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請求漏れの対応方法|お詫び文例と時効(5年)・回収まで解説

請求漏れの対応方法|お詫び文例と時効・回収まで解説のサムネイル画像

取引先への請求書を出し忘れていた、あるいは請求金額が不足していた——。経理や請求業務を担当していると、こうした「請求漏れ」に気づいて血の気が引く瞬間があります。

この記事では、請求漏れに気づいたときにまず取引先へどう連絡・謝罪すればよいか(そのまま使える文例つき)と、その分をまだ請求できるのか=消滅時効を最初に整理します。そのうえで、支払いを拒否された場合の督促・回収の進め方、請求漏れが起きる原因、二度と起こさないための再発防止策までを解説します。

まずは落ち着いて取引先へ連絡し、請求し直すことが先決です。この記事を、その一手を踏み出すための手順書として活用してください。

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請求漏れに気づいたら、まず取引先へ連絡・謝罪する

請求漏れに気づいたら、最初にすべきは取引先への連絡です。時間が経つほど相手の予算処理や会計処理に影響し、信頼関係にも響きます。社内で事実を確認したうえで、できるだけ早く連絡を入れ、あらためて請求する流れを取ります。

電話→メールの連絡順と、避けたい対応

連絡は、まず電話や口頭で一報を入れ、その後にメールで正式な文面を送る順序が基本です。金額や支払期日といった条件は口頭だけでは行き違いが起きやすいため、電話でお詫びと事情を伝えたうえで、証拠が残る形のメールで請求内容を改めて提示します。

連絡の前に、契約内容・納品や検収の記録・入金履歴を確認し、請求金額と対象期間を確定させておきます。請求書を訂正・再発行する場合は、先に相手へ連絡してから送るのが順序です。

避けたいのは、連絡せずに黙って請求書だけを送りつけることや、原因を取引先のせいにする言い方をすることです。請求漏れは自社側の事務手続きに起因することが多いため、事実を認めて謝罪し、そのうえで支払いをお願いする姿勢が信頼の回復につながります。

そのまま使えるお詫び・追加請求の文例

お詫びのメールは、事実の説明・謝罪・請求内容・支払期日・再発防止を簡潔に盛り込むと過不足がありません。状況別に、そのまま使える文例を示します。

【文例1】請求書の送付が遅れたことのお詫び
件名:〇月分ご請求書送付の遅延に関するお詫び
〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様
平素より大変お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇でございます。
このたび、弊社の確認漏れにより、〇月分のご請求書の送付が遅れましたことを深くお詫び申し上げます。あらためて本メールに〇月分の請求書(金額:〇〇円)を添付いたしますので、ご確認をお願いいたします。お支払期日は〇年〇月〇日とさせていただけますと幸いですが、貴社のご都合に合わせて調整も可能でございます。今後は社内の請求確認の工程を見直し、再発防止に努めてまいります。ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。

【文例2】請求し忘れていた分をあらためて請求する場合
件名:〇〇(案件名)に関するご請求のお願い
〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇でございます。
先日納品いたしました〇〇につきまして、弊社の手続き上の不備により、これまでご請求が漏れておりました。大変申し訳ございません。つきましては、〇年〇月に納品いたしました〇〇(金額:〇〇円)について、あらためてご請求申し上げます。請求書を添付いたしますので、ご確認いただけますと幸いです。ご不明な点や、支払時期についてのご相談がございましたら、お気軽にお申し付けください。

すでに一度請求書を送っていて、金額が不足していた(少なく請求していた)場合は、文例2を応用します。「先般お送りしたご請求に不足がございました」と経緯を添えて、不足分をあらためて請求します。差額分についても、当初の支払期日を基準に消滅時効を管理します。

やり取りの中で、相手から「確認しました」「その分はお支払いします」といった返信をもらえると、後述する消滅時効の管理の面でも有効です。相手が支払う意思を示した記録は、時効を仕切り直す「承認」にあたるためです(詳しくは次の章で解説します)。

