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通話録音システムの比較22選|録音したい対象別に選び方・費用・文字起こし対応を解説

通話録音システム22選のサムネイル画像

取引先との電話で「言った」「言っていない」の食い違いが起きたとき、手元に会話の記録がなくて押し切られた経験はないでしょうか。新人が電話口で何をどう説明しているかを把握できず、クレームになってから内容を知るという状態も、電話が業務の中心にある事業者では珍しくありません。

通話録音システムは、こうした電話のやり取りを自動で記録し、後から聞き直したり検索したりできるようにする仕組みです。ただし「何を録音できるか」は製品によって大きく異なります。オフィスの固定電話は録音できても社用携帯の通話は残らない、録音はしているが目的の通話を探し出せない、といったずれは導入後に表面化します。

本記事では、通話録音システム22サービスを録音したい対象別に4つのタイプへ整理し、録音範囲・保存期間・文字起こし対応・費用を横並びで比較します。費用が何で決まるのか、既存のビジネスフォンを残したまま録音を足せるのか、録音してよいのか・告知は必要なのかという法令面まで含めて整理しました。自社の電話環境に合う候補を絞り込む材料としてご活用ください。

また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツールをご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

通話録音システムとは?電話の会話を自動で記録し、後から再生・検索できるようにする仕組み

通話録音システムは、企業の電話でやり取りされた会話を自動的に録音し、日時や電話番号をキーに後から呼び出せる状態で保存するシステムです。単に音声を残すだけでなく、誰がいつ誰と話したかという通話履歴と音声を紐づけて管理するため、必要な1本を探し出して聞き直せる点が、録音機やスマートフォンのアプリで個別に録音する方法との違いになります。

近年の製品は、録音した音声を文字に起こして全文検索できるようにしたり、話した時間の割合や沈黙の長さを指標化して応対品質の評価に使ったりする機能を備えています。録音を「万一のときの証拠」として保管するだけでなく、日常的に参照する業務データとして扱う方向に用途が広がっています。

通話を録音する手段は1つではない

「通話録音システムを導入する」といっても、実現の仕方はいくつかに分かれます。どれを選ぶかで初期費用の出方も、録音できる通話の範囲も変わるため、製品を比べる前に自社がどの方式を取りうるのかを押さえておくと候補を絞りやすくなります。

まず、今使っているビジネスフォンや電話回線に録音装置を後付けする方法があります。主装置と電話機の間、あるいは回線側に装置を接続し、通話の音声を装置内のSDカードやハードディスクに保存します。電話環境を入れ替えずに済み、月額費用が発生しない買い切り型が中心です。一方で、録音データは装置のある場所に貯まるため、拠点をまたいで共有したり在宅勤務者の通話を録音したりするには別の仕組みが必要になります。

次に、電話環境そのものをクラウドへ移し、録音を標準機能として使う方法です。クラウドPBXやコールセンター向けのCTI(電話とパソコンを連携させる仕組み)には、発着信を自動で録音する機能が組み込まれている製品が多く、録音データはインターネット上のサーバーに保存されます。拠点や在宅勤務者の通話も同じ画面から確認でき、機器の保守も提供事業者側が担います。

電話環境は変えたくないが録音は一元管理したい場合には、既存のPBXに録音専用の仕組みを接続する方法もあります。音声パケットを直接取り込んで記録する方式なら、呼制御の仕様に依存せずに録音できるため、保留中や声が小さい場面での録り漏れを抑えやすくなります。数十から数千チャネル規模まで対応する製品はこの方式が中心です。

そして、社用携帯の通話を回線側で録音する方法があります。携帯電話事業者が提供する録音サービスと連携し、090・080・070から始まる番号での発着信を自動的に録音します。外出先や訪問先での会話は固定電話向けの録音システムでは残らないため、営業担当が社用携帯で顧客とやり取りする事業者では、この方式を併用するかどうかが検討の分かれ目になります。

クラウド型と録音装置(オンプレミス型)の違い

提供形態は、大きくクラウド型と、自社に機器を設置するオンプレミス型(録音装置を含む)に分かれます。どちらが優れているという関係ではなく、費用の出方と運用の負担のどちらを取るかという選択になります。

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比較項目クラウド型オンプレミス型・録音装置
費用の出方初期費用は抑えられ、月額を払い続ける形が中心。利用するID数・内線数・チャネル数に応じて増減する機器代と設置工事の初期費用が中心。月額費用が発生しない買い切り型もある
録音データの保存場所提供事業者のサーバー。ブラウザから再生・検索・ダウンロードができる自社に設置した装置・サーバー。外部に音声を出さない運用ができる
拠点・在宅勤務への対応インターネットにつながれば場所を問わず録音・再生できる。複数拠点でも同じ画面で管理できる装置を設置した拠点の通話が対象。拠点をまたぐには集中管理の仕組みやネットワーク構成が別途必要
保存できる量契約プランで上限が決まることが多く、超過分は追加課金または古いデータから自動削除搭載するSDカード・ハードディスクの容量に依存し、上限に達すると古いデータから上書きされる製品が多い
機器の保守提供事業者が担う。バージョンアップも事業者側で実施される自社または販売代理店が担う。故障時の対応窓口を導入前に確認しておく必要がある
導入までの期間回線の切り替えや設定が中心で、機器工事を伴わないぶん短くなりやすい機器の設置工事が必要なぶん、事前の調整に時間がかかることがある

※上記は各提供形態における一般的な傾向です。個別のサービスにおける実際の仕様や提供形態については各社情報をご確認ください。

拠点が1か所で、電話機の前に座って応対する業務が中心であれば、録音装置の後付けで足りることは少なくありません。逆に、在宅勤務や複数拠点があったり、録音した音声を複数の担当者で共有したりする場合は、クラウド型のほうが運用の手間は小さくなります。自社の音声を外部のサーバーに置けるかというセキュリティポリシー上の制約がある場合は、オンプレミス型に対応する製品が候補になります。

通話録音システムの4つのタイプ|自社はどの通話を、何のために録音したいのか

製品を横並びに眺める前に、「自社は何の通話を、何のために録音したいのか」を決めておくと候補は一気に絞れます。オフィスの固定電話を対象にするのか、コールセンターの応対品質を上げたいのか、今の電話環境を変えずに録音だけ足したいのか、あるいは録音した音声を業務に使いたいのかで、見るべきサービス群が変わるためです。

ただし社用携帯やWeb会議を録音したい場合、対応する製品は複数のタイプにまたがって存在します。当てはまるタイプが複数あるときは、各比較表の「録音対象」列とこの後の診断ツールで候補を絞ってください。

本記事では、この観点から4つのタイプに分けて整理します。下表の「詳細」から、自社に当てはまるタイプの比較表とサービス紹介へ直接移動できます。

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特徴主な録音対象向いている企業詳細
オフィスの固定電話・ビジネスフォンの通話を録音する電話環境ごとクラウドへ移すクラウドPBX型と、既存の環境に録音を足す型がある。既存番号を残せるか、機器の設置が要るかで初期費用の出方が変わるオフィスの固定電話・ビジネスフォン(社用携帯対応の製品も一部あり)事務所の代表電話や部署ごとの電話でのやり取りを記録に残したい企業。在宅勤務や複数拠点があり、場所を問わず録音を確認したい企業比較表を見る
コールセンター・多回線の応対品質を録音から改善するCTIやコールセンターシステムに録音が組み込まれた形。録音に加えて席数課金・管理者によるモニタリング・着信振り分け・顧客管理システムとの連携まで一体で揃うコールセンターの受電・架電(社用携帯対応の製品も一部あり)受電・架電の席数が多く、応対の品質にばらつきが出ている企業。管理者が全通話を確認できる体制を作りたい企業比較表を見る
通話録音そのものを目的に、既存の電話環境へ足す録音を専業とするシステムと、後付けの録音装置。今のPBX・ビジネスフォンを残したまま録音だけを足せる既存のビジネスフォン・PBXの通話/社用携帯/Web会議の通話(製品ごとに異なる)電話環境の入れ替えは避けたい企業。月額を払わずに録音を始めたい企業。録音の確実性やセキュリティ要件を重く見る企業比較表を見る
録音した音声を文字起こし・解析して活用する音声認識と生成AIで全文検索・要約・話し方の分析まで行う。録音の保管ではなく活用が目的の場合に効くWeb会議・IP電話・社用携帯・対面商談を横断録音は残しているが聞き返す時間が取れていない企業。応対や商談の内容を教育・改善に使いたい企業比較表を見る

ここからは、それぞれのタイプがどのようなもので、どのような企業に向くのかを解説します。

1. オフィスの固定電話・ビジネスフォンの通話を録音するタイプ

事務所にかかってくる代表電話や、部署ごとの外線でのやり取りを録音の対象にするタイプです。電話回線ごとクラウドへ移すクラウドPBXの標準機能として録音が用意されている製品と、今の電話環境に録音の仕組みを足す製品に分かれます。前者は電話番号ごとに録音のオン・オフを設定できたり、スマートフォンのアプリから同じ番号で発着信して録音を残せたりする製品が中心です。

導入時に確認したいのは、既存の電話番号をそのまま使えるかどうかです。市外局番付きの番号や0120・0800といったフリーダイヤルを引き継げるかは製品によって条件が異なり、引き継げない場合は取引先への番号変更の連絡が必要になります。

2. コールセンター・多回線の応対品質を録音から改善するタイプ

受電や架電の席数が多い現場向けに、CTIやコールセンターシステムの機能の一部として録音を提供するタイプです。録音そのものに加えて、着信の自動振り分け、管理者によるリアルタイムのモニタリング、応対履歴と顧客情報の紐づけ、対応件数の集計といった運用機能が一体で揃います。課金は席数やライセンス数を単位とすることが多く、席の増減に合わせて月単位で調整できる製品もあります。

このタイプでは、録音できる通話の範囲が着信・発信・内線・外線のどこまで及ぶか、録音データを何時間ぶん保持できるかが製品ごとに分かれます。応対の振り返りを日常業務に組み込むなら、保存期間が業務サイクル(たとえば四半期の品質評価)をまたげるかを確認しておくと運用が回りやすくなります。

3. 通話録音そのものを目的に、既存の電話環境へ足すタイプ

電話環境は今のまま残し、録音の機能だけを追加するタイプです。既存のビジネスフォンに接続する録音装置と、PBXに接続して音声を記録する録音専業のシステムがこれにあたります。前者は買い切りの機器で、月額費用をかけずに録音を始められる点が特徴です。後者はアナログ回線からIP電話まで幅広い電話環境に対応し、数十から数千チャネル規模まで拡張できる製品が中心になります。

Web会議やビジネスチャットの通話に軸足が移っている場合も、このタイプに該当する製品が受け皿になります。会議ツールの通話を自動で録音し、利用者が録音を止められない設定にできる製品もあり、記録の取りこぼしを避けたい用途に向きます。

4. 録音した音声を文字起こし・解析して活用するタイプ

録音を保管することよりも、蓄積した音声から何を引き出すかに重心を置いたタイプです。全通話を文字に起こして全文検索できるようにする、要点を要約する、話した時間の割合や沈黙の長さを指標化する、といった機能を中核に据えています。電話だけでなくWeb会議や対面の商談を取り込んで、同じ画面で振り返れる製品もあります。

他のタイプの製品にも文字起こしを備えるものは多いため、このタイプを選ぶ判断は「録音を業務でどれだけ使うか」で決まります。月に数件の確認のために聞き返す程度なら他のタイプで足り、応対や商談の内容を定常的に分析して教育や改善につなげたいのであれば、解析を中核に据えた製品のほうが目的に合います。

ここまでの4つのタイプは、いずれも電話でのやり取りを記録することを目的にした製品です。記録ではなく、かかってきた電話への一次対応そのものを自動化したい場合(用件ごとに担当部署へ振り分ける、営業時間外の受付を音声ガイダンスに任せる、といった用途)は、自動音声応答(IVR)が受け皿になります。仕組みや費用の目安、主要サービスの比較は以下の記事で解説しています。

通話録音システムの費用|初期費用・月額・課金単位の決まり方

通話録音システムの費用は、製品ごとの定価を並べても比較になりません。課金の単位が製品によって異なり、同じ月額でも自社に当てはめたときの総額が変わるためです。ここでは、何によって費用が決まるのかを整理します。各サービスの実額は比較表で確認できます。

