飲食店の経理は、他の業種と比べて日々の処理量が多くなりがちです。現金とキャッシュレスが入り混じった売上を毎日締め、食材の仕入は複数の業者から日単位で届き、それをすべて記帳しなければなりません。営業が終わってから帳簿に向かい、レジの現金が合わずに閉店後の時間が消えていく——そうした状態が続いていないでしょうか。
会計ソフトを入れれば負担は減りますが、汎用のソフトを選んだ結果、POSレジの売上を手で打ち直すことになったり、店舗別の損益が追えずに複数店舗の判断材料にならなかったりすることもあります。日々の業務が回る1本を選ぶには、どこを見ればよいのでしょうか。
本記事では、飲食店で使える会計ソフト15製品を、自店の規模と記帳の回し方に応じた5つのタイプに分けて比較します。POSレジ・銀行口座との連携、日別売上と現金の管理、店舗別の損益、インボイス制度と電子帳簿保存法への対応、そして実際にかかる金額を製品ごとに整理しました。まかないや廃棄の記帳といった飲食ならではの実務も併せて解説しています。
また、自店の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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本記事の対象範囲
本記事では、飲食店の会計業務に使えるソフトを比較します。対象は個人経営の1店舗から、数店舗を運営する法人までです。取り上げるのは、日々の売上と仕入を記帳し、帳簿と決算書の作成まで担える会計ソフトで、確定申告のみに特化した個人向けソフトや、年商数十億円規模を前提とする基幹システムは含みません。
飲食業専用に作られた会計ソフトを探している場合は、注意が必要です。かつて飲食特化を掲げていた製品にはすでに提供を終えたものもあり、現在は汎用の会計ソフトから飲食の業務に合うものを選ぶのが現実的です。そのため本記事では、汎用ソフトを「飲食店の日々の業務をどこまで回せるか」という軸で比較しています。
飲食店という絞り込みを外して、業種を問わずクラウド会計ソフト全体を見比べたい場合は、以下の記事で主要15製品の料金と機能を横並びにしています。
飲食店の会計・経理の特徴と会計ソフトが必要な理由
ここからは、飲食店の会計が他の業種と何が違い、その違いがソフト選びにどう効いてくるのかを整理します。
日別売上・現金・キャッシュレスが大量に発生する
飲食店の売上は、1日の営業が終わるたびに確定します。小売や卸のように月末にまとめて請求するのではなく、日次で締めた売上を日ごとに記帳していく必要があります。1か月営業すれば、それだけで30件前後の売上仕訳が生まれます。
さらに、その1日の売上が1つの入金にまとまりません。現金、クレジットカード、QRコード決済、電子マネー、デリバリー配達代行からの入金が並行して動き、それぞれ入金のタイミングも手数料の引かれ方も異なります。カード会社からの入金は数日から1か月遅れて、複数日分がまとめて振り込まれます。売上を計上した日と現金が入る日がずれるため、通帳の入金額と帳簿上の売上が一致しません。

仕入も同様です。青果、鮮魚、精肉、酒販と業者が分かれ、それぞれが日単位や週単位で納品します。手書きの納品書が積み上がり、月末にまとめて入力しようとすると数百枚になることも珍しくありません。会計ソフト選びでは、この「件数の多さ」と「入金と売上のずれ」をどれだけ自動で処理できるかが第一の分かれ目になります。
POSレジ・予約システムとの連携が経理負担を左右する
売上のデータは、すでにPOSレジの中にあります。日次の売上高、決済手段ごとの内訳、客数まで記録されています。それにもかかわらず、会計ソフトがPOSレジと連携していなければ、店主や経理担当がレジの締めレポートを見ながら会計ソフトに同じ数字を手で打ち直すことになります。同じデータを2回入力しているわけで、時間が奪われるだけでなく、転記ミスが起きやすくなります。
連携の形は製品によって異なります。銀行口座やクレジットカードの明細を自動取得する機能はほとんどの会計ソフトが備えていますが、POSレジそのものとの連携は対応状況に差が出ます。どの製品がどのレジに対応するかは、後述の選び方で具体的に整理します。
原価・FL比率の管理が経営に直結する
飲食店では、食材費(Food)と人件費(Labor)の合計が売上に占める割合を「FL比率」と呼び、経営状態を測る目安として使います。この2つが利益を左右する最大の費目だからです。食材の仕入価格は市況で動き、人件費はシフトの組み方で毎月変わるため、決算まで放置していると手を打つ時期を逃します。
会計ソフト側の観点で言えば、月次で試算表が締まるかどうか、そして複数店舗を運営している場合に店舗ごとの損益を分けて集計できるかどうかが問われます。全店合算の数字だけでは、どの店の原価率が上がっているのかが見えません。店舗を部門として登録し、部門別の試算表を出せる機能があるかが判断材料になります。
Excel・帳簿アプリ・会計ソフトはどう使い分ける?
