越境ECを始めたのに海外の顧客が使いたい決済手段がなく、購入の最後で離脱されてしまう。訪日客の増えた店頭で「銀聯(ぎんれん)は使えますか」と聞かれて答えられない。こうした「海外のお客様からの支払いを受け取れない」という取りこぼしは、そのまま売上機会の損失につながります。
海外の顧客からの決済に対応するには、決済代行会社(複数の決済手段をまとめて導入・管理できるサービス)を使うのが一般的です。ただ、ひとくちに「海外対応」といっても、ネット通販で海外に売る越境ECと、店頭で訪日客の支払いを受けるインバウンドでは、必要なサービスがまったく異なります。どの会社がどちらに強いのかは、各社のサイトを見比べても分かりにくいのが実情です。
本記事では、海外の顧客からの支払いに対応した決済代行サービスを、越境EC(オンライン)とインバウンド(店頭)の用途別に整理して比較します。
対応する決済ブランド(銀聯・Alipay・WeChat Pay・PayPal・各国のクレジットカードなど)・対応国/通貨・決済手数料を横並びで確認でき、入金や送金・審査のしやすさは選び方で押さえられるようにまとめました。自社の販売のかたちに合う一社を選ぶための材料としてご活用ください。
また、自社の販売のかたちに合うサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」もご用意しています。あわせてご利用ください。
目次
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本記事の対象範囲
ここでは、海外の顧客から代金を受け取るための決済代行サービスを扱います。具体的には、海外にネットで販売する越境ECのオンライン決済と、店頭で訪日外国人の支払いを受けるインバウンドの店頭決済の2つが対象です。
一方で、事業者から海外の取引先や個人へ資金を送る海外送金(返金や売上の払い出しなど)は、支払いを「受け取る」のとは逆向きの取引です。海外への送金が必要な場合の条件は、選び方の「入金・送金」の観点で取り上げます。
店頭のインバウンド決済に使う端末は、本記事では訪日客の支払いに対応する主要な8機種に絞って取り上げます。対応する電子マネーや設置形態(据置型・モバイル型)まで含め、店頭の決済端末そのものを機種横断で幅広く比較したい場合は、以下のまとめ記事もあわせてご覧ください。
海外対応の決済代行とは?「海外決済」が指す3つの状況
「決済代行会社 海外」で調べると、内容の異なる情報が入り混じって表示されます。これは「海外決済」という言葉が、立場によって別の状況を指すためです。自社がどれに当たるかを最初に見極めると、選ぶべきサービスがはっきりします。大きく分けて次の3つがあります。