費用が決まる単位

課金の単位は大きく3つに分かれます。1つ目は同時通話数(チャネル数)です。何本の通話を同時に録音できるかで価格が決まる方式で、録音装置や既存PBXに接続する録音システムに多く見られます。電話機の台数ではなく、同時に発生する通話の本数が基準になるため、席数が多くても同時通話が少ない業務では費用を抑えられます。

2つ目は利用するユーザー数・内線数・席数です。クラウドPBXやコールセンターシステムに多い方式で、録音を使う担当者1人あたり、あるいは内線1つあたりの月額が積み上がります。人数の増減に合わせて月単位で調整できる製品もあり、繁忙期に席を増やす運用とは相性がよくなります。一方で、拠点単位で課金し人数に依存しない製品もあるため、席数が読めない場合は課金単位そのものが選定の判断材料になります。

3つ目は保存容量・保存期間です。基本料に含まれる録音時間や容量を超えると追加費用が発生する仕組みで、10GBごと・100時間ごとといった単位で加算されます。通話量が多い事業者では、この超過分が月額の主要な変動要因になります。

実際の刻みは、クラウドPBX型で標準50GB相当を超えると10GBごとに月額数百円、標準約100時間を超えると100時間ごとに月額2,000円台といった水準です。製品ごとの実額は比較表の「保存期間・容量」列で確認できます。

導入形態で変わる費用の出方

同じ「通話録音」でも、費用が発生するタイミングは導入形態によって変わります。既存のビジネスフォンに接続する録音装置は、機器代と設置工事の初期費用が中心で、月額費用が発生しない買い切り型が中心です。数万円台から導入できる簡易な機種もあり、初期費用を一度払えば以降のランニングコストを抑えられます。

クラウド型は逆に、初期費用を抑えて月額を払い続ける形が中心になります。初期費用が0円の製品もあり、始めやすさでは有利ですが、利用期間が長くなるほど総額は積み上がります。既存のPBXに録音の仕組みを接続する形は両者の中間で、機器やライセンスの初期費用に加えて保守費用が発生する構成が一般的です。

本記事の比較表の実額から概算してみます。事務所で内線が10前後・固定電話中心の小規模事業者なら、クラウドPBX型の小規模プランで初期20,000円+月額3,000円台から始められる水準が下限です。買い切りの録音装置に振り切る場合は、受話器に接続する簡易な機種で機器代34,000円(消費税・工事費別)のみとなり、月額を発生させずに録音を始められます。

3年で総額を並べると、月額3,000円のクラウドPBXは初期+月額3,000円×36か月=約13万円、買い切り装置は34,000円で、期間が長いほど買い切りが有利になります。

ただしクラウドPBX側は在宅勤務対応・多拠点集中管理といった機能が含まれるため、単純な総額比較で優劣は決まりません。文字起こしや保存期間の延長を加えると総額はさらに変わるため、必要な機能を揃えたうえで期間あたりの費用を出してください。

3年から5年といった利用期間で総額を比べると、順位が入れ替わることがあります。月額の安さだけで判断せず、初期費用を含めた期間あたりの費用で見比べてください。

基本料以外にかかる費用

見積もりの段階で見落としやすいのが、基本料の外側にある費用です。文字起こし・音声解析は多くの製品でオプション扱いで、月額数千円から1万円台の追加費用が発生します。利用量に応じた従量課金の製品もあるため、通話量が多い場合は月額固定か従量かの違いが総額に効いてきます。

分単位で課金する料金体系を公開している製品もあります。050番号を使うクラウド型では基本料の外に通話録音料2.2円/分(税込)、海外製の問い合わせ管理型では通話録音$0.003/分・事前録音の文字起こし$0.01/分・ライブ文字起こし$0.027/分と、録音と文字起こしまで分単位で積み上がる形です。

保存期間・保存容量の延長も追加費用の対象です。標準では数十日から1年程度に設定されている製品が多く、それ以上の保存を求める場合は上位プランやオプションでの対応になります。監査対応などで長期の保存が必要なら、延長したときの費用まで含めて比較してください。

このほか、回線や電話番号の費用(クラウドPBXへ移行する場合の番号取得や通話料)、録音装置の保守費用(故障時の対応や部品交換)、初期設定・導入支援の費用が別建てになる製品もあります。公式サイトに金額を公開せず個別見積もりとする製品も少なくないため、比較の初期段階で概算を取り寄せておくと検討が進めやすくなります。

通話録音システムの選び方|自社の電話環境で確認したい6つの軸

候補を横並びで評価するときの確認項目を6つに整理します。前半の2つは「そもそも録音できるか」、続く2つは「録音した音声を使えるか」、最後の2つは「運用に耐えるか」という順番です。上から順に確認していくと、要件を満たさない候補を早い段階で外せます。

録音したい通話をすべてカバーできるか

最初に確認するのは、録音の対象範囲です。オフィスの固定電話だけなのか、社用携帯や在宅勤務者の通話も含むのか、複数拠点にまたがるのかによって、選べる製品は変わります。

特に社用携帯は、固定電話向けの録音システムでは対象外になることが多く、携帯電話事業者の録音サービスと連携する製品や、専用のアプリを介して録音する製品が必要です。対応する携帯電話事業者が限られる製品もあるため、自社の契約回線と合うかを確認してください。

あわせて、全通話を自動で録音するのか、必要な通話だけを選んで録音するのかを見ます。コンプライアンス上の証跡として残すのであれば、担当者の操作に依存しない全通話録音が前提になります。逆に、録音してよい通話とそうでない通話を分けたい場合は、電話番号ごとや内線ごとに録音のオン・オフを設定できるかが判断材料です。

今の電話環境に載せられるか

次に、既存の電話環境をどこまで残せるかを確認します。判断が分かれるのは主に2点で、1つは電話番号を引き継げるかです。クラウドPBXへ移行するタイプでは、市外局番付きの番号やフリーダイヤルを引き継げる製品と、新しい番号になる製品があります。引き継げない場合は取引先やWebサイトの番号表記を変更する作業が発生するため、導入の負担は録音システムの費用だけでは測れません。

もう1つは機器の設置や工事が必要かです。既存のビジネスフォンに接続する録音装置は工事が要る一方で、受話器に接続するだけで使える簡易な機種もあります。既存のPBXに録音システムを接続する場合は、PBXの機種や回線の種類(アナログ・デジタル・IP)によって対応可否が変わるため、対応環境の一覧に自社の機器が含まれているかを確認してください。

保存期間・保存容量をどこまで伸ばせるか

保存の上限は製品差が大きい項目です。日数で区切る製品(90日、1年など)、録音時間の総量で管理する製品(数百時間、数千時間など)、容量で管理する製品(数十GB単位)があり、上限に達すると古いデータから自動的に削除される仕組みが一般的です。「言った・言わない」への備えとして導入するなら、トラブルが表面化するまでの期間を保存期間が上回っていなければ意味がありません。

自社の通話量から必要な保存量を概算しておくと比較しやすくなります。1日あたりの通話件数と平均通話時間、必要な保存期間を掛け合わせれば、必要な録音時間の総量が出ます。そのうえで、標準で含まれる量と、超過したときの追加費用を確認してください。

追加費用なしで1年間保存できる製品もあれば、標準の保存量を公開していない製品もあります。なお、容量(GB)と録音時間の換算値は製品によって差が出ます(音声の圧縮方式・サンプリングの設定で1時間あたりの容量が変わるため)。時間と容量の両方が公開されている場合でも、単純な換算では他社と比較できない点に注意してください。

本記事の比較表で、保存期間・容量を公式に公開している製品の幅は次のとおりです。日数で管理する製品は90日から1年(追加費用なし)、クラウド版のコールセンター向け製品では365日まで公開されています。

時間・容量で管理する製品は、コールセンター向けでプランごとに300時間から、店舗向けCTIで1,400時間分(超過時は古いデータから削除)、クラウドPBX型で約9,000時間・50GB相当(超過は10GBごとに月額400円)から、基本セット約100時間(超過100時間ごとに月額2,000円)まで幅があります。詳細は比較表の「保存期間・容量」列を参照してください。

非公開の製品でも、資料請求や問い合わせで「録音時間の総量が何時間相当か」「上限を超えたときは削除されるのか追加費用が発生するのか」を確認すると、他社と比べられる形で情報を引き出せます。

録音した音声を探して使えるか

録音があっても、目的の1本にたどり着けなければ使えません。日時や電話番号での絞り込みに加えて、文字起こしによる全文検索ができると、記憶があいまいな通話でも内容から探せるようになります。文字起こしは標準搭載の製品とオプションの製品があり、料金体系も月額固定と従量課金に分かれます。

文字起こしの精度は自社の通話条件で変わるため、公表されている数値だけで判断せず、トライアルやデモの有無を確認してください。実際に自社の通話に近い条件で試したうえで判断するのが確実です。要約や重要語の自動検知まで必要かどうかも、この段階で切り分けておきます。無料トライアル・最低契約期間・解約金の有無は各社サイトで要確認です。

既存システムと連携できるか

顧客管理システムや営業支援システムを使っている場合、録音データをそちらから参照できるかどうかで運用の手間が変わります。連携に対応していれば、顧客の対応履歴を開いたときに該当の通話をその場で再生でき、録音システムの画面を別に開いて探す手順が省けます。着信時に顧客情報を画面に表示する仕組みと組み合わせれば、応対そのものの効率にも効きます。

確認したいのは、自社が使っているシステムが連携先の一覧に含まれているかという点と、連携が標準機能か追加費用が必要かという点です。個別開発が前提の製品もあり、その場合は初期費用と開発期間が別途かかります。ビジネスチャットへ録音の通知を送れる製品もあり、共有の手間を減らしたい場合は連携先として確認しておくとよいでしょう。

セキュリティ・アクセス権限とサポート体制

録音データには、顧客の氏名や連絡先、契約内容といった情報が含まれます。誰が録音を聴けるかを制御できるかは、導入後の運用ルールを左右する要件です。管理者と一般利用者で権限を分けられるか、自分が担当した通話だけを聴ける設定にできるか、誰がいつ再生・ダウンロードしたかの操作ログが残るかを確認してください。保存時の暗号化に対応する製品もあります。

サポート体制については、問い合わせの手段(電話・メール・チャット)と対応時間を確認します。録音が止まっていたことに後から気づく事態を避けるには、障害時にどの窓口へ連絡すればよいかが明確であることが重要です。買い切りの録音装置では、販売代理店が保守の窓口になる場合があるため、故障時の対応と部品供給の期間もあわせて確認しておくと安心です。

自社に合う通話録音システムが30秒でわかる選定診断

ここまでの6つの軸で候補を絞ったうえで、自社の課題に近いサービスを診断ツールで確認できます。何の通話を録音したいか、今の電話環境をどうしたいか、録音を何に使いたいかの3問に答えると、条件に合うサービスが表示されます。

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【比較表】通話録音システム22選をタイプ別に比較

ここからは、通話録音システム22サービスを前述の4つのタイプに分けて比較します。録音対象・提供形態・全通話録音の可否・保存期間・文字起こし対応・費用を横並びにしたうえで、各サービスの特徴を個別に解説しています。自社に当てはまるタイプの節だけを読めば判断できる構成にしているため、上の一覧表の「詳細」から該当するタイプへ移動してください。

各タイプ内の掲載順は、優劣を示すものではありません。

比較表の「全通話録音」の欄は、●が「発着信を全通話自動で録音する」旨が公式に明記されている製品、△が「発着信は録音対象だが全通話自動かは公式に確認できない」または「オン・オフを設定できる」製品を表します。公式サイトで金額や仕様が公開されていない項目は「要お問い合わせ」「公式に記載なし」と記載しています。推定値には置き換えていません。

【タイプ別比較表】オフィスの固定電話・ビジネスフォンの通話を録音するタイプ(6社)

