サービス比較の記事一覧

余剰資金を有効活用したい(預金・投資・運用)
法人保険でリスクに備えたい
カーボンクレジットを活用したい

サービス比較の記事一覧

余剰資金を有効活用したい(預金・投資・運用)
法人保険でリスクに備えたい
カーボンクレジットを活用したい

不正利用・金融トラブルを未然に防ぎたい

反社チェックツール
の関連情報


関連サービス資料を
無料で一括ダウンロード

反社とは?政府指針の定義・9類型と暴排条例・上場規程を条文番号つきで解説

反社とは?政府指針の定義・9類型と暴排条例・上場規程を条文番号つきで解説のサムネイル画像

「反社(反社会的勢力)」という言葉は、企業実務でも報道でも頻繁に使われる一方、その定義を正確に説明できる担当者はそう多くありません。政府が「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を出したのは2007年6月で、そこから20年近くが経ちます。

この間に、暴力団の組織実態の不透明化、共生者や準暴力団(半グレ)の登場、SNSで実行犯を募集する「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の広がりなど、反社会的勢力が指すべき対象は拡張し続けてきました。だからこそ、いま定義に立ち戻る必要が高まっています。

本記事では、政府指針の原文にある反社会的勢力の定義文をそのまま引用したうえで、属性要件と行為要件の2軸整理、政府指針が挙げる6つの属性類型と実務で追加された類型を含む9類型、暴力団との関係、いわゆる元暴5年ルールの条文根拠までを、政府指針・警察白書・全銀協参考例・条例原文の出典リンクを添えて整理します。

さらに、暴力団対策法・都道府県暴力団排除条例・東証有価証券上場規程における位置づけ、契約書の暴排条項の記載例、実務での反社チェックの回し方まで、条文番号を明示して押さえます。

読み終える頃には、「反社会的勢力とは、政府指針でこう定義されている集団または個人で、暴力団だけでなく総会屋・特殊知能暴力集団・共生者なども含み、法規制側は暴対法・暴排条例・上場規程で担保されている」というレベルで、社内説明・取引先説明・意思決定資料に耐える形でつかめるようになります。定義の原文と条文番号を押さえておくと、次の一歩である反社チェックの実務にも進みやすくなります。

反社チェックツールの関連サービス資料
PR
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】反社チェックツールの資料を
一括ダウンロードする
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

反社(反社会的勢力)とは — 政府指針の定義(原文引用)

反社会的勢力の定義として最も広く参照されているのは、2007年6月19日に犯罪対策閣僚会議の幹事会申合せとして公表された「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」です。まずは、その指針が反社会的勢力をどう定義しているかを、要約を挟まずに原文のまま示します。

暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である「反社会的勢力」をとらえるに際しては、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件に着目するとともに、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件にも着目することが重要である。

出典:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針|犯罪対策閣僚会議 幹事会申合せ(平成19年6月19日)

この定義文は、政府指針の脚注として置かれた反社会的勢力のとらえ方を示す一節です。ここには2つの要点が含まれています。1つは反社会的勢力の性格を「暴力・威力・詐欺的手法で経済的利益を追求する集団または個人」と述べていること、もう1つは、それを見極めるうえで「属性要件」と「行為要件」の2軸に着目すべきだとしていることです。順に見ていきます。

政府指針の位置づけ — 法律ではなく閣僚会議の申合せ

政府指針は、犯罪対策閣僚会議の下に置かれた幹事会の申合せという形式で公表された文書です。国会で審議・可決された法律ではなく、あらゆる企業に向けて反社会的勢力による被害を防止するための基本的な理念と具体的な対応をまとめた行政文書という位置づけになります。

政府指針そのものに法的拘束力があるわけではない点は、法務省が公表している官製の解説文書にも明記されています。ただし、その内容は金融庁の監督指針、警察庁の通達、全国銀行協会の暴力団排除条項参考例、東京証券取引所の上場規程改正などに順次組み込まれ、業界横断の実務基準として機能してきました。

本指針は、あらゆる企業を対象として、反社会的勢力による被害を防止するための基本的な理念や具体的な対応を定めたものであり、法的拘束力はない。

出典:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針に関する解説|法務省

「反社会的勢力」という用語の登場と現在までの位置づけ

「反社会的勢力」という用語自体は、暴力団対策法などの個別法令に定義規定を持ちません。政府指針が2007年に「反社会的勢力」という表現を明示的に用いて基本原則をまとめたことで、企業実務・金融行政・上場審査の共通語として定着してきた経緯があります。

政府指針が出された2007年当時、暴力団は組織実態の隠蔽と資金獲得活動の巧妙化を進めていました。企業活動を装ったフロント企業、政治活動や社会運動を標榜する集団、証券・不動産取引を通じた資金移動など、外形からは暴力団と判別しにくい形態が広がる中で、企業側の関係遮断を促す枠組みが必要とされた背景があります。

近年、暴力団は、組織実態を隠ぺいする動きを強めるとともに、活動形態においても、企業活動を装ったり、政治活動や社会運動を標ぼうしたりするなど、更なる不透明化を進展させており、また、証券取引や不動産取引等の経済活動を通じて、資金獲得活動を巧妙化させている。

出典:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針|犯罪対策閣僚会議 幹事会申合せ(平成19年6月19日)

属性要件(Who)=どんな組織・人物か

属性要件は、反社会的勢力を「その者が何者か」で捉える切り口です。政府指針の脚注は、属性要件として次の6類型を列挙しています。

  • 暴力団
  • 暴力団関係企業
  • 総会屋
  • 社会運動標ぼうゴロ
  • 政治活動標ぼうゴロ
  • 特殊知能暴力集団等

この6類型は、金融庁「主要行等向けの総合的な監督指針」でも同一の並びで採用されています。実務で見かける「反社の6類型」という表現の多くは、この属性要件6類型を指しています。具体像は反社会的勢力に含まれる9類型で、実務追加類型(共生者・準暴力団・匿名流動型犯罪グループ)と合わせて表形式で整理します。

注意したいのは、契約書実務で使われる「6類型」との違いです。全国銀行協会「銀行取引約定書に盛り込む場合の暴力団排除条項の参考例」(2008年11月25日公表)は、契約書用の項目立てとして「暴力団/暴力団員/暴力団準構成員/暴力団関係企業/総会屋等・社会運動等標ぼうゴロまたは特殊知能暴力集団等/その他前各号に準ずる者」の6項目を並べます。

これは政府指針の6属性要件とは別の系譜で、契約実務の要請から作られた項目立てです。両者を混同して「政府指針の6類型」に暴力団準構成員を含めて紹介する記事が少なくないため、区別して押さえておくと社内説明で強くなります。

行為要件(What)=どんな行為で判断されるか

行為要件は、反社会的勢力を「その者が何をしたか」で捉える切り口です。政府指針の脚注は、行為要件として「暴力的な要求行為」と「法的な責任を超えた不当な要求」を挙げています。属性要件で反社会的勢力に該当しなくても、行為要件から該当し得るという構図です。

