自社サイトが書き換えられていないかを、いま確認できる仕組みはあるでしょうか。Webサイトの改ざんは見た目が派手に変わるとは限らず、管理者が普段どおりページを開いても気づけない形が少なくありません。検索結果に警告が表示されたり、外部から指摘されたりして初めて把握するケースが実際に起きています。
WAF(Webアプリケーションファイアウォール)や脆弱性診断を導入していても、それらは侵入を防いだり弱点を見つけたりする役割で、すでに書き換えられたページを見張る役割は担っていません。そこを埋めるのがWeb改ざん検知ツールです。
いま時点で異常がないかを確かめるだけなら、URLを入力してその場でページを調べる無料のチェックツールがあります(詳しくはよくある質問)。ただし単発の確認であり、継続して見張る仕組みにはなりません。
本記事では、Web改ざん検知ツール14サービスを外部監視型・内部監視型の2タイプに分けて比較します。公開されている月額・年額の実額、チェック頻度、自動復旧の有無、エージェント導入の要否を横並びで整理し、自社のサーバ環境と予算で選べる形にまとめました。導入の判断材料としてご活用ください。
サーバ環境と予算から候補を絞りたい場合は、4問に答えると条件に合う製品が出る30秒で終わる選定診断ツールもご利用いただけます。
目次
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Web改ざん検知ツールとは — 何を監視し、何をしてくれるのか
ここでは、比較に入る前の前提として、Web改ざん検知ツールが何を見張り、改ざんを見つけたときに何をするのかを整理します。
何を監視するのか — 公開ページとサーバ上のファイル
Web改ざん検知ツールは、Webサイトのコンテンツが第三者によって不正に書き換えられていないかを継続的に監視し、変化を見つけた時点で管理者へ知らせるツールです。
監視の対象は大きく2つに分かれます。ひとつはブラウザから見える公開ページ(HTML・JavaScript・画像など)、もうひとつはWebサーバ上に置かれたファイルそのもの(公開されていない設定ファイルや、攻撃者が設置した不正なプログラムを含む)です。
どちらを見張るかで、検知できる範囲と導入の前提条件が変わります。この違いが後述する外部監視型・内部監視型の分かれ目になります。
Web改ざん検知ツールの主な機能
製品によって守備範囲は異なりますが、一般的に次の機能を備えています。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 監視 | 登録した監視対象(URLまたはサーバ上のディレクトリ)を、決められた頻度で、または変更が起きた瞬間に確認します。頻度は1日1回の定期巡回から常時監視まで製品ごとに異なります。 |
| 検知 | 取得した内容を、正しい状態(過去の取得結果・保管した原本・ハッシュ値・既知の改ざんパターン)と突き合わせ、正規の更新か不正な改ざんかを判別します。 |
| 通知 | 改ざんと判断した時点で、管理者へメールなどで知らせます。改ざんされたページのURLや変更箇所を添えて通知する製品もあります。 |
| 復旧・被害の拡大防止 | 改ざんされたページを閲覧者に見せないようメンテナンス画面へ自動で切り替える、または保管しておいた正しいファイルへ自動で書き戻します。対応の範囲は製品によって異なります。 |
| レポート・管理画面 | 監視状況や検知履歴を一覧で確認できます。複数サイト・複数ドメインをまとめて管理できる製品もあります。 |
このうち復旧をどこまで担うかは製品間の差が最も大きい部分で、通知だけのもの、メンテナンス画面への切り替えまで行うもの、正しいファイルへ書き戻すものが混在します。詳しくは改ざんを検知した後、誰が何をするのかで扱います。
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外部監視型と内部監視型の違い — どこから、どの頻度で監視するか
Web改ざん検知ツールは、監視をどこから行うかで外部監視型と内部監視型に分かれます。検知できる範囲・気づくまでの時間・導入の前提条件がこの違いで決まるため、製品を絞り込む最初の分岐点になります。
外部監視型 — 公開URLを巡回して検知する
外部監視型は、インターネット経由で監視対象のURLにアクセスし、取得したページの内容を確認する方式です。閲覧者と同じ経路でページを取得するため、監視対象のサーバに専用ソフトウェア(エージェント)を入れる必要がありません。管理権限が与えられない共用サーバ・レンタルサーバでも導入でき、申し込みから監視開始までが短く済みます。サーバ側の処理負荷も発生しません。
外部監視型のなかには、公開ページを取得するだけでなく、FTPやSFTPで接続してサーバ内のファイルを取得し照合する構成をとる製品もあります。この場合も監視対象サーバに常駐ソフトは入りません。
一方で、公開ページの巡回だけで監視する構成では、見えるのは公開されているページに限られます。
攻撃者がサーバ上に設置した不正なプログラム(Webシェル)や、公開ディレクトリの外にある設定ファイルの書き換えは、外部からアクセスできないため検知の対象外です。またチェックは巡回のたびに行われるため、1日1回の巡回なら、改ざんから気づくまで最大で1日近く空くことになります。ページ数に応じた課金体系をとる製品が多く、ページ数の多いサイトでは費用が上がりやすい点も押さえておきたいところです。
内部監視型 — サーバ内のファイル変更を監視する
内部監視型は、監視対象のサーバの内側からファイルの変更・追加・削除を捉える方式です。多くは専用のエージェントを常駐させますが、PHPファイルを1つ設置するだけで動く製品もあり、「サーバの中を見る」ことと「専用ソフトを常駐させる」ことは必ずしも同じではありません。
公開ページに現れない不正ファイルの設置や、実行モジュール・設定ファイルの書き換えまで監視でき、ファイルが書き換わったイベントそのものを捉えるため、巡回を待たずに検知できます。正しいファイルを保管しておき、改ざんを検知した瞬間に書き戻す自動復旧を備える製品も、このタイプに多く見られます。
ただし導入には条件が付きます。エージェントを常駐させる製品では、監視対象サーバにソフトウェアをインストールできる権限が必要なため、管理権限のない共用サーバでは使えないことがあります。常駐するぶんサーバ資源も消費し、対応OSが限られる製品もあります。
逆にいえば、共用サーバを使っていても内部監視型が完全に候補外になるとは限りません。方式の名前で候補を切るのではなく、比較表の「共用サーバ」欄で製品ごとの可否を確かめるのが確実です。

定期監視と常時監視 — 気づくまでの時間差
監視のタイミングは、決まった間隔で確認する定期監視と、変更が起きた瞬間に捉える常時監視に分かれます。定期監視は1日1回から1日数回程度に設定されることが多く、上位プランでチェック回数を増やせる料金体系が一般的です。
常時監視は内部監視型に寄ります。外部監視型はページを取得しに行くという動作の性質上、確認と確認の間に必ず空白が生まれます。内部監視型はファイルシステムの変更イベントを受け取るため、変更と検知の間に空白が生じにくくなります。
ただし外部監視型でも監視間隔を分単位まで詰められる製品はあり、方式だけで一律に決まるわけではありません。
この時間差は、改ざんされたページが閲覧者に見えている時間の長さに直結します。ECサイトのように決済情報を扱うサイトや、アクセス数の多いサイトほど、気づくまでの時間を短くする価値が大きくなります。
改ざんをどう見分けるのか — 検知方式の4分類
監視して取得した内容から「これは改ざんだ」と判断する方法にも種類があります。自社サイトの更新頻度や構成によって向き不向きが変わるため、比較表の「検知方式」欄を読む前に押さえておきたい部分です。
パターンマッチ型(ソース解析型)
過去の改ざん事例から作った検知パターンと、取得したページのソースコードを突き合わせる方法です。マルウェアを呼び出すスクリプトや不正な誘導リンクなど、攻撃者が仕込む典型的なコードの特徴を手がかりにするため、正しい状態を事前に登録しておく必要がありません。サイトを頻繁に更新していても、正規の更新を改ざんと誤って判断しにくい方式です。
反面、パターンに登録されていない手口は見逃す可能性があります。検知の精度は提供元がパターンをどれだけ更新しているかに左右されます。
振舞い分析型
取得したページを隔離した環境で実際に動かし、外部の不審なサイトへ通信しようとする、意図しないファイルをダウンロードしようとするといった挙動そのものから改ざんを判断する方法です。パターンに登録されていない新しい手口にも反応できる点が特徴です。
一方で判断できるのは、実際に動かして観測できる挙動の範囲に限られます。条件がそろったときだけ動くよう仕込まれた改ざんは、隔離環境で再現できず見逃されることがあります。
ハッシュリスト比較型
監視対象のファイルからハッシュ値(内容を要約した固定長の値)を計算して保管しておき、次回取得した内容のハッシュ値と突き合わせる方法です。値が1文字でも違えば内容が変わったと判断できるため、どのファイルが変わったかを正確に特定できます。ファイル全体を保管せずに済むぶん、監視の負荷も抑えられます。
ただし、変わったこと自体は分かっても、それが正規の更新か改ざんかは区別できません。サイトを更新するたびにハッシュ値の登録し直しが必要になるため、更新頻度の高いサイトでは運用の手間が増えます。この点を補うため、値が異なった場合にソースコードを解析して正規の更新かどうかを判別する仕組みを組み合わせる製品もあります。
原本比較型
正しい状態のコンテンツ(原本)を別の場所に保管しておき、公開中のサイトと突き合わせる方法です。どこがどう変わったかまで把握でき、保管した原本をそのまま書き戻せるため自動復旧と相性がよいのが特徴です。内部監視型で自動復旧を備える製品の多くがこの考え方をとっています。
前提として、原本を常に最新の状態に保つ運用が要ります。サイトを更新したときに原本の更新を忘れると、正規の更新が改ざんと判断されたり、自動復旧で更新前の状態に戻されたりします。
この4つは業界で共通して使われる呼び名ですが、方式名を公表していない製品や、ファイルの変更イベントを直接捉えるように4分類に収まらない製品もあります。後掲の比較表は各社の公式表記に合わせているため、4分類の名前がそのまま並ぶわけではありません。とくに振舞い分析型は、外部監視型の一部で採られる一方、方式として明示している製品は多くありません。
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自社サイトで導入できるかを分ける条件
方式の違いが分かっても、自社の契約しているサーバやサイトの規模によっては選べない製品があります。ここでは、候補を「実際に導入できるもの」に絞り込むための条件を整理します。
エージェント導入の要否と、共用サーバ・レンタルサーバでの可否
最初に確認したいのが、監視対象サーバに専用ソフトウェアを入れられるかどうかです。内部監視型はエージェントの常駐が前提になるため、他社と1台のサーバを共有する共用サーバでは、そもそもインストールが許可されていないことがあります。自社で専用サーバやクラウド上の仮想サーバを運用し、管理者権限を持っている場合は選択肢に入ります。
共用サーバを使っている場合は外部監視型が基本の選択肢になります。ただし、PHPファイルを1つ設置するだけで内部からファイルを確認できるようにした製品もあり、共用サーバでもサーバ内部の監視ができるケースがあります。契約中のサーバでどこまで許可されているかは、ホスティング事業者の規約と製品側の動作条件の両方で確認してください。
監視対象の上限(ページ数・ドメイン数・サーバ台数)
製品ごとに、1契約で監視できる範囲の単位が異なります。外部監視型は解析ページ数(URL数)を単位とすることが多く、30ページから2,000ページ程度までプランが刻まれています。内部監視型はサーバ台数・エージェント台数を単位とし、1台のサーバに載っているサイト数を問わない体系が一般的です。
ここで確認したいのは、自社サイトの規模が上限に収まるかどうかです。ページ数を単位とする製品では、監視の起点URLからリンクをたどって数えた実際のページ数が対象になります。サイト内検索の結果ページや、パラメータ違いで無数に生成されるURLがある場合、想定より数が膨らむことがあります。複数のドメインを運用している場合は、1契約で何ドメインまで対象にできるかも合わせて確認してください。
エージェントによるサーバ負荷
内部監視型はエージェントが常駐するため、サーバの処理能力を一部使います。製品によってはCPU使用率の目安を公表しているので、自社サーバの余力と照らして確認できます。外部監視型はサーバの外から取得するため、この負荷は発生しません。
CMSの自動更新による誤検知
CMS(コンテンツ管理システム)を使っているサイトでは、本体やプラグインの自動更新でファイルが書き換わります。この正規の更新を改ざんとして通知してしまうのが、運用で最も問題になりやすい誤検知です。
ハッシュリスト比較型や原本比較型は「ファイルが変わったこと」を検知する仕組みなので、この自動更新も検知の対象になり得ます。運用を始める前に、更新のたびに正しい状態を登録し直す手順を決めるか、正規の更新を判別する仕組みを持つ製品を選ぶかを決めておくと、通知が形骸化するのを防げます。
導入までに必要なもの
申し込みの段階で求められる情報は、方式によって異なります。外部監視型では監視対象のURLと、必要に応じてサイトの管理者情報を伝えれば始められる製品が多く見られます。サーバ内のファイルを取得する構成では、FTP・SFTPの接続情報を登録する場合もあります。
内部監視型では、監視対象サーバへのエージェント導入作業と、対象ディレクトリの指定が必要です。原本比較型で自動復旧まで使う場合は、正しい状態のファイルをどこに保管し、誰がいつ更新するかを決めておく必要があります。この準備を後回しにすると、導入しても自動復旧を有効にできない状態が続きます。
改ざんを検知した後、誰が何をするのか
検知はあくまで出発点です。通知を受け取ってから誰がどう動くかを決めておかないと、深夜や休日に通知が届いても対応が始まりません。ここでは、製品に任せられる範囲と、社内で決めておく必要がある部分を切り分けます。
通知だけか、メンテナンス画面への自動切替か、ファイルの自動復旧か
検知後の対応は、大きく3段階に分かれます。