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サービス名トビラフォンCloudSUBLINEカイクラMOT/TELGoodLine全通話録音 サービス(ABphone)
提供形態クラウドクラウドクラウドクラウド
(オンプレミス型のMOT/PBXは別製品)
クラウドクラウド
録音対象スマホアプリ・PC・IP電話機での発着信
(外出先・在宅の通話も対象)
スマホアプリの050番号での発信・着信固定電話・ビジネスフォン
社用携帯(ドコモ回線の法人携帯・最低5台からの別オプション)
MOT/TELで使う固定電話・スマホ・PCの外線通話
(内線通話とISDN外線経由の通話は対象外)
GoodLineで発着信する通話
(市外局番付きの番号・SIPトランク番号・0120/0800も利用可)
ABphoneクラウドPBXの外線通話
(本体契約が前提。既存のビジネスフォンへの後付けではない)
全通話録音外線番号ごとに録音の有無を設定できる発信・着信とも対象。全通話自動かは公式に記載なし発信・着信とも自動録音オプション(月額3,200円)。番号ごとの除外設定も可標準機能。電話番号ごとにオン・オフを設定できる外線通話が対象(クラウドPBXのオプション機能)
保存期間・容量約100時間(基本セット)
超過は100時間ごとに月額2,000円
期間の上限は公式に記載なし
90日公式に記載なし約9,000時間(50GB)
超過は10GBごとに月額400円
期間の上限は公式に記載なし
1年(追加費用なし)
録音時間・件数の上限は設けられていない
90日
容量は公式に記載なし
文字起こし・要約標準(音声テキスト化)
AI自動要約はオプション(月額500円/5時間)
公式に記載なし対応(自動文字起こし・AI要約)
標準・オプションの別は公式に記載なし
オプション(クラウド版は月額6,000円・従量課金なし)公式に記載なし公式に記載なし
外部システム連携Salesforce・kintone などSlack・Chatwork(録音データの共有)CRM・SFA・名刺管理システム
(いえらぶCLOUD・ANDPAD・kintoneの連携実績)
kintone・Zoho CRM・楽テル・Re:lation・メールディーラー ほかSlack・Chatwork・Microsoft Teams・Re:lation公式に記載なし
初期費用30,000円(税抜、基本セット)330円(税込、番号取得料・1番号あたり)181,000円〜(税抜、1拠点あたり)29,800円〜(税抜、スタンダードプラン)20,000円(SOHOプラン・内線2まで)
通常プランは10,000円/内線(上限50,000円)
0円(オプション単体。クラウドPBX本体の契約は別途必要)
月額費用(課金単位)3,000円(税抜、基本セット=内線2・050番号1)
内線追加は1,000円/番号
550円(税込、ビズベーシック基本料)+番号利用料550円/番号
通話録音料は1分あたり2.2円
31,000円〜(税抜、1拠点あたり)
同一拠点なら利用人数が増えても変わらない
5,980円〜(税抜、20内線込みのスタンダードプラン)3,000円(SOHOプラン・内線2まで)
通常プランは基本料5,000円+1,000円/内線(いずれも税抜)
3,000円〜/内線ID
別途クラウドPBX利用料3,300円・市外局番550円/番号・内線ID990円/ID
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は公式サイトで確認できた情報をもとにしています。実際の機能・料金や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。

この6社は電話環境ごとクラウドへ移すクラウドPBX型と、既存のPBXに録音を足す型が混在します。保存期間は日数管理(90日〜1年)と時間管理・容量管理に分かれるため、保存期間・容量の列から見ていくと自社の保存要件で絞りやすくなります。

1. トビラフォンCloud(トビラシステムズ株式会社)

トビラフォンCloud公式サイトのスクリーンショット

迷惑電話フィルタリングを本業とするトビラシステムズが、2020年3月に提供を開始したクラウドPBXです。スマートフォンやパソコンに専用アプリを入れると会社の電話番号で発着信でき、その通話が録音の対象になります。外出先や在宅からアプリ経由でかけた通話も同じ仕組みで残ります。

録音は外線番号ごとに「保存する」「保存しない」を設定でき、全通話を残す運用と番号単位の使い分けのどちらにも対応します。月額3,000円(税抜)の基本セットに約100時間分の録音が含まれ、超過分は100時間あたり月額2,000円(税抜)で追加します。保存は容量で管理されており、日数・年数での上限は公式サイトに記載がありません。

通話の音声テキスト化は2024年8月から基本セットに標準搭載され、要点をまとめるAI自動要約は月額500円(5時間分、税抜)のオプションです。既存の050番号はそのまま使え、市外局番付きの固定電話番号は0ABJ拡張オプション(1番号あたり初期費用10,000円・月額1,000円、税抜)を付けることで番号を変えずに継続利用できます。

2. SUBLINE(株式会社インターパーク)

SUBLINE公式サイトのスクリーンショット

スマートフォンに専用アプリを入れて、私用の番号とは別に仕事用の050番号を持つ形のサービスです。1台の端末で複数の050番号を管理でき、着信履歴からその番号で折り返す使い方ができます。

発信・着信の双方が録音の対象で、録音データの保存期間は90日です。録音した音声はSlackやChatworkへ共有でき、通話録音料は1分あたり2.2円(税込)が通話料とは別に加算される従量課金になります。

費用は番号取得料330円に、月額基本料550円(ビズベーシック)と番号利用料550円を番号ごとに加える形です(いずれも税込)。付与されるのは050番号であるため、市外局番付きの固定電話番号をそのまま引き継ぎたい場合とは用途が異なります。

3. カイクラ(株式会社シンカ)

カイクラ公式サイトのスクリーンショット

固定電話と社用携帯の双方を録音の対象にできる、クラウド型の電話業務プラットフォームです。公式のよくある質問では現在の電話番号を変えずに導入できるとされており、今のビジネスフォンを残したまま録音と着信時の顧客情報表示を足す構成が取れます。

社用携帯の録音は「カイクラ携帯通録サービス」という別建てのオプションで、対象はドコモ回線の法人携帯に限られ、最低利用台数は5台からです。発信・着信とも自動で録音され、携帯電話側での特別な操作・設定は不要とされています。

課金は拠点(店舗)単位で、同じ拠点であれば利用人数が増えても月額は変わりません。1拠点あたり初期費用181,000円〜・月額31,000円〜(いずれも税抜)で、自動文字起こしやAI要約、指定したキーワードでのアラートを備えます。録音データの保存期間と保存容量は公式サイトに記載がなく、問い合わせでの確認が必要です。

4. MOT/TEL(株式会社バルテック)

MOT/TEL公式サイトのスクリーンショット

株式会社バルテックが提供するクラウドPBXです。同社は事務所に専用サーバーを設置するオンプレミス型のMOT/PBXも別製品として提供しており、MOT/TELは共用サーバーを使うクラウド型にあたります。基本プランは初期費用29,800円〜・月額5,980円(20内線込み、税抜)のスタンダードから4段階です。

録音の対象は、MOT/TELで使う端末(スマートフォン・パソコン・固定電話)の外線通話すべてで、自動で録音されます。内線通話とISDN外線経由の通話は対象外です。番号ごとの除外設定もでき、双方向の番号ポータビリティによって既存の番号を維持したまま移行できます(一部、移行できない番号帯・地域あり)。

全通話録音はオプションで月額3,200円、クラウド側の保存容量は約9,000時間(50GB)で、超過分は10GBごとに月額400円が加算されます。AI自動文字起こしはクラウド版が月額6,000円の定額で従量課金がなく、自社設置のサーバー・機器に保存する構成では月額2,000円に利用量に応じた課金が加わります。

5. GoodLine(株式会社グッドリレーションズ)

GoodLine公式サイトのスクリーンショット

全通話の自動録音を標準機能として持ち、録音データを追加費用なしで1年間保存するクラウドPBXです。録音時間や件数の上限は設けられておらず、1年以内であれば通話量にかかわらず残ります。

録音は電話番号ごとにオン・オフを設定でき、再生できる相手をユーザー権限で絞ることもできます。各キャリアで発番した市外局番付きの番号やSIPトランク番号、0120・0800番号はそのまま使えるため、番号を変えずにクラウドへ移せます。

費用は内線数で決まり、内線2までのSOHOプランが初期費用20,000円・月額3,000円、内線3以上の通常プランが基本料5,000円に1内線あたり1,000円を加える形です(税抜)。最低契約期間と解約金はありません。なお、録音の文字起こしや要約に関する記載は公式サイトでは確認できません。

6. 全通話録音 サービス(ABphone株式会社)

全通話録音 サービス公式サイトのスクリーンショット

ABphone株式会社のクラウド型ビジネスフォン「ABphoneクラウドPBX」に追加するオプション機能で、本体の契約が前提になります。既存のビジネスフォンや主装置に録音だけを後付けする方式ではなく、電話環境をクラウドPBXへ移したうえで録音を有効にする構成です。

録音の対象は外線通話で、データは内線IDごとにクラウド上へ90日間保存されます。通話開始時間・通話時間・相手先の電話番号が併せて記録され、パソコンのブラウザから録音データの確認・削除・バックアップを行えます。

オプションの費用は初期費用0円、1内線IDあたり月額3,000円からで、利用回線数に応じた割引が用意されています(割引率は要お問い合わせ)。これに本体のクラウドPBX利用料(月額3,300円)、市外局番利用料(1番号あたり550円)、内線ID利用料(1IDあたり990円)が加わります。録音の文字起こしについては公式サイトに記載がなく、要お問い合わせとなります。

【タイプ別比較表】コールセンター・多回線の応対品質を録音から改善するタイプ(8社)

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サービス名BIZTEL コールセンターCT-e1/SaaSZendesk TalkソクコムBlueBeanComdesk LeadHAKUHODO CTIInfiniTalk
提供形態クラウドクラウドクラウドクラウドクラウドクラウドクラウド/オンプレミス
(2023年の提供開始時の発表。現行の公式ページには記載なし)
クラウド/オンプレミス
録音対象コールセンターの発着信(ソフトフォン・IP電話機)
携帯電話への外線転送にも対応
コールセンターの発着信
IP電話機のほかビジネスフォン・携帯電話を使った運用にも対応
Zendesk Talkでの発着信
日本の電話番号を使えるかは公式に記載なし
クラウドPBX・CTIでの発着信
現在の番号を引き継ぐか0120・0800・050を新規発番
着信・発信・内線・外線のすべての通話IP回線での発着信
社用携帯の090・080・070番号(携帯録音エディション。ドコモ・ソフトバンク・au・楽天コミュニケーションズ)
固定電話・携帯電話の通話(通話録音はオプション機能)コールセンター・ビジネスフォンの発着信
全通話録音標準機能。管理画面から検索・再生できる公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし標準搭載。着信・発信・内線・外線を自動録音IP回線・社用携帯とも自動録音(除外設定の有無は公式に記載なし)全自動で録音(通話録音自体がオプション)全通話を自動で録音
保存期間・容量300時間(座席課金プラン・ライトプラン)
期間の上限は公式に記載なし
公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし
「無制限録音保存」オプション(月額30,000円)で保存量の上限をなくせる
顧客情報などと共用のディスク40GB/1サーバー
録音専用の容量と保存日数は公式に記載なし
100GBまで月額10,000円・250GBまで月額20,000円で拡張
公式に記載なし1,400時間
超えた分は古いデータから削除
365日(クラウド版のスタートプラン・スタンダードプラン)
容量は公式に記載なし
文字起こし・要約オプション(音声認識・リアルタイムテキスト化、通話分析)
料金は公式に記載なし
オプション(CT-e1/Speech to Text。初期150,000円・月額1,500円/1,000分)従量課金(事前録音の文字起こし $0.01/分、ライブ文字起こし $0.027/分)
AIによる要約は Suite Enterprise + Copilot
オプション(録音文字化 月額10,000円〜)。通話要約にも対応オプション(料金は要お問い合わせ)対応(AI文字起こし・ChatGPT連携の要約)
標準・オプションの別は公式に記載なし
オプション(テキスト化・要約。料金は公式に記載なし)標準(通話中のリアルタイムテキスト変換)
感情解析・要約はAmiVoice Communication SuiteとのAPI連携
外部システム連携Salesforceほかの CRM・SFA・MA(オプション)
API連携・Slack連携
Salesforce・Zendesk・Zoho CRM・kintone・楽テルなど16種類(追加費用なし)Zendeskの問い合わせ管理(メール・チャット・SNS)と同じ画面で通話を扱えるCRM・SFA・MAとのAPI連携(具体的なサービス名は公式に記載なし)Salesforce・kintone・Zoho CRM・楽テル・FastHelp5 ほか
API連携
Salesforce・HubSpot・kintone・Zoho・Zapier既存CRMの顧客情報を着信時にポップアップ表示(対応製品名は公式に記載なし)
LINE WORKS連携
Salesforce・kintone・Re:lation・FlexCRM・SuiteCRM
AmiVoice Communication Suite
初期費用50,000円/席(税抜、座席課金)
ライトプランは200,000円
300,000円〜要お問い合わせ(Zendesk Suiteの契約が前提)要お問い合わせ5,000円/ライセンス(税抜、5ライセンスから)要お問い合わせ要お問い合わせクラウド版は要お問い合わせ
オンプレミス版(PBX Edition)は298,000円〜(税抜)
月額費用(課金単位)15,000円/席(税抜、座席課金)
回線課金のライトプランは81,000円
5,000円/ライセンス(外線ch・シート・管理者の各1ユニット)
外線10ch・シート20席・管理4席の構成で月額170,000円
Suite Team $55/エージェント、Suite Professional $115/エージェント(いずれも年払い)
+電話番号 $1/月・通話 $0.016/分・通話録音 $0.003/分の従量課金
日本円建ての価格表は公開されていない
1,480円/ユーザー+2,000円/チャネル
別途サーバー利用料5,000円〜
5,000円/ライセンス(税抜、1ライセンス=同時通話1本・オペレーター1名分)6,000円〜/ID(1IDから契約可)
携帯録音エディション単体の料金は公式に記載なし
要お問い合わせ(店舗・拠点単位。同一店舗内の回線数が増えても変わらない)クラウド版 10,000円〜(税抜、スタートプランは20席まで同額)/スタンダード24,000円〜/アドバンスド29,800円〜
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は公式サイトで確認できた情報をもとにしています。実際の機能・料金や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。

