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契約書の収入印紙 金額表|第1号・第2号・軽減措置と電子契約で不要になる根拠まで

契約書の収入印紙 金額表のサムネイル画像

取引先に紙の契約書を送る直前で「この金額なら印紙はいくら貼るのか」で手が止まる場面は、実務では毎月のように起きます。契約金額を当てはめれば税額が即答できる一覧表がその場になければ、貼り忘れによる過怠税3倍のリスクを抱えたまま判断することになります。

本記事は、国税庁タックスアンサー No.7140(第1号〜第4号文書)と No.7108(軽減措置)を出典として、第1号文書(不動産譲渡・金銭消費貸借など)と第2号文書(請負)の税額表を全行そのまま並置し、令和9年(2027年)3月31日までの軽減後税額まで1画面で照合できる形にまとめました。

あわせて業務委託契約書の号分岐、消費税抜き記載による節約、貼り方・消印の実務、過怠税、そして電子契約なら印紙税が不要となる3つの法的根拠までを、次の1本を送る場面と社内で根拠を示す場面の両方に向けて本記事で解説します。

この記事を読むとわかること
  • 契約書名から該当号(第1号/第2号/第7号/不課税)を引き当てる早見表
  • 第1号・第2号文書の印紙税額表(全行)と、令和9年3月31日までの軽減後税額表
  • 業務委託契約書の請負/委任・準委任分岐と、消費税抜き記載による節約の実額
  • 貼り方・消印の実務ルール(署名でも可・当事者一人でよい)と、貼り忘れ時の過怠税3パターン
  • 電子契約なら印紙税が不要となる3つの法的根拠(国税庁質疑応答/基本通達/2005年国会答弁書)と年間印紙代の削減試算
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契約書名から号を引き当てる早見表

印紙税は契約書のタイトルではなく、記載内容の実質で号が決まります。手元の契約書名から該当号を引き当て、その号の税額表(次章以降)に進むのが最短ルートです。

契約書のタイトル例該当号税額の目安(詳細は次章の税額表)
不動産売買契約書、土地建物売買契約書、金銭消費貸借契約書、地上権・土地賃借権の設定契約書第1号文書契約金額に応じた税額(200円〜60万円。低額帯の刻みは次章)
工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、専属契約書第2号文書契約金額に応じた税額(200円〜60万円。第1号と低額帯の刻みが異なる)
業務委託契約書(成果物の完成義務がある請負型/システム開発・広告制作など)第2号文書契約金額に応じた税額(200円〜60万円。第2号税額表を参照)
売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、業務委託契約書(継続的取引の基本を定めるもの・3か月超または更新の定めあり)、銀行取引約定書第7号文書一律4,000円
売上代金の領収書、受取書第17号文書5万円以上200円〜20万円
業務委託契約書(成果物の完成義務がない事務処理・準委任型)、雇用契約書、賃貸借契約書(不動産以外)不課税0円

業務委託契約書は、内容によって第2号(請負)/第7号(継続的取引基本契約書)/不課税(委任・準委任)の3経路で分かれる特殊なケースです。判定基準は本記事の後段「業務委託契約書は『請負』か『委任・準委任』か」で示します。

出典・参考資料(3件)

第1号文書(不動産譲渡・金銭消費貸借等)の印紙税額表

第1号文書は、不動産・鉱業権・無体財産権・船舶・航空機・営業の譲渡契約書、地上権や土地賃借権の設定・譲渡契約書、金銭消費貸借契約書などが該当します。契約金額を下表に当てはめて印紙税額を確定してください。

契約金額(記載金額)印紙税額(本則)
1万円未満非課税
1万円以上10万円以下200円
10万円超50万円以下400円
50万円超100万円以下1,000円
100万円超500万円以下2,000円
500万円超1,000万円以下1万円
1,000万円超5,000万円以下2万円
5,000万円超1億円以下6万円
1億円超5億円以下10万円
5億円超10億円以下20万円
10億円超50億円以下40万円
50億円超60万円
契約金額の記載のないもの200円
令和8年4月1日現在法令等。不動産譲渡(記載金額10万円超)は次章の軽減措置の対象となります。

不動産の譲渡に関する契約書のうち記載金額10万円超のものは、後述の軽減措置により税額が低くなります。金銭消費貸借契約書は軽減措置の対象外のため、本表の税額がそのまま適用されます。

出典・参考資料(1件)

第2号文書(請負に関する契約書)の印紙税額表

第2号文書は、請負契約書(工事請負・物品加工・広告契約・専属契約など)が該当します。第1号との違いは境目で、第2号では100万円以下までが200円である点に注意してください。

