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出張手当(日当)の相場はいくら?役職別・国内/海外の平均額と決め方を解説

出張手当(日当)の相場と決め方のサムネイル画像

出張旅費規程を新しく作る、あるいは古くなった規程を見直すとき、多くの担当者が最初につまずくのが「出張手当(日当)を1日いくらに設定すればよいか」という点です。金額の根拠がないまま決めると、社内で公平性を問われたり、税務調査で妥当性を説明できなかったりする不安が残ります。

出張手当の金額に法律上の決まりはなく、各社が自由に定められます。ただし世間の相場からかけ離れた額は、非課税として認められる範囲を外れるおそれがあります。そこで手がかりになるのが、財務省と産労総合研究所が実施している出張旅費の実態調査です。いずれも実際に企業が支給している金額を集計したもので、自社の水準を決める基準線になります。

本記事では、出張手当(日当)と宿泊料の相場を、国内・海外別に、公的調査の平均額とともに整理します。あわせて、金額の決め方、非課税で認められる範囲、出張旅費規程の作り方までを解説します。相場の数値は、公的調査が公表している平均額と、各社が規程で設定する際の目安とを区別して示します。

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【国内・海外】出張手当(日当)と宿泊料の相場一覧

まず、出張手当(日当)と宿泊料が実際にいくらで支給されているかを、公的調査の平均額で確認します。ここで示す金額は、財務省と産労総合研究所が企業に対して行った実態調査の集計値です。各社が規程づくりの目安にする「設定額の相場」ではなく、実際に支給されている額を平均した数字である点を押さえてください。

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出張手当(日当)・宿泊料の相場(公的調査の平均額)国内出張・日当国内出張・宿泊料海外出張・日当海外出張・宿泊料
1人1日あたりの平均額2,621円(企業ごとの最低1,780〜最高3,786円)全体 定額方式10,672円/実費方式11,304円(役職別は部長クラス10,425円・一般社員8,878円)全体5,441円(アジア5,811円〜北米7,111円)定額方式19,355円/実費方式17,634円
主な出所財務省 令和5年度調査財務省 令和5年度・産労総研2025年度財務省 令和5年度調査財務省 令和5年度調査

※各調査の平均額(実際に支給されている額の集計)。区分ごとの詳細と出典は以下で示します。役職名別の日当を1円単位で示した公的集計はありません。

国内出張の日当・宿泊料の相場(役職別)

国内出張の日当は、財務省の調査で1社あたりの支給額を平均すると2,621円です。企業によって幅があり、最も低い水準の平均が1,780円、最も高い水準の平均が3,786円でした。

国内出張における日当の支給額(日当支給社 n=487、単位:円)
最低額(平均)1,780/最高額(平均)3,786/平均額(平均)2,621

出典:旅費等実態調査(民間企業の旅費規程等に関する実態調査)報告書(令和5年度)|財務省

日当は役職が上がるほど高く設定される傾向があります。財務省の調査には役職の階層ごとの平均額の集計もあり、下位の階層で約1,827円、上位の階層で約3,581円と、段階的に上がっていきます。これは先ほどの全体平均(企業ごとの最低1,780〜最高3,786円)とは別の集計で、役職の上下による差の目安として読めます。

ただし、この集計は「役職1区分目・2区分目…」という匿名の階層順で示されており、「社長」「部長」「一般社員」といった役職名は付されていません。役職名ごとの平均額として公表されているわけではない点に注意してください。

宿泊料の相場は、支給の方式によって2つの系列があります。あらかじめ定額の上限を決めて支給する方式では平均10,672円、上限の範囲内で実費を精算する方式では平均11,304円でした。おおむね1万円台前半が目安になります。

宿泊料については、役職名を付けた平均額を産労総合研究所が公表しています。定額支給で全地域一律とする場合、部長クラスが10,425円、一般社員が8,878円です。大都市圏など「最高地」を別に定める場合は、部長クラス12,094円、一般社員11,262円と高くなります。

宿泊料(定額支給・全地域一律):部長クラス10,425円/一般社員8,878円
宿泊料(定額支給・最高地〈大都市圏等〉):部長クラス12,094円/一般社員11,262円
実費支給の上限額(全地域一律):部長クラス11,314円/一般社員10,490円

