代表電話が鳴るたびに担当者の手が止まり、内容を聞いてから取り次ぐまでに数分かかります。営業時間外や混雑時にかかってきた電話は取りこぼしたままで、折り返しの機会も失われます。かといって「ご用件の方は1を押してください」と番号を押させる自動応答を入れても、途中で切られてしまいます。電話対応をめぐるこうした行き詰まりは、人を増やしにくい状況ではいっそう解きにくくなっています。
そこで検討されているのが、AIが用件を聞き取って処理するAI電話自動応答サービスです。番号を押させるのではなく「予約を変更したい」と話しかけてもらい、その内容をAIが判定して、回答・転送・予約の確定・伝言の通知までを担います。代表電話の一次受けだけを任せるものから、予約や注文を電話だけで完結させるもの、督促やリマインドの発信を自動化するものまで、任せられる範囲はサービスによって幅があります。
本記事では、AI電話自動応答サービス32製品を、任せたい電話業務のタイプ別に比較・解説します。初期費用・月額・従量課金の実額を横並びで整理し、基本料金以外にかかる費用や、導入後に使われなくならないための運用設計まで踏み込みました。自社の電話業務のどこを、どのサービスに任せられるかを見極める材料としてご活用ください。
また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
AI電話自動応答サービスとは?AIが用件を聞き取って電話業務を代わりに処理する仕組み
AI電話自動応答サービスとは、かかってきた電話にAIが応答し、発信者が話した用件を音声認識で聞き取って、回答・転送・受付などの処理まで行うサービスです。番号のプッシュ操作を必要とせず、発信者は普段どおり用件を話すだけで済むため、電話の一次対応を人手を介さずに完了させられます。
提供形態はクラウドが主流で、既存の電話番号への着信をサービス側へ転送する設定を加えるだけで使い始められる製品もあります。回線工事を伴わないため、名刺やWebサイトに載せている番号を変えずに運用できる場合が多くなっています。
ただし、サービス側が発行する番号を窓口にする前提の製品もあり、既存番号の扱いを公式に明記していない製品もあります。今の番号を使い続けたい場合は、後述の比較表で製品ごとの対応を確認したうえで、各社に転送方式で運用できるかを確かめてください。また、自社番号からサービス側へ転送する際は、契約している電話会社の転送サービスの月額と通話料が別途かかります。
呼び方はサービスによって「ボイスボット」「AI搭載型IVR」「AI電話代行」などに分かれますが、いずれも「電話を人の代わりにAIが受ける」という点では共通しています。違いは、どこまでをAIに任せ、どこから人に渡すのかという守備範囲にあります。
AIが電話を処理する流れ|聞き取りから応答・転送・記録まで
AIが電話を処理する過程は、大きく4つの段階に分かれます。まず、発信者の話した音声を音声認識(ASR)でテキストに変換します。次に、そのテキストから「何をしたいのか」という意図を自然言語処理で判定します。
意図が定まると、あらかじめ設計したシナリオに沿って応答が決まります。回答できる問い合わせであれば音声合成(TTS)で読み上げて完結させ、予約や注文であれば必要な項目を聞き取って登録し、AIでは処理しきれない用件であれば担当者へ転送します。
最後に、通話の内容がテキストとして記録されます。文字起こしや要約を担当者へ通知する機能を備えるものが多く、AIが対応した電話も含めて、誰から何の用件があったのかが後から追える状態になります。
この一連の流れのうち、どの段階までを製品が担うかはサービスごとに異なります。意図の判定を「登録したキーワードとの照合」で行うものもあれば、生成AIを組み合わせて言い回しの揺れに対応するものもあり、その差が後述する対応範囲と料金の違いにつながっています。
プッシュ操作型IVR・ボイスボット・電話代行との違い|呼び名と守備範囲を整理する
電話対応を自動化する手段は複数あり、名称も入り混じっています。ここでは、検討時に混同しやすい3つとの違いを整理します。自社が解こうとしている課題に対して、どの手段が射程に入るのかを見極める土台になります。
プッシュ操作型IVRとの違い|番号を押させるか、用件を話してもらうか
従来のIVR(自動音声応答システム)は、「ご予約の方は1を、その他のお問い合わせは2を押してください」という音声ガイダンスに沿って、発信者が番号を押すことで進む仕組みです。選択肢は事前に用意したものに限られ、階層が深くなるほど発信者の負担は増していきます。
AI電話自動応答サービスでは、発信者が用件をそのまま話します。「来週の火曜日に予約を変更したい」といった、選択肢に落とし込めない内容も受け取れる点が違いです。氏名や住所、予約日時のように、番号のプッシュでは伝えられない情報を聞き取れることも、対応できる業務の幅を広げています。
一方で、用件が数種類に限られており、確実に振り分けることが目的であれば、プッシュ操作型のほうが誤認識の余地がなく費用も抑えられます。どちらが優れているかではなく、受ける電話の内容が選択肢に収まるかどうかが分かれ目になります。
番号を押してもらう形でも足りそうだと感じた場合は、AIによる聞き取りに限定せず、電話の自動応答全体から候補を探すほうが選択肢は広がります。以下の記事では、プッシュ操作型・ビジュアルIVR・自前構築型といった応答方式ごとに、主要サービスの費用と機能を整理しています。
ボイスボットとAI搭載型IVRの呼び分け|会話で完結させるか、適切な人につなぐか
AI電話自動応答サービスの中でも、製品の設計思想によって呼び名が分かれます。ボイスボットは、AIが発信者と対話しながら問い合わせへの回答や手続きを電話の中で完結させることを目指した製品を指すことが多い呼び方です。
これに対してAI搭載型IVRは、従来のIVRを土台に音声認識を組み合わせたもので、用件を聞き取って適切な担当者や部署へつなぐこと、あるいは簡単な回答を返すことに重心があります。人へ渡す前提の設計であるぶん、導入は比較的短期間で済み、費用も抑えやすい傾向にあります。
この呼び分けは製品の作りの違いであって、最初に決めるべき軸ではありません。「電話をどこまでAIに任せたいか」を先に決めれば、必要な作りは後からついてきます。本記事で後述するタイプ分類も、作りではなく任せる業務の方向で整理しています。
人が対応する電話代行との違い|対応の柔軟さ・対応時間・コストの出方
電話代行には、オペレーターが応対して内容を報告する人力型のサービスもあります。込み入った相談や交渉、相手の感情に配慮した対応が求められる場面では、人が出るほうが確実です。
違いが出るのは、対応時間とコストの出方です。人力型は営業時間内での対応が基本となるのに対し、AIによる自動応答は24時間365日稼働します。費用面では、人力型が対応件数に応じて増えていくのに対し、AI型は月額固定に通話時間や着信件数の従量が乗る形が中心で、件数が増えても単価が跳ね上がりにくい構造です。
実務では、定型的な用件をAIが受けて、判断が必要なものだけ人に回すという併用も選べます。どちらか一方に決めきる必要はなく、任せる範囲の線引きをどう設計するかが要点になります。
AI電話自動応答サービスでできること|任せられる電話業務と主な機能
ここからは、AIに任せられる電話業務を受電・発信の順に整理し、それを支える機能まで見ていきます。自社のどの電話が対象になりうるかを具体的に思い浮かべながら読み進めてください。
受電で任せられる業務
最も導入が多いのが、代表電話の一次受けと取次です。AIが「どちらの誰宛か」「どのような用件か」を聞き取り、担当者へ転送するか、不在であれば内容をテキストにしてチャットやメールへ通知します。担当者は手を止めずに済み、折り返しの判断も通知を見て行えます。
営業電話のブロックも、一次受けの副次的な効果として挙がる用途です。AIが用件を確認する段階で営業目的と判別できれば、担当者へつながずに終話でき、取次の手間そのものが発生しません。
営業時間外・休日の受付も任せられます。従来は留守番電話に切り替えるか、着信を諦めるかの二択でしたが、AIであれば時間外でも用件を聞き取って記録し、翌営業日に担当者が内容を把握した状態で折り返せます。
予約・注文の受付まで任せる使い方もあります。予約日時や氏名、注文内容といった項目を対話の中で聞き取り、予約台帳や受注システムへ登録するところまでを電話の中で完結させる形です。折り返しが発生しないため、機会損失を抑えやすくなります。
発信で任せられる業務
受電の削減を目的に検討を始めるケースが多い一方で、企業側から電話をかける業務にも同じ仕組みが使えます。入金案内や支払いの督促は、対象者リストに沿って自動で架電し、応答結果を集計するところまでを任せられる代表的な用途です。
予約のリマインドも自動化しやすい業務にあたります。前日確認の電話を人手で回す必要がなくなり、無断キャンセルの抑制につながります。相手の応答内容に応じて、日程変更の受付まで続けられる製品もあります。
アンケートや状況確認の調査コールも、定型的な設問であればAIで回せます。大量のリストに対して同時に発信できるため、期間を区切った調査では人手による架電より短時間で完了します。
受電と発信のどちらに対応するかは製品によって分かれます。受電の自動化だけを想定して検討していた場合でも、発信側にも同じ課題を抱えているのであれば、両方に対応する製品を候補に入れる価値があります。
入金案内や督促の架電を自動化する場合は、電話だけで進めるか、同じ内容をSMSで送る手段と組み合わせるかも判断材料になります。以下の記事では、未入金の相手への連絡をSMS・オートコール・RCSのどれで行うかという観点から、チャネルごとの費用と届き方、段階を追って督促を組み立てる考え方を整理しています。
主な機能
上記の業務を支える機能は、おおむね次のように整理できます。中核となるのは用件の聞き取りと振り分けで、音声認識で受け取った内容から意図を判定し、応答するか転送するかを決めます。
- 用件の聞き取り・意図の判定:発信者の自由な話し方から要件を特定し、シナリオの分岐を決める
- 有人オペレーターへの転送:AIで処理しきれない用件を、担当者や部署へ引き渡す
- 通話内容の文字起こし・要約:応対内容をテキスト化し、要点をまとめて記録・通知する
- SMS送信:通話中や通話後に、Webフォームや案内ページのURLを発信者へ送る
- 外部システム連携:予約台帳・顧客管理システム・ビジネスチャットと接続し、登録や通知を自動化する
- 営業時間・時間帯の設定:曜日や時間帯ごとに応答の内容と転送先を切り替える
これらがすべて標準搭載とは限らず、上位プランやオプションで提供される場合があります。特に外部システム連携とSMS送信は、料金プランによって可否が変わることが多い機能です。
業種別の活用シーン
予約や問い合わせの電話が特定の時間帯に集中する業種では、導入事例が多く公表されています。クリニックや歯科では、診療中に鳴る予約電話が診療の手を止める要因になっており、受付の自動化と再来の予約受付が主な用途になります。
飲食店では、営業時間中の予約電話が調理や接客と競合します。席の空き状況を確認しながら予約を確定させる使い方や、混雑時間帯だけAIが受ける運用が選ばれます。
不動産では、内見の問い合わせが土日や夜間に集中するため、時間外の一次受けと物件番号の聞き取りが中心的な用途です。EC・通販では、配送状況の確認や返品受付といった定型的な問い合わせが対象になります。
自治体でも、住民からの問い合わせ窓口や、繁忙期に集中する手続きの案内で導入例が公表されています。用件が定型化しやすく、かつ特定時期に入電が偏る業務ほど、自動化の効果が測りやすい傾向にあります。
AI電話自動応答サービスの3つのタイプ|自社の電話業務はどのタイプに当てはまるか
任せられる業務を押さえたところで、ここからは自社が導入対象になるかを見極め、そのうえでどのタイプが合うかを整理します。
まず自社の電話業務が向いているかを見極める
判断の軸は3つあります。1つ目は用件の定型度です。かかってくる電話の内容が「予約」「配送状況の確認」「担当者への取次」のように類型化できるほど、AIで受けられる割合は高くなります。逆に、毎回内容が異なる相談が中心であれば、自動化できる範囲は限られます。
2つ目は入電量です。1日に数件であれば、月額と設定の手間に見合わない場合があります。ただし「件数は少ないが特定の時間帯に集中して業務が止まる」「時間外の着信を取りこぼしている」といった状況では、件数が少なくても効果が出ます。件数ではなく、電話によって止まっている業務の量で判断するほうが実態に近くなります。
3つ目は受信と発信のどちらを減らしたいかです。受電の一次対応が課題なのか、督促やリマインドの架電が負担なのかで、候補に入る製品が変わります。両方が課題であれば、受発信の双方に対応する製品に絞り込めます。
これらを踏まえたうえで、任せる業務の方向と到達点によって、AI電話自動応答サービスは次の3つのタイプに分かれます。
代表電話の一次受け・取次を任せるタイプ
かかってきた電話をAIが受けて用件と相手を聞き取り、担当者への転送・通知・伝言までを担うタイプです。プッシュ操作型IVRに音声認識を組み合わせた作りの製品が多く、シナリオが比較的単純なため、申し込みから数日で稼働できるものも含まれます。
月額数千円台から始められる製品が揃っており、価格面での導入障壁が低いことも特徴です。既存の電話番号からの転送で使えるものが中心で、電話環境を大きく変えずに試せます。
ただし、このタイプには利用者数に応じて課金する製品が含まれます。契約の基本料に加えて、社員名簿へ登録した1人あたり、あるいは利用アカウント1つあたりの月額が積み上がる方式です。従業員数の多い会社が全社の代表電話に導入すると、定額制の製品より月額が高くなることがあります。自社の人数を当てはめた金額で比べてください。
代表電話の取次に人手を割いている企業、営業電話の対応をやめたい企業、時間外の着信だけでも拾いたい企業に向いています。まずは電話の入口だけを自動化したい場合の出発点になるタイプです。
予約・注文を電話だけで完結させるタイプ
予約台帳や受注システム、顧客管理システムと連携し、折り返しを発生させずに手続きまで終わらせるタイプです。AIが自由な話し方を受け取って対話を進める作りの製品が中心で、聞き取った項目をそのまま基幹側へ登録します。
連携先の設計とシナリオの作り込みを伴うため、導入期間は数週間から数か月、費用も取次型より上がります。そのぶん、電話を受けた後の入力作業まで含めて減らせる点が導入効果になります。
予約電話が業務を圧迫している事業者、コールセンターであふれ呼が発生している企業、電話を受けた後のシステム入力が二重作業になっている企業に向いています。
督促・リマインドなどの発信を自動化するタイプ
企業側からリストへ自動で架電し、応答結果を集計するタイプです。入金案内・予約リマインド・アンケート・状況確認など、同じ内容を多数の相手に伝える業務が対象になります。
同時に多数の発信ができるため、期間を区切って一斉に連絡したい業務との相性が良好です。応答した相手だけを人に引き継ぐ設計にすれば、担当者は反応のあった相手への対応に集中できます。
請求・回収業務を抱える企業、予約の無断キャンセルに悩む事業者、定期的な調査を人手で回している企業に向いています。受電側の自動化と組み合わせて導入されることもあります。
3つのタイプの違いを整理すると、次のとおりです。本記事で取り上げる32サービスは、いずれかのタイプに含まれます。受電と発信の両方に対応する製品は、公式サイトが主な用途として挙げている側のタイプに入っています。候補が見当たらない場合は、別のタイプもあわせてご確認ください。
| 特徴 | 主な用途 | 費用の目安 | 該当する主なサービス | 詳細 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 代表電話の一次受け・取次を任せるタイプ | 用件と相手を聞き取り、転送・通知・伝言までを担う。シナリオが単純で短期間・低コストで始めやすい | 代表電話の一次受け、営業電話のブロック、時間外の受付、伝言の通知 | 初期0円〜数万円/月額数千円台〜。従量課金が乗る製品が多い | IVRy、DXでんわ、fondesk IVR、コールコール、ソクコム、ミライAI、AItelefonista、AI電話対応さくらさん、Canario、IVR+、SyncLect IVR | 比較表を見る |
| 予約・注文を電話だけで完結させるタイプ | 予約台帳・受注システム・顧客管理システムと連携し、折り返しなしで手続きまで終える。連携設計を伴う | 予約受付・変更、注文受付、問い合わせへの回答、あふれ呼対策 | 初期数十万円〜数百万円/月額数万円〜数十万円。要問い合わせの製品も多い | DHK CANVAS、PKSHA VoiceAgent、LINE WORKS AiCall、AI Messenger Voicebot、commubo、VoiceMall、MOBI VOICE、AI電話自動応答サービス(キューアンドエー)、COTOHA Voice DX Premium、SOPHIA、AItoVoice、CAT.AI、NamiGen、AI-BPO Double BRAIN | 比較表を見る |
| 督促・リマインドなどの発信を自動化するタイプ | リストへ自動架電し応答結果を集計する。同時発信で短期間に多数へ連絡できる | 入金案内・督促、予約リマインド、アンケート・状況確認の調査コール | 初期0円〜数十万円/月額数万円〜。発信件数による従量が中心 | AIコンシェルジュ、Terry、AmiVoice ISR Studio、FastVoice、オーロラAIコール、Daisybell、スパ電 | 比較表を見る |
※上記は各タイプにおける一般的な傾向です。個別のサービスにおける実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。
AI電話自動応答サービスの料金|初期費用・月額・従量課金の相場とサービス別の実額
AI電話自動応答サービスの費用は、製品によって桁がいくつも変わります。ここでは料金体系の読み方を押さえたうえで、公式に公開されている実額と、基本料金以外にかかる項目までを見ていきます。
料金体系の読み方
費用は「初期費用」「月額固定」「従量課金」の3つで構成されるのが一般的です。初期費用にはアカウント開設のほか、シナリオの設計・構築や既存システムとの接続作業が含まれる場合があります。作り込みを伴う製品ほど、この部分が大きくなります。
月額固定は、利用できる機能の範囲やユーザー数、同時に受けられる通話数(チャネル数)で決まります。従量課金は、着信件数・通話時間・発信件数のいずれかを単位とするものが中心です。
価格帯は、大きく2つの層に分かれます。小規模向けのセルフサービス型は、初期費用0円・月額数千円台から始められ、Web上の申し込みで即日から数日で使えます。一方、コールセンター向けの構築型は、初期費用が数十万円から数百万円、月額も数万円から数十万円という水準で、導入までに1か月から数か月を要します。