| 検知後の対応 | 内容と、社内に残る作業 |
|---|---|
| 通知のみ | 改ざんを検知した時点で管理者へメールなどで知らせます。改ざんされたページを閲覧者に見せない措置も、正しい状態への復旧も、すべて人の手で行います。通知を受けてから対応を始めるまでの時間が、被害が広がる時間になります。 |
| メンテナンス画面への自動切替 | 改ざんを検知すると、該当ページを閲覧者に見せず、あらかじめ用意したメンテナンス画面へ自動で切り替えます。閲覧者がマルウェアを踏む被害は止められますが、サイトは停止した状態になるため、復旧作業は人の手で行います。 |
| ファイルの自動復旧 | 保管しておいた正しいファイルへ自動で書き戻します。サイトを止めずに元の状態へ戻せるため、人が対応を始めるまでの時間差の影響を受けません。ただし正しい原本を常に最新に保つ運用が前提になります。 |
どこまで必要かは、サイトが止まったときの影響と、対応できる体制で決まります。営業時間内に必ず担当者がいて、停止しても業務への影響が限定的なサイトなら通知のみでも回ります。24時間稼働のECサイトや、担当者が少なく夜間の対応が難しい体制であれば、自動で止める・戻す仕組みの価値が大きくなります。
メンテナンス画面への自動切替を評価するときは、切替先のページがどこに置かれるのかも確認しておきたい点です。JPCERT/CCのマニュアルは、停止を知らせるページを出す際、侵害の影響が及んでいない安全な場所で公開する必要があるとしています。改ざんされたサーバ上に切替先を置く構成では、この条件を満たせません。
自動復旧が成り立つ前提
自動復旧は「正しい状態のファイルを保管しておき、改ざんを検知したらそれで上書きする」仕組みです。したがって、保管している原本が最新でなければ、復旧した瞬間にサイトが古い状態へ戻ります。
この「正しい状態を持っておく」という考え方は、JPCERT/CCがインシデント対応のマニュアルで示している検知の仕組みそのものです。
Web コンテンツの改ざんに対しては、システムの改ざん検知と同様に行います。例えば、コンテンツを変更するたびにチェックサム (メッセージダイジェスト)を保存し、定期的に比較するなどの改ざん検知の仕組みを導入します。
出典:インシデントハンドリングマニュアル 3.3 不正アクセス|一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター
「コンテンツを変更するたびに」という条件が付いている点に注目してください。原本やハッシュ値の更新をサイト更新のたびに行う運用が、自動復旧を機能させる前提になります。
ここで確認しておきたいのが、自社のサイト更新フローと噛み合うかどうかです。担当者が管理画面から日常的に記事を追加するサイトや、外部の制作会社がファイルを差し替える運用では、更新のたびに原本を更新する手順が必要になります。この手順が回らないと、正規の更新が自動復旧で打ち消される事態が起きます。
データベースの内容が書き換えられるタイプの改ざんも、ファイルの自動復旧では戻せません。CMSの記事本文や設定がデータベースに保存されている場合、ファイル監視の対象外になる点は押さえておく必要があります。
もうひとつ、原因調査との関係も設計に含めておきたい点です。個人情報保護法サイバーセキュリティ連絡会は、フォレンジック調査を予定している機器について、実施してもよい措置をネットワーク隔離のみとし、電源オフ・再起動、ウイルススキャン、初期化・ソフトウェアの更新を「実施してはいけない措置」として挙げています。
同資料は改ざん検知ツールの自動復旧について述べたものではありませんが、ファイルを上書きする動作が痕跡を失わせうるという点は共通します。製品側でもこの点に答えているものがあり、通知のみ・通知+自動復旧・通知+証拠保全+自動復旧を選べる運用モードを備えたサービスもあります(比較表の「検知後の対応」欄)。どこまでを自動に任せ、どこから調査のために手を止めるかを、導入時に決めておくと初動で迷いません。
初期対応を誤ると、ログの消失等により、原因の特定・復旧作業に悪影響が生じ得るため、適切に証拠保全を行うことも重要です。そのため、必要に応じて速やかに調査会社・専門機関等に相談し、フォレンジック調査を予定している機器の取扱いに注意しながら対応しましょう。
出典:不正アクセス発生時のフォレンジック調査の有効活用に向けた着眼点(令和8年1月16日)|個人情報保護法サイバーセキュリティ連絡会
復旧した後にやること
ページを元に戻しても、攻撃者が入ってきた経路が残っていれば同じ改ざんが繰り返されます。復旧はあくまで応急処置であり、侵入経路を特定して塞ぐところまでが一連の対応です。
調べる対象は、CMSやプラグインに未対応の脆弱性が残っていないか、管理者アカウントのパスワードが漏れていないか、公開すべきでないディレクトリにアクセスできる状態になっていないか、といった点です。
改ざんと同時に不正なプログラムが設置されていることもあるため、公開ページを戻すだけでなくサーバ内のファイル全体を確認する必要があります。自社で切り分けが難しい場合は、脆弱性診断や、侵入の痕跡をログやファイルから追跡するフォレンジック調査を提供する事業者に依頼する選択肢があります。
侵入経路になりやすいのは、どんな箇所なのでしょうか。企業のネットワーク内部を診断している事業者は、実際に見つかる問題として次のように挙げています。

