」とするにとどめ、具体的な料率と2026年11月のリファンド方式への対応時期は記載がないため、この2点は問い合わせで確認しておきたいところです。
24. FreeFreeShopping(株式会社にないて)

免税販売を誰が担うかを、自店舗モデル・親子モデル・地域モデルの3つから選べるのが、株式会社にないてが提供するFreeFreeShoppingです。専用端末を用意せず、スマートフォンやタブレットで免税販売手続きを完結できる構成をとっています。
親子モデルは、小売業以外の事業者が免税販売のプラットフォームとなり、傘下にある複数店舗の手続きをまとめて処理し、事業者間の精算計算まで自動化する形で、特許を取得しています。地域モデルでは商業施設や商店街に免税カウンターを設け、その運営を含めて対応します。免税店の許可申請の代行についての記載はありません。
機能はパスポートによる本人確認、QRコード決済、配送手段の対応、国税庁へのデータ送信、取引履歴の管理までを含み、英語・中国語・韓国語に対応します。帰国後の再購入に向けた越境ECの機能も備えます。料金は初期費用・月額費用とも非公表で、2026年11月のリファンド方式への対応も公式サイトでは確認できないため、この2点は問い合わせが必要です。
2026年11月のリファンド方式移行で変わること
免税販売の仕組みは、2026年11月1日を境に、店頭で免税価格を適用する現行方式から出国後に返金する方式へ切り替わります。国税庁は特設ページで次のように告知しています。
令和7年度税制改正により、令和8年11月1日から「リファンド方式」が実施されます。
出典:輸出物品販売場制度のリファンド方式への見直し|国税庁
根拠となるのは所得税法等の一部を改正する法律(令和7年法律第13号、2025年3月31日公布)で、これによる改正後の消費税法第8条第1項が2026年11月1日から施行されます。同項は、免税購入対象者が免税対象物品を輸出することにつき「税関長の確認を受けたとき(その購入した日から九十日以内に確認を受けた場合に限る。)」は消費税を免除すると定めています。
見直しの背景には、免税制度の不正利用があります。国税庁は「免税店における不適切な免税販売や免税購入した者による免税購入品の不正な横流し等が疑われる事案が相次いでいます」と説明しており、この状況への対応が令和7年度税制改正でのリファンド方式への見直しにつながりました。
購入時免税とリファンド方式は手続きがどう変わるか
最大の変化は、店頭で免税価格のまま販売する現行の方式から、いったん税込で販売する方式へ切り替わる点です。国税庁は変更点を次のように整理しています。
出典:【令和7年度税制改正】輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します(令和7年4月)|国税庁
- 免税店は、外国人旅行者等(免税購入対象者)に対して、税込価格(課税)で免税対象物品を販売することとなります。
- 免税購入対象者は、免税対象物品を国外に持ち出すことにつき購入日から90日以内の出国時に税関の確認を受けることとなります。
- 免税店を経営する事業者は、この確認後に免税購入対象者に消費税相当額を返金(リファンド)することとなります。
免税店側は、購入記録情報と、税関が持ち出しを確認した旨の情報(税関確認情報)を保存することで免税の適用を受けます。90日の数え方についても「購入日の翌日から計算して90日目までの期間をいいます。例えば、11月1日に購入した物品については、翌年1月30日が税関での確認期限となります。」と具体例が示されています。
一方で、変わらない部分もあります。観光庁が公表する変更点の一覧では、免税対象物品の下限金額(5,000円以上)と、購入記録情報を送信すること自体は「変更無」と整理されています。免税販売に電子的な送信の仕組みが要るという前提は、移行後も同じです。

いま免税システムを導入することが、移行によって無駄になるわけではありません。判断の焦点は、導入するかどうかではなく、選んだシステムが11月1日の切り替えにどう追随するかに移ります。
出典・参考資料(1件)
移行までに候補ベンダーへ確認すること
候補を絞る段階でベンダーに確認しておきたいのは、次の6点です。いずれも、確認しないまま契約すると11月1日に運用が止まりうる項目です。
- 対応時期: 提供開始が何月か。「対応予定」なら時期が明示されているか、いつ時点の情報か
- 追加費用の有無: 通常のアップデートに含まれるのか、別料金の追加モジュールになるのか