この差は機能の優劣ではなく、シナリオをどこまで作り込み、既存システムとどれだけ深く接続するかの差です。取次だけを任せたい企業が構築型を検討する必要はなく、逆に予約の完結まで求める企業がセルフ型で足りることは多くありません。
サービス別の初期費用・月額・従量単価
実際の金額は、後述のタイプ別比較表に、公式に公開されている値をそのまま掲載しています。公式サイトで金額を公開していない製品は「非公開(要問い合わせ)」と記載しています。
本記事で取り上げた32製品のうち、初期費用と月額の両方を公式サイトで公開しているのは11製品です。20製品は初期費用・月額とも非公開で、残る1製品は片方のみ公開しています。金額を先に見て絞り込める製品は、全体の3分の1ほどにとどまるのが実情です。
金額を公開している製品どうしでも、税抜と税込の別や、プランに含まれる件数の前提が製品ごとに異なります。表の値をそのまま足し引きせず、条件を揃えてから比べてください(いずれも2026年8月時点の各社公式情報)。
定額プランの下限は月額2,980円、無料枠は月30着電までを0円とする製品があります。利用者数で課金する方式では、契約の基本料1万円に1人あたり748円が加わるという設定も公開されています。
金額を公開していない製品は、この段階では横並びに比べられません。対応範囲・連携先・導入期間で候補を2〜3社に絞り、想定入電数を伝えて見積もりを取る順序になります。
公開されている範囲で見ると、初期費用は0円から500万円台まで、月額は0円から50万円台までの幅があります。無料枠を設けている製品では月30着電までを0円とするものがあり、定額の有料プランは月額2,980円から確認できます。利用者数に応じて課金する製品では1ユーザーあたり月額748円からという設定もあります。
一方で、コンタクトセンター向けの構築型では初期費用500万円・月額50万円という水準の製品も公開されています(いずれも2026年8月時点の各社公式情報)。
この幅は、同じ「AI電話自動応答サービス」という呼び名の中に、性格の異なる製品が併存していることを示しています。相場という一つの数字で捉えるのではなく、任せたい業務のタイプに対応する価格帯を見ることが実態に合います。
基本料金以外にかかる費用
見積もりの段階でつまずきやすいのが、月額料金の外側にある費用です。実際の支払額は、次の項目を足し合わせた金額になります。
- 通話の従量課金:着信1件あたり、または通話1分あたりで加算される。プランに含まれる件数を超えた分だけ課金する製品と、全件を従量で計算する製品がある
- 電話番号の維持費:サービス側で新しい番号を発番する場合、番号ごとの月額が別途かかることがある
- SMS送信費:通話中にURLを送る機能を使う場合、1通あたりの送信料が加算される
- 転送料:AIから担当者の携帯電話などへ転送する際の通話料。転送先と通話時間に応じて発生する
- チャネル数・ユーザー数の追加:同時に受けられる通話数や利用者を増やす場合の追加料金
公開されている単価を見ると、携帯電話への転送は1分あたり15円から28円、固定電話への転送は1分あたり3円から13円という水準です。
電話番号の維持費は050番号で月500円、0120・0800番号で月1,600円という例があります。SMSの送信料は1通10円から13円が中心です(いずれも2026年8月時点の各社公式情報)。
特に転送料は見落とされやすい項目です。AIが一次受けをしても、最終的に担当者へつなぐ運用であれば転送は毎回発生します。月額の安さで選んだ結果、転送料と従量課金で想定を上回ることは起こりえます。
見積もりを取る際は、月額料金だけでなく「自社の入電数で運用した場合の合計額」を提示してもらうと、製品間の比較が正確になります。
想定入電数での月額試算の考え方
試算は、自社の電話の実態を3つの数字に置き換えるところから始めます。1つ目は月間の入電件数、2つ目は1件あたりの平均通話時間、3つ目はそのうち担当者へ転送する割合です。
この3つが決まれば、月額固定に加えて、通話の従量課金と転送料がどれだけ乗るかを計算できます。着信件数で課金する製品では入電件数を、通話時間で課金する製品では入電件数と平均通話時間の積を使います。
転送割合は、AIで完結させる想定の用件がどれくらいあるかによって変わります。取次を主目的とする運用では転送がほぼ毎回発生するため、転送料の影響が大きくなります。逆に、予約や問い合わせをAIで完結させる想定であれば、転送割合は下がり、そのぶん月額固定の比重が増します。
3つの数字が埋まったら、単価を公開している製品に当てはめて総額を出します。同じ入電数でも、着信件数で課金する製品と通話時間で課金する製品では結果が変わるため、製品ごとに計算し直してください。固定費と従量費のどちらに寄せるべきかの判断は、次の「選び方」で扱います。
無料プラン・無料トライアルで試せる範囲
費用をかけずに始められる選択肢もあります。無料プランを常設している製品では、月あたりの着信件数に上限を設けたうえで、AIによる自動応答と通話内容の文字起こしまでを0円で使えるものがあります。電話の発信や転送は有料プランからという制限が付くのが一般的です。
期間限定の無料トライアルは、14日間や30日間、1か月といった設定が中心です。機能を制限したうえで提供されるものもあるため、試したい機能がトライアルの範囲に含まれるかは事前に確認が必要です。
無料の範囲で確かめておきたいのは、自社にかかってくる電話の言い回しをAIが実際に聞き取れるかどうかです。カタログ上の機能一覧では差が見えにくく、業界特有の用語や社名・商品名の認識精度は、実際の通話で試して初めて分かります。トライアルを申し込む際は、想定される用件を数パターン用意しておくと判断しやすくなります。
AI電話自動応答サービスの選び方・比較ポイント
候補を横並びで評価するための観点を、確認する順に整理します。自社の用件に応えられるか、既存の電話環境に載るか、導入後を回せるかという流れで見ていくと、要件が固まりやすくなります。
任せたい業務に機能が届いているか
最初に確認するのは、対応範囲が自社の目的に届いているかです。受電のみに対応する製品に発信業務を期待しても実現できず、逆に取次だけが目的であれば、予約完結型の作り込みは費用に見合いません。
判断は3段階で行えます。用件を聞き取って人へつなぐところまでで足りるのか、予約や注文の登録まで電話の中で終わらせたいのか、企業側からの発信も自動化したいのか、という3段階で捉えられます。この段階が上がるほど、必要な機能と費用は増えます。
あわせて、意図の判定方式も見ておくと精度の期待値を合わせられます。登録したキーワードとの照合で分岐する製品は、想定内の言い回しには安定して応える一方、表現の揺れには弱くなります。生成AIを組み合わせた製品は言い回しの幅を吸収しやすい反面、応答内容の統制には設計が必要です。
この判定方式の違いは、AIとの対話で用件を完結させたい場合ほど選定を左右します。シナリオに沿って進める型と生成AIを使う型で、応答の柔軟さと統制のしやすさがどう変わるかを、製品ごとの採用状況とあわせて掘り下げた記事が以下です。
聞き取れなかったときに人へつなげるか
AIが用件を判定できなかった場合に、どう振る舞うかは製品によって差が出ます。有人オペレーターへの転送機能を備えているか、そしてその転送を「どの条件で発動させるか」を自社で設定できるかを確認します。
確認したいのは3点です。認識に失敗したときに自動で転送されるか、発信者が「担当者につないでほしい」と申し出たときに転送されるか、そして営業時間外など転送先が不在の時間帯にどう扱われるかです。
ここが弱いと、聞き取れなかった電話がそのまま切れ、顧客からは「電話がつながらない会社」に見えます。自動化の効果を測る前に、取りこぼしを増やしてしまう典型的な失敗にあたるため、機能の有無だけでなく条件設定の柔軟さまで見ておく必要があります。
今の電話番号・回線のまま使えるか
導入方式は、大きく2つに分かれます。1つは、今使っている番号への着信をサービス側へ転送する方式です。名刺やWebサイトに載せている番号を変えずに済み、回線工事も不要なため、切り戻しも容易です。
もう1つは、サービス側で新しい番号を発番し、そちらを窓口にする方式です。この場合は番号の告知が必要になり、番号ごとの月額も発生します。既存番号を維持したい場合は、転送方式に対応しているかを必ず確認してください。
0120や0800といったフリーダイヤル、0570のナビダイヤルを窓口にしている場合は、それらの着信をサービス側へ渡せるかも個別の確認事項になります。対応可否は製品と契約している電話会社の条件によって異なるため、公式の仕様と自社の回線契約の両方を突き合わせる必要があります。
予約台帳・CRMなど既存システムと連携できるか
電話の中で手続きを完結させたい場合、連携先の対応状況が実現可否を左右します。予約台帳・受注システム・顧客管理システムのうち、自社が使っている製品に接続できるか、接続方法はAPIか個別開発かの確認が必要です。
取次が目的であれば、通知先の連携で足ります。ビジネスチャットやメールへの通知に対応していれば、担当者は着信のたびに電話機を見に行かずに済みます。
連携を検討する際にあわせて確認したいのが、通話の録音や文字起こしされた音声データがどこに保存され、どこへ渡るかです。AIによる応対では、通話内容が事業者側で認識・テキスト化されるため、顧客の個人データを外部に預ける構図になります。個人情報保護法は、この場合に発注側が負う義務を次のように定めています。
(委託先の監督)
出典:個人情報の保護に関する法律 第25条|e-Gov法令検索
第二十五条 個人情報取扱事業者は、個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。
個人情報保護委員会のガイドラインは、この監督の具体的な内容として「(1)適切な委託先の選定」「(2)委託契約の締結」「(3)委託先における個人データ取扱状況の把握」の3つを挙げています。セキュリティは委託先の対策状況を確認して終わりではなく、選定・契約・運用中の把握までが発注側の役割になります。
比較の段階では、通話データの保存場所と保存期間、暗号化の有無、認証取得の状況、そして委託契約で安全管理措置をどう定めるかを確認しておくと、契約時に手戻りが起きません。海外のサーバーや基盤を使う製品の場合は、所在国の制度も把握しておく必要があります。
出典・参考資料(2件)
シナリオを自社で作れるか、ベンダー依頼になるか
応答の内容や分岐を定めるシナリオを、誰が作り、誰が直すのかは運用コストに直結します。管理画面でノーコードに編集できる製品であれば、営業時間の変更や新しい用件の追加を自社で反映できます。
ベンダーが構築する製品では、初期の作り込みを任せられる代わりに、変更のたびに依頼と待ち時間が発生します。用件が頻繁に変わる業務では内製できる製品が向き、シナリオが安定していて精度を優先する業務では構築型が向きます。
あわせて、導入後のサポート体制も確認しておきたいところです。設定の相談窓口があるか、認識精度のチューニングを支援してもらえるか、対応時間が自社の営業時間と合っているかも確かめておきます。導入時だけでなく、運用が始まってからのほうが相談は増えます。
料金体系が自社の入電量に合っているか
最後の観点は、料金の構造が自社の使い方と噛み合っているかどうかです。判断材料は、固定費と従量費のどちらに比重があるかです。
入電が少なく変動も小さい場合は、月額が低く従量が乗る体系のほうが総額を抑えられます。入電が多い、あるいは季節によって大きく変動する場合は、固定料金中心で件数が増えても単価が上がらない体系のほうが予算を組みやすくなります。
各サービスの実額はタイプ別比較表に掲載しています。前掲の「基本料金以外にかかる費用」も踏まえて、月額の表示価格ではなく運用時の合計額で比べてください。
ここまでの観点で要件が固まったら、どのサービスが候補になるかを絞り込んでいきます。
【比較表】AI電話自動応答サービスのおすすめ比較32選
ここからは、主要なAI電話自動応答サービス32製品を、前掲の3つのタイプ別にご紹介します。初期費用・月額・従量課金・無料トライアルの有無に加えて、発信への対応、有人オペレーター転送、今の電話番号のまま使えるか、外部システム連携という選定に直結する項目を横並びで掲載しました。料金を公式に公開していない製品は「非公開(要問い合わせ)」と記載しています。
同じタイプの中から候補を数社に絞るときは、次の順で表を見ると迷いにくくなります。まず無料枠または無料トライアルのある製品を拾い、自社にかかってくる電話の言い回しを実際に認識できるかを確かめる候補にします。次に従量単価まで公開している製品を見て、自社の入電件数を当てはめた総額を試算します。最後に、料金が利用者数で決まる方式か定額かを確認し、自社の人数で不利にならないかを見ます。
料金を公開していない製品は、この段階では横並びに比べられません。機能や連携先が自社の要件に合っているかで残すかどうかを決め、見積もりを取ってから金額で比べる流れになります。
表の記号は、●が対応、△が一部対応または条件が公式に示されていないもの、×が非対応を表します。公式サイトで確認できなかった項目は「公式に記載なし」と記載しており、非対応という意味ではありません。また、掲載順は評価の順位ではありません。
【タイプ別比較表】代表電話の一次受け・取次を任せるタイプ
| サービス名 | IVRy(アイブリー) | DXでんわ | fondesk IVR | コールコール(CallCall-IVR) | ソクコム | ミライAI | AItelefonista | AI電話対応さくらさん | Canario(カナリオ) | IVR+(IVRプラス) | SyncLect IVR |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 0円(BASIC)/30,000円(PRO) 200,000円(ENTERPRISE) | 0円 | 非公開(要問い合わせ) | 0円 | 22,000円(税込) クレジットカード払いで0円 | 非公開(要問い合わせ) |
| 月額 | 0円(フリー、月30着電まで)〜10,480円 (税抜・月払い、4プラン) | 2,980円〜50,000円 (税別、5プラン) | 2,980円(税別) 専用電話番号のレンタル込み | 非公開(要問い合わせ) | 1ユーザー1,480円+1チャネル2,000円 サーバー利用料5,000円〜、AIエージェント10,000円/個 | 4,980円(BASIC)/30,000円(PRO) 200,000円〜(ENTERPRISE) | 2,980円/5,980円/8,980円 (税抜、事業規模別の3プラン) | 非公開(要問い合わせ) | 契約基本料10,000円(税抜)+1人748円〜1,628円(税込) | 3,300円/3,850円/4,950円 (税込、3プラン) | 非公開(要問い合わせ) |
| 従量課金 | あり 電話番号維持費・通話料(単価は非公開) | あり 超過1件50〜100円、AI自動案内15円/回 | あり 着信3円/分、通話録音3円/分、AIオペレーター22円/分、固定転送13円/分、携帯転送28円/分、SMS13円/通 | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | あり AI会話時間・取次転送時間(単価は非公開) | あり 超過着信44円/回、オペレーター転送22円/30秒、会話シナリオ44円/着信(税込) | 非公開(要問い合わせ) | あり 通話パック100分2,640円(税込、Basic向け) | あり 着信1.1円/30秒、転送3円/分(スマホ・IP電話)・15円/分(携帯) | 非公開(要問い合わせ) |
| 無料トライアル | フリープランあり 月30着電まで0円 | ●14日間(全機能、ライトプラン以上検討者向け) | 公式に記載なし 乗り換えで基本料6か月無料 | ●14日間 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ●30日間(機能制限あり) | 公式に記載なし | ●1か月間 | △無料体験の案内はあるが条件は非公開 | 公式に記載なし |
| 発信への対応 | ●スタンダード以上のプラン | 公式に記載なし | × | 公式に記載なし | ● | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 有人オペレーター転送 | ●スタンダード以上のプラン | ● | ●指定した番号へ転送 | ●用件別転送・グループ転送 | 公式に記載なし | △担当者への取次・折り返しに対応(通話中の有人転送は公式に記載なし) | ●有料オプション(22円/30秒・税込) | ●条件に沿って担当者へ自動転送 | △担当者への自動転送に対応(有人オペレーター窓口への転送は公式に記載なし) | ●スマートフォン・固定電話・電話代行業者へ転送 | ●コールセンターへ接続 |
| 今の電話番号のまま利用 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし 専用番号への転送で利用 | 公式に記載なし | ●0120・0800・050の新規発番も選択可 | ●番号ポータビリティ(東京・大阪・札幌) | ●専用番号への転送で利用 | 公式に記載なし | ●代表番号から050番号へ転送 | ●代表番号から専用番号へ転送 | 公式に記載なし |
| 外部システム連携 | ●Slack・Chatwork・Teams・LINE WORKS通知(スタンダード以上)、予約台帳連携 | ●Slack・Chatwork・Teams・LINE WORKSへ通知 | ●Slack・Teams・Chatworkなど9種へ通知 | ●Salesforce・kintone・楽楽販売、通知6種 | ●CRM・SFA・MAとのAPI連携(連携先の具体名は非公開) | ●Slack・Google Chat・Chatwork・Teams・メールへ通知 | △Slack・Teams・LINEなどへの通知のみ(CRM等の連携先は非公開) | 公式に記載なし | △メール・チャット通知のみ(連携先の具体名は非公開) | ●LINE Notify・Slack・ChatWorkへ通知 | 公式に記載なし |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は各社が公式に公開している情報をもとに整理したものです(2026年8月時点)。最新の料金・機能については各社情報をご確認ください。
代表電話の取次や時間外の一次受けを、費用を抑えて短期間で始めたい企業に向くタイプです。
1. IVRy(アイブリー)(株式会社IVRy)

