受注や請求はこなせていても、その先の生産計画や部品在庫、原価とのつながりまで含めると、Excelや複数のシステムに情報が分断していないでしょうか。製造業では、1件の受注が部品表の展開や在庫の引き当て、工程の手配、原価の集計まで波及します。販売管理だけを切り出して管理していると、部門をまたいだ情報のズレが余剰在庫や納期遅れ、原価の見えにくさとして表れがちです。
受注から生産・在庫・原価までを1つの流れでつなぐには、製造業の業務特性に対応した販売管理システムを、自社の規模と業務範囲に合わせて選ぶ必要があります。数多くの製品がある中で、どのような観点で比較し、絞り込めばよいのでしょうか。
本記事では、製造業向けの販売管理システム19サービスをタイプ別に比較・解説します。主な機能や費用の目安に加え、生産管理・在庫管理との連携、部品表・ロット管理やトレーサビリティ、原価管理といった製造業特有の選定観点を整理しました。企業規模や製造形態に合った1本を見極めるための判断材料としてご活用ください。
また、記事後半には、いくつかの質問に答えるだけで貴社に合うタイプを絞り込める「30秒で終わる選定診断ツール」も用意しています。タイプの見当をつけてから比較したい方は、あわせてご利用ください。
目次
一括ダウンロードする
本記事の対象範囲
本記事では、受注・売上・仕入・在庫・請求といった販売業務を、生産管理・在庫管理との連携や部品表(BOM)・ロット管理、原価管理まで含めて一元管理できる製品を対象に、19サービスを比較します。組立・加工・プロセス・ファブレスなど生産形態を問わず、受注から生産・出荷・原価把握までを1つの流れでつなぎたい製造業を想定しています。
販売業務の効率化だけでなく、生産や在庫、原価とのデータ連携を重視する製造業向けの内容です。企業規模は中小から中堅を中心に、基幹統合(ERP)まで見据える段階の製造業までをカバーします。
製造業という絞り込みを外し、業種を問わない販売管理システム全般から比較したい場合は、メインの比較記事もあわせてご参照ください。タイプ別の選び方や料金・機能を横断的に整理しています。
製造業の販売管理システムとは(生産・在庫・原価と連結する複雑さ)
販売管理システムは、受注・売上・仕入・在庫・請求といった一連の販売業務をデータでつなぎ、一元管理するためのシステムです。製造業では、この販売業務が生産や在庫、原価と切り離せない点に特徴があります。1件の受注が、必要な部品や資材の手配、工程の計画、完成品の在庫引き当て、そして原価の集計へと連鎖するためです。

製造原価は、形態別に材料費・労務費・経費の3つに分類して捉えます(原価計算基準 第八「製造原価要素の分類基準」)。販売の数字だけを見ていても、この原価が受注や生産の実績とつながっていなければ、案件ごと・製品ごとの利益は見えてきません。製造業の販売管理システムが「販売単体で完結しない」といわれるのは、こうした生産・在庫・原価との連結が前提になるからです。
出典・参考資料(1件)
なぜ製造業には専用の連携が必要か(多品種少量・受注生産・部門間の情報ズレ)
製造業の生産形態は一様ではありません。あらかじめ需要を見込んで作る見込生産と、注文を受けてから作る受注生産があり、品種と数量の面では多種少量生産から少種多量生産まで幅があります。
品種ごとにまとめて交互に作るロット生産のように、生産方式も業種によって異なります(JIS Z 8141:2022 生産管理用語)。汎用の販売管理システムだけでは、こうした生産形態ごとの管理単位を扱いきれない場面が出てきます。
出典・参考資料(1件)
とりわけ多品種少量や受注生産では、受注のたびに部品構成や工程が変わり、納期変更も頻繁に起こります。汎用の仕組みで販売・生産・在庫を別々に管理すると、こうした変化に連携が追いつきません。受注から生産・在庫・原価までを同じデータ基盤でつなげる専用の設計が求められるのは、この点に理由があります。
製造業向け販売管理システムでできること(主な機能)
製造業向けの販売管理システムは、販売業務の管理に加え、生産・在庫・原価と連携するための機能を備えます。製品によって対応範囲は異なりますが、比較検討で押さえておきたい主な機能は次のとおりです。
- 販売管理(受注・売上・仕入・請求):見積から受注、売上計上、仕入・発注、請求・入金までの一連の流れをデータで管理します。
- 在庫・部品管理:完成品だけでなく、部品・資材の在庫を管理します。部品表(BOM)に基づく所要量の把握、製番(製造番号)別の在庫、複数倉庫の管理などに対応する製品もあります。
- 生産管理との連携:受注情報を生産計画や工程の手配につなぎ、在庫の引き当てや出荷までを一気通貫で扱います。生産管理システムを内包する製品と、外部の生産管理と連携する製品があります。
- ロット管理・トレーサビリティ:原材料や部品の調達元から加工の履歴、出荷後の所在までをたどれるようにします(JIS Q 9000:2015 品質マネジメントシステムのトレーサビリティの定義)。ロット単位での追跡は、品質問題が起きた際の影響範囲の特定に役立ちます。
- 原価管理:受注や生産の実績と結び付けて、案件別・製品別の原価と利益を把握します。材料費・労務費・経費といった原価要素を集計し、見積との差異を確認できる製品もあります。
出典・参考資料(1件)
製造業が販売管理システムを導入するメリット
ここでは、受注から生産・在庫・原価までをつなぐことで得られる効果を、比較検討の後押しとして整理します。前節の機能が、業務のどこにどう効くのかという視点で読み進めてください。
- 在庫精度の向上:部品表と受注・生産の情報が連動することで、必要な部品・資材の所要量を把握しやすくなり、欠品や余剰在庫を抑えられます。
- 納期管理の安定:受注情報が生産計画とつながるため、納期変更への対応や進捗の把握がしやすくなり、納期遅れのリスクを下げられます。
- 原価・利益の可視化:販売と生産の実績が原価に結び付き、案件ごと・製品ごとの利益をタイムリーに確認できます。値決めや採算判断の根拠になります。
- 属人化の解消:Excelや個人の経験に頼っていた管理をシステムに集約することで、担当者が不在でも業務が回る状態に近づけられます。
製造業向け販売管理システムのタイプ(規模×連携範囲での見取り図)
製造業向けの販売管理システムは、企業規模と「どこまで生産・在庫と連携するか」という機能範囲で見ると、大きく3つのタイプに整理できます。まずは自社がどのタイプに近いかを確認してください。