それから、ネットワーク機器やサーバーの管理者権限の問題もあります。一般ユーザー権限と管理者権限を分けて使うことはご存じの通りですが、実際に管理者権限でログインを試してみると、簡単に入れてしまうケースもあります。
侵入経路の調査や弱点の洗い出しを外部へ依頼する場合、診断のやり方によって費用も期間も変わります。以下の記事で、脆弱性診断の方法ごとの違いと費用相場、依頼先を選ぶときの見方を整理しています。
改ざんによって個人情報やクレジットカード情報が外部に流出した可能性がある場合は、社内への報告に加えて、法令にもとづく報告や本人への通知が必要になることがあります。誰が判断し、どこへ連絡するかを事前に決めておくと、実際に起きたときの初動が速くなります。
個人データの漏えい等のうち、個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして個人情報保護委員会規則で定める事態が生じたときは、個人情報取扱事業者は個人情報保護委員会への報告と、原則として本人への通知が義務づけられています(個人情報保護法第26条)。改ざんのように不正の目的による行為が疑われる漏えい等は、この規則で定める事態に含まれます。
報告には速報と確報の二段階があり、期限と該当要件は個人情報保護委員会のガイドラインで確認してください。
出典・参考資料(3件)
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Web改ざん検知ツールの費用相場(月額・年額の実額と課金の考え方)
Web改ざん検知ツールの費用は、監視方式と監視できる範囲で変わります。ここでは公開されている実額をもとに価格帯を整理し、見積もりが変動する要因を示します。
外部監視型の価格帯
外部監視型は、監視するページ数に応じて料金が決まる体系が主流です。30ページ規模のコーポレートサイトなら月額990円(税込)から、50ページなら年額6,930円(税込)から(改ざん監視まで含むプランでは年額23,760円から)という実額が公開されており、初期費用を設けていない製品も少なくありません。
数百ページ規模になると月額1万〜3万円台に上がり、チェック回数を1日4回に増やしたり監視対象を広げたりすると、そこからさらに上がっていきます。
自動復旧やメンテナンス画面への切替まで含むプランは、同じ外部監視型でも上位の価格帯に位置づけられています。年額でまとめて支払うと割引になる料金体系もあります。
内部監視型・自動復旧まで含む場合の価格帯
内部監視型はサーバ台数やエージェント台数を単位とするため、ページ数の多いサイトでも台数が増えなければ費用は変わりません。
常時監視と自動復旧を備える製品では年額480,000円〜1,200,000円(1サーバあたり)という実額が公開されている一方、月額8,250円(税込)で内部からファイルを確認できる製品もあり、備える機能によって幅があります。初期費用は0円の製品から55,000円の製品まで分かれます。
台数課金は、1台のサーバに複数サイトを載せている場合に有利に働きます。逆に、複数のサーバに分散している構成では台数分の費用が積み上がるため、自社の構成と課金単位の相性を確認しておくと見積もりのぶれを抑えられます。
課金単位と、料金を左右する要因
見積もりに影響する要因は、おおむね次の5つに整理できます。
- 監視対象の量:解析ページ数・ドメイン数・サーバ台数のいずれを単位にしているか。同じ規模のサイトでも、単位が違えば費用は変わります
- チェック頻度:1日1回か、1日4回か、常時か。回数を増やすプランは上位価格帯に置かれるのが一般的です
- 検知後の対応範囲:通知のみか、メンテナンス画面への切替まで含むか、自動復旧まで担うか。対応の範囲が広いほど価格帯は上がります
- 監視の広がり:公開ページのみか、サーバ内の非公開ファイルやWebサイト以外の資産まで対象にするか。範囲が広い製品は内部監視型に多く見られます
- 単体契約か、他サービスのオプションか:WAFやホスティングの契約者向けオプションとして提供される製品では、本体の契約が前提になります
これらの要因が、次の一覧でどう金額に表れているかを確認してください。
【一覧】14サービスの初期費用・継続費用・課金単位
本記事で紹介する14サービスの初期費用・継続費用・課金単位を1枚にまとめました。料金を公開していないサービスは「非公開(要問い合わせ)」と記載しています。他サービスのオプションとして提供される製品は、本体側の契約が別途必要な点に注意してください。
| サービス名 | Webサイトコンテンツ改ざん検知(BBSec) | GRED Web改ざんチェック Cloud | Web改ざん検知サービス(さくらインターネット) | 攻撃遮断くん Web改ざん検知オプション | SITE PATROL | isAdmin | SiteKeeper | SiteLock | Sucuri | WebARGUS | ALSOK ホームページ改ざん検知・復旧サービス | IIJ改ざん常時監視・復旧ソリューション | リアルタイムスキャン(シーズ) | F-PAT【ファイルパトロール】 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 公式に記載なし | 0円 | 0円 | 公式に記載なし | 30,000円〜85,000円(税別、プランにより異なる) | 非公開(要問い合わせ) | 33,000円〜55,000円(税込、プランにより異なる) | 0円 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 55,000円(税込) | 公式に記載なし | 15,000円(税抜) | 0円 |
| 継続費用(月額・年額) | 年額60,000円〜(改ざん検知ライト) 年額180,000円〜(Cracker Probing-Eyes® Detect) 年額360,000円〜(Detect Plus) ※税区分の記載なし | 月額30,000円(税抜) 年額324,000円(税抜) | 月額990円〜16,500円(税込) 年額(12ヶ月一括)11,880円〜198,000円(税込) | 月額2,000円〜18,000円(税抜、標準プラン) 月額30,000円〜(税抜、エンタープライズ向けプラン) ※WAF「攻撃遮断くん」本体の契約が別途必要 | 月額12,800円〜48,000円(税別) | 非公開(要問い合わせ) | 月額14,080円〜32,780円(税込) | 年額6,930円〜164,340円(税込、日本語代理店の年間契約) | 年額229米ドル〜549米ドル(Website Security Platform) | 年額480,000円(Standard版) 年額1,200,000円(Enterprise版) ※税区分の記載なし | 月額38,500円(税込、1エージェントあたり) | 非公開(要問い合わせ) ※2021年の提供開始時は月額68,000円(税抜・2エージェント)と公表 | 月額15,000円(税抜、フルマネージド・ライトマネージド用) 月額7,500円(税抜、セルフマネージド用) ※対象は同社の専用サーバ・クラウドサーバ、AWS、IDCFクラウド | 月額7,500円(税別)/8,250円(税込) 年額89,000円(税込) |
| 課金単位 | Webページ(ライト) Webサイト(Detect) サーバ(Detect Plus) | ドメイン・ページ数 (1ドメイン1,000ページ) | ページ数 (30〜1,000ページ) | ページ数(50〜1,000ページ) URL・ホスト数(エンタープライズ向け) | URLツリー(1サイト)単位 | 公式に記載なし | ドメイン単位 | ドメイン・ページ数 (50〜2,000ページ) | サイト単位 (1プラン1サイト) | サーバ台数 (1サーバあたりの年額ライセンス) | エージェント台数 (監視対象サーバ単位) | エージェント台数 | サーバ台数 (1台あたりのサイト数に制限なし) | ドメイン単位 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※2026年8月時点の各社公式情報に基づきます。税抜・税込の別は各社公式の表記に従い、記載のないものは「税区分の記載なし」としています。料金を公開していないサービスは「非公開(要問い合わせ)」、公式ページに項目そのものの記載がないものは「公式に記載なし」と記載しています。最新の料金は各社公式ページをご確認ください。
Web改ざん検知ツールの選び方 — 4つのステップで候補を絞る
ここまで整理した条件を自社の状況に当てはめると、候補は数点まで自然に絞り込めます。次の順番で決めていくのが分かりやすい進め方です。
まず、自社のサーバ環境と更新フローで監視方式を絞る
最初の分岐は、監視対象サーバにソフトウェアを入れられるかどうかです。共用サーバ・レンタルサーバを契約していて管理者権限がない場合、内部監視型は候補から外れ、外部監視型が中心になります。専用サーバやクラウド上の仮想サーバを自社で管理しているなら両方が選べます。
あわせて確認したいのが更新フローです。CMSで日常的に更新するサイトでは、正規の更新を改ざんと判別できる仕組みがあるかを見ておくと、運用開始後に通知が頻発して形骸化するのを防げます。更新がほとんどない静的なサイトであれば、ファイルの変化をそのまま改ざんとみなす方式でも運用に無理がありません。
次に、気づくまでの時間をどこまで縮めるかを決める
次の分岐は、1日1回の巡回で足りるのか、常時監視が要るのかです。基準になるのは、改ざんされたページが閲覧者に見えている時間を、事業としてどこまで許容できるかになります。
決済情報や個人情報を入力する画面を持つサイトは、短時間でも情報が抜き取られる可能性があるため、検知までの時間を詰める価値が大きくなります。アクセス数が多いサイトも、見えている時間がそのまま被害者数に比例します。逆に、更新も閲覧も限定的な情報提供サイトであれば、1日1回のチェックでも実務上の支障は小さく、費用を抑える判断が成り立ちます。
そのうえで、復旧を自動化するか人の手で回すかを決める
ここで効いてくるのは、通知を受けてから対応を始められるまでの時間が実際の体制でどれくらいかかるかです。担当者が1人で兼任している、夜間・休日は連絡がつかない、といった体制であれば、通知だけの製品では検知から復旧までに数時間から数日かかる可能性があります。
自動復旧を選ぶ場合は、前述のとおり原本を最新に保つ運用が回るかが判断の分かれ目です。回らないと判断するなら、自動復旧ではなくメンテナンス画面への自動切替を備える製品を選び、被害の拡大だけを機械的に止めて復旧は人の手で行う、という組み合わせも現実的です。
残った候補を、監視範囲・サポート・トライアル・料金で比べる
候補が数点に絞れたら、最後は細部の比較になります。監視範囲については、Webサイトの公開ページだけでよいのか、サーバ内の非公開ファイルやWebサイト以外の資産(OS・ネットワーク機器・データベース)まで対象にしたいのかが分かれ目です。
サポートでは、検知時の連絡が管理画面とメールだけなのか、電話やSMSでの通知、有人での連絡まで含むのかが分かれます。無料トライアルを用意している製品であれば、自社サイトで誤検知が起きないか、通知の粒度が運用に合うかを契約前に確かめられます。料金は、監視対象の量が想定どおりに収まるかを見積もったうえで、年額換算で比べると差が把握しやすくなります。
ここまでの4つの判断は、後掲の比較表の列にそのまま対応します。監視方式と監視範囲は「検知方式」「導入要件」「共用サーバ」の各欄、気づくまでの時間は「監視頻度」欄、復旧の自動化と通知手段は「検知後の対応」欄、費用とお試しは「継続費用(月額・年額)」「無料トライアル」の各欄で確認できます。
しかし、自社がどのタイプに適しているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
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【比較表】Web改ざん検知ツールを監視方式・検知頻度・自動復旧・料金で比較
ここからは、本記事で紹介するWeb改ざん検知ツール14サービスを、外部監視型・内部監視型の2タイプに分けて比較します。検知方式・監視頻度・検知後の対応・導入要件・課金単位・料金を横並びで確認できます。検知方式の欄の読み方は改ざんをどう見分けるのかを、料金の詳細は14サービスの費用一覧を参照してください。
比較表を読む前に — 同じ検知エンジンが複数のブランドで提供されている
比較にあたって先に押さえておきたいのが、この分野では1社が開発した検知エンジンを、複数の事業者が自社ブランドのサービスとして提供していることです。別々の製品として比べているつもりが、検知の中身は同じという状況が起こり得ます。
公式サイトやプレスリリースで確認できる関係は、次のとおりです。
- 株式会社日立システムズの「GRED Web改ざんチェック Cloud」は、さくらインターネットの「Web改ざん検知サービス」、株式会社サイバーセキュリティクラウドの「攻撃遮断くん Web改ざん検知オプション」の検知エンジンとして採用されています
- デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社の「WebARGUS」は、綜合警備保障株式会社(ALSOK)の「ALSOK ホームページ改ざん検知・復旧サービス」に採用されています。綜合警備保障株式会社は2023年10月、デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社およびAGS株式会社との協業として、同サービスの提供開始を発表しました。株式会社アールワークスも同じエンジンをもとに「SECURE-ARGUS」を提供しています
- ALSOKは、上記の検知・復旧サービス(2023年10月開始)とは別に、2014年開始の検知のみのサービスも提供しており、そちらは日立システムズのGREDを採用しています。同じ社名の製品でも、採用エンジンと対応範囲が異なることになります
- JNS株式会社の「isAdmin」は、アットシグナル株式会社の「SITE PATROL」の基盤として使われており、同サービスの公式サイトにも「Powered by isAdmin」と表記されています
同じエンジンを使っていても、提供事業者によって料金体系・監視できるページ数・サポート体制・申し込み方法は異なります。検知の精度で選ぶのか、契約のしやすさやサポートで選ぶのかを分けて考えると、比較の見通しがよくなります。
【タイプ別比較表】外部監視型のWeb改ざん検知ツール
| サービス名 | Webサイトコンテンツ改ざん検知(BBSec) | GRED Web改ざんチェック Cloud | Web改ざん検知サービス(さくらインターネット) | 攻撃遮断くん Web改ざん検知オプション | SITE PATROL | isAdmin | SiteKeeper | SiteLock | Sucuri |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 検知方式 | 前の状態との差分比較+ファイル整合性の確認(改ざん検知ライト) 難読化スクリプトを解読する不正URL検知を併用(Cracker Probing-Eyes® Detect) | パターンマッチ型 (スクリプト変化検知エンジン+リンクタグ変化検知エンジン) | パターンマッチ型 (スクリプト変化検知+リンクタグ変化検知。GREDのエンジンを利用) | GRED Web改ざんチェックを利用 方式の詳細は公式に記載なし | ファイルの変更を検知し、正常な更新か不正な改ざんかを判別(スタンダードパトロール以上) 方式名の公式記載なし | ハッシュリスト比較型 (正規コンテンツと掲載中コンテンツのHASH値を比較) | 原本比較型 (正規ファイルのファイルサイズ・更新日付・HASH値と比較) | パターンマッチ型 (800万件を超える既知マルウェアのシグネチャと照合) | ハッシュリスト比較型 (File Integrity Monitoring) |
| 監視頻度 | 1時間ごと(ライト) 検査周期を設定(Detect) | 1日4回 (オプションで1日8回) | 1日1回(30〜300ページ) 1日4回(1,000ページのエンタープライズ) | 1日1回(標準プラン) 1日4回(エンタープライズ向けプラン) | 定期巡回(1日に複数回のチェックが可能) 回数は公式に記載なし | 最短1分(1分刻みで設定可) 実際の間隔はサイトの応答時間・コンテンツ量に依存 | 24時間365日、一定時間ごと 間隔は公式に記載なし | 1日1回(マルウェア診断・ブラックリスト監視・SSL診断) XSS・SQLインジェクションの脆弱性診断は四半期/月/週/日1回から選択(エントリーはワンタイム) | 12時間ごと(Basic) 6時間ごと(Pro) 30分ごと(Business) |
| 検知後の対応 | 管理画面で検知内容を確認(Detect・Detect Plus。ライトは管理画面なし) 通知手段・メンテナンス画面への切替・復旧は公式に記載なし(問い合わせで確認) | メンテナンス画面へ自動切替 管理コンソール・メールで通知 ファイルの自動復旧は公式に記載なし | メールで通知 メンテナンス画面へ自動切替(初期設定は無効) ファイルの自動復旧はなし(復旧は行わないと公式FAQに明記) | メールで通知 メンテナンス画面へ自動切替 ファイルの自動復旧は公式に記載なし | メール・SMS・電話で通知 メンテナンス画面へ自動切替(スタンダードパトロール) ファイルの自動復旧(エンタープライズパトロール) | メールで通知 メンテナンス画面へ自動切替 ファイルの自動復旧はfor Web Enterprise FTPのみ | メールで通知(サイトチェック・レスキュー) ファイルの自動復旧と不正ファイルの自動削除(リカバリー) | マルウェアの自動駆除(レギュラープラン以上) エントリープランは駆除機能・不正改ざん対策(SMART診断)とも対象外 | 回数無制限のマルウェア除去 公式の記載は手作業でのクリーンアップ 対応の目安は30時間/12時間/6時間 |
| 導入要件 | エージェント不要(ライト・Detect) 上位のDetect Plusはエージェント必要 対応OSは公式に記載なし | エージェント不要(クラウドから外部巡回) | エージェント不要 さくら以外のサーバでも利用可 申込にさくらの会員IDが必要 | エージェント要否・対応OSとも公式に記載なし 攻撃遮断くん(WAF)本体の契約が必要 | エージェント不要(HTTP・FTP/sFTPで外部から巡回) | エージェント不要(外部からリモート監視) | サーバへのエージェント不要 レスキュー・リカバリーは更新者PCにOpenVPNクライアントが必要 | エージェント不要(Webページへのコード埋め込み+FTP/SFTP接続) | エージェントの常駐は必須ではない |
| 共用サーバ | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし (さくら以外のサーバでも利用可) | 公式に記載なし | 可 | 公式に記載なし | 可 (サイトチェックプラン) | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 継続費用(月額・年額) | 年額60,000円〜(ライト) 年額180,000円〜(Detect) 年額360,000円〜(Detect Plus) ※税区分の記載なし | 月額30,000円(税抜) 年額324,000円(税抜) | 月額990円〜16,500円(税込) 年額(12ヶ月一括)11,880円〜198,000円(税込) | 月額2,000円〜18,000円(税抜、標準プラン) 月額30,000円〜(税抜、エンタープライズ向け) ※WAF「攻撃遮断くん」本体の契約が別途必要 | 月額12,800円〜48,000円(税別) | 非公開(要問い合わせ) | 月額14,080円〜32,780円(税込) | 年額6,930円〜164,340円(税込、日本語代理店の年間契約) | 年額229米ドル〜549米ドル |
| 無料トライアル | 公式に記載なし | あり(体験版) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | あり(無償トライアル) | あり(評価版) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 本体プランは公式に記載なし (WAFは30日間の無料トライアルあり) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※2026年8月時点の各社公式情報に基づきます。料金の税抜・税込の別は各社公式の表記に従い、記載のないものは「税区分の記載なし」としています。公式ページに記載が確認できない項目は「公式に記載なし」と記載しているため、機能の有無を示すものではありません。最新の内容は各社公式ページをご確認ください。
【タイプ別比較表】内部監視型のWeb改ざん検知ツール
外部監視型の表に載せたBBSecのサービスは、上位のCracker Probing-Eyes® Detect Plusだけがサーバ内にエージェントを置く内部監視型の構成です。同じ製品名のなかで方式が分かれるため、下位2プランに合わせて外部監視型の表にまとめています。
| サービス名 | WebARGUS | ALSOK ホームページ改ざん検知・復旧サービス | IIJ改ざん常時監視・復旧ソリューション | リアルタイムスキャン(シーズ) | F-PAT【ファイルパトロール】 |
|---|---|---|---|---|---|
| 検知方式 | OSの改ざんイベントを直接検知 (ファイル・フォルダの変更そのものを捉える方式) | 原本比較型 (ファイル・ディレクトリの変更・追加・削除と権限変更を検知) | OSイベントの常時監視 (ファイルの変更・追加・削除を検知。方式名の公式記載なし) | ファイルの新規作成・変更・削除の監視+ウイルスチェック 方式名の公式記載なし | 差分検知型 (前回取得したファイル一覧との比較) |
| 監視頻度 | 常時(リアルタイム) | 常時(24時間365日) | 常時(改ざん発生と同時に検知) | 常時(24時間365日リアルタイム) | 最短1時間ごと |
| 検知後の対応 | 0.1秒未満でファイルを自動復旧 メールで通知(syslog連携にも対応) | 0.1秒未満でファイルを自動復旧 メールで通知したうえで、ALSOKが改ざん内容を確認して顧客へ緊急連絡 | 0.1秒以内にファイルを自動復旧(バックアップデータから復元) 通知のみ/通知&自動復旧/通知&証拠保全&自動復旧の3モードから選択 | ファイルの自動復旧(サービスを止めずに正規ファイルへ置換) ウイルス感染ファイルを自動隔離 メールで通知 | メールで通知(最大5アドレス) 自動復旧の機能はなし |
| 導入要件 | エージェント必須(導入に管理者権限が必要) 対応OSの一覧は公式に記載なし | エージェント必須 Red Hat Enterprise Linux 9.x〜6.x・CentOS 7.x・Amazon Linux 2・SUSE Linux Enterprise Server 15/12/11に対応 固定グローバルIPアドレスとJRE1.8以降が必要 | エージェント必須 対応OSは公式に記載なし | サーバにインストールして動作(専用サーバ・シーズクラウドサーバ・AWS・IDCFクラウドが対象) 対応OSは公式に記載なし | PHPファイルを1つ設置(専用エージェントの常駐は不要) PHPが動作するWebサーバが対象 |
| 共用サーバ | 公式に記載なし | 不可 (管理者権限が必要なため) | 公式に記載なし | 公式に記載なし (対象は専用・クラウドサーバ) | 可 (公式が示す条件は「php5.1以上が稼働可能な環境下にあるWEBサーバー」のみ) |
| 継続費用(月額・年額) | 年額480,000円(Standard版) 年額1,200,000円(Enterprise版) ※税区分の記載なし | 月額38,500円(税込、1エージェントあたり) | 非公開(要問い合わせ) ※2021年の提供開始時は月額68,000円(税抜・2エージェント)と公表 | 月額15,000円(税抜、フルマネージド・ライトマネージド用) 月額7,500円(税抜、セルフマネージド用) ※対象は同社の専用サーバ・クラウドサーバ、AWS、IDCFクラウド | 月額7,500円(税別)/8,250円(税込) 年額89,000円(税込) |
| 無料トライアル | あり(30日間) | あり | 公式に記載なし | 公式に記載なし | あり(1ヵ月) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※2026年8月時点の各社公式情報に基づきます。料金の税抜・税込の別は各社公式の表記に従い、記載のないものは「税区分の記載なし」としています。公式ページに記載が確認できない項目は「公式に記載なし」と記載しているため、機能の有無を示すものではありません。最新の内容は各社公式ページをご確認ください。
Web改ざん検知ツールの個別紹介
ここからは、各サービスの監視方式・検知後の対応・料金を個別に見ていきます。
外部監視型のWeb改ざん検知ツール
監視対象のサーバに常駐ソフトを入れず、外部から改ざんを見つけるタイプです。公開URLの巡回が中心ですが、FTP・SFTPで接続してサーバ内のファイルまで照合する製品も含まれます。サーバにソフトウェアを導入できない環境での選択肢になります。自動復旧まで対応する製品もあり、検知だけで終わるとは限りません。
1. Webサイトコンテンツ改ざん検知(株式会社ブロードバンドセキュリティ)

