2027年4月から強制適用される新リース会計基準への対応で、リース契約の管理をどう立て直すか決めかねていませんか。これまでオフバランスで済んでいたオペレーティング・リースが原則すべてオンバランスの対象になり、契約の洗い出しから使用権資産・リース負債の計算、注記の作成までが経理の新しい定常業務として加わります。
契約が数十件を超えたあたりから、Excelの台帳と手作業の再計算では決算に間に合わなくなります。
初年度の遡及計算や条件変更のたびに発生する再測定まで含めて、自社の契約件数と管理体制で回しきるには、どのようなシステムを選べばよいのでしょうか。
本記事では、リース資産管理システム17製品をタイプ別に比較・解説します。基本的な機能や料金体系に加え、新基準対応の実務で手が止まりやすい6つの工程を製品ごとにどこまで担えるのかを工程別に整理しました。自社に合うシステムを判断するための材料としてご活用ください。
また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
先に製品を見比べたい場合は、17製品の比較表へお進みください。
目次
一括ダウンロードする
リース資産管理システムとは
ここからは、リース資産管理システムが何を管理し、どこまでを担うシステムなのかを整理します。
リース資産管理システムが担う業務の範囲
リース資産管理システムは、企業が借りている設備・車両・不動産などのリース契約について、契約情報と物件情報、支払スケジュールを一元的に管理し、会計処理までをつなぐシステムです。
契約書の内容を登録すると、リース期間やリース料をもとに、借りた資産を使う権利を資産として計上した「使用権資産」と、将来支払うリース料を現在価値に割り引いた「リース負債」の金額を算定します。そこから毎月の減価償却費・支払利息・負債の返済額を計算して仕訳を作成します。
担う範囲は製品によって幅があります。契約がリースに当たるかどうかの判定から会計処理・注記の出力までを1つの製品で扱うものもあれば、契約情報と期日の管理に絞り、金額の計算は連携先の会計システムに渡す設計のものもあります。この守備範囲の違いが、後述する4つのタイプの分かれ目になります。
固定資産管理システム・会計システムとの守備範囲の違い
固定資産管理システムは、自社が保有する有形・無形固定資産の台帳管理と減価償却計算、償却資産税の申告書作成を中心に据えた製品です。リース資産はその台帳に載る資産の一区分として扱われるのが従来の姿で、リース期間定額法による償却ができれば足りていました。
会計システムは、仕訳の記帳と決算書の作成を担います。リースについては、リース料の支払を費用として計上する処理や、仕訳を受け取って総勘定元帳に反映する役割が中心です。
新リース会計基準では、新たに6つの工程が必要になります。契約がリースに当たるかの判定、使用権資産とリース負債の算定、条件変更時の再測定、注記に必要な情報の集計、会計と税務の差異の調整、そして増える仕訳の作成と連携です。
これらは従来の固定資産台帳にも会計システムにも無かった処理で、どちらか一方の機能拡張でまかなうのか、リース専用の仕組みを別に立てるのかが選定の分かれ目になります。自社にとってどちらが適切かの見極めは、リース資産管理システムの選び方で扱います。
新リース会計基準で何が変わるか
ここからは、システムを検討する前提として、新リース会計基準で何が変わるのかを製品選定に必要な範囲で確認します。制度の詳細な解説ではなく、管理すべき契約の範囲と、いつまでに準備を終える必要があるかに絞ります。
制度そのものを先に押さえておきたい場合は、適用時期の詳細や財務諸表への影響、強制適用までに何をいつ進めるかを整理した記事があります。自社が対象になるのかどうかから確かめたい方は、こちらに目を通してから戻っていただくと、以降の内容が読み進めやすくなります。
適用時期と対象になる企業
企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」は、適用時期を次のように定めています。
本会計基準は、2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用する。ただし、2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から本会計基準を適用することができる。
出典:企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」第58項|企業会計基準委員会(PDF)
3月決算の会社であれば、2027年4月1日に始まる事業年度から適用されます。条文が「連結会計年度及び事業年度」と併記しているとおり、連結だけが先に始まるのではなく、連結子会社の個別財務諸表でも同じ処理が必要です。管理の対象になる契約は、親会社の分だけでなくグループ全体に広がります。
対象になる企業について、基準そのものは範囲を定めていません。線引きが見えるのは中小企業向けの「中小企業の会計に関する指針」の側です。同指針は金融商品取引法の適用を受ける会社とその子会社・関連会社、会計監査人を設置する会社(任意設置を含む)とその子会社を適用対象から除いています(第4項)。ここから外れる会社が、会計基準に基づいて計算書類を作成することになります。
管理の対象は、上場企業本体だけでなく子会社・関連会社まで広がります。洗い出しの範囲を自社に閉じて見積もると、後から不足が出ます。一方で、指針の側は、2025年9月19日の修正版でもリース取引について旧来の企業会計基準第13号と適用指針第16号を参照しています。
オペレーティング・リースのオンバランス化
借手の会計処理で最も大きく変わるのは、リースの分類にかかわらず資産と負債を計上する点です。基準は借手の処理を次のように定めており、ファイナンス・リースかオペレーティング・リースかによる場合分けを置いていません。
借手は、リース開始日に、第34項に従い算定された額によりリース負債を計上する。また、当該リース負債にリース開始日までに支払った借手のリース料、付随費用及び資産除去債務に対応する除去費用を加算し、受け取ったリース・インセンティブを控除した額により使用権資産を計上する。
出典:企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」第33項|企業会計基準委員会(PDF)
その趣旨は、基準の結論の背景で次のように説明されています。
この点、本会計基準では、すべてのリースを使用権の取得として捉えて使用権資産を貸借対照表に計上するとともに、借手のリースの費用配分の方法については、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、使用権資産に係る減価償却費及びリース負債に係る利息相当額を計上するIFRS第16号と同様の単一の会計処理モデルによることとした。
出典:企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」結論の背景 BC39項|企業会計基準委員会(PDF)
ここで注意したいのは、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースという区分そのものが無くなったわけではない点です。用語は基準の定義として残り、貸手側では引き続き2つに分類します。借手側でも、所有権が移転すると認められるリースかどうかで使用権資産の減価償却方法が分かれます。変わったのは「借手が資産と負債を計上するかどうかが区分で決まらなくなった」ことで、区分の廃止ではありません。
現行の基準における2つの区分の要件と、それぞれの会計処理の違いは、『【図解付】ファイナンスリースとオペレーティングリースの違いを解説!会計処理から選び方も紹介』で整理しています。
実務への影響として大きいのは、オンバランスの対象になる契約を数え直す必要が生じることです。
リースに当たるかどうかは契約書の名称ではなく、特定された資産を一定期間、対価を支払って使用し、その使い方を自社が決められる状態にあるかどうかで判定します。そのため、事務所や店舗の賃貸借だけでなく、複合機の設置や業務委託の形をとっている契約の中にも、該当するものが出てきます。判定の考え方と、既存の契約書を1件ずつ確認していく進め方は、以下の記事で解説しています。
短期リース・少額リースの簡便的な取扱い
すべての契約をオンバランスするわけではありません。企業会計基準適用指針第33号では、短期リースと少額リースについて、使用権資産とリース負債を計上せずに費用処理できる取扱いが定められています。管理対象をどこまで絞れるかに直結するため、選定の前に自社での適用方針を決めておくと、必要なシステムの規模も見えてきます。
短期リースは、次のように定義されています。
「短期リース」とは、リース開始日において、借手のリース期間が12か月以内であり、購入オプションを含まないリースをいう。
出典:企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」第4項(2)|企業会計基準委員会(PDF)
判定の起点はリース開始日で、12か月を測る対象は契約書上の期間ではなく借手のリース期間です。延長するオプションの行使が合理的に確実だと判断される場合はその期間も含まれるため、契約年数だけを見て振り分けると判定を誤ります。この費用処理は原資産の科目ごと、あるいは性質と用途が類似する原資産のグループごとに適用の有無を選べる仕組みで、全社一律に決めるものではありません。
少額リースについては、公表資料や解説記事で「300万円以下」「5,000米ドル以下」といった金額が挙げられることがありますが、適用指針の本文に金額の定めは置かれていません。定めは次の形です。
次の(1)と(2)のいずれかを満たす場合、借手は、会計基準第33項の定めにかかわらず、リース開始日に使用権資産及びリース負債を計上せず、借手のリース料を借手のリース期間にわたって原則として定額法により費用として計上することができる。なお、(2)については、①又は②のいずれかを選択できるものとし、選択した方法を首尾一貫して適用する。
出典:企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」第22項|企業会計基準委員会(PDF)
(1) 重要性が乏しい減価償却資産について、購入時に費用処理する方法が採用されている場合で、借手のリース料が当該基準額以下のリース(略)
(2) 次の①又は②を満たすリース
① 企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリースで、かつ、リース契約1件当たりの金額に重要性が乏しいリース(略)
② 新品時の原資産の価値が少額であるリース この場合、リース1件ごとにこの方法を適用するか否かを選択できる。
金額が登場するのは、適用指針の結論の背景です。300万円は旧・企業会計基準適用指針第16号の「リース契約1件当たりのリース料総額が300万円以下」という判定方法を踏襲する趣旨で、①に対応します(BC43項)。5,000米ドルはIFRS第16号の結論の根拠で示された2015年当時の新品時の原資産の価値の水準で、②が念頭に置くものです(BC45項)。
①と②はいずれかを選択して首尾一貫して適用するもので、両方を並べて使う関係ではありません。
自社がどの取扱いを選ぶかで、システムに登録する契約の件数は変わります。短期リースの費用処理は原資産の科目ごと・グループごとに適用の有無を選べる仕組みなので、製品側でも適用の単位ごとに設定を分けられるかが確認したい点になります。
あわせて注意したいのは、簡便的な取扱いを適用したリースも注記の対象から外れないことです。損益計算書で区分表示していない場合、短期リースに係る費用の発生額とその科目は注記が必要とされています(適用指針第100項(1))。オンバランスしないから管理しなくてよい、とはなりません。
新基準対応で手が止まる6つの工程と、システムに求める機能
新基準への対応でつまずきやすいのは、制度の理解そのものよりも、そのあとに続く判断と計算、資料作成の工程です。ここでは実務が止まりやすい6つの工程を取り上げ、それぞれでシステムに何ができないと詰まるのかを整理します。本記事の比較表の機能列は、この6工程をそのまま列にしたものです。