出典:2025年度 国内・海外出張旅費に関する調査|産労総合研究所

ここまでが、公的調査が公表している国内出張の平均額です。自社で日当を決めるときは、これらの平均額を基準線に、役職ごとの差をつけていくことになります。役職別の設定の目安は、後半の「出張手当(日当)の決め方」で扱います。

出典・参考資料(2件)

海外出張の日当・宿泊料の相場(地域別)

海外出張の日当は、財務省の調査で全体の平均が5,441円でした。円で支給する企業に限ると、地域によって差があり、アジアが5,811円で最も低く、北米が7,111円で最も高くなっています。欧州は6,973円、オセアニアは6,533円でした。全体平均には米ドルなどで支給する企業も含まれるため、円建てで支給する企業だけの地域別平均は全体平均より高く出ています。

海外出張の日当(定額支給社 n=449) 全体平均5,441円
地域別(円で支給する企業の平均):アジア5,811円/北米7,111円/欧州6,973円/オセアニア6,533円/中南米6,347円/中近東6,389円/アフリカ6,254円
海外出張の宿泊料 定額(上限付き)平均19,355円/上限付き実費 平均17,634円

出典:旅費等実態調査(民間企業の旅費規程等に関する実態調査)報告書(令和5年度)|財務省

産労総合研究所の調査でも、一般社員の海外日当と宿泊料が地域別に示されています。円で支給する企業の場合、日当と宿泊料は中国で4,765円・13,511円、東南アジアで4,841円・12,706円、北米で5,199円・15,706円でした。財務省と産労では地域の区切り方や対象の企業が異なるため、両者の数字を並べるときは出所を分けて確認してください。

海外は役職別の公表が限られます。役員など上位の役職には、国内と同様に一般社員の水準へ段階的に上乗せする形で目安を置くとよいでしょう。

出典・参考資料(2件)

この金額の出所と、「平均額」と「設定の目安」の違い

ここまでの金額は、次の2つの調査に基づいています。社内の説明や税理士への相談でそのまま使えるよう、調査名と対象を確認しておきます。

1つは、財務省の「旅費等実態調査(民間企業の旅費規程等に関する実態調査)」です。令和5年度に実施され、2024年6月に報告書が公表されました。上場企業を中心に3,000社へ調査を依頼し、551社から有効な回答を得ています。国内日当の全体平均2,621円などは、この調査の集計値です。

もう1つは、産労総合研究所の「2025年度 国内・海外出張旅費に関する調査」です。2025年6〜8月に実施され、161社が回答しています。宿泊料の役職別(部長クラス・一般社員)や、海外の地域別の金額はこの調査によるものです。なお、この調査は国内日当の金額そのものは公表しておらず、増減の動向のみを示しています。そのため国内日当の平均額は財務省の数字で補っています。

ここで区別しておきたいのが、これらの「平均額」と、各社が規程で決める「設定の目安」は別物だという点です。上で示したのは、実際に支給されている額を平均した公的な数字です。「社長5,000円、一般社員3,500円」といったきりのよい金額は、公的調査の平均額ではなく、各社が規程で設定する際の一例です。

自社の規程を作るときは、公的な平均額を基準線としたうえで、目安の金額を役職ごとに当てはめる、という順序で考えると根拠が明確になります。

ここで示した財務省の調査は上場企業が中心のため、平均額はやや高めに出ている可能性があります。中小企業では、平均額を上限側の目安として捉え、企業ごとの最低水準(国内日当なら1,780円前後)から自社の出張実態に合う額へ調整していくと、無理のない設定になります。

近年の増額動向(円安・物価高による見直し)

相場を確認するうえで、近年の見直しの動きも押さえておくと、古い水準のまま規程を作る失敗を避けられます。産労総合研究所の調査では、直近3年間で出張手当や宿泊料を見直した企業の割合が示されています。

国内出張では、宿泊料を増額した企業が31.1%、日当を増額した企業が14.9%でした。海外出張では、日当を増額した企業が14.6%、宿泊料を増額した企業が8.5%です。特に国内の宿泊料は、円安や物価高でホテル代が上がっていることを背景に、見直しが進んでいます。

出典・参考資料(1件)

