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マルウェア検知サービス比較24選|未知のマルウェアを何で検知し、誰が監視するのか

マルウェア検知サービス比較24選のサムネイル画像

ウイルス対策ソフトは入れているのに、報道で見かける被害が自社で起きない保証はありません。そんな不安から「マルウェア検知サービス」を調べ始めた方も多いのではないでしょうか。実際、警察庁の集計では令和7年のランサムウェア被害報告件数は226件にのぼり、被害企業の約6割を中小企業が占めています。

やっかいなのは、検知サービスと一口に言っても中身がまるで違うことです。エンドポイントに製品を導入して自社で見るものもあれば、ベンダーの監視センターが24時間見て通知してくれるものもあります。何を見て「怪しい」と判断するのかという検知の方式も、製品ごとに異なります。

本記事では、マルウェア検知サービス24製品を「どの方式で検知するのか」と「誰が監視し、誰が対処するのか」という2つの軸で整理しました。方式ごとの効き方と限界、提供形態3タイプの違い、検知したあとにどこまでベンダーが対応してくれるのかを整理しました。自社の体制に合う候補を絞り込む材料としてご活用ください。

また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

マルウェア検知サービスとは|ウイルス対策ソフトで防ぎきれない脅威を見つける仕組み

マルウェア検知サービスとは、ウイルス対策ソフトの導入だけでは気づけない不審な挙動や通信を見つけ出し、感染や被害の拡大を早い段階で止めるための製品・サービスの総称です。監視する場所は、端末(PC・サーバー)とネットワークの2つに大別されます。

そもそも、なぜウイルス対策ソフトだけでは足りないのでしょうか。この点については、総務省が「国民のためのサイバーセキュリティサイト」で明確に述べています。

しかし、ここに挙げたマルウェア対策を十分に実施していたとしても感染してしまうことがあります。マルウェアは、日々新しいものが出回っており、OSのアップデートやマルウェア対策ソフトでは対応しきれないことがあるからです。

出典:マルウェア(ウイルス等)対策|総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト

対策を尽くしても感染は起こりえます。この前提に立つと、防ぐことと同じくらい「入られたことに気づけるか」が重要になります。マルウェア検知サービスが担うのは、まさにこの気づく機能です。

未知・亜種のマルウェアが既存のウイルス対策ソフトをすり抜ける理由

従来型のウイルス対策ソフトは、既知のマルウェアの特徴を集めたデータと照合して危険を判定します。このデータは製品によって「パターンファイル」「ウイルス定義ファイル」「シグネチャ」と呼び名が変わりますが、指しているものは同じです。

照合方式である以上、データに載っていないものは判定できません。そして攻撃側は、それを見越して中身を少しずつ変えた亜種を次々に送り出しています。Microsoftは自社ドキュメントで、最新のマルウェアの大部分は検出を回避するために絶えず変化しており、あるバリアントが特定されるとすぐに別のバリアントが発生する、と説明しています。

この構図はベンダー自身も認めるところです。多くの組織が導入しているエンドポイントの不正プログラム対策は、既知のランサムウェアの亜種には一定の保護を提供するものの、新しい亜種の発生を検出し防止するには不十分な場合がある。トレンドマイクロは自社ドキュメントにこう記しています。定義ファイルの更新が追いつく前に届いた検体は、素通りしてしまうということです。

さらに近年は、回避の手口そのものが高度化しています。IPAは「情報セキュリティ10大脅威 2026」の解説書で、Google Threat Intelligence Groupの報告を引きながら、実行中に生成AIを使って自らのコードや挙動を変化させ、検出を逃れようとするマルウェアの出現を伝えています。

侵入の入口も変わりました。警察庁の令和7年の報告書によれば、標的型攻撃メール等の添付ファイルによる感染は少なくなり、被害組織へのアンケートでは侵入経路のうちVPN機器が6割以上を占めています。

攻撃者は、未修正のぜい弱性、漏えいした認証情報や簡易なパスワード、設定不備等を悪用して組織のネットワークへ侵入する。そして、より広い領域にアクセスするために管理者権限の奪取やセキュリティ無効化を試みながら、ネットワーク内部を探索して重要データやバックアップを物色する。

出典:令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(令和8年3月)|警察庁サイバー警察局

攻撃者がセキュリティ機能の無効化を試みるという記述は、選定にそのまま効いてきます。端末側の製品を1つ入れておけば安心という前提が崩れるからです。だからこそ、何を見て検知するのかという方式と、どこを監視するのかという対象が、選定の軸になります。

ウイルス対策ソフト・EDRとの守備範囲の違いと併用の考え方

すでにウイルス対策ソフトを導入済みの企業にとっては、検知サービスが既存の投資と重複しないかが気になるところでしょう。この3者の守備範囲は、IPAが「情報セキュリティ10大脅威 2026」の解説書で並べて定義しています。

・セキュリティソフト
セキュリティソフトとは様々なセキュリティ機能が統合されたソフトウェアである。アンチウイルスや迷惑メールのフィルタリング、Web アクセスのフィルタリングをはじめ、製品によって様々な機能を搭載している。
・EDR (Endpoint Detection and Response)
サーバーおよび PC 内の処理や外部との通信等の不審な振る舞いを検知することで迅速な対応を可能にする。
・NDR (Network Detection and Response)
ネットワーク上の通信を監視、分析することで不審な通信を検知し、迅速な対応を可能にする。

出典:情報セキュリティ10大脅威 2026 解説書[組織編](p.47)|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

整理すると、ウイルス対策ソフトが担うのは侵入を水際で防ぐ役割、EDRは端末に入られたあとの不審な振る舞いを見る役割、NDRはネットワークを流れる通信から異常を見つける役割です。守る場所と見るタイミングが異なるため、置き換えではなく重ねて使うのが基本になります。

ここで注意したいのは、EDRを入れれば未知のマルウェアを確実に捕まえられる、とまでは言えないことです。IPAは「情報セキュリティ白書2025」で、抑制的な書き方をしています。

EDR 製品は、すべてのマルウェアに対して万能ではないものの、ファイルレスマルウェアや未知のマルウェア等の検知・対策にも有効な可能性がある。

出典:情報セキュリティ白書2025(p.30)|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

「万能ではないものの」「有効な可能性がある」という留保つきの評価です。特定の1製品にすべてを託すのではなく、IPAが同白書で示すとおり、複数の対策を組み合わせた多層防御として設計する発想が要ります。

では、端末を見る層とネットワークを見る層のどちらから整備すればよいのでしょうか。この判断は、社内にエージェントを入れられない機器がどれだけあるか、すでに入れている製品と何が重なるかで変わります。EDRとNDRの製品の顔ぶれや、どちらの層から整備すべきかを比べたい場合は、以下の記事で整理しています。

出典・参考資料(6件)

マルウェアの検知方式と、未知のマルウェアへの効き方

ここからは、各サービスが採用している検知方式を4つに分けて解説します。IPAも情報セキュリティマネジメント試験のシラバスで、マルウェア検出手法としてパターンマッチング法・ビヘイビア法(振る舞い検知)・ヒューリスティック法・未知マルウェア検出手法を挙げています。

まず全体像を押さえておきましょう。

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パターンマッチング(シグネチャ型)ヒューリスティック検知・振る舞い検知サンドボックス(動的解析)AI・機械学習による予測型検知
何を見て判定するかファイルの特徴を既知のマルウェアのデータと照合するプログラムのコードの特徴や、実行中の挙動を解析する隔離された仮想環境で実際に動かし、通信・ファイル作成・プログラム実行などの挙動を取得する大量の脅威情報と安全なプログラムの情報を学習したモデルで統計的に判断する
未知への効き方データに載っていないものは判定できない以前に存在しなかったものも検出しうる実行しないと分からない振る舞いを捕まえられる学習済みの傾向から外れた亜種にその場で判定を下せる
運用上の前提・限界定義ファイルを最新に保つ運用が前提。更新の間隔だけ判定が遅れる確信度のしきい値を組織側で決める必要がある。過検知と見逃しが表裏解析に時間がかかる。クラウド型は検体を外部へ送る点の確認が要る学習したものへの対応であり、全く新しい脅威の判別は困難とされる

※各方式の一般的な特性を整理したものです。個別のサービスにおける実装や搭載の有無は各社情報をご確認ください。

パターンマッチング(シグネチャ型)

既知のマルウェアの特徴を記録したデータと、検査対象のファイルを照合する方式です。長く使われてきただけあって、すでに世に出回っている脅威に対しては確実性が高く、判定の根拠がはっきりしているため誤検知も比較的少なく済みます。

この方式で重要になるのが、照合用データの更新頻度です。トレンドマイクロは自社のサポート情報で、従来型パターンの更新は1日ごと、クラウド照合を使うスマートスキャンのパターン更新は1時間ごとであると具体的に示しています。裏を返せば、その間隔のあいだに現れた新しい検体には、この方式だけでは対応できません。

総務省もパターンファイルが古いままでは、かえって脆弱で危険な状態になりかねないと注意を促しています。導入して終わりではなく、更新が確実に回る運用まで含めて成立する方式だと理解しておきましょう。

ヒューリスティック検知・振る舞い検知

照合ではなく、プログラムが何をしようとしているかから危険を推し量る方式です。ESETは自社の製品ヘルプで、ヒューリスティックについて次のように説明しています。

ヒューリスティックは、プログラムの(悪意のある)活動を解析するアルゴリズムを使用します。ヒューリスティック検出の主な利点は、以前に存在していなかった新しい悪意のあるソフトウェアを検出できることです。

出典:検査方法(ThreatSenseエンジンのパラメータ設定)|ESET Cyber Security 8 オンラインヘルプ

振る舞い検知は、これを実行中の挙動に広げたものだと考えると分かりやすいでしょう。許可されていない外部への通信、短時間での大量のファイル暗号化、システム設定の無断変更といった動きを監視し、定義ファイルに載っていない検体も捕まえにいきます。

選定にあたって見落としがちなのが、この方式には「どこから怪しいと見なすか」というしきい値の設定が伴う点です。製品によっては、悪意があると高い確信を持てる場合にのみ反応する設定から、確信度が低くても反応する設定まで、検出のレベルを段階的に選べるようになっています。

過検知を減らせば見逃しが増え、見逃しを減らせば現場の確認作業が増えます。この調整を誰が続けるのかまで見ておく必要があります。

サンドボックス(仮想環境での動的解析)

疑わしいファイルを隔離した環境で実際に動かし、その挙動から判定する方式です。IPAは「情報セキュリティ白書2025」で、添付ファイル付きメールの受信時やファイルのダウンロード時に、サンドボックスと呼ばれる隔離された環境でファイルを動的に解析する仕組みを採用することも有効である、と位置づけています。

実際に何を見ているのかは、警察庁が自らの解析基盤について記した説明が具体的です。不正プログラムを仮想環境で自動的に実行し、他のコンピュータとの通信、ファイルの作成、プログラムの実行といった挙動を取得する、と述べています。静止した状態のファイルを眺めるだけでは分からない動きを、動かして確かめるわけです。

一方で、同じIPAの白書は利用時の注意も添えています。

オンラインで提供されるマルウェア検査やサンドボックスのサービスの一部では、ファイルをアップロードすることで意図せず情報漏えいにつながる危険性があるため、十分な注意が必要である。