工程① リースに当たる契約の識別(オンバランス対象の洗い出し)
最初の工程は、社内のどの契約がリースに当たるのかを判断することです。基準はこの判断を契約単位で行うと定めており、判断の時点も契約の締結時と決まっています。
前項の判断にあたり、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合、当該契約はリースを含む。
出典:企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」第26項|企業会計基準委員会(PDF)
契約書の名称ではなく実質で判断するため、対象は社内の契約全体に及びます。この工程が終わらないと、必要なシステムの規模も費用も見積もれません。
システムに求めるものは製品によって分かれます。契約書そのものを読み込ませて該当の可能性を絞り込めるものと、判断は人が行い、判断済みの契約を登録する場所として使う前提のものがあります。前者を選べば確認すべき契約を絞り込めますが、最終的な判断は自社と監査法人が行う点は変わりません。
工程② 初年度の遡及計算(過去契約の影響額をどう作るか)
適用初年度には、すでに走っている契約についても新基準で計算し直した金額を用意する必要があります。適用指針は、原則として過去の期間のすべてに遡って新しい会計方針を適用すると定めています。
会計基準の適用初年度においては、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱い、原則として、新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用する。ただし、適用初年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の累積的影響額を適用初年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用することができる。
出典:企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」第118項|企業会計基準委員会(PDF)
ただし書きの方法を選ぶと、遡及の範囲を絞る経過措置も使えます。1つは、適用初年度の前の期末時点で従来の基準を適用していたリースについて、リースを含むかどうかの判断をやり直さずに済ませる方法です。もう1つは、期首時点の残りのリース料を期首の追加借入利子率で割り引いてリース負債を計上する簡便的な方法です(適用指針第119項・第123項)。
どの方法を選ぶかで計算の量が変わるため、システムが自社の選ぶ方法に対応できるかを確認する必要があります。
この工程は件数がそのまま作業量になります。Excelで進めるなら、契約1件ごとに割引現在価値を計算し、検算し、監査で説明できる形に整えるまでを人手で行うことになり、契約件数に比例して工数が積み上がります。
システムに求めるのは、契約情報をまとめて取り込んで遡及計算を一括で走らせられること、そして計算の前提(割引率・リース期間の判断)を後から追える形で残せることです。取り込み方法は製品によって差があり、Excelファイルの取り込みで初期登録を済ませられるものもあれば、画面から1件ずつ入力する前提のものもあります。
使用権資産をリース開始日からの償却簿価とするか、リース負債と同額とするかといった経過措置の選択肢に対応しているかも、製品によって公開の粒度が分かれます。
工程③ 条件変更時の再測定と変更履歴の管理
新基準では、リース期間やリース料の見直し、契約条件の変更が起きるたびに、リース負債と使用権資産を測り直します。変更が入るたびに割引計算をやり直し、変更前後の差額を会計処理に反映するため、この工程は初年度で終わらず毎期発生します。
実務で効いてくるのは、再計算そのものよりも履歴です。いつ・どの契約が・どういう理由で変わり、その結果どの金額がどう動いたのかを追えないと、監査で変更の妥当性を説明できません。システムに求めたいのは、再測定後の金額を自動で計算できることと、変更前後の値・変更日・変更内容が履歴として残ることの2点です。
再計算はできても履歴の保持については公式に説明していない製品もあるため、この2つは分けて見る必要があります。
工程④ 注記に必要な情報の収集と出力
新基準では、リースに関する開示の情報量が増えます。使用権資産の残高や減価償却費、リース負債の返済スケジュール、短期リースや少額リースとして費用処理した金額など、注記に載せる数値を契約明細から積み上げて集計することになります。
ここでつまずくのは、契約情報が経理・総務・各事業部に分散していて、決算のたびに集め直す状態のときです。契約が1か所に登録されていれば集計は機械的な処理で済みますが、そうでなければ決算の直前に情報収集から始めることになります。
システムに求めるのは、登録済みの契約データから注記用の金額を自動で集計できること、そして集計結果を開示資料に転記できる形で出力できることです。集計はできても出力の形式までは公開していない製品が多いため、必要な粒度で出せるかは個別に確認する必要があります。
工程⑤ 会計と税務で処理が分かれる部分の調整(複数帳簿)
新リース会計基準は会計上の取扱いを定めたもので、税務上の取扱いがそのまま同じになるとは限りません。会計と税務で金額や時期が分かれる部分は申告調整で埋めることになり、この調整が毎期発生します。
この差を毎期手作業で追うのは負担が大きく、契約件数が増えるほど誤りも出やすくなります。システムに求めたいのは、会計基準による金額と税務基準による金額を同じ契約について並行して保持できることと、両者の差額を申告調整に使える形で取り出せることです。
国際財務報告基準(IFRS)を適用しているグループでは、日本基準・税務・IFRSの3系統を同時に管理できるかも判断材料になります。この機能は製品によって「複数帳簿(マルチブック)」「複数の簿価パターン」などと呼び方が分かれるため、名称ではなく何系統を同時に持てるかで比べましょう。
工程⑥ 増える仕訳の作成・登録と会計システムへの連携
オンバランスの対象が広がると、計上する仕訳の件数も増えます。契約ごとに、開始時の使用権資産とリース負債の計上、毎月の減価償却費と支払利息、リース料支払によるリース負債の減少が発生します。従来はリース料の支払仕訳1本で済んでいた契約が、毎月複数本の仕訳を生むようになります。
システムに求めるのは、これらの仕訳を自動で作成し、日々使っている会計システムに渡せることです。連携の方法は製品によって異なり、同じベンダーの会計システムとは画面上の操作だけでつながる一方、他社の会計システムへはCSVファイルの出力を経由する構成が一般的です。
既存の会計システムを替えない前提で選ぶなら、どの形式で受け渡すのか、取り込み用のフォーマットに合わせられるのかを導入前に確認しておくと手戻りを避けられます。
リース資産管理システムを導入するメリット
ここまでの工程は、契約件数が少なければExcelと自作の台帳でも回せます。ここからは、システムを入れると日々の運用と体制がどう変わるのかを、Excel管理と比べる形で整理します。
Excelでの再計算・転記を抱えずに済む
Excelで管理する場合、契約が1件変わるたびに該当シートの割引計算をやり直し、償却スケジュールを引き直し、仕訳の元になる数値を会計システム用のフォーマットに転記する作業が発生します。契約件数が増えると、この一連の作業が毎月の締めのたびに繰り返されます。
システムに登録しておけば、変更を入力した時点で再計算と仕訳の作成まで自動で走ります。手作業が減るぶん時間が短くなるだけでなく、転記の過程で数値を取り違える余地がなくなる点が実務では大きく効きます。
判断の根拠が担当者の外に残り、監査で説明できる状態になる
リース期間をどう見積もったか、割引率に何を使ったか、この契約をなぜリースと判定したのかといった判断は、Excel管理では担当者の記憶やシートのメモに残るのが実情です。担当が替わると根拠をたどれなくなり、翌期に同じ判断を再現できません。
システムでは、判断の前提が契約データの属性として保存され、誰がいつ登録・変更したかの記録も残ります。注記に載せた数値がどの契約から積み上がったのかを画面上でたどれるため、監査での説明や承認プロセスの整備にもそのまま使えます。
リース資産管理システムのタイプ
ここからは、リース資産管理システムを「どこまでを1つの製品でまかなうか」という管理範囲で4つのタイプに分けて説明します。自社がどのタイプを中心に見るべきかの当たりをつけてから、比較表に進んでください。
リース資産の管理に特化したタイプ
リース契約の登録から会計処理・注記の出力までを、リース専用の機能でまかなう製品です。固定資産管理システムや会計システムは今のまま残し、新基準への対応に必要な部分だけを切り出して足せます。
既存の基幹システムを入れ替える必要がないぶん、検討と導入にかかる期間を短くしやすいのが特徴です。一方で、固定資産の台帳とリースの台帳が別々の製品に分かれるため、資産全体を1つの画面で見たい場合には向きません。
固定資産管理とあわせて管理するタイプ
固定資産管理システムの機能としてリース資産を扱う製品です。自己所有の資産とリース資産の台帳が1つにまとまり、償却計算も同じ仕組みの上で動きます。
すでに固定資産管理システムを使っているなら、同じベンダーの新基準対応機能を足すのが自然な流れになります。ただし、対応が上位の製品グレードだけに用意されていて、中小企業向けの製品では新基準の機能が使えないことがあります。いま使っている製品の名前だけで判断せず、対応がどの製品グレードに実装されているかを確認してください。
契約の管理から押さえるタイプ
契約書と契約情報の管理を起点に、リースに当たる契約の洗い出しと期日の管理を担う製品です。会計処理そのものは持たず、算定した契約情報を会計システムや固定資産管理システムに渡す設計になっています。
オンバランス対象の洗い出しに最も工数がかかると見込んでいる場合や、契約書が各部門に散らばっている場合に効きます。会計処理は別の製品で行うことになるため、このタイプだけで新基準対応が完結するわけではない点に注意してください。
会計システム・ERPの機能として使うタイプ
会計システムや基幹業務システム(ERP)の一部としてリース資産を扱う製品です。仕訳の連携が製品の中で完結し、他の基幹業務とデータを共有できます。
グループ会社を含めて会計基準を揃えたい場合や、海外拠点の契約も同じ仕組みで扱いたい場合に選択肢になります。導入は基幹システムの範囲に及ぶため、検討にかかる期間は他のタイプより長くなりがちです。
4つのタイプの違いを整理すると、次のとおりです。
| タイプ | リース資産の管理に特化したタイプ | 固定資産管理とあわせて管理するタイプ | 契約の管理から押さえるタイプ | 会計システム・ERPの機能として使うタイプ |
|---|---|---|---|---|
| 1つの製品でまかなう範囲 | リース契約の登録から会計処理・注記の出力まで | 自己所有資産とリース資産の台帳・償却計算・会計処理 | 契約書・契約情報の管理と、リースに当たる契約の洗い出し・期日管理(会計処理は連携先) | 会計・基幹業務と一体のリース資産管理(仕訳連携が製品内で完結) |
| 向いている企業 | 固定資産管理システムや会計システムは替えずに、新基準への対応だけを短い期間で足したい企業 | すでに固定資産管理システムを使っており、資産全体を1つの台帳で見たい企業 | 契約書が各部門に散らばっており、オンバランス対象の洗い出しに最も工数がかかると見込んでいる企業 | グループ会社や海外拠点を含めて会計基準を揃え、基幹業務とデータを共有したい企業 |
| 該当する主なサービス | ProPlus リース資産管理システム スーパーネットリース マネーフォワード クラウドリース会計 HUEリース会計 | HUE Asset PCAクラウド 固定資産 FAManager Plaza-i 固定資産管理システム 固定資産奉行V ERPクラウド ZeeM 固定資産管理 Universal Business Cloud 固定資産 | TOKIUM契約管理 Assetment Neo | SuperStream-NX 固定資産管理 PROACTIVE リース資産管理 Galileopt DX 固定資産・リース管理 multibook |
※上記は各タイプの一般的な守備範囲の傾向です。個別の製品が実際にどこまでを担うかは、後述の比較表と各社情報をご確認ください。
リース資産管理システムの選び方
ここからは、比較表を読むための軸を先に整理します。順番は実務の進み方に沿って、要否の判断から始めて、契約の洗い出し、会計処理の工程、帳簿と基準、システムの条件、運用の順に並べています。
専用システムを立てるか、いまの固定資産管理システム・会計システムの機能で足りるか
最初に決めるのは、リース専用の仕組みを別に立てるかどうかです。判断の材料は3つあります。

