取引先から届く請求書や領収書、メールに添付されたPDFの保存方法に、頭を悩ませていませんか。2024年1月以降、電子的にやり取りした取引データは原則としてデータのまま保存することが求められ、紙に印刷して保管するだけでは要件を満たせない場面が増えています。
電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律、以下「電帳法」)は、保存する書類の性質によって求められる要件が細かく分かれます。自社が何に対応すべきかを見極めたうえで、その要件を満たすシステムをどう選べばよいのでしょうか。
本記事では、電帳法対応システム18サービスを比較・解説します。3つの保存区分と保存要件を整理したうえで、対応する書類や業務範囲別に自社に合うシステムを選ぶための判断材料をまとめました。自社の課題に合ったシステムを見つけるための参考情報としてご活用ください。
また、今すぐ比較したい方に向けて、「電子帳簿保存法対応システムの比較表」や、最短で自社に合う製品がわかる「30秒で終わる選定診断ツール」もご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
電子帳簿保存法対応システムとは?
電子帳簿保存法対応システムとは、帳簿や請求書・領収書などの国税関係書類を、電帳法が定める要件を満たした形で電子データとして保存・管理するためのシステムです。紙の書類をスキャンして保存したり、メールやクラウドで受け取った取引データを検索できる状態で蓄積したりする役割を担います。
電帳法は、帳簿・書類を電子データで保存する際のルールを定めた法律です。2022年1月と2024年1月の改正を経て、電子的にやり取りした取引データの保存が実務上避けて通れないものになりました。手作業やファイルサーバーでの管理では、後述する検索機能や改ざん防止の要件を満たすのが難しく、専用システムの導入を検討する企業が増えています。
電子帳簿保存法の3つの保存区分と対応義務
ここからは、電帳法が定める3つの保存区分と、それぞれの対応が任意か必須かを整理します。自社がどの区分に対応すべきかを見極めることが、システム選定の出発点になります。

