経費精算はシステム化できたものの、予算に対する使いすぎ(予算超過)に気づくのが月次の集計を締めた後になっていませんか。部門やプロジェクトごとに配分した予算の消化状況をその場で把握できず、経費の申請・承認と予算の管理が別々の運用になっている企業は少なくありません。
経費の申請段階で予算超過を止めたい、あるいは早く気づきたい。そうした要望に応えるには、単なる精算の電子化にとどまらず、予実対比や予算超過時の制御まで担える経費精算システムを選ぶ必要があります。では、予算管理まで任せられるシステムは、どのような観点で比較・検討すればよいのでしょうか。
本記事では、予算管理機能を備えた経費精算システム7サービスを比較・解説します。予算管理機能でできること、予算超過を申請段階で防ぐ仕組み、そして予実対比の細かさや予算超過時の挙動といった「予算管理の実装レベル」で見極める選び方を整理しました。自社の予算運用に合うシステムを判断するための材料としてご活用ください。
また、自社の予算運用に合ったサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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本記事の対象範囲
本記事では、予算管理機能を備えた経費精算システム7サービスを比較します。ここでいう予算管理機能とは、予算と実績を対比する予実対比、予算超過時のアラート表示や申請の制御、部門・プロジェクト単位での予算設定、予実のレポート分析などを指します。経費の精算だけでなく予算の管理まで一元化したい企業が、自社の予算運用に合うシステムを選べるよう整理しました。
予算管理という絞り込みを外し、経費精算システム全般を料金・機能・使いやすさから広く比較したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
経費精算システムの予算管理機能でできること
ここからは、経費精算システムに搭載される予算管理機能で具体的に何ができるのかを整理します。製品によって対応範囲は異なりますが、中心となるのは予実対比とレポート分析です。予算超過時の制御については、後ほど「予算超過を申請段階で止める・気づく仕組み」で詳しく解説します。

予実対比(科目別・部門別・プロジェクト別)
予実対比は、あらかじめ設定した予算に対して、経費の実績がどの程度消化されたかを突き合わせる機能です。勘定科目別・部門別・プロジェクト別といった単位で予算を設定し、申請・承認された経費を実績として自動で集計します。経費精算のデータがそのまま実績値になるため、月末に会計データを別途集計しなくても、予算の消化状況を随時確認できます。
どの単位で予実を把握できるかは製品ごとに差があります。全社・部門までは多くの製品が対応しますが、プロジェクト単位や勘定科目別まで細かく設定できるかは、複数の事業や案件を並行して管理する企業にとって選定上の分かれ目になります。
レポート分析・予実の可視化
予算管理機能を備えた経費精算システムの多くは、予実の状況をグラフや一覧で可視化するレポート機能を持ちます。部門別・期間別に消化率を表示したり、支払予定を含めた見通しを示したりすることで、期の途中でも予算の使い方を判断しやすくなります。
レポートで確認できる軸(部門・科目・期間・支払手段など)や、カスタムでレポートを組めるかは製品によって異なります。予算を期中に見直す運用を想定するなら、必要な切り口でデータを取り出せるかを確認しておくと、導入後のギャップを避けられます。
経費精算と予算管理を1つのシステムで扱うメリット
経費精算システムは導入済みでも、予算管理は表計算ソフトで別に運用している企業は少なくありません。この状態では、経費の実績を予算の表へ転記する手間が発生し、二重入力によるミスや、集計が締まるまで予算超過に気づけないという課題が残ります。
予算管理機能を備えた経費精算システムを使えば、申請・承認された経費がそのまま予算の実績に反映されます。転記の手間がなくなり、予算の消化状況を常に最新の状態で確認できるため、経費の管理と予算の管理を1つの運用に統合できます。
とはいえ、自社の予算運用にどのサービスが合うかを見極めるのは難しいものです。以下の診断ツールを使うと、いくつかの質問に答えるだけで候補を絞り込めます。
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予算超過を申請段階で止める・気づく仕組み
予算管理で最も価値が出るのは、予算超過が起きてからではなく、経費が使われる前後の申請段階で対応できる点です。経費精算システムの予算管理機能は、大きく「気づける仕組み」と「止められる仕組み」の2つに分かれます。

