レジ前で「PayPayは使えますか」と聞かれる場面が増え、そろそろ自店もQRコード決済に対応しようか——そう考え始めたとき、まず気になるのは「仕組みはどうなっているのか」「導入すると結局いくらかかるのか」ではないでしょうか。
QRコード決済は、経済産業省の集計でコード決済の決済額が2025年に16.6兆円へ達するなど、店舗のキャッシュレス対応の柱になりつつあります。一方で、初期費用や決済手数料、売上の入金サイクルはサービスや導入方法によって差があり、「自店の場合はどうなるのか」がわかりにくいのも実情です。
本記事では、QRコード決済の仕組みと主要サービスの違いを整理したうえで、店舗が導入するときの初期費用・決済手数料率・入金サイクルを、導入方法ごとに具体的な金額で解説します。あわせて、QRコードだけでなくクレジットカードや電子マネーもまとめて受け付けられる決済端末・決済代行サービスまで紹介し、自店に合う導入方法を選ぶための材料をお届けします。
目次
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QRコード決済とは?仕組みを整理
QRコード決済とは、スマートフォンの専用アプリでQRコードやバーコードを読み取り、支払いを完了させるキャッシュレス決済の一種です。現金のやり取りがなく、お釣りの受け渡しやレジでの計算が不要になるため、会計がスピーディーになります。PayPayや楽天ペイに代表されるサービスが、コンビニや飲食店、小売店など幅広い店舗で使われています。
普及の勢いは統計にも表れています。経済産業省の集計によると、2025年のキャッシュレス決済額のうちコード決済は10.2%(16.6兆円)を占め、前年の9.6%(13.5兆円)から決済額・比率ともに伸びました。店舗にとって、QRコード決済への対応は「あると便利」から「対応していないと機会を逃す」段階に近づいています。
出典は以下のとおりです。
出典・参考資料(1件)
- 出典:2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました|経済産業省(https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260331006/20260331006.html)
支払い方式は2種類(ユーザースキャンとストアスキャン)
ここからは、QRコード決済の支払い方式を確認します。読み取る側が店舗か客かによって、次の2種類に分かれます。

- ユーザースキャン方式:店舗が掲示したQRコードを、客がスマートフォンで読み取って支払う方式です。店舗はコードを印刷して置くだけで始められるため、専用端末が不要で初期費用を抑えやすいのが特徴です。
- ストアスキャン方式:客がアプリに表示したバーコードやQRコードを、店舗側が端末で読み取って支払う方式です。会計処理が速く、レジ締めや売上管理と連動させやすい一方、読み取り用の端末やアプリが必要になります。
この2区分は、キャッシュレス推進協議会が定める統一技術仕様でも整理されており、公式には「店舗提示型(ユーザースキャン方式に相当)」「利用者提示型(ストアスキャン方式に相当)」と呼ばれます。自店の運用に合う方式を選ぶことが、導入方法や費用を検討する出発点になります。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:コード決済に関する統一技術仕様ガイドライン|一般社団法人キャッシュレス推進協議会(https://paymentsjapan.or.jp/publications/guidelines/)
支払いタイミングは3種類(前払い・即時払い・後払い)
QRコード決済は、客側の支払いタイミングによっても3種類に分かれます。店舗の入金には直接影響しませんが、サービスごとの特徴を理解する手がかりになります。
- 前払い(プリペイド):あらかじめアプリに残高をチャージしておく方式です。PayPay残高やメルペイの残高払いが該当します。
- 即時払い(リアルタイムペイ):支払いと同時に、登録した銀行口座から代金が引き落とされる方式です。
- 後払い(ポストペイ):登録したクレジットカードにひも付け、後日まとめて請求される方式です。
【店舗向け】QRコード決済の導入にかかる費用
ここからは、店舗がQRコード決済を導入するときの費用を具体的に見ていきます。かかる費用は、大きく次の4項目に分けて考えると整理しやすくなります。
- 初期費用・端末代:申込み時にかかる費用と、決済端末の代金です。近年はキャンペーンで初期費用・端末代を0円にするサービスが増えています。
- 月額費用:毎月かかる固定費です。0円のサービスが多い一方、上位プランでは月額が発生する場合があります。