電子帳簿等保存(任意)
電子帳簿等保存は、会計ソフトなどで最初から電子的に作成した帳簿・書類を、そのまま電子データで保存する区分です。対応するかどうかは企業の任意で、従来どおり紙に印刷して保存する選択も認められています。条文でも、電子データの保存を紙の保存に「代えることができる」と定められています。
保存義務者は、国税関係帳簿(財務省令で定めるものを除く。…)の全部又は一部について、自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する場合には、財務省令で定めるところにより、当該国税関係帳簿に係る電磁的記録の備付け及び保存をもって当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えることができる。
出典:電子帳簿保存法 第4条第1項|e-Gov法令検索
スキャナ保存(任意)
スキャナ保存は、取引先から紙で受け取った請求書や領収書、自社で発行した書類の写しを、スキャナやスマートフォンで読み取って電子データとして保存する区分です。これも対応は任意で、紙のまま保存を続けることもできます。ただし電子化する場合は、タイムスタンプや検索機能など一定の要件を満たす必要があります。
電子取引データ保存(必須)
電子取引データ保存は、メール添付・EDI・クラウドサービス・ECサイトなど、電子的にやり取りした取引情報をデータのまま保存する区分です。この区分だけは、法律上「保存しなければならない」と定められた義務であり、任意ではありません。
所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。
出典:電子帳簿保存法 第7条|e-Gov法令検索
電子取引データの電子保存の義務そのものは2022年1月に始まりましたが、準備が整わない企業向けに出力書面での保存を認める宥恕(ゆうじょ)措置が2023年12月31日まで設けられていました。この措置が終了したため、2024年1月以降は原則としてデータのまま保存することが求められます。
ただし「相当の理由」がある事業者には、検索要件などを一部緩和する猶予措置もあり、紙保存が一切認められないわけではありません。
このように、3区分のうち電子取引データ保存はすべての事業者が避けて通れない対応であり、電帳法対応システムを検討する多くの企業にとって最初の起点になります。
出典・参考資料(3件)
電子帳簿保存法の保存要件(真実性・可視性の確保)
続いて、電子データを保存する際に満たすべき要件を確認します。要件は大きく「真実性の確保」と「可視性の確保」の2つに分かれ、システムに求めるべき機能を判断する土台になります。
真実性の確保
真実性の確保とは、保存したデータが後から改ざんされていないことを担保する要件です。電子取引データの場合、次の4つの措置のいずれかを満たせばよいとされています。
- 取引情報の授受の後、速やかにタイムスタンプを付与する
- データの授受の前にタイムスタンプが付されている
- 訂正・削除の履歴が残る、または訂正・削除ができないシステムで授受・保存する
- 正当な理由がない訂正・削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用する
4番目の事務処理規程はシステムを使わず社内ルールで対応する方法ですが、運用の手間や属人化のリスクを考えると、タイムスタンプの自動付与や訂正・削除履歴の記録をシステムで担保するほうが現実的です。この点が、専用システムを導入する大きな理由になります。
三 次に掲げる要件のいずれかを満たす電子計算機処理システムを使用して当該取引情報の授受及び当該電磁的記録の保存を行うこと。イ 当該電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行った場合には、これらの事実及び内容を確認することができること。ロ 当該電磁的記録の記録事項について訂正又は削除を行うことができないこと。
出典:電子帳簿保存法施行規則 第4条第1項|e-Gov法令検索
可視性の確保(検索機能)
可視性の確保とは、保存したデータを税務調査などの際に速やかに確認・出力できる状態にしておく要件です。具体的には、ディスプレイやプリンタで整然かつ明瞭に出力できることに加え、次の検索機能を備えることが求められます。
- 取引年月日その他の日付・取引金額・取引先を検索条件として設定できる
- 日付・金額は範囲を指定して検索できる
- 2つ以上の項目を組み合わせて検索できる
イ 取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先(ロ及びハにおいて「記録項目」という。)を検索の条件として設定することができること。ロ 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。ハ 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。
出典:電子帳簿保存法施行規則 第2条第6項第5号|e-Gov法令検索
ただし検索機能には例外があります。税務調査でデータのダウンロードの求めに応じられる場合は範囲指定・組み合わせ検索が不要になり、基準期間の売上高が5,000万円以下などの小規模事業者はさらに要件が緩和されます。自社が原則の要件と緩和の対象のどちらに当てはまるかは、事前に確認しておくと選定の幅が変わります。
出典・参考資料(1件)
電子帳簿保存法対応システムの主な機能
ここでは、前章の保存要件(真実性・可視性の確保)を実務で満たすために、システムがどの機能で応えるのかを対応づけて確認します。次章の「選び方」が製品を絞る比較軸であるのに対し、本章は要件と機能の関係を押さえるための整理です。
- AI-OCRによるデータ化:紙やPDFの書類を読み取り、日付・金額・取引先などを自動で抽出してデータ化します。手入力の負担と入力ミスを減らせます。
- タイムスタンプの付与・訂正削除履歴の記録:真実性の確保に必要な改ざん防止措置を、システム上で自動的に担保します。
- 検索機能:取引年月日・取引金額・取引先による検索や範囲指定・組み合わせ検索に対応し、可視性の要件を満たします。
- 電子データの一元保管:スキャナ保存した書類と電子取引データを1か所にまとめ、区分ごとの保存要件を維持したまま管理します。
- 会計・経費システムとの連携:抽出したデータを仕訳や支払、経費精算のワークフローに引き渡し、保存だけでなく後続業務まで効率化します。
電子帳簿保存法対応システムを導入するメリット
システムの導入は、法対応そのものだけでなく、日々の経理業務にも効果をもたらします。主なメリットを3点に整理します。
書類管理業務の効率化
AI-OCRによるデータ化と検索機能によって、書類を探す・仕分ける・入力する手間が大きく減ります。紙の書類をファイリングして倉庫から出し入れする作業がなくなり、必要なデータを検索ですぐに呼び出せるようになります。
保管コストと紛失リスクの削減
紙の保管に必要なスペースやファイル代、郵送コストを圧縮できます。電子データはバックアップも取りやすく、紙のように紛失・劣化する心配が少ない点も見逃せません。
内部統制の強化
タイムスタンプや訂正・削除履歴によって、いつ・誰が・何を扱ったかの記録が残ります。承認フローと組み合わせれば、不正や誤りを防ぐ仕組みを自然に業務へ組み込め、監査対応もしやすくなります。
電子帳簿保存法対応システムの選び方
ここからは、自社の対応区分や業務に合うシステムを絞り込むための比較ポイントを解説します。次の観点を自社の状況に当てはめて検討すると、候補を効率よく絞れます。
対応する書類の範囲で選ぶ
まず、電子化したい書類の種類を洗い出すことが出発点になります。請求書や領収書だけを対象にしたいのか、契約書・発注書・見積書など幅広い書類をまとめて保存したいのかで、適したシステムは変わります。特定の書類に特化した製品と、幅広い書類を一元管理できる製品があるため、自社の課題の中心がどこにあるかを先に決めると選びやすくなります。
スキャナ保存要件・AI-OCRの精度で選ぶ
紙の書類を扱うなら、スキャナ保存の要件に対応し、AI-OCRの読み取り精度が高い製品が向いています。読み取ったデータの修正に手間がかかると、かえって業務負担が増えてしまいます。1回あたりの読み取り枚数や、明細行まで自動で抽出できるかといった処理能力も、扱う書類量が多い企業ほど重要な判断軸になります。
JIIMA認証の有無で確認する
電帳法の要件を満たしているかを自力で判断するのは簡単ではありません。そこで目安になるのが、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)による法的要件認証です。JIIMAは市販ソフトが電帳法の各区分の要件を満たすかを審査しており、保存区分ごとに複数の認証制度を設けています。
電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証制度/電子帳簿ソフト法的要件認証制度/電子取引ソフト法的要件認証制度/電子書類ソフト法的要件認証制度/デジタルシームレスソフト法的要件認証制度
出典:JIIMA認証制度|公益社団法人日本文書情報マネジメント協会
自社が対応したい区分に対応する認証を取得しているかを確認すると、要件適合の判断がしやすくなります。認証の対象区分は製品ごとに異なるため、JIIMAの認証製品一覧や各社の公式情報で個別に確かめるのが確実です。
出典・参考資料(1件)
既存業務(請求書受領・経費精算)との連携で選ぶ
電子保存を単独の作業で終わらせず、請求書の受領や経費精算といった既存業務と一体で効率化できるかも重要です。受領した請求書をそのまま支払や会計仕訳に流せる製品、領収書の経費精算と保存を同時に行える製品など、自社の業務フローに組み込みやすいものを選ぶと、導入効果が高まります。
料金・サポート・セキュリティで選ぶ
初期費用や月額料金の体系、無料プランやトライアルの有無は、導入のハードルを左右します。あわせて、法改正への追従や導入時のサポート体制、データを預けるうえでのセキュリティ対策(ISMS認証の取得など)も確認しておくと、運用開始後のミスマッチを避けられます。
特に、まずは必須である電子取引データ保存だけを低コストで満たしたい場合は、無料プランや低価格帯のプランを備えた製品から検討すると、負担を抑えて対応を始められます。将来的にスキャナ保存や経費精算まで広げる可能性があれば、その拡張余地もあわせて見ておくとよいでしょう。