1つ目は越境EC(オンラインで海外の顧客に売る)です。自社のネットショップや海外のマーケットプレイスで、海外の買い手が現地のクレジットカード・PayPal・Alipay などを使って支払い、事業者は日本円などで売上を受け取ります。オンラインの決済ゲートウェイ(ネット決済をまとめて処理する仕組み)や、多通貨の受取口座を使う形が中心です。
2つ目はインバウンド(店頭で訪日客の支払いを受ける)です。日本国内の店舗で、訪日外国人が持つ海外発行のクレジットカードや、銀聯・Alipay+・WeChat Pay といったコード決済を、店頭の端末でタッチやQRコード読み取りにより受け付けます。対応するのは実店舗向けの決済端末やアプリです。
3つ目は海外アクワイアラ経由の決済処理です。国内の加盟店契約が結びにくい業態などで、海外のアクワイアラ(カードの加盟店契約・決済処理を担う会社)と契約し、決済情報を海外の金融機関経由で処理する方法を指します。これは国内で加盟店契約を結べる多くの事業者には当てはまりませんが、選択肢として知っておくと判断に役立つため、審査や手数料の違いを記事の後半で整理します。
用途で選ぶ海外対応決済代行の3タイプ
ここからは、前節で整理した用途を「実際に選べるサービスの分類」に落とし込みます。自社が海外の顧客とどう接点を持つか(ネットで売るのか、店頭で受けるのか、その両方か)から、次の3タイプで候補を絞り込めます。前節の3つ目に挙げた海外アクワイアラ経由は、多くの読者には当てはまらないため、ここでは分類に含めず記事の後半で違いだけを整理します。
越境EC・オンライン向け(海外顧客にネットで売る)
海外の買い手がオンラインで支払える環境を整えるタイプです。各国のクレジットカードや PayPal、中国の銀聯・Alipay、東南アジアの各種ウォレットなどに、多通貨で対応します。自社ECサイトへのAPI連携やカート連携で導入する決済ゲートウェイが中心で、海外のマーケットプレイスで売る場合は多通貨の受取口座を使う形もあります。海外にネット販売する事業者は、まずこのタイプが基本の候補になります。
インバウンド・店舗向け(訪日客の支払いを店頭で受ける)
実店舗で訪日外国人の支払いを受けるタイプです。海外発行のクレジットカードのタッチ決済に加え、銀聯・Alipay+・WeChat Pay などのコード決済を、据置型やモバイル型の端末で受け付けます。小売・飲食・宿泊・観光地の店舗など、来店客に外国人が多い業態が対象です。国内客向けの決済手段と1台でまとめられる端末を選べば、レジまわりを増やさずにインバウンド対応を追加できます。
両対応(オンラインと店舗の海外決済を1社で)
ネット販売と実店舗の海外決済を、同じ会社でまとめて扱えるタイプです。越境ECのオンライン決済と、店頭のインバウンド決済の両方を提供しており、売上や入金の管理を一本化しやすい利点があります。ネット通販と実店舗を並行する事業者や、これから両方に広げる予定がある場合に向きます。
オンライン決済と実店舗の決済の両方を手がける会社が該当します。用途が両方にまたがるなら、下記の診断ツールで「両方」を選ぶと、双方に対応するサービスへ絞り込めます。
自社の用途が定まったら、下記の診断ツールで販売先や販売のかたちから候補を絞り込めます。気になったサービスは、そのまま資料請求で詳しい料金や対応条件を確認できます。
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【比較表】海外対応の決済代行を対応ブランド・対応国/通貨・手数料で比較
ここからは、海外対応の決済代行を用途タイプ別に横並びで比較します。対応する海外の決済手段・対応国/通貨・決済手数料・導入形態を一覧にしました(入金や送金・審査のしやすさは後半の「選び方」で解説します)。料金が公開されていないサービスは「要問い合わせ」と記しています。まずは自社の用途(越境EC/インバウンド)の表から確認してください。
越境EC・オンライン向けの比較
海外の顧客にネットで販売し、オンラインで代金を受け取るタイプの比較です。対応する海外の決済手段・対応通貨・導入形態(API連携やカート連携)・手数料を並べています。
| サービス名 | PayPal(ペイパル) | ペイジェント(PAYGENT) | KOMOJU(コモジュ) | Payoneer(ペイオニア) | PGマルチペイメントサービス | SBペイメントサービス(SBPS) | Stripe | VeriTrans4G(ベリトランス) | Adyen(アディエン) | Worldpay(ワールドペイ) | ゼウス(ZEUS)オンライン決済 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応する海外決済手段 | PayPal(クレジット・デビットカードを世界200以上の国・地域で受付。買い手はPayPalアカウント不要) 銀聯・Alipay・WeChat Payは受取手段ではない | 銀聯ネット決済・Alipay国際決済に対応 PayPal・WeChat Payは公式に明記なし | 銀聯・Alipay・WeChat Payに加え、韓国・東南アジア・欧州・ブラジルの現地決済に対応 | 外貨受取アカウントでAmazon・eBay・Shopee等のマーケットプレイスや海外取引先から受取 決済受付(PayPal・銀聯等)を代行するサービスではない | 多通貨クレジットカード決済・PayPal決済に対応 銀聯・Alipay・WeChat Payは公式に明記なし | 銀聯・WeChat Pay・Alipay+・PayPalに対応(越境パックで国際配送・通関代行も提供) | 海外発行カード(195カ国・135通貨対応) 銀聯・Alipay・WeChat Payは公式の対応明記を確認できず | 海外発行カード・銀聯・PayPal・Alipay+に対応 WeChat PayはCloud Pay側の機能で単体対応は要確認 | 海外発行カード・銀聯・PayPal・WeChat Pay・Alipayに対応(200以上の現地決済手段) | 海外発行カード・Alipay・WeChat Pay・PayPal等 60以上の決済手段に対応 | 銀聯(UnionPay)に対応 Alipay・WeChat Pay・PayPalは公式で確認できず |
| 対応通貨・多通貨 | 100通貨以上に対応(日本アカウントでの受取は22通貨) | 多通貨対応の明示なし(要確認) | 6地域の現地決済に対応(国内外65種類以上の決済手段) | USD・EUR・GBP・JPY等 計20通貨に対応(受取専用口座の開設は9通貨) | 多通貨クレジットカード決済に対応(対応通貨数の明示なし) | 多通貨クレジットカード決済に言及あり(対応国・通貨リストは非開示) | 195カ国・135種類以上の通貨に対応 | 21種類の外貨によるクレジットカード決済に対応 | 150以上の通貨・200以上のローカル決済手段に対応 | 135通貨・174か国に対応(多通貨処理は130以上の通貨) | 多通貨決済の記載なし(円建て中心、要確認) |
