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償却資産税の申告誤りを修正する方法|期限後の手続きと更正の請求を解説

償却資産税(固定資産税のうち事業用の機械・器具・工具などに課されるもの)の申告期限は毎年1月31日です。期限を過ぎてから「資産の申告漏れがあった」「廃却済みの資産を誤って申告し続けていた」と気づいたとき、どのように対処すればよいでしょうか。

申告期限後でも、修正した申告書を管轄市区町村に提出することで手続きは可能です。ただし、過少申告(申告内容が実際より少ない場合)と過大申告(申告内容が実際より多い場合)では手続きが異なり、延滞金の発生タイミングや加算金の有無も変わります。

本記事では、期限後の修正申告の手続きの流れ、更正の請求との違い、第1期納期限経過後の注意点を解説します。あわせて、申告誤りの再発防止に役立つ固定資産管理システムも紹介します。

この記事を読むとわかること
  • 償却資産税の申告および修正申告の基本
  • 償却資産税の修正申告・更正手続きの流れ(過少申告と過大申告)
  • 修正申告・更正の請求に伴う加算金と延滞金
  • 償却資産税の申告に対応した固定資産管理システムの比較
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償却資産税の申告と修正申告の基本

申告対象と申告期限

固定資産税のうち償却資産に課されるものを、実務上「償却資産税」と呼びます。土地・建物の固定資産税と同じく地方税であり、課税権者は資産が所在する市区町村(東京23区は東京都)です。

申告義務者は、毎年1月1日現在に事業用の償却資産(機械・器具・工具・備品・構築物など)を所有する法人および個人事業主です。地方税法第383条に基づき、資産が所在する市区町村ごとに申告書を提出する義務があります。申告期限は毎年1月31日です。

固定資産税(償却資産)は賦課課税方式を採用しています。申告書を提出した後、市区町村が課税標準額と税額を計算し、4月から5月頃に課税通知書を送付します。事業者は通知書に記載の金額を納期限までに納付する仕組みです。申告者自身が税額を計算して納付する所得税などの申告納税方式とは異なる仕組みであり、課税までの流れを押さえておく必要があります。

修正申告が必要になる主なケース

申告内容に誤りが生じるケースは、大きく過少申告と過大申告の2パターンに分けられます。

申告内容の誤り具体例手続きの方向性
過少申告(課税標準が少ない)新規取得資産の申告漏れ、資産種類・取得価額の誤記修正申告書の提出(追加課税)
過大申告(課税標準が多い)廃却・売却済み資産の申告継続、非課税資産の誤申告更正の請求(過払い分を取り戻す)

どちらのケースも、申告期限(1月31日)を過ぎてから誤りに気づいた場合でも対応可能です。以下、それぞれの手続きを詳しく説明します。

修正申告の手続き(過少申告の場合)

提出先と必要書類

過少申告の場合は、修正した償却資産申告書(種類別明細書を含む)を、資産が所在する市区町村の固定資産税担当課(主税課・課税課など名称は市区町村によって異なります)に提出します。

提出書類の構成は市区町村ごとに定めが異なりますが、一般的に以下が求められます。

  • 修正後の償却資産申告書(当初申告との差分を明示するよう求められる場合があります)
  • 種類別明細書(増加資産・減少資産の明細)
  • 取得の事実を示す書類(請求書・売買契約書などの写しを求められる場合があります)

書式・様式は各市区町村のウェブサイトからダウンロードできる場合が多くあります。eLTAXに対応している市区町村では、電子申告による修正申告書の提出も可能です。まずは管轄市区町村の窓口に電話で確認し、必要書類と手順を把握してから対応すると円滑に進めることができます。

申告期限後はいつまで受け付けてもらえるか

申告期限(1月31日)を過ぎた後でも、修正申告書の受け付けは行われます。地方税法上、固定資産税の賦課権(市区町村が課税を行う権限)には時効があり、その期間を超えると追加課税が困難になります。実務的には、誤りを発見した時点でできるだけ早く窓口に相談することが重要です。

また、市区町村による調査や照会が行われる前に自主的に修正申告書を提出した場合と、調査後に修正した場合とでは、加算金の扱いが変わります(詳細は後述します)。

第1期納期限経過後に修正申告した場合の注意点

固定資産税(償却資産)の納付は、多くの市区町村で年4回の分割納付(第1期〜第4期)が設定されています。第1期の納期限は市区町村によって異なり、東京都23区は6月末、大阪市や神戸市は4月など、自治体によって4月から6月末頃に設定されています。申告期限(1月31日)後かつ第1期納期限前に修正申告書を提出した場合は、4月〜5月に届く課税通知書に修正後の金額が反映されるケースが多くあります(市区町村の審査スケジュールによります)。