電子帳簿保存法対応システムのタイプ(対応書類・業務範囲別)
電帳法対応システムは、対応する書類と業務範囲によって大きく3つのタイプに分けられます。自社の一番の課題がどこにあるかを起点に、どのタイプが合うかを見ていきましょう。
幅広い書類の電子保存に対応するタイプ
請求書や領収書だけでなく、契約書・発注書・見積書・納品書など幅広い国税関係書類を一元的に電子保存したい企業に向いたタイプです。スキャナ保存と電子取引の両方に対応し、文書管理やAI-OCRを備えるものが多く、まず電帳法に沿った保存体制を整えたい場合の基盤になります。
受取請求書の受領・電子保存に強いタイプ
取引先から届く請求書の受領・データ化・電子保存を軸に、支払や会計連携まで効率化したい企業に向いたタイプです。大量の請求書を扱う経理部門の負担軽減と、電帳法の保存要件への対応を同時に実現できます。受取請求書業務が課題の中心なら、このタイプが候補になります。
領収書中心・経費精算と一体のタイプ
従業員が受け取る領収書のスキャナ保存と、経費精算業務を一体で効率化したい企業に向いたタイプです。スマートフォンで領収書を撮影してAI-OCRでデータ化し、そのまま経費精算のワークフローに乗せられます。経費精算の効率化と電帳法対応をまとめて進めたい場合に適しています。
3つのタイプと、それぞれに該当する主なサービスを一覧で整理すると、次のとおりです。
| タイプ | 幅広い書類の電子保存に対応するタイプ | 受取請求書の受領・電子保存に強いタイプ | 領収書中心・経費精算と一体のタイプ |
|---|---|---|---|
| 特徴・向いている企業 | 契約書・発注書など請求書以外も含め幅広い書類を一元保存したい企業 | 取引先から届く請求書の受領・保存・支払連携が課題の企業 | 領収書のスキャナ保存と経費精算をまとめて効率化したい企業 |
| 該当する主なサービス | invox電子帳簿保存、OPTiM 電子帳簿保存、バクラク電子帳簿保存 ほか | Bill One請求書受領、マネーフォワード クラウド債務支払、TOKIUMインボイス ほか | 楽楽精算、バクラク経費精算、TOKIUM経費精算 ほか |
※上記は各タイプの一般的な傾向です。個別のサービスの対応範囲や機能は各社情報をご確認ください。
しかし、自社がどのタイプに適しているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
電子帳簿保存法対応システムの選定診断
【比較表】電子帳簿保存法対応システムを比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせた比較・選定ができるよう、主要な電子帳簿保存法対応システム18製品を3つのタイプ別に分類してご紹介します。対応する保存区分・JIIMA認証・料金・既存業務との連携などを一覧で比較できます。各サービスの詳細は、資料請求または各社の公式サイトで確認できます。
表内の記号は、◎=特に手厚く対応、●=対応、△=一部対応・代替手段で対応、要確認=公式情報で確認できず、を表します。料金は各社が公表する表記に合わせているため税抜・税込が混在します。導入時は各社の最新の見積もりで税区分を含めてご確認ください。
幅広い書類の電子保存に対応するタイプの比較
| サービス名 | invoiceAgent | invox電子帳簿保存 | OPTiM 電子帳簿保存 | バクラク電子帳簿保存 | 楽楽電子保存 | DataDelivery | DenHo(デンホー) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応する保存区分 | スキャナ保存・電子取引・電子書類 | スキャナ保存・電子取引 | スキャナ保存・電子取引 | スキャナ保存・電子取引・国税関係帳簿書類 | スキャナ保存・電子取引 | スキャナ保存・電子取引・電子帳簿等保存 | スキャナ保存・電子取引 |
| AI-OCR・自動データ化 | ● | ●(AI-OCR約10秒/オペレータ入力も選択可) | ●(登録番号まで自動抽出) | ●(最大100枚一括読み取り) | ●(6項目抽出・登録番号照合) | △(上位システムから連携) | ●(手書き帳票も対応) |
| JIIMA認証 | ● | ● | ● | ● | ● | ◎(5区分・令和7年度改正のシームレスまで取得) | ● |
| タイムスタンプ | ●(アップロード時に自動付与) | ●(ベーシック以上・追加料金なし) | ●(オプション提供) | ● | ●(自動付与) | △(非改ざんDBで担保) | ●(標準搭載・追加費用なし) |
| 月額料金の目安 | 15,000円〜(電子取引・月200通以下) | 1,980円〜(税込2,178円〜) | 9,980円〜(税抜) | 12,000円〜(税別) | 17,000円〜(税抜)※初期費用5万円 | 要問い合わせ | 9,000円〜(1社あたり) |
| 無料プラン・トライアル | 要問い合わせ | 無料トライアル(データ化10件まで) | 無料プランあり(月10件まで) | 無料プランあり(月200件まで) | 無料プランあり(楽楽明細受領分のみ) | 要問い合わせ | 無料トライアル(5日間) |
| 既存業務との連携 | 帳票の配信・受信、Box連携 | API連携・EDI取込(上位プラン) | SharePoint・EDI取込(会計連携は要確認) | バクラクシリーズ連携・API | 楽楽明細・楽楽精算と自動連携 | 上位システムとREST API連携 | 会計ソフトへ自動仕訳・kintone連携 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
受取請求書の受領・電子保存に強いタイプの比較
| サービス名 | Bill One(ビルワン)請求書受領 | マネーフォワード クラウド債務支払 | TOKIUMインボイス | BtoBプラットフォーム 請求書 | 奉行Edge 受領請求書DXクラウド | ハーモス請求書(HRMOS請求書) | Concur Invoice | freee支出管理 受取請求書 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応する保存区分 | スキャナ保存・電子取引 | スキャナ保存・電子取引 | スキャナ保存・電子取引 | スキャナ保存・電子取引 | スキャナ保存・電子取引 | スキャナ保存・電子取引 | スキャナ保存・電子取引 | スキャナ保存・電子取引 |
| AI-OCR・自動データ化 | ●(精度99.9%・AI+オペレーター) | ● | ●(オペレーター二重入力+AI-OCR) | ●(紙・PDFをデータ化/Peppol対応) | ●(Peppol受領にも対応) | ●(明細行まで読み取り) | ●(Invoice Capture) | ●(自動仕訳まで) |
| JIIMA認証 | ● | ● | ● | ● | 要確認 | ● | ●(電帳法スキャナ保存ソフト認証) | 要確認 |
| タイムスタンプ | ● | ●(電帳法オプション利用時に自動付与) | ● | △(訂正削除不可システムで担保・タイムスタンプ付与なし) | ●(自動付与) | ● | ●(自動付与で紙の破棄が可能) | ●(オプション提供) |
| 月額料金の目安 | 要問い合わせ(受領件数に応じた年額制) | 2,480円〜(税抜・年払い)※電帳法オプション980円/月 | 要問い合わせ(基本料金+従量課金) | 要問い合わせ(通数に応じた従量制) | 年額156,000円〜(600枚/年・税抜) | 要問い合わせ(受取プラン17,000円〜との情報) | 要問い合わせ(個別見積もり) | 4,980円〜(税抜・年払い、受取請求書キャビネット) |
| 無料プラン・トライアル | 要問い合わせ | 無料トライアル(1ヶ月) | 要問い合わせ | 無料プランあり(範囲は要確認) | 無料トライアル(30日間) | 無料トライアルあり(要確認) | 要問い合わせ | 無料デモあり(無料トライアルは要確認) |
| 既存業務との連携 | API連携・FBデータ作成 | MFクラウド会計連携・銀行振込API・FBデータ | 勘定奉行・SAP・freee・弥生等と連携 | 弥生・PCA・マネーフォワード等の会計と連携 | 勘定奉行・債務奉行クラウドと直接連携 | 経費精算と一体・100種類以上の会計連携 | SAP S/4HANA・SAP ERPとネイティブ連携 | freee会計と連携・支払/振込 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
領収書中心・経費精算と一体のタイプの比較
| サービス名 | 楽楽精算 | バクラク経費精算 | TOKIUM経費精算 |
|---|---|---|---|
| 対応する保存区分 | スキャナ保存・電子取引 | スキャナ保存・電子取引 | スキャナ保存・電子取引 |
| AI-OCR・自動データ化 | ●(領収書をスマホ撮影) | ●(領収書をスマホ撮影) | ●(AI-OCR+オペレーター代行入力) |
| JIIMA認証 | ● | ●(電子取引・スキャナ保存認証) | ● |
| タイムスタンプ | ●(アップロード時に自動付与) | ● | ●(標準実装) |
| 月額料金の目安 | 30,000円〜(税抜)※初期費用10万円 | 30,000円〜(料金表DL制) | 10,000円〜(税抜・従量課金/アカウント無制限) |
| 無料プラン・トライアル | 無料トライアルあり | 要問い合わせ | 無料トライアルあり(条件は要確認) |
| 既存業務との連携 | 経費精算・請求書支払・会計ソフト連携 | バクラクシリーズ連携・会計ソフト連携 | 36種類以上の会計・ERP連携 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
電子帳簿保存法対応システムのサービス個別紹介
ここからは、各サービスの機能・料金・対応する保存区分・JIIMA認証などを、タイプ別に紹介します。自社の課題に近いタイプから読み進めてください。
幅広い書類の電子保存に対応するタイプ
契約書や発注書も含め、幅広い書類の電子保存を担う7サービスです。まず電帳法に沿った保存基盤を整えたい企業に向いています。
1. invoiceAgent(ウイングアーク1st株式会社)