| 決済手数料 | 越境4.10%+40円/件(国内3.60%+40円/件) | 要問い合わせ(SHOPLINE連携時はクレジットカード2.95%〜) | 国内カード3.25%/Alipay・WeChat Pay 2.90%〜/銀聯2.80%(手段・地域別) | 受取はローカル通貨無料/非ローカル通貨1%/クレジットカード最大3.99%+0.49USD、通貨換算0.50% | 要問い合わせ(公式非開示) | 要問い合わせ(公式非開示) | 国内カード3.6%(ブランド一律)/海外カードは通貨換算+2% | 要問い合わせ(公式非開示) | 取引ごとの処理手数料+カードブランドの手数料に連動する料金体系(大〜中規模向け。日本向けは要問い合わせ) | 要問い合わせ(公式非開示) | クレジットカード〜3.5%+売上処理料30円(プランにより異なる) |
| 初期・月額費用 | 初期・月額とも無料 | 要問い合わせ(公式非開示) | 初期・月額とも無料 | 開設無料/月額固定費なし(受取が直近12ヶ月で6,000USD相当未満のみ年29.95USD) | 要問い合わせ(公式非開示) | 要問い合わせ(公式非開示) | 初期・月額とも無料(従量課金のみ) | 要問い合わせ(公式非開示) | 初期・月額固定費なし(最低請求額が設定される場合あり) | 要問い合わせ(公式非開示) | 初期・月額とも無料(標準BtoCプラン) |
| 導入形態 | API(エクスプレスチェックアウト)/標準チェックアウト/ECプラグイン/請求書 | API(モジュール)/リンク・メールリンク・SMS送付/トークン | ノーコード(Shopify・WooCommerce等)/API/決済リンク/店舗端末 | 外貨受取口座(ローカル受取)/マーケットプレイス連携/プリペイドMastercard | API/リンクタイプPlus(開発不要) | API/越境パック(決済+国際配送・通関代行) | ノーコード(Payment Links)〜フルAPI/Connect | API(マルチ決済・オムニチャネル対応) | API中心(エンタープライズ向け個別統合)/Adyen for Platforms | API/SDK連携(国内は代理店経由のチャネルあり) | リンク型/トークン型/メールリンク/API/ECカート連携(Cafe24等) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | サービス詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
決済手数料を公開している会社を見ると、クレジットカード決済は概ね3〜4%台が目安で、海外の通貨で受け取る場合はこれに通貨換算のコスト(サービスにより2〜4%程度と幅があります)が加わります。手数料を非公開にしている会社は、自社の販売先や取扱高を伝えて見積もりを取ると、公開各社と横並びで比べられます。
※各社公式サイトの公開情報に基づく(2026年9月時点)。料金・対応する海外決済手段・対応通貨は契約プランや加盟店の契約内容により異なります。詳細は各社の公式情報でご確認ください。
インバウンド・店舗向けの比較
店頭で訪日客の支払いを受けるタイプの比較です。対応する海外のコード決済・海外発行カード・端末の形態・手数料を並べています。
| サービス名 | アルファポータブル | stera pack(ステラパック) | Airペイ | STORES 決済 | USEN PAY | 楽天ペイ ターミナル | JMSおまかせサービス | Square 決済端末 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 銀聯(UnionPay) | ● | ● | ● | × | × | × | ● | ● |
| Alipay+ | ● | ● | ● | ● | ● | 要確認 | ● | ● |
| WeChat Pay | ● | ● | ● | ● | ● | 要確認 | ● | ● |
| 海外発行カードのタッチ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 端末形態 | モバイル(ポータブル) | 据置(オールインワン) | モバイル(カードリーダー型) | モバイル/ポータブル(端末2はスタンドアロン対応) | 据置(オールインワン)/ENTRYはモバイル型 | 据置(オールインワン・持ち運び可) | 据置・モバイル型(現在案内中の端末は要確認) | 据置(ターミナル)/モバイル(リーダー) |
| 決済手数料 | 3.24%〜(中小支援プラン適用時2.48%) | Visa/Mastercard 1.98%(スモールビジネス)/2.70%(スタンダード) | クレジット3.24%(中小事業者向け2.48%) | クレカ1.98%〜(条件あり)/交通系IC 1.98% | Visa/Mastercard 2.99%〜/その他カード3.24% | クレジット3.24%/QR・電子マネー2.95%〜(最強プランで2.20%〜) | クレジット3.24%(中小企業応援プログラム適用時2.48%〜) | クレジット2.5%〜(年間3,000万円未満)/3.25%〜(以上) |
| 初期・月額費用 | 初期0円/月額0円(端末0円) | 初期0円/月額 初年度0円・2年目以降3,300円 | 初期0円/月額0円 | 初期0円/月額0円(フリー)〜3,300円(スタンダード) | 端末0円/月額 条件付き0〜3,980円 | 初期0円/月額0円 | 端末導入費0円/月額 Wi-Fi版0円・LTE版693円 | 初期0円/月額0円(端末本体代別途) |
| 入金サイクル | 月1〜8回から選択 | 最短2営業日後(4パターンから選択) | 月6回(みずほ/三菱UFJ/三井住友)/月3回(その他) | 自動は翌月20日/手動は最短翌々日 | 標準 カード月2回・電子マネー/QR月1回(翌日入金は飲食・不動産限定) | 楽天銀行指定で365日最短翌日・振込手数料無料 | 月2回(振込手数料0円)/月6回早期払い | 三井住友・みずほは翌営業日/他行は週1回(水締め金振込) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
※2026年9月時点の各社公式情報に基づきます。決済手数料・料金はプランや適用条件・時期により変動するため、最新の内容は各社公式情報をご確認ください。「要確認」は公式ページで対応可否を確認できなかった項目です。
海外対応の決済代行サービス個別紹介
比較表で気になったサービスについて、対応する海外の決済手段・対応国/通貨・手数料・入金や送金の条件・導入実績を個別に紹介します。用途タイプごとに分けているので、自社に近いグループから読み進めてください。
越境EC・オンライン向けのサービス
海外の顧客にオンラインで販売し、多通貨で代金を受け取れる決済ゲートウェイや受取口座を紹介します。
1. PayPal(PayPal Pte. Ltd.)

