医療業界の契約業務は、他業界にはない固有の摩擦を抱えています。患者同意書の郵送に伴うリードタイムの長さ、決裁権を持つ医師や院長の多忙による院内稟議の停滞、治験契約における三者間の合意形成と版管理の複雑さ、感染症対策や事業継続性の観点から求められる非対面締結などがその代表例です。
紙と押印を前提とした従来の運用では、患者との治療契約から製薬・医療機器の高額な取引契約まで、事務負荷と締結遅延が業務全体を圧迫しやすくなります。契約書管理システム(電子契約・CLM=Contract Lifecycle Management・医療特化 SaaS の総称)はこれらの摩擦を解消する有力な打ち手だが、医療業界特有の要件を満たすサービスに絞る必要があります。
これらを解決する契約書管理システム(電子契約・CLM・医療特化 SaaS の総称)を導入したい医療機関・医療関連企業は多いが、選択には業界特有の要件を押さえる必要があります。
診療録や処方箋など法令で国家資格者による作成が求められる文書には HPKI(保健医療福祉分野公開鍵基盤)準拠の電子署名が原則必要で、治験関連の電磁的記録には ER/ES 指針・GCP 省令、グローバル展開時は米国 FDA の 21 CFR Part 11 への対応が求められます。医療法人は電子帳簿保存法の電子取引データ保存義務の対象でもあります。
要件を無視して汎用サービスを選ぶと、後から差し替えや監査対応の追加負担が発生しやすくなります。
本記事は、病院・クリニック、医療法人・医療関連事業者(医療機器商社・介護事業者を含む)、製薬・治験・CRO の3サブセグメントに使えるサービスを、電子署名・電子契約中心/CLM・締結後管理中心/医療特化 SaaS の3類型で整理します。医療業界特有の法令・ガイドラインは条文レベルで解説し、サブセグメント別の選び方・比較表・サービス個別詳細・業界横断の導入事例まで一気に確認できます。
自組織の組織種別・扱う文書種別・要件を選ぶだけで適合サービスが分かる「サービス診断」も用意しているので、比較検討の入り口として利用してほしい。
この記事を読むとわかること
- 医療業界の契約業務が抱える課題と、システム化で解ける範囲
- HPKI・電子帳簿保存法・診療録3原則・ER/ES 指針・21 CFR Part 11 など医療業界特有の要件
- 医療業界向けサービスの3タイプ分類と、比較表・個別紹介
- 病院・クリニック/医療法人/治験・製薬・CRO のサブセグメント別の選び方
- 医療・福祉業を中心とした業界横断の導入事例
目次
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本記事で比較する医療業界向け契約書管理システムの範囲
本記事で扱うのは、病院・クリニック・医療法人および医療関連企業(製薬・医療機器・治験受託組織 CRO・介護事業者など)の契約業務を対象とする、電子契約・CLM(Contract Lifecycle Management)・医療特化 SaaS の3類型です。
締結プロセス電子化の電子署名・電子契約、締結後の台帳・更新期限アラート・全文検索・版管理を担う CLM、治験や品質管理文書と一体で契約書を扱う医療特化 SaaS までを比較対象に含めます。
患者向け電子同意書に特化したサービス(Symview 電子同意書など)は本来「対患者の同意」を扱う領域だが、医療業界の契約書管理検討の周辺で必ず候補に上がるため参考として1件掲載します。純粋な AI 契約レビューツール(契約書の条項チェックに特化した SaaS)はスコープ外とします。
なお、業種を絞らず契約書管理システム全般を横並びで比較したい場合は、以下の記事で 18 サービスをタイプ別・電子帳簿保存法対応・料金の観点から整理しています。医療業界固有の要件が絞り込みとしてきつく感じる場合や、医療関連事業者として一般的な契約書管理システムから広く候補を検討したい場合の入口として利用できます。
医療業界における契約業務の特徴とシステム化で解ける課題
患者同意書・治療同意書の郵送とペーパーレス化
患者に対する治療同意書・手術説明同意書・臨床試験参加同意書などは、対面で押印・署名を受けるか、郵送でやり取りされることが多くあります。郵送の場合、送付から返送までのリードタイムが数日から2週間程度発生し、治療スケジュールに影響することがあります。また、コロナ禍以降は感染防止の観点で「手書き書類の院内持ち込みを制限する」院内ルールを設けた医療機関も多く、対面での書類授受を減らすニーズが高まりました。
電子同意書サービスや電子契約サービスを使えば、患者はスマートフォンやタブレットから同意内容を確認・署名でき、郵送や対面手渡しを介さずに合意形成が完結します。締結までのリードタイムを大きく短縮でき、郵送費・印刷コスト・保管スペースの削減にもつながります。感染防止・BCP 対策として非対面プロセスを整えたい医療機関にとって、患者向け書類の電子化は最も分かりやすい導入効果が出る領域です。
医師・院長の承認プロセスに起因する締結遅延
医療機関の契約書は、購買契約・業務委託契約・雇用契約・治験契約など多岐にわたるが、最終決裁権は理事長・院長・医療法人代表などが持つのが一般的です。ところが決裁権者が診療業務や病棟回診で日中の大半を院内にいる時間が限られており、決裁書類が机上で滞留する、複数箇所を渡す紙ベースの稟議で誰の手元にあるか把握できなくなる、といった問題が発生しやすくなります。
電子契約・CLM サービスの稟議・ワークフロー機能を使えば、決裁の順序を事前に設計し、決裁者は院内・院外を問わずスマートフォンや PC から承認できます。滞留アラート・リマインドで停滞を検知でき、証跡としてタイムスタンプ付きで残るため監査対応も容易になります。多職種(医師・看護師・薬剤師・事務・法務)が関与する複雑な承認フローほど、電子化の効果が大きくなります。
治験契約(三者契約・治験薬提供契約 等)の複雑さと版管理
治験契約は、治験依頼者(製薬企業)・実施医療機関・治験責任医師(および CRO を挟む場合は受託者)の三者以上が関与し、GCP 省令に基づいて締結されます。プロトコルの改訂に応じて契約覚書(Amendment)が繰り返し交わされるため、原契約と全 Amendment の紐付け、最新版の管理、開発中止後も一定期間の保管が求められるなど、版管理と長期保存の要件が厳しい。
CLM や医療特化 SaaS を使えば、原契約と関連覚書を階層的に紐付け、版履歴・改訂経緯を追跡できます。GCP 省令 第12条第2項は「電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法」による契約締結を明示的に認めており、電子契約による治験契約の締結・保管はグローバル製薬・CRO で標準運用となっています。
ER/ES 指針や 21 CFR Part 11 に対応したシステムなら FDA 監査を想定したグローバル治験にも耐えられます。
感染防止・BCP 観点で紙契約からの脱却が経営課題になる文脈
感染症対策や事業継続性(BCP)の観点から、紙・押印・郵送を前提とした契約運用の見直しは経営レベルの課題に位置づけられています。院内感染リスクを下げるため書類の物理的な受け渡しを減らす、パンデミック時にも契約締結業務が止まらないよう非対面プロセスを整える、といった要請は多くの医療機関で共通します。
厚生労働省「令和6年雇用動向調査」では医療・福祉業界の離職率が他産業より高いことが継続的に指摘されており、人材確保が難しい中で契約業務の省力化・自動化を進める必要性は年々高まっています。
電子契約・CLM の導入は、単なる業務効率化ではなく、感染リスクの低減、災害・パンデミック時の業務継続、限られた事務スタッフの負担軽減という経営上の複数課題を同時に解決できます。導入の稟議を通す際にも、労働時間削減・郵送費削減・締結リードタイム短縮の具体的な数字を根拠として提示しやすくなります。
医療業界で契約書管理システムに求められる要件(全体像)
医療業界特有の要件の概観
医療業界の契約書管理システムを選ぶ際は、次の5系統の要件を必ず確認します。それぞれの条文・通知・原文と実装形態の詳細は本記事後段「医療業界特有の法令・ガイドラインへの対応」で扱うため、ここでは要件名と概要を短く並べます。
- HPKI(保健医療福祉分野公開鍵基盤):診療録・処方箋・診断書など、法令で医師等の国家資格者による作成が求められる文書に電子署名を施す場合に原則必要。医師・薬剤師・看護師など27種類の国家資格と5種類の管理者資格を電子的に証明する厚生労働省認可の電子証明書で、日本医師会電子認証センター・日本薬剤師会・MEDIS などが発行する。医療機関の一般取引契約(購買・業務委託等)は電子署名法第3条の電子署名で足り、HPKI までは必須ではない。
- 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第 6.0 版):厚生労働省が策定する医療情報システム全般の管理策で、企画管理編・システム運用編・システム構築編の3編で構成される。電子署名やタイムスタンプの要件、契約書を含む医療情報の保存要件(真正性・見読性・保存性)が定められている。
- 電子帳簿保存法:所得税・法人税に係る保存義務者(=医療法人・医療関連事業者など)は、契約書を含む「電子取引」の取引情報を電磁的方式で保存する義務がある。個人事業クリニックはこの義務の対象外。
- 治験・製薬領域の ER/ES 指針・21 CFR Part 11・GCP 省令:治験の依頼者・実施医療機関・CRO が扱う電磁的記録および電子署名の要件。ER/ES 指針は薬機法申請等の資料に対して真正性・見読性・保存性を求め、CFR11 は FDA 提出資料の電子的な信頼性要件、GCP 省令は治験契約の電磁的方法での締結を明示的に認める根拠となる。
- 診療録の電子的保存3原則(真正性・見読性・保存性):1999年に厚生省から出された「診療録等の電子媒体による保存について」通知で定められた3条件。診療録・助産録・調剤録・救急救命処置録などの法定文書が対象で、契約書には直接適用されないが、医療情報システム安全管理ガイドラインを介して事実上準用する運用が実務標準。
電子契約と CLM(契約ライフサイクル管理)の関係
医療業界の契約業務は「締結側」の課題と「締結後の管理側」の課題に大別できます。締結側は電子署名・タイムスタンプ・押印代替のワークフローが中心で、電子署名法・HPKI・GCP 省令の要件を満たしながら、患者や取引先と非対面で合意を成立させることが目的です。
締結後の管理側は、契約台帳の一元化・更新期限アラート・全文検索・版管理が中心で、電子帳簿保存法の電子取引データ保存要件を満たしつつ、多数の契約書から必要な情報を素早く引き出せる状態を維持することが目的です。
両方の課題を持つ組織は、電子契約と CLM を一気通貫で運用できるサービスか、両サービスの組み合わせ運用が現実的です。締結の非対面化が最優先課題ならまず電子契約中心タイプから、契約書が数千件規模で更新期限管理が課題なら CLM 中心タイプから、治験文書と契約書を同じシステムで管理したい製薬・CRO は医療特化 SaaS タイプから、という順で候補を絞ると迷いにくくなります。
電子契約サービスの選定基準(立会人型/当事者型の使い分け、送信料の従量課金、印紙税・電子帳簿保存法への対応など)を業種横断で詳しく比較したい場合は、以下の電子契約システムの比較記事が参考になります。医療業界向けサービスの多くは同記事の掲載サービスと重なるため、締結側の要件を軸に候補を広げる際の起点として利用できます。
電子契約システムおすすめ比較|料金とタイプ別の選び方で自社に合う一社を選ぶ
契約のたびに印刷・製本・押印・郵送を繰り返し、取引先の返送を待つあいだ業務が止まってしまう。そんな紙の契約に伴うリードタイムと印紙税の負担を、見直したいと感じていませんか。 電子契約システムを導入すれば、押印や郵送のやり取りをオンラインに置…
医療業界向け契約書管理・電子契約システムのタイプ分類
医療業界向けに使える契約書管理システムを、担う業務範囲と対応要件で3タイプに分けました。読者は自組織の主要課題(締結の非対面化/締結後の一元管理/治験・GxP 対応)から見るべきタイプを絞り、そのタイプの中から具体的なサービスを比較すると迷いにくくなります。
電子署名・電子契約中心タイプ(HPKI 対応と締結プロセス電子化が主軸)
電子署名・タイムスタンプ・締結ワークフローを中核機能とし、押印代替と非対面締結を実現するサービス群。医療機関の場合、患者向け同意書・雇用契約・一般取引契約の電子化に最も分かりやすく効きます。
HPKI 対応の可否は、診療録・処方箋・診断書など医師等の国家資格者による作成が法令で求められる文書を電子的に扱う予定があるかで判断します。締結後の高度な台帳管理・全文検索が必要な場合は CLM タイプとの併用を検討します。
CLM・締結後管理中心タイプ(台帳・更新期限アラート・全文検索・版管理が主軸)
締結済みの契約書を一元管理し、原契約と Amendment の紐付け、更新期限の自動リマインド、全文検索、AI による契約情報の自動抽出などを提供するサービス群。契約書が数千件規模になり「どこに何があるか分からない」「更新漏れによる自動更新で余分な費用が発生する」といった問題を抱える医療法人・多施設運営組織・CRO に向きます。
電子契約機能を持たないものも多いため、締結側は既存の電子契約サービスや紙・押印との併用を前提に選びます。
医療特化 SaaS タイプ(治験・製薬・ライフサイエンス。CFR11・ER/ES・GxP 対応が主軸)
治験文書・品質管理文書(SOP・逸脱・CAPA・監査記録)を主目的とし、契約書はその一部として管理される医療・製薬・ライフサイエンス業界特化型 SaaS。21 CFR Part 11・ER/ES 指針・EU Annex 11・GDPR などのグローバル規制対応、監査証跡・電子署名・データインテグリティの実装が主軸となります。
国内 GCP のみで完結する治験にも使えるが、FDA 提出や EU 展開を視野に入れるグローバル治験・製薬・CRO では実質的な標準選択肢になっています。純粋な CLM 機能は限定的なので、一般取引契約の管理は別サービスとの併用が現実的です。
自組織のタイプが分からない、あるいは要件が複雑で選択が難しいというケースも多いはずです。最適なサービスを最短で見つけられるよう、以下に選定診断ツールを用意しました。ぜひご活用ください。
診断結果で候補が絞れたら、次章の比較表で各サービスの要件対応・費用を横並びで確認できます。
【比較表】医療業界向け契約書管理・電子契約システム
本記事で紹介する16サービスを、タイプ別に整理して比較します。医療業界特有の要件(HPKI 対応・電子帳簿保存法対応・CFR11/ER/ES 対応・診療録3原則対応)と、締結/締結後管理の機能有無、費用の目安を横並びで確認できます。公式サイトに明示のない項目は「公式サイトに記載なし(要問い合わせ)」と示しています。
電子署名・電子契約中心タイプの比較
| サービス名 | クラウドサイン | 電子印鑑GMOサイン | WAN-Sign | Docusign | freeeサイン | マネーフォワード クラウド契約 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 弁護士ドットコム株式会社 | GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社 | 株式会社NXワンビシアーカイブズ | ドキュサイン・ジャパン株式会社 | フリー株式会社 | 株式会社マネーフォワード |
| HPKI対応 | × | × | × | × | × | × |
| 電子帳簿保存法対応 | ● | ●(JIIMA認証) | ●(JIIMA認証) | △(真実性・可視性対応、検索性は連携で補完) | ● | ● |
| CFR11/ER/ES対応 | × | × | × | ●(21 CFR Part 11・EU Annex 11) | × | × |
| 診療録3原則対応 | × | × | × | × | × | × |
| 締結機能 | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 締結後管理機能 | △(基本管理あり、CLM強化は別サービス「カンリ」) | ● | ● | △(検索は他システム連携で補完) | ● | ● |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 0円(基本サービス) | 0円(基本プラン) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 要問い合わせ(導入支援費用) |
| 月額費用 | 無料〜11,000円/月〜(税抜) | 無料〜8,800円/月〜(税抜・年間契約) | 0円(基本プラン、従量課金型) | 1,333円/月〜(Personal・円建て) | 無料〜5,980円/月〜(Starter・年払い実質、税抜) | 2,480円/月〜(法人・スタンダード、税抜) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
CLM・締結後管理中心タイプの比較
| サービス名 | Hubble | Hubble mini | OLGA | LAWGUE | LegalOn Cloud | Contract One | TOKIUM契約管理 | Docusign CLM |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社Hubble | 株式会社Hubble | GVA TECH株式会社 | FRAIM株式会社 | 株式会社LegalOn Technologies | Sansan株式会社 | 株式会社TOKIUM | ドキュサイン・ジャパン株式会社 |
| HPKI対応 | × | × | × | × | × | × | × | × |
| 電子帳簿保存法対応 | ●(JIIMA認証) | ●(JIIMA認証・オプション) | ×(公式に記載なし・要問い合わせ) | ×(公式に記載なし・要問い合わせ) | ● | ●(JIIMA認証) | ● | ×(公式に記載なし・要問い合わせ) |
| CFR11/ER/ES対応 | × | × | × | × | × | × | × | △(Docusign基盤で対応、CLM個別ページに明示なし) |
| 診療録3原則対応 | × | × | × | × | × | × | × | × |
| 締結機能 | △(クラウドサイン・GMOサイン・Docusign等と連携) | △(クラウドサイン・GMOサイン・Docusign等と連携) | △(メール・Slack・Teams・Salesforce連携。締結は他社連携) | △(クラウドサイン等と連携・オプション) | ●(Docusign提携ベース) | △(電子契約サービス7社と連携) | ×(締結後管理特化) | ● |
| 締結後管理機能 | ● | ●(締結後管理特化) | ● | △(作成・編集・レビューが主軸) | ● | ● | ●(紙契約書のスキャン代行込み) | ● |
| 初期費用 | 0円 | 要問い合わせ | 個別見積り | 要問い合わせ | 要問い合わせ | あり(非公開・見積制。過去契約書のデータ化・スキャン代行を内包) | 別途必要(要問い合わせ) | 要問い合わせ |
| 月額費用 | 要問い合わせ | 60,000円/月〜(公式は要問い合わせ) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(個別見積) | 要問い合わせ(「サイン」単体は月額8,200円〜、税別) | 非公開(契約書取り込み数に応じた個別見積) | 1万円/月〜+契約書件数の従量課金 | 要問い合わせ(シート数・契約ボリュームに応じた個別見積) |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | オンライン相談を予約 | オンライン相談を予約 | オンライン相談を予約 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
医療特化 SaaS タイプの比較
| サービス名 | Agatha | Symview 電子同意書 |
|---|---|---|
| 提供会社 | アガサ株式会社 | 株式会社レイヤード |
| HPKI対応 | × | ×(公式に非該当と明示) |
| 電子帳簿保存法対応 | ●(Agatha Basic:JIIMA電子書類ソフト法的要件認証) | ×(公式に記載なし・要問い合わせ) |
| CFR11/ER/ES対応 | ●(21 CFR Part 11・ER/ES指針・EU Annex 11) | × |
| 診療録3原則対応 | ●(ER/ES 真正性・見読性・保存性を実装) | ×(医療情報システム安全管理ガイドラインの電子署名要件に非該当と公式明示) |
| 締結機能 | △(21 CFR Part 11準拠の電子署名機能あり。契約締結ワークフロー特化ではない) | ●(患者向け同意書の電子取得に特化) |
| 締結後管理機能 | △(治験文書・SOP・品質記録が主軸、契約書はその一部) | ×(患者同意書に特化、契約書管理は対象外) |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 55,000円 |
| 月額費用 | 要問い合わせ | 5,000円/月+従量課金(同意書送付枚数) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト |
医療業界向け契約書管理・電子契約システムの個別サービス紹介
比較表で気になったサービスの詳細を、公式情報にもとづいてタイプ別に紹介します。それぞれ医療業界での想定用途・要件対応・費用感を確認できます。
電子署名・電子契約中心タイプの個別紹介
1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