契約金額(記載金額)印紙税額(本則)
1万円未満非課税
1万円以上100万円以下200円
100万円超200万円以下400円
200万円超300万円以下1,000円
300万円超500万円以下2,000円
500万円超1,000万円以下1万円
1,000万円超5,000万円以下2万円
5,000万円超1億円以下6万円
1億円超5億円以下10万円
5億円超10億円以下20万円
10億円超50億円以下40万円
50億円超60万円
契約金額の記載のないもの200円
令和8年4月1日現在法令等。建設工事の請負(記載金額100万円超)は次章の軽減措置の対象です。

請負とは、当事者の一方(請負人)が仕事の完成を約し、相手方(注文者)が報酬を支払う契約です(民法632条)。国税庁の具体例では、工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、会計監査契約書、プロスポーツ選手や芸能人の専属契約書のほか、警備・機械保守・清掃などの役務提供も請負に含まれます。

出典・参考資料(2件)

軽減措置の対象と税額表(令和9年3月31日まで)

不動産譲渡に関する契約書(第1号の1文書・記載金額10万円超)と建設工事の請負に関する契約書(第2号文書・記載金額100万円超)については、印紙税の軽減措置が適用されます。適用期間は平成26年4月1日から令和9年(2027年)3月31日までに作成される契約書です。

平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成される、次の2種類の契約書について印紙税の税額が軽減されます。

国税庁 No.7108「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」

不動産譲渡契約書の軽減後税額表

契約金額(記載金額)本則税額軽減後税額
10万円超50万円以下400円200円
50万円超100万円以下1,000円500円
100万円超500万円以下2,000円1,000円
500万円超1,000万円以下1万円5,000円
1,000万円超5,000万円以下2万円1万円
5,000万円超1億円以下6万円3万円
1億円超5億円以下10万円6万円
5億円超10億円以下20万円16万円
10億円超50億円以下40万円32万円
50億円超60万円48万円
記載金額10万円以下・記載なしは軽減対象外(本則200円)。

建設工事請負契約書の軽減後税額表

契約金額(記載金額)本則税額軽減後税額
100万円超200万円以下400円200円
200万円超300万円以下1,000円500円
300万円超500万円以下2,000円1,000円
500万円超1,000万円以下1万円5,000円
1,000万円超5,000万円以下2万円1万円
5,000万円超1億円以下6万円3万円
1億円超5億円以下10万円6万円
5億円超10億円以下20万円16万円
10億円超50億円以下40万円32万円
50億円超60万円48万円
記載金額100万円以下・記載なしは軽減対象外(本則200円)。

設計委託契約や工事監理契約は第2号文書に該当しても、建設工事請負契約には当たらないため軽減措置の対象外となる点に注意してください。適用期限は令和9年3月31日で、令和6年3月31日で期限が切れた旧情報と混同されがちですが、現行は令和9年3月31日までに作成された契約書が対象です。

出典・参考資料(1件)

建設工事請負契約書に加えて、工事注文請書や工事金額の変更契約書までを一気通貫で判定したい場合は、契約類型ごとの金額一覧・軽減措置の適用範囲・電子契約への切り替え事例までを1本にまとめた以下の記事も参考にしてください。

業務委託契約書は「請負」か「委任・準委任」か(判定ステップ)

「業務委託契約書」という名称は民法上の類型ではないため、印紙税の要否は契約の実質で決まります。判定は次の3ステップで整理できます。

判定ステップYes の場合No の場合
1. 継続的取引の基本を定める契約か(3か月超または更新の定めあり)第7号文書(一律4,000円)2へ進む
2. 成果物の完成義務があるか(納品物・成果物・仕事の完成を約するか)第2号文書(請負・契約金額に応じた税額)3へ進む
3. 事務処理そのものを委ねているか(法律行為または法律行為でない事務)不課税(委任・準委任)個別に号判定へ

民法の類型と対応させると、次の3条が根拠になります。

(請負)第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

民法 第632条|e-Gov法令検索

(委任)第六百四十三条 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

民法 第643条|e-Gov法令検索

(準委任)第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

民法 第656条|e-Gov法令検索

具体例で当てはめると、システム開発の受託契約でリリース物の納品を約するものは第2号(請負)に該当します。経営コンサルティングや顧問弁護士契約のように事務処理そのものを委ねる契約は不課税(委任・準委任)です。代理店契約書や売買取引基本契約書のように継続的取引の基本を定めるものは第7号(一律4,000円)となります。ただし第7号は契約期間が3か月以内で、かつ更新の定めのないものは除外されます。

出典・参考資料(3件)

消費税抜き記載で印紙代を節約する方法

消費税額を区分記載するか税込みで一括記載するかで、印紙税の記載金額判定が変わります。境目付近の契約書では実額で数千円〜数万円の差が出るため、記載方法をひと工夫するだけで節約できます。

