見積書をExcelのテンプレートで作り続けていると、単価や消費税の入力ミス、過去の見積を探す手間、担当者が不在だと見積が出せないといった問題が少しずつ積み上がります。そのうえ、せっかく出した見積が受注できたのか、請求まで漏れなくつながったのかは、別のファイルや記憶に頼って管理しているという会社も少なくありません。
見積書作成ソフトを選ぶとき、機能一覧を並べても製品の差はなかなか見えてきません。どれも「見積書が作れる」と書いてあるからです。
本記事では、見積書を作成できるソフト22製品をタイプ別に比較します。見積書から請求書に何が引き継がれてどこから手作業に戻るのか、無料プランで作れる件数と機能の範囲、月額料金と課金単位を横並びで整理しました。見積書の保存義務やインボイス制度との関係も、国税庁の資料をもとに見積書に限って解説しています。
また、発行件数や承認の要否といった条件から自社に合う製品を絞り込める「30秒で終わる選定診断ツール」もご用意しています。あわせてご活用ください。
目次
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見積書作成ソフトとは?
見積書作成ソフトは、見積書の作成・発行・送付・保管を、あらかじめ用意された入力画面とテンプレートで行えるようにしたソフトウェアです。取引先や品目、単価を登録しておけば、金額の計算や消費税の按分はソフト側で処理され、発行した見積書はデータのまま検索できる状態で残ります。
製品によって守備範囲は大きく異なり、見積書だけを作るものから、同じデータで納品書・請求書まで発行し、入金の消し込みや督促まで担うものまで幅があります。この守備範囲の違いが、後述する4つのタイプの分かれ目になります。
見積書作成ソフトでできること(作成・送付・管理の範囲)
見積書作成ソフトの中心にあるのは、取引先マスタと品目マスタから見積書を組み立てる機能です。過去の見積を複製して条件だけ差し替える、テンプレートを登録して呼び出す、といった作り方ができるため、同じ内容を毎回入力し直す必要がなくなります。
作成できる帳票の種類は製品差が大きい部分です。見積書・納品書・請求書の3点に対応するものが多い一方で、領収書・検収書・発注書・注文請書まで含めて9種類前後をカバーする製品もあれば、見積書と請求書の2種類に絞っている製品もあります。
請求書の発行や送付には強くても、見積書そのものを作る機能を持たない製品もあります(本記事で比較した22製品はいずれも見積書を作成できますが、カテゴリ全体では混在します)。名称だけで判断せず、対応帳票の一覧を確認してください。
作成のほかに、発行した見積書をメールで送る、PDFで出力する、郵送を代行してもらう、といった送付手段と、発行済みの見積書を検索・一覧する管理機能が備わります。承認フローを持つ製品では、担当者が作成した見積書を上長が確認してから送付する流れをソフト上で完結できます。
Excel・テンプレート運用で起きやすい課題
Excelのテンプレートを複製して見積書を作る運用では、金額の計算式が入ったセルを上書きしてしまう、消費税の端数処理が案件ごとにばらつく、といった入力起因の誤りが起こります。取引先に出した後で金額の誤りに気づけば、訂正した見積書を出し直すことになり、社内の確認工数も二重にかかります。
過去の見積を探す手間も無視できません。ファイル名や保存フォルダの付け方が担当者ごとに違うと、「半年前にA社へ出した見積の単価」を確認するだけで時間がかかります。さらに、最新版のテンプレートがどれなのかが曖昧になり、古い書式や旧税率のまま出してしまう事故も起こりえます。
そして、テンプレートの作り方や見積の出し方が特定の担当者の頭の中にある状態は、その人が不在のときに見積が出せないという形で表面化します。取引先を待たせることは受注機会の損失に直結するため、少人数の組織ほど影響が大きくなります。
見積書作成ソフトを導入するメリット
ソフトに移すと、これらは運用の工夫ではなく設定で担保されます。金額の計算と消費税の処理はソフト側の設定に従って一律に行われ、適格請求書発行事業者の登録番号や自社ロゴ、印影も設定として持てます。発行した見積書は取引先名・発行日・金額で検索できる状態で蓄積されます。
加えて、承認フローを持つ製品なら、誰がいつ承認したかの記録が残ります。金額に応じた決裁ルールを運用に落とし込めるようになる点は、Excel運用では代替しにくい部分です。
見積書から請求書へのつなぎ方
見積書作成ソフトを選ぶうえで、機能一覧では差が見えにくいのに実務への影響が大きいのが、見積書から請求書への引き継ぎです。ここからは、変換でどこまで自動化されるのかと、提出した見積のその後をどう追うのかを見ていきます。

見積書から請求書に引き継がれる項目
多くのクラウド型の製品は、発行済みの見積書を開いて「請求書に変換する」といった操作をすると、同じ内容の請求書が生成されます。引き継がれるのは取引先の情報、品目名、数量、単価、消費税の設定、備考欄といった、見積書に入力した内容そのものです。製品によっては、見積書に設定した自社ロゴや印影も請求書側へ引き継がれます。
変換の起点は製品によって異なります。取引先が見積を承諾したことをソフト上で記録すると自動で請求書が作られる製品もあれば、担当者が明示的に変換操作を行う製品もあります。1件の見積を1件の請求書にするだけでなく、複数の見積をまとめて1枚の請求書にできる製品もあり、月締めで請求する取引に向いています。
一方で、変換後に手作業が残る部分もあります。請求書に必要な支払期日や振込先は見積書には存在しない項目なので、変換後に入力するか、取引先ごとの既定値として設定しておく必要があります。値引きや数量の変更が受注時に入った場合も、変換後の請求書側で修正することになります。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 変換で引き継がれることが多い項目 | 取引先情報/品目名/数量/単価・金額/消費税の設定(税率・端数処理)/備考欄/自社ロゴ・印影 |
| 変換後に入力・確認が要る項目 | 支払期日/振込先口座/受注時に確定した値引き・数量の変更/請求書番号の採番ルール |
| 製品によって対応が分かれる点 | 変換の起点(承諾記録による自動生成か、手動操作か)/複数の見積を1枚の請求書にまとめられるか/納品書・領収書まで同じデータから作れるか |
引き継ぎの範囲は、公式サイトでの説明の粒度そのものが製品ごとに違います。品目や単価まで明示している製品と、「変換できる」とだけ書かれている製品、変換機能に触れていない製品の3つに大きく分かれます(1製品だけ、見積から受注までの引き継ぎを明示するという中間の書き方です)。比較表に入る前に、全体の見取り図を示します。
| 公式サイトでの記載 | 該当する製品 |
|---|---|
| 引き継がれる項目まで明示している | freee請求書/board/MakeLeaps |
| 変換できることは明示、引き継ぐ項目の内訳は記載なし | Misoca/INVOY/Zoho Invoice/ジョブカン見積/請求書/マネーフォワード クラウド請求書/ツカエル見積・請求書オンライン/CLOUD PAPER/invox発行請求書/Square 請求書/PASELLY |
| 見積から受注までの引き継ぎのみ明示(請求書側は記載なし) | freee販売 |
| 変換機能についての記載が公式サイトにない | マネーフォワード クラウド請求書Plus/バクラク請求書発行/BtoBプラットフォーム 見積書/見積Rich/Sales Quote Assistant/見積デザイナー/やよいの見積・納品・請求書 26/みつも郎20 |
記載がないことは、機能がないことと同じではありません。ただ、見積から請求へのつながりを重視するなら、公式に明示されている製品から当たるほうが確認の手間は少なくて済みます。最終的には、無料トライアルで自社の見積書を1件作って変換してみるのが最も確実です。
出した見積の受注・失注をどう追うか
見積書を作れることと、出した見積のその後を追えることは別の機能です。ソフト上に見積のステータスを持てる製品では、送付済み・閲覧済み・承諾・却下といった状態を見積単位で記録でき、返答が来ていない案件を一覧で確認できます。
案件単位で管理できる製品では、1つの案件に複数の見積パターンを紐づけて最終版がどれかを管理したり、受注確度を段階で持たせて見込みの金額を集計したりできます。見積を出したまま請求を忘れる、受注したのに請求書の発行が漏れる、といった取りこぼしを防ぐ観点では、この管理機能の有無が効いてきます。
逆に、帳票を作って送ることに機能を絞った製品では、提出後の管理は別の手段で行うことになります。見積の本数が少なく、担当者が全件を把握できる規模であれば問題になりませんが、月に数十件以上の見積を複数人で出すのであれば、ステータス管理を持つ製品を優先して検討する価値があります。
見積書作成ソフトのタイプ
見積書作成ソフトは、見積書だけで完結させるのか、請求や入金まで同じソフトで回すのかという守備範囲の違いで、大きく4つのタイプに分かれます。自社がどこまでをソフトに任せたいかで、検討すべき製品群が変わります。