世界200以上の国・地域、100通貨以上で使えるオンライン決済プラットフォームです。海外の買い手にとって馴染みのある支払い手段で、買い手がPayPalアカウントを持っていなくても、クレジットカード・デビットカードで支払えます。日本のアカウントで受け取れる通貨は22通貨です。
初期費用・月額費用はかからず、決済ごとの従量課金です。国内決済は3.60%+40円/件、越境(海外)決済は4.10%+40円/件で、海外分0.50%が上乗せされます。海外の顧客から受け取った外貨を日本円に換算する際は、基本為替レートに4.00%を加えたレートが適用されます。
売上の引き出しは1回5万円以上なら無料、5万円未満は250円です。受け取りと出金にはあらかじめ本人確認(eKYC)を済ませておく必要があります。
2. ペイジェント(株式会社ペイジェント)

NTTデータと三菱UFJニコスが50%ずつ出資する株式会社ペイジェントの決済代行サービスです。クレジットカード・コンビニ・各種QR/スマホ決済など20種類規模の決済手段を1契約でまとめて導入でき、海外の顧客向けには銀聯ネット決済とAlipay国際決済に対応します。
初期費用・月額費用・決済手数料は公式に公開されておらず、要問い合わせです(流通額や決済手段、契約条件で変わります)。入金は通常で締め日の翌月9営業日後、早期入金オプションを使うと締め日から最短5営業日後に受け取れます。
決済画面をペイジェント側で処理するリンク型・トークン型の接続方式を選べば、カード情報を自社で保持しない構成にも対応できます。
3. KOMOJU(株式会社KOMOJU)

韓国・中国・東南アジア・欧州・ブラジルの現地決済手段に対応する点が、越境EC向けの軸になっているマルチチャネル決済プラットフォームです。国内外65以上の決済手段を1つの管理画面から導入でき、導入実績は20,000店舗以上とされています。
初期費用・月額費用は0円で、費用は決済手数料のみです。手数料は決済手段ごとに決まり、海外分では中国のAlipay・WeChat Payが2.90%〜、銀聯が2.80%、韓国のKakao Payが2.95%などとなっています(国内はクレジットカード3.25%、コンビニ2.75%)。
Shopify・WooCommerceなど主要ECプラットフォームにノーコードで組み込めるほか、決済リンクやAPIでも導入できます。入金は月次または週次で、日本語・英語のサイトを運用しています。
4. Payoneer(ペイオニア・ジャパン株式会社)

Payoneerは、自社ECサイトに決済ボタンを組み込むチェックアウト型のゲートウェイではなく、海外のマーケットプレイスや取引先から売上を受け取る外貨受取・多通貨口座に特化したサービスです。Amazon・eBay・Shopee などから、現地の銀行口座のような口座情報で外貨を受け取れます。
受け取りは国際送金ではなくローカル送金として処理され、USD・EUR・GBP・JPY など計20通貨に対応します(受取専用口座として開設できるのは9通貨)。150ヵ国以上から受け取り、190ヵ国以上へ送金できます。受け取った外貨は日本の銀行口座へ引き出せ、換算を伴う引き出しの為替手数料は1.2%〜4%です。
アカウント開設は無料で、口座維持費は直近12ヶ月の受取が6,000USD相当未満の場合のみ年29.95USDです。日本ではペイオニア・ジャパン株式会社が第二種資金移動業者(関東財務局長第00045号)として提供します。また、海外マーケットプレイスの売上受け取りや多通貨での保有という用途では、Wise(ワイズ)も同種の選択肢になります。
5. PGマルチペイメントサービス(GMOペイメントゲートウェイ株式会社)

GMOペイメントゲートウェイが提供するオンライン総合決済サービスです。クレジットカードを中心に、コンビニ・キャリア決済・各種ID/QR決済・後払いなど30以上の決済手段を1契約で導入でき、海外の顧客向けには多通貨クレジットカード決済とPayPal決済に対応します。
料金は公式サイトに掲載がなく、業種や取扱高に応じた個別見積り(要問い合わせ)です。営業担当が個別にヒアリングして導入を支援する形をとり、中堅〜大企業や公的機関での利用を想定しています。
決済処理はPCI DSS Ver4.0.1準拠の環境で行われ、EMV 3Dセキュア2.0にも対応します。連結の稼働店舗数はグループ全体(GMO-PG・EP)で171,257店舗(2026年3月末時点)と公表されています。
6. SBペイメントサービス(SBペイメントサービス株式会社)

ソフトバンク株式会社が100%出資する決済代行会社で、40ブランド以上の決済手段をワンストップで提供します。Visa・Mastercard・銀聯(UnionPay)の国際ブランドライセンスを自社で保有し、加盟店審査から決済処理までを担うアクワイアラーとしての機能も持ちます。
海外の顧客向けには、銀聯ネット決済・Alipay+・WeChat Pay・PayPal に対応します(オンライン決済サービスでのAlipay+・WeChat Pay対応は2023年9月から)。Alipay+は、香港・韓国・マレーシア・タイなどアジア圏のウォレットを1つの導入でまとめて受け付けられる決済ネットワークです。決済に国際配送・通関代行までをセットにした「越境パック」も用意しています。
初期費用・月額費用・決済手数料は公式に公開されておらず、個別見積り(要問い合わせ)です。対応国・対応通貨の詳細も公式サイトでは特定できないため、見積り時に確認が必要です。
7. Stripe(ストライプジャパン株式会社)

API連携を軸に決済インフラを提供する、米国発の決済プラットフォームです。グローバルでは195カ国・135種類以上の通貨に対応し、海外カードや多通貨の決済に強みがあります。導入はノーコードのPayment Linksからフルカスタムのapiまで、用途に応じて選べます。
カード決済手数料はブランド・カード種別を問わず国内カード一律3.6%で、海外カードは3.6%に加え、通貨換算が必要な場合はさらに2%が上乗せされます。初期費用・月額費用はなく、コンビニ決済3.6%、銀行振込1.5%、PayPay 3.98%〜といった国内手段にも対応します。
入金は日本では日次を選べず、既定は手動で、週次(曜日を選択可)・月次も設定できます。週次では4営業日前までに処理された決済分がまとめて入金されます。
8. VeriTrans4G(株式会社DGフィナンシャルテクノロジー)