広告の請負契約書に「請負金額1,100万円うち消費税額等100万円」と記載したとします。この場合、消費税額等100万円は記載金額に含めませんので、記載金額は1,000万円の第2号文書となり、印紙税額は10,000円となります。

消費税額等について「うち消費税額等100万円」ではなく、「消費税額等10パーセントを含む。」や「請負金額1,100万円(税込)」と記載した場合には、消費税額等が必ずしも明らかであるとは言えませんので、記載金額は1,100万円として取り扱われ、第2号文書の場合、印紙税額は20,000円となります。

国税庁 No.7124「消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額」

同じ1,100万円の請負契約でも、税抜き100万円と消費税100万円を区分記載すれば印紙税は1万円、税込一括記載だと2万円で、差額は1万円です。この取扱いが適用されるのは第1号文書(不動産譲渡等)・第2号文書(請負)・第17号の1文書(売上代金の受取書)の3つに限られます。

領収書でも同じ効果があります。「商品販売代金48,000円、消費税額等4,800円、合計52,800円」と区分記載すれば記載金額は48,000円となり、5万円未満の非課税文書として印紙税は課されません。税込52,800円と一括表記した場合は200円の印紙が必要になるため、実務では見積書・請求書・契約書の起票フォーマットで消費税額を区分記載する運用に統一するのが有効です。

出典・参考資料(1件)

印紙の貼り方・消印の実務

収入印紙は課税文書に貼り付け、当事者が消印を押すことで納税が完了します。貼付位置・消印方法・購入場所について実務で迷うポイントを整理します。

収入印紙の購入場所(郵便局・法務局・コンビニ・チケットショップ)

収入印紙は郵便局と法務局で全額面(1円〜10万円までの31券種)を取り扱っています。コンビニエンスストアでも購入できますが、店舗によって取扱額面が限られ、200円のみを常備し高額面は取り寄せとする店舗が一般的です。

急ぎで高額面が必要な場合は、金券ショップ(チケットショップ)で額面より数%割引された印紙を購入できるケースもあります。チケットショップは支払いが現金のみに限定される店舗が多く、法人カードやキャッシュレス決済に対応していない点に注意してください。

貼付ルール(位置・方法)

貼付位置は印紙税法上の定めがなく、契約書の表紙左上(余白部分)が一般的です。契約書を製本する場合は、表紙の左上に貼るか、袋とじ内側の1ページ目に貼るケースもあります。1枚の契約書に複数の印紙を貼る際は、隣り合わせに並べて貼れば問題ありません。

消印ルール(誰が・どう押すか)

消印は印紙の再使用を防止するためのもので、実務で迷いやすい3点は次のとおりです。

印紙税の課税対象となる文書に印紙を貼り付けた場合には、その文書と印紙の彩紋とにかけて判明に印紙を消さなければならないことになっています(法第8条第2項)。そして、印紙を消す方法は、文書の作成者又は代理人、使用人その他の従業者の印章又は署名によることになっています(令第5条)。このように、消印する人は文書の作成者に限られておらず、また、消印は印章でなくても署名でもよいとされているところから、文書の消印は、その文書に押した印でなくても、作成者、代理人、使用人、従業者の印章又は署名であれば、どのようなものでも差し支えありません。

国税庁 質疑応答事例「印紙の消印の方法」

実務判断の要点は3つです。第1に、消印に使う印章は代表者印(実印)である必要はなく、氏名や名称を表示した日付印・ゴム印・認印でも差し支えありません。第2に、消印は署名でも有効です(鉛筆のように容易に消せるものは無効)。第3に、複数当事者が共同作成した契約書では、当事者のうち一人が消印すれば足り、双方の消印は不要です。単に「印」と表示したり斜線を引くだけでは消印にならない点にも注意してください。

出典・参考資料(2件)

貼り忘れた場合の過怠税と自主申告での減額

印紙を貼り忘れたまま契約書を作成した、あるいは消印を押し忘れた場合、税務署から過怠税が徴収されます。3つのパターンとそれぞれの金額は次のとおりです。

納付すべき印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額、すなわち当初に納付すべき印紙税の額の3倍に相当する過怠税が徴収されることになります。

ただし、印紙税の税務調査を受ける前に、自主的に不納付を申し出たときは、その過怠税は当初に納付すべきであった印紙税の額とその10パーセントに相当する金額との合計額、すなわち納付すべき印紙税の額の1.1倍に軽減されます。

また、貼り付けた印紙を所定の方法で消していなかった場合には、消されていない印紙の額面に相当する金額の過怠税が徴収されることになります。

国税庁 No.7131「印紙を貼り付けなかった場合の過怠税」
状況過怠税の額本来2万円の印紙の場合の実額
税務調査で貼り忘れが発覚本来税額の3倍6万円
調査前に自主申告で申し出本来税額の1.1倍2.2万円
印紙は貼ったが消印を押し忘れ印紙額と同額2万円(追加負担)