1つ目は契約件数です。オンバランス対象が10件に満たないなら、既存の固定資産管理システムに追加された機能で足りることが多く、専用システムを立てる費用に見合いません。100件を超え、毎期の条件変更も見込まれるなら、専用の仕組みを持つ判断に傾きます。その中間は、契約の複雑さと既存製品の対応範囲で判断が分かれます。
2つ目は契約の複雑さです。リース料が期間の途中で変わる契約、一定期間だけ賃料が免除される契約、中途解約や再リースの可能性がある契約が混ざっていると、単純な定額の割引計算では処理しきれません。こうした契約を扱えるかは、既存製品の追加機能では対応範囲が限られることがあります。
3つ目は、いま使っている製品が新基準に対応すると公式に表明しているかどうかです。同じブランドでも、対応機能が中堅・大企業向けの製品グレードにだけ実装され、中小企業向けの製品では使えないことがあります。製品名ではなく、自社が契約している製品グレードで対応機能が提供されるのかを確認してください。
ここでの判断が「既存の固定資産管理システムの側で対応する」方向に傾くなら、リース資産だけでなく、固定資産の台帳管理や減価償却計算、償却資産税の申告まで含めて製品を見比べることになります。固定資産管理システム全般の機能・料金と選び方は、以下の記事で整理しています。
リースに当たる契約の識別・洗い出しをどこまで支援するか
識別の工程で製品を比べるときは、「契約書の山からリースを探し出す」支援と、「登録済みの契約について会計処理の要否を判定する」機能を分けて見てください。比較表ではどちらも同じ記号になりますが、担う作業はまったく違います。前者は洗い出しそのものを肩代わりし、後者は洗い出しが済んだ後の処理を助けるものです。
レンタルやサブスクリプションの形をとる契約がどこまで判定の対象に入るかは、洗い出しの範囲を決める段階で迷いやすい部分です。短期リース・少額リースの簡便的な取扱いとの関係も含めて、『新リース会計基準でレンタル・サブスクはどうなる?オンバランス判定の基準と実務対応を徹底解説』で整理しています。
契約書が紙で各部門に散らばっている状態なら、スキャンと台帳化まで引き受けられるかも判断材料になります。判定の根拠を示せる製品なら、監査法人への説明にもそのまま使えます。
新基準の実務工程をどこまでカバーするか
先に挙げた6つの工程のうち、どこまでを製品が担うのかは横並びで確認することが重要です。機能一覧に「新リース会計基準対応」と書かれていても、初年度の遡及計算まで自動化しているのか、通常期の計算だけなのかで、初年度にかかる負担はまったく違います。
公式サイトに記述がない工程については、対応していないと決めつけるのではなく、問い合わせで確認すべき項目として扱ってください。本記事の比較表では、公式情報で確認できなかった項目を「公式情報では未確認」と表示しています。どこまで公開しているかの差自体も、検討時に問い合わせるべき点を絞り込む材料になります。
対応する会計基準の範囲と複数帳簿での並行管理
日本の新基準だけに対応すればよいのか、IFRSも同時に扱う必要があるのかで、選ぶ製品の幅が変わります。IFRSを適用しているグループでは、日本基準・税務・IFRSの3系統を同じ契約データから並行して出せることが要件になります。
工程⑤(会計と税務の差異)で挙げた並行管理は、製品側では何系統の帳簿を同時に持てるかで見るのが実務的です。系統の数に加えて、それぞれで償却方法やリース期間を別々に設定できるかまで確認してください。
ここで最も注意したいのが、「IFRS第16号対応」と書かれていても、日本の新リース会計基準に対応しているとは限らない点です。IFRSには以前から対応しており、日本の新基準への対応は今後のバージョンアップで提供する、という製品が少なくありません。
本記事で扱う17製品を、2026年8月時点で公式情報から読み取れる新基準への対応状況で分けると、次のようになります。
| 対応状況 | 対応済み(公式に対応を明示) | 提供予定(時期が示されている) | 対応の方針・予定のみ(時期は非公表) | 会計処理は担わない/方針の公表なし |
|---|---|---|---|---|
| 件数 | 8製品 | 3製品 | 4製品 | 2製品 |
| 該当する主なサービス | ProPlus リース資産管理システム(2025年10月) マネーフォワード クラウドリース会計(2025年11月) HUEリース会計(2025年4月) HUE Asset(2024年10月) 固定資産奉行V ERPクラウド(2025年4月) Plaza-i 固定資産管理システム(2026年5月) Universal Business Cloud 固定資産(2026年8月。時期の出所は販売代理店の発表) multibook(時期の記載なし。公式サイトに完全対応と記載) | PCAクラウド 固定資産(2026年秋) FAManager(2026年夏以降に順次) PROACTIVE リース資産管理(2026年4月予定・2026年8月時点の記載) | ZeeM 固定資産管理(開発予定の機能例を公表) SuperStream-NX 固定資産管理(影響額試算ツールは2025年2月から提供) Galileopt DX 固定資産・リース管理(2025年2月に方針を公表) スーパーネットリース | TOKIUM契約管理(リースの識別に対応。会計処理は連携先が担当) Assetment Neo(対応方針の公表なし) |
| 選定時の見方 | そのまま検討に進める。実務工程のどこまでを担うかで絞り込む | 提供時期を確認し、適用開始に間に合うかを見る。PROACTIVE は公表された予定時期を過ぎているため、提供済みかどうかを問い合わせで確認する | 適用開始に間に合うかを直接確認する。試算ツールの提供と本体機能の対応は別に数える | 単体では新基準対応が完結しない。会計処理を担う製品と組み合わせる前提で見る |
※2026年8月時点で各社の公式サイト・プレスリリースから確認できた記載にもとづく整理です。最新の提供状況は各社にご確認ください。
適用開始まで残された期間を考えると、対応済みの製品と、時期が公表されていない製品では、検討に組み込むときのリスクが変わります。対応時期が読めない製品を候補に残す場合は、問い合わせで時期の確認を取ってから比較に進めてください。
提供形態と既存システムとの連携
提供形態はクラウド型、オンプレミス型、基幹システムの一機能の3つに大きく分かれます。クラウド型は、会計基準や税制の改正時にベンダー側で更新が反映されるため、自社で改修を手配する必要がありません。新基準のあとも実務の細部は動く可能性があるため、更新の手当てをどちらが持つかは長い目で見ると差になります。
連携については工程⑥(仕訳の作成と会計連携)で触れたとおりで、確認したいのは取り込み側のフォーマットに合わせられるか、合わせるための加工が毎月発生しないかです。デモの段階で自社の実データを使って一度通してもらうと、運用に乗るかどうかが判断できます。
導入支援・サポート体制と、基準改正時のアップデート
初年度は、契約データの初期登録と遡及計算という通常期にはない作業が発生します。この部分を自社だけで進めるのか、ベンダーの導入支援を使うのかで、必要な期間と社内の負担が変わります。導入支援が有償か無償か、どこまでを引き受けるのかは製品によって異なるため、見積もりの段階で範囲を確認してください。
運用開始後は、問い合わせの窓口と対応時間が実務を左右します。決算期の締めの時期に確認したいことが出たとき、その日のうちに回答を得られるかどうかは、対応時間の長さで決まります。あわせて、基準や税制の改正に対する更新が追加費用なしで提供されるのかも確認しておく項目です。
リース資産管理システムの料金体系と費用の見方
ここからは、費用の見当をつけるために、料金がどのような単位で決まるのかと、公開されている情報の読み方を整理します。
料金が決まる単位
リース資産管理システムの料金は、管理する契約の件数を単位にするものと、利用するユーザー数や法人数を単位にするものに分かれます。契約件数を単位にする製品では、上限件数ごとに料金が段階的に上がる形が一般的で、自社の契約件数を数えれば費用の見当がつきます。
固定資産管理システムの一部として提供される製品では、管理する資産数の上限がプランの区切りになっていることがあります。この場合、リース資産だけでなく自己所有の固定資産も同じ枠を消費するため、社内の資産件数を合わせて数える必要があります。
初期費用・導入支援費用の考え方
クラウド型の製品では初期費用を設けないものと、初期設定の費用として数万円から数十万円を求めるものがあります。オンプレミス型や基幹システムの一機能として導入する場合は、ライセンス費用に加えて構築の費用がかかるため、月額だけを比べても実際の負担はつかめません。
初年度には、契約データの初期登録と遡及計算の支援を依頼する費用が別途発生することがあります。見積もりを取る際に自社の契約件数と、リース料が途中で変わる契約が何件あるかを添えると、返ってくる金額が実際に近づきます。
公開されている料金と「要問い合わせ」の製品をどう比べるか
このカテゴリでは、料金を公式サイトで公開している製品は多くありません。本記事で扱う17製品のうち、金額を確認できたのは6製品で、残る11製品は「要問い合わせ」です。公開されている金額は次のとおりです。
| サービス名 | PCAクラウド 固定資産 | HUEリース会計 | TOKIUM契約管理 | Assetment Neo | ZeeM 固定資産管理 | Universal Business Cloud 固定資産 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 公開されている金額 | 月額16,200円(税抜) | 月額30,000円〜 | 基本利用料 月額10,000円〜 | 月額47,000円〜442,000円(Standard) | 月額93,000円〜 | 初期費用1,000,000円+年額720,000円 |
| 課金の単位・条件 | 通常版・1ユーザーの単体利用時(2026年8月時点)。2か月の無料体験あり | リース契約50件までの場合。件数に応じた従量課金で、利用人数・社数による追加費用はなし。導入支援は別途見積 | 契約書の件数に応じた従量課金を加算。アカウント数は無制限。初期費用は要問い合わせ | 資産数と利用する機能により変動。資産数無制限の Enterprise は個別見積 | 2026年9月30日までの新規契約キャンペーン価格。3ユーザー・5法人・最大10,000資産まで。通常価格は非公開 | いずれも税別。基本プラン・利用者3名。上位プランの金額は非公開 |
※2026年8月時点で各社の公式サイトに掲載されていた金額です。掲載のない製品は「要問い合わせ」としています。
公開されているのはいずれも契約件数・資産数・ユーザー数で区切られたプランで、上場企業グループの規模を想定した製品はほぼ非公開です。この一覧は「自社の規模だといくらか」の答えにはならず、課金の単位がどう置かれているかを知るための材料と捉えてください。
公開・非公開の別は、製品の性格をある程度映しています。契約件数やユーザー数で料金が決まる製品は金額を提示しやすいため公開されやすく、企業ごとに要件を確認したうえで構成を組む製品は非公開になりやすい傾向があります。前者は自社の件数から費用を見積もって候補を絞り込めるのに対し、後者は問い合わせて初めて金額が分かります。
比較の進め方としては、公開されている製品の金額で費用の相場感をつかんでから、非公開の製品に問い合わせるのが効率的です。その際、公開製品の金額を基準に「同等の契約件数でどの程度になるか」と尋ねると、回答が具体的になります。
ここまでの軸を踏まえても、自社がどのタイプに当てはまるかの判断が難しいケースもあります。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
一括ダウンロードする
【比較表】リース資産管理システム17選
ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要なリース資産管理システム17製品を、管理範囲による4つのタイプに分類してご紹介します。列は先に整理した6つの実務工程をそのまま並べています。
読み方で押さえておきたい点が2つあります。1つは、「公式情報では未確認」は非対応を意味しないことです。公式サイトに記述が見当たらなかったという意味で、問い合わせで確認すべき箇所の印として読んでください。未確認が多い製品は情報公開が控えめなだけのこともありますが、確認に時間がかかる分、期日から逆算した検討では不利に働きます。
もう1つは、同じ記号でも中身が違うことです。とくに識別支援の列では、契約書からリースを探し出すものと、登録済みの契約について会計処理の要否を判定するものが同じ記号になります。記号だけで絞り込まず、セルの注記まで目を通すことをおすすめします。
リース資産の管理に特化したタイプの比較
| サービス名 | ProPlus リース資産管理システム | スーパーネットリース | マネーフォワード クラウドリース会計 | HUEリース会計 |
|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | オンプレミス/クラウド (リース資産管理システム単独の提供形態は公式情報では未確認) | クラウド | クラウド | クラウド |
| 対応する会計基準 | 新リース会計基準: 対応(2025年10月) IFRS第16号: 対応 | 新リース会計基準: 対応予定(開始時期は非公表) IFRS第16号: 対応 | 新リース会計基準: 対応(2025年11月提供開始) IFRS第16号: 公式情報では未確認 | 新リース会計基準: 対応(2025年4月) IFRS第16号: 単独での対応は公式情報では未確認 |
| リースの識別支援 | ●契約ごとに使用権資産・リース負債の認識要否を自動判定 | 公式情報では未確認 (オンバランス・オフバランスの分類判定には対応) | ●調査票の入力内容から自動判定し承認ワークフローで確認。契約書からの識別は同社クラウド契約のリース識別エージェントと組み合わせ | 公式情報では未確認 |
| 初年度の遡及計算 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 |
| 再測定と変更履歴 | ●リース期間・リース料の変更、再リース、解約に伴う再測定に対応。契約締結から満了までの変更履歴を一元管理 | ●リース料・家賃の変更や契約期間の延長を入力すると現在価値を自動再計算(変更履歴の保持は公式情報では未確認) | ●契約変更後の再見積りに対応(変更履歴の保持は公式情報では未確認) | ●リース期間・リース料の変化を入力すると自動で再計算。変更履歴が残り仕訳や増減にも反映 |
| 注記情報の出力 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | △機能一覧に「各種帳票・注記情報の出力」の記載。出力できる注記の範囲は非公表 | ●部門・種類別に集計し、償却費・利息費用・増減など注記で求められる情報を照会・出力 |
| 会計と税務の差異 | ●会計・税務・IFRSの複数帳簿を同時管理して差異を自動算出。別表四・別表五(一)対応帳票 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | ●会計・税務双方の費用を個別に保持し、差額を出力 |