一方、第1期納期限を過ぎてから修正申告書を提出した場合は、追加分の課税通知書が別途送付されます。記載された新しい納期限までに追加分を納付する流れです。延滞金は、追加税額に対して当初の第1期納期限の翌日を起算日として計算される場合があります。詳細は管轄市区町村によって異なるため、提出前に担当窓口での確認をおすすめします。

更正の請求(過大申告の場合)

更正の請求とは

すでに申告・納付した税額が本来の税額より多かった場合(過大申告)は、「更正の請求」という手続きによって過払い分の還付を求めることができます。廃却済みの資産を誤って申告し続けていた場合や、非課税対象の資産を課税対象として申告していた場合がこれにあたります。

更正の請求書を管轄市区町村に提出すると、市区町村が内容を審査し、更正(税額の修正)が認められた場合に過大納付額が還付されます。

請求期限と提出書類

更正の請求には提出期限があります。申告書の提出期限(1月31日)の翌日から起算して5年以内が一般的な期限の目安とされています。5年を大幅に超えた過去の申告については、更正の請求による還付が認められない場合があるため、過大申告に気づいた時点で速やかに手続きを検討してください。

提出書類は更正の請求書(各市区町村の指定様式)と、過大申告であることを示す根拠書類が必要です。根拠書類としては、廃却・売却の事実を示す証明書(廃材業者の受領書、売却先との契約書など)や固定資産台帳が挙げられます。書式は市区町村の窓口またはウェブサイトで確認してください。

更正の請求が認められた場合、還付加算金が付く場合と付かない場合があり、市区町村によって取り扱いが異なります。詳細は担当窓口への事前確認が確実です。

修正申告・更正の請求に伴う加算金と延滞金

自主的な修正申告と加算金の扱い

修正申告書を自主的に提出した場合、不申告加算金は原則として課されないか軽減されるケースが多くあります。固定資産税(償却資産)は賦課課税方式であるため、市区町村が課税処分を行う前に申告者が自主的に申し出たという事実が考慮されます。

一方、市区町村からの調査・照会を受けた後に修正した場合は、過少申告加算金が課される可能性が高くなります。申告誤りに気づいた時点でできるだけ早く窓口に相談することが、加算金を回避・軽減するうえで有効な対策です。

延滞金の計算方法

修正申告によって追加の税額が生じた場合、その追加税額に対して延滞金が課される場合があります。延滞金は地方税法の規定に基づき、以下の考え方で計算されます。

  • 計算の起算日:追加税額に係る当初の第1期納期限の翌日
  • 計算の終了日:実際に追加税額を納付した日
  • 延滞金率:地方税法の規定に基づく税率。令和8年(2026年)は納期限翌日から1ヶ月以内が年2.8%、1ヶ月経過後が年9.1%。延滞金特例基準割合に応じて毎年見直されます

延滞金の具体的な金額は、追加税額の大きさ・期間・適用税率によって変わります。市区町村によって運用が異なる場合があるため、修正申告書の提出前に担当窓口で延滞金の見込み額を確認しておくと安心して提出できます。

第1期納期限前に修正申告書を提出し、通常の課税通知書に修正内容が反映されて当初の納期限に納付できた場合は、延滞金が発生しないか最小限に抑えられます。修正に気づいた時期によって実質的な負担が変わる点は押さえておきたいところです。

固定資産管理システムで申告誤りを防ぐ

申告誤りの背景には、Excelによる台帳管理での転記ミス、資産の追加・廃却時の更新漏れ、複数担当者間の情報共有不足といった属人的な要因が多くあります。固定資産管理システムを導入すると、資産台帳・減価償却計算・申告書作成を一元管理でき、人手の介在が減るため転記・更新時のミスが起きにくくなります。

以下では、償却資産申告に対応した代表的なシステムを紹介します。

マネーフォワード クラウド固定資産

マネーフォワード クラウド固定資産の公式サービスページ
マネーフォワード クラウド固定資産の公式サイト

株式会社マネーフォワードが提供するクラウド型の固定資産管理システムです。固定資産台帳の登録・管理、減価償却の自動計算、償却資産申告書(種類別明細書含む)の出力、法人税別表16の出力まで一貫して対応しています。

eLTAX電子申告への対応は、申告データをCSV形式でエクスポートしてeLTAX対応ソフト「PCdesk」に読み込む方式です。提出先市町村コードなど「電子申告提出先情報」はマスタ上で管理できます。会計システムとの連携は、マネーフォワード クラウド会計PlusとのAPI連携(1クリック仕訳)と、他社会計システムへのCSV連携に対応しています。