この8社は席数・ライセンス数を課金単位とする製品が中心で、多くは録音以外にも着信振り分け・モニタリング・顧客管理システム連携までを含みます。録音範囲だけでなく、月額費用の列で「席あたり」「1,000分あたり」といった課金単位の違いを併せて見ると、自社の運用規模に合う候補が絞れます。

7. BIZTEL コールセンター(株式会社リンク)

BIZTEL コールセンターのウェブサイト

株式会社リンクが提供するクラウド型のコールセンターシステムで、PBXを社内に設置せず、ブラウザ上で着信設定から録音の確認まで行えます。全通話の自動録音を標準機能として備え、管理画面から通話を探して再生できます。導入企業数は2,700社、稼働席数は54,000席と公表されています(2025年11月時点、コールセンターシステム全体の数値)。

料金は、席数で課金する座席課金型と、回線数で課金するライトプラン・スタンダードプランに分かれます。座席課金は1席あたり初期費用50,000円・月額15,000円(税抜)で、保持できる通話録音は300時間です。契約は各サービス・オプションとも1ヶ月単位で増減できます。

通話の音声認識・リアルタイムテキスト化や通話分析はオプションでの提供です。Salesforceをはじめとする顧客管理システムとの連携もオプションで用意され、着信時のポップアップ表示や通話履歴の連携に対応します。

8. CT-e1/SaaS(株式会社コムデザイン)

CT-e1/SaaSのウェブサイト

ACD(着信の自動振り分け)・IVR・通話録音・レポート出力を標準機能として備えるクラウド型のCTIです。株式会社コムデザインが自社開発しており、IP電話機に限らず、ビジネスフォンや携帯電話を使った運用にも対応します。

ライセンスは外線・シート・管理者の3種類で、いずれも1ユニットあたり5,000円です。初期費用は300,000円からで、公式サイトには外線10ch・シート20席・管理者4席の構成で月額17万円という例が示されています。ライセンス数は1か月ごとに変更でき、最低利用期間は1ヶ月です。

録音した音声のテキスト化は「CT-e1/Speech to Text」というオプションで、初期費用150,000円・月額1,500円(1,000分あたり)が別途かかります。Salesforceなど16種類の顧客管理・営業支援システムとの連携は、追加費用なしで利用できます。

9. Zendesk Talk(Zendesk, Inc.)

Zendesk Talkのウェブサイト

通話録音と文字起こしを分単位の料金で公開している数少ない製品です。メール・チャット・電話・SNSの問い合わせを一元管理するZendeskの電話チャネル機能で、単体では販売されずZendesk Suiteなどの契約が前提になります。通話録音・ボイスメール・通話モニタリングを、問い合わせ管理と同じ画面内で扱えます。

費用は、Zendesk Suiteの月額(Suite Teamが1エージェントあたり$55、Suite Professionalが$115。いずれも年払い)に、電話番号と通話分の従量課金が積み上がる形です。通話録音は$0.003/分、事前録音の文字起こしは$0.01/分、通話中のライブ文字起こしは$0.027/分と、録音と文字起こしまで分単位で課金されます。

これらの料金は公式サイト上すべて米ドル建てで示されており、日本円建ての価格表は公開されていません。日本の電話番号を利用できるかどうかも公式ヘルプでは明示されていないため、国内で使う場合は事前の確認が必要です。

10. ソクコム(Foonz株式会社)

ソクコムのウェブサイト

IVR・クラウドPBX・CTI・自動架電を1つのクラウド基盤にまとめたサービスで、Foonz株式会社が2023年5月から提供しています。通話録音のほか録音内容の文字化・通話要約を扱え、現在使っている電話番号を引き継ぐか、0120・0800・050の番号を新たに発番するかを選べます。

基本料金は1ユーザーあたり月額1,480円、1チャネルあたり月額2,000円で、これにサーバー利用料が月額5,000円から加わります。初期費用は公式料金ページに記載がなく、要お問い合わせです。

録音まわりは有料オプションの金額が公開されており、保存量の上限をなくす「無制限録音保存」が月額30,000円、「録音文字化」が月額10,000円からです。通話量が読めず標準の保存量で足りるか判断しづらい場合でも、上限を外したときの費用を先に見積もれます。

11. BlueBean(株式会社ソフツー)

BlueBeanのウェブサイト

着信・発信・内線・外線のすべてを自動で記録する全通話録音を標準搭載した、クラウド型のコールセンターシステムです。提供元は株式会社ソフツーで、PBX・CTI・顧客管理を1つにまとめた構成をとり、受電と架電の双方の業務に対応します。

初期費用・月額費用はいずれも1ライセンスあたり5,000円(税抜)で、5ライセンスから契約できます。契約期間の縛りはなく、ライセンスの増減や解約はいずれも日割りで精算されます。文字起こしと要約はオプションで、料金は個別の相談になります。

録音データは顧客情報などと共用のディスク容量(1サーバーあたり40GB)に保存されます。録音だけに割り当てられる容量と保存できる日数は公開されておらず、上限に達する前に管理画面から期間を指定して一括ダウンロード・削除する運用が案内されています。容量は100GBまで月額10,000円、250GBまで月額20,000円のオプションで広げられます。

12. Comdesk Lead(株式会社Widsley)

Comdesk Leadのウェブサイト

営業担当が社用携帯で顧客と話す場面まで録音の対象に含めたい場合の選択肢です。株式会社Widsleyが提供するアウトバウンド向けのCTIで、Comdesk Leadを通じて発着信したIP回線の通話は全通話が自動録音されます。導入企業は900社以上、導入ID数は25,000以上と公表されています。

2024年4月に追加された「携帯録音エディション」では、社用携帯の090・080・070番号での通話も、通常どおり発着信するだけで自動録音されます。対応する通信事業者はNTTドコモ・ソフトバンク・au・楽天コミュニケーションズです。

録音した音声はAIで文字起こしされ、ChatGPTとの連携により箇条書きや文章の形へ要約されます。料金は1IDあたり月額6,000円からで、1IDから契約できます。携帯録音エディション単体の料金と、録音データの保存期間・保存容量は公開されていないため、要お問い合わせです。

13. HAKUHODO CTI(株式会社博報堂SYNVOICE)

HAKUHODO CTIのウェブサイト

自動車ディーラーや不動産販売店、保険営業所など、店舗での電話対応を想定したCTIです。株式会社博報堂SYNVOICEが提供し、着信時の顧客情報のポップアップ表示、対応内容のメモ共有、既存の顧客管理システムとの連携、本部からの複数店舗の一元管理を基本機能としています。

録音の位置づけには注意が必要です。通話録音と、テキスト化・要約は基本機能ではなくオプション機能として提供されます。録音の対象は固定電話と携帯電話の通話で、公式サイトでは全自動で録音すると説明されています。

保存は日数ではなく録音時間の総量で管理され、1,400時間分を超えると古いデータから削除されます。初期費用・月額費用・オプション費用はいずれも公開されておらず要お問い合わせですが、課金は店舗単位で、同じ店舗内の回線が増えても月額は変わらないと説明されています。

14. InfiniTalk(ジェイエムエス・ユナイテッド株式会社)

InfiniTalkのウェブサイト

クラウド版とオンプレミス版の両方を用意しているCTI・IP-PBXです。ジェイエムエス・ユナイテッド株式会社が提供し、社内ネットワークで完結させる必要がある場合はオンプレミス版、初期投資を抑えて短期間で始めたい場合はクラウド版という選び分けができます。

通話録音は全通話を自動で記録する方式で、クラウド版のスタートプラン・スタンダードプランにはいずれも365日間の通話録音保存が明記されています。通話中の音声をその場でテキストに変換する機能も備え、音声認識エンジンAmiVoice Communication SuiteとのAPI連携で感情解析や要約にも対応します。

料金は税抜で、クラウド版はスタートプランが月額10,000円から(20席までは席数が増えても同額)、スタンダードプランが24,000円から、アドバンスドプランが29,800円からです。オンプレミス版はPBX Editionが初期費用298,000円からで、クラウド版の初期費用は公式ページに記載がなく要お問い合わせです。

【タイプ別比較表】通話録音そのものを目的に、既存の電話環境へ足すタイプ(6社)

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サービス名YouWirenokosVoistoreRecwareXPacket Folderタカコム 通話録音装置
提供形態クラウド/オンプレミスクラウドクラウド/オンプレミスクラウド/オンプレミスクラウド録音装置(機器)
録音対象固定電話(NTTひかり電話・ひかり電話オフィスタイプ・KDDI光ダイレクト・Amazon Connect ほか)
社用携帯(ドコモ・ソフトバンク・au・楽天コミュニケーションズの法人名義端末)
対面会議・Web会議(Zoom・Google Meet・Teams)
Microsoft Teams電話・Teams会議・Zoom Meetings・Webex Meetings
(アナログ・デジタル回線の固定電話や従来型PBXは対象外)
局線(トランク)・内線・アナログ・デジタル・IP・SIPの各録音方式
Avaya・Cisco・NEC・富士通・GenesysなどのPBX
Microsoft Teams・Skype for Business(SBC経由)
IP電話・アナログ回線・トランク電話
日立・AVAYA・Cisco・GenesysなどのPBX/CTIにアドオン
パケットキャプチャ方式で通話を録音
対応チャネル数・PBXとの接続方式・必要機器は公式に記載なし
既存のビジネスフォン・PBX・電話回線(アナログ/BRI/PRI)
ひかり電話などのIP電話サービス(VR-870VoIP・VR-830VoIP)
社用携帯は別ラインのVR-MP110シリーズ
全通話録音YouWire Officeは通話開始と同時に全通話を録音(選択録音の可否は公式に記載なし)全録音か社外との通話のみ録音かを選択(利用者側で録音を止められない仕様)公式に記載なし全通話録音と条件を指定した選択録音の両方に対応公式に記載なし自動録音と手動録音をスイッチで切替(VR-D179)
保存期間・容量サーバープラン別の容量(80GB・約5,600時間/160GB/320GB)
標準の保存期間は公式に記載なし
公式に記載なし(標準を超える保存期間は個別相談)公式に記載なし(保存期間はグループ別に設定できるとの説明)公式に記載なし
同時録音数は専用サーバーあたり最大1,600通話、システム全体で最大10,000通話
公式に記載なし機種による
VR-D179:SDHCカード32GBで最大2,220時間
VR-755/765:内蔵HDDで最大約70,000時間
文字起こし・要約オプション(YouWire音声認識。料金は公式に記載なし)オプション(音声テキスト化。料金は公式に記載なし)オプション(音声認識。料金は公式に記載なし)別製品のRecware/SAとの連携で対応(RecwareX単体の標準機能ではない)非対応(別製品のAmiVoiceが担当)機種による(音声認識一体型のVR-RD790は通話終了後に全件テキスト化)
外部システム連携Webhook・APIでCRM・SFA・BIツールなどへ連携(標準機能。連携先の具体名は公式に記載なし)公式に記載なしAmiVoice Communication Suite(音声認識)
PBX・CTI・CRM・ダイヤラーとの連携(対応製品名は公式に記載なし)
Active Directory連携
Recware/SA(音声認識)
COLLABOS CRM(顧客情報・対応履歴と録音を同じ画面で確認)PBX連携シリーズあり(VR-755・VR-RD790 ほか)
CRM・SFAとの連携は公式に記載なし
初期費用50,000円(NTTドコモ連携版・楽天コミュニケーションズ連携版)
KDDI Business App Navi版は4,560円
Office/Mobile単体は個別見積もり
要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせVR-D179:34,000円(消費税・工事費別)
VR-D179A:43,000円
その他の機種は要お問い合わせ
月額費用(課金単位)9,800円〜(ドコモ連携版・80GB)、26,800円(320GB)
KDDI版は1,120円/台(いずれも税抜)
要お問い合わせ(録音対象ユーザー1人単位のライセンス)要お問い合わせ(VoIP録音・SIP録音は録音対象の内線数、Trunk録音は回線数が基準)要お問い合わせ(ch数単位のライセンス。買い切りのライセンス購入も選択可)9,500円/席(保守管理費込み。税抜・税込の別は公式に記載なし)なし(機器の買い切り)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は公式サイトで確認できた情報をもとにしています。実際の機能・料金や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。