この行為要件は、契約書の暴排条項でも重要な役割を果たします。全国銀行協会の暴力団排除条項参考例では、反社会的勢力に該当しないことを表明・確約する第1項に続けて、「暴力的な要求行為」「法的な責任を超えた不当な要求行為」「脅迫的な言動」「風説の流布・偽計・威力による信用毀損・業務妨害」などの行為を行わないことを別項で確約させる形になっています。

政府指針の解説も、暴排条項を運用するうえで属性要件と行為要件を組み合わせるべきだと述べています。

暴力団排除条項の活用に当たっては、反社会的勢力であるかどうかという属性要件のみならず、反社会的勢力であることを隠して契約を締結することや、契約締結後違法・不当な行為を行うことという行為要件の双方を組み合わせることが適切であると考えられる。

出典:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針に関する解説|法務省

属性と行為の2軸で捉える意義

属性と行為の2軸で反社会的勢力を捉える意義は、「属性は反社ではないが行為で反社に該当する」ケースを取りこぼさない点にあります。共生者・フロント企業のように暴力団員としては指定されていなくても、実質的に暴力団に資金を流し、あるいは暴力団の威力を背景に不当要求を行う個人・法人は、行為要件で反社会的勢力の枠組みに取り込まれます。

反社会的勢力を単一の要件で定義することが難しいのは、政府自身も国会答弁で認めています。2019年12月10日の政府答弁書は、反社会的勢力の定義に関する質問主意書に対して、次のように答えています。

政府としては、「反社会的勢力」については、その形態が多様であり、また、その時々の社会情勢に応じて変化し得るものであることから、あらかじめ限定的、かつ、統一的に定義することは困難であると考えている。

出典:衆議院議員初鹿明博君提出反社会的勢力の定義に関する質問に対する答弁書(内閣衆質二〇〇第一一二号/令和元年12月10日)|衆議院

「限定的、かつ、統一的に定義することは困難」と述べたうえで、同答弁書は政府指針が反社会的勢力に関する「基本的な理念や具体的な対応」を取りまとめた文書として位置づけられることを認めています。単一の法定義がないという事実を確認しつつ、政府指針が実務的な参照点であることは政府自身が答弁で追認している構図です。

出典・参考資料(5件)

反社会的勢力に含まれる9類型

政府指針の6属性要件に、実務で追加された類型(共生者・準暴力団・匿名流動型犯罪グループ)を含めて整理すると、以下の9類型で反社会的勢力の外延を一望できます。政府指針の並びを維持し、実務追加類型は警察白書に基づく呼称で示しました。

類型説明出典
暴力団その団体の構成員が集団的または常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体(暴対法2条2号)。反社会的勢力の中核を成す集団。政府指針/暴対法
暴力団関係企業(フロント企業)暴力団員が実質的に経営に関与する企業、または暴力団に資金提供・便宜供与を行う企業。企業活動を装って資金獲得や資金洗浄に関与する形態が典型。政府指針
総会屋株主総会に出席して不当な要求や妨害行為を行い、企業から金銭を得ようとする者。1980年代から1990年代にかけて相次いだ商法改正で規制が強化された。政府指針
社会運動標ぼうゴロ社会運動を標榜して寄付・機関誌購読・下請け契約などを不当に要求し、金銭的利益を得ようとする者。政府指針
政治活動標ぼうゴロ政治活動を標榜して寄付・購読・契約を不当に要求し、金銭的利益を得ようとする者。社会運動標ぼうゴロと並列する類型。政府指針
特殊知能暴力集団等暴力団との関係を背景に、法律・会計・不動産などの専門知識を用いて経済取引に不当な影響を与える集団または個人。政府指針が独立の属性要件として明示。政府指針
暴力団準構成員暴力団員以外の者で、暴力団と関係を持ちながらその威力を背景に暴力的不法行為等を行うおそれがある者。警察庁の組織犯罪対策要綱で位置づけられ、全銀協の暴力団排除条項参考例では契約書上の除外対象に明記される。警察庁「組織犯罪対策要綱」/全銀協「暴力団排除条項参考例」
共生者暴力団員と密接な関係を有し、資金や便宜を供与する個人・法人。属性要件で暴力団に該当しなくても、行為要件と併せて反社会的勢力に取り込まれる存在。警察庁公表資料・全銀協参考例(2011年改正の関係条項)
準暴力団(半グレ)/匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)暴走族の元構成員などを中心とする集団で、明確な組織構造を持たないが暴力団等と密接な関係が認められるものを「準暴力団」と警察が位置づけている。近年はSNSや求人サイトで実行犯を募集する形の集団も含めて「匿名・流動型犯罪グループ」として警察白書が特集している。警察庁「令和5年版警察白書」/「令和6年版警察白書」特集

7〜9行目にある3類型(準構成員・共生者・準暴力団/トクリュウ)は、政府指針の6属性要件には直接含まれない、実務・警察側の呼称に基づく類型です。反社チェック実務では、この7〜9行目までを含めて確認する運用が一般化しています。それぞれの一次情報を確認しておきましょう。

まず「準暴力団」と「匿名・流動型犯罪グループ」の警察側の位置づけは、警察白書の該当節に明示されています。

暴走族の元構成員等を中心とする集団に属する者が、繁華街・歓楽街等において、集団的又は常習的に暴行、傷害等の事件を起こしている例がみられるところ、こうした集団の中には、暴力団のような明確な組織構造は有しないが、暴力団等の犯罪組織との密接な関係がうかがわれるものも存在しており、警察では、こうした集団を暴力団に準ずる集団として「準暴力団」と位置付け、取締りの強化等に努めてきた。

(中略)こうした情勢を踏まえ、警察では、準暴力団を含むこうした集団を「匿名・流動型犯罪グループ」と位置付け、実態解明を進めている。

出典:令和5年版 警察白書 第4章第1節第4項「匿名・流動型犯罪グループの動向と警察の取組」|警察庁

令和6年版警察白書では「匿名・流動型犯罪グループ」自体が特集テーマに格上げされ、組織犯罪対策の重点として警察庁が位置づけていることが分かります。反社会的勢力の範囲を実務で押さえる際は、この呼称と位置づけを最新の警察白書で確認しておくのが安全です。

次に、契約書実務で反社会的勢力の範囲を定義する際の典型パターンとして、全国銀行協会「銀行取引約定書に盛り込む場合の暴力団排除条項の参考例」(2008年11月25日公表)が用いる6項目があります。この項目立ては、政府指針の6属性要件とは別の系譜で作られたもので、暴力団準構成員を独立項目として並べているのが特徴です。

第○条(反社会的勢力の排除)
① 私または保証人は、現在、次の各号のいずれにも該当しないことを表明し、かつ将来にわたっても該当しないことを確約いたします。
1. 暴力団
2. 暴力団員
3. 暴力団準構成員
4. 暴力団関係企業
5. 総会屋等、社会運動等標ぼうゴロまたは特殊知能暴力集団等
6. その他前各号に準ずる者

出典:銀行取引約定書に盛り込む場合の暴力団排除条項の参考例(2008年11月25日公表)|一般社団法人 全国銀行協会

政府指針の6属性要件と、全銀協参考例の契約書用6項目は、名称も並びも異なります。この2系統を混同すると「政府指針の6類型」に暴力団準構成員を含めて紹介するミスにつながるため、社内資料や稟議では「政府指針側」「契約書側」を明示して使い分けるのが実務的です。