出典:情報セキュリティ白書2025(p.29)|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

検体をどこで解析するのかは、機能表だけを見ていると気づきにくい論点です。社内に設置した機器で完結するのか、ベンダーのクラウドへ送るのか。後者であれば、業務ファイルが社外に出ることへの社内の合意が要ります。

AI・機械学習による予測型検知

近年の製品が前面に出しているのが、機械学習で作ったモデルによる判定です。トレンドマイクロは、この方式が何をしているのかを次のように説明しています。

トレンドマイクロの機械学習型検索は、高度な機械学習テクノロジを使用して脅威情報を関連付け、デジタルDNAフィンガープリントやAPIマッピングなどのファイル機能を使用した詳細なファイル分析により未知のセキュリティリスクを検出します。また、不明なプロセスやあまり普及していないプロセスの挙動分析を実行して、ネットワークへの侵入を試みる未知の新しい脅威がないかどうかを判定します。

出典:機械学習型検索|Trend Micro Apex One 2019 サーバオンラインヘルプ

ファイルそのものの特徴と、動いているプロセスの挙動の両方を見ている点が要点です。パターンの更新を待たずにその場で判定できるため、亜種が短期間に大量発生する状況では速度の面で優位に立ちます。

ただし、「AIだから未知も検知できる」と受け取るのは行き過ぎです。同社は同じサポート情報のなかで、限界を自ら明示しています。

※ただし、あくまで機械学習型検索は学習したものに対する対応であり、全く新しい脅威については判別することが困難です。

出典:機械学習型検索について教えてください:Trend Micro Apex One(KA-0007551)|トレンドマイクロ ビジネスサクセスポータル

提供元自身がこう書いている以上、「未知のマルウェアに対応」という訴求は、どの範囲の未知を指しているのかまで確かめる価値があります。学習済みの傾向から派生した亜種と、傾向そのものが新しい脅威とでは、効き方が変わるからです。

実際のサービスは複数方式を組み合わせている(多層検知)

ここまで4つの方式を分けて説明してきましたが、市販の製品で単一方式だけで判定している製品は多くありません。多くはファイルが届いた時点の静的な判定、実行時の振る舞い監視、必要に応じた動的解析を段階的に重ね、どこかの層で引っかかれば止める設計になっています。

この考え方は、IPAが「情報セキュリティ白書2025」で示す設計原則とも重なります。攻撃手法は随時アップデートされるため、今まで講じていた対策が新たな手口に対して有効ではなくなる場合があり、特定の対策のみに頼らず、システム全体で複数の対策を組み合わせた多層防御が必要である、というものです。

マルウェア検知の多層構成を示した図。届いた時点の静的な判定(パターンマッチング)、実行時の振る舞い監視(振る舞い検知)、必要に応じた動的解析(サンドボックス)を段階的に重ね、AI・機械学習はファイルの特徴と実行中の挙動の両方を見ることを示す

そのため、後述の比較表で各サービスの検知方式を見るときは、どれか1つの方式が載っているかではなく、方式の組み合わせ方と、自社が特に恐れている脅威に効く層が入っているかで読んでいただくのが実用的です。

出典・参考資料(4件)

提供形態で分かれる3つのタイプ|誰が監視し、誰が対処するのか

検知方式と並ぶもう1つの軸が、提供形態です。同じように脅威を見つける仕組みでも、アラートを誰が見て、誰が次の手を打つのかはサービスによって大きく異なります。ここを取り違えると、導入したのに通知が積み上がるだけという状態になりかねません。

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監視・判断の担い手検知後の主な対応範囲向いている体制詳細
自社に導入して自社で運用するタイプ自社の情報システム部門・SOC製品の自動対処(隔離・遮断)まで。判断と後続対応は自社アラートを見て切り分けられる担当者がいる/まず自社運用で始め、必要になれば監視だけ委託したい端末を守るサービスを見る
ベンダーが監視して通知するタイプベンダーの監視センター検知・解析と通知まで。以降の対処は契約内容による24時間見る人手が社内にいないサービスを見る
解析や運用を専門家に任せるタイプ依頼先の技術者(依頼した作業の範囲内)解析報告書の納品、導入・運用の支援常時監視より、特定の検体の解析や運用の相談先が欲しいサービスを見る

自社に導入して自社で運用するタイプ

製品を自社の端末やネットワークに導入し、管理コンソールを自社の担当者が見る形態です。このタイプに当たる製品が最も多く、選択肢の幅も広いのが特徴です。

検知後の自動対処は製品側が担ってくれます。不審なプロセスの停止、端末のネットワークからの隔離、暗号化されたファイルの復元といった動作は、設定に沿って自動で走ります。判断が必要になるのはその先で、業務影響をどう見るか、どこまで調査するかは自社に残ります。

この形態の製品の多くは、ベンダー側で監視を代行するオプション(MDR。ベンダーの専門チームが監視と初動対応を引き受ける契約形態です)も用意しています。まず自社運用で始めて、手が回らなければ監視だけ委託するという段階的な進め方も取れます。

ベンダーが監視して通知するタイプ

社内ネットワークにベンダーが用意した機器やエージェントを設置し、ベンダーの監視センターが常時監視して、検知した内容を通知する形態です。検知の仕組みそのものを預けるため、自社にアラートを読む人がいなくても運用が回ります。

通知の手段はサービスによって異なり、専用ポータルとメール、緊急時は電話というように複数のチャネルを併用するものもあります。契約前に確認しておきたいのは、通知が届いたあとどこまで支援があるかです。解析結果の解説までなのか、封じ込めの実作業まで含むのかで、社内に必要な備えが変わります。

解析や運用を専門家に任せるタイプ

仕組みごと預けて常時監視してもらう前のタイプに対し、この形態は検体の解析や製品の導入・運用といった特定の作業を、その都度あるいは契約期間中に専門家へ依頼するものです。24時間の見張りではなく、必要になったときの相談先を確保する使い方だと考えると位置づけがつかめます。

典型的なのは、疑わしい検体を送って解析報告書を受け取るサービスです。感染の有無を自社で判断しきれないとき、通信先や影響範囲を書面で受け取れると、社内報告や次の判断が進めやすくなります。製品を導入したものの運用が定着しない場合に、設定や他製品との連携を支援してもらう選択肢もこの形態に含まれます。

しかし、自社がどのタイプに適しているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

失敗しないマルウェア検知サービスの選び方

ここからは、ここまでの判断材料を使って候補を絞る手順を追います。上から順に自社の条件を当てはめていくと、24製品が現実的な数まで減っていくはずです。

何を検知対象にするか|社内のPC・サーバー端末とネットワーク全体の通信

最初の分岐が、守る対象です。端末に常駐させて動きを見る製品と、ネットワークを流れる通信を見る製品では、置き場所も見えるものも異なります。

端末側の製品は、どのプロセスが何をしたかまで追えるのが強みです。一方で、エージェントを入れられない機器は死角になります。複合機、監視カメラ、生産設備の制御端末、持ち込みのネットワーク機器などが社内にあるなら、その領域は端末側の製品では見えません。

ネットワーク側の製品は、エージェントを入れずに通信の異常を捉えられるため、この死角を埋められます。侵入経路としてVPN機器が6割以上を占めるという警察庁の集計を踏まえると、入口から内部へ広がる動きを通信で捉える意味は小さくありません。

両方を入れるのが理想ですが、予算が限られるなら、自社の資産のうちエージェントを入れられない機器がどれだけあるかで優先順位を決めるのが現実的です。工場の生産設備や制御端末を抱える企業は、事務所側の端末とは分けて考えてください。制御端末はエージェントの導入自体が難しいことが多く、通信側で見る製品が現実的な選択肢になります。候補はネットワークの通信を見るサービスの比較表にまとめています。

社内に監視・判断できる人がいるか|自社運用と外部委託の線引き

次に効いてくるのが、運用の担い手です。検知の仕組みを入れても、アラートを見て切り分ける人がいなければ、通知が滞留するだけで終わります。ここでの答えが「いない」なら、ベンダーが監視して通知するサービスの比較表と、下記のMDRの見取り図が候補の起点になります。

判断の目安になるのは、夜間や休日にアラートが出たとき誰が最初に見るのかという問いです。担当者が兼任で、平日日中しか見られないのであれば、自社運用型の製品を選んでも検知から対応までの時間が延びます。ベンダーが監視して通知するタイプか、自社運用型の製品にMDRオプションを付ける選択が現実的でしょう。

ここで押さえておきたいのが、監視を委託する方法は「ベンダーが監視して通知するタイプ」を選ぶことだけではない点です。自社運用型の製品の多くは、監視を代行するオプション(MDR=ベンダー側の専門チームが監視と初動を引き受ける契約)を別に用意しています。自社運用で始めて、手が回らなければ監視だけ足すという進め方が取れます。

委託を検討するなら、監視を実際に行うのが誰なのかを製品ごとに確かめてください。提供元本体のSOCが担うものと、国内の販売代理店やエンジンの開発元が担うものがあり、日本語での対応可否や契約の相手が変わります。

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提供元本体のSOC国内の販売代理店・パートナーエンジンの開発元検知の仕組みごと預ける
該当するサービスCrowdStrike(Falcon Complete)/SentinelOne/Trend Vision One(Trend Service One)/Microsoft(Defender Experts for XDR)/Sophos(東京データセンターを含むグローバルSOC)/Cybereason(日本・ボストン・テルアビブのGSOC)/Palo Alto(Unit 42)/Symantec(世界6拠点のSOC)ESET PROTECT MDR(キヤノンMJグループ)/Cisco Secure Endpoint(シスコ自社SOC版とNTT版の2系統)/Vectra AI(本体版とマクニカの監視サービス)LANSCOPE サイバープロテクション(Aurora Managed Endpoint Defense はArctic Wolf Networksが担当)InfoCIC マルウェア検知サービス(NECセキュリティの監視センター)/モダンマルウェア検知(ブロードバンドセキュリティ。提供状況は要確認)
確認したいこと日本語での連絡可否と、封じ込めまで代行するか通知までか契約の相手と、一次窓口がどちらになるか国内での連絡手段と対応時間監視対象の範囲(端末までカバーされるか)

※2026年8月時点で各社公式情報から確認できた範囲です。国内での提供有無・対応時間は各社にご確認ください。

監視を外部に委託する場合、IPAは「情報セキュリティ10大脅威 2026」の解説書で、運用を外注するのであればログの取得や監視、解析に関する仕様や運用の確認を行う、と指摘しています。何のログをどれだけの期間保管し、誰がどの時間帯に見て、どういう基準で連絡してくるのか。ここを契約前に文書で確認しておくと、導入後の認識のずれを防げます。

委託先を比べる材料としては、IPAが公開している「情報セキュリティサービス基準適合サービスリスト」も使えます。「セキュリティ監視・運用サービス」という区分があり、候補のベンダーが掲載されているかを自分で確かめられます。