| 特徴 | 該当する主なサービス | 詳細 | |
|---|---|---|---|
| 見積書から請求書まで1つで作れるタイプ | 同じ取引データから見積書・納品書・請求書を作り、見積を請求に変換できる。少人数で帳票作成を回す事業者向け | Misoca, freee請求書, board, MakeLeaps, ジョブカン見積/請求書, マネーフォワード クラウド請求書, ツカエル見積・請求書オンライン, CLOUD PAPER | 比較表を見る |
| 請求業務の自動化・入金管理まで広げられるタイプ | 見積の先にある請求書の発行・送付・入金消込・督促まで自動化する。取引先数が多く請求件数が積み上がる企業向け | マネーフォワード クラウド請求書Plus, invox発行請求書, バクラク請求書発行, freee販売 | 比較表を見る |
| 見積業務そのものの効率化に強いタイプ | 過去見積の流用・受注確度の管理・承認フローなど、見積を出すまでの工程に機能が寄っている | BtoBプラットフォーム 見積書, 見積Rich, Sales Quote Assistant, 見積デザイナー, やよいの見積・納品・請求書 26, みつも郎20 | 比較表を見る |
| 無料から使えるタイプ | 無料プランのままで見積書の作成・送付までを賄える。発行件数が少ない個人事業主・小規模事業者向け | INVOY, Zoho Invoice, Square 請求書, PASELLY | 比較表を見る |
見積書から請求書まで1つで作れるタイプ
見積書・納品書・請求書を同じ取引データから作り、見積を請求に変換できるタイプです。取引先や品目を一度登録すれば、見積から請求までの帳票を同じマスタで作れるため、帳票ごとに別のツールを使い分ける必要がなくなります。
月に数件から数十件の帳票を、担当者1〜数名で回している事業者に向いています。無料プランや月額1,000円前後の低価格帯から始められる製品が多く、Excel運用からの移行先として最初に検討する範囲です。一方で、入金の消し込みや督促は範囲外の製品が多いため、請求件数が増えて入金確認に時間を取られるようになったら、次のタイプへの乗り換えを検討することになります。
請求業務の自動化・入金管理まで広げられるタイプ
見積の先にある請求書の発行・送付・入金消込・督促まで自動化するタイプです。取引先ごとに送付方法(メール・郵送・Web)を出し分ける、承認フローを段階で設定する、入金を銀行口座の明細と突き合わせる、といった機能を持ちます。
取引先数が多く、請求件数が月に数百件規模まで積み上がる企業に向いています。料金は要問い合わせの製品と、月額数千円から数万円まで段階が分かれる製品が混在します。導入時の設定にも工数がかかりますが、請求業務にかかる人手を減らす効果はその分大きくなります。
ただし、このタイプは機能が請求書の発行・入金管理側に寄っており、見積から請求への引き継ぎまで公式に明示している製品は限られます。見積から受注登録までの案内にとどまるものや、変換機能に触れていないものもあるため、見積書を作れるか、そこから請求書につながるかは製品ごとに確認してください。
見積業務そのものの効率化に強いタイプ
過去見積の流用、受注確度の管理、承認フローなど、見積を出すまでの工程に機能が寄っているタイプです。あわせて、見積書の作成そのものを月額課金なしで完結させたい事業者向けの買い切りパッケージもここに含みます。見積の本数が多く担当者間で単価や書式を揃えたい組織や、金額に応じた決裁ルールを運用したい組織、そして月々の固定費を持ちたくない事業者が対象になります。
このタイプには、クラウドで提供されるものと、パソコンにインストールして使う買い切りのパッケージが混在します。パッケージ型は月額費用が発生しない代わりに対応OSの制約があり、複数拠点での共有には向きません。請求書の発行や入金管理は範囲外か、別製品との連携で実現する構成が多いため、請求まで一体で回したい場合は前の2タイプを検討することになります。
無料から使えるタイプ
無料プランのままで見積書の作成・送付までを賄えるタイプです。発行件数が月に数通から十数通程度で、承認フローや入金管理を必要としない個人事業主・小規模事業者であれば、費用をかけずに運用できます。
無料で使える範囲は製品ごとに条件が異なり、発行件数の上限で区切るもの、利用人数や取引先数で区切るもの、機能の一部を有料プラン限定にするものがあります。事業が伸びて件数が増えたときに有料へ切り替わるのか、それとも無料のまま使い続けられるのかは、選ぶ前に条件を確認しておく価値があります。
ただし、無料プランを持つ製品はこのタイプに限りません。他の3タイプにも、取引先数や発行件数の条件付きで無料のまま使える製品があります。タイプをまたいだ一覧は無料で使える範囲にまとめました。
ここまでのタイプ分けを踏まえて、発行件数や承認の要否といった条件から自社に合う製品を絞り込めるよう、選定診断ツールを用意しました。
見積書作成ソフトの選び方
タイプを絞ったら、次は製品間の差が出る具体的な確認項目を見ていきます。ここでは「見積書を作る、社内で承認する、送る、会計につなぐ」という業務の流れに沿った4点に加えて、そもそも汎用ソフトで足りるかの見極めと、提供形態・サポートという前提条件を取り上げます。
見積書のフォーマット・テンプレートの柔軟性
取引先に出す書面である以上、既存の見積書と大きく体裁が変わると社内外の確認が入ります。ロゴと印影の登録、色や書体の変更まではほとんどの製品が対応しますが、明細行への項目追加、単価の小数点以下の桁数、備考欄の位置といった細かい調整は、対応範囲が製品ごとに分かれます。
判断が必要になるのは、既存の書式をそのまま再現したい場合です。Excelベースでテンプレートを編集できる製品や、専用のデザインエディタを有料オプションとして提供する製品もあれば、用意されたレイアウトからの選択に限られる製品もあります。現在使っている見積書で外せない項目を先に洗い出し、それが標準機能で入るのか、オプション費用が要るのかを確認してください。
帳票の体裁にどこまでこだわるかは、業種によって濃淡があります。株式会社マネーフォワードの栗本氏は、フォーマットへの要望が集まりやすい業種について次のように話しています。

承認ワークフローの有無
担当者が作った見積書を上長が確認してから送る運用をしているなら、その承認をソフト上で行えるかが分かれ目になります。承認機能を持たない製品では、メールやチャットで確認を取ってからソフトに戻って送付することになり、誰がいつ承認したかの記録も残りません。
承認機能があっても、仕組みには幅があります。送付前に別の担当者が確認する1段階のチェックにとどまる製品と、部署や役職ごとに承認者を設定して複数段階のルートを組める製品があります。
金額に応じて承認者を変える運用を想定しているなら、条件分岐まで対応するか、複数のルートを使い分ける形になるかを確認してください。承認機能を有料プラン以上に限定している製品もあるため、対応プランもあわせて見ておく必要があります。
見積書の送付方法(メール・郵送代行)
送付手段は、ソフトから直接メールで送る、PDFを出力して自分で送る、Web上の共有リンクで渡す、郵送を代行してもらう、の4通りが基本です。取引先が紙での受け取りを求めるなら郵送代行の有無が効いてきます。単価や封入枚数の上限、当日の締め時刻は製品ごとに設定されています。
注意したいのは、見積書はメールで送れるが請求書は郵送代行できる、といったように帳票ごとに手段が分かれている場合があることです。また、パッケージ型の製品ではソフトからの直接メール送信に対応せず、PDFを出力して自分のメールソフトから送る運用になるものもあります。
会計ソフト・既存システムとの連携
見積から請求まで進んだ後、売上のデータを会計ソフトに渡す必要があります。同じベンダーの会計ソフトを使っているなら製品間の連携が用意されていることが多く、仕訳の自動作成まで含めて完結します。別ベンダーの会計ソフトを使っている場合は、CSVでの出力入力になるか、APIでの連携に対応しているかを確認することになります。
連携先として公式に名前が挙がっている会計ソフトは製品ごとに異なり、公式サイトに連携先を明示していない製品もあります。現在使っている会計ソフトが対象に入っているかは、製品の公式サイトで個別に確認するのが確実です。
見積から請求、会計へとデータがつながっていない場合、現場では何が起きるのか。株式会社マネーフォワードの栗本氏は、システム間が連携していないときの実務について次のように話しています。