中小製造業向け・販売管理を手軽に一元管理するタイプ
受注・売上・仕入・請求など販売業務の一元化を、まず優先したい層に向くタイプです。初期費用が抑えやすく、クラウド中心で導入が速い製品が多いのが特徴といえます。生産・在庫とは簡易な連携にとどまり、生産計画や工程管理までは踏み込みません。
業種を問わない汎用の販売管理製品も含み、生産管理は別システムや将来の拡張で持つ前提の製品が中心です。まず販売業務の分断を解消したい中小製造業に向いています。
生産管理・在庫管理まで連携する製造業特化タイプ
受注から生産計画・在庫引き当て・出荷・原価までを一気通貫で扱うタイプです。部品表(BOM)や製番管理、ロット・トレーサビリティに対応し、製造業の実務に深く踏み込みます。多品種少量や個別受注の現場で、販売と生産を切れ目なくつなぎたい中小〜中堅の製造業に適します。
生産管理を主軸としつつ、受注・売上・請求などの販売業務も同一システムで扱える製品も含みます。「生産管理システム」と称される製品でも、販売業務まで1本でまかなえる点で候補になります。
中堅〜大企業向け・基幹統合(ERP型)タイプ
会計まで含めた全社の基幹業務として、販売・生産・在庫・原価を統合するタイプです。複数拠点や大量データの処理、高度な原価管理・分析に耐える設計で、カスタマイズ性も高い製品が中心です。事業規模の拡大や複数事業の統合管理を見据える中堅〜大企業に向いています。
このタイプが前提とする「基幹業務」や基幹システム(ERP)そのものの位置づけを整理したい場合は、以下の記事で情報系システムとの違いや業界別の具体例を解説しています。
製造形態別(組立/加工/プロセス/ファブレス)の課題から、合うタイプを見つける
自社がどのタイプに近いか迷うときは、製造形態ごとの課題から逆算すると見当をつけやすくなります。ここでは組立・加工・プロセス・ファブレスの4つの形態を取り上げ、それぞれの典型的な課題を上の3タイプへ橋渡しします。これは4つ目のタイプではなく、前記3タイプのどれが近いかを見つけるための自己同定の手がかりです。