弁護士ドットコム株式会社が2015年10月から提供するクラウド型の電子契約サービス。書類のアップロードから電子署名・タイムスタンプの付与、契約書の保管・検索までをオンラインで完結させ、印刷・押印・郵送を不要にします。医療分野では在宅医療事業者・クリニック・介護事業者・医療機器商社などでの導入公開事例があり、患者向け同意書や雇用契約の非対面締結を実務で回しています。
標準は事業者署名型(立会人型)で、契約当事者の指示に基づき弁護士ドットコム株式会社の電子署名と総務大臣認定タイムスタンプを付与します。当事者側の本人確認を要する契約向けに、マイナンバーカード搭載の電子証明書を用いる当事者署名型(マイナンバーカード署名)も2023年から提供しています。
HPKI 対応の明示は公式ページで確認できないため、診療録・処方箋など医師等の国家資格者による作成が求められる文書での利用可否は事前確認が必要です。
料金はフリープラン(月2件・1ユーザーまで無料)、Light 月額11,000円(税抜)、Corporate 月額28,000円(税抜)、Business/Enterprise は要問い合わせで、送信料は有料プラン共通で220円/件(税抜)。
医療分野の具体事例として、たにあい糖尿病・在宅クリニックでの患者申込書類の約8割を電子受付、在宅医療事業者 WyL 株式会社での契約業務時間を最大3分の1に短縮した事例、介護事業者ライク株式会社での月3,000人規模の雇用契約電子化などが公開されています。
2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が提供するクラウド型の電子契約・電子署名サービス。立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の2方式に対応し、両者を組み合わせて自社側は当事者型、相手方はメール認証で締結するハイブリッド署名も選べます。運営元は電子認証局を自社で保有しており、当事者型では認証局が本人確認のうえ発行する電子証明書で署名する仕組み。
電子署名法の適法性についてはデジタル庁・法務省・財務省の3省庁からグレーゾーン解消制度による確認を取得済みで、電子帳簿保存法にも「契約印&実印プラン」向けにJIIMA認証(電子取引ソフト法的要件認証)を取得しています。
ISO/IEC 27001・27017・ISMAP・SOC2 Type2 の4件を本体で保有し、官公庁・自治体・上場企業などセキュリティ要件が厳しい導入先を主要顧客とする点は、患者情報を扱う医療機関の選定材料にもなります。
料金は月額0円の「お試しフリープラン」(月5件・1ユーザーまで)に加え、ライト年間契約 月額8,800円(税込9,680円)、スタンダード年間契約 月額24,000円(税込26,400円)を用意。送信料は立会人型100円/件(税込110円)、当事者型300円/件(税込330円)で、電子証明書は1枚目無料・2枚目以降年8,800円(税込)。
HPKI 対応の明示は公式ページで確認できないため、診療録・処方箋など医師等の国家資格者による作成が求められる文書での利用可否は事前確認が必要です。
3. WAN-Sign(株式会社NXワンビシアーカイブズ)