請求し忘れた分はまだ請求できる?消滅時効は原則5年

「何か月も前の分だが、今から請求してよいのか」という不安がありますが、請求書を送っていなかったこと自体で、代金を受け取る権利(債権)が消えるわけではありません。取引で発生した売掛金は、一定期間を過ぎるまでは請求できます。その期間を定めるのが消滅時効です。

請求漏れと消滅時効のポイント
  • 売掛金の消滅時効は原則5年(民法166条1項1号)。この期間内であれば、請求書を送り忘れていた分もあらためて請求できます。
  • 起算日は支払期日の翌日。請求書を送っていなくても、支払期日は契約や取引の締め日・支払サイトで定まっているのが通常で、それが数え始めの基準になります。
  • 督促(催告)を行えば6か月間は時効が完成せず、相手が支払いを認めれば時効は更新(リセット)されます。

以下では、この結論の根拠となる条文と、時効を止める具体的な方法を確認します。売掛金などの債権の消滅時効は、民法166条1項で次のように定められています。

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

出典:民法 第百六十六条|e-Gov 法令検索

売掛金は支払期日が契約で決まっているのが通常で、その時点で「請求できること」を把握できます。このため実務上は1項1号の「5年」が先に到来し、原則として支払期日の翌日から5年で時効にかかると考えておくとよいでしょう。

起算点が支払期日の「翌日」となるのは、期間計算で初日を数に入れない初日不算入の原則(民法140条)によるものです。1号(5年)と2号(10年)は「いずれか早いほうの経過」で時効が完成します。

この「原則5年」は、2020年4月1日に施行された改正民法(債権法改正)にもとづくルールです。施行日より前に発生した債権には、改正前の職業別の短期消滅時効などが適用され、業種によっては2年とされていました。数年前の古い請求について検討する場合は、いつ発生した債権かで適用される時効が変わるため、期間を断定せず、必要に応じて弁護士など専門家に確認することをおすすめします。

出典・参考資料(1件)

時効を止める方法(完成猶予と更新)

時効の完成が近い場合でも、時効の進行を一時的に止めたり、仕切り直したりする方法があります。改正民法では、これを「完成猶予」と「更新」として整理しています。

消滅時効を止める2つの方法の比較図。完成猶予は催告(督促状・内容証明郵便)で6か月間だけ時効の完成を止めるが繰り返しても延長されない一時停止。更新は裁判上の請求・支払督促での権利確定や相手の承認により時効があらためて5年進行するリセット。

1つ目は催告です。書面などで支払いを求める催告を行うと、その時から6か月が経過するまでは時効が完成しません。督促状や内容証明郵便による支払いの請求がこれにあたります。

第百五十条 催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

出典:民法 第百五十条|e-Gov 法令検索

ただし催告は6か月の猶予を生むだけで、時効の期間そのものをリセットするわけではありません。同じ催告を繰り返しても効果は延長されないため、猶予が続く6か月の間に、後述する支払督促や訴訟などの手続きに進む必要があります。

2つ目は更新です。裁判上の請求や支払督促などを行い権利が確定すると(民法147条)、あるいは相手が債務を認めると(承認・民法152条)、時効はそこから新たに進行を始めます。とくに、お詫びや追加請求のやり取りの中で相手から「その分は支払います」と債務を認めてもらえれば、その時点で時効が更新され、あらためて5年の期間が始まります。

第百五十二条 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。

出典:民法 第百五十二条|e-Gov 法令検索

支払いを拒否された・今さら払えないと言われたときの対応

あらためて請求しても、相手から「今さら請求されても困る」「その分は支払えない」と言われることがあります。ここからは、自社でできる督促から法的手段、そして回収を外部に任せる選択肢までを、順を追って解説します。

支払いを拒否されたときの回収の進め方を示す4段階の縦フロー図。STEP1は自社で督促状を送る、STEP2は内容証明郵便で催告し6か月の完成猶予の効果を得る、STEP3は裁判所を通じた支払督促(60万円以下は少額訴訟)、STEP4は強制執行で回収。人手を割けない場合は督促の事務代行・弁護士・ファクタリングなどの外部委託も選択肢。

