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DX人材育成の研修サービスを比較|対象別の選び方と助成金の使い方

DX人材育成の研修サービスを比較 対象別の選び方と助成金のサムネイル画像

DX推進の担当を任され、社員のデジタルスキルをどう底上げするかを考え始めると、最初に突き当たるのは「誰を、どこまで育てるのか」という問いです。全社員に基礎を行き渡らせたいのか、事業を設計できる推進役を数人立てたいのか、データを扱える専門職を社内に持ちたいのか。育成する対象が決まらないまま研修サービスを見比べても、どれも良さそうに見えて決め手を欠きます。

DX人材育成の研修サービスは、対象者の階層と到達レベルによって設計思想が異なります。全社員向けに定額で受け放題の教材を配信するものもあれば、実データを使った演習で数か月かけて専門職を育てるもの、人材要件の定義から効果測定の設計まで伴走するものもあります。同じ「DX研修」という言葉で括られていても、解決できる課題は同じではありません。

本記事では、DX人材育成に使える研修サービス22社を、受講対象別の4タイプに分けて比較します。経済産業省・情報処理推進機構(IPA)が策定する「デジタルスキル標準」の考え方に沿って学ぶ内容を整理し、料金体系・各社が公表している助成金対応・成果測定の仕組みまで揃えました。

2026年8月3日に人材開発支援助成金の対象となる訓練の範囲が変わり、全社員向けのDXリテラシー研修に影響が出ているため、その内容も反映しています。自社の育成対象に合うサービスを見つける検討材料としてご活用ください。

また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、選定診断ツールをご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

本記事の対象範囲

本記事で比較するのは、社員のDX・デジタルスキルを育てる目的で提供されている研修サービス22社です。DX・デジタル領域の教材や研修プログラムを自社で持ち、法人向けに提供しているものを対象としています。

DX領域に限らず、コンプライアンス・語学・階層別研修なども含めた全社の教育体制をまとめて整えたい場合は、扱う領域が広い学習管理システム(LMS)やeラーニングサービスのほうが適しています。

以下の記事では、テーマを絞らないeラーニング/LMS21サービスを、教材の提供範囲・自社教材を配信できるか・料金体系の観点で比較しています。人材開発支援助成金の使い方もあわせて解説しているので、DX研修に限らず全社の学習基盤から整えたい場合はこちらをご覧ください。

DX人材育成とは — デジタルスキル標準にもとづく定義と人材類型

研修サービスを比べる前に、「DX人材」という言葉が指す範囲を揃えておくと、各社の対象者やカリキュラムの違いが読み取りやすくなります。ここでは共通の物差しとして、経済産業省とIPAが策定する「デジタルスキル標準」を使います。

デジタルスキル標準は、2026年4月にバージョン2.0が公表されました。AIの進展とデータ活用の重要性を踏まえた改訂が加えられており、後述する人材類型にも変更が入っています。この標準は、性質の異なる2つの指針で構成されています。

デジタルスキル標準は、ビジネスパーソン全体がDXに関する基礎的な知識やスキル・マインドを身につけるための指針である「DXリテラシー標準」及び企業がDXを推進する専門性を持った人材を確保・育成するための指針である「DX推進スキル標準」の2種類で構成されている。

出典:デジタルスキル標準 ver.2.0(2026年4月)p.3|経済産業省・情報処理推進機構

全社員に基礎を行き渡らせたいのか、推進を担う専門人材を育てたいのか。この2つは学ぶ内容も到達点も別のものとして定義されています。研修サービスを選ぶ際も、この区別が最初の分かれ道になります。

デジタルスキル標準ver.2.0を構成する2つの指針の図。全ビジネスパーソン向けのDXリテラシー標準(DSS-L)はWhy・What・How・マインド/スタンスの4区分、DXを推進する専門人材向けのDX推進スキル標準(DSS-P)はビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、データマネジメント、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティの6類型17ロールで構成される

DXリテラシー標準(DSS-L)で全社員が学ぶ内容

DXリテラシー標準は、職種を問わずすべてのビジネスパーソンが身につける内容を定めた指針です。ねらいは、DXを他人事ではなく自分の仕事の問題として捉え、行動に移せる状態をつくることに置かれています。

Why|DXの背景:DXの重要性を理解するために必要な、社会、顧客・ユーザー、競争環境の変化に関する知識を定義

What|DXで活用されるデータ・技術:ビジネスの場で活用されているデータやデジタル技術に関する知識を定義

How|データ・技術の利活用:ビジネスの場でデータやデジタル技術を利用する方法や、活用事例、留意点に関する知識を定義

マインド・スタンス:不確実性の高い時代において、新たな価値を生み出すために必要な意識・姿勢・行動をデザインの素養に基づいて定義

出典:デジタルスキル標準 ver.2.0(2026年4月)p.16|経済産業省・情報処理推進機構

4つの区分の下には、さらに具体的な学習項目が並びます。Whatにはデータの読み方・扱い方に加えてAI・クラウド・ネットワークなどの技術知識が、Howには活用事例とツール利用、セキュリティやコンプライアンス上の留意点が含まれます。全社員向けの研修サービスが「DXの基礎」として提供している内容は、おおむねこの範囲に対応します。

経営層についても、この標準は独立した類型を設けず、全社員と同じくリテラシーを備える対象として扱っています。役員向けのプログラムを検討する際の位置づけは、後述の4タイプの中で改めて整理します。

DX推進スキル標準(DSS-P)の6類型と学ぶ内容

もう一方のDX推進スキル標準は、DXを推進する専門性を持った人材の類型とスキルを定めた指針です。バージョン2.0では「データマネジメント」が新たな類型として加わり、6つの類型に再編されました。

企業や組織のDXの推進において必要とされる役割を6つの類型に区分したもの(ビジネスアーキテクト/デザイナー/データサイエンティスト/データマネジメント/ソフトウェアエンジニア/サイバーセキュリティ)

出典:デジタルスキル標準 ver.2.0(2026年4月)p.61|経済産業省・情報処理推進機構

各類型の役割は次のように定義されています。育成したい人材像がどれに当たるかを見定めると、研修サービスのカリキュラムとの照合がしやすくなります。

ビジネスアーキテクト:ビジネスや業務の変革で実現したい目的を定義したうえで、経営視点で最適なビジネスモデルと業務プロセスを設計し、戦略を行動に落とし込み、成長サイクルを生み出しながら、関係者をコーディネートしプロセス全体を牽引して成果を創出する役割

データサイエンティスト:DXの推進において、データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データ解析やAIシステムに関する仕組みの設計・実装・運用を担う役割

データマネジメント:データの安全性・信頼性の確保と継続的な流通の仕組みの設計・実装・運用を行い、組織全体の人材を巻き込んだデータの利活用、データによる価値創出を促進する役割

出典:デジタルスキル標準 ver.2.0(2026年4月)p.60|経済産業省・情報処理推進機構

6つの類型を、自社の育成対象と照らし合わせやすい形にまとめると次のようになります。

類型担う役割
ビジネスアーキテクト変革で実現したい目的を定義し、ビジネスモデルと業務プロセスを設計して関係者を巻き込みながら成果を出す
デザイナービジネス・顧客・コミュニケーションの視点から、製品やサービスの方針と開発の進め方を策定する
データサイエンティストデータを活用した業務変革や新規ビジネスに向けて、データ解析やAIシステムの設計・実装・運用を担う
データマネジメントデータの安全性・信頼性を確保し、組織全体でデータを使える状態をつくる(バージョン2.0で新設)
ソフトウェアエンジニアデジタル技術を使った製品・サービスを提供するシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う
サイバーセキュリティ業務プロセスを支えるデジタル環境で、セキュリティ上のリスクの影響を抑える対策を担う

※デジタルスキル標準 ver.2.0(2026年4月)p.60「類型の定義」をもとに要約。原文は上記の引用と出典先を参照してください。

6つの類型の下には合計17のロールが置かれ、全類型に共通するスキルは「ビジネス変革」「データ整備・活用」「テクノロジー」「セキュリティ」「パーソナルスキル」の5カテゴリーで整理されています。

バージョン2.0では、従来「データ活用」だったカテゴリーが「データ整備・活用」に改称され、データマネジメントのスキルが新設されました。旧版(ver.1.2)を前提にした資料では類型が5つになっているため、研修サービスの「デジタルスキル標準準拠」という記載を見るときは、どの版に沿ったものかを確認してください。

この類型区分は、研修サービスの選定だけでなく助成金の対象判定にも関わります。人材開発支援助成金には、この標準のレベル3・4に相当する訓練を対象とするメニューがあり、標準に沿った研修を選ぶことが助成率に直結する場合があります。

DX人材育成研修サービスの4タイプ(対象別)

ここからは、DX人材育成に使える研修サービスを受講対象別に4つのタイプに分けて整理します。自社が今どの層を育てようとしているかを当てはめると、後段の比較表とサービス紹介で見るべき範囲が絞れます。

DX人材育成研修サービスを受講対象別に4タイプへ分けた図。全社員向けリテラシー7サービス、中核推進人材向け4サービス、職種別・専門人材向け7サービス、伴走・カスタマイズ型4サービスの対象者と特徴を並べている

全社員向けリテラシータイプ

DXリテラシー標準に対応する層を対象に、全社員へ基礎を行き渡らせるタイプです。動画教材を定額で受け放題にする形式が多く、1人あたりの単価を抑えて数百人規模へ一斉に展開できます。学ぶ内容はDXの背景・データの読み方・AIやクラウドの基礎知識・セキュリティ上の留意点が中心で、受講後に全員が同じ言葉でDXを語れる状態をつくることが目的になります。

集合研修やワークショップを組み合わせ、学んだ内容を自部門の業務に当てはめるところまで設計しているサービスもあります。動画を配信するだけでは受講が形骸化しやすいため、受講率や理解度をどう追うかは選定時の確認点になります。

費用面では注意が要ります。2026年8月3日の改正により、DXの概念やデータ活用の考え方を学ぶ訓練は、人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースでは助成対象外になりました(経過措置が設けられています)。全社員向けリテラシー研修はこの内容に当たるため、助成金を前提に予算を組む場合はコース選択から見直す必要があります。詳細は後述の助成金の節で扱います。

中核推進人材(管理職・DX推進担当)向けタイプ

DX推進スキル標準のビジネスアーキテクトに代表される、変革の目的を定義して関係者を動かす人材を育てるタイプです。全社員向けとの違いは、知識の習得で終わらせず、自社の課題を題材にした演習や構想の策定まで含む点にあります。受講期間は数か月に及ぶものが多く、1回数時間のワークショップを月次で重ねる形式も見られます。

技術側から入るプログラムと、事業構想・課題解決の側から入るプログラムがあり、育てたい推進役の役割によって選ぶ方向が変わります。情報システム部門から推進役を出すのか、事業部門の企画担当を育てるのかで、必要な学習内容は同じではありません。

経営層・役員向けプログラムの位置づけ

経営層向けのDXプログラムを検討する際は、位置づけを整理しておく必要があります。DX推進スキル標準は、全社的な責任を担う経営や、全社的な組織改革・人材育成といった機能を、独立したロールとして定義していません。

全社的な責任を担う経営、管理や営業・販売の固有業務、及び社会的な取組みに関する以下の機能については、ロールや身につけるべきスキルの定義としては明確に含めていない。ただし、組織・企業のDXの段階及び事業・プロジェクトの目的・課題によって必要となる場合もあるため、状況に応じて求める役割やスキルの範囲を柔軟に拡張・再定義し、人材の育成・確保の取組みを行うことが望ましい。

出典:デジタルスキル標準 ver.2.0(2026年4月)p.56|経済産業省・情報処理推進機構

したがって、経営層向けプログラムの根拠は、推進人材の類型ではなくDXリテラシー標準の側にあります。経営層自身がデジタル技術とデータの前提を理解していなければ、現場が構想を上げても投資判断の段階で止まります。役員研修を全社リテラシーの一部として位置づけるか、投資判断の材料を得る場として設計するかで、選ぶプログラムは変わります。