文書保管・機密書類保管を本業とする株式会社NXワンビシアーカイブズ(NXグループ)が、GMOインターネットグループ(GMOグローバルサイン)と共同開発したクラウド型の電子契約・契約管理サービス。運営元の背景を活かし、電子契約で締結した文書に加えて他社サービスで締結した電子署名済み PDF や紙原本の書面契約まで一元管理できる点を特徴とします。
2025年時点の公式公表資料で導入実績は「官公庁や金融機関・医療機関・製薬業をはじめとした4,000社以上」で、医療機関を主要顧客として明示している数少ないサービスの1つにあたります。当事者型(実印版・電子認証局発行の電子証明書で署名)、立会人型(認印版・メール認証)、両者を組み合わせたハイブリッド版の3方式に対応し、契約ごとに本人性のレベルを選べます。
料金は初期費用・月額固定費0円の「基本プラン」で、立会人型は月10件まで無料(超過100円/件・税抜)、当事者型は月3件まで無料(超過300円/件・税抜、電子証明書発行料は1署名者につき年8,000円)。
JIIMA認証(令和5年改正法令基準、電子取引ソフト・電帳法スキャナ保存ソフト・電子書類ソフトの3種)と ISO/IEC 27001・27017・ISO 9001・Pマークを本体で取得しており、電子帳簿保存法対応と内部統制の両面で医療法人が候補に入れやすくなります。
4. Docusign(ドキュサイン・ジャパン株式会社)

米国 Docusign, Inc. が2003年から提供するクラウド型の電子署名・契約管理サービスで、日本市場へは2015年設立のドキュサイン・ジャパン株式会社が展開します。署名UIは44言語に対応し、世界180カ国以上での利用実績を持つグローバル規模の電子署名基盤。日本市場向けにはシヤチハタとの提携による電子印鑑(eHanko)機能も提供します。
公式コンプライアンスページで 21 CFR Part 11、EU Annex 11、HIPAA、Sarbanes-Oxley(SOX) への対応を明示しており、FDA 提出を視野に入れるグローバル治験や、米国 FDA 監査を受ける可能性のある治験契約・GxP 関連文書の締結を扱う組織にとって有力な選択肢になります。
認証は ISO/IEC 27001:2022、SOC 1/2 Type 2、PCI DSS、FedRAMP、C5(ドイツ)、IRAP(オーストラリア)を本体で保有。
料金は日本円建てで Personal 月額1,333円(月払い)、Standard 月額3,300円/ユーザー、Business Pro 月額5,300円/ユーザー、51ユーザー以上は要問い合わせ。
電子帳簿保存法の検索性要件については単体で満たしにくく、別途の記憶媒体・台帳・他システム連携での補完が必要と公式が説明している点は、電磁的記録の一元検索が要件になる医療法人の運用設計で押さえておく必要があります。
5. freeeサイン(フリー株式会社)

クラウド会計を主軸とする freee グループのフリー株式会社(東証グロース上場)が提供する電子契約サービス。旧「NINJA SIGN by freee」から2022年3月に名称変更、2024年7月には親会社が旧運営元フリーサイン株式会社を吸収合併して現在の提供体制に至っています。立会人型(電子サイン)と当事者型(電子署名)の2方式に対応します。
当事者型の「電子署名」は長期署名規格 PAdES に準拠し、契約書の真正性を長期間担保できる設計。タイムスタンプは総務大臣認定タイムスタンプ(アマノ株式会社提供)を利用します。個人事業主向け専用プランを月額980円(年払い実質・税抜)から用意しており、無床診療所・個人事業クリニック・小規模歯科医院など、雇用契約や一般取引契約が中心で HPKI 対応まで求めない現場の候補になります。
法人向け料金は無料プラン(月1通・3ユーザーまで)、Starter 月額5,980円(年払い実質・税抜)、Standard 月額29,800円(年払い実質・税抜)で、電子サインの超過分は100円/通、電子署名は200円/通(いずれも税抜)。
freee 会計との API 連携、Salesforce・kintone・Zoho との連携をもち、契約から会計・申請までを freee 上のワークフローでつなげられる(無料プランでは連携機能は利用不可)。
6. マネーフォワード クラウド契約(株式会社マネーフォワード)

契約書の作成・申請・承認(ワークフロー)から電子契約による締結、締結後の保管・検索・更新期限アラートまでを1サービスでカバーする、株式会社マネーフォワード(東証プライム上場)の電子契約+契約管理一体型サービス。「マネーフォワード クラウド」シリーズの一製品として、会計・請求書・経費など他製品と同一プラットフォームで利用できます。
紙で締結した契約書や他社の電子契約サービスで締結した契約書も取り込んで一元管理でき、AI-OCR による契約情報の自動入力、契約期間のアラート通知、全文検索、閲覧権限設定を標準で備えます。契約書の送信件数・保管件数が増えても料金が変わらない定額課金体系のため、多施設運営で契約書件数が読みにくい医療法人・介護事業者の運用と相性がよい。
料金は法人スタンダード 月額2,480円/ユーザー〜、個人 月額900円〜(いずれも税抜)、フルプランは要問い合わせ。電子署名は立会人型を採用し、タイムスタンプはセコムトラストシステムズ株式会社(総務大臣認定制度の認定事業者)を利用します。HPKI 対応や治験文書向けの CFR11・ER/ES 対応の明示はなく、想定用途は医療法人の一般取引契約・雇用契約・院内稟議の電子化に絞られます。
CLM・締結後管理中心タイプの個別紹介
7. Hubble(株式会社Hubble)