この6社は今の電話環境を残したまま録音を足す製品で、対応環境が「既存のビジネスフォン」「PBX」「Microsoft Teamsなどの会議ツール」に分かれます。録音対象の列で自社の環境と合う製品を先に絞り、次に費用の出方(買い切りか月額か)で候補を比べてください。

15. YouWire(株式会社ギークフィード)

YouWireの公式サイト

固定電話と社用携帯に加えて、対面会議やWeb会議の音声までを1つのプラットフォームに集約する通話録音・音声データ管理システムです。株式会社ギークフィードが自社開発しており、クラウド型のほか、自社内やデータセンターに専用サーバーを構築するオンプレミス型も選べます。

固定電話側はNTTのひかり電話・ひかり電話オフィスタイプやKDDI光ダイレクト、Amazon Connectなどに接続でき、携帯電話はNTTドコモ・ソフトバンク・au・楽天コミュニケーションズの法人名義端末に対応します。固定電話向けのYouWire Officeでは通話開始と同時に全通話の録音が始まり、文字起こしは音声認識オプションとして用意されています。

公式サイトで金額を確認できるのはキャリア連携版です。NTTドコモの通話録音サービスと連携する構成では初期費用50,000円、月額は80GB・約5,600時間のプランで9,800円、320GBのプランで26,800円(いずれも税抜)と、保存容量で価格が決まります。

KDDI Business App Navi経由の版は1台あたり月額1,120円の台数課金で、Office・Mobile単体の料金は個別見積もりです。

16. nokos(三菱電機デジタルイノベーション株式会社)

nokosの公式サイト

三菱電機デジタルイノベーション株式会社が2022年3月から提供している、Microsoft Teams電話・Teams会議・Zoom Meetings・Webex Meetingsを対象とした録音サービスです。アナログ・デジタル回線の固定電話や従来型のPBXには対応しません。電話環境がビジネスフォン中心の場合は、候補から外れます。

通話や会議が始まると自動で録音が開始され、利用者自身の操作では録音を止められない仕組みになっています。録り忘れや意図的な停止を防ぐ設計で、対象範囲は全録音と社外との通話のみ録音から選択できます。専用サーバーなどの設置は不要で、検索・再生はブラウザから日付・電話番号・ラベル・キーワードで行います。

課金はチャネル数ではなく、録音対象ユーザー1人単位のライセンス購入です。全社一括ではなく対象者を絞った小口の導入もできます。初期費用・月額とも公式サイトに金額の掲載はなく要お問い合わせで、保存期間の標準値も公表されていません(標準を超える期間は個別相談)。音声テキスト化はオプション提供です。

17. Voistore(アルファコム株式会社)

Voistoreの公式サイト

韓国VOISTORE社が開発した通話録音システムを、アルファコム株式会社が日本総代理店として2007年から提供しているコンタクトセンター向けの製品です。局線(トランク)・内線・アナログ・デジタル・IP・SIPの各録音方式に対応し、録音方式によって内線通話や保留中の通話まで対象を広げられます。

Avaya・Cisco・NEC・富士通・Genesysなど複数ベンダーのPBXでの導入実績が公開されており、今の電話環境に載せられるかを事前に確かめやすくなっています。RibbonCommunications SBC Edge経由でMicrosoft Teams・Skype for Businessとも連携でき、導入形態はクラウド型・オンプレミス型のどちらも選べます。

ライセンスの数え方は録音方式によって異なり、VoIP録音・SIP録音は録音対象の内線数、Trunk録音は録音対象の回線数が基準です。44種類の感情に分類する感情解析、音声認識によるテキスト化、画面録画、対面録音はいずれもオプションになります。料金は初期費用・月額とも公式サイトに記載がなく要お問い合わせで、保存期間もグループ別に設定できるとの説明にとどまります。

18. RecwareX(株式会社日立情報通信エンジニアリング)

RecwareXの公式サイト

呼制御に依存せず、音声パケット(RTP)を直接キャプチャして記録する方式を採用したIP電話向けの通話録音システムです。株式会社日立情報通信エンジニアリングが、従来製品RecwareIIIの後継として2017年12月に発売しました。全通話の自動録音と、条件を指定した選択録音の両方に対応します。

既設のPBX・CTIへアドオンする形で導入でき、日立・AVAYA・Cisco・Genesysなど複数メーカーのPBXに対応します。IP電話に加えてアナログ回線・トランク電話の録音にも対応し、同時録音数は専用サーバーあたり最大1,600通話、システム全体で最大10,000通話です。発信者と応答者の音声を分離して録音することもできます。

録音データはAES256bitで暗号化され、権限は5階層で設定できます。DTMF信号(プッシュ音)の削除機能は、加盟店側のPCI DSS対応を支援する位置づけのものです。音声のテキスト化は別製品のRecware/SAと連携して実現するもので、RecwareX単体の標準機能ではありません。料金は現行の公表がないため要お問い合わせです。

19. Packet Folder(株式会社コラボス)

Packet Folderの公式サイト

サーバーの設置工事が不要なクラウド型(ASP型)の通話録音システムで、株式会社コラボスがコールセンター向けクラウドサービス群の一つとして提供しています。導入は問い合わせから約1〜2ヶ月を想定し、顧客情報管理システムのCOLLABOS CRMと連携させると、顧客情報・対応履歴・録音ファイルを同じ画面で確認できます。

料金は月額9,500円/席で、バージョンアップやメンテナンスにかかる保守管理費が含まれます(税込・税抜の区別は公式サイトに明記なし)。契約席数に応じた課金のため、5席なら月額47,500円です。月の途中で利用を始めた場合・終えた場合は日割りで計算されます。初期費用は公開されていません。

録音はパケットキャプチャ方式で、保留中や声が小さい場面での録音の途切れを避ける設計と説明されています。一方で、対応チャネル数・PBXとの接続方式・必要機器・保存期間と保存容量・全通話録音か選択録音かは、いずれも公式サイトに記載がありません

文字起こしは別製品のAmiVoiceが担う構成のため、これらは問い合わせで確認する必要があります。公表情報が限られる分、規模の大きい構築案件で個別要件を詰めて導入するタイプの候補と捉えたほうが実態に近いです。

20. タカコム 通話録音装置(株式会社タカコム)

タカコムの通話録音装置の公式サイト

月額を払い続けるのではなく機器を買い切る後付けの録音装置を、株式会社タカコムが電話環境の規模・回線種別ごとに揃えています。買い切りの録音装置カテゴリでは他メーカーの製品も存在しますが、本記事では代表例として本製品を扱います。

もっとも簡易なVR-D179は34,000円(消費税・工事費別)で、電話機の受話器のモジュラーに接続するため工事が要りません。SDHCカード32GBで最大2,220時間を保存し、自動録音と手動録音をスイッチで切り替えます。

上位の機種は電話環境に応じて分かれます。アナログ・BRI・PRI回線を混在収容して最大96chに対応するVR-755/765、ひかり電話などのIP電話サービス向けのVR-870VoIP(最大100ch)・VR-830VoIP(16ch)、通話終了後に全件をテキスト化するVR-RD790などです。VR-D179以外の価格は公式サイトに掲載がなく、要お問い合わせです。

クラウド型と比べたときの制約も押さえておく必要があります。録音データは装置を置いた拠点に貯まるため、複数拠点の音声をまとめて扱うには集中管理用のサーバーを追加し、各拠点の装置を同一ネットワークに収容する構成が必要です。在宅勤務者の通話は対象外で、社用携帯の録音はVR-MP110シリーズという別ラインが担当します。設置後の保守は自社または販売代理店が窓口になります。

【タイプ別比較表】録音した音声を文字起こし・解析して活用するタイプ(2社)

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サービス名MiiTel Phoneamptalk
提供形態クラウドクラウド
録音対象固定電話・IP電話
090・080・070の携帯番号での通話(ソフトバンク・NTTドコモ・auに対応)
Web会議は別製品のMiiTel Meetings
Web会議(Zoom・Microsoft Teams・Google Meet)
IP電話(Zoom Phone・Dialpadと連携)
社用携帯(SoftBank・NTTドコモ・auの契約済み回線)
対面商談(スマートフォンアプリ)
全通話録音通話はすべて自動で録音公式に記載なし
保存期間・容量公式に記載なし(オプション契約で1年以上保存できるとの記載)公式に記載なし
文字起こし・要約標準(全文文字起こし・話者分離、生成AIによる要約と議事録生成)標準(話者分離つきの自動文字起こしと要約)
外部システム連携Salesforce・HubSpot・kintone・Zoho CRM・楽テル・FastHelp5 ほか
Webhook・OpenAPI・Amazon S3連携
Salesforce・HubSpot・kintone
amptalk APIによる外部連携
初期費用0円要お問い合わせ
月額費用(課金単位)要お問い合わせ(1IDから契約可)要お問い合わせ(ユーザー数課金・最低10ライセンス、年間契約で12ヶ月分一括払い)
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※上記は公式サイトで確認できた情報をもとにしています。実際の機能・料金や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。

この2社は録音の中身を業務データとして扱う製品です。1つは全通話録音と応対解析が中核、もう1つは録音を自前で取得しつつ商談の可視化と顧客管理システム連携までを一体で担う設計です。費用は両社とも公式非公開のため、料金は資料請求で確認する前提で候補にしてください。

21. MiiTel Phone(株式会社RevComm)

MiiTel Phone 公式サイト

株式会社RevCommが「音声解析AI電話」として提供するクラウド型のIP電話サービスです。通話はすべて自動で録音され、全文の文字起こしまで標準で行われます。専用の電話機は不要で、PCやスマートフォンから既存の電話番号のまま利用できます。音声解析AI「MiiTel」としては、シリーズ全体で導入社数3,000社・累計ユーザー数11万人(2025年5月時点)と公表されています。

文字起こしは顧客側と担当者側を分けて表示され、通話中にリアルタイムで確認することもできます。あわせて、話速・トーク比率・ラリー回数といった話し方の特徴を数値化するトーク解析、感情認識、生成AIによる要約と議事録生成を標準搭載しています。議事録生成のプロンプトは利用者側でカスタマイズできます。

録音の対象は固定電話・IP電話に加えて、090・080・070から始まる携帯番号での通話も含みます。ソフトバンク・NTTドコモ・auの3キャリアに対応しており、au回線については直接連携する形で通話を取得できます

Salesforce・HubSpot・kintone・Zoho CRMなどの顧客管理システムと連携するほか、Webhook・OpenAPIやAmazon S3連携での外部出力にも対応します。

初期費用は0円で、1IDから契約できます。月額料金と通話料は公式サイトに記載がなく、要お問い合わせです。録音データは暗号化してAWS上に保存されますが、標準の保存期間についても公式に明示はなく、オプション契約により1年以上保存できるという記載にとどまります。

なお、MiiTelにはWeb会議を解析するMiiTel Meetings、対面での会話を解析するMiiTel RecPod、コールセンター向けのMiiTel Call Centerが別製品として用意されています。ここで扱うMiiTel Phoneは電話を対象とした製品のため、Web会議やコールセンター運用も対象に含めたい場合は、どの製品を組み合わせるかを確認してください。