出典・参考資料(4件)

暴力団と反社会的勢力の関係 — 元暴5年ルールを含む

暴力団は反社会的勢力の中核ですが、両者はイコールではありません。反社会的勢力は暴力団を含みつつ、より広い集合を指す言葉です。ここでは、暴力団の法的定義を条文で押さえたうえで、両者の範囲の違い、そして反社チェック実務で最頻出の「元暴5年」ルールの条文根拠まで整理します。

暴力団の法的定義(暴対法2条2号)

「暴力団」は、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号、以下「暴対法」)の第2条第2号で法的に定義されています。反社会的勢力が政府指針に基づく実務用語であるのに対して、暴力団は法律上の定義規定を持つ用語です。

二 暴力団 その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体をいう。

出典:暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 第2条第2号|e-Gov 法令検索

ポイントは「団体の構成員が集団的または常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」という要件です。この要件を満たす団体のうち、都道府県公安委員会が指定したものが「指定暴力団」(暴対法3条)となり、指定に基づいて各種の不当行為が規制対象になります。暴力団員は暴対法2条6号で「暴力団の構成員をいう」と定義されており、暴力団の一員である個人を指します。

暴力団と反社会的勢力の範囲の違い

暴力団は暴対法の定義に該当する団体を指すのに対して、反社会的勢力は政府指針の枠組みでそれよりも広い集合を指します。図式的に言えば、反社会的勢力の中に暴力団が含まれ、暴力団の外側に暴力団関係企業・総会屋・社会運動標ぼうゴロ・政治活動標ぼうゴロ・特殊知能暴力集団・共生者・準暴力団などが並ぶという関係です。

この違いは、反社チェックの実務にも直結します。暴対法の指定暴力団リストだけを見て「該当なし」と判断してしまうと、フロント企業や共生者、準暴力団に該当するケースを取りこぼす恐れがあります。政府指針の6属性要件と行為要件の2軸、および実務追加類型を含めた9類型の観点でチェックを設計する必要があるのは、この範囲の差があるためです。

元暴力団員の扱い — 元暴5年ルールの条文根拠

反社チェック実務でよく聞かれるのが「元暴5年」ルールです。暴力団を離脱してから5年を経過していない元暴力団員も反社会的勢力の範囲に含めて取引拒絶の対象とする、という運用ルールを指します。

この条文根拠として都道府県暴力団排除条例を挙げる記事が少なくありませんが、東京都暴力団排除条例の「暴力団関係者」の定義は「暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者」であって、「5年」という期間規定は条例本体には含まれません。

元暴5年の条文表現の主な源泉は、全国銀行協会が警察庁および金融庁と協議のうえ2011年6月2日に一部改正した「銀行取引約定書に盛り込む暴力団排除条項参考例」の別紙1です。ここで、契約書上の「暴力団員等」の範囲に「暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者」が明記され、以降、金融取引・企業間契約・自治体契約の暴排条項に広く波及しました。改正後の第1項の逐語は次のとおりです。

① 私または保証人は、現在、暴力団、暴力団員、暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者、暴力団準構成員、暴力団関係企業、総会屋等、社会運動等標ぼうゴロまたは特殊知能暴力集団等、その他これらに準ずる者(以下これらを「暴力団員等」という。)に該当しないこと、および次の各号のいずれにも該当しないことを表明し、かつ将来にわたっても該当しないことを確約いたします。

出典:融資取引および当座勘定取引における暴力団排除条項参考例の一部改正について 別紙1(2011年6月2日)|一般社団法人 全国銀行協会

この改正は警察庁および金融庁との協議を経ており、翌年以降の金融庁「主要行等向けの総合的な監督指針」を通じて銀行実務の共通標準となりました。

都道府県暴排条例の中には、兵庫県暴排条例のように条例本体に「暴力団員でなくなった日から5年」の類似規定を持つ県もありますが、東京都暴排条例には条例本体に該当規定はありません。したがって、契約書での元暴5年の記載を根拠づけるときは、都道府県条例だけでなく全銀協参考例2011年改正別紙1をあわせて引くのが実務上安全です。

出典・参考資料(4件)

反社会的勢力の概念的な起点は政府指針にありますが、企業実務で反社排除を要請する根拠は、暴力団対策法・都道府県暴力団排除条例・東証有価証券上場規程の3本柱で担保されています。ここでは各法令の該当条文を番号レベルで示し、最後に整理表で一望できるようにまとめます。

暴力団対策法 — 属性側の指定と不当要求規制

暴力団対策法は、暴力団を「属性側」から規制する枠組みです。第2条の定義規定で暴力団・指定暴力団・暴力団員などを定義し、第3条以降で都道府県公安委員会による指定暴力団の指定手続、第9条以降で暴力的要求行為の禁止と中止命令などの規制を置いています。反社会的勢力という言葉自体は条文にありませんが、その中核を成す暴力団の輪郭を法的に定めている点で、反社排除の実務の骨格になっています。

企業実務で押さえるべき条文は次の3つです。第2条2号(暴力団の定義)、第2条6号(暴力団員の定義)、第9条(暴力的要求行為の禁止規定)。取引先が指定暴力団の構成員か否かは各都道府県警察本部への照会や暴力追放運動推進センターの活用で確認できます。指定暴力団と代表者の指定は、警察庁のサイトから最新情報を確認できます。

都道府県暴力団排除条例 — 企業の取引排除義務(東京都を例に)

暴力団排除条例(暴排条例)は、企業側に対する取引排除の努力義務や、暴力団への利益供与の禁止を明文で置いた自治体条例です。東京都暴力団排除条例(平成23年3月18日 東京都条例第54号)を例にとると、次の条文が実務の中心です。

  • 第3条(基本理念):暴力団と交際しない・恐れない・資金提供しない・利用しないを基本として、都・区市町村・都民等が連携して暴力団排除活動を推進する。
  • 第7条(都の事務事業に係る暴力団排除措置):都の契約の相手方が暴力団関係者でないことを確認する義務、暴力団関係者と判明した場合の無催告解除を契約書に定める義務。
  • 第18条(事業者の契約時における措置):事業者は、自らの事業契約について、相手方が暴力団関係者でないことを確認するよう努め、契約書に無催告解除条項等を定めるよう努める。
  • 第24条(利益供与の禁止):事業者は、規制対象者に対する利益供与を行ってはならない。
  • 第33条(罰則):一定の禁止規定違反に対する懲役・罰金の罰則を規定。

第2条第4号の「暴力団関係者」の定義は、「暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者」となっており、暴力団を離脱した後の期間規定は含まれません。逐語は次のとおりです。

四 暴力団関係者 暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者をいう。

出典:東京都暴力団排除条例 第2条第4号(平成23年3月18日 東京都条例第54号)|警視庁

他の都道府県も同種の暴排条例を持ち、事業者に対する取引排除義務・利益供与禁止・契約書への暴排条項組入れ努力義務を規定しています。県によっては条例本体に元暴5年に相当する規定を置いている場合もありますが、東京都は前述のとおり全銀協参考例と各種業界標準を通じて元暴5年ルールを運用しています。