未知への検知方式が自社の懸念に合っているか

方式の選択は、自社が何を恐れているかに引き当てて決めるのが実用的です。すべての方式を積んだ製品ほど良い、という単純な話にはなりません。

取引先や社外とファイルをやり取りする機会が多く、届いたファイルの安全性を確かめたいのであれば、実際に動かして確認できる動的解析の層があるかが効きます。逆に、正規のツールや認証情報を悪用されて内部を動き回られることを警戒しているなら、ファイル単体の判定より、実行中の挙動を見る層と通信を見る層のほうが働きます。

いま多くの企業が最も恐れているランサムウェアについては、検知だけでなく暗号化が始まった後にどう食い止め、どう戻すかまで見ておくと候補が絞れます。

暗号化の挙動そのものを捉えて該当プロセスを止める仕組み、暗号化されたファイルを元の状態へ戻す復元・ロールバックの機能、ファイルの大量列挙やシャドウコピーの削除といった初期兆候を見る機能が、それぞれ別のものとして製品資料に書かれています。比較表の「検知後の対応範囲」列で、復元まで持っている製品かどうかを確かめてください。

各社の資料にある「未知のマルウェアに対応」という表現を見たときは、どの範囲の未知を指しているのかを確かめてください。前述のとおり、機械学習型の判定は学習したものへの対応であり、全く新しい脅威の判別は困難だと提供元自身が書いています。方式ごとの守備範囲を理解したうえで、自社の懸念に効く層が入っているかを見るのが実用的です。

検知した後に誰が何をするのか|対応範囲と受け取れる成果物

見落とされやすいのが、検知したあとの線引きです。サービスがどこまでやってくれて、どこから自社の仕事になるのかは、契約内容によって大きく変わります。

組織が踏むべき工程は、IPAが解説書のなかでCSIRTのインシデント対応として整理しています。①検知/連絡受付、②トリアージ、③インシデントレスポンス、④報告/情報公開の4段階です。検知サービスが担うのは基本的に①で、②以降は自社に残ると考えると、必要な備えが見えてきます。

IPAが整理するCSIRTのインシデント対応4工程を示した図。①検知/連絡受付までが検知サービスの担う範囲で、②トリアージ、③インシデントレスポンス、④報告/情報公開は自社に残ることを示す

そのうえで、サービスごとに対応範囲は次のように分かれます。アラートを出すところまでか、解析結果をレポートとして受け取れるか、隔離や遮断まで自動で走るか、暗号化されたファイルを元に戻す機能があるか、そして事故が起きたときに人が支援に入る契約があるか。比較表ではこの点を「検知後の対応範囲」の列で示しています。検体の解析だけを依頼したい場合は、解析や運用を専門家に任せるサービスの比較表をご覧ください。

初動の手順も先に決めておくと、いざというときに迷いません。警察庁は感染端末をネットワークから隔離して被害拡大を防ぐことを勧める一方、慌てて電源をオフにするとログ等の侵入の痕跡が失われ、その後のフォレンジック調査が困難になる可能性があると注意しています。切るのはネットワーク、切らないのは電源、と覚えておくとよいでしょう。

料金の相場と課金単位(台数・容量/月額・買い切り)

この領域は料金を公開しない事業者が多く、横並びの相場が見えにくいのが実情です。公開されている範囲を集めると、課金の単位そのものが提供形態によって違うことが見えてきます。

公式サイトで金額を公開しているのは次の5社です。

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スーパーセキュリティ for Business(基本版)スーパーセキュリティ for Business(EDR版)LANSCOPE サイバープロテクション(Aurora Protect)LANSCOPE サイバープロテクション(Deep Instinct)CrowdStrike Falcon(Go/Pro/Enterprise)ESET PROTECT MDR Liteマルウェア解析サービス(月額)マルウェア解析サービス(スポット)
課金単位1ライセンス(1台)あたり年額1ライセンス(1台)あたり年額1台あたり月額1ライセンスあたり年額1台あたり月額1ライセンスあたり年額月4検体まで1検体
公開されている価格1,980円(税別)9,800円(税別)500円(単体)/700円(セット)(いずれも税抜)4,200円(税抜)7.99〜19.99米ドル26〜49ライセンスで14,300円/1,000〜1,999ライセンスで8,430円(いずれも税抜)350,000円(税抜)100,000円(税抜)
最小構成1ライセンスから/初期費用無料1ライセンスから/初期費用無料5台から5ライセンスから(追加は1ライセンスから)公式サイトのバンドル価格(国内は代理店見積り)26ライセンスから(ライセンス数に応じた帯別価格を公開)検体数での契約1検体から
監視の担い手自社自社自社自社自社キヤノンMJグループキヤノンITソリューションズ(常時監視ではない)キヤノンITソリューションズ(常時監視ではない)

端末に導入する製品は、守る端末の台数に応じた課金が基本です。年額で示す事業者と月額単価で示す事業者があるため、比べるときは単位を揃える必要があります。

公開価格を使って、端末1,000台の企業を想定した年額を機械的に計算すると次のようになります。自社で運用する前提なら、1台あたり月額500円の製品で年600万円、年額1,980円の製品で年198万円、年額4,200円の製品で年420万円です。監視を委託する場合は、1,000〜1,999ライセンスの単価である年額8,430円のプランで年843万円になります。

この幅から読み取れるのは、同じ自社運用でも製品によって3倍前後の開きがあり、監視まで委託しても最安の自社運用の4倍ほどに収まることです。委託は手が届かないほど高い、という前提で最初から外す必要はありません。ライセンス数が増えるほど単価が下がる価格体系を採る事業者もあるため、上の数字は各社の見積りを受け取ったときに桁が妥当かを確かめる物差しとして使ってください。

専門家に作業を依頼するタイプは、台数ではなく依頼の単位で費用が決まります。検体数での契約になるため、端末が何台あっても金額は変わらず、逆に解析したい検体が増えれば費用が積み上がります。

これ以外の製品・サービスは個別見積りで、公開情報からは金額を確認できません。予算感を掴む必要があるなら、複数社の資料を取り寄せて課金単位を揃えたうえで比べるのが確実です。

被害が生じた場合の負担も、あわせて把握しておくと判断しやすくなります。警察庁が令和7年に被害企業・団体へ実施したアンケートでは、復旧に総額1,000万円以上を要した組織の割合が全体の5割を超え、1か月未満で復旧した組織は5割強にとどまりました。回答企業数は公表されていないため、比率として受け取るのが適切です。

※料金は2026年8月時点で各社公式サイトに掲載されている情報です。最新の価格は各社にご確認ください。

既存製品との連携・共存のしやすさ

最後に、いま使っている環境と噛み合うかを確認しておくと安全です。ここが合わないと、機能面で優れていても運用が回りません。

確認したいのは3点です。1つ目は対応OSで、社内にMacやLinuxサーバーがある場合、Windows専用の製品では守れない範囲が残ります。2つ目は既存のネットワーク機器やグループウェアとの連携可否で、検知後の遮断を既存のファイアウォールに指示できるか、認証基盤やメール環境の情報と突き合わせられるかによって、対処の速さが変わります。

3つ目が、既存のウイルス対策ソフトとの共存です。同じ端末に常駐する製品を重ねると、動作が競合したり負荷が上がったりすることがあります。既存製品を置き換えるのか、併用する前提なのかを製品ごとに確認し、併用するなら検証環境で先に動かしておくと安全です。

出典・参考資料(4件)

【比較表】マルウェア検知サービス比較24選

ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、マルウェア検知サービス24製品を提供形態と検知対象で4つのグループに分けてご紹介します。グループごとに検知方式・検知対象・監視の担い手・検知後の対応範囲・料金を並べているので、前章で絞り込んだ条件に当てはめてご覧ください。

表の番号は掲載の並び順で、優劣を示すものではありません。また「公式に記載なし」と書いた欄は、各社の公式サイトで確認できなかったことを意味し、その機能が無いと確定したわけではありません。候補を絞ったあとの問い合わせで、その欄を名指しで確認すると話が早く進みます。

