顧客への大切なお知らせを送っても、メールは開封されず、電話にもつながらない——そんな「連絡が届かない」課題に頭を悩ませていませんか。
携帯電話の番号あてに短いメッセージを送るSMS(ショートメッセージサービス)を、販促や通知に活用するのが「SMSマーケティング」です。アプリのインストールや友だち追加を必要とせず、幅広い顧客へ情報を届けやすい手段として広がっています。
本記事では、SMSマーケティングの仕組みと、メールやLINEより届きやすい理由、メリットと注意点、広告・宣伝で送る際に押さえるべき特定電子メール法の実務、そして実際に始めるためのSMS送信サービスの選び方まで、順を追って解説します。
自社の顧客連絡や販促をどう改善できるか、具体的な検討を進めるための材料としてご活用ください。
目次
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SMSマーケティングとは?仕組みをわかりやすく解説
SMSマーケティングとは、顧客の携帯電話番号あてにSMS(ショートメッセージサービス)を送り、販促や通知、リマインド、督促などのコミュニケーションを行う手法です。メールアドレスではなく電話番号を宛先にするため、相手のアプリ環境に左右されずにメッセージを届けられる点が特徴です。
企業が数百件、数千件といった単位でSMSを一斉に送るには、法人向けの「SMS送信サービス(SMS配信サービス)」を利用するのが一般的です。管理画面に宛先リストと文面を登録して配信する方法と、自社の基幹システムや顧客管理システム(CRM)とAPIで連携し、購入完了や予約確定などのタイミングで自動配信する方法があります。
配信されたメッセージは、携帯電話に標準で搭載されているメッセージアプリに届きます。受信者が専用アプリを入れたり、友だち登録をしたりする必要がないため、電話番号さえ分かっていれば連絡が取れる点が、他のチャネルとの大きな違いになります。
SMS・メール・LINE・+メッセージの違いを比較
顧客への連絡手段には、SMSのほかにメール、LINE、+メッセージ(RCS)といった選択肢があります。「LINEと比べてどうなのか」で迷う担当者は少なくありません。ここでは、それぞれの届け方・表現力・費用構造の違いを整理します。
| 宛先・必要な準備 | 届きやすさの特徴 | リッチ表現(画像・動画) | 双方向のやり取り | 費用構造 | |
|---|---|---|---|---|---|
| SMS | 電話番号あて。専用アプリや事前登録は不要 | プッシュ通知で届き、気づかれやすいとされる | × | 一部サービスで対応 | 1通ごとの従量課金が中心 |
| メール | メールアドレスあて。アドレスの取得が必要 | 受信数が多く埋もれやすい | ● | ● | 配信数に応じた月額・従量 |
| LINE | LINEアプリの友だち追加が必要 | 友だち登録者には届きやすいが登録が前提 | ● | ● | メッセージ通数・プランに応じた課金 |
| +メッセージ | RCS対応端末あて(電話番号) | 対応端末にはプッシュで届く | ● | ● | RCS配信の従量課金 |
※各チャネルの一般的な傾向をまとめたものです。実際の仕様・料金は利用するサービスにより異なります。
SMSは画像や動画を送れずテキストが中心になる一方、アプリのインストールや友だち追加が不要で、電話番号だけで届けられます。まだ接点の浅い顧客や、幅広い層に取りこぼしなく連絡したい場面で強みを発揮する手段です。
SMSマーケティングが効果的な理由|なぜ確実に届きやすいのか
SMSが連絡手段として選ばれる背景には、「多くの人が持つ端末に、確実に届けやすい」という構造的な理由があります。まず土台となるのが、携帯端末の保有状況です。
総務省の「令和6年版 情報通信白書」によると、2023年の情報通信機器の世帯保有率は、モバイル端末全体で97.4%、そのうちスマートフォンは90.6%となっています。パソコンの65.3%と比べても、携帯端末はほぼすべての世帯に行き渡っており、電話番号を宛先とするSMSが幅広い層にリーチしやすい前提が整っていることがわかります。
2023年の情報通信機器の世帯保有率は、「モバイル端末全体」で97.4%であり、その内数である「スマートフォン」は90.6%である。また、パソコンは65.3%となっている。
出典:令和6年版 情報通信白書|総務省
加えて、電話番号は本人確認を経て取得され、番号ポータビリティ制度によって通信会社を変えても引き継がれるため、メールアドレスに比べて変更されにくい連絡先です。この「宛先が変わりにくい」という性質も、SMSが届きやすいとされる理由の一つです。
