誰にどのPCを渡したか、退職者から返却したPCが今どこにあるか、貸与PCのOS・パッチ適用状況はどうなっているか。貸与PCの台数と状態を正確に把握できないまま、テレワーク常態化のなかで社外に持ち出されたPCの実態も見えづらくなっていませんか。Excel台帳と目視棚卸では回らなくなってきた社内PCの管理を、専用ツールで一元化する企業が増えています。
資産の可視化・操作ログの取得・セキュリティ対策・遠隔管理をどこまで1本でまかなうべきか、クラウド型とオンプレミス型のどちらが自社の情シス体制に合うか、月額料金は貸与PC台数に応じてどう変わるか。判断すべき軸は多く、製品ごとに強み領域も違います。
本記事では、社内PC管理ツール21製品を機能の強み軸で5タイプに分類し、対応OS・料金プラン・上限台数まで踏み込んで比較・解説します。プラン別料金と対応OSの横並び開示、両版がある主要製品のクラウド版/オンプレ版の版別スペック早見表、PCログ取得と就業規則・関連法令の実務対応まで整理しました。情シス担当者が自社に合うツールを絞り込むための判断材料としてご活用ください。
また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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社内PC管理ツールとは?何ができるか
社内PC管理ツールの定義と、Excel台帳・目視棚卸との違い
社内PC管理ツールは、企業が社員に貸与するPCやスマートフォンなどのIT資産を一元管理し、台数・スペック・インストール済みソフトウェア・利用状況・セキュリティ状態を自動で収集・可視化するシステムです。各PCに常駐する管理プログラム(エージェント)が構成情報や操作ログを取得し、管理サーバーへ集約する仕組みを取ります。
Excel台帳や目視棚卸との差は、更新の起点にあります。手作業では「異動時に情シスへ連絡してもらう」「棚卸期に全拠点を回る」といったイベント駆動で情報を集めるため、日々の変化が反映されず台帳と現物の乖離が広がります。エージェント方式ではPC自身が情報を送るため、購入から異動・返却までのライフサイクルが台帳へ自動反映されます。
加えて、パッチ配布・デバイス制御・遠隔ロック・データ消去まで管理サーバーから一括で操作できるため、テレワークで社外に持ち出されたPCの状態把握や、紛失時の緊急対応も可能になります。棚卸工数の削減と情報漏えい対策を同時に前進させられる点が、専用ツールを採用する主な理由です。
社内PC管理ツールでできること(6つの機能)
製品によって強みは異なりますが、多くのPC管理ツールは以下の6つの機能を組み合わせて提供しています。自社の課題がどの機能で解決するかを整理すると、後述の5タイプへの自己同定が進みます。
資産管理(ハードウェア・ソフトウェアの台帳)
ハードウェア構成(メーカー・機種・CPU・メモリ・シリアル番号)とインストール済みソフトウェア・ライセンスを自動収集し、資産台帳を最新の状態に保ちます。利用者・部門・拠点・貸出履歴と紐づけて管理でき、退職者の返却漏れやシャドーITの検出につながります。
操作ログ管理(内部不正対策・稼働可視化)
ログイン・ログオフ、アプリケーション起動、ファイル操作、印刷、Webアクセス、USBデバイス接続などのPC操作履歴を取得します。情報持ち出しの兆候検知や退職前の不審操作の追跡に使うほか、勤怠システムの申告値と突き合わせて長時間労働の是正にも活用できます。
セキュリティ対策(デバイス制御・脆弱性・パッチ管理)
USBメモリ・外付けHDDの利用可否を機体単位で制御し、無許可のデバイス接続をブロックします。OS・ソフトウェアの脆弱性情報とインストール済みバージョンを突き合わせ、パッチ未適用機の一覧化と一斉配布までを管理サーバーから実行できる製品もあります。
リモート制御・遠隔サポート
情シス担当者が管理サーバーから対象PCの画面を遠隔操作し、設定変更やトラブルシューティングを実施できます。テレワーク・多拠点環境で「その場に行かないと直せない」を減らし、情シスの拠点常駐コストを圧縮します。
ソフトウェア配布・パッチ適用
業務アプリケーションのインストール・アンインストール、OSアップデート、セキュリティパッチの適用を、対象グループを指定して一斉配信します。Windows 10からWindows 11への移行や、Officeのバージョン統一など、全社的な一斉展開の局面で工数削減効果が大きい機能です。
OS・サードパーティ製ソフトウェアのパッチ配布を最優先で強化したい場合は、WSUS後継としての位置づけ・対応OSやアプリのカバー範囲・承認や除外の運用まで踏み込んだ専用ツールの比較を、以下の記事にまとめています。
勤務実態の可視化(PC稼働ログの労務活用)
PCのログイン・ログオフ・スリープ・アプリ稼働時間を勤怠システムの申告値と突き合わせ、労働時間の客観的把握を支援します。自己申告と実態の乖離が生じたときの調査基盤としても機能し、テレワーク環境での労働時間管理を補強できます。
PC管理ツール・MDM・SaaS管理・エンドポイントセキュリティの違いと使い分け
自社の課題に本当に必要なカテゴリを見誤らないため、隣接する4カテゴリの守備範囲を整理します。