経営層・管理職向けのプログラムに助成金を充てる場合は、対象になるかどうかを事前に確かめてください。人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースでは、次の訓練が助成対象外とされています。

⑧ 役職として求められる知識・技能の習得を目的とするもの(人事及び人材育成に関する計画に基づく訓練に限る。)(例)管理職研修、マネジメント研修、リーダーシップ研修 等)

出典:人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)のご案内(詳細版)令和8年度版 p.28「(表1)OFF-JTのうち助成対象とならない実施目的のもの」|厚生労働省

役職に求められる知識を身につけること自体を目的とした研修が、このコースの対象から外れるという規定です。ただし括弧書きのとおり、人事および人材育成に関する計画に基づく訓練に限った限定が付いており、管理職向けの研修が一律に対象外になるわけではありません。プログラムの内容が役職者としての心構えに寄るほど、このコースでは助成を受けにくくなります。

職種別・専門人材向けタイプ

特定の職務で使える実務スキルを到達点に置くタイプです。データサイエンティストやAIエンジニアの養成のように、DX推進スキル標準の専門ロールを正面から狙うものもあれば、非IT職の社員が自分の業務を自動化できる状態まで引き上げるものもあります。共通するのは、知識の理解ではなく「手を動かして何かを作れる」ことを修了の基準にしている点です。

そのため、このタイプは受講対象を「全社員」と示していても、実際に学ぶのはPythonによる機械学習の実装、データ基盤の構築、業務システムの内製開発、表計算ソフトの自動化といった個別の技能です。

全社員向けリテラシータイプが「共通言語をそろえる」ことを狙うのに対し、こちらは「特定の人に特定の技能を持たせる」ことを狙います。同じ定額受け放題の形式でも、扱う教材がAI・データ・開発を主力にしているものはこちらに含めています。

受講前提の設定はサービスによって幅があります。プログラミング未経験の非IT職を対象に業務自動化の実装まで引き上げるものから、一定の技術知識を前提に日本ディープラーニング協会のE資格・G検定の取得を目指すものまで、開始地点と到達点の組み合わせが異なります。社内から選抜する人材のスキルレベルと、育成後に担わせたい役割の両方を照らし合わせて選ぶ必要があります。

このタイプは費用が高くなりやすい一方で、人材開発支援助成金の高度デジタル人材訓練の対象になりうる領域でもあります。

伴走・カスタマイズ型

研修そのものより手前の工程から関与するタイプです。自社が目指す姿のヒアリング、育てるべき人材像の定義、現状スキルの診断、カリキュラムの設計、実施後の効果測定までを一連の支援として請け負います。「誰をどこまで育てるか決められない」という段階の企業に向きます

診断ツールで現状を可視化し、その結果から必要な研修を割り当てる設計を持つサービスもあります。対象範囲が広いぶん費用は個別見積もりになることが多く、期間も数か月から1年単位に及びます。既製のカリキュラムで足りるのか、自社固有の課題に合わせて組み直す必要があるのかが、他タイプとの分かれ目です。

DX人材育成研修サービスの選び方 — 候補を絞る5つの軸

自社の育成対象がどのタイプに当たるか見当がついたら、次に必要になるのが、候補を絞る軸です。ここで挙げる5つは、このあとの比較表の項目とも対応しています。

育成対象と到達レベルを先に決められているか

最初に決めるのは「誰を、どこまで」です。ここが曖昧なまま研修を選ぶと、受講後に何ができるようになったのかを説明できず、次年度の予算が続きません。全社員に基礎を行き渡らせるのか、推進役を5名立てるのか、データ分析を内製できる体制をつくるのかで、全社配信は1名あたり年額数千円から、選抜型の伴走支援は個別見積もりと、費用の水準そのものが異なります。

判断の材料は、育成後にその人材へ何を任せるかです。任せたい業務を先に書き出すと、必要な到達レベルが具体的に決まります。実務で担わせる予定がないスキルを研修に含めても、現場で使われないまま定着しません。

サービス側の情報では、対象者の記載が「全社員」「管理職」のように粗いものと、開始時の前提スキルと修了時の到達点まで明記されているものがあります。後者のほうが自社の育成計画と突き合わせやすく、社内説明もしやすくなります。

学ぶ内容がどの人材類型に対応しているか

カリキュラムがDXリテラシー標準の範囲なのか、DX推進スキル標準のどの類型に当たるのかの確認が欠かせません。標準に準拠していることを明示しているサービスは、学ぶ内容と育成後の役割の対応が読み取りやすく、社内の人材要件定義とも接続できます。

準拠の記載がある場合は、どのバージョンを指しているかも判断材料になります。2026年4月のバージョン2.0でデータマネジメント類型が新設されているため、旧版基準の類型数で説明されている場合は、実際のカリキュラムが最新の区分をどこまで反映しているかを個別に確認したほうが確実です。

この対応関係は助成金の判定にも効きます。標準のレベル3・4に相当する訓練は助成率が高く設定されているため、専門人材の育成では制度面でも有利に働きます。

実施形式とカスタマイズの可否が自社の条件に合うか

eラーニング、集合研修、オンラインライブ、ワークショップ、実データを使った演習、伴走支援と、実施形式は幅があります。受講人数が数百名規模で拠点も分散しているなら、日程調整の要らないeラーニングが現実的です。逆に20名程度の選抜研修で議論を通じた気づきを狙うなら、ワークショップ形式のほうが効果を見込めます。

既製のカリキュラムをそのまま使えるか、自社の業務内容に合わせて組み替える必要があるかも分かれ目です。製造業の現場改善と金融機関のデータ利活用では、同じ「データ活用研修」でも題材が違います。カスタマイズに対応するサービスは費用と期間が上がるため、既製で足りる部分と作り込む部分を切り分けて見積もると無駄が出ません。

料金体系と助成金の対象になりうるか

料金体系は大きく3つに分かれます。受講者1人あたりで課金するもの、定額で一定人数まで受け放題にするもの、プロジェクト単位で見積もるものです。全社員向けに広く配信するなら定額型、選抜した数名を深く育てるなら1人単価型、設計から任せるならプロジェクト型が費用の考え方に合います。

助成金については、サービス側の「助成金対応可」という表記をそのまま信じず、どのコースのどのメニューで対象になるのかまで確かめる必要があります。同じ内容の研修でも、申請するコースによって対象・対象外が分かれるためです。相場と制度の詳細は費用と助成金の節で扱います。

成果測定と現場定着の仕組みがあるか

受講前後のスキル診断、修了判定、実務適用の支援があるかが確認点になります。研修を実施したこと自体は成果ではなく、社内で問われるのは受講後に何が変わったかです。診断結果を数値で残せるサービスなら、次年度の予算要求の材料になります。

アセスメントを持つサービスは、受講前の診断結果から必要な研修を割り当てる運用にも使えます。育成対象の選定に迷っている段階では、この仕組み自体が判断材料になります。

5つの軸のうち、受講対象・学ぶ内容・実施形式・料金体系の4つに答えると、適したタイプと候補サービスを絞り込めます。自社の状況に近い選択肢を選んでみてください。

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【比較表】DX人材育成研修サービスを対象・料金・助成金・成果測定で比較

ここからは、22サービスの対象・学べる内容・実施形式・料金体系・助成金の公表状況・成果測定の仕組みを横並びにします。並び順は前の節で挙げた4タイプの順(全社員向けリテラシー → 中核推進人材 → 職種別・専門人材 → 伴走・カスタマイズ)です。

← 横にスクロールできます →
サービス名SchooビジネスプランJMAM eラーニングライブラリグロービス学び放題日立アカデミー DXリテラシー研修MENTERアデコのDX研修リスキル DX研修トレノケート DX人材育成ソリューションアイ・ラーニング DX推進研修BluStellar Academy for DXシナプス DX人材育成プログラムAidemy BusinessSIGNATE CloudスキルアップAIUdemy Businessインターネット・アカデミー DX研修TECH CAMP 法人研修サービスCodeCamp BIZインソース DX/IT推進サービスキカガク 法人向けDX・AI人材育成研修伴走型DX人材育成支援サービス(富士通ラーニングメディア)STANDARD
主な対象全社員全社員全社員
管理職・DX推進担当
全社員
(研修体系には専門職・
経営層向けも)
全社員
(非エンジニアの
事業部門社員)
全社員
(入社1〜10年目の
若手中心)
全社員
管理職・DX推進担当
管理職・DX推進担当
専門職
全社員
管理職・DX推進担当
経営層
管理職・DX推進担当
専門職
管理職・DX推進担当
専門職
専門職
全社員(初学者含む)
全社員
専門職
専門職
全社員
専門職
全社員
全社員
専門職
全社員
(非IT職・
プログラミング未経験)
全社員
専門職
全社員
管理職・DX推進担当
経営層
管理職・DX推進担当
専門職
管理職・DX推進担当全社員
管理職・DX推進担当
経営層
学べる内容DXリテラシー相当
(全20カテゴリ中の
AI・DXカテゴリ)
DXリテラシー相当
(DXライブラリ132コース)
DSS-L 4項目とDSS-P
5カテゴリーに完全準拠
(2023年9月時点=旧版基準・
準拠コンテンツ250コース)
DXリテラシー相当
(考えてみようDX 3コース)
DXリテラシー相当
生成AI活用
DXリテラシー相当
内発的動機・課題解決力
DXリテラシー相当
データ分析・ノーコード開発
DSS-Pと同名の6類型で
体系化
(標準準拠の明記なし)
DSS-L対応8コース
DSS-P対応コース
デジタルスキル標準に
適応した育成プログラム
(DX推進人材/DX専門人材
/DXリーダー)
事業変革・課題解決
データサイエンス・AI
(標準との対応は記載なし)
デジタルスキル標準対応の
AI・DX特化250コース以上
DSS-L対応1・DSS-P対応4
プログラム(ビジネス
アーキテクト/データ
サイエンティスト育成ほか)
AI・データ実装
(E資格認定プログラム・
G検定に対応)
AI・機械学習/データ
サイエンス/開発ほか
(厳選約3万講座)
DXリテラシー/データ利活用
/DX戦略/ベンダー
マネジメントの13講座
生成AI活用と
業務自動化の実装
DX概論・基礎から
データサイエンティスト
養成まで6講座
DXリテラシー標準準拠の
アセスメントとDX理解・
推進・リーダー育成研修
デジタルスキル標準
ver.2.0に完全対応
(データ系3ロール向けに
12講座を新設)
事業変革者/業務変革者の
2プログラム
(標準との対応は記載なし)
DXリテラシー講座と
AI_STANDARD
(標準との対応は記載なし)
実施形式eラーニング
(録画・生放送)
eラーニングeラーニングeラーニングeラーニング
伴走支援
eラーニング
オンラインライブ
ワークショップ
集合研修
オンラインライブ
eラーニング
集合研修
オンラインライブ
eラーニング
集合研修
オンラインライブ
eラーニング
研修・ワークショップ
(実施形式の詳細は
記載なし)
集合研修
ワークショップ
(1回7時間×月1回×6か月)
eラーニング
(完全オンライン)
eラーニング
(完全オンライン)
集合研修
eラーニング
伴走支援(道場シリーズ)
eラーニングオンラインライブ
集合研修・講師派遣
eラーニング
eラーニング
伴走支援
(専任メンター)
オンライン
(形式の詳細は記載なし)
集合研修(講師派遣・
公開講座)
eラーニング(動画教材)
eラーニング
集合研修
実データ演習(PBL)
伴走支援
ワークショップ
実課題のプロジェクト実践
伴走支援
eラーニング
集合研修(経営層向け)
伴走支援
料金体系定額制
月1,650円/ID(税抜)
+初期110,000円
定額制
年4,301円/名
(税込・100名利用時)
定額制
11,550円〜/ID
(税込・6か月・10ID以上)
要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ1人単価
19,250〜178,200円
(税込・コース別)
1人単価
DSS-L対応コース
11,000〜33,000円(税込)
DSS-P対応は要問い合わせ
要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
(1〜3年契約・
一部コースは買い切り)
要問い合わせプロジェクト単価
(個別見積もり・
要問い合わせ)
定額制
年41,800円/ID
(税込・5〜20名プラン)
要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
(動画教材は買い切り
198,000円〜など)
プロジェクト単価
(個別見積もり・
要問い合わせ)
プロジェクト単価
(個別見積もり・
要問い合わせ)
プロジェクト単価
(個別見積もり・
要問い合わせ)
助成金の記載公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし無料相談窓口あり専用ページあり
(DX推進研修が対象かの
明記なし)
公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし申請可と明記
(対象範囲・助成率の
明記なし)
公式サイトに記載なし
(個人向けは教育訓練
給付金の対象)
活用ガイドあり
(人材育成支援コース
経費助成45〜70%)
公式サイトに記載なし事業展開等リスキリング
支援コース対象
(中小企業は経費助成75%)
通常プラン最大45%
生成AI×業務改善
ベーシックプラン最大75%
公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし専用解説ページあり
(本サービスが対象かの
明記なし)
公式サイトに記載なし
成果測定視聴履歴・学習時間の
可視化、テスト・
オンライン試験
進捗レポート出力
修了証の自動発行
アセスメント機能
DXドリル17コース
(DX専用の診断ではない)
公式サイトに記載なし生成AIリテラシー検定
(30問30分)
個人別レポート
公式サイトに記載なし
(改善提案書を作成)
公式サイトに記載なしDX・ITアセスメント
(結果レポートと
研修プランの提案)
公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なしDX推進力可視化
アセスメント
(Liteプラン)
スキル計測テストによる
可視化
(個人向けは修了証)
E資格・G検定で到達確認
(自社アセスメントは
記載なし)
分析ダッシュボード
Reporting API
公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし開始時・終了時の
アセスメントで合否判定
(不合格は再受験)
DXリテラシー
アセスメント
(個人別レポートから
研修を推奨)
デジタルスキル標準
アセスメント2種
(リテラシー・DSS-P)
公式サイトに記載なし伴走支援で効果測定を
設計
(診断ツールは記載なし)
カスタマイズ研修パッケージを自社編成必須・推奨コースの設定公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし自社開催時に対応コース内容のアレンジ可一社向けカスタマイズプライベートコース公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし企業別の専用カリキュラム個人別の学習ルート設計対象別・課題別に構成ラーニングパス・自社教材オーダーメイド対応組織課題に合わせ組替対象・要望に応じ提案設問・研修とも対応人材要件定義から設計個社の目的・レベルに対応個別レコメンド・計画策定
詳細情報詳細を見る詳細を見る詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は各社公表情報にもとづく2026年8月時点の情報です。最新の料金・提供内容は各社公式情報をご確認ください。
※料金が公開されていないサービスは「要問い合わせ」と記載しています。