- 決済手数料:売上金額に対してかかる料率です。QRコード決済の料率は多くの場合3%前後で、一部のブランドやプランでは1%台まで下がります。決済手段(クレジットカード・電子マネー・QR)によって料率が変わる点にも注意が必要です。
- 入金サイクル・振込手数料:売上が店舗の口座に振り込まれる頻度と、振込にかかる手数料です。入金が月1回か週1回かで、店舗の資金繰りへの影響が変わります。
とくに見落としやすいのが、決済手数料と入金サイクルです。手数料は「無料」ではなく売上に応じて継続的に発生し、入金までに数日から数週間かかるサービスもあります。導入前に、実際の条件を横並びで確認しておくと安心です。
QRコード決済は、クレジットカードや電子マネーも1台でまとめて扱える決済端末・決済代行サービスを通じて導入するのが一般的です。次の表は、その代表的なサービスの費用条件をまとめたものです。PayPayなどを単体で直接契約する場合の料率は、次章の導入方法で解説します。
| サービス名 | アルファポータブル | Square(スクエア) | Airペイ | stera pack(ステラパック) | STORES 決済 |
|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用・端末代 | 初期費用0円・端末代0円(キャンペーン適用時/定価74,800円) | 初期費用0円・端末代0円〜(スマホでタッチ決済0円/リーダー4,980円〜) | 初期費用0円・端末代0円(カードリーダーは審査後に無償貸与) | 初期費用0円・端末代0円 | 端末代27,720円(税込)(スタンダードプラン年間契約は1台無料) |
| 月額費用 | 0円 | 0円(キオスクのみ月額5,000円/台) | 0円 | 初年度0円/2年目以降3,300円(税込)(年間決済額3,000万円以上で永年無料) | フリー0円/スタンダード3,300円(税込・年間契約) |
| 決済手数料(QR) | QR 3.24%〜(クレカ主要6ブランドは中小支援プランで2.48%) | QR 3.25%(電子マネーも3.25%/対面クレカは条件により2.5%〜) | QR 0.99%〜2.95%(COIN+ 0.99%/PayPay・d払い等 2.95%) | QR 3.24%(税別)(Visa・Mastercardはスモールビジネスプランで1.98%) | QR 3.24%(Visa・Mastercardはスタンダードプランで1.98%) |
| 入金サイクル | 月1〜8回から選択(月1回/月2回/週1回/週2回) | 三井住友・みずほは翌営業日/他行は週1回(水曜締め・金曜振込)。振込手数料0円 | 月6回(みずほ/三菱UFJ/三井住友)/月3回(その他)。振込手数料0円(ゆうちょ除く) | 最短2営業日後(4パターンから選択)。振込手数料は三井住友銀行0円/他行220円 | 手動は最短翌々日/自動は翌月20日。売上10万円以上は振込手数料0円 |
料率や料金は、業種・プラン・キャンペーン・改定によって変わります。契約前には各サービスの公式情報で最新の条件を確認してください。
QRコード決済の導入方法(直接契約と決済代行の2ルート)と申込み手順
ここからは、QRコード決済を店舗に導入する方法を解説します。導入には、大きく2つのルートがあります。どちらを選ぶかで、対応できる決済ブランドの数や手間が変わります。

①各QRコード決済事業者と直接契約する
PayPayや楽天ペイなど、使いたいQRコード決済サービスと個別に加盟店契約を結ぶ方法です。専用端末を使わずQRコードを掲示するだけで始められるブランドも多く、1ブランドだけを試したい場合や、特定のサービスに絞って導入したい場合に向いています。
たとえばPayPayを単体で直接契約する場合、決済システム利用料は1.98%(税別)で、月額1,980円(税別)の「マイストア ライトプラン」に加入すると1.60%(税別)まで下がります。初期費用は0円、入金は月末締め・翌月末で振込手数料は無料です(早期振込サービスは別途手数料が発生します)。
楽天ペイ(実店舗決済)は、決済手数料が一律3.24%(初期費用・月額固定費0円)で、中小事業者向けの「最強プラン」では、月額2,200円のスタンダードプランで2.20%、月額0円のライトプランで2.48%まで下がります。振込先に楽天銀行を指定すると翌日入金・振込手数料無料になります。このように、直接契約でも初期費用を抑えて始められます。
出典は以下のとおりです。
出典・参考資料(2件)
- 出典:費用と振込サイクル|PayPay(https://paypay.ne.jp/store/cost/)
- 出典:「楽天ペイ」実店舗決済、中小事業者を対象に決済手数料率を2.20%に引き下げる最強プランを開始|楽天ペイメント株式会社(https://payment.rakuten.co.jp/news/2024120200/)