- 組立型:多数の部品を組み合わせて製品を作る形態です。部品表の管理や部品の在庫・発注が課題になりやすく、BOMと在庫連携を持つ製造業特化タイプが中心的な選択肢になります。
- 加工型:材料を加工して製品にする形態です。工程の進捗管理や仕掛かりの在庫把握が課題となり、工程・製番を扱える製造業特化タイプが適します。販売業務の効率化が主目的なら手軽な一元管理タイプから始める選択もあります。
- プロセス型:配合や化学反応を伴う連続的な生産形態です。配合・レシピの管理やロット単位の在庫・トレーサビリティが重要で、これらに対応する製造業特化タイプ、規模が大きければ基幹統合(ERP)型が候補になります。
- ファブレス型:生産を外部に委託し、自社は企画・設計・販売を担う形態です。外注先や納期の管理、外注原価の把握が課題で、仕入・外注管理と原価管理に強い製造業特化タイプ・基幹統合(ERP)型が向いています。
製造業向け販売管理システムの選び方
ここからは、製造業ならではの選定軸を、自社に当てはめて判断できる粒度で整理します。機能の有無を並べるだけでなく、自社の業務要件に照らしてどこを優先して見極めるかという視点で確認してください。
- 自社の生産形態に合った機能があるか:見込生産か受注生産か、多品種少量か少種多量かで、必要な管理単位は変わります。個別受注が多いなら製番管理、量産加工ならロット・工程管理といった具合に、自社の主要な生産形態を起点に必要機能を絞り込むことが重要です。
- ロット管理・トレーサビリティへの対応:品質問題が起きた際に影響範囲を追跡する必要があるかで優先度が決まります。食品・化学・自動車部品などトレーサビリティが求められる業種では、ロット単位の追跡が必須要件になります。求められないなら過剰投資を避ける判断もできます。
- 多品種少量生産への対応力:品目数が多く受注ごとに構成が変わる場合、マスタ登録や受注入力の手間が運用の負担を左右します。品目・部品構成の登録のしやすさ、受注変更への追従のしやすさを確認しておきましょう。
- 既存の生産管理システムとの連携性:すでに生産管理や工程管理のシステムを使っている場合、それを残して販売管理と連携させるか、統合された製品に置き換えるかで選ぶ製品が変わります。連携させるなら、APIやデータ連携の方式・対象範囲を具体的に確認しておきましょう。
- 原価計算の精度と柔軟性:材料費・労務費・経費をどこまで細かく集計でき、案件別・製品別の原価をどのタイミングで把握できるかを見ます。実際原価と標準原価のどちらを扱うか、自社の原価計算の方法に合うかが判断の分かれ目です。
- 導入形態(クラウド/オンプレミス):導入の速さや初期費用を重視するならクラウド、自社独自の運用やカスタマイズ、社内データ保管を重視するならオンプレミスが候補です。両対応の製品もあるため、自社のIT体制と方針に照らして選ぶとよいでしょう。
- サポート体制とカスタマイズ性:製造業の業務は企業ごとの個別性が高いため、標準機能でどこまで賄え、足りない部分をどう補うかが重要です。導入時の支援、稼働後の問い合わせ対応、アドオンやカスタマイズの可否と費用感を確認しておきましょう。
製造業向け販売管理システムの費用・料金体系
製造業向け販売管理システムの費用は、提供形態と対象企業規模、そして生産・在庫・原価までどこまで連携するかによって幅があります。ここでは料金体系の考え方を整理します。各製品の具体的な料金は下記の比較表とサービス個別紹介で確認してください。
販売業務の一元化を主目的とする手軽な一元管理タイプは、月額数千円〜数万円程度が中心で、初期費用も無料〜20万円台に収まる傾向です。生産・在庫まで連携する製造業特化タイプは初期費用が数十万円〜と上がり、料金を公開する製品もありますが、多くは要問い合わせです。
基幹統合のERP型になると初期費用は数百万円規模に達することもあり、導入範囲に応じた個別見積りで料金を公開していない製品が大半です(2026年8月時点の各社公開情報による)。
料金が要問い合わせになりやすいのは、対応する機能範囲が広く、企業ごとにカスタマイズや導入設定の量が変わるためです。公開価格がない製品は、資料請求や見積もりで確認する前提で検討を進めます。
費用を比較する際は、月額や初期費用の金額そのものだけでなく、ユーザー数やライセンスの数え方、オプション機能の追加費用、保守・サポート費用まで含めた総額で捉えることが大切です。同じ「月額」でも、含まれる機能や利用範囲が製品ごとに異なるためです。
30秒でわかる|自社に合う製造業向け販売管理システム診断
ここまでのタイプ分類や選び方を読んでも、自社がどのタイプに当たるか迷う場合は、以下の診断で絞り込めます。販売管理でいちばん解消したい課題、生産の進め方、想定する利用規模の3問に答えると、貴社の状況に近い製品が候補として表示されます。
一括ダウンロードする
【比較表】製造業向け販売管理システムの比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要な製造業向け販売管理システム19製品を、前述の3つのタイプ別に分類してご紹介します。提供形態・対象企業規模・生産管理との連携・在庫や部品の管理・原価管理・料金など、製造業の選定で重視される項目を横並びで確認してください。
中小製造業向け・手軽な一元管理タイプの比較
| サービス名 | 楽楽販売 | 商蔵奉行クラウド | 弥生販売 | freee販売 | 鉄人くん |
|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | 買い切りパッケージ | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) |
| 生産管理との連携 | ×生産管理は範囲外 | ×生産管理は範囲外 | ×生産管理は範囲外 | ×生産管理は範囲外 | ●工程・進捗・納期管理を内包 |
| 在庫・部品・ロット/トレーサビリティ | △発注・仕入管理中心。在庫・部品表・ロットは非対応 | △構成品管理・在庫連動。ロット・製番管理は非対応 | △構成部品・複数倉庫(プロ以上)。ロット・製番は非対応 | △案件・発注管理中心。在庫・部品表・ロットは非対応 | △在庫・外注管理。ロット・製番は要確認 |
| 原価管理 | ●案件別の収支・原価管理 | × | × | ●案件別の原価・粗利管理 | ●原価の予測・確認 |
| 料金 | 初期200,000円(税抜) 月額70,000円〜 | 初期0円〜 月額13,000円〜(税別・商蔵セット) | 50,000円〜(買い切り・税別) プロフェッショナル88,000円〜 | 初期0円 月額約5,000円〜(スターター・3名年払) | 月額5万円〜 (初期費用は要問い合わせ) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
※ ●=対応/△=部分・条件付き対応/×=非対応。搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)は各社情報をご確認ください。
生産・在庫まで連携する製造業特化タイプの比較
| サービス名 | アラジンオフィス | GEN(ジェン) | SMILE V 販売 | GrowOne 販売情報システム | TECHSシリーズ | R-PiCS | Info-Gear | FutureStage | InfiniOne | UM SaaS Cloud |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | オンプレミス/クラウド | クラウド(SaaS) | オンプレミス/クラウド(SMILE V Air) | 要問い合わせ | クラウド(定額制) | オンプレミス(パッケージ導入型) | パッケージ/スクラッチ/ハイブリッド | クラウド/オンプレミス | 要問い合わせ | クラウド(SaaS・Salesforce基盤) |
| 生産管理との連携 | △生産管理はオプション | ●販売・在庫・生産を統合 | △生産管理は別モジュール連携 | △生産管理は別システム | ●生産管理が主軸(統合) | ●生販一元管理(統合) | ●生産管理を包含(for Maker) | ●生産管理を統合 | ●生産・製造管理を統合 | ●生産・工程管理を統合 |
| 在庫・部品・ロット/トレーサビリティ | ●製番別・倉庫別在庫、ロットNo.採番(業種別) | ●ロット・SKU(最小管理単位)管理、在庫管理 | △在庫引当・複数拠点在庫。ロット・製番は生産側モジュール | △在庫・部品管理(業種テンプレート)。ロット・製番は要確認 | ●部品表(図面取込)・製番単位で管理 | ●製番管理・所要量計算 | △在庫管理(生産〜出荷一元)。ロット・製番は要確認 | △在庫引当・購買在庫。ロット・製番は要確認 | △在庫・債権債務を統合。ロット・製番は要確認 | △在庫管理。ロット・製番は要確認 |
| 原価管理 | △プロジェクト管理はオプション | △ | △原価は別モジュール | ●製造業向けテンプレートで対応 | ●仕掛中・完成時予測原価を製番単位で把握 | ●製番単位の原価管理 | △ | ●原価管理に対応 | ●原価管理に対応 | ●原価管理に対応 |
| 対応業種・生産形態 | アパレル・食品・鉄鋼・ねじ・工具など(業種特化) | メーカー・食品・化粧品・アパレルなど(業種別ライン) | 自動車・電気部品・食品などの量産加工業 | 化学品・建材・食品などの卸売+製造業 | 個別受注の機械・装置業、多品種少量の部品加工業 | 個別受注〜リピート生産の機械・装置製造 | 製造業(for Maker)・卸売業(for Sales) | 自動車・精密機械・医療機械・化学・金属加工など | 食品・鉄鋼・木材、製造+小売の複合業態 | 生産形態・業種を問わず対応 |
| 料金 | 要問い合わせ | 月額47,725円〜(5アカウント・税別) 初期費用は要問い合わせ | クラウド版 初期158,000円〜 月額20,620円〜+販売19,360円〜(税別) | 要問い合わせ | 定額制(要問い合わせ) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※ ●=対応/△=部分・条件付き対応/×=非対応。搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)は各社情報をご確認ください。
中堅〜大企業向け・基幹統合(ERP)タイプの比較
| サービス名 | OBIC7 | PROACTIVE | mcframe 7 | EXPLANNER |
|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | オンプレミス/プライベートクラウド | SaaS/オンプレミス/IaaS(ハイブリッド可) | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 生産管理との連携 | ●生産ソリューションと統合(会計一体型) | ●生産管理・MES(製造実行システム)を統合 | ●生産・販売・原価を統合 | ●生産管理を中核に販売〜原価を統合 |
| 在庫・部品・ロット/トレーサビリティ | △受注・出荷・在庫・仕入を管理。ロット・製番は要確認 | △販売・購買・在庫を一元。ロット・製番は要確認 | ●指図・製番別で管理。ロット追跡は要確認 | △生産管理で案件・製番別に管理。ロット追跡は要確認 |
| 原価管理 | ●会計一体型で原価を統合 | ●会計・管理会計と統合 | ◎総合原価・指図別個別原価に標準対応 | ●生産管理で原価管理に対応 |
| 対応業種・特徴 | 化学・鉄鋼・機械・食品・商社/物流など。会計一体型ERP | 商社・卸売、製造、建設、サービス業。生成AI支援 | 食品・化学・医薬・電子・自動車部品など。純国産の製造特化ERP | 中堅製造業向け。日本の会計基準・商習慣に標準適合 |
| 料金 | 要問い合わせ(個別見積り) | 要問い合わせ(目安2,000万円〜) | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
※ ◎=特に対応が強い/●=対応/△=部分・条件付き対応/×=非対応。搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)は各社情報をご確認ください。
製造業向け販売管理システムおすすめ19選
ここからは、各タイプに該当する製造業向け販売管理システムを個別に紹介します。提供形態や対応する製造業種、生産・在庫・原価との連携範囲を踏まえ、自社の要件に近い製品から詳細を確認してください。
中小製造業向け・手軽な一元管理タイプ
販売業務の一元化を主目的に、クラウド中心で手軽に導入できる製品群です。まず受注・売上・仕入・請求の分断を解消したい中小製造業に向いています。
1. 楽楽販売(株式会社ラクス)