※助成金・成果測定・カスタマイズは公式サイトで確認できたものだけを記載し、確認できないものは「公式サイトに記載なし」としています。
※「公式サイトに記載なし」は助成金の対象外を意味しません。助成金の記載は各社が公表した時点のもので、2026年8月3日の改正より前の内容を含みます。

DX人材育成研修サービスの個別紹介

比較表で候補が絞れたら、各サービスの対象・カリキュラム・実施形式・料金・注意点を個別に見ていきます。自社の育成対象に当たるタイプから読み進めてください。

全社員向けリテラシータイプ(7サービス)

全社員に基礎を行き渡らせたい場合の候補です。7社の違いは主に、教材を配信するだけか集合研修やワークショップまで含むか、受講状況をどこまで追えるか、DX領域を切り出して契約できるかに出ます。特定の職務スキルを身につけさせたい場合は、この先のタイプを見てください。

1. Schooビジネスプラン(株式会社Schoo)

Schooビジネスプランのウェブサイト

社会人向け学習サービス「Schoo」の法人版にあたる定額制のオンライン研修サービスです。ビジネス基礎からAI・DXまで全20カテゴリの録画授業を受け放題で提供し、チャットで講師に質問できる生放送授業も配信します。生放送は数日内に録画化されるため、当日参加できなかった社員も後から視聴できます。

DXリテラシーに相当する内容は、この20カテゴリの中のAI・DXカテゴリとして提供されます。テーマ別に授業を束ねた研修パッケージが用意されているほか、200以上のテンプレートを使って既存授業を組み合わせ、自社向けの研修カリキュラムを設計することもできます。導入支援アドバイザーによる研修設計・運用のアドバイスも付きます。

受講管理は、グループ・職種・職位やカスタムタグでの受講者管理、視聴履歴と学習時間の可視化、未完了者へのリマインド、受講後のレポート提出、テスト・オンライン試験に対応します。受講データはCSVで書き出せるため、社内の人事システムへの取り込みや報告資料の作成にも使えます。

料金は初期費用110,000円(税抜)と月額1,650円(税抜)/IDで、契約は最少20IDから、追加は10ID単位です。20ID契約時の月額は33,000円(税抜)で、契約ID数に応じたボリュームディスカウントもあります(公式媒体資料2026年版の価格表による)。

累計導入社数は4,500社を突破しています(2025年10月末時点・同社調べ)。DX専用のプログラムではなく汎用の学習ライブラリを使う形になるため、DX教育と併せて自己啓発・階層別研修も同じ枠内で回したい企業に向きます。

2. JMAM eラーニングライブラリ(株式会社日本能率協会マネジメントセンター)

JMAM eラーニングライブラリのウェブサイト

マネジメント・DX・技術/技能・健康経営の4ライブラリに分かれた定額制eラーニングで、DX領域は独立した「DXライブラリ」として132コースが用意されています(全530コース、2025年12月末時点・開発中のコースを含む)。契約したライブラリ内のコースは、契約期間中いつでも何度でも受講できます。

ライブラリ単位で契約する仕組みのため、DXの基礎だけを全社に配りたい場合はDXライブラリのみを選べます。DXライブラリの料金は100名利用時で1名あたり年額4,301円(税込)、初期費用は0円で、最低契約人数は10名からです。本番と同じ環境を試せる無料トライアルが最大30日間用意されています。

受講管理では、必須・推奨コースを個別または一括で設定でき、学習期間に応じたフォローアップメールと進捗リマインドが自動配信されます。学習状況のレポート出力・CSV出力、修了証の自動発行にも対応し、タレントマネジメントシステムとの連携例もあります(タレントパレットが2025年6月に連携開始)。

運営は日本能率協会から1991年に分社した日本能率協会マネジメントセンターで、eラーニングライブラリ全体の累計導入は1.8万社以上、総受講者数は約440万人です(2010年の定額制サービス開始以降の累計。DXライブラリ単独の実績ではない点に注意)。受講の証跡を残しながら全社に基礎教育を配りたい企業に向く構成です。

3. グロービス学び放題(株式会社グロービス)

グロービス学び放題のウェブサイト

経営大学院を運営する株式会社グロービスの法人向け定額制eラーニングで、DX・AI関連のコース群は「テクノベート」という領域名で体系化されています。同社は2023年9月14日、コンテンツ拡充によりデジタルスキル標準が指定するカテゴリーに完全準拠したと発表しました。

準拠の対象はDXリテラシー標準の4項目(Why/What/How/マインド・スタンス)とDX推進スキル標準の5カテゴリー・12サブカテゴリーの全項目で、準拠コンテンツは計250コース(2022年度に55コース、2023年度に91コースを追加)。知識の定着を確かめる「DXドリル」も17コース設けられ、1コースあたり20問の問題演習でリテラシー標準からセキュリティ・パーソナルスキルまでを横断します。

コース名では「テクノベート・ストラテジー ~DXに向けて~」「DX全体像をつかむ:デジタル変革のステップと人材育成」「AI・データ × ビジネス」などが確認できます。学習成果を測るアセスメント機能を備え、結果から苦手分野を補うコースをレコメンドする仕組みも持ちます。ただしDX領域専用のアセスメントではなく、サービス共通の機能として提供されるものです。

料金は初期費用無料、標準プランが税込11,550円〜/ID(6か月契約・10ID以上)、MBA科目まで受け放題になる上位プランが税込46,200円/ID(6か月)です。人材開発支援助成金への言及は公式サイトで確認できませんでした(2026年8月時点)。DXだけを切り出すのではなく、経営・戦略の学習と同じ枠内でデジタルの基礎を広げたい企業に合います。

4. 日立アカデミー DXリテラシー研修(株式会社日立アカデミー)

日立アカデミー DXリテラシー研修のウェブサイト

日立製作所の3つの研修機関を統合して2019年に発足した日立アカデミーが、自社グループでのDX推進の経験をもとに開発した研修です。数理・データサイエンス・AIを仕事で使いこなす基礎素養を必要とする全職務・全産業の従業員を対象とし、知識を覚えるだけでなく学習者が自律的に行動できる状態を目指す設計を掲げています。

DXリテラシー研修はすべてeラーニング形式で、「考えてみようDX」の理解編・ビジネス着想編・データ活用による業務改善編の3コースで構成されます。学習は「DXの共通定義を持つ」「自分の業務への適用を考える」「適用に向けた検討作業の進め方を理解し、実行計画を立てる」の3ステップで進み、レクチャーだけでなくワークを伴う構成になっています。

DX人材育成の研修体系全体では、全社員向けのリテラシー層に加えて技術領域別の専門職向けコース、経営層向けの戦略構想・実行推進コースが並びます。技術要素別のコースは「入門→実践→高度な応用」の3段階でレベルが設定されており、リテラシー研修の後にどこへ進ませるかを同じ体系の中で組み立てられます。

料金は公式サイトに記載がなく、問い合わせが必要です。受講前後のスキル可視化や修了証といった成果測定の仕組み、人材開発支援助成金への対応についても公式サイトに記載を確認できませんでした(2026年8月時点)。全社への基礎教育から専門職育成までを同一の提供元でつなぎたい企業が、検討対象に入れやすいサービスです。

5. MENTER(WHITE株式会社)

MENTERのウェブサイト

非エンジニアの事業部門社員を対象とした「文系デジタル人材育成」のeラーニングとして2019年12月に始まったサービスです。運営はWHITE株式会社(2017年設立、横浜市)で、2026年4月7日には学習・AIツール活用・業務定着までを一つの流れで支援する生成AI活用支援プラットフォームへ構成を再編したと発表しました。

再編後のラインナップは、法人向けの生成AI・DX人材育成研修、学習と実践を統合したクラウドサービス「MENTER i/o」、AI活用の入口となる「AI社員 AISAKU」、自社専用の生成AIを構築する「AISAKUプラス」、戦略策定から業務改革までのDX伴走支援、自治体・教育機関向けパッケージの6つです。学ぶ段階と実際にAIを使う段階を同じ事業者の中でつなげる構成といえます。

スキルの可視化では、2025年7月に発表された生成AIリテラシー検定があります。30問30分のオンライン形式で、著作権に関する法的観点は法律事務所ZeLoの監修を受けており、2025年度の合格基準は正答率80%以上。

個人受講は無料、法人・団体の一括受講は有料で個別の問い合わせが必要です。花王グループカスタマーマーケティング株式会社の事例では、個人別レポートでスキルレベルを確認し、事前・事後の確認テストで効果を検証したと発表されています。

法人向けの料金は公式サイトに記載がなく、問い合わせが前提です。人材開発支援助成金への対応についても公表資料で確認できませんでした(2026年8月時点)。全社員に配る動画教材を探すというより、生成AIを実際の業務で使わせるところまで含めて考えたい企業に向きます。

6. アデコのDX研修(アデコ株式会社)