- 還付手続きの流れ: 返金をどの手段で、誰が実行するのか
- 購入者への説明方法: 説明の帳票やリーフレットが用意されるのか、店舗が印刷するのか
- スタッフ向け資料: 操作説明の教材や、移行前に手順を練習できるモードがあるか
- いま使っている機器の継続利用: パスポートリーダー・プリンタ・端末をそのまま使えるか、買い替えが要るか
このうち追加費用と既存機器の扱いは、見積書に表れない形で後から効いてきます。制度対応を無償のアップデートとして提供する例がある一方、対応版が別プランになる例もあり、機器側も読み取り方式が変わればリーダーの買い替えが生じます。移行を機に月額が上がらないか、機器の追加費用が発生しないかを、金額として答えてもらってください。
還付手続きの流れは、今回新しく加わる論点です。国税庁は「返金手続をどのように実施するかは消費税法令において何らルールを定めているものではありません。」としたうえで、銀行振込・クレジットカード送金・アプリ送金・出国港内での現金による返金といった方法を挙げています。
返金を店舗が自ら行うか、委託するかでも負担が変わります。国税庁は「輸出物品販売場を経営する事業者自らが行うほか、承認送受信事業者等にその返金手続を委託するといった方法が考えられます。」としています。
自ら返金する場合は、資金決済に関する法律にもとづく資金移動業の登録が必要となる場合があり、犯罪による収益の移転防止に関する法律にもとづく本人確認等の対応も生じます。返金までベンダーに委託できるかを確認項目に加えたい理由がここにあります。
ベンダーへの確認とは別に、店舗側が税務署に対して済ませておくべき手続きもあります。手続きの順序と必要書類は後述の「免税システム導入までの流れ」で扱いますが、期限だけは先に押さえてください。
免税販売手続電子化未対応の免税店(令和8年10月31日までに「購入記録情報の提供方法等の届出書」が未提出の免税店)については、令和8年10月31日をもって免税店許可の効力を失うこととされます。
出典:【令和7年度税制改正】輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します(令和7年4月)|国税庁
届出書を提出済みの既存の免税店は、11月1日以降、新制度の一般型免税店の許可を受けたものとみなされます。これから免税店になる場合の申請時期は、後述の導入の流れで扱います。
移行後に店舗のオペレーションと経理処理で起きる変化
店頭では、免税価格での販売がなくなる代わりに、購入者への説明と返金の案内が加わります。税関の確認は手荷物を機内預けした後には受けられないため、国税庁は「手荷物の機内預けをする前に税関の確認を受ける必要がある旨も併せて説明します。」としています。書類の交付や掲示だけでは足りず、口頭で確認を促す必要があるとも明記されています。
経理側では、販売時に課税売上げとして計上した取引を、後から免税売上げへ振り替える処理が新たに発生します。国税庁は次の2通りを認めています。
商品販売時に課税売上げとした取引は、税関確認情報の保存により免税要件を満たすことになりますので、その後に免税売上げに振り替える必要があります。この振替処理については、次の①の方法のほか、②の方法によっても差し支えありません。
① 税関確認情報の取得の都度、その税関確認情報に対応する課税売上げを免税売上げに振り替える方法
② 月次等の一定のタイミングで一括して振り替える方法
出典:【令和7年度税制改正】輸出物品販売場制度は令和8年11月からリファンド方式に移行します(令和7年4月)|国税庁
販売した課税期間と税関確認情報を保存した課税期間がずれる場合は、販売時の期の申告を修正するのではなく、税関確認情報を保存した期で調整する方法も認められます(継続適用が条件)。免税システムやPOSレジが振替処理の対象データをどう出力するかは、経理の手戻りに直結する確認項目です。
もう1つ増えるのが、確認待ちの取引を追いかける業務です。免税対象物品を販売してから90日を超えても税関確認情報が提供されない場合、その取引は課税販売として確定します。免税件数が多い店舗ほど、未確認のまま期限が近づいている取引を把握できる仕組みが要ります。
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免税システムとは
免税システムとは、輸出物品販売場(免税店)での免税販売手続きを電子的に処理し、購入記録情報を国税庁へ送るためのシステムです。パスポートの読み取り、免税対象額の判定と計算、購入記録情報の作成と送信、データの保存までを担います。