SMSの開封率やメールとの比較値は、各SMS送信サービスの公表値として「高い」と紹介されることが多いものの、調査主体や時点を明示した独立の統計は乏しく、SMSにはメールのような開封計測の仕組みが標準で備わっていません。
数値を絶対的な事実として受け取るのではなく、「アプリ不要でプッシュ通知として届き、気づかれやすい」という届け方の特性として捉えるのが実態に近いといえます。効果を把握したい場合は、後述する短縮URLのクリック測定などを用います。
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SMSマーケティングのメリット
SMSを販促や通知に活用することで得られる主なメリットを、実務での効果に沿って整理します。届きやすさそのものについては前の章で触れているため、ここではそこから生まれる業務上の利点に絞ります。
アプリのインストールが不要で届けやすい
SMSは携帯電話に標準搭載されたメッセージ機能で受信するため、受信者が新たにアプリを入れる必要がありません。友だち追加や会員登録といった事前のハードルがなく、電話番号を把握していれば連絡できます。新規の見込み客や、デジタルツールに不慣れな層にも情報を届けやすい点は、他チャネルにはない利点です。
幅広い年齢層にリーチできる
スマートフォンがほぼ全世帯に普及しているため、年齢やふだん使うアプリを問わず、1つの手段で顧客層をまとめてカバーできます。世代ごとにSNSやアプリを使い分けて配信を設計する手間がなく、キャンペーンや重要連絡を一斉に届けられます。連絡チャネルを1本化できる分、施策の運用がシンプルになる点が業務上の利点です。
連絡が届くことで業務成果につながる
連絡が相手に届き、気づいてもらえることは、そのまま業務の成果に返ってきます。予約リマインドで無断キャンセルを抑える、支払い案内で回収を早める、クーポンで再来店を促すなど、届いた先の行動を後押しできます。本文に短縮URLを載せれば、予約や購入といった具体的なアクションまで一続きでつなげられます。
少額から始められる
多くのSMS送信サービスは、初期費用を抑え、送った通数だけ支払う従量課金を用意しています。専用のハードウェアや大規模なシステム開発を必要とせず、まずは少量の配信から効果を確かめられます。導入のハードルが低く、スモールスタートしやすい点も、SMS活用が広がっている理由の一つです。
SMSマーケティングの注意点・デメリット
メリットの一方で、SMSには運用前に理解しておきたい制約もあります。あらかじめ把握しておくことで、想定外のコストや効果の頭打ちを避けられます。
1通ごとに配信コストがかかる
SMSは送信した通数に応じて料金が発生する従量課金が基本です。1通あたりの単価はサービスや配信量によって幅がありますが、おおよそ数円から十数円程度が目安で、メールのように一斉配信の限界費用がほぼゼロになるわけではありません。配信対象が大規模になるほど費用も積み上がるため、送る相手と内容を絞り、費用対効果を意識した運用が求められます。
こうしたコストと効果の関係を、SMS配信サービスの提供事業者はどう捉えているのでしょうか。用途の設計について、次のように説明しています。
SMSは他コミュニケーションチャネルに比べて決して安くはないので、低コストで大量の広告配信を行いたい用途には向いていません。SMSは確実性を重視するチャネルなので、重要連絡や緊急連絡など、用途を正しく設計することが成功のポイントです。この点は、初期段階で正直にお伝えしています。
文字数に制限がある
SMSは1通あたり全角70文字(半角160文字)が基本の上限です。サービスによっては複数通を連結して送る長文配信に対応し、最大660文字程度まで送れる場合もありますが、その分の費用がかかることが一般的です。伝えたい要点を短くまとめ、詳細は本文中のURLで案内する構成が向いています。
テキスト中心で表現の幅が限られる
標準のSMSは文字が中心で、画像や動画をメッセージ内に直接表示できません。ビジュアルで訴求したい場合は、リンク先のページに誘導するか、画像・カルーセルなどのリッチな表現に対応した+メッセージ(RCS)配信を検討することになります。デザイン性の高い訴求そのものには不向きな点は理解しておく必要があります。
SMSマーケティングと法律|特定電子メール法とオプトイン・オプトアウト