22. amptalk(amptalk株式会社)

amptalk 公式サイト

営業現場で交わされる会話を、チャネルをまたいで1か所に集めて解析することに軸足を置いたツールです。amptalk株式会社が提供し、Web会議(Zoom・Microsoft Teams・Google Meet)、IP電話、社用携帯、対面商談の音声を同じ画面で振り返れます。

音声の取り込み方はチャネルごとに異なります。IP電話はZoom PhoneやDialpadと連携し、社用携帯はSoftBank・NTTドコモ・auの契約済み回線に接続する方式のため、新たに携帯回線を契約する必要がありません

相手がホストのWeb会議は、PCにインストールしたデスクトップアプリが画面上で録画・録音を取得します。対面商談はスマートフォンのアプリで録音し、最大30名までの話者分離に対応します。

取り込んだ音声は話者を分離して自動で文字起こしされ、商談・通話ごとの要約が生成されます。話されたトピックと発話者ごとの発話時間はタイムラインで可視化されるため、誰がどれだけ話していたかを音声を聞き直さずに確認できます。Salesforce・HubSpot・kintoneへの自動連携に対応し、Salesforceについては項目に合わせて情報を抽出・入力するマッピング機能があります。

料金は初期費用・利用料・オプション費用の3つで構成されます。利用料はユーザー数に応じた計算で、最低ライセンス数は10ユーザー、年間契約で12ヶ月分を一括払いする方式です。プランはBasicとProの2種類があり、Basicの解析時間は1ユーザーあたり月100時間、Proでは閲覧権限の管理・IPアドレス制限・Zoomのリアルタイム解析が加わります。

ただし、初期費用・月額の具体的な金額は公式サイトに記載がなく要お問い合わせです。録音データの保存期間・保存容量も公開されていないため、長期の保存を前提にするなら見積もりの段階で確認しておく必要があります。データは国内のAWS上で暗号化して管理されると説明されています。

公式が公表している導入効果としては、Leaner Technologiesで営業電話からの商談化率が1%から20%に、ビザスクでオンボーディング期間が4〜5ヶ月から2ヶ月に、ROXXで営業の事務工数が50%削減(データ入力が6時間から3時間へ)といった数値が挙げられています(2024年12月公表)。

通話録音システムを導入するメリット

通話録音システムを導入すると、録音が残っていること自体によって次の3つが変わります。録音を聞き返したり解析したりして得られる効果は、録音した音声を活用するで扱います。

「言った・言わない」のトラブルに、録音という事実で対応できる

契約内容の説明、金額や納期の合意、キャンセルの申し出といった、後から争点になりやすいやり取りほど録音の効果が出ます。相手の主張と自社の記録が食い違ったときに、通話音声そのものを確認して事実にもとづき対応を進められるためです。トラブル対応のたびに担当者の記憶を突き合わせる工程がなくなり、判断が早くなります。

録音していること自体を相手に伝える運用にすると、感情的な言動を抑える効果も期待できます。カスタマーハラスメントへの対策として、着信時に録音の告知を流す設定を導入する事業者も増えています。

聞き漏らし・聞き間違いによる確認と折り返しの手間が減る

電話中にメモを取りきれず、住所や品番、日付といった細かい情報を聞き直す場面は珍しくありません。録音があれば、通話後に該当箇所を再生して確認できるため、相手に折り返して聞き直す必要がなくなります。応対しながらメモを取る負担が軽くなることで、会話そのものに集中できるという副次的な効果もあります。

取り次ぎの場面でも同じことが言えます。一次対応した担当者の聞き取りが不正確だったとしても、後を引き継いだ担当者が録音を確認できれば、相手に同じ話を繰り返させずに済みます。

個人情報・契約内容のやり取りに記録が残り、社内外への説明ができる

顧客の個人情報を電話で取得したり、契約や解約の意思を電話で確認したりする業務では、その手続きが適切に行われたことを後から示せる状態が求められます。全通話が自動的に録音されていれば、内部監査や取引先からの照会に対して、実際のやり取りを提示して説明できます。

録音があることは、担当者を守る仕組みでもあります。不適切な応対を疑われた場合に、実際の会話を確認できれば事実関係を明確にできるためです。ただし録音データそのものが個人情報を含むため、保存期間や閲覧権限のルールをあわせて整える必要があります。詳しくは通話録音に関わる法令・ガイドラインへの対応で解説します。

録音した音声を活用する|文字起こし・全文検索・応対品質の評価・教育

録音を導入したものの、実際に聞き返すのはトラブルが起きたときだけ、という状態にとどまる事業者は少なくありません。通話1件を確認するのに実時間がかかるため、日常業務のなかで聞き返す余裕が生まれないためです。文字起こしと解析の機能は、この制約を外して蓄積した音声を業務で使えるようにします。

文字起こしでできることと、精度に影響する条件

音声をテキストに変換すると、通話の内容そのものを検索の対象にできます。日時や電話番号を覚えていなくても、話に出た商品名やキーワードから該当の通話にたどり着けるようになります。

生成AIと組み合わせて要点を自動で要約する機能を持つ製品では、通話後の記録作成にかかる時間を短縮できます。特定の語句が出たときに管理者へ通知する仕組みを備えた製品もあり、解約の申し出やクレームの兆候を早く把握する用途に使われます。

精度は条件によって変わります。専門用語や社名・商品名が多い業務では、辞書に登録できるかどうかが実用性を左右します。

製品側の実装も精度に効きます。発信・受信を左右チャンネルに分けて記録するステレオ録音を持つクラウドPBX型と、AIによる話者分離を中核に据えた解析型があり、いずれも話者が重なる場面や通話品質が低い環境で認識が落ちにくい設計です。公表されている数値だけで判断せず、自社の通話に近い条件で試して確かめてください。

応対品質の評価に使う

録音と文字起こしを組み合わせると、応対を感覚ではなく数値で把握できるようになります。担当者と顧客のどちらがどれだけ話しているかの比率、話す速さ、沈黙が続いた時間、発言が重なった回数といった指標を自動で算出する製品があり、応対の傾向を担当者ごとに比較できます。

トークスクリプトを定めている業務では、必要な説明が実際に行われているかを文字起こしから確認する使い方もできます。全通話を管理者が聞くのは現実的でないため、指標で気になる通話を絞り込んでから聞くという運用にすると、限られた時間で品質の確認が回るようになります。

教育とナレッジ共有に使う

成果を出している担当者の応対を録音から抜き出して共有すれば、新人研修の教材になります。文章で書かれたマニュアルでは伝わりにくい間の取り方や言い回しを、実際の音声で示せる点が録音ならではの利点です。新人自身の応対を本人と一緒に聞き返しながらフィードバックすれば、指導の内容も具体的になります。

担当者が不在のときにも、過去のやり取りを他の担当者が確認できる状態になります。引き継ぎの際にメモを頼りに経緯を再構成する必要がなくなり、顧客に同じ説明を求める場面も減らせます。

通話録音システムの導入・運用で押さえておきたい注意点

導入してから気づくと修正に手間がかかる点を4つ挙げます。いずれも製品の欠点というより、運用設計を先に決めておけば避けられる項目です。

保存容量と保存期間の設計を誤ると、必要な録音が消えている

多くの製品は保存の上限に達すると古いデータから自動的に削除します。トラブルが表面化するのは通話から数か月後ということもあり、いざ確認しようとしたときに該当の録音が残っていない事態が起こりえます。自社の通話量と、確認が必要になるまでの期間を見積もったうえで、標準の保存量で足りるか、延長が必要かを導入前に判断してください。

重要な通話だけを別途ダウンロードして保管するという運用も選択肢になります。その場合は、誰がどの基準で残すかを決めておかないと、担当者の判断に依存して抜け漏れが出ます。

録音していることが顧客・担当者の双方に負担になりうる

録音の告知を受けた顧客が身構えてしまい、話しにくくなることがあります。告知のアナウンスをどのような文言にするか、どのタイミングで流すかによって受け取られ方は変わるため、応対品質の向上という目的が伝わる表現を選ぶことが大切です。

応対する側にも負担が生じます。すべての通話が記録されている状況は緊張につながり、萎縮した応対になることもあります。録音の目的が監視ではなく、担当者を守ることと応対の改善にあることを社内に説明したうえで導入すると、受け入れられ方が変わります。

誰が録音を聴けるかを決めないと、社内での取り扱いがリスクになる

録音データには顧客の氏名・連絡先・契約内容といった情報が含まれます。全社員が自由に再生・ダウンロードできる状態は、情報漏えいの経路になります。

避けるためには、製品の権限設定機能を並べて選ぶより先に「誰が・どの範囲の通話を・どういう目的で聴くのか」という運用ルールを描いておくことが要ります。個別の権限機能(管理者と一般利用者の分離、担当通話のみの再生制限、操作ログの記録など)を確認する項目は選び方の6つの軸にまとめています。

運用ルールを先に描かないまま製品を選ぶと、機能があっても現場で使いこなせない設定になりがちです。運用と製品仕様が食い違うと、権限設計はやり直しか、運用のほうを製品に合わせる形になります。この順番が逆になる事態を避けるために、権限設計は導入プロジェクトの最初期に決めておいてください。

権限をどう分けるかと並んで、そもそも録音に何を残すかという判断もあります。電話でクレジットカード決済を受け付ける現場では、カード番号を音声でやり取りせず、顧客自身のプッシュ操作で入力してもらう方式が使われています。その理由の一つに、録音への残り方が挙げられています。

前田氏
株式会社電話放送局 営業部 営業推進課 課長
前田氏
独自インタビューより

音声入力(音声認識)による番号入力も技術的には考えられますが、当社としては現時点ではプッシュ入力(DTMF)の方が確実性は高いと判断しています。音声だと周囲の人に聞かれるリスクがありますし、通話録音装置などの音声ログの残り方も気になります。

録音の対象が顧客との通話全体に及ぶ以上、残したくない情報を電話の音声から切り離せるかどうかも、権限や保存期間のルールとあわせて決めておく論点になります。

クラウド型は回線・提供事業者への依存が生まれる

クラウド型は機器の保守を任せられる一方で、インターネット回線が不安定になると通話品質や録音に影響が出ます。利用できる回線が指定される製品もあるため、自社のネットワーク環境で問題なく使えるかを事前に確認してください。

セキュリティ対策も提供事業者に委ねる形になります。データの保存場所、暗号化の有無、第三者による認証の取得状況を確認し、自社のセキュリティポリシーと照らして判断してください。社内ネットワークで完結させる必要がある場合は、オンプレミス型に対応する製品を選ぶことになります。

通話録音に関わる法令・ガイドラインへの対応

通話録音システムの導入を検討する段階で、「そもそも録音してよいのか」「録音していることを相手に伝える必要があるのか」「いつまで保存すればよいのか」という疑問が出てきます。ここでは、法令と業界のガイドラインが実際にどう定めているかを条文にあたって整理します。

自社が当事者である通話を録音することの法的な位置づけ

自社にかかってきた電話や自社からかけた電話を録音する行為について、これを一般的に禁止する法律は見当たりません。ただし「録音は適法である」と所管の官庁が明言した公式見解も確認できないため、ここでは近接する2つの規律との違いを条文で確認しておきます。

1つ目は、電気通信事業法4条が定める通信の秘密です。条文は次のとおりで、名宛人は電気通信事業者とその従事者です。

電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
2 電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退いた後においても、同様とする。

出典:電気通信事業法 第4条(秘密の保護)|e-Gov 法令検索

この規律は、通信を取り扱う事業者に向けられたものです。自社の通話を自社で録音する事業者は、この条文が直接名指しする立場にはありません。なお、社用携帯の通話を携帯電話事業者の回線側で録音する方式では、録音を提供する事業者の側がこの規律を受けることになります。

2つ目は「傍受」です。犯罪捜査のための通信傍受に関する法律2条2項は、傍受を次のように定義しています。

この法律において「傍受」とは、現に行われている他人間の通信について、その内容を知るため、当該通信の当事者のいずれの同意も得ないで、これを受けることをいう。

出典:犯罪捜査のための通信傍受に関する法律 第2条第2項|e-Gov 法令検索

定義の要素は、「他人間の通信」であることと「当事者のいずれの同意も得ないで」受けることの2つです。自社が通話の一方の当事者として録音する場面は、このどちらにも当てはまりません。第三者が他人同士の会話を無断で録る行為とは、法律上の位置づけが異なることになります。