出張手当(日当)とは?支給の目的と出張旅費規程との関係

相場を押さえたところで、出張手当そのものの位置づけを整理します。出張手当(日当)とは、出張中に発生する食事代や諸雑費など、領収書での精算になじみにくい細かな出費を補うために、1日あたり定額で支給するお金です。交通費や宿泊費のように実費を精算するものとは性質が異なり、実際にいくら使ったかにかかわらず定額で支払われます。

出張手当の支給は法律上の義務ではありません。支給するかどうか、いくら支給するかは各社が任意で決められます。ただし、支給する場合は出張旅費規程を定めておくことが前提になります。規程がないまま日当を支払うと、税務上は給与の一部とみなされ、所得税や社会保険料の対象になりかねないためです。規程で支給の基準を明文化しておくことで、日当を経費として扱い、一定の範囲で非課税とする根拠になります。

出張手当を支給するメリットと導入時の注意点

出張手当を規程に基づいて支給すると、企業側は支給額を経費に計上できます。従業員側も、一定の範囲内であれば所得税がかからず、実費とは別に受け取れる分だけ手取りが増えます。出張の多い従業員にとっては、細かな立替や精算の手間が減る利点もあります。

一方で、支給する分だけ会社の支出は増えます。金額の設定を誤って相場から大きく外れた高額にすると、後述のとおり非課税として認められず、税務調査で指摘される要因にもなります。導入にあたっては、規程の整備と、支給額を相場の範囲に収める設計の両方が必要になります。

出張手当(日当)の決め方|金額設定の判断軸

ここからは、相場を踏まえて自社の日当額をどう決めるかを整理します。金額そのものに正解はありませんが、判断の軸を持っておくと、社内で説明しやすい水準に落ち着きます。

日当は何を補うものか(支給の目的から考える)

金額を決める前に、自社の日当が何を補うためのものかを整理します。考え方は大きく2つあります。1つは、出張先での食事代や飲み物代など、細かな出費の補填を目的とするもの。もう1つは、移動や宿泊で拘束される時間そのものに報いる意味合いを持たせるものです。どちらを重視するかで、妥当と考える金額の水準が変わります。

日当に移動や拘束の時間へ報いる意味合いを持たせる場合、そもそも出張の移動時間が労働時間や残業代の対象になるのかも気になるところです。原則と例外の判断基準は、以下の記事で判例・通達をもとに整理しています。

日当に食事代などを含めるか(含める範囲の決め方)

日当を食事代の補填と位置づける場合、食事代を日当に含めるのか、別に支給するのかを決めておく必要があります。実務では、食事代を日当に含めて一本化する企業が多数です。財務省の調査では、食事代を宿泊料・日当とは別に支給している企業は1割前後にとどまり、別に支給している企業の平均額は朝食971円、昼食1,007円、夕食1,305円でした。

食事代を別建てにすると管理する項目が増えるため、特別な事情がなければ日当に含めて運用するほうが手間は少なくなります。含める範囲を規程で明示しておけば、出張者ごとの解釈のばらつきも防げます。

出典・参考資料(1件)

役職ごとに差をつけるか

多くの企業は、役職に応じて日当に差を設けています。相場の項で見たとおり、公的調査でも役職の階層が上がるほど日当・宿泊料は高くなる傾向がありました。役職差を設ける場合は、一般社員の水準を相場の平均(国内日当なら2,000〜2,600円前後)を目安に置き、管理職・役員へと段階的に上乗せする形が一般的です。

差のつけ方に決まった比率はありませんが、後述の税務上の観点から、役員だけを極端に高くする設定は避けたほうが安全です。役職間のバランスが取れた基準になっているかを、規程を作る段階で確認しておきましょう。

公的調査には役職名ごとの日当額がないため、ここまでの平均を役職構成に当てはめた設定の目安を、参考値として示します。これは公的調査の平均額そのものではなく、平均を基準に役職差をつけた一例です。自社の出張の実態に合わせて調整してください。

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役職別の日当・宿泊料の設定目安(参考値)一般社員課長・管理職クラス部長クラス役員・社長
国内日当の目安2,000〜2,600円2,600〜3,200円3,000〜3,600円3,500〜4,000円前後
国内宿泊料の目安8,000〜9,000円前後9,000〜11,000円前後10,000〜12,000円前後12,000円前後〜

