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クラウドの脆弱性診断とは?対象・種類・費用と設定診断(CSPM)との違いを解説

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自社のシステムをAWSやAzureなどのクラウドへ移した後、「サーバーやアプリの脆弱性は診断していても、クラウド側の設定は本当に安全なのか」という不安を抱えていませんか。クラウドでは、公開範囲を誤ったストレージや過剰に付与されたアクセス権限といった「設定の不備」そのものが、攻撃の入り口になります。

「クラウド脆弱性診断」という言葉は、対象の異なる2種類を指して使われています。1つはクラウドの設定を診る診断(クラウド設定診断・CSPM)、もう1つはクラウド上に構築したシステムやWebアプリケーションを診る従来型の脆弱性診断です。この2つを切り分けられないままだと、自社が受けるべき診断も、その費用も、依頼先も宙に浮いたままになります。

本記事では、クラウド脆弱性診断の種類を対象・検出内容・診断方式で切り分けたうえで、自社のクラウド構成別に受けるべき診断、タイプ別・依頼先別の費用の目安、依頼から報告書までの進め方、そして診断を依頼できるサービスまでを整理します。自社が受けるべき診断を確定し、見積もり比較や資料請求に進むための材料としてご活用ください。

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クラウド脆弱性診断とは?種類を一目で切り分け

ここからは、「クラウド脆弱性診断」と呼ばれる診断を、対象・何を検出するか・診断方式で切り分けて整理します。

全体像としては、クラウドの設定そのものを診る「クラウド設定診断(CSPM)」と、クラウド上で動くシステム・アプリケーションを診る「従来型の脆弱性診断」の大きく2つに分かれます。後者はさらに、Webアプリケーション診断とプラットフォーム診断に分かれ、あわせて計3タイプになります。診断対象が設定なのか、システム・アプリなのかで、受けるべき診断が変わります。

クラウド脆弱性診断の全体像を示す図。大きく2系統に分かれ、設定を診る『クラウド設定診断(CSPM)』はAWS・Azure・Google Cloudなどクラウド基盤の設定・構成が対象。システム・アプリを診る『従来型の脆弱性診断』はさらに、Webアプリ・APIの実装上の弱点を診るWebアプリケーション診断と、サーバー・ネットワーク機器・OSを診るプラットフォーム(ネットワーク)診断の2タイプに分かれ、計3タイプになる。
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診断の種類クラウド設定診断(CSPM)クラウド上のWebアプリケーション診断プラットフォーム(ネットワーク)診断
主な対象AWS・Azure・Google Cloud などクラウド基盤の設定・構成クラウド上に構築したWebアプリ・APIサーバー、ネットワーク機器、ミドルウェア、OS
何を検出するか公開設定の誤り、過剰なアクセス権限、暗号化やログの設定不備などの構成ミスSQLインジェクション、クロスサイト・スクリプティング(XSS)など、アプリの実装に起因する脆弱性既知の脆弱性、不要な公開ポート、パッチ未適用、設定の弱点
診断方式ツールによる自動・継続診断が中心自動ツール型/専門家による手動診断/両者の組み合わせ自動ツール型/専門家による手動診断/両者の組み合わせ

※上記は各診断タイプの一般的な傾向です。個別のサービスにおける診断対象・方式の詳細は各社情報をご確認ください。

クラウド上のWebアプリケーション診断が検出する脆弱性は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が公開する「安全なウェブサイトの作り方」が挙げる、SQLインジェクションやクロスサイト・スクリプティングなどの実装上の弱点が代表例です。一方、クラウド設定診断(CSPM)が診るのは、アプリの中身ではなくクラウド基盤の「設定」です。この違いが、クラウドで診断を考えるうえで最初のポイントになります。

出典・参考資料(1件)

クラウド設定診断(CSPM)とは — 責任共有モデルと従来診断の違いから理解する

クラウド脆弱性診断で特に理解しておきたいのが、クラウド固有の「設定診断」であるCSPMです。なぜクラウドだと設定を診る診断が別途必要になるのか、何を診るのか、従来の診断とどう違うのかを順に整理します。