| 仕訳作成・会計連携 | △仕訳出力に対応(自動作成の条件・外部会計システムとの連携方式は公式情報では未確認) | △CSVで抽出したデータを連携先の取込形式へ変換(仕訳伝票の自動生成・API連携は公式情報では未確認) | ●リース仕訳を自動作成。CSV出力と、クラウド会計PlusへのAPI連携 | ●契約情報から仕訳を自動作成。利用中の会計システム向けに自動連携の構築も可能(連携方式は非公表) |
| 料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ (資産数・利用人数・利用会社数に応じた月額。契約期間は5年) | 要問い合わせ | 月額30,000円〜 (リース契約50件までの場合。件数に応じた従量課金、利用人数・社数による追加費用なし) 導入支援は別途見積 |
| 導入実績 | ProPlusシリーズ累計5,500社以上 (時点の明記なし) | 非公開 | 非公開 | 非公開 |
| 詳細情報 | 詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※各項目は2026年8月時点の各社公式サイトの記載に基づきます。●は対応の記載があるもの、△は対応の範囲が限られるもの、または提供予定として時期が示されているもの(どちらかはセルの注記に記載)、×は自社製品では行わないと明記されているものです。「公式情報では未確認」は公式サイトで記述を確認できなかったことを示すもので、非対応を意味しません。同じ記号でも担う作業の中身は製品により異なるため、セルの注記をあわせてご確認ください。導入実績は各社が公開している数値で、製品シリーズ全体の累計を含みます。最新の対応状況は各社にご確認ください。
固定資産管理とあわせて管理するタイプの比較
| サービス名 | HUE Asset | PCAクラウド 固定資産 | FAManager | Plaza-i 固定資産管理システム | 固定資産奉行V ERPクラウド | ZeeM 固定資産管理 | Universal Business Cloud 固定資産 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | オンプレミス/クラウド (HUEシリーズの構成モジュール) | クラウド | クラウド | オンプレミス/クラウド | クラウド (ERPの一機能) | オンプレミス/クラウド | クラウド |
| 対応する会計基準 | 新リース会計基準: 対応(2024年10月) IFRS第16号: 対応 | 新リース会計基準: 2026年秋提供予定(最新版への無償バージョンアップ) IFRS第16号: 公式情報では未確認 | 新リース会計基準: 2026年夏以降に順次搭載予定(影響額試算ツールは2025年1月版で提供) IFRS第16号: 公式情報では未確認 | 新リース会計基準: 対応(2026年5月提供開始) IFRS第16号: 対応 | 新リース会計基準: 対応(2025年4月、標準機能) IFRS第16号: 公式情報では未確認 | 新リース会計基準: 対応予定(提供時期は非公表。既存利用者には法改正対応アップデート版として提供する方針) IFRS第16号: 対応 | 新リース会計基準: 対応(2026年8月販売開始) IFRS第16号: 公式情報では未確認 |
| リースの識別支援 | ●リース会計処理の自動判定とオンバランス処理(リース自動判定) | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | △契約書からのリース識別はAIエージェント「新リース会計識別クラウド」が担当(公式に別サービスと明記)。本製品単体での識別支援は公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 |
| 初年度の遡及計算 | 公式情報では未確認 | △2026年秋提供予定。使用権資産をリース開始日から償却した帳簿価額とするか、リース負債と同額とするかを選択 | △適用初年度の累積的影響額の自動算定を2026年夏以降に順次搭載予定 | 公式情報では未確認 | ●Excelの取り込みで適用初年度の遡及計算を自動化 | △「適用初年度の訴求計算への対応」を開発予定の機能例として製品ページに記載(「訴求」は公式ページの表記のまま) | 公式情報では未確認 |
| 再測定と変更履歴 | △計上額の再見積りに標準機能で対応。変更履歴の保持は公式情報では未確認 | △2026年秋提供予定。契約条件・リース期間・リース料の変更時に自動再計算し、見直し仕訳を自動作成 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | ●再測定後の金額計算を自動化(変更履歴の保持・追跡の仕様は非公表) | △「契約登録/契約修正」を開発予定の機能例として記載(変更履歴の保持は非公表) | 公式情報では未確認 (リース負債・利息費用・元本残高の更新には対応) |
| 注記情報の出力 | ●新リース会計基準の基本的対応に加えて注記対応も網羅と明記 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | ●財務諸表の注記に用いる金額を自動集計(出力形式は非公表) | 公式情報では未確認 | ●注記表の出力に対応 |
| 会計と税務の差異 | ●会計上・税務上のリース期間や金額を個別に保持・管理(2025年7月に無償バージョンアップで追加) | △2026年秋提供予定。オペレーティング・リースで生じる会計と税務の差額を自動計算し別表16に出力 | △会計と税務の差異を踏まえた申告調整額の把握を2026年夏以降に順次搭載予定 | ●同一資産に経理用・税務用の2帳簿を登録し、耐用年数・償却方法・残存価額を別々に設定 | ●税務基準・会計基準双方の金額を保持し、税務基準によるリース判定と申告調整に対応 | △固定資産管理側は会計・税務を含む最大5台帳を登録。リース資産管理側の税務対応は非公表 | ●会計基準・税法基準の双方に対応した減価償却計算(差異の調整方法は非公表) |
| 仕訳作成・会計連携 | △HUEシリーズ内のモジュール連携が前提。他社会計システムとの連携可否は公式情報では未確認 | ●PCA会計シリーズと連携し、出力パターン機能で他社会計システムへもテキスト出力(新基準の仕訳自動作成は2026年秋提供予定) | △リース料支払時の仕訳作成に対応(2024年7月版)。新基準対応後の仕訳作成・連携は公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | ●仕訳データを自動作成。勘定奉行iクラウドへ直接連携し、他社会計システムへはCSV出力 | △「新リース会計基準に即した仕訳伝票作成」「他システム連携」を開発予定の機能例として記載 | △仕訳の出力に対応(自動作成の条件・外部会計システムとの連携方式は非公表) |
| 料金 | 要問い合わせ (定額保守の範囲でバージョンアップを永続提供) | 月額16,200円(税抜) (通常版・1ユーザーの単体利用時、2026年8月時点) 2か月の無料体験あり | 要問い合わせ | 要問い合わせ (税制改正に伴うバージョンアップは保守料の範囲) | 要問い合わせ | 月額93,000円〜 (2026年9月30日までの新規契約キャンペーン価格。3ユーザー・5法人・最大10,000資産まで) 通常価格は非公開 | 初期費用1,000,000円 年額720,000円 (いずれも税別、基本プラン・利用者3名) 上位プランの金額は非公開 |
| 導入実績 | 1,300社以上 (時点の明記なし) | PCAクラウド全体で25,000法人超 (固定資産単体の社数は非公開) | 800社超 (2026年2月のプレスリリース) | 非公開 | 非公開 | ZeeMシリーズ累計2,000社以上 (時点の明記なし) | 非公開 |
| 詳細情報 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※記号の凡例と出典の扱いは上表と同じです。各項目は2026年8月時点の各社公式サイトの記載に基づきます。
契約の管理から押さえるタイプの比較
| サービス名 | TOKIUM契約管理 | Assetment Neo |
|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド | クラウド |
| 対応する会計基準 | 新リース会計基準: リースの識別に対応(2025年3月から標準機能)。会計処理は連携先のシステムが担当 IFRS第16号: 公式情報では未確認 | 新リース会計基準: 対応方針の公表なし(2026年8月時点) IFRS第16号: 公式情報では未確認 |
| リースの識別支援 | ●AIが契約書全文を読み取り、企業会計基準委員会の「リースの識別の判断」に沿って判定。根拠条文を添えてCSV出力 | 公式情報では未確認 |
| 初年度の遡及計算 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 |
| 再測定と変更履歴 | ×使用権資産・リース負債の計算は自社製品では行わず、識別した契約情報を固定資産管理システムへCSVで引き渡す | ×減価償却計算はできないと公式サイトに明記。使用権資産・リース負債の算定は行わない |
| 注記情報の出力 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 |
| 会計と税務の差異 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 |
| 仕訳作成・会計連携 | ×仕訳の作成は行わない。連携は各システムの形式に合わせたCSV出力 | ×仕訳の作成は行わず、CSV・APIで固定資産管理システムへ引き渡す(SuperStream-NX、固定資産奉行、ProPlusなどと連携実績) |
| 料金 | 基本利用料 月額10,000円〜 (契約書の件数に応じた従量課金を加算。アカウント数は無制限) 初期費用は要問い合わせ | Standard 月額47,000円〜442,000円 (資産数・利用機能により変動) Enterprise(資産数無制限)は個別見積 |
| 導入実績 | TOKIUMシリーズ累計3,000社超 (2025年11月末時点。契約管理単独の社数は非公開) | 800社超・80万人 (2026年1月時点) |
| 詳細情報 | 詳細を見る | 詳細を見る |
※記号の凡例と出典の扱いは上表と同じです。各項目は2026年8月時点の各社公式サイトの記載に基づきます。
会計システム・ERPの機能として使うタイプの比較
| サービス名 | SuperStream-NX 固定資産管理 | PROACTIVE リース資産管理 | Galileopt DX 固定資産・リース管理 | multibook |
|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | オンプレミス/クラウド (ERPの一機能) | オンプレミス/クラウド (ERPの一機能) | オンプレミス/クラウド (ERPの一機能) | クラウド (ERPの一機能) |
| 対応する会計基準 | 新リース会計基準: 本体機能の対応時期は非公表(影響額試算ツールを2025年2月から無償提供) IFRS第16号: 対応 | 新リース会計基準: 対応版は2026年4月リリース予定(2026年8月時点の公式表記) IFRS第16号: 固定資産管理側で対応(リース資産管理単体は公式情報では未確認) | 新リース会計基準: 対応方針を公表(機能詳細・提供時期は非公表、2025年2月発表) IFRS第16号: 公式情報では未確認(1資産に最大5パターンの簿価・償却方法を登録でき、日本基準とIFRSの帳簿を並行管理できると記載) | 新リース会計基準: 完全対応と公式サイトに記載 IFRS第16号: 対応(現地基準・日本基準との並行管理) |
| リースの識別支援 | ●オペレーティング・ファイナンスの区分、所有権移転の有無、短期リースの判定を登録内容から自動化 | ●リース取引の契約形態を登録内容から自動判定。使用権資産・リース負債の概算を出す簡易計算ツールの提供を予告 | 公式情報では未確認 | ●AI OCRで契約書を読み取り、AIリース判定でリースの識別とオンバランス判定(公式は一次判定と明記) |
| 初年度の遡及計算 | △影響額試算ツールで2通りの試算が可能。本体機能としての遡及計算は公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 |
| 再測定と変更履歴 | 公式情報では未確認 (再リース・中途解約・移動・返却・分割などの異動処理には対応) | △不動産管理システムについて「契約変更時の対応もスムーズに行うことが可能」と公式に記載。再計算の粒度と変更履歴の保持は公式情報では未確認 | 公式情報では未確認 (部門間移動・償却方法変更・遊休設定は履歴として保持) | △条件変更・中途解約・満期継続に対応。変更履歴の管理は公式情報では未確認 |
| 注記情報の出力 | 公式情報では未確認 | ●決算報告に必要な開示情報(表示・注記)を出力できると明記 | 公式情報では未確認 | ●注記情報の出力に対応(出力できる注記の範囲は非公表) |
| 会計と税務の差異 | ●会計・税務・IFRS・管理会計など最大5種類の台帳を同時運用 | ●会計と税務で異なる償却期間などをそれぞれ管理。固定資産管理側は会計用・管理用・税務用を含む5種類の償却費管理 | 公式情報では未確認 (1資産に最大5パターンの簿価・償却方法を登録可能) | 公式情報では未確認 |
| 仕訳作成・会計連携 | ●固定資産・リース資産・除去債務資産の仕訳を日本基準とIFRSの両形式で自動作成し、統合会計・支払管理へリアルタイム連携 | ●ファイナンス・リースや減損会計の自動仕訳を、同じERP内の財務会計・債務管理へ連携 | 公式情報では未確認 (建設仮勘定は会計モジュール財務大将へ自動仕訳連携) | ●既存の会計システムへの仕訳連携と連結修正仕訳の自動出力(連携先システム名は非公表) |
| 料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 導入実績 | SuperStream-NXシリーズ累計11,000社以上 (2026年8月時点の公式サイト記載) | PROACTIVEシリーズ累計7,500社超 (時点の明記なし) | 非公開 | リース資産管理機能は50社超 (グローバルクラウドERP全体では世界40か国以上・750社以上) |
| 詳細情報 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 公式サイト |
※記号の凡例と出典の扱いは上表と同じです。各項目は2026年8月時点の各社公式サイトの記載に基づきます。
各社の対応範囲と料金は、資料に記載されている条件まで見ないと自社の件数での実額が読めません。
一括ダウンロードする
リース資産管理システム17選の詳細
ここからは、17製品それぞれについて、6つの実務工程のどこまでを担うのかを中心にご紹介します。
リース資産の管理に特化したタイプ
1. ProPlus リース資産管理システム(株式会社プロシップ)