気づける仕組みは、予算の消化が一定の水準に達したときにアラートを表示するものです。たとえば消化率が設定した割合を超えた段階で警告を出す、実績が予算を超えた項目を色分けして示す、といった形で、申請者や承認者が超過に早く気づけるようにします。止められる仕組みは、予算を超える申請そのものを承認できないよう制御するもので、超過を未然に防ぎたい場合に有効です。
実務では、アラートを出す閾値を消化率80%・100%のように段階で設定し、超過に近づいた時点と超過した時点で通知を分ける運用ができます。申請を止める制御を使う場合は、どの部門・科目に適用するか、やむを得ない超過の例外承認をどう扱うかもあわせて決めておくと、現場の運用と噛み合います。超過やその兆候を上長・経営層に早く共有できれば、期の途中で予算配分を見直す判断にもつなげられます。
こうした仕組みは、内部統制でいう発見的な統制(起きたことに気づく)と予防的な統制(起こさないようにする)に整理できます。予算の管理を経費の申請・承認フローに組み込むこと自体が、統制を日々の業務に定着させる手立てになります。
ただし財務報告に係る内部統制の基準が法令上の対応を求めるのは上場企業などに限られ、多くの企業にとっては義務ではありません。どの水準まで機械的に統制するかは、自社の規模や体制に合わせて見極めます。
出典・参考資料(1件)
予算管理機能を備えた経費精算システムの比較
ここからは、予算管理機能を備えた経費精算システム7サービスを、予実対比の粒度・予算超過時の挙動・部門やプロジェクト別の予算設定・レポート分析・料金の観点で比較します。自社が必要とする予算管理の水準に照らして、候補を絞り込む材料としてご覧ください。
また、予算超過時の挙動やレポートの詳細は公式サイトだけでは判断しづらい製品もあります。表で「公式に明示なし」とした項目は機能が無いとは限らないため、気になる製品は資料請求やデモで実際の挙動を確認することをおすすめします。
| サービス名 | 楽楽精算 | freee経費精算 | ハーモス経費(HRMOS経費) | Spendia | Traveler’sWAN | Concur Expense | クロノス経費精算 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態・対象規模 | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) 中小〜中堅企業 | クラウド(SaaS) 50名〜 | クラウド(SaaS) 大企業・グループ企業向け | SaaS/オンプレミス/ プライベートクラウド | クラウド(SaaS) 中堅〜大企業 | クラウド(SaaS) 100〜500人規模 |
| 予実対比の粒度 | 科目・部門・担当など任意区分 (期間指定の比較も可) | 予算消化率を可視化 (対比区分は公式非開示) | 予算管理+プロジェクト集計 (案件別に把握) | 部門・支店・プロジェクト単位 (階層コストセンター) | 予算管理・予実績管理 (対比区分は公式非開示) | 予算管理は別モジュール 「Concur Budget」が担当 | 部門・科目単位 (プロジェクト・部署別の把握も可) |
| 予算超過時の挙動 | アラート表示・ 申請ブロックの両方に対応 | 消化率の可視化で把握 (アラートは公式に明示なし) | 公式に明示なし | 予算超過チェックあり (把握・チェックが中心) | 公式に明示なし | 別モジュール「Concur Budget」が担当 | 赤字表示で警告 (申請ブロックはなし) |
| 部門・プロジェクト別の予算設定 | ●部門・プロジェクト別 | △消化率の可視化が中心(設定単位は非開示) | ●プロジェクト集計に対応 | ●部門・支店・プロジェクト別 | △予算管理はあり(設定単位は非開示) | ×別モジュール「Concur Budget」が担当 | ●部門・科目別 |
| 予実レポート・分析 | ●利用状況の見える化 | ●レポート分析に対応 | 公式に明示なし | ●レポート分析に対応 | 公式に明示なし | △経費分析は可能(予実は別モジュール) | ●利用状況を確認 |
| 料金の目安 | 初期10万円・月額3万円〜 (税抜、従業員数で変動) | 基本 月7,500円〜(税抜)+ 650円/ID(申請・承認者のみ) | 月額29,000円〜(税別・50名〜) 初期費用は要問い合わせ | 要問い合わせ (公式は金額非開示) | SaaS型 月額10,000円〜 (50ライセンス〜) | 要問い合わせ (公式の現行料金表なし) | 月額495〜660円/ユーザー (年契約・最小10ID〜) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
※2026年9月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の料金・機能は各社公式サイトでご確認ください。
気になるサービスが見つかったら、複数の資料をまとめて取り寄せて、予算管理機能の詳細や料金を見比べてみましょう。
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予算管理機能で選ぶ経費精算システム7サービスの詳細
ここからは、各サービスの予算管理機能の中身を、公式情報をもとに具体的に紹介します。予実対比の対象や予算超過時の挙動はサービスごとに違いがあるため、自社の運用に近いものを見つける手がかりにしてください。
1. 楽楽精算(株式会社ラクス)