ここでは、制度として何が義務づけられているのか、現場ではどの順序で手続きが進むのかを整理します。候補を見終えた段階で制度の前提に立ち返っておくと、候補ごとの違いが何を意味するのかを判断しやすくなります。
免税販売手続の電子化で義務づけられていること
観光庁は「2021年10月1日以降、免税販売を行う場合は必要な手続を電子化する必要があります」と告知しています。免税システムは、あれば便利な設備ではなく、免税販売を成立させるための前提です。
事業者は、免税販売手続の際、遅滞なく、購入記録情報(購入者から提供を受けた旅券等に記載された情報及び購入者の購入の事実を記録した電磁的記録)をパソコン等の送信機器からインターネット回線等を通じて、国税庁が運用する免税販売管理システムにデータで送信する必要があります。
出典:輸出物品販売場制度について(令和5年4月・令和7年5月改訂)|国税庁
この義務は消費税法施行令第18条第7項に定められており、購入記録情報は「あらかじめその納税地を所轄する税務署長に届け出て行う電子情報処理組織」を使用する方法で提供することとされています。送信の仕組みと税務署への届出が、1つの条文でつながっている構造です。
送信したデータの保存も義務です。事業者は購入記録情報を整理して、免税販売を行った日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間、納税地または免税販売を行った輸出物品販売場の所在地に保存する必要があります。そして国税庁は、これらの手続を行わない場合には消費税は免除されないと明記しています。
免税販売はレジでどう進むか
現行制度の免税販売手続きは、国税庁の資料では6つの段階に整理されています。ここでは店頭の動きに沿って、旅券の確認・説明と引き渡し・送信と保存という3つのまとまりで見ていきます。比較表に並ぶ機能がこの流れのどこを担うのかを対応させながら読むと、必要な機能の見当が付きます。
まず、購入者本人から旅券等の提示を受け、記載された情報の提供を受けます。デジタル庁が整備するVisit Japan Webで表示される免税販売用二次元コードの提示を受け、旅券情報の提供を受ける方法も認められています。パスポートリーダーや二次元コードの読み取り機能は、この段階に対応します。
次に、旅券等により購入者が免税購入対象者であることを確認し、免税対象物品が輸出するために購入されるものであること等を購入者へ説明します。そのうえで物品を引き渡しますが、現行制度では消耗品を指定された方法で包装する必要があるため、一般物品と消耗品の判別と包装区分の切り替えがここで効いてきます。
最後に、購入記録情報を遅滞なく免税販売管理システムへ送信し、そのデータを整理して保存します。送信と保存を自動で行える構成なら、閉店後の事務作業として残る部分がほとんどなくなります。
免税電子化アプリと免税システムの違い
「免税電子化アプリ」という言い方を目にすることがありますが、これは制度上の区分ではありません。公的な資料では「免税電子化システム」と呼ばれ、アプリという区分は使われていない点に注意が必要です。
制度として書けるのは、自社送信を選ぶ場合に「購入記録情報を国税庁が管理する免税販売管理システムへ送信するためのソフトウェア・アプリケーションを用意する必要があります」という点までです。その先の呼び分けは、市場側の言い方と考えるのが実態に近いといえます。
実務上の違いとして残るのは、どの端末で動くかです。スマートフォンやタブレットのアプリ、Windowsパソコン、レジ組み込み、Webブラウザ完結と幅があり、レジ周りの機器構成と設置スペースによって選択肢が絞られます。呼び名ではなく、対応端末と送信方式で見分けるのが確実です。
免税システムの機能とメリット・デメリット
選び方では候補を比べる軸を見てきました。ここでは視点を変えて、免税システムが現場で何を担い、その結果として何が変わり、その裏返しでどこに注意が要るのかを見ていきます。
免税システムでできること(主な機能)
免税手続きの入口にあたるパスポート情報の読み取りは選び方で触れたとおりです。ここではその先で、免税システムが引き受けている仕事を見ていきます。
まず免税対象額の判定と計算です。商品マスタに一般物品か消耗品かを設定しておき、購入合計から免税の可否を判定して消費税相当額を算出します。同じ人が同じ日に同じ店で買った分を合算して判定する必要があるため、複数回に分けた会計をまたいで金額を積み上げられるかどうかが実務の差になります。