東証有価証券上場規程 — 遵守事項・遵守努力事項・上場廃止基準・審査基準

上場企業・IPO準備企業にとっての実務根拠は、東京証券取引所(東証)の有価証券上場規程および関連ガイドラインにあります。反社会的勢力の排除は、企業行動規範における「遵守事項」(罰則あり)と「遵守努力事項」の2階建てで規定されており、加えて上場廃止基準と上場審査ガイドラインでもカバーされる構造です。

  • 第443条(遵守事項):企業行動規範の遵守事項として、上場会社は反社会的勢力の関与を受けているとして本所が定める関係を有しないものとする、と規定。反社会的勢力そのものの排除を上場企業に義務づける中核条文。
  • 第450条(遵守努力事項):企業行動規範の遵守努力事項として、上場会社は反社会的勢力排除に向けた社内体制の整備等に努めるものとする、と規定。実効的な運用体制の整備を求める条文。
  • 第601条第1項第19号(上場廃止基準):反社会的勢力の関与が判明した場合の上場廃止基準を規定。反社会的勢力が上場会社の経営に関与している事実が明らかになった場合、上場廃止に至る根拠となる。
  • 上場審査等に関するガイドラインⅡ6.:新規上場審査で反社会的勢力の関与がないことを確認するための観点を明確化。IPO準備企業はこのガイドラインに沿った対応・エビデンスの整備が必要になる。

この枠組みは、東証が2008年2月4日に上場制度を改正した「反社会的勢力排除に向けた上場制度の整備」で導入されたのが起点です。

当時は現行の第450条に相当する遵守努力事項(社内体制の整備に努める旨)が第444条として置かれ、上場審査観点はガイドラインⅡ6.で明確化されました。現行の第443条(企業行動規範の遵守事項=反社会的勢力の関与を受けている関係を有しないものとする)は、その後の規程再編で追加された義務規定です。

改正時の東証公表資料は、企業行動規範への反社排除規定の導入と、上場審査観点の明確化を柱として次のように説明しています。

企業行動規範に、上場会社は反社会的勢力による被害を防止するための社内体制の整備及び個々の企業行動に対する反社会的勢力の介入防止に努める旨を規定することとします。(有価証券上場規程 第444条)/反社会的勢力排除に向けた上場審査の観点について明確化を図ることとします。(上場審査等に関するガイドライン Ⅱ 6.)

出典:反社会的勢力排除に向けた上場制度及びその他上場制度の整備に伴う有価証券上場規程等の一部改正について(平成20年2月4日)|東京証券取引所

その後の規程再編で条文番号は現在の並び(第443条・第450条・第601条第1項第19号)に整理されました。実務で条文を引く際は、東証が公表する最新の「有価証券上場規程」で条文番号と文言を最終確認してください。

法的位置づけの整理表

法令・規範該当条文実務効果
政府指針脚注に定義文と属性要件・行為要件を明記反社会的勢力概念の起点。法的拘束力はないが、金融庁監督指針・警察庁通達・全銀協参考例・東証上場規程改正に横断的に組み込まれる基準。
暴力団対策法(暴対法)第2条第2号(暴力団の定義)、第2条第6号(暴力団員)、第9条(暴力的要求行為の禁止)ほか反社会的勢力の中核である暴力団を法的に定義し、指定手続きと不当行為規制を担う。属性側の法的骨格。
都道府県暴力団排除条例(東京都を例に)第3条(基本理念)/第7条(都事務事業の暴排措置)/第18条(事業者の措置)/第24条(利益供与禁止)/第33条(罰則)事業者に対して取引時の暴排条項組入れ努力義務・利益供与禁止・違反時の罰則を課す。企業実務で暴排条項を根拠づける中心条例。
東証 有価証券上場規程第443条(遵守事項)/第450条(遵守努力事項)/第601条第1項第19号(上場廃止基準)/上場審査等ガイドラインⅡ6.上場会社に対して反社排除を義務化し、体制整備を要請。関与が判明した場合の上場廃止基準および新規上場審査観点も規定。
全銀協「暴力団排除条項参考例」本文①〜⑤項(表明・確約/確約行為/解除・買戻/損害賠償・免責)/2011年改正で「暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者」を追加金融契約・企業間契約における暴排条項の実務標準。元暴5年ルールの明示的な源泉。
金融庁「主要行等向けの総合的な監督指針」III-3-1-4「反社会的勢力による被害の防止」金融機関に対して政府指針を踏まえた態勢整備を求め、政府指針の6属性要件を実務に落とし込んだ代表例。

上場企業・IPO準備企業では、東証有価証券上場規程と上場審査等ガイドラインⅡ6.の要請を受けて、主幹事証券会社の指導に沿った反社チェック体制の構築や確認書のひな形整備が求められます。上場を意識した対応範囲や必要書類の要点まで踏み込みたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。

出典・参考資料(6件)

なぜ企業は反社会的勢力を排除すべきか — 4面のリスク

反社会的勢力の排除が求められる理由は、単一のリスクに集約されるものではありません。金銭面・法的責任・レピュテーション・人的被害の4面で連鎖的に発生するのが特徴で、社内で反社チェックの必要性を説明する際には、この4面を分解して示すと具体化しやすくなります。

金銭面 — 資金流出・与信取消・銀行取引解消

取引先が反社会的勢力に該当した場合、まず表面化するのは金銭的な損失です。契約解除に伴う売掛金の回収困難、前渡金の回収不能、既に納入した商品の代金未回収などが典型です。反社会的勢力側は不当要求により金銭・便宜を引き出すことを目的とするため、通常の商取引よりも高い割合で焦げ付きが生じやすい構造にあります。

加えて、金融機関側の反社排除運用により、反社会的勢力との取引が判明した企業は自社の銀行取引にも影響が及ぶことがあります。全銀協参考例では、暴力団員等に該当することが判明した場合や暴力団員等との関係を有していた場合に、銀行取引の期限の利益喪失・手形の買戻請求まで規定されており、資金繰りへの波及が現実のリスクとなります。

法的責任 — 暴排条例違反と利益供与禁止

都道府県暴力団排除条例は、事業者に対して暴力団関係者への利益供与を禁止しています。東京都暴排条例第24条第1項は、規制対象者が一定の行為を行うこと、または行ったことの対償として、規制対象者または規制対象者が指定した者に対して利益供与をしてはならないと規定しており、違反した場合は同条例の罰則規定(第33条)や公表制度の対象となる可能性があります。

会社法上の取締役の善管注意義務・忠実義務の観点からも、反社会的勢力との関係遮断は経営責任の範囲に含まれます。反社チェックを怠って取引を締結した結果、会社が損失を被った場合、株主代表訴訟の対象となる可能性があります。金融機関や上場企業の役員では、監督指針や上場規程の枠組みも重なるため、責任の重畳が起こりやすい領域です。

レピュテーション — 上場廃止・取引停止・報道

反社会的勢力との関係が公になった場合のレピュテーションダメージは、金銭的損失を上回るインパクトを持ちます。取引先からの契約解除、金融機関からの取引停止、上場企業では株価下落と役員辞任、非上場企業では採用市場・営業チャネルへの影響が連鎖します。