帳票基盤「SVF」で国内に実績を持つウイングアーク1st株式会社が提供する、企業間取引文書の電子保存・文書管理サービスです。請求書・支払通知書・注文書・納品書・契約書など幅広い書類を元のフォーマットを保ったまま電子化し、電子取引データやスキャンした書類をクラウド上で一元的に保存・管理できます。文書の配信・受信もあわせて行える点が特徴です。
電子帳簿保存法・インボイス制度への対応では、「invoiceAgent 電子取引」がJIIMAの電帳法スキャナ保存・電子書類・電子取引の3区分の法的要件認証を取得しています。
料金は配信数に応じた体系で、月200通以下の小規模利用なら初期費用0円・月額15,000円から利用できます。Web配信と郵送代行を併用できるため、取引先の受け取り方法に応じて使い分けられます。
2. invox電子帳簿保存(株式会社invox)

請求書・契約書・領収書・納品書など国税関係書類と、メールなどでやり取りした電子取引データの電子保存に特化した、株式会社invoxのクラウド文書管理システムです。電帳法3区分のうちスキャナ保存と電子取引データ保存に対応し、アップロードした書類から検索要件の「取引年月日・取引金額・取引先」を自動でデータ化します。
データ化は、セルフ入力・AI-OCR(約10秒)・オペレータ入力(数時間〜3営業日)の3方式から選べます。JIIMAの電子取引ソフト認証とスキャナ保存ソフト認証の両区分を取得している点も、要件適合の裏付けになります。
料金は初期費用0円で、月額はミニマム1,980円(税込2,178円)からプロフェッショナル29,800円(税込32,780円)までの3プランです。全プランでユーザー数は無制限で、AI-OCRは1件22円(税込)などデータ化の従量単価も公開されています。
3. OPTiM 電子帳簿保存(株式会社オプティム)