d払い・au PAY・メルペイも、それぞれ加盟店契約を結べば直接導入できます。主要5ブランドを直接契約したときの店舗向け条件(実店舗のQR決済手数料率・初期/月額費用・入金)は、次のとおりです。
| ブランド | 決済手数料率(実店舗・QR) | 初期費用・月額 | 入金・振込手数料 |
|---|---|---|---|
| PayPay | 1.98%(税別)/マイストア ライトプラン加入で1.60%(税別) | 初期0円・月額0円(マイストア ライトプランは初期費用・月額とも1,980円・税別) | 月末締め翌月末・振込手数料無料(早期振込は別途手数料) |
| 楽天ペイ | 3.24%/最強プランで2.20%(スタンダード)・2.48%(ライト) | 初期0円・月額0円(スタンダードプランは月額2,200円) | 楽天銀行を指定すると翌日入金・振込手数料無料 |
| d払い | 2.6%(税別。新規加盟店は最大6か月間無料のキャンペーンあり) | 初期0円・月額0円 | 入金は月1回(管理画面で月2回に変更可)・入金額1万円以上で振込手数料無料 |
| au PAY | 2.6%(税別) | 初期0円・月額0円 | 振込手数料無料 |
| メルペイ | 2.6%(税別。d払いと共通のQRコードで受け付け) | 初期0円・月額0円 | 1万円以上のおまとめ入金で振込手数料無料(通常は1回200円) |
PayPay・楽天ペイはプラン条件を満たせば料率を1%台〜2%台まで下げられる一方、d払い・au PAY・メルペイは2.6%が基本です。いずれも初期費用・月額は0円で始められます。出典は以下のとおりです。
出典・参考資料(3件)
- 出典:導入費用・決済手数料と入金サイクル|d払い(株式会社NTTドコモ)(https://service.smt.docomo.ne.jp/keitai_payment/corporation/shop/cost.html)
- 出典:スマホ決済手数料と導入費用|メルペイ(株式会社メルペイ)(https://www.merpay.com/merchant/price/)
- 出典:有料化後どうなった?QRコード決済各社の決済手数料|au PAY(KDDI株式会社)(https://media.aupay.wallet.auone.jp/articles/822)
ただし、対応したいブランドが複数になると、その数だけ契約・管理・入金口座の確認が必要になります。「PayPayも楽天ペイもd払いも」と増やすほど、事務作業と入金管理の手間が積み上がる点は押さえておきましょう。
まずは利用者の多いPayPayなど1〜2ブランドを手軽に始めたいなら、直接契約でも十分です。一方、複数のQRコード決済に加えてクレジットカードや電子マネーもまとめて受け付けたい場合は、次に紹介する決済代行・マルチ決済端末のほうが契約や入金管理の手間を抑えられます。
②決済代行・マルチ決済端末でまとめて導入する
決済代行会社が提供するサービスや、複数の決済手段に対応した「マルチ決済端末」を使い、複数のQRコード決済をまとめて導入する方法です。1回の契約で主要なQRブランドに対応でき、入金も一本化されるため、管理の手間を減らせます。
近年の決済端末は、QRコード決済に加えてクレジットカード・電子マネー・タッチ決済を1台で扱えるものが主流です。「どのキャッシュレスにも対応しておきたい」という店舗にとっては、この方法が現実的な選択肢になります。具体的なサービスは、記事後半のまとめて導入できる決済端末・決済代行サービスで紹介します。
申込みから利用開始までのステップ
どちらのルートでも、申込みから利用開始までの流れはおおむね共通しています。一般的には、次の3ステップで進みます。
- サービスを決める:対応したい決済ブランド・費用・入金サイクルを比較し、自店に合うサービスや端末を選びます。
- 加盟店申請・審査を受ける:事業者情報や本人確認書類を提出し、加盟店審査を受けます。審査には数日から数週間かかる場合があります。
- 端末設定・利用開始:端末やアプリを設定し、通信環境を整えれば利用を開始できます。
主要QRコード決済サービス5つの違い
ここからは、店舗が対応を検討する主要なQRコード決済サービスを紹介します。どのブランドに対応するかを考えるうえで、利用者の多さと特徴を押さえておきましょう。代表的な5サービスは次のとおりです。
- PayPay:登録ユーザーが7,500万人を突破(2026年8月時点)した、国内で最も利用者の多いQRコード決済です。日本の人口の2人に1人以上が登録しており、まず対応を検討したいサービスといえます。
- 楽天ペイ:楽天ポイントとの連携が強みです。楽天経済圏を利用する顧客層への訴求力があります。
- d払い:NTTドコモが提供し、dポイントとの連携が特徴です。ドコモ回線の利用者を中心に広く使われています。
- au PAY:KDDIが提供し、Pontaポイントと連携します。auユーザーやPonta加盟店の利用者に強みがあります。