MDM(モバイルデバイス管理)との違い
MDMはスマートフォン・タブレットの一元管理を目的にしたカテゴリで、iOS・Androidの機能制限(カメラ・アプリインストール制御)、業務アプリ配信、紛失時の遠隔ワイプに強みを持ちます。PC管理ツールはデスクトップ・ノートPCを中心に据える設計で、Windows・Macのソフトウェア資産管理や操作ログ取得が主戦場です。
貸与デバイスがPCのみなら選定はPC管理ツールで完結しますが、スマートフォン・タブレットも業務利用している組織では、MDMまで含むマルチデバイス対応の統合管理(後述のUEM)を検討する必要があります。
SaaS管理ツールとの違い
SaaS管理ツールは、企業が利用するSaaSアカウント・ライセンス・利用状況を可視化し、無駄なライセンス費用や退職者アカウントの残置を防ぐカテゴリです。管理対象はSaaSアカウントであり、PC本体の構成情報や操作ログ取得は主目的にしていません。
PC管理ツールが「貸与PC本体」を、SaaS管理ツールが「SaaSアカウント」を扱う関係にあり、両方とも自社にとって重要な情報資産です。従来のPC操作ログや脆弱性管理に加えてSaaSアカウントまで含めた情報資産管理を進めたい組織では、後述の4タイプ目「SaaS利用・アカウント管理/UEMで情報資産を横断管理したいタイプ」が選択肢に入ります。
エンドポイントセキュリティ(EDR / EPP)との違い
EPP(Endpoint Protection Platform)は既知のマルウェア侵入を防ぐ従来型のアンチウイルスの発展系、EDR(Endpoint Detection and Response)は侵入後の不審な振る舞いを検知し、対処までを支援するカテゴリです。脅威対策そのものに特化しており、資産台帳やソフトウェア配布は主機能ではありません。
PC管理ツールの多くはデバイス制御やパッチ管理を通じて「感染しにくい環境を維持する」機能を備えますが、侵入後の検知・封じ込めまでは想定していません。標的型攻撃への備えを本気で強化する場合は、PC管理ツールとEDRを併用する構成が現実的です。
統合管理(UEM: Unified Endpoint Management)に向かう潮流
UEMは、PC管理ツールとMDMの機能を統合し、Windows・Mac・iOS・Androidを1つの管理サーバーから一元管理するカテゴリで、クラウド型UEMが代表的です。Microsoft 365を全社導入している組織や、Windows・Mac混在の開発組織では、UEMを軸に据える構成が有力な選択肢になります。
ただしUEMは資産管理の粒度や操作ログ取得の詳細度で国内PC管理ツールに及ばない場面もあり、日本国内の情報漏えい対策・内部統制要件を満たすには、国産統合スイートのほうが適合する場合もあります。
社内PC管理ツールの選び方(比較ポイント)
候補ツールを絞り込む物差しとして、6つの観点を順に整理します。後述の比較表と診断ウィジェットは、この6軸を反映した設計になっています。
1. クラウド型とオンプレミス型の違いと選び分け
クラウド型は管理サーバーをベンダー側で運用するため、自社にサーバー構築・保守のリソースが不要で、初期費用を抑えて短期間で運用開始できます。テレワーク環境で社外PCから管理サーバーへ接続する場合も、公衆網経由の到達性が保たれます。情シス不在・少人数体制の中小企業や、拠点分散が進んだ組織で選ばれやすい形態です。
オンプレミス型は自社ネットワーク内に管理サーバーを構築し、機密性の高い操作ログを社外に出さずに保有できます。大企業・金融・製造業など内部統制やデータ主権要件が厳しい組織で採用が続いています。
SKYSEA・LANSCOPE・AssetView・ManageEngine Endpoint Centralなどは同一製品でクラウド版とオンプレ版の両方を提供しています。機能差・料金差・導入体制を並列で確認して選び分けるのが実務的です。両版がある主要製品の版別スペックは以下の早見表で概要を把握し、詳細な比較は後述のタイプ別比較表・サービス個別紹介で確認してください。
| 製品 | 版 | 提供形態 | 上限台数の目安 | 料金体系 | 向く体制 |
|---|---|---|---|---|---|
| SKYSEA Client View | クラウド版 (M1 / S1H / S3H) | SaaS(Sky運用) | 3種のプランで 小〜大規模帯 | 要お問い合わせ (代理店見積り) | サーバー構築を避けたい情シス少人数体制 |
| SKYSEA Client View | オンプレ版 | 自社サーバー | 単一構成で 最大50,000台 | 要お問い合わせ (代理店見積り) | ISMAP要件・データ主権要件の大企業/金融・公共 |
| LANSCOPE エンドポイントマネージャー | クラウド版 | SaaS(MOTEX運用) | 公式に記載なし | 要お問い合わせ (代理店見積り) | クラウド前提のマルチデバイス管理を志向する情シス |
| LANSCOPE エンドポイントマネージャー | オンプレ版 | 自社サーバー | 公式に記載なし | 要お問い合わせ (代理店見積り) | 金融・上場企業など内部統制要件の厳しい組織 |
| AssetView | クラウド版 (CLOUD/Cloud+) | SaaS(ハンモック運用) | 公式に記載なし | 要お問い合わせ (14機能から選択購入方式) | 必要機能だけをクラウドで選択導入したい情シス |
| AssetView | オンプレ版 | 自社サーバー | 公式に記載なし | 要お問い合わせ (14機能から選択購入方式) | 自社ネットワーク内での運用が要件の中堅〜大企業 |
| ManageEngine Endpoint Central | クラウド版 (Enterprise/UEM/Security) | SaaS(Zoho運用) | 50〜10,000台 | 50台で年間218,000〜383,000円 (Enterpriseエディション) | 公表価格で予算計画を組みたい中小〜中堅企業 |
| ManageEngine Endpoint Central | オンプレ版 (Enterpriseのみ) | 自社サーバー | 50〜10,000台 | 50台で年間486,000円〜 (Enterpriseエディション) | 自社サーバー運用でコスト固定化したい情シス |
2. 対応OS(Windows・Mac・モバイル)と自社の端末環境の一致
国内PC管理ツールの多くはWindowsを主軸に設計されており、Macに対応していても機能に差が出る製品が少なくありません。デザイン部門・開発部門でMacを標準採用している組織や、Windows・Mac混在の環境では、対応OSと機能カバレッジを事前に確認します。
スマートフォン・タブレットまで含めて一元管理したい場合は、MDM機能を内包する製品や、UEMカテゴリの製品が選択肢に入ります。比較表の「対応OS」列で、Windows・Mac・Linux・iOS・Androidそれぞれの対応可否を横並びで確認できるようにしています。
3. 必要機能の優先順位と管理範囲の明確化
資産台帳・操作ログ・セキュリティ対策・リモート制御・パッチ配布・勤務可視化の6機能のうち、自社が最初に強化したい領域を1〜2つに絞ります。すべての機能を一度に導入しようとすると、要件過剰で高額製品しか候補に残らず、運用も情シスの手に負えなくなります。
資産の可視化と棚卸効率化が最優先なら統合型か現物管理特化型、内部不正対策のための操作ログが要ならログ機能の実装深度、パッチ配布や遠隔サポートを重視するならリモート制御機能の使い勝手が判断軸です。優先順位の1位が製品タイプの選択を決定づけます。
4. 費用対効果(1台あたり月額・上限台数・追加費用条件)
料金は「初期費用」「本体月額(またはライセンス費用)」「エージェント台数課金」「保守サポート」の4層で構成されるのが一般的です。公表価格を持つ製品は少なく、多くが個別見積もりです。公表されている範囲では、中小企業向けクラウド型で1台あたり月額300〜500円、統合スイート型オンプレでは年間数百万円規模になるケースもあります。
比較表では料金を各社公式の公表範囲で示しています。公式に記載がない項目は「公式に記載なし」と明記しました。
5. 既存環境(Active Directory・Microsoft 365)との連携・拡張性
Active Directoryのユーザー・グループ情報と連携できると、部門異動時の利用者マスタ更新が自動化され、退職者のPC返却漏れ検知も精度が上がります。Microsoft 365を全社導入している組織では、Intuneとの統合や、Microsoft Defender for Endpointとの機能重複を確認しておくと、二重投資を避けられます。
今後の拡張余地として、SaaS管理機能・EDR機能の追加、他社SIEMへのログ連携API、勤怠システムとのデータ連携の可否も、5年運用を前提に確認します。
6. サポート体制と運用支援(情シス不在・少人数体制で回せるか)
情シスが兼務・少人数の組織では、導入後の初期設定支援・エージェント配布・運用マニュアル整備までベンダーが伴走できるかが定着を左右します。オンプレ製品では自社サーバーのセットアップ支援や、SIパートナーによる導入支援の有無も要確認項目です。
問い合わせ窓口の提供時間帯(平日日中のみか、24時間か)と、電話・メール・チャットの対応チャネル、日本語対応の質も見落としがちな判断軸です。海外製品ではドキュメント・サポートともに英語のみのケースがあり、日本国内での運用実績も併せて確認します。
社内PC管理ツールの5つのタイプ(機能の強み軸)
21製品を機能の強み領域で5タイプに分類しました。自社が最も強化したい領域から、自然に候補タイプが絞られます。
資産管理・操作ログ・セキュリティを1本で統合したい情シス向け(統合型)
IT資産の可視化・操作ログ取得・セキュリティ対策(脆弱性管理・デバイス制御)を1つのソフトウェアでまかなう統合スイート型です。国内シェア上位の中核製品群が集中する領域です。
SKYSEA Client View・LANSCOPE エンドポイントマネージャー・AssetView・System Support best1・MCore・MaLion・JP1・ManageEngine Endpoint Central・ISM CloudOneが該当します。
1本の導入で幅広い課題に対応できる代わりに、機能が多く運用の学習コストが上がるため、情シスに専任担当を1名以上置ける中堅・大企業と親和性があります。オンプレ版とクラウド版を並列で提供する製品が多く、自社の内部統制要件に応じて選び分けられます。
情シス不在・少人数でPC管理を回したいクラウド型軽量タイプ
クラウド型で導入が簡単、直感的な操作画面で情シス兼務者・小規模組織でも運用できるタイプです。
Eye”247″ Work Smart Cloud・OPTiM Biz Premium・wakucone plusの3製品が該当します。いずれも資産管理・操作ログ・基礎的なセキュリティ対策まで1つのダッシュボードでまかなえる汎用PC管理型で、統合型を薄くしてクラウドで導入初日から動かせる位置づけです。
統合型と比べると機能は絞り込まれていますが、専用サーバーの構築・保守が不要で、月額料金も台数連動のシンプルな体系が中心です。従業員数十〜数百名規模で情シスが兼務・少人数の組織に適します。
セキュリティ強化・紛失盗難対策・稼働可視化に特化した特化型
汎用PC管理の全機能を追わず、脆弱性診断・強制アップデート・紛失盗難対策・ヘルス/位置情報・PC稼働の労務可視化など、特定の1領域に機能を絞り込んで深く実装したタイプです。統合型・軽量型のカバーレンジには入らない専門機能を、単機能寄りの料金・単純な運用で追加投入したい情シスに向きます。
PC Check Cloud(脆弱性診断・強制アップデート特化)・HP Protect and Trace with Wolf Connect(HP法人PC同梱の紛失盗難対策)・PCアセットモニタリングサービス(Dynabook純正のヘルス/位置情報可視化)・MITERAS仕事可視化(PC稼働ログの労務可視化)の4製品が該当します。
いずれも汎用PC管理スイートの代替ではなく、統合型・軽量型と役割分担して併用する構成が現実的です。強化したい1領域が明確な組織では、統合スイートを膨らませるより特化型を1本足すほうが、料金・運用負荷ともに軽く済みます。
SaaS利用・アカウント管理/UEMで情報資産を横断管理したいタイプ
従来のPC・ハード資産の棚卸に加え、SaaSアカウント・ライセンスや Mac / モバイル込みのユーザー中心管理(UEM)まで含めて可視化するタイプです。
マネーフォワード Admina が SaaS 管理併設の代表格、Jamf Pro が Apple 特化のUEM、Microsoft Intune が Microsoft 365 統合の UEM として位置づけられます。
SaaS 利用の広がりと退職者アカウントの残置リスク、Windows / Mac / モバイル混在環境のガバナンス強化に対応する目的で近年台頭してきた領域です。
統合型のPC操作ログ・パッチ配布に匹敵する詳細機能は薄い一方、PC管理の隣接領域として「情報資産全体の可視化」を担う位置にあります。既に統合型のPC管理ツールを運用中で、SaaS管理・UEMを補完的に導入したい組織や、逆にSaaS管理・UEMを起点に情報資産全体の可視化を進めたい組織に向く構成です。
現物管理・貸出返却・棚卸に特化したタイプ
物品としてのPCの所在・貸出返却・棚卸に特化したタイプで、Convi.BASE と Assetment Neo が該当します。バーコード・QRコード・RFIDによる現物棚卸に強みを持ち、多拠点・大量端末を扱う組織の棚卸工数を大きく削減できます。
操作ログ取得やパッチ配布などのエンドポイント制御機能は薄く、統合型と組み合わせて役割分担する構成が現実的です。会計・固定資産の観点との親和性が高く、経理部門と情シスの共通台帳としても使えます。