まず自社でできる督促(督促状・内容証明)と督促文の記載例

連絡しても支払いに応じてもらえない場合は、書面で正式に支払いを求めます。まずは督促状を送り、それでも動きがなければ、内容証明郵便で催告します。内容証明郵便は「いつ・どのような内容の請求をしたか」を郵便局が証明する制度で、催告した事実と日付を証拠として残せます。前章のとおり、催告には6か月の時効の完成猶予の効果もあります。

【文例3】支払いを求める督促の文面
件名:〇〇(案件名)のお支払いに関するお願い
〇〇株式会社 御中
〇年〇月〇日付でご請求いたしました〇〇(金額:〇〇円)につきまして、お支払期日である〇年〇月〇日を過ぎても入金の確認が取れておりません。お手数ですが、本状到着後〇日以内に、下記口座へお振込みくださいますようお願い申し上げます。なお、行き違いですでにお支払いいただいている場合は、何とぞご容赦ください。ご不明な点がございましたら、担当〇〇までご連絡ください。

法的手段(支払督促・少額訴訟)の順序と費用・期間の目安

書面での督促でも支払われない場合は、裁判所を通じた手続きを検討します。売掛金のように金額が明確で、相手が支払い自体を強くは争っていないケースでは、支払督促が使いやすい手続きです。

第三百八十二条 金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求については、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。ただし、日本において公示送達によらないでこれを送達することができる場合に限る。

出典:民事訴訟法 第三百八十二条|e-Gov 法令検索

支払督促は、相手方(債務者)の所在地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官へ申し立てます。取引先が法人の場合は、その事業所の所在地を管轄する簡易裁判所へ申し立てることもできます。相手を裁判所に呼び出さず書面審査で進むのが特徴です。

費用は、申立てにかかる裁判所の手数料が請求額に応じて決まり、通常の訴訟より低く抑えられます。2026年5月の民事訴訟法改正で郵便費用は申立手数料に一本化され、手数料と郵便費用相当額(定額)を合わせて納めます(申立手数料は原則としてペイジーによる電子納付です)。期間は、相手から異議が出なければ、申立てから確定までおおむね1〜2か月程度が目安です(事案により前後します)。

出典・参考資料(1件)

相手に支払督促が送達されてから2週間以内に異議の申立てがなければ、仮執行の宣言を経て、最終的に確定判決と同じ効力を持ちます。ここまで進めば強制執行によって回収を図れます。一方で、相手が異議を申し立てると通常の訴訟に移行するため、支払い自体を争う相手には向きません。

請求額が60万円以下の金銭の支払いを求める場合は、原則1回の期日で判決が出る少額訴訟も選択肢になります(民事訴訟法368条)。少額の売掛金を早期に決着させたいケースに適しています。いずれの手続きも、金額や相手の対応によっては弁護士へ相談したほうがよい場面があります。

回収を外部に委託する選択肢(督促代行・回収代行・ファクタリング)

督促や回収に人手を割けない場合は、外部の力を借りる方法もあります。ここで注意したいのは、他人の債権を報酬を得て代理・回収することは、原則として弁護士でなければ行えないという点です(弁護士法72条)。「回収代行」をうたうサービスを利用する際は、どのような法的な仕組みで回収するのかを確認しておくと安心です。

第七十二条 弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

出典:弁護士法 第七十二条|e-Gov 法令検索

売掛金の回収に関わる外部委託は、主に次のように整理できます。

  • 督促の事務代行:メール・SMS・電話などによる支払いのリマインドや督促の連絡を代行する形。法律事務そのものには踏み込まず、督促業務の手間を減らします。
  • 弁護士への依頼:交渉・法的手続きまで含めて代理を任せられます。相手が支払いを争う場合や金額が大きい場合に向きます。
  • ファクタリング:売掛債権を売却して早期に資金化する方法。債権を譲り受けた会社が自社の債権として管理・回収するため、他人の債権の回収代行とは仕組みが異なります。