過怠税は法人税・所得税の損金や必要経費に算入できず、全額を自己負担する形になります(法人税法55条4項一号、所得税法45条1項三号)。会計上は「租税公課」で処理しつつ税務申告で加算調整が必要となり、経理担当者にとっては二重の負担です。

貼り忘れに気付いた時点で税務署に「印紙税不納付事実申出書」を提出して自主申告すれば、3倍から1.1倍まで大幅に軽減されます。発覚を待たず早期に対応するのが実務判断です。

悪質な脱税に該当する場合は、印紙税法第21条により3年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、または併科と定められています。日常業務での貼り忘れは過怠税での是正が原則ですが、意図的な不納付は刑事罰の対象となる点は認識しておくべきです。

出典・参考資料(2件)

電子契約なら印紙税が不要になる3つの法的根拠

紙の契約書に貼るべき印紙税は、契約書を電磁的記録(電子ファイル)で作成・締結する電子契約に切り替えると発生しません。「電子契約は不要」と印紙税法に明文の規定があるわけではなく、印紙税法が「文書」(用紙への記載)を課税対象とすることの解釈と、国税庁・政府の統一見解として確立しています。社内で根拠を示せるよう、次の3点を順に確認します。

制度の枠組みとしては、印紙税法第2条が「別表第一の課税物件の欄に掲げる文書には、この法律により、印紙税を課する」と定め、課税対象を「文書」に限定しています。電磁的記録がこの「文書」に含まれるかどうかを、国税庁の質疑応答事例・基本通達・国会答弁書の3点が明確にしています。

このうち最も公的な位置づけにあるのは、政府としての公式見解が国会記録に残る2005年の国会答弁書です。以下では質疑応答事例(根拠1)から順に解説し、根拠3として答弁書を示します。

根拠1:国税庁の質疑応答事例(電磁的記録は文書に含まれない)

国税庁の質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」では、注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の取扱いが明示されています。

印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれません。したがって、おたずねの電磁的記録に印紙税は課税されません。

国税庁 質疑応答事例「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」(関係法令通達:印紙税法第2条)

電子署名を付したPDFを電子メールで送信するかたちの契約締結は「電磁的記録」であって「文書」ではないため、印紙税の課税原因が発生しないという整理です。国税庁が公式に示した根拠として、社内資料にそのまま引用できます。

根拠2:印紙税法基本通達第44条(「作成」とは用紙等への記載)

印紙税法基本通達第44条は、課税文書の「作成」を定義しています。

第44条 法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。

国税庁 印紙税法基本通達 第44条「作成等の意義」

「用紙等に課税事項を記載」することが課税文書の作成である以上、用紙を介さず電磁的記録として作成・保存される電子契約は課税文書の作成に該当しません。基本通達は税務当局内部の解釈基準として実務判断の基礎になるため、根拠1の質疑応答事例と合わせて示せば整合的な解釈が示せます。

根拠3:2005年 第162回国会 参議院答弁書(内閣総理大臣の政府答弁)

2005年3月15日、第162回国会の参議院において、内閣総理大臣(小泉純一郎)が参議院議員櫻井充君の質問(印紙税に関する質問)に対して答弁書を提出しています。政府としての公式見解が国会記録に残るという意味で、根拠のなかでも最も公的な位置づけです。

事務処理の機械化や電子商取引の進展等により、これまで専ら文書により作成されてきたものが電磁的記録により作成されるいわゆるペーパーレス化が進展しつつあるが、文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されないこととなるのは御指摘のとおりである。

参議院 第162回国会 答弁書第九号(内閣参質162第9号・平成17年3月15日・内閣総理大臣 小泉純一郎)

国税庁の見解(根拠1)・基本通達(根拠2)に加えて、内閣が国会で正式に「電磁的記録により作成されたものについて課税されない」と答弁した記録があることで、電子契約が印紙税の対象とならないという整理は法令・通達・行政答弁の3層で裏付けられています。社内資料には3根拠のすべてを出典リンクとともに添付するのが最も説得力のある提示です。

出典・参考資料(4件)

電子契約への切り替えで削減できる年間印紙代の試算

電子契約に切り替えると印紙税がゼロになるため、年間の削減額は「契約件数 × 1件あたり印紙税」で試算できます。規模感の目安として、業種別3例で試算します。自社の件数と平均契約金額に置き換えれば、実額の削減効果を計算できます。