「顧客に一斉にSMSを送って、法的に問題はないのか」という不安は、SMS活用を検討する際に必ず生じます。結論から言えば、広告や宣伝を目的にSMSを送る場合は、原則として特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)の規制対象になります。
SMSは電子メールとは別物のように見えますが、総務省は、電話番号あてにメッセージを送るサービスも同法の対象になるとの見解を示しています。
携帯して使用する通信端末機器(携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等)同士でメッセージを電話番号により送受信するサービス(例えば、ショートメッセージサービス(SMS)…)も特定電子メール法に規定する電子メールの通信方式の一つとされています。よって、当該サービスにより広告・宣伝メールを送信する場合も、原則、特定電子メール法の規制対象となります。
出典:迷惑メール対策|総務省
ここで対象となるのは、あくまで広告・宣伝を目的とするSMSです。本人認証のワンタイムパスワードや、注文・予約の確認、支払いのリマインドといった事務的な連絡は、原則としてこの規制の対象外です。以下では、広告・宣伝で送る場合に押さえるべき2つの実務を解説します。

オプトイン(送信前の同意取得)の実務
特定電子メール法は、あらかじめ同意した相手にしか広告・宣伝メール(SMSを含む)を送ってはならないという「オプトイン規制」を定めています。
送信者は、次に掲げる者以外の者に対し、特定電子メールの送信をしてはならない。一 あらかじめ、特定電子メールの送信をするように求める旨又は送信をすることに同意する旨を送信者又は送信委託者…に対し通知した者
出典:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律 第3条|e-Gov法令検索
実務では、会員登録やキャンペーン応募のフォームで、SMS配信への同意を得たうえで電話番号を取得します。同法は、同意があったことを証する記録の保存も求めているため、いつ・どの画面で同意を得たかを残しておくことが必要です。
同意取得のチェック欄は、あらかじめチェックを入れておく方式よりも、受信者自身に入れてもらう方式が望ましいとされています。取引関係にある相手など一部に例外はありますが、一般の消費者に向けた広告・宣伝では例外に当たらないことがほとんどで、事前に同意を得ておくのが基本です。
オプトアウト(配信停止方法の明示)の実務
同意を得て配信を始めた後も、受信者から配信停止(オプトアウト)の意思表示を受けたときは、以後の送信を止めなければなりません。
送信者は、第一項各号に掲げる者から…特定電子メールの送信をしないように求める旨…の通知を受けたとき…は、その通知に示された意思に反して、特定電子メールの送信をしてはならない。
出典:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律 第3条第3項|e-Gov法令検索
さらに同法は、広告・宣伝のSMSを送る際に、送信者の氏名または名称と、受信拒否を受け付ける連絡先を表示するよう義務づけています。実務上は、配信停止の方法をメッセージ内に明示し、停止の連絡を受けたら確実に配信対象から外す運用が必要です。停止先を示す義務(第4条)と、停止意思に従う義務(第3条第3項)を合わせて満たすことで、オプトアウトへの対応が完結します。
SMSマーケティングの活用例
SMSは、確実に届けたい連絡や、行動を促したい場面で活用されています。自社のどの業務に当てはめられるか、代表的な使い方を見ていきます。
予約・配送のリマインド
来店予約や商品の配送日を、前日や当日にSMSで通知します。予約の無断キャンセルや、不在による再配達を減らす効果が見込めます。飲食店やクリニック、美容室、物流など、日時の連絡が業務に直結する業種で広く使われています。
予約業務でSMSのリマインドを取り入れると、現場ではどのような変化が起きるのでしょうか。SMS配信サービスを提供する事業者は、導入企業から聞く効果を次のように話しています。
数値として開示できるものは限られますが、よく伺うのは「連絡が見てもらえるようになっただけで、業務全体が改善した」という声です。例えば、病院やサロン、金融機関など予約が発生する業務では、リマインドをSMSに切り替えたことで無断キャンセルが大幅に減少したケースがあります。また、重要連絡への反応率が目に見えて向上したという声も多いです。
支払い・未入金の督促
料金の支払い期日や、未入金の案内をSMSで送ります。電話や郵送よりも低コストで、相手にも気づいてもらいやすいため、督促業務の効率化につながります。本文に支払いページのURLを載せれば、その場で決済へ進んでもらう導線も作れます。