この連携がない場合、経理の方が営業側のシステムに情報を拾いに行ったり、営業の方から経理に請求書の送信対応をお願いしたりと、人を介したやり取りが発生してしまいます。
会計ソフトをこれから導入する場合や、見積・請求と会計を同じベンダーで揃えるかを検討している場合は、以下の記事で事業規模・タイプ別の選び方と料金をまとめています。
業界特有の見積(工種別の階層明細・部品構成・時間単価)に汎用ソフトで足りるか
建設業の工事見積のように、工種で階層を分けた多階層の明細を積み上げる見積や、製造業で部品構成と加工費・工数から原価を積算する見積は、本記事で扱う汎用の見積書作成ソフトでは表現しきれないことがあります。時間単価や従量課金など料金体系が複雑な業種でも、標準の明細行だけでは足りない場合があります。
判断の目安は、見積書が「品目・数量・単価の一覧」で表現できるかどうかです。表現できるなら汎用ソフトで足ります。工種別の階層集計や部品構成表からの積算が必要なら、建設業向け・製造業向けの積算ソフトを別途検討したほうが、結果的に手戻りが少なくなります。汎用ソフトの明細行を無理に使って階層を再現する運用は、担当者が変わったときに崩れやすい点にも注意してください。
提供形態(クラウド型かインストール型か)
クラウド型はブラウザから利用でき、OSを問わず使えて複数拠点や在宅からのアクセスも可能です。法令改正や税率変更への対応もベンダー側の更新で反映されます。料金は月額または年額の継続課金になります。
インストール型(パッケージ型)は買い切りで購入する形が中心で、月額費用が発生しない代わりに、対応OSがWindowsに限られる製品が多く、Macでの利用や複数台での共有には別途ライセンスや条件が付きます。制度改正への対応は、年度版の買い替えや保守サービスの契約で行う形になります。月額課金を避けたい場合の選択肢になりますが、保守サービスの年会費を含めた総額で比較してください。
サポート体制と導入時の支援
サポートの窓口は、メール・チャット・電話の3種類が一般的です。電話サポートを有料プラン以上に限定している製品や、無料プランではサポート対象外とする製品もあるため、プランごとの違いを確認しておく必要があります。
導入時には、取引先マスタや品目マスタの登録、既存書式に合わせたテンプレートの設定といった初期作業が発生します。この作業を支援するメニューを持つ製品もありますが、有料オプションであることが多いため、費用の見積もりに含めておいてください。
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無料で使える範囲はどこまでか
「無料あり」と書かれていても、無料で何ができるかは製品ごとに大きく違います。ここでは無料プランで制限されやすい項目を先に整理し、続いて無料プランとは別物である無料トライアルの使い方を見ていきます。
無料プランで制限されやすい項目
無料プランの線引きは、次の5つの軸のいずれか、または組み合わせで設定されています。どの軸で区切られているかによって、自社が無料のまま使い続けられるかどうかが変わります。
| 制限の軸 | よくある線引きの形 |
|---|---|
| 発行できる件数 | 月間の発行通数や年間の発行通数で上限を設ける。上限を超えると有料プランへの切り替えか、1通あたりの従量課金になる |
| 利用できる人数・取引先数 | ユーザー数を1〜数名に、登録できる取引先数を数社に制限する。人数で区切る製品は、担当者が増えた時点で有料になる |
| 使える機能 | 承認ワークフロー、テンプレートのカスタマイズ、電子帳簿保存法に対応した保存機能などを有料プラン限定にする |
| 送付手段 | メール送信やWeb共有は無料で、郵送代行は無料プランの対象外とする、あるいは1通あたりの実費が別途かかる |
| サポート | 無料プランはヘルプページのみで、メール・チャット・電話でのサポートを有料プラン以上に限定する |
無料プランの中でも性格が分かれます。発行件数の上限で区切る製品は、月に十数通までなら無料で完結する一方、事業が伸びると必ず有料に切り替わります。人数と取引先数で区切る製品は、少人数で取引先が固定されているうちは件数を気にせず使えます。機能面の制限だけで件数の上限を設けていない製品もあり、この場合は無料のまま使い続けられる可能性が高くなります。
無料プランを持つ製品は「無料から使えるタイプ」に限りません。他のタイプにも、条件付きで無料のまま使える製品があります。製品ごとに並べると次のとおりです。
| 製品 | 無料で使える範囲(公式サイトの記載) |
|---|---|
| Zoho Invoice | 全機能が無料。米国版の料金ページではユーザー2名まで、請求書は年間500通まで、プロジェクト3件までと記載 |
| INVOY | 見積書を含む帳票の作成・発行・メール共有が永続無料。有料プランとの差は口座自動連携と資金繰り表 |
| Square 請求書 | 見積書・請求書の作成・送信が無制限で無料。費用は決済が発生したときの手数料 |
| CLOUD PAPER | フリープランで書類の作成枚数は無制限。メンバー1名・取引先3社まで |
| freee請求書 | 無料プランでも見積書の作成・PDF出力は件数・期間の制限なし |
| MakeLeaps | 取引先3社・ユーザー1人まで期間の制限なく無料。承認フローとカスタムテンプレートは対象外 |
| Misoca | 請求書は月10通まで期限なく無料 |
| BtoBプラットフォーム 見積書 | 基本サービスが無料。ワークフロー連携は4ユーザー以上で有料 |
| invox発行請求書 | フリープランは標準レイアウトの帳票をメールで月15件まで無料(郵送代行・ワークフロー・入金消込は対象外) |
| 見積Rich | 1ユーザーで月50件までは0円 |
| PASELLY | 無料プランで帳票の作成が可能。作成件数の上限は公式の料金ページに記載なし |
ここで注意したいのは、無料枠の件数が請求書の通数で示されている製品があることです。見積書がその枠に含まれるのか、それとも別枠で無制限なのかまで明記している製品は多くありません。失注する分も含めて見積の本数が請求書より多くなる事業では、この点を申し込み前に確認しておいてください。
製品ごとの有料プランの料金は比較表に実額で記載しています。無料プランを前提に選ぶ場合は、現在の発行件数だけでなく、1年後に見込まれる件数でも条件を満たすかを確認してください。
無料トライアルで確認しておきたいこと
無料トライアルは無料プランとは別物です。無料プランが機能や件数を絞ったうえで期間の制限なく使えるのに対し、無料トライアルは有料プランの機能を期間限定で試せる仕組みで、30日間程度が一般的です。無料プランを持たない製品でも、トライアルは用意されていることがあります。
トライアル期間中に確認しておきたいのは、製品情報の一覧からは読み取りにくい部分です。自社の見積書で外せない項目がテンプレートに入るか、実際に1件作って請求書に変換したときにどこまで引き継がれるか、承認フローが自社の決裁ルールに沿うか、といった点は、触ってみないと分かりません。
トライアル終了後の扱いも確認しておいてください。自動的に無料プランへ移行する製品もあれば、そのまま利用できなくなる製品もあります。作成したデータが引き継がれるかどうかも、本格導入の判断に影響します。
見積書作成ソフトの料金体系と費用の目安
有料で使う場合、月額の表示金額だけを比べても実際の負担は見えてきません。課金がどの数字に連動するのか、事業が伸びたときにどこで費用が跳ねるのか、月額以外に何がかかるのかを押さえておく必要があります。
月額固定・ユーザー課金・従量課金の違い
課金方式は大きく3つに分かれます。月額固定は、機能セットごとにプランが用意され、人数や件数に関わらず定額で使える方式です。プランの上位版に上がるまでは費用が変わらないため、予算を立てやすい形になります。
ユーザー課金は、ソフトを使う人数に単価を掛けて算出する方式です。基本料金に1ユーザーあたりの単価を加算する形と、全額をユーザー単価で計算する形があります。少人数で使う間は安く収まりますが、営業担当者全員が見積を出す体制にすると人数に比例して増えます。
従量課金は、発行した帳票の通数や送付した郵送物の通数に応じて課金する方式です。無料枠を超えた分だけ1通あたりの単価で加算されるため、発行件数が月ごとに大きく変動する事業と相性が良い一方、繁忙期の費用が読みにくくなります。単独ではなく、月額固定と組み合わせて使われることがほとんどです。
利用人数・発行件数が増えたときのコストの変化
費用が跳ねるのは、無料枠や下位プランの上限を超えた瞬間です。無料プランの発行件数の上限を超えると有料プランへの切り替えが必要になり、月額が0円から数百円〜数千円に変わります。さらに、承認ワークフローやテンプレートのカスタマイズといった機能は上位プラン限定であることが多く、機能を理由に一段上のプランへ移ると、月額が数千円から数万円の帯へ移ることもあります。
ユーザー課金の製品では、見積を出す担当者を増やした時点で費用が線形に増えます。導入時に1〜2名で始めたとしても、営業部門全員が使う想定があるなら、その人数での月額を先に計算しておいてください。
初期費用・オプション費用の扱い
クラウド型は初期費用0円の製品が中心です。本記事で比較した範囲で初期費用が有額として公開されているのは、自社サーバーに置く上位プランの1件(200,000円)にとどまり、請求業務まで含む製品には初期費用を含めて要問い合わせとしているものもあります。インストール型は本体価格が初期費用にあたり、加えて保守サービスの年会費がかかります。
月額以外に発生しやすいのは、郵送代行の1通あたりの実費、帳票デザインのカスタマイズ機能、電子帳簿保存法への対応機能、外部システムとのAPI連携といったオプションです。
郵送代行の単価を公開している製品はおおむね1通170円台から210円台の帯にあります。ただし税込表示と税抜表示が混在し、切手代や封入枚数の扱いも各社で異なるため、単価だけを並べても比較にはなりません。製品ごとの金額と条件は比較表に記載しています。取引先に紙で送る運用が残っているほど積み上がるため、通数を見込んで計算に含めてください。
【比較表】見積書作成ソフトおすすめ22選を比較
見積書を作成できる22製品を、前述の4タイプに分けて比較します。作成できる帳票の種類、見積書から請求書への変換可否、無料で使える範囲、料金、承認ワークフロー、送付方法を、各社の公式情報をもとに整理しました。公式サイトで公開されていない項目は、推測で埋めずに「要問い合わせ」「公式に記載なし」と記載しています。
【タイプ別比較表】見積書から請求書まで1つで作れるタイプ
| サービス名 | Misoca | freee請求書 | board | MakeLeaps | ジョブカン見積/請求書 | マネーフォワード クラウド請求書 | ツカエル見積・請求書オンライン | CLOUD PAPER |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 作成できる帳票 | 見積書・納品書・請求書・領収書・検収書(5種類) | 見積書・請求書・納品書・発注書・支払通知書・領収書(6種類) | 見積書・発注書・納品書・検収書・請求書・領収書・合計請求書など11種類 | 見積書・発注書・注文請書・納品書・請求書・検収書・領収書・作業報告書・支払通知書(9種類) | 見積書・概算見積書・納品書・請求書・合計請求書・領収書 プロフェッショナルは発注書・検収書・受注書なども追加 | 見積書・納品書・請求書・領収書(4種類) | 概算見積書・見積書・納品書・請求書・合計請求書・領収書・入金伝票(7種類) | 見積書・請求書・発注書・納品書・領収書(5種類) |
| 見積書→請求書の変換 | ●引き継ぎ項目の内訳は公式に記載なし | ●取引先・品目・金額を引き継ぎ。合算請求書にも対応 | ●同じ案件の請求書・納品書へ明細を自動反映 | ●取引先・明細・消費税設定・備考まで引き継ぎ。複数書類の統合も可 | ●コピー・変換で見積書の情報を引き継ぎ(項目の内訳は公式に記載なし) | ●書類の間で相互に変換できる | ●見積書から納品書・請求書へ内容を流用(項目の内訳は公式に記載なし) | ●ワンクリックで請求書に変換 |
| 無料で使える範囲 | 月10通まで無料(期限なし)。インボイス制度・電子帳簿保存法に対応した帳票も追加費用なし | 帳票の作成・PDF出力が件数・期間の制限なく無料(ユーザーは3人まで) | 無料プランなし(30日間の無料トライアル、1回に限り2週間延長可) | 取引先3社・ユーザー1人まで無料(期限なし)。承認フロー・カスタムテンプレート・電子帳簿保存法対応は対象外 | 無料プランなし(30日間の無料トライアル) | 無料プランなし(全プラン1ヶ月間の無料トライアル、クレジットカード登録は不要) | 無料プランなし(Proプランの全機能を試せる30日間の無料トライアル) | フリープランはメンバー1名・取引先3社まで無料(書類の作成枚数は無制限、60日間のお試し後も条件内なら継続) |