自社に導入して自社で運用するタイプ|端末(PC・サーバー)を守るサービス

← 横にスクロールできます →
サービス名Trend Vision OneCrowdStrike FalconSentinelOneMicrosoft Defender XDRCybereasonESET PROTECT / ESET InspectLANSCOPE サイバープロテクションSymantec Endpoint SecurityFFRI yaraiSophos Intercept XCisco Secure EndpointPalo Alto Cortex XDRCheck Point Harmony Endpointスーパーセキュリティ for BusinessHeimdal セキュリティスイート
検知方式パターンマッチング
振る舞い検知(挙動監視)
サンドボックス
AI・機械学習
AI・機械学習
振る舞い検知(IOA)
エクスプロイトブロック
※シグネチャの継続更新に依存しない設計。サンドボックスは公式に記載なし
AI・機械学習(静的AI)
振る舞い検知(振る舞いAI)
※サンドボックスは公式に記載なし
パターンマッチング
ヒューリスティック・振る舞い検知
サンドボックス(クラウドでの動的解析)
AI・機械学習
パターンマッチング
振る舞い検知
AI・機械学習
※サンドボックスは公式に記載なし
パターンマッチング(ジェネリックシグネチャ)
ヒューリスティック(静的解析・エミュレータ)
サンドボックス(ESET LiveGuard Advanced)
AI・機械学習(ESET LiveGrid)
AI(機械学習・ディープラーニング)
行動分析(MDR利用時)
※パターンファイルの更新に依存しない設計。サンドボックスは公式に記載なし
パターンマッチング
ヒューリスティック・振る舞い検知(SONAR)
高速エミュレーション
AI・機械学習(実行前のブロック)
※常時稼働の自動サンドボックスは公式に記載なし
ヒューリスティック(脆弱性攻撃の検知・静的解析)
振る舞い検知(実行中のプロセス監視)
サンドボックス
AI・機械学習
※パターンマッチングに依存しない設計
AI・ディープラーニング
振る舞い検知(CryptoGuard)
スクリプト解析(AMSI連携)
※シグネチャ・サンドボックスは公式に記載なし
パターンマッチング
振る舞い検知
サンドボックス(Cisco Secure Malware Analytics)
AI・機械学習
AI・機械学習(実行前のローカル解析)
振る舞い検知
サンドボックス(WildFire)
ネットワークの異常検知
パターンマッチング・レピュテーション
振る舞い検知(Behavioral Guard・Anti-Ransomware)
AI・機械学習(60以上のAIエンジンを束ねたThreatCloud AI)
※サンドボックスの提供範囲は公式に記載なし
振る舞い検知
AI・機械学習(クラウドのインテリジェンス)
サンドボックス(EDR版のみ)
※パターンマッチングの明示は公式に記載なし
パターンマッチング
振る舞い検知(レジストリ変更の監視)
サンドボックス
AI・機械学習
予測型DNSフィルタリング
検知対象エンドポイント・サーバー
クラウド/メール/
ネットワーク/ID
エンドポイント・サーバー
クラウド/ID/SaaS
エンドポイント・サーバー
クラウド/ID
エンドポイント・サーバー
ID/メール/クラウド
エンドポイント・サーバーエンドポイント・サーバーエンドポイント・サーバーエンドポイント・サーバーエンドポイント・サーバー
(Windows)
エンドポイント・サーバー
モバイル
エンドポイント・サーバーエンドポイント・サーバー
ネットワーク/クラウド/ID
エンドポイント・サーバー
VDI/ブラウザ/モバイル
エンドポイント
(Windows・macOSのPC)
エンドポイント・サーバー
メール/DNS(ネットワーク)
監視・通知の担い手自社
(Trend Service One契約時はトレンドマイクロが24時間365日監視)
自社
(Falcon Complete契約時はCrowdStrikeのアナリストが24時間365日監視)
自社
(Wayfinder MDR契約時はSentinelOneの認定アナリストが24時間365日調査)
自社
(Defender Experts for XDR契約時はマイクロソフトのアナリストが監視)
自社
(MDR契約時はサイバーリーズンのSOCが24時間365日監視。通常はメール、重大時は電話で連絡)
自社
(ESET PROTECT MDR契約時はキヤノンMJグループの国内エンジニアが監視)
自社
(Aurora Managed Endpoint Defense契約時はエンジン開発元のArctic Wolf Networksが24時間365日監視)
自社
(Managed EDR契約時はシマンテックのSOCが24時間365日監視。電話・ポータル・メール・チャットで連絡)
自社
(マネージドサービス版はFFRIセキュリティ、月額版はパートナー企業が監視)
自社
(Sophos MDR契約時はソフォス自身が東京を含む世界6拠点のSOCで監視)
自社
(MDRは2系統。シスコ自身のSOC、またはNTTが自社基盤で24時間365日監視)
自社
(Unit 42 MDR契約時はパロアルトネットワークスのアナリストが24時間365日監視)
自社
(MSSP管理を選ぶと委託先が監視)
自社
(ソースネクストによる監視はなし。管理コンソールの表示と定期レポートのメール送付)
自社
(24時間365日のSOC監視〈MXDR〉は海外向けの提供で、国内での提供有無は公式に記載なし)
検知後の対応範囲端末の隔離・プロセス停止(自社操作またはPlaybookで自動化)
MDR契約時は解析レポート・封じ込め支援
ネットワーク隔離・Real Time Responseによる脅威の排除(自社操作)
SOARによる対応の自動化
Falcon Complete契約時は封じ込めまで代行
自動での封じ込め・隔離
暗号化・改ざんされたファイルのロールバック
MDR契約時は人によるトリアージ・フォレンジック解析
デバイス隔離・自動調査と対応(プラン2以降)
検疫からのファイル復元
Defender Experts契約時は調査と対応の推奨
遠隔での端末隔離・自動レポート生成(自社操作)
MDR Essentialsは抑止制御の推奨策の提示まで、Completeは抑止制御を代行
MDRは駆除・ネットワーク隔離まで実施(公式は平均約6分と表示。測定条件は非公表)
隔離後の復旧は利用企業側の作業
端末のネットワーク隔離・証拠取得(自社操作)
MDR契約時は原因の調査から封じ込め・復旧まで
デバイス・ファイルの隔離、フォレンジック情報の収集
Managed EDR契約時は調査・封じ込め対応
※ロールバックは公式に記載なし
ネットワーク隔離・リモート駆除・脅威ハンティングを標準搭載(自社操作)
マネージドサービス版は一次対応の助言と初動調査まで(実行代行は有償オプション)
ランサムウェアの暗号化を検知するとプロセスを停止し、暗号化されたファイルを元に戻す
MDR契約時は封じ込めに加えて除去まで(時間の上限・追加課金なし)
自動でのブロック・検疫、ワンクリックでの端末隔離
MDR契約時はホスト隔離・感染の除去・C2通信の遮断
※ロールバックは公式に記載なし
関連するアラートを1つのインシデントに集約し、自動対応で攻撃を遮断
MDR契約時は対応のガイド
※端末隔離・ロールバックの詳細は公式に記載なし
暗号化の挙動を検知するとプロセスを自動停止し、退避しておいたファイルから自動復元
攻撃に使われたプロセス・ファイル等を自動除去、フォレンジックレポートを自動生成
ウイルス対策・ランサムウェア対策・エクスプロイト防御によるブロック
EDR版は侵害の原因特定まで
※隔離・復旧の実行範囲は公式に記載なし
端末の自動隔離、ユーザーアクセスの取り消し、プロセスの遮断、ファイルの検疫、マルウェアの除去
MXDR利用時はSOCアナリストによる調査・脅威ハンティング
料金要お問い合わせ1台あたり月額7.99〜19.99米ドル(Go/Pro/Enterprise)
国内は代理店見積もり
要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせMDR Lite はライセンス数に応じた帯別価格を公開
26〜49ライセンス 年額14,300円/1,000〜1,999ライセンス 年額8,430円(税抜)
Elite・MDR Ultimate は要お問い合わせ
Aurora Protect 月額500円/台(税抜)
Aurora Protect+Aurora Focus 月額700円/台(税抜)
Deep Instinct 年額4,200円(税抜)/ライセンス
要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ基本版 1ライセンス年額1,980円(税別)
EDR版 1ライセンス年額9,800円(税別)
初期費用は無料
要お問い合わせ
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年8月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の仕様・料金は各社にご確認ください。

自社に導入して自社で運用するタイプ|ネットワークの通信を見るサービス

← 横にスクロールできます →
サービス名Network BlackboxDarktraceVectra AICorelightFortiNDR
検知方式パターンマッチング(シグネチャ)
ユーザー行為ベースの検出(BAD)
コンテンツ分析ベースの脅威検出
※サンドボックスは公式に記載なし
振る舞い検知(組織ごとの正常な動作を学習し逸脱を検知)
AI・機械学習
※シグネチャや脅威インテリジェンスに依存しない設計
振る舞い検知(150以上のAIモデルによる行動分析)
AI・機械学習(教師あり学習・教師なし学習・相関分析)
※サンドボックスは公式の主要機能に記載なし
パターンマッチング(YARAによるファイル解析・シグネチャ)
振る舞い分析
AI・機械学習
※サンドボックスは公式に記載なし
パターンマッチング(アンチウイルスエンジン)
AI・機械学習(特許取得のニューラルネットワーク)
教師あり学習・教師なし学習によるメタデータ分析
※動的解析は別製品FortiSandboxとの連携が前提
検知対象ネットワーク(全IPデバイスの通信)
OT領域を含む
ネットワーク(オンプレミス・仮想・クラウド)
メール/クラウド/OT/ID/エンドポイント(製品ラインごと)
ネットワーク(エージェント不要)
マルチクラウド/ID基盤/Microsoft 365
ネットワーク(オンプレミス・クラウド、エージェント不要)ネットワーク(エージェント不要)
IT・OT双方の通信
監視・通知の担い手公式に記載なし
(日本語の管理ダッシュボードを自社で確認する構成。有人監視サービスの提供有無も非公表)
自社
(Managed Detection & Response等の契約時はDarktraceのグローバルSOCが24時間監視)
自社
(Vectra MXDRはVectra AIの専任アナリスト、国内はマクニカの「Vectra AI監視サービス」が24時間365日監視)
自社
(Corelight自身が顧客環境を24時間監視するサービスは公式に記載なし。MSSPとの提携を案内)
自社
(フォーティネット自身の監視サービスは公式に記載なし。国内では販売代理店が24時間365日のSOC監視付きサービスを提供)
検知後の対応範囲保存したパケットの再構成による遡及調査・脅威ハンティング
Syslog転送やREST API連携でEDR・ファイアウォールに遮断や隔離を指示(実行は連携先の機器)
Autonomous Responseが条件に一致する接続の遮断やデバイスの隔離を実行
人が承認するモードと完全に自動のモードを選択可
運用支援サービス契約時は専門アナリストの調査・対応支援
アラートの優先順位付けと攻撃の全体像の提示(自社運用時)
Vectra MXDRは封じ込めからエンドポイントの復旧まで代行
※国内監視サービスの封じ込め対応の可否は公式に記載なし
調査プラットフォームInvestigatorで検知から対応までを1つのワークフローで実施
ワンクリックでのホスト隔離・封じ込め(実行主体は公式に記載なし)
FortiGate・FortiSwitch・FortiNACの隔離機能やAPI連携による自動の封じ込め(Fortinet製機器を組み合わせる構成が前提)
料金要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト

※2026年8月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の仕様・料金は各社にご確認ください。

ベンダーが監視して通知するタイプ

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サービス名InfoCIC マルウェア検知サービスモダンマルウェア検知(MARS)
検知方式サンドボックス(複数の仮想環境での動的解析)サンドボックス(独自のエミュレータ方式でシステムコールを検査)
パターンマッチング(ネットワークフィンガープリント)
振る舞い検知(通信の振る舞い)
検知対象ネットワーク(Web経由の通信)
メール(添付ファイル)
ネットワーク(社内ネットワークのトラフィック)
監視・通知の担い手ベンダー
(NECセキュリティの監視センターがログを分析。専用ポータルサイトとメール、緊急時は電話で通知)
ベンダー
(ブロードバンドセキュリティが日本語で24時間365日監視。同社のスペシャリストが分析結果を解説)
検知後の対応範囲検知結果の通知と、動的解析結果を合わせた報告まで
※駆除・復旧の代行は公式に記載なし
検知・アラート・分析結果の解説まで
※駆除・封じ込めは別の緊急対応サービスが担当
料金要お問い合わせ要お問い合わせ
※2026年8月時点で同社の「セキュリティ運用」サービス一覧に本サービスの掲載が見当たらないため、提供状況は問い合わせで確認が必要
詳細情報公式サイト公式サイト

※2026年8月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の仕様・料金は各社にご確認ください。

解析や運用を専門家に任せるタイプ

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サービス名マルウェア解析サービス(キヤノンITS)マルウェア対策セキュリティソリューション(日立ソリューションズ)
検知方式技術者による検体の手動解析(基本的な動作の解析)
※常時監視・自動検知の仕組みではない
自社の検知エンジンは持たず、サンドボックス方式の他社製品の導入を支援
検知対象提出された検体(マルウェアのファイル)ネットワーク(ウェブ・メールが流れる通信)
HTTPS通信の検知にも対応
監視・通知の担い手ベンダー
(キヤノンITソリューションズの技術者が解析し、解析報告書を納品)
ベンダー
(日立ソリューションズのセキュリティ・アナリストが監視・運用を支援)
検知後の対応範囲解析報告書の納品(検体の概要・解析結果・通信先情報・感染確認手順・復旧方法)
※駆除・復旧の代行は公式に記載なし
製品の導入・運用・他製品連携の支援と、マルウェアインシデントへのアドバイス
※駆除・封じ込めの代行は公式に記載なし
料金月額350,000円(税抜、4検体/月まで)
スポット解析 100,000円(税抜、1検体)
要お問い合わせ
詳細情報公式サイト公式サイト

※2026年8月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の仕様・料金は各社にご確認ください。

マルウェア検知サービス24選の詳細

各サービスの検知方式・提供形態・検知後の対応範囲・料金をご紹介します。自社の候補がどのグループにあるかは、以下からご確認ください。

自社に導入して自社で運用するタイプ|端末(PC・サーバー)を守るサービス

PC・サーバーにエージェントを導入し、端末上の挙動から脅威を検知する製品です。15製品と数が多いので、並びの手がかりをお伝えします。

前半は、端末に加えてメール・クラウド・IDまでを1つの管理画面で扱う統合型が中心です。中盤は、暗号化されたファイルの復元やシグネチャに依存しない検知など、特定の機能で選ばれる製品が並びます。後半は、少数のライセンスから始められる製品や、国内では代理店を通じて提供される海外製品です。番号は紹介する順序で、優劣ではありません。