責任共有モデル:なぜクラウドだと設定診断(CSPM)が別途必要なのか

クラウドのセキュリティは、クラウド事業者と利用者が責任を分担する「責任共有モデル」で成り立っています。事業者はクラウドを動かす基盤側を守り、利用者はその上に載せる設定やデータ、アクセス権限を守る、という分担です。AWSはこの区分を、事業者側の「クラウドのセキュリティ」と、利用者側の「クラウドにおけるセキュリティ」という言葉で説明しています。

AWS には、AWS クラウドで提供されるすべてのサービスを実行するインフラストラクチャを保護する責任があります。(中略)お客様は、データの管理 (暗号化オプションを含む)、アセットの分類、IAM ツールでの適切な権限の適用について責任を負います。

出典:責任共有モデル|アマゾン ウェブ サービス(AWS)

Microsoft も同様に、クラウドへ移行しても「データとID」は常に利用者が所有し、その保護に責任を負うと整理しています。実際、責任分界を示すマトリックスでは、「構成と設定」「IDとユーザー」はIaaS・PaaS・SaaSのいずれの形態でも利用者側の責任とされています。

すべてのクラウド デプロイの種類について、データと ID を所有します。データと ID、オンプレミス リソース、および制御するクラウド コンポーネントのセキュリティを保護する責任があります。

出典:クラウドでの共同責任|Microsoft Azure(Microsoft Learn)
クラウドの責任共有モデルを示す図。事業者の責任は『クラウドのセキュリティ』で、クラウドを動かす基盤(インフラストラクチャ)の保護。利用者の責任は『クラウドにおけるセキュリティ』で、基盤の上に載せる設定・構成、データ、アクセス権限(IAM)を守る。公開範囲を広げすぎたストレージや過剰なアクセス権限などの設定の不備は利用者が防ぐ領域であり、これを診るのがクラウド設定診断(CSPM)である。

このように、公開範囲を広げすぎたストレージや過剰に付与したアクセス権限といった「設定の不備」は、事業者ではなく利用者が防ぐべき領域です。そして、クラウドのセキュリティ事故の多くは、事業者側ではなく利用者側の設定・管理に起因するとされています。

調査会社のGartnerは、2025年までにクラウドのセキュリティ障害の大半は利用者側の管理の不備によって起きると予測していました。予測期間が過ぎた現在も、公開範囲を誤ったストレージや権限管理の不備による情報漏えいは繰り返し報告されています。従来のアプリ診断やネットワーク診断ではこの設定領域を十分にカバーできないため、クラウドでは設定そのものを診るCSPMが別途必要になります。

出典・参考資料(1件)

CSPM・CISベンチマーク準拠診断の中身(何を検出するか)

CSPM(クラウドセキュリティ態勢管理、Cloud Security Posture Management)は、クラウドの設定状態を継続的に可視化し、構成ミスを検出して改善につなげる仕組みです。Microsoftは自社のCSPM機能について、次のように説明しています。

Defender for Cloud は、クラウドの構成ミスとセキュリティ リスクを特定して軽減するのに役立つセキュリティに関する推奨事項を発行します。

出典:クラウド セキュリティ体制管理 (CSPM) とは|Microsoft Learn

設定が適切かどうかを判断する基準としては、CIS(Center for Internet Security)が公開する「CISベンチマーク」がよく参照されます。CISベンチマークは、AWS・Azure・Google Cloud などの製品ごとに、推奨されるセキュアな設定をまとめた基準です。

CSPMは、こうした基準に照らして自社のクラウド設定に抜けや誤りがないかを点検します。診断の対象は、公開設定を誤ったストレージ、必要以上に広いアクセス権限、暗号化やログ取得の設定漏れなど、クラウド基盤の構成そのものです。

出典・参考資料(1件)