株式会社ラクスが提供するクラウド型の経費精算システムで、経費精算に加えて請求書支払処理・汎用ワークフロー・会計ソフト連携までを1つに集約できます。公式の機能一覧では「経費・予算管理」を機能カテゴリの一つに掲げています。
予算管理機能では、科目別・部門別・担当別など任意の区分で予実を対比でき、半期ごとといった期間を指定した比較にも対応します。予算超過時にはアラートを表示するだけでなく、申請そのものを止めるルール設定も可能で、超過に気づく運用と未然に防ぐ運用のどちらにも合わせられる点が特徴です。
部門やプロジェクト単位での予算設定にも対応します。累計導入社数は楽楽精算単体で20,000社以上(2025年9月時点)とされます。
2. freee経費精算(フリー株式会社)

freee経費精算は、承認された経費をもとに予算消化率を可視化し、レポート分析で経費の使われ方を確認できる経費精算システムです。スマートフォンやLINEからの申請、AI-OCRによる領収書のデータ化、会計ソフトへのワンクリック連携までを備えます。
料金は経費精算Plusの基本料金が年払いで月あたり7,500円〜(税抜)で、これに当月に申請または承認を行ったユーザーだけが対象となる従量課金650円/ID(税抜)が加わります。閲覧のみや未利用のユーザーには課金されません。
提供元のフリー株式会社は、既存の他社会計ソフトを使い続けたまま経費精算だけを単独で導入できる点も公式に打ち出しており、会計移行を伴わずに導入を進められます。
3. ハーモス経費(HRMOS経費)(株式会社ビズリーチ)

ハーモス経費(HRMOS経費)は、旧称「eKeihi」として20年以上の提供実績を持つ経費精算・請求書管理システムです。提供元は株式会社ビズリーチで、経費精算に加えて予算管理とプロジェクト集計を機能として備えます。
予算管理をプロジェクト単位の集計と組み合わせられるため、案件ごとに経費と予算を対応させて把握できます。申請承認ワークフローは最大10階層まで設定でき、金額や内容による分岐にも対応します。
月額費用は50名で29,000円〜(税別)で、利用人数に応じて50名刻みで変動する料金体系です。電子帳簿保存法・インボイス制度にも対応します。
4. Spendia(TIS株式会社)

Spendiaは、TIS株式会社が大企業・グループ企業向けに提供するカスタマイズ型のクラウド経費精算システムです。経理担当者向け機能として、部門・支店・プロジェクト単位での予算・実績管理と予算超過チェック、支出レポート・カスタムレポートによる分析を備えます。
ノーコードで自社の規程や承認ワークフローに合わせて設定でき、SAP S/4HANAなどの基幹システムのフロント(仕訳入力)として使う構成を想定しています。従業員数千名から1万5千名規模の導入事例が公開されています。
料金は伝票数・申請数に依存せずユーザー数に応じて課金する体系で、公式サイトでは金額を開示していません。具体的な費用は要問い合わせとなります。
5. Traveler’sWAN(株式会社日立システムズ)

株式会社日立システムズのTraveler’sWANは、国内・海外の出張手配から旅費・経費精算までを1システムで扱う総合経費管理システムです。管理機能として予算管理・予実績管理を備えます。
予算管理・予実績管理に加え、金額や科目による承認分岐、記入漏れ・ミスの自動チェックを持ちます。国内出張の日当自動計算や海外出張の外貨・レート対応など、日本企業の精算規程に沿った処理に対応します。
提供形態はSaaS型・オンプレミス型・プライベートクラウド型の3種類から利用環境や要件に応じて選べ、グループ企業でのライセンスシェアにも対応します。
6. Concur Expense(株式会社コンカー)