- メルペイ:フリマアプリ「メルカリ」の売上金をそのまま支払いに使える点が特徴です。メルカリ利用者との親和性が高いサービスです。
かつて広く使われていたLINE Payは、国内の送金・決済サービスが2025年4月30日までに順次終了し、PayPayへ一本化されました(タイ・台湾のLINE Payは継続)。QRコード決済は事業者の統廃合が起こりやすいため、まとめて対応できる仕組みにしておくと、こうした変化に強くなります。
出典は以下のとおりです。
出典・参考資料(2件)
- 出典:「PayPay」の登録ユーザーが7,500万人を突破!|PayPay株式会社(https://about.paypay.ne.jp/pr/20260810/01/)
- 出典:日本国内における「LINE Pay」サービス終了に関するお知らせ|LINEヤフー株式会社(https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/008628/)
主要ブランドの利用状況(市場データ)
どのブランドに対応すべきか迷ったときは、利用者の多さが判断材料になります。MMD研究所が2026年7月に実施した調査では、スマートフォン所有者の74.2%がQR・バーコード決済を「利用している」と回答しました。
さらに、利用しているサービスを複数回答で聞いた結果は、PayPayが66.0%と最も多く、次いで楽天ペイが35.3%、d払いが30.8%と続きました。まずはPayPayを軸に、顧客層に合わせて楽天ペイやd払いを加えていく形が、対応ブランドを検討する際の目安になります。
出典は以下のとおりです。
出典・参考資料(1件)
- 出典:2026年7月 決済・金融サービスの利用動向調査|MMD研究所(https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2553.html)
インバウンド対応(Alipay+・WeChat Pay)
訪日外国人客の多い店舗では、国内向けQRコード決済に加えて、中国系のAlipay+やWeChat Payへの対応も検討したいところです。これらは国内のQRコード決済とは別のブランドですが、後述するマルチ決済端末や決済代行では、まとめて対応できるサービスもあります。インバウンド需要を取り込みたい場合は、対応ブランドの範囲を選定条件に加えましょう。
QRコード決済を店舗に導入するメリット・デメリット
導入を判断する前に、メリットと注意点の両方を確認しておきましょう。良い面だけでなく、コストや運用面の落とし穴も押さえておくことで、導入後のギャップを防げます。
店舗に導入するメリット
店舗がQRコード決済を導入する主なメリットは、次の3点です。
- 新規顧客の集客につながる:QRコード決済しか使わない顧客や、キャッシュレス対応店を選ぶ顧客を取り込めます。とくに利用者の多いPayPayに対応することで、来店機会の損失を防げます。
- レジ業務が効率化する:現金の受け渡しやお釣りの計算が不要になり、会計がスピーディーになります。レジ締めや現金管理の手間・ミスも減らせます。
- 導入コストを抑えやすい:初期費用・端末代を0円にするサービスが多く、クレジットカード決済に比べて低コストで始めやすい傾向があります。
導入前に押さえるデメリット・注意点
一方で、導入前に理解しておきたい注意点もあります。とくに費用と資金繰りへの影響は見落としやすいポイントです。
- 決済手数料が継続的に発生する:売上のたびに手数料がかかります。多くは3%前後(一部のブランドやプランは1%台)で、売上規模が大きいほど負担額も増えます。
- 売上の入金までに時間がかかる:売上がすぐ現金になるわけではなく、入金は月1回や週1回など、サービスによって周期が異なります。振込手数料がかかる場合もあり、資金繰りへの影響を事前に確認しておく必要があります。
- QRコードの掲示・運用に注意が必要:ユーザースキャン方式では、掲示したQRコードのすり替えといったリスクがあります。定期的な確認や、店舗側での運用ルールの整備が求められます。
自店に合うQRコード決済の選び方
ここからは、自店に合うサービスを選ぶための観点を整理します。次の5つの軸を、自店の条件に当てはめて確認しましょう。
- 費用(初期費用・決済手数料率):初期費用・端末代が0円でも、決済手数料率はサービスで差があります。売上規模が大きい店舗ほど、料率の差が利益に効いてきます。QRコード分の料率を必ず確認しましょう。
- 対応する決済ブランド:PayPayだけでよいのか、楽天ペイやd払い、さらにクレジットカード・電子マネー・インバウンド向けまで必要なのかを整理します。対応範囲が広いほど、幅広い顧客に対応できます。
- 入金サイクル・振込手数料:入金が月1回か週1回かで、資金繰りへの影響が変わります。現金化を早めたい店舗は、入金頻度と振込手数料の有無を優先的に確認しましょう。