デジタルガレージグループのDGFT(旧ベリトランス)が提供するマルチ決済サービスです。クレジットカードやコンビニ、キャリア決済など30種類以上の決済手段を扱い、海外の顧客向けには海外発行カードの多通貨決済・銀聯(UnionPay)・PayPal・Alipay+ に対応します。
多通貨決済は21種類の外貨によるクレジットカード決済に対応します。顧客は現地通貨建ての価格で支払い、カード会社が決済時点のレートで日本円に換算、DGFTが売上を日本円で一括入金するため、加盟店は円で受け取れます。
初期費用・月額費用・決済手数料は公式に公開されておらず、要問い合わせです。決済取扱高9.1兆円・取扱件数17.3億件(2025年4月〜2026年3月末)という規模を公表しています。
9. Adyen(Adyen Japan株式会社)

オランダ・アムステルダムに本社を置くエンタープライズ向けの決済サービスプロバイダーです。ゲートウェイ・不正対策・アクワイアリングを自社内で一貫して提供し、グローバルでは150以上の通貨・200以上のローカル決済手段に対応します。
WeChat Pay・Alipay・PayPal などのウォレットに対応し、日本ではコンビニ決済やPay-easyも扱えます。2021年から国内アクワイアリングを提供し、Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners・Discover・銀聯の主要7ブランドを自社で処理します。
料金はインターチェンジ++方式で、処理手数料やacquirer feeに分解して開示されます。月額固定費・初期費用はかからないとされますが、日本向けの具体的な料率は取引ごとに変わるため要問い合わせです。中〜大規模のグローバル事業者を主な対象とし、入金はデフォルトでT+2営業日です。
10. Worldpay(Worldpay株式会社)

174か国・135通貨のグローバル決済ネットワークを持つ、越境EC・エンタープライズ向けの決済サービスプロバイダーです。60以上の決済手段に対応し、代替決済手段としてAlipay・WeChat Pay・PayPal・Klarna などを扱えます。
多通貨処理は130以上の通貨に対応し、為替レートの事前固定や、顧客が希望通貨で支払える動的通貨換算(DCC)を備えます。2026年1月にGlobal Payments傘下となりました。
日本では代理店(代理加盟店)経由での提供チャネルが確認でき、公式サイトからの直接契約の可否は明示されていません。料金も公式に公開されておらず、日本市場での料率・契約条件は要問い合わせです。国内の導入事例やサポート体制についても公式情報は限定的です。
11. ゼウス(株式会社ゼウス)

1994年設立で、決済代行事業は1999年に始めた老舗の決済代行会社です。公式サイトに「SBIグループの決済代行サービス会社」と明記され、国内14,000サイト以上での利用があるとしています。海外の顧客向けには、国際ブランドとして銀聯(UnionPay)に対応します。
Alipay・WeChat Pay などのコード決済への対応は公式サイトでは明記されておらず、多通貨決済(外貨建て決済)の記載も見当たりません。越境EC向けとしては、多言語カート「Cafe24」との連携(決済はクレジットカード・コンビニ・銀行振込)や英語版決済ページを用意しています。また、契約には日本法人であることが条件です。
標準のBtoC向けプランは初期費用0円・月額費用0円で、クレジットカード決済手数料は〜3.5%、売上処理料が30円(決済成功時のみ)です。海外・多通貨決済向けの専用料金は公式サイトになく、要問い合わせです。
インバウンド・店舗向けのサービス
店頭で訪日客の海外発行カードやコード決済を受け付けられる端末・サービスを紹介します。
12. アルファポータブル(アルファノート株式会社)

アルファノート株式会社が、加盟店契約(アクワイアラー)と決済端末の提供を自社で一体化して手がけるマルチ決済端末です。手のひらサイズのモバイル型で、Wi-Fiに加え4G回線に対応し、客席やイベント会場へ持ち運んでの会計にも使えます。
訪日客向けには、銀聯(UnionPay)ブランドのクレジットカードとそのタッチ決済に対応し、コード決済ではWeChat Pay・Alipay+・JKOPAY(台湾)を受け付けられます。中国・台湾からの来店が多い店舗の店頭決済を、この1台にまとめられます。
決済手数料は3.24%からで、中小事業者向けの導入応援プログラムを適用するとVisa・Mastercardなど6ブランドが2.48%になります。初期費用・月額基本料は0円、端末費用もキャンペーン適用時は0円です。
13. stera pack(三井住友カード株式会社)

三井住友カード株式会社が提供する加盟店向けのオールインワンパッケージで、据置型端末「stera terminal」を初期費用0円で導入できます。1台でクレジットカード・電子マネー・QRコードなど30種類以上の決済を処理します。
steraが対応するQRコード決済にはAlipay+・銀聯QRコード・WeChat Payが含まれ、申込時に利用するブランドを選べます。クレジットカードは銀聯(UnionPay)を含む国際ブランドのタッチ決済に対応し、アプリマーケット「stera market」から免税対応アプリを追加することもできます。
決済手数料はスモールビジネスプランのVisa・Mastercardが1.98%、電子マネー・QRコード等が3.24%(いずれも税別)です。サービス利用料は初年度0円、2年目以降は月3,300円(税込)で、直近1年間の決済額が3,000万円以上なら永年無料になります。
14. Airペイ(株式会社リクルート)

iPadまたはiPhoneに専用カードリーダーをBluetooth接続して使う、株式会社リクルートのカードリーダー型決済サービスです。2025年10月にアプリ自体がQRコード決済に対応し、カード・電子マネー・交通系IC・QRを1つのアプリで扱えるようになりました。
対応ブランドは公式表記で92種(2026年9月時点)に及び、銀聯(UnionPay)のクレジットカードや、WeChat Pay・Alipayなどのコード決済を受け付けられます。公式の導入事例では、Alipay決済の客単価が通常の2.6倍だったと紹介されています。
初期費用・月額固定費・振込手数料(ゆうちょ銀行を除く)は0円で、カードリーダーは審査通過後に無償貸与されます。クレジットカード手数料は3.24%で、条件を満たす中小事業者はディスカウントプログラムにより2.48%に下がります。
15. STORES 決済(STORES 株式会社)