株式会社ラクスが提供する楽楽販売は、見積・受注・売上・請求・入金をクラウド上で一元管理する販売管理システムです。ノンプログラミングで管理画面や入力フォーム、承認ワークフローを構築でき、自社の業務フローや帳票に合わせて画面を組み替えられます。
発注・仕入・購買申請・支払といった購買側の業務や、案件・プロジェクト単位の原価・収支管理も同一システムで扱えます。公式サイトは製造業を含む幅広い業種での導入を挙げており、まず販売業務の分断を解消したい中小製造業が、自社の運用に合わせて画面を作り込みたい場合の選択肢になります。
料金は初期費用200,000円(税抜)、月額70,000円〜(税抜)で、無料トライアルも用意されています。工程管理や生産計画といった生産管理の機能は範囲外のため、生産管理は既存の仕組みや別システムと役割を分ける前提で検討します。
2. 商蔵奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

「商奉行iクラウド」(見積・受注・売上・請求)と「蔵奉行iクラウド」(発注・仕入・在庫管理)を統合した、株式会社オービックビジネスコンサルタントのクラウド型販売・仕入・在庫管理システムです。2製品はそれぞれ単体でも契約でき、セット契約すると商品マスタの共用と在庫連動が可能になります。
構成品の管理に対応し、完成品と部品の在庫を連動させられるため、鉄鋼や食品・飲料など、荷姿や部品構成を扱う製造・加工業の販売・在庫管理に向きます。工程管理や製番といった生産管理機能は持たないため、生産計画まで踏み込む用途は範囲外です。
商蔵奉行セットの料金は月額13,000円〜(税別、小規模向けEシステム)で、初期費用0円のプランもあり、30日間の無料トライアルを利用できます。インボイス制度・電子帳簿保存法には契約内の定期アップデートで対応します。
3. 弥生販売(弥生株式会社)