業種・想定シナリオ年間契約件数平均契約金額・税額根拠1件あたり印紙税年間削減額
建設業(工事請負契約書)50件平均5,000万円/第2号・1,000万円超5,000万円以下(軽減後)1万円50万円
広告代理店(広告請負契約書)100件平均800万円/第2号・500万円超1,000万円以下(本則)1万円100万円
IT開発(システム開発請負契約書)30件平均3,000万円/第2号・1,000万円超5,000万円以下(本則)2万円60万円
建設工事の請負契約書は令和9年3月31日までの軽減措置適用後、広告請負・IT開発の請負は建設工事に該当しないため本則税額を適用。

削減額は印紙代そのものに限定した計算です。実務ではこれに加えて、印紙の購入・貼付・消印・製本・郵送・保管の工数削減、貼り忘れによる過怠税リスクの解消、契約締結までのリードタイム短縮による営業機会の拡大といった効果も見込めます。自社の契約件数と平均金額を上表の式に当てはめて、まずは印紙代削減の下限値を確認するところから始めてください。

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契約書の周辺で発生する印紙税のケース

手元の契約書1本の判定が終わっても、実務では覚書・領収書・継続的取引の基本契約書といった周辺文書の印紙税判断が続きます。よく発生する3つのケースを整理します。

第7号 継続的取引基本契約書は一律4,000円

売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、業務委託契約書(継続的取引の基本を定めるもの)、銀行取引約定書などは第7号文書に該当し、契約金額の記載の有無にかかわらず一律4,000円の印紙税が課されます。ただし契約期間が3か月以内で、かつ更新の定めのないものは第7号から除外されます。

長期継続契約でこの4,000円を毎年更新のたびに支払うのが負担になっているケースは、電子契約への切り替えで削減効果が確実に出る領域です。

変更覚書・変更契約書に印紙が必要になるケース(重要事項の判定)

「覚書」「念書」といった表題の変更文書が課税文書となるかは、原契約書の「重要な事項」を変更しているかで判定されます。国税庁の具体例では、工事請負契約書(原契約書)の「工事代金の支払方法」を変更する覚書は、第2号文書の重要事項(契約金額の支払方法)を変更するものとして、原契約書と同じ第2号文書扱いになります。

「重要な事項」の一覧は印紙税法基本通達別表第2に文書の種類ごとに例示されているため、覚書を作成する前に該当する項目に触れているかを確認する運用が有効です。

領収書は5万円以上で印紙が必要(第17号 領収証書の5万円基準)

売上代金の領収書は、記載金額が5万円未満なら非課税、5万円以上100万円以下で200円、以降金額区分に応じて印紙税額が上がります。前掲の消費税抜き記載の節約と組み合わせると、「税抜48,000円+消費税4,800円・合計52,800円」の区分記載で記載金額を48,000円に抑え、5万円未満の非課税とする運用が可能です。

契約書ではありませんが、印紙税実務では領収書の判定を求められる場面が多く、あわせて押さえておくと迷わずに済みます。

出典・参考資料(2件)

印紙税ゼロで運用できる電子契約サービス

電子契約に切り替えれば、契約書1本ごとの印紙税判定・購入・貼付・消印・郵送の工数がなくなり、印紙代そのものもゼロになります。

ここでは、印紙税ゼロで運用できる代表的な電子契約サービスとして、導入実績が国内最大規模の大手3社(クラウドサイン/電子印鑑GMOサイン/WAN-Sign)と、中小企業・個人事業主の少額プランに特化した1社(契約大臣)を並置します。署名方式・料金体系・無料枠・実績で比較してください。