2025年6月には「加速償却機能」を追加しました。除売却予定日を設定するだけで償却期間の短縮再計算と仕訳作成を自動化できます。SOC1 Type2報告書を提供しており(最新は2025年4月11日付、対象期間2024年1月〜12月)、内部統制監査の証跡として利用できます。

FAManager(株式会社TKC)

FAManagerの公式サービスページ
FAManagerの公式サイト

株式会社TKCが提供する中堅・大企業および上場企業グループ向けのクラウド型固定資産管理システムです。800社超の導入実績があります(2026年2月のプレスリリースより)。

償却資産申告書の自動作成とe-TAX償却資産との連携による電子申告が標準機能として搭載されており、申告から電子提出まで一気通貫で処理できます。法人税申告書別表16も自動作成が可能です。リース会計・減損会計・資産除去債務の3会計処理を標準機能として搭載しており、上場企業が財務諸表で求められる会計処理にも対応しています。

年次バージョンアップにより最新の税制・会計基準に継続対応しており、2025年7月版では令和7年度税制改正・リース税制改正に対応済みです。TKC全国会に加盟する税理士・公認会計士が導入支援に関与する体制となっています。

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サービス名 / 比較項目マネーフォワード クラウド固定資産FAManager
提供会社株式会社マネーフォワード株式会社TKC
初期費用要問い合わせ(導入支援費用が発生)要お問い合わせ
月額費用要問い合わせ要お問い合わせ
無料トライアル公式料金ページに記載なし公式記載なし
償却資産申告書出力
法人税別表16出力
eLTAX電子申告(CSVエクスポート→PCdesk連携)(e-TAX連携で直接電子申告)
会計システム連携(クラウド会計PlusとAPI連携/他社CSV)(ERP・購買管理など31種類のデータ連携)
新リース会計基準対応(別製品のクラウドリース会計で対応)(2026年夏以降に本機能順次搭載予定)
詳細情報ミーティングを予約する公式サイトを見る

固定資産管理システムの選び方や各製品の詳細な比較については、以下の記事でも解説しています。導入を検討される方はあわせてご覧ください。

まとめ

償却資産税(固定資産税の償却資産分)の申告内容に誤りがあった場合、申告期限(1月31日)を過ぎた後でも修正手続きは可能です。過少申告の場合は修正申告書を市区町村に提出し、過大申告の場合は更正の請求書を提出します。いずれも管轄市区町村の固定資産税担当窓口に相談することから始めると確実です。

自主的に修正申告書を提出した場合は加算金が軽減または不課税となる場合が多い一方、延滞金については追加税額に対して当初の第1期納期限翌日から計算されます。第1期納期限前に修正申告書を提出できるかどうかが、経済的な負担の分岐点になるケースが多いです。

申告誤りの再発防止には、固定資産管理システムの導入が有効です。資産台帳・減価償却計算・申告書作成を一元管理することで、記録漏れや転記ミスを防ぎやすくなります。自社の規模・会計システムとの連携要件・申告先市区町村数を踏まえてシステムを選定してください。

よくある質問

償却資産税の修正申告は申告期限後にも受け付けてもらえますか?

受け付けてもらえます。申告期限(1月31日)を過ぎた後でも、管轄市区町村の固定資産税担当窓口に修正した申告書を提出することで対応可能です。ただし、市区町村の賦課権(課税できる権限)には時効があるため、長期間放置すると対応できる範囲が狭まる場合があります。誤りに気づいた時点で速やかに担当窓口に相談することをおすすめします。

廃却済みの資産を誤って申告し続けていた場合はどうすればよいですか?

過大申告にあたるため、更正の請求という手続きをとります。更正の請求書(各市区町村の様式)に当初申告の内容と修正内容を記載し、廃却・売却を示す証明書類とともに市区町村に提出します。申告書提出期限(1月31日)の翌日から5年以内が請求可能な期間の目安とされることが多いため、早期の手続きをおすすめします。

自主的に修正申告書を提出した場合、加算金は課されますか?

自主的に修正申告書を提出した場合、不申告加算金は原則として課されないか軽減されるケースが多くあります。固定資産税(償却資産)は市区町村が課税する賦課課税方式であるため、調査を受ける前に自主申告した事実が考慮されます。ただし、延滞金(本税の一定割合)については追加税額が生じた場合に課されることがあります。具体的な取り扱いは市区町村によって異なるため、申告書提出前に窓口へご確認ください。

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