アデコのDX研修(Adecco Academy)のウェブサイト

対象者を「入社1年目〜10年目までの若手人材など、DXの初学者向け」と明示している点が、このプログラムの特徴です。アデコ株式会社の法人向け人材育成ブランド「Adecco Academy」が提供する9プログラムの一つで、「内発的動機」「課題解決力2.0」「デジタルリテラシー」の3領域を職種と階層で組み合わせて設計します。

構成は5つのモジュールで、総期間は2〜3か月です。オンラインセミナーのキックオフ(90分)で動機づけを行い、内発的動機ワークショップ(2時間)でWill・Can・Mustを整理し、eラーニング「課題解決力2.0」(約4時間)で論理思考とデザイン思考を学びます。

その後、選択式のeラーニング「Digitalリテラシー」(1コンテンツ平均45分)を挟み、最後の課題解決価値創造ワークショップ(3時間)でDXの改善提案書を作成します

eラーニングで事前学習し、セミナーとワークショップで実践する「反転学習」モデルを採用し、実施はオンラインで完結します。ワークショップは全3回行われます。同一部署や同一プロジェクトのメンバーが階層を問わず一緒に受け、DX推進の共通認識をつくる使い方も案内されています。組織開発型と、複数社合同で次世代リーダーを育てる人材開発型の2タイプがあります。

自社開催の場合は、得たい研修効果や受講者ターゲットに応じたカスタマイズに対応します。料金は公式サイトに掲載がなく問い合わせが必要で、人材開発支援助成金への言及も確認できませんでした(2026年8月時点)。導入事例としては、株式会社エイチ・アイ・エスで約700名、桑名市で33名が受講しています。動画を配るだけでは終わらせず、提案という成果物まで出させたい場合の選択肢になります。

7. リスキル DX研修(株式会社リスキル)

リスキル DX研修のウェブサイト

研修サービス「社員研修のリスキル」が持つ1,083種類の研修のうち、DXカテゴリにあたるプログラムです。カテゴリはデータ分析研修、ノーコード開発研修、デジタル人材育成研修の3つに分かれ、RPA入門研修やAI基礎理解研修など、扱うテーマの幅が広く取られています。運営する株式会社リスキルは2024年12月に東証グロース市場へ上場しています。

全社員向けの入口にあたるのが「DX研修 IT全体像理解編」です。データベース・サーバー・クラウドといった用語を実質的に理解し、ITの全体像を人に説明できるようになることを到達目標とし、想定研修時間は6時間(変更可)。対象は若手社員から中堅社員・管理職まで、非エンジニアを含む全社員とされています。

実施形式は一社講座・公開講座・動画講座・ビジネスゲーム・ITシステムの5種類で、一社講座は対面・オンライン・ハイブリッドから選べます。複数日程の組み合わせやコース内容のアレンジにも対応し、人数が変わっても追加料金は生じないことを掲げています。

ただし料金の読み方には注意が必要です。公式サイトに出ている「ひとり15,000円から」は公開講座、「1名1講座950円」は動画講座の金額で、一社研修の実額は公開されておらず、オンライン見積もりまたは問い合わせで確認する必要があります

スキルアセスメントの仕組みと人材開発支援助成金への対応についても公式サイトに記載を確認できませんでした(2026年8月時点)。拠点や日程の制約に合わせて実施形式を選びたい企業に向きます。

中核推進人材(管理職・DX推進担当)向けタイプ(4サービス)

変革を主導する人材を育てたい場合の候補です。4社の違いは、技術側から入るか事業構想の側から入るか、そして演習の重さに出ます。全社員への基礎教育とは目的が異なるため、対象者を数名から数十名に絞って選ぶ前提の候補です。

8. トレノケート DX人材育成ソリューション(トレノケート株式会社)

トレノケート DX人材育成ソリューションのウェブサイト

育てたい人材像からコースを引ける形にしているのが、この研修体系です。DX関連コースは、ビジネスアーキテクト、データサイエンティスト、データマネジメント、サイバーセキュリティ、ソフトウェアエンジニア、デザイナーの6つの人材類型で並べられています。

運営はAWSやCiscoの認定トレーニングパートナーとしてIT技術教育を手がけるトレノケート株式会社(1995年設立、旧グローバルナレッジネットワーク)です。1,400以上あるコースからDX関連を抜き出す体系化は2022年9月に始まり、現在は上記の6つの人材類型で整理されています。

分類軸はもう一つあり、Why(DXの背景)、What(活用されるデータ・技術)、How(データ・技術の利活用)、マインド・スタンスの4要素でもコースが整理されています。

6類型の名称はデジタルスキル標準ver.2.0の人材類型と一致しますが、公式サイト上で同標準への準拠を明示する記載は見当たりませんでした。受講形態は新宿・大阪・名古屋の会場での集合研修、eラーニング、オンライン受講、一社向けカスタマイズから選べます。

公開されているコース価格は税込19,250円〜178,200円です。8〜12.5時間のeラーニングが19,250円、1日型の集合研修が55,000円、「AIを活用したビジネスモデルの構築と提案」(2日間)が154,000円という並びで、日数の長い専門コースほど上限に近づきます。伴走支援や一社向けカスタマイズ研修の料金は公開されておらず、問い合わせが必要です。

成果測定には「DX・ITアセスメントサービス」があり、スキルと意識を評価・分析したうえで、結果レポートと研修プランの提案を受けられます(修了要件や認定基準については公式サイトに記載なし)。人材開発支援助成金の活用は、無料の相談窓口が案内されています。

導入事例では、サッポロホールディングスが2022年度に基礎研修(3職種40名・8日間)と専門研修(1職種5名・11日間)を実施したことが公表されています。同社は2023年度に約6,000人を対象とする規模へ育成を広げる計画も示しています。育てたい人材像が先に定まっていて、そこから逆算してコースを組みたい企業に向く体系です。

9. アイ・ラーニング DX推進研修(株式会社アイ・ラーニング)

アイ・ラーニング DX推進研修のウェブサイト

DXの目的を「デジタル化そのものではなく、デジタル技術を用いた新たな価値創造」と定義したうえで、研修体系を組み立てているのがアイ・ラーニングのDX推進研修です。全社員にはデジタルスキル標準のうちDXリテラシー標準(DSS-L)に対応したコースを、選抜したDX推進リーダーにはDX推進スキル標準(DSS-P)を軸にしたコースを当てる2階層の設計になっています。

研修体系の全体は「価値創造力」「変革推進力」「デジタルリテラシー」「組織力」の4分野で構成され、新入社員から経営幹部まで階層別に用意されています。運営する株式会社アイ・ラーニングは1990年設立で、2021年4月からブリッジインターナショナルグループの完全子会社。

オープン研修のコース数は約1,000(2025年1月時点)で、オープンコース・プライベートコース(一社向け)・オンラインクラス・eラーニングを組み合わせられます。

料金は公開の範囲に差があります。DSS-L対応コースは税込11,000〜33,000円で、「2時間で学ぶDX速習コース」が11,000円、10時間の「ビジネスパーソンのためのまるごとITベーシック」と半日の集合研修「ChatGPTで学ぶ生成AIビジネス活用」がいずれも33,000円という水準です。

一方、中核人材が受けるDSS-P対応コースとプライベートコースの料金には記載がなく、問い合わせが前提となります。

助成金については専用ページがあり、人材開発支援助成金の人材育成支援コース・人への投資促進コース・事業展開等リスキリング支援コースの活用を案内しています。

ただし対象コースとして例示されているのはPMP®やCompTIA、Ciscoといった資格系で、DX推進研修そのものが対象になるかの明記は確認できませんでした。受講前後のスキル可視化ツールや修了要件についても、公式サイトで記載を確認できていません(2026年8月時点)。

導入実績は、トップページの「5年連続利用200社以上」(2020〜2024年)と、会社メッセージページの創業以来3,000社超という2つの表記があり、対象期間の取り方が異なります。全社の底上げと推進リーダーの育成を、同じ事業者の体系の中でつなぎたい企業が検討しやすい構成です。

10. BluStellar Academy for DX(日本電気株式会社)

BluStellar Academy for DXのウェブサイト

2021年9月に「NECアカデミー for DX」として始まり、2024年9月のブランド再編で現在の名称になった、日本電気株式会社のDX人材育成サービスです。改称時の告知では、変更はブランド名およびサービス名に関するものであり、サービスの内容や料金に変更はないと明記されています。

対象は「DX推進人材」「DX専門人材」「DXリーダー」の3区分で整理されています。2023年2月には経済産業省・IPAのデジタルスキル標準に適応したDX推進人材育成プログラムの提供を開始しており、専門人材側にはAWS、Azure・M365、Google Cloud、Salesforceといったクラウド研修やサイバーセキュリティ研修、ワークショップが並びます。

2026年4月22日には、「人材戦略伴走型サービス」としての全面リニューアルが発表されました。組織変革のサイクルを「目的」「計画」「育成」「評価」の4フェーズに分け、各フェーズに同社のAIエージェントを組み込む構想で、AIを前提に価値を設計し成果創出をリードできる人材の育成を掲げています。AIエージェントによる自動化機能を備えた新サービスの提供は、2026年5月以降に順次とされています。

一方で、料金は公式サイトに記載がなく、問い合わせが必要です。人材開発支援助成金への言及、成果測定の具体的な手法(テスト形式やレポート内容)、導入社数・受講者数も、公表資料では確認できませんでした(2026年8月時点)。ただし、リニューアル発表で触れられているアビームコンサルティングを含む約1万人という数字は、NEC側の支援体制の人員規模であり、顧客の導入実績ではない点に注意が必要です。

公開情報だけでは判断材料が揃いにくいぶん、要件を固めたうえで問い合わせる前提になります。全社の教育から専門職の技術研修までを大手ベンダー1社にまとめて相談したい企業にとって、候補に入りやすいサービスです。

11. シナプス DX人材育成プログラム(株式会社シナプス)

シナプス DX人材育成プログラムのウェブサイト

DX専業の研修会社ではなく、マーケティング領域のコンサルティングファームが手がけているプログラムです。提供元の株式会社シナプス(1997年8月設立、東京都中央区銀座)は、コンサルティング事業・企業研修事業・個人向けのマーケティング・カレッジ事業の3つを展開しており、戦略立案や新規事業開発の支援で培ったノウハウを研修設計の土台に置いています。

構成は3つのプログラムに分かれます。「DX・事業変革プログラム」は経営戦略とビジネス分析力、ビジネスモデルとイノベーション、デジタルマーケティング概論、DXワークショップ。

「DX・基礎プログラム」はファシリテーション、プロジェクト・マネジメント、問題解決・課題解決、仮説構築力。「DX・IT活用理解プログラム」にはデータサイエンス、AI、機械学習、データリテラシーに加え、Python演習とTableau演習まで含みます。

実施は講義・演習・ワークショップの組み合わせで、「DXワークショップ」は1回7時間のセッションを月1回、合計6か月にわたって重ねる構成が標準として案内されています。想定受講者はプロデューサーやビジネスデザイナーの候補者、アーキテクトを含むIT系のDX人材で、事業側とIT側の双方を対象に据えているのが特徴です。

ただし、料金・導入実績・修了時の成果測定の仕組みは、いずれも公式サイトに記載がありません。人材開発支援助成金への言及、企業ごとのカスタマイズ対応の可否、デジタルスキル標準のロールとの対応関係についても同様で、確認するには問い合わせが必要です(2026年8月時点)。半年かけて自社の課題を演習で扱い、事業構想の側から中核人材を育てたい場合の選択肢になります。

職種別・専門人材向けタイプ(7サービス)

特定の職務で使える技能を身につけさせたい場合の候補です。7社の違いは、受講開始時に求める前提スキルと、修了時にどこまでできるようになるかの組み合わせに出ます。プログラミング未経験から業務自動化までを狙うものと、一定の技術知識を前提に資格取得や機械学習の実装まで進むものが混在しています。