弥生株式会社の弥生販売は、見積・受注・売上・請求から仕入・在庫までを1本で扱う、買い切り型パッケージの販売管理システムです。事業規模に応じて、請求書作成が中心の「スタンダード」、仕入・在庫管理を加えた「プロフェッショナル」、複数拠点・複数ユーザー向けの「ネットワーク」の3グレードから選べます。
プロフェッショナル以上では、構成部品管理やセット商品管理、複数倉庫での在庫管理に対応します。部品を組み合わせて製品を扱う食品製造や卸売など、小規模の製造・販売現場での在庫管理に向く構成です。生産管理の機能は持ちません。
価格はスタンダード50,000円〜、プロフェッショナル88,000円〜(いずれも税別、初年度優待価格)の買い切り型で、月額料金はかかりません(クラウド化は外部事業者経由)。弥生会計と連携し、売上・仕入・入出金の仕訳データを会計側へ自動取込できます。
4. freee販売(フリー株式会社)

フリー株式会社が2022年に提供を開始したfreee販売は、見積・受注・売上・請求・入金・原価管理を案件(プロジェクト)単位で一元管理するクラウド型の販売管理システムです。同社のクラウド会計ソフト「freee会計」との自動連携を前提に設計されており、登録した売上・仕入データを自動で仕訳できます。
公式サイトはIT・制作業などとともに製造業を対象業種に挙げており、顧客ごとに案件を立ち上げて受注するビジネスに向きます。案件別の売上・原価・粗利を自動集計でき、2024年12月追加の「原価推移レポート」で進行中案件の月別原価も確認できます。人件費まで原価に含める場合は、別製品「freee工数管理」との連携が必要です。
料金は初期費用0円で、月額は個人・小規模法人向けのスタータープランが3名利用で約5,000円/月〜、規模拡大期の中小企業向けスタンダードプランが10名利用で約40,000円/月〜(いずれも年払・税抜の参考価格)です。無料トライアルも利用できます。
5. 鉄人くん(株式会社eプリントサービス)

鉄人くんは、株式会社eプリントサービスが手がける製造業専門のクラウド型生産・販売管理システムです。受注時にまとめて入力した情報をもとに、工程管理や作業指示を図面とともに一画面で把握でき、進捗と納期を確認できます。
多品種少量や個別受注の現場を想定し、受注・請求といった販売管理に加えて、工程・進捗・納期の管理、原価の予測・確認、在庫管理、外注管理を備えます。紙やExcelで行っていた工程管理・作業指示のデジタル化から始めたい中小製造業に向く構成です。
料金は月額5万円〜が公式に示されており、初期費用は要問い合わせです。プラン別の詳細な料金表は公開されていないため、具体的な費用は問い合わせで確認します。
生産・在庫まで連携する製造業特化タイプ
受注から生産計画・在庫引き当て・出荷・原価までを一気通貫で扱い、部品表や製番、ロット・トレーサビリティに対応する製品群です。多品種少量や個別受注の現場で、販売と生産を切れ目なくつなぎたい製造業に適します。
6. アラジンオフィス(株式会社アイル)

アラジンオフィスは、東証プライム上場の株式会社アイルが開発する、販売・在庫・購買を1つのパッケージに統合した業務システムです。オンプレミスとクラウド(アラジンクラウド)のいずれの形態でも導入でき、受注から発注・仕入、在庫、売上・請求までを同一システムで管理します。
アパレル・食品・鉄鋼・ねじ・建材・工具など、業種ごとの商習慣に合わせた業種特化パッケージを用意し、製造・加工業向けの構成も選べます。生産管理はオプションで追加でき、受注情報を生産・出荷までつなぐ運用に対応します。
初期費用・月額とも公開されていないため、料金は要問い合わせです。公式では5,000社以上の導入実績があるとしています。
7. GEN(ジェン)(GEN株式会社)

GENは、GEN株式会社が業種別に展開するクラウドERPです。メーカー向けのGEN PRODUCTS、食品・化粧品製造向けのGEN KITCHEN、工場向けのGEN FACTORYなど、対象業種ごとに製品ラインを分けている点が構成上の特徴です。
販売管理(見積・受注・売上・請求)に在庫・生産・購買管理を加え、ワークフローやBI(データ分析・可視化)までをクラウド上で統合します。ノーコードでカスタマイズできる「Boost」機能により、帳票の作成や項目の追加をプログラミングなしで行えます。
料金は製品ラインとアカウント数で変わります。メーカー向けのGEN PRODUCTSは5アカウントで月額47,725円〜(税別、標準サポート込み)が公開されており、初期費用は利用構成に応じた個別見積もりです。
8. SMILE V 販売(株式会社OSK)

SMILE V 2nd Edition 販売は、株式会社OSKが開発し、株式会社大塚商会が販売・サポートを担う統合業務パッケージ「SMILE V」シリーズの販売管理モジュールです。受注・売上・入金から発注・仕入・支払、在庫管理までを一元化します。
オンプレミス版とクラウド版「SMILE V Air」の2形態があり、自動車部品・電気部品・食品などの量産加工業ではハンディターミナルやRPA(定型作業の自動化)連携に対応します。同シリーズの生産管理モジュールと組み合わせれば、販売と生産を同じ基盤で扱えます。
クラウド版の料金は初期費用158,000円〜、月額はデータベース費20,620円〜+販売ベーシック19,360円〜(いずれも税別)で、30日間の無料お試しも用意されています。オンプレミス版は買い切り型で、価格は個別の見積もりによります。
9. GrowOne 販売情報システム(株式会社ニッセイコム)