一方で、通話の内容から相手が誰かを識別できる場合、その録音は個人情報として扱われます。個人情報保護法2条1項1号は個人情報を「生存する個人に関する情報」であって「音声…を用いて表された一切の事項」により特定の個人を識別できるものと定義しており、通則編ガイドライン2-1(個人情報)も次の事例を挙げています。

本人の氏名が含まれる等の理由により、特定の個人を識別できる音声録音情報

出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)2-1|個人情報保護委員会

録音した音声そのものから相手が誰か分からなくても、通話履歴や顧客IDと紐づけて保存すれば「他の情報と容易に照合できる」状態になり、個人情報として扱われます。通話録音システムはほぼすべての製品が発着信の日時・電話番号・担当者と録音を紐づけて保存する設計なので、実務上は個人情報の取り扱いを前提に運用を組むことになります。

以上を踏まえると、法令上は自社当事者の通話録音を一般に禁止する規定は見当たらず、実務上の論点は「録音してよいか」ではなく、告知の運用・開示への対応・保存期間とアクセス権限のルールへと移ります。ここから先は、個人情報保護法にもとづく義務の話になります。

録音の目的を相手に伝える必要があるか

この点については、個人情報保護委員会がQ&A Q1-10(通話内容の個人情報該当性と録音の告知)で通話録音を名指しして回答しています。

Q1-10 顧客との電話の通話内容は個人情報に該当しますか。また、通話内容を録音している場合、録音している旨を相手方に伝えなければなりませんか。
A1-10 通話内容から特定の個人を識別することが可能な場合には個人情報に該当します。個人情報に該当する場合、個人情報取扱事業者は、個人情報保護法上、利用目的を通知又は公表する義務を負いますが、録音していることについて伝える義務までは負いません。

出典:「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」及び「個人データの漏えい等の事案が発生した場合等の対応について」に関するQ&A Q1-10|個人情報保護委員会

義務の対象は利用目的の通知または公表であって、録音していること自体の告知ではありません。根拠となる条文は個人情報保護法21条1項で、「個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない」と定めています。通知と公表はいずれかで足りる選択的な義務です。

では「通知」「公表」として何が認められるのか。通則編ガイドライン2-14(本人への通知)・2-15(公表)が具体的な事例を挙げています。

「本人に通知」とは、本人に直接知らしめることをいい、事業の性質及び個人情報の取扱状況に応じ、内容が本人に認識される合理的かつ適切な方法によらなければならない。
【本人への通知に該当する事例】
事例 1)ちらし等の文書を直接渡すことにより知らせること。
事例 2)口頭又は自動応答装置等で知らせること。
事例 3)電子メール、FAX 等により送信し、又は文書を郵便等で送付することにより知らせること。

「公表」とは、広く一般に自己の意思を知らせること(不特定多数の人々が知ることができるように発表すること)をいい、公表に当たっては、事業の性質及び個人情報の取扱状況に応じ、合理的かつ適切な方法によらなければならない。
【公表に該当する事例】
事例 1)自社のホームページのトップページから 1 回程度の操作で到達できる場所への掲載
事例 2)自社の店舗や事務所等、顧客が訪れることが想定される場所におけるポスター等の掲示、パンフレット等の備置き・配布

出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)2-14・2-15|個人情報保護委員会

通知の事例2に「自動応答装置等で知らせること」が挙げられており、着信時の自動音声で利用目的を伝える方法が認められていることがわかります。多くの事業者が流している「応対品質の向上のため、通話を録音させていただいております」というアナウンスは、この形にあたります。アナウンスを流さず、自社サイトのプライバシーポリシーに利用目的を掲載する対応でも、公表の事例1に沿っていれば要件を満たします。

アナウンスの文言を考えるうえで押さえておきたいのが、利用目的は「できる限り特定しなければならない」(同法17条1項)という点です。録音を応対品質の確認だけでなく、担当者の教育やAIによる分析にも使うのであれば、その範囲まで含めた表現にしておく必要があります。

なお、コールセンター業務については業界団体が自主的な規範を定めており、法令より踏み込んだ内容になっています。次の一節はコールセンター業務倫理ガイドライン第2章7(1)(通話録音情報の保護・開示等)からの引用です。

(1)コールセンター業務を行う者は、個人情報である音声を収集し、これらを利用するに当たっては、収集する情報の利用目的をできる限り具体的に特定するとともに、できる限り広く公表するか、または本人に通知しなければならない。

出典:コールセンター業務倫理ガイドライン 第2章 7.通話録音情報の保護・開示等|一般社団法人日本コンタクトセンター協会

法令が「通知または公表」のいずれかで足りるとしているのに対し、こちらは「できる限り広く公表するか、または本人に通知」と、より丁寧な対応を求めています。コールセンター業務を行う事業者は、この水準を前提に運用を設計しておくと安全です。

本人から録音データの開示を求められたときの扱い

「録音を開示しなければならないのか」という問いには、無条件では答えられません。開示の請求ができるのは保有個人データに限られ、録音がそこに当たるかどうかは、録音の管理の仕方によって変わるためです。

個人情報保護委員会はこの点をQ&A Q1-42(録音した会話に含まれる氏名と個人情報データベース等該当性)で示しています。

Q1-42 録音した会話の内容に個人の氏名が含まれていますが、この場合、個人情報データベース等に該当しますか。
A1-42 会話の内容に氏名が含まれていても、当該氏名により容易に検索可能な状態に整理されていない限り、個人情報データベース等に該当しません。

出典:「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」及び「個人データの漏えい等の事案が発生した場合等の対応について」に関するQ&A Q1-42|個人情報保護委員会

録音をただ時系列で貯めているだけなら、この条件には当たりません。一方、顧客名や電話番号で録音を検索できる状態にしている場合、その録音は個人情報データベース等を構成し、個人データ、さらに保有個人データとして扱われます(同法16条1項・3項・4項)。

文字起こしによる全文検索や顧客管理システムとの連携を導入すると、まさにこの状態になります。機能を充実させるほど、開示や安全管理の義務が現実の課題になるという関係です。

保有個人データに当たる場合の開示については、同法33条が次のように定めています。

本人は、個人情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される保有個人データの電磁的記録の提供による方法その他の個人情報保護委員会規則で定める方法による開示を請求することができる。

個人情報取扱事業者は、前項の規定による請求を受けたときは、本人に対し、同項の規定により当該本人が請求した方法(当該方法による開示に多額の費用を要する場合その他の当該方法による開示が困難である場合にあっては、書面の交付による方法)により、遅滞なく、当該保有個人データを開示しなければならない。ただし、開示することにより次の各号のいずれかに該当する場合は、その全部又は一部を開示しないことができる。
一 本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合
二 当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合
三 他の法令に違反することとなる場合

出典:個人情報の保護に関する法律 第33条第1項・第2項(開示)|e-Gov 法令検索

開示の方法についても、通則編ガイドライン3-8-3(保有個人データの開示)が音声データを想定した事例を示しています。事業者が定める方法として「個人情報取扱事業者が指定した場所における音声データの視聴」が挙げられており、データを渡す以外に、自社が指定した場所で聴いてもらう形も認められます。

また、書面での交付を求められた場合について「電磁的記録の提供にふさわしい音声・動画ファイル等のデータを、あえて書面で請求することにより、業務上著しい支障を及ぼすおそれがある場合」が、開示を拒める場合の事例として挙げられています。

実務上は、請求が来てから考えるのでは間に合いません。開示等の請求に応じる手続を定め、本人が知り得る状態に置いておく義務(同法32条1項3号)があり、業界のガイドラインも「個人情報である音声の開示等の求めに応じる手続を定め、本人の知り得る状態に置いておき、本人より開示等を求められたときは、遅滞なく開示等をしなければならない」と定めています。

録音システムを導入する段階で、誰がどの手順で開示に対応するかを決めておいてください。

保存期間に法定の定めはあるか

個人情報保護法に、通話録音を何年保存せよという一律の定めはありません。ガイドラインの全文を確認しても、保有個人データの保存期間を一律に定めた記述は見当たりません。ただし、これは「決めなくてよい」という意味ではありません。同法22条は次のように定めています。

個人情報取扱事業者は、利用目的の達成に必要な範囲内において、個人データを正確かつ最新の内容に保つとともに、利用する必要がなくなったときは、当該個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならない。

出典:個人情報の保護に関する法律 第22条(データ内容の正確性の確保等)|e-Gov 法令検索

つまり、必要がなくなった録音を無期限に貯め続けてよいわけではなく、消去に向けた努力が求められます。

通則編ガイドライン3-4-1(データ内容の正確性の確保等)はさらに踏み込んで、「記録事項の更新、保存期間の設定等を行うことにより、個人データを正確かつ最新の内容に保つよう努めなければならない」と、保存期間を自社で設定すること自体を対応の内容として挙げています。業界団体のガイドラインも同じ趣旨で「保存期間の設定等を行う」ことを会員社に求めています。

保存期間を決めるときは、何のために録音を残すのかから逆算します。取引上のトラブルへの備えであれば、問題が表面化するまでの期間を上回る長さが必要です。応対品質の評価に使うのであれば、評価のサイクルをまたげる長さがあれば足ります。

決めた期間は、製品側の保存上限で実現できるかを確認してください。上限に達すると古いデータから自動的に削除される製品が多いため、社内で定めた保存期間と製品の仕様が食い違うと、ルールが形骸化します。

あわせて、録音が個人データに当たる場合は安全管理措置の対象になります。同法23条は「その取り扱う個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の個人データの安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない」と定め、通則編ガイドライン別添「講ずべき安全管理措置の内容」の技術的安全管理措置は次を挙げています。

(1)アクセス制御
 担当者及び取り扱う個人情報データベース等の範囲を限定するために、適切なアクセス制御を行わなければならない。
(2)アクセス者の識別と認証
 個人データを取り扱う情報システムを使用する従業者が正当なアクセス権を有する者であることを、識別した結果に基づき認証しなければならない。

出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)別添「講ずべき安全管理措置の内容」|個人情報保護委員会

誰が録音を聴けるかを限定し、アクセスした人を識別・認証できる状態にすることが求められています。選び方で権限設定やアクセスログを確認項目に挙げたのは、この要求に対応するためです。製品を選ぶ段階で、自社の運用ルールを実現できる設定があるかを確かめておいてください。

出典・参考資料(5件)

まとめ

通話録音システムを選ぶときは、製品の一覧を眺める前に「自社は何の通話を、何のために録音したいのか」を決めると絞り込みが進みます。

事務所の固定電話が対象なら電話環境ごとクラウドへ移すか録音を足すか、席数の多いコールセンターならCTIに組み込まれた録音か、電話環境を変えたくないなら録音専業のシステムか後付けの録音装置か、すでに録音はあるが聞き返せていないなら文字起こしと解析を中核に据えた製品か、というように、目的によって見るべきサービス群が変わります。

費用は課金の単位(同時通話数・ユーザー数・保存容量)で決まり方が違うため、月額の数字だけでは比較になりません。保存期間の上限、文字起こしが標準かオプションか、既存の電話番号を引き継げるかまで含めて、自社の条件に当てはめて総額を見比べてください。録音の告知や保存期間の社内ルールは、製品選定と並行して整えておくと導入後に慌てずに済みます。

本記事で比較した各サービスの料金・機能・導入事例は、サービス紹介の各節と公式サイトで確認できます。通話録音とあわせて電話の一次対応の自動化も検討する場合は、以下から自動音声応答(IVR)関連の資料を無料で一括請求できます。

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通話録音システムに関するよくある質問(FAQ)

Q. 通話録音システムは、今使っているビジネスフォンを残したまま導入できますか?

A. 通話録音システムには、既存の電話環境をそのまま残し、録音の仕組みだけを足せるタイプがあります。ビジネスフォンの主装置と電話機の間などに接続する録音装置と、既存のPBXに接続して音声を記録する録音専業のシステムがこれにあたり、電話番号も電話機も変えずに録音を始められます。

ただし対応可否は、PBXの機種や回線の種類(アナログ・デジタル・IP)によって変わります。対応環境の一覧に自社の機器が含まれているかを事前に確認してください。また、録音装置に保存する方式では録音データが設置した拠点に貯まるため、複数拠点や在宅勤務者の通話をまとめて確認したい場合は、クラウド型または集中管理の仕組みが別途必要になります。

Q. 通話録音システムで社用携帯の通話も録音できますか?

A. 社用携帯の通話を録音するには、携帯電話事業者の回線側で録音する方式か、専用のアプリ・SIMを介して録音する方式に対応した製品を選ぶ必要があります。オフィスの固定電話向けの録音システムでは、社用携帯での発着信は対象外になることが多いためです。