監視方式の異なる3つのプランを用意している点が、このサービスの構成上の特徴です。改ざん検知ライトは登録したWebページを1時間周期でチェックするURL登録型、Cracker Probing-Eyes® Detectは基点URLからサイト全体を巡回するクローリング型で、いずれもサーバへのエージェント導入は不要です。
上位のCracker Probing-Eyes® Detect Plusはサーバ内にエージェントを置く方式のため、サーバに手を入れずに使えるのは前の2プランになります。ライトは前の状態との差分による改ざん検知とファイル整合性の確認まで、Detectはこれに加えて、難読化されたスクリプトを解読して悪意ある通信先を判定する不正URL検知と管理画面を備えます。
標準価格は改ざん検知ライトが年額60,000円から、Cracker Probing-Eyes® Detectが年額180,000円から、Detect Plusが年額360,000円からで、公式の比較表に税区分の記載はありません。
課金単位はライトがWebページ、DetectがWebサイト、Detect Plusがサーバです。初期費用と無料トライアルの有無は公式ページに記載がなく、問い合わせでの確認が必要になります。
年額6万円台のURL登録型から始め、必要になったらサイト全体の巡回や不正URL検知へ広げる、という進め方ができます。サーバにエージェントを置ける環境なら、提供元を変えずに上位プランへ移れます。
2. GRED Web改ざんチェック Cloud(株式会社日立システムズ)