Hubbleは契約書の作成・レビュー・締結・締結後管理までを1プラットフォームで扱うCLM(Contract Lifecycle Management)サービス。株式会社Hubbleが提供し、Microsoft Word/Excelで編集・保存するたびに版が自動で管理され、前バージョンとの差分が自動抽出される点を中核機能とします。
治験契約はプロトコル改訂に応じたAmendmentの版管理と長期保存が求められるため、編集履歴・交渉経緯を契約書に紐付けて残す設計はGCP省令下の運用と相性がよい。締結後は取引先・契約期間・自動更新の有無などをAIが台帳へ自動抽出し、月次メールで更新期限を通知。
フォルダ・ドキュメント・契約書単位の権限設定に対応し、多職種(医師・薬剤師・看護師・事務)が関与する医療機関でも必要最小限のアクセス制御を敷けます。クラウドサイン・Docusign・GMOサイン・Adobe Acrobat SignとSlack・Teams・Chatworkに連携します。
初期費用は0円、月額はユーザー数・利用機能に応じた見積もり(要問い合わせ)。3アカウント・30ドキュメントまでのフリープランと短期トライアルが用意されています。ISO/IEC 27001(ISMS、登録番号 IS 742235、2022年版)と電子帳簿保存法対応のJIIMA認証を保有し、公式は継続率99%(2025年10月時点)と公表しています。
8. Hubble mini(株式会社Hubble)

同じく株式会社Hubbleが2024年1月22日にリリースしたHubble miniは、締結後の契約書管理に範囲を絞ったスモールスタート向けプロダクト。締結済みPDFをアップロードすると、OpenAIの最先端AI(GPT-4系、Azure OpenAI Serviceを利用)が契約書名・相手方・開始日・終了日・自動更新の有無・締結日・反社条項の7項目を自動抽出し、契約台帳を半自動で作成します。
OCRにより紙・スキャン文書・手書きテキストも認識対象化し、契約更新期限は月1回、任意ユーザーへメールで通知します。フォルダ・ドキュメント単位の権限管理で全社運用に対応するため、紙の契約書が残る医療法人・多施設運営組織が、既存の書面締結を止めずに締結後の台帳と期限管理から段階的に電子化する起点として使いやすくなります。カスタム項目もAIが読み取って登録します。
初期費用・月額とも公式LPには金額の掲載がなく、要問い合わせ(2026-06-18時点)。改正電子帳簿保存法への完全対応はJIIMA認証取得済みのオプションで提供されます。ISMS認証(IS 742235、株式会社Hubble本体保有)。クラウドサイン・GMOサイン・Docusignなどの電子契約サービスと連携します。
9. 法務オートメーション「OLGA」(GVA TECH株式会社)

東証グロース市場上場(2024年12月26日、証券コード298A)のGVA TECH株式会社が提供するリーガルテック・クラウド。2024年11月1日に旧「GVA」を「OLGA」へ名称変更し、旧GVA manage(案件管理)・GVA assist/AI-CON Pro(AI契約レビュー)・GVA契約書管理を1つのプラットフォームへ統合しました。
事業部門はメール・Slack・Teamsのまま法務部へ依頼でき、専用アカウントを持たずに受付から締結後管理までを構造化できます。
受付フォームの自動生成、ステータス変更による進捗の自動可視化、契約更新期限の自動アラート、全文検索、AI法務チャットボットまで備えます。院長・治験責任医師・治験事務局・法務・事務長が関与する多階層の稟議を、既存のコミュニケーション経路のまま契約書のバージョン・コメント・参考資料と紐付けて蓄積できます。
SSOはOkta・Microsoft Azure(Entra ID)・Google Workspaceに対応し、OLGA for SalesforceがAppExchange上で提供されるため、Salesforceを使う医療機器商社・製薬営業組織との相性がよい。
料金は個別見積り(公式に金額の掲載なし、1名〜、無料トライアルなし、デモツール体験は提供)。国際標準と同等のISMS認証基準に準拠する旨の認証を取得(登録番号・取得年は公式に明示なし)、多要素認証・送信元IPアドレス制限・第三者機関による定期脆弱性診断を備え、AWS上で稼働します。
10. LAWGUE(FRAIM株式会社)

FRAIM株式会社が「クラウド ドキュメント ワークスペース」として提供するAI文書業務プラットフォーム。契約書だけでなく社内規程・マニュアル・IR開示文書までを同一環境で作成・編集・レビューでき、編集履歴を自動保存して新旧バージョンの差分可視化・新旧対照表のWord形式出力に対応します。
徳島県・尼崎市に2022年4月から導入された自治体初の導入事例を持ち、行政文書DXツール「D1-LAWGUE」を第一法規と共同展開しています。
自動体裁補正(インデント・条番号のズレ)、表記ゆれアラート、自動条項分割、自社ナレッジを学習源とするAIレビュー・類似条項検索・不足条項提案を備えます。条例・規程のような公文書特有の体裁要件に対応してきた実装は、医療機関の院内規程・治験関連手順書・IRB議事録など体裁と改訂管理が厳しい書類の運用にも応用できます。
クラウドサインなどの電子契約サービスとの連携はオプション提供。締結後管理(更新期限アラート・台帳定型項目管理)の対応範囲は公式上の明示が限定的なため、CLM用途で用いる際は事前に対応可否の確認をおすすめします。
初期費用・月額とも要問い合わせ(個別見積もり)。短期トライアルプランあり。ISMS(ISO/IEC 27001:2013、登録番号 IS 763553、登録日2022年4月28日、範囲=クラウドドキュメントワークスペースの研究・開発・提供および技術ライセンス提供)とプライバシーマークを保有します。
SSL/TLS 256bit・AES-GCM/AES-256による暗号化、AWS上での稼働、スマートフォンによるOTP方式の2要素認証(任意)に対応します。
11. LegalOn Cloud(株式会社LegalOn Technologies)

株式会社LegalOn Technologiesが2024年4月15日に提供開始したAI法務プラットフォーム。旧LegalForce(AI契約審査)と旧LegalForceキャビネ(AI契約管理)の技術資産に大規模言語モデルを統合し、案件受付・レビュー・契約管理・電子契約・法令リサーチを同一基盤で扱います。グローバル導入社数は8,500社突破(2026年3月末時点、製品群合算)。
契約管理モジュールでは、締結済み契約(電子・紙)をアップロードするとAIが契約開始日・終了日・自動更新条項などを自動抽出して台帳と全文検索基盤を構築し、更新期限アラートを自動通知します。電子契約「サイン」機能はDocusignとの提携による署名技術を採用し、送付前に締結予定文書と審査済み文書の差分比較や署名者順序指定のうえで送信できます。
弁護士監修のLegalOn Template(1,500点以上)・森・濱田松本法律事務所監修ライブラリ・多言語契約書の翻訳支援(Universal Assist)を備え、英文治験契約や共同研究契約を扱う製薬企業・CROの利用場面に適合します。
料金はモジュール選択・契約書ボリューム・契約内容に応じた個別見積り(公式に固定価格の掲載なし)。ISMS(ISO/IEC 27001、初回取得2018年12月)、ISMSクラウドセキュリティ(ISO/IEC 27017:2015、初回取得2021年12月)、SOC 2 Type 2の3系統を保有し、多要素認証を標準搭載します。
恒久的な無料プランと、セルフサービス型の無料トライアルはなし(申込フォームからの無料デモ体験は営業担当によるデモ商談)。
12. Contract One(Sansan株式会社)

Sansan株式会社が名刺管理事業で培ったデータ化オペレーションを契約書に適用した「AI契約データベース」。2022年1月提供開始。過去に取り交わした紙契約書のスキャン代行・データ化を初期費用に含む「紙の契約書も取り込む型」で、紙・PDF・電子契約を形式を問わず一元的な台帳へ集約します。
複数のデータ化エンジンとオペレーターによる手入力補正を併用し、公式は99%の精度と訴求します。基本契約と個別契約・覚書の親子関係を自動判定して契約ツリーとして紐付け、社名変更・企業統合をまたぐ取引先の名寄せにも対応。
医療機器商社・製薬企業のように過去数十年分の紙契約資産を持つ組織で、既存契約を電子台帳へ移す初期の移行負担をSansan側のオペレーションで肩代わりできる点が大きな強みです。契約の有効/無効を自動判定し、更新期限接近時にアラートメールを自動送信します。
初期費用は「サービス契約時に発生する費用」として過去契約書のデータ化・紙のスキャン代行・専任コンサルタントによる導入支援を含み(金額は非公開・見積制)、月額は契約書取り込み数に応じた個別料金(ユーザーアカウント数・契約書保存件数は無制限)。
JIIMA「電子取引ソフト法的要件認証」取得、ISMS(ISO/IEC 27001、認証番号 IS 765909、範囲=法務DXの開発・運用)取得。運用面ではSSO・2要素認証・IPアドレス制限に対応します。
13. TOKIUM契約管理(株式会社TOKIUM)

