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ビジュアルIVR比較12選|SMS・Web・アプリの誘導方式別に料金と機能を整理

ビジュアルIVR 比較12選のサムネイル画像

問い合わせが集中する時間帯に電話がつながらず、応答前に切られてしまう放棄呼が積み上がっていませんか。音声ガイダンスを最後まで聞かせてから番号を押させる仕組みでは、1件あたりの通話時間が伸び、待ちきれない顧客が切ってしまいます。

FAQサイトやチャットボットを用意しても、顧客は結局電話をかけてきます。用意したチャネルに気づいてもらえていないことが、理由の一つです。この状況を変える手段として、音声ではなくスマートフォンの画面に用件の選択肢を表示し、顧客自身に選ばせる「ビジュアルIVR」を導入するコンタクトセンターが増えています。

本記事では、ビジュアルIVRの仕組みと音声IVRとの違いを整理したうえで、主要12サービスを誘導方式・料金・連携先で比較します。導入するかどうかの判断に必要な、向く窓口・向かない窓口の見極め方や、SMS通数課金まで含めた費用の考え方も解説しています。導入後に画面を使ってもらうための運用設計と、顧客の携帯番号へURLを送るときに確認する法令まで扱います。

また、今すぐ各サービスを見比べたい方に向けてビジュアルIVRの比較表を、自社に合う方式とサービスを短時間で絞り込みたい方に向けて30秒で終わる選定診断ツールをご用意しています。

ビジュアルIVRとは?電話をかけてきた顧客に画面で用件を選ばせる仕組み

ビジュアルIVR(Visual IVR)とは、従来のIVR(自動音声応答システム)が音声で読み上げていた用件の選択肢を、スマートフォンやパソコンの画面に表示して顧客に選ばせる仕組みです。顧客は画面上のメニューをタップし、FAQページ・チャットボット・有人チャット・Webフォーム・コールバック予約など、自分の用件に合った窓口へ直接進めます。

電話をかけてきた顧客をそのままオペレーターにつなぐのではなく、電話以外の解決手段へ振り分ける点が特徴です。定型的な問い合わせを画面上で完結させることで、有人対応が必要な問い合わせにオペレーターを集中させられます。

電話をかけてから画面が開くまでの流れ

ビジュアルIVRで電話をかけてから画面が開くまでの流れ。電話が着信、音声ガイダンス、SMSでURL送信、メニュー画面、誘導先へ到達の5ステップを示した図解

もっとも多く使われているのは、電話の着信を起点にする形です。顧客がコンタクトセンターに電話をかけると、まず音声ガイダンスが「画面で確認する場合はこのままお待ちください」といった案内を流します。

顧客が同意すると、システムが発信元の携帯番号あてにビジュアルIVRのURLをSMSで自動送信します。顧客がURLを開くと、用件の選択肢が並んだ画面が表示されます。あとは該当する項目をタップするだけで、FAQやチャットボットなどの解決手段に到達できます。

この流れは電話回線をいったん切ったあとも継続します。顧客は保留音を聞きながら順番を待つ代わりに、自分のタイミングで画面を操作できます。オペレーターの空きを待つ時間がなくなるのがこの方式の効果で、SMSが届くまでの数秒から数十秒や、画面で解決できなかったときに電話へ戻る手間まで消えるわけではありません。戻り先の設計は運用設計のセクションで扱います。

音声IVRとの違いは、番号を聞いて押させるか、画面で選ばせるか

音声IVRとビジュアルIVRは、顧客への案内手段が根本的に異なります。音声IVRは選択肢を順番に読み上げるため、顧客は最後まで聞かなければ全体像を把握できません。ビジュアルIVRは選択肢を一覧で表示するので、必要な項目だけを見つけて選べます。

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比較項目音声IVRビジュアルIVR
案内の手段音声ガイダンスの読み上げ画面に表示したメニュー
選択肢の見え方順番に読み上げられるため、聞き終わるまで全体がわからない一覧で表示され、全体を見てから選べる
顧客の操作電話機のプッシュ操作(ダイヤル)画面のタップ・クリック
聞き直し・やり直し階層を戻ると再度読み上げを聞く必要がある画面を戻るだけでやり直せる
誘導できる先オペレーター・別の音声メニュー・録音受付FAQ・チャットボット・有人チャット・Webフォーム・コールバック予約・オペレーター
必要な端末固定電話・携帯電話のいずれでも利用できる画面を表示できるスマートフォン・パソコンが必要

大きな差が出るのは、誘導できる先の広さです。音声IVRは電話の中で完結する手段しか案内できません。ビジュアルIVRは画面上のリンクとして提示できるため、すでに用意してあるFAQやチャットボットへ顧客を直接送り込めます。

一方で、ビジュアルIVRは顧客が画面を表示できる端末を持っていることが前提になります。両者は置き換えの関係ではなく、音声IVRを残したまま画面の選択肢を足す形で併用する構成が一般的です。

ビジュアルIVRでできること

製品によって搭載範囲は異なりますが、ビジュアルIVRが担う機能は大きく4つに整理できます。

複数チャネルへの振り分けは中心的な機能です。用件ごとにFAQページ・チャットボット・有人チャット・Webフォーム・コールバック予約・オペレーター接続のどこへ送るかを設定し、画面のメニュー項目と紐づけます。

電話着信との連携により、着信した電話番号あてにURLを自動送信したり、待ち時間や混雑状況を画面に表示したりできます。営業時間外には表示内容を切り替え、翌営業日のコールバック予約へ誘導する運用も可能です。

顧客情報の受け渡しでは、画面上で入力された情報や選択した用件を、既存の顧客管理システムやオペレーターの画面へ引き継ぎます。有人対応に切り替わったとき、顧客が最初から説明し直す手間を減らせます。

利用状況の分析は、導入後の改善に直結する機能です。どのメニューが選ばれたか、どこで離脱したかを記録し、メニュー構成の見直しに使います。搭載の有無と粒度は製品差が大きいため、選定時の確認項目になります。

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顧客に画面をどう届けるか|ビジュアルIVRの3つの誘導方式

ビジュアルIVRを比べるとき、最初に決めるべきなのは顧客に画面をどうやって届けるかです。届け方によって、必要な準備も費用の出方も変わります。

ビジュアルIVRの3つの誘導方式の比較図。電話の着信を起点にSMSでURLを送る方式、電話をかける前のWebサイトに組み込む方式、自社アプリに組み込む方式について、届け方・必要な準備・費用の出方を並べた図解
← 横にスクロールできます →
誘導方式電話着信からSMSでURLを送るタイプWebサイトの問い合わせ導線に組み込むタイプ専用アプリに組み込むタイプ
どうやって画面を開かせるか着信した電話番号あてに、ビジュアルIVRのURLをSMSで自動送信する自社サイトの「お問い合わせ」ボタンや電話番号の表示を、ビジュアルIVRの起動ボタンに置き換える自社アプリの中にメニュー画面を表示する。プリインストールアプリが着信に合わせて自動起動する形もある
自社に必要な準備既存の電話番号と音声IVRをそのまま使える。アプリの開発も不要自社サイトへのタグ設置・ボタン改修が必要自社アプリの保有と、アプリ改修・審査を回せる体制が前提
費用の出方初期費用・月額に加えて、SMSの通数に応じた従量課金が積み上がる初期費用・月額が中心で、SMSを使わなければ通数課金は発生しない初期費用・月額に加えて、アプリ側の開発・改修費用がかかる
向いている窓口電話が集中して待たせている窓口。あふれ呼・時間外の受け皿として追加しやすい電話をかける前の段階で用件を受け止めたい窓口。自己解決させる使い方と、用件を先に聞き取って電話応対を短くする使い方の両方がある会員IDと紐づけた個別案内まで踏み込みたい窓口
該当する主なサービスオーロラIVR by TeleForce、モバイルウェブ ビジュアルIVR、あふれ呼IVR SMS、ビジュアルIVR(アルティウスリンク)、TMJ Visual IVR、telmee ビジュアルIVR、ビジュアルIVR(NTTネクシア)、ビジュアルIVR「Eye」Visual IVR(モビルス)、ビジュアルIVR「Eye」、FastNavigation、QANT コネクト、ビジュアルIVR(アルティウスリンク)TMJ Visual IVR
詳細比較表を見る比較表を見る比較表を見る

※各方式に対応するサービスは、各社の公式情報で確認できた範囲で記載しています。複数の方式に対応するサービスは重複して掲載しています。

※DEC Visual IVRは顧客への画面の届け方が公式に記載されていないため、この表では方式を特定していません。FastNavigationは公式2ページで記述が分かれるため、Webサイトへの表示のみを挙げています。オーロラIVR by TeleForceはSMSでURLを送る方式に該当しますが、リンク先に画面メニューを用意できるかは公式に記載がありません。