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サービス名クラウドサイン電子印鑑GMOサイン契約大臣WAN-Sign
提供会社弁護士ドットコム株式会社GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社株式会社TeraDox株式会社NXワンビシアーカイブズ
署名方式立会人型(標準)
当事者型(マイナンバーカード署名)
立会人型/当事者型/ハイブリッド立会人型(電子サイン・無料)
事業者署名型(電子署名・有料オプション)
当事者型/立会人型/ハイブリッド
無料プランフリープラン
月2件・ユーザー1名
電子署名+認定タイムスタンプ付与
お試しフリープラン
月5件・ユーザー1名
立会人型のみ
フリープラン
累計2件・ユーザー1名
認定タイムスタンプ付与
基本プラン
立会人型10件/月・当事者型3件/月
データ管理累計10件まで無料
ユーザー数無制限
有料プラン最小月額11,000円(税抜)
Lightプラン
8,800円(税抜・年間契約)
ライトプラン
4,400円(税込・月払い)
年払い月額換算2,020円(税込)
スタータープラン
月額固定費なし
基本プラン0円+従量課金
送信料220円/件(税抜)立会人型100円/件
当事者型300円/件
(いずれも税抜)
送信単価なし(プランごとに月間送信上限)
電子署名オプション220円/送信(税込)
スポット送信550円/通(税込・有料プラン専用)
立会人型100円/件
当事者型300円/件
(いずれも税抜)
電子帳簿保存法対応全プランで認定タイムスタンプ標準付与
フリープランは検索要件など一部が利用者側の個別対応
JIIMA認証(契約印&実印プラン向け)
認定タイムスタンプ標準付与
対応
書類保管機能(月額5,500円〜のオプション、税込)でスキャナ保存要件に準拠
JIIMA認証(令和5年改正法令基準)
3保存方法すべて対応
主要認証ISO/IEC 27001・27017
SOC2 Type1・ISMAP登録
ISO/IEC 27001・27017
SOC2 Type2・ISMAP登録
公式サイト上で第三者認証の記載を確認できずISO/IEC 27001・27017
ISO 9001・プライバシーマーク
導入実績導入250万社以上
累計送信4,000万件超(2024年度)
地方自治体380超
350万社以上(2026年3月末時点)
上場企業3,276社(約84%)
累計送信5,000万件超
公式サイト上に具体的な導入社数の記載なし4,000社以上
(NXワンビシアーカイブズ全体の顧客規模/金融機関200社超・上場企業450社超)
紙契約書との一元管理書類インポート(Corporateプラン以上)で他社ツール締結分・紙のスキャン書類を取り込み一元管理スキャン文書管理・AI自動入力で紙契約書のデータ取込に対応PDFアップロード対応
書類保管機能(有料オプション)で紙のスキャナ保存を含む一元管理
他社締結PDF・書面契約(紙原本)を登録し一元管理
紙原本は運営会社の情報管理センターでの書類保管サービスと連携
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサインの公式サイト

弁護士ドットコム株式会社が運営する事業者署名型(立会人型)標準の電子契約サービス。書類のアップロードから電子署名・認定タイムスタンプ付与・保管・検索までをオンラインで完結できます。導入社数は250万社以上、累計送信件数は4,000万件超(2024年度実績、公式トップページ)と国内での運用規模が大きく、社内資料で引用しやすい実績値が揃っています。

Lightプランは月額11,000円(税抜)・送信料220円/件(税抜)で、全プランに総務大臣認定タイムスタンプが標準付与され電子帳簿保存法の真実性・検索要件に対応します(フリープランは検索要件など一部が利用者側の個別対応)。フリープランではユーザー1名・月2件までを電子署名+タイムスタンプ付きで無料送信でき、印紙税ゼロ運用を少数の契約から試すスモールスタートに使えます

Salesforce・サイボウズ・kintoneなど100以上の外部サービス連携に加え、書類インポート(Corporateプラン以上)で他社ツール締結分や紙のスキャン書類も取り込んで一元管理できます。地方自治体での導入は380自治体超(弁護士ドットコム プレスリリース時点)で、公的機関の採用実績が内部統制・監査面での説明材料になります。

2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

電子印鑑GMOサインの公式サイト

GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社(GMOインターネットグループ)が提供する電子契約サービス。立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の2署名方式に加え、両者を組み合わせたハイブリッド署名にも対応します。デジタル庁・法務省・財務省の3省庁からグレーゾーン解消制度に基づく適法性確認を2021年10月に取得しており、社内資料の法的根拠として提示できます。

送信料は立会人型100円/件(税抜)・当事者型300円/件(税抜)、有料プランはユーザー数無制限で、最安のライトプランは年間契約で月額8,800円(税抜)から。初期費用0円・月額0円の「お試しフリープラン」を期間制限なく利用でき、月5件まで立会人型で契約書送信を実際に試せるため、印紙税削減効果の試算と実地検証を並行して社内資料に載せられます。

電子帳簿保存法についてはJIIMA認証(電子取引ソフト法的要件認証)を「契約印&実印プラン」で取得し、ISO/IEC 27001・27017・ISMAP・SOC2 Type2をGMOサイン本体で保有しています。上場企業3,276社(日本取引所上場企業3,920社の約84%、2026年3月末時点)の利用実績も公式トップページに記載されています。

3. 契約大臣(株式会社TeraDox)

契約大臣の公式サイト

株式会社TeraDoxが2021年5月から提供する電子契約システムで、中小企業・個人事業主・スタートアップ向けの料金体系に振っている点を訴求しています。立会人型の「電子サイン」(認定タイムスタンプ付き)を基本機能とし、取引先はメール記載のURLから内容を確認・合意するだけで締結できるため、受信側にアカウント登録を求めずに導入できます。