開業したばかりで、1日の取引が数件しかない段階であれば、Excelでも記帳は回ります。費用がかからず、様式も自由に組めます。ただしフォーマットを自分で作る必要があり、複式簿記の知識も求められます。青色申告特別控除の65万円を受けるには複式簿記による記帳と電子申告などの要件があるため、Excelで組む場合はその形に合わせて設計しなければなりません。
スマートフォンの帳簿アプリは、レシートを撮影してその場で記録できる手軽さがあります。買い出しの多い小規模店には向きますが、決算書の作成や部門別の集計まで担える製品は限られます。
会計ソフトが必要になる境目は、手入力が追いつかなくなったときと、決算・申告を自分で完結させたいときです。目安としては、キャッシュレス決済の比率が上がって入金の突合に時間がかかり始めたとき、あるいは2店舗目を出して店舗別の数字が要るようになったときが、切り替えの分かれ目になります。
銀行口座とカードの明細を自動で取り込み、過去の仕訳から科目を提案する機能があれば、件数が増えても作業時間は比例して増えません。
個人事業として営んでいる場合は、制度の側にも切り替えを促す変更があります。青色申告特別控除の10万円控除について、2027年(令和9年)分以後の所得税から要件が変わります。
10万円の青色申告特別控除の対象者から、その年において不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営む者で、これらの所得に係る取引を簡易な簿記の方法により記録しているもののうち、その年の前々年分の不動産所得又は事業所得に係る収入金額が1,000万円を超える者は10万円の青色申告特別控除が適用できなくなります。
出典:簡易簿記による10万円の青色申告特別控除を適用している皆様へ|国税庁
年商1,000万円は、個人経営の1店舗でも到達しうる水準です。簡易な簿記のまま記帳を続けていると、この規模を超えた時点で控除がなくなります。
一方、複式簿記で記帳し、確定申告書等の提出を期限までにe-Taxで行えば65万円の控除を受けられます。さらに2027年(令和9年)分以後は、この改正後の65万円控除の要件に加えて、請求書データ等との自動連携や訂正削除履歴の記録など一定の要件を満たす優良な電子帳簿を作成・保存している場合、最大75万円の控除を受けられます。
国税庁自身も、この案内の中で会計ソフトの効用に触れています。
「会計ソフトを利用することで、日々の仕訳を簡単に行うことができ、入力した仕訳は他の帳簿へ自動的に転記・集計され、損益計算書や貸借対照表を効率的に作成できるため、複式簿記による記帳を行いやすくなります」とし、クラウド会計ソフトについては「銀行口座との自動連携や請求書・レシートのスキャンといった機能を有しているものが多く、業務の効率化を図ることができます」と説明しています。
会計ソフト導入で解決できること(導入メリット)
会計ソフトを導入すると、まず入力作業そのものが減ります。銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取得し、過去の仕訳内容をもとに勘定科目を提案する機能が働くため、日々の記帳は「提案された仕訳を確認して確定する」作業に変わります。手書きの納品書やレシートも、画像から文字を読み取る機能で仕訳の下地を作れる製品があります。
次に、数字が経営に使える形で出てきます。月次で試算表が締まれば、原価率や人件費率の変化をその月のうちに把握できます。店舗を部門として登録しておけば、どの店が利益を出し、どの店が食材費を使いすぎているかを分けて見られます。
法令対応の負担も軽くなります。インボイス制度に対応した請求書・領収書の処理や、電子取引データの保存要件を製品側の機能として満たせるため、要件を自分で調べて運用を組み立てる手間が減ります。決算・申告に必要な帳簿と決算書も、日々の記帳から自動で組み上がります。
飲食店向け会計ソフトの選び方
ここからは、飲食店が会計ソフトを選ぶときに確認すべき観点を、順に見ていきます。
飲食業に必要な機能(日別売上・現金管理)があるか
日次で売上を締める飲食店では、1日分の売上を決済手段ごとに分けて記帳できるかが基本になります。確認したいのは、現金売上と各種キャッシュレス売上を別々の科目や補助科目で管理でき、入金と売上計上のずれを未収入金などで追える設計かどうかです。
あわせて、同じ形の仕訳を毎日繰り返すことになるため、パターンを登録して呼び出せる機能があるかも確認しておきたい点です。日次売上の仕訳を型として保存できれば、毎日の入力は金額を入れるだけで済みます。現金出納帳の機能があり、レジの現金と帳簿残高を日々突き合わせられるかも確認しておきたいところです。
POSレジ・デリバリーと連携できるか
連携は3つの層に分かれます。1つ目は銀行口座・クレジットカードの明細取得で、ほぼすべてのクラウド会計ソフトが備えています。2つ目はPOSレジとの直接連携で、日次の売上データを会計ソフトに流し込めるもの。3つ目はデリバリー配達代行からの入金の取り込みです。

本記事で比較する15製品のうち、対応するPOSレジの製品名を公式サイトで名指ししているのは7製品で、残りは公式にPOS連携を明記していません。製品ごとの対応状況は比較表の「銀行・カード・POS連携」欄で確認できます。ただし「明記がない=レジの売上を手入力するしかない」ではない点に注意してください。