株式会社IVRyが提供する、電話の一次対応から担当者への転送・用件の記録までを自動化するサービスです。初期費用は0円で、月30着電までのフリープランなら月額もかからないため、自社の入電で試してから有料プランへ移れます。
有料プランは月額3,980円のスターター、6,480円のスタンダード、10,480円のアドバンスの3段階です(いずれも税抜・月払い)。担当者への電話転送に対応するのはスタンダード以上で、フリーとスターターでは転送を使えません。基本料金とは別に、電話番号の維持費と通話料が従量で加算されます。
従量部分の単価は公式の料金ページに掲載がなく、公式の料金シミュレーターか問い合わせでの確認が必要です。通話の文字起こし・AI要約は、2025年11月の基本プラン刷新で全プランの基本料金に含まれるようになりました。
Slack・Chatwork・Teams・LINE WORKSなどチャットツールへの通知はスタンダード以上が対象で、スターターは一部のみ、フリープランは対象外です。累計アカウント数は6万件を超えています(2026年4月末時点)。
2. DXでんわ(メディアリンク株式会社)

月額2,980円で月30件までの着信をまかなうセルフプランから、月額50,000円で1,000件までのプレミアムプランまで、着信件数に応じた5段階の料金が用意されています。提供元はコールセンターシステムを手がけるメディアリンク株式会社で、初期費用は全プラン0円です。
無料着信件数を超えた分は1件単位の超過課金となり、単価はセルフ・ライトが100円、スタンダードが60円、プレミアムが50円とプランごとに下がります。14日間の無料トライアルで全機能を試せます。ただし、現在使っている電話番号をそのまま使えるかは公式サイトに記載がなく、問い合わせでの確認が必要です。
発信者の自由な発話を登録キーワードと照合して転送先を判定するAI自動案内は、1回15円の従量オプションです。通話内容のテキスト化とAI要約、Slack・Chatwork・Teams・LINE WORKSなどへの通知に対応し、未対応のまま残った着信を繰り返し知らせるリマインド機能も追加費用なく使えます。
3. fondesk IVR(株式会社うるる)