初期費用は全プラン無料。有料の最小プラン「スタータープラン」は月払い4,400円(税込)、年払いなら月額換算2,020円(税込)と、印紙代1〜2件分の水準から導入できます。フリープランでも認定タイムスタンプ付きの電子サインを累計2件まで無料送信でき(2026年4月改定)、送信件数が少ない事業者は無料枠の範囲で印紙税ゼロ運用に切り替えられます

事業者署名型の「電子署名」(1送信220円、税込)と、有料プランの月間送信上限到達時に1件550円(税込)で追加購入できるスポット送信(2026年4月提供開始、フリープランは対象外)もオプションで用意されています。書類保管機能(月額5,500円〜、税込)を追加すると電子帳簿保存法のスキャナ保存要件にも対応できます。

4. WAN-Sign(株式会社NXワンビシアーカイブズ)

WAN-Signの公式サイト

文書保管・機密書類保管を本業とする株式会社NXワンビシアーカイブズ(NXグループ/日本通運グループ)が、GMOインターネットグループと共同開発した電子契約・契約管理サービス。当事者型(実印版)・立会人型(認印版)・ハイブリッド版の3締結方式に対応し、契約ごとに本人性のレベルを選べます。

料金は初期費用0円・月額固定費0円の「基本プラン」に主要機能が標準搭載され、送信件数に応じた従量課金モデルです。立会人型(認印版)は月10件まで無料・以降100円/件(税抜)、当事者型(実印版)は月3件まで無料・以降300円/件(税抜)、ユーザー数は無制限で、印紙代分をそのまま送信料に置き換えて試算できます。

他社の電子署名済みPDFや書面契約(紙原本)も登録・一元管理でき、紙原本自体は運営会社の情報管理センターでの書類保管サービスと連携できるため、紙契約書との併存期間が長い企業でも一元管理へ移行できます。JIIMA認証(令和5年改正法令基準、3保存方法すべて)を取得し、金融機関・官公庁・医療機関などセキュリティ・内部統制要件の高い領域での導入実績があります。

より多くの電子契約サービスを機能・料金・実績で比較したい場合は、電子契約システム全体の比較まとめ記事で20社超をタイプ別に整理しています。

まとめ

契約書に貼る収入印紙の判断は、次の順で進めれば迷わずに済みます。第1に、契約書のタイトルから該当号(第1号/第2号/第7号/不課税)を判定します。業務委託契約書は成果物の完成義務・継続的取引の基本かどうかで3経路に分岐します。

第2に、該当号の税額表で契約金額に対応する印紙税額を確定します。不動産譲渡(10万円超)・建設工事請負(100万円超)は令和9年3月31日までの軽減措置が適用されます。第3に、消費税額を区分記載していれば税抜き金額で判定できるため、境目付近の契約書では印紙代を節約できます。

貼付後は当事者一人による消印を忘れずに行い、貼り忘れに気付いた時点で自主申告すれば過怠税は3倍から1.1倍に軽減されます。件数が積み上がって印紙代・工数・過怠税リスクが経営課題になってきた場合は、電子契約への切り替えが有効です。

国税庁の質疑応答事例・印紙税法基本通達・2005年国会答弁書の3段構えの法的根拠に加え、業種別の年間削減額(本記事の試算例では50〜100万円規模)を社内資料に添えれば、意思決定の材料としては十分です。

情報基準日:令和8年4月1日/最終更新日:2026年8月25日。税額表・軽減措置の適用期限は国税庁タックスアンサー No.7140・No.7141・No.7108 に基づき記載しています。最新版は各出典リンク先の国税庁ページでご確認ください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 印紙税と印紙代(収入印紙代)の違いは何ですか?

「印紙税」は印紙税法で課される国税そのもの、「印紙代」は実務で使われる呼び名で、収入印紙を購入・貼付するための支出金額を指します。両者は同じ金銭負担を別の側面から言い換えたもので、税務上は「租税公課」として損金算入されます(過怠税分は損金不算入)。

稟議書や社内資料では「印紙代」、税法・国税庁の一次情報では「印紙税」と表記されることが多く、本記事ではどちらの用語で調べても該当箇所に辿り着けるよう併記しています。

Q. 契約書のコピー(写し)にも収入印紙は必要ですか?

契約書の単なるコピー(複写)には印紙税はかかりません。印紙税法上、課税文書は「所定の事項を証明する目的で作成されたもの」に限られ、原本のみが該当するためです。

ただし、コピーに「原本と相違ない」旨の証明文言を付けて署名・押印した場合や、当事者が改めて署名押印して原本性を持たせた場合は、新たな課税文書の作成とみなされて印紙税が発生します。社内保管用の単純複写であれば印紙は不要ですが、取引先へ交付する写しに証明文言を付ける運用にしていないかは確認しておくと安心です。