上場企業の場合は、東証有価証券上場規程第601条第1項第19号に基づき、反社会的勢力の経営関与が判明した場合には上場廃止に至る可能性が明文化されています。上場廃止まで至らなくても、企業行動規範の遵守事項違反として市場からの信頼低下は避けられません。IPO準備企業では、主幹事証券会社の審査段階で反社チェックの体制と過去の取引履歴が精査され、体制不備は上場スケジュールの遅延要因になります。

人的被害 — 不当要求・従業員の安全リスク

反社会的勢力との取引で見落とされがちなのが、従業員に対する物理的・心理的な影響です。取引が始まった後、反社会的勢力側は不当要求を繰り返し、担当者への直接的な圧力、事務所への訪問、街宣車による街宣活動、家族への接触などの形で圧力をかけてくることがあります。政府指針の解説はこうした手口を「攻撃型」として類型化しています。

担当者個人が矢面に立たされる状況を防ぐには、組織としての一元対応と、警察・弁護士・暴力追放運動推進センターなどの外部専門機関との連携が欠かせません。政府指針が示す5つの基本原則(組織としての対応/外部専門機関との連携/取引を含めた一切の関係遮断/有事における民事と刑事の法的対応/裏取引や資金提供の禁止)は、この人的被害の抑止まで含めた枠組みとして機能します。

1 反社会的勢力による被害を防止するための基本原則
○ 組織としての対応
○ 外部専門機関との連携
○ 取引を含めた一切の関係遮断
○ 有事における民事と刑事の法的対応
○ 裏取引や資金提供の禁止

出典:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針|犯罪対策閣僚会議 幹事会申合せ(平成19年6月19日)
出典・参考資料(4件)

反社チェックの実務概要 — 見分けと運用

ここまでで、反社会的勢力の定義(政府指針)・9類型・暴力団との関係と元暴5年・法的位置づけ(暴対法・暴排条例・上場規程)・排除しない場合のリスクを押さえました。次に検討するのは、では実際に反社会的勢力かどうかをどう見分けるのか、という実務の話です。反社チェックの具体的な進め方・ツールの選び方は親ピラー記事にゆずり、ここでは全体像を把握できる程度に整理します。

属性シグナル — 登記・役員・住所・電話・SNS

属性シグナルは、取引先の「素性」から反社会的勢力の疑いを検知する切り口です。商業登記情報、代表者と役員の氏名・経歴、本社所在地の実在性、電話番号の使用履歴、SNSアカウントの発信内容などが典型的な確認対象になります。

実務では、登記された住所がバーチャルオフィスやマンションの一室で従業員数が実態と合わない、代表者の過去の会社名がフロント企業として摘発された履歴に一致する、電話番号がインターネット上で他業種の複数事業者に紐づいている、といったシグナルを組み合わせて判断します。単独のシグナルで反社会的勢力と断定するのではなく、複数の属性情報を積み上げて総合評価するのが基本です。

行為シグナル — 過去の報道・訴訟・行政処分

行為シグナルは、取引先が過去に問題行為を起こしていないかを確認する切り口です。新聞記事・Webニュース・専門誌に掲載された不祥事、行政処分の履歴、訴訟の当事者となった事件、警察が公表した組織犯罪関連の報道などが主要な情報源となります。

反社チェック実務では、法人名や代表者名を新聞記事DBやWebニュースで横断検索し、逮捕・行政処分・不祥事・訴訟に関するネガティブ情報の有無を確認します。政府指針が示す「暴力的な要求行為」「法的な責任を超えた不当な要求」に該当する過去行為の有無を、報道記事の内容から確認する運用が中心です。

情報源 — 新聞記事DB・専門調査会社・反社チェックツール・登記・SNS

反社チェックで実務的に活用できる情報源は、大きく5系統に分けられます。新聞記事DB(各紙のアーカイブと専門データベース)、専門調査会社(弁護士・興信所を含む)、反社チェックツール(判定済みDB・生成AIによる要約解析・海外制裁リスト検索を備えたSaaS)、商業登記・法人登記情報、自社ネガティブ情報(過去の取引履歴・営業担当の懸念メモ)です。

反社会的勢力の統一的な公表リストは存在しないため、複数の情報源を組み合わせて総合評価するのが実務の前提です。上場企業や大手金融機関では専門調査会社と反社チェックツールを併用し、中堅・中小企業では反社チェックツールを軸にした運用が中心的です。無料の検索エンジンだけに頼る運用は、記事の見落とし・同姓同名の誤ヒット・時系列変化の追跡漏れが生じやすく、稟議のエビデンスとして脆弱になりがちです。

実施タイミング — 新規取引時・大口取引時・定期・M&A時

反社チェックは、実施のタイミングによって求められる深度が変わります。新規取引開始時は必須の起点で、契約締結前に代表者・法人・主要役員を対象に実施します。既存取引先については、大口取引が発生する前と一定周期の定期チェック(半年〜1年など)で更新するのが実務標準です。

M&A・出資・業務提携・上場準備の各局面では、通常の反社チェックよりも広い範囲・深い調査が求められます。IPO準備企業では主幹事証券会社の指導で、対象範囲が代表者・役員から株主・主要取引先まで拡張されるケースが一般化しています。実務で反社チェックを回すのに便利なサービスは、後段の反社チェックに使えるサービスで条件別に整理しました。

契約書の暴排条項の記載例

反社チェックで問題を検知しても、契約書に暴排条項が入っていなければ取引を安全に打ち切る根拠が弱くなります。ここでは、全国銀行協会「銀行取引約定書に盛り込む場合の暴力団排除条項の参考例」(2008年11月25日公表)と2011年6月2日一部改正別紙1を素材に、企業間契約でも参照される標準的な項目立てを整理します。

書き手の独自表現ではなく、業界横断で流通している参考例の項目立てをベースにするのが実務上安全です。

表明・確約条項 — 自社と相手方が反社でないこと

暴排条項の柱は、契約当事者が反社会的勢力に該当しないこと、および反社会的勢力に該当する行為を行わないことを、現在および将来にわたって表明・確約する条項です。全銀協参考例の第1項は、暴力団・暴力団員・暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者・暴力団準構成員・暴力団関係企業・総会屋等・社会運動等標ぼうゴロ・特殊知能暴力集団等・その他これらに準ずる者への非該当を表明・確約させる形になっています。

加えて第2項では、「暴力的な要求行為」「法的な責任を超えた不当な要求行為」「取引に関して脅迫的な言動をし、または暴力を用いる行為」「風説を流布し、偽計を用いまたは威力を用いて信用毀損・業務妨害する行為」を行わないことも確約させます。属性要件と行為要件の双方を組み合わせる、政府指針解説の考え方をそのまま条項化した構造です。

② 私または保証人は、自らまたは第三者を利用して次の各号に該当する行為を行わないことを確約いたします。
1. 暴力的な要求行為
2. 法的な責任を超えた不当な要求行為
3. 取引に関して、脅迫的な言動をし、または暴力を用いる行為
4. 風説を流布し、偽計を用いまたは威力を用いて貴行の信用を毀損し、または貴行の業務を妨害する行為
5. その他前各号に準ずる行為