ただし督促でSMSを使う際は、送ってよい時間帯や文面の表現に配慮しないと、かえってトラブルにつながることもあります。違法にならない送り方や時間帯のルール、そのまま使える例文は、次の記事で具体的に解説しています。
休眠顧客の掘り起こし
しばらく利用のない顧客に、再来店を促すクーポンやキャンペーンを案内します。メールが読まれなくなった相手にも届きやすく、休眠状態からの再活性化を狙えます。ただし販促目的にあたるため、後述の同意取得(オプトイン)を済ませた相手への配信が前提となります。
本人認証(ワンタイムパスワード)
会員登録やログイン時に、一度きりの認証コード(ワンタイムパスワード)をSMSで送り、本人確認を行う使い方です。電話番号と本人を結びつけることで、なりすましや不正利用を防ぎます。事務的な連絡にあたるため、広告・宣伝を目的とする配信とは扱いが異なります。
本人確認そのものを目的にSMSを使う場合は、認証に特化したSMS認証サービスを選ぶ視点も必要になります。仕組みや本人確認のやり方、サービスの選び方は、次の記事で詳しく解説しています。
キャンペーン・クーポンの告知
セールや新商品、期間限定クーポンなどの販促情報を、対象の顧客に一斉配信します。開封されやすく、短縮URLからそのままキャンペーンページへ誘導できるため、来店や購入といった行動につなげやすい使い方です。こちらも広告・宣伝目的にあたるため、同意を得た相手への配信が前提です。
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SMSマーケティングを成功させるコツ
同じSMSでも、送り方の工夫次第で反応は変わります。効果を高めるために押さえておきたい実務的なポイントを紹介します。
簡潔で要点の伝わる文面にする
文字数に上限があるSMSでは、伝えたい要点を最初に置き、余計な前置きを削ることが大切です。誰からの、何のための連絡かが一目で分かる文面にすると、読み飛ばされにくくなります。詳しい内容は本文のURL先に用意し、メッセージ本体は行動を促す一言に絞ると効果的です。
開封されやすい時間帯に配信する
SMSは受信するとすぐ通知されるため、配信のタイミングが反応に影響します。通勤前後や昼休み、帰宅後など、相手が携帯電話を見やすい時間を狙って送ると読まれやすくなります。早朝や深夜の配信は敬遠されやすいため、送信対象の生活リズムに合わせて時間を設定することが大切です。
短縮URLで効果を測定する
SMSには開封そのものを計測する仕組みが標準ではないため、効果は本文に載せた短縮URLのクリック数や、その先の予約・購入といった成果で測ります。配信ごとにURLを分けておくと、どのメッセージが反応を得たかを比較できます。数値をもとに文面や配信時間を見直すことで、配信の精度を高められます。
定期配信で顧客との接点を維持する
一度きりの配信で終わらせず、キャンペーンやお知らせを継続的に届けることで、顧客との接点を保てます。ただし送りすぎは配信停止(オプトアウト)につながるため、頻度は相手にとって有益な情報に絞ることが重要です。反応データを見ながら、内容と頻度のバランスを調整していくことが重要です。
SMSマーケティングの始め方|SMS送信サービスの選び方
SMSマーケティングを始めるには、法人向けのSMS送信サービスを選び、契約して配信を始めるのが基本の流れです。サービスによって到達性や機能、料金に差があるため、自社の用途に合うものを見極める必要があります。
始めるまでの流れは、まず用途を決めることから始まります。広告・宣伝で送るなら、同意(オプトイン)を得た電話番号のリストを整えます。次にサービスを選んで契約し、要点を絞った文面を用意して配信します。配信後は短縮URLのクリックや予約・購入の状況で効果を測り、文面や配信のタイミングを改善していきます。ここからは、この流れの中核となるサービス選びで確認したい観点を整理します。

国内直収か国際網かで到達性を見る
SMSを届ける経路には、国内の携帯電話会社と直接接続する「国内直収接続」と、海外の通信網を経由する「国際網(国際回線)」があります。国内直収は、国内の宛先に安定して届きやすく、遅延やフィルタリングの影響を受けにくいとされます。確実な到達を重視するなら、対応キャリアと接続方式を確認するのが第一のポイントです。
API連携で自動配信ができるか