人が応対する電話代行サービス「fondesk」を運営する株式会社うるるが、自動応答に特化した別サービスとして提供しています(本体とは別契約)。手持ちの番号からfondesk IVRの専用番号へ転送し、テキストで書いた案内文をAI音声で読み上げる形で応対します。
初期費用と解約手数料はなく、専用電話番号のレンタルを含めて月2,980円(税別)です。ここに着信3円/分、固定電話への転送13円/分、携帯電話への転送28円/分、SMS13円/通が加わります。他社からの乗り換えであれば、基本料が6か月無料になります。
2026年6月には、生成AIが用件・氏名・連絡先を会話で聞き取って要約を通知するAIオペレーターのベータ版が加わりました(22円/分)。通知先はSlack・Teams・Chatwork・LINEなど9種類で、録音は自動で文字起こしされます。用件に応じて指定した番号へ転送すれば、人が引き取る運用にも切り替えられます。
4. コールコール(CallCall-IVR)(ルーシッド株式会社)

ルーシッド株式会社が提供するクラウド型のIVRで、番号のプッシュ操作に加えて、発信者が話した内容を認識して応答・振り分けができます。音声認識は最大110言語、読み上げるガイダンスは28言語に対応します。
用件別のオペレーター転送とグループ転送を備え、AIで処理しきれない電話を人が受ける流れを組めます。通知先はLINE WORKS・Teams・Chatwork・Slack・Google Chat・directの6種類で、Salesforceやkintone、楽楽販売といった業務システムとの連携も用意されています。
初期費用と月額料金は公式サイトで公開されておらず、問い合わせでの確認が必要です。無料トライアルは14日間で、コールフローが固まってからの導入期間は最短5営業日(フリーダイヤルを使う場合は約3週間)とされています。現在の電話番号をそのまま使えるかも公式に記載がないため、あわせて確認しておきたい点です。
5. ソクコム(Foonz株式会社)

Foonz株式会社が提供する、IVR・クラウドPBX・CTI・自動架電をひとつのクラウド基盤にまとめたサービスです。着信の一次受付だけでなく、リマインドや確認の架電まで同じ環境で扱えます。
現在使っている電話番号を引き継ぐか、0120・0800・050の専用番号を新たに発番するかを選べます。発信者の発話を認識して応答フローを分けるキーワード分岐と、設定した設問を音声で尋ねるヒアリング機能を備えており、プッシュ操作なしでも用件を受け取れます。
料金は1ユーザーあたり月1,480円、1チャネルあたり月2,000円に、サーバー利用料が月5,000円から、AIエージェントが1つあたり月10,000円という積み上げ式です。電話番号の維持費は0120・0800が月1,600円、050が月500円かかります。初期費用と無料トライアルの有無は公式の料金ページに記載がなく、問い合わせでの確認が必要です。
6. ミライAI(株式会社ソフツー)

代表電話にかかってきた電話をAIが受け、指名された担当者へ取り次ぐことに重心を置いたサービスです。同じ姓の担当者が複数いる場合も、会話に出てきた部署名や役職から本人を特定する仕組みを持ち、株式会社ソフツーが特許(第7730511号)を取得しています。
料金は3プランで、BASICが初期費用0円・月額4,980円、PROが初期費用30,000円・月額30,000円、ENTERPRISEが初期費用200,000円・月額200,000円からです。電話番号の費用は050番号が月500円、市外局番付きの番号が月1,000円(発行費用2,000円)、社員名簿の登録は1人あたり月300円がかかります。
担当者が不在のときは、会社名・氏名・用件・折り返し先をAIが聞き取り、Slack・Google Chat・Chatwork・Teamsやメールへ通知します。従業員のスマートフォンを会社の番号として使えるクラウドPBX機能も含みます。AIの会話時間と取次転送時間にかかる従量料金は、公式の料金ページに単価の記載がなく問い合わせが必要です。
7. AItelefonista(AIテレフォニスタ)(インター・ラボ株式会社)

プランを事業規模で分けている点に特徴があり、個人事業主・合同会社向けのスタンダードが月額2,980円(税込3,278円)、資本金1,000万円未満の株式会社向けのプレミアムが5,980円(税込6,578円)、資本金1,000万円以上の株式会社向けのアルティメットが8,980円(税込9,878円)です。初期費用はいずれも無料です。
プランごとに月50回・300回・550回の着信が基本料金に含まれ、着信の通話料は0円です。含まれる回数を超えた分は1回あたり44円(税込)の追加着信料が加算されます。初回の申し込みは30日間の無料トライアル扱いとなり、この期間は料金がかかりません(機能に制限あり)。
今の電話番号は変えずに、そこから発行された専用番号へ転送する形で使います。人へつなぐ場合は22円/30秒(税込)のオペレーター転送、独自のトークスクリプトを作る場合は44円/着信(税込)の会話シナリオが、それぞれ有料オプションとして必要です。通知先はメールのほか、Slack・Teams・Google Chat・Chatwork・LINE・LINE WORKSに対応します。
8. AI電話対応さくらさん(株式会社ティファナ・ドットコム)

Web接客のチャットボット「AIさくらさん」を展開する株式会社ティファナ・ドットコムが、同シリーズの電話向け製品として提供しています。着信件数の上限を設けずに同時対応でき、会話の内容から取次先や対応の要否をAIが判断する設計です。
判断が必要な用件や緊急性の高い用件は、あらかじめ決めた条件に沿って担当者へ転送されます。通話はリアルタイムで文字起こしと要約が行われ、案内をSMSで自動送信することもできます。愛知県一宮市の市税申告予約では、2025年2月3日から3月17日までに7,000件以上の予約受付をAI電話とインターネット予約で処理したと公表されています。
初期費用と月額費用は公式サイトで公開されておらず、資料請求や問い合わせでの確認が必要です。従量課金の有無や無料トライアルの設定も公表されていません。運営会社はISO/IEC 27001(2016年取得)とISO/IEC 27017(2020年取得)の認証を保有しています。
9. Canario(カナリオ)(NECネッツエスアイ株式会社)

NECネッツエスアイ株式会社が提供する、電話の取次に絞り込んだサービスです。着信時にAIが発信者から担当者名を聞き取り、その担当者のスマートフォンなどへ自動で転送します。取次先が分からない場合は、グループのメンバーへ一斉に着信させることもできます。
料金は契約単位の基本料が月10,000円(税抜)で、これに利用する人数分のユーザー課金が加わります。1人あたりの月額はBasicが748円、Standardが1,078円、Premiumが1,628円(いずれも税込)で、Standard以上には無料通話分が含まれます。初期費用は0円、無料トライアルは1か月間です。
今の代表番号は変えずに、電話会社の転送機能やPBXの転送機能でCanarioが発行する050番号へ転送する形で導入します。担当者が出られなかった場合の伝言は、AIがテキスト化して通知します。株式会社証券保管振替機構の事例では、代表電話の約60%がIVRで自動振り分けされ、人が取り次ぐ件数が60%減ったことが公開されています。
10. IVR+(IVRプラス)(株式会社ナレッジフロー)

電話に出られなかった着信に対してSMSで用件を尋ね、返信内容を通知する「双方向SMS」を軸にしたクラウドIVRです。株式会社ナレッジフローが特許を取得している機能で、折り返しのやり取りを電話に戻さずに済ませられます。
プランは、双方向SMSのみのSMSプランが月額3,300円、着信フローの分岐と転送を含むフルIVRプランが3,850円、AIによる音声認識と自動応答を加えたAI対応プランが4,950円です(いずれも税込)。初期費用は22,000円(税込)ですが、クレジットカード払いを選ぶと0円になります。
フルIVRプラン以降は着信通話料1.1円/30秒に加え、転送先がスマートフォン・IP電話なら3円/分、携帯電話なら15円/分が上乗せされます。既存の代表番号から専用番号へ転送する形で今の番号を使い続けられ、転送先にはスマートフォンや固定電話のほか電話代行業者も指定できます。受電通知はLINE Notify・Slack・ChatWorkに対応します。
11. SyncLect IVR(株式会社ヘッドウォータース)