株式会社TOKIUMが2024年6月3日にGPT-4o搭載でリリースした契約管理クラウド。紙の契約書をTOKIUMへ郵送するだけで、製本されたままの状態を非破壊でスキャン代行し、スキャン後の原本保管・1件単位の取出しまで代行する「取り込む型」の代表格。AI-OCRで全文をデータ化し、取引先名・契約期間・自動更新の有無などを生成AIが自動抽出します。
AIが契約更新の時期を自動計算し、毎月1日に各担当者へ更新対応が迫る契約一覧をメールで通知。全文データ化により、指定管理項目以外のキーワードでも条文内から直接検索できます。約540万件以上の企業情報データベースをマスターとした事業所単位のクレンジング・名寄せに対応し、取引先ごとの契約履歴を重複なく管理できます。
2024年9月公表の新リース会計基準(強制適用は2027年4月1日以後開始の事業年度)に対応するリース識別AIを2025年3月31日から標準機能として提供しており、医療機器・介護事業者のリース契約の網羅的な棚卸しに使えます。
基本利用料は月額1万円〜、契約書件数に応じた従量課金を加算する構成でアカウント数は無制限。初期費用は別途必要(公式に具体額の記載なし)。原本の取出し手数料は無料。
ISO/IEC 27001:2022(JIS Q 27001:2023、登録番号 JP18/080504)、ISO/IEC 27017:2015(JP25/00000129)、プライバシーマーク(第21000967(05)号)を株式会社TOKIUM本体が保有します。
14. Docusign IAM CLM(ドキュサイン・ジャパン株式会社)

Docusign, Inc.(米国、2003年設立、NASDAQ上場)が提供する契約ライフサイクル管理製品で、日本市場ではドキュサイン・ジャパン株式会社(2015年10月設立)が販売・サポートを担います。日本市場でのCLM本格展開は2023年8月25日に発表されました。
同社のAI搭載統合プラットフォーム「Docusign IAM(Intelligent Agreement Management)」のコアアプリケーションの一つとして位置付けられ、契約書の生成・交渉・署名・保管・検索・分析・更新までを一気通貫で扱います。
動的テンプレートによる契約書のワンクリック生成、ドラッグ&ドロップエディターで組む契約プロセス、100以上の事前設定済みワークフローステップを備え、100以上の事前学習済みAIモデルで主要契約データを自動抽出しリスクスコアを算出します。
締結後管理を強化するNavigator(IAMの一部)はAIで契約書から条項・日付・金額・義務を抽出し、更新等の重要マイルストーンを事前に自動通知する(日本語対応は2025年9月開始予定と公式ブログで報じられている)。
Salesforce・SAP Ariba・Coupa等の主要業務システムと統合し1,000以上のプリビルト統合を持つため、FDA提出を視野に入れるグローバル治験や、米国・EU拠点との共同研究契約を扱う製薬・CRO・医療機器メーカーで採用実績を持ちます。
料金は要問い合わせ(シート数・契約ボリューム・機能構成に応じた個別見積り、公式に固定価格の掲載なし)。ISO/IEC 27001:2022を全社で取得、SOC 1 Type 2・SOC 2 Type 2レポート提供、PCI-DSS準拠。
日本語問い合わせ窓口は電話(03-4588-5476)とフォーム、プロフェッショナルサービスおよび三井情報・SB C&S等のパートナー経由の導入支援があります。電子帳簿保存法への対応可否は公式で明示されておらず、要問い合わせ。
医療特化 SaaS タイプの個別紹介
15. Agatha(アガサ株式会社)

Agathaは、医療・製薬・ライフサイエンス業界向けのクラウド型文書・品質管理プラットフォームで、契約書は同基盤上で扱う規制対象文書の一種として管理される位置づけです。
純粋なCLM製品ではなく、汎用文書管理のAgatha Basicを土台に、治験マスターファイル(eTMF)・臨床試験管理(CTMS)・SOP・品質イベント(逸脱・CAPA・変更管理)を扱うAgatha Quality・施設文書保管+IRB・倫理審査委員会/CRB・申請文書など、GxP領域の各フェーズに対応する製品群で構成されます。
厚労省ER/ES指針・米FDA 21 CFR Part 11・EU Annex 11・GDPR・GxP省令に対応した監査証跡・電子署名・自動版管理を標準搭載し、日米欧の規制当局提出資料を単一プラットフォームで扱える設計です。
契約書の観点では、汎用文書管理基盤のAgatha BasicがJIIMA「電子書類ソフト法的要件認証」パターン3(取引関係書類の保存)を2024年8月に取得しており、電子帳簿保存法に準拠した契約書・請求書・領収書の電子保存を法令準拠の形で行えます。
料金は公式サイトに定額表の公開がなく要問い合わせが基本方針で、導入期間はデフォルト設定利用時で約1か月と公表されています。公式サイト上の導入実績は世界16カ国・3,000法人以上、国内医療機関1,100件以上(2024年3月時点の公式ニュース)、継続利用率97.9%が公表されています。
フランスのジェネリック医薬品研究所Biogaranでは約100万件のGxP対象文書の一元管理に採用された事例がプレスリリースで公開されています。
16. Symview 電子同意書(株式会社レイヤード)