STORES 株式会社が中小・小規模店舗向けに提供する対面決済サービスです。カードリーダー型を基本とし、2025年11月投入の「STORES 決済端末2」はWi-Fi環境ならスマホやタブレットなしで端末単体の決済にも対応します。
海外のコード決済ではAlipay+とWeChat Payに対応し(SmartCode経由の約20種を含む)、海外発行のクレジットカードはVisa・Mastercard・JCBなど国際6ブランドのタッチ決済で受けられます。交通系IC・iD・QUICPayの電子マネーにも対応します。
決済手数料はスタンダードプランのVisa・Mastercardが1.98%、QRコードが3.24%です。月額はフリープランが0円、スタンダードプランが3,300円(税込・年間契約)で、条件を満たすと決済端末が1店舗1台まで無償提供されます。
16. USEN PAY(株式会社USEN)

店舗BGMやPOSレジなど店舗向け商材を広く手がける株式会社USENの決済サービスで、主力の「USEN PAY」はレシートプリンター内蔵の据置型オールインワン端末(A920MAX)です。全国約140拠点の販売・サポート網を背景に導入できます。
対応ブランドは約70〜71種で、コード決済ではAlipay+・WeChat Payを手数料3.0%で受け付けられます(他のQRコードは3.24%)。クレジットカードはVisa・Mastercardなど6ブランドのタッチ決済に対応します。
Visa・Mastercardの手数料は2.99%から、USEN PAYの端末費用は0円です。飲食業・不動産業に限り、ドコモSMTBネット銀行のUSEN支店を振込先にすると、カード・交通系電子マネーの売上を翌営業日に入金できます。
17. 楽天ペイ ターミナル(楽天ペイメント株式会社)

楽天ペイメント株式会社が提供する実店舗向けのオールインワン端末で、決済機能・タブレット・プリンター・通信(4G LTE/Wi-Fi)を1台に集約しています。周辺機器を足さずに決済とレシート印刷まで完結でき、据置のほか持ち運びもできます。
海外発行のクレジットカードは、Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners Club・Discoverの各ブランドとそのタッチ決済で受けられます。Alipay+やWeChat Payなど海外のコード決済への対応は、確認できた公式ページには明記がないため、導入前の確認をおすすめします。
決済手数料はクレジットカードが3.24%、QRコード・電子マネーが2.95%からです。楽天銀行を振込先に指定すると365日・最短翌日入金で振込手数料も無料になり、初期費用・月額費用は0円です。
18. JMSおまかせサービス(株式会社ジェイエムエス)

JCB・三菱UFJニコス・UCカードが出資する加盟店業務代行会社、株式会社ジェイエムエスの決済導入サービスです。クレジットカード・電子マネー・QRコードを1台でまとめて扱い、複数の決済事業者からの入金を一本化して管理できます。
2010年から銀聯カードを取り扱い、コード決済ではAlipay+・WeChat PayやPayPay・d払いなどに対応します。ただし主力端末だったVEGA3000は公式サイトに新規受付停止の告知があり、現在は「Tap on Mobile」など別の端末が案内されています(申込可否は要確認)。
クレジットカード手数料は通常3.24%、中小企業応援プログラムの適用時は2.48%から(年間取扱高の上限あり)です。入金は振込手数料0円の月2回プランと、月6回の早期払いプラン(1回198円)から選べます。
19. Square(Square株式会社)

Square株式会社(親会社は米国のBlock, Inc.)が提供する決済端末で、据置オールインワンの「Squareターミナル」、モバイル型の「Squareリーダー」、iPadをレジ化する「Squareスタンド」から選べます。端末本体代のほかは、初期費用・月額固定費・振込手数料がいずれも0円です。
ターミナルとスタンドは、銀聯(UnionPay)を含む国際カードのタッチ決済に加え、WeChat Pay・Alipay+やPayPay等のコード決済に対応します。交通系IC・iD・QUICPayの電子マネーも、端末へのタッチで受けられます。
クレジットカードの決済手数料は、年間決済額3,000万円未満で2.5%からです。売上は三井住友銀行・みずほ銀行の口座なら翌営業日、その他の金融機関でも毎週金曜にまとめて振り込まれ、振込手数料はかかりません。
海外の顧客が使う主な決済手段(国・地域別)
どの決済代行を選ぶべきかは、販売先や来店客の国・地域で使われている決済手段によって変わります。ここでは、主な国・地域ごとに押さえておきたい決済手段を整理します。自社のターゲットに必要な手段が分かると、比較表の見方も定まります。