以下の診断で、自社に近いタイプを1問1〜2秒で絞り込めます。
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【比較表】社内PC管理ツール21選
ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要な社内PC管理ツール21製品を5つのタイプ別に分類してご紹介します。まずはタイプごとの比較表で全体像を俯瞰し、気になるサービスの個別紹介へ進んでください。同一製品でクラウド版とオンプレ版の両方を持つ製品は、比較表内で版別の料金・上限を明記しています。
本比較表の凡例: ●=対応 / ◎=強く対応 / △=一部・連携経由 / ×=非対応。true/false は同じ順に対応します。
【比較表】統合型(資産・ログ・セキュリティを1本で)
| サービス名 | SKYSEA Client View | LANSCOPE エンドポイントマネージャー | AssetView | System Support best1(SS1) | MCore | MaLion | JP1/IT Desktop Management 2 | ManageEngine Endpoint Central | ISM CloudOne |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド版/オンプレミス版 | クラウド版/オンプレミス版 | クラウド版/オンプレミス版 | クラウド版/オンプレミス版 | クラウド版(AWS/Azure) /オンプレミス版 | クラウド版 (MaLionCloud) /オンプレミス版 (MaLion 7) | クラウド版(SaaS) /オンプレミス版 | クラウド版/オンプレミス版 | クラウドSaaSのみ |
| 対応OS | Windows / Mac iOS / Android | Windows / Mac iOS / Android | Windows / Mac iOS / Android / Chrome | Windows / Mac iOS / Android | Windows / Mac (多言語OS対応) モバイル | Windows / Mac iOS / Android (MDMオプション) | Windows / Mac Chromebook iOS / Android | Windows / Mac / Linux iOS / Android Chrome OS | Windows / Mac iOS / Android |
| 初期費用 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 0円 (MaLionCloud) | 要お問い合わせ (代理店見積り) | 0円 (ライセンス費に包含) | 0円 (クラウドSaaS) |
| 1台あたり月額 | 要お問い合わせ (代理店見積り) | 要お問い合わせ (代理店見積り) | 要お問い合わせ (14機能から 選択購入方式) | 要お問い合わせ (モジュール課金) | 要お問い合わせ | 900円/1ライセンス (MaLionCloud) | 要お問い合わせ (代理店見積り) | 50台で年間218,000円〜 (クラウド Enterprise版) | 要お問い合わせ (公式価格表PDF参照) |
| 資産台帳 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 操作ログ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| デバイス制御 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| パッチ配布 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 遠隔操作 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 上限台数・追加費用 | オンプレ版最大50,000台 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 単一サーバ 最大50,000台 | 最低5ライセンス (MaLionCloud) | OD版は 1,000台以下向け | 50〜10,000台対応 (公式pricingに明記) | 公式に記載なし |
| 対象規模 | 中堅〜大企業 | 中小〜大企業 | 中小〜大企業 | 中小〜大企業 | 中堅〜大企業 | 中小〜大企業 | 中堅〜大企業 | 中小〜大企業 | 中小〜大企業 (グローバル展開企業) |
| 導入実績 | 26,156社/ 13,426,549台 (2026年7月時点) | 累計40,000社以上 (金融の約1/3、 上場企業の約1/4) | 累計8,500社 (2017年2月時点、 以降の更新公表なし) | 5,100社以上 | 住友電工グループ内 10万台以上運用 (三菱マテリアルほか) | 公式に累計値の記載なし | 公式に累計値の記載なし (大企業・官公庁採用) | 世界3万社 | 90,000社以上 (グローバル) |
| 無料トライアル | 公式に記載なし | 60日間 | 要お問い合わせ | あり (詳細は要問い合わせ) | 要お問い合わせ | 30日間 | 要お問い合わせ | 30日間 | 30日間 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
【比較表】情シス不在・少人数向けクラウド型軽量タイプ
| サービス名 | Eye「247」Work Smart Cloud | OPTiM Biz Premium | wakucone plus |
|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウドSaaS | クラウドSaaS | クラウドSaaS |
| 対応OS | Windows 11 / macOS | Windows / Mac iOS / Android | Windows 10/11 / macOS iOS / Android |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 30,000円 |
| 1台あたり月額 | 500円/1台 (50台以上) | 980円/1ID (PC1台+モバイル1台等含む・税別) | 要お問い合わせ (台数・契約期間で見積り) |
| 資産台帳 | ● | ● | ● |
| 操作ログ | ● | ● | ● |
| デバイス制御 | ● | ● | ● |
| パッチ配布 | × | ● | ● |
| 遠隔操作 | × | ● | ● |
| 上限台数・追加費用 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 対象規模 | 50台〜(中小〜中堅企業) | 中小〜大企業 | 中小〜大企業 |
| 導入実績 | 3,000社 (2025年9月時点) | Optimal Biz MDMシェア 15年連続1位(公式訴求) | NTT関連13,000組織 (合算値・単体非公表) |
| 無料トライアル | 14日間 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
【比較表】セキュリティ強化・紛失盗難対策・稼働可視化に特化した特化型
| サービス名 | PC Check Cloud | HP Protect and Trace with Wolf Connect | PCアセットモニタリングサービス | MITERAS仕事可視化 |
|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウドSaaS | HP法人PC同梱+クラウド | クラウドSaaS | クラウドSaaS |
| 対応OS | Windows / Mac / iOS | Windows (HP法人PC・LTE/5G対応モデル専用) | Windows (Dynabook製PC中心) | Windows 11 / macOS 11以降 |
| 初期費用 | 50,000円 (税別・管理コンソール) | PC購入価格に含む | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 1台あたり月額 | 600円/1PC (年額7,200円・税別) | 550円/1PC〜 (1年ライセンス6,600円〜・税別) | 月額55,000円 (税込・台数無制限固定) | 210円/1ユーザー〜 (5,000ユーザー以上・Time Report) |
| 資産台帳 | ● | × | ● | × |
| 操作ログ | ● | × | × | ● |
| デバイス制御 | ● | × | × | × |
| パッチ配布 | ◎(強制アップデート) | × | × | × |
| 遠隔操作 | ● | ◎(電源オフ・オフラインでも動作) | × | × |
| 上限台数・追加費用 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 台数無制限 | 公式に記載なし |
| 対象規模 | 中〜大企業・海外拠点あり | HP法人PC利用組織(80か国以上対応) | PC台数の多い企業(数百〜数千台) | 中小〜大企業(大規模ほど単価低下) |
| 導入実績 | 国内25,000台以上 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 契約アカウント10万超 |
| 無料トライアル | 要お問い合わせ | 30日間〜1年間 (キャンペーン) | 要お問い合わせ | 1か月 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
【比較表】SaaS利用・アカウント管理/UEMで情報資産を横断管理したいタイプ
| サービス名 | マネーフォワードAdmina | Jamf Pro | Microsoft Intune |
|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド(SaaS) | クラウドSaaS/オンプレ | クラウドSaaS (Microsoft 365統合) |
| 対応OS | Windows/Mac/iOS/Android (MDM連携経由) | macOS/iOS/iPadOS/tvOS/visionOS (Apple専用) | Windows/macOS/iOS/Android/Ubuntu/Chrome OS |
| 月額費用 | 要お問い合わせ (プラン制・アカウント数連動) | 要お問い合わせ (企業規模別) | 単体1,199円/ユーザー M365 E3は4,565円/ユーザーに包含 |
| 資産台帳 | ●SaaSアカウント/デバイス | ● | ● |
| PC操作ログ | × | × | △日本語詳細ログは限定的 |
| デバイス制御 | △MDM連携 | ● | ● |
| パッチ配布 | × | ● | ● |
| 遠隔操作 | △MDM連携 | ● | ● |
| SaaS/アカウント管理 | ◎380以上のSaaS連携 | △Marketplace経由でEntra ID/Google/Okta連携 | △Entra ID・条件付きアクセスでID/アプリ側を統制 |
| 対象規模 | SaaS利用が広い中堅〜大企業 | Apple端末を多数利用する中小〜大企業・教育機関 | Microsoft 365導入企業と親和性が高い中小〜大企業 |
| 導入実績 | 公式に累計値の記載なし | 世界74,000組織以上・約3,300万台 (グローバル) | 公式に累計値の記載なし |
| 無料トライアル | 14日間 | 14日間 | 30日間 |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | 公式サイト | 公式サイト |
【比較表】現物管理・貸出返却・棚卸に特化したタイプ
| サービス名 | Convi.BASE | Assetment Neo |
|---|---|---|
| 提供形態 | クラウドSaaS | クラウドSaaS |
| 対応OS | Windows / iOS / Android(棚卸端末) | Windows / iOS / Android(棚卸端末) |
| 初期費用 | 0円〜(プランによる) | 要お問い合わせ |
| 月額費用 | 55,000円〜(プランによる) | 要お問い合わせ |
| 資産台帳(IT+物理資産) | ◎ | ◎ |
| バーコード/QR/RFID棚卸 | ●バーコード・ICタグ | ●バーコード・QR・RFID |
| 貸出返却ワークフロー | ● | ● |
| 複数拠点対応 | ●1〜53拠点の実績 | ● |
| PC操作ログ | × | × |
| デバイス制御 | × | × |
| パッチ配布・遠隔操作 | × | × |
| 対象規模 | 中小〜大企業 | 中小〜大企業 |
| 導入実績 | 1,300社突破 | 800社/80万人(2026年1月時点) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト |
社内PC管理ツール21選
ここからは5タイプごとに、各サービスの主要機能・プラン別料金(実額または想定価格帯・確認日付き)・上限台数・対応OS・向く企業像を詳しく紹介します。同一製品でクラウド版とオンプレ版の両方を持つ製品は、両版を並列で解説します。
統合型のおすすめ9選
資産管理・操作ログ・セキュリティ対策を1本でまかなう統合スイート型の9製品です。国内シェア上位の中核製品が集中しており、情シスに専任担当を置ける中堅・大企業と親和性が高い領域です。
1. SKYSEA Client View(Sky株式会社)