従来のWebアプリ/プラットフォーム診断との違い

CSPMが「設定」を診るのに対し、従来型の脆弱性診断は「システムやアプリケーションの中身」を診ます。Webアプリケーション診断は、クラウド上に構築したWebアプリやAPIに対して、SQLインジェクションやクロスサイト・スクリプティングといった実装上の弱点を検出します。

プラットフォーム(ネットワーク)診断は、サーバーやネットワーク機器、ミドルウェアに残る既知の脆弱性や、不要な公開ポート、パッチ未適用といった弱点を対象とします。

両者は診る対象が別物です。クラウドの設定が適切でも、その上で動くWebアプリに脆弱性があれば攻撃は成立します。逆に、アプリが堅牢でも、ストレージの公開設定を誤れば情報は漏れます。CSPMと従来診断は競合するものではなく、対象の異なる補完的な診断だと捉えると整理しやすくなります。

自社のクラウド構成別・受けるべき診断の当てはめ

ここからは、種類の切り分けと責任共有モデルをふまえ、自社の構成別に受けるべき診断を整理します。社内で診断の必要性を説明する際の根拠としてもご活用ください。

AWSやAzure上に自社でWebシステムを構築・公開している場合は、クラウド設定診断(CSPM)と、Webアプリケーション診断の両方が基本の組み合わせになります。設定の不備とアプリの実装上の弱点は、どちらもそのシステムの侵入経路になり得るためです。

着手する順序としては、まず公開範囲や権限の設定を診るクラウド設定診断から始め、次に公開しているWebアプリケーションを診断すると、影響の大きい入り口から順にふさげます。サーバーやネットワーク機器を自社で運用している場合は、これにプラットフォーム診断を加えると、OSやミドルウェアの弱点までカバーできます。

一方、SaaSを利用しているだけで自社ではアプリを開発していない場合は、アプリの実装を診るWebアプリケーション診断の優先度は下がり、自社が管理するアカウント権限やアクセス設定を点検するクラウド設定診断が中心になります。自社が「設定を管理する側」なのか「アプリを作る側」なのかを整理すると、受けるべき診断のタイプが定まります。

クラウド脆弱性診断の費用の目安(タイプ別・依頼先別レンジ表)

ここからは、費用の目安をタイプ別・依頼先別に整理します。診断費用は対象数や診断範囲によって変わるため一律ではありませんが、公開されている料金からレンジを把握できます。以下は各社が公式に公開している価格をもとにした目安です。税抜・税込の別や、スポット(都度)か月額かといった前提が混在するため、あわせてご確認ください。

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費用の目安ツール型・月額(クラウド上のWebアプリを自社で継続診断)委託・スポット型(Webアプリ/プラットフォーム診断)従量型(Web・スマホアプリ・ネットワーク診断)オールインワンSaaS型(コード〜クラウド設定〜Webアプリを統合)
費用の目安月額19,800円〜99,800円程度(税別)Webアプリ診断 40万円程度〜/プラットフォーム診断 25万円程度〜(税別)初期費用199,100円/Webアプリ診断597,300円(10リクエスト)ほか(税込)月額5万円台〜
前提月額サブスク・自動ツール型。初期費用は無料の例あり。代表例:VAddyリクエスト数・IP数単位の都度課金。報告会や実機手配は別料金の例あり。代表例:cloudpack診断方法ごとの従量課金。特定のクラウド基盤上での診断。代表例:ニフクラ VDS(2026年8月時点、10月に価格改定予定)SAST・DAST・CSPMなどを1つのプラットフォームに統合。CSPM単体は要お問い合わせの場合あり。代表例:Aikido Security(AndGo経由)

※各社公式サイトの公開情報にもとづく2026年8月時点の目安です。税抜・税込の別、診断対象数、スポット/月額の前提は各社で異なります。実際の費用は各社の見積もりでご確認ください。

上表は、費用感をつかむための公開価格の代表例です。実際に資料請求や見積もりに進む際は、各社の料金や診断範囲を比較したうえで、自社のタイプに合う依頼先を選んでください。