12. Aidemy Business(株式会社アイデミー)

Aidemy Businessのウェブサイト

Word・ExcelとITの基礎が分かる初学者から、Pythonでプログラミングができる実務者までを同じ環境で受け止めることを掲げているのが、株式会社アイデミーのAidemy Businessです。完全オンラインのAI/DX人材育成e-learningで、経済産業省が策定したデジタルスキル標準に対応したコンテンツ設計を採用しています。

コースはAI・DXに特化したものが250種以上あり、年間50本以上を新規開発、生成AI関連の講座は3か月に1回以上アップデートすると公表しています。対象者・職種・目的別にコースを細分化したうえで、企業ごとの専用カリキュラムを組む形も用意されています。

実施は完全オンラインに限られ、対面のリアルタイム研修を希望する場合は別サービス「Aidemy Practice」が案内されます。実データを扱う演習やライブ研修がこのサービス本体に含まれるかは公式サイトから確認できず、E資格・G検定など外部資格への直接対応の明記もありません(2026年8月時点)。

料金は2025年8月18日に体系が刷新され、契約期間を1年・2年・3年から選べるほか、一部コースは買い切りにも対応します。ただし刷新後の実額はプレスリリースにも公式サイトにも記載がなく、問い合わせが前提です。人材開発支援助成金については、申請が可能である旨が公式サイトに記載されています(対象コースの範囲・助成率の明記はなし)。

成果測定は、中小・中堅企業向けの「Aidemy Business Liteプラン」でDX推進力可視化アセスメントテストがセットになる形です。導入はエンタープライズ企業を中心に累計400社以上(2026年3月24日時点の公式ニュース)で、ダイキン工業や丸紅、ニコンなどの社名が公表されています。職種と難易度でコースを割り当て、自習型で専門スキルを積ませたい企業に合う設計です。

13. SIGNATE Cloud(株式会社SIGNATE)

SIGNATE Cloudのウェブサイト

育てたいロールを起点にプログラムが並んでいるのが、株式会社SIGNATEのDX人材育成クラウドサービスです。構成は、DXリテラシー人材育成、AI・データ活用人材育成のExcel版とPython版、ビジネスアーキテクト育成、データサイエンティスト育成の5プログラムがあります。AI・データ人材のコミュニティ運営で得た知見を土台にしています。

階層の対応も整理されています。DXリテラシー人材育成プログラムはデジタルスキル標準のDXリテラシー標準に相当する全社員向け、残る4つはDX推進スキル標準のロールに対応した専門職向けという位置づけです。データサイエンティスト育成プログラムはPython基礎から、データ戦略の立案、高度分析、分析環境の設計・実装までを扱います。

学習の入口はスキル計測テストで、その結果から約3,000のコンテンツを使って個人ごとの学習ルートを組み立てる方式です。IPA「マナビDX」に掲載されている個人向けプランでは、標準学習時間74時間・実務スキル習得向けの講座レベル3と示され、修了証も発行されます。

実施は完全オンラインで、企業向けプランにライブ研修やワークショップがあるかは公式サイトから確認できませんでした。料金も公開されておらず、問い合わせが必要です。5プログラムのうちリテラシー以外の4つは教育訓練給付金の対象(最大80%補助)とされますが、これは個人が使う制度で、企業が使う人材開発支援助成金の対象可否は公表されていません。

導入実績は1,200社・22万人(2026年5月29日時点)で、2025年2月時点の1,000社・18万人から伸びています。2026年にはDX推進スキル標準のデータサイエンティストロールを育てる認定プログラムの提供開始も発表されました。ロール定義に沿って専門人材を計画的に積み上げたい企業が検討しやすい体系です。

14. スキルアップAI(株式会社Beyont)

スキルアップAIのウェブサイト

研修を受けさせて終わりにせず、AIの実装と社内への定着まで続けて請け負うことを掲げているサービスです。運営会社は2018年5月にスキルアップAI株式会社として創業し、2023年11月に株式会社スキルアップNeXt、2026年7月29日に株式会社Beyontへと商号を変えていますが、法人向け研修のブランドは「スキルアップAI」として続いています。

研修は70以上の講座を対象別・課題別に組み合わせるカスタマイズ型で、リテラシー研修からエンジニア基礎、生成AI活用、新入社員向けまで幅があります。実務直結型の「道場」シリーズ(AI道場・DX道場など)は、3〜4か月かけてやり抜く伴走支援型のプログラムです。

到達点を資格で測れる点も、専門人材の育成では判断材料になります。「現場で使えるディープラーニング基礎講座」は日本ディープラーニング協会のE資格認定プログラムとして事業者一覧に掲載され、G検定については2024年6月時点で178名の有資格者を輩出したと導入事例ページで公表されています。

導入事例には数値が添えられています。株式会社大林組では設計部全体で年間18,960時間(月1,580時間)の業務削減、株式会社GSユアサではITヘルプデスクのエージェント構築で年間約10,300時間の削減見込み、ローム株式会社では半導体(LSI)設計向けのエージェントを1か月で構築完了と発表されています。

法人研修・コンサルティング・AI開発支援はいずれも個別見積もりで、公式サイトに料金表はありません(サイト上のeラーニング55,000円などの価格は個人向け講座のもので、法人研修とは別体系です)。助成金は活用ガイドを公開し、人材育成支援コースの経費助成率を、正社員は45%、非正規雇用者は70%と雇用形態別に案内しています。導入は約1,000社・受講支援31万人以上(2026年7月時点の累計)です。

この1社を選ぶ決め手になるのは、資格取得を育成の到達点に据えるかどうかです。E資格・G検定を人事評価や配置の基準に使う計画があるなら候補に入り、資格を目的にしないなら他の選択肢が先に来ます。

15. Udemy Business(株式会社ベネッセコーポレーション)

Udemy Businessのウェブサイト

米国のUdemy, Inc.が開発する動画学習プラットフォームを、国内では株式会社ベネッセコーポレーションが独占的事業パートナーとして提供しています(提携は2015年、法人向けの国内提供開始は2019年6月)。25万本以上あるUdemy講座からビジネス向けに厳選した約3万本を、定額で受け放題にした形です。

講座はAI・機械学習、データサイエンス、開発から財務・会計、デザイン、マーケティングまで広く、専門人材が必要とする技術領域の講座を一人ひとりが選んで学べます。講師は7.5万人以上で、講座の70%以上が直近2年以内に更新・追加されたものと公式サイトに記載されています。

学習の設計と管理では、Udemyの講座と自社教材を組み合わせるラーニングパス、受講状況やスキル開発を見る分析ダッシュボード、自社オリジナル講座のアップロード(容量無制限)、シングルサインオン(SSO)、受講データを取り出すAPI/Reporting APIによるデータ抽出が使えます。部門・拠点単位のユーザーグループ管理にも対応します。

料金は5〜20名向けのチームプランが1IDあたり年間38,000円(税込41,800円)と公開されています。21名以上のエンタープライズプランはID数に応じた見積もりで、請求書・注文書払いに対応します。無料アカウントでの体験や、無料体験セミナー・デモ画面の提供もあります。

国内導入社数は約2,000社以上、日経225銘柄における採用率は70%以上と公式サイトに記載があります(いずれも計測時点の明記はありません)。決まったカリキュラムを一斉に受けさせるより、職種ごとに必要な技術講座を各自に選ばせる進め方に合う形式です。

16. インターネット・アカデミー DX研修(インターネット・アカデミー株式会社)

インターネット・アカデミー DX研修のウェブサイト

公開されているDX研修13講座は、DXリテラシー向上、業務効率化・データ利活用、DX戦略・組織改革、開発ベンダーマネジメントの4グループに整理されています。1995年9月設立のインターネット・アカデミー株式会社が、200種類を超える講座群の一部として提供しているものです。

専門人材寄りの内容は業務効率化・データ利活用のグループに集まり、Power Automate研修、Power Apps研修、Power BI研修、データマイニングと統計手法を扱う、データ分析の国際資格 CompTIA Data+ に対応した研修が並びます。ノーコードで業務アプリを作りたい事務業務担当者から、データ分析業務に従事する社員まで、想定対象が講座ごとに示されています。

実施形式は双方向リモート研修、集合研修・講師派遣、プライベートレッスン、eラーニングの4種類です。標準的な研修時間は24時間で、カリキュラムのオーダーメイドにも対応します。料金は受講者数・時間数・カスタマイズ内容によって変動するため公開されていません。

費用を考えるうえで押さえておきたいのが助成金の扱いです。人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」の対象である旨を公式に明記し、中小企業の場合の経費助成75%、賃金助成1,000円/時間(1人あたり)という条件を示しています。

中小企業の経費助成の上限額は訓練時間別で、10〜100時間未満が30万円、100〜200時間未満が40万円、200時間以上が50万円です(大企業は20万円・25万円・30万円)。ただしeラーニングと通信制による訓練は上限が中小企業15万円・大企業10万円になり、賃金助成の対象外です。同社は4つの実施形式を持つため、どの形式で受講するかによって助成の条件が変わります。

対象講座の例として挙がるのは、デジタルスキル標準のビジネスアーキテクトを育てる「ビジネスアーキテクト育成研修」です。適用には実訓練時間10時間以上などの要件があり、申請手続きのサポートも行うとしています。修了時のスキルアセスメントの仕組みは公式サイトで確認できませんでしたが(2026年8月時点)、助成金の枠に収まる形で研修計画と申請を同時に進めたい企業には条件が読みやすいサービスです。

17. TECH CAMP 法人研修サービス(株式会社div)

TECH CAMP 法人研修サービスのウェブサイト

到達レベルを「生成AIやプログラミングを用いて日常業務の自動化を実装できる」ことと公式に明示している研修です。主な対象は総合職・営業職などプログラミング未経験の非IT職で、エンジニア専門職への転換ではなく、業務改善を自分で実装できる状態までを目標に据えています。

コースはDX人材育成、AI人材育成、ITリテラシー習得、エンジニア育成の4本立てです。DX研修は業務の棚卸し、生成AI活用講座、業務改善ツール開発という3ステップで進み、専任メンターがマンツーマンで伴走します。研修期間は1か月以上、受講人数は5名以上が前提です。

助成金の条件は公式に示されています。通常プランは人材開発支援助成金の利用で最大45%OFF、2025年7月提供開始の「生成AI×業務改善研修 ベーシックプラン」は事業展開等リスキリング支援コースに対応し、制度活用で最大75%補助とされています。ベーシックプランは約11時間の動画学習で、学習期間の目安は1か月です。

一方、料金の実額はいずれのプランも公開されておらず、資料のダウンロードや問い合わせが必要です。導入実績は1,600社超(2025年3月6日付の発表)とされていますが、この数値が法人研修サービス単体のものか、テックキャンプブランド全体のものかは公表資料から判別できません。スキル評価ツールの仕組みについても記載はありません(2026年8月時点)。

パッケージ研修では実現できない組織課題に合わせてカリキュラムを組み替える方針を掲げ、新入社員向けエンジニア研修として4か月間伴走した事例(株式会社インフォマート)も公表されています。研修の成果物として業務改善ツールを社内に残したい場合に、検討しやすい進め方です。

18. CodeCamp BIZ(コードキャンプ株式会社)

CodeCamp BIZのウェブサイト

学習の開始時と終了時にアセスメントを実施し、合否で到達度を判定する仕組みを備えた企業向けDX研修です(不合格の場合は再受験)。個人向けオンラインプログラミングスクール「CodeCamp」で培った講師・運営体制を法人向けに展開したもので、運営はコードキャンプ株式会社(2012年12月設立、主要株主は東証プライム上場のフューチャー株式会社)。

講座は6つあります。DX概論・基礎講座がIT全般の知識とデータサイエンス、AIの基礎を扱い、業務効率化実践講座では業務フロー分析と、RPA(定型作業を自動化するツール)・Google Apps Script の活用、データサイエンティスト養成講座では機械学習・ディープラーニングの実践に踏み込みます。