次が購入記録情報の作成と送信、その保存です。読み取った旅券情報と購入内容から電磁的記録を組み立てて送信し、7年間の保存義務に耐える形で残します。保存は紙のファイルではなくデータで求められるため、閉店後に控えを綴じる作業がなくなる一方、退店・機種変更のときにデータをどう引き継ぐかは確認しておきたい点です。
3つ目が不正な免税購入の検知です。国税庁が「免税店における不適切な免税販売や免税購入した者による免税購入品の不正な横流し等が疑われる事案が相次いでいます」として制度見直しの背景に挙げた領域で、同一人物による短期間の反復購入などを警告する機能を無償で提供するサービスもあります。
このほか、免税書類や返金明細の多言語出力、免税売上の集計と国籍別の分析、決済手段との連携を備えるものがあります。どこまでを必要とするかは、免税件数と業態によって変わります。
導入で得られる効果(メリット)
まず、レジでの所要時間が短くなります。旅券情報の読み取りと免税額の計算が自動で進むことで、購入者を待たせる時間が減り、免税客と一般客が混在する時間帯でもレジが詰まりにくくなります。
次に、免税が成立しない取引を防げます。前述のとおり購入記録情報の誤りは免税の不成立に直結するため、人の入力を減らすことは、リファンド方式では返金や経理処理の手戻りを避けることにそのままつながります。
そして、免税売上が数字として見えるようになります。国籍別・時間帯別・商品別の集計が取れると、品揃えや多言語対応の投資判断に使えるほか、確認待ちの取引や返金の状況を経理側が把握できます。
導入のデメリットと注意点
免税件数が少ない店舗では、費用対効果が合わないことがあります。月に数件の免税販売しかない状態で端末単位の月額を払い続けるより、月額を持たない体系から始めて件数の伸びに応じて見直すほうが、負担と効果の釣り合いが取りやすくなります。
反対に、化粧品や医薬品を大量に売るドラッグストアのように1回の会計で消耗品の点数が多い店舗では、現行制度の包装義務と金額判定が会計時間を押し上げます。11月1日にこの区分と包装義務が廃止されるまでの数か月をどう回すかは、移行後の運用とは別に考えておく必要があります。
周辺機器が別手配になる点も見落とされがちです。パスポートリーダーやレシートプリンタが本体価格に含まれるとは限らないため、見積もりは機器の費用と調達方法まで含めた総額で比べる必要があります。
スタッフ教育の負担も残ります。購入者への説明は、書類を交付・掲示するだけでは足りず、口頭で「書類をご一読ください」と伝えるなど確認を促す必要があるとされており、手続きの型を人に定着させる作業が避けられません。
制度改正のたびに更新が生じることも、この分野の特性です。2021年の電子化に続いて2026年11月の移行が控えており、そのあとも改正がないとは限りません。アップデートを通常の保守の範囲で提供するベンダーかどうかは、長く使うほど効いてきます。
免税システム導入までの流れ
ここからは、免税店の許可申請からシステムの利用開始までの順序と、それぞれにかかる時間の見当を整理します。2026年11月1日に間に合わせるための逆算にお使いください。
やるべきことは、すでに免税店の許可を受けているか、これから受けるかで変わります。2026年8月の時点から11月1日までを逆算すると、次の並びになります。

すでに免税店の許可を受けている場合
- 8〜9月: 候補を絞り、リファンド方式への対応時期・追加費用・返金の担い手を見積書で確認する。いま使っている機器を継続して使えるかもここで確定させる
- 9月: 契約と設定。「購入記録情報の提供方法等の届出書」が未提出なら、この段階で提出まで済ませる
- 10月: 機器の設置とスタッフ研修。練習用モードがあれば、返金の説明を含めた手順をここで通しておく
- 10月31日: 届出書の提出期限。未提出のままだとこの日をもって免税店許可の効力を失う
- 11月1日: リファンド方式へ一斉切り替え。課税販売と返金、課税売上げから免税売上げへの振替が始まる
これから免税店の許可を受ける場合
- 8〜9月: システムの選定と契約。許可申請の添付書類が送信方式によって変わるため、自ら送信するか承認送受信事業者へ委託するかをここで決める
- 9月: 操作マニュアルなど体制面の書類をそろえる。申請書の新様式は9月中を目途に公表される予定
- 10月1日: リファンド方式に対応した許可申請の受付開始。国税庁は事前に所轄税務署へ相談のうえ、10月1日以降すみやかに提出するよう案内している
- 10月中: 審査。許可の通知とあわせて識別符号が通知される