予約完了や購入といったタイミングで自動的にSMSを送りたい場合は、自社システムと連携できるAPIの有無が重要になります。管理画面からの手動配信で足りるのか、基幹システムやCRMと連携して自動化したいのかによって、必要なサービスは変わります。将来の自動化まで見据えて、連携方式を確認しておくと安心です。
双方向のやり取りに対応しているか
顧客からの返信を受け取りたい場合は、双方向配信に対応しているかを確認します。予約変更や問い合わせをSMS上で完結できると、電話対応の負荷を減らせます。一方的な通知で足りる用途なら必須ではないため、想定する使い方に照らして要否を判断するとよいでしょう。
長文配信・RCS(リッチ表現)に対応しているか
標準のSMSの文字数では足りない場合は、複数通を連結する長文配信に対応しているかを見ます。画像やボタンなどのリッチな表現を使いたい場合は、+メッセージ(RCS)配信への対応も選定軸になります。伝えたい情報量と表現の幅から、必要な対応範囲を見極めることが大切です。
+メッセージ(RCS)で画像やボタンがどこまで届くのか、料金やSMSとの違いはどうなるのかは、次の記事で対応サービスを比較しながら詳しく解説しています。
料金体系が自社の配信量に合うか
料金は、初期費用の有無、月額基本料の有無、1通あたりの従量単価で構成されます。少量から試すなら初期費用や月額を抑えた従量課金型が向き、大量配信するならボリュームに応じた単価を確認します。自社の想定配信量に当てはめ、月額の総額で比較することが大切です。
サポート体制とセキュリティ認証を確認する
導入後の文面設計や運用に不安がある場合は、専任担当によるサポートの有無が助けになります。また、個人情報である電話番号を預けるため、ISMS(ISO/IEC 27001)やプライバシーマークといった情報セキュリティの認証取得も確認しておきたい点です。金融機関や官公庁など高い基準が求められる業種では、特に重視される選定軸となります。
SMSマーケティングにおすすめのSMS送信サービス
ここからは、SMSマーケティングに活用できる代表的なSMS送信サービスを紹介します。まずは主要サービスの特徴を一覧で比較し、続いて各サービスを個別に解説します。
| サービス名 | オーロラSMS by メディアSMS | KDDI Message Cast | SMSLINK | 絶対リーチ!RCS |
|---|---|---|---|---|
| 主な特徴 | 2011年から国内でSMS配信を提供。文面設計・運用改善まで踏み込む伴走型サポートで、金融・行政にも導入。ISMS(ISO/IEC 27001)取得 | KDDIとSupershipが共同運営。2025年5月からRCS配信に対応し、KDDI審査を通過した公式アカウントで送信元名・ロゴを表示できる | FAX・郵送を35年以上手がけるネクスウェイが提供。管理画面は3ステップのシンプル設計で、専任担当が文面作成・運用まで支援 | AI CROSSが提供するRCS配信サービス。画像・動画・カルーセル・ボタンのリッチ表現を電話番号あてに送れ、督促・リマインドの自動化事例も持つ |
| 配信方式・到達性 | 国内4キャリア直収接続 RCS配信(+メッセージ)にも対応 | 国内キャリア網接続(共通番号0005・携帯4社) RCS対応・非対応時はSMSへ自動フォールバック | 国内4キャリアすべてと直収接続 RCS配信は非対応(2026年8月時点) | RCS配信が主機能 SMSは国内全キャリア直収接続、非対応端末へは自動でSMSへフォールバック |
| 料金の目安(初期・従量) | 初期0円・月額0円 SMS従量単価は要お問い合わせ (最大2ヶ月の無料トライアルあり) | 初期0円・月額0円 SMS 9.35円(税込)〜/通(到達課金) RCS単価は要お問い合わせ | 初期0円・月額0円(スタンダードプラン) SMS 1通6円〜(従量・通数により変動) | 初期0円のプランあり RCS・SMSの配信単価は要お問い合わせ |
| こんな企業に向いているか | 月額固定費なしで小さく試したい企業。文面・運用の支援も受けたい企業 | なりすまし対策や公式アカウントの信頼性を重視する企業。RCSまで一つのサービスで使いたい企業 | 手軽に始めたい企業。SMS認証など認証用途でも使いたい企業 | リッチな表現と到達性を両立させたい企業。督促・支払い案内を自動応答で効率化したい企業 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
ここで取り上げた4サービスは代表例です。より多くのサービスを、料金相場・到達率・用途別(認証・督促・販促)の観点で幅広く比べたい場合は、SMS送信サービスの比較記事もあわせてご覧ください。