| 料金(課金単位) | プラン15ライト 月額500円(税込・月15通、スマホアプリ専用) プラン15 年額8,800円/プラン100 年額33,500円(税抜) | スタンダード 月額1,980円/アドバンス 月額10,000円 一括発行送信は別途 月額4,750円〜 | Personal 月額1,200円(1名)/Basic 2,400円(3名)/Standard 4,900円(15名)/Premium 7,900円(50名)(税抜) | 個人プラン 1ユーザー月額1,000円/法人プラン 1ユーザー月額1,300円+取引先数の従量課金/エンタープライズ 月額33,000円(1社) | 初期費用0円 案件管理を含む上位プランが月額4,000円(公式の案件管理機能ページの記載) 下位プランの基本料金とユーザー数に応じた加算は公式の料金ページが動的表示のため未確認 | 個人事業主向け 月額900円〜/法人向け 月額2,480円〜(年払いの月額換算・税抜) | Std 月額550円/Pro 月額1,100円(税込・1ユーザーあたり) 年間一括は5,500円/11,000円 | ライト 月額1,000円/スタンダード 3,000円/プレミアム 5,000円/エキスパート 10,000円(税込) |
| 承認ワークフロー | 公式に記載なし(承認欄付きの帳票テンプレートのみ) | ●発行申請のワークフローあり(対象プランは公式に記載なし) | ●申請フローを部署グループ単位で設定(金額による自動分岐はなし) | △法人プラン以上(段階承認・承認履歴の記録) | ●未承認の帳票は印刷・ダウンロード・送付を制限できる | 公式に記載なし | ●申請時・承認時にメール通知(プラン別の可否は公式に記載なし) | ●承認を要するユーザーを個別に設定(多段階・金額分岐は公式に記載なし) |
| 送付方法・郵送代行 | メール・PDF 郵送代行あり(有償プラン。プラン15ライトは対象外。単価は公式に記載なし) | 無料プランはPDF出力 メール送付・郵送代行は有料プラン(郵送1通187円・税込) | メール・PDF 郵送代行1通195円(税込・切手代込、送付状を含め6枚まで) | 取引ポータルでのWeb共有・メール(追加費用なし) 郵送代行1ポイント195円(税抜・5ページまで) | メール(開封状況の確認、得意先ごとのCC・BCC事前登録に対応) 郵送代行は公式に記載なし | メール・PDF 郵送代行1通210円(全プラン共通) | メール(開封確認あり) 郵送代行は公式に記載なし | メール・PDF・LINE 郵送代行は公式の料金表で1通200円(FAQでは最安170〜180円と表記が分かれる) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※2026年8月時点で各社が公式サイトに公開している情報に基づきます。「公式に記載なし」は公式サイトで確認できなかった項目、「要問い合わせ」は金額が公開されていない項目です。税抜・税込の別は各社の記載に合わせています。最新の内容は各サービスの公式情報でご確認ください。
【タイプ別比較表】請求業務の自動化・入金管理まで広げられるタイプ
| サービス名 | マネーフォワード クラウド請求書Plus | invox発行請求書 | バクラク請求書発行 | freee販売 |
|---|---|---|---|---|
| 作成できる帳票 | 請求書・見積書(納品書・領収書は作成できないと公式FAQに明記) | 請求書・見積書・納品書・支払通知書(4種類) | 請求書・見積書・納品書・領収書など | 見積書・請求書・発注書など(納品書・領収書の対応は公式に記載なし) |
| 見積書→請求書の変換 | 公式に記載なし | ●見積書の情報を引き継いで納品書・請求書を作成 | 公式に記載なし | △受注が決まった見積書から受注登録へ(請求書への項目の引き継ぎは公式に記載なし) |
| 無料で使える範囲 | 無料プランなし(無料トライアルの案内も公式に記載なし) | フリープランは標準レイアウトの帳票をメールで月15件まで無料(郵送代行・ワークフロー・入金消込は対象外) | 無料で試せる申し込み導線あり(期間・使える機能の範囲は公式に記載なし) | 無料プランなし(無料トライアルあり、期間・機能の範囲は公式に記載なし) |
| 料金(課金単位) | 要問い合わせ(請求書の発行件数または従業員数に応じて決定) | 初期費用0円 月額基本料金 フリー0円/ミニマム1,980円/ベーシック9,800円/プロフェッショナル29,800円(税抜) 帳票の発行は1件50円(税込55円) | 要問い合わせ(初期費用・月額とも公式に記載なし) | 初期費用0円 スターター 3名利用で約5,000円/月、スタンダード 10名利用で約40,000円/月(年払い・税抜の参考価格。基本料金や追加IDの単価は非公開) |
| 承認ワークフロー | ●共通ワークフローで最大10ステップ(見積書への適用可否は公式に記載なし) | △ベーシック以上(承認グループ・承認パス) | ●発行する書類ごとに申請フォームと承認経路を設定 | ●取引ごとに承認申請ワークフローを設定 |
| 送付方法・郵送代行 | 一括メール・郵送代行 郵送代行の単価は要問い合わせ | メール・FAX15円・SMS15円〜 郵送代行 白黒172円〜/カラー190円〜(税抜、ミニマム以上) | メールの一括送信・送付先ポータルでのWeb共有 郵送代行1通180円〜(封入枚数に応じて変動) | メール 郵送代行は公式に記載なし |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
※2026年8月時点で各社が公式サイトに公開している情報に基づきます。「公式に記載なし」は公式サイトで確認できなかった項目、「要問い合わせ」は金額が公開されていない項目です。税抜・税込の別は各社の記載に合わせています。最新の内容は各サービスの公式情報でご確認ください。
【タイプ別比較表】見積業務そのものの効率化に強いタイプ
| サービス名 | BtoBプラットフォーム 見積書 | 見積Rich | Sales Quote Assistant | 見積デザイナー | やよいの見積・納品・請求書 26 | みつも郎20 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 作成できる帳票 | 見積書のみ | 見積書・注文書・納品書・請求書・領収書(PDF出力) | 見積書・注文書・納品書・原価計算書(受注伝票はオプション) | 見積書(請求書・納品書の作成は公式に記載なし) | 見積書・納品書・請求書・領収証・請求明細書・合計請求書・宛名ラベル(7種類) | 見積書・請求書・納品書・原価計算書(約200書式を標準添付、うち30書式がインボイス対応) |
| 見積書→請求書の変換 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし(商奉行クラウドとの連携で受注伝票・売上伝票を生成) | 公式に記載なし | △テンプレートのコピーは可(明細データが転記されるかは公式に記載なし) | 公式に記載なし(別売の販売みつも郎19とデータ連携) |
| 無料で使える範囲 | 基本サービスは無料で利用でき、期間の制限なし(社内承認のワークフロー連携は3ユーザーまで無料) | 1ユーザープランは月50件までの見積作成が0円(承認フロー・請求管理・帳票カスタマイズは対象外) | 無料プランなし(30日間の無料トライアル) | 無料プラン・無料トライアルとも公式に記載なし(担当者による製品デモの申し込みのみ) | 無料体験版は公式に記載なし | 無料体験版は公式に記載なし |
| 料金(課金単位) | 基本サービス0円 4ユーザー以上のワークフロー連携は有料プラン(金額は要問い合わせ) | 複数ユーザープラン 初期費用0円・月額5,000円(5ユーザー)〜47,000円(50ユーザー)(税別) クラウドプロプランは初期費用200,000円 | 要問い合わせ(公式の価格ページに金額の記載なし) 2018年の提供開始時はクラウド版1ユーザー月額580円、パッケージ版5ユーザー150,000円〜(税別)と公表 | 要問い合わせ(公式に記載なし) | 買い切り(月額課金なし) ソフト本体はセルフプラン付きが販売価格5,500円+税(通常11,600円+税) あんしん保守サポートは年間契約でセルフ6,100円+税/ベーシック13,800円+税/トータル26,400円+税 | 買い切り(月額費用なし) スタンドアロン版30,000円+消費税 同一事業所内のサイトライセンスは1台15,000円+消費税 |
| 承認ワークフロー | ●BtoBプラットフォーム ワークフローとの連携(3ユーザーまで無料) | △複数ユーザープラン以上。金額・利益率に応じて決裁権限を制御 | ●見積書の内容に応じた条件を承認ルールとして設定 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 送付方法・郵送代行 | Web上での受取・閲覧が基本 メール送信・郵送代行は公式に記載なし | メール・PDF 郵送代行は公式に記載なし | PDF出力・印刷、PDFのメール送信 郵送代行は公式に記載なし | 公式に記載なし | PDFに変換してメールに添付(ソフトからの直接送信は非対応) 郵送代行は公式に記載なし | ソフトの画面から添付ファイルとしてメール送信、PDF出力 郵送代行は公式に記載なし |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※2026年8月時点で各社が公式サイトに公開している情報に基づきます。「公式に記載なし」は公式サイトで確認できなかった項目、「要問い合わせ」は金額が公開されていない項目です。税抜・税込の別は各社の記載に合わせています。最新の内容は各サービスの公式情報でご確認ください。
【タイプ別比較表】無料から使えるタイプ
| サービス名 | INVOY | Zoho Invoice | Square 請求書 | PASELLY |
|---|---|---|---|---|
| 作成できる帳票 | 請求書・見積書・納品書・発注書・領収書(5種類) | 見積書・請求書 | 見積書・請求書 | 見積書・請求書・発注書・納品書・領収書(5種類) |
| 見積書→請求書の変換 | ●見積書から納品書・請求書へワンクリック変換 | ●手動での変換に加え、顧客の承認時に自動で変換する設定も可 | ●承諾された見積もりをワンクリックで請求書に変換(プラスプランは自動変換) | ●見積書として作成した書類を請求書など別の帳票へ変換 |
| 無料で使える範囲 | Freeプランで5種類の帳票の作成・発行を無料で利用でき、期間の制限なし | 無料プランのみで期間の制限なし。ユーザー2名・請求書は年間500通・プロジェクト3件まで(いずれも米国版の料金ページの記載。日本語の料金ページに上限の数値記載はない)。発行書類に「Powered by Zoho Invoice」の表示が入る | フリープランで見積書・請求書の作成・送信が無制限に無料(費用は決済時の手数料のみ) | 無料プランはクレジットカード登録なしで基本機能を利用可(PDFに「PASELLY」の表記が入る。書類作成件数の上限は公式に記載なし) |
| 料金(課金単位) | 初期費用0円 Standard 月払い980円/年払い9,800円(税込) | 0円(有料プランは公式の料金ページに用意なし) | フリープランは0円(月額固定費なし)で、見積書の作成・送信はこの範囲で完結 プラスプランは月額3,000円(公式の料金ページに税区分の明示なし) 費用は決済が発生したときの手数料として発生し、請求書経由3.25%、非対面決済3.75% | ベーシック 月払い880円(メンバー3人まで)/プレミアム 月払い3,300円(メンバー・定期請求とも無制限) 年払いは8,800円/33,000円 |
| 承認ワークフロー | 公式に記載なし | 公式に記載なし(顧客ポータル上での承認・コメントには対応) | 公式に記載なし(見積書のステータス追跡にとどまる) | 公式に記載なし |
| 送付方法・郵送代行 | メール・PDF 郵送代行あり(単価は公式に記載なし) | メール・SMS・顧客ポータル 郵送代行は公式に記載なし | メール・SMS・共有リンク 郵送代行は公式に記載なし | メール・パスワード付きの公開URL 郵送代行あり(郵送チケットの割引率がプランで変わる) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
※2026年8月時点で各社が公式サイトに公開している情報に基づきます。「公式に記載なし」は公式サイトで確認できなかった項目、「要問い合わせ」は金額が公開されていない項目です。税抜・税込の別は各社の記載に合わせています。最新の内容は各サービスの公式情報でご確認ください。
見積書作成ソフトのサービス個別紹介
ここからは22製品を1つずつ、作成できる帳票の範囲、請求書への引き継ぎ、料金、無料で使える範囲を中心に紹介します。比較表と同じ4タイプの順に並べています。
見積書から請求書まで1つで作れるタイプ
少人数で見積書から請求書までを回している事業者に向く、帳票作成を軸にした8製品です。
1. Misoca(弥生株式会社)