ほかにプロジェクト管理の知識体系(PMBOK)に準拠したプロジェクトマネジャー養成、システム運用管理者養成、エンジニア/プログラマ養成が並びます。

受講前提となるスキルは講座ごとに異なります。DX概論・基礎講座が非エンジニアやIT初学者を想定するのに対し、データサイエンティスト養成講座やエンジニア/プログラマ養成講座は専門職の育成を狙った内容です。受講対象や要望に応じてカリキュラムを提案する形のため、階層別の固定ラインナップは公式ページに示されていません。

導入企業は300社を突破、受講者は50,000名を突破し、受講満足度は98.7%と公表されています(2024年1〜9月)。導入先としては東京きらぼしフィナンシャルグループ、株式会社いよぎんコンピュータサービス、ニッセイアセットマネジメント株式会社、株式会社ブリヂストンなどが紹介されています。

料金は初期費用・月額とも公開されておらず、オンラインでの打ち合わせを起点に見積もりを取る流れです。研修の実施形式(マンツーマン/集合/オンラインライブの別)と、デジタルスキル標準への対応関係についても公式ページでは記載を確認できませんでした(2026年8月時点)。テストの合否という形で到達を確認しながら進めたい企業に適した運用です。

伴走・カスタマイズ型(4サービス)

「誰をどこまで育てるか」から一緒に決めたい場合の候補です。4社の違いは、支援がどの工程から始まりどこまで続くか(人材要件の定義/現状診断/カリキュラム設計/実施/効果測定)に出ます。既製のカリキュラムで足りる場合は、前の3タイプのほうが費用も期間も抑えられます。

19. インソース DX/IT推進サービス(株式会社インソース)

インソース DX/IT推進サービスのウェブサイト

株式会社インソースは、集合研修と動画教材に加えて、従業員のDX知識・スキルを測る診断を揃えています。「DXリテラシーアセスメント」はグループ会社の株式会社インソースデジタルアカデミーとの共同開発で2023年9月8日に提供を開始したもので、経済産業省・IPAのデジタルスキル標準内「DXリテラシー標準」(令和5年8月改訂版)に準拠しています。

評価するのは「DXマインド・スタンス」と「DXリテラシー(知識・スキル)」の2領域です。受検者には領域別の総合点と個別項目の評価、本人の特徴・課題をまとめた個人別レポートが返り、明らかになった課題に対して同社が持つ研修・動画教材が具体的に推奨されます。設問のカスタマイズや、結果を統計分析して人材ポートフォリオを可視化する組織診断もオプションで用意されています。

研修側のDX/IT推進サービスは、考える(AI戦略のコンサルティング)、使う、育てる、改善する、定着する、の5段階を通した支援として案内されています。主力は講師派遣・公開講座による集合研修で、DX理解研修・DX推進研修・DXリーダー育成研修といった基礎講座と、ChatGPT理解研修やMicrosoft 365 Copilot研修、AIエージェント基礎研修などの生成AI講座が並びます。

対象は経営層・管理職からDX推進担当者、一般社員、システム部門まで分かれ、社内人材を「推進人材」「開発人材」の2区分に整理して段階的に育てる進め方を提案しています。子会社側には半日で終わる短時間の講座(DX超入門、DX推進研修〜5ステップで今日から始める など)もあり、時間の確保が難しい層から着手できます。

eラーニングは動画教材の「動画百貨店」が担い、AI・生成AIカテゴリにDXリテラシー標準に準拠した生成AI利用のマインド・スタンス教材や、弁護士ドットコム株式会社が制作する生成AIの法的留意点の教材が入っています。

提供形態は買い切り(ナレーション・スライド型は1本198,000円〜)、1週間単位のレンタル(990円〜/名)、LMS「Leaf」経由の定額配信(50IDで月17,875円・税込〜)から選べます。

一方、費用の全体像は事前に見えにくい構成です。DXリテラシーアセスメントは利用人数・カスタマイズ内容・オプション内容によって変わるため要問い合わせで、集合研修もコース単位での確認になります。人材開発支援助成金への言及と、DX推進スキル標準(DSS-P)の個別ロールとの対応表は、公式サイトで確認できませんでした(2026年8月時点)。

診断から研修の割り当てまでを一本の流れで任せたい企業に向きます。育成対象がすでに決まっていて教材だけが必要な場合は、この構成の利点が生きません。

20. キカガク 法人向けDX・AI人材育成研修(株式会社キカガク)

キカガク 法人向けDX・AI人材育成研修のウェブサイト

最初に取りかかるのは、企業戦略にもとづく人材要件の定義と育成ロードマップの作成です。そこからアセスメントによる現状把握、eラーニングと集合研修を組み合わせたカリキュラムの設計、実際の業務課題に近いデータを扱うPBL研修、AI活用の開発支援までが一連の支援として並びます。運営は2017年1月設立の株式会社キカガク(従業員142名、2026年4月時点)です。

学ぶ内容の基準は最新版に合わせています。2026年4月16日に公表されたデジタルスキル標準ver.2.0に完全対応し、データアーキテクト・データスチュワード・データエンジニアの3ロール向けに新規12講座を整備したと発表しました。「データマネジメントの世界」「メタデータ・カタログ設計ワークショップ」「データ品質管理実践」「データガバナンス実践ワークショップ」などが該当します。

診断は学習プラットフォーム「キカガク for Business」上で提供されます。2023年8月26日にリリースされた「デジタルスキル標準アセスメント」は、全社員向けのDXリテラシーアセスメントと、DSS-Pのロール別スキルを測るDX推進スキルアセスメントの2種構成です。前者は約20分のテストでスキルとマインドを可視化し、受講者の学習進捗とあわせてプラットフォーム上で分析できます。

公表されている数値には、研修講師の採用合格率2.0%、研修満足度の平均4.4点(5点満点)、受講後1年経過時点での実務活用率70%以上が挙げられています。導入事例では住友重機械工業での受講完了率97.2%が示され、導入企業数は1,000社以上・受講生は200,000名以上とされています(いずれも集計時点の表記はありません)。

料金は法人向けページに記載がなく、個社ごとの見積もりです。人材開発支援助成金の対象可否と、経営層向けの専用プログラムの有無についても公式サイトでは確認できませんでした(2026年8月時点)。標準の最新版に沿って専門ロールを定義するところから外部に任せたい企業が、要件を持ち込みやすい形です。

21. 伴走型DX人材育成支援サービス(株式会社富士通ラーニングメディア)

伴走型DX人材育成支援サービスのウェブサイト

プログラムは、育てたい推進者の役割によって2系統に分かれます。部門をまたいでDXプロジェクトを動かす人材には「事業変革者育成プログラム」、自部門のデジタルリテラシー強化を担う推進者には「業務変革者育成プログラム」が用意されています。いずれもDX基礎知識の習得とプロジェクト実践の機会を組み合わせ、スキルとマインドの両面を伴走支援する構成です。

提供元の株式会社富士通ラーニングメディアは、ITスキルからヒューマンスキルまでの研修を手がける富士通グループの人材育成会社です(1977年6月設立、資本金3億円)。2つのプログラムはいずれも顧客の目的とレベルに応じた伴走支援を掲げており、個社の状況に合わせて内容を組み替える前提になっています。

関与の重さは案件によって変わります。公式サイトに掲載された導入事例の実施期間は、製造業で3か月、公共インフラとエネルギー業で4日間、金融業で1日間と幅があります(事例概要には企業名・成果数値の記載はありません)。実施はワークショップやグループワークが中心で、実課題を題材にしたプロジェクト実践の支援が組み合わされます。

助成金には専用ページがあり、人材開発支援助成金の人材育成支援コース・人への投資促進コース・事業展開等リスキリング支援コースが紹介されています。ただし、伴走型DX人材育成支援サービス自体が対象コースに該当するかどうかの明記は同ページに見当たらず、確認するには問い合わせが必要です。

料金は初期費用・プロジェクト単価とも公式サイトに記載がなく、資料ダウンロードや無料相談フォームからの案内になります。本サービス単体の導入社数・受講者数と、成果測定の具体的な仕組みも公表資料では確認できませんでした(2026年8月時点)。数日の集中実施から数か月の実践支援まで、関与の量を自社の事情に合わせて決めたい場合の相談先になります。

22. STANDARD(株式会社STANDARD)

STANDARDのウェブサイト

伴走支援の中身をステップとして公開しているのが、株式会社STANDARD(2017年8月設立、東京都港区)の「DX人材育成プランニング」です。人材像の定義、必要スキルの検討、カリキュラム策定、KPI・ロードマップの設定、効果測定の設計という5段階で進み、研修の前後にあたる工程まで支援の対象に含まれます。

策定した計画に当てる講座も自社で持っています。「DXリテラシー講座」はeラーニング中心で最短1日で受講を終えられ、前提知識を問わず経営層から現場部門まで受講できる設計です(集合型はエグゼクティブ向けのみ)。AIエンジニアリング講座とAIマネジメント講座からなる「AI_STANDARD」はオンライン形式で、チャットと進捗のサポートが付きます。

一人ひとりの学習要件に合わせて講座を割り当てる「TalentQuest」もあり、基礎から専門レベルまでを個別のレコメンドでつなぎます。AIマネジメント講座が対象として挙げるのは「会社のAIプロジェクトをマネジメントする中心人物」で、伴走支援のほうはDX推進が経営方針として決まっている大規模組織を主な想定に置いています。

成果の見方は工程によって異なります。伴走支援では研修効果を可視化して継続改善につなげる効果測定の設計を行い、DXリテラシー講座では修了後に「アイデアシート」を記入する形をとります(内容の詳細は非公開)。スキル診断ツールの名称やスコアリング方式、デジタルスキル標準のロールとの対応関係は、公式サイトでは確認できませんでした(2026年8月時点)。

導入実績はページによって数値が異なります。特長ページには東証プライム上場企業200社を中心に1,000社以上、DXリテラシー講座のページには同講座単体で700社以上、よくある質問のページにはDX推進・内製化支援の実績として530社以上と記載され、集計時点や対象範囲の明記はありません。クライアントとしてはトヨタ自動車、NTTドコモ、大阪ガス、JFEスチールなどの社名が挙がっています。

料金は初期費用・講座単価とも公開されておらず、状況に合わせたプランと価格を提案する個別見積もり制です。人材開発支援助成金への言及も公式サイトには見当たりません(2026年8月時点)。育てる対象を決めるところから、成果をどう測るかの設計までを外部と組んで進めたい企業に向く進め方です。

DX人材育成研修の費用と助成金の使い方

候補が絞れたら、次は予算の話です。いくらかかり、いくら戻る可能性があるのかを合わせて整理します。

料金体系別の費用の考え方

DX研修の費用は、料金体系ごとに考え方が異なります。実額を公開しているサービスは限られており、多くは受講人数・実施期間・カスタマイズの範囲によって見積もりが変わります。

まず、この記事で紹介した22サービスのうち、料金を公開しているものを料金体系別に並べます。残りは受講人数・期間・カスタマイズの範囲によって見積もりが変わるため、公式には金額が出ていません。

料金体系サービス公開されている金額
1人単価型トレノケートコース単位 19,250円〜178,200円(税込)
1人単価型アイ・ラーニングDXリテラシー標準対応コース 11,000円〜33,000円(税込)
1人単価型リスキル公開講座 15,000円〜(DX研修に限らない公開講座全体の下限)/動画講座 1名1講座 950円〜(一社研修の実額は非公開)
定額型JMAM eラーニングライブラリDXライブラリ 1名 年額4,301円(税込・100名利用時)
定額型Schooビジネスプラン月額1,650円(税抜)/ID・最少20ID(1名あたり年19,800円・税抜)+別途 初期費用110,000円(税抜)
定額型グロービス学び放題6カ月プラン 11,550円/ID/12カ月プラン 20,900円/ID(いずれも税込・10ID〜)
定額型Udemy Business年額41,800円/ID(税込・5〜20名プラン)
買い切り・従量インソース動画教材 買い切り198,000円〜/レンタル 990円〜/名/学習管理システム 50IDで月17,875円(税込)〜