医療機関向けWEB問診システム「Symview」のオプション機能として2022年4月に提供が始まった、患者向け医療同意書の電子化に特化したソリューションが本サービスです。提供元は株式会社レイヤード(本社: 福岡市博多区、旧・株式会社メディアコンテンツファクトリー、2022年7月に商号変更)。
取引先・業者向けの契約書管理機能は備えず、患者への検査・治療説明と同意取得プロセスの電子化に用途が絞られます。対応領域は初期リリース時点の胃・大腸内視鏡から、不妊治療・眼科・皮膚科・美容・形成外科・生活習慣病管理(療養計画書)へ拡大しています。
患者はスマートフォンで検査・治療内容をイラスト・動画で事前学習し、疑問点はシステムに記録されて来院時のカウンセリングで重点説明に活用されます。同意書はサービスのサーバ上に5年間保存され、日本橋中央法律事務所の弁護士・山口明氏が監修します。
規制対応上の重要点として、公式サイト(生活習慣病管理 療養計画書ページ)の注意事項に、厚生労働省ガイドラインが定めるHPKI(保健医療福祉分野PKI認証局)発行の電子証明書を用いた電子署名、認定認証事業者・公的個人認証サービスによる電子署名のいずれにも本サービスは該当しない旨が提供元自身によって明示されています。
診療録・処方箋・診断書などHPKI準拠の電子署名が求められる文書には利用できず、患者説明・同意取得プロセスの電子化に用途を絞って検討する必要があります。
料金は初期費用55,000円(設定・レクチャー費用込み)、月額基本費5,000円+従量課金(月51〜99枚は1枚あたり110円、月100枚以上は一律5,500円)で、新規同意書テンプレートの制作依頼は22,000円/枚です。WEB問診本体との合算契約が前提となり、本体側の料金は別建てで発生します。
Symview本体(WEB問診)の導入医療機関数は約2,500施設(2025年7月末時点、公式プレスリリース)と公表されているが、電子同意書オプション単体の導入施設数は公式非公開です。
サブセグメント別の適合サービスの選び方
医療業界は「医療機関」で一括りにされることが多いが、実際に契約書管理システムに求める要件は組織のタイプで大きく異なります。ここでは病院・クリニック/医療法人・医療関連事業者/製薬・治験・CRO の3サブセグメントごとに、優先すべき要件と向くタイプを整理します。該当しない読者は次の「医療業界特有の法令・ガイドラインへの対応」に進んでほしい。
病院・クリニック向け(診療録3原則と HPKI 対応の使い分け)
病院・クリニックが優先的に確認する要件は、患者向け同意書・診療録関連文書・雇用契約・購買契約という業務範囲に対応した電子署名・電子契約の適法性です。
診療録・処方箋・診断書など「法令で医師等の国家資格を有する者による作成が求められる文書」を電子的に扱う場合は、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインが求めるとおり HPKI 対応の電子署名が必要になります。一方、雇用契約・購買契約・業務委託契約などの一般取引契約は電子署名法第3条の電子署名で足りるため、汎用の電子契約サービスで対応できます。
診療録3原則(真正性・見読性・保存性)は診療録・助産録・調剤録などの法定文書が直接対象だが、契約書についても医療情報システム全体の安全管理ガイドラインが同等の考え方を求めるため、契約管理システムを選ぶ際も「監査証跡が残る/人が読める形で出力できる/保存期間中に復元可能」を満たしていることを確認します。
向くタイプは、HPKI 対応の必要がある場合は電子署名・電子契約中心タイプの中でも HPKI 対応のあるサービス、必要がない場合は同タイプの汎用サービス。締結後の管理を厚くしたいならCLM・締結後管理中心タイプとの併用も現実的です。
医療法人・医療関連事業者向け(取引契約の CLM + 電子帳簿保存法対応)
複数施設を運営する医療法人や、医療機器・製薬・介護事業を営む医療関連事業者は、取引契約・業務委託契約・システム利用契約・雇用契約など多数の契約書を管理する必要があります。契約書が数百から数千件規模になるため、締結後の台帳一元化・更新期限アラート・全文検索・多施設からのアクセス制御が優先要件になります。
電子帳簿保存法の適用対象(所得税・法人税に係る保存義務者)であるため、電子取引で受領・交付する契約書は電磁的方式での保存が義務化されている点も押さえる必要があります。
向くタイプはCLM・締結後管理中心タイプ。多施設運営で権限管理が複雑な場合は、施設ごと・部署ごと・役職ごとに閲覧権限や承認権限を細かく設定できるサービスを選びます。締結側の電子化まで一気通貫で行いたい場合は、電子契約機能と CLM 機能の両方を持つサービス(LegalOn Cloud、Contract One、Docusign IAM CLM など)を検討します。
個人事業クリニックは電子帳簿保存法の直接の対象外だが、確定申告での経費計上や監査対応で契約書の保管性は重要なので、汎用の電子契約サービス+クラウドストレージでも対応可能です。
締結側は既存の電子契約サービス(あるいは紙・押印)を残したまま、締結後の台帳・更新期限アラート・全文検索・AI 抽出だけを別建てで導入したい場合は、以下の CLM 特化型の比較記事も参照できます。既存契約書が数百〜数千件規模で「まず台帳化から始めたい」医療法人・多施設運営組織の候補選びに向きます。
製薬・治験・CRO 向け(CFR11・ER/ES・GxP 対応の医療特化 SaaS)
製薬企業・治験受託組織(CRO)・医療機器メーカーが優先する要件は、治験契約・治験薬提供契約・共同研究契約など GxP 領域の契約書と、治験関連文書(治験計画書・症例報告書・原資料・SOP・逸脱記録)を一元的・整合的に管理できることです。
ER/ES 指針は真正性・見読性・保存性を求め、監査証跡が自動的に記録され予め定められた手順で確認できることを望ましいとしています。FDA 提出を視野に入れるグローバル治験は 21 CFR Part 11 の要件(署名の一意性、閉じたシステムでの改ざん防止、認証・監査ログ)に対応したシステムが求められます。
GCP 省令 第12条第2項は電磁的方法による治験契約締結を明示的に認めているため、電子契約サービスによる治験契約は法的にも問題ありません。
向くタイプは医療特化 SaaS タイプ。国内 GCP のみで完結する治験にも Agatha のような ER/ES・GxP 対応 SaaS は有効で、FDA 監査を想定する場合は CFR11 対応の宣言と実装(電子署名の一意性・非改ざん性・監査証跡)を必ず確認します。一般取引契約は CLM 中心タイプとの併用、または医療特化 SaaS の文書管理機能で兼用するかを、契約書の量と要件で判断します。
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医療業界特有の法令・ガイドラインへの対応
医療業界の契約書管理システム選定で最も重要なのが、業界特有の法令・ガイドラインへの適合です。ここではサブセグメントごとに、条文・通知の原文を引用しながらシステム側で求められる対応を整理します。原文の出典は本節末尾の参考資料にまとめてあります。
病院・クリニック向けの法令・ガイドライン
HPKI(保健医療福祉分野公開鍵基盤)— 医師等の国家資格者による作成が求められる文書向けの電子署名
HPKI は、医師・薬剤師・看護師など27種類の保健医療福祉分野の国家資格と、院長・管理薬剤師など5種類の管理者資格を電子的に証明できる、厚生労働省の認めた電子証明書です。医療情報システム開発センター(MEDIS)による公式説明では次のとおり定義されています。
保健医療福祉分野PKI(HPKI)電子証明書は、医師・薬剤師・看護師など27種類の保健医療福祉分野の国家資格と、院長・管理薬剤師など5種類の管理者資格を認証することのできる厚生労働省の認めた我が国で唯一の電子証明書です。
出典:HPKIの目的・対象資格|一般財団法人 医療情報システム開発センター(MEDIS)
HPKI が法令上の要件になる範囲は、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第 6.0 版 企画管理編 §14「法令で定められた記名・押印のための電子署名」に定められています。同ガイドラインは、法令で署名または記名・押印が義務付けられた文書のうち、法令で医師等の国家資格者による作成が求められている文書について、以下の要件を求めています。
厚生労働省「保健医療福祉分野における公開鍵基盤認証局の整備と運営に関する専門家会議」において策定された準拠性監査基準を満たす保健医療福祉分野 PKI 認証局の発行する電子証明書を用いて電子署名を施すこと。
出典:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第 6.0 版 企画管理編 §14|厚生労働省
保健医療福祉分野 PKI 認証局は、電子証明書内に医師等の保健医療福祉に係る資格を格納しており、その資格を証明する認証基盤として構築されている。したがって、この保健医療福祉分野 PKI 認証局の発行する電子署名を活用すると電子的な本人確認に加え、同時に、医師等の国家資格を電子的に確認することが可能である。
実装形態は2種類あります。HPKI カード内の電子証明書を用いるローカル署名と、本人認証を経てクラウドに管理されている HPKI セカンド電子証明書を用いるリモート署名で、電子処方箋の運用でも両方式が使われています。契約書管理システムを選ぶ際は、HPKI カードリーダを介したローカル署名/HPKI セカンド電子証明書のクラウド署名のいずれに対応しているかを確認します。
ただし HPKI が必須になるのは診療録・処方箋・診断書など「法令で医師等の国家資格者による作成が求められている文書」に限られます。医療機関の一般取引契約(購買契約・業務委託契約・雇用契約 等)は電子署名法 第3条の推定効(本人による電子署名が施された電磁的記録は真正に成立したものと推定される)で足り、HPKI までは要求されません。
全ての契約書に HPKI を求めると過剰要件になるため、契約書の種別ごとに適用範囲を書き分けることが実務上重要です。
医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第 6.0 版)— 医療情報全般の管理策
医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第 6.0 版は、企画管理編・システム運用編・システム構築編の3編で構成され、医療機関等が取り扱う医療情報全般の管理策を定めています。契約書は診療録などの法定文書ではないが、医療情報システム上で扱う電子文書全般に本ガイドラインの考え方が適用されるため、契約書管理システムを選ぶ際は同ガイドラインの遵守事項をシステムが満たしていることを確認します。
システム運用編 §15「電子署名、タイムスタンプ」は次のとおりシステム運用担当者の役割を定めています。
システム運用担当者は、法令で定められた記名・押印のための電子署名については、企画管理編「14.法令で定められた記名・押印のための電子署名」で示す要件を満たしたものを選択し、これが利用できるよう、措置を講じることが求められる。
出典:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第 6.0 版 システム運用編 §15.1|厚生労働省
法令で医師等の国家資格を有する者による作成が求められている文書の場合は、電子署名及び認証業務に関する法律(平成 12 年法律第 102 号)第 2 条第 1 項を満たす電子署名であることに加えて、署名者の医師等の国家資格の確認が電子的に検証できる電子証明書を用いた電子署名等を用いることなどが求められる。
契約書管理システムを選ぶ際は、電子署名法第2条第1項に準拠した電子署名(=本人性が担保される電子署名)を提供していること、監査証跡(誰がいつ何を作成・変更・削除したか)が自動的に記録され改ざん検出できること、システム運用担当者が権限管理・アクセス制御を運用できる管理コンソールを備えていること、を確認します。
診療録の電子的保存3原則(真正性・見読性・保存性)— 1999年 厚生省 3局長連名通知