東証プライム上場の株式会社オプティムが提供する、AIを活用した文書管理クラウドサービスです。請求書・領収書・注文書・見積書などをアップロードすると、AIが取引年月日・取引金額・取引先名に加えてインボイス登録番号まで自動で抽出し、電帳法の検索要件を満たす形で台帳化します。
電帳法の対応区分は電子取引データ保存とスキャナ保存で、いずれもJIIMAの法的要件認証を取得しています。抽出したインボイス登録番号の有効性を自動でチェックする機能や、見積書から請求書までの関連書類を紐づけて参照できる機能を備えます。
料金は初期費用なしで、月額0円から使える無料プラン(月10件まで)から始められます。有料プランはスターターの月額9,980円からビジネスの49,800円(いずれも税抜)まで、月間のアップロード件数に応じて選べます。
4. バクラク電子帳簿保存(株式会社LayerX)

最大100枚のPDF・画像ファイルをまとめてアップロードし、AI-OCRが取引先名・取引日・取引金額を自動で読み取るクラウド型の電子帳簿保存システムです。運営元は、経費精算や請求書受取などのバクラクシリーズを展開する株式会社LayerXです。
公式サイトによれば、電子取引・スキャナ保存・国税関係帳簿書類の3区分すべてに対応します。アップロードした書類の保存区分やインボイス登録番号を自動で判定し、タイムスタンプ付与まで行います。外貨は36通貨に対応します。
初期費用は無料で、月200件までの保管に対応する無料プランを期間の制限なく利用できます。有料プランは月額12,000円(税別)からで、年間契約・一括払いが条件です。
5. 楽楽電子保存(株式会社ラクス)

経費精算システム「楽楽精算」などを展開する株式会社ラクスの「楽楽クラウドシリーズ」に属する、クラウド型の電子帳簿保存システムです。電子データも紙のスキャン画像も問わず、請求書・領収書・納品書などの証憑を一元管理し、電帳法の保存要件を満たす形で保存します。
AI-OCRは取引年月日・金額・取引先名・事業者登録番号など6項目を自動で抽出し、登録番号は国税庁データと照合します。電子取引・スキャナ保存の両区分でJIIMA認証を取得しており、「楽楽明細」「楽楽精算」で扱った証憑を自動連携して保存できる点も特徴です。
料金は初期費用50,000円(税抜、専任担当による導入支援を含む)と月額17,000円(税抜)からで、月間のアップロード件数に応じて変動します。「楽楽明細」で受領した書類だけを保存する無料プランも用意されています。
6. DataDelivery(JFEシステムズ株式会社)

JFEスチールグループの情報システム会社であるJFEシステムズ株式会社が2009年から提供する、データの長期保存・証跡管理システムです。特許を取得した独自データベースにデータや電子文書を改ざんできない状態で長期保存し、汎用ビューアで高速に検索できる基盤として、電子取引や帳簿など用途別のソリューションが構築されています。
電帳法の電子帳簿等保存・スキャナ保存・電子取引データ保存の3区分すべてに対応し、令和7年度改正の自動保存・自動連携に対応するデジタルシームレスソフト認証を含め、JIIMAの法的要件認証を5種類取得しています。
提供形態はオンプレミス版に加え、Microsoft Azure基盤のSaaS「DataDeliveryクラウド」も選べます。2009年からの提供で4,700社以上の導入実績があり、料金は公式サイトで非公開のため個別の問い合わせが必要です。
7. DenHo(デンホー)(株式会社インフォディオ)

紙帳票のスキャンやスマートフォン撮影、電子データのアップロードに対応した、株式会社インフォディオのAI-OCRクラウドサービスです。取引先名・取引日付・取引金額をAIが自動でデータ化し、電帳法とインボイス制度に対応した保存・検索を行います。
電帳法では電子取引とスキャナ保存の2区分でJIIMA認証を取得しています。タイムスタンプを追加費用なしで標準搭載し、手書き帳票の読み取りや全文検索、スキャナー連携・共有フォルダの自動監視など複数のアップロード経路に対応します。
料金は1社あたり月額9,000円からで、初期費用は要問い合わせです。5日間の無料トライアルでは実際のデータを使って読み取り項目や操作を確認できるため、導入前に自社の帳票で精度を試せます。
受取請求書の受領・電子保存に強いタイプ
取引先から届く請求書の受領から保存・支払連携までを担う8サービスです。受取請求書業務の効率化と電帳法対応を同時に進めたい企業に向いています。
電帳法対応にとどまらず、受領方法や料金・会計連携まで含めて請求書受領サービス全般を比較したい場合は、以下の記事でタイプ別の選び方と各サービスの特徴を確認できます。
8. Bill One(ビルワン)請求書受領(Sansan株式会社)

紙・メール・PDF・Peppolなど、あらゆる形式で届く請求書をSansan株式会社が代理受領し、スキャン技術と入力オペレーターを組み合わせてデータ化したうえで、クラウドで一元管理するサービスです。取引先に負担をかけずに受領窓口を集約できます。
受領した請求書は紙・電子の形式を判別し、それぞれの保存要件を満たして電子保管します。受領機能についてJIIMAの電子取引ソフト法的要件認証を取得しており、インボイス制度では登録番号の国税庁照会や消費税額の検算にも対応します。
料金は受領する請求書の年間件数に応じた個別設定で、初期費用には専任担当者による導入支援が含まれます(いずれも要問い合わせ)。紙も含めたあらゆる形式の請求書を代理受領できる点が、受取業務全体を効率化したい企業の判断材料になります。
9. マネーフォワード クラウド債務支払(株式会社マネーフォワード)