※2026年8月時点の各社公式情報による。税込・税抜、契約期間、最低契約人数の条件は各社で異なります。年換算はいずれも公表条件をそのまま12か月に引き直した参考値です。

1人単価型は、コース単位で受講料が決まる形式です。受講者数が少ない選抜研修では総額を抑えやすく、人数が増えるほど費用が積み上がります。100名に受講させるなら、コース単価が2万円でも200万円になります。

定額型は、一定人数まで受け放題にする形式です。DX領域を切り出して契約できるサービスでは、1名あたり年額4,301円(税込・100名利用時)という水準が公開されています。全社員向けに広く配信する場合、1人あたりの単価は最も低くなります。ただし配信するだけでは受講が進まないため、受講管理の運用工数も費用として見込んでおく必要があります。

プロジェクト型は、人材要件の定義から効果測定の設計までを含めて見積もる形式です。伴走・カスタマイズ型のサービスはこの形式が中心で、実額は公開されず個別見積もりになります。導入事例で公開されている実施期間は、1日の集中形式から3〜4か月にわたるものまで幅があり、期間の長さが費用に直結します。

総額を組み立てるときは、単価に人数を掛けるだけでなく、初期費用と最低契約人数を先に確認しておく必要があります。定額型は最低契約ID数が設定されていることがあり、対象者が下回っても下限の金額はかかります。上の表でいえば、20名に配信したい場合でも最少20IDのサービスなら過不足なく収まりますが、10名なら1人あたりの実質単価は倍になります。

選抜研修とリテラシー研修を同じ年度に走らせる場合は、費用の性質が違うことを社内説明で分けて示すと、承認を得やすくなります。全社員向けは人数×年額の固定費に近く、選抜向けは対象者数で増減する変動費に近い形になります。

料金は改定されることがあります。個人向けコースと法人向けプランで価格体系が別のサービスもあるため、見積もりは必ず法人向けの窓口で取得してください。

人材開発支援助成金の対象コースと申請の流れ

人材開発支援助成金は、職務に関連した知識・技能を習得させる訓練を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。

2026年8月時点のコースは、人材育成支援コース/教育訓練休暇等付与コース/人への投資促進コース/事業展開等リスキリング支援コース/建設労働者認定訓練コース/建設労働者技能実習コース/障害者職業能力開発コースの7つです。このうちDX人材育成に関係するのは主に次の2コースになります。

人への投資促進コース:デジタル人材・高度人材を育成する訓練、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成

事業展開等リスキリング支援コース:新規事業の立ち上げなどの事業展開等に伴い、新たな分野で必要となる知識及び技能を習得させるための訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成

出典:人材開発支援助成金|厚生労働省

「定額制訓練(サブスクリプション型)」は独立したコースではなく、人への投資促進コースの中の訓練メニューの1つです。同コースには他に、高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練・情報技術分野認定実習併用職業訓練・自発的職業能力開発訓練・長期教育訓練休暇等制度があります。

専門人材の育成で押さえておきたいのは、高度デジタル人材訓練の対象がデジタルスキル標準と紐づいている点です。

高度デジタル訓練(ITスキル標準(ITSS)・DX推進スキル標準(DSS-P)レベル3・4等)

出典:人材開発支援助成金 人への投資促進コースのご案内(詳細版)令和8年度版 p.5|厚生労働省

高度デジタル人材訓練の経費助成率は中小企業75%・大企業60%、賃金助成額は中小企業1,000円・大企業500円(1人1時間あたり)と定められています。定額制訓練は経費助成率が中小企業60%・大企業45%(賃金要件等を満たす場合はそれぞれ15%上乗せ)で、賃金助成はありません。定額制訓練の経費助成には受講者1人あたり1か月2万円・年度あたり3回までという上限が設けられています。

助成率は中小企業か大企業かで変わるため、自社がどちらに当たるかの確認が要ります。中小企業事業主の判定は、主たる事業ごとに「資本金の額または出資の総額」か「企業全体で常時雇用する労働者の数」のどちらかの基準に該当すれば足ります

小売業(飲食店を含む)は5,000万円以下または50人以下、サービス業は5,000万円以下または100人以下、卸売業は1億円以下または100人以下、その他の業種は3億円以下または300人以下です。判断は支給申請時点の内容で行われます。

受け放題型のeラーニングを導入すれば自動的に助成されるわけではない点にも注意が必要です。定額制サービスに趣味教養型など支給対象外の訓練が含まれる場合、全体の講座数に占める支給対象訓練の割合が5割以上であることが求められます。また、修了した訓練の標準学習時間が支給申請時点で合計10時間以上であることも要件です。

申請の流れで最も見落とされやすいのは、事前手続きの期限です。

Step0 職業能力開発推進者の選任、事業内職業能力開発計画の策定・周知

Step1 計画提出:●事業内職業能力開発計画に基づき、職業訓練実施計画を作成する ●作成した計画を訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に管轄労働局に提出する

Step3 支給申請:●訓練修了日の翌日から2か月以内に、必要書類を管轄労働局に提出する ●支給申請までに、訓練にかかった経費全額を支払う

出典:人材開発支援助成金(人への投資促進コース)のご案内 令和8年度版 p.4|厚生労働省

計画届は訓練開始日の1か月前までに提出する必要があり、その前提として職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定が求められます。研修を申し込んでから助成金を調べ始めると間に合いません。定額制訓練の場合は、契約期間の初日から起算して6か月前から1か月前までが提出期間になります。

人材開発支援助成金の申請の流れを示した図。STEP0で職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定、STEP1で訓練開始日の6か月前から1か月前までに職業訓練実施計画を提出、訓練を実施し、STEP3で訓練修了日の翌日から2か月以内に支給申請する

また、人への投資促進コースは令和4年度から8年度までの期間限定助成として設けられたコースです。現時点では令和8年度までの期間限定助成とされており、令和9年度以降の取扱いは制度所管の公表を確認する必要があります。

単年度で完結する研修であれば影響はありませんが、複数年度にまたがる育成計画で助成金を前提に予算を組む場合は、2年目以降を助成なしでも実行できる形にしておくか、年度ごとに制度を確認する前提で計画してください。制度の適用可否そのものは、事業所を管轄する都道府県労働局の助成金担当窓口が判断します。

2026年8月3日の改正で助成対象から外れた訓練 — 全社員向けリテラシー研修は要確認

2026年8月3日、事業展開等リスキリング支援コースの対象となる訓練の範囲が変更されました。各サービスが公式サイトで案内している助成金の情報は、この改正より前に公表されたものが含まれます。個別紹介で「このコースの対象」と記載のあるサービスも、実際に助成を受けられるかは訓練内容によって変わるため、以下の内容と照らし合わせて確認してください。

全社員向けDXリテラシー研修と人材開発支援助成金のコースの関係を示した図。2026年8月3日の改正で事業展開等リスキリング支援コースではDXの概念やデータ活用の考え方を学ぶ訓練が助成対象外になり、人への投資促進コースの定額制訓練なら要件を満たせば対象になりうることを対比している

DX化・GX化に関する訓練であっても、次の目的の訓練は助成対象外になっています。

1 「対象とならない訓練」が変更になります

本コースのDX化・GX化に関する訓練について、以下の実施目的の訓練は 助成対象外 となります。

○職業、または職務に間接的に必要となる知識・技能を習得させる内容のもの

○職業、または職務の種類を問わず、職業人として共通して必要なるもの

出典:人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正:令和8年8月3日からの変更点について|厚生労働省

この改正では、対象になる訓練と対象外の訓練が具体例で示されています。

助成対象外:DXの概念、デジタル技術の概要、データ活用の考え方を学ぶ訓練

助成対象:生成AIを活用して商品提案書の構成案作成、文章生成、修正方法を学ぶ営業担当者向けの訓練

助成対象外:生成AIを利用するために汎用的なプロンプトの作り方を学ぶ訓練

出典:人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)改正:令和8年8月3日からの変更点について|厚生労働省

全社員向けのDXリテラシー研修は、まさにここで挙げられている「DXの概念、デジタル技術の概要、データ活用の考え方を学ぶ訓練」に当たります。2026年8月3日以降に提出する計画届では、このコースでの助成は受けられません。特定の職務に直接結びつく訓練かどうかが、対象を分ける基準になっています。

ただし、助成金がまったく使えなくなるわけではありません。同じ内容でも、人への投資促進コースの定額制訓練であれば、職務に関連した訓練が全体の5割以上を占めるなどの要件を満たす定額制サービスは対象になりえます。全社員向けリテラシー研修に助成金を充てたい場合は、申請するコースの選択から見直してください。

同じ改正で、受講回数の上限も変更されています。事業展開等リスキリング支援コースで助成を受けられる訓練の受講回数は同一の労働者につき年度あたり3回までですが、このうちeラーニングによる訓練は年度あたり1回までとなりました。

この変更には経過措置が設けられています。適用の判断は支給要領とパンフレットで確認し、個別の可否は管轄労働局に問い合わせてください。

出典・参考資料(4件)

助成の可否は訓練内容とコースの組み合わせで決まります。各社のカリキュラムがどの範囲を扱っているかを資料で見比べておくと、申請するコースの見当をつけやすくなります。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】総合eラーニング・LMSの資料を
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DX研修の導入メリットと、実施から成果定着までの進め方

研修サービスの候補が固まったら、次に必要になるのが社内での説明です。なぜやるのか、どう進めるのか、何をもって成果とするのかを一続きで整理します。

DX研修を導入するメリット

DXを推進する人材の不足は、多くの企業に共通する課題です。IPAの調査では、その状況が数値で示されています。

DXを推進する人材の「量」の確保状況を経年で見ると、「やや不足している」「大幅に不足している」の回答率の合計は2025年度で85.5%と依然として高い水準にあるものの、「大幅に不足している」は50.1%で2023年度の62.1%、2024年度の58.5%と比較すると、やや解消傾向にある

出典:DX動向2026 p.54|独立行政法人情報処理推進機構

この調査はDXに取り組んでいる企業を対象にしたもので、日本企業全体の割合ではありません。「大幅に不足している」は50.1%で、2023年度の62.1%から見ると不足感はやや和らいでいます。

不足を外部採用だけで埋めようとすると、採用競争と人件費の両面で負担が大きくなります。既存社員を育てる選択肢が現実的になるのは、この点に理由があります。自社の業務と組織を理解している人材がデジタルスキルを身につけたほうが、外部から採用した人材が業務を覚えるより早く成果につながる場面も少なくありません。

全社員にリテラシーが行き渡ると、部門間の会話が変わります。現場から改善の提案が出るようになり、情報システム部門が要件を翻訳する負担も軽くなります。推進役を担う人材が育てば、外部ベンダーへの依存度を下げ、要件定義の精度を上げることにもつながります。

相談から実施・フォローまでの流れ

研修サービスの導入は、資料請求と問い合わせから始まります。多くのサービスでは、現状の課題と育成対象をヒアリングしたうえで、カリキュラムの提案と見積もりが提示されます。この段階で、対象者の人数・実施時期・到達させたいレベルを整理しておくと、提案の精度が上がります。

助成金の活用を考えている場合、この時点で並行して準備を進める必要があります。前述のとおり計画届は訓練開始日の1か月前までに提出しなければならず、その前に職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定が必要です。研修の開始時期から逆算して、社内手続きの日程を先に押さえてください。

実施後のフォローは、サービスによって関与の深さが変わります。受講状況のレポートを提供するもの、修了判定を行うもの、実務への適用を伴走支援するものがあります。研修を単発で終わらせたくない場合は、契約前にフォローの範囲を確認しておくことが重要です。