国内シェア1位のクライアント運用管理ソフトウェアで、Sky株式会社が提供する国産統合スイートです。富士キメラ総研「2024 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」の端末管理・セキュリティツール(ソフトウェア)2024年度ベンダーシェア1位、導入26,156社/13,426,549台(2026年7月31日時点、公式特長ページ)を公表しています。
提供形態は、最大50,000台対応のオンプレミス版と、M1 / S1H / S3Hの3種のクラウド版(Cloud Edition)の両建てです。単一の管理コンソールで資産管理・操作ログ・標的型攻撃対策・USB制御・MDM・パッチ配布・サーバー監査までを扱い、生成AIが運用の疑問に答える「AIアドバイザー」も新機能として搭載されました。
1台あたり月額単価は公式非開示で、販売代理店経由の見積もり運用となります(2026年8月1日から順次価格改定を告知)。ISMAP登録済みで、政府情報システムへの採用要件を満たす国産統合スイートを検討する組織に向きます。
2. LANSCOPE エンドポイントマネージャー(エムオーテックス株式会社)

30年以上の情報セキュリティ実績を持つエムオーテックス株式会社(京セラコミュニケーションシステムの100%子会社)が提供する、旧「LanScope Cat」からリブランドされた統合エンドポイント管理製品です。累計40,000社以上、金融機関の約1/3、上場企業の約1/4が採用と公表しています(同社公式トップ)。
提供形態は、サーバー構築が不要なクラウド版と、自社運用のオンプレミス版の両方で、対応OSはWindows / Mac / iOS / Androidをカバーします。IT資産管理・PC操作ログ・USB等のデバイス制御・Microsoft 365監査ログ管理・MDM・AI活用のセキュリティ対応をひとつのコンソールで扱えます。
1台あたり月額単価は公式非開示で、販売代理店経由の見積もり運用ですが、60日間の無料体験オプションが提供されており、80名以上のサイバーセキュリティ専門家によるサポート体制も公式で訴求されています。
3. AssetView(株式会社ハンモック)

PC更新管理・アプリケーション配布・IT資産管理・PC操作ログ・デバイス制御・ファイル暗号化などの14機能ラインナップから、必要な機能とライセンス数だけを選んで購入できる料金モデルが特徴の、統合型IT運用管理ソフトウェアです。運営は株式会社ハンモック(設立1994年)で、PC設定変更・ソフトウェア更新の自動化、情報資産の可視化、内部不正対策、マルウェア対策までを1つの管理コンソールでカバーします。
提供形態は、自社サーバー構築のオンプレミス版、SaaS形式のAssetView CLOUD、「ヒト」を軸とした統合セキュリティ対策の新ブランドAssetView Cloud+(4プランから組み合わせ)の3系統です。対応OSはWindows中心で、Mac・iPadOS・Chrome・iOS/AndroidにもMDM等の一部機能で対応します。
1台あたり月額は要お問い合わせで、公表可能な最新の累計導入社数は「8,500社(2017年2月時点、公式プレスリリース)」以降の更新公表はありません。プライバシーマーク・RB-IS15014を取得しており、市原市役所ほか自治体・地方公共団体での採用実績も公表されています(2025年5月、公式)。
4. System Support best1(SS1)(株式会社ディー・オー・エス)

Excel調の画面で操作できるUI設計を強みとする、IT資産管理・ログ管理ツールです。運営は株式会社ディー・オー・エス(大阪本社)で、5,100社以上の導入実績を公表しています(公式)。
提供形態は自社サーバー構築のオンプレミス版(SS1)と、SaaS提供のクラウド版(SS1クラウド)の両方で、PCインベントリ管理・ソフトウェアライセンス管理・パッチ管理・Webアクセスログ/メール監視・不正デバイス検知/USB制御・リモートサポート・不正PC検知/ネットワーク遮断・勤務時間管理までを扱います。
料金はモジュール型で、必要な機能だけを選んで購入する体系(1台あたり月額単価は要お問い合わせ)。無料トライアルの提供もあり、電話サポートは大阪・東京の窓口で平日9:00-17:30対応です。
5. MCore(住友電工情報システム株式会社)

20年以上のIT資産管理実績と、住友電工グループ内10万台以上の運用実績を持つ、住友電工情報システム株式会社のIT資産管理システムです。単一サーバで資産管理は最大50,000台、ログ管理サーバは1台あたり5,000台までを扱える設計で、大規模運用に対応します。
提供形態は、AWS / Azure上のマネージド運用(クラウド版)と自社サーバー構築(オンプレミス版)の両方。多言語Windows・Mac・モバイルに対応しており、海外拠点を含むグローバル製造業や多言語環境での運用にも配置できます。
機能はインベントリ管理・ソフトウェア配布/パッチ管理・PC操作ログ・USB制御/周辺機器管理・未承認端末のネットワーク検疫・PCヘルスチェックまで。料金は要お問い合わせで、発売から20年以上の稼働実績があり、三菱マテリアル・SBS東芝ロジスティクスなどでの導入実績が公表されています。
6. MaLion(株式会社インターコム)

1982年設立の株式会社インターコムが提供する「情報漏洩対策+IT資産管理」統合ソリューションで、クラウド版MaLionCloudは月額900円/1ライセンス(最低5ライセンス)・初期費用0円・30日間無料トライアルを公開料金として提示しています。中小規模帯から予算計画を組み立てやすい料金体系です。
提供形態はクラウド版(MaLionCloud)とオンプレミス版(MaLion 7)の2系統で、対応OSはWindows / Mac(両版)、iOS / AndroidはMDMオプション(クラウド版300円/月・1台)で追加できます。他社ではオプション扱いになりがちなリモートコントロールが標準機能として組み込まれている点も特徴です。
機能はPC操作ログ・IT資産管理・USB等のデバイス制御・ソフトウェアライセンス管理・OSアップデート/パッチ管理・ネットワーク監視・勤怠労務管理支援・AIレポート機能までをカバーします。
オンプレ版(MaLion 7)の詳細ページは2026年8月24日時点で表示不可のため、オンプレ側の最新仕様・料金は代理店へお問い合わせを推奨します。
7. JP1/IT Desktop Management 2(株式会社日立製作所)

日立の統合システム運用管理製品群「JP1」ファミリーに含まれるIT資産管理・エンドポイント管理製品で、株式会社日立製作所が提供します(販売パートナーは日立ソリューションズ、アシストほか)。JP1のネットワーク管理・ジョブ管理と単一プラットフォームで統合運用できる構成が特徴です。
提供形態はオンプレミス版と、JP1 Ver.11以降のSaaS型で、対応OSはWindows / macOS / Chromebook(Google Workspace連携)/iOS / Android(Microsoft Intune連携)/サーバーOSまで幅広くカバーします。
中小規模向けには「JP1/IT Desktop Management 2 – Operations Director」(1,000台以下向け)のライセンス価格を抑えたエディションも用意されています。
機能は資産情報の自動収集・大規模ソフトウェア配布(ネットワーク負荷抑制)・Windows Update自動配布・脆弱性検知/自動対応・USB利用トラッキング・リモートエンドポイント接続まで。1ノードあたり月額単価と初期費用の最新価格帯は公式で明示されておらず、パートナー経由の見積もり運用となります。
8. ManageEngine Endpoint Central(ゾーホージャパン株式会社)

Zohoグループの日本法人ゾーホージャパン株式会社が提供する統合エンドポイント管理(UEM)ソフトウェアで、Windows / macOS / Linux / iOS / Android / Chrome OSの6OSを単一コンソールで管理できます。旧称はDesktop Central(2022年にEndpoint Centralへリブランド)で、世界3万社の導入実績を公表しています。
提供形態は、クラウド版(Enterprise / UEM / Security Editionの3エディション)と、オンプレミス版(Enterprise Editionのみ)。
料金は公式pricingページで明示されており、50台の年間ライセンスが218,000〜383,000円(クラウド)/486,000円〜(オンプレ)、500台で1,169,000〜2,590,000円(クラウド)/2,885,000円〜(オンプレ)、10,000台まで対応します(2026年8月24日時点、公式pricingページ)。
機能はMDM・ソフトウェア配布・インベントリ管理・リモートコントロール・1,100種類以上のサードパーティパッチ対応・USB制御/ポリシー・脆弱性管理・OS展開(Windows Autopilot / Apple ADE対応)まで。30日間の無料トライアルがあり、Adobe / Chrome / Firefoxなど非Microsoft製品のパッチも自動配信できます。
9. ISM CloudOne(クオリティソフト株式会社)

クラウドSaaS専業のIT資産管理+セキュリティ対策サービスで、運営はクオリティソフト株式会社(本社:和歌山県/東京)。90,000社以上・55か国以上・15年以上の運用実績を公表しています。VPN非依存でインターネット経由でアクセスでき、海外拠点や国境をまたぐ管理を単一のクラウドコンソールで扱える設計です。
提供形態はクラウドSaaSのみで、サーバー構築・保守は不要。対応OSはWindows / Mac / iOS / Android(MDM)で、機能はハードウェア/ソフトウェア資産管理・自動脆弱性スキャン・操作ログ/振る舞い検知・Windows Update管理・MDM・リモート制御/デバイスロック・URLフィルタリング/外部デバイス制限まで扱います。
料金は公式サイトから価格表PDFをダウンロード取得する体系で、1IDあたり単価やエディション別料金の詳細は要お問い合わせ。30日間の無料トライアルがあり、リスク可視化ダッシュボードで脆弱性を一元把握したい海外拠点持ちの企業や、サーバーを持たずに始めたい組織に向きます。
脆弱性診断・強制アップデートの領域だけを絞って導入したい場合は、本製品を基盤にNRIセキュアが再パッケージした特化型として後述する「PC Check Cloud」も候補になります。
情シス不在・少人数向けクラウド型軽量タイプのおすすめ3選
クラウド型で導入が簡単、直感的な操作画面で情シス兼務者・小規模組織でも運用できる3製品です。導入初日から使い始められ、月額料金も台数連動のシンプルな体系が中心です。
10. Eye”247″ Work Smart Cloud(株式会社フーバーブレイン)