株式会社ニッセイコムの「GrowOne 販売情報システム」は、卸売業・商社を主な対象とした販売情報システムです。見積・受注・出荷から発注・仕入・在庫、請求・入金・支払までの販売プロセス全体を一元管理します。
業種特化テンプレートをベースに個別開発を加えるセミオーダー型で、化学品・建材・食品などの卸売業に加え、部品管理や原価管理が必要な製造業向けのテンプレートも用意します。キーワード検索に対応した受発注入力やCSVによるマスタ取込を備えます。
クラウドかオンプレミスかを含む提供形態や料金は公開されておらず、要お問い合わせです。導入前には無料デモを依頼できます。
10. TECHSシリーズ(株式会社テクノア)

TECHSシリーズは、株式会社テクノアが中小製造業向けに提供する生産管理システム群です。個別受注型の機械・装置業に向くTECHS-S NOAと、多品種少量・小ロットの部品加工業に向くTECHS-BKに分かれ、生産形態に合わせて選べます。
生産管理を主軸としながら、受注・売上・在庫・請求といった販売業務を同一システムで扱います。CADやExcelから部品データを取り込めるため、部品マスタを事前登録せずに多品種・都度手配の現場を運用できます。
バーコードやハンディターミナルで製造実績を収集し、仕掛中の原価と完成時の予測原価を製番単位で把握できます。クラウド版は定額制で、具体的な料金は問い合わせが必要です。
11. R-PiCS(JBアドバンスト・テクノロジー株式会社)

製番管理を中核に据えた純国産の生産管理システムが、JBアドバンスト・テクノロジー株式会社(JBCCグループ)の「R-PiCS」です。生産と販売を一元管理する「生販一元管理」を掲げています。
個別受注生産からリピート生産までを対象とし、製番単位での所要量計算や引当処理に対応します。受注・出荷・売上・請求の販売管理と、生産計画・工程・進捗管理を同じ基盤でつなぎます。
中堅向けの多機能オールインワン「R-PiCS V4」や、見込生産と受注生産の混在に対応する「R-PiCS NX」など、生産形態に応じた製品ラインを備えます。料金はパッケージ導入型で、要問い合わせです。
12. Info-Gear(株式会社両備システムズ)

Info-Gearは、製造業向けと卸売業向けでエディションを分けた、株式会社両備システムズの販売・在庫・生産管理オールインワンパッケージです。製造業向けが「Info-Gear for Maker」、卸売業向けが「Info-Gear for Sales」にあたります。
for Makerは生産から出荷までのデータを一元管理し、生産管理に販売・購買・在庫管理を加えて提供します。見積・受注・売上・請求から発注・仕入まで、受注〜生産のフローを1つのパッケージで扱えます。
導入方式はスクラッチ・ハイブリッド・パッケージの3方式から選べ、企業の運用に合わせて拡張できます。料金は導入方式によって変わるため、要問い合わせです。
13. FutureStage(株式会社日立システムズ)

株式会社日立システムズの「FutureStage」は、中堅・中小の製造業・卸売業・小売業に向けた基幹業務パッケージです。生産管理と販売管理に軸足を置き、受注から在庫引当・生産計画までをデータ連携します。
生産・購買・原価・在庫・輸出入までを一気通貫で管理し、自動車を含む機械器具や精密機械、医療機械、化学・金属加工など幅広い製造業種で導入されています。応研との協創によるクラウド版は、ノーコード・ローコードでコア領域に影響を与えずに機能を拡張できます。
1987年に販売を開始したパッケージで、近年はクラウド版として刷新されています。料金は要問い合わせです。
14. InfiniOne(FutureOne株式会社)

販売・購買・在庫から生産・原価・財務会計・貿易までを1パッケージに収めるのが、FutureOne株式会社の統合ERP「InfiniOne」です。販売・仕入・生産・会計のデータを部門横断でリアルタイムに連携します。
食品業・鉄鋼業・木材業のほか、製造・小売・保守を組み合わせた複合業態にも対応します。2017年のリリース時に旧来のOracle DB専用からオープンソースDB対応へ広げ、年間の運用コストを抑えられる構成をとっています。
「変化対応型ERP」を掲げ、自社の独自業務に合わせやすい設計を特徴とします。公式では約1,200社の導入実績を示しており、料金は要問い合わせです。
15. UM SaaS Cloud(株式会社シナプスイノベーション)

Salesforce基盤で提供される製造業向けクラウドERPが、株式会社シナプスイノベーションの「UM SaaS Cloud」です。見積から受発注、生産管理、工程管理、原価管理、販売購買管理までをSaaS型のオールクラウドで提供します。
生産形態や生産業種を問わず利用でき、必要な業務領域から段階的に導入できます。発生した仕訳情報を「勘定奉行クラウド」へ連携すれば、生産・販売から会計までを一続きで管理できます。
クラウド型のサブスクリプションで提供され、初期費用・月額とも要問い合わせです。導入や運用は、シナプスイノベーションおよび導入支援パートナーが支援します。
中堅〜大企業向け・基幹統合(ERP)タイプ
会計まで含めた全社の基幹業務として、販売・生産・在庫・原価を統合する製品群です。複数拠点や大量データ、高度な原価管理・分析を見据える中堅〜大企業に向いています。
16. OBIC7(オービックセブン)(株式会社オービック)