1. Trend Vision One(現 TrendAI Vision One/トレンドマイクロ株式会社)

Trend Vision Oneのウェブサイト

エンドポイント・サーバーに加え、クラウド、メール、ネットワーク、アイデンティティなど7つの領域を単一のコンソールで扱う統合プラットフォームです。各領域から集めたデータを相関分析し、攻撃の全体像を可視化するXDRを中核に据えています。2026年4月に法人向けブランドが刷新され、公式サイトでは現在「TrendAI Vision One」の表記が使われています。

検知は、パターンマッチングによる既知の脅威のブロックに、機械学習型検索(実行前・実行時)、挙動監視、Sandbox Analysisによる仮想環境での動的解析を重ねる多層構成として説明されています。一方で同社は公式のサポート情報で、機械学習型検索は学習したものへの対応であり、全く新しい脅威の判別は困難だとも明記しています。

運用は自社の担当者がコンソールで行うのが標準で、オプションの「Trend Service One」を追加すると、トレンドマイクロ自身の専門家チームによる24時間365日の監視に切り替えられます。ライセンスは2026年にクレジット制の「TrendAI Flex」へ一本化され、使った分だけ支払う従量課金版も選べます。金額は公開されておらず、30日間の無料体験版から確認する流れになります。

2. CrowdStrike Falcon(CrowdStrike, Inc.)

CrowdStrike Falconのウェブサイト

公式データシートには、シグネチャの継続的な更新なしに動作すると明記されており、代わりに機械学習と、攻撃を示す挙動の組み合わせ(IOA)を見る振る舞い検知で既知・未知のマルウェアを判定します。未パッチの脆弱性を突く攻撃の実行を止めるエクスプロイトブロック、悪意あるファイルが端末に現れた時点での検知・隔離も備えます。

検知後の対応は自社で行う構成が基本で、対象端末へ直接アクセスして脅威を排除するReal Time Response、ネットワークからの隔離、対応タスクを自動化するSOAR機能が用意されています。監視ごと委託したい場合は、同社のアナリストが24時間365日体制で検知から封じ込めまでを代行するFalcon Completeを選べます。

自社運用向けの公式バンドルはFalcon Go/Pro/Enterpriseの3種類で、1台あたり月額7.99〜19.99米ドルという価格が公開されています。EDRと脅威ハンティングが含まれるのは最上位のEnterpriseのみで、下位2つは次世代アンチウイルスやデバイス制御が中心です。国内は代理店経由の見積もりが一般的なため、円建ての実額は個別の確認が要ります。

3. SentinelOne (Singularity Platform)(SentinelOne, Inc.)

SentinelOneのウェブサイト

エージェント側で静的AIと振る舞いAIの2つのエンジンを常時動かし、実行前のファイル解析と実行中の挙動解析の両方から脅威を判定します。公式ページは、シグネチャでは捉えられない脅威を実行前に停止すると説明しており、ランサムウェアやゼロデイ攻撃の検知もこの2エンジンの組み合わせで示しています。

検知したあとの復旧まで自動化している点が特徴で、暗号化・改ざんされたファイルをOSの再構築なしに攻撃前の状態へ戻す1クリックのロールバック機能(特許取得済み)を備えます。攻撃の流れを自動で再構成する「Storyline」により、どこから何が起きたかを追う手間も抑える構成です。

平常時の監視は導入企業の情報システム部門やSOCが担う前提ですが、Wayfinder MDR(旧Vigilance)を追加すると、認定アナリストがすべてのアラートを24時間365日体制で調査する運用に切り替わります。課金はエンドポイント単位の年額ライセンスで、金額は公式に開示されていません。

4. Microsoft Defender XDR(日本マイクロソフト株式会社)

Microsoft Defender XDRのウェブサイト

単独で購入する製品ではなく、Defender for Endpoint プラン2・Defender for Identity・Defender for Office 365 プラン2・Defender for Cloud Apps を組み合わせることで有効になる統合レイヤーです。

エンドポイント・ID・メール・クラウドのアラートを関連付け、1つのインシデントとして追跡できるようにします。ライセンスはMicrosoft 365 E5などのバンドルに含める形と、Defender製品を個別に契約する形があります。

エンドポイント側のアンチウイルスエンジンは、端末側とクラウド側の複数エンジンを組み合わせるハイブリッド構成だと公式ドキュメントに整理されています。機械学習・振る舞い監視・ヒューリスティック・レピュテーションに加え、疑わしいファイルをクラウド上のサンドボックスで実行して判定する経路も、常時動く検知の一部として明記されています。

運用は自社のSOCがDefenderポータルで行います。自動調査と対応や自動攻撃かく乱といった自動化機能はDefender for Endpoint プラン2以降が前提で、プラン1で使える対応は手動の4種類に限られます。監視を委託する場合は有償のDefender Experts for XDRがあり、マイクロソフトのアナリストが優先度付けと調査を担って対応の推奨を返します。

5. Cybereason(サイバーリーズン合同会社)

Cybereasonのウェブサイト

提供はクラウドが標準で、エアギャップ環境などに向けたオンプレミス版も用意されています。同社は国内のEDR市場でのシェアについて、富士キメラ総研の調査で2023年度27.7%、2018年度から6年連続の1位であると公表しています(2025年2月発表)。調査時点が2023年度である点は割り引いてご覧ください。

検知は、既知のマルウェアに対する定義ファイルの照合と、何十万もの既知・未知のマルウェアで訓練した機械学習アルゴリズムを併用する構成です。さらに、関連するイベントを自動でひとつの攻撃シナリオ(MalOp)にまとめて提示する仕組みを持ち、個別アラートが積み上がることを抑える設計としています。

自社運用が基本ですが、MDRサービスを契約すると日本・ボストン・テルアビブの3拠点のSOCが24時間365日監視し、通常はメール、重大と判断された場合は電話で連絡が入ります。Essentialsプランは抑止制御の推奨策を提示するところまでで、封じ込めの代行まで求めるならCompleteプランが必要です。料金は初期費用・月額とも公開されていません。

6. ESET PROTECT / ESET Inspect(ESET, spol. s r.o.)

ESET PROTECTのウェブサイト

開発元はスロバキアのESET社で、国内ではキヤノンマーケティングジャパン株式会社が総販売代理店として供給からサポートまでを担います。監視を任せる「ESET PROTECT MDR」でも、実際に監視・対応にあたるのはESET本社ではなくキヤノンMJグループの国内エンジニアです。

検知はプログラムコードの静的解析、エミュレータによる動的解析、ジェネリックシグネチャによる解析の3機能を軸に、世界中の利用者から集めた検体を機械学習で判定するクラウド基盤「ESET LiveGrid」を組み合わせる構成です。未知の不審ファイルは、クラウドサンドボックス「ESET LiveGuard Advanced」が自動で実行して振る舞いを分析します。

製品構成はEntryからMDRまで5段階で、EDRにあたるESET Inspectを使えるのはElite以上、24時間365日の監視が付くのはMDRのみです。MDRについては、検知から駆除とネットワーク隔離までを平均約6分で実施すると公式サイトが実績値を示しています(測定条件は公表されていません)。隔離後の復旧は利用企業側の作業として区別されています。

MDR Liteは最小26ライセンスからで、ライセンス数に応じた帯別価格が公開されています(26〜49ライセンスで1ライセンスあたり年額14,300円、1,000〜1,999ライセンスで8,430円。いずれも税抜)。

7. LANSCOPE サイバープロテクション(エムオーテックス株式会社)

LANSCOPE サイバープロテクションのウェブサイト

自社開発の検知エンジンを持たず、外部ベンダーのエンジンを国内向けにパッケージして提供する形態を取ります。選べるのはArctic Wolf Networks社の「Aurora Protect」とイスラエル発のDeep Instinct社のエンジンの2系統で、いずれもAI(機械学習・ディープラーニング)による判定を軸に、パターンファイルの更新に依存しない方式だと説明されています。

価格を公開している点も、この領域では数少ない例です。Aurora Protectは月額500円/台、EDRのAurora Focusを加えたセットは月額700円/台、Deep Instinctは年額4,200円(税抜)/1ライセンスで、いずれも5台(5ライセンス)から導入できます。

監視まで委託する「Aurora Managed Endpoint Defense」を契約すると24時間365日の有人監視が付き、原因の調査から封じ込め・復旧までを対応範囲としています。ただし監視にあたるのはエムオーテックスではなくエンジン開発元のArctic Wolf Networks社で、こちらの料金は公開されていません。

8. Symantec Endpoint Security(Broadcom Inc.)

Symantec Endpoint Securityのウェブサイト

2019年にBroadcomがシマンテックの法人向けセキュリティ事業を買収して以降、Symantec Enterprise部門の製品として提供が続いています。オンプレミス版から引き継いだ単一エージェント・単一コンソールの構成で、EPPとEDRを同じ基盤の上に統合しています。

検知はシグネチャとファイルヒューリスティックによる照合、実行前に新種の亜種を止めるシグネチャレスの機械学習、実行後の挙動を見るSONAR、ファイルをミリ秒単位で軽量な仮想マシンで動かす高速エミュレーションを組み合わせます。常時稼働する自動サンドボックスの記載は公式ドキュメントで確認できず、疑わしいファイルの提出はEDRでの調査時に担当者が行う操作として位置づけられています。

EDRを使えるのは上位のEndpoint Security Completeのみで、下位のEnterpriseはEPP中心の機能セットです。Windowsに比べMac・Linuxでは対応する機能が絞られるため、守る端末の内訳は事前に確認しておく必要があります。

監視を委託するManaged EDRは世界6拠点のSOCが24時間365日体制で担い、料金は公式非公開で国内は代理店経由の見積もりとなります。

9. FFRI yarai(株式会社FFRIセキュリティ)

FFRI yaraiのウェブサイト

製品ページに「パターンマッチングに依存しない完全ふるまい型」と明記された、2009年リリースの純国産製品です。搭載する5つのエンジンは、脆弱性を突く攻撃を捉えるZDP、実行前にファイルの内部構造から判定するStatic分析、保護領域内で動かして判定するSandbox、ビッグデータを解析する機械学習、実行中のプロセスを監視するHIPSという構成になっています。

定義ファイルの配信を待たずに判定するため、オフラインでも防御が働くと説明されています。Windows標準のMicrosoft Defenderとの同居利用にも対応しており、既知の脅威をDefender、未知の脅威をFFRI yaraiが受け持つ多層構成も取れます。可視化・ブロック・ネットワーク隔離・リモート駆除・脅威ハンティングといったEDR機能は、追加費用なしで標準搭載されます

提供形態はオンプレミス版・クラウド版・マネージドサービス版・月額版の4つで、前の2つは管理コンソールの運用を利用企業が担います。マネージドサービス版ではFFRIセキュリティのアナリストが監視を代行しますが、基本料金の範囲は一次対応の助言と初動調査までで、封じ込めの実行代行は有償オプションです。最小ライセンス数は自社運用が5、マネージドサービス版が70で、料金はいずれも要お問い合わせとなります。