東証スタンダード上場の株式会社フーバーブレインが提供するクラウドSaaSで、PCログ管理・仕事可視化・情報漏洩対策・IT資産管理・労務管理を1つのプロダクトに集約しています。導入企業は2025年9月時点で3,000社(公式)です。
料金は初期費用0円・月額500円/月・1台(50台以上)の公開単価で、50ライセンス構成なら月額25,000円が目安。導入・運用サポート費用は月額料金に含まれ、無料トライアルは14日間、対応OSはWindows 11とmacOS(Tahoe〜Sequoia)です。パッチ配布・遠隔操作は主機能に含まれておらず、ログ取得と情報漏洩対策・仕事可視化を1本に束ねたい少人数情シスに合う設計です。
11. OPTiM Biz Premium(株式会社オプティム)

MDM「Optimal Biz」を長年提供してきた東証プライム上場の株式会社オプティムが、2025年10月に開始した情シス業務効率化サービスです。1つの管理コンソールにMDM・SaaS管理・ID管理・物品管理・遠隔支援・AIチャットボット(OPTiM AIRES)を集約し、端末・SaaS・ID・物品を横断的に可視化します。ISO/IEC 27001・27017を取得済みです。
料金は月額980円/ID(税別)・初期費用無料の統合ライセンスで、1IDにOPTiM Bizモバイル1端末・PC 1端末・統合管理1ID・OPTiMサスマネ 1ID・OPTiM Asset 物品5・OPTiM ID+ 1ID・OPTiM Biz Remote 2端末・AIRES 2テーマ分のチャットボットが含まれます。
対応OSはWindows・macOS・iOS・Android(700機種以上)で、申込〜サービス開始まで最短10営業日です。
社内ITサポートAI「OPTiM AIRES」が情シスへの問い合わせを1次受けするため、担当者1人体制でも問い合わせ対応の負荷を抑えやすい構成となっています。
12. wakucone plus(NTTスマートコネクト株式会社)

NTTスマートコネクト株式会社(NTTグループ)が提供する、IT資産管理・セキュリティリスク検知・業務プロセス可視化を1つのクラウドに統合したソリューションです。PC・アプリケーションのデータを自動収集し、AIが情報漏洩・不審行動のアラートやアプリ利用パターンの可視化を担当します。
料金は初期費用30,000円+台数・契約期間に応じた月額ライセンスで、最低契約期間は1年、導入は約10営業日です。対応OSはWindows 10/11・macOS・iOS/iPadOS・Android(モバイル管理は別ライセンス)で、月額単価は要見積りとなります。
UIは非情シスでも扱える設計を志向しており、NTTグループのセキュリティ基盤とサポートを背景に運用したい少人数体制の情シスに合います。関連NTTサービス合算で13,000組織以上の採用実績がある一方、wakucone plus単体の導入数は公表されていません。
セキュリティ強化・紛失盗難対策・稼働可視化に特化した特化型のおすすめ4選
脆弱性診断・強制アップデート・紛失盗難対策・ヘルス/位置情報・PC稼働の労務可視化など、特定の1領域に機能を絞り込んで深く実装した4製品です。統合スイート・軽量型と役割分担して併用する構成が現実的です。
13. PC Check Cloud(NRIセキュアテクノロジーズ株式会社)

NRIセキュアテクノロジーズ株式会社(野村総合研究所グループ)が提供する、クラウド型のPCセキュリティ管理ツールです。エージェント型でPCの脆弱性を自動診断してセキュリティレベルを5段階で表示し、問題検出時は管理者からOS・アプリケーションの強制アップデートも実行できます。
ISM CloudOne(クオリティソフト)を基盤に、脆弱性診断・強制アップデートに機能を絞ってNRIセキュアが再パッケージしたサービスで、統合スイート型として資産管理・操作ログ・MDMまでを1本で比較したい場合は、統合型で紹介した「ISM CloudOne」も併せて参照してください。
料金は初期費用50,000円(管理コンソール、税別)+年額7,200円/1PC〜(標準機能、税別)の公開体系で、管理コンソールは英語・日本語・中国語(簡体字)に対応します。アジア・オセアニア・北米・欧州・ロシアの海外拠点も含めた一元管理が可能です。
国内25,000台以上のクライアントPC導入実績(公式)を持ち、脆弱性対応を軸にPC管理を組み立てたい少人数情シスや、海外拠点を持つ組織に合う設計です。無料トライアルの提供有無は公式に記載がないため、必要な場合はお問い合わせで確認します。
14. HP Protect and Trace with Wolf Connect(株式会社日本HP)

株式会社日本HP(親会社HP Inc.)が提供する、HP法人向けノートPCのLTE/5G対応モデルに同梱されるMDMソリューションです。PCの電源がオフ・オフラインの状態でも遠隔での位置追跡・操作ロック・データ消去が可能な点が最大の特徴で、LTE/5Gモジュールを介した独立通信によりWindows OSが起動していなくても動作します。データ消去はNIST purge基準に準拠しています。
提供形態はPC購入時の同梱またはソフトウェアライセンス単体購入で、料金は1〜5年ライセンスで6,600円〜24,420円(税別)。無料トライアルは同梱モデルで30日間、キャンペーン時のソフトウェアライセンスで1年間で、世界80か国以上で紛失・盗難PCへの対応が可能です。
PC調達と同時にWolf Connectの登録が完了するため、キッティング時に情シス側の追加作業が発生せず、少人数体制で紛失・盗難対策を強化したいHP法人PC主体の組織に向きます。棚卸・パッチ配布・操作ログといった汎用PC管理スイート機能は含まないため、統合スイートとの併用が現実的です。
15. PCアセットモニタリングサービス(Dynabook株式会社)

Dynabook株式会社(親会社シャープ)が提供する、Dynabook純正のPC台帳管理システムです。社内各所で利用中のPCから位置情報・PC健康情報・セキュリティ保護状況・スペック適合性などのデータを自動収集し、専用Webポータルで可視化します。バッテリー寿命の使い方への助言や、業務内容に対するPCスペック適合性の通知まで含まれます。
料金は月額55,000円(税込)/台数無制限固定で、管理台数が多い企業(数百〜数千台)ほど1台あたりコストが下がる体系です。CSV連携でOSバージョン・ソフトウェアライセンス管理と組み合わせられ、PC以外の物品管理台帳としても利用できます。
パッチ配布・操作ログ・USB制御といった標準的なPC管理スイート機能はカバーしていないため、SKYSEA・LANSCOPE等の統合スイートと役割分担し、DynabookのPC資産についてヘルス/位置情報の可視化に絞って運用したい情シス向けの選択肢です。他社製PCへの対応可否は要お問い合わせとなります。
16. MITERAS仕事可視化(パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社)

PCログを分析して勤怠記録と突合し、隠れ残業防止と労基法コンプライアンスを両立させる労務可視化ツールで、提供元はパーソルビジネスプロセスデザイン株式会社(パーソルグループ)です。アプリケーション利用状況・キーボード/マウス操作を監視して未申告の労働時間を検知し、就業前・就業終了時の残業アラートで自主的な業務停止を促します。
スクリーンショット取得や強制シャットダウンをあえて実装していない点が設計思想の現れで、監視ではなく可視化に寄せる方針を取っています。既存の勤怠システムとのAPI連携により、勤怠は残しつつPC稼働側の実態を上乗せする運用がしやすい構成です。
料金はTime Reportプランで210円/ユーザー・月〜(5,000ユーザー以上)の公開単価で、初期費用はプラン別に要見積り。導入期間は約1か月、無料トライアルは1か月、対応OSはWindows 11とmacOS 11以降(Apple Silicon含む)です。
キヤノンマーケティングジャパン・伊藤忠商事・トランスコスモスほか契約アカウント数は10万超で、労務・人事寄りの情シスがPC稼働の可視化から隠れ残業対策を進めたい場合の選択肢となります。
SaaS利用・アカウント管理/UEMで情報資産を横断管理したいタイプのおすすめ3選
PC本体の管理に加え、SaaSアカウント・ライセンス・利用状況まで一元的に可視化するタイプです。既存の統合型PC管理ツールと組み合わせて情報資産全体を把握する構成にも、SaaS管理を起点に情報資産管理を広げる構成にも使えます。
17. マネーフォワードAdmina(マネーフォワードi株式会社)

マネーフォワードAdminaは、SaaS利用状況・アカウント・デバイス・コストを1つのコンソールで一元管理する情シス向けの統合管理プラットフォームです。380以上のSaaSと連携し、アカウント発行・削除の自動化、シャドーIT検知、コストの可視化までを備え、貸与PC本体だけでは追いきれないSaaSアカウント側も含めて情報資産を捉え直したい組織に向きます。
詳細なPC操作ログの取得やセキュリティパッチの一斉配布は主目的ではなく、デバイス側は MDM連携によるライフサイクル管理・キッティング・Device倉庫(BPO) の切り口で提供されます。既存の統合型PC管理ツールでPC本体側を押さえたうえで、SaaSアカウント側の残置や過剰契約を可視化する補完役として組み合わせやすい構成です。
セキュリティ認証はSOC 2 Type 2を3年連続で保有(2025年8月14日公表)。無料トライアルは14日間で、料金は公式サイトに詳細掲載がないため、プラン別月額・アカウント数連動単価は要お問い合わせです。導入事例としてアジアクエスト、FLUX、令和トラベルなど複数社が公式ページで紹介されています。
18. Jamf Pro(Jamf Software Japan合同会社/親会社 Jamf Software LLC)