電話着信からSMSでURLを送るタイプ

この方式が選ばれる最大の理由は、すでに公開している電話番号と音声IVRをそのまま使える点にあります。顧客に新しい行動を覚えてもらう必要がなく、既存の窓口構成を変えずに追加できます。

導入効果が出やすいのは、あふれ呼と時間外の入電です。オペレーターが全員応対中で待たせている状態や、営業時間外にかかってきた電話に対して、画面の選択肢を提示して自己解決へ回せます。電話をかける行動を変えさせる必要がないため、顧客側の学習コストもかかりません。

費用面では、初期費用と月額に加えて通数に応じた従量課金が乗ります。入電数が多い窓口ほど、この部分が月額を上回ることもあります。

また、SMSを受け取れるのは携帯電話番号からの発信に限られます。固定電話からかけてくる顧客が多い窓口では、この方式だけでは届かない層が残ります。

Webサイトの問い合わせ導線に組み込むタイプ

この方式の狙いは、顧客が電話をかけようとする直前に画面を提示して、入電そのものを手前で減らすことです。用途は自己解決だけではありません。Web側で困りごとを選ばせて問い合わせ番号を発行し、その番号で電話をかけてもらう製品もあります。用件と閲覧履歴が先にオペレーターへ渡るため、通話時間の短縮を狙う使い方です。

表示の形式は製品によって幅があります。ページ内に埋め込む形、右下に小窓で出す形、ポップアップで開く形、専用ページへリンクする形などから選べる製品もあり、サイトのデザインを崩さずに設置できます。

SMSを使わない構成にすれば通数課金は発生しません。その代わり、自社サイトへのタグ設置やボタンの改修が必要になるため、Web担当部署との調整が前提になります。すでに電話をかけてしまった顧客には届かない点も、SMS型との違いです。

専用アプリに組み込むタイプ

この方式だけができるのは、会員IDや契約内容と紐づけた個別の案内です。顧客はログイン済みの状態でアプリを開くため、「どの契約についてのお問い合わせですか」を聞き直す必要がありません。

端末にあらかじめ搭載されたアプリが、コンタクトセンターへの発信に合わせて自動的に立ち上がる形もあります。顧客がURLをタップする手間すら不要になるため、操作の負担はもっとも軽くなります。

導入のハードルは3方式のなかで高くなります。自社アプリを持っていることが前提で、メニューを変えるたびにアプリの改修とストア審査が必要になるためです。アプリを持たない企業には選択肢になりません。

ビジュアルIVRを導入するメリット

ビジュアルIVRを導入すると、コンタクトセンターの運営と顧客体験の両面が変わります。ただし効果の出方は誘導方式によって違います。1つ目の待ち時間・放棄呼と、3つ目の時間外対応は、電話の着信を起点にする方式(SMS型・アプリ型)でなければ得られません。残る2つは、どの方式でも共通して得られる効果です。

待ち時間と放棄呼が減り、つながらないことによる機会損失を防げる

入電が集中する時間帯は、オペレーターが全員応対中になり、後からかけてきた顧客を待たせることになります。待ちきれずに切られた電話は放棄呼となり、問い合わせの内容も残りません。日本コンタクトセンター協会は、放棄呼と、回線に電話が集中してあふれる状態(オーバーフロー、あふれ呼)を次のように定義しています。

放棄呼
コンタクトセンターの交換機に着信したが、応答前に顧客から電話を切断された呼のこと。

オーバーフロー
電話回線にコールが集中して、コールが溢れること。あふれ呼ともいう。または、溢れた呼を他の電話回線に逃がして着信させること。

出典:コンタクトセンター/コールセンター用語集|一般社団法人日本コンタクトセンター協会

両者は別の現象です。回線があふれている状態(あふれ呼)を放置すると、待たされた顧客が切ってしまい放棄呼になります。ビジュアルIVRが受け止めるのは、この間にある「待たせている時間」です。

ビジュアルIVRは、待たせている顧客に画面の選択肢を提示することで、この行き止まりを解消します。顧客は保留音を聞き続ける必要がなくなり、自分のタイミングで用件を進められます。企業側は、これまで取りこぼしていた問い合わせを受け止められるようになります。

オペレーターの対応件数と1件あたりの通話時間を減らせる

コンタクトセンターに寄せられる問い合わせには、住所変更・配送状況の確認・支払い方法の変更といった定型的なものが一定の割合を占めます。これらは画面上のフォームやFAQで完結できる内容です。

定型的な用件を画面側で処理すると、オペレーターに残るのは判断や説明が必要な問い合わせだけになります。件数が減るだけでなく、用件を聞き取る時間も短縮されるため、1件あたりの通話時間にも効いてきます。

営業時間外・混雑時も顧客が自分で用件を進められる

営業時間外にかかってきた電話は、これまで「受付時間外です」という案内で終わっていました。顧客は翌営業日にかけ直す必要があり、そのまま離脱するケースもあります。

画面の選択肢を提示できれば、時間外でもFAQでの自己解決やWebフォームでの受付、翌営業日のコールバック予約まで進められます。オペレーターを増やさずに、受付できる時間帯を実質的に広げられる点が、この方式の効きどころです。

FAQ・チャット・Webフォームなど既存チャネルへ確実に送客できる

FAQサイトやチャットボットを整備したものの、想定したほど使われていないコンタクトセンターは少なくありません。理由は2つに分かれます。顧客がその存在に気づいていない場合と、たどり着いたが中身で解決できなかった場合です。

自社がどちらかは、FAQのアクセスログで見分けられます。そもそもの閲覧数が少ないなら気づかれていない側で、閲覧はされているのに直後に電話が来ているなら中身の側です。ビジュアルIVRが解けるのは前者だけで、後者ならFAQの記事を直すほうが先になります。

ビジュアルIVRは、電話をかけてきた顧客に対して、その用件に対応するチャネルを名指しで提示します。顧客がチャネルを探す必要がなくなるため、すでに投資したFAQやチャットボットが実際に使われる状態をつくれます。

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ビジュアルIVRのデメリットと導入前に押さえる注意点

導入しても顧客に使われなければ、入電は減りません。期待値を合わせるために、先に限界を確認しておきます。

画面が届かない顧客が一定数残る(「高齢層=届かない」ではない)

ビジュアルIVRは、顧客がスマートフォンで画面を開けることを前提にしています。フィーチャーフォンを使っている顧客や、固定電話からかけてくる顧客には、そもそもURLが届きません。

この層がどれくらい存在するかは、総務省の通信利用動向調査で確認できます。2025年(令和7年)の調査によると、スマートフォンの保有率は6歳以上の全体で78.9%、年齢階層別では60代が88.6%、70代が68.1%、80歳以上が33.0%です。モバイル端末をいずれも保有していない人の割合は、80歳以上で21.0%にのぼります。

出典・参考資料(1件)

数字を見ると、高齢層をひとまとめに「画面が届かない層」と扱うのは実態と合いません。60代までは9割近くがスマートフォンを持っており、段差が出るのは70代以降です。顧客層の年齢構成を確認したうえで、どの年代がどれだけ含まれるかで判断するほうが、実際の到達率に近い見立てになります。

端末を持っていても、届いたSMSのURLを開くこと自体に抵抗を感じる顧客もいます。いずれにしても画面型に一本化すると問い合わせ手段を失う顧客が出るため、音声IVRやオペレーター接続を残す前提で設計する必要があります。

画面を開く手間を嫌って離脱する顧客がいる

顧客の立場では、電話をかけたのにSMSを開いて画面を操作するという手順が増えます。急いでいる場面や、口頭で説明したい内容のときは、この一手間が負担に感じられます。

画面に切り替えたほうが早く解決すると伝わらなければ、顧客は画面を開かずに電話を待ち続けます。音声ガイダンスの文面で「画面なら待たずに手続きできる」という利点を明示できているかどうかが、実際の利用率を左右します。

メニュー設計を誤ると目的の項目にたどり着けず、結局電話に戻る

画面を開いても、自分の用件がどの項目に当たるのか判断できなければ、顧客はオペレーター接続を選びます。社内の部署名や商品カテゴリをそのままメニューにすると、この状態が起きやすくなります。

導入して終わりではなく、メニューを設計し直せる体制が要ります。誰がメニューを作り、使われ方を見て直していくのかを決められない場合、この注意点は解消できません。設計の具体的な進め方は運用設計のセクションで解説します。