弥生会計などの業務ソフトを手がける弥生株式会社が提供するクラウド帳票サービスです。見積書・納品書・請求書・領収書・検収書の5種類を作成でき、注文書や注文請書として受け取った受注情報から納品書・請求書を起こすこともできます。
請求書は月10通まで期限なく無料で作成でき、インボイス制度と電子帳簿保存法に対応した帳票も追加費用なしで発行できます。有料プランは、スマートフォンアプリ専用のプラン15ライトが月額500円(税込)で月15通、パソコンからも使えるプラン15が年額8,800円(税抜)、月100通まで作れるプラン100が年額33,500円(税抜)です。
見積書の詳細画面から「同じ内容で請求書をつくる」を選ぶと、その見積書の内容を引き継いだ請求書を新規作成できます。作成した帳票はワンクリックでメール送付でき、有償プラン(プラン15ライトを除く)では郵送代行も画面から依頼できます。一方、承認ルートの設定や通知を伴う承認ワークフローは公式サイトで確認できず、用意されているのは承認欄付きの帳票テンプレートです。
2. freee請求書(フリー株式会社)

無料プランでも帳票の作成とPDF出力を件数・期間の制限なく利用でき、ユーザーは3人まで利用できます。クラウド会計ソフトを手がけるフリー株式会社の提供で、作成できる帳票は見積書・請求書・納品書・発注書・支払通知書・領収書の6種類です。
見積書・納品書の詳細画面から請求書へ変換でき、取引先・品目・金額がそのまま引き継がれると公式のヘルプセンターで案内されています。同一取引先の複数の見積書をまとめて1枚にする合算請求書にも対応します。帳票テンプレートは40種類以上から選べます。
メール送付・郵送代行・一括発行は有料プランの機能で、スタンダードが月額1,980円、アドバンスが月額10,000円です。郵送代行は切手代込みで1通187円(税込)。発行前に申請と承認を通すワークフロー機能もありますが、無料プランとスタンダードプランで使えるかは公式サイトに記載がありません。
3. board(ヴェルク株式会社)

帳票を1枚ずつ作るのではなく、案件を登録してそこに見積書・請求書などを紐づける設計を採るクラウドサービスです。ヴェルク株式会社が2014年から提供しており、有料導入は5,800社以上(2026年1月時点、公式サイト記載)。見積書・発注書・納品書・検収書・請求書・領収書・合計請求書など11種類の帳票に対応します。
見積書に明細を入力し、他の書類に反映する設定のまま保存すると、同じ案件に紐づく請求書・納品書・発注書へ品目・金額・取引先情報が自動で反映されます。反映後も各帳票は個別に編集できるため、受注時に金額が変わった場合は請求書側だけを直せます。案件には見積中(高・中・低)、受注確定、受注済という受注ステータスを持たせられ、確度別の売上集計にも使えます。
無料プランはなく、月額料金はPersonalが1,200円(1名)、Basicが2,400円(3名まで)、Standardが4,900円(15名まで)、Premiumが7,900円(50名まで)の4段階です(いずれも税抜)。30日間の無料トライアルがあり、1回に限り2週間の延長ができます。
承認は、申請フローを部署ごとのグループに割り当てる形で設定します。金額に応じた自動分岐は用意されていないため、金額帯ごとに複数のフローを作っておき、申請時に該当するものを選ぶ運用になります。郵送代行は1通195円(税込・切手代込)のチケット制で、送付状を含め6枚までです。
4. MakeLeaps(メイクリープス株式会社)

見積書から請求書・納品書・発注書・領収書へワンクリックで変換でき、取引先情報と明細の品目・単価・数量に加え、消費税設定(内税・外税・源泉税)や備考欄の内容まで引き継がれます。複数の書類を選んで1枚の請求書に統合することもできます。提供元はリコーグループのメイクリープス株式会社です。
対応する帳票は、見積書・発注書・注文請書・納品書・請求書・検収書・領収書・作業報告書・支払通知書の9種類。送付はWeb上の取引ポータルでの共有とメールのセキュア送信が追加費用なしで使え、郵送代行は1郵送ポイント195円(税抜、5ページまで)です。法人プラン以上ではPeppolによるデジタルインボイスの送信にも対応します。
無料プランは取引先3社・ユーザー1人までで期限はなく、承認フローとカスタムテンプレート、電子帳簿保存法への対応は対象外です。有料は個人プランが1ユーザー月額1,000円(取引先10社・3人まで)、法人プランが1ユーザー月額1,300円に取引先数の従量課金を加えた形で、段階承認のフローとExcelベースのテンプレート編集は法人プラン以上で使えます。
5. ジョブカン見積/請求書(株式会社DONUTS)

勤怠管理や会計などのバックオフィス向けクラウドサービスを展開する株式会社DONUTSの帳票サービスです。全プランで見積書・概算見積書・納品書・請求書・合計請求書・領収書を作成でき、プロフェッショナルプランでは発注書・検収書・受注書・仕入伝票・支払明細書・出金伝票も加わります。
帳票のコピー・変換機能があり、見積書の情報を引き継いだ請求書を作成できます(引き継がれる項目の内訳は公式サイトに記載がありません)。承認ワークフローは主要機能の一つとして提供され、未承認の帳票は印刷・ダウンロード・送付を制限できます。送付はメールが標準で、開封状況の確認や、得意先ごとのCC・BCCの事前登録にも対応します。
案件単位で見積から入金までを管理し、粗利率を入力して販売単価を自動算出する機能は、プロフェッショナルプランで使えます。公式サイトの案件管理機能ページには初期費用0円・月額4,000円と記載があり、ユーザー数に応じた加算分は問い合わせでの確認が必要です。恒常的な無料プランはなく、30日間の無料トライアルが用意されています。
6. マネーフォワード クラウド請求書(株式会社マネーフォワード)

個人事業主から10名程度までの法人を主な対象とした、株式会社マネーフォワードのクラウド請求書ソフトです。見積書・納品書・請求書・領収書の4種類を作成でき、書類の間で相互に変換できます。同社のクラウド会計・クラウド確定申告への自動仕訳連携にも対応します。
料金は個人事業主向けと法人向けで分かれています。個人事業主向けは、取引先登録15件までのパーソナルミニが月額900円、登録数無制限のパーソナルが1,280円、電話サポートが付くパーソナルプラスが2,980円。法人向けはひとり法人が2,480円、スモールビジネスが4,480円、ビジネスが6,480円です(いずれも年払いの月額換算・税抜)。
恒常的な無料プランはなく、全プランで1ヶ月間の無料トライアルを使えます(クレジットカードの登録は不要)。郵送代行は全プラン共通で1通210円です。承認ワークフローは公式サイトの機能一覧では案内されておらず、電子帳簿保存法への対応は証憑保管サービス「マネーフォワード クラウドBox」との連携が前提になります(クラウドBoxは各プランに保存容量枠として標準で付帯)。
7. ツカエル見積・請求書オンライン(株式会社ジョブカン会計)

概算見積書から入金伝票までの7種類の帳票を、業務の流れに沿って引き継ぎながら作れるクラウドサービスです。概算見積書から見積書へ、見積書から納品書・請求書へ、納品書や請求書から領収書・入金伝票へと、作成済みの帳票の内容を流用して次の帳票を起こせます。提供は株式会社ジョブカン会計です。
料金は1ユーザーあたりの課金で、機能を一部絞ったStdプランが月額550円(年間一括5,500円)、全機能を使えるProプランが月額1,100円(年間一括11,000円)です(いずれも税込)。恒常的な無料プランはなく、Proプランの全機能を試せる30日間の無料トライアルが用意されています。
見積書・請求書の申請・承認機能を備え、申請時と承認時にメールで通知されます。送付は画面からのメール送信に対応し、送付先が開封したかどうかも確認できます。帳票はカラーや会社ロゴ・社判の位置を変更できますが、承認機能を含む一部機能のプラン別の可否と電子帳簿保存法への対応は公式サイトで明示されていないため、導入前に問い合わせておきたい点です。
8. CLOUD PAPER(株式会社SICテック)

書類の作成枚数はどのプランでも無制限で、無料のフリープランでも枚数を気にせず見積書を発行できます。作成できる帳票は見積書・請求書・発注書・納品書・領収書の5種類で、提供元は株式会社SICテックです。
フリープランはメンバー1名・取引先3社まで0円で、60日間のお試し期間を過ぎた後も、この条件の範囲内であれば無料のまま使い続けられます。有料は、取引先30社までのライトが月額1,000円、3名・100社までのスタンダードが3,000円、10名・200社までのプレミアムが5,000円、50名まで使えるエキスパートが10,000円です(いずれも税込)。
作成した見積書からワンクリックで請求書に変換でき、発注書・納品書・領収書も帳票間で生成できます。承認は、承認を要するユーザーを個別に設定して見積書・請求書を確認する形で、多段階の承認や金額による分岐に対応するかは公式サイトに記載がありません。送付は画面からのメール送信とPDFのダウンロードに加え、LINEでの送付にも対応します。
郵送代行も用意されており、公式の料金表では1通200円と案内されています。ただしFAQには最安170〜180円との別表記があるため、申し込み前に確認が必要です。
請求業務の自動化・入金管理まで広げられるタイプ
請求件数が積み上がり、発行後の入金確認や督促にも人手がかかっている企業に向く4製品です。
9. マネーフォワード クラウド請求書Plus(株式会社マネーフォワード)