1994年の販売開始以来、固定資産・リース会計の領域に絞って開発を続けてきた株式会社プロシップのパッケージです。固定資産システムと同じ製品群のモジュールとして提供され、新リース会計基準に対応したVersion 6を2025年10月31日にリリースしています。初期費用・月額とも要お問い合わせです。
登録した契約ごとに使用権資産・リース負債を計上するかどうかを自動で判定し、リース期間やリース料の変更、再リース、全部・一部解約に伴う再測定まで扱います。契約締結から満了までの変更履歴を一元管理する点も、公式サイトに明記されています。
会計基準と税務の双方に対応した複数帳簿を同時に管理して差異を自動算出し、2025年6月30日公表の改正法人税基本通達等に準拠した別表四・別表五(一)対応の帳票を提供します。1契約に対してIFRS第16号・日本基準・税務基準を並行して持てる設計です。ただし、初年度の遡及計算と注記情報の収集・出力については、公式サイトでは確認できません。
2. スーパーネットリース(三井住友ファイナンス&リース株式会社)

複数のリース会社と結んだ契約・物件・支払の情報を1つの台帳に集めることを起点にした、クラウド型のシステムです。提供元はリース事業を本業とする三井住友ファイナンス&リースで、契約項目60項目・物件項目160項目まで独自の管理項目を設定できます。借地契約や建物賃貸契約といったリース以外の契約も、同じ台帳で扱えます。
リース料や家賃の変更、契約期間の延長を入力すると、使用権資産とリース負債の現在価値を自動で再計算します。日本のリース会計基準とIFRS第16号それぞれの帳票を自動作成できる一方、新リース会計基準への対応は2026年8月時点の公式FAQで「対応を予定」とされており、開始時期は公表されていません。
初年度の遡及計算、注記情報の収集・出力、会計と税務の差異への対応は、公開されている情報からは読み取れず、問い合わせでの確認事項になります。仕訳についてはCSVでデータを抽出し、連携先システムの取込フォーマットへ変換する方法が案内されている一方、仕訳伝票の自動生成やAPIによる直接連携までは示されていません。
料金は資産数・利用人数・利用会社数に応じた月額で、金額は要問い合わせです。契約期間は5年で、制度改正に伴うシステム改修の費用は原則かかりません。
3. マネーフォワード クラウドリース会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワードが2025年11月28日に提供を開始した、新リース会計基準への対応に用途を絞ったクラウドサービスです。公式サイトはIPO準備企業や中堅〜上場企業のグループ会社を対象に挙げています。あわせて、マネーフォワード クラウド会計Plusの契約を前提とせず、他社の契約管理・会計・固定資産管理のシステムを使ったまま単独で導入できると明記しています。
調査票に入力した内容からリースに当たるかどうかを自動で判定し、承認ワークフローで人による確認を挟めます。契約書そのものからの識別は、同社のマネーフォワード クラウド契約に2025年12月3日から加わったリース識別エージェントと組み合わせる構成です。
割引現在価値の計算による使用権資産・リース負債の算定、契約変更後の再見積り、リース仕訳の自動作成にも対応し、仕訳はCSVで出力するか、クラウド会計PlusとAPIで連携します。
一方、初年度の遡及計算、会計と税務の差異への対応、IFRSを含む複数帳簿の扱いには、公式サイトでの言及がありません。注記も機能一覧に「各種帳票・注記情報の出力」という項目名があるだけで、どの注記事項までを出力できるかは示されていません。この3点は、資料請求時の質問リストに入れておきたい項目です。料金は要問い合わせです。
4. HUEリース会計(株式会社ワークスアプリケーションズ)