クラウド設定診断(CSPM)や専門家による手動診断は、対象範囲や診断項目に応じて個別見積もりとなる場合が多く、金額を一律に示しにくい領域です。この場合は「要お問い合わせ」として、対象のクラウドアカウント数や診断範囲を伝えたうえで見積もりを取り、複数社を比較するのが現実的です。

出典・参考資料(3件)

クラウド脆弱性診断の進め方(依頼から報告書まで)

ここからは、診断を依頼してから報告書を受け取るまでの一般的な流れを整理します。委託型の診断では、おおむね次の順序で進みます。細かな工程や必要書類は依頼先によって異なるため、詳細は各社の案内で確認してください。

  1. 問い合わせ・ヒアリング:診断対象(Webアプリ、クラウド設定、ネットワークなど)や範囲、URLやIPの数を伝え、見積もりを受け取ります。
  2. 事前準備・日程調整:診断対象の情報やログイン情報を共有し、診断実施日を調整します。ツール型の場合は対象の登録や所有者確認を行います。
  3. 診断の実施:ツールによる自動スキャンや、専門家による手動診断を実施します。
  4. 報告書の提供:検出された脆弱性を、重大度や対策の優先順位とともにまとめた報告書を受け取ります。再診断に対応するサービスもあります。

ツール型のサービスでは、契約後にブラウザから対象を登録すればすぐに診断を始められるものもあり、委託型に比べて着手までの期間が短くなる傾向があります。継続的に診断したいのか、リリース前に一度しっかり診てほしいのかによって、適した依頼先が変わります。

出典・参考資料(2件)

クラウド脆弱性診断を依頼できるサービス

ここからは、クラウド脆弱性診断に対応する主なサービスを紹介します。クラウドの設定を診るCSPM対応のサービスと、クラウド上のWebアプリやネットワークを診るツール型サービスを取り上げます。自社が受けるべき診断のタイプに合わせて、資料請求や見積もりの候補を絞り込む際にご活用ください。

各サービスの機能・料金の傾向は、以下の比較表でまとめて確認できます。表の「クラウド設定診断(CSPM)」の列を見ると、設定診断まで一体で対応するサービスと、クラウド上のWebアプリ診断を中心とするサービスを見分けられます。自社が受けるべき診断のタイプに合わせて候補を絞り込んでください。

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サービス名Aikido SecurityGMOサイバーセキュリティ byイエラエSecurifySCT SECURE クラウドスキャンVAddyAeyeScan
診断方式ツール自動(オールインワンSaaS)専門家の手動診断+ツールASMツール自動(DAST・自動巡回)ツール自動(外部から毎日スキャン)ツール自動(CI/CD連携・継続診断)ツール自動(AI/RPAクローリング)
クラウド設定診断(CSPM)手動でクラウド環境を診断CSPMモジュールあり(料金は要問い合わせ)×Web・NW機器の外部診断が対象××
主な診断対象ソースコード・クラウド設定・Webアプリ・コンテナWeb・スマホアプリ・クラウド・ネットワーク・IoT ほかWebアプリ・API・クラウド設定・公開資産(ASM)Webサイト・ネットワーク機器(外部公開資産)Webアプリ・APIサーバー(REST API)Webアプリ・SPA・API(オプション)
料金の目安月額50,000円台〜(AndGo経由)手動診断は個別見積/ネットde診断ASMは月額40,000円〜月額50,000円〜(Webアプリ診断STARTER)要お問い合わせ(年単位契約)月額19,800円〜(Professional)要お問い合わせ(One Shot/Business/カスタム)
初期費用要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ0円要お問い合わせ
無料トライアルFreeプランあり記載なしあり(最短即日)ありあり(1週間)あり
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※各社公式サイトの公開情報にもとづく2026年8月時点の目安です。CSPM(クラウド設定診断)の対応可否・料金・診断対象は提供プランやオプションにより異なります。最新の内容は各社の資料・見積もりでご確認ください。