初期費用・月額に加えてSMS通数課金が積み上がる

SMSでURLを送る方式を選ぶと、固定費とは別に送信通数ぶんの費用が発生します。入電のたびに送信する設定にしていれば、費用は入電数に比例して増えていきます。

この構造の厄介なところは、画面が使われるほど費用が増える点にあります。導入効果が出て送信対象を広げるほど通数が伸びるため、削減できたオペレーターコストと相殺して見ないと、社内で「費用が増えた」という話になりかねません。単価と試算の方法は料金のセクションで扱います。

ビジュアルIVRの導入が向く窓口・向かない窓口

同じ仕組みでも、窓口の性質によって成果の出方は大きく変わります。自社の窓口が当てはまるかどうかを、先に確認しておきます。

向いている窓口

もっとも効果が出やすいのは、定型的な問い合わせが入電の多くを占める窓口です。住所や支払い方法の変更、配送状況の確認、各種手続きの申し込みといった用件は、画面上のフォームやFAQで完結できます。

誘導先のチャネルがすでに揃っていることも条件になります。FAQサイト・チャットボット・Webフォーム・コールバック予約のいずれかが稼働していれば、画面から送り込む先を用意できます。逆に電話しか窓口がない状態では、画面を出しても行き先がありません。

入電が特定の時間帯に集中する窓口も適しています。昼休みや週明けなど、オペレーターの人数では吸収しきれない山があるなら、その時間帯の受け皿として機能します。顧客層が携帯電話から電話をかけてくる割合が高いことも、SMS型を選ぶ前提として確認しておきます。

向かない窓口

誘導先のチャネルがない窓口では、導入しても効果が出ません。画面を提示しても、選択肢の先がすべてオペレーター接続になるなら、顧客に手間を追加しただけの結果になります。FAQやチャットの整備が先です。

固定電話からの入電が中心の窓口も慎重に検討する必要があります。SMSが届かないため、画面型に寄せるほど届かない顧客の割合が増えます。この場合は音声IVRを主にしたまま、画面を補助として足す構成が現実的です。

個別性の高い相談が中心の窓口も適しません。トラブル対応やクレーム、契約内容に踏み込んだ相談は、選択肢に落とし込めません。無理にメニュー化すると、顧客が該当する項目を見つけられず、かえって不満を招きます。

画面が届かない顧客の割合が高い窓口では、音声のまま自動応答させる仕組みを併せて検討する手もあります。ボイスボットは顧客が話した用件をAIが聞き取って応答するため、番号を押させる階層をたどらせずに、固定電話やフィーチャーフォンからの入電も受けられます。どちらが自社の顧客層に合うかを見比べたい場合は、以下の記事で料金と対応範囲を確認できます。

業種別の活用シーン

向き・不向きの条件を自社に引き寄せるために、業種ごとの使いどころを、どの誘導方式が合いやすいかとあわせて整理します。

EC・通販では、配送状況の照会・返品交換の受付・注文内容の変更が入電の中心になります。いずれも注文番号と紐づけて画面で処理できるため、セール期間などの入電の山を吸収しやすい領域です。顧客のほぼ全員が携帯電話からかけてくるためSMS型が入りやすく、自社サイトからの流入が多ければWeb型で入電の手前を押さえる選択もできます。

保険・カードでは、住所や口座の変更、利用明細の確認、各種証明書の再発行といった手続きが対象になります。本人確認を伴う手続きは会員サイトへ、確認だけで済む用件はFAQへと振り分ける設計が取られます。会員アプリを持つ企業が多いため、ログイン済みの状態で契約内容に紐づけた案内ができるアプリ型が選択肢に入る数少ない領域です。

通信では、料金プランの確認・契約内容の照会・故障の切り分けが多く寄せられます。故障については、画面上で症状を選ばせて対処手順を提示し、解決しない場合だけオペレーターにつなぐ流れが組めます。切り分けの手順が長くなるため、電話をかける前に画面で受け止めるWeb型と相性がよい領域です。

公共・自治体の窓口では、手続きの必要書類や受付場所の案内が繰り返し発生します。制度改正や災害時など入電が急増する場面で、案内内容を画面側に集約しておくと、電話回線の逼迫を抑えられます。ただし固定電話からの入電が一定の割合で残るため、SMS型を採るなら音声IVRを主にしたまま補助として足す構成が前提になります。

医療機関では、診療時間の確認や予約の受付・変更が中心です。診療中は電話に出られない時間帯が生じるため、画面から予約システムへ直接誘導する構成が向いています。応対できない時間帯の入電を受け止める使い方になるため、着信を起点にするSMS型が中心になります。

ビジュアルIVRの料金|初期費用・月額・SMS通数課金の考え方とサービス別の実額

ビジュアルIVRの費用は、月額料金だけを比べても実際の支払額に届きません。課金項目の読み方を押さえたうえで、公式に公開されている実額と、自社の入電数を当てはめた試算まで順に見ていきます。

料金体系の読み方

費用は大きく4つの項目に分かれます。初期費用は、環境の構築とメニュー画面の初期作成にかかる一時費用です。画面のデザインをどこまで作り込むかで金額が変わり、テンプレートを使う場合と個別に作る場合で差が出ます。

月額固定費は、システムの利用料です。設置する窓口の数や、公開するメニュー画面の数(ドメイン単位で課金する製品もあります)で段階が分かれる料金体系が見られます。

SMS通数課金は、SMSでURLを送る方式にだけ発生します。1通あたりの単価が決まっており、送信した通数ぶんが月額とは別に請求されます。

画面・シナリオの改修費用は見落としやすい項目です。管理画面から自社で編集できる製品なら追加費用は発生しませんが、ベンダーへ依頼する契約では、変更のたびに作業費がかかります。メニューは運用しながら見直すものなので、年間の改修回数を想定して確認しておきます。

このうちSMS通数課金は、提示された単価が妥当かどうかを社内で説明しづらい項目です。1通あたりの相場観や、到達率を左右する送信経路の違いは、以下の記事にまとめています。

サービス別の初期費用・月額

本記事で比較する12サービスのうち、初期費用と月額を公式に公開しているのは3社、SMSの通単価を公開しているのは2社です。残りは個別見積もりで、公式サイトに金額の記載がありません。

この領域は窓口の規模や設定する画面の数で価格が変わるため、見積もりが基本になっています。以下の表は、公式に確認できた金額をそのまま並べたものです。

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サービス名オーロラIVR by TeleForceモバイルウェブ ビジュアルIVRあふれ呼IVR SMSビジュアルIVR(アルティウスリンク)TMJ Visual IVRtelmee ビジュアルIVRビジュアルIVR(NTTネクシア)Visual IVR(モビルス)ビジュアルIVR「Eye」FastNavigationQANT コネクトDEC Visual IVR
提供会社株式会社メディア4uNTTドコモビジネスX株式会社株式会社電話放送局アルティウスリンク株式会社株式会社TMJ株式会社ソフトフロントジャパン株式会社NTTネクシアモビルス株式会社株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニューテクマトリックス株式会社株式会社RightTouchトランスコスモス株式会社
初期費用非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)100,000円〜非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)200,000円(税別)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)1,900,000円〜(要見積り)
月額費用非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)70,000円〜
(月間1,000件の着信・1,000通のSMSを含む)
超過分は着信1件25円
非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)48,000円(税別)〜
(設定サポート付きのPremiumは78,000円)
非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)
(1ドメインごとに課金)
非公開(要問い合わせ)200,000円〜(要見積り)
SMS通単価10円/通公式に記載なし15円/通
(月間1,000通を超えた分)
公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし
(従量課金の項目はあり)
公式に記載なし
(SMS送信はボイスボット連携時)
公式に記載なし公式に記載なし
(SMSは通話中の本人確認・手続きURL送付に使用)
公式に記載なし

※2026年8月時点で各社の公式サイト・公式資料に記載されている情報にもとづきます。税別・税込の表記は各社で異なります。

公開されている金額は、初期費用10万円台・月額数万円台から始まる製品と、初期費用190万円・月額20万円という製品まで、桁がひとつ違います。想定している窓口の規模が製品ごとに違うためですが、各社とも「何席・月何件の窓口向けか」を公表していないため、金額だけを見て自社に合う価格帯を選ぶことはできません。

規模感をつかむ手がかりになるのは、料金を公開している製品のプラン内容です。月額70,000円のプランに着信1,000件とSMS1,000通が含まれる設計になっており、これを超える窓口は超過課金か上位プランの領域に入ります。

月間入電が数百件までなら公開価格帯の下限で収まり、月数千件を超えるなら初期費用・月額とも桁が上がる製品が候補になる、という程度の目安には使えます。ただしこれは1社の料金表から読み取れることで、業界の基準ではありません。