中国・台湾・香港:銀聯とスマホQR決済
中国圏では、銀聯(UnionPay)とスマートフォンのQR決済が中心です。銀聯は世界183の国・地域で使え、日本国内でも130万を超える加盟店で受け付けられています。加えて、Alipay(アリペイ)やWeChat Pay(ウィーチャットペイ)といったコード決済が広く使われます。中国本土の顧客に売る、または中国からの訪日客を店頭で受ける場合は、これらへの対応が判断の分かれ目になります。
観光庁の調査でも、訪日外国人の国・地域別では中国・台湾・韓国・米国・香港が上位を占めており、中国圏の来店客が店頭決済に与える影響は大きいといえます。台湾や香港では国際ブランドのクレジットカードに加え、現地のQR決済(JKOPAY など)が使われる場面もあります。
東南アジア:Alipay+でつながる各国ウォレット
東南アジアでは、国ごとに主流のスマホ決済ウォレットが異なります。これらをまとめて受けられるのがAlipay+で、世界57の国・地域で、GCash(フィリピン)・TrueMoney(タイ)・Touch’n Go(マレーシア)など25を超えるウォレットに対応しています。東南アジアの顧客に売る、または同地域からの訪日客を受ける場合は、Alipay+への対応が一つの目安になります。
米国・欧州:クレジットカードとPayPalが中心
米国や欧州では、国際ブランドのクレジットカードとデビットカード、そして PayPal が主に使われます。越境ECでこれらの地域に売る場合は、海外発行カードの受け付けと、買い手に馴染みのある PayPal への対応が基本になります。国や地域によっては後払い(BNPL)が広く使われることもあり、販売先の商習慣に合わせて手段を足すかを検討します。
店頭でのインバウンド決済に関しては、訪日客の支払い方法として現金が依然として最も多く使われる一方、クレジットカードや交通系IC、モバイル決済も一定の割合で利用されています。現金以外の手段を用意しておくことは、取りこぼしを防ぐうえで有効です。
出典・参考資料(3件)
- 出典:インバウンド消費動向調査 2024年 年次報告書|観光庁(https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001884192.pdf)
- 出典:Introduction to UnionPay International|UnionPay International(https://www.unionpayintl.com/en/aboutUs/companyProfile/introductiontoUPI/)
- 出典:Alipay+ が対応する海外ウォレットに関する公式発表|Ant International(https://idocs.alipay.com/intl-website/intl-website/en/alipayplus_enables_digital_payment_of_14_overseas_ewallets)
海外対応決済代行の選び方(比較ポイント)
ここからは、海外対応の決済代行を選ぶときに確認したい観点を整理します。用途タイプで候補を絞ったあと、次の5つの視点で自社に合うかを見極めると、導入後のミスマッチを防げます。
自社の販売先で使われる決済手段に対応しているか
最も重要なのは、販売先や来店客の国・地域で使われている決済手段に対応しているかです。必要な手段は販売先の国・地域で決まるため、前節の「海外の顧客が使う主な決済手段」で整理した内容を、自社のターゲットに当てはめて確認してください。
自社のターゲットが定まっているなら、その手段を確実にカバーするサービスに絞り込みます。対応ブランドは各社で差があるため、必要な手段が「使える」と明記されているかを公式情報で確認します。
決済手数料・多通貨対応・為替コストは見合うか
海外決済では、決済手数料に加えて、通貨の換算にかかる為替コストが利益を左右します。手数料率だけでなく、どの通貨で受け取り、どのタイミングで日本円に換算されるか、その際のレートや手数料がどうなるかまで確認すると、実質的なコストを比べられます。取引量が多い事業者ほど、この差が積み上がります。
この観点は、海外の通貨で受け取る越境EC(オンライン)でとくに効きます。店頭のインバウンドは日本円での売上確定が基本のため、為替コストの比重は小さく、手数料率と入金サイクルを中心に見れば足ります。
不正利用・チャージバック対策は十分か
海外取引では、不正利用や、購入者が支払いを取り消すチャージバックのリスクが国内より高まりやすいとされます。多くのサービスが3Dセキュア(本人認証)やAIによる不正検知を備えていますが、対応範囲や追加費用の有無は各社で異なります。自社の商材の単価や不正の起きやすさを踏まえ、どこまでの対策が標準で含まれるかを確認しておくと、導入後の損失を抑えられます。
チャージバックは、カードを対面で確認しない越境EC(オンライン)でとくに起きやすく、対面で決済する店頭のインバウンドでは相対的に低くなります。越境ECを主にするなら、この対策は重めに見ておくと安心です。
とくに、海外発行カードでチャージバックが発生したとき、どこまでが加盟店の負担になるのかは気になるところです。3Dセキュアを通した取引で損失が免責される範囲と、免責されない取引の境界は、次の記事で詳しく整理しています。
入金サイクルや送金(返金・売上送金)の条件は合うか
売上がいつ、どの通貨で入金されるかは、資金繰りに直結します。入金サイクルはサービスによって幅があり、海外分は国内分より時間がかかる場合もあります。あわせて、海外の顧客への返金や、海外への売上送金が必要な事業では、その手段と手数料も確認しておきます。受け取りだけでなく、払い出しまで含めて条件が自社の運用に合うかを見ると、後から困りません。
導入実績・審査のしやすさは自社に合うか
同じ業種・規模での導入実績があるサービスは、自社の運用に合う可能性が高く、サポートの勘所も押さえています。あわせて確認したいのが審査です。決済代行の利用には加盟店審査があり、業態や商材によっては通りにくい場合があります。個人事業主でも申し込めるか、必要書類は何か、審査にどのくらいかかるかは、公式情報や問い合わせで事前に把握しておくと、導入スケジュールを立てやすくなります。