Q. 契約書の収入印紙は当事者のどちらが負担しますか?

契約書の印紙税は、原則として契約書の作成に関与する当事者双方が連帯して納税義務を負います(印紙税法第3条2項)。実務では、契約書を2通作成して各当事者が原本を1通ずつ保管する場合、それぞれが自分の保管分の印紙代を負担する運用が一般的です。

不動産取引などで原本1通のみを作成する場合は、印紙代を折半とすることが多く見られます。下請法が適用される取引では下請事業者に一方的に負担させることが問題となる場合があるため、契約時に印紙代の負担区分を明記しておくと後日のトラブルを防げます。

Q. 契約書を2通作成した場合、それぞれに収入印紙が必要ですか?

契約書を2通作成した場合、原本・正本として作成した各通ごとに印紙を貼る必要があります。印紙税は文書ごとに課される仕組みのため、2通なら2通分、3通なら3通分の印紙代がかかります。片方を「正本」もう片方を「副本」と呼び分けても、副本に当事者が署名押印して原本性を持たせている限り課税対象です。

印紙代を節約したい場合は、原本を1通のみ作成して当事者一方が保管し、もう一方は原本性のない単純コピーを保持する運用に切り替えれば、印紙代は1通分で済みます。件数が積み上がる契約類型では、電子契約への切り替えで印紙代自体を消せます。

Q. 収入印紙を間違えて多く貼ってしまった場合、還付は受けられますか?

本来必要な額を超えて印紙を貼ってしまった場合や、非課税文書・不課税文書に誤って印紙を貼った場合は、税務署に「印紙税過誤納確認申請書」を提出することで還付を受けられます。還付請求権は納付の日から5年で消滅時効にかかるため、気付いた時点で早めに手続きを進めるのが実務判断です。

一度消印した印紙を剥がして別の文書に流用することはできず、また契約書自体を破棄した後では原則として還付を受けられないため、原本を保管したまま税務署へ相談してください。

Q. 海外の企業との契約書にも日本の印紙税はかかりますか?

印紙税は、契約書が日本国内で作成(署名・押印)された場合に課税されます。海外で作成された契約書には日本の印紙税はかかりません。海外企業との契約であっても、国内で署名押印すれば日本の印紙税の対象となり、海外側で最終署名した通は対象外となります。

日本と海外で2通作成して1通ずつ保管する場合は、日本国内で作成された通にのみ印紙税が発生します。国境をまたぐ契約では、どちらで最終署名を行うか(作成地)で印紙税の要否が変わる点に注意してください。

Q. 印紙を貼り忘れたまま契約書を交わした場合、契約は無効になりますか?

印紙を貼り忘れても、契約自体は有効に成立します。印紙税法は文書作成者に印紙税の納付を義務付ける税法であって、契約の効力を規律する法律ではないため、印紙の有無は契約の成立・履行・裁判での証拠能力に影響しません。

ただし、貼り忘れが税務調査で発覚すれば本来税額の3倍の過怠税が徴収されるため、契約が有効であることと納税義務を果たすことは別問題です。気付いた時点で税務署に「印紙税不納付事実申出書」を提出して自主申告すれば、過怠税は1.1倍に軽減されます。

Q. 電子契約は取引先に受け入れてもらえますか?社内での説得材料は?

電子契約の受け入れは年々広がっており、大手サービス(例:クラウドサインが導入社数250万社超、電子印鑑GMOサインが日本取引所上場企業の約84%で利用)を中心に、取引先が既にアカウントを持っているケースが多い状況です

社内で説明する場面では、印紙代・郵送費・保管費の削減試算(本記事の業種別試算参照)、契約締結までのリードタイム短縮(郵送1週間→即日)、電子帳簿保存法への対応、事業者署名型(立会人型)なら受信側の登録不要で受け入れハードルが低いこと、を根拠として提示するのが有効です。

取引先が電子契約を拒む場合は、紙契約を残す例外運用を初期は許容し、段階的に電子化率を上げていく併用期間を設ける進め方が現実的です。

Q. 立会人型と当事者型の違いはどう判断すればよいですか?

事業者署名型(立会人型)は受信側にアカウント登録を求めず送信料も安価に抑えられるため、取引先との受け入れやすさとスモールスタートを重視する場面に向きます。当事者型は電子証明書に基づく実印相当の署名で、内部統制や監査要件の厳しい取引・高額契約で選ばれます。両者を組み合わせるハイブリッド対応も可能です。

判断軸は次の3点で整理できます。第1に、自社の署名要件(認印相当で足りるか/実印相当が必要か)。第2に、料金水準(立会人型の送信料は例として100〜220円/件(税抜)、当事者型は300円/件前後)。第3に、取引先が既に利用しているサービスの実績(例:クラウドサイン導入250万社以上、電子印鑑GMOサイン350万社以上)。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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