開発元の株式会社セキュアブレインが2024年4月1日付で株式会社日立システムズに合併し、現在は日立システムズが提供しています。専用クローラーがインターネット側からWebサイトを巡回して公開ページを取得する方式で、監視対象のサーバにエージェントを導入する必要はありません。
検知は、JavaScriptの変化を捉える「スクリプト変化検知エンジン」と、HTML内のsrc属性・href属性の変化を捉える「リンクタグ変化検知エンジン」を組み合わせたパターンマッチ型です。巡回は1日4回で、オプションにより1日8回まで増やせます。改ざんを検知すると管理コンソールとメールで通知し、安全なメンテナンスページへ自動で切り替えます。
ただし、改ざんされたファイル自体を元に戻す自動復旧については公式サイトに記載がありません。料金は初期費用が不要で、1ドメイン・1,000ページ・1日4回解析の基本ライセンスが月額30,000円(税別)、年額では324,000円(税別)。体験版の申し込みを受け付けているほか、公式サイトには2026年10月に価格を改定する予定との記載があり、改定後の額は公開されていません。
サーバに手を入れられないが、改ざんされたページは自動で止めたい——この組み合わせに噛み合います。判断の分かれ目は1日4回の巡回で足りるかどうかで、ファイルの復旧は自社か保守事業者が引き受けることになります。
3. Web改ざん検知サービス(さくらインターネット株式会社)

検知エンジンには日立システムズの「GRED Web改ざんチェック」を利用していると、公式サイトに明記されています。クラウドから対象サイトを外部巡回するためエージェントの設置は不要で、さくらインターネットのサーバで運用していないサイトも監視できます。申し込みにはさくらの会員IDが必要です。
検知はスクリプトの変化とリンクタグの変化に着目した差分方式で、単純な新旧比較ではないと説明されています。巡回は1日1回、1,000ページのエンタープライズプランのみ1日4回。HTMLのheadタグ内に指定のタグを挿入しておけば、メンテナンス画面への自動切替も使えます(初期設定は無効)。
一方で、改ざんされたページの復旧は行わず、お知らせ機能のみのサービスであるとFAQに明記されています。
料金は初期費用0円で、月額990円(30ページ)から16,500円(1,000ページ)までの税込4段階。12ヶ月一括の場合は11,880円〜198,000円(税込)です。契約後のプラン変更はできず、ページ数を変えるには解約と再契約が必要になります。無料トライアルは公式ページに記載がありません。
向いているのは、監視対象が数十〜数百ページ規模で、まずは月額1,000円前後で通知を受け取れる状態を作りたいケースです。復旧機能はないため、検知後の作業を自社か制作会社で引き受けられることが前提になります。
4. 攻撃遮断くん Web改ざん検知オプション(株式会社サイバーセキュリティクラウド)

クラウド型WAF「攻撃遮断くん」の有料オプションとして提供されており、本オプション単体では申し込めません。改ざん検知の中身は、前掲のさくらのサービスと同じく日立システムズの「GRED Web改ざんチェック」を利用していると公式に記載されています。
対象サイトを毎日巡回してチェックする方式で、標準プランは1日1回、エンタープライズ向けプランは1日4回。改ざんを検知すると管理者へメールで通知し、該当ページをメンテナンス画面へ自動で切り替えます。一方、エージェントの要否や共用サーバでの可否、改ざんファイルの自動復旧の有無については公式ページに記載がありません。
月額費用は標準プランが2,000円(50ページ)から18,000円(1,000ページ)、1日4回チェックのエンタープライズ向けプランが1,000URL・1ホストで30,000円(いずれも税抜)。URL・ホストの追加は各10,000円です。初期費用と無料トライアルの記載は公式ページに見当たらないため、WAF本体の契約と合わせて見積もりで確認することになります。
選定の分かれ目は、攻撃遮断くんでWAFをすでに運用しているか、これから導入する予定があるかです。このオプションだけを単体で申し込むことはできないため、防御と事後の検知をまとめて契約する形になります。
5. SITE PATROL(アットシグナル株式会社)

JNS株式会社が開発した改ざん検知エンジン「isAdmin」を基盤とするクラウドサービスで、公式サイトにも「Powered by isAdmin」と表記されています。提供元はアットシグナル株式会社で、同社は2017年4月にJNSとソリューションパートナー契約を締結しています。
監視は外部からのHTTP・FTP/sFTPアクセスによる定期巡回で、サーバへのエージェント導入は不要です。レンタルサーバ・共用サーバでも短期間で導入できるとしています。ファイルの変更を検知すると、それが正常な更新か不正な改ざんかを分析して判別し、メール・SMS・電話で管理者へ知らせます。
改ざんと更新の判別はスタンダードパトロール以上、メンテナンス画面への自動切替はスタンダードパトロール、改ざんファイルの自動修復はエンタープライズパトロール(リカバリープラン)で明示されています。
料金は1URLツリー(同社が監視対象1サイトを数える単位)あたり月額12,800円〜48,000円、初期導入費用30,000円〜85,000円(いずれも税別)。無償トライアルの案内が公式サイトにあり、最低利用期間の記載は公式ページに見当たりません。
向いているのは、管理者権限のないレンタルサーバ・共用サーバで運用していて、担当者がパソコンの前にいない時間帯でも電話やSMSで気づける経路がほしいときです。
6. isAdmin(JNS株式会社)

前述のSITE PATROLに検知エンジンを供給しているのが、JNS株式会社が開発するisAdminです。オンプレミス導入向けの本体ブランドにあたり、Webサーバ側にエージェントを入れず、外部からリモートで正規コンテンツと公開中のコンテンツを突き合わせます。
検知方式は、正規コンテンツと掲載中コンテンツのHASH値を比較するハッシュリスト比較型です。監視周期は1分刻みで設定でき最短1分まで詰められますが、実際の検査間隔は前回検査の完了やサイトの応答時間、コンテンツ量に左右されます。制作者がアップロード前にデジタル署名を付与する「iSign」を併用すると、正当な更新と改ざんを区別できます。
製品は3ラインに分かれ、検知のみのisAdmin for File Enterprise、Web稼働監視を加えたfor Web Enterprise HTTP、正しいファイルをコピーして復元する自動復旧を備えたfor Web Enterprise FTPが用意されています。
メンテナンス画面への切り替えにも対応する一方、料金は初期費用・月額とも非公開で、要問い合わせです。評価版の案内はありますが、共用サーバでの利用可否は公式に明記がありません。
改ざんから通知までの時間を分単位まで詰めたい、しかしサーバにエージェントは常駐させたくない——という要件に応えます。料金が非公開のため、他社と比べるには見積もりの取得が必要です。
7. SiteKeeper(株式会社メディアウォーズ)