したがって、この記事の12サービスは料金では絞り込めません。絞り込みの軸になるのは、自社の顧客に届く誘導方式か、既存のチャネル・システムと連携できるか、画面の改修を自社で回せるかの3点です。詳しくは選び方のセクションで解説します。

そのうえで見積もりを取るときは、月間の入電数・席数・あふれ呼と時間外呼の件数・画面を出したい窓口の数を先にそろえておくと、各社から返ってくる金額を同じ土俵で比べられます。この4つは、どの製品でも見積もりの前提として必ず聞かれる数字です。

SMSの通単価と、月額と分けて見るべき理由

SMSでURLを送る方式では、送信1通ごとに通信料が発生します。公式に通単価を公開しているのは12社中2社で、1通10円と、月間1,000通を超えた分が1通15円という水準です。公開している社が少ないため、相場として一般化できる数字はありません。

この項目を月額と分けて見る必要があるのは、入電数が多い窓口ほど固定費より通数課金のほうが大きくなるためです。月額が安い製品でも、通単価が高ければ総額で逆転します。

SMSの文字数によって課金が変わる場合もあります。1通あたりの送信可能な文字数を超えると分割送信となり、通数が増えます。長文に対応している製品かどうかも、実際の費用に影響します。

想定入電数での月額試算の考え方

社内で予算を確保するには、自社の数字を当てはめた金額が必要です。SMS型の場合、月額の総額は次の式で概算できます。

月額の総額 = 月額固定費 +(月間入電数 × SMS送信率 × SMS通単価)

月間入電数は現在の受電レポートから取れます。SMS送信率は、入電のうち何割にURLを送るかの想定値です。全件に送る設定もできますが、あふれ呼と時間外の入電だけに絞る運用なら、その割合を当てはめます。

ただし、この式をそのまま使えない料金体系もあります。月額に一定の通数と着信数が含まれ、超過分だけが従量になる製品では、含まれる分を差し引かないと二重に計上してしまいます。SMSとは別に着信1件ごとの従量課金がかかる製品もあり、その場合は着信ぶんの項も足す必要があります。

実際に公開されている料金体系で当てはめてみます。月額70,000円に着信1,000件とSMS1,000通が含まれ、超過分が着信1件25円・SMS1通15円という製品を例にすると、月間3,000件の入電すべてにSMSを送る運用を考えます。含まれる分を超える着信2,000件とSMS2,000通ぶんが加算されます。

70,000円 +(2,000件 × 25円)+(2,000通 × 15円)= 150,000円

送信対象をあふれ呼と時間外だけに絞り、3,000件のうち1,000件へ送る運用なら、SMSは含まれる通数に収まり、着信の超過ぶんだけが加算されて月額120,000円になります。送信対象をどこまで広げるかで、同じ入電数でも月額が3万円変わることが分かります。

この式で出るのは支出側の金額です。効果側は、画面で完結した件数にオペレーターの1件あたり応対コストを掛けて見積もります。両方を並べると、何件の自己解決で費用を回収できるかという形で説明できます。

送信率は運用を始めてから変わる数値です。音声ガイダンスの文面や送信対象の絞り込みで上下するため、初年度は幅を持たせた試算にしておくと、実績との乖離を説明しやすくなります。

ビジュアルIVRの選び方・比較ポイント

候補を横並びで評価するときの観点を、顧客に届くか自社の資産に載るか導入後を回せるかの順に整理します。

自社の顧客に届く誘導方式を持っているか

最初に確認するのは、自社の顧客に画面が届く方式に対応しているかです。携帯電話からの入電が多いならSMS型、サイト経由の問い合わせを減らしたいならWebサイト型、会員向けアプリを運用しているならアプリ型が候補になります。

複数の方式を併用できるかどうかも、確認しておきたい点です。入電の受け皿としてSMSを使いつつ、サイト側にもボタンを置く構成にすると、電話をかける前後の両方で顧客を拾えます。対応方式が1つに限られる製品では、後から使い方を広げられません。

画面のデザイン・メニュー構成を自社の顧客に合わせて作れるか

画面は顧客が最初に触れる接点なので、自社サイトと印象が揃っているかどうかが利用率に影響します。ロゴや配色を変えられるか、独自ドメインで表示できるか、スタイルシートまで編集できるかどうかが分かれ目になります。

メニュー構成の自由度も判断材料になります。テンプレートから選ぶ製品は導入が速い一方、階層の深さや項目の並びを細かく調整したい場合には制約になります。用件の分類が複雑な窓口では、構成を自由に組める製品のほうが合います。

今の電話番号・音声IVRをそのまま使えるか

すでに公開している電話番号を変更せずに使えるかは、導入の可否を左右します。番号が変わると案内物や請求書の差し替えが必要になり、社内調整の負担が増えるためです。

既存の音声IVRとの併用可否も確認します。現在の音声メニューを残したまま、特定の選択肢からビジュアルIVRへ分岐させられる構成なら、画面が届かない顧客の導線を維持できます。着信をきっかけにSMSを自動送信する仕組みが製品側にあるか、既存のIVRや電話基盤との接続が必要かによって、導入時の工数も変わります。

ただし、この項目を公式サイトで明記している会社はほとんどありません。比較表でも「公式に記載なし」が並びます。問い合わせの初回で必ず聞く質問として用意しておくのが現実的な進め方です。画面を足すか、音声側の作りを見直すかを並べて考えたい場合は、以下の記事で音声IVRの主要25サービスをタイプ・料金・機能で比較しています。

CRM・FAQ・チャットボットなど既存システムと連携できるか

画面から送り込む先が、いま使っているFAQサイトやチャットボットであるかを確認します。多くの製品は既存ページへのリンクとして誘導できるため、FAQを作り直す必要はありません。

顧客管理システムとの連携は、製品によって対応の幅が異なります。画面で選ばれた用件や入力内容をオペレーターの画面へ引き継げるか、どの形式で受け渡すのかを確認します。顧客情報がどこに保存され、どの経路で渡るかは、社内のセキュリティ審査でも問われる項目です。

管理画面で自社が改修を回せるか、ベンダー依頼になるか

メニューは公開して終わりではなく、離脱の多い項目を入れ替えながら育てていくものです。自社の管理画面で編集できる製品なら、思いついた改善をその日のうちに反映できます。

ベンダーへ依頼する契約の場合、反映までのリードタイムと1回あたりの費用がどれくらいかも確認しておく必要があります。制度変更や商品追加に合わせて年に何度も変更が入る窓口では、この差が運用のしやすさを分けます。

利用状況を分析して改善できるか

導入効果を確かめるには、画面がどう使われたかのデータが要ります。画面が開かれた回数、選ばれたメニュー項目、離脱した箇所を確認できるかを見ておきます。

アクセス解析ツールと連携できる製品なら、既存のレポート環境に取り込めます。分析機能を持たない製品を選ぶ場合は、改善の判断材料をどう集めるかを別途決めておく必要があります。サポート体制についても、画面設計の相談に乗ってもらえるのか、障害時の連絡先と対応時間はどうかを確認しておきます。

ここまでの観点を踏まえても、自社がどの方式・どのサービスに当てはまるかの判断は簡単ではありません。そこで、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】自動音声応答システム(IVR)の資料を
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【比較表】ビジュアルIVRのおすすめ比較12選

ここからは、自社の課題や要件に合わせた比較・選定ができるよう、主要なビジュアルIVR12サービスを、顧客への画面の届け方・料金・連携先などの観点で横並びにしてご紹介します。

並び順は順位づけではありません。誘導方式が近いサービスが隣り合うよう並べています。

あわせて、この表からは分からない項目も先に挙げておきます。想定している窓口の規模(何席・月何件向けか)、固定電話からの入電をどう扱うか、無料トライアルやPoC(本格導入前の試験導入)を受けられるかの3点は、いずれも公式に記載している会社がほとんどありません。問い合わせの初回で確認する項目として控えておくと、各社の回答を同じ土俵で比べられます。

各社が公表している導入効果の数値(入電の約30%減、応対時間35秒短縮など)についても、読み方に注意が要ります。対象とした窓口・比較した期間・分母の取り方が各社で違うため、数値どうしを並べて優劣を判断することはできません。自社の期待値は他社の数値からではなく、自社の入電のうち何割が定型的な用件かという内訳から見積もるほうが実態に近くなります。