株式会社マネーフォワードが提供する、請求書の受領から支払管理までを一つに束ねる債務管理システムです。事前の支払申請・稟議と、受け取った請求書に基づく支払を同一システム内で紐づけて管理できます。
AI-OCRが支払先・支払期日・請求金額・適格請求書発行事業者の登録番号を自動で読み取り、登録番号は国税庁の情報と照合して有効性を判定します。承認は最大10ステップのワークフローを組め、電帳法はJIIMAのスキャナ保存ソフト認証と電子取引ソフト法的要件認証を取得しています。
支払段階では全銀協形式のFBデータ生成と、一部銀行のインターネットバンキングAPI連携に対応し、マネーフォワード クラウド会計へ仕訳を連携できます。初期費用は0円、パッケージプランは月額2,480円〜(税抜・年払い、中堅以上は要見積もり)で、電帳法オプションは月980円(税抜)です。
こうした受領・支払業務の効率化が導入現場でどの程度の成果につながるのかについて、提供元の株式会社マネーフォワードは次のように述べています。

京都トヨペット様の事例では、6日分の工数削減を実現されています。効果を感じていただくスピードについては、特に紙の押印リレーのようなアナログな業務プロセスからの移行であれば、導入後の初回の支払サイクルが完了した時点で「今月は楽だった」と実感していただけるケースが多いです。
10. TOKIUMインボイス(株式会社TOKIUM)

郵送・メール・FAX・取引先のWebサイトなど、形式を問わず請求書の受領を代行し、原本の保管まで引き受ける点が特徴のサービスです。経理領域に特化したクラウドを展開する株式会社TOKIUMが提供しています。
データ化は、2人のオペレーターの入力が一致した場合のみ確定する二重入力(ベリファイ)にAI-OCRを組み合わせる方式です。電帳法はJIIMA認証を取得してタイムスタンプ付与・検索機能を備え、勘定奉行やSAP、freee、弥生会計など複数の会計ソフトと連携します。
料金は初期費用が月あたり1万円〜、基本料金に請求書の件数に応じた従量課金を加える体系で、アカウント数は無制限です。受領した紙の原本はTOKIUMが代行保管するため、社内でのファイリングや保管の作業を減らせます。
11. BtoBプラットフォーム 請求書(株式会社インフォマート)

請求書の発行と受領を同じプラットフォーム上で扱えるクラウドサービスで、株式会社インフォマートが運営しています。取引先が発行したデジタル請求書はそのまま受領でき、紙やPDFはAI-OCRでデータ化して同じ基盤に集約します。
受領経路はデジタル受領・AI-OCR・Peppolの3系統に対応し、2026年1月からは受領業務そのものを委託できるBPO「データ化おまかせサポート」も加わりました。改正電帳法・インボイス制度に対応し、JIIMAの法的要件認証を取得、国税関連書類は最大12年間保管できます。
利用企業数は1,289,545社(2025年8月時点)にのぼり、取引先はプラットフォームを無料で利用できます。取引先の多くがすでに利用しているほど受領を電子で完結しやすくなるため、この規模が受取側の効率化に直結します。料金は請求書の通数に応じたプランで、初期費用・月額とも要問い合わせです。
12. 奉行Edge 受領請求書DXクラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

会計ソフト「奉行」シリーズを手がける株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)が、2024年10月に発売した受領請求書向けのクラウドサービスです。
紙・PDF・メール・専用ページ・Peppolで受け取った請求書をAI-OCRでデータ化し、電帳法に対応した形で保管します。科目・消費税区分を自動判定して仕訳を作成し、支払予定表やFBデータの作成まで行えます。
勘定奉行クラウド・債務奉行クラウドと直接連携できるため、すでに奉行クラウドを使う企業は受領から会計処理までを同社製品内で完結できます。料金は初期費用0円、年間の受領枚数に応じた段階制で、600枚/年プランは年額156,000円〜(税抜)、30日間の無料お試しがあります。
13. ハーモス請求書(HRMOS請求書)(株式会社ビズリーチ)

経費精算システム「ハーモス経費」の請求書受取機能として提供されるサービスで、株式会社ビズリーチが運営しています。請求書の受取と発行の両方を、経費精算と同じシステムで管理できます。
経理・会計に特化したAI-OCRが請求書を明細行まで自動でデータ化し、メール添付PDFの自動取込にも対応します。承認は最大10段階のワークフローを組め、自動仕訳やFBデータの作成、適格請求書の登録番号(T番号)の国税庁データ照合を備えます。電帳法はJIIMA認証を取得しています。
請求書受取は経費精算「ハーモス経費」の一機能として提供されるため、料金プランは提供形態によって異なります。導入を検討する際は、公式で最新のプラン内容を確認するのが確実です。
14. Concur Invoice(株式会社コンカー)

SAPグループの日本法人である株式会社コンカーが提供する、サプライヤー請求書の受領から承認・支払までを自動化するクラウドサービスです。
紙・PDF・電子データの請求書を一つのプラットフォームで取り込み、Invoice Capture(AI-OCR)でデータ化します。承認ワークフローは部門ごとの費用分割にも対応し、電帳法はタイムスタンプの自動付与で紙の破棄が可能、インボイス制度やPeppolにも対応します。
SAP S/4HANAやSAP ERPとネイティブに連携できる点が特徴で、経費精算のConcur Expenseや出張管理のConcur Travelと合わせて間接費を一元管理できます。中堅・中小向けの「Concur Invoice Standard」と大企業向けの上位エディションがあり、料金は規模・要件に応じた個別見積もりです。
15. freee支出管理 受取請求書(フリー株式会社)