10. Sophos Intercept X(現 Sophos Endpoint/Sophos Ltd.)

Sophos Intercept Xのウェブサイト

2025年10月のポートフォリオ刷新で「Intercept X」の名称は段階的に廃止され、現在の公式名称は「Sophos Endpoint」、EDR・XDR・MDRはそれぞれ独立したライセンスへ再編されました。エージェントと管理コンソールSophos Centralの操作は変わらず、既存の契約は更新時に自動で移行する扱いです。

検知の中心はディープラーニングで、バイナリを解析してファイルの属性や予測的な推論から脅威を判断すると公式ページは説明しています。プロセス・ファイル・レジストリのイベントを継続監視する動作解析、PowerShellやOfficeマクロを検査するAMSI連携も併用します。

ランサムウェア対策のCryptoGuardは、暗号化の挙動を検知した時点で該当プロセスを停止し、暗号化されたファイルを元の状態へ戻します

監視を委託するSophos MDRは、国内代理店ではなくソフォス自身が東京のデータセンターを含む世界6拠点のSOCで運用し、2022年4月から日本語版を提供しています。確認された脅威は封じ込めだけでなく除去まで、時間の上限や追加課金なしで対応するとしています。料金は公式に非公開で、30日間の無料お試し版が案内されています。

11. Cisco Secure Endpoint(シスコシステムズ合同会社)

Cisco Secure Endpointのウェブサイト

公式データシートでは、4つの検知方式がいずれも明記されています。Windows・Mac・Linux向けに常時更新される定義ベースのアンチウイルスエンジン、利用者と端末の活動を継続監視する振る舞い解析、Cisco Secure Malware Analyticsによる内蔵サンドボックスでの動的解析、Talosの脅威データで学習した機械学習という組み合わせです。

検知の土台にあるのは脅威インテリジェンス組織のCisco Talosで、クラウドIoCや機械学習モデルの提供を受ける一方、端末側のデータがTalosの分析へ還元される関係にあります。少数の端末でしか観測されない実行ファイルを自動でサンドボックスに送る仕組みや、感染した端末をワンクリックで隔離する機能も備えます。

ライセンスはEssentials/Advantage/Premierの3段階で、脆弱性検知やAdvanced SearchはAdvantage以上、Talosのアナリストによる脅威ハンティングはPremierのみに含まれます。

監視の委託先は2系統あり、シスコ自身のSOCが担う「Cisco Secure MDR for Endpoint」と、NTTが自社の脅威ハンティング基盤で24時間365日監視する統合サービスが公式資料で案内されています。価格は公式非公開です。

12. Palo Alto Cortex XDR(パロアルトネットワークス株式会社)

Palo Alto Cortex XDRのウェブサイト

エンドポイントを起点に、ネットワーク・クラウド・アイデンティティのデータを同じ基盤で相関分析するXDRプラットフォームです。端末単体の挙動だけでは判断しにくい内部での横移動やデータの持ち出しを、平常時の挙動を学習した機械学習との比較から見つけようとします。

未知のファイルについては、クラウド側のWildFireが実行して解析し、新たに判明した脅威のシグネチャを生成すると公式のアーキテクチャ資料に記載されています。関連する複数のアラートを1つのインシデントにまとめて根本原因を示す構成のため、調査の起点を絞り込みやすくなります。

運用は自社のSOCがコンソールで行うのが標準で、監視を委託する場合は同社の脅威リサーチ部門Unit 42のアナリストが24時間365日体制でトリアージと対応の案内にあたるMDRを追加できます。料金は公式・代理店とも公開されておらず、必要なライセンス構成を含めて個別の見積もりが前提になります

13. Check Point Harmony Endpoint(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社)

Check Point Harmony Endpointのウェブサイト

ランサムウェアへの対応では、検知から復旧までを人手を介さずに終える設計を打ち出しています。暗号化の挙動を捉えるとプロセスを自動で終了し、攻撃を受ける前に安全な場所へ退避しておいたファイルから元のデータを自動で復元します。攻撃に使われたプロセス・ファイル・レジストリキー・スケジュールタスクなどの一括除去と、フォレンジックレポートの生成まで自動で行うとしています。

検知エンジンは、シグネチャとレピュテーションによる照合、ファイルレス攻撃や不審な挙動を捉えるBehavioral Guard、ファイルの大量列挙やシャドウコピーの削除といった初期兆候を見るAnti-Ransomware、60以上のAIエンジンを束ねたクラウド基盤ThreatCloud AIを組み合わせます。

未知のランサムウェア亜種への対応は、シグネチャに依存しない挙動パターンの検知として説明されています。

管理はオンプレミス、クラウド、MSSP管理の3通りから選べ、自社での運用が難しい場合は外部への運用委託という形も取れます。EPP・EDR・XDRを単一エージェントに統合しているため、機能ごとにエージェントを分けて入れる必要はありません。料金は公式サイトに料金ページがなく、初期費用・月額とも問い合わせが必要です。

14. スーパーセキュリティ for Business(ソースネクスト株式会社)

スーパーセキュリティ for Businessのウェブサイト

専任のセキュリティ担当者を置きにくい小規模法人を主な対象として、2023年9月に提供が始まりました。基本版が1ライセンスあたり年額1,980円(税別)、EDR機能を含む版が年額9,800円(税別)で、初期費用は無料、1ライセンスから購入できます

検知エンジンはルーマニアのBitdefender社製で、管理画面も同社のGravityZoneを基盤としています。公式の説明では、クラウドのインテリジェンスとAIによって既知・未知の脅威を検知し、プロセスの異常な挙動を捉える振る舞い検知、ブルートフォース攻撃やエクスプロイトへの防御を備えます。EDR版ではさらに、怪しいファイルをクラウド上のサンドボックスで追加分析します。

ソースネクスト側が24時間監視するサービスではなく、アラートの確認と一次対応は利用企業が担う前提の構成です。通知は管理コンソール上の表示に加え、指定したアドレスへ定期レポートを送る設定ができ、20種類以上のレポートをPDF・CSVで出力できます。対象はWindowsとmacOSのPCが中心で、30日間の無料体験版が用意されています。

15. Heimdal セキュリティスイート(Heimdal Security ApS)

Heimdal セキュリティスイートのウェブサイト

デンマークのHeimdal Security社が開発する統合プラットフォームで、国内では2024年2月からジュピターテクノロジー株式会社が総代理店として販売しています。国内で扱われているのは、DNSセキュリティ・Eメールセキュリティ・次世代アンチウイルス・パッチ/脆弱性管理・ランサムウェア暗号化防御・特権アクセス管理など8つのモジュールで、共通のエージェントとダッシュボードから運用します。

検知はシグネチャによるファイルスキャンを土台に、レジストリ変更の監視、AIエンジンによる挙動分析、疑わしいファイルのサンドボックス実行を組み合わせます。創業のきっかけになったDNS層の技術も引き継いでおり、悪性のサーバーやインフラへの通信をネットワーク側で遮断する予測型のDNSフィルタリングを備えます。

検知後は、端末の自動隔離、ユーザーアクセスの取り消し、プロセスの遮断、ファイルの検疫、マルウェアの除去までを自動のアクションとして実行します。24時間365日のSOC監視サービス(MXDR)は本社が海外向けに提供しているもので、国内での提供有無は代理店への確認が必要です。料金は非公開で、各モジュールに1か月の無料トライアルが用意されています。

自社に導入して自社で運用するタイプ|ネットワークの通信を見るサービス

ネットワークを流れる通信を監視し、内部への広がりや外部との不審なやり取りを検知する製品です。端末にエージェントを入れられない機器も含めて見渡せるため、工場の制御端末や複合機、監視カメラを抱える企業に向いています。

5製品の違いは、通信のどこまでを保存して後から追えるようにするかと、検知した後に他の機器へ遮断を指示できるかに出ます。既存のネットワーク機器との組み合わせが前提になる製品もあるため、自社の構成と併せてご覧ください。

16. Network Blackbox(株式会社クワッドマイナージャパン)

Network Blackboxのウェブサイト

韓国のQuad Miners Inc.が開発し、日本法人の株式会社クワッドマイナージャパンが国内で提供するNDR製品です。ネットワークを流れるパケットを100%キャプチャして保存し、検知から調査までを1つの製品で担います。導入はミラーリング方式のため、端末側にエージェントを入れる必要はありません。

公式が挙げる検知方式は、シグネチャベースの検知・ユーザー行為ベースの検出(BAD)・コンテンツ分析ベースの脅威検出の3つです。既知の攻撃はシグネチャで捉え、そこから外れる動きは利用者の行動をメタデータ化して蓄積した基準との差や、通信内容の分析で拾い上げます。ファイルを実行して挙動を見るサンドボックス(動的解析)は、公式ページに記載がありません

監視対象は全IPデバイスのトラフィックで、製造業の生産設備を含むOT領域の可視化事例も示されています。検知後は、MITRE ATT&CKに沿った脅威ハンティングと、保存したパケットを再構成しての遡及調査に対応します。Syslog転送やREST APIを通じてEDRやファイアウォールへ遮断・隔離を指示でき、実行は連携先の機器が担う設計です。

一方で、日常の監視を自社の担当者が担うのかベンダーが担うのかを明示した記述や、有人での監視サービスの提供有無は公表されていません。料金も初期費用・月額とも非公開で、公式サイトにはデモ予約の導線が用意されています。運用体制と費用は、資料と個別の問い合わせで確認することになります。

17. Darktrace(Darktrace Limited)

Darktraceのウェブサイト

組織ごとの「正常」を学習し、そこからの逸脱で脅威を捉える設計のサービスです。公式は、従来のNDRが過去の攻撃データに依存するため新手の脅威を識別できないのに対し、Darktrace / NETWORKは組織にとって何が正常な動作かを学習して逸脱を特定すると説明しています。あらかじめシグネチャや脅威インテリジェンスを用意しておく必要はないとされます。

英国ケンブリッジで2013年に設立されたDarktrace Limitedが開発し、導入は全世界で約10,000社と公式が示しています。2026年8月にはプラットフォームをDarktrace Behavioral Defense Platformとして再編すると発表しており、ネットワークを起点にメール・クラウド・OT・アイデンティティ・エンドポイントを横断して分析する構成です。

検知後はAutonomous Responseが、条件に一致する接続の遮断やデバイスの隔離を実行します。人が承認してから対処するモードと、完全に自動で対処するモードを選べます。監視を自社で行うほか、有償のManaged Detection & Responseなどを契約すれば、24時間体制のグローバルSOCにアラートの監視と調査を任せられます。

料金は監視対象のデバイス数や利用する製品範囲に応じた個別見積もりで、公開されていません。試用については、公式のデモページに30日間の無料トライアルの案内があります。

18. Vectra AI(Vectra AI, Inc.)

Vectra AIのウェブサイト

エンドポイントにエージェントを入れず、通信のコピーを取得するセンサーだけで導入できる点を、公式が「agentless」として明示しているサービスです。国内代理店のマクニカ株式会社も、ネットワークトラフィックをTAPするのみで利用でき、端末へのセンサーのインストールは不要と説明しています。プリンターやIoT機器のようにエージェントを入れられない機器も、通信側から監視対象に含められます。