中堅企業から上場・IPO準備企業までを対象に、株式会社マネーフォワードが提供する請求書発行システムです。作成できる帳票は請求書と見積書の2種類で、納品書や領収書は作成できないことが公式FAQに明記されています。
見積書は新規作成のほか、既存の見積書を複製して編集・PDF出力する形で作成します。テンプレートの書式やフォーマット自体は変更できず、設定できるのは発行元・ロゴ・印影・小計の消費税表示・備考に限られます。見積書から請求書へ変換・引き継ぐ機能は、公式のサポートページ上では確認できません。
請求側は、受注データを分割・合算する請求締め、契約期間に応じた売上の按分、取引先ごとの債権残高管理に対応し、申請・承認は最大10ステップの共通ワークフローで組めます。送付は一括メールと郵送代行が可能です。
料金は公式サイトに金額の掲載がなく、請求書の発行件数または従業員数に応じて決まる旨の案内にとどまるため、郵送代行の費用とあわせて問い合わせが必要です。無料プランはなく、無料トライアルの有無も公式サイトでは確認できません。
10. invox発行請求書(株式会社invox)

請求書だけでなく、見積書・納品書・支払通知書を自由なレイアウトで発行できる、株式会社invoxの請求書発行システムです。見積書の情報を引き継いで納品書や請求書を作成でき、1つのデータから見積書・納品書・請求書を自動生成する運用にも対応します。
初期費用は全プラン0円で、月額はフリーが0円、ミニマムが1,980円、ベーシックが9,800円、プロフェッショナルが29,800円(いずれも税抜)の4段階です。帳票の発行には1件50円(税込55円)の従量料金がかかり、フリープランは標準レイアウトの帳票をメールで月15件まで無料で送付できます。
独自レイアウトの作成上限はミニマムが3つ、ベーシックが5つ、プロフェッショナルが無制限で、フリーは標準レイアウトのみです。承認グループと承認パスによる申請・承認ワークフロー、入金消込、オンラインバンク連携はベーシック以上が対象になります。送付はメールに加えて郵送代行(白黒172円〜、カラー190円〜、いずれも税抜)・FAX15円・SMS15円〜に対応し、これらはミニマム以上のプランで利用できます。
11. バクラク請求書発行(株式会社LayerX)

株式会社LayerXの「バクラク」シリーズのうち、帳票の発行を担うサービスです。公式の機能ページには請求書・見積書・納品書・領収書などの作成に対応すると記載があり、見積書は専用の製品ではなく、同じ画面から作成できる帳票の一種という位置付けです。
見積書のデータを請求書へ引き継ぐ機能については、公式サイト上に記載がありません。帳票のレイアウトは項目単位で設定でき、現在使っている書式を再現した書類も作成できます。発行する書類ごとに申請フォームと承認経路を設定でき、同じ書類種類でも部署・取引先ごとに閲覧・編集の権限を分けられます。
送付はメールの一括送信、送付先ポータルでのWeb共有、郵送代行の3経路です。郵送代行は1通180円〜(封入枚数に応じて変動)で、当日18時30分までの依頼なら最短翌営業日に発送されます。料金は公式サイトに金額の掲載がなく、初期費用・月額とも資料請求または問い合わせで確認する形になります。無料で試せる申し込み導線はありますが、期間や使える機能の範囲は公式サイトに明記されていません。
12. freee販売(フリー株式会社)

見積・受注・売上・請求・入金・原価を案件単位で管理する、フリー株式会社のクラウド販売管理システムです。2022年11月に提供が始まり、登録した売上・仕入の取引データはクラウド会計ソフト「freee会計」へ自動で仕訳として連携されます。
見積書・請求書・発注書などを作成でき、帳票のテンプレートは30種類以上から選んでレイアウトを調整できます。受注が決まった見積書からは、そのまま受注登録に進めます。1つの案件に複数の見積パターンを紐づけて管理でき、取引ごとに承認申請ワークフローを設定できるため、見積の承認と送付を社内の決裁ルールに沿って進められます。
送付はメール送信に対応し、郵送代行の可否は公式サイトでは確認できません。未入金を一覧化する入金管理も備えます。料金は初期費用0円で、公式の料金ページに掲載されているのはスタータープランが3名利用で約5,000円/月、スタンダードプランが10名利用で約40,000円/月(いずれも年払い・税抜)という参考価格にとどまり、基本料金や追加IDの単価は公開されていません。
請求書の発行・送付や入金消込のほうが主な課題であれば、見積書側からではなく請求業務の全体像から候補を絞ったほうが見落としがありません。以下の記事では、どこまでの業務を任せられるかでタイプを分けたうえで、22製品の料金とインボイス制度・電子帳簿保存法への対応状況を比較しています。
見積業務そのものの効率化に強いタイプ
見積の本数が多く、過去見積の流用や承認、受注確度の管理に機能を求める組織に向く6製品です。
13. BtoBプラットフォーム 見積書(株式会社インフォマート)

見積書のやり取りをWeb上に移すサービスとして、株式会社インフォマートが2017年に提供を開始しました。自社が見積書を作成して発行するだけでなく、発注側が取引先を選んで見積を依頼する、受け取った見積書を保管して検索する、といった使い方にも対応します。
作成方法は、登録済みテンプレートへの入力のほか、Excel・PDFの既存ファイルをアップロードしてテキストデータ化する方法、過去の見積書を転用する方法があります。取引先の開封・確認状況はステータスで共有され、見積書ごとに質問と回答の履歴も残せます。
扱う帳票は見積書に限られ、請求書・納品書への変換機能は公式サイトに記載がありません。電子帳簿保存法には対応と明記されています。基本サービスは無料で利用でき、費用が発生するのは社内承認を組み込む「BtoBプラットフォーム ワークフロー」の連携部分で、3ユーザーまでは無料、4ユーザー以上は有料プラン(金額は要問い合わせ)となります。
14. 見積Rich(株式会社コネクティボ)

株式会社コネクティボが提供するクラウド型のサービスで、見積書に加えて注文書・納品書・請求書・領収書をPDFで出力できます。ブラウザ上で完結するため、社外や出張先からの見積作成・承認にも対応します。
見積業務では、原価見積と売価見積を分けて管理できる点が特徴です。売価は利益率の設定・顧客ランク別の一括設定・直接入力の3方式から決められ、承認フローは金額や利益率に応じて決裁権限を制御できます。案件ごとに受注確度と受注状態を記録する機能もあります。見積書から請求書への自動変換については公式サイトに記載がありません。
1ユーザープランは月50件までの見積作成を0円で使えますが、承認フローは対象外です。複数ユーザープランは初期費用0円で、月額5,000円(5ユーザー、税別)から50ユーザーの47,000円(税別)まで人数帯で区切られています。複数ユーザープランには、申込日から翌月末までの無料トライアルが用意されています。
15. Sales Quote Assistant(株式会社NIコンサルティング)

過去の見積書と見積明細を学習し、次に選ぶ商品の候補を提示するAI機能「Quote Assist Intelligence」を備えた見積書作成システムです。株式会社NIコンサルティングが提供しており、公式サイトには、見積データが蓄積されるまでは正しい推論が行えない場合があると注記されています。
作成できる帳票は見積書・注文書・納品書・原価計算書で、受注伝票はオプションです。請求書への変換機能は公式サイトに記載がなく、確認できるのは、OBCの商奉行クラウドと連携して見積データを受注伝票・売上伝票として生成する経路です。同社の営業支援システムと連携させると、保存した見積が商談・案件情報へ反映されます。
承認は、見積書の内容に応じた条件を承認ルールとして設定する方式です。料金は、2018年のサービス開始時にクラウド版が1ユーザー月額580円(税別)、パッケージ版が5ユーザー150,000円(税別)からと公表されました。現行の価格は公式の価格ページに金額の記載がないため、問い合わせでの確認が必要です。30日間の無料トライアルが用意されています。
16. 見積デザイナー(株式会社ユニオンシンク)

株式会社ユニオンシンクの自社製品「デザイナーシリーズ」の1つで、クラウド版のラインナップには含まれず、オンプレミスのパッケージソフトとして提供される見積管理システムです。
作成済みの見積を受注確度で色分けして表示し、見積の依頼から回答までを一元管理します。新規作成では、登録した見積テンプレートや過去の類似見積のコピーを利用でき、蓄積された過去の見積情報は検索・比較・出力ができます。原価や商品はマスタデータとして保持し、基幹システムとはCSVやXMLなど連携先の取込み形式に合わせてデータをやり取りします。
公式サイトで言及されている帳票は見積書のみで、請求書・納品書の作成や変換、承認ワークフロー、電子帳簿保存法への対応については記載がありません。料金も公開されておらず、費用は問い合わせでの確認が前提です。無料トライアルの案内はなく、担当者による製品デモを申し込む形になります。
17. やよいの見積・納品・請求書 26(弥生株式会社)

Windows PCにインストールして使う買い切り型のソフトで、弥生株式会社が提供しています。作成できる帳票は見積書・納品書・請求書・領収証・請求明細書・合計請求書・宛名ラベルの7種類で、領収証は見積書・納品書・請求書のデータから作成できます。
見積書のテンプレートを納品書・請求書にコピーする機能はありますが、これは帳票のレイアウトを流用するもので、明細の品目や単価まで転記されるかは公式の説明からは読み取れません。作成した帳票を直接メール送信する機能はなく、PDFに変換して添付する手順が公式サポートで案内されています。複数人での承認フローに関する記載も見当たりません。
買い切り型のため月額課金はなく、ソフト本体の購入費と、任意で結ぶ年間契約「あんしん保守サポート」の組み合わせになります。公式の価格ページでは、セルフプラン付きの本体が販売価格5,500円+税(通常11,600円+税)、保守サポートの年間料金がセルフプラン6,100円+税、ベーシックプラン13,800円+税、トータルプラン26,400円+税と案内されています。
インボイス制度には対応し、登録番号の設定・出力と税率ごとの消費税額の集計ができます。無料体験版の有無は公式サイトでは確認できません。
18. みつも郎20(コベック株式会社)