このうち電話や自動音声で入金案内・督促を行う手段については、進め方に実務上の注意点があります。オートコール(自動音声による架電)で入金案内・督促を手がける電話放送局株式会社の前田氏は、自動化を検討する際の勘所を次のように話しています。

前田氏
電話放送局株式会社 営業部 営業推進課 課長
前田氏
独自インタビューより

入金案内や督促は、伝える内容が定型化しやすい一方で、案内の仕方によってはトラブルや苦情につながりやすい業務です。だからこそ、まずは“自動化しても顧客体験を損ねにくい設計”をすることが大切だと考えています。オートコールは使い方を間違えると社会問題になりかねません。だから当社としては、用途の相性を見極めて、やめた方がいいケースは止める。その線引きも含めて一緒に考えています。

法務大臣の許可を受けた債権回収会社(サービサー)が業として管理・回収できるのは、貸付債権やリース債権などの「特定金銭債権」に限られ、一般の事業会社どうしの通常の売掛金は原則としてその対象になりません(債権管理回収業に関する特別措置法)。

どの仕組みが自社の状況に合うかは、対象となる債権の種類や金額をふまえて選ぶことが大切です。督促や回収を仕組みとして継続的に任せたい場合に検討できるサービスは、記事後半で紹介します。

出典・参考資料(1件)

督促や回収の外部委託を検討する際は、複数のサービスの対応範囲や費用を見比べておくと選びやすくなります。資料をまとめて取り寄せて、自社の状況に合う仕組みを確認してみてください。

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請求漏れが起きる主な原因(自社起因・取引先起因)

いったん収拾のめどが立ったら、なぜ請求漏れが起きたのかを整理しておきましょう。原因を把握することが、次の再発防止につながります。請求漏れの原因は、自社の事務手続きに起因するものと、取引先側に起因するものに分けられます。

自社側の原因としては、次のようなヒューマンエラーが典型です。

  • 請求書そのものの作成を忘れる(納品はしたが請求の起票が漏れる)
  • 作成した請求書の送付・投函・メール添付を忘れる
  • 社内の承認待ちのまま放置され、送付のタイミングを逃す
  • 入金確認・消込が追いつかず、未請求や未入金を見落とす
  • 請求金額の計算ミスや数量の反映漏れで、一部が請求できていない

担当者が1人で多数の請求を処理していたり、月末に業務が集中したりすると、こうした漏れは起こりやすくなります。個人の注意力だけに頼っていると、件数が増えるほど見落としのリスクが高まります。

取引先側の原因としては、支払いに必要な書類(注文書・検収データなど)が届かず請求のきっかけを逃す、担当者の異動や連絡先の変更で請求先が不明確になる、といったケースがあります。定例外の取引や単発の案件で起こりやすい傾向があります。

二度と請求漏れを起こさないための再発防止策

再発防止は、明日からできる運用の見直しと、件数が増えても回る仕組みづくりの2段階で考えると取り組みやすくなります。原因と対策を対応させて、自社のケースに当てはめてみてください。

明日からできる運用改善

まずは、道具を増やさずに始められる運用の工夫です。原因に対して、次のような対策が有効です。

  • 請求書の番号管理(ナンバリング):連番を振ることで、欠番から発行漏れに気づけます。
  • チェックリストの整備:作成・送付・入金確認の各工程を一覧化し、対応済みかを可視化します。
  • ダブルチェック体制:発行前に別の担当者が金額・宛先・対象期間を確認します。
  • スケジュール・ステータス管理:請求予定・請求済・入金済を管理表で追い、締め日を決めて処理を平準化します。

これらは、月次で請求件数がそれほど多くない場合には特に効果的です。まずは自社の請求業務のどの工程で漏れが起きたのかを振り返り、その工程に対策を当てるのが近道です。

件数が多いなら請求・回収業務の仕組み化を検討する

請求件数が多く、手作業のチェックだけでは追いつかない場合は、請求から入金確認までの業務そのものを仕組み化する方法があります。請求管理システムを導入すれば、請求書の自動発行、送付状況の管理、入金の自動消込、未入金への自動催促までを一元的に運用でき、担当者の注意力に頼らずに漏れを防ぎやすくなります。