1. オーロラSMS by メディアSMS(株式会社メディア4u)

「オーロラSMS by メディアSMS」は、株式会社メディア4uが2011年から提供している法人向けのSMS配信サービスです。国内の携帯電話4社と直接接続する設計で、業務連絡・督促・販促まで幅広い用途に対応し、画像やボタンを使える+メッセージ(RCS)配信も提供しています。公式サイトによると、自治体を含め7,000社を超える導入実績があります(2025年11月末時点)。
特徴は、配信の仕組みを提供するだけでなく、文面づくりや運用改善まで踏み込んで支援する伴走型のサポートにあります。ISMS(ISO/IEC 27001)を取得しており、金融機関や行政機関など高いセキュリティ基準が求められる分野への導入実績も豊富です。月額固定費のない従量課金から始められるため、まず小さく試して効果を確かめたい企業に向いています。
2. KDDI Message Cast(KDDI株式会社)

KDDI株式会社がSupership株式会社と共同で運営する法人向けメッセージ配信サービスが「KDDI Message Cast」です。携帯電話番号あてに、SMSに加えてRCS(リッチコミュニケーションサービス)や+メッセージを一斉・自動配信できます。国内キャリア網への接続により、高い到達性を訴求しています。
2025年5月からはRCS配信に対応し、KDDIの審査を通過した企業だけが使える公式アカウントとして、送信元名やロゴを表示できます。なりすまし対策として役立つほか、RCSが届かない相手には自動でSMSに切り替えるフォールバック機能を備えます。
最大660文字の長文配信や双方向SMS、Salesforce・ServiceNowとの連携にも対応しており、初期費用・月額基本料は0円で、送信した通数に応じた従量課金で利用できます。
3. SMS配信サービス「SMSLINK」(株式会社ネクスウェイ)

FAXや郵送、メールといった法人向けの連絡手段を35年以上手がけてきた株式会社ネクスウェイが提供するのが、SMS配信サービス「SMSLINK」です。ブラウザの管理画面から送るWebタイプと、既存システムと連携して自動配信するAPIタイプの2種類を用意しています。
国内4キャリアすべてと直接接続しており、管理画面は3ステップで送信できるシンプルな設計です。導入後は営業からカスタマーサクセスまで専任の担当がつき、文面作成や文字数制限への対応といった運用面まで支援します。初期費用0円から利用でき、SMS認証にも対応しているため、まず手軽に始めたい企業から、認証用途で使いたい企業まで幅広く適しています。
直収接続による到達性について、同社は乗り換え時に寄せられる相談を次のように説明しています。

当社は国内4キャリアすべてと直接接続しており、高品質で安定した通信環境を提供しています。実際に、他社サービスからのリプレイス理由として「SMSが届かない」という課題からお問い合わせをいただくことも多いです。
4. 絶対リーチ!RCS(AI CROSS株式会社)

AI CROSS株式会社が提供する「絶対リーチ!RCS」は、画像・動画・カルーセル・ボタンなどのリッチな表現を、電話番号あてに送れるRCS配信サービスです。RCSに対応していない端末には自動でSMSに切り替えるフォールバック機能を備え、リッチな表現力とSMSの届きやすさを両立させています。
管理画面上でチャットボットを作成でき、折り返しの問い合わせや支払い案内を自動応答で受けられる双方向対応も特徴です。督促やリマインドの自動化で業務時間を削減した導入事例もあり、確実に届けたい連絡を、表現力を保ちながら送りたい企業に向いています。初期費用0円のプランが用意されており、効果測定まで見据えた運用がしやすいサービスです。
まとめ
SMSマーケティングは、携帯電話番号あてにメッセージを送り、アプリのインストールや友だち追加を必要とせず、幅広い顧客へ届けやすい手法です。スマートフォンがほぼすべての世帯に普及した今、予約リマインドや督促、休眠顧客の掘り起こしなど、確実に届けたい連絡で効果を発揮します。
一方で、1通ごとにコストがかかることや文字数の制限、そして広告・宣伝で送る場合の特定電子メール法(オプトイン・オプトアウト)への対応など、始める前に押さえておくべき点もあります。自社の用途に合ったSMS送信サービスを選び、まずは小さく試しながら、文面や配信のタイミングを改善していくとよいでしょう。
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SMSマーケティングに関するよくある質問(FAQ)