※上表は公的調査の平均額を役職別に当てはめた設定の一例(参考値)であり、公的な平均額そのものではありません。日当は財務省令和5年度調査の全体平均2,621円・役職階層別 約1,827〜3,581円、宿泊料は産労総合研究所2025年度調査の一般社員8,878円・部長クラス10,425円を基準にしています。

上表は宿泊を伴う通常の出張を想定した水準です。日帰り出張の日当は、宿泊を伴わない分だけ低めに設定するのが一般的で、宿泊出張の日当の半額〜同額程度を目安にする例が多く見られます。移動や拘束の負担は日帰りにもあるため、ゼロにはせず、日帰りを別区分として金額を定めておくと、支給の判断で迷いません。

いくらまでなら妥当か(上限の目安)

日当をいくらまで高く設定してよいかは、相場を大きく超えないことが1つの目安になります。相場の平均が国内日当で2,621円である以上、その数倍を超えるような水準は、社内の合理性の説明が難しくなるだけでなく、税務上も「通常必要な範囲」を超えていると見られやすくなります。

金額を決めるときは、相場の平均を基準に、自社の出張の実態(移動距離・拘束時間・出張頻度)に照らして無理のない範囲に収めるのが基本です。非課税として認められる範囲の考え方は、次の税務の項で具体的に確認します。

出張手当の税務上の扱い|非課税で認められる範囲と消費税

相場を調べる目的の多くは、「いくらまでなら非課税・経費として認められるか」を確かめることにあります。ここでは、出張手当の税務上の扱いを、国税庁の通達に沿って整理します。

非課税と認められるための前提・要件と、外れた場合の扱いを整理すると次のとおりです。

出張手当が非課税と認められる範囲を示した図解。前提として出張旅費規程で支給基準を明文化し、要件1として役員から一般社員まで全体で適正なバランスの取れた基準であること、要件2として同業種・同規模の他社が一般的に支給する金額に照らして相当であること(所得税基本通達9-3)を満たせば非課税、通常必要な範囲を超えた分は通達9-4により給与所得などとして課税される。

非課税となる要件(所得税基本通達9-3)

出張手当は、その出張に通常必要と認められる範囲であれば、受け取る従業員の所得税がかからない非課税の扱いになります。この「通常必要と認められる範囲」の判定について、所得税基本通達9-3は次の2点を勘案するとしています。

  • その支給額が、その支給をする使用者等の役員及び使用人の全てを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか。
  • その支給額が、その支給をする使用者等と同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められるものであるかどうか。
出典:所得税基本通達9-3(非課税とされる旅費の範囲)|国税庁

要件は2つです。1つは、役員から一般社員まで全体を通じて、金額のバランスが取れた基準で計算されていること。役員だけを不自然に高くする設定は、この点に抵触します。もう1つは、同業種・同規模の他社が一般的に支給している金額に照らして相当であること。ここで相場が判断材料になります。世間並みの水準に収まっていれば、この要件を満たしていると説明しやすくなります。

給与扱い(課税)になってしまうケース

支給額が「通常必要と認められる範囲」を超えると、その超えた部分は非課税の旅費ではなくなります。所得税基本通達9-4は、超える部分の金額を、旅行の区分に応じて給与所得などに算入すると定めています。従業員に支給する場合、範囲を超えた分は給与所得として課税の対象になります。

また、出張旅費規程を定めずに日当を支払っている場合も、非課税の旅費として認められにくくなります。支給の基準が明文化されていないと、その金額が「通常必要な範囲」に収まっているかを客観的に示せないためです。相場に沿った金額を、規程という形で定めておくことが、非課税の前提になります。

出典・参考資料(1件)

消費税の扱い(国内は課税仕入れ、海外は対象外)

出張手当は、支払う会社側の消費税の扱いにも関わります。消費税法基本通達11-2-1は、出張旅費・宿泊費・日当などのうち、その旅行について通常必要と認められる部分の金額を、課税仕入れに係る支払対価として扱うとしています。国内出張の日当は、この本文により課税仕入れとして仕入税額控除の対象になります。

(注)1 「その旅行について通常必要であると認められる部分の金額」の範囲については、所基通9-3《非課税とされる旅費の範囲》の例により判定する。
2 海外出張のために支給する旅費、宿泊費及び日当等は、原則として課税仕入れに係る支払対価に該当しない。