固定資産管理システム「HUE Asset」のリース管理のノウハウをもとに、新リース会計基準への対応に必要な機能を絞り込んだSaaSです。開発元のワークスアプリケーションズが2025年4月25日にリリースし、公式にはリース契約件数や運用体制が限られている企業向けと説明されています。
ただし2026年6月30日には、グループ展開時に契約数が数千件規模になる見込みの住友電気工業株式会社による採用も発表されました。
リース期間やリース料の変化を入力すると自動で計算し直し、変更履歴が残って仕訳や増減にも反映されます。注記については、部門や種類別に集計したうえで、償却費・利息費用・増減など注記で求められる情報を照会・出力できます。会計と税務の差異も、2024年12月に発表された税制改正大綱の内容に従って双方の費用を個別に保持し、差額を出力できると明記されています。
料金は月額30,000円から(リース契約50件までの場合)の従量課金で、利用人数や利用社数による追加費用はかかりません。導入支援サービスは別途見積もりです。仕訳は契約情報から自動作成し、利用中の会計システム向けに自動連携を構築することも可能とされています。ただし連携方式の詳細と、初年度の遡及計算、リースに当たる契約の識別支援については、公式サイトでは確認できません。
固定資産管理とあわせて管理するタイプ
5. HUE Asset(株式会社ワークスアプリケーションズ)

株式会社ワークスアプリケーションズが大手企業向けに提供する固定資産管理システムです。固定資産の台帳管理に加えて、リースに当たる契約の自動判定とリース資産のオンバランス処理を標準機能として備えます。導入実績は公式サービスページで1,300社以上とされています。
新リース会計基準への対応機能は2024年10月にリリースされ、2025年7月には会計上と税務上のリース期間・金額を個別に保持できる機能が追加されました。これらのバージョンアップは定額の保守契約の範囲内で提供され、基準改正のたびに追加費用は発生しません。
注記への対応と、リース負債・使用権資産の再測定については公式サービスページに記載があります。一方、適用初年度の遡及計算、変更履歴の保持、他社の会計システムとの連携可否は公式サイトでは確認できないため、問い合わせで確かめる項目になります。
6. PCAクラウド 固定資産(ピー・シー・エー株式会社)

減価償却計算から資産棚卸、償却資産税の電子申告までを扱うクラウド型の固定資産管理ソフトで、リース資産も同じ台帳の中で管理します。単体で利用する場合の料金は月額16,200円(税抜)と公式の料金ページに掲載されており(2026年8月時点、1ユーザー利用時)、2か月の無料体験も用意されています。
新リース会計基準への対応は2026年秋の提供予定で、最新版への無償バージョンアップとして提供されます。公式サイトが挙げているのは、適用初年度の遡及計算、契約条件やリース料の変更にともなう自動再計算と見直し仕訳の作成、オペレーティング・リースで生じる会計と税務の差額の自動計算と別表16への出力などです。
遡及計算では、使用権資産をリース開始日から償却した帳簿価額とするか、リース負債と同額とするかを選べます。仕訳はPCA会計シリーズと連携するほか、出力パターン機能で他社の会計システムへテキストで渡せます。注記に必要な情報の集計と出力について、公開されている情報に記載はありません。
7. FAManager(株式会社TKC)

上場企業グループでの運用を想定したクラウド型の固定資産管理システムで、リース会計・減損会計・資産除去債務を標準機能として備えます。株式会社TKCが2015年8月にクラウド版の提供を開始し、導入実績は800社超と2026年2月のプレスリリースに記載されています。
新リース会計基準については、2025年1月版で影響額の試算ツールが提供されました。使用権資産・リース負債の登録と一元管理、適用初年度の累積的影響額の自動算定、会計と税務の差異を踏まえた申告調整額の把握は、2026年夏以降に順次搭載される予定とされています。
税務面では法人税申告書別表16と償却資産申告書を自動作成し、e-TAX償却資産と連携した電子申告まで行えます。導入にはTKC全国会に加盟する税理士・公認会計士が関与する体制が示されており、初期費用・月額とも公開されていないため見積もりが必要です。
8. Plaza-i 固定資産管理システム(株式会社ビジネス・アソシエイツ)

株式会社ビジネス・アソシエイツのERPパッケージ「Plaza-i」の一モジュールですが、固定資産管理だけを単体で導入することもできます。クラウドとオンプレミスのどちらにも対応し、上場企業・大手会計事務所・全国の金融機関での導入実績が公式サイトに示されています。
同じ資産に経理用と税務用の2つの帳簿を登録し、耐用年数・償却方法・残存価額をそれぞれ別に設定できます。減損会計・資産除去債務・IFRS第16号のリース処理にも対応し、1つのデータベースで関連会社を複数管理できるため、グループ各社の経理業務を1か所に集約するシェアードサービスでの運用にも向きます。
日本の新リース会計基準への対応機能は、公式の機能ページに「新リース会計基準対応機能は2026年5月より提供開始しております」と記載されています。税制改正にともなうバージョンアップは保守料の範囲で提供され、料金は公式サイトに掲載がないため構成に応じた見積もりが必要です。
9. 固定資産奉行V ERPクラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

SaaS型ERP「奉行V ERPクラウド」の固定資産管理モジュールで、固定資産とリース資産を同じ仕組みの上で扱います。新リース会計基準への対応機能は2025年4月に標準機能として提供が始まり、オプションの追加導入や追加のセットアップ費用は不要とされています。
公式が挙げる対応機能は、先に挙げた6つの工程の広い範囲に及びます。ただし契約書からリースに当たるかをAIが判定する機能は、公式に別サービスと明記された奉行AIエージェント「新リース会計識別クラウド」が担い、判定した結果を本製品に取り込む構成です。本製品側は、Excelの取り込みによる適用初年度の遡及計算、再測定後の金額計算、仕訳の自動作成を標準機能として提供します。
仕訳は勘定奉行iクラウドへ直接連携し、他社の会計システムへはCSVで出力します。
注記については、財務諸表の注記に用いる金額を自動集計するとプレスリリースに記載がありますが、出力の形式までは公開されていません。新基準対応の機能が案内されているのは中堅・上場企業向けの本製品です。同じ固定資産奉行ブランドでも、中小企業向けの固定資産奉行iクラウドの製品ページは、新基準対応を検討する読者を本製品とAIエージェントへ案内する構成になっています。
ただしグループ関連子会社向けには、同じ対応機能を備えた「固定資産奉行V ERPクラウド 新リース会計基準対応 特別版」が2025年5月12日に発売されています。料金は要問い合わせです。
10. ZeeM 固定資産管理(株式会社クレオ)

リース資産管理の機能だけを単体で導入することも、固定資産管理と組み合わせて使うこともできる製品です。株式会社クレオの中堅・大手企業向けERP「ZeeM」シリーズの一部として提供され、シリーズ全体での導入実績は2,000社以上と公式サイトに記載されています。
新基準への対応は、公式製品ページで「すでに同システムをご利用中のお客様には標準的な法改正対応アップデート版として提供します」という方針が示されている段階です。同ページは「開発予定の機能例」として、適用初年度の遡及計算への対応、契約登録/契約修正、新リース会計基準に即した仕訳伝票作成、他システム連携の4つを挙げています。固定資産管理側は、会計・税務の台帳を含めて最大5台帳を登録できます。
提供時期は公表されておらず、注記情報の出力、リース資産管理側で複数の帳簿を持てるか、リースに当たる契約の判定を支援する機能があるかも公式サイトでは確認できません。通常価格は非公開で、新規契約のキャンペーンページに月額93,000円からという金額が示されています(2026年9月30日までの発注が対象、3ユーザー・5法人・最大10,000資産までの条件)。
11. Universal Business Cloud 固定資産(デロイト トーマツ プロダクト&テクノロジー株式会社)

デロイト トーマツが開発したSaaS型のリース・固定資産管理システムで、販売代理店を通じて2026年8月に販売が始まりました。提供主体は公式ページでは「デロイト トーマツ プロダクト&テクノロジー株式会社」、販売代理店のページでは「合同会社デロイト トーマツ」と記載が分かれています。
リース契約情報の一元管理から、リース負債の自動計算と利息相当額の算出、使用権資産の減価償却や償却イベントの管理までを1つのシステムで扱います。
料金は公式サイトに実額が示されており、基本プランは初期費用1,000,000円・年額720,000円(いずれも税別、利用者数3名)です。上位のプランは事業規模やニーズに応じて用意されるとの記載にとどまり、金額は公開されていません。
出力面では、注記表・法人税申告書別表16・償却資産申告書と仕訳データに対応し、減価償却計算は会計基準と税法基準の双方で行えます。一方、適用初年度の遡及計算、条件変更時の再測定と変更履歴の管理、リース判定の支援には、製品ページでの言及がありません。IFRSへの対応も、本製品のページには明記がありません。
契約の管理から押さえるタイプ
12. TOKIUM契約管理(株式会社TOKIUM)