Jamf Software Japan合同会社(親会社Jamf Software LLC、NASDAQ: JAMF)が提供する、Apple製品(Mac・iPhone・iPad・Apple TV)の管理に特化したMDM/UEMです。
Apple Business Manager / Apple School Manager連携によるゼロタッチ導入、Smart Groupsによる動的なグルーピング、Blueprintでの宣言的デバイス管理、Self Serviceのアプリカタログ配信、リモートロック・データ消去までを、Apple純正機能と連動して実行できます。
Windows中心の国産統合PC管理スイートが備える詳細な日本語操作ログや、印刷・USB操作の内部不正監査画面は対象外で、代わりに FileVault・Gatekeeper・XProtect・System Extensions などApple純正セキュリティ機能への対応の厚さ がWindows系UEMとの差異です。
デザイン・開発部門でMacを標準採用している組織や、iPadを店舗・医療現場で運用する組織で採用されています。
提供形態はクラウドSaaSとオンプレの両方で、企業規模別サブスクリプションのため具体単価は見積り運用(公式非公開)です。無料トライアルは14日間で、Microsoft Entra ID・Google Workspace・OktaなどとJamf Marketplace経由で連携します。
公式訴求として世界74,000組織以上・約3,300万台のデバイスを管理していると公表しています(グローバル値、要最新確認)。
19. Microsoft Intune(日本マイクロソフト株式会社)

日本マイクロソフト株式会社が提供するクラウド型の統合エンドポイント管理(UEM)で、Windows・macOS・iOS・Android・Ubuntu・Chrome OSを単一コンソールから管理できます。
Microsoft Entra IDと連携したゼロトラスト前提の設計、Windows Autopilotによるゼロタッチキッティング、条件付きアクセスによる動的なコンプライアンス強制、BYOD向けのモバイルアプリケーション管理(MAM)まで備えます。
Microsoft 365 E3(月額4,565円/ユーザー)とE5(月額7,713円/ユーザー)にIntuneが包含され、追加ライセンスなしで使い始められるのが特徴で、Microsoft 365を全社導入済みの組織で有力な選択肢になります。
単体プランは月額1,199円/ユーザー、Microsoft 365 Business Premiumは月額2,817円/ユーザー、初期費用は0円、無料トライアルは30日間です(いずれも公式サイト2026年8月24日時点)。
Microsoft Defender for Endpointとの連携でEDRまで統合したエンドポイントセキュリティを組める一方、日本国内向けの詳細な操作ログレポートや情報漏えい特化の監査画面・法規制対応テンプレートは国産統合スイート(SKYSEA・LANSCOPEなど)に及ばず、両者を併用する構成も見られます。
Microsoft CorporationとしてISO/IEC 27001・SOC 2 Type 2・FedRAMP・ISMAPを保有しています。
現物管理・貸出返却・棚卸に特化したタイプのおすすめ2選
物品としてのPCの所在・貸出返却・棚卸に特化した2製品です。多拠点・大量端末を抱える組織の棚卸工数削減に強く、統合型・軽量型と役割分担して現物管理側を厚く担う構成に向きます。
20. Convi.BASE(株式会社コンビベース)

株式会社コンビベースが提供するアセット管理クラウドで、貸与PCなどのIT機器に限らず、固定資産・工具・医療機器・制服・鍵・設備機器まで資産カテゴリを問わず1つの台帳に集約できる点が特徴です。導入実績は1,300社を突破し、1〜53拠点の幅広い規模で採用されています(同社公表値)。
バーコード・ICタグを使った現物棚卸に加え、貸出返却の履歴管理、CSV/APIでの外部システム連携までを備えます。導入事例では棚卸業務が「3時間・3人」から「10分・1人」まで短縮された実績を公表しており(既導入企業ベース)、多拠点・大量端末を抱える情シス・総務部門の棚卸工数削減に効きます。
料金は初期費用0円〜、月額55,000円〜(プランによる)、契約から運用開始まで1〜1.5か月が目安です。上位プランの詳細料金・無料トライアルの提供有無は要お問い合わせです。
用途は現物としてのPCの所在把握・貸出返却・棚卸に絞られており、PC操作ログ取得・USBデバイス制御・パッチ配布などのエンドポイントセキュリティ機能は扱わない設計です。操作ログや脆弱性対策まで必要な場合は、統合型のPC管理スイート(SKYSEA・LANSCOPEなど)と併用して役割分担する構成が現実的です。
21. Assetment Neo(株式会社アセットメント)