検知だけを行うプランから自動復元まで、3段階で対応レベルを選べる構成をとっています(同社は正規ファイルへの書き戻しを「自動復元」と表記しています)。あらかじめ取得した正規コンテンツのファイルサイズ・更新日付・HASH値と、定期的に取得したコンテンツの情報を突き合わせる原本比較型の検知方式です。
サーバに手を入れずに使えるのは、HTTP通信でコンテンツ情報を取得するサイトチェックプランです。Webサーバへのソフトウェア導入が不要なため、共用レンタルサーバでも運用できます。上位のレスキュー・リカバリープランはFTP通信でコンテンツをダウンロードする方式で、更新担当者のパソコンに専用ソフト(OpenVPNクライアント)の導入が必要になります。
検査は24時間365日、一定時間ごとに実施されます(具体的な間隔の公式記載はなし)。通知のみで止まるサイトチェック・レスキューに対し、リカバリープランは正規ファイルへの自動復元と不正ファイルの自動削除まで行います。料金はドメイン単位で月額14,080円〜32,780円、初期設定費用33,000円〜55,000円(いずれも税込)、最低利用期間は2ヶ月。無料トライアルの記載はありません。
向いているのは、共用レンタルサーバのまま検知だけを始めたい場合(サイトチェックプラン)と、更新担当者の端末に正規ファイルを持たせて自動復元まで任せたい場合(リカバリープラン)です。
8. SiteLock(SiteLock, LLC)

米国のSiteLock, LLCが開発し、日本国内ではGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社などの代理店経由で日本語提供されています。Webページに指定のコードを埋め込んで外部から公開ページを巡回するスキャンと、FTP/SFTPでサーバに接続してファイルを走査する「SMART」スキャンを併用する構成です。
検知の中核は、800万件を超える既知マルウェアのシグネチャと照合するパターンマッチ型です。原本のハッシュ比較による改ざん検知については、公式に明示的な説明が見当たりません。マルウェア診断・ブラックリスト監視・SSL診断は毎日1回です。
XSS(クロスサイトスクリプティング)・SQLインジェクションといった代表的な攻撃手法に対する脆弱性診断は、プランに応じて四半期/月/週/日1回から選ぶ形で、エントリープランはワンタイムの診断になります。
マルウェアの自動駆除はレギュラープラン以上に含まれ、エントリープランは駆除機能に加えて不正改ざん対策(SMART診断)も対象外です。日本語代理店の料金は年間契約で、エントリー6,930円(50ページ)からエンタープライズ164,340円(2,000ページ)までの4段階、初期費用は0円(いずれも税込)。無料トライアルの明記は公式に確認できません。
ファイルの差分そのものより、マルウェアの混入を早く見つけて取り除くことを優先するなら候補になります。差分検知の細かさを重視する場合は、原本比較型やファイル変更イベント型のほうが噛み合います。
9. Sucuri(Sucuri Inc.)

米国のSucuri Inc.(GoDaddyグループ)が提供する海外サービスで、日本語の公式サイト・日本語での代理店窓口・日本語サポートはいずれも確認できません。契約から管理画面の操作、問い合わせまで英語で進める前提で検討することになります。
改ざん検知にあたるのはFile Integrity Monitoringと呼ぶ機能で、正しい状態として保持したファイルのハッシュ値と現在の状態を比較し、ファイルの追加・変更・削除を捉えるハッシュリスト比較型です。監視はクラウド側からの巡回が中心で、間隔はBasicが12時間ごと、Proが6時間ごと、Businessが30分ごととプランによって変わります。
検知後はいずれのプランでも回数無制限のマルウェア除去を受けられますが、公式の記載は手作業でのクリーンアップであり、対応の目安時間はBasicが30時間、Proが12時間、Businessが6時間と分かれます。
料金は1サイトあたり年額229米ドル〜549米ドル。本体プランの無料トライアルは公式に確認できず、無料で試せるのは外部スキャンのSiteCheckとWordPress向けプラグインに限られます。別売のWAFには30日間の無料トライアルがあり、本体プランに付いている30日間の案内は返金保証です。
選定の分かれ目は、社内で英語の一次対応ができるかどうかです。除去作業の回数を気にせず任せられる点と、日本語のサポート窓口が確認できない点が引き換えになります。
内部監視型のWeb改ざん検知ツール
サーバの内側からファイルの変更そのものを捉えるタイプです。公開ページに現れない不正ファイルの設置まで検知でき、常時監視や自動復旧を備える製品が多く含まれます。多くはエージェントの常駐が前提ですが、PHPファイルを1つ置くだけで動き、共用サーバでも使える製品もあります。自動復旧に対応する製品を先に置いています。
10. WebARGUS(デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社)

サーバ上で起きたファイルやフォルダの変更イベントそのものを、OSのレベルで捉える方式をとる製品です。デジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社(DIT)が開発しており、Webコンテンツに加えてプログラムファイル・設定ファイル・バックアップファイル・OS構成ファイルまで監視対象に含められます。
監視は常時行われ、改ざんを検知すると0.1秒未満で元のファイル状態へ自動復旧します。通知はメールのほか、サーバのログを集約する仕組みへ出力するsyslog連携にも対応します。通常監視時のCPU負荷は1%未満と公式サイトに記載があり、サイトを更新する際は管理画面で更新モードに切り替えて監視を一時停止できます。
料金は基本機能を含むStandard版が年額48万円、マルチテナント管理などを備えるEnterprise版が年額120万円で、いずれも1サーバあたりの年額ライセンスです(税区分の記載なし)。初期費用は公式サイトに明記がなく要問い合わせで、30日間の無料トライアルが用意されています。導入には管理者権限が必要です。
株式会社アールワークスは2018年5月から、WebARGUS Enterprise版のエンジンをもとにしたSaaS版を「SECURE-ARGUS」という別ブランドで提供しています。
向いているのは、改ざんされたページが表示されている時間を秒未満まで短くしたい場合です。サーバにエージェントを導入できることと、年額数十万円の予算を確保できることが前提になります。
11. ALSOK ホームページ改ざん検知・復旧サービス(綜合警備保障株式会社)

綜合警備保障株式会社(ALSOK)が2023年10月に提供を開始したサービスで、検知・自動復旧の技術にはデジタル・インフォメーション・テクノロジー株式会社の「WebARGUS」を採用しています。管理サーバはAGS株式会社のクラウド環境に構築されるため、利用する側は監視対象のサーバにエージェントを導入するだけで始められます。
サーバ内のファイル・ディレクトリの変更・追加・削除と権限変更を24時間365日監視し、非公開ファイルも対象に含みます。改ざんを検知すると修復用データから0.1秒未満で自動復旧し、アラートメールに加えて、ALSOKが改ざん内容を確認したうえで顧客へ緊急連絡します。通常監視時のCPU負荷は1%未満とされています。
費用は初期費用55,000円、月額38,500円(1エージェントあたり、いずれも税込)で、課金はエージェントを導入するサーバ台数が単位です。無料トライアルが用意される一方、導入には固定グローバルIPアドレス(常に同じ値が割り当てられるインターネット向けのIPアドレス)とJRE1.8以降(Javaの実行環境)が必要で、管理者権限を持てない共用サーバでは利用できません。
同社は2014年から、対象URLを登録するだけで使える「ALSOK ホームページ改ざん検知サービス」も並行して提供しています。こちらは初期費用0円で、改ざんを検知した後はメンテナンス画面への自動切り替えまでを担い、ファイルの復旧は手作業になります。
自動復旧に加えて、改ざんの内容を人が確認して連絡するところまで外部に任せたいときの選択肢です。エージェントの導入が前提のため、管理者権限を持てない共用サーバでは選べません。
12. IIJ改ざん常時監視・復旧ソリューション(株式会社インターネットイニシアティブ)

管理サーバを株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)がクラウド上で運用するため、利用企業は監視対象のサーバにエージェントを配置するだけで使えます。2021年3月に提供が始まり、コンテンツファイルに加えて設定ファイル・システムファイルの変更・追加・削除を、OSのイベントとして常時監視します。
改ざんは発生と同時に検知され、公式表記では0.1秒以内にバックアップデータから自動復旧します。運用は「通知のみ」「通知&自動復旧」「通知&証拠保全&自動復旧」の3モードから選べ、改ざんされたファイルを証拠として保全したうえで復旧する運用も可能です。平常監視時のCPU負荷は1%未満と公式に明記されています。
料金は公式サービスページに記載がなく個別見積もりとなります。公開されている月額68,000円(税抜・2エージェント)は2021年の提供開始時点の公表値のため、現行の価格は問い合わせて確認する必要があります。無料トライアルについての記載は公式にありません。
向いているのは、公開ファイルだけでなく設定ファイルやシステムファイルまで監視対象に含めたいケースや、原因調査のために改ざん前後の状態を証拠として残しておきたいケースです。
13. リアルタイムスキャン(株式会社シーズ)

株式会社シーズが運営する法人向けホスティングサービスのセキュリティオプションとして提供されます。単体で契約する製品ではなく、専用サーバ・シーズクラウドサーバ・AWS・IDCFクラウドなどが対象で、共用サーバへの対応は公式ページに記載がありません。
サーバ上で動作し、ファイルの新規作成・変更・削除を24時間365日リアルタイムで監視します。改ざんを検知するとサービスを止めずに元の安全なファイルへ自動で置き換え、ウイルスに感染したファイルは自動で隔離して二次感染を防ぎます。ホワイトリストの設定、改ざん履歴の表示、検知時のメール通知も管理画面から扱えます。
費用は初期費用が15,000円(税抜)、月額はフルマネージド・ライトマネージド用が15,000円(税抜)、セルフマネージド用が7,500円(税抜)です。課金はサーバ単位で、1台のサーバに載せているサイト数に制限はありません。無料トライアルについての記載は公式にありません。
同社のホスティングやクラウド、AWS・IDCFクラウドでサイトを運用しているなら、サーバの契約とセキュリティ対策の窓口を1つにまとめられます。逆に、これらの環境にない場合は対象外です。
14. F-PAT【ファイルパトロール】(株式会社フレイバーズ)