出典:銀行取引約定書に盛り込む場合の暴力団排除条項の参考例 第2項(2008年11月25日)|一般社団法人 全国銀行協会

解除条項 — 反社に該当した場合の無催告解除

解除条項は、相手方が反社会的勢力に該当することが判明した場合、または反社会的勢力の行為を行った場合に、催告なしに契約を解除できるとする条項です。反社が判明した後で、通常の債務不履行解除のように催告期間を設けていると、その間の取引継続で被害が拡大するため、無催告解除の余地を残しておくのが実務の基本設計です。

全銀協参考例の第3項・第4項は、第1項各号(属性要件)または第2項各号(行為要件)のいずれかに該当し、または表明・確約に関して虚偽の申告をしたことが判明し、取引継続が不適切である場合に、期限の利益喪失・全部弁済・手形買戻請求が発生する構造をとります。

都道府県暴排条例(東京都第7条・第18条)も、契約書に「催告することなく解除できる」旨の特約を定めるよう求めており、この2つの一次情報の項目立てに整合させておくと、社内・自治体・金融機関のいずれの相手にも通用する契約書になります。

損害賠償・免責条項

損害賠償・免責条項は、無催告解除に伴って相手方に損害が生じても賠償責任を負わないこと、逆にこちら側に損害が生じた場合には相手方が責任を負うことを定める条項です。反社会的勢力からの逆襲的な損害賠償請求を防ぎ、こちら側の求償を可能にする実務上の要となる部分です。

全銀協参考例2011年改正別紙1では、第5項として「前2項の規定の適用により、私または保証人に損害が生じた場合にも、貴行になんらの請求をしません。また、貴行に損害が生じたときは、私または保証人がその責任を負います。」という免責・求償条項が明示的に追加されました。企業間契約の暴排条項でも、この構造を踏襲する例が多く見られます。

ここまでは全銀協参考例に沿って項目立てと逐語を整理してきましたが、契約書に組み込む具体的な例文や、そのまま流用できるひな形が必要な方は、以下の記事で「表明・確約」「解除」「損害賠償・免責」を含むテンプレートと必須要素を解説しています。

出典・参考資料(4件)
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】反社チェックツールの資料を
一括ダウンロードする

反社チェックに使えるサービス

反社チェックの実務では、判定済みDBを備えたクラウド型ツール、報道記事の横断検索に強みを持つ専用SaaS、与信管理と一体で使えるクラウドサービスなど、実装のタイプが分かれます。ここでは、実務化を始めるときに検討候補になりやすいサービスを4つ紹介します。全体比較を求める場合は、後段の料金・機能を一括チェックから関連資料を一括で入手できます。

← 横にスクロールできます →
サービス名RiskAnalyze(リスクアナライズ)RISK EYES(リスクアイズ)RoboRoboコンプライアンスチェックアラームボックス パワーサーチ
初期費用無料無料無料無料
月額費用(最小プラン)27,500円〜(ライトプラン/年間600検索)15,000円〜(税別・月間最低利用料)0円〜(従量プラン)
5,000円〜(ミニマムプラン・インターネット検索)
3,000円〜(ライトプラン・ポイント制)
1件あたり費用プロフェッショナルで約116〜175円
(ライト・スタンダードは年間検索数の月額包括料金)
300円/検索(1媒体ごと)250円〜(インターネット検索)
350円〜(インターネット+新聞検索)
500円〜(ワンコイン/専門調査会社情報)
プラス新聞1,000円/プラスWEB1,000円
パーフェクト1,500円
情報源DB国内約1,000媒体(新聞・雑誌・行政処分・訴訟等)
海外240以上の国と地域
PEPs・Sanctionリスト対応
WEBニュース記事・新聞記事(35年遡及)
ブログ/掲示板
アンチソーシャルDB(独自反社DB)
日米の制裁リスト
ネット検索・SNS・新聞記事
SPネットワーク反社データベース
LSEG ワールドチェック・官報DB
海外約190ヵ国・約540万件
専門調査会社情報・新聞記事・WEB情報
4プランで組み合わせ選択
企業データ約500万社
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る公式資料を見る公式資料を見る

※2026年8月時点の各社公表情報に基づく。料金・仕様は変更される場合があるため、最新の条件は各社の資料でご確認ください。

本記事で紹介する4サービスに加えて、主要16サービスの全体比較や、料金・データソース・精度で失敗しない選び方を体系的に押さえたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

1. RiskAnalyze(リスクアナライズ)

RiskAnalyze(リスクアナライズ)のウェブサイト

RiskAnalyze(リスクアナライズ)は、KYCコンサルティング株式会社が提供する判定済みデータベース型の反社チェックツールです。専門家がキュレーションした国内約1,000媒体・海外240以上の国と地域のリスク情報を1時間おきに自動収集し、個人名・企業名の入力から最短0.4秒で調査レポートを返します。

CSVの一括検索では1,000件を約1分で処理でき、調査の証跡はクラウド上に7年間自動保存されます。

  • 料金体系は年間検索数に応じたプラン制で、ライトプランは月額27,500円(年間600検索)、スタンダードプランは月額50,000円(年間1,200検索)、プロフェッショナルプランは年間1,201検索以上で個別見積もり。初期費用・API利用料・アカウント追加料はすべて無料。
  • 海外PEPs・Sanctionリスト対応で、AML/CFT実務まで一気通貫でカバー。Salesforce AppExchange・kintoneとの連携やAPI経由でCRM・基幹システムに組み込む使い方も可能。
  • 情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格ISO/IEC 27001:2022を2025年7月に取得済み。累計導入企業数は2025年6月時点で1,300社を数え、上場・IPO準備企業の情報セキュリティ要件にも応えられる体制。

2. RISK EYES(リスクアイズ)

RISK EYES(リスクアイズ)のウェブサイト

提供元自身が東証グロース上場企業(証券コード3929)であるソーシャルワイヤー株式会社が運営する、反社チェック専用クラウドSaaSがRISK EYES(リスクアイズ)です。

同社のIPO時に主幹事証券会社から受けた指導を契機に、上場審査基準に対応する反社チェックの運用ノウハウをサービスに落とし込んだ設計となっており、公式トップは「サービス提供後 株式公開59社(2026年4月時点)」の実績を掲示しています。

  • 検索対象はWEBニュース記事・新聞記事(35年以上遡及可能)・ブログ/掲示板・制裁リスト・自社構築のアンチソーシャルDB(2015年以降の反社関連報道情報を独自収集)の5系統。日米が公表する制裁リスト検索で海外取引先にも対応。
  • 差分検索により、前回検索時にヒットしなかった新規記事のみを対象に定期チェックを回せるため、全件再調査の手間を抑制。リスクアラート機能では登録対象に関する報道が出た時点で、懸念レベル5段階で自動通知が届く運用が可能。
  • 料金は初期費用無料・最低月額15,000円(税別)・検索単価300円(1媒体ごと)の従量併用型。ボリュームディスカウントの相談も可能で、無料トライアルで本番相当の操作画面を試したうえで運用設計を決められる。