紙・電子を問わず締結済みの契約書をクラウド上で一元管理し、そこからリースに当たる契約を洗い出す工程を担う製品です。提供元は経費精算や請求書受領などの支出管理サービスを手がける株式会社TOKIUMで、紙の契約書は郵送するだけで製本されたままの非破壊スキャンと原本保管を代行し、AI OCRで全文をデータ化します。料金は基本利用料が月額10,000円からで、契約書の件数に応じた従量課金が加わります。
新リース会計基準への対応で中心になるのが、リースの識別を支援する機能です。AIが契約書の全文を読み取り、企業会計基準委員会が示す「リースの識別の判断」に沿ってリースを含む可能性を判定し、根拠となる条文を添えてCSVで出力します。2025年3月31日から全利用者向けの標準機能として提供され、少額リースの判定基準額や契約カテゴリ別の判定条件は自社の会計方針に合わせて設定できます。
一方で、使用権資産やリース負債の計算と仕訳の作成は自社製品では行わず、識別した契約情報をCSVで固定資産管理システムに引き渡す設計です。ワークスアプリケーションズのHUE Assetとの連携でも、契約書のスキャンから会計処理までを両社の製品で分担する構成が示されています。初年度の遡及計算、注記に必要な情報の出力、会計と税務で帳簿を分ける機能は、公式サイトでは記載を確認できません。
13. Assetment Neo(株式会社アセットメント)

バーコードやQRコード、ICタグ(RFID)による現物の所在管理と棚卸を軸にした、株式会社アセットメントのクラウド型資産管理システムです。2026年5月に情シス向け・経理向け・貸出向けの3シリーズへ再編され、リース資産の管理は経理向けシリーズが担います。料金は資産数と利用機能に応じたStandardが月額47,000円から442,000円、資産数無制限のEnterpriseは個別見積です。
リース・レンタルの管理はオプション機能として提供され、1件の契約に複数の資産を紐付けたうえで、契約単位の費用を分割単位や部門別に管理できます。契約期限が近づくとメールで通知され、紐付けた資産は棚卸や移動・廃棄の記録と同じ台帳の上で扱えます。
この製品が担うのは、工程①(リースの識別)の前段にあたる「対象になりそうな契約と現物を台帳に載せ、期限を管理する」部分です。減価償却の計算はできないことが公式サイトに明記されており、使用権資産やリース負債の算定、仕訳の作成も自社製品では行いません。会計処理は連携先の固定資産管理システム側で行う構成で、SuperStream-NXや固定資産奉行、ProPlusなどとCSV・APIで連携します。
リースに当たる契約の識別支援や遡及計算、注記情報の出力、複数帳簿への対応は公式サイトで確認できず、新リース会計基準への対応方針も2026年8月時点で公表されていません。
会計システム・ERPの機能として使うタイプ
14. SuperStream-NX 固定資産管理(キヤノンITソリューションズ株式会社)

1995年に発売された国産ERP「SuperStream」の現行世代「SuperStream-NX」の、固定資産・リース資産・建設仮勘定を扱うオプションです。シリーズ全体の導入は11,000社以上(2026年8月時点の公式サイト記載)で、中堅企業から大企業を対象としています。
リース取引の分類(ファイナンス・リースかオペレーティング・リースか、所有権移転の有無)と短期リースの判定は、登録内容から自動で行われます。会計・税務・IFRS・管理会計など最大5種類の台帳を同時に運用できます。固定資産・リース資産・除去債務資産の仕訳は日本基準とIFRSの両形式で作成し、統合会計・支払管理モジュールへリアルタイムに連携します。
2027年4月適用の新基準については、2025年2月から影響額試算ツールを無償で提供し、既存の固定資産管理利用者向けに専用の変換ツールを用意しています。本体機能としての対応時期や対象バージョンは2026年8月時点で公表されておらず、初年度の遡及計算・再測定の履歴管理・注記情報の出力を製品側でどこまで担うのかは、問い合わせでの確認が必要です。
15. PROACTIVE リース資産管理(SCSK株式会社)

リース物件・レンタル物件・少額物件の契約情報を一元管理する、SCSK株式会社の国産ERP「PROACTIVE」の会計機能です。シリーズ全体の導入は7,500社超(公式サイト記載)で、固定資産管理・財務会計・債務管理の各機能と同じERPの中で連携します。
リース取引の契約形態は登録内容から自動で判定され、ファイナンス・リースや減損会計の仕訳、月額リース料の支払管理までを財務会計側へつなぎます。新基準への対応では、決算報告に必要な開示情報(表示・注記)を出力でき、会計と税務で異なる償却期間などをそれぞれ管理できるようにすると公式サイトに記載されています。
提供は段階的で、動産リースと不動産賃貸借の両方を扱うリース資産管理の新基準対応版は、2026年4月リリース予定と機能ページに記載されています(2026年8月時点の表記)。不動産賃貸借に特化した「不動産管理システム」は2026年4月24日にリリース済みで、契約変更時の償却スケジュールを自動で再計算します。初年度の遡及計算と変更履歴の保持については公式の記載がなく、確認が必要です。
16. Galileopt DX 固定資産・リース管理(株式会社ミロク情報サービス)

株式会社ミロク情報サービスの中堅企業向けERP「Galileopt DX」を構成する、固定資産・リース管理のモジュールです。年商50億円から500億円規模の企業を主な対象とし、物件は最大10万件まで登録できます。
現行の機能では、リース契約の登録とリース料支払予定表の作成、リース期間定額法による償却費計算、解約・再リース・減損の処理までを扱います。1つの資産に最大5パターンの簿価と償却方法を登録でき、日本基準とIFRSの帳簿を並行して持てるほか、部門間移動・償却方法変更・遊休設定は履歴として残ります。
新リース会計基準については、2025年2月に同社システムの対応方針が公表されました。利用するリース会計基準を選択できるよう対応すること、新基準を採用する場合は登録済みリース物件の見直しが必要になることが示されています。機能の詳細と提供時期は2026年8月時点で公開されておらず、遡及計算・注記情報の出力・仕訳連携を新基準でどこまで担うのかは個別の確認が必要です。
17. multibook(株式会社マルチブック)