監視対象のサーバにPHPファイルを1つアップロードするだけで動作する、株式会社フレイバーズのクラウド型サービスです。公式が示す条件は「php5.1以上が稼働可能な環境下にあるWEBサーバー」だけで、専用エージェントの常駐も管理者権限も求めないため、インストール権限のない共用サーバでも導入できます。
最短1時間ごとにサーバからファイル一覧を取得し、前回取得したデータとの差分によって改ざんや不正な変更を判別します。公開されている全ファイルが対象で、HTMLだけでなく画像やPDFの書き換えも検知でき、監視できるファイル数は最大10万件です。検知した後は最大5アドレスへのメール通知までで、自動復旧の機能はありません。
料金は初期費用が無料で、月額7,500円(税別)・8,250円(税込)、年払いなら89,000円(税込)です。課金単位は1ドメインで、最短の契約期間は1年間となります。申し込み後には1ヵ月間のトライアル版アカウントが発行されます(巡回は日に1度、対象はHTMLファイル最大1,000件、通知先1件、除外設定は不可)。電話での問い合わせは平日9:30〜18:00に受け付けています。
エージェントの導入もサーバ設定の変更もできない共用サーバで、ファイルの中身まで確かめたいときの選択肢になります。通知までが範囲なので、復旧作業は自社で行うことになります。
Web改ざんはなぜ起きるのか — 手口・被害と、検知ツールで防げること/防げないこと
ここからは、そもそもなぜ改ざんが起きるのか、検知ツールを入れると何が変わり、何が変わらないのかを整理します。導入の必要性を社内で説明する際の材料としてもご活用ください。
Web改ざんとは(何が書き換えられ、閲覧者に何が起きるのか)
Webサイトの改ざんとは、第三者がWebサーバに不正に侵入し、公開されているコンテンツやサーバ上のファイルを書き換える行為です。トップページの見た目を大きく変える改ざんもありますが、実際に多いのは見た目をほとんど変えないタイプです。
Web サイト改ざんとは、攻撃者もしくはマルウェアによって、Web サイトのコンテンツが書き換えられた(管理者が意図したものではないスクリプトの埋め込みを含む)サイトを指します。
出典:JPCERT/CC 四半期レポート[2026年4月1日〜2026年6月30日]付録|一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター
閲覧者に影響が及ぶ形は、主に3つです。ページに不正なスクリプトが埋め込まれ、訪問者の端末がマルウェアに感染します。入力フォームが改変され、入力されたクレジットカード情報や個人情報が攻撃者のサーバへ送信されます。検索エンジンにだけ見える形で、無関係なサイトへの誘導リンクが大量に埋め込まれます。
いずれも管理者が普段どおりブラウザでページを開くだけでは気づきにくく、気づかないまま被害が広がる時間が長くなる点が共通しています。
JPCERT/CCが2026年度第1四半期に確認した事例は、この「気づきにくさ」を具体的に示しています。国内の複数の正規サイトが改ざんされ、検索エンジンのクローラー(Googlebot)でアクセスしたときだけ海外のオンラインカジノのコンテンツが表示される状態になっていた事例では、通常のブラウザで見ている限り異常は現れません。
もう1件は、正規サイトに不審なログインページと遠隔操作ツールが設置された事例で、こちらは公開ページの見た目が変わらないまま、サーバ上にファイルだけが増えていました。
事例 1 では、国内の複数の正規 Web サイトが改ざんされ、検索エンジンが利用するユーザーエージェント(Googlebot)でアクセスした場合に、海外のオンラインカジノのコンテンツが表示される状態になっていました。これは、海外のオンラインカジノサイトを検索結果の上位に表示させることを目的とした、SEO ポイズニングであると考えられます。
出典:JPCERT/CC 四半期レポート[2026年4月1日〜2026年6月30日]|一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター
主な手口(CMS・プラグインの脆弱性/管理者アカウントの乗っ取り/アクセス制御の不備)
攻撃者がサーバに入り込む経路は、大きく3つに整理できます。
1つ目は、CMSやプラグイン、サーバソフトウェアに残っている脆弱性を突く方法です。修正プログラムが公開されていても適用が遅れれば、公開された情報をもとに攻撃されます。使わなくなったプラグインを無効化したまま残していると、そこが入口になることもあります。
2つ目は、管理者アカウントの乗っ取りです。他サービスから流出したパスワードの使い回しや、単純なパスワードの推測によってログインされると、正規の管理機能を使って内容を書き換えられます。この場合、システムから見れば正規のログインであるため、不正なアクセスとして検知しにくくなります。
3つ目は、アクセス制御の不備です。公開すべきでないディレクトリやファイルが外部から到達できる状態になっていたり、ファイルのアップロード機能に制限がかかっていなかったりすると、そこから不正なプログラムを設置されます。
個人情報保護委員会が公表している注意喚起にも、脆弱性を突かれて管理者アカウントを奪われ、そこから改ざんに至った事例が挙げられています。1つ目と2つ目の経路が連鎖する形です。
出典・参考資料(1件)
放置した場合のリスクと、実際に起きている改ざん被害
改ざんに気づかないまま運用を続けると、被害は自社にとどまりません。マルウェアを配布する状態が続けば訪問者に感染が広がり、加害者側とみなされます。検索エンジンに危険なサイトと判定されると警告が表示され、訪問者が離れます。入力情報が抜き取られていた場合は、本人への通知や監督官庁への報告といった対応も必要になります。
復旧そのものにも工数がかかります。原因の特定、不正ファイルの除去、脆弱性の修正、パスワードの再設定、影響範囲の調査を並行して進める必要があり、サイトを停止したまま数日を要することもあります。
実際にどれくらい起きているのかは、公的機関の集計から確認できます。暦年2025年(令和7年)にJPCERT/CCが受け付けたWebサイト改ざんの報告は750件でした。この数字はあくまで報告として寄せられた件数であり、そこから実際の発生件数や被害件数を推し量ることはできないと、集計を掲載した政府文書自身が注記しています。気づかれていない改ざんは、この集計には現れません。
直近の四半期でみると、JPCERT/CCに報告された件数は2026年度第1四半期(2026年4月1日〜6月30日)が181件で、前四半期の90件から倍増しました。
年度単位の四半期でみた推移は231件(2025年度第1四半期)→319件→105件→90件→181件と上下しており、一方向に増え続けているわけではないものの、報告が途切れる時期はありません。
本四半期に報告が寄せられた Web サイト改ざんの件数は 181 件でした。前四半期の 90 件から 101% 大幅に増加しました。
出典:JPCERT/CC 四半期レポート[2026年4月1日〜2026年6月30日]|一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター
検知ツールを入れると何が変わるか
検知ツールが変えるのは、改ざんが起きてから気づくまでの時間です。外部からの指摘や検索結果の警告で知る運用では、気づくまでに数日から数週間かかることがあります。監視を入れておけば、その時間をチェック頻度に応じた長さまで短縮できます。
気づくまでの時間が短くなると、マルウェアが配布された期間、情報が抜き取られた期間、検索エンジンに警告が表示される期間がいずれも短くなります。メンテナンス画面への自動切替や自動復旧まで備えていれば、担当者が対応を始める前の段階で被害の広がりを止められます。
検知ツールと合わせて塞ぐべき入口
一方で、検知ツールは改ざんが起きること自体を防ぐものではありません。侵入経路が開いたままなら、復旧しても同じ改ざんが繰り返されます。検知の仕組みと合わせて、次の対策を並行して進める必要があります。
- 脆弱性への対応:CMS・プラグイン・サーバソフトウェアを更新し、修正プログラムを適用します。自社サイトにどのような弱点が残っているかは、脆弱性診断で洗い出せます
- アカウント管理:管理者パスワードを推測されにくいものにし、他サービスと使い回さないようにします。多要素認証を利用できるなら有効にします
- アクセス制御の見直し:公開すべきでないディレクトリへのアクセスを制限し、ファイルのアップロードにも制限をかけます
- 不要なサイトの停止:キャンペーン用に作ったまま更新が止まっているサイトは、管理が行き届かず入口になりやすいため、公開を終える判断も必要になります
最後の項目のように、そもそもどのサイトを公開しているのか把握しきれていない場合は、入口を塞ぐ前に対象を洗い出すところから始まります。使われないまま残ったサブドメインや、担当者が個別に立てたサーバまで含めて外部から見える自社の資産を洗い出す取り組みは、ASM(アタックサーフェスマネジメント)と呼ばれます。
ASMツール比較21選|検出範囲・料金・国産/海外と運用のしやすさで選ぶ
キャンペーン用に立てたまま残っているサブドメイン、検証環境として作られて放置されたサーバ、買収した会社や海外拠点が自前で契約したクラウド環境。自社の管理台帳に載っていない外部公開資産は、担当者が思っているより多く存在します。 その未把握の資…
WAF・脆弱性診断との役割の違い(事前・防御・事後の3層)
「WAFを入れているのに、改ざん検知も必要なのか」という疑問は、導入を検討する際によく出てきます。3つは代替関係ではなく、攻撃の流れの中で担当する場面が異なります。
経済産業省とIPAが公表しているサイバーセキュリティ経営ガイドラインも、防御と検知を別々の機能として立てるよう求めています。同ガイドラインの対策例では、脆弱性診断と改ざん検知が同じ多層防御の構成要素として並記されています。
サイバーセキュリティリスクに対応するための保護対策として、防御・検知・分析の各機能を実現する仕組みを構築させる。
出典:サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver 3.0 指示5|経済産業省・独立行政法人情報処理推進機構