請求管理システムや、請求・回収業務そのものを外部に委託するサービスを選ぶ際は、次の観点を確認するとよいでしょう。

  • 対応する業務範囲:請求書発行だけか、送付・入金消込・督促まで含むか。自社が漏れを起こした工程をカバーしているか。
  • 既存システムとの連携:会計ソフトや販売管理・顧客管理のシステムとデータを連携できるか。
  • セキュリティ水準:取引先情報や請求データを扱うため、情報管理の体制や認証の取得状況を確認します。

請求書の発行から送付・入金消込・督促までを一つにまとめて運用する仕組みは、一般に請求管理システムや債権管理システムと呼ばれます。以下の記事では、これらのシステムを消込・請求一体・与信督促といったタイプ別に比較し、選び方を解説していますので、自社に合う仕組みを探す際の参考にしてください。

次章では、こうした請求・回収の仕組み化を支えるサービスを具体的に紹介します。

決算後に請求漏れが見つかった場合の会計・税務処理

すでに決算を終えた後に、過去の期の請求漏れが見つかることもあります。この場合、売上をいつの期に計上すべきか、法人税の申告に影響しないかといった論点が出てきます。

本来計上すべきだった期の売上が漏れていた場合、過去の決算や申告の修正が必要になる可能性があります。ただし、売上の計上時期や修正申告の要否は、債権が確定した時期・自社の会計方針・金額の重要性などによって結論が変わります。自己判断で処理せず、顧問税理士に相談して対応を決めることをおすすめします。

また、決算後に見つかった請求漏れを取引先へ伝える際は、次のように、経緯と請求内容を簡潔に伝えると行き違いを防げます。

【文例4】決算後に判明した請求漏れの連絡
件名:〇〇(案件名)に関するご請求のお願い
〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇でございます。
社内で過年度の取引を確認しておりましたところ、〇年〇月に納品いたしました〇〇について、弊社の手続き上の不備によりご請求が漏れていたことが判明いたしました。ご連絡が遅くなり誠に申し訳ございません。つきましては、当該分(金額:〇〇円)についてあらためてご請求申し上げます。お手続きやお支払時期についてご相談がございましたら、遠慮なくお申し付けください。

請求漏れの防止・売掛金回収に役立つサービス

ここまで見てきたとおり、請求漏れの再発防止には請求・回収業務の仕組み化が、起きてしまった未回収への対応には督促・回収の外部化が有効です。ここでは、請求・回収の各段階——仕組み化による防止・請求業務の外部化・未回収債権の督促——に対応するサービスを取り上げます。

以下は、各サービスの対応範囲を整理した比較表です。より幅広く比較したい場合は、記事後半で案内する督促・売掛金回収代行の一覧もあわせてご確認ください。

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サービス名請求管理ロボ請求まるなげロボ債権回収ロボ
提供会社株式会社ROBOT PAYMENT株式会社ROBOT PAYMENT株式会社ROBOT PAYMENT
タイプ請求管理システム(自社運用のクラウド型)請求業務の代行(BPO)+売掛金保証督促・回収の自動化(SaaS)
対応業務範囲請求書発行・送付〜集金・入金消込・催促与信審査〜請求・送付・回収・入金消込・督促を代行未入金の督促・回収に特化(請求書発行は対象外)
請求書発行・送付×
入金消込(自動消込)×
督促チャネルメール(自動催促)
※電話・SMSは債権回収ロボ連携で対応
メール・電話・弁護士法人対応(代行)メール・SMS・オートコール(IVR)
売掛金保証×与信通過した適格債権に限り100%保証×
初期費用要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
月額・手数料要問い合わせ
(月額+請求件数の従量)
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1. 請求管理ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求管理ロボのウェブサイト