- POS・レジとの連携:既存のPOSレジや会計システムと連携できれば、売上管理の手間を減らせます。将来の拡張も見据えて確認しておくと安心です。
- セキュリティ・サポート体制:不正利用対策やトラブル時のサポート窓口が整っているかも、店舗運営を続けるうえで重要な判断材料になります。
これらの軸は、1ブランドずつ直接契約するよりも、複数の決済手段をまとめて扱える端末・決済代行のほうが満たしやすい項目が多くあります。次の章で、具体的なサービスを見ていきましょう。
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QRコード決済をまとめて導入できる決済端末・決済代行サービス
ここからは、QRコード決済をまとめて導入できる決済端末・決済代行サービスを紹介します。これらはPayPayなどのQRコード決済ブランドそのものではなく、複数のブランドを店舗側でまとめて受け付けるための端末・決済代行です。いずれもQRコードに加えてクレジットカード・電子マネー・タッチ決済を1台で扱える「マルチ決済端末」で、複数のキャッシュレスにまとめて対応したい店舗の現実的な選択肢になります。
各サービスの端末タイプと対応する決済ブランドは、次の表のとおりです。初期費用・決済手数料・入金サイクルは前掲の費用比較表で確認できます。
| サービス名 | アルファポータブル | Square(スクエア) | Airペイ | stera pack(ステラパック) | STORES 決済 |
|---|---|---|---|---|---|
| 端末タイプ | モバイル型(持ち運び可・オールインワン) | カードリーダー型/オールインワン型(用途で選択) | カードリーダー型(iPad/iPhone+専用リーダー) | オールインワン型(POSレジ一体・据え置き) | カードリーダー型(スマホ/タブレット接続) |
| 対応決済ブランド | クレジット・電子マネー・QR・タッチ決済 70種類以上(PayPay・d払い・au PAY・楽天ペイ・メルペイ・Alipay+・WeChat Pay ほか) | クレジット7ブランド・電子マネー・QR7種(PayPay・d払い・楽天ペイ・au PAY・メルペイ・WeChat Pay・Alipay+) | 92種(クレジット7ブランド・交通系IC・QR10種・各種ポイント。PayPay・d払い・楽天ペイ・au PAY ほか) | 30種類以上(クレジット7ブランド・電子マネー・QR13ブランド。PayPay・d払い・楽天ペイ・au PAY・メルペイ ほか) | クレジット6ブランド・交通系電子マネー9種・QUICPay+/iD・QR20種以上(PayPay・d払い・楽天ペイ ほか+Alipay+/WeChat Pay) |
| こんな店舗に向く | 審査の通りやすさを重視する店・イベントや移動販売で持ち運びたい店 | これから始める小規模店・売上や在庫の管理もまとめたい店 | 売上の入金を早めたい店・iPadやiPhoneで運用したい店 | クレジットカード利用が多い店・POSレジと一体で使いたい店 | 実店舗とネットショップの両方を運営する店 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
1. アルファポータブル|マルチ決済端末(アルファノート株式会社)

アルファポータブルは、QR・クレジットカード・電子マネー・タッチ決済を1台にまとめた、持ち運び可能なマルチ決済端末です。キャンペーン適用時は初期費用・端末代・月額がいずれも0円で始められ、決済手数料は3.24%〜、中小事業者向けの支援プラン適用時は主要ブランドで2.48%まで下がります。入金サイクルは月1回・月2回・週1回・週2回から選べ、資金繰りに合わせて調整できるのが特徴です。
店舗がキャッシュレス決済を始めるには加盟店審査を通過する必要があり、業種によっては審査の通りやすさが導入の分かれ目になります。提供元のアルファノート株式会社は、決済端末の選定と審査の関係について独自インタビューで次のように述べています。

いまの決済端末は各社ともAndroidを搭載した無線型が主流で、ハードウェアのスペックそのものに大きな差はありません。対応している決済ブランドもおおよそ横並びです。その中で当社の最大の強みとなっているのは、審査のハードルを他社様より柔軟に設定して、より幅広い業種・業態でキャッシュレス決済を使えるようにしている、という点です。具体的に当社がもっとも得意としているのが、エステティックサロンや美容クリニックといった、特定商取引法上の「特定継続的役務」に該当する業種です。半年や1年といった長期契約を事前に交わして、高額な前受金をお預かりするビジネスモデルですので他社様ではお断りをされることが多いのですが、当社はノウハウを積み重ねてきたこともあり、基本的にお受けしています。