1. Aikido Security(株式会社AndGo)

Aikido Securityのウェブサイト

Aikido Security は、ソースコードからクラウド、実行環境までを1つのプラットフォームで横断的にスキャンする、オールインワン型の脆弱性診断SaaSです。日本では株式会社AndGoが提供しています。

SAST(ソースコード診断)やDAST(動的診断)、SCA(オープンソース部品の診断)に加え、クラウドの設定を監視するCSPM機能を備えており、個別に導入していた複数のセキュリティツールを単一のダッシュボードに集約できます。

クラウド設定診断とアプリ・コードの診断を1か所でまかないたい開発チームに向いています。検出結果の自動トリアージにより誤検知を抑える設計で、専任のセキュリティ人材が不足する組織でも運用しやすい点を訴求しています。日本向けにはAndGo経由で月額5万円台からの円建て料金が案内されています。

提供元である株式会社AndGoは、Aikido Securityが何を診るのかを次のように説明しています。

原氏
株式会社AndGo 代表取締役
原氏
独自インタビューより

まず1つ目が、ソースコードの診断です。コードの書き方が原因で、攻撃されやすい状態になっていないかを早い段階で見つけます。2つ目が、AWSなどクラウド側の設定ミスです。外から入られてしまう設定になっていないか、といったところを見張ります。3つ目が、サーバーOSやWordPressなど、依存ミドルウェア起因の脆弱性です。

2. GMOサイバーセキュリティ byイエラエ(GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社)

GMOサイバーセキュリティ byイエラエのウェブサイト

国内のホワイトハッカーを多数擁するサイバーセキュリティ専門企業です。専門家による手動主体の脆弱性診断・ペネトレーションテストを中核に据え、診断対象にはWebアプリケーションやネットワークに加えて、AWS・Azure・Google Cloud といったクラウド環境が含まれます。クラウドの設定まで専門家に精査してほしい場合の選択肢になります。

手動診断とは別に、攻撃対象領域を継続的に把握するツール型のASMサービス「GMOサイバー攻撃ネットde診断 ASM」も月額課金で提供しています。手動でしっかり診る診断と、ツールで継続的に監視する診断の両方を、同じ提供元で使い分けられる点が特徴です。料金は診断範囲に応じた個別見積もりが基本です。

3. Securify(株式会社スリーシェイク)

Securifyのウェブサイト

Securifyは、Webアプリケーションへの自動診断(DAST)を中核とするクラウド型(SaaS)のプラットフォームです。クラウドの設定を管理するCSPM、公開資産を把握するASM、SaaSの公開設定を可視化する機能などを1つのシリーズに束ねています。提供元は株式会社スリーシェイクで、Webアプリ診断と設定診断を同じシリーズ内で組み合わせられます。

ツールによる自動巡回スキャンとスケジュール実行による継続診断を得意とし、専門家の手動診断を主力とするサービスとは性格が異なります。Webアプリケーション診断はSTARTERプランが月額5万円から公開されており、CSPMなどのモジュールは要問い合わせで提供されます。

4. SCT SECURE クラウドスキャン(三和コムテック株式会社)

SCT SECURE クラウドスキャンのウェブサイト

SCT SECURE クラウドスキャンは、Webサイトや、ルーター・ファイアウォール・DNSといったネットワーク機器を、インターネット経由で外部から毎日自動的に診断するクラウド型のサービスです。三和コムテック株式会社が提供しており、アプリのインストールや機器の設置は不要で、契約期間中は何度でも診断を実行できます。

診断で脆弱性が検出されなければ、最新の診断日を示す「セキュリティマーク」をサイトに掲示でき、対外的にセキュリティ評価を受けていることを示せます。料金は年単位の契約で、対象のIP・FQDN数に応じて要お問い合わせとなります。継続的な自動診断を年単位で運用したい場合に向いています。

5. VAddy(株式会社ビットフォレスト)

VAddyのウェブサイト

開発者がCI/CDパイプラインに組み込んで、継続的に脆弱性スキャンを回せるクラウド型のWebアプリケーション脆弱性診断ツールです。株式会社ビットフォレストが提供しており、リリースのたびに繰り返し自動診断を実行する、開発チーム向けの設計になっています。REST APIサーバーの検査にも対応しています。