Concur Expenseは、SAPグループの出張・経費管理クラウドに含まれる経費精算製品で、日本国内では株式会社コンカーが提供しています。ITRの調査では、国内経費精算市場のベンダー別売上金額シェアで2014年度から12年連続の1位(2025年度42.8%)とされています。
経費精算を担うのはConcur Expenseですが、予算管理は「Concur Budget」という別モジュールが担う構成です。予算管理まで求める場合は、経費精算単体ではなくBudgetモジュールの追加が前提になる点を確認しておく必要があります。
経費精算側は領収書OCR(ExpenseIt)、法人カードや交通系ICカードの連携、経費規程に基づくポリシーチェックなどを備えます。料金は公式の現行料金表が公開されておらず、要問い合わせとなります。
7. クロノス経費精算(クロノス株式会社)

勤怠管理システムを主力とするクロノス株式会社が2024年10月にリリースした経費精算システムです。部門・科目単位で予算と実績を対比でき、プロジェクトや部署ごとの状況も把握できます。実績が予算を超えると赤字で表示して支出状況を確認できます。
予算を超えた場合でも申請自体は可能で、超過を理由に申請を止める制御(申請ブロック)は行いません。承認者は予算内の申請かを確認したうえで承認でき、一般社員も申請時に予算金額と累計実績を確認できます。
料金は契約人数100〜500人で1ユーザー月額495〜660円(年契約・最小10ID〜)です。勘定奉行クラウド・弥生会計・PCA会計シリーズなどの会計ソフトと連携します。
予算管理で選ぶときの見極め方
ここからは、予算管理機能を備えた経費精算システムを選ぶときに確認したい観点を整理します。経費精算の基本機能はどの製品も一定水準を満たすため、予算管理の実装レベルに絞って見極めると、自社に合う製品を選びやすくなります。
アラートで気づければ十分か、申請を止める制御まで必要か
予算超過への対応は、超過に気づけるアラート型と、超過する申請そのものを止める申請制御型に分かれます。承認者が状況を見て柔軟に判断したい運用ならアラート型で足りますが、決められた予算を厳格に守りたい、承認者による判断のばらつきをなくしたい場合は、申請を止める制御があるかが分かれ目になります。自社の予算統制をどこまで機械的に行いたいかを起点に選ぶと判断がぶれません。
予実を把握したい単位(部門・プロジェクト・科目)に対応しているか
予算を管理する単位は企業によって異なります。部門別までで十分な企業もあれば、案件や製品ごとに採算を追うためにプロジェクト単位や勘定科目別の予実が必要な企業もあります。複数の事業を並行して運営している場合や、受託案件ごとに経費を管理したい場合は、自社が把握したい単位で予算を設定・集計できるかを確認しておくと、導入後に「その粒度では見られない」という事態を避けられます。
期中の予算見直しに使えるレポートが得られるか
予算は期首に決めて終わりではなく、消化状況を見ながら期の途中で配分を見直す運用も多くあります。その際に、必要な切り口(部門・科目・期間・支払予定を含む見通しなど)でレポートを取り出せるかどうかが、予算管理の使い勝手を左右します。上長や経営層への報告にそのまま使える形で出力できるかも、確認しておきたい観点です。
自社の規模・会計や周辺システムとの連携に合うか
予算管理機能の必要水準は企業規模によっても変わります。会計システムと連携して予実を一元化したい場合は、自社が使う会計ソフトとの連携可否を確認しておきましょう。あわせて、経費精算システムの選定では電子帳簿保存法やインボイス制度への対応が前提になるため、これらに対応しているかも基本要件として押さえておくとよいでしょう(制度対応の詳細は国税庁の資料も参考になります)。
どの経費精算システムが電子帳簿保存法に対応しているかを製品ごとに確かめたい場合は、JIIMA認証の区分と保存要件で整理した以下の記事が参考になります。
出典・参考資料(2件)
まとめ
経費精算システムの予算管理機能は、予実対比・予算超過時の制御・レポート分析を通じて、経費の使いすぎを申請段階で抑え、予算の消化状況をタイムリーに把握することを可能にします。経費の精算と予算の管理を1つのシステムに統合できれば、二重入力や月次締めまで超過に気づけないといった課題を解消できます。