海外拠点を含む会計管理を1つの仕組みにまとめたい企業に向けた、株式会社マルチブックのクラウドERPです。リース資産管理はその機能の1つで、12言語・多通貨に対応し、現地基準・日本基準・IFRSの帳簿を並行して管理できます。
少額資産・短期リースの判定と割引率の自動設定に加え、多段階リース料(最大600段階)やフリーレント(一定期間の賃料免除)、条件変更、中途解約といった契約に対応します。さらに注記情報の出力、既存の会計システムへの仕訳連携、連結修正仕訳の自動出力までを扱います。
契約書をAI OCRで読み取る機能を2026年3月に、リースの識別とオンバランス判定を契約書の解析から行うAIリース判定機能を2026年4月にリリースしました。
このAI判定について公式は、あくまで一次判定であり、最終的な会計処理は専門家との協議に基づいて行うことを推奨すると明記しています。公式サイトは日本の新リース会計基準に完全対応と掲げていますが、初年度の遡及計算、再測定時の変更履歴の管理、税務との差異調整については記載が見当たらないため、この3点は確認が必要です。
導入前に押さえる注意点
製品を決めたあとに手戻りが出やすいのは、自社側の準備が足りていない部分です。ここでは、導入を決める前に着手しておきたい2点を挙げます。
既存のリース契約データの棚卸しと移行
システムに登録するには、契約ごとにリース期間・リース料の支払スケジュール・延長や解約の条件といった項目がそろっている必要があります。既存の台帳が支払額の管理だけを目的に作られていた場合、これらの項目が記録されておらず、契約書に戻って読み直す作業から始まります。
ここで作業量を左右するのが、契約書の保管状態です。電子データで一元管理されていれば読み取りと登録は進めやすい一方、紙で各部門に分散していると、集めるところから始めることになります。移行のデータ形式についても、取り込み用のテンプレートが用意されているか、どの項目が必須かを製品選定と並行して確認しておくと、登録の段階で止まりません。
運用ルールの整備と、契約担当部門との情報連携
新基準への対応は、経理部門だけで完結しません。新しい契約を結んだとき、契約条件を変更したときに、その情報が経理に届く仕組みがないと、システムに登録されないまま決算を迎えることになります。
導入にあわせて、契約を締結・変更する部門から経理へ情報を渡す手順と、誰が登録し誰が承認するのかを決めておく必要があります。契約管理システムを併用する場合は、契約側のシステムに登録された時点で経理に共有される流れを作れると、伝達漏れを防げます。
適用期日から逆算する検討・導入スケジュール
適用の期日は決まっているため、選定にかけられる期間はそこから逆算して決まります。3月決算の会社が2027年4月1日に始まる事業年度から適用する場合、逆算すると次の並びになります。
| 時期 | 2027年4月1日 | 2027年1月〜3月(適用前の期の期末まで) | 2026年秋〜2026年末 | 2026年秋まで | 2026年夏まで(本来は着手済み) |
|---|---|---|---|---|---|
| この時点で必要な状態 | 適用開始。期首の残高を新基準で計上し、以降の仕訳をシステムで回せる状態 | 実データでトライアル決算を通し、遡及計算の結果・注記の数値・仕訳の取り込みを検証済み | 契約データの初期登録と遡及計算、既存の会計システムとの連携設定が完了 | 製品を決め、社内の決裁と契約が完了 | 影響度調査(対象契約の洗い出し)と、簡便的な取扱いをどこまで使うかの方針決定 |
| 残された作業 | — | 差異が出た場合の設定の見直しとベンダーへの確認 | 登録作業そのもの。契約件数に比例して伸びる | 候補の絞り込み、資料請求とデモ、見積もりの取得、社内の決裁 | この結果が出ないと必要なシステムの規模も費用も見積もれない |
※3月決算・2027年4月1日開始の事業年度から適用する場合の目安です。決算期が異なる場合は適用開始の期首から同じ順序で逆算してください。
この並びで見ると、システム選定に使える期間は2026年秋までで、そこから逆算すると影響度調査はすでに着手している必要があります。早期適用(2025年4月1日以後開始の事業年度から)を選ぶ場合は、この全体がさらに前倒しになります。
影響度調査(対象契約の洗い出し)にかかる期間
最初の段階は、社内のどの契約がリースに当たるのかを洗い出し、オンバランスした場合に財務指標がどう動くかを試算する作業です。契約書を集めて内容を確認する工程が含まれるため、部門をまたぐ調整の時間が必要になります。
この段階の結果は、そのあとの判断すべての前提になります。対象契約が何件になるかが分からなければ、必要なシステムの規模も費用も見積もれません。システムの選定より先に、あるいは並行して着手すべき作業です。
1件あたりにどれだけの時間がかかるかを示した公開情報は、各社の公式サイトには見当たりません。期間を見積もる現実的な方法は、契約の保管場所ごとに件数を数え、そのうち何件かを実際に読んで判定してみて、1件あたりの所要時間を自社の数字として掴むことです。影響額の試算ツールを無償で提供しているベンダーもあるため、件数の把握と試算を並行して進める手もあります。
方針決定・システム選定にかけられる期間
洗い出しの結果を受けて、簡便的な取扱いをどこまで使うか、どの製品で対応するかを決めます。候補の絞り込み、資料請求とデモ、見積もりの取得、社内の決裁という流れをたどります。部門をまたぐ調整が入る分、決裁までにまとまった期間を見ておく必要があります。
導入を決めてからも、契約データの初期登録と遡及計算、既存の会計システムとの連携の設定が残ります。適用開始の期首からシステムを動かすには、その前の期のうちに構築を終えている状態が前提になります。
トライアル決算で確認しておくこと
本番の適用前に、実際の契約データで一度決算処理を通しておくと、想定と違う挙動を早い段階で見つけられます。確認しておきたいのは、遡及計算の結果が自社の試算と一致するか、注記に必要な数値が求める粒度で出るか、作成された仕訳が会計システムにそのまま取り込めるかの3点です。
ここで差異が見つかった場合、設定の見直しやベンダーへの確認に時間がかかります。トライアルの結果を受けて調整する期間まで含めて、スケジュールを組んでおくと安全です。
まとめ
新リース会計基準への対応は、制度を理解した先にある計算と資料作成の工程で実務が止まります。オンバランス対象になる契約の識別、初年度の遡及計算、条件変更のたびの再測定と履歴、注記に必要な情報の集計、会計と税務の差異の調整、増える仕訳の作成と連携。この6つが実務の工程です。どこまでを製品が担うかが、選定の実質的な分かれ目になります。
製品の守備範囲は、リース専用の仕組みとして立てるもの、固定資産管理とあわせて扱うもの、契約の管理から押さえるもの、会計・基幹システムの機能として使うものに分かれます。自社の契約件数と契約の複雑さ、いま使っている製品が新基準に対応するかを確かめたうえで、見るべきタイプを絞り込んでください。
適用の期日は動きません。対象契約の洗い出しに部門をまたぐ時間がかかること、導入後に初期登録と遡及計算が残ることを踏まえると、選定に使える期間は見た目より短くなります。本記事の比較表で候補を絞り、気になる製品の資料を取り寄せて、検討を進めてください。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. リース資産管理システムとは何ですか?
A. リース資産管理システムとは、企業が借りているリース契約の情報を一元管理し、使用権資産とリース負債の計算から仕訳の作成、注記に必要な情報の集計までをつなぐシステムです。契約書の内容を登録すると、リース期間とリース料をもとに計上額を算定し、毎月の減価償却費・支払利息・リース負債の返済額を計算します。
担う範囲は製品によって幅があり、リースに当たる契約の洗い出しから会計処理・注記の出力までを1つの製品で扱うものと、契約情報と期日の管理に絞って金額の計算は会計システムに渡すものに分かれます。
Q. リース資産管理システムでは、どの契約が管理の対象になりますか?
A. 管理の対象になるのは、契約書の名称がリースかどうかにかかわらず、特定された資産の使用を支配する権利が一定期間にわたり移転している契約です。企業会計基準第34号は「前項の判断にあたり、契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合、当該契約はリースを含む」(第26項)と定めています。
リース会社との契約だけでなく、事務所や店舗の賃貸借、機器のレンタルなども判定の対象に入ります。
判定は契約の締結時に契約単位で行うため、まず社内の契約を集めて洗い出す工程が必要です。この工程を契約書の読み取りまで含めて支援する製品と、判定済みの契約を登録する場所として使う前提の製品があるため、洗い出しに最も工数がかかると見込んでいる場合は支援の範囲を確認してください。
出典・参考資料(1件)
Q. 短期リース・少額リースの簡便的な取扱いを使う契約は、システムに登録しなくてよいですか?
A. 簡便的な取扱いを適用したリースについても、短期リースに係る費用の発生額などが注記の対象になるため、金額を集計できる状態にしておく必要があります。オンバランスしないことと、管理しなくてよいことは別です。
企業会計基準適用指針第33号は、短期リース(第20項)と少額リース(第22項)について、使用権資産・リース負債を計上せず費用処理できると定めています。一方で、損益計算書で区分して表示していない場合は、短期リースに係る費用の発生額が含まれる科目と当該発生額を注記するとしています(第100項(1))。
同項は、この費用に借手のリース期間が1か月以下のリースおよび少額リースに係る費用を含めることは要しないとしているため、どこまでを集計するかは自社が選んだ取扱いに合わせて整理してください。
Q. 中小企業も新リース会計基準への対応が必要ですか?
A. 「中小企業の会計に関する指針」の適用対象である会社は、ただちに新リース会計基準へ移る必要はありません。同指針は2025年9月19日の修正版でもリース取引について企業会計基準第13号と適用指針第16号を参照しており、所有権移転外ファイナンス・リースを賃貸借処理する取扱いも残しています。
ただし同指針は、金融商品取引法の適用を受ける会社とその子会社・関連会社、および会計監査人を設置する会社とその子会社を適用対象から除いています。これらに該当する会社は、自社の規模が小さくても会計基準に基づいて計算書類を作成することになり、親会社と同じ処理が求められます。グループ会社を含めてどこまで対応が必要かは、この線引きで確認してください。
Q. リース資産の管理は、Excelでは対応できませんか?
A. オンバランスの対象が数件にとどまり、契約条件の変更もほとんど発生しないのであれば、Excelと既存システムの機能でも回せます。判断の目安になるのは、契約件数と条件変更の頻度です。
対象が数十件を超え、リース料が途中で変わる契約や中途解約・再リースの可能性がある契約が混ざってくると、変更のたびの割引計算のやり直しと会計システムへの転記が毎月の締めごとに発生します。あわせて、リース期間や割引率をどう見積もったかの根拠と変更履歴がシート内に閉じてしまうため、監査での説明や担当者の交代に弱くなります。件数だけでなく、この2点が自社で許容できるかで判断してください。
Q. リース資産管理システムは、いま使っている会計システムや固定資産管理システムを入れ替えずに導入できますか?
A. 多くの製品は、既存の会計システム・固定資産管理システムを残したまま単独で導入できます。他社の契約管理・会計・固定資産管理のシステムを使ったまま導入できると公式に明記している製品もあります。
確認しておきたいのは仕訳の受け渡し方法です。同じベンダーの会計システムとは画面上の操作やAPIでつながる一方、他社製品へはCSVファイルの出力を経由する構成が一般的で、取り込み側のフォーマットに合わせるための加工が毎月発生する場合があります。候補を絞った段階で、自社の実データを使って受け渡しを試しておくと導入後の手戻りを防げます。
Q. 「IFRS第16号対応」と書かれた製品は、日本の新リース会計基準にも対応していますか?
A. IFRS第16号に対応していることと、日本の新リース会計基準に対応していることは別で、そのまま同じ意味には受け取れません。IFRSには以前から対応していても、日本基準への対応は今後のバージョンアップで提供するという製品が少なくなく、提供時期が公表されていないものもあります。
製品資料で確認するのは3点です。日本基準への対応版がいつ提供されるのか、その提供が保守契約や月額料金の範囲に含まれるのか、そして日本基準・税務・IFRSを同じ契約データから並行して出せるのか(何系統の帳簿を同時に持てるか)です。本記事の比較表では、対応する会計基準と提供時期を製品ごとに記載しています。
Q. リース資産管理システムの費用はどのくらいかかりますか?
A. 料金を公開している製品では月額1万円台から数十万円台まで幅があり、初期費用が100万円規模になるものもありますが、このカテゴリでは金額を公開せず「要問い合わせ」としている製品が多数を占めます。課金の単位は、管理する契約件数・資産件数によるものと、利用ユーザー数や法人数によるものに分かれます。
固定資産管理システムの一部として提供される製品では、リース資産だけでなく自己所有の固定資産も同じ件数の枠を消費するため、社内の資産件数まで数えて見積もる必要があります。また初年度には、契約データの初期登録と遡及計算の支援費用が別途発生することがあります。見積もりを依頼する際に、自社の契約件数とリース料が途中で変わる契約の件数まで伝えておくと、実際の金額に近い回答が得られます。
Q. リース資産管理システムの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 導入に必要な期間は、システムの設定そのものよりも、対象契約の洗い出しと初期データの登録にどれだけかかるかで決まります。契約書が各部門に紙で分散していれば集めるところから始まり、リース期間や支払スケジュール、延長・解約の条件が既存の台帳に記録されていなければ、契約書に戻って読み直す作業が加わります。
新リース会計基準は2027年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用されるため、その期首からシステムを動かすには前の事業年度のうちに構築を終えている状態が前提になります。
本番前に実データでトライアル決算を通し、差異が出た場合の調整期間まで含めてスケジュールを組んでください。導入支援や操作説明を用意しているベンダーは多いものの、有償か無償か、どこまでを引き受けるのかは製品によって異なるため、見積もりの段階で範囲を確認しておくと安全です。
リース資産管理システムの料金・費用を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、リース資産管理システムをはじめとする各社の最新資料をまとめてご請求いただけます。料金体系や対応範囲を並べて確認したい場合は、以下からご利用ください。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