2. Square(スクエア)(Block, Inc.)

決済からレジ・在庫管理までをアプリでまとめられるのがSquareです。小型のICカードリーダーからPOSレジ一体型端末まで店舗規模に応じて選べ、カードリーダーは4,980円からと導入しやすいのも利点です。電子マネー・QRコード決済は一律3.25%(対面のクレジットカードは条件により2.5%〜)の料率で扱えます。
三井住友銀行・みずほ銀行の口座なら売上の翌営業日入金に対応し、振込手数料も無料です。売上管理や在庫管理の機能もそろい、これから店舗を始める事業者にも向いています。
3. Airペイ(AirPAY)(株式会社リクルート)

リクルートが提供するAirペイは、審査後にカードリーダーが無償貸与される点が特徴です。初期費用・月額費用は0円で、QRコード決済の手数料は0.99%〜2.95%とブランドによって幅があります。入金は主要3行なら月6回、その他の金融機関でも月3回と頻度が高く、振込手数料も原則無料です(ゆうちょ銀行を除く)。入金の早さを重視する店舗に向いています。
4. stera pack(ステラパック)(三井住友カード株式会社)

三井住友カードが手がけるstera packは、POSレジ機能まで備えたオールインワン決済端末です。端末代・初期費用は0円で、月額費用は初年度無料、2年目以降は3,300円(税込)ですが、年間決済額が3,000万円以上なら永年無料になります。
スモールビジネス向けプランではQRコード・電子マネーが3.24%(税別)、Visa・Mastercardは1.98%と、クレジットカードの料率が低いのが特徴です。入金は4パターンから選べ、最短2営業日後の入金に対応します。
5. STORES 決済(STORES 株式会社)

STORES 決済は、実店舗からネットショップまで対応する決済サービスです。端末代は27,720円(税込)ですが、スタンダードプランの年間契約なら1台無料になります。
QRコード・交通系電子マネー・QUICPay+/iDは両プラン共通で3.24%、クレジットカード(タッチ決済を含む)はスタンダードプランで1.98%〜です。入金は手動なら最短翌々営業日、自動なら翌月20日で、売上10万円以上は振込手数料が無料になります。ネットショップ運営もあわせて検討する店舗に向いています。
掲載している料率・料金は2026年9月時点の各社公式情報にもとづきます。業種やプラン、キャンペーンによって条件は変わるため、契約前に最新の公式情報をご確認ください。より多くの決済端末・決済代行サービスを条件で比較したい場合は、以下の関連記事もあわせてご覧ください。
まとめ
QRコード決済は、ユーザースキャン・ストアスキャンの2方式があり、店舗の導入費用は初期費用・端末代・月額・決済手数料・入金サイクルの組み合わせで決まります。決済手数料は多くの場合3%前後(一部は1%台)、入金サイクルはサービスによって月1回から週複数回まで幅があり、資金繰りへの影響を含めて比較することが大切です。
PayPayをはじめ複数のQRコード決済に加え、クレジットカードや電子マネーにもまとめて対応したい店舗には、マルチ決済端末や決済代行を使う導入方法が現実的です。自店の売上規模・対応したいブランド・入金サイクルの希望を整理したうえで、費用と条件を比較して選びましょう。
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よくある質問(FAQ)
Q. QRコード決済とは何ですか?
A. QRコード決済とは、スマートフォンの専用アプリでQRコードやバーコードを読み取り、現金を使わずに支払いを完了させるキャッシュレス決済です。PayPayや楽天ペイに代表され、お釣りの受け渡しやレジでの計算が不要になるため、会計がスピーディーになります。店舗が掲示したコードを客が読み取る「ユーザースキャン方式」と、客のコードを店舗が端末で読み取る「ストアスキャン方式」の2種類があります。