物品管理(現物管理)と台帳管理(情報管理)の双方に対応するアセット管理クラウドで、IT資産管理・固定資産棚卸・貸出返却の3系統をシリーズで組み合わせて使えます。株式会社アセットメント(本社:東京都豊島区)が提供し、800社・80万人が利用中と公表されています(2026年1月時点、同社公表値)。
バーコード・QRコード・RFIDタグに対応し、RFIDでは大量端末の一括読み取りで棚卸を短縮できます。IT機器だけでなく備品・工具・医療機器・制服・鍵まで資産カテゴリを問わず扱え、固定資産の減価償却データとの連携にも対応するため、情シスと総務・経理の共通台帳として運用できます。
貸出返却ワークフローで機器の申請〜回収業務も一元化できます。料金は初期費用・月額とも公式非開示で、デモ環境提供付きの個別見積もりで進める形です。
主用途は現物としてのPCの所在把握・貸出返却・棚卸で、PC操作ログ取得・USBデバイス制御・パッチ配布といったエンドポイント制御機能は主目的ではありません。セキュリティ要件が主軸の場合は、SKYSEA・LANSCOPEなどの統合型と役割分担する構成が向きます。物理IT資産の台帳・貸出・棚卸を厚くしたい情シス向けの選択肢です。
社内PC管理ツール導入で得られる効果
棚卸工数の削減だけでなく、セキュリティ・コスト・監査対応・紛失対応まで含めた効果の輪郭を整理します。
棚卸工数の削減と資産の可視化
エージェントが構成情報を自動収集するため、目視棚卸で必要だった全拠点巡回・手集計が不要になります。多拠点・大量端末を抱える組織ほど削減幅が大きく出ます。
セキュリティリスクの低減と内部不正の抑止
USBメモリ・外付けHDDの利用可否を機体単位で制御し、業務外アプリの実行を制限することで、情報持ち出しの経路を狭められます。操作ログ取得を従業員に周知することそれ自体が内部不正の抑止力にもなり、「監視されている」という健全な緊張感が組織全体に働きます。
コスト最適化(過剰投資の防止・ライセンス適正化)
ソフトウェアライセンスの利用実態を可視化し、契約数と実利用数の差分を把握できます。「使っていないライセンス」を年次更新前に整理でき、逆に「利用実態はあるが契約が足りていない」ライセンス違反の予兆も検出できます。予備PCの購入判断も、実利用台数の裏づけをもって行えるようになります。
コンプライアンス・監査対応の効率化
ISMS・Pマーク・J-SOX等の各種認証・監査で求められる「IT資産の管理状況」「アクセス権の付与・剥奪履歴」「セキュリティ対策の実施記録」を、管理サーバーからレポート出力できます。監査対応のたびに情シスが手作業で集計する工数が抑えられます。
紛失・盗難時のリスク軽減(遠隔ロック・データ消去)
テレワーク・出張中の紛失や盗難発生時、管理サーバーから対象PCを遠隔でロックし、必要に応じてデータを消去できます。
個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」3-4-3では、ノート型パソコン持ち出し放置による漏えいを「従業者に対して必要かつ適切な監督を行っていない事例」として挙げており、遠隔ロック・データ消去機能は監督責任を果たすための実装手段としても位置づけられます。
遠隔ロック・データ消去による事後対応だけでなく、そもそもPCのローカルにデータを残さない設計で情報漏えいの発生源を断つ「データレスクライアント」という選択肢もあります。VDIとの違いや方式別の特徴を整理した比較記事は以下です。
導入前に押さえたい注意点と失敗例
契約してから効いてくるリスクを先に見せます。導入前の見積もり段階で確認しておくと、運用開始後の想定外を減らせます。
導入・運用コストの見積もり不足(本体料金/エージェント台数課金/保守サポート費用の内訳)
本体ライセンス料金だけを比較して契約すると、エージェント台数課金・年間保守サポート費用・オプション機能(EDR連携・SaaS管理拡張)が積み上がって想定を超えるケースがあります。見積もり照会時には「初期費用」「本体月額(またはライセンス費用)」「エージェント1台あたり月額」「保守サポート年額」の4層を分解して提示してもらうと、他社比較が正確になります。
エージェント運用の負荷とテレワーク環境での接続要件
オンプレ型では、社外PCから自社管理サーバーへの疎通経路(VPN・SSL-VPN・ゼロトラスト経路)を用意する必要があります。VPN前提の設計だと、テレワーク時にVPNをつないでいないタイミングの操作ログが欠落する可能性があり、実装方式を事前に確認します。クラウド型では公衆網経由の到達性が保たれる代わりに、社外へ操作ログが出ることの内部規程上の可否を検討する必要があります。
ツールの選定ミスによる形骸化(機能過多/機能不足)
機能過多の統合スイートを情シス兼務体制で導入すると、初期設定・エージェント配布・レポート運用に手が回らず、管理サーバーへログインしない時期が続きます。逆に軽量タイプで契約したものの、後から操作ログ取得やパッチ配布が必要になって別ツールを追加する事態も起こります。前述の「必要機能の優先順位」を明確化しておくと、選定ミスの確率が下がります。
ログデータの取り扱いと従業員のプライバシー配慮
操作ログ・Web閲覧履歴・アプリ稼働時間などの取得は、個人情報保護法上の「個人情報」にあたる場合があり、利用目的の特定・従業員への通知・社内規程への反映が必要です。導入時に説明責任を果たさないまま運用を始めると、労使トラブルに発展したり、就業規則違反として無効主張される余地が残ります。詳細は次のH2「PCログ取得の適法性と従業員への説明責任」で整理します。
導入直後は台帳整備の助走期間がある(数値効果はすぐ出ない)
各社公表の「棚卸工数90%削減」「情報漏えいインシデント年間ゼロ」などの数値は、多くが既導入企業の運用定着後の実績で、契約直後から同じ効果が出るわけではありません。エージェント配布・台帳整備・現物突合の助走期間として、規模にもよりますが3〜6か月程度は「導入したのに数値が動かない」時期を想定しておく必要があります。詳細は後述「導入から運用定着までの進め方」で整理します。
PCログ取得の適法性と従業員への説明責任
PC管理ツールの導入検討の場で最も議論が止まりやすいのが、操作ログ取得の適法性と従業員への説明責任です。「PCログを取得すること自体が違法ではないか」「取得しても就業規則違反として無効になるのではないか」といった懸念に対して、労働関連法令と個人情報保護法の枠組みで押さえるべき論点を整理します。本節では、社内説明の根拠となる粒度で条文と公式ガイドラインを示します。
結論を先に述べると、PCログの取得は、労働時間の状況把握の客観的方法として労働安全衛生規則に明記されており、就業規則・社内規程への反映と従業員への周知を伴えば適法に運用できます。「監視のための取得」ではなく「情報保護と労務管理のための取得」として位置づけ、目的・範囲・責任者・ルール・確認プロセスを明文化することが実務のポイントです。
PCログを労働時間の把握に使う根拠は、労働安全衛生規則第52条の7の3が最も直接的です。同条第1項は労働安全衛生法第66条の8の3が定める労働時間の状況把握の方法として「パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録」を客観的方法として明記しています。対象は労働基準法第41条該当者やみなし労働時間制対象者を含む全労働者で、面接指導実施のための健康確保が目的です。
第五十二条の七の三 法第六十六条の八の三の厚生労働省令で定める方法は、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法その他の適切な方法とする。
2 事業者は、前項に規定する方法により把握した労働時間の状況の記録を作成し、三年間保存するための必要な措置を講じなければならない。
出典:労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第52条の7の3|e-Gov法令検索(2026年8月24日確認)
同条第2項は、把握した労働時間の状況の記録を作成し3年間保存する義務も定めており、PCログの保存期間の根拠となります。「PCログの取得は違法ではないか」という問いに対しては、省令が客観的方法として明記していることを示せる強い反論素材です。
労働基準法系では、厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日基発0120第3号)」§4(2)イが「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること」を始業・終業時刻の確認・記録の原則的な方法として位置づけています。
自己申告制と実際の労働時間に著しい乖離が生じているときは、同ガイドライン§4(3)ウが実態調査と労働時間補正を求めています。
(2)始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。
ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。
イ タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。
(3)自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置
ウ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。特に、入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、事業場内にいた時間の分かるデータを有している場合に、労働者からの自己申告により把握した労働時間と当該データで分かった事業場内にいた時間との間に著しい乖離が生じているときには、実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。
出典:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日基発0120第3号)§4(2)・§4(3)|厚生労働省(PDF)(2026年8月24日確認)
本ガイドラインの適用対象は労基法第41条該当者(管理監督者等)およびみなし労働時間制対象者を除く労働者で、賃金支払・時間外規制の枠組みでPCログを扱う根拠になります。管理監督者も含む全労働者の労働時間の状況把握は前述の労働安全衛生規則が担っており、労基法系と労安法系の両方でPCログが労働時間記録として位置づけられている構造です。
テレワーク環境では、厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(令和3年3月25日改定)」§7(2)アが、上記の適正把握ガイドラインを踏まえた対応として「労働者がテレワークに使用する情報通信機器の使用時間の記録等により、労働時間を把握すること」を客観的方法の1つに挙げています。テレワーク時の貸与PCログ取得の適法性を、テレワーク文脈で改めて宣言している位置づけです。
(2)テレワークにおける労働時間の把握
ア 客観的な記録による把握
適正把握ガイドラインにおいては、使用者が労働時間を把握する原則的な方法として、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として、始業及び終業の時刻を確認すること等が挙げられている。情報通信機器やサテライトオフィスを使用しており、その記録が労働者の始業及び終業の時刻を反映している場合には、客観性を確保しつつ、労務管理を簡便に行う方法として、次の対応が考えられる。
① 労働者がテレワークに使用する情報通信機器の使用時間の記録等により、労働時間を把握すること
出典:テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(令和3年3月25日改定)§7(2)ア|厚生労働省(PDF)(2026年8月24日確認)
同ガイドライン§4(2)は、テレワーク費用負担の取扱いとして「労働者に情報通信機器、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合には、当該事項について就業規則に規定しなければならないこととされている(労働基準法第89条第5号)」と明示しています。
労働基準法第89条第5号は「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項」を就業規則の絶対的記載事項に挙げており、貸与PCの費用負担ルールを就業規則へ反映する根拠となります。
個人情報保護法との関係では、PCログを従業員個人と結びつく形で取得・保有する場合、それは個人情報(同法第16条第1項)にあたり、体系的に検索できる形で保有すれば個人データにあたります。
同法第17条第1項は「個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱うに当たっては、その利用の目的(以下「利用目的」という。)をできる限り特定しなければならない」と定めています。
同法第21条第1項は「個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない」と定めており、PCログ取得の目的特定と従業員への通知・公表が必要です。
実務レベルでは、個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&AのQ5-7が、モニタリング実施時の留意点として4項目を挙げています。監視ツール導入時の稟議・従業員説明でそのまま実務チェックリストとして使える粒度です。
Q5-7 従業者に対する監督の一環として、個人データを取り扱う従業者を対象とするビデオやオンライン等による監視(モニタリング)を実施する際の留意点について教えてください。
A5-7 個人データの取扱いに関する従業者の監督、その他安全管理措置の一環として従業者を対象とするビデオ及びオンラインによるモニタリングを実施する場合は、次のような点に留意することが考えられます。なお、モニタリングに関して、個人情報の取扱いに係る重要事項等を定めるときは、あらかじめ労働組合等に通知し必要に応じて協議を行うことが望ましく、また、その重要事項等を定めたときは、従業者に周知することが望ましいと考えられます。
○モニタリングの目的をあらかじめ特定した上で、社内規程等に定め、従業者に明示すること
○モニタリングの実施に関する責任者及びその権限を定めること
○あらかじめモニタリングの実施に関するルールを策定し、その内容を運用者に徹底すること
○モニタリングがあらかじめ定めたルールに従って適正に行われているか、確認を行うこと