出典:消費税法基本通達11-2-1(出張旅費、宿泊費、日当等)|国税庁

一方、海外出張のために支給する旅費・宿泊費・日当は、同通達の注2により、原則として課税仕入れの対象にはなりません。国内と海外で扱いが分かれるため、経理処理の際は出張先で区別する必要があります。なお、課税仕入れとして扱える「通常必要と認められる部分」の判定は、注1のとおり、非課税の要件を定めた所得税基本通達9-3の例によることとされています。

出典・参考資料(1件)

出張旅費規程の作り方|相場を決めた後の文書化と運用

相場を踏まえて金額の方針が固まったら、それを出張旅費規程として文書化します。規程があることが、日当を非課税で扱う前提になります。

規程に記載すべき項目

出張旅費規程には、支給の対象と金額を客観的に判定できるだけの要素を盛り込みます。一般的には、規程の目的と適用範囲、出張の定義(何キロ以上・何時間以上を出張とするか)、役職や距離の区分ごとの日当・宿泊料の金額、交通費や宿泊費の精算方法、申請と承認の手続き、精算に必要な書類の定めといった項目で構成するのが一般的です。

金額の部分は、相場の項で確認した水準を基準に、役職や出張先(国内・海外、都市部かどうか)で区分して定めるのが一般的です。全社員に同じ基準が適用される形にしておくことが、非課税の要件である「全体を通じた適正なバランス」を満たすうえで重要になります。

金額を定める条文は、次のような形が基本です。役職の区分と金額を、自社の実態と相場の項で決めた水準に置き換えて使えます。

(日当)第○条 出張者には、次の区分により日当を支給する。
一 一般社員 国内 1日 2,500円/海外 1日 5,500円
二 管理職  国内 1日 3,000円/海外 1日 6,500円
三 役員   国内 1日 3,500円/海外 1日 7,500円

(宿泊料)第○条 宿泊を伴う出張には、次の区分により宿泊料を支給する。金額は1泊あたりの上限とし、実費が上限を下回るときは実費を支給する。
一 一般社員 国内 9,000円/海外 16,000円
二 管理職以上 国内 11,000円/海外 19,000円

(日帰り出張)第○条 宿泊を伴わない日帰り出張の日当は、前条の国内日当の半額とする。

上の金額はあくまで記入例です。相場の平均額と自社の出張実態に合わせて、各社で調整してください。

税務調査で否認されないための運用ポイント

規程を作っても、実際の運用が伴わなければ非課税として認められにくくなります。運用で押さえたいのは、出張ごとに申請書・報告書・精算書を作成し、実際に出張があった事実を残しておくことです。書類がないと、実態のない「カラ出張」への支給と疑われる余地が生まれます。

また、規程で定めた金額と実際の支給額が食い違わないように運用することも欠かせません。規程を作ったまま金額だけ個別に上乗せするような運用は、規程と実態の乖離として問題になります。作成した書類は、税務上必要な期間、保存しておきます。相場の見直しに合わせて規程の金額を改定した場合は、改定の時期と内容も記録に残しておくと、後から経緯を説明しやすくなります。

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出張旅費規程の運用・出張手配・旅費精算を効率化する方法

相場を踏まえて規程を整えた後は、その規程を日々の出張業務でどう回すかが課題になります。役職・出張先ごとに定めた宿泊料の上限や規程のルールに沿って出張を手配し、立替精算を突き合わせる運用は、出張が増えるほど負担が大きくなります。規程で定めた上限のチェックや、出張手配から立替精算までを一元化するのが、出張管理システムです。

ここでは、出張手配と精算の効率化に対応する代表的なサービスを紹介します。自社の出張の規模や、既存の経費精算システムとの連携を踏まえて、比較の出発点にしてください。

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出張手配・旅費精算の効率化に対応するサービス出張手配プラスピカパカ出張DX
初期費用0円0円
月額・料金体系0円
手配した交通・宿泊の実費のみ
0円
システム利用料は利用金額の0〜5%
出張手配の対応範囲国内・海外
航空券・JR券・ホテル・レンタカー・貸切バス・会議室ほか
国内・海外
航空券132社・ホテル64万軒以上・新幹線・レンタカーほか
出張申請・承認ワークフロー
旅費の上限設定ホテル予約の上限金額を設定可役職・出張規程に沿った旅費を検索時に表示
精算の仕組み立替・会社一括請求会社一括請求(請求書後払い)
経費精算システム連携要問い合わせConcur Expense・楽楽精算・
マネーフォワード クラウド経費
導入スピード最短3営業日要問い合わせ
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る