初期費用は0円で、月額は19,800円から公開されています。1か月単位のサブスクリプションで契約でき、外注の単発診断と違って料金を事前に把握できる点が利点です。クラウド上のWebアプリを自社で継続的に診ていきたい場合の入り口になります。

6. AeyeScan(株式会社エーアイセキュリティラボ)

AeyeScanのウェブサイト

AeyeScanは、AIとRPAを活用した自動クローリング技術を強みとするクラウド型のWebアプリケーション脆弱性診断ツールです。ブラウザでログインするだけで画面遷移を自動でたどり、診断シナリオを自動生成します。株式会社エーアイセキュリティラボは、セキュリティや開発の専門知識がなくても脆弱性診断を社内で内製化できる点を訴求しています。

診断対象はWebアプリケーションのほか、SPA(シングルページアプリケーション)やAPIにも対応します。OWASP TOP10やIPAのガイドラインに準拠した診断を行い、スポット利用向けと年間契約向けのプランが用意されています。具体的な料金は問い合わせでの見積もりとなります。

本記事ではクラウド診断に対応する主なサービスを取り上げましたが、クラウドに限らず脆弱性診断サービス全般を、診断方法の違いや費用相場、選び方の観点からまとめて比較検討したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

クラウド脆弱性診断は、クラウド基盤の設定を診るクラウド設定診断(CSPM)と、クラウド上のシステム・Webアプリを診る従来型の診断に分かれます。責任共有モデルのもとで設定は利用者が守る領域であり、事故の多くも利用者側の管理に起因するため、クラウドでは設定を診るCSPMが従来診断とは別に必要になります。

自社が「設定を管理する側」か「アプリを作る側」かを整理すれば、受けるべき診断のタイプが定まります。費用はツール型の月額から委託型のスポット料金まで幅があり、税抜・税込や前提を確認したうえで複数社を比較するのが現実的です。まずは自社の構成に合う診断タイプを見極め、候補サービスの資料や見積もりを取り寄せて比較を始めてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. クラウド脆弱性診断とは何ですか?

クラウド脆弱性診断とは、AWSやAzureなどのクラウド環境に潜むセキュリティ上の弱点を洗い出す診断の総称で、クラウドの設定を診る「クラウド設定診断(CSPM)」と、クラウド上に構築したシステム・Webアプリを診る「従来型の脆弱性診断」の2系統に大きく分かれます。前者は公開設定の誤りや過剰なアクセス権限といった構成の不備を、後者はSQLインジェクションなどアプリの実装上の弱点を対象とします。

どちらを診るべきかは、自社がクラウドの設定を管理する立場か、アプリを開発する立場かによって決まります。

Q. クラウド設定診断(CSPM)とは何ですか?

クラウド設定診断(CSPM)とは、クラウドの設定状態を継続的に可視化し、構成ミスやセキュリティリスクを検出して改善につなげる仕組みです。CSPMは「Cloud Security Posture Management(クラウドセキュリティ態勢管理)」の略で、Microsoftもクラウドの構成ミスを特定・軽減する推奨事項を発行する仕組みと位置づけています。

診断の対象は、公開設定を誤ったストレージや必要以上に広いアクセス権限、暗号化・ログ取得の設定漏れなど、アプリの中身ではなくクラウド基盤の「設定」そのものです。

出典・参考資料(1件)

Q. クラウド設定診断(CSPM)はどのクラウドを対象に、何を診断しますか?

クラウド設定診断(CSPM)は、AWS・Azure・Google Cloud といった主要なクラウド基盤の設定・構成を対象に、公開設定の誤りや過剰なアクセス権限、暗号化・ログ取得の設定漏れといった構成ミスを診断します。サービスによっては、SalesforceやMicrosoft 365などSaaSの公開設定まで対象に含めるものもあります。