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サービス名オーロラIVR by TeleForceモバイルウェブ ビジュアルIVRあふれ呼IVR SMSビジュアルIVR(アルティウスリンク)TMJ Visual IVRtelmee ビジュアルIVRビジュアルIVR(NTTネクシア)Visual IVR(モビルス)ビジュアルIVR「Eye」FastNavigationQANT コネクトDEC Visual IVR
提供会社株式会社メディア4uNTTドコモビジネスX株式会社株式会社電話放送局アルティウスリンク株式会社株式会社TMJ株式会社ソフトフロントジャパン株式会社NTTネクシアモビルス株式会社株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニューテクマトリックス株式会社株式会社RightTouchトランスコスモス株式会社
顧客への画面の届け方電話着信からSMSでURL送信電話着信からSMSでURL送信電話着信からSMSでURL送信電話着信からSMSでURL送信
Webサイトへのリンク埋め込み
DMの二次元コード
メールでのURL送信
指定番号への発信でプリインストール済みアプリが自動起動
電話着信からSMSでURL送信
電話着信からSMSでURL送信
メールでのURL送信
電話着信からSMSでURL送信Webサイトの電話番号ボタンを起動ボタンに置き換え
ボイスボット連携時は通話後にSMS送信
電話着信からSMSでURL送信
自社Webサイトへのリンク設置
コールセンターシステム連携でのURL送信
Webサイトへのメニュー表示(小窓・ポップアップ・外部リンク・埋め込みの4形式)
公式ページの一部には電話がつながらなかった顧客へのSMS通知の記載もあり、2ページで説明が分かれる
Webサイト上のウィジェットで用件を聞き取り、問い合わせ番号を発行して電話につなぐ公式に記載なし(要問い合わせ)
初期費用非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)100,000円〜非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)200,000円(税別)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)1,900,000円〜(要見積り)
月額費用非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)70,000円〜
(月間1,000件の着信・1,000通のSMSを含む)
超過分は着信1件25円
非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)48,000円(税別)〜
(設定サポート付きのPremiumは78,000円)
非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)非公開(要問い合わせ)
(1ドメインごとに課金)
非公開(要問い合わせ)200,000円〜(要見積り)
SMS通単価10円/通公式に記載なし15円/通
(月間1,000通を超えた分)
公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし
(従量課金の項目はあり)
公式に記載なし
(SMS送信はボイスボット連携時)
公式に記載なし公式に記載なし
(SMSは通話中の本人確認・手続きURL送付に使用)
公式に記載なし
電話着信との連携受信IVRを内蔵
既存番号の継続利用は公式に記載なし
電話着信時にSMSを送信
既存番号の扱いは公式に記載なし
あふれ呼・時間外呼をIVRで一次受付
0120・0570番号に対応
音声ガイダンス後にSMSを送る運用に対応
既存番号の扱いは公式に記載なし
自動音声で案内しSMSを送信
既存番号の扱いは公式に記載なし
音声ガイダンス中に承諾を得てSMSを送信
telmeeのクラウド電話基盤上で提供
公式に記載なし(要問い合わせ)Webサイト側のボタン置き換えが基本
電話基盤の改修は前提としない
コールセンターシステムなどと連携したURL送信に対応
連携先の詳細は公式に記載なし
CTI連携に対応
電話着信起点のSMS通知は公式2ページで記述が分かれる
主要なクラウド型CTI・PBXとAPI連携
既存の電話基盤の入れ替えは不要
公式に記載なし(要問い合わせ)
誘導できるチャネル有人オペレーターへの転送
SMSでのURL・情報送信
FAQ・チャットボット・有人チャット・コールバック予約フォームFAQ・問い合わせフォームなどのWebページ
用件振分・コールバック受付はオプション
電話(オペレーター)・メール・FAQサイト・チャットボット・コールバック予約FAQ・チャットサポート・チャットボット
電話窓口の選び直し
契約確認・申し込みの入力フォームなどのWebページ
振り分け先の詳細は公式に記載なし
公式に記載なし
FAQサイト・有人チャット・コンタクトセンター運営との組み合わせを訴求
電話・FAQ・Webチャット・LINE・チャットボット・ボイスボット公式に記載なし
(セルフサービスへの誘導との記載のみ)
チャットボット・FAQ・有人チャット・登録フォーム用件に応じたチャネル・オペレーターへの振り分け(問い合わせ番号を発行)電話・チャット・チャットボット・FAQ・ビデオチャット
画面の編集・カスタマイズコールフロー・アナウンスのテンプレート機能あり
画面の編集機能は公式に記載なし
公式に記載なしWeb管理画面から設定・データ確認が可能
編集の自由度は公式に記載なし
運営部門が自ら更新可能
最大5階層のツリー型・表示パターンの自動切替・配色などのデザイン指定
導入企業側で表示順序・配色・テキストを編集できるCMSを搭載メニュー画面・ログインページを自社で作成可能
編集画面の仕様は公式に記載なし
公式に記載なし(用途に合わせたオーダーメイド設計)管理画面のドラッグ&ドロップで編集
最大50パターンのテンプレート・最大100コンテンツ・プレビュー後に即時公開
管理画面でドラッグ&ドロップ編集
CSS編集・配色指定・画像アップロード・独自ドメインに対応
ノーコードのGUIで編集しリアルタイム反映
コンテンツの予約差し替えにも対応
公式に記載なし
(振り分けキューごとのカスタマイズの記載のみ)
問い合わせ問診メニューの管理機能
緊急時のお知らせ・営業時間外の表示切替
利用状況の分析発着信履歴のCSV出力
生成AIによる通話内容の感情分析
公式に記載なし日別・時間帯別レポート
切断箇所レポート
公式に記載なしアクセス集計・ユーザー行動分析・流入元アクセスの統計機能公式に記載なし公式に記載なしアクセス集計・流入元分析・ユーザー行動分析Googleアナリティクス連携で統計を取得流入元アクセス・ユーザー行動を分析する統計機能顧客の属性・Web行動をコネクトボードで可視化
レポート機能の仕様は公式に記載なし
公式に記載なし
詳細情報サービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年8月時点で各社の公式サイト・公式資料に記載されている情報にもとづきます。税別・税込の表記は各社で異なります。

1. オーロラIVR by TeleForce(株式会社メディア4u)

オーロラIVR by TeleForceのウェブサイト

着信を音声ガイダンスで振り分ける受信IVRと、督促や予約リマインドを自動で架電する発信IVRの両方を1つで扱えるクラウド型のIVRです。営業時間外の着信には自動でSMSを送り、口頭では伝えにくいURLやメールアドレスを画面側で補う運用を想定しています。

SMSは4キャリアに対応し、最大660文字の長文送信と短縮URLの自動変換が可能です。送信料は1通10円で、NTT・KDDI・楽天の回線を利用している場合は転送料がかかりません。

2025年11月には、通話内容や留守番電話のメッセージを生成AIで感情分析する機能、複数階層のシナリオ設計など計25項目の機能追加が発表されました。初期費用と月額料金は公開されておらず、デモアカウントと無料トライアルの申し込みを受け付けています。

公式サイトで説明されているのは、SMSで情報を送って音声を補うところまでです。SMSのリンク先にメニュー画面を用意できるか、その画面を自社で編集できるかは公式に記載がなく、画面メニューまで求める場合は問い合わせて確認する必要があります。着信の自動振り分けと時間外のSMS対応を主目的に検討する製品です。

2. モバイルウェブ ビジュアルIVR(NTTドコモビジネスX株式会社)

モバイルウェブ ビジュアルIVRのウェブサイト

電話がつながらないときや営業時間外の着信に対してSMSでURLを送り、FAQ・チャットボット・有人チャット・コールバック予約フォームなどへ振り分けるサービスです。提供元は2026年1月に社名を変更しており、以前はNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社の名称で提供されていました。

公表されている導入事例では、アニコム損害保険株式会社が問い合わせの集中する時間帯と営業時間外の対応を課題として2023年に導入し、電話がつながらない場合にSMSでURLを送る運用を始めています。株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイドも、予約センターが混み合う時期の接続性改善を目的に採用しています。

タカラスタンダード株式会社の事例では、画面へ誘導した顧客の約半数が再入電なく自己解決できていると同社が説明しています。料金は公開されていないため、初期費用・月額とも問い合わせで確認する必要があります。

3. あふれ呼IVR SMS(株式会社電話放送局)

あふれ呼IVRのウェブサイト

受けきれなかったあふれ呼や営業時間外の入電をIVRで一次受付し、着信時に取得した携帯番号あてにSMSを送って、FAQや問い合わせフォームなどのWebページへ誘導します。携帯番号を持たない固定電話からの発信に対応するオプションも用意されています。

料金は初期費用100,000円〜、月額70,000円〜で、月額には月間1,000件までの着信と1,000通までのSMS送信が含まれます。これを超えると着信1件25円、SMS1通15円の従量課金が加わるため、入電の多い窓口では超過分を含めた試算が要ります。