OBIC7(オービックセブン)は、株式会社オービックが自社開発・直接販売する統合業務ソフトウェア(ERP)です。会計・人事給与・販売・生産などのモジュールを必要な部門から段階的に導入できるコンポーネント型で、販売情報ソリューションが受注・出荷・請求・在庫・仕入といった販売プロセスを担います。
販売管理データを会計側に自動連携し、売上計上と同時に自動仕訳を生成する会計一体型の設計が特徴です。代理店取引や帳合取引、複数の単価設定パターンとその適用優先度の任意設定など、国内の商習慣に沿った機能を備えます。
提供形態はオンプレミスに加え、顧客専用環境を構築するプライベートクラウド型を用意します。コンサルティングから導入・運用サポートまでを自社の専門エンジニアが一貫して担う体制で、料金は導入範囲に応じた個別見積りです。
17. PROACTIVE(プロアクティブ)(SCSK株式会社)

SCSK株式会社の統合型ERP「PROACTIVE(プロアクティブ)」は、1993年からERPパッケージとして販売されてきた国産システムです。2024年11月に生成AI支援機能を中核に据えた現行ブランドへ刷新され、会計・人事給与・販売・購買・在庫・生産管理までを1系統でカバーします。
販売管理モジュールは、国内の販売・購買から請求・回収・支払、貿易取引までを対象とし、会計モジュールとデータ連携します。住友商事グループのノウハウを反映した商社・卸売業向けテンプレートでは、受発注同時・売買同時計上に標準対応し、通常6工程の業務を3〜4工程に削減できるとしています。
提供形態はSaaS・オンプレミス・IaaSに加え、業務領域ごとに環境を組み合わせるハイブリッド導入に対応します。シリーズ全体で累計7,500社超の導入実績を持ち、中堅〜大企業の基幹システム刷新を主な対象としています。料金は導入範囲に応じた個別見積りです。
18. mcframe 7(ビジネスエンジニアリング株式会社)

生産・販売・原価を1つに統合した純国産の製造業向け基幹パッケージが、ビジネスエンジニアリング株式会社の「mcframe 7(エムシーフレーム セブン)」です。生産管理・販売管理・購買管理・原価管理をサプライチェーン全体でカバーし、製品・設計情報を扱うmcframe PLMとも連携できます。
原価管理では、繰返生産向けの総合原価計算と、受注生産向けの指図別個別原価計算の両方に標準対応します。一工場の生産管理から複数拠点を束ねたグループ共通基盤までスケールし、特定の業務領域から段階的に導入できます。
食品・化学・医薬・電子・自動車部品など幅広い業種の業務特性に適用され、累計1,066社(2025年3月末時点)の導入実績があります。導入・保守は日立ソリューションズなどのパートナー経由で行われ、料金は構成に応じて要問い合わせです。
19. EXPLANNER(日本電気株式会社)