AI開発を手がける株式会社ヘッドウォータースが、マルチAIプラットフォーム「SyncLect」の構成製品として提供する電話AIボットです。意図理解AIが質問の意図を読み取り、FAQで答えられる内容はAIが回答し、答えきれない質問は有人のコールセンターへ接続します。
WebサイトのFAQやマニュアルからデータを自動で集めてFAQボットの形に整えられ、作ったものは音声だけでなくテキストのチャットボットにも転用できます。通話ログはすべて保持したうえで機械学習で自動分類し、BIツールで可視化する仕組みも備えます。Azure OpenAI Serviceと連携し、応答の発話モデルを生成AIで作る構成も公表されています。
初期費用・月額費用・従量課金はいずれも公式サイトに記載がなく、問い合わせでの見積もりとなります。無料トライアルの有無や、SyncLect IVR単独での導入社数も公表されていません。
【タイプ別比較表】予約・注文を電話だけで完結させるタイプ
| サービス名 | DHK CANVAS | PKSHA VoiceAgent | LINE WORKS AiCall | AI Messenger Voicebot | commubo | VoiceMall | MOBI VOICE | AI電話自動応答サービス(キューアンドエー) | COTOHA Voice DX Premium | SOPHIA | AItoVoice | CAT.AI | NamiGen | AI-BPO Double BRAIN |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 500万円〜(VOICEIVR) 本体は非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 15万円〜200万円 (税別。利用シーン・タイプにより異なる) | 非公開(要問い合わせ) | 26万円〜(スタンダード) 120万円〜(エンタープライズ) | 非公開(要問い合わせ) | 0円 | 200,000円 | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) |
| 月額 | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 50万円〜(VOICEIVR) 本体は非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 14万円〜50万円 (税別。利用シーン・タイプにより異なる) | 非公開(要問い合わせ) | 5万円〜(スタンダード) 25万円〜(エンタープライズ) | 非公開(要問い合わせ) | 39,800円/89,800円/198,000円/385,000円 (税別、4プラン) | 50,000円〜 | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) |
| 従量課金 | あり 1コール単位の件課金(単価は非公開) | 非公開(要問い合わせ) | なし 通話量に応じた従量課金はなく固定料金制 | 非公開(要問い合わせ) | あり インスタンス数・利用時間帯に応じた個別見積もり(単価は非公開) | あり SMS配信50円/通ほか(フリーダイヤル等の通信料は別請求) | あり 電話番号利用料・通話料(単価は非公開) | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | あり 固定電話転送8円/3分、携帯電話転送16円/1分(転送機能の月額固定費なし) | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) |
| 無料トライアル | ●期間・条件は要問い合わせ | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | △トライアル運用あり(無料か有料かは非公開) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | △トライアル利用可(期間・範囲は要問い合わせ) | ●7日間(カード登録不要・全機能) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 発信への対応 | ●応答した分のみ課金 | ●リスト化した番号への一斉発信 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ● | ●アウトバウンド ギャランティ型 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ● | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ●テレセールス・債権回収の発信を用途に明示 | ●自動架電リストへの発信 |
| 有人オペレーター転送 | ●指定番号へ条件付きで転送 | ●対話内容を引き継いで転送 | ●やり取りを引き継いで転送 | 公式に記載なし | ● | ●外部転送・オペレーター接続オプション | ●折り返し予約受付またはオペレーター転送 | ●担当者を個別指定した転送設定 | ● | △緊急時は担当者へエスカレーション(通話中の転送か事後通知かは非公開) | ●登録QAとの一致度が設定値を下回ると自動転送 | ●有人へのエスカレーション | 公式に記載なし | ● |
| 今の電話番号のまま利用 | ●0120・0800・0570をそのまま利用可 | 公式に記載なし | ●0120番号・PBXをそのまま利用 | 公式に記載なし | ●契約中の番号をそのまま利用可 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ●フリーダイヤル・ナビダイヤルをそのまま利用 | ● | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ●現在のPBXのまま指定番号へ転送 |
| 外部システム連携 | ●API連携(連携先の具体名は非公開) | ●Avaya・BIZTEL・CT-e1/SaaS・GENESYS | ●PBX・CTI連携、SMS・LINE・LINE WORKS送信 | 公式に記載なし | ●BIZTEL・Genesys Cloud・Zoom Phone・Twilioなど | ●SMS(空電プッシュ)・FAX(BizFAX)連携、Voice AI Proxy | ●API・CRM・PBX/CTI・RPA・Visual IVR連携 | ●API連携、メール・SMS・Slack・Teams通知(連携先の具体名は非公開) | ●RPA連携による後続処理の自動化 | ●カレンダー連携(連携先の具体名は非公開) | 公式に記載なし | ●業務アプリとのAPI連携 | 公式に記載なし | ●CRM・チャットシステムとのAPI連携 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は各社が公式に公開している情報をもとに整理したものです(2026年8月時点)。最新の料金・機能については各社情報をご確認ください。
予約や注文の受付を折り返しなしで終わらせたい企業、あふれ呼への対策が必要なコールセンターに向くタイプです。
12. DHK CANVAS(株式会社電話放送局)

入電した用件をAIが判断し、よくある質問への回答はAI、定型の手続きはシナリオ、クレームなどはオペレーターへと振り分けるノーコードAIエージェントです。株式会社電話放送局が提供しており、通販の受注・解約受付から自治体の申請受付まで、電話業務の内容に合わせてコールフローを組み立てます。
コールフローの構築・編集はGUIのドラッグ&ドロップで行え、専任のカスタマーサクセス担当が契約期間中は無償で代行します。音声とプッシュ操作の併用、SMS送信、自社で利用中のシステムとのAPI連携に対応し、既存の0120・0800・0570番号のまま最短約2週間で開始できます。
料金は初期費用・月額とも公式サイトでは公開されておらず、問い合わせが必要です。課金は通話時間ではなく1コール単位の件課金で、発信の場合は応答した分だけが対象になります。電話放送局に着信するまでの通話料は、この料金には含まれません。
無料トライアルも用意されており、期間と条件は問い合わせで確認する形です。導入事例では、日本予防医薬が年間7万件の解約電話のうち40.9%を完全自動で処理し、解約受付の対応工数を年間3,800時間削減したと公表されています。2026年7月からは倉敷市の市民課でも本格稼働しています。
13. PKSHA VoiceAgent(株式会社PKSHA Technology)

入電を用件ごとに窓口へ振り分けるAI-IVRプランと、注文受付などの定型業務を電話の中で完結させる自動応答プランの2構成で提供されています。提供元は東証プライム上場の株式会社PKSHA Technologyで、2025年7月のカンパニー制移行以降は同社のPKSHA Communicationカンパニーが提供しています。
連携できるPBX・CTIとして、Avaya・BIZTEL・CT-e1/SaaS・GENESYSを公式に挙げています。氏名や住所、電話番号、日時の聞き取りに特化した日本語の音声認識補正を備え、対話の内容を引き継いだうえでオペレーターへ転送できます。リスト化した番号への一斉発信にも対応します。
初期費用・月額とも公開されておらず、規模やコール量に応じた個別見積もりとなります。導入までの期間は最短1〜2か月です。三井住友海上火災保険では2023年度の年間着信110万件のうち15万件に対応し、聞き取り項目や有人対応への分岐位置を見直して完結率を約30%から60%へ引き上げたと公表されています。
14. LINE WORKS AiCall(LINE WORKS株式会社)

提供形態は2つに分かれます。個社の業務に合わせてAIを構築するAiCall本体と、コールセンターの一次対応に絞ったパッケージ型のVOICEIVRがあり、後者は2024年10月31日から提供されています。提供元はLINE WORKS株式会社です。
VOICEIVRの価格は構築費用500万円〜・月額50万円〜で、問い合わせ内容数や電話環境によって変わります。本体は個別見積もりですが、どちらも通話量に応じた従量課金がなく、入電が増えても月々の費用は変わりません。
既存の0120番号やPBXはそのまま使い、AiCallを前段に置く形で導入します。AIと顧客のやり取りを引き継いだオペレーター転送やSMSでのURL送信に対応し、VOICEIVRは最短1か月で稼働できます。ヤマト運輸では宅急便の集荷依頼を24時間365日受け付け、月100万件の対応とAI完了率80%を実現したと公表されています。
15. AI Messenger Voicebot(株式会社AI Shift)

予約や注文の受付、問い合わせ対応、サブスクリプションの変更といった電話業務の自動化を担うボイスボットです。提供元の株式会社AI Shiftはサイバーエージェントの100%子会社で、2025年12月に名称を「AI Worker VoiceAgent」へ変更しています。
対話の制御では、利用者の発話中にAIが割り込む機能と、沈黙した相手に発話を促す機能を備えます。後者を使ったABテストでは、質問後に沈黙していた利用者に絞ると切断数が75%改善したと公表されています。
初期費用・月額とも公式サイトには記載がなく、問い合わせが必要です。導入先では、焼肉きんぐが全国230店舗の電話窓口で順番待ちや翌日以降の予約受付、予約内容の確認に使い、月間約15万件の電話対応を自動化しています。神戸市の税務部でも、試験導入で自動回答率65%以上を達成したと公表されています。
16. commubo(株式会社ソフトフロントジャパン)

自社開発の音声認識エンジンで連続的な会話を行うAIボイスボットで、株式会社ソフトフロントジャパンが提供しています。手続きや予約の受付、あふれ呼への対策といった受電業務に加え、督促やアンケートの一斉架電にも使えます。
連携できるCTI・PBXは、BIZTEL、Genesys Cloud、Zoom Phone、Twilioなどが公式の一覧ページで示されています。契約中の電話番号をそのまま使う構成が可能で、AIで対応しきれない用件は人のオペレーターへ転送できます。
料金は初期費用・月額とも非公開で、使った分だけを支払う従量課金制を採り、ロボットのインスタンス数や利用時間帯に応じた見積もりになります。稼働開始までは最短1か月です。導入は400社以上と公式が公表しており、江南自動車学校での機会損失1,000万円の解消、二幸産業での工数約40%軽減といった事例が挙げられています。
17. VoiceMall(NTTテクノクロス株式会社)

NTTテクノクロス株式会社のクラウド型IVRで、音声認識・音声合成にSMSやFAXを組み合わせ、使う機能を1か月単位で選べます。IVRの基盤はNTTコミュニケーションズの「Vポータルダイレクト」、SMSは「空電プッシュ」というように、NTTグループ各社のサービスを束ねた構成です。
公式の費用例ページには、利用タイプごとの料金が掲載されています(いずれも税別)。インバウンドのベストエフォート型が初期30万円〜・月額26万円〜、ギャランティ型が初期30万円〜・月額14万円〜、自由発話に応答するボイスボットの構成は初期200万円〜・月額50万円〜です。
利用シーン別では、コールバック予約が初期15万円〜・月額30万円〜、SMS配信が初期25万円〜・月額30万円〜に1通50円が加わります。同時着信は最大92chまたは184chに対応し、フリーダイヤル等の通信料はNTTコミュニケーションズから別に請求されます。導入実績は約300サービスと公式に記載があります。
18. MOBI VOICE(モビルス株式会社)

生成AIと音声認識を組み合わせ、自由な言い回しの用件も聞き取るモビルス株式会社のボイスボットです。シナリオは管理画面上でノーコードで作成・編集でき、対応しきれない用件は折り返し予約の受付、またはオペレーターへの転送に切り替わります。
受け付けた結果を後続の事務処理につなぐ使い方が公表されています。SBI生命保険株式会社では生命保険料控除証明書の再発行受付をRPAと連携して自動化し、1件あたりの処理時間を約7割短縮、年間約300時間を削減しました。株式会社横浜銀行では証明書発行申請の自動受付完了率が約9割に達し、年間約445時間の削減を見込むとしています。
初期費用・月額とも公式サイトでは非公開(要問い合わせ)で、利用する機能やシステム連携の有無でプランが変わります。電話番号の利用料と通話料は従量課金ですが単価は公開されていないため、想定件数を伝えたうえでの見積もりが必要になります。
19. AI電話自動応答サービス(キューアンドエー株式会社)

コンタクトセンターの運営とBPOを手がけるキューアンドエー株式会社が、自社の運用実績をもとに開発したボイスボットです。代表電話の応対・予約受付・注文受付という3つの用途をパッケージにして、2021年3月から外部への提供を始めています。
料金は公式サイトに掲載されており、スタンダードが初期26万円〜・月額5万円〜、エンタープライズが初期120万円〜・月額25万円〜です。通話などにかかる従量課金の単価と、無料トライアルの有無は公表されていません。
機能面では、担当者を個別に指定した着信転送、通話内容のリアルタイムなテキスト表示、応答内容を自社で修正できるセルフエディットを備えます。ECプラットフォームなど外部システムとのAPI連携にも触れていますが、連携先の製品名、発信業務への対応、既存番号の扱いについては公式サイトに記載がありません。
20. COTOHA Voice DX Premium(NTTドコモビジネス株式会社)

電話の受付から通話後の事務処理までを一続きで自動化する構成をとります。AIがヒアリングと受付を行い、RPAなどと連携して社内システムへの投入まで進める設計で、NTTドコモビジネス株式会社(2025年7月にエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズから社名変更)が提供しています。
利用中のフリーダイヤル・ナビダイヤルの番号は、そのまま使い続けられます。複雑な用件はオペレーターへ転送でき、SMS送信やアウトバウンドコールにも対応します。音声認識エンジンを複数用意した冗長構成をとり、対応言語は日本語のみです。
料金は初期費用・月額とも公開されておらず、要件に応じた個別見積もりです。トライアル利用は可能とされていますが、期間や範囲は問い合わせで確認します。東京電力エナジーパートナーの試験導入では月間約2.5万件の問い合わせを処理し、1席1時間あたりの対応件数が約3件から約6件へ増加したと公表されています。
21. SOPHIA(株式会社Leadsia)