コベック株式会社が販売するWindows専用のパッケージソフトです。出荷時に約200書式が標準添付され、うち30種類がインボイス制度に対応した書式(単一税率のみ対応)となっています。作成した書類は、ソフトの画面から添付ファイルとしてメール送信できます。
印字見本で公開されている帳票は、見積書・請求書・納品書・原価計算書です。見積の明細を請求書へ自動で引き継ぐ機能は公式サイトに記載がなく、受注・納品・請求・入金の管理まで広げる場合は、別売の「販売みつも郎19」とデータ連携する構成になります。承認フローに関する記載もありません。
対応OSは64bit版のWindows 11・10で、インストールにはDVD-ROMドライブが必要です。価格はスタンドアロン版が30,000円+消費税の買い切りで、月額費用は発生しません。同一事業所内で追加導入する場合のサイトライセンスは、1台あたり15,000円+消費税です。無料体験版の案内は公式サイトにありません。
無料から使えるタイプ
発行件数が少なく、まずは費用をかけずに始めたい個人事業主・小規模事業者に向く4製品です。
19. INVOY(FINUX株式会社)

請求書・見積書・納品書・発注書・領収書の5種類を作成でき、この作成・発行はすべて無料のFreeプランに含まれます。FINUX株式会社(OLTA株式会社の子会社)が提供するクラウド請求管理サービスです。
有料のStandardプランは月払い980円(税込)、年払い9,800円(税込)で、無料プランとの差分は口座自動連携(Moneytree経由)と資金繰り表の作成機能です。帳票の作成・発行だけを使うのであれば、無料プランのまま利用できます。
見積書は納品書または請求書へワンクリックで変換でき、明細を入力し直す必要がありません。送付はINVOY上からのメール送信とPDFのダウンロードに対応し、郵送代行は別途費用がかかります。
20. Zoho Invoice(ゾーホージャパン株式会社)

料金プランは無料の1種類だけで、有料プランは公式の料金ページに用意されていません(2026年8月時点)。ゾーホージャパン株式会社が提供するクラウド型の請求書・見積書作成ソフトで、期間限定の試用ではなく無期限に無料で使えます。
無料で使える範囲は米国版の料金ページに数値で示されており、ユーザー数は最大2名、請求書は年間500通まで、プロジェクトは3件までです。見積書単体の発行上限は公式サイトに記載がありません。発行した書類には「Powered by Zoho Invoice」の表示が入ります。
作成できる帳票は見積書と請求書で、見積書は一覧から選んで請求書へ変換できるほか、顧客が承認した時点で自動的に請求書へ変換する設定も可能です。送付はメール・SMS・顧客ポータル経由に対応し、郵送代行の記載はありません。
21. Square 請求書(Square株式会社)

見積書と請求書の作成・送信自体はフリープランで無制限に無料で、費用は決済が発生したときの手数料としてかかります。手数料は請求書経由の決済が3.25%、非対面決済が3.75%で、Square株式会社が提供する決済サービスの一部として使う形になります。
承諾された見積もりはワンクリックで請求書に変換でき、そのままクレジットカードなどのオンライン決済を受け付けられます。振込手数料は無料で、入金は最短翌営業日です。送付はメール・SMSのほか、リンクをコピーして共有する方法にも対応します。
上位のプラスプランでは、承諾された見積もりの請求書への自動変換や、カスタムテンプレートの保存・再利用が加わり、月額3,000円です(公式の料金ページに税区分の明示はありません)。
見積書を作って送るところまでであればフリープランで完結するため、まず無料で試して必要になったら切り替える形が取りやすい製品です。社内の承認フローを組み込む機能はなく、見積書のステータス(閲覧済み・却下・承諾)の追跡にとどまります。
22. PASELLY(株式会社entershare)

株式会社entershareが運営するPASELLY(パセリ)は、もとはCRM/SFAとして開発された経緯があり、現在は見積書・請求書・発注書・納品書・領収書の5帳票の作成に、取引先・案件の管理機能を組み合わせています。見積書として作成した書類は、請求書など別の帳票へ変換できます。
無料プランはクレジットカードの登録なしで基本機能を利用でき、作成したPDFには「PASELLY」の表記が入ります。この表記は有料プランで消えます。書類作成件数の上限は、公式の料金ページに数値としての記載がありません。
有料プランは月払いでベーシックが880円、プレミアムが3,300円です。ベーシックはメンバー3人まで・定期請求5件までで、プレミアムはどちらも無制限になり階層書類機能が加わります。送付はメール送信、パスワード付きの公開URL、郵送代行の3通りで、郵送チケットの割引率がプランで変わります。
電子帳簿保存法・インボイス制度と見積書の関係
見積書をソフトで発行すると、電子帳簿保存法とインボイス制度のどちらに、どこまで対応が要るのかが気になります。この2つは見積書に対する効き方がまったく違うため、分けて確認しておきます。