検出するのはアプリの実装上の弱点ではなく、あくまでクラウド基盤側の設定不備であり、この点が従来のWebアプリ診断やネットワーク診断とは診る対象が異なります。

Q. クラウド脆弱性診断はCISベンチマークに準拠していますか?

クラウド設定診断(CSPM)の多くは、設定が適切かどうかを判断する基準として、CIS(Center for Internet Security)が公開する「CISベンチマーク」を参照します。CISベンチマークは、AWS・Azure・Google Cloud などの製品ごとに推奨されるセキュアな設定をまとめた基準で、CSPMはこの基準に照らして自社のクラウド設定に抜けや誤りがないかを点検します。

具体的にどの基準に準拠するかは診断サービスによって異なるため、CISベンチマーク準拠の可否は各社の資料や見積もりで確認するのが確実です。

出典・参考資料(1件)

Q. 予算が限られていてもクラウド脆弱性診断は受けられますか?

クラウド脆弱性診断は、ツール型の月額プランを選んだり、診断範囲を絞り込んだりすることで、予算に応じて費用を抑えて受けられる場合があります。たとえばクラウド上のWebアプリを自社で継続的に診るツール型のサブスクリプションは月額2万円程度から公開されているものがあり、外注のスポット診断と違って料金を事前に把握できます。

委託型でも、対象のURLやIPの数を必要な範囲に絞る、CISベンチマークへの準拠状況の確認のみに限定するといった形で費用を調整できることがあります。まずは診断範囲を伝えたうえで複数社の見積もりを比較するとよいでしょう。

Q. AWSやAzureの環境は、Amazon Inspectorなどの純正ツールだけで診断できますか?

クラウド事業者の純正ツールだけで診断を完結できるかは、診断の目的によって変わり、純正ツールと外部の専門診断を組み合わせるのが現実的です。たとえばAWSのAmazon Inspectorは、EC2インスタンスやコンテナイメージ、Lambda関数などのソフトウェアの脆弱性や、意図しないネットワークへの露出を自動的にスキャンするツールです。役割としては、システム側の脆弱性管理に近いものになります。

AWSに限らず、AzureにもMicrosoft Defender for Cloudのような設定を評価する純正機能があります。ただし、こうした純正ツールがカバーする範囲と、クラウドの設定態勢を体系的に評価するクラウド設定診断(CSPM)や、Webアプリの実装上の弱点を精査する専門診断とは対象が異なります。純正ツールで足りる範囲と、専門家による診断で補う範囲を切り分けて考えると過不足がありません。

出典・参考資料(1件)

Q. 無料の脆弱性診断ツールと有料の診断サービスは何が違いますか?

無料の脆弱性診断ツールと有料の診断サービスは、診断範囲の広さ、検出結果の精度や誤検知の少なさ、報告書やサポートの手厚さで違いが出やすい傾向があります。無料のツールは手軽に試せる一方で、対象の登録や結果の解釈を自社で行う必要があり、検出された内容の重大度判断や対策の優先順位づけまでは踏み込みにくい場合があります。

有料のサービスやツールは、専門家による手動診断や優先順位を整理した報告書、再診断への対応などが受けられることが多く、社内に専門人材が少ない場合の負担軽減につながります。自社で運用まで担えるのか、報告書や優先順位づけまで求めるのかで、適した選択肢が変わります。

Q. クラウド脆弱性診断はどのくらいの頻度で受けるべきですか?

クラウド脆弱性診断を受ける頻度は、システムの変更頻度やリスクの大きさに応じて決めるのが基本で、一度きりではなく継続的に実施するのが望ましい領域です。クラウドの設定は運用のなかで日々変化し、新たな構成ミスが生まれ得るため、クラウド設定診断(CSPM)のようなツール型で継続的に監視する運用が適しています。

クラウド上のWebアプリやシステムについては、大きな機能追加やリリースのたび、あるいは年1回など定期的に診断するのが一般的です。継続的に設定を監視したいのか、リリース前に一度しっかり診てほしいのかによって、適した診断タイプと依頼先が変わります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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