Q. SMSマーケティングとは何ですか?
A. SMSマーケティングとは、顧客の携帯電話番号あてにSMS(ショートメッセージ)を送り、販促・通知・リマインド・督促などを行う手法です。メールアドレスや専用アプリを必要とせず、電話番号だけで幅広い顧客に届けられる点が特徴で、企業が数百〜数千件を一斉に送る場合は、法人向けのSMS送信サービスを使って配信や自動配信を行うのが一般的です。
Q. SMSマーケティングは勝手に送ると違法になりますか?
A. SMSマーケティングは、広告・宣伝を目的に送る場合は特定電子メール法の規制対象となり、あらかじめ同意(オプトイン)を得た相手にしか送れません。総務省は、電話番号あてに送るSMSも同法上の電子メールに含まれるとの見解を示しており、同意のない配信や、配信停止(オプトアウト)の求めを無視する送信は違法となり得ます。
一方で、本人認証のワンタイムパスワードや予約・注文の確認といった事務的な連絡は、原則として規制の対象外です。同意取得の記録を残し、送信者名と配信停止先を明示する運用を守れば、問題なく活用できます。
Q. SMSマーケティングの費用相場はどのくらいですか?
A. SMSマーケティングの費用は、送った通数に応じて課金される従量制が中心で、1通あたり数円から十数円程度が目安です。初期費用や月額基本料の有無、1通あたりの単価は、利用するサービスや配信量によって異なります。全角70文字を超える長文配信は複数通分の料金がかかるため、実際の費用は「単価×配信数」で試算し、初期費用・月額を含めた総額で比較するのが現実的です。
Q. SMSマーケティングはメールやLINEと何が違いますか?
A. SMSマーケティングは、メールと違って電話番号あてにプッシュ通知として届き、LINEと違って友だち追加や専用アプリを必要としない点が大きな違いです。メールはアドレスの取得が前提で受信箱に埋もれやすく、LINEは友だち登録した相手にしか届きません。SMSは画像や動画を送れずテキストが中心になる代わりに、電話番号さえ分かれば、まだ接点の浅い顧客や幅広い層にも確実に届けやすい手段です。
Q. SMSマーケティングの開封率は本当に高いのですか?
A. SMSの開封率は各サービスで「90%以上」などと紹介されることが多いものの、SMSにはメールのような開封を計測する仕組みが標準で備わっておらず、公表値をそのまま絶対的な事実として受け取るのは適切ではありません。
実態としては、「アプリ不要でプッシュ通知として届き、受信箱に埋もれにくいため気づかれやすい」という届け方の特性として捉えるのが正確です。効果を把握したい場合は、本文に載せた短縮URLのクリック数や、その先の予約・購入といった成果で測定します。
Q. SMSマーケティングでは1通に何文字まで送れますか?
A. SMSは、1通あたり全角70文字(半角160文字)が基本の上限です。サービスによっては複数通を連結する長文配信に対応し、最大660文字程度まで送れる場合もありますが、その分の料金がかかるのが一般的です。伝えたい要点を短くまとめ、詳しい内容は本文中の短縮URLで案内する構成が向いています。
Q. SMSマーケティングはどうやって始めればよいですか?
A. SMSマーケティングは、法人向けのSMS送信サービスを選んで契約し、宛先リストと文面を用意して配信を始めるのが基本の流れです。サービスを選ぶ際は、国内直収接続による到達性、API連携による自動配信の可否、双方向対応、長文・RCS対応、料金体系、サポート体制やセキュリティ認証を、自社の用途に照らして確認します。
広告・宣伝で送る場合は、配信を始める前に同意(オプトイン)を得た電話番号リストを整えておく必要があります。
Q. SMSと+メッセージ(RCS)はどちらを選べばよいですか?
A. +メッセージ(RCS)は画像・動画・ボタンなどのリッチな表現を送れる一方で対応端末にしか届かないため、幅広い相手に確実に届けたいならSMS、視覚的に訴求したいなら+メッセージ、と目的で使い分けるのが基本です。
近年は、+メッセージが届かない相手には自動でSMSに切り替える「フォールバック」に対応したサービスもあり、リッチな表現力とSMSの届きやすさを両立できます。自社が伝えたい情報量と、届けたい相手の広さから判断するとよいでしょう。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