電子でやり取りした見積書に保存義務はあるか
電子帳簿保存法は、電子取引の定義そのものに見積書を挙げています。同法2条5号は電子取引を「取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいう。以下同じ。)の授受を電磁的方式により行う取引」と定めています。
そのうえで7条は「所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない」と定めています。
対象になるのは「見積書という名前の書類」ではなく、電子でやり取りした見積書の取引情報です。メールにPDFを添付して送った見積書、Web上のシステムを通じて授受した見積書はこれに当たり、データのまま保存する必要があります。紙で受け取った見積書をそのまま紙で保管する運用は、この義務の対象外です。
国税庁は、見積書という名称の書類でも保存が不要なものがあることを一問一答で明示しています。
なお、「見積書」との名称の書類で相手に交付したものであっても、連絡ミスによる誤りや単純な書き損じ等があるもの、事業の検討段階で作成された、正式な見積書前の粗々なもの、取引を希望する会社から一方的に送られてくる見積書などは、保存の必要はないものと考えられます。
出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和8年7月)問2|国税庁
保存の仕方については、電子帳簿保存法施行規則4条1項が、訂正・削除の防止措置として4つの選択肢を示しています。授受の際にタイムスタンプを付す、保存時にタイムスタンプを付す、訂正・削除の履歴が残るか訂正・削除ができないシステムを使う、正当な理由がない訂正・削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用する、のいずれかです。
見積書作成ソフトの説明に「電子帳簿保存法に対応」と書かれている場合、多くは3番目の要件を製品側で満たしていることを指します。
令和6年1月以降は、電子で受け取ったデータを紙に印刷して保管するだけでは要件を満たしません。国税庁の一問一答は「令和6年1月以降に行う電子取引を対象とした猶予措置では、出力書面のみを保存することで対応することは認められておらず、出力書面の提示等に加え、電子データそのものも保存しておき、提示等ができるようにしておく必要があります」と述べています。
要件を満たせない相当の理由があると税務署長が認めた場合の猶予措置もありますが、これは要件が緩むだけで、保存義務そのものが免除されるわけではありません。
ただし、検索機能の確保については、ダウンロードの求めに応じられるようにしていることを前提に、判定期間に係る基準期間における売上高が5,000万円以下の事業者は、すべての検索機能の確保の要件が不要になります。小規模な事業者が無料のソフトを検討する場合、この点は判断材料になります。
出典・参考資料(3件)
インボイス制度で見積書に必要な記載事項はあるか
インボイス制度で登録番号や税率ごとの消費税額の記載が求められるのは、適格請求書に該当する書類です。消費税法57条の4第1項は、適格請求書発行事業者が「国内において課税資産の譲渡等を行つた場合」に、相手方から求められたときに交付する義務を定めており、記載事項の第2号として「課税資産の譲渡等を行つた年月日」を挙げています。
交付義務が生じるのは取引が行われた後です。国税庁のQ&Aも「適格請求書発行事業者には、国内において課税資産の譲渡等(注1、2)を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります。)からの求めに応じて適格請求書を交付する義務が課されています」と説明しています。
取引が成立する前に提示する見積書は、この局面にありません。記載事項として求められる「課税資産の譲渡等を行つた年月日」も見積の段階では確定しないため、見積書が適格請求書の要件を満たすことはありません。
ここで注意したいのは、書類の名前で判断できるわけではないことです。国税庁のQ&Aは、適格請求書の様式は法令等で定められておらず、必要な記載事項が書かれた書類であれば「その名称を問わず、適格請求書に該当します」としています。
例示として挙げられているのは請求書・納品書・領収書・レシートで、見積書は挙がっていません。見積書がインボイスにならないのは名称のためではなく、交付義務が生じる局面と記載事項の要件を満たさないためです。
したがって、インボイス制度への対応が必要になるのは、見積書の先にある請求書側です。見積書作成ソフトを選ぶ際は、見積書のフォーマットではなく、そのソフトで発行する請求書が適格請求書の記載事項(登録番号、税率ごとに区分した対価の額と適用税率、税率ごとに区分した消費税額)を満たせるかを確認してください。
ただし、交付した適格請求書の写しや提供した電磁的記録は、交付日または提供日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間の保存が必要です。
出典・参考資料(2件)
見積書作成ソフトの導入前に確認しておきたい注意点
導入後につまずきやすいのは、選定時には表に出てこない運用面の論点です。ここでは、事業の成長に伴う乗り換えと、データの保管について確認しておきます。
発行件数が増えたときの乗り換えとデータ移行
無料プランや小規模向けのプランで始めた後、発行件数や担当者が増えて別の製品へ移ることは珍しくありません。このとき手間になるのが、蓄積した取引先マスタ・品目マスタと、発行済みの帳票データの移行です。
取引先や品目はCSVで書き出して新しい製品に取り込める製品が多い一方、発行済みの見積書・請求書そのものは、PDFで書き出して別途保管する形になることがあります。電子帳簿保存法の保存義務は解約後も残るため、解約時にデータをどう取り出せるかは、導入前に確認しておく価値があります。
あわせて、承認フローやテンプレートの設定は移行できません。乗り換えのたびに設定し直すことになるため、いま必要な機能だけでなく、数年後の体制で使い続けられるかも含めて選ぶほうが、結果的に手戻りが少なくなります。
データの保管とセキュリティで確認すること
見積書には取引先名と取引条件が含まれるため、保管とアクセス制御は確認しておきたい点です。クラウド型では、担当者ごとに閲覧・編集の権限を分けられるか、通信と保存データが暗号化されているか、提供元がISO/IEC 27001などの認証を取得しているかが目安になります。認証は提供会社として取得している場合と、対象のサービスが範囲に含まれている場合があるため、認証の適用範囲まで見ておくと確実です。
保存期間の考え方は、紙でもデータでも変わりません。法人の場合、取引に関して受け取った、または自己が作成した見積書の写しは、法人税法施行規則59条1項3号(青色申告法人)および67条(青色申告以外の普通法人等)により、起算日から7年間の保存が必要です。
起算日は作成または受領の日ではなく、その日の属する事業年度終了の日の翌日から2月を経過した日とされています。欠損金の繰越控除の適用を受けようとする場合は、同規則26条の3第1項により、欠損金額が生じた事業年度の帳簿書類を10年間保存する必要があります。
個人事業主(青色申告者)の場合は年数が異なります。所得税法施行規則63条1項3号により、見積書は現金預金取引等関係書類に該当しないため5年間の保存で足り、起算日もその年の翌年3月15日の翌日になります。ソフトの側でデータの保存期間に上限が設けられている場合は、この年数を満たせるかを確認してください。
出典・参考資料(2件)
まとめ
見積書作成ソフトは、見積書だけで完結させるのか、請求や入金まで同じソフトで回すのかという守備範囲の違いで4つのタイプに分かれます。
少人数で帳票作成を回すなら見積書から請求書まで1つで作れるタイプ、請求件数が積み上がっているなら請求業務の自動化・入金管理まで広げられるタイプ、見積の本数が多く承認や受注確度の管理が要るなら見積業務そのものの効率化に強いタイプ、発行件数が少ないなら無料から使えるタイプが出発点になります。
自社の条件から具体的な製品名まで絞り込むには、発行件数・請求業務までの範囲・承認の要否を選ぶだけで候補が出る選定診断ツールと、料金と無料枠を実額で並べた比較表を使ってください。
タイプを絞った後は、見積書から請求書に何が引き継がれるか、無料で使える範囲がどの軸で区切られているか、料金が人数と件数のどちらに連動するかの3点で比べると、製品間の差が見えてきます。電子でやり取りした見積書はデータのまま保存する義務があり、インボイス制度への対応が必要になるのは見積書ではなく請求書側だという整理も、対応の過不足を防ぐうえで押さえておきたい点です。
製品情報だけでは、引き継ぎの範囲や既存書式の再現度までは分かりません。候補が2〜3製品に絞れたら、無料プランや無料トライアルで自社の見積書を実際に1件作り、請求書へ変換するところまで試してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 見積書作成ソフトとは何ですか?
A. 見積書作成ソフトとは、見積書の作成・発行・送付・保管を、あらかじめ用意された入力画面とテンプレートで行えるようにしたソフトウェアです。
取引先や品目、単価を登録しておけば、金額の計算や消費税の処理はソフト側で行われ、発行した見積書はデータのまま検索できる状態で残ります。守備範囲は製品によって幅があり、見積書だけを作るものから、同じデータで納品書・請求書まで発行し、入金の消し込みや督促まで担うものまで存在します。
Q. 見積書作成ソフトと請求書発行システムは何が違いますか?
A. 見積書作成ソフトと請求書発行システムの違いは、機能の重心が見積書を含む帳票の作成・送付にあるか、請求書の発行・送付・入金消込・督促にあるかです。
実際には両方を兼ねる製品が多い一方、請求書の発行や送付には強くても、見積書そのものを作る機能を持たない製品もあります(本記事の比較対象は見積書を作成できる製品に絞っています)。製品名や紹介記事の分類だけで判断せず、対応する帳票の一覧に見積書が含まれているかを確認してください。
Q. 見積書作成ソフトの費用はいくらくらいかかりますか?
A. 見積書作成ソフトの費用は、帳票の作成が中心の製品なら月額1,000円前後から、請求業務の自動化や入金管理まで含む製品では月額数万円からが目安です。無料プランのまま使える製品や、月額費用が発生しない買い切りのパッケージ型もあります。
課金方式は月額固定・ユーザー課金・従量課金に分かれ、郵送代行を使う場合は1通あたり200円前後の実費が別途かかる製品が多くなっています。ユーザー課金の製品は見積を出す担当者を増やした時点で費用が線形に増えるため、現在の体制ではなく、1年後に想定する人数と発行件数で試算しておくと差が見えてきます。製品ごとの実額は比較表に記載しています。
Q. 無料の見積書作成ソフトだけで業務は足りますか?
A. 無料の見積書作成ソフトで足りるかは、発行件数・利用人数・承認や電子帳簿保存法への対応が必要かどうかで決まります。月に十数通程度の発行で、使うのが1〜数名、承認フローや入金管理を必要としないのであれば、無料プランのままで運用できる製品があります。
一方、承認ワークフロー、テンプレートのカスタマイズ、電子帳簿保存法に対応した保存機能は有料プラン限定としている製品が多く、郵送代行やサポートも無料プランの対象外になることがあります。無料枠の区切り方(発行件数・人数・取引先数・機能)は製品ごとに異なるため、現在の件数だけでなく1年後に見込まれる件数でも条件を満たすかを確認してください。
Q. 見積書作成ソフトはMacでも使えますか?
A. 見積書作成ソフトをMacで使えるかは提供形態で決まり、ブラウザで動くクラウド型はMacでも利用できますが、インストール型(パッケージ型)は対応OSがWindowsに限られる製品があります。
本記事で取り上げた買い切りのパッケージ製品にも、対応OSがWindowsのみと案内されているものがあります。Macでの利用、複数拠点や在宅勤務からのアクセスが前提であれば、クラウド型から選ぶほうが確実です。
Q. 見積書作成ソフトはスマートフォンからでも使えますか?
A. 見積書作成ソフトにはスマートフォン向けのアプリやプランを用意している製品があり、スマートフォンアプリ専用のプランを月額500円台で提供しています。
ただし、明細行の多い見積書の入力や、既存の書式に合わせたテンプレートの設定はパソコンのほうが扱いやすい作業です。外出先での発行が中心なのか、社内での作成が中心なのかを整理したうえで、スマートフォンでの操作にどこまで対応しているかを製品ごとに確認してください。
Q. 見積書作成ソフトは導入してすぐに使い始められますか?
A. 見積書作成ソフトの利用開始自体はすぐに可能ですが、実際に時間がかかるのは操作の習得よりも、取引先マスタ・品目マスタの登録と、既存の書式に合わせたテンプレート設定といった初期作業です。
この初期作業を支援するメニューを持つ製品もありますが、有料オプションであることが多いため、費用の見積もりに含めておいてください。30日間程度の無料トライアルを用意している製品が多いので、自社の見積書を1件作り、請求書へ変換するところまで試してから本契約に進むと、導入後の手戻りを減らせます。
Q. Excelで作ってきた見積書のデータは、見積書作成ソフトへ移行できますか?
A. Excelで管理してきたデータのうち、取引先や品目の一覧はCSVで取り込める製品が多い一方、過去に作成した見積書そのものを取り込めるかは製品によって異なります。
過去分を取り込めない場合でも、電子でやり取りした見積書はデータのまま保存する義務が残るため、元のファイルは別途保管する運用になります。あわせて、将来の乗り換えに備えて、解約時に取引先マスタや発行済み帳票をどの形式で書き出せるかも確認しておくと安心です。
Q. 見積書作成ソフトに保存したデータのセキュリティは大丈夫ですか?
A. 見積書には取引先名と取引条件が含まれるため、担当者ごとに閲覧・編集の権限を分けられるか、通信と保存データが暗号化されているか、ISO/IEC 27001などの第三者認証を取得しているかの3点を確認してください。
認証は、提供会社として取得している場合と、対象のサービスが認証範囲に含まれている場合があります。認証マークの有無だけで判断せず、適用範囲まで見ておくと確実です。クラウド保存には自動バックアップや複数拠点からのアクセスといった利点もあるため、社内のパソコンだけで管理する運用と比べて一律に不利になるわけではありません。
Q. 見積書のデータは、検索できる状態で保存する必要がありますか?
A. 電子でやり取りした見積書のデータは、原則として検索機能を確保した状態で保存する必要があります。ただし、判定期間に係る基準期間における売上高が5,000万円以下の事業者は、ダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、すべての検索機能の確保の要件が不要になります。
見積書に特有の扱いとして、国税庁の一問一答は2つの取り扱いを示しています。1つの取引に関して異なる取引条件等に応じた複数の見積金額が記録された見積書データを授受した場合、検索機能の記録項目である「取引金額」は、課税期間において自社で一貫して規則性を持っている限り、記録されたどの見積金額を用いても差し支えないとされています(問56)。
また、記載すべき金額がない電子取引データについては「取引金額」を空欄または0円と設定して差し支えないものの、空欄とする場合は、取引金額が空欄であることを対象として検索できるようにしておく必要があるとされています(問58)。
出典・参考資料(2件)
Q. 見積書に適格請求書(インボイス)の登録番号を記載する必要はありますか?
A. 見積書に適格請求書の記載事項を記載する義務はありません。適格請求書の交付義務は課税資産の譲渡等を行った場合に生じ、記載事項にも「課税資産の譲渡等を行つた年月日」が含まれるため、取引が成立する前に提示する見積書は適格請求書の要件を満たしません。
したがって、インボイス制度への対応が必要になるのは、その見積をもとに発行する請求書側です。見積書作成ソフトを選ぶ際は、見積書の書式ではなく、そのソフトで発行する請求書が登録番号・税率ごとに区分した対価の額と適用税率・税率ごとに区分した消費税額を記載できるかを確認してください。
なお国税庁は、必要な記載事項が書かれた書類であれば「その名称を問わず、適格請求書に該当します」としているため、書類の名前だけで対象かどうかを判断できるわけではありません。
Q. 見積書は何年間保存する必要がありますか?
A. 見積書の保存期間は事業者の区分によって異なり、法人は原則7年間、個人事業主(青色申告者)は5年間です。法人が欠損金の繰越控除の適用を受けようとする場合は、欠損金額が生じた事業年度の帳簿書類が10年間の保存対象になります。
起算日も区分で異なります。法人は作成または受領の日ではなく、その日の属する事業年度終了の日の翌日から2月を経過した日が起算日です。個人事業主は、その年の翌年3月15日の翌日が起算日になります。紙かデータかで年数は変わらないため、ソフト側でデータの保存期間に上限が設けられている場合は、この年数を満たせるかを確認してください。
出典・参考資料(2件)
見積書作成ソフトの料金・機能を一括チェック
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