- 10月31日まで: 識別符号をシステムに設定し、店頭の運用を通しで確認する
審査には一定の期間を要するため、10月に入ってからシステムを選び始めると間に合わない可能性があります。選定と契約は9月中に終える前提で組むのが安全です。
輸出物品販売場(免税店)の許可申請で必要になるもの
免税販売を行うには、店舗の所在地を所轄する税務署から輸出物品販売場の許可を受ける必要があります。リファンド方式に対応した許可申請の受付は2026年10月1日から始まり、国税庁は審査に一定の期間を要するとして、余裕を持った提出を求めています。
添付書類は、購入記録情報の提供等を誰が行うかによって変わります。
購入記録情報の提供等に関する書類(その提供等を誰が実施しますか?)/自ら実施:購入記録情報の提供等に使用する情報システムに関する内容を記載した書類【事務のマニュアルや端末操作要領など】/承認送受信事業者に委託:その委託に関する契約書の写し【購入記録情報の提供等に係る事務の委託に関する契約書の写しなど】
出典:リファンド方式開始以降に免税店の許可を受けるための申請手続(令和8年7月)|国税庁
自ら送信する場合は操作マニュアルなどの整備が申請の前提になり、委託する場合は契約書の写しが要ります。送信方式の選択が、申請書類の中身まで決める構造です。許可要件としても「免税販売手続や購入記録情報の提供等を適正に実施するための必要な体制が整備されていること」が挙げられており、システムの選定と体制の整備は申請の前に済ませておくことになります。
申請書の新様式について、国税庁は「新様式は本年9月中を目途に国税庁ホームページの『税務手続の案内』ページで公表します。」としています。2026年8月の時点では未公表のため、書式の確定を待たずに、システムの選定と契約、体制の整備を先に進めておくのが現実的な順序です。
承認送信事業者との契約・識別符号の取得と店舗側の準備
購入記録情報の送信には、店舗ごとの識別符号が必要です。これは店舗が別途申請して取得するものではなく、許可の通知とあわせて税務署長から通知されます。
上記②の許可申請に基づき輸出物品販売場の許可がなされた場合、納税地の所轄税務署長からその許可通知とともに、輸出物品販売場ごとの識別符号が通知されます。この識別符号は、免税販売管理システムに送信する購入記録情報の記録項目の一つとなるほか、税関確認情報の取得を行う際にも必要となりますので、通知された識別符号は適切な管理が必要となります。
出典:輸出物品販売場制度に関するQ&A(リファンド方式)(令和8年7月)問25|国税庁
委託する場合は、許可申請書の「購入記録情報の提供等の方法」欄に承認送受信事業者の識別符号と名称を記載します。この場合、店舗側で電子証明書を取得する必要はありません。自ら送信する場合は、電子証明書の発行を受けるために電子メールアドレスを記載し、証明書の管理と更新が店舗の作業として残ります。
店舗側の準備としては、商品マスタへの免税対象区分の設定、レジや端末の設置と通信環境の確認、スタッフへの手続き説明が並行して進みます。識別符号の通知後すぐに運用へ移れるよう、この3つは許可の通知を待つ間に着手しておくと切り替えが滑らかです。
酒蔵・蒸留所などで酒税の免税も行う場合は、消費税側とは別に「輸出酒類販売場における酒類購入記録情報の提供方法等の届出書」が必要で、こちらにも2026年10月31日という期限があります。2本の届出がそろっているかを確認しておいてください。
出典・参考資料(1件)
まとめ
本記事では、免税システムを5つのタイプに分けて整理し、送信方式・POS連携・取扱商品・費用体系などの観点から選び方を解説したうえで、免税専業システムと免税対応POSレジ24サービスを比較しました。
選定で最初に決めたいのは、免税手続きをレジ側に寄せるか、レジとは別の免税システムに任せるかです。免税件数が多くレジ前の滞留を短くしたい店舗はレジ搭載型、既存レジを動かせない店舗や免税件数がまだ読めない店舗は専業システムが噛み合いやすい構図です。申請や入力まで含めて負担を減らしたい場合は、代行まで担う型が選択肢になります。
そのうえで、2026年11月1日のリファンド方式移行への対応時期と追加費用の有無、還付手続きの流れを候補ごとに確認してください。10月31日までに届出書が未提出の免税店は免税店許可の効力を失うため、システムの選定と税務署への手続きは並行して進める必要があります。
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よくある質問(FAQ)