ここで挙げたサービスを含め、出張管理システムは提供形態や料金体系、対応できる出張手配の範囲、経費精算システムとの連携方式がサービスごとに大きく異なります。以下の記事では主要な出張管理システムを料金やタイプ別の選び方まで比較しているので、規程の運用まで見据えて自社に合う仕組みをじっくり選びたい方は参考にしてください。

出張手配プラス(株式会社エルク)

出張手配プラスのウェブサイト

出張手配プラスは、株式会社エルク(エルクトラベル)が運営するクラウド型の法人向け出張手配・管理サービスです。国内・海外の航空券やJR券、ホテル、レンタカー、貸切バス、会議室までをまとめて手配でき、部署ごとに分かれがちな出張手配の窓口を一本化できます。

出張費はエルクトラベルが立て替えて会社へ一括で請求する仕組みのため、出張者の立替負担と経理担当者の精算作業を減らせます。出張申請・承認のワークフローを標準で備え、ホテル予約の上限金額を設定できるため、規程で定めた宿泊料の上限をシステム上で運用できます。

誰がいつどこへ出張しているかを把握する危機管理機能も持ちます。導入費用と月額利用料は無料で、手配した交通機関の運賃や宿泊費などの実費のみを負担する料金体系です。最短3営業日で利用を開始でき、導入実績は3,000社以上(2026年6月時点)とされています。

立替精算を一括請求にまとめると、精算業務の量がどう変わるのか。同社は独自インタビューで、次のように説明しています。

株式会社エルク 代表取締役
川崎氏
独自インタビューより

また、これはエルクだけの効果ではありませんが、一括の請求払いに変えることで精算部分の工数が60〜80%ほど減る、というのもよくあるお話です。上場を控えて出張件数が爆発的に増え、管理が追いつかない、ルールもきちんと整備したいという企業様からも、こうしたツールを入れて整えていきたいというニーズをいただいています。

ピカパカ出張DX(株式会社ピカパカ)

ピカパカ出張DXのウェブサイト

ピカパカ出張DXは、航空券・新幹線・ホテルの予約から、出張申請・承認、請求書の一括精算、利用実績の可視化までをひとつの基盤で扱う法人向けの出張管理サービスです。航空会社132社、ホテル64万軒以上を横断して検索でき、価格や移動時間を比較したうえで手配できます。

企業ごとに異なる出張規程や承認フローに合わせて設定できる点が特徴で、規程に沿った運用をシステム上で再現しやすくなっています。経費精算システムやワークフローシステムとの連携を前提に開発されており、すでに導入済みの仕組みを活かしながら出張手配だけを組み込むこともできます。料金は利用金額に応じた料率型で、出張の件数や運用に応じた見積もりを提示する形をとっています。

こうした出張管理システムが、どのような課題を背景に導入されているのか。同社は独自インタビューで、相談の多い理由を次のように挙げています。

勝間氏
株式会社ピカパカ 執行役員
勝間氏
独自インタビューより

最も多いのは、「出張管理が属人化している」「立替精算の負担が大きい」「出張コストを把握できていない」という課題です。近年では、出張費の高騰を背景に、出張コストの見える化や統制強化を目的として導入を検討される企業も増えています。

まとめ

出張手当(日当)の相場は、公的調査の平均額で見ると、国内出張でおおむね1日2,600円前後、宿泊料は1万円台前半です。海外出張の日当は地域によって5,000〜7,000円台、宿泊料は1万数千円から2万円台になります。役職名ごとの1円単位の平均額は公表されていないため、これらの平均を基準線に、役職や出張先で区分をつけて自社の金額を決めていきます。

金額を決めたら、出張旅費規程として文書化し、全社員に同じ基準が適用される形に整えます。相場から大きく外れない水準に収め、出張ごとに申請・報告・精算の書類を残すことが、非課税で認められるための前提です。円安や物価高で宿泊料の見直しが進んでいるため、古い水準のまま据え置かず、相場に合わせて定期的に見直すことも検討してください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 出張手当(日当)と給与は何が違うのですか?