成果測定と現場定着の指標

研修の成果をどう測るかは、次年度の予算を左右します。指標は段階に分けて置くと説明しやすくなります。受講率・修了率は実施状況を示す最も基本的な数字で、配信型の研修では特に重要です。受講前後のスキル診断を実施すれば、知識の定着を数値で比較できます。

ただし、受講と定着は別のものです。より実態に近い指標は、研修後に現場で起きた変化のほうにあります。業務改善の提案件数、内製化したツールの数、削減できた作業時間といった数字は、研修の投資対効果を直接示します。

指標を置くだけでなく、そもそも自社に必要なスキルを把握できているかが出発点になります。デジタルスキル標準を策定したIPAは、標準の使い方について次のように述べています。

各社がDXを通じて何をしたいのかというビジョン、その推進に向けた戦略を描いた上で、実現に向けてどのようなスキルを持ち、どのような役割を担う人材を確保・育成することが必要になるか、適切に設定することが重要であり、「DX推進スキル標準」はそのための参考となる。しかし、スキル標準から戦略を描こうとすることや、スキルを闇雲に身につければDXが進むというものではないことには留意が必要である。

出典:デジタルスキル標準 ver.2.0(2026年4月)p.53|経済産業省・情報処理推進機構

研修を選ぶ前に人材要件を定義しておくことが、結果的に成果測定の設計にもなります。何を任せたいかが決まっていれば、その業務ができるようになったかが指標になるためです。

指標の置き方は、公開されている導入事例が参考になります。作業時間の削減量を成果として示している例では、年間18,960時間や年間約10,300時間といった数字が公表されています。受講の完了自体を管理指標にしている例では、受講完了率97.2%という数字が出ています。

受講前と修了時にアセスメントを実施して合否を判定し、不合格なら再受験させる運用を組んでいるサービスもあります。自社が何をもって「育った」と判断するかを決めてから、それを測れる仕組みを持つサービスを選ぶ順序が現実的です。

単発の研修で現場が変わらなかった経験がある場合、原因は研修の内容よりも、育成の目的設定にあることが少なくありません。デジタルスキル標準を策定したIPA自身も、スキルを闇雲に身につければDXが進むわけではないと述べています。何のために誰を育てるのかを先に定め、その達成度を測る指標を研修の選定と同時に決めておくことが、定着につながります。

まとめ

DX人材育成の研修サービスは、受講対象と到達レベルによって設計が異なります。全社員へ基礎を広げる定額配信型、推進役を数か月かけて育てる演習型、専門職を実データで鍛える養成型、人材要件の定義から効果測定まで請け負う伴走型という4つの方向があります。自社が今どの層を育てようとしているかが決まれば、候補は自然に絞られます。

選定にあたっては、育成対象と到達レベル・学ぶ内容が対応する人材類型・実施形式とカスタマイズの可否・料金体系と助成金の対象可否・成果測定の仕組みという5つの軸で見比べてください。特に助成金は、2026年8月3日の改正で全社員向けリテラシー研修の扱いが変わっているため、どのコースで申請するかを含めて確認が必要です。

候補が複数残った場合は、資料を取り寄せてカリキュラムの詳細と見積もりを比べると、対象者の前提スキルと修了時の到達点まで確認できます。対象者の前提スキルと修了時の到達点をどこまで明示しているかは、資料に目を通すと違いがはっきりします。

育てる層がまだ定まっていない場合は選定診断ツールを、候補を並べ直したい場合は比較表を使ってください。

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DX人材育成研修に関するよくある質問

Q. DX人材育成とは何ですか?

A. DX人材育成とは、デジタル技術とデータを使って業務やビジネスモデルを変革できる人材を、社内で計画的に育てる取り組みです。

経済産業省とIPAが策定するデジタルスキル標準では、全ビジネスパーソンが身につける「DXリテラシー標準(DSS-L)」と、推進を担う専門人材の「DX推進スキル標準(DSS-P)」が別の指針として定義されており、育成の対象と到達レベルもこの区分に沿って考えるのが基本です。ツールの操作技能だけでなく、課題を見つけて周囲を巻き込む力も含まれます。

Q. DX人材育成研修の費用と期間はどれくらいが目安ですか?

A. DX人材育成研修の費用は、1人単価型・定額型・プロジェクト型のどの料金体系かで考え方が変わります。公開されている例では、1人単価型はコース料金が11,000円から178,200円(税込)の範囲、定額の受け放題型は100名利用時で1名あたり年額4,301円(税込)という水準が示されています。

伴走・カスタマイズ型は個別見積もりが中心で、実施期間も1日の集中形式から3〜4か月に及ぶものまで幅があります。詳しくは費用と助成金の節で扱っています。

Q. DX人材育成研修に人材開発支援助成金は使えますか?

A. DX人材育成研修は、訓練内容とコースの要件を満たせば人材開発支援助成金の対象になりえます。同助成金は2026年8月時点で7つのコースで構成され、DX人材育成に関係するのは主に「人への投資促進コース」と「事業展開等リスキリング支援コース」の2つです。

前者の高度デジタル人材訓練はDX推進スキル標準(DSS-P)のレベル3・4等に相当する訓練が対象で、経費助成率は中小企業75%・大企業60%と定められています。

注意が必要なのは事前手続きの期限です。計画届は訓練開始日の1か月前までに提出する必要があり(定額制訓練は契約期間の初日から起算して1か月前まで)、その前提として職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定が求められます。研修を申し込んでから助成金を調べ始めると間に合いません。

出典・参考資料(2件)

Q. 全社員向けのDXリテラシー研修にも助成金は使えますか?

A. 全社員向けのDXリテラシー研修は、2026年8月3日の改正により「事業展開等リスキリング支援コース」では助成対象外になりました。改正では「DXの概念、デジタル技術の概要、データ活用の考え方を学ぶ訓練」が助成対象外の例として示されており、全社員向けの基礎研修はこれに当たります。特定の職務に直接必要な内容かどうかが、対象を分ける基準です。

ただし、助成金がまったく使えなくなるわけではありません。同じ内容でも、「人への投資促進コース」の定額制訓練であれば、職務に関連した訓練が全体の5割以上を占めるなどの要件を満たす場合に対象になりえます。申請するコースによって扱いが変わるため、コース選択から見直してください。改正には経過措置も設けられているため、個別の可否は支給要領とパンフレットで確認したうえで管轄労働局にお問い合わせください。

出典・参考資料(2件)

Q. DX人材育成研修がデジタルスキル標準に対応しているかは、どう確認すればよいですか?

A. 資料に書かれた「デジタルスキル標準準拠」という記載について、どのバージョンの、どの人材類型に対応しているのかまでの確認が必要です。最新版は2026年4月公表のバージョン2.0で、DX推進スキル標準の人材類型は「データマネジメント」を加えた6類型・17ロールに再編されています。

旧版の類型数で説明されている資料は、カリキュラムが最新の区分をどこまで反映しているかを個別に問い合わせると、カリキュラムがどの版に対応しているかを確認できます。この対応関係は助成金の判定にも関わり、レベル3・4相当の訓練は、人への投資促進コースの高度デジタル人材訓練として助成率が高く設定されています。

出典・参考資料(1件)

Q. DX人材育成はどの部門・階層から始めるべきですか?

A. DX人材育成は、課題の大きい業務を抱える現場部門と、その課題を企画に落とせる推進役の両方から着手するのが基本です。現場だけを育てても投資判断が進まず、企画部門だけを育てても業務の実態と噛み合いません。着手の順序に迷う場合は、育成後にその人材へ何を任せるかを先に書き出してください。任せたい業務から逆算すると、対象部門と到達レベルが具体的に決まり、研修の選定基準にもなります。

Q. DX人材育成研修を受けさせる社員は、社内でどう選べばよいですか?

A. 全社員向けか選抜かで選び方が変わり、選抜する場合は「育成後にどの業務を任せるか」から逆算します。全社員向けのリテラシー研修は対象を絞らないため、選抜の議論は不要です。

推進役や専門人材を選抜する場合、志願制だけで決めると、学習意欲は高いが育成後に任せる業務がない、という状態になりがちです。先に「この人に半年後どの業務を担ってもらうか」を書き出し、その業務に必要な技能から逆算すると、対象者と到達レベルが同時に決まります。現状のスキルを可視化するアセスメントを持つサービスなら、受講前診断の結果を選抜の材料に使えます。

Q. IT未経験の社員でもDX人材育成研修を受講できますか?

A. IT未経験者を前提に設計されたDX人材育成研修は多く、受講自体は可能です。全社員向けリテラシータイプは、DXの背景・データの読み方・AIやクラウドの基礎知識・セキュリティ上の留意点が中心で、前提知識を求めません。

専門人材向けでも、プログラミング未経験の非IT職を対象に業務自動化の実装まで引き上げるプログラムがあります。一方で、一定の技術知識を前提に資格取得を目指すものもあるため、開始時の前提スキルと修了時の到達点が明記されているかを資料で確認してください。

Q. DX研修で人材開発支援助成金を使う場合、申請手続きは社内で対応できますか?

A. 社内で対応する企業も多い一方、事前手続きの期限が厳しいため、研修の検討と同時に着手する必要があります。手続きそのものは、計画届の提出と支給申請の2段階です。

つまずきやすいのは書類の複雑さよりも日程です。職業訓練実施計画は訓練開始日の1か月前までに管轄労働局へ提出する必要があり、その前提として職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定が求められます。研修の契約を決めてから準備を始めると、初回の実施が助成の対象外になることがあります。

研修サービスの側で助成金の相談窓口や解説ページを用意している場合もありますが、申請主体はあくまで事業主です。判断に迷う点は、事業所を管轄する都道府県労働局の助成金担当窓口に確認してください。

Q. 配信型のDX研修で受講が進まない場合、どう対処すればよいですか?

A. 受講状況を追える仕組みと、業務時間内に受講する運用の 2つを先に用意しておくのが基本です。教材を配って案内するだけでは、通常業務が優先されて受講が後回しになります。

定額配信型のサービスの多くは受講履歴や進捗を管理する機能を備えており、部署別・個人別に受講状況を確認できます。誰が進んでいないかが見えれば、上長からの声かけや期限の再設定といった手が打てます。集合研修やワークショップを組み合わせる形式は日程が固定されるぶん受講率が上がりやすく、配信型で進まない場合の選択肢になります。

定額制の研修サービスで人材開発支援助成金を使う場合、支給申請の時点で修了した訓練の標準学習時間が合計10時間以上であることが要件です。受講が進まないと助成の対象からも外れるため、受講管理は費用面にも直結します。

Q. 中小企業でもDX人材育成研修は必要ですか?

A. 中小企業ほど、外部採用でDX人材を確保するより既存社員を育てるほうが現実的な選択肢になります。IPAの調査では、DXを推進する人材の「量」について「やや不足している」「大幅に不足している」と回答した企業の合計は2025年度で85.5%に上り、採用競争と人件費の負担は規模の小さい企業ほど重くなります。

自社の業務と組織を理解している社員がデジタルスキルを身につけたほうが、外部から採用した人材が業務を覚えるより早く成果につながる場面もあります。定額の受け放題型など、少人数から始めやすい料金体系のサービスもあります。

出典・参考資料(1件)

Q. DX人材育成は社内で内製するのと外部研修を使うのと、どちらがよいですか?

A. 内製と外部研修は、育てたい層の到達レベルが自社の既存知見で届く範囲かどうかで使い分けます。自社の業務手順や社内ツールの使い方は、実態を知る社内の担当者が教えたほうが現場に合います。

一方、データ分析や機械学習の実装のように、体系立ったカリキュラムと演習環境・講師が要る領域は、外部のプログラムが向きます。人材要件の定義や現状スキルの診断から支援を受けたい場合は、伴走・カスタマイズ型で設計を任せつつ、運用の仕組みを社内に残す形で段階的に内製化する進め方もあります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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