Q. 免税システムとは何ですか?
A. 免税システムとは、輸出物品販売場(免税店)での免税販売手続きを電子的に処理し、購入記録情報を国税庁の免税販売管理システムへ送るためのシステムです。
パスポート情報の読み取り、免税対象額の判定と計算、購入記録情報の作成・送信・保存までを担います。提供形態は、免税手続きだけを引き受ける専業システムと、POSレジに免税機能を搭載したものに大きく分かれます。
Q. 免税システムを導入しないと免税販売はできませんか?
A. 免税販売は、紙の書類だけで続けることはできず、購入記録情報を電子的に送信する仕組みが必要です。観光庁は「2021年10月1日以降、免税販売を行う場合は必要な手続を電子化する必要があります」と告知しており、国税庁も所定の手続きを行わない場合には消費税は免除されないと明記しています。
さらに、2026年(令和8年)10月31日までに「購入記録情報の提供方法等の届出書」が未提出の免税店は、同日をもって免税店許可の効力を失うこととされています。紙の運用が残っている店舗は、システムの選定と税務署への届出を並行して進める必要があります。
出典・参考資料(3件)
Q. 免税システムは今使っているPOSレジと別々に運用できますか?
A. 免税システムは、POSレジとは別の端末で運用することもできます。購入記録情報が正しく作成・送信されていれば、会計に使うレジと同じ機器である必要は制度上ありません。
ただし連携がない構成では、レジで会計した商品と金額を免税システムへ入力し直す二重入力が発生します。リファンド方式では、購入記録情報に誤りや入力漏れがあると税関の確認が行えず、免税の適用を受けられません。免税件数が多い店舗や複数店舗を運営する場合ほど、レジ搭載型か、会計データが自動で渡る連携かを優先して検討する価値があります。
出典・参考資料(1件)
Q. 免税システムの費用はどれくらいかかりますか?
A. 免税システムの費用は、初期費用・月額固定・免税売上に対する件数従量・買い切りという4つの体系に分かれ、どれが有利かは自店の免税件数と免税売上で決まります。
公的な相場統計がある領域ではないため、各社が公表する課金単位から自店の数字で分岐点を計算するのが確実です。月額5,000円のプランと免税売上1.5%の従量プランなら、月の免税売上が約33万円のあたりが分岐点になります。サービスごとの実額は、費用相場と料金体系に、公表されている金額をそのまま一覧にしています。
Q. 免税販売が月に数件しかない店舗でも、免税システムを導入する価値はありますか?
A. 免税販売を行うのであれば、件数が月に数件でも購入記録情報を電子的に送信する仕組みは必要です。電子化は免税販売を成立させるための要件で、件数の多寡による例外は設けられていません。国税庁は、所定の手続きを行わない場合には消費税は免除されないと明記しています。
判断が分かれるのは、費用のかけ方のほうです。月に数件の状態で端末ごとの月額を払い続けるより、月額を持たない件数従量型や、手持ちの端末のカメラで読み取れる初期費用0円の構成から始め、件数の伸びに応じて見直す進め方が取れます。免税販売自体を行わない選択もありますが、その場合は訪日客に免税価格(2026年11月1日以降は消費税相当額の返金)を提供できなくなります。
出典・参考資料(1件)
Q. いま免税システムを導入すると、2026年11月のリファンド方式移行で無駄になりませんか?
A. 購入記録情報を送信すること自体は移行後も変わらないため、いま導入する仕組みがそのまま不要になるわけではありません。観光庁が公表する手続の変更点の一覧でも、購入記録情報を送信することと免税対象物品の下限金額(5,000円以上)は「変更無」と整理されています。
契約先についても、2026年(令和8年)10月31日に承認を受けている承認送信事業者は、11月1日において承認送受信事業者の承認を受けたものとみなされ、そのために申請書や届出書を改めて提出する必要はないとされています。ただしこれは事業者の承認が引き継がれるという話であり、その事業者のシステムがリファンド方式に対応するかどうかは別問題として確認が必要です。