A. 出張手当(日当)は出張中の食事代や諸雑費を補うために出張旅費規程に基づいて支給される経費で、労働の対価である給与とは性質が異なり、規程に沿った通常必要な範囲であれば所得税がかからない非課税の扱いになります

給与は毎月の労働に対して支払われ全額が課税・社会保険料の対象になるのに対し、日当は出張という事実に対して定額で支払われ、社会保険料の算定対象にもなりません。ただし出張旅費規程がないまま日当を支払うと、税務上は給与の一部とみなされて課税されるおそれがあります。

Q. 日帰り出張でも出張手当(日当)は支給すべきですか?

A. 日帰り出張に日当を支給するかは各社の任意で、宿泊を伴う出張より低い額を別に定める企業が一般的です。日当は宿泊の有無にかかわらず、移動や外出で生じる食事代・諸雑費を補うものなので、日帰りでも支給して構いません。

実務では「宿泊出張の日当」と「日帰り出張の日当」を分けて出張旅費規程に定め、日帰りは低めの金額に設定する例が多く見られます。自社の出張の実態に応じて、日帰り時の支給の有無と金額を規程で明確にしておくとよいでしょう。

Q. 出張手当(日当)は役職ごとにどれくらい差をつければよいですか?

A. 役職差のつけ方に法律上の決まりはありませんが、公的調査では役職が上がるほど日当・宿泊料が高くなります。財務省の令和5年度調査では、役職の階層ごとの日当が下位で約1,827円、上位で約3,581円でした。宿泊料は産労総合研究所の2025年度調査で、一般社員8,878円に対し部長クラス10,425円です。

一般社員を相場の平均に置き、管理職・役員へ段階的に上乗せする形が基本です。ただし役員だけを極端に高くすると、全体でバランスの取れた基準という非課税の要件を外れやすくなる点に注意してください。

出典・参考資料(2件)

Q. 出張手当(日当)はいくらまでなら非課税になりますか?

A. 出張手当が非課税になる金額に一律の上限はなく、所得税基本通達9-3が定める「通常必要と認められる範囲」であれば非課税です。この範囲は、役員から一般社員まで全体でバランスの取れた基準によって計算されていること、同業種・同規模の他社が一般的に支給している金額に照らして相当であること、の2点で判断されます。

金額そのものの基準値はないため、国内日当の平均2,621円といった公的調査の相場から大きく外れない水準に収め、支給基準を出張旅費規程で明文化しておくことが、非課税と認められる前提になります。

出典・参考資料(1件)

Q. 宿泊費が出張旅費規程の上限額を超えた場合はどう精算しますか?

A. 規程の上限を超えた宿泊費の扱いは、あらかじめ出張旅費規程で定めておき、超過分を従業員の自己負担とするか、事前承認を条件に実費で認めるかを明確にしておきます。出張先や時期によっては、ホテル代が規程の上限を超えることがあります。

定額支給方式では上限を超えた分は原則自己負担になりますが、繁忙期や大都市圏など正当な理由がある場合に備え、上長の事前承認で上限を超える実費を認める例外規定を設けておくと運用しやすくなります。規程にない例外を都度認めると基準が形骸化するため、判断のルールを規程に落とし込んでおくことが重要です。

Q. 個人事業主や一人法人でも出張手当(日当)を支給できますか?

A. 一人法人(社長1人の会社)は出張旅費規程を定めれば代表者本人にも日当を非課税で支給できますが、個人事業主は事業主本人への日当を経費にできません。所得税基本通達9-3の非課税の対象には役員も含まれるため、法人であれば代表者1人でも規程に基づく日当が認められます。

一方、個人事業主は雇用関係にない事業主自身に日当を支払うという扱いができず、本人分は経費になりません。ただし個人事業主でも、従業員に対しては規程に基づいて日当を支給し、経費として計上できます。

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Q. 海外出張の出張手当(日当)の目安はいくらですか?

A. 海外出張の日当は、財務省の令和5年度調査で全体平均5,441円、円で支給する企業では地域によりアジア5,811円から北米7,111円程度が目安です。欧州は6,973円、オセアニアは6,533円で、渡航先の物価水準に応じて国内より高めに設定されています。宿泊料は定額(上限付き)で平均19,355円でした。

海外出張の日当・宿泊費は、国内と異なり消費税の課税仕入れの対象にならない点も、経理処理では押さえておく必要があります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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