事前に弱点を見つける(脆弱性診断)
脆弱性診断は、攻撃を受ける前にWebアプリケーションやサーバの弱点を洗い出す取り組みです。攻撃者が使う手法を模して検査し、どこに問題があるか、どの順に直すべきかを報告します。入口そのものを塞ぐための情報を得るのが目的で、すでに起きた改ざんを見つける役割は持ちません。
侵入を防ぐ(WAF・IDS/IPS)
WAFはWebアプリケーションへの通信を監視し、攻撃とみなした通信を遮断します。IDS/IPS(侵入検知・侵入防止システム)はネットワークやサーバへの不審な通信を検知し、遮断します。いずれも攻撃が成立する前に食い止めるのが役割です。
IPAは3つの仕組みを次のように定義しています。IDSが通知にとどまり、IPSが自動遮断まで行うという対比は、改ざん検知ツールの「通知のみ」と「自動復旧まで」の違いと似た構造です。
出典:情報セキュリティ10大脅威 2026 解説書[組織編]|独立行政法人情報処理推進機構
- IDS (Intrusion Detection System)/不正侵入検知システムと呼び、ネットワーク通信を監視し、不審な通信が見つかった際に担当者へ通知を行う。自動でブロックする機能はないが、通知を受けることで、担当者が内容を確認し対応に着手する契機となる。(略)
- IPS (Intrusion Prevention System)/不正侵入防止システムと呼び、ネットワーク通信を監視し、不審な通信が見つかった場合は担当者への通知だけでなく自動でブロックも行う。(略)
- WAF (Web Application Firewall)/Web サーバーの前段または Web サーバー内に設置することで通信を監視し、Web サイトを保護する。IDS、IPS がネットワークレベルでの監視を行うのに対して WAF はアプリケーションレベルで監視する。(略)
ただし、遮断の判断は既知の攻撃パターンや通信の特徴にもとづくため、すべてを止められるわけではありません。正規の管理者アカウントを使ってログインされた場合のように、通信としては正当に見える侵入は防ぎにくくなります。
あわせて押さえておきたいのが、公的資料がWAFの効果として挙げているのは通信の検査と遮断であって、書き換えられた後のコンテンツを照合することではない点です。IPAの解説では、WAFに期待できる効果は「脆弱性を悪用した攻撃からウェブアプリケーションを防御する」「脆弱性を悪用した攻撃を検出する」「複数のウェブアプリケーションへの攻撃をまとめて防御する」の3点とされています。
入口を固めていても、突破された後の内部は手薄になりがちです。この点は、企業のネットワークを診断している事業者からも、現場の実感として語られています。

金融機関のお客様は、脆弱性診断やペネトレーションテストをすでに実施されていたり、ネットワーク分離によって、境界防御やエンドポイント、つまり入り口と出口の対策はしっかり固めていらっしゃるところが大多数です。ただ、お話を伺うと「侵入されない前提で設計しているからこそ、そこを突破されてひとたび中に入られてしまうと、内部は弱いんだよね」という現状があるとおっしゃいます。
侵入された後を見張る(改ざん検知)
改ざん検知は、防御をすり抜けた侵入が実際に起きた後、コンテンツが書き換えられた事実を捉える役割です。事前診断と防御をどれだけ固めても侵入をゼロにはできないという前提に立ち、起きたことに早く気づいて被害を止めるための仕組みといえます。
3層のどこが手薄かは、自社の状況によって変わります。WAFは導入しているが改ざんに気づく仕組みがない、監視は入れているが弱点の洗い出しをしたことがない、といった具合に、抜けている層を確認したうえで補うのが実務的な進め方です。
まとめ
Web改ざん検知ツールを選ぶうえで最初の分岐になるのは、監視をどこから行うかです。共用サーバ・レンタルサーバでサーバに手を入れられない環境なら外部監視型が中心になり、専用サーバやクラウド上の仮想サーバを自社で管理しているなら、公開ページに現れない不正ファイルまで見張れる内部監視型も選べます。
方式を絞ったら、改ざんされたページが閲覧者に見えている時間をどこまで短くしたいか、検知した後の対応を人の手で回せるかを順に決めていきます。
自動復旧を選ぶ場合は、正しい原本を最新に保つ運用が自社の更新フローで回るかどうかが判断の分かれ目になります。費用は監視対象の量とチェック頻度、検知後の対応範囲で決まるため、自社サイトの規模が課金単位に収まるかを見積もったうえで年額換算で比べると差が把握しやすくなります。
そして、検知の仕組みを入れても改ざんの入口が残っていれば同じことが繰り返されます。脆弱性への対応・アカウント管理・アクセス制御の見直しと合わせて進めてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. Web改ざん検知ツールのページ数課金は、どこからどこまでを1ページと数えますか?
A. ページ数を課金単位とする外部監視型では、解析の起点に指定したURLからサイト内のリンクをたどって到達でき、かつ監視対象ドメインに属するURLを、1つずつ1ページとして数える方式が一般的です。
そのため、サイト内検索の結果ページ、パラメータ違いで生成されるURL、一覧のページ送りなどが対象に含まれると、想定より数が膨らんで上位プランに乗ることがあります。
見積もりの前に対象ドメインのURL数を概算し、動的に生成されるURLの扱いと1契約で対象にできるドメイン数を各社に確認しておくと、費用のぶれを抑えられます。内部監視型はサーバ台数・エージェント台数を単位とする体系が多く、ページ数は費用に影響しません。
Q. Web改ざん検知ツールは、CMS(WordPressなど)の自動更新を改ざんと誤検知しませんか?
A. ファイルの変化そのものを見るハッシュリスト比較型・原本比較型では、CMS本体やプラグインの自動更新も検知の対象になり得ます。一方、既知の改ざんパターンと突き合わせるパターンマッチ型は、正規の更新を改ざんとみなしにくい方式です。
製品によっては、変更内容を解析して正規の更新かどうかを判別する仕組み、更新作業中だけ監視を止める更新モード、特定ディレクトリを対象から外す設定を備えています。運用を始める前に、更新のたびに正しい状態を登録し直す手順を決めるか、判別・除外の仕組みを持つ製品を選ぶかを決めておくと、通知が多発して確認されなくなる状態を防げます。
Q. Web改ざん検知ツールの自動復旧を使うには何が必要ですか?
A. 自動復旧を使うには、正しい状態のファイル(原本)を保管しておき、それを常に最新に保つ運用が必要です。
保管している原本が古いままだと、復旧した瞬間にサイトが更新前の状態へ戻ります。
担当者が管理画面から日常的に更新するサイトや、外部の制作会社がファイルを差し替える運用では、更新のたびに原本を更新する(または更新中は監視を止める)手順を、関係者を含めて決めておく必要があります。
内部監視型で自動復旧まで使う場合は、エージェントを導入できる管理者権限も前提になります。この運用が回らないと判断するなら、メンテナンス画面への自動切替で被害の拡大だけを止め、復旧は人の手で行う組み合わせも現実的です。
Q. Web改ざん検知ツールはデータベースの改ざんも検知・復旧できますか?
A. 一般的なWeb改ざん検知ツールが監視しているのはファイルであり、データベースに保存された内容の書き換えは対象外です。
CMSでは記事本文や設定の多くがデータベースに保存されるため、管理者アカウントを乗っ取られて管理画面から書き換えられた場合、ファイルは変化せず検知されないことがあります。
データベース側は、定期的なバックアップと復元手順、管理者アカウントの管理(パスワードの使い回し防止・多要素認証)、管理画面のアクセス制限とログ確認で備えるのが基本です。製品によってはWebコンテンツ以外の資産まで監視対象を広げられるため、どこまでを見張りたいかを整理したうえで各社に確認してください。
Q. 無料で使えるWeb改ざん検知ツールはありますか?
A. 無料の手段としてはURLを入力してその時点のページを調べる単発のスキャンや、CMS向けの無料プラグインが公開されていますが、24時間の継続監視・通知・復旧まで含む法人向けのサービスは有料が基本です。
無料の手段は監視頻度や通知先を運用に合わせて設定できず、検知後の対応も自力で行うことになります。費用をかけずに使用感を確かめたい場合は、無料トライアルや体験版を用意している製品で、自社サイトで誤検知が起きないか、通知の粒度が運用に合うかを契約前に試すほうが実務的です。
Q. WAFや脆弱性診断を導入していれば、Web改ざん検知ツールは不要ですか?
A. WAFや脆弱性診断を導入していても、Web改ざん検知は別に必要です。脆弱性診断は攻撃を受ける前に弱点を洗い出す役割、WAFやIDS/IPSは攻撃通信を遮断する役割で、いずれも書き換えられた後のコンテンツを見張る役割は持ちません。
特に、正規の管理者アカウントでログインされた侵入は通信としては正当に見えるため、遮断の仕組みでは止めにくくなります。侵入をゼロにはできないという前提に立ち、事前(脆弱性診断)・防御(WAF)・事後(改ざん検知)の3層のうち自社で手薄な層を補う考え方が実務的です。
Q. Web改ざん検知ツールを導入すれば、改ざんそのものを防げますか?
A. Web改ざん検知ツールは起きた改ざんに早く気づくための仕組みであり、改ざんの発生自体を防ぐものではありません。
侵入経路が開いたままなら、復旧しても同じ改ざんが繰り返されます。CMS・プラグイン・サーバソフトウェアへの修正プログラムの適用、推測されにくいパスワードと多要素認証によるアカウント管理、公開すべきでないディレクトリやアップロード機能へのアクセス制限、更新の止まったサイトの公開終了といった入口対策を並行して進めてください。
Q. Web改ざん検知ツールは契約後にプランを変更できますか?
A. 契約後のプラン変更ができるかは製品によって分かれ、監視ページ数を変えるには解約して申し込み直す必要があるサービスもあります。
サイトの増設やページ追加で上限を超えると変更が必要になるため、申し込み前に変更手続きの可否に加えて、最低利用期間(2ヶ月から1年程度を設ける製品があります)と年払い契約の中途解約の扱いを確認しておくと安全です。監視対象が増える見込みがあるなら、余裕を持ったプランを選ぶか、サーバ台数を単位としてサイト数を問わない体系の製品を検討する方法もあります。
Q. Web改ざん検知ツールは申し込みからどのくらいで監視を始められますか?
A. 監視開始までにかかる期間は方式によって差があり、外部監視型は監視対象URLの登録が中心のため短期間で始められる一方、内部監視型はエージェントの導入作業と事前準備を見込む必要があります。
外部監視型でも、サーバ内のファイルを取得する構成ではFTP・SFTPの接続情報の登録が必要になります。内部監視型では、エージェントの導入と監視対象ディレクトリの指定に加え、自動復旧まで使う場合は原本の保管場所と更新手順の整備が要ります。固定グローバルIPアドレスや対応OS・実行環境といった稼働要件を設けている製品もあるため、これらの確認は無料トライアルの期間中に済ませておくと導入がスムーズです。
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本記事で紹介した14サービスの詳細は各社の公式サイトでご確認ください。あわせて、改ざんの入口を塞ぐ側の対策——脆弱性診断やWAFなど——を検討する場合は、MCB FinTechカタログで各社の最新資料を無料で一括ダウンロードできます。診断範囲・料金・サポート体制・導入までの流れを、まとめて比較できます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