用件の振り分けやコールバック受付はオプションで追加でき、日別・時間帯別のレポートも提供されます。同社のIVRサービス全体では導入実績500社以上、年間処理件数4,000万件以上と公表されており、ISMS(ISO/IEC 27001)とプライバシーマークの認証を取得しています。

アルティウスリンクのビジュアルIVRのウェブサイト

顧客に画面を届ける手段が複数用意されており、電話着信後のSMSのほか、Webサイトへのリンク埋め込み、ダイレクトメールに載せた二次元コード、メールでのURL送信に対応します。製品名は「VisualMenu」で、顧客側にアプリのインストールは必要ありません。

メニューは最大5階層のツリー型で組め、曜日や時間帯を指定して表示パターンを自動で切り替えられます。コールバック予約は標準搭載で、窓口の混雑状況の表示にも対応します。メニューの内容はコンタクトセンターの運営部門が自ら更新できる設計です。

公式サイトの導入事例では、auじぶん銀行株式会社が特定手続きの入電量を約30%減らし、平均処理時間を1分10秒短縮したとしています。株式会社セブン銀行では日本語・英語など9言語のメニューをSMSと組み合わせて提供しています。金額の公表はなく、資料請求または電話での問い合わせが窓口になります。

5. TMJ Visual IVR(株式会社TMJ)

ビジュアルIVR『みえなび』(TMJ Visual IVR)のウェブサイト

画面の届け方が2通りある点が特徴です。1つは、指定の電話番号への発信に合わせて、スマートフォンにあらかじめ搭載された専用アプリが自動で立ち上がるアプリ起動型で、通話料が発生しません。提供開始を発表した2019年10月時点で1,600万台以上の端末に搭載されていました。もう1つは、自動音声で案内し、希望した顧客にSMSでURLを送るURL受信型です。

2019年に「みえなび」の名称で提供が始まり、現在はTMJの生成AI関連製品群の1つとして「TMJ Visual IVR」の名称で展開されています。提供元はセコムグループでコンタクトセンター運営を主軸とするBPO事業者です。

メニュー画面は導入企業側が表示順序・配色・テキストを編集でき、混雑する時間帯の表示や、かけ間違えた場合の窓口の選び直しにも対応します。着信時に会員番号などをCTI(電話と顧客情報システムをつなぐ仕組み)へ連携するオプションもあります。初期費用・月額とも金額の公表はなく、見積もりを取る形になります。

6. telmee ビジュアルIVR(株式会社ソフトフロントジャパン)

telmee(テルミー)ビジュアルIVRのウェブサイト

クラウド電話サービス「telmee」のパッケージの1つとして提供されるビジュアルIVRです。音声ガイダンスの中でSMS送信の承諾を得たうえでURLを送り、契約確認や申し込みの入力フォームといったWebページへ誘導します。

URLの送付手段はSMSのほかメールも選べるため、携帯番号あてのSMSでは届かない相手にも画面を案内できます。メニュー画面やログインページは導入企業側で作成できる仕様です。

料金は設定サポートの付かないBasicが月額48,000円(税別)、日中の設定サポートが付くPremiumが月額78,000円(税別)で、初期設定料はいずれも200,000円(税別)です。送信量に応じた従量課金の単価は公開されていません。

7. ビジュアルIVR(株式会社NTTネクシア)

NTTネクシアのビジュアルIVRのウェブサイト

コールセンターの構築・運営や業務の受託を主力事業とする株式会社NTTネクシアが、ITソリューションの一つとして提供しているビジュアルIVRです。公式サイトではSMSを使ってWebサイトへの導線を構築すると説明されており、電話をかけてきた顧客にURLを送って画面を開かせる方式にあたります。

同社はFAQサイト・有人チャットサポート・コンタクトセンターの運営と組み合わせて、カスタマーサポート全体を設計するという提案の仕方をしています。企業ごとの用途に合わせてメニューを設計するオーダーメイド型で、決まったプランを選ぶ形ではありません。

一方で、メニュー画面の編集機能や外部システムとの連携、アクセス解析の有無といった仕様は公式サイトに記載がなく、初期費用・月額も公開されていません。機能・料金ともに個別の提案を前提とした形のため、自社の要件を整理したうえで問い合わせる進め方になります。

8. Visual IVR(モビルス株式会社)

モビルスのVisual IVR(ビジュアルIVR)のウェブサイト

Webサイトに掲載している問い合わせ用の電話番号を、そのまま画面メニューの起動ボタンに置き換えて使うビジュアルIVRです。モビルス株式会社が2020年6月に提供を開始し、電話・FAQ・Webチャット・LINE・チャットボットなどの窓口を一覧表示して、顧客を用件に合った手段へ導きます。

メニューは管理画面のドラッグ&ドロップで編集でき、デザインは最大50パターンのテンプレートから選べます。作成できるコンテンツは最大100件で、変更内容をプレビューで確認してから即時公開できます。アクセス集計・流入元分析・ユーザー行動分析の統計機能や、オペレーターの混雑状況表示も備えています。

ポップアップや小窓の形式で表示できるため、既存Webページの構成を変えずに設置できます。同社のボイスボット「MOBI VOICE」と連携すれば、通話のあとにSMSでメニューを案内する運用も可能です。

導入した明治安田生命保険相互会社では、1件あたり約35秒の応対時間短縮と、デジタルアクセス率が2022年の14.6%から2023年に16.1%へ変化したことが公表されています。料金は非公開で、要問い合わせです。

9. ビジュアルIVR「Eye」(株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニュー)

ビジュアルIVR「Eye」(VIVR-Eye)のウェブサイト

画面の届け方を3通り用意しているのが、株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニューの「Eye」です。SMSでURLのリンクを送る方法、自社Webサイトにリンクを貼る方法、コールセンターシステムなどと連携してURLを送る方法から選べます。公式サイトでは「見えるIVR」と表現されています。

管理画面ではコンテンツの追加・削除に加え、順番の入れ替えをドラッグ&ドロップで行えます。配色はRGBコードやカラーパレットで指定でき、任意の画像・アイコンもアップロードできます。管理画面内でCSSを編集できるため、自社サイトの見た目に合わせた作り込みまで自社で完結します。独自ドメインでの運用にも対応しています(設定に数日必要)。

利用状況はGoogleアナリティクスと連携して統計を取得でき、通信はSSLで暗号化されます。提供元はコールセンターの設計・システム構築・運用支援を主軸とする企業で、クラウド型コンタクトセンターシステムなども手がけています。料金は公式サイトに記載がなく、要問い合わせです。

10. FastNavigation(テクマトリックス株式会社)

FastNavigation(ファストナビゲーション)のウェブサイト

ブラウザ上にメニューを表示し、問い合わせをチャットボットやFAQなどのチャネルへ振り分けるビジュアルIVRです。ただし画面の届け方は公式ページによって説明が分かれています

製品サイトではWebサイトへの表示が中心で、小窓・ポップアップ・外部リンク・埋め込みの4形式から選べる機能が紹介されています。一方、同社コーポレートサイトの製品ページには、電話がオペレーターにつながらなかった顧客へメニューのURLをSMSで通知する機能も記載されています。

提供元は、コンタクトセンター向けのCRMやFAQシステムをそろえるテクマトリックス株式会社で、製品群「FastSeries」の一つとして2024年6月に追加しました。

自社の窓口でどちらの構成を採れるかは、問い合わせ時に確認しておく必要があります。メニューの作成・編集はノーコードで、ドラッグ&ドロップの操作を画面で確認しながらリアルタイムに反映できます。振り分け先はチャットボット・FAQ・有人チャット・登録フォームで、流入元アクセスやユーザー行動を分析する統計機能、コンテンツの予約差し替えも用意されています。

月額は1ドメインごとに発生し、CTI連携やデータ容量追加などのオプションで変動する体系です。金額は非公開で個別見積りとなり、最低契約期間はFastSeries全般の案内として1年間とされています。

11. QANT コネクト(株式会社RightTouch)

QANT コネクト(QANT Connect)のウェブサイト

電話をかけてきた顧客にURLを送るのではなく、Webサイト上で用件を聞き取ってから電話につなぐのが株式会社RightTouchのQANT コネクトです。顧客はサイトに配信されたウィジェットで困りごとを選び、表示された問い合わせ番号を使って電話をかけます。2025年10月に「RightConnect by KARTE」から現在の名称へ変わりました。

オペレーター側は「コネクトボード」で、顧客の属性・Web上の行動・事前に入力された内容を確認しながら応対します。顧客のWeb行動をリアルタイムに再生したり、マウスで遠隔案内したりすることもできます。通話中のWebページ誘導、本人確認や手続き用URLのSMS送付、フォーム入力を通話しながら案内する機能にも対応します。