株式会社Leadsiaが2026年7月に提供を始めたAI音声エージェントで、24時間365日の電話受付を担います。通話の中でカレンダーやスタッフのシフトを確認し、電話を切る前に予約を確定させる使い方を主眼に置いています。
料金は初期費用0円、月額はSoloの39,800円からApexの385,000円まで4プラン(いずれも税別)で、年払いにすると17%引きになります。7日間の無料トライアルはクレジットカードの登録が不要で、期間中も全機能を使えます。
2026年7月には、受電結果を予約受付・クレーム・緊急など12種類に分けて、メールやSMSの宛先を振り分ける機能が全プランに追加されました。申し込み当日に所在地の市外局番が発行され、回線工事なしで使い始められます。担当者へのエスカレーションが通話中の転送か事後の通知かまでは、公式サイトに示されていません。
22. AItoVoice(メディアリンク株式会社)

メディアリンク株式会社のマルチチャネルAIエージェント「AIto」のうち、電話を担当するのがAItoVoiceです。大規模言語モデルと音声認識・音声合成にRAG(検索拡張生成)を組み合わせ、自社のナレッジデータベースを参照しながら自由な話し方の問い合わせに応答します。
問い合わせ内容と登録済みQAの一致度が設定値を下回ると、自動でオペレーターへ転送します。転送先が指定した秒数内に応答しない場合は転送失敗と判定し、任意の音声案内を流してから通話を終える動きになります。通話内容の要約は管理画面で確認でき、CSVでの書き出しにも対応します。
転送機能そのものに月額の固定費はかからず、固定電話への転送が3分8円、携帯電話への転送が1分16円という通話料だけが発生します。専用のサービスページには料金表が置かれていませんが、提供元であるメディアリンク株式会社のコラムページでは初期費用200,000円・月額利用料50,000円〜と案内されています。既存番号の継続利用や外部システムの連携先についても、公式の記載は見当たりません。
23. CAT.AI マルチAIエージェント for Voice(株式会社CAT.AI)

電話と画面をリアルタイムに同期させ、通話を切らせずに画面上で手続きを終える設計をとるプラットフォームです。音声側は定型業務向けのvoice Assistと、状況に応じて分岐するvoice AI agentに分かれ、チャット側と組み合わせて運用します。
複雑な用件では、リードエージェントがタスク実行型・回答生成型・手続き案内型のAIと有人対応を切り替えながら、保険金請求のように複数の工程にまたがる問い合わせを一貫して処理します。提供元の株式会社CAT.AIは、2026年4月に株式会社トゥモロー・ネットのAI事業を分社化して設立された会社です。
初期費用・月額とも公開されておらず、FAQにも料金の項目がないため問い合わせが必要です。ダイキン工業では繁忙期に約3万件の問い合わせを自動化し、修理受付のAI対応完了率が改善前の約30%から60%へ、キャンセル・日程変更は約80%に達したと公表されています。
24. NamiGen(Nami Technology Joint-stock Company)

ベトナムのNami Technology Joint-stock Companyが開発する音声AI群「NamiTech」のうち、大規模言語モデルを使った会話型AIがNamiGenです。国内では総代理店の株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニューが提供しており、2025年6月には日本法人も設立されています。
想定される用途として、用件を聞き分けるスマートIVR、カスタマーサポート、テレセールス、債権回収の発信が挙げられています。開発元は、日本語を含む非英語圏の言語やノイズの多い環境での音声処理に取り組んでいると説明しています。
料金は初期費用・月額とも非公開で、問い合わせが必要です。国内での導入企業名や社数の公表もなく、シナリオの作成方法、有人オペレーターへの切り替え、外部システムの連携先といった仕様も日本向けサイトでは公開されていないため、検討段階で個別に確認する形になります。
25. AI-BPO Double BRAIN(株式会社クラッド)

コールセンターのBPOを本業とする株式会社クラッドが、AIと人の役割分担を前提に組み立てたサービスです。AIが応答するVoicebot、オペレーターの回答を補助するVoicebot FAQ、対話内容を自動で要約するAI-BPO Summaryで構成されます。料金は初期費用・月額とも公式サイトに掲載がなく、問い合わせが必要です。
2025年4月には、振り分けエージェントが複数の専門エージェントを切り替えるAI-BPO Agentが加わりました。項目を聞き取るエージェントは発話の順序が想定と違っても対応し、質問応答型のエージェントは聞き返しを挟みながら用件を特定します。
導入時は、指定の電話番号へ転送すれば現在使っているPBXのまま利用でき、番号はフリーコール・ナビダイヤル・03番号から設定できます。同時着信数に上限はなく、事前の予測に合わせて設定します。CRMやチャットシステムとのAPI連携、オペレーターへの転送、リストへの自動架電にも対応します。
【タイプ別比較表】督促・リマインドなどの発信を自動化するタイプ
| サービス名 | AIコンシェルジュ | Terry | AmiVoice ISR Studio | FastVoice | オーロラAIコール | Daisybell | スパ電 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 0円〜(トライアルプラン) 標準プランは非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | 0円 | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) |
| 月額 | 非公開(要問い合わせ) 稼働レポート・改善提案・精度チューニング込み | 非公開(要問い合わせ) | 30,000円(税別、トライアルプラン。10,000円分の利用料込み) 標準プランは非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) 1ドメインごとに発生(3メニュー) | 0円(オプションを除く) | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) ライト・コネクト・エージェントの3プラン |
| 従量課金 | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) | あり 受電・転送時間などに応じた従量(単価は非公開) | 非公開(要問い合わせ) | あり 通話時間に応じた従量(単価は非公開) | 非公開(要問い合わせ) | 非公開(要問い合わせ) |
| 無料トライアル | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ×トライアルプランは月額30,000円(税別)の有料 | 公式に記載なし | ●14日間 | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 発信への対応 | ●督促・再配達受付などのオートコール | ●オートコール機能 | ●発信日時指定・リトライ発信・発信禁止時間の設定 | ●支払案内・リマインド・督促の大量架電 | ●クイックコール・留守番電話の自動判別 | ● | ●リマインドコール・営業架電 |
| 有人オペレーター転送 | ● | ●Terry2でオペレーターへ即時引き継ぎ | ● | ● | ● | 公式に記載なし | ●判断が必要な相談は自動で有人へ取次 |
| 今の電話番号のまま利用 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 外部システム連携 | ●PBX・CTI連携、API連携(連携先の具体名は非公開) | ●CRM・FAQ検索システム連携、Slack・メール・SMS通知 | ●REST API・Webhook・SMS・メール・GPT連携(ベータ) | ●RPA連携、FastHelp5・FastAnswer2などFastSeries連携 | ●Salesforce・HubSpot・kintone、Slack・Teams・LINE | ●CRM・ERP・コールセンターシステム(連携先の具体名は非公開) | ●CRM/SFA・Teams・Slack・SMS・API連携 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は各社が公式に公開している情報をもとに整理したものです(2026年8月時点)。最新の料金・機能については各社情報をご確認ください。
入金案内やリマインドの架電を人手で回している企業、期間を区切って一斉に連絡したい業務を抱える企業に向くタイプです。
26. AIコンシェルジュ(株式会社TACT)

受電の一次対応に加えて、督促や再配達受付といった発信業務(オートコール)にも対応するボイスボットです。株式会社TACTが2016年9月から提供しており、電話番号・生年月日・氏名による本人認証、FAQ回答、オペレーター転送、SMS・Eメール送信を組み合わせて、業種ごとに専用の対話フローを設計します。
公表されている導入事例では、ニッセン株式会社が返品受付の70%以上を自動化し、生活協同組合コープこうべが完了率を35%改善しています。プレミアムウォーター株式会社では月3,000件以上の再配達受付に対応しています。
初期費用・月額とも公式サイトでは非公開(要問い合わせ)で、コールフローや対応内容によって金額が異なると案内されています。月額には毎月の稼働レポーティング・改善提案・精度チューニングが追加費用なしで含まれると公式が明記しています。
27. Terry(Hmcomm株式会社)

産業技術総合研究所発のベンチャーであるHmcomm株式会社が開発した電話自動応答AIです。通販商品の受注や訪問・修理予約の受付に加え、オートコール機能によるアウトバウンドの架電にも対応し、トークシナリオは管理画面のUI上で利用企業側が編集できます。
稼働状況と自動応答の成否はダッシュボードで確認でき、顧客とAIの会話はテキストと音声の両方で振り返れます。受付内容はSlack・メール・SMSへ通知され、CRMやFAQ検索システムとの連携も可能です。導入までの期間は、学習期間を含めて平均3ヶ月と公式が示しています。
2025年8月には生成AIを用いた後継製品「Terry2」を投入し、予約受付・支払い・本人確認といった手続きの遂行と、AIで対応が難しい場合のオペレーターへの即時引き継ぎに対応しました。初期費用・月額とも、いずれの製品も公式サイトでは非公開(要問い合わせ)です。
28. AmiVoice ISR Studio(株式会社アドバンスト・メディア)

音声認識エンジン「AmiVoice」を開発する株式会社アドバンスト・メディアが、2023年7月に提供を開始したボイスボットです。2024年11月には、発信予定日時の指定・リトライ発信・発信禁止時間の設定を備えたアウトバウンド機能を追加し、来店確認やアンケート調査、督促の架電に対応しました。
氏名・住所・法人名・電話番号など項目ごとの専用認識エンジンと、自由発話向けの汎用エンジンを使い分ける構成です。商品番号や型番といった自社固有の用語は、カスタムエンジンとして利用企業が自分で作成できます。受電側では、ファストドクター株式会社が月約3,000件の入電のうち約2,500件(約83%)を自動化した事例が公表されています。
料金はトライアルプランが初期費用0円〜・月額30,000円(税別)で、月額には10,000円分の利用料金が含まれます。標準プランの初期費用・月額は公式サイトでは非公開(要問い合わせ)で、基本料金に受電・転送時間などの従量が加わる体系と説明されています。
29. FastVoice(テクマトリックス株式会社)

支払案内・予約リマインド・アンケート収集・督促といった、大量リストへの自動架電を得意とすると公式が説明するAIボイスボットです。提供元のテクマトリックス株式会社は、コンタクトセンター向けCRM「FastHelp5」やFAQシステム「FastAnswer2」を含む製品群「FastSeries」を展開しており、それらと組み合わせた運用ができます。
受電側は、標準で最大100件、専用環境では最大1,000件までの同時着信に対応します(検証条件は非公開)。受け付けた内容はRPAへ自動登録でき、聞き取り内容のテキスト化、担当者へのメール通知、確認用URLのSMS送付も備えます。シナリオはWeb画面上で作成し、電話番号を購入して紐付ければ最短5分で公開できるとしています。
料金はスタンダード・ビジネス・エンタープライズの3メニューがあり、コンタクトセンター用途はエンタープライズを利用します。月額は1ドメインごとに発生する体系ですが、初期費用・月額とも金額は公式サイトでは非公開(要問い合わせ)です。
30. オーロラAIコール(株式会社メディア4u)

株式会社メディア4uが「Aurora X」ブランドで展開する音声AIエージェントで、受電と架電の双方をAIが担います。架電では即時発信の「クイックコール」に加え、留守番電話を自動で判別して事前に設定したメッセージを吹き込む機能を備えます。
対話設計は、管理画面のキャンバス上で発話・分岐・アクションのノードをつなぐノーコード形式です。AIの自由発話とプッシュ操作(DTMF)による分岐を併用できるため、数字の入力を確実に処理したい場面にも当てはめられます。通話後は自動要約と録音データが担当者へSMSやSlackで届き、要約の抽出項目は自社の受付表に合わせて設定できます。
料金は初期費用0円・月額基本料0円(オプション除く)で、通話時間に応じた従量課金です。1分あたりの単価は公式サイトに記載がなく要問い合わせとなりますが、最低契約期間はなく、14日間の無料トライアルが用意されています。
31. Daisybell(Daisybell Japan株式会社)