株式会社ROBOT PAYMENTが提供する請求管理ロボは、請求書の発行・送付から、複数の決済手段による集金、入金の自動消込、未入金への自動催促までを一つのシステムで自動化するクラウドサービスです。請求漏れの主な原因である作成忘れ・送付忘れ・入金確認漏れを仕組みで防ぎます。

金融機関の入金情報を取得して請求と自動照合するため、目視での消込作業が不要になり、未入金の案件も可視化できます。Salesforceやkintoneといった営業支援・顧客管理のツール(SFA・CRM)や、主要な会計ソフトとも連携でき、請求から会計までのデータをつなげられる点も特徴です。

運営元は東京証券取引所グロース市場に上場しており、ISMS(ISO/IEC 27001)認証やプライバシーマークを取得しています。単体の督促はメールによる自動催促が中心で、電話やSMSを含む本格的な督促は、後述する同社の債権回収ロボと連携して対応します。

2. 請求まるなげロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求まるなげロボのウェブサイト

企業間(BtoB)取引の請求業務を、与信から回収までまるごと代行するのが請求まるなげロボです。与信審査・請求書の発行と送付・代金回収・入金消込・督促までを株式会社ROBOT PAYMENTが引き受けるため、請求し忘れの温床になりがちな自社の請求実務そのものを外部に委ねられます。

特徴は、与信審査を通過した適格債権について、回収の結果にかかわらず売掛金を100%保証する点です(保証の対象は同社の審査で適格と判断され与信を通過した債権に限られます)。与信を通過しなかった取引先の請求も同じシステム上で自社管理でき、請求情報を一元的に扱えます。

手数料は取引内容に応じた個別見積もりとなるため、具体的な条件は資料で確認するとよいでしょう。請求業務の負担そのものを軽くしたい企業に適したサービスです。

3. 債権回収ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

債権回収ロボのウェブサイト

債権回収ロボは、2026年3月に提供が始まった督促・回収の自動化サービスです。メール・SMS・オートコール(自動音声による電話)といった複数のチャネルを組み合わせた督促のシナリオを設計し、自動で実行します。請求漏れに気づいて請求し直した後、入金遅延や支払い拒否となった売掛金の回収を、仕組みとして継続的に進めたい場合に役立ちます。

債務者の属性や債権額に応じて督促シナリオを分岐でき、督促の状況や相手からの返信履歴を一元管理できるため、属人化しやすく心理的な負担も大きい督促業務を標準化できます。前述の請求管理ロボと連携させれば、請求から督促・回収までを一つの流れで管理することも可能です。料金は個別見積もりのため、詳細は問い合わせのうえ確認してください。

ここで紹介したサービスのほかにも、売掛金の回収を外部に任せる依頼先には、督促の事務代行・回収代行・弁護士・ファクタリングなどさまざまなタイプがあり、費用や対応できる範囲が異なります。以下の記事では、売掛金回収代行サービスを依頼先タイプ別に比較し、費用相場や選び方まで解説していますので、未回収分の回収を本格的に検討される方はあわせてご覧ください。

まとめ

請求漏れに気づいたら、まず取引先へ連絡・謝罪し、あらためて請求することが先決です。請求書を送っていなかったことだけで代金を受け取る権利が消えるわけではなく、売掛金は原則として支払期日の翌日から5年で消滅時効にかかります。相手が債務を認めれば時効は更新され、催告や支払督促で完成を先延ばしにすることもできます。

支払いを拒否された場合は、督促状・内容証明から支払督促・少額訴訟へと段階的に進め、人手が足りなければ回収の外部委託も検討できます。そして、二度と繰り返さないためには、番号管理やチェック体制といった運用改善に加え、件数が多い場合は請求・回収業務そのものの仕組み化が有効です。自社の状況に合った方法で、請求漏れのない体制を整えてください。

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請求漏れ・売掛金回収に関するよくある質問(FAQ)

Q. 請求漏れとは何ですか?

A. 請求漏れとは、取引先に請求すべき代金を、請求書の出し忘れや金額不足などによって請求できていない状態を指します。納品や役務の提供は済んでいるのに、社内の事務手続き上の不備で代金を受け取れていないケースが典型です。

請求漏れは自社側のヒューマンエラー(作成忘れ・送付忘れ・入金確認漏れなど)で起きることが多く、気づいた時点でできるだけ早く取引先へ連絡し、あらためて請求するのが基本の対応です。