製品選びでは、予算超過にアラートで気づければ十分か申請を止める制御まで必要か、予実を把握したい単位に対応しているか、期中の見直しに使えるレポートが得られるか、という予算管理の実装レベルを軸に見極めると、自社に合うシステムを選びやすくなります。比較表と選定診断ツールもあわせて、検討にお役立てください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 経費精算システムの予算管理機能とは何ですか?
A. 経費精算システムの予算管理機能とは、あらかじめ設定した予算と、申請・承認された経費の実績を突き合わせ、予算超過をアラートや申請の制御で抑える仕組みです。
具体的には、勘定科目別・部門別・プロジェクト別といった単位で予算を設定する予実対比、予算超過時のアラート表示や申請の制御、予実のレポート分析などが含まれます。経費精算のデータがそのまま実績値になるため、月次の集計を待たずに予算の消化状況を確認できる点が、単なる精算の電子化との違いです。
Q. 経費精算システムだけで予算管理までできますか。専用の予算管理システムは必要ですか?
A. 経費に関する予算管理であれば、予算管理機能を備えた経費精算システムだけで対応できる製品が多く、専用の予算管理システムを別に用意しなくても済みます。
経費精算システムの予算管理機能は、経費予算の予実対比・超過の制御・レポート分析を担います。一方で、売上予測や全社の事業計画まで含む経営レベルの予算編成は、専用の予算管理システムや会計システムの領域です。また、製品によっては予算管理が経費精算とは別モジュールとして提供される場合もあるため、経費精算単体で予算管理まで担えるのかは、選定時に確認しておくと安心です。
Q. 経費精算システムで予算超過を申請段階で止められますか?
A. 予算を超える申請そのものを承認できないよう止める「申請ブロック」に対応した製品と、アラートで超過に気づかせるにとどまる製品があり、対応は分かれます。
予算管理機能は、消化率が一定水準に達したときに警告を出したり超過項目を色分けしたりする「気づける仕組み」と、予算を超える申請を承認できないようにする「止められる仕組み」に大別されます。承認者が状況を見て柔軟に判断したい運用ならアラート型で足りますが、決められた予算を厳格に守りたい場合は、申請そのものを止める制御があるかを確認する必要があります。
Q. 経費精算システムの予算管理機能は、Excelでの予算運用と何が違いますか?
A. 最大の違いは、申請・承認された経費が自動で予算の実績に反映され、転記や二重入力なしに予算の消化状況を常に最新の状態で確認できる点です。
経費精算システムを導入していても予算管理をExcelで別に運用している場合、経費の実績を予算表へ転記する手間が発生し、集計が締まるまで予算超過に気づけないという課題が残ります。予算管理機能を備えた経費精算システムなら、経費の申請・承認フローの中に予算の管理を組み込めるため、この分断を解消できます。
Q. 経費精算システムで部門別・プロジェクト別の予実管理はできますか?
A. 多くの製品が全社・部門単位の予実管理に対応し、一部の製品はプロジェクト(案件)単位や勘定科目別まで細かく予算を設定・集計できます。
どの単位まで細かく把握できるかは製品ごとに差があります。複数の事業を並行して運営していたり、受託案件ごとに採算を追ったりする場合は、プロジェクト単位や科目別の予実に対応しているかが選定上の分かれ目になります。自社が管理したい単位で予算を設定できるかを、導入前に確認しておくとよいでしょう。
Q. 予算管理機能を備えた経費精算システムは無料で使えますか?
A. 予算管理機能まで備えた経費精算システムで、継続的にずっと無料で使えるものはほとんどありません。
多くのサービスは無料トライアル期間を用意していますが、無料プランで予算管理まで利用できるケースはまれです。料金は月額数千円台から、利用人数や機能範囲に応じて幅があり、大企業向けの製品では要問い合わせのものもあります。導入前にトライアルで予算管理機能の使い勝手を確認したうえで、料金体系を比較するのがおすすめです。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