導入企業での具体的な工数削減水準について、提供元のソーシャルワイヤー株式会社は次のように説明しています。

杉山賢人氏
ソーシャルワイヤー株式会社 事業部長
杉山賢人氏
独自インタビューより

導入事例では、広報支援会社で検索業務を約93%削減、オンラインマッチングサービスを運営する企業で反社チェック業務を約95%削減、採用管理システムを提供する企業で従来比約85%の工数削減を実現しています。採用管理システムを提供する企業では、日次20~30件の確認に100~150分かかっていた業務が大幅に短縮されました。単なる時間削減だけでなく、検索条件や確認結果を履歴として残すことで、担当者が変わっても同じ基準で運用しやすくなり、定期チェックや上場準備に必要な証跡整備にもつながっています。

3. RoboRoboコンプライアンスチェック

RoboRoboコンプライアンスチェックのウェブサイト

オープン株式会社が提供するRoboRoboコンプライアンスチェックは、SBI証券が「上場企業に求められるコンプライアンスチェックに必要な要件」の観点で監修している反社・コンプライアンスチェックサービスです。

生成AI/LLMによる記事の要約・解析と、記事の重要度をAIが「高・中・低」の3段階に自動分類する機能で、確認作業の効率化を狙った設計になっています。累計導入は2026年2月時点で10,000社を突破しました。

データソースの広さと業務フローへの組み込みやすさが選択理由になりやすいサービスです。連携している情報ソースの範囲と、業務フロー全体を巻き込んだ工数削減の傾向について、提供元のオープン株式会社は次のように述べています。

関根氏
オープン株式会社 RoboRobo事業部 マーケティング部 部長
関根氏
独自インタビューより

データベースに関しては、ネット検索やSNS、新聞記事に加えて、SPネットワーク様の反社データベースやLSEG社が提供するワールドチェック、官報データベースなど、多種多様な情報ソースと連携しています。プラットフォーム内であらゆる調査が完結できる環境を整えています。営業部門から法務、管理部門へと申請が流れる一連のワークフローをシステム的に構築することで、複数の部署を巻き込んだ全社的な工数削減を実現できるパターンが、最も高い評価をいただいています。

  • 料金は初期費用無料・実際の取引先10件までの無料トライアルつき。定額プランはインターネット検索1件あたり最安〜200円台、ミニマムプランは月額5,000円〜(インターネット検索)・7,000円〜(インターネット+新聞検索)、従量プランは月額最低利用料0円で1件250円〜という3プラン構成(税抜・出典は労務SEARCH 2026年6月時点)。件数の見通しが立たない段階では従量で始め、実績が見えてから年間プランに切り替える運用が可能。
  • データソースはネット検索・SNS・新聞記事に加えて、SPネットワークの反社データベース、LSEGのワールドチェック、官報データベースなど多岐にわたる。約190ヵ国・約540万件の海外情報DBで海外法人・個人のチェックにも対応。
  • API・RPAで各種SaaSや基幹システムと連携でき、営業〜法務〜管理部門をまたぐ申請ワークフローを自動化できる。MFA(多要素認証)・IPアドレス制限も2025年4月に導入済み。

4. アラームボックス パワーサーチ

アラームボックス パワーサーチのウェブサイト

アラームボックス株式会社(2025年7月に弥生株式会社の子会社化)が提供するパワーサーチは、与信管理と反社チェックを1つのクラウドで回せる点が独自軸のサービスです。新規取引時の与信判断・反社チェック・継続モニタリング・売掛保証までを一気通貫で扱えるため、反社チェックだけを独立させず、取引の入口〜運用まで統合したい企業に適します。

  • 反社チェックの料金は4プランで、ワンコイン500円(専門調査会社情報)/プラス新聞1,000円(+新聞記事)/プラスWEB1,000円(+WEB情報)/パーフェクト1,500円(すべて)の従量制。月額基本料金と同額のポイントが毎月付与され、そのポイントを消費して調査を回すポイント制。
  • 月額プランはライト3,000円(3,000P・10名)/ビジネス7,500円(7,500P・20名)/エンタープライズ50,000円(50,000P・100名)。エンタープライズではAPI連携・グループ閲覧・権限管理・入力代行まで利用可能。初期費用は無料、30日間の無料トライアルつき。
  • 約500万社のデータをもとに、AIによる情報収集・解析に加えて、専任の調査担当者が与信判断の見解・アドバイスコメントを付す設計。弥生グループ入りに伴い、弥生の会計データと組み合わせた高精度AI与信モデルの構築方針も公表されている。

まとめ

反社会的勢力の定義は、2007年6月の政府指針「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」が起点です。

指針は「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」を反社会的勢力と捉え、これを見極めるうえで属性要件(暴力団・暴力団関係企業・総会屋・社会運動標ぼうゴロ・政治活動標ぼうゴロ・特殊知能暴力集団等)と行為要件(暴力的な要求行為・法的な責任を超えた不当な要求)の2軸に着目することを求めています。

実務では、政府指針の6属性要件に加えて、共生者・準暴力団・匿名流動型犯罪グループを含む9類型で外延を押さえるのが安全です。暴力団は反社会的勢力の中核ですが、反社会的勢力は暴力団より広い集合を指します。

契約書実務で頻出する「元暴5年」ルールの一次源泉は、全国銀行協会「暴力団排除条項参考例」の2011年6月2日一部改正別紙1で、都道府県暴排条例の本体条文が源泉であるかは県によって異なるため、契約書では全銀協参考例を根拠として明示するのが実務上安全です。

法規制側は、暴力団対策法(属性側の指定と不当行為規制)/都道府県暴力団排除条例(企業の取引排除義務、東京都は第3条・第7条・第18条・第24条・第33条ほか)/東証有価証券上場規程(第443条=遵守事項、第450条=遵守努力事項、第601条第1項第19号=上場廃止基準、上場審査等ガイドラインⅡ6.=審査観点)の3本柱で担保されています。

反社排除の稟議・契約書レビュー・上場審査対応では、この条文番号を押さえた社内資料を用意しておくと通りやすくなります。

ここまでの内容を社内で活かす次の一歩は、政府指針の原文PDFを社内コンプラ資料フォルダに保存すること、既存の取引契約書の暴排条項が全銀協参考例の項目立てと整合しているかを見直すこと、そして反社チェックの実務手段(新聞記事DB・専門調査会社・反社チェックツール)を自社の運用に合わせて比較検討することです。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】反社チェックツールの資料を
一括ダウンロードする

よくある質問(FAQ)

Q. 反社会的勢力(反社)とは何ですか?

反社会的勢力とは、「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」と2007年6月19日の政府指針(犯罪対策閣僚会議 幹事会申合せ「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」)が定義する存在です。

単一の法律による定義規定を持つ用語ではなく、政府指針の枠組みを金融庁監督指針・警察庁通達・全銀協の暴排条項参考例・東証の有価証券上場規程が横断的に採用することで、企業実務・金融行政・上場審査の共通語として定着してきました。定義文の原文と法的性格は政府指針の定義を参照してください。