日本の会計基準や商習慣に初期状態から適合する国産ERPシリーズが、日本電気株式会社(NEC)の「EXPLANNER(エクスプランナー)」です。会計・人事給与・販売・生産・ワークフローを統合し、統合オールインワンとコンポーネント型の両方の構成を選べます。
生産管理を中核とする「EXPLANNER/J」は、案件・受注管理といった販売管理から生産計画・進捗管理・原価管理までを一貫でカバーします。ERPとしても単体の業務システムとしても構成できる「EXPLANNER/Ax」もあり、用途に応じて選べます。
小規模から必要な業務領域を段階的に広げられるため、システムを一度に全社刷新せず、優先度の高い業務から導入する進め方にも合います。料金は導入内容に応じて要問い合わせです。
導入を成功させるための進め方
製品を選び終えても、導入の進め方を誤ると現場に定着せず、期待した効果が得られないことがあります。ここでは、製造業の導入でつまずきやすい観点を4つに整理します。
- 既存の生産管理システムとの連携を最優先で確認する:製造業では、すでに稼働している生産管理や工程管理のシステムとどうつなぐかが、導入の成否を大きく左右します。連携方式・対象データ・更新のタイミングを、検証段階で具体的に詰めておくことが望まれます。統合型に置き換える場合も、現行業務のどこを引き継ぐかを事前に洗い出しておきましょう。
- データ移行の計画を立てる:品目マスタ・部品表・取引先・在庫・仕掛かりなど、移行対象は多岐にわたります。どのデータを、どの精度で、いつ移すのかを計画し、移行後の検証まで含めてスケジュールに織り込みましょう。マスタの整備は移行の品質を左右するため、早めに着手しておきましょう。
- 現場の定着を支援する:入力の担い手は現場です。操作教育や運用ルールの整備、稼働直後の問い合わせ対応まで用意し、現場が「使える」状態を作りましょう。ベンダーのサポート範囲を事前に確認しておくと、稼働後の負担を見積もりやすくなります。
- スモールスタートでリスクを抑える:最初から全機能・全拠点で動かそうとせず、対象業務や拠点を絞って段階的に広げると、現場の負担と失敗のリスクを抑えられます。まず販売管理から始め、生産・在庫・原価の連携を順に広げる進め方も選択肢になります。
まとめ
製造業の販売管理は、受注だけで完結せず、生産・在庫・原価とつながる点に難しさがあります。だからこそ、自社の企業規模と、どこまで生産・在庫と連携したいかという機能範囲を軸に、タイプから絞り込むのが近道です。販売業務の一元化が主目的なら中小向けの手軽なタイプ、生産まで一気通貫でつなぎたいなら製造業特化タイプ、全社の基幹統合まで見据えるならERP型が起点になります。
そのうえで、自社の生産形態に合った機能、ロット管理・トレーサビリティ、既存の生産管理システムとの連携性、原価計算の精度、導入形態といった観点を、自社の要件に照らして見極めてください。気になる製品が見つかったら、資料を取り寄せて、自社に合う製造業向け販売管理システムを具体的に比較してください。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. 製造業向け販売管理システムとは何ですか?
A. 製造業向け販売管理システムとは、受注・売上・仕入・在庫・請求といった販売業務を、生産管理・在庫管理との連携や部品表(BOM)・ロット管理、原価管理まで含めて一元管理できるシステムです。一般の販売管理システムが受注から請求までを対象とするのに対し、製造業向けは1件の受注が部品の手配や工程計画、在庫の引き当て、原価の集計まで波及する点を前提に設計されています。
Q. 製造業向け販売管理システムは、一般的な販売管理システムと何が違うのですか?
A. 製造業向け販売管理システムは、受注から生産・在庫・原価までを同じデータ基盤でつなぐ点が、販売業務の一元化を主目的とする一般的な販売管理システムとの違いです。製造業では1件の受注が部品表の展開や工程の手配、在庫の引き当て、原価の集計へ連鎖するため、販売単体で完結しません。
部品表(BOM)や製番、ロット・トレーサビリティ、案件別・製品別の原価把握といった製造業特有の管理単位に対応するかどうかが、汎用製品との分かれ目になります。
Q. 製造業向け販売管理システムと生産管理システムは、どちらを導入すべきですか?
A. 製造業向け販売管理システムと生産管理システムのどちらを選ぶかは、解消したい課題が販売業務の分断か、生産計画・工程の管理かによって決まります。まず受注・売上・仕入・請求の分断を解消したい場合は販売管理から、生産計画や工程・進捗の管理まで踏み込みたい場合は生産管理が起点になります。
ただし、生産・在庫まで連携する製造業特化タイプや基幹統合のERP型は、販売と生産を同一システムで一気通貫に扱えるため、両方を1本でまかなう選択肢もあります。
Q. 製造業向け販売管理システムの費用相場はどれくらいですか?
A. 製造業向け販売管理システムの費用は、中小向けのクラウド型(手軽な一元管理タイプ)が月額数千円〜数万円程度、生産・在庫まで連携する製造業特化タイプやERP型は初期費用が数十万円〜数百万円規模で個別見積もりが大半です(2026年8月時点の各社公開情報による)。
同じ「月額」でも含まれる機能や利用範囲は製品ごとに異なるため、ユーザー数やオプション費用、保守・サポート費用まで含めた総額で比較することが大切です。料金を公開していない製品は、資料請求や見積もりで確認する前提で検討を進めます。
Q. 中小の製造業でも製造業向け販売管理システムを導入できますか?
A. 中小の製造業でも導入できます。初期費用を抑えやすく、クラウド中心で導入が速い中小製造業向けの手軽な一元管理タイプがあり、月額数千円〜数万円程度から始められる製品が中心です。まず販売業務の分断を解消したい段階では手軽なタイプから始め、生産・在庫・原価の連携が必要になった段階で製造業特化タイプへ広げるスモールスタートの進め方も選べます。
Q. 製造業向け販売管理システムはロット管理・トレーサビリティに対応できますか?
A. 対応可否は製品によって異なり、ロット管理・トレーサビリティに対応するのは主に生産・在庫まで連携する製造業特化タイプや基幹統合のERP型です。原材料や部品の調達元から加工の履歴、出荷後の所在までをたどれるため、品質問題が起きた際の影響範囲の特定に役立ちます。
食品・化学・自動車部品などトレーサビリティが求められる業種では必須要件になりますが、求められない場合はこの機能にこだわらず過剰投資を避ける判断もできます。
Q. 製造業向け販売管理システムは、既存の生産管理システムと連携できますか?
A. 製造業向け販売管理システムは、外部システムとのデータ連携機能を備え、既存の生産管理システムと連携できる製品が多くあります。すでに生産管理や工程管理のシステムを使っている場合は、それを残して販売管理と連携させるか、生産管理まで内包する統合型に置き換えるかで選ぶ製品が変わります。
連携させる場合は、APIやデータ連携の方式・対象データの範囲・更新のタイミングを、検証段階で具体的に確認しておくことが導入の成否を左右します。
Q. 製造業向け販売管理システムは、自社の業務に合わせてカスタマイズできますか?
A. カスタマイズの可否と方法は製品によって異なり、設定作業の範囲で帳票や画面の項目を変更できる製品や、アドオン機能の追加・セミオーダー開発で個社要件に対応する製品、ノーコードで項目追加や帳票作成ができる製品があります。
製造業の業務は企業ごとの個別性が高いため、標準機能でどこまで賄え、足りない部分をアドオンやカスタマイズでどう補うか、その費用感まで含めて確認することが重要です。カスタマイズの範囲が広がるほど費用と導入期間も増える傾向があるため、標準機能で対応できる部分とのバランスを見て判断します。
販売管理システムの料金・手数料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、製造業向け販売管理システムの最新資料を無料で一括ダウンロードできます。提供形態や対象企業規模、生産管理・在庫管理との連携範囲、原価管理の対応、料金体系など、比較に必要な情報をまとめて把握できます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