検知の主軸は、攻撃者の実際の振る舞いを学習した150以上のAIモデルによる行動分析で、教師あり学習・教師なし学習・相関分析の3つのロジックを組み合わせます。暗号化された通信も復号せずに振る舞いから検知するとしており、対象はオンプレミスのネットワークに加えてマルチクラウド・ID基盤・Microsoft 365まで広がります。サンドボックスによる動的解析は、公式の主要機能としては挙げられていません。

監視を誰が担うかは契約の形で変わります。基本は自社のセキュリティ担当が管理コンソールでアラートを扱う形ですが、Vectra AI自身が提供するVectra MXDRでは専任アナリストが監視し、封じ込めからエンドポイントの復旧までを代行すると公式が明記しています。国内では、マクニカが2022年12月から「Vectra AI監視サービス」を提供し、24時間365日でアラートを監視・分析します。

ただし国内の監視サービスが遠隔での封じ込めまで行うかは公表されておらず、対応範囲は個別の確認が必要です。料金は初期費用・月額とも非公開で、トライアルの相談はマクニカが窓口となっています。

19. Corelight(Corelight, Inc.)

Corelightのウェブサイト

ネットワーク監視のオープンソース基盤Zeekを1995年から開発してきた研究者らが、2016年に立ち上げた米国企業の製品です。ZeekとIDSのSuricataをコアに据えた「Open NDR Platform」として提供され、収集したデータをベンダー独自の形式に閉じず、他システムへ移せる形で出力する設計を掲げています。

検知は、機械学習・行動分析・シグネチャ・脅威インテリジェンスを組み合わせた多層構成です。ファイル単位ではYARAが、通信から抽出した実行ファイル・文書・アーカイブをリアルタイムでスキャンします。ただしこれはパターン照合による静的な解析で、ファイルを実行して挙動を見るサンドボックスについての記載は公式ページで確認できません

センサーはTAPやSPAN経由で通信のコピーを受け取るパッシブ型で、監視対象へのエージェント導入は不要です。物理アプライアンスのほか仮想・クラウド・ソフトウェアのセンサーがあり、オンプレミスのデータセンターからAWS・Azure・GCPまで同じ考え方で配置できます。

監視は、顧客側のアナリストが調査プラットフォームInvestigatorを使う前提です。Corelight自身が顧客環境を24時間監視するサービスの記載は確認できず、公式に挙げられているのはMSSPとの提携やMandiantのプラットフォームへの技術提供です。料金は公開されておらず、デモの申し込みから個別見積もりに進む形になります。

20. FortiNDR(Fortinet, Inc.)

FortiNDRのウェブサイト

製品ラインが2系統に分かれている点が、まず選定に効いてきます。オンプレミス型のFortiNDRはアプライアンスと仮想マシンで提供され、外部と切り離したエアギャップ環境にも対応します。SaaS型のFortiNDR Cloudは米国・欧州のリージョンでデータを保管し、保持期間は365日です。

マルウェアの検知には、アンチウイルスエンジンと特許を取得したニューラルネットワーク(ANN)を併用すると公式データシートに記載されています。通信から抽出したファイルを特徴抽出とコードブロック分割にかけ、600万件を超える学習済みの特徴量と照合して良性か悪性かを判定する仕組みです。

ファイルを実際に実行する動的解析は標準搭載ではなく、別製品のFortiSandboxとの連携が前提となります。エージェントは不要で、IT・OT双方の通信を解析でき、OT特有のプロトコル65種類以上に対応します。

検知後は、FortiGate・FortiSwitch・FortiNACの隔離機能やサードパーティのAPI連携によって封じ込めまで自動化できますが、これはFortinet製の機器を組み合わせることが前提です。監視は顧客側のSOCが担う構成で、国内では販売代理店が24時間365日のSOC監視を付けたサービスを提供する例もあります。料金は要お問い合わせです。

ベンダーが監視して通知するタイプ

ベンダーが用意した仕組みを社内に設置し、監視センターが検知から通知までを担うサービスです。自社にアラートを読む担当者がいなくても検知の運用が回ります。監視の時間帯は公表されている範囲がサービスごとに異なるため、夜間・休日の対応が必要なら個別にご確認ください。

21. InfoCIC マルウェア検知サービス(NECセキュリティ株式会社)

InfoCIC マルウェア検知サービスのウェブサイト

Web経由とメール経由の両方について、マルウェアの侵入をベンダー側で見張るサービスです。NECグループのNECセキュリティ株式会社が提供し、Trellix社のFireEye NXシリーズ(Web MPS)とFireEye EXシリーズ(Email MPS)、トレンドマイクロ社のDeep Discovery™シリーズが検知に使われます。

検知の方式は動的解析で、Webコンテンツやメールの添付ファイルを複数の仮想環境で実行し、そこで現れた挙動から悪意のある動作を検出します。ログの分析はNECセキュリティの監視センターが担当し、マルウェアの可能性があるファイルの侵入や、マルウェアの活動と考えられる通信を検出した際に、専用のポータルサイトとE-mail、緊急時はTELで通知されます。

公式サイトで確認できるのは、検知結果の通知と動的解析結果を合わせた報告までで、駆除や復旧の作業を代行するとの記載はありません。料金も公開されていないため、費用は問い合わせて確認する必要があります。

22. モダンマルウェア検知(MARS)(株式会社ブロードバンドセキュリティ)

ブロードバンドセキュリティの「セキュリティ運用」のウェブサイト
画面は同社の「セキュリティ運用」のページです。本サービスの製品ページはブラウザで開くとこのページに転送されるため、製品ページ自体の画面は取得できません。

社内ネットワークに導入したサービスエージェントがトラフィックを監視し、C&Cサイトとの通信から未知のマルウェアを見つけるサービスです。株式会社ブロードバンドセキュリティが解析基盤を国内のクラウド上に用意しており、利用する側で専用機器を購入する必要はありません。

検知は3つの技術の組み合わせです。独自開発のエミュレータ方式でシステムコールを検査するサンドボックス、ネットワークフィンガープリントと呼ばれるシグネチャによるC&Cサイト通信の照合、通信の振る舞いからの検知で、未知と判定した通信は新たなフィンガープリントとして登録されます。監視は日本語による24時間365日体制で、検知結果の解釈は同社のスペシャリストが解説します。

公式ページに記載があるのは検知・アラート・分析結果の解説までで、駆除や封じ込めは別の緊急対応サービスが担う構成です。料金は個別見積りとなります。

2026年8月時点では、本サービスの製品ページをブラウザで開くと同社の「セキュリティ運用」のページに転送されます(ページ自体は存在し、上記の内容はその記載に基づきます)。同社の「セキュリティ運用」のサービス一覧にも本サービスの掲載が見当たりません。提供が続いているかを窓口で確認したうえで検討を進めてください。

解析や運用を専門家に任せるタイプ

常時監視ではなく、検体の解析や製品の導入・運用といった特定の作業を専門家に依頼するサービスです。疑わしいファイルの判定を書面で受け取りたい場合や、導入した製品の運用が定着しない場合の選択肢になります。

この2つは検知の仕組みそのものを提供するサービスではないため、比較表の「検知方式」列の読み方が他のグループとは異なります。何を依頼できるのかという観点でご覧ください。

23. マルウェア解析サービス(キヤノンITソリューションズ株式会社)

キヤノンITソリューションズのマルウェア解析サービスのウェブサイト

常時監視を行うサービスではなく、社内で発見したマルウェアの検体を提出し、解析報告書を受け取る形式のサービスです。キヤノンITソリューションズ株式会社の技術者が、提出された検体の基本的な動作を解析し、結果を書面にまとめて納品します。

報告書には、検体の概要(ESETの検出名と対応パターンファイル)、解析結果の概要、通信先の情報と通信データ、感染確認手順、復旧方法が記載されます。感染の有無を確認する方法や被害状況の調査方法を一括で入手したいとき、マルウェア被害の詳細を経営層へ説明する材料が要るときを想定した内容です。

料金は希望小売価格が公開されており、月額プランが350,000円(税抜、4検体/月まで)、スポット解析が100,000円(税抜、1検体)です。端末の台数ではなく検体数で費用が決まります。提供されるのは解析結果と対処方法の情報までで、駆除や復旧の作業を代行するとの記載は公式サイトにありません。

24. マルウェア対策セキュリティソリューション(株式会社日立ソリューションズ)

日立ソリューションズのマルウェア対策セキュリティソリューションのウェブサイト

株式会社日立ソリューションズが、他社のマルウェア対策製品をどう選び、どう運用するかを支援するソリューションです。導入支援・運用支援・他製品連携支援の3つのメニューで構成され、同社自身が検知エンジンを持つわけではありません。

導入支援は、サンドボックス方式のマルウェア対策製品の導入を支援するもので、HTTPS通信の検知にも対応します。運用支援では導入した製品の監視・運用を支援し、マルウェアに精通したセキュリティ・アナリストがマルウェアインシデントへのアドバイスを行います。他製品連携支援は、ウェブゲートウェイやDNS機器といった既存機器で対策できるかを判断し、アドバイスする内容です。

関連製品としてArctic Wolf Aurora Protect(旧CylancePROTECT)やTrend Micro Deep Discovery Inspectorなどが挙げられており、提供形態はオンプレミスでの構築とサービス型の両方に対応します。

公式サイトに記載があるのは、製品の導入・運用・連携に関する支援とアドバイスまでで、駆除や封じ込めの作業を同社が担うとの記述はありません。製品は導入したものの運用が定着していない、という段階での選択肢になります。料金は個別見積りです。

検知サービスを入れる前に押さえておきたい基本対策

候補が絞れたら、発注の前にもう1つ確認しておきたいことがあります。検知サービスは、基本的な対策が回っていることを前提に効果を発揮するため、土台が緩んだままでは検知の網を足しても被害の芽が残ります。総務省が職場での基本対策として示している内容から、選定前に確認しておきたい点を挙げます。

マルウェア対策ソフトが新しいマルウェアに対応するためには、常にパターンファイルを最新のものに更新しておかなければなりません。パソコンにマルウェア対策ソフトがインストールされていても、パターンファイルが古いままでは、かえって脆弱で危険な状態になりかねないので注意が必要です

出典:マルウェア(ウイルス等)対策|総務省 国民のためのサイバーセキュリティサイト

同じページでは、定期的なマルウェアスキャンの実行と、USBメモリなど記憶媒体を経由した感染への対策も挙げられています。許可されていない記憶媒体や持ち主の分からないものを使用しないようにする、という運用ルールの徹底です。

ランサムウェアへの備えとしては、バックアップの取り方が要点になります。総務省は、バックアップデータが暗号化されることも想定し、保存時にはネットワークから切り離されたストレージやメディアを利用するよう促しています。警察庁も同じ趣旨をオフラインバックアップとして挙げており、被害の抑制に有効な備えの1つに数えています。

その「切り離された保管先」をどう用意するかは、バックアップ側の要件になります。書き換えや削除ができない保管領域への対応、過去の時点へ戻すための世代管理、復元にかかる時間といった観点でサービスを選ぶ手順は、以下の記事にまとめています。