外出先や訪問先での会話は固定電話向けの仕組みでは残らないため、営業担当が社用携帯で顧客とやり取りする事業者では、この方式を併用するかどうかが検討の分かれ目になります。対応する携帯電話事業者が限られる製品もあるので、自社の契約回線で使えるかを確認してください。

担当者の私用スマートフォン(BYOD)を業務に使っている場合は、SIMを別で挿す方式や、業務通話だけを別番号で発着信するアプリを使う方式の製品が候補になります。私用と業務の通話が同じ端末に混ざる状態のままでは、私用の通話まで録音してしまう問題が生じるため、番号や通話経路で区別できる方式かをあわせて確認してください。

Q. 内線通話も録音の対象になりますか?

A. 内線通話(社内間の通話)の録音可否は、製品によって明示的に対応するもの、外線発着信のみを対象とするもの、明記のないものに分かれます。社内の指示や引き継ぎを録音に残したい場合は、この点を導入前に確認してください。

コールセンター向けの製品には「発信・着信・内線通話・グループ内線通話すべて」を対象と公式に明示するものがある一方、クラウドPBX型では全通話録音をオプション機能として提供したうえで、内線通話とISDN外線経由の通話を公式に録音対象外と明記している製品があります。内線を対象にしない製品では、社内のやり取りは別の記録手段(会議録画・チャット履歴など)に依存することになります。

Q. 通話録音システムを導入したら、担当者が録音を止められない設定にできますか?

A. コンプライアンス上の証跡として全通話録音を運用する場合は、利用者が個別に録音のオン・オフを切り替えられない設定に対応した製品を選ぶ必要があります。担当者の操作に依存すると、後から必要になった通話が残っていない事態が起こりえるためです。

Web会議・ビジネスチャットの通話を対象とする製品には、「利用者が録音を止められない設定」で全通話・全会議を自動記録する運用を公式に打ち出しているものがあります。電話向けの製品でも、管理者側で全通話録音を強制する設定を持つものと、利用者側で通話ごとに切り替える運用を前提とするものに分かれるため、この方針は導入時に決めて設定に反映してください。

Q. 通話録音システムの導入までにどのくらいの期間がかかりますか?

A. 導入期間の目安は製品と規模によって数日から数ヶ月の幅があります。既存の電話環境に接続する録音装置は機器の設置と設定で数日から2週間程度、クラウド型は申し込みから利用開始まで数日から数週間、既存PBXに接続する録音システムやコールセンター向けの構築案件は個別要件の詰めから数か月かかるのが一般的です。

クラウド型でサーバー設置工事が不要な録音サービスでも、「問い合わせから約1〜2ヶ月」を公式に案内している製品があります。番号ポータビリティ(今の電話番号の引き継ぎ)を伴う場合は、キャリア側の手続きで追加日数が要ります。導入時期に業務要件がある場合は、要件定義から本稼働までのスケジュールを見積もり時に確認してください。

Q. 通話録音システムは全通話を録音すべきですか、必要な通話だけを選んで録音すべきですか?

A. 通話録音システムをコンプライアンス上の証跡として導入するのであれば、担当者の操作に依存しない全通話録音が前提になります。録音するかどうかを担当者の判断に委ねると、後から必要になった通話が残っていない事態が起こるためです。

一方、録音してよい通話とそうでない通話を分けたい場合は、電話番号ごとや内線ごとに録音のオン・オフを設定できるかが判断材料になります。なお全通話を録音すると保存量が積み上がるため、保存期間・保存容量の上限と、超過したときの追加費用まで含めて設計してください。

Q. 通話録音システムの費用はどのように決まりますか?

A. 通話録音システムの費用は、同時通話数(チャネル数)、利用するユーザー数・内線数・席数、保存容量・保存期間のいずれを課金の単位にしているかで決まり方が変わります。定価を並べても比較にならないのは、この単位が製品によって違うためです。

加えて、費用が発生するタイミングは導入形態で変わります。既存のビジネスフォンに接続する録音装置は機器代と設置工事の初期費用が中心で、月額が発生しない買い切り型もあります。クラウド型は初期費用を抑えて月額を払い続ける形が中心です。文字起こし・音声解析、保存期間の延長、回線や電話番号の費用、保守費用は基本料の外に出ることが多いため、3年から5年といった利用期間の総額で見比べてください。

Q. 通話料と録音料は別に発生しますか?

A. 通話料と録音料を別建てで課金する製品と、月額基本料に録音料が含まれる製品に分かれます。特に050番号を使うクラウド型では通話料の課金体系が独自になることが多く、録音を追加するとそこにさらに録音料が積み上がる形が中心です。

050番号を使うクラウド型には、基本料の外に通話録音料2.2円/分(税込)を公開している製品があります。海外製の問い合わせ管理型では、通話録音$0.003/分・事前録音の文字起こし$0.01/分・ライブ文字起こし$0.027/分(いずれも米ドル建て・分単位)と、録音と文字起こしまで分単位で課金する体系を採用しています。

通話量が読める事業者では、月額固定型と分単位型のどちらが総額で安いかを、想定通話量で試算して比べてください。

Q. 既存の録音データを新しい通話録音システムに移行できますか?

A. 録音データの移行は、多くの通話録音システムで標準機能として提供されていません。録音ファイルの形式(wav・mp3・独自形式)と、通話履歴・顧客IDと録音を紐づけるメタデータの取り扱いが製品ごとに違い、そのまま新製品の検索・再生機能に載せられる形にならないためです。

個別の移行対応が必要になる場合は、初期費用に上乗せされる開発費用として見積もられます。過去録音の保管が必要な場合は、新製品への移行と並行して、旧製品の環境を保存期間の終わりまで残す(読み取り専用でアクセスできる状態を維持する)運用が現実的です。移行の可否と、旧環境の維持期間・維持費用は、リプレースを検討する段階で旧・新の両ベンダーに確認してください。

Q. 通話録音システムで録音した音声を文字起こしできますか?

A. 文字起こしに対応する通話録音システムは多くありますが、標準搭載かオプションかは製品によって分かれます。オプションの場合は月額数千円から1万円台の追加費用や、利用量に応じた従量課金が発生します。

文字起こしを入れると、日時や電話番号を覚えていなくても、話に出た商品名やキーワードから該当の通話にたどり着けるようになります。要点の自動要約や、特定の語句が出たときの管理者への通知まで備える製品もあります。

精度は、専門用語や社名を辞書に登録できるか、通話品質、話者の重なりによって変わるため、公表されている数値だけでは自社での実用性を判断しきれません。発信者と受信者の音声を分けて記録する仕組みに対応していると精度が上がりやすく、無料トライアルやデモで自社の通話に近い条件を試してから判断するのが確実です。

Q. クラウド型の通話録音システムに録音データを預けても問題ありませんか?

A. クラウド型の通話録音システムを選ぶ場合は、データの保存場所・暗号化の有無・第三者による認証の取得状況を確認し、自社のセキュリティポリシーと照らして判断します。録音には顧客の氏名・連絡先・契約内容が含まれるためです。

録音が個人データに当たる場合は、個人情報保護法23条の安全管理措置の対象になります。同法のガイドライン(通則編)別添は、技術的な措置としてアクセス制御とアクセス者の識別・認証を挙げているため、誰が録音を聴けるかを権限で限定できるか、再生・ダウンロードの操作ログが残るかが製品側の確認項目になります。

社内ネットワークで完結させる必要がある場合は、オンプレミス型(録音装置を含む)に対応する製品が候補になります。

Q. 通話録音システムで顧客との通話を録音することは、法律上問題ありませんか?

A. 自社が当事者である通話を録音する行為について、これを一般的に禁止する法律は見当たりません。ただし「録音は適法である」と所管の官庁が明言した公式見解も確認できないため、無条件に許されると読むのは適切ではありません。

近接する規律は2つあります。1つは電気通信事業法4条の通信の秘密で、名宛人は電気通信事業者とその従事者であり、自社の通話を自社で録音する事業者を直接規律する条文ではありません。もう1つは犯罪捜査のための通信傍受に関する法律2条2項で、「傍受」を「他人間の通信」について「当事者のいずれの同意も得ないで」受けることと定義しています。

自社が通話の一方の当事者として録音する場面は、このどちらの要素にも当てはまりません。一方で、通話内容から相手を識別できる場合、その録音は個人情報として個人情報保護法上の義務の対象になります。

Q. 通話録音システムを導入したら、録音していることを相手に伝える必要はありますか?

A. 個人情報保護法上の義務は利用目的を通知または公表することであり、録音していること自体を伝える義務までは負いません。個人情報保護委員会のQ&A Q1-10 は、通話内容が個人情報に該当する場合について「利用目的を通知又は公表する義務を負いますが、録音していることについて伝える義務までは負いません」と回答しています。

通知と公表はいずれかで足りる選択的な義務です(同法21条1項)。そのため、着信時のアナウンスを流さず、自社サイトのプライバシーポリシーに利用目的を掲載する対応でも要件を満たします。

ただしコールセンター業務については、一般社団法人日本コンタクトセンター協会のコールセンター業務倫理ガイドラインが「できる限り広く公表するか、または本人に通知」と法令より丁寧な対応を求めており、顧客対応上の配慮とあわせてアナウンスを流している事業者が多いのが実情です。

出典・参考資料(2件)

Q. 通話録音のアナウンスは、どのような内容にすればよいですか?

A. 通話録音のアナウンスで伝えるべきなのは、録音しているという事実よりも、録音した音声を何に使うのかという利用目的です。個人情報保護法17条1項が利用目的を「できる限り特定しなければならない」と定めており、ガイドライン(通則編)も「事業活動に用いるため」といった抽象的な特定では足りないとしているためです。

録音を応対品質の確認だけでなく、担当者の教育やAIによる分析にも使うのであれば、その範囲まで含めた表現にしておく必要があります。

伝え方については、同ガイドラインが本人への通知に該当する事例として「口頭又は自動応答装置等で知らせること」を挙げており、着信時の自動音声で利用目的を伝える方法が認められています。多くの事業者が流している「応対品質の向上のため、通話を録音させていただいております」というアナウンスは、この形にあたります。

出典・参考資料(1件)

Q. 顧客から通話録音データの開示を求められたら、応じる必要がありますか?

A. 通話録音の開示に応じる義務が生じるのは、その録音が保有個人データに当たる場合に限られます。個人情報保護委員会のQ&A Q1-42 は、会話の内容に氏名が含まれていても「当該氏名により容易に検索可能な状態に整理されていない限り、個人情報データベース等に該当しません」としています。

逆に、顧客名や電話番号で録音を検索できる状態にしている場合、その録音は個人データ、さらに保有個人データとして扱われ、同法33条1項・2項にもとづく開示の対象になります。文字起こしによる全文検索や顧客管理システムとの連携を導入すると、この状態に近づきます。

開示の方法は音声ファイルを渡す形に限らず、ガイドライン(通則編)は事業者が定める方法の事例として「個人情報取扱事業者が指定した場所における音声データの視聴」を挙げています。請求を受けてから考えるのでは間に合わないため、開示等の請求に応じる手続を定めて本人が知り得る状態に置く義務(同法32条1項3号)とあわせ、導入時に対応手順を決めておいてください。

出典・参考資料(2件)

Q. 通話録音システムの録音データは、どのくらいの期間保存すればよいですか?

A. 通話録音の保存期間について、個人情報保護法に「何年保存せよ」という一律の定めはありませんが、自社で保存期間を設定すること自体が求められています。同法22条は、利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去するよう努めなければならないと定めており、必要がなくなった録音を無期限に貯め続けてよいわけではありません。

ガイドライン(通則編)は「記録事項の更新、保存期間の設定等を行うことにより」と、期間を自社で決めることを対応の内容に挙げており、一般社団法人日本コンタクトセンター協会のガイドラインも同じ趣旨を会員社に求めています。期間の長さは目的から逆算します。

取引上のトラブルへの備えであれば問題が表面化するまでの期間を上回る長さが必要で、応対品質の評価に使うのであれば評価のサイクルをまたげる長さで足ります。決めた期間を製品側で実現できるかも確認してください。製品側の上限は日数(90日、1年など)・録音時間の総量・容量のいずれかで管理され、上限に達すると古いデータから自動的に削除される仕組みが一般的です。

出典・参考資料(2件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
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