Q. 免税システムがリファンド方式に対応しているかは、どう確認すればよいですか?
A. リファンド方式への対応は、対応時期・追加費用の有無・返金手続きの流れ・購入者への説明方法・スタッフ向け資料・いまの機器を継続して使えるかの6点を、資料や契約前の説明で確かめます。口頭の「対応予定」だけで判断せず、提供時期が明示されているか、いつ時点の情報かまで確認してください。
国税庁は「現行制度とリファンド方式を併用する移行期間はありません。」としており、11月1日に間に合わない場合は免税販売そのものが止まります。6点それぞれで何をどう聞くかは、記事前半のリファンド方式移行の節に、ベンダーへ確認する6点をまとめました。
Q. 免税システムを選ぶ前に、店舗側で税務署へ済ませておく手続きはありますか?
A. すでに免税店の許可を受けている店舗は、2026年(令和8年)10月31日までに「購入記録情報の提供方法等の届出書」を提出しておく必要があり、未提出の免税店は同日をもって免税店許可の効力を失います。届出を済ませた既存の免税店は、11月1日以降、新制度の一般型免税店の許可を受けたものとみなされます。
購入記録情報の送信に使う識別符号は、店舗が別途申請して取得するものではなく、輸出物品販売場の許可がなされた際に、その許可通知とともに所轄税務署長から通知されます。これから免税店になる場合の申請時期を含めた8月からの逆算は、導入までの流れで、免税店の許可の有無ごとに逆算した進め方を示しています。
出典・参考資料(2件)
Q. 免税システムの提供会社が承認送信事業者かどうかは、どこで確認できますか?
A. 承認送信事業者は税務署長の承認を受けた事業者を指すため、最終的には候補の事業者自身に承認の有無を確認することになります。消費税法施行令第18条の4第4項は、承認送信事業者を、一定の要件を満たす事業者で購入記録情報を提供することにつき「その納税地を所轄する税務署長の承認を受けた者」と定めています。
参考になる公表資料として、観光庁が「電子化に対応した免税システム事業者情報一覧」を公開しており、2026年1月13日現在で22社が掲載されています。ただし観光庁は「システム事業者の申告に基づき、免税店様向けのご参考用に掲載するもので、観光庁としての認可や保証等をあらわすものではございません。」としています。掲載がないことが承認を受けていないことを意味するわけではない点に注意してください。
Q. リファンド方式で購入者への返金がうまくいかなかった場合、対応するのは店舗とベンダーのどちらですか?
A. 返金の実行を承認送受信事業者などに委託していても、消費税相当額を返金する立場は免税店を経営する事業者にあるため、返金が完了しているかを最後に見届ける責任は店舗側に残ります。国税庁は返金手続きの実施方法について消費税法令に何らルールを定めていないとしており、未着や遅延が起きたときに誰が一次対応するかは、制度ではなく事業者との契約で決まります。
そのため契約前には、返金の実行者、購入者からの問い合わせ窓口、購入者と連絡が取れず返金できなかった場合の取り扱いの3点を、どこまで事業者が引き受けるのか書面で確かめておくと安全です。返金を店舗が自ら行う場合に生じる法令上の負担は、詳しくはリファンド方式移行の節をご覧ください。
出典・参考資料(2件)
Q. 免税システムに一般物品と消耗品を自動で判別する機能は必要ですか?
A. 一般物品と消耗品の判別は、2026年10月31日までの販売には必要ですが、11月1日以降は区分そのものが廃止されるため不要になります。同日以降は、消耗品の購入上限額(50万円)・特殊包装・通常生活の用に供するかどうかの要件も廃止され、購入下限額の5,000円だけが区分なしの判定として残ります。
そのため確認の主眼は、判別機能があるかどうかよりも、区分廃止への切り替え時期と追加費用の有無に移ります。ベンダーへの具体的な確認の仕方は、選び方で、確認の主眼をどこに置くかを整理しています。
Q. 酒類を扱う店舗は、酒税免税に対応した免税システムが必要ですか?
A. 酒税の免税に対応する必要があるのは、酒蔵・蒸留所など、自社で製造した酒類をその製造場で免税販売する店舗に限られます。酒類を仕入れて販売する一般の小売店は、酒類を扱っていても酒税は免除されず、消費税の免税だけが対象になります。
該当する場合は、消費税側とは別に「輸出酒類販売場における酒類購入記録情報の提供方法等の届出書」が必要で、2026年(令和8年)10月31日までに未提出だと同日をもって輸出酒類販売場の許可の効力を失います。制度の中身とシステム側の確認事項は、制度の射程は選び方で解説しています。
出典・参考資料(3件)
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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