主要なクラウド型CTI・PBX(構内交換機)とはAPIで接続でき、既存の電話基盤を入れ替えずに追加できます。料金は非公開で要問い合わせです。

同社の公式導入事例では、株式会社WOWOWの「WOWOWオンデマンド」に関する問い合わせで平均通話時間が約20%削減されたと紹介されています。比較したのはQANT コネクト専用回線と、同サービスを使わない総合ダイヤルで、2025年2月の調査です。

12. DEC Visual IVR(トランスコスモス株式会社)

DEC Visual IVRのウェブサイト

事前のWeb閲覧履歴をもとに、問い合わせ前のユーザーへ最適なFAQを自動表示する「AIリコメンドFAQ機能」を標準で搭載している点が特徴です。ただし顧客への画面の届け方は公式に記載がなく、自社の窓口でどの方式を使えるかは問い合わせて確認する必要があります。提供元はコンタクトセンターの運営受託を主力とするトランスコスモス株式会社で、2022年8月に提供を開始しました。

画面側には、問い合わせの問診メニュー管理、待ち時間・混雑状況の表示、緊急時のお知らせ、営業時間外の表示切り替えといった機能があります。振り分け先として案内されているのは電話・チャット・チャットボット・FAQ・ビデオチャットです。先行導入した株式会社ベネッセコーポレーションでは、AIが表示するFAQによって、ビジュアルIVR経由の入電数が従来より6.6%減少したと公表されています。

料金は初期費用190万円〜・月額20万円〜(いずれも要見積り)で、構築期間は最短1.5ヵ月〜と案内されています。いずれも2022年8月の提供開始時に発表された金額で、現在の資料請求ページには記載がありません。

導入の進め方と、使われないまま終わらせないための運用設計

ビジュアルIVRは、契約して画面を公開すれば入電が減るものではありません。顧客に使われる状態をつくるところまでが導入作業です。ここからは進め方と、運用で押さえる設計を解説します。

検討から本番稼働までの進め方

ビジュアルIVR導入の進め方を示した5ステップの図解。入電内容の棚卸し、画面に載せる用件の選定、誘導先チャネルの点検、画面作成と試験、段階的な本番切替の順に並べている

まず着手するのは入電内容の棚卸しです。直近数か月の応対履歴から、用件をカテゴリごとに集計し、件数の多い順に並べます。この段階で、画面で完結できる用件とオペレーターが必要な用件を仕分けます。

次に画面に載せる用件を選ぶ段階に入ります。件数が多く、かつ手順が決まっている用件から優先します。すべての用件を載せようとすると階層が深くなり、かえって使われません。

続いて誘導先のチャネルが用意できているかを確かめます。選んだ用件それぞれについて、送り込む先のFAQページ・フォーム・チャットボットが実在し、内容が最新かを点検します。リンク先が古いままだと、画面まで到達した顧客を取りこぼします。

そのうえで画面とシナリオを作成し、試験を行います。社内の複数名で実際に電話をかけ、SMSの到達から画面操作までを通しで確認します。端末やブラウザによる表示の崩れもここで洗い出します。

本番は段階的に切り替えます。まず時間外の入電だけ、次にあふれ呼、という順に対象を広げると、想定外の問い合わせが増えたときに戻せます。最初から全件に適用すると、問題が起きたときの影響範囲が読めません。

使われる画面にするためのメニュー設計

メニューの文言は顧客が使う言葉に合わせるのが原則です。社内の部署名や商品コードで分類すると、顧客は自分の用件がどれに当たるか判断できません。応対履歴に出てくる顧客自身の表現を、そのまま項目名の候補にします。

階層は浅く保つ必要があります。何タップまでが許容されるかに公表された基準はありませんが、タップを重ねるほど途中で離脱する顧客が増えるため、分類の網羅性より到達までの短さを優先します。網羅性を優先して階層を増やすと、音声ガイダンスを最後まで聞かせるのと同じ負担が発生します。どの階層で離脱しているかは管理画面の統計で確認し、多い項目を上位へ引き上げていきます。

件数の多い用件を上に置くのが基本です。棚卸しで得た件数順がそのまま並び順の根拠になります。画面を開いた顧客の多くが最初の数項目で目的を見つけられる状態が、設計の目標です。

メニューの構成には、チャネルで分ける形と用件で分ける形があります。顧客が「電話・チャット・メールのどれで問い合わせるか」を先に決めている窓口ではチャネル別が機能し、そうでない窓口では用件別のほうが迷いません。自社の顧客がどちらの探し方をするかで選びます。

画面を開かなかった顧客をどこへ戻すか

画面を提示しても、一定の割合の顧客は開きません。フィーチャーフォンからの発信、固定電話からの発信、操作への抵抗感など、理由はさまざまです。この層の受け皿を設計しないと、問い合わせ手段を失う顧客が出ます。

基本の形は音声IVRとの併用です。SMSを送ったうえで通話を切らず、そのまま音声メニューを継続する構成にすれば、画面を開かない顧客はこれまでどおり音声で進めます。

オペレーター接続の選択肢は残しておく必要があります。画面上にも「オペレーターと話す」項目を置き、自己解決できなかった顧客が戻れるようにします。ここを塞ぐと、解決できない顧客の不満が別の経路であらわれます。

あわせて、SMSを送信してから一定時間が経っても画面が開かれなかった場合の扱いを決めておきます。コールバック予約を案内するか、翌営業日にオペレーターから架電するかは、窓口の体制に合わせて選びます。

導入後に効果を測る指標の決め方

効果を説明するには、導入前に測る指標を決めておく必要があります。あとから遡って比較できないためです。最低限おさえたいのは、画面到達率・完了率・自己解決率・入電削減率の4つです。

  • 画面到達率:SMSを送信した件数のうち、実際に画面が開かれた割合。音声ガイダンスの文面を変えると動く指標です
  • 完了率:画面を開いた顧客のうち、誘導先のチャネルまで到達した割合。メニュー設計の良し悪しがここに出ます
  • 自己解決率:画面から進んだ顧客のうち、オペレーターへ戻らずに完結した割合。業界共通の定義がないため、自社で分子・分母を決めます
  • 入電削減率:オペレーターが応対した件数の変化。事業側の増減の影響を受けるため、同条件の期間で比べます

あわせて注意したいのは、指標の呼び名は共通でも、定義は各社で揃っていない点です。

業界団体の用語集には放棄呼率と応答率の定義があります。放棄呼率は着信呼数に対する放棄呼数の割合、応答率は着信呼数に対しコミュニケーターが対応した数(一部、IVRでの対応も含む)の割合です。一方、「自己解決率」「入電削減率」は収録されていません。分子と分母を自社で決め、その定義を関係者間で共有しておく必要があります。

比較の期間は、季節変動を避けて前年同月または導入直前の同曜日構成で揃えるのが基本です。キャンペーンや障害があった月は、その要因を注記したうえで扱います。

稟議で説明するときは、削減できた応対件数にオペレーターの1件あたりコストを掛けた金額と、月額固定費とSMS通数課金の合計を並べます。増員やチャネル追加といった代替手段と同じ形式で比べられるようにしておくと、判断の材料になります。

SMSでURLを送る運用を始める前に、社内で確認しておく点を整理します。関係するのは特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)と個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)です。

まず、SMSは特定電子メール法の「電子メール」に含まれます。同法2条1号が対象の通信方式を総務省令に委任しており、その省令が携帯電話番号を宛先に使う通信方式を挙げているためです。

ただし、含まれることと規制されることは別です。同法が送信を規律するのは、自己または他人の営業につき広告または宣伝を行うための手段として送る「特定電子メール」に限られます(同法2条2号)。分かれ目がどこにあるかは、総務省と消費者庁が示すガイドラインに書かれています。

また、次のような電子メールについても、広告又は宣伝を行うための「手段として」送信されているものと考えられるため、特定電子メールに該当するものである。
ア)営業上のサービス・商品等に関する情報を広告又は宣伝しようとするウェブサイトへ誘導することがその送信目的に含まれる電子メール

一方で、次のような電子メールについては、広告又は宣伝のための手段として送信されたものとは考えられず、特定電子メールには当たらないものもある。
ア)取引上の条件を案内する事務連絡や料金請求のお知らせなど取引関係に係る通知であって広告又は宣伝の内容を含まず、広告又は宣伝のウェブサイトへの誘導もしない電子メール

出典:特定電子メールの送信等に関するガイドライン(2011年〈平成23年〉8月)|総務省総合通信基盤局消費者行政課・消費者庁取引対策課

判断を分けているのは送信の目的と、誘導先の画面の中身です。用件の振り分けだけを行う画面のURLを送る運用と、その画面でキャンペーンや商品の訴求まで行う運用とでは、法の当てはまり方が変わります。画面に何を載せるかを決める段階で、この違いを踏まえておく必要があります。