請求書受領サービス「sweeep」を前身とし、現在はフリー株式会社の「freee支出管理」の一機能として提供される受取請求書プロダクトです。
受け取った請求書や見積書・納品書をAI-OCRでデータ化し、自動仕訳・支払(振込)・電帳法に準拠した電子保管までを扱います。メール・FAX・アップロード・外部ストレージでの受領に対応し、インボイスの登録番号を国税庁データと自動照合して適格請求書かどうかを判定します。
プランは、電子保管から始める「受取請求書キャビネット」(月額4,980円〜、税抜・年払い)と、債務管理・支払までカバーする「受取請求書インボイス」(月額19,980円〜、税抜・年払い)の2系統で、導入段階に応じて選べる構成です。freee会計をはじめとするfreee各サービスと連携します。
領収書中心・経費精算と一体のタイプ
領収書のスキャナ保存と経費精算を一体化する3サービスです。経費精算の効率化とあわせて電帳法に対応したい企業に向いています。
経費精算システムをさらに幅広く比べたい場合は、以下の記事で電子帳簿保存法に対応した経費精算システムを、JIIMA認証の区分や対応する保存区分別に比較しています。
16. 楽楽精算(株式会社ラクス)

東京証券取引所プライム市場に上場する株式会社ラクスが提供する、クラウド型の経費精算システムです。領収書をスマホで撮影するとAI-OCRが内容を読み取り、申請から承認、会計ソフトへの連携までを一元管理できます。
電子帳簿保存法とインボイス制度に対応し、スキャナ保存ソフト・電子取引ソフトの両方でJIIMA認証を取得しています。紙で受け取った領収書のスキャナ保存と、電子取引データの保存の双方を、法的要件を満たした形で運用できます。
料金は初期費用100,000円(税抜)、月額30,000円〜(税抜)で、利用従業員数やオプション内容に応じて変動します(段階別の金額は要問い合わせ)。楽楽精算単体で累計20,000社以上(2025年9月時点)の導入実績があります。
17. バクラク経費精算(株式会社LayerX)

領収書をスマホで撮影すると、AI-OCRが金額・日付・科目を自動で読み取り、過去の仕訳をAIが学習して入力の手間を減らす経費精算システムです。株式会社LayerXが「バクラク」シリーズの一つとして提供しています。
電子帳簿保存法に対応し、タイムスタンプの付与・検索要件への対応・証憑改ざん検知を備えます。インボイス制度にも対応し、登録番号の読み取りと照合を自動で行うため、領収書の受領から保存までを法対応した状態で進められます。
初期費用は無料で、月額30,000円〜から利用できます(料金表はダウンロード制のため、詳しいプラン構成は問い合わせが必要です)。バクラクシリーズ全体では累計20,000社の導入実績があります。
18. TOKIUM経費精算(株式会社TOKIUM)