受電・架電のいずれもAI音声エージェントが担うサービスで、Daisybell Japan株式会社が提供しています。カスタマーサポートや営業支援、予約受付、問い合わせ対応を自動化の対象に挙げ、美容室の予約対応・保険の見直し相談・引越しの見積対応・銀行のカスタマーサポートといった業務別のAIエージェントの例を公式サイトで公開しています。
公式サイトでは、話し手の意図に加えて感情も捉えながら対話し、問い合わせ対応からクロージングまでのタスクを遂行すると説明されています。CRM・ERP・コールセンターシステムとの連携にも対応します(連携先の製品名は公開されていません)。導入は20社以上と記載があります。
2026年6月にはリソースワーカー株式会社がグループに参画し、業務設計から運用定着までを含めた支援体制へ広げる方針を発表しました。初期費用・月額・従量課金とも公式サイトでは非公開(要問い合わせ)のため、費用は見積もりで確認することになります。
32. スパ電(カイタク株式会社)

カイタク株式会社が提供する自律型のAI電話エージェントで、2025年6月に「カイタクAIコール」から現在の名称へ切り替わりました。架電と受電の双方に対応すると公式が明記しており、発信では面談・商談前のリマインドコールや契約後の確認、営業架電が用途として挙げられています。
通話は自動で録音・テキスト化され、内容の可視化とAIによる分析、CSV出力までが機能として用意されています。判断が必要な相談は自動で有人オペレーターへ取り次ぎ、CRM/SFAの顧客情報を参照した応対、通話後のSMS自動送信、Teams・Slackへの連携にも対応します。
2025年11月には留守番電話を自動で判別して録音に移る機能を追加し、その後も知識ベースを参照して回答するRAG機能などの拡張が続いています。料金はライト・コネクト・エージェントの3プランが公開されていますが、いずれも金額は公式サイトでは非公開(要問い合わせ)です。
AI電話自動応答サービスを導入するメリット
候補が見えてきたところで、導入によって何が変わるのかを4つの観点から整理します。
電話の一次対応が減り、担当者が本来の業務を止められずに済む
電話対応の負担は、対応時間そのものよりも、作業を中断されることによる影響が大きく出ます。資料作成や打ち合わせの途中で電話に出れば、終わった後に元の作業へ戻るまでにも時間がかかります。
AIが一次受けを担うと、担当者が反応するのは自分宛ての用件が通知されたときだけになります。営業電話や別部署宛ての取次は担当者に届かなくなり、中断の回数そのものが減ります。
営業時間外・混雑時の取りこぼし(あふれ呼)を防げる
すべての回線が話し中のときにかかってきた電話は、つながらないまま切れます。この「あふれ呼」は記録に残りにくく、どれだけ失注につながっているかを把握しづらい性質があります。
AIによる自動応答は同時に複数の通話を受けられるため、混雑時でも用件を聞き取って記録に残せます。営業時間外の着信も同様で、翌営業日に内容を把握したうえで折り返せるようになります。
電話番のための人員配置を抑えられる
代表電話の受付や一次対応のためだけに人を置いている場合、その工数を別の業務へ振り向けられます。採用が難しい状況では、人を増やさずに受付体制を保てること自体が導入理由になります。
ただし、人員を減らすことを前提に設計すると、AIで処理できなかった用件の受け皿がなくなります。削減した工数の一部は、転送されてきた電話への対応に残しておく必要があります。
応対内容が文字で残り、共有・改善に使えるデータになる
従来、電話の内容は対応した担当者の記憶とメモにしか残りませんでした。AIによる応対では通話が文字起こしされ、要約とあわせて記録されるため、誰がどんな用件で電話をかけてきたのかが後から検索できる状態になります。
問い合わせの多い用件が可視化されれば、Webサイトの案内を直す、よくある質問を増やすといった手も打てます。電話が「消える工数」ではなく「蓄積される情報」に変わる点は、件数削減とは別の効果です。
通話内容を文字起こしして分析まで行う場合は、その取り扱いを利用目的として特定しておく必要があります。個人情報保護委員会のガイドラインは、分析を行う場合の利用目的の特定について次のように示しています。
例えば、本人から得た情報から、本人に関する行動・関心等の情報を分析する場合、個人情報取扱事業者は、どのような取扱いが行われているかを本人が予測・想定できる程度に利用目的を特定しなければならない。
出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)3-1-1 利用目的の特定|個人情報保護委員会
「お問い合わせ対応のため」とだけ記載している場合、文字起こしと分析まで含めた取り扱いを読み取ることはできません。導入にあわせてプライバシーポリシーの記載を見直しておくと、後から慌てずに済みます。
AI電話自動応答サービスのデメリットと導入前に押さえる注意点
期待値を合わせておくために、AIに任せることで生じる制約も4つ挙げます。いずれも設計と運用でやわらげられるものですが、認識していないと導入後につまずきます。
音声認識の精度には限界がある
音声認識は完全ではありません。方言や早口、周囲の雑音が入る環境では認識率が下がりますし、社名・商品名・地名といった固有名詞は事前に辞書へ登録しておかないと正しく取れないことがあります。
「100%聞き取れる」前提で設計すると、認識に失敗した電話の行き先がなくなります。精度を上げる努力と並行して、聞き取れなかったときに人へ渡す経路を必ず用意しておくことが前提になります。
音声認識にどこまで任せるかは、提供側でも扱う情報の性質によって判断が分かれます。音声認識にどこまで任せるかは、扱う情報の性質によっても分かれます。電話での決済受付を手がける事業者からは、カード番号の入力を音声認識ではなくプッシュ操作にしている理由として、次のような説明が示されています。