審査で具体的にどの項目が見られ、どんな業態や商材が落ちやすいのかを事前に押さえておきたい場合は、決済代行の審査に絞って解説した次の記事も参考になります。
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「国内決済代行の越境対応」と「海外アクワイアラ経由の海外決済」の違い
海外の顧客から支払いを受ける方法には、大きく2つの経路があります。国内の決済代行会社が提供する越境・インバウンド向けの機能を使う経路と、海外のアクワイアラと契約して決済情報を海外経由で処理する経路です。どちらを選ぶかで、審査・手数料・入金の条件が変わります。
多くの事業者にとっては、国内の決済代行会社の越境・インバウンド対応を使う経路が基本の選択肢です。日本語でのサポートを受けやすく、国内の入金口座や会計との連携もしやすいためです。本記事で紹介するサービスの大半も、この経路にあたります。
一方、海外アクワイアラ経由は、国内での加盟店契約が結びにくい業態などで選ばれることがあります。一般に、審査の基準や手数料、入金までの期間、預託金(デポジット)の要否、為替変動の扱いが国内の決済代行とは異なるとされ、条件はサービスや契約内容によって幅があります。導入を検討する場合は、手数料や入金条件、為替の扱いを個別に確認し、国内経由で要件を満たせないかを先に検討することをおすすめします。
まとめ
海外の顧客からの支払いに対応した決済代行を選ぶうえで、出発点になるのは「越境EC(ネットで売る)か、インバウンド(店頭で受ける)か、その両方か」という用途の切り分けです。用途が定まれば候補は絞られ、あとは自社の販売先で使われる決済手段への対応・手数料や為替コスト・不正対策・入金や送金の条件・審査のしやすさで比べれば、合う一社が見えてきます。
対応ブランドや手数料は各社で差があり、変更されることもあります。気になるサービスは資料請求で最新の条件を取り寄せ、自社の販売のかたちに当てはめて確認してください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 海外対応の決済代行会社とは何ですか?
A. 海外対応の決済代行会社とは、海外の顧客が使うクレジットカードやAlipay・WeChat Pay・銀聯などの決済手段を、一括で導入・管理できるサービスです。個々のカード会社や決済事業者と一社ずつ契約する手間を省き、越境EC(オンライン)でも店頭のインバウンドでも、海外の買い手の支払いをまとめて受け付けられます。
ネットで売るのか店頭で受けるのかといった用途によって、適したサービスの種類が変わります。
Q. 海外決済は国内決済より手数料が高くなりますか?
A. 海外発行カードでの決済は、国内カードの手数料に数%分が上乗せされるサービスが多くみられます。たとえば、通貨換算が必要な場合に所定の料率が加算される料金体系が一般的です。手数料の体系はサービスごとに異なり、非公開で個別見積りとなる会社も少なくないため、自社の販売先や取扱高を伝えたうえで、実質的なコストを見積もってもらうことをおすすめします。
Q. 越境ECとインバウンドの海外決済は1社でまとめられますか?
A. 越境EC(オンライン)と店頭のインバウンドの海外決済は、両方に対応する決済代行会社を選べば1社でまとめられる場合があります。売上や入金の管理を一本化しやすい利点があります。ただし、オンライン決済と店頭決済はそれぞれ契約や審査が別になることが一般的です。両方を予定しているなら、対応範囲と申し込み条件を導入前に確認しておくと、あとから困りません。
Q. 海外対応の決済代行は個人事業主でも契約できますか?
A. 海外対応の決済代行は、個人事業主でも申し込めるサービスが多くあります。ただし、法人のみを契約対象とする会社もあり、業態や商材によって審査の通りやすさが変わることもあります。利用条件や必要書類はサービスごとに異なるため、事前に公式情報や問い合わせで確認しておくと安心です。
Q. 海外決済を導入するときのリスクには何がありますか?
A. 海外決済では、為替変動による受取額の目減り、不正利用やチャージバック(購入者による支払いの取り消し)、多言語での顧客対応の必要性などが主なリスクとして挙げられます。多くのサービスが3Dセキュア(本人認証)やAIによる不正検知を備えていますが、対応範囲や追加費用は各社で異なります。自社の商材や単価に見合った対策が標準で含まれるかを確認しておくと、導入後の損失を抑えられます。
Q. 海外決済は国内決済より審査に通りやすいですか?
A. 海外アクワイアラ経由の海外決済は、国内の決済代行より審査基準が緩やかとされる場合があります。ただし、その分だけ手数料が高くなったり、預託金(デポジット)や為替変動リスクの負担が生じたりすることがあります。審査の基準や条件はサービスや契約内容によって幅があるため、まずは国内の決済代行で自社の要件を満たせないかを検討したうえで判断することをおすすめします。
Q. 越境ECで後払い(BNPL)決済は用意すべきですか?
A. 越境ECでの後払い(BNPL)決済は必須ではありませんが、販売先によっては導入を検討する余地があります。特に欧米では後払いの利用が広がっており、購入のハードルが下がって販売機会の拡大につながることがあります。自社の販売先の商習慣を踏まえ、必要に応じて対応手段に加えるかを検討するとよいでしょう。
Q. 海外対応の決済代行を選ぶときに最も重視すべきポイントは何ですか?
A. 最も重要なのは、販売先や来店客の国・地域で使われている決済手段・通貨に対応しているかです。中国圏なら銀聯やAlipay/WeChat Pay、東南アジアならAlipay+、米欧ならクレジットカードとPayPalが目安になります。そのうえで、決済手数料や為替コスト、不正・チャージバック対策、入金や送金の条件、審査のしやすさを比べ、自社の販売のかたちに合う一社を選びましょう。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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