これらが運用として回っているかを確認したうえで、検知サービスの選定に進むと、導入後の効果が読みやすくなります。

出典・参考資料(2件)

まとめ

マルウェア検知サービスを選ぶ軸は、何を見て検知するのかという方式と、誰が監視して誰が対処するのかという提供形態の2つです。方式にはパターンマッチング、ヒューリスティック・振る舞い検知、サンドボックスによる動的解析、AI・機械学習による予測型検知があり、それぞれ効く範囲と限界が異なります。実際の製品はこれらを段階的に重ねて判定しています。

提供形態は、自社に導入して自社で運用するタイプ、ベンダーが監視して通知するタイプ、解析や運用を専門家に任せるタイプの3つに分かれます。夜間・休日に誰がアラートを見るのかを起点に考えると、自社に合う形態が絞り込めます。あわせて、検知したあとどこまでがサービスの範囲で、どこからが自社の仕事なのかを契約前に確認しておくと、導入後の想定違いを避けられます。

本記事で紹介した24製品は、検知方式も対応範囲も料金体系も一様ではありません。比較表と診断ツールで候補を絞り込んだうえで、気になるサービスの資料を取り寄せ、自社の環境と体制に照らして検討を進めてください。

よくある質問(FAQ)

Q. マルウェア検知サービスとは何ですか?

A. マルウェア検知サービスとは、PCやサーバーなどの端末、あるいはネットワークを流れる通信を監視して、ウイルス対策ソフトだけでは気づけない不審な挙動や通信を見つけ出すための製品・サービスの総称です。

公的機関がこの呼び名を定義しているわけではなく、実際の中身には幅があります。端末に製品を導入して自社の担当者が管理コンソールを見るもの、ベンダーの監視センターが常時監視して通知するもの、疑わしい検体の解析だけを都度依頼するものまで含まれます。

IPAは、端末内の処理や外部との通信の不審な振る舞いを検知する仕組みをEDR、ネットワーク上の通信を監視・分析して不審な通信を検知する仕組みをNDRと定義しており、どちらもこの総称に含まれる代表的な形です。

Q. マルウェア検知サービスを導入すれば、マルウェアの感染そのものを防げますか?

A. マルウェア検知サービスは、感染をゼロにするための仕組みではなく、感染に早く気づいて被害の拡大を止めるための仕組みです。総務省も、マルウェア対策を十分に実施していたとしても感染してしまうことがあり、OSのアップデートやマルウェア対策ソフトでは対応しきれないことがあると述べています。

そのため導入の効果は、防げたかどうかではなく、不審な挙動に気づくまでの時間と、気づいたあとにどこまで手を打てるかで測るのが実際的です。検知の網を足す前に、パターンファイルの更新やネットワークから切り離した保存先へのバックアップといった基本対策が回っているかを確認しておくと、投資の効果が読みやすくなります。

Q. すでにEDRを導入していれば、マルウェア検知サービスは別に必要ありませんか?

A. EDRを導入済みの場合でも、エージェントを入れられない機器が社内に残っているなら、ネットワーク側の通信を見る仕組みを足す意味があります。IPAは情報セキュリティ白書2025で、EDR製品はすべてのマルウェアに対して万能ではないものの、ファイルレスマルウェアや未知のマルウェア等の検知・対策にも有効な可能性がある、と留保つきで評価しています。

複合機、監視カメラ、生産設備の制御端末のように、エージェントを導入できない機器は端末側の製品からは見えません。警察庁の集計では侵入経路のうちVPN機器が6割以上を占めており、入口から内部へ広がる動きを通信側で捉えられるかどうかが、EDR単独との差になります。自社の資産のうちエージェントを入れられない機器がどれだけあるかを数えると、追加の要否を判断できます。

Q. 中小企業でもマルウェア検知サービスは必要ですか?

A. マルウェア検知サービスの要否は、企業規模ではなく、社内の端末やネットワークで起きていることを誰がどこまで見られているかで決まります。警察庁の集計では、令和7年のランサムウェア被害報告件数226件について、被害企業を規模別で見ると中小企業が約6割を占めています。

同じ集計では、復旧に総額1,000万円以上を要した組織が全体の5割を超え、1か月未満で復旧できた組織は5割強にとどまります。専任の担当者を置けない企業ほど、製品だけを導入して自社で見る形よりも、監視まで含めて任せられる提供形態のほうが現実的な選択肢になります。

Q. 常時監視型のマルウェア検知サービスを導入すれば、パターンファイルの更新や定期的なスキャンは不要になりますか?

A. 常時監視型のサービスを導入しても、パターンファイルの更新と定期的なスキャンは引き続き必要です。総務省は、パターンファイルが古いままではかえって脆弱で危険な状態になりかねないと注意を促したうえで、対策ソフトの導入と更新に加えて定期的なマルウェアスキャンを実行することが大切だとしています。

検知サービスは既存の対策を置き換えるものではなく、その上に重ねる層だと捉えると実態に近くなります。契約前には、更新やスキャンの実行と結果の確認までがサービスの範囲に入るのか、自社の作業として残るのかを確かめておくと、運用開始後の抜けを防げます。

Q. マルウェアの疑いがあるファイルを、無料のオンラインスキャンサービスにアップロードして確認しても問題ありませんか?

A. 業務で扱うファイルを外部のオンラインスキャンに上げる方法は、意図しない情報漏えいにつながる危険があるため、社内の取り決めなしに行うべきではありません。IPAは情報セキュリティ白書2025で、オンラインで提供されるマルウェア検査やサンドボックスのサービスの一部では、ファイルをアップロードすることで意図せず情報漏えいにつながる危険性があるため、十分な注意が必要であると明記しています。

この論点は有料のサービスを選ぶときにも効いてきます。疑わしい検体を社内に設置した機器で解析するのか、ベンダーのクラウドへ送るのかは機能一覧からは読み取りにくく、後者であれば業務ファイルが社外に出ることへの社内の合意が必要です。機密性の高いファイルを扱うのであれば、契約に基づいて検体を預けられる解析サービスか、社内で解析が完結する構成を検討してください。

Q. マルウェア検知サービスを導入すると、過検知のアラートが増えて現場が回らなくなりませんか?

A. 過検知への備えは、製品側の検出レベル(どこから怪しいと見なすかのしきい値)と除外設定で調整するもので、導入からしばらくは調整の手間がかかる前提で体制を組むのが現実的です。

製品によっては、悪意があると高い確信を持てる場合にのみ反応する設定から、確信度が低くても反応する設定まで、検出のレベルを段階的に選べます。導入時の進め方として、検出時の処理を記録のみに設定して運用を始め、必要に応じて除外を設定していく手順が案内されている製品もあります。

過検知を減らせば見逃しが増え、見逃しを減らせば確認作業が増えるという関係は、方式を問わず残ります。この調整を自社で続けられる見通しが立たないのであれば、判断まで含めてベンダーに任せる形態を選ぶほうが、結果として運用が回ります。

Q. マルウェア検知サービスの監視を外部に委託する場合、委託先の信頼性はどう確かめればよいですか?

A. 委託先を見極めるときは、ログの取得・監視・解析に関する仕様と運用を契約前に文書で確認することと、IPAの「情報セキュリティサービス基準適合サービスリスト」に候補のベンダーが掲載されているかを自分で照合することの2つが手がかりになります。IPAは、運用を外注するのであればログの取得や監視、解析に関する仕様や運用の確認を行う、と指摘しています。

同リストには「セキュリティ監視・運用サービス」という区分があり、経済産業省の情報セキュリティサービス基準に適合すると確認されたサービスが公開されています(2026年6月11日更新)。あわせて、何のログをどれだけの期間保管し、誰がどの時間帯に見て、どういう基準で連絡してくるのかを文書で確認しておくと、導入後の認識のずれを防げます。

Q. 海外ベンダーのマルウェア検知サービスでも、日本語でのサポートや通知を受けられますか?

A. 海外ベンダーの製品でも、国内法人や販売代理店を通じて日本語で提供されているものが多い一方、日本語で受けられる範囲はサービスごとに異なります

確認しておきたいのは4点です。管理画面と検知レポートが日本語かどうか、問い合わせ窓口が日本時間の営業時間内か24時間か、緊急時の連絡手段が専用ポータル・メール・電話のどれになるか、そして契約先がベンダー本体か国内代理店か。日本語のサポートが本体の標準機能ではなく代理店の付帯サービスとして提供されている場合もあるため、窓口の所在まで確かめておくと、運用開始後に迷いません。

Q. マルウェアを検知したとき、まず何をすればよいですか?

A. マルウェアの感染が疑われる端末は、ネットワークから切り離して被害の拡大を防ぎ、電源は切らずに保全します。警察庁は、慌てて電源をオフにするとログ等の侵入の痕跡が失われ、その後のフォレンジック調査が困難になる可能性があると注意し、初動では被害拡大防止とログ等のデータ保全を行うべきだとしています。総務省も、感染が疑われる場合はネットワークから切り離すよう促しています。

そのうえで、切り分けや調査をどこまでサービスが担うのかは契約によって変わります。アラートの通知までなのか、解析結果をレポートで受け取れるのか、封じ込めの作業に技術者が入るのか。検知した後の分担を導入時に決めておくと、実際に起きたときに動き出しが遅れません。

Q. マルウェアに感染した場合、社外への報告や公表も必要になりますか?

A. マルウェア感染への対応は、社内の復旧作業で終わらず、関係者や監督省庁への報告、社会への公表の判断まで含めて備えておく必要があります。IPAはCSIRTが行うインシデント対応を①検知/連絡受付、②トリアージ、③インシデントレスポンス、④報告/情報公開の4工程に整理し、④では通報者や関係者、監督省庁への報告と、メディアや社会へのプレスリリース等での報告を挙げています。

検知サービスが受け持つのは基本的に①で、②以降は自社に残ります。報告が求められる範囲は業種や取引先との契約によって変わるため、監督官庁の指針や契約上の通知条項を平時に確認しておくと、有事の判断が速くなります。IPAは、CSIRTの構築が難しい組織であっても最低限インシデント対応を取り纏める者を定めておく必要があるとしており、警察庁も警察との連携を含む管理体制の構築が被害の抑制に有効だとしています。

Q. マルウェア検知サービスの見積もりや資料を取り寄せるとき、何を伝えると比較しやすくなりますか?

A. 条件をそろえて比べるには、守る対象の数と種類、監視してほしい時間帯、検知後にどこまで任せたいか、課金単位の4点を先に整理して伝えるのが有効です。

具体的には、PC・サーバーの台数と対応OS、エージェントを導入できない機器の有無、平日日中だけでよいのか24時間の監視が要るのか、通知までで足りるのか解析レポートや対処の支援まで欲しいのか、そして台数課金・容量課金・検体数課金のどれで見積もるのか。この領域は料金を公開していない事業者が多いため、同じ前提を各社に渡さないと金額の比較になりません。

出典・参考資料(7件)

マルウェア検知サービスの料金・機能を一括チェック

MCB FinTechカタログでは、マルウェア検知サービスの最新資料をワンクリックで一括入手できます。各社の検知方式・対応範囲・料金体系を手元で見比べたい方は、以下からまとめてお申し込みください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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