音声入力(音声認識)による番号入力も技術的には考えられますが、当社としては現時点ではプッシュ入力(DTMF)の方が確実性は高いと判断しています。音声だと周囲の人に聞かれるリスクがありますし、通話録音装置などの音声ログの残り方も気になります。音声認識の精度も完璧ではなく、誤認識の問題もあります。決済という分野では「確実に処理できること」が何より重要です。
用件のように言い回しの幅を受け止める必要がある部分と、番号や記号のように取り違えが許されない部分とでは、音声認識に任せる妥当性が変わります。自社が電話で受け取っている情報にどちらが含まれるかを確かめておくと、精度の限界とどう付き合うかを決めやすくなります。
複雑な相談やイレギュラーな用件は人が対応するほうが早い
クレームや交渉、前提条件の確認が何度も往復する相談は、AIでは処理しきれません。無理にシナリオを作り込むと分岐が膨れ上がり、発信者を長く待たせたうえで結局人につなぐ、という最も避けたい体験になります。
自動化の対象は、繰り返し発生する定型的な用件に絞るほうが結果的に効果が出ます。イレギュラーは人に回す前提で線を引いてください。
シナリオ設計と初期設定の手間がかかる
導入時には、どの用件をどう聞き取り、どこへ振り分けるかを自社で決める必要があります。この設計は既存の電話業務を棚卸しする作業でもあり、ノーコードで編集できる製品であっても、最初の整理には一定の時間がかかります。
ベンダーが構築を代行する製品では初期の負担は軽くなりますが、そのぶん費用と導入期間が増えます。手間をどちらで持つかという選択であって、どこかで必ず発生する作業だと捉えておくのが実態に近くなります。
機械対応に抵抗を感じる顧客がいる
電話をかけたのに人が出ないこと自体に、不満を持つ顧客はいます。特に高齢の顧客が多い事業では、AIとの対話に慣れていない層への配慮が必要です。
対策としては、冒頭でAIが応対することを伝える、「担当者につないでほしい」という申し出をいつでも受け付ける、時間帯によっては人が出る運用に切り替えるといった設計が有効です。効率だけを優先すると、削減できた工数以上に顧客との関係を損ないかねません。
導入の進め方と、使われないまま終わらせないための運用設計
導入したものの結局は人が出ている、という状態は珍しくありません。原因の多くは、任せる範囲の線引きと、稼働後の見直し体制が決まっていないことにあります。ここでは検討から運用までの流れを、つまずきやすい箇所とあわせて整理します。
検討から本番稼働までの進め方
最初に行うのは電話業務の棚卸しです。1週間から1か月ぶんの着信を、用件の種類・件数・時間帯・対応した担当者で分類するところから始まります。この段階で、自動化できる用件がどれくらいの割合を占めるかが見えてきます。
次の段階が、任せる業務の決定です。件数が多く手順が決まっている用件から選ぶと効果が出やすく、シナリオも作りやすくなります。決まったら、既存番号からの転送設定か新規発番かを確定させ、電話環境側の準備に移ります。
続いてシナリオを作成し、社内で試験通話を行う段階に入ります。想定した言い回しだけでなく、言い間違いや途中で黙ってしまった場合の挙動まで確認しておくと、稼働後の手戻りが減ります。
本番切替は、全件を一度に切り替えるのではなく、時間外の一次受けや特定の用件だけをAIに回すところから始めると安全です。実際の通話ログを見ながら対象を広げていけば、認識精度の問題が大きくなる前に手を打てます。
AIに任せる範囲と人が対応する範囲の線引き
設計の中心は、どの条件で人へ渡すかを決めることです。判断に使えるのは、認識に一定回数失敗した場合、発信者が担当者を求めた場合、用件がシナリオのどの分岐にも当てはまらない場合の3つです。
この条件を先に決めておくと、AIが処理できない電話が宙に浮かなくなります。逆に「できるだけAIで完結させる」という方針だけで始めると、転送の条件が曖昧なまま運用が始まり、切られた電話が積み上がります。
転送先の具体化も欠かせません。部署の代表番号なのか担当者の携帯なのか、不在時の扱いをどうするのかまで決めておきます。転送のたびに通話料が発生する点も、運用コストとして見込んでおく必要があります。
営業時間内・時間外で応答を分ける
同じ応答をすべての時間帯で使う必要はありません。営業時間内は取次を中心にして人へ渡し、時間外は用件の聞き取りと記録に徹する、という切り替えが現実的です。
時間外に転送先が不在のまま転送を試みると、コール音が鳴り続けて切れることになります。時間帯ごとに転送の可否を分け、時間外は伝言の受け取りに寄せておくと、発信者の体験が安定します。
休日や年末年始のように、通常と異なる案内が必要な期間の設定も確認が必要です。管理画面から自社で切り替えられるか、都度ベンダーへ依頼するかで運用の手間が変わります。
シナリオを誰がどの頻度で見直すか
稼働後に効果を左右するのが、見直しの体制です。担当者と頻度を決めずに始めると、初期に作ったシナリオのまま放置され、認識できない用件が増えていきます。
確認するのは、応対ログのうち転送された通話と途中で切れた通話です。そこには、シナリオに用意していなかった用件や、認識できなかった言い回しが現れます。それらを分岐や辞書に追加していくことで、AIで完結する割合が上がっていきます。
稼働直後は週次、運用が安定してからは月次といった頻度で十分です。重要なのは間隔よりも、見る人を決めておくことにあります。この体制を作れるかどうかが、導入したまま使われなくなるかどうかの分かれ目になります。
まとめ
AI電話自動応答サービスは、任せる業務の方向と到達点によって3つのタイプに分かれます。代表電話の取次までを任せるタイプは月額数千円台から短期間で始められ、予約や注文を電話だけで完結させるタイプは既存システムとの連携を伴うぶん費用と期間が上がります。督促やリマインドの発信を自動化するタイプは、受電とは別方向の工数削減に効きます。
選定では、任せたい業務に機能が届いているか、聞き取れなかったときに人へつなげるか、今の電話番号のまま使えるか、既存システムと連携できるか、シナリオを自社で直せるか、料金体系が自社の入電量に合っているかを順に確認してください。月額の表示価格だけでなく、通話の従量課金や転送料まで含めた運用時の合計額で比べることが、見積もり段階でのずれを防ぎます。
導入後は、人へ渡す条件と、応対ログを見直す担当者・頻度を決めておくことが効果を左右します。自社に合うタイプの見当がついたら、比較表と選定診断ツールで候補を絞り込み、気になるサービスの資料を取り寄せて具体的な条件を確認してください。
AI電話自動応答サービスに関するよくある質問(FAQ)
Q. AI電話自動応答サービスとは何ですか?
A. AI電話自動応答サービスとは、かかってきた電話にAIが応答し、発信者が話した用件を音声認識で聞き取って、回答・転送・受付といった処理まで行うサービスです。番号のプッシュ操作を必要とせず、発信者は普段どおり用件を話すだけで済むため、電話の一次対応を人手を介さずに完了させられます。
提供形態はクラウドが主流です。代表電話の一次受けと取次だけを任せるものから、予約や注文を電話だけで完結させるもの、督促やリマインドの発信を自動化するものまで、任せられる範囲は製品によって幅があります。
Q. AI電話自動応答サービスは従来のプッシュ操作型IVRと何が違いますか?
A. AI電話自動応答サービスと従来のプッシュ操作型IVRの違いは、発信者に番号を押させるか、用件をそのまま話してもらうかにあります。
従来のIVRは事前に用意した選択肢に沿って番号を押す仕組みのため、選択肢に落とし込めない用件は扱えません。AI電話自動応答サービスは「来週の火曜日に予約を変更したい」といった自由な話し方を音声認識で受け取り、氏名や住所、予約日時のように番号では伝えられない情報も聞き取れます。
ただし、受ける電話の用件が数種類に限られていて、確実に振り分けることが目的であれば、誤認識の余地がなく費用も抑えられるプッシュ操作型のほうが適する場合もあります。どちらが優れているかではなく、受ける電話の内容が選択肢に収まるかどうかが分かれ目になります。
Q. AI電話自動応答サービスとボイスボット・電話代行は違うものですか?
A. AI電話自動応答サービス・ボイスボット・AI電話代行は、いずれも「電話を人の代わりにAIが受ける」点で共通しており、違いはAIにどこまで任せる設計かという守備範囲にあります。
ボイスボットは対話で問い合わせへの回答や手続きを電話の中で完結させることを目指した製品を指すことが多く、AI搭載型IVRは用件を聞き取って適切な担当者や部署へつなぐことに重心があります。AI電話代行は、一次受けと伝言の通知を担う使い方を指す呼び方として使われます。
これに対し、オペレーターが応対する人力型の電話代行は別の選択肢です。込み入った相談や交渉には人が出るほうが確実な一方、対応は営業時間内が基本で、費用は対応件数に応じて増えていきます。AIによる自動応答は24時間365日稼働し、月額固定に通話時間や着信件数の従量が乗る形が中心です。
呼び名の違いは製品の作りの違いであって、最初に決めるべき軸ではありません。電話業務のどこまでをAIに任せたいかを先に決めれば、必要な作りは後から絞り込めます。
Q. AI電話自動応答サービスの費用相場はいくらですか?
A. AI電話自動応答サービスの費用は、公式に公開されている範囲で初期費用0円〜500万円台、月額0円〜50万円台という幅があり、ひとつの相場でくくれる製品群ではありません(2026年8月時点の各社公式情報)。代表電話の取次を任せるセルフサービス型は初期費用0円・月額数千円台から、予約や注文まで電話で完結させる構築型は初期費用数十万円〜数百万円・月額数万円〜数十万円が中心の水準です。
比較の際は、月額の表示価格だけでなく、通話の従量課金・電話番号の維持費・SMS送信費・転送料まで含めた運用時の合計額で見てください。特に転送料は、AIが一次受けをして担当者へつなぐ運用では毎回発生するため、月額の安さだけで選ぶと想定を上回ることがあります。
Q. AI電話自動応答サービスは無料で使えますか?
A. AI電話自動応答サービスには、月あたりの着信件数に上限を設けた無料プランを常設する製品と、14日間・30日間・1か月といった期間限定の無料トライアルを用意する製品があります。無料枠では月30着電までを0円とし、自動応答と通話内容の文字起こしまで使えるものがある一方、電話の発信や転送は有料プランからという制限が付くのが一般的です。
無料の範囲で確かめておきたいのは、自社にかかってくる電話の言い回しをAIが実際に聞き取れるかどうかです。業界特有の用語や社名・商品名の認識精度は、実際の通話で試して初めて分かります。申し込む際に想定される用件を数パターン用意しておくと、判断しやすくなります。
Q. AI電話自動応答サービスは今使っている電話番号のまま導入できますか?
A. AI電話自動応答サービスは、今の番号への着信をサービス側へ転送する方式に対応した製品であれば、電話番号を変えずに導入できます。回線工事も不要なため、名刺やWebサイトに載せている番号はそのまま使い続けられ、合わないと判断したときの切り戻しも容易です。
一方で、サービス側が新しい番号を発番し、そちらを窓口にする方式の製品もあります。この場合は番号の告知が必要になり、番号ごとの月額も発生します。0120・0800のフリーダイヤルや0570のナビダイヤルを窓口にしている場合は、その着信をサービス側へ渡せるかが個別の確認事項になるため、製品の公式仕様と自社の回線契約の両方を突き合わせてください。
Q. AI電話自動応答サービスの導入にはどれくらいの期間がかかりますか?
A. AI電話自動応答サービスの導入期間は、Webで申し込んで自社で設定するセルフサービス型なら数日、既存システムとの連携やシナリオの作り込みを伴う構築型では1か月から数か月が目安です。差を生むのは機能の優劣ではなく、シナリオをどこまで作り込み、予約台帳や顧客管理システムとどれだけ深く接続するかです。
期間を見積もる際は、電話業務の棚卸しと社内での試験通話に充てる時間も含めておいてください。本番切替は全件を一度に切り替えず、時間外の一次受けや特定の用件から始めると、認識精度の問題が大きくなる前に手を打てます。
Q. AI電話自動応答サービスの設定はプログラミングの知識がなくてもできますか?
A. AI電話自動応答サービスは、管理画面でシナリオをノーコードに編集できる製品であれば、専門知識がなくても営業時間の変更や新しい用件の追加を自社で反映できます。一方、ベンダーがシナリオを構築する製品では、初期の作り込みを任せられる代わりに、変更のたびに依頼と待ち時間が発生します。
選ぶ基準は知識の有無よりも、シナリオを変える頻度に置くほうが実態に合います。用件が頻繁に変わる業務では自社で直せる製品が向き、シナリオが安定していて精度を優先する業務では構築型が向きます。あわせて、稼働後に設定を相談できる窓口があるかも確認しておいてください。
Q. AI電話自動応答サービスは中小企業や個人事業主でも導入できますか?
A. AI電話自動応答サービスは、代表電話の一次受け・取次を任せるタイプであれば初期費用0円・月額数千円台から始められる製品が揃っており、小規模な事業者でも導入できます。公開されている中で最も低い定額プランは月額2,980円で、月30着電までを無料とする製品もあります。
ただし利用者数に応じて課金する製品もあるため、従業員数の多い会社では自社の人数を当てはめた金額で比べてください。既存番号からの転送設定だけで使えるものが中心のため、電話環境を大きく変えずに試せます。
導入するかどうかの目安は、入電件数そのものよりも、電話によって止まっている業務の量で考えるほうが実態に近くなります。1日数件でも、特定の時間帯に集中して手が止まる、時間外の着信を取りこぼしているという状況であれば効果が出ます。
Q. AI電話自動応答サービスは、AIが対応できない用件をオペレーターへ転送できますか?
A. AI電話自動応答サービスは有人オペレーターへの転送機能を備える製品が多く、確認すべきなのは機能の有無よりも、どの条件で転送を発動させるかを自社で設定できるかです。見ておきたいのは、認識に失敗したときに自動で転送されるか、発信者が「担当者につないでほしい」と申し出たときに転送されるか、営業時間外など転送先が不在の時間帯にどう扱われるかの3点です。
ここが弱いと、聞き取れなかった電話がそのまま切れ、顧客からは電話がつながらない会社に見えます。自動化の効果が出る前に取りこぼしを増やす典型的な失敗にあたります。あわせて、転送のたびに通話料が発生する点も運用コストとして見込んでおいてください。
Q. AI電話自動応答サービスの音声認識は方言や社名・商品名も聞き取れますか?
A. AI電話自動応答サービスの音声認識は完全ではなく、方言や早口、周囲の雑音が入る環境では認識率が下がり、社名・商品名・地名といった固有名詞は事前に辞書へ登録しておかないと正しく取れないことがあります。
意図の判定方式によっても差が出て、登録したキーワードとの照合で分岐する製品は想定内の言い回しには安定して応える一方、表現の揺れには弱くなります。生成AIを組み合わせた製品は言い回しの幅を吸収しやすい反面、応答内容の統制には設計が必要です。
精度は資料の機能一覧では判断しにくいため、無料プランやトライアルで自社にかかってくる言い回しを試すのが確実です。そのうえで、聞き取れなかったときに人へ渡す経路を必ず用意しておいてください。
Q. AI電話自動応答サービスは受電だけでなく発信も自動化できますか?
A. AI電話自動応答サービスは、発信に対応する製品であれば、入金案内や督促、予約のリマインド、アンケートや状況確認の調査コールを、対象者リストに沿った自動架電で任せられます。同時に多数へ発信できるため、期間を区切って一斉に連絡する業務では、人手による架電より短時間で終わります。
ただし、受電と発信のどちらに対応するかは製品によって分かれ、受電専用の製品に発信業務を期待しても実現できません。受電の自動化だけを想定して検討していた場合でも、発信側にも同じ負担を抱えているのであれば、両方に対応する製品を候補に入れる価値があります。
Q. AI電話自動応答サービスで通話を録音する場合、相手に録音していることを伝える義務はありますか?
A. AI電話自動応答サービスで通話を録音する場合について、個人情報保護委員会は、通話内容が個人情報に該当するときは利用目的を通知または公表する義務を負う一方、録音していること自体を伝える義務までは負わないという見解を示しています。
A1-10 通話内容から特定の個人を識別することが可能な場合には個人情報に該当します。個人情報に該当する場合、個人情報取扱事業者は、個人情報保護法上、利用目的を通知又は公表する義務を負いますが、録音していることについて伝える義務までは負いません。
出典:「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A Q1-10|個人情報保護委員会
これは個人情報保護法上の義務の範囲を示したものであって、告知しないほうがよいという意味ではありません。AIが応対することや通話を録音することを冒頭で案内する運用は、機械対応への抵抗をやわらげる観点からも広く行われています。
むしろ確認しておきたいのは、録音や文字起こしをどのような利用目的で扱うかを特定し、通知または公表できているかです。文字起こしした内容を分析まで行う場合は、その取り扱いを本人が予測・想定できる程度に利用目的を特定する必要があります。
Q. AI電話自動応答サービスに通話内容を渡すことは第三者提供にあたり、顧客の同意が必要ですか?
A. AI電話自動応答サービスの事業者へ通話データを渡す場合、利用目的の達成に必要な範囲で取り扱いを委託することに伴う提供であれば、提供を受ける事業者は「第三者」に該当せず、本人の同意は必要ありません(個人情報保護法27条5項1号)。ただし同意が不要となる代わりに、委託元には同法25条の委託先の監督義務がかかります。
監督の具体的な内容として、個人情報保護委員会のガイドラインは「(1)適切な委託先の選定」「(2)委託契約の締結」「(3)委託先における個人データ取扱状況の把握」の3つを挙げています。
同意が要らないから確認も不要ということではなく、通話データの保存場所と保存期間、暗号化の有無、認証取得の状況を選定段階で確かめ、委託契約で安全管理措置を定めておく必要があります。契約上どのような整理になるかはサービスによって異なるため、契約条項もあわせて確認してください。
出典・参考資料(2件)
Q. AI電話自動応答サービスは導入後もシナリオの見直しが必要ですか?
A. AI電話自動応答サービスは、稼働後にシナリオを見直し続けることを前提に運用する仕組みです。見るのは応対ログのうち転送された通話と途中で切れた通話で、そこに現れる想定外の用件や認識できなかった言い回しを分岐や辞書へ追加していくことで、AIで完結する割合が上がっていきます。
頻度は稼働直後が週次、運用が安定してからは月次程度で足ります。重要なのは間隔よりも、見る人を決めておくことです。担当者と頻度を決めずに始めると初期のシナリオのまま放置され、導入したまま使われなくなる状態につながります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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