Q. 反社会的勢力と暴力団は同じですか?

反社会的勢力と暴力団はイコールではなく、反社会的勢力が暴力団を含みつつ、より広い集合を指す包含関係にあります。

暴力団は暴対法2条2号で「その団体の構成員が集団的又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」と法的に定義された概念で、その外側に暴力団関係企業・総会屋・社会運動標ぼうゴロ・政治活動標ぼうゴロ・特殊知能暴力集団等・共生者・準暴力団(半グレ)・匿名流動型犯罪グループ(トクリュウ)が並びます。

暴対法の指定暴力団リストだけを見て「該当なし」と判断すると、フロント企業や共生者、準暴力団への関与を取りこぼす恐れがあるため、政府指針の6属性要件と行為要件の2軸、および実務追加類型を含めた9類型の観点でチェックを設計する必要があります。

Q. 反社会的勢力に明確な法的定義はありますか?

反社会的勢力には、単一の法律による定義規定はありません。実務の参照点は2007年の政府指針「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」ですが、これは犯罪対策閣僚会議 幹事会の申合せという行政文書で、法務省の解説文書にも「法的拘束力はない」と明記されています。

政府自身も2019年12月10日の答弁書で「反社会的勢力については、その形態が多様であり、また、その時々の社会情勢に応じて変化し得るものであることから、あらかじめ限定的、かつ、統一的に定義することは困難」と述べたうえで、政府指針を反社会的勢力に関する「基本的な理念や具体的な対応」を取りまとめた文書として位置づけています。

法的拘束力を持たない指針が実効性を持つのは、金融庁監督指針・警察庁通達・全銀協参考例・東証上場規程が横断的に指針の枠組みを取り込んでいるためです。

Q. 政府指針の6属性要件に「暴力団準構成員」は含まれますか?

政府指針の6属性要件に、暴力団準構成員は含まれません。指針が列挙するのは「暴力団/暴力団関係企業/総会屋/社会運動標ぼうゴロ/政治活動標ぼうゴロ/特殊知能暴力集団等」の6類型で、金融庁「主要行等向けの総合的な監督指針」もこれと同じ並びを採用しています。

準構成員を独立項目として含む「暴力団/暴力団員/暴力団準構成員/暴力団関係企業/総会屋等・社会運動等標ぼうゴロまたは特殊知能暴力集団等/その他前各号に準ずる者」の6項目は、全国銀行協会「銀行取引約定書に盛り込む場合の暴力団排除条項の参考例」(2008年11月25日公表)に基づく契約書用の項目立てで、政府指針の6類型とは別出典・別目的です。

両者を混同して「政府指針の6類型に暴力団準構成員を含める」と紹介する記事は少なくないため、社内資料や稟議では「政府指針側」「契約書側」を明示して使い分けるのが実務的です。詳しくは反社会的勢力に含まれる9類型を参照してください。

Q. 「元暴5年」ルールの条文根拠はどこにありますか?

元暴5年ルールの主な条文根拠は、全国銀行協会が警察庁および金融庁と協議のうえ2011年6月2日に一部改正した「銀行取引約定書に盛り込む暴力団排除条項参考例」の別紙1です。この改正で契約書上の「暴力団員等」の範囲に「暴力団員でなくなった時から5年を経過しない者」が明示的に追加され、以降、金融取引・企業間契約・自治体契約の暴排条項に広く波及しました。

東京都暴排条例2条4号の「暴力団関係者」の定義は「暴力団員又は暴力団若しくは暴力団員と密接な関係を有する者」であって「5年」の期間規定は条例本体に含まれず、都道府県によっては兵庫県のように条例本体に類似規定を持つ県もあります。

したがって契約書で元暴5年の記載を根拠づけるときは、都道府県条例だけでなく全銀協参考例2011年改正別紙1を併せて引くのが実務上安全です。全銀協参考例の逐語と経緯は元暴力団員の扱いを参照してください。

Q. 反社チェックは取引先の代表者だけで十分ですか?

代表者だけの反社チェックでは不十分です。取引先の法人・代表者・主要役員を最低ラインとし、大口取引・M&A・出資・上場準備の局面では株主や主要取引先まで対象を広げる運用が実務標準です。反社会的勢力は属性要件だけでなく行為要件でも捉える枠組みのため、代表者名の検索だけでは共生者・フロント企業の関与や役員経由の資金流出を取りこぼす恐れがあります。

IPO準備企業では主幹事証券会社の指導で、対象範囲が代表者・役員から株主・主要取引先まで拡張されるケースが一般化しており、無料検索エンジンのみに頼る運用は稟議のエビデンスとして脆弱です。範囲設計の考え方は反社チェックの実務概要を参照してください。

Q. 上場企業の反社チェックはどこまで求められますか?

上場企業の反社チェックは、東証有価証券上場規程第443条(企業行動規範の遵守事項=反社会的勢力の排除)と第450条(遵守努力事項=反社会的勢力排除に向けた体制整備)に基づく実効的な社内体制の整備、および第601条第1項第19号(上場廃止基準)に該当する関与を発生させない継続的な運用まで求められます。

IPO準備企業では、これに加えて「上場審査等に関するガイドラインⅡ6.」に沿った反社チェックの体制構築とエビデンス整備が主幹事証券会社の審査対象になります。

反社会的勢力の経営関与が判明した場合は上場廃止に至る可能性が明文化されており、体制不備は上場スケジュールの遅延要因になります。上場規程の条文と2008年改正の経緯は東証有価証券上場規程を参照してください。

Q. 取引先が反社と判明した場合、契約はどう解消できますか?

契約書に暴排条項が入っていれば、相手方が反社会的勢力に該当することが判明した時点、または反社会的勢力の行為を行った時点で、催告なしに契約を解除できる「無催告解除条項」を根拠に取引を打ち切れます。全銀協「暴力団排除条項参考例」の第3項・第4項は、表明・確約に虚偽の申告があった場合や取引継続が不適切な場合に、期限の利益喪失・全部弁済・手形買戻請求まで発生する構造を採用しています。

東京都暴排条例第7条・第18条も、契約書に「催告することなく解除できる」旨の特約を定めるよう求めており、この2系統の一次情報に整合させておくと自治体・金融機関のいずれの相手にも通用する条項になります。

加えて、無催告解除に伴って相手方に損害が生じても賠償責任を負わない旨の免責・求償条項を並置しておくと、反社側からの逆襲的な損害賠償請求を防げます。契約書の項目立ての詳細は本文の「契約書の暴排条項の記載例」節(表明・確約/解除/損害賠償・免責)を参照してください。

反社チェックツールの料金・機能を一括チェック

本記事で紹介した反社チェックサービスの料金・機能・導入事例をまとめて比較したい方に向けて、MCB FinTechカタログでは複数サービスの資料を一括ダウンロードできる仕組みを用意しています。稟議書のたたき台や、社内でのサービス比較資料として、ぜひご活用ください。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】反社チェックツールの資料を
一括ダウンロードする

MCB FinTechカタログに掲載しませんか?

MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
反社チェックツールの関連サービス資料

PR

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます

【無料】反社チェックツールの資料を
一括ダウンロードする

本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

関連記事

新着記事

反社チェックツール
おすすめの診断サービス