1999年に厚生省から出された「診療録等の電子媒体による保存について」(平成11年4月22日/健政発第517号・医薬発第587号・保発第82号)は、診療録・助産録・調剤録・救急救命処置録などの法定文書を電子媒体に保存する場合の3条件を次のとおり定めました。
法令に保存義務が規定されている文書等に記録された情報(以下「保存義務のある情報」という。)を電子媒体に保存する場合は次の3条件を満たさなければならない。
出典:診療録等の電子媒体による保存について 平成11年4月22日 健政発第517号 ほか|厚生省(当時)
(1)保存義務のある情報の真正性が確保されていること。
○ 故意または過失による虚偽入力、書換え、消去及び混同を防止すること。
○ 作成の責任の所在を明確にすること。
(2)保存義務のある情報の見読性が確保されていること。
○ 情報の内容を必要に応じて肉眼で見読可能な状態に容易にできること。
○ 情報の内容を必要に応じて直ちに書面に表示できること。
(3)保存義務のある情報の保存性が確保されていること。
○ 法令に定める保存期間内、復元可能な状態で保存すること。
この3原則は診療録・処方箋・調剤録などの法定文書が直接対象で、医療機関の一般契約書はこの通知の直接の適用対象ではありません。ただし医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版が、この3原則の考え方を医療情報全般に一般化しており、契約書を医療情報システムで管理する場合は事実上同等の対策が求められます。
契約書管理システムを選ぶ際は、監査証跡・改ざん検出・可読な形式での出力・保存期間中の復元可能性を満たしていることを確認します。
医療法人・医療関連事業者向けの法令・ガイドライン
電子帳簿保存法 — 医療法人の電子取引データ保存義務
電子帳簿保存法は、契約書を含む「電子取引」の取引情報を電磁的方式で保存する義務を、所得税・法人税に係る保存義務者に課しています。医療法人・医療関連事業者はこの対象に含まれる(個人事業クリニックは所得税の対象で、法人事業者は法人税の対象)。
電子取引 取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいう。以下同じ。)の授受を電磁的方式により行う取引をいう。
出典:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律 第2条第5号/第7条|e-Gov 法令検索
所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。
国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」問2でも、「取引情報」に契約書が含まれることが実務レベルで確認されています。契約書管理システムを選ぶ際は、電子帳簿保存法の保存要件(真実性の確保・可視性の確保)を満たす保存機能(タイムスタンプ付与・改ざん防止・検索機能)を備えていることと、公式サイトで「電子帳簿保存法対応」の宣言があるかを確認します。
治験・製薬・CRO 向けの法令・ガイドライン
ER/ES 指針 — 治験・薬機法申請に係る電磁的記録・電子署名の要件
ER/ES 指針(正式名称:「医薬品等の承認又は許可等に係る申請等における電磁的記録及び電子署名の利用について」薬食発第0401022号/平成17年4月1日)は、薬機法申請等に係る資料および原資料を電磁的記録として作成・保存する場合の要件を定めた厚労省通知です。真正性・見読性・保存性の3要件が求められます。
3.1.1 電磁的記録の真正性
出典:医薬品等の承認又は許可等に係る申請等における電磁的記録及び電子署名の利用について 薬食発第0401022号 別紙指針 §3|厚生労働省
電磁的記録が完全、正確であり、かつ信頼できるとともに、作成、変更、削除の責任の所在が明確であること。
3.1.2 電磁的記録の見読性
電磁的記録の内容を人が読める形式で出力(ディスプレイ装置への表示、紙への印刷、電磁的記録媒体へのコピー等)ができること。
3.1.3 電磁的記録の保存性
保存期間内において、真正性及び見読性が確保された状態で電磁的記録が保存できること。
治験契約そのものは指針の直接の適用対象ではないが、治験関連文書(治験計画書・症例報告書・原資料等)を扱うシステム全般に対して、監査証跡・システムセキュリティ・バックアップ手順の文書化が求められます。治験契約の締結・保管を電子的に行う場合は、これらの要件を満たすシステムを選ぶことで、治験関連文書と一体的な管理ができます。
21 CFR Part 11 — FDA 提出資料の電子記録・電子署名規則
21 CFR Part 11 は米国 FDA が定める電子記録・電子署名の規則で、FDA 規則に基づき作成・保存される電子記録が対象である(§11.1)。国内 GCP のみで完結する治験には直接適用されないが、FDA 申請を視野に入れるグローバル治験や、米国 FDA 監査を受ける可能性のあるシステムで実質必須となります。
§ 11.10 Controls for closed systems.
出典:21 CFR Part 11 — Electronic Records; Electronic Signatures §11.10 / §11.100|U.S. Food and Drug Administration
Persons who use closed systems to create, modify, maintain, or transmit electronic records shall employ procedures and controls designed to ensure the authenticity, integrity, and, when appropriate, the confidentiality of electronic records, and to ensure that the signer cannot readily repudiate the signed record as not genuine.
§ 11.100 General requirements.
(a) Each electronic signature shall be unique to one individual and shall not be reused by, or reassigned to, anyone else.
実務では、日本の ER/ES 指針に対応したシステムは 21 CFR Part 11 とほぼ同等の設計になっており、両方の宣言を持つ医療特化 SaaS(Agatha など)を選べば、日本国内治験とグローバル治験の両方に耐える構成が組めます。
契約書管理システムに CFR11 対応を求めるのは治験契約・GxP 関連文書を FDA 提出資料と一体で扱う場合に限られるため、自社の展開範囲と提出先で必要性を判断します。
GCP 省令 — 治験契約の電磁的方法による締結
医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP 省令、平成9年3月27日 厚生省令第28号)第13条第1項は治験契約を文書により締結することを求めているが、第12条第2項(第13条第2項で準用)で電磁的方法による締結を明示的に認めています。
治験の依頼をしようとする者は、前項の規定による文書による契約の締結に代えて、第四項で定めるところにより、前項の受託者の承諾を得て、前項各号に掲げる事項を内容とする契約を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって次に掲げるもの(以下この条において「電磁的方法」という。)により締結することができる。
出典:医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令 第12条第2項(GCP 省令)|e-Gov 法令検索
この場合において、当該治験の依頼をしようとする者は、当該文書による契約を締結したものとみなす。
この条項が電子契約サービスによる治験契約締結の法的根拠になっています。契約に必ず盛り込むべき事項(契約年月日・契約担当者・契約解除規定など)は第13条第1項に列挙されているため、治験契約テンプレートを設計する際の参照点にできます。
出典・参考資料(12件)
- 参考資料:HPKIの目的・対象資格|一般財団法人 医療情報システム開発センター(MEDIS)
- 参考資料:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第 6.0 版 企画管理編|厚生労働省
- 参考資料:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第 6.0 版 システム運用編|厚生労働省
- 参考資料:診療録等の電子媒体による保存に関する解説書(1999年通知全文収録)|厚生省(当時)
- 参考資料:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(電子帳簿保存法)|e-Gov 法令検索
- 参考資料:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】令和7年6月|国税庁
- 参考資料:医薬品等の承認又は許可等に係る申請等における電磁的記録及び電子署名の利用について 薬食発第0401022号|厚生労働省
- 参考資料:21 CFR Part 11 — Electronic Records; Electronic Signatures|U.S. Food and Drug Administration
- 参考資料:医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP 省令)|e-Gov 法令検索
- 参考資料:電子署名及び認証業務に関する法律|e-Gov 法令検索
- 参考資料:【医療機関・薬局の方々へ】電子処方箋における電子署名について 令和8年5月 1.3版|厚生労働省
- 参考資料:保健医療福祉分野における公開鍵基盤認証局の整備と運営に関する専門家会議|厚生労働省
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医療業界での契約書管理システム導入事例
実際に医療業界で契約書管理・電子契約システムを導入した事例を、病院・クリニック/医療法人・医療関連事業者/製薬・治験・介護 の3サブセグメントで整理します。効果指標(電子化率・締結リードタイム・工数削減など)を出所とともに示します。
病院・クリニックの事例
医療機関がクラウドサインを導入した公開事例には、たにあい糖尿病・在宅クリニックにおいて患者からの申込書類の約8割をクラウドサイン経由で受け付けている事例、メディカルシステムネットワークにおいて押印書類の6割を電子化した事例が公開されています。感染防止下で対面での書類授受を減らしつつ、患者接触時のリードタイム短縮を実現している共通点があります。
在宅医療事業者の WyL 株式会社では、クラウドサインの導入によって契約業務時間を最大3分の1に短縮した事例が公開されています。訪問看護・在宅医療の現場では、対面での押印を得るために訪問と書類回収の往復が発生していた業務が、電子契約により大幅に簡素化されました。
医療法人・医療関連事業者の事例
医療機関を含む多くの企業で LegalForce キャビネ(現 LegalOn Cloud の契約管理機能)が導入されています。締結後の契約台帳の一元化と全文検索により、必要な契約書を素早く引き出せる体制が整い、更新期限の見逃しによる自動更新リスクも低減されます。医療法人・医療関連事業者で契約書管理工数を大きく削減した事例が LegalOn Cloud 公式サイトで公開されています。
医療機器商社のディーブイエックス株式会社では、Google スプレッドシートによる契約管理からクラウドサインの契約管理システムへ移行し、書類管理の属人化を解消した事例が公開されています。多施設・多拠点で契約書が分散していた状態を、システム移行で一元化する典型的なパターンといえます。