出典:「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A(Q5-7)|個人情報保護委員会(2026年8月24日確認)
この4項目は、「利用目的の特定と社内規程・従業員明示」「責任者と権限」「ルール策定と運用者への徹底」「運用の適正性の確認」で、就業規則・情報管理規程への反映項目(利用目的/取得範囲/閲覧権限/保存期間/従業員への周知)と1対1で対応します。稟議書・従業員説明資料の骨格として、そのまま使える構造です。
Q&Aは「個人データを取り扱う従業者」を対象とする表現ですが、実務上は個情委がモニタリング一般の指針として広く引かれています。
PC管理・PCログ運用が「個人データの安全管理措置の一環」として位置づけられる根拠は、個人情報の保護に関する法律第24条(従業者の監督)と、それを受けた「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」3-4-3にあります。
同ガイドラインは「従業者に対して必要かつ適切な監督を行っていない事例」として、ノート型パソコン持ち出し放置による漏えいを事例2で明示しており、PC管理ツールで持ち出し検知・デバイス制御・遠隔ロックといった機能を導入する動機を、法令ガイドライン上の監督責任として説明できます。
従業者の監督(法第24条関係)
法第24条:個人情報取扱事業者は、その従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては、当該個人データの安全管理が図られるよう、当該従業者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。
【従業者に対して必要かつ適切な監督を行っていない事例】
事例1)従業者が、個人データの安全管理措置を定める規程等に従って業務を行っていることを確認しなかった結果、個人データが漏えいした場合
事例2)内部規程等に違反して個人データが入ったノート型パソコン又は外部記録媒体が繰り返し持ち出されていたにもかかわらず、その行為を放置した結果、当該パソコン又は当該記録媒体が紛失し、個人データが漏えいした場合
出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)3-4-3|個人情報保護委員会(PDF)(2026年8月24日確認)
以上を踏まえた実務対応として、就業規則・情報管理規程には次を明文化しておくと、稟議・従業員説明・監査対応まで通しで整合が取れます。
取得目的(情報漏えい対策・労働時間把握・IT資産保全のいずれか、または複合)、取得するログの範囲(操作ログ・Webアクセス履歴・アプリ稼働時間などの具体列挙)、閲覧できる管理者の範囲と権限、保存期間(労働安全衛生規則の3年保存を最低ラインとする)、従業員への周知方法(就業時説明・入社時同意・イントラ掲示のいずれかまたは複数)です。
ここまでの整理は制度・法令の枠組みで、実際の稟議・従業員説明で効くのは「なぜこの目的で・どの範囲まで・誰が見るのか」を具体的に説明できる状態にあることです。監視ツール導入で実際に労使ハレーションを起こす原因は、多くの場合「目的が漠然としている」「取得範囲が広すぎる」「閲覧権限が管理職全員などに拡張されている」の3点で、この3点を絞り込むことで説明責任は格段に果たしやすくなります。
出典・参考資料(7件)
- 出典:労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第52条の7の3|e-Gov法令検索
- 出典:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日基発0120第3号)|厚生労働省(PDF)
- 出典:テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン(令和3年3月25日改定)|厚生労働省(PDF)
- 出典:労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条|e-Gov法令検索
- 出典:個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第17条・第21条・第24条|e-Gov法令検索
- 出典:「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A(Q5-7)|個人情報保護委員会
- 出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)3-4-3|個人情報保護委員会(PDF)
導入から運用定着までの進め方
導入直後から棚卸工数が90%削減されるわけではなく、台帳整備の助走期間があります。エージェント配布・台帳整備・現物突合・定着後の運用KPI設計の順で設計するのが現実的です。
エージェント配布・初期セットアップの段取り
全社一斉配布に踏み切る前に、情シス部門の数十台で先行テストを行い、既存の業務アプリケーションとの相性・ログ取得の粒度・ダッシュボードの見え方を確認します。Active Directory配下ならグループポリシーで配布、Microsoft 365環境ならIntuneで配信、それ以外は資産管理ツール自身の配布機能や手動インストールで進めます。
先行テストの段階で「ログの粒度が細かすぎて何を見ればいいか分からない」問題が出たら、初期のダッシュボード表示項目を絞り、後から機能を段階解放する運用方針を決めておきます。ベンダーの導入支援メニューを使えるかも、この段階で活用の可否を確認します。
台帳の整備と現物突合(Excel台帳・購買履歴・キッティング記録との照合)
エージェントが自動収集する情報と、既存のExcel台帳・購買履歴・キッティング記録を突き合わせ、差分を1台ずつ調査します。「エージェント配布済みだが台帳に記録がないPC」「台帳にはあるがエージェントが未配布のPC」「シリアル番号が一致しない機体」の3種類が典型的な差分で、それぞれ紛失・貸出中・記録ミスのいずれかに集約されます。
数百台規模の組織でも、この初期突合には数週間〜数か月の工数を見込みます。導入直後に「棚卸工数が減らない」と感じるのはこの助走期間のことで、突合が終わって以降は自動収集の効果が数値に出始めます。
定着後の運用KPI(棚卸完了率・パッチ適用率・エージェント稼働率)とレビュー
台帳整備が終わったら、日常運用のKPIを設定します。棚卸完了率(現物突合済みPC数/全貸与PC数)、セキュリティパッチ適用率(適用済み台数/全対象台数)、エージェント稼働率(正常通信中の台数/全配布台数)が、多くの組織で共通して意味を持つ指標です。
四半期ごとに数値をレビューし、稼働率が下がっている拠点や、パッチ未適用が偏っている部門への個別対応につなげます。監査・稟議で使うレポートも、この定期KPIから抽出する運用にすると、突発対応の負荷が下がります。
まとめ
社内PC管理ツールは、貸与PCの資産管理・操作ログ・セキュリティ対策・リモート管理を1本または複数で組み合わせて担う仕組みで、機能の強み領域で5つのタイプに整理できます。統合型は資産・ログ・セキュリティを1本でまかない、クラウド型軽量タイプは情シス不在・少人数体制でも運用できます。
特化型は脆弱性診断・紛失盗難対策・稼働可視化などの特定領域を深く担い、SaaS利用・アカウント管理/UEMタイプは情報資産全体の可視化に強く、現物管理特化タイプは棚卸工数の削減に効きます。
選び方の要は、自社が最初に強化したい機能領域を1〜2つに絞り、対応OS・料金プラン・上限台数・既存環境との連携・サポート体制の順に候補を絞り込むことです。PCログ取得は労働安全衛生規則・厚労省ガイドライン・個人情報保護法の枠組みで適法に運用でき、就業規則・情報管理規程への反映と従業員への周知が実務のポイントとなります。
まずは自社の課題(資産の可視化/操作ログ/セキュリティ強化/棚卸効率化/SaaS管理)を1〜2つに絞り、比較表と診断ウィジェットで候補を3〜5社に絞ってから、資料請求・トライアル・見積もり照会に進めると、選定のスピードと精度が両立できます。
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よくある質問(FAQ)
Q. 社内PC管理ツールとは何ですか?
A. 社内PC管理ツールとは、企業が従業員に貸与しているPCの資産情報・操作ログ・セキュリティ状態を一元的に把握・管理するソフトウェアです。Excel台帳や目視棚卸では回らなくなった環境に導入し、資産の可視化から情報漏えい対策・パッチ配布・遠隔サポートまでを担います。
単機能特化型(棚卸/操作ログ/セキュリティ)と、複数機能を1本にまとめた統合スイート型があり、本記事では機能の強み領域で5タイプに整理しています。自社の課題に近いタイプから候補を絞り込むと、選定がぶれにくくなります。
Q. 社内PC管理ツールの導入費用の相場はどれくらいですか?
A. 社内PC管理ツールの相場は、中小企業向けクラウド型で1台あたり月額300〜500円前後、統合スイート型のオンプレでは年間ライセンス+保守で数百万円規模になるケースまで幅があります。公表価格を持たず個別見積もりの製品が多いのも実務上の特徴です。
費用は「初期費用/本体月額(またはライセンス費用)/エージェント台数課金/保守サポート」の4層で構成されるのが一般的です。見積もり照会時にはこの4層に分解して提示してもらうと、他社比較の精度が上がります。
Q. 情シス不在の小規模企業でも社内PC管理ツールは導入・運用できますか?
A. 情シス不在の小規模企業でも、クラウド型軽量タイプを選べば専任担当なしでも運用できます。サーバー構築が不要で、直感的なダッシュボードから資産の可視化・基礎的なセキュリティ対策・操作ログ取得までまかなえる製品が中心です。
統合スイート型は機能が多い分、初期設定やレポート運用に情シスの学習コストが発生します。まずは強化したい機能を1〜2つに絞り、後から拡張できるクラウド型を選ぶと、情シス兼務体制でも定着させやすくなります。ベンダーの導入支援メニュー(初期セットアップ支援・エージェント配布支援)を活用できるかも、選定時の確認ポイントです。
Q. スマートフォンも管理したい場合、社内PC管理ツールとMDMは併用すべきですか?
A. スマートフォンも管理したい場合は、マルチデバイス対応の統合管理(UEM)製品に寄せるか、PC管理ツールとMDMを併用するかを、貸与デバイスの構成と管理サーバーの一元化ニーズで判断します。Microsoft 365を全社導入している組織はIntune中心のUEMが有力で、業務端末がPC中心でスマホは補助的なら、PC管理ツールと既存MDMの併用も現実的です。
PC管理ツールはWindows・MacのIT資産管理と操作ログ取得に強み、MDMはiOS・Androidのアプリ制御と紛失時のワイプに強みがあり、それぞれ得意領域が異なります。カテゴリの守備範囲の違いは本文「MDMとの違い」節でも整理していますので、選定前に自社の貸与デバイス構成と重ね合わせて確認してください。
Q. 社内PC管理ツールでPCログを取得することは違法ではありませんか?従業員にはどう説明すべきですか?
A. PCログの取得は、労働安全衛生規則第52条の7の3が労働時間の状況把握の客観的方法として明記しており、就業規則・情報管理規程への反映と従業員への周知を伴えば適法に運用できます。「監視のため」ではなく「情報保護と労務管理のため」として利用目的を特定・通知し、閲覧できる管理者の範囲と権限を絞ることが実務のポイントです。
従業員への説明では、個人情報保護委員会のガイドラインQ&A(Q5-7)が挙げるモニタリング留意点4項目——「目的の特定と社内規程・従業員明示」「責任者と権限」「ルール策定と運用者への徹底」「運用の適正性の確認」——をそのまま説明資料の骨格に使えます。
労使ハレーションを起こす原因は多くの場合「目的が漠然」「取得範囲が広すぎる」「閲覧権限が管理職全員などに拡張されている」の3点で、この3点を絞り込むことで説明責任は格段に果たしやすくなります。詳細は本文「PCログ取得の適法性と従業員への説明責任」節を参照してください。
Q. Excel台帳から社内PC管理ツールに移行するタイミングはいつですか?
A. 移行の検討タイミングは、貸与PC台数が数十台を超えて棚卸が半日〜1日仕事になった時、退職者PCの返却漏れや所在不明が発生し始めた時、セキュリティインシデントや監査対応で操作ログの取得が求められた時が典型です。入退職が頻繁で人事異動のたびに台帳更新が追いつかなくなった段階も、移行の目安になります。
導入直後から工数削減の数値が出るわけではなく、エージェント配布と台帳の現物突合に数週間〜数か月の助走期間があります。「Excel管理の限界を感じ始めた」段階で情報収集を始めると、助走期間込みでの導入計画が立てやすくなります。
Q. 社内PC管理ツールで退職者PCの返却漏れを防げますか?
A. 社内PC管理ツールを導入すると、Active Directoryの利用者マスタ連携やエージェントの稼働状態監視により、退職日以降も返却されていないPCを自動的に検知できます。返却漏れのPCに対して遠隔ロックをかけたり、社内システムへの接続を遮断する機能を備える製品もあり、情報漏えいリスクを実務的に抑えられます。
「台帳にはあるがエージェントが一定期間未通信のPC」「退職者IDに紐づいたまま社外へ持ち出されているPC」といった状態を、定期レポートで自動抽出できるようになる点が最大の効果です。運用KPIとしては「返却完了率」「退職者PCのエージェント停止確認率」を月次で追う組織が増えています。
Q. 社内PC管理ツールはMac混在環境やテレワーク環境でも利用できますか?
A. 社内PC管理ツールは、Mac混在環境でもテレワーク環境でも利用できますが、国産製品はWindows主軸に設計されているためMacでは機能に差が出るケースがあります。テレワーク運用では、クラウド型なら公衆網経由で管理サーバーへ到達できるため常時ログ取得が可能で、オンプレ型ではVPNなどの疎通経路を確保しておく必要があります。
Macを標準採用しているデザイン・開発部門ではJamf ProのようなmacOS特化製品、Windows・Mac・モバイルが混在する組織ではMicrosoft IntuneのようなUEM製品を軸に据える選択肢もあります。
比較表の「対応OS」列でWindows・Mac・Linux・iOS・Androidそれぞれの対応可否を横並びで確認できるようにしていますので、自社の端末構成と照らして候補を絞ってください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