領収書のデータ入力と原本の回収を、利用企業に代わって株式会社TOKIUMが代行する回収代行型の経費精算システムです。利用者はスマホで領収書を撮影し、原本は備え付けのポストに投函するだけで提出が完了します。
撮影された領収書はAI-OCRとオペレーターの目視によるダブルチェックでデータ化され、TOKIUM側で99%以上の精度を訴求しています。電子帳簿保存法に対応し、タイムスタンプ機能を標準実装したうえでJIIMA認証を取得しています。
基本利用料は月額1万円〜(税抜)でアカウント数は無制限のため、利用人数が増えても追加料金は発生しません。料金は領収書の件数に応じた従量課金制で、主要な交通系ICでの経費申請は無料です。
電子帳簿保存法対応の関連制度と最新動向
最後に、システム選定の背景として押さえておきたい関連制度と最新動向を確認します。いま効力を持つ制度だけでなく、今後の要件変更の方向性を知っておくと、長く使える製品を選ぶ視点が得られます。
優良な電子帳簿の要件と過少申告加算税の軽減
電帳法には、一定の要件を満たす「優良な電子帳簿」で帳簿を備え付け・保存している場合に、過少申告加算税を軽減する特例があります。あらかじめ届出書を提出したうえで対象の帳簿に誤りがあった場合、その帳簿に関する過少申告加算税が5%軽減されます。過少申告加算税は原則10%のため、優良な電子帳簿の要件を満たすことで負担を抑えられる仕組みです。
一定の国税関係帳簿について、訂正・削除の履歴が残る等の「優良な電子帳簿」の要件を満たして備付け及び保存を行っている場合には、あらかじめ「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等に係る過少申告加算税の特例の適用を受ける旨の届出書」を提出することによって過少申告加算税が5%軽減される制度があります
出典:電子帳簿保存法の概要(注3)|国税庁
優良な電子帳簿として認められるには、訂正・削除履歴の確保、帳簿間の相互関連性、検索機能といった要件を満たす必要があります。届出が事前に必要な点と、隠蔽・仮装があった場合は適用外になる点にも注意が必要です。要件を満たすシステムを選ぶことは、この特例を受ける準備にもつながります。
令和7年度税制改正のポイント
2024年12月に閣議決定された令和7年度税制改正の大綱では、電子帳簿等保存制度の見直しが盛り込まれました。一定の要件を満たし届出を行った電子取引データを、重加算税を10%加重する措置の対象から除外することや、これに伴う青色申告特別控除65万円の適用要件の見直しが柱です。
ただし、これらの改正の適用は令和9年(2027年)以後とされており、2026年9月時点ではまだ施行されていません。今後の動向として押さえつつ、現時点で効力が生じているわけではない点に留意してください。
出典・参考資料(3件)
まとめ
電子帳簿保存法対応システムを選ぶ際は、まず自社が対応すべき保存区分を見極めることが出発点になります。電子取引データ保存はすべての事業者に求められる対応であり、そのうえでスキャナ保存や電子帳簿等保存をどこまで進めるかを判断します。
そのうえで、真実性・可視性の保存要件を満たす機能を備え、対応する書類の範囲・JIIMA認証・既存業務との連携・料金といった観点から自社に合うシステムを絞り込みます。幅広い書類の電子保存・受取請求書・経費精算という3つのタイプのうち、自社の一番の課題に近いものから比較すると、選定がスムーズに進みます。
本記事の比較表や選定診断ツールも活用しながら、自社の業務と法対応の両方を無理なく進められるシステムを見つけてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 電子帳簿保存法対応システムとは何ですか?
A. 電子帳簿保存法対応システムとは、請求書・領収書・帳簿などの国税関係書類を、電子帳簿保存法の保存要件を満たした状態で電子データとして保存・検索できるようにするシステムです。
手作業やファイルサーバーでの管理では、タイムスタンプの付与や訂正・削除履歴の記録、取引年月日・金額・取引先による検索といった要件を満たすのが難しいため、これらを自動で担保する専用システムの導入が広がっています。
Q. 電子帳簿保存法で、自社が対応すべき保存区分はどう見極めればよいですか?
A. 電子的にやり取りした取引データがある企業は「電子取引データ保存」への対応が必須で、ここがすべての事業者にとっての出発点になります。
そのうえで、紙で受け取った書類を電子化したいなら「スキャナ保存」、会計ソフトで作成した帳簿を電子のまま保存したいなら「電子帳簿等保存」を検討します。後者の2区分は任意のため、自社の取引書類が紙中心か電子中心かを棚卸ししたうえで、必要な区分から対応を決めるのが実務的です。
Q. 電子取引データの保存は、すべての企業に義務づけられていますか?
A. メール・クラウド・EDIなどで電子的にやり取りした取引データは、原則としてデータのまま保存することがすべての事業者に義務づけられています。電子帳簿保存法第7条が定める義務で、3つの保存区分のうち電子取引データ保存だけは任意ではありません。
準備が整わない企業向けの宥恕(ゆうじょ)措置は2023年12月末で終了しましたが、「相当の理由」がある事業者には検索要件などを緩和する猶予措置もあります。自社が原則の要件と緩和の対象のどちらに当てはまるかを確認したうえで対応することが求められます。
出典・参考資料(2件)
Q. スキャナ保存にタイムスタンプは必須ですか?システムで代替できますか?
A. タイムスタンプの付与は真実性を確保する手段の一つにすぎず、必須ではありません。訂正・削除の履歴が残る、または訂正・削除ができないシステムで保存すれば、タイムスタンプに代えて要件を満たせます。
多くのクラウド型システムはこの訂正・削除履歴の記録機能を備えているため、タイムスタンプの有無だけで判断するのではなく、改ざんを防ぐ仕組みをシステムで担保できるかどうかを確認するとよいでしょう。
出典・参考資料(1件)
Q. 電子帳簿保存法対応システムにJIIMA認証は必須ですか?
A. JIIMA認証は法律上の必須要件ではなく、システムが電子帳簿保存法の要件を満たすかを判断するための目安です。公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が市販ソフトを審査する制度で、保存区分ごとに複数の認証が設けられています。
認証がなくても要件を満たすシステムはありますが、自社が対応したい区分の認証を取得している製品を選ぶと、要件に適合しているかを自力で判断する手間を減らせます。
Q. 無料で使える電子帳簿保存法対応システムはありますか?
A. 月間の保存件数などに上限を設けた無料プランや、無料トライアルを用意しているシステムがあります。一定件数までの保管を期間の制限なく無料で使えるものや、月数件までの無料トライアルから始められるものが該当します。
ただし無料プランは保存件数・機能・保存期間が限られることが多いため、自社の書類量や必要な機能を踏まえ、有料プランへの移行も見据えて選ぶと運用開始後のミスマッチを避けられます。
Q. 中小企業が電子帳簿保存法対応システムを選ぶときのポイントは何ですか?
A. 初期費用や月額料金の負担が小さく、無料プランやトライアルで試せる製品から検討するのがポイントです。基準期間の売上高が5,000万円以下などの小規模事業者は検索要件が一部緩和されるため、過剰な機能を避けて必要十分なシステムを選べます。
あわせて、請求書受領や経費精算など自社で最も手間がかかっている業務と一体で効率化できるかを確認すると、法対応だけで終わらせず導入効果を得やすくなります。
Q. 請求書の受領や経費精算と、電子保存は1つのシステムにまとめられますか?
A. まとめられます。電子帳簿保存法対応システムには、請求書の受領・支払や領収書の経費精算と電子保存を一体で扱えるタイプがあります。取引先から届く請求書の受領・保存・支払連携に強いタイプや、領収書のスキャナ保存と経費精算を一体化したタイプが代表例です。
一方で、契約書や発注書まで幅広い書類の保存を優先したい場合は、文書管理に特化したタイプが向いています。自社の一番の課題がどこにあるかを起点に選ぶと、電子保存と既存業務を無理なくまとめられます。
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松嶋真倫
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