製薬・医療機器・治験・介護の事例
医療特化 SaaS の Agatha は、公式サイトで世界16カ国・3,000法人以上での利用実績、国内医療機関1,100件を突破した導入実績、継続利用率97.9% を公表しています。治験・製薬・ライフサイエンス業界で SOP 文書管理・品質管理・治験契約を一体運用するプラットフォームとして採用されており、CFR11・ER/ES・GxP 対応が必要な組織の実質的な標準選択肢の1つとなっています。
介護事業者のライク株式会社では、月3,000人規模の雇用契約をクラウドサインで電子化した事例が公開されています。介護業界は雇用契約の量が多く、離職率も相対的に高いため、契約締結の効率化と保管の一元化は直接的な業務効率化に結びつきます。同様に医療機関でも、看護師・介護職員・薬剤師などの多職種雇用契約の電子化は、事務負担の軽減に大きく効く領域です。
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医療業界での契約書管理システム導入・運用時の注意点
HPKI カード発行・維持のオペレーション負荷
HPKI 対応の電子署名を運用するには、医師・薬剤師など該当資格者ごとに HPKI カード(または HPKI セカンド電子証明書)の発行申請・維持・失効対応が必要になります。発行主体は日本医師会電子認証センター・日本薬剤師会・MEDIS などで、申請書類の準備・本人確認・PIN 管理・カードリーダ設置などの一連のオペレーションが発生します。
導入時は資格者数と使用頻度を把握し、カードを持たせる範囲を診療録・処方箋・診断書などの法定文書に限定するのが現実的です。
患者情報を含む契約書のアクセス制御・監査ログ
患者向け同意書や治療契約書は要配慮個人情報を含むため、契約書管理システム上でのアクセス制御・閲覧履歴・監査ログを厳格に運用する必要があります。個人情報保護法・医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版の要求事項として、必要最小限のアクセス権付与、アクセス履歴の一定期間保存、アクセスログの定期監査が求められます。
契約書管理システムを選ぶ際は、権限管理の粒度(ユーザー・部署・施設・文書種別ごとの権限設定)とログ機能の実装を確認します。
治験文書の長期保存(開発中止後も一定期間保管が求められる)
治験契約・治験関連文書は、GCP 省令などの関係法令に基づき、治験終了後・開発中止後も所定期間の保管が求められます。保管期間中は復元可能な状態を維持する必要があり、システムのサービス終了・仕様変更・データ移行時にも文書の整合性を保つ体制が必要です。
契約書管理システムの選定時に、長期保存に対応したデータエクスポート機能、標準的なファイル形式(PDF/A など)での出力、システム変更時のマイグレーション支援の有無を確認します。
多職種(医師・看護師・薬剤師・事務・法務)の承認フロー設計
医療機関の契約書は、文書種別によって承認フローが大きく異なります。医療機器購買契約は事務・経理・院長、治験契約は治験責任医師・治験事務局・院長・製薬企業、雇用契約は人事・事務長、業務委託契約は法務・事務長・院長、といったように、関与する職種と承認順序が文書ごとに変わります。
契約書管理システムの導入時は、文書テンプレートごとに承認フローを事前設計し、決裁権者が院内にいなくてもスマートフォン・PC から承認できる運用を整える必要があります。フロー設計を怠ると、システム化しても稟議停滞の課題が残る場合があるので注意が必要です。
まとめ
医療業界の契約書管理システムを選ぶ際は、まず「自組織の主要課題が締結側か締結後管理側か」「扱う文書が法令で医師等の国家資格者による作成が求められるものを含むか」「治験・製薬領域の GxP 対応が必要か」の3点で候補タイプを絞ると迷いにくくなります。
病院・クリニックは HPKI 対応と一般契約用の電子署名を使い分け、医療法人・医療関連事業者は CLM と電子帳簿保存法対応、製薬・治験・CRO は医療特化 SaaS で CFR11・ER/ES・GCP 省令対応を、それぞれ優先要件として押さえます。
本記事で紹介したサービスは、比較表と個別紹介、サブセグメント別の選び方、法令・ガイドライン対応、業界横断の導入事例まで確認できます。自組織の要件に近い候補が絞れたら、資料の一括ダウンロードで各社の詳細(機能・料金・サポート体制)を比較検討してほしい。
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よくある質問(FAQ)
Q. 医療業界向け契約書管理システムとは何ですか?
A. 医療業界向け契約書管理システムは、病院・クリニック・医療法人・製薬・治験・CRO などの契約業務を対象に、電子署名・電子契約・締結後の契約台帳管理を提供するサービス群の総称です。
大きく「電子署名・電子契約中心タイプ」「CLM・締結後管理中心タイプ」「医療特化 SaaS タイプ」の3類型に分かれ、それぞれ HPKI・電子帳簿保存法・診療録3原則・ER/ES 指針・21 CFR Part 11・GCP 省令など医療業界特有の要件への対応度合いが異なります。
自組織の主要課題(締結の非対面化/締結後の一元管理/治験・GxP 対応)と扱う文書種別に合わせて、まずタイプから絞り込むと迷いにくくなります。
Q. 医療業界向け契約書管理システムでは HPKI と一般の電子署名をどう使い分けますか?
A. 医療業界向け契約書管理システムでは、診療録・処方箋・診断書など「法令で医師等の国家資格者による作成が求められる文書」には HPKI 対応の電子署名を、購買契約・業務委託契約・雇用契約などの一般取引契約には電子署名法第3条の電子署名を、それぞれ使い分けるのが実務標準です。
医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版は、国家資格者作成文書について HPKI 認証局が発行する電子証明書での署名を求めています。一方、医療機関の一般取引契約は電子署名法第3条の推定効(本人による電子署名が施された電磁的記録は真正に成立したものと推定される)で足りるため、汎用の電子契約サービスで対応できます。
すべての契約書に HPKI を求めると、資格者ごとのカード発行・維持のオペレーション負荷が過剰になります。文書種別ごとに適用範囲を切り分けることが重要です。
Q. 電子帳簿保存法は個人事業のクリニックにも適用されますか?
A. 電子帳簿保存法の電子取引データ保存義務は所得税・法人税に係る保存義務者に課されるため、医療法人・医療関連事業者は対象、個人事業のクリニックは同義務の直接対象外です。
医療法人は電子取引で受領・交付した契約書を電磁的方式で保存する必要があるため、公式に「電子帳簿保存法対応」を宣言している契約書管理システム(タイムスタンプ付与・改ざん防止・検索機能を備えたもの)を選ぶ必要があります。
個人事業クリニックでも、確定申告での経費計上や税務調査対応、監査時の契約書提示の観点で保管性は重要になるため、汎用の電子契約サービス+クラウドストレージなど、電子的に契約書を整理・検索できる運用を整えることが望ましい。
Q. 治験契約は電子契約サービスで締結できますか?
A. 治験契約は、GCP 省令 第12条第2項(第13条第2項で準用)が電磁的方法による締結を明示的に認めているため、電子契約サービスで問題なく締結できます。
同項は「電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法」による契約締結を認め、その電子契約は文書契約を締結したものとみなすと規定しています。契約に必ず盛り込むべき事項(契約年月日・契約担当者・契約解除規定など)は第13条第1項に列挙されているため、治験契約テンプレートを設計する際の参照点になります。
実際にグローバル製薬・CRO 業界では、GCP 省令および ER/ES 指針対応の電子契約・医療特化 SaaS による治験契約の締結・保管が標準的な運用になっています。
Q. 診療録の電子的保存3原則は医療業界向け契約書管理システムにも適用されますか?
A. 診療録3原則(真正性・見読性・保存性)は診療録・助産録・調剤録などの法定文書が直接の対象で、医療機関の一般契約書はこの1999年通知の直接の適用対象ではありません。ただし医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版がこの3原則の考え方を医療情報全般に一般化しているため、契約書を医療情報システムで管理する場合は事実上同等の対策が求められます。
契約書管理システムを選ぶ際は、監査証跡(誰がいつ何を作成・変更・削除したか)が自動的に記録される、改ざん検出機能を備える、人が読める形式(PDF 等)で出力できる、保存期間中は復元可能な状態を維持できる、といった要件を満たしていることを確認します。これらは診療録3原則を契約書に準用した実質的な最低要件と考えてよい。
Q. 21 CFR Part 11 対応は国内治験のみで完結する場合にも必要ですか?
A. 21 CFR Part 11 は米国 FDA 規則に基づき作成・保存される電子記録が対象であるため、国内 GCP のみで完結する治験には直接適用されず、必須ではありません。国内治験は ER/ES 指針と GCP 省令の要件を満たすシステムを選べば足ります。
一方、FDA 申請を視野に入れるグローバル治験や、米国 FDA の査察を受ける可能性のあるシステムでは CFR11 対応が実質必須となります。
実務上、日本の ER/ES 指針に対応した医療特化 SaaS は CFR11 とほぼ同等の設計になっていることが多く、両方の対応を宣言する Agatha のようなサービスを選べば、国内治験と FDA 提出資料の両方に耐える構成を1つのシステムで組めます。自社の展開範囲と提出先で必要性を判断します。
Q. 医療業界向け契約書管理システムに既存の紙契約書を取り込むことはできますか?
A. 医療業界向け契約書管理システムの多くは、既存の紙契約書をスキャンして PDF として取り込み、契約台帳に登録する運用に対応しています。CLM・締結後管理中心タイプでは、AI が当事者名・契約金額・契約期間などのメタデータを PDF から自動抽出する機能を備えるサービスもあり、大量の紙契約書を移行する際の入力工数を大きく軽減できます。
ただし取り込んだ PDF は締結時点から電子契約として作成した契約とは法的な扱いが異なるため、原本の紙契約書は電子帳簿保存法上のスキャナ保存要件(解像度・タイムスタンプ・検索機能)を満たすかを確認したうえで保管方針を決める必要があります。移行時には、スキャン解像度、タイムスタンプ付与、検索性を確保するファイル名・メタデータ設計を事前に整えると、後の運用で混乱が生じにくくなります。
Q. 医療業界向け契約書管理システムの導入にはどれくらいの準備期間が必要ですか?
A. 医療業界向け契約書管理システムの導入準備期間は、電子契約サービスを患者同意書・一般取引契約向けに使い始める程度なら数週間から1〜2か月、CLM で数千件規模の契約台帳を移行する場合や治験文書と一体運用する医療特化 SaaS 導入の場合は3〜6か月程度が目安になります。
医療業界特有の準備事項として、HPKI カードや HPKI セカンド電子証明書を発行する場合は資格者ごとの申請・本人確認・PIN 設定の期間が別途必要になる、多職種(医師・看護師・薬剤師・事務・法務)の承認フローを文書テンプレートごとに事前設計しておく必要がある、といった点があります。
段階導入(まず患者同意書と雇用契約から、次に一般取引契約、最後に治験契約や国家資格者作成文書へ拡張)で始めると、現場の混乱を抑えつつ効果を早期に確認しやすくなります。
医療業界向け契約書管理システムの料金・機能を一括チェック
本記事で紹介した医療業界向け契約書管理・電子契約システムの料金・機能・サポート体制の詳細は、資料の一括ダウンロードで確認できます。自組織の要件と照らして、比較検討を進めてほしい。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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