次に個人情報保護法です。着信時に取得した電話番号をSMS送信に使うことが、あらかじめ特定した利用目的の範囲に収まっているかを確認します。

同法17条は利用目的をできる限り特定すること、18条は本人の同意なく利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱わないことを定めています。21条は、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、取得後すみやかに本人へ通知するか公表することを求めています。自社のプライバシーポリシーに記載した利用目的に、問い合わせ対応のための連絡が含まれているかを点検してください。

電気通信事業法については、SMS送信サービスを利用する側に登録・届出の義務は生じません。同法9条・16条が義務を課しているのは、電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業者であり、サービスを利用してSMSを送る企業はこれに当たらないためです。

出典・参考資料(3件)

ここで示したのは、法令が定める判断の枠組みです。実際の運用が要件を満たすかどうかは画面の設計や利用目的の記載によって変わるため、導入前に自社の法務部門へ確認することをおすすめします。

まとめ

本記事では、電話をかけてきた顧客に画面で用件を選ばせるビジュアルIVRについて、音声IVRとの違い・導入のメリットと注意点・費用の考え方・選び方を解説し、主要12サービスを比較しました。

選定でまず決めるべきなのは、顧客に画面をどう届けるかです。すでに集中している入電を受け止めたいなら、電話着信からSMSでURLを送るタイプです。電話をかける前に自己解決させたいならWebサイトの問い合わせ導線に組み込むタイプ、会員向けアプリを運用していて個別案内まで踏み込みたいなら専用アプリに組み込むタイプが軸になります。

料金は絞り込みの軸になりません。12サービスのうち初期費用と月額を公開しているのは3社だけだからです。既存の電話番号と音声IVRをそのまま使えるか、FAQやチャットボットへ誘導できるか、メニューを自社で改修できるかを確認するほうが、候補は早く絞られます。

見積もりを取るときは、月額固定費とSMS通数課金を合算した金額で比べてください。比較表選定診断ツール、各サービスの資料をあわせて活用し、自社の窓口に合うサービスの導入を進めてください。

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ビジュアルIVRに関するよくある質問(FAQ)

Q. ビジュアルIVRとは何ですか?

A. ビジュアルIVRとは、電話をかけてきた顧客に用件の選択肢を音声で読み上げる代わりに、スマートフォンなどの画面にメニューとして表示し、顧客自身に選んでもらう仕組みです。

顧客は画面の項目をタップして、FAQページ・チャットボット・有人チャット・Webフォーム・コールバック予約などへ直接進めます。選択肢を最後まで聞く必要がなく、電話がつながるのを待っている間や営業時間外でも用件を進められる点が、音声だけの窓口との違いです。

Q. ビジュアルIVRの導入費用はどのくらいかかりますか?

A. ビジュアルIVRの費用は、初期費用・月額固定費・SMSの通数課金・画面やシナリオの改修費用の4項目に分かれ、金額を公開している製品では初期費用が十万円台から、月額が数万円台からという水準です。大規模なコンタクトセンター向けには、初期費用が百万円を超える価格帯の製品もあります。

料金を公開していない製品も多いため、予算を組む段階では、自社の窓口規模に近い製品の公式な実額を確認するほうが確実です。サービスごとの公開実額は料金のセクションにまとめています。

Q. ビジュアルIVRのSMS通数課金は、どのように見積もればよいですか?

A. SMSの通数課金は、「月間入電数 × SMSを送る割合 × 1通あたりの単価」で概算し、月額固定費と合算した金額で製品を比べるのが基本です。月額料金だけを並べて比較すると、入電数の多い窓口ほど実際の支払額を読み違えます。

本記事の12サービスで公式に確認できた通単価は1通10円と15円の2社ぶんだけで、相場として一般化できる数字はありません。費用を左右するのは通数のほうで、送信対象を全件にするか、あふれ呼と営業時間外だけに絞るかで大きく変わります。

1通あたりの文字数の上限を超えると分割送信となり通数が増える点も、費用に効いてきます。Webサイトの問い合わせ導線に組み込む方式や専用アプリに組み込む方式で、SMSを使わない構成にすれば通数課金は発生しません。

Q. ビジュアルIVRは既存の音声IVRと併用できますか?

A. ビジュアルIVRは、音声IVRを置き換えるものではなく、いま公開している電話番号と音声メニューを残したまま画面の選択肢を足す併用構成が一般的です。

着信時にSMSでURLを送りながら通話は切らずに音声メニューを継続する構成にすれば、画面を開かない顧客はこれまでどおり音声で用件を進められます。ただし、着信をきっかけにSMSを自動送信する仕組みを製品側が持っているか、既存の電話基盤やIVRとの接続工事が必要かは製品によって異なり、導入時の工数を左右します。電話番号を変更せずに使えるかとあわせて、候補の絞り込み段階で確認しておく項目です。

Q. ビジュアルIVRを導入すると、既存のFAQサイトは作り直しが必要ですか?

A. 多くの製品は既存のFAQサイトやチャットボットへリンクとして誘導できるため、コンテンツを作り直す必要はありません。ビジュアルIVRが担うのは、用件を分類して適切な解決手段へ振り分けるメニューの役割です。

あわせて点検したいのは、誘導先のページの中身です。記載が古いままだったり、スマートフォンで読みにくい状態だったりすると、せっかく画面まで到達した顧客を取りこぼします。また、画面で選ばれた用件や入力内容を顧客管理システムやオペレーターの画面へ引き継げるかどうかは製品差が大きいため、連携を前提にする場合は個別に確認が必要です。

Q. スマートフォンの操作に不慣れな顧客が多い窓口でも、ビジュアルIVRを導入できますか?

A. 導入は可能ですが、画面型に一本化せず、音声IVRとオペレーター接続を残したうえで画面を補助として足す構成にすることが前提になります。

判断のしかたとしては、高齢層をひとまとめに「届かない層」と扱うより、自社の顧客の年齢構成を確認するほうが実態に近い見立てになります。公的統計では、端末の保有率に段差が出るのは70代以降です(デメリットのセクションで数値を掲載しています)。

固定電話やフィーチャーフォンからの発信にはSMSが届きません。画面が開かれなかった顧客をどこへ戻すかを設計段階で決めておくことが、この層を取りこぼさない条件になります。

Q. ビジュアルIVRは導入から運用開始までどのくらいの期間がかかりますか?

A. 期間は製品と自社の準備状況で変わるため、一律の目安は示せません。長さを左右するのは、既存の電話基盤との接続が必要か、誘導先のチャネルがすでに整っているか、画面をテンプレートで作るか個別に作るかの3点です。

実際に時間がかかりやすいのは、ベンダー側の構築よりも自社側の作業です。

入電内容の棚卸しと、誘導先のFAQ・フォームの整備や点検は、契約前から着手できます。また本番は時間外の入電から段階的に対象を広げる進め方が安全なので、全面適用までの期間も含めて計画してください。見積もりを取る際に、各社が提示するリードタイムを比較項目に加えておくと判断しやすくなります。詳しい流れは導入の進め方で解説しています。

Q. ビジュアルIVRの導入効果はどのように測ればよいですか?

A. 効果測定は、画面到達率・完了率・自己解決率・入電削減率の測り方を導入前に決め、導入前の数値をベースラインとして記録しておくことが要点です。稼働後に遡って比較することはできません。

「自己解決率」「入電削減率」には業界共通の定義がないため、分子と分母を自社で決めて関係者間で共有しておく必要があります。指標ごとの測り方は運用設計のセクションで解説しています。

Q. 顧客の携帯番号へビジュアルIVRのURLをSMSで送る場合、法令上どのような点を確認すればよいですか?

A. 確認すべきなのは2点です。送るSMSと誘導先の画面が広告・宣伝を目的とするものになっていないかと、着信時に取得した電話番号をSMSの送信に使うことが、自社で特定した利用目的の範囲に収まっているかです。

SMSは特定電子メール法の「電子メール」に含まれますが、同法が送信を規律するのは広告または宣伝を行う手段として送る「特定電子メール」です。用件を振り分けるだけの画面のURLを送る運用と、その画面で商品やキャンペーンの訴求まで行う運用とでは、法の当てはまり方が変わります。個人情報保護法については、プライバシーポリシーに記載した利用目的に問い合わせ対応のための連絡が含まれているかを点検します。

判定基準の条文・ガイドラインの原文と、電気通信事業法の扱いは法令のセクションで解説しています。ここで示したのは法令が定める判断の枠組みであり、実際の運用が要件を満たすかは画面の設計や利用目的の記載によって変わります。導入前に自社の法務部門へ確認してください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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