Q. 店舗がQRコード決済を導入する費用はいくらかかりますか?
A. QRコード決済の店舗導入費用は、初期費用・端末代・月額費用を0円で始められるサービスが多く、主に売上に応じてかかる決済手数料が中心的な負担になります。近年はキャンペーンで初期費用・端末代・月額を無料にする決済端末・決済代行が増えており、少ない持ち出しで導入できます。ただし上位プランでは月額費用が発生する場合や、端末代がかかる場合もあるため、契約前に確認しましょう。
Q. QRコード決済の決済手数料は何%ですか?
A. QRコード決済で店舗が負担する決済手数料は、多くの場合3%前後で、一部のブランドやプランでは1%台です。たとえばAirペイはQRコード決済0.99%〜2.95%、SquareはQR・電子マネー3.25%、STORES 決済はQR3.24%など、サービスやブランドによって差があります。売上規模が大きい店舗ほど料率の差が利益に効くため、QRコード分の料率を必ず確認しましょう。
Q. QRコード決済の売上はいつ入金されますか?
A. QRコード決済の売上の入金タイミングは、サービスによって月1回から週複数回・翌営業日まで幅があります。たとえばAirペイは主要3行で月6回、Squareは対象銀行なら翌営業日、stera packは最短2営業日後など、頻度は大きく異なります。振込手数料の有無とあわせて、自店の資金繰りに合う入金サイクルかを確認することが大切です。
Q. QRコード決済はどのブランドに対応すればよいですか?
A. QRコード決済は、まず利用者が最も多いPayPayへの対応を軸に、顧客層に合わせて楽天ペイやd払いを加えるのが基本です。MMD研究所の2026年7月調査では、利用しているサービス(複数回答)はPayPayが66.0%、楽天ペイ35.3%、d払い30.8%でした。複数ブランドをまとめて導入できる決済端末・決済代行を使えば、1回の契約で主要ブランドを幅広くカバーできます。
Q. QRコード決済の導入方法にはどんなルートがありますか?
A. QRコード決済の導入方法は、①各QRコード決済事業者と個別に直接契約する方法と、②決済代行・マルチ決済端末で複数ブランドをまとめて導入する方法の2つに大きく分かれます。1ブランドだけなら直接契約でも始められますが、複数ブランドやクレジットカード・電子マネーにも対応したい場合は、契約と入金を一本化できるマルチ決済端末のほうが管理の手間を減らせます。
Q. QRコード決済の導入審査にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. QRコード決済の加盟店審査には、数日から数週間かかるのが一般的です。申込み後、事業者情報や本人確認書類を提出して加盟店審査を受け、通過後に端末やアプリを設定して利用を開始します。繁忙期や書類の不備があるとさらに時間がかかる場合があるため、利用を始めたい時期から逆算して余裕をもって申し込みましょう。
Q. QRコード決済は店舗として安全に使えますか?
A. QRコード決済は、各サービスが二段階認証や利用通知、不正利用の検知などの対策を講じており、店舗でも安全に利用できます。ただしユーザースキャン方式では、掲示したQRコードがすり替えられるリスクがあるため、コードの定期的な確認や店舗内の運用ルール整備が求められます。トラブル時のサポート窓口が整っているかも、選定時に確認しておくと安心です。
Q. QRコード決済を店舗に導入するデメリットはありますか?
A. QRコード決済の主なデメリットは、売上のたびに決済手数料が継続的に発生することと、売上が現金化されるまでに時間がかかることです。手数料は多くの場合3%前後(一部1%台)で売上規模に応じて負担が増え、入金は月1回や週1回などサービスによって周期が異なります。振込手数料がかかる場合もあるため、資金繰りへの影響を事前に確認しておきましょう。
Q. 訪日外国人向けのAlipay+やWeChat Payにも対応できますか?
A. QRコード決済は、マルチ決済端末や決済代行サービスを使えば、国内向けブランドに加えて中国系のAlipay+やWeChat Payにまとめて対応できる場合があります。訪日外国人客の多い店舗では、国内のQRコード決済だけでなくインバウンド向けブランドへの対応範囲も選定条件に加えると、幅広い顧客の会計に対応できます。対応ブランドはサービスごとに異なるため、申込み前に確認しましょう。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