Q. 請求漏れがあっても、取引先に支払い義務はありますか?

A. 請求書を送っていなかったこと自体で、取引先の支払い義務(代金を支払う債務)が消えることはありません。契約にもとづいて発生した売掛金は、請求書を送ったかどうかにかかわらず有効だからです。

ただし、契約内容・納品や検収の状況・相殺の有無・後述の消滅時効などによって結論が変わることがあります。金額が大きい、相手が支払い自体を争っている、長期間が経過しているといった場合は、請求の前に契約書と取引履歴をそろえ、弁護士など専門家に確認すると安心です。

Q. 請求し忘れた売掛金は、いつまで請求できますか?

A. 売掛金は、原則として支払期日の翌日から5年が経過するまでは請求できます(民法166条1項、2020年4月施行の改正民法)。5年を過ぎると消滅時効にかかり、相手が時効を主張すると請求が難しくなります。

ただし、2020年3月以前に発生した債権には、改正前の職業別の短期消滅時効(業種によっては2年など)が適用される場合があります。数年前の古い請求は、いつ発生した債権かで適用される時効が変わるため、期間を自己判断で断定せず、必要に応じて弁護士など専門家に確認することをおすすめします。

Q. 時効が近い請求漏れは、どうすれば時効の完成を防げますか?

A. 消滅時効は、督促状や内容証明郵便による催告で6か月間は完成を先延ばしにでき、相手が「その分は支払う」と債務を認めれば(承認)、その時点から新たに5年の期間が始まります。

催告による6か月の猶予は繰り返しても延長されないため、その間に支払督促や訴訟へ進む必要があります。お詫びや追加請求のやり取りで相手から支払う意思を示す返信をもらっておくと、時効を仕切り直す「承認」の記録として有効です。

Q. 請求漏れのお詫びメールには何を書けばよいですか?

A. 請求漏れのお詫びメールには、事実の説明・謝罪・請求内容(金額)・支払期日・再発防止策の5点を簡潔に盛り込みます。この構成を押さえると、謝罪とあわせて支払いのお願いまでを過不足なく伝えられます。

連絡はまず電話で一報を入れ、その後に証拠が残るメールで正式な文面を送る順序が基本です。原因を取引先のせいにする言い方は避け、事実を認めて謝罪したうえで支払期日をあらためて提示する姿勢が、信頼の回復につながります。状況別の文例は本文の「そのまま使えるお詫び・追加請求の文例」で紹介しています。

Q. 請求漏れの分を取引先に支払い拒否された場合はどうすればよいですか?

A. まず督促状や内容証明郵便で書面による支払いの請求を行い、それでも応じない場合は、支払督促や少額訴訟といった裁判所を通じた手続きを検討します。売掛金のように金額が明確なケースでは、比較的低コストな支払督促が使いやすい手続きです。

督促や回収に人手を割けない場合は、督促の事務代行や弁護士への依頼、ファクタリングによる早期資金化といった外部委託も選択肢になります。ただし、他人の債権を報酬を得て代理・回収できるのは原則として弁護士に限られるため、回収を委託する際は、どのような法的な仕組みで回収するのかを確認しておくと安心です。

Q. 決算後に過去の請求漏れが見つかった場合はどうすればよいですか?

A. 決算後に過去の期の請求漏れが見つかった場合は、過年度の決算や申告の修正が必要になることがあるため、自己判断で処理せず、顧問税理士に相談して対応を決めることをおすすめします。売上の計上時期や修正申告の要否は、債権が確定した時期・自社の会計方針・金額の重要性などによって結論が変わるためです。

取引先へ連絡する際は、過年度の取引を確認していて請求漏れが判明した経緯と、あらためて請求する金額・支払時期の相談に応じる姿勢を、簡潔に伝えると行き違いを防げます。

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MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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