実際に自店のレジと繋がるかを確かめるには、会計ソフト側ではなくPOSレジ側の対応会計ソフト一覧から逆に引くほうが確実です。スマレジ・Airレジ・ユビレジ・Square・POS+・USENレジといった飲食で使われる主要なPOSレジは、いずれも自社サイトで対応する会計ソフトを公表しています。
自店のレジの公式サイトでその一覧を開き、候補として考えている製品が載っているかを照合してください。会計ソフト側の連携先の総数が多いことと、自店のレジに対応していることは別の話です。
直接連携が見つからない場合の現実的な方法は、レジの締めデータをCSVで書き出して会計ソフトに取り込むことです。15製品のうち13製品が仕訳のCSV・テキスト取込に対応しており、うち11製品は公式資料で取込形式まで確認できます。
ただし公式の案内が乗り換え時のデータ移行に限られる製品もあるため、日次でレジの売上を取り込む用途に使えるかは個別に確認してください。直接連携の有無だけでなく、このCSV取込の可否も併せて見ておくと、選択肢が広がります。
デリバリー配達代行については、Uber Eatsや出前館と直接連携する会計ソフトは公式には見当たりません。実務では、各社の管理画面から支払明細をCSVで取得して処理します。Uber Eatsの「お支払いの詳細」レポートは、売上総額と手数料が同じデータに分かれて入っているため、入金額だけを見て売上を過少に計上する事故を防げます。
出前館は手数料の請求と売上の支払を別の書類で出し、月次で請求額と支払額を相殺して差額を出前館か店舗のいずれかが支払う仕組みです。管理画面の売上レポートには手数料が含まれないため、請求情報を会計の根拠にする必要があります。
Uber Eatsの売上は、スマレジの「Uber Eats LINK」やPOS+を経由すればレジ経由で会計ソフトへ流せます。ただしその場合に流れるのは売上データで、手数料の相殺や入金消込まで自動化する旨の公式な記載はありません。
自店のレジが候補ソフトの連携先に見当たらず、レジ側の入れ替えも視野に入るなら、以下の記事でPOSレジ17製品の料金と業種別の選び方を確認できます。
インボイス制度・電子帳簿保存法に対応しているか
ここで見るのは、製品側が要件を満たす機能を備えているかどうかです。インボイス制度については、税率ごとに区分した消費税額の計算と、受け取った請求書が適格請求書かどうかを区別して記帳できることが要件になります。飲食店は軽減税率が絡む取引が日常的に発生するため、8%と10%の区分処理が必須になります。
電子帳簿保存法については、電子で受け取った請求書や領収書を要件に沿った形で保存できる機能があるかを確認します。目安として使えるのが、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)による法的要件の認証で、認証を受けた製品は同協会が公開する一覧で確認できます。無料版や買い切りの製品では対応が限定される場合があるため、この点は後述の費用の節と併せて判断してください。
出典・参考資料(2件)
事業規模・形態(個人事業主/法人・単店/多店舗)に合っているか
製品によって、対象とする事業形態が異なります。法人専用で個人事業主が使えないもの、逆に個人の確定申告に寄せたものがあり、自店が個人事業か法人かで候補が変わります。法人成りを予定している場合は、同じ製品ラインの中で移行できるかを見ておくと、乗り換えの手間を避けられます。
店舗数も分岐点になります。2店舗以上を運営していて店舗別の損益を追いたいなら、部門別管理に対応した製品またはプランが必要です。この機能は上位プランでのみ提供されることが多いため、料金表の中で「部門管理」がどのプランから使えるかを確認してください。
記帳を自分で回すか、税理士・記帳代行に任せるか
選定の前提として、誰が記帳を担うのかを決めておく必要があります。店主や店長が自分で入力するなら、簿記の知識がなくても操作できる画面設計と、科目提案の精度が重要になります。取引例があらかじめ登録されていて、そこから選ぶだけで仕訳が起きる製品は、経理未経験の担当者に向きます。
一方、営業に集中して記帳を外に出したい場合は、会計ソフト単体ではなく、顧問税理士や記帳代行とセットで運用する型が選択肢になります。この場合、自分で選ぶというより顧問先が使っている製品に合わせる形になることが多く、ソフトの使い勝手より「どこまで任せられて、月額いくらか」が判断材料になります。まだ税理士と契約していない段階なら、ソフトと記帳・決算・申告をまとめて提供する事業者を検討する方法もあります。
記帳を外に出したときの費用感を先に掴んでおきたい方は、こちらの記事で1仕訳あたりの料金相場と、税理士に頼む場合との任せられる範囲の違いを整理しています。
導入形式(クラウド型/インストール型)と料金体系(月額/買い切り/無料版)が自店に合うか
クラウド型は、ブラウザから使えるため店舗と自宅のどちらからでも入力でき、法令改正への対応も提供元が自動で反映します。複数店舗や複数人での利用にも向きます。反面、利用している間は月額または年額の費用が発生し続けます。
インストール型は、パソコンにソフトを入れて使う形式です。買い切りで購入すれば月額課金は積み上がりませんが、多くはWindows専用で、インストールした端末でしか作業できません。法令改正に対応した最新版を使うには、保守契約に入るかバージョンアップ版を買い直す必要がある点も踏まえた判断が必要です。
無料版は初期費用を抑えられますが、自動仕訳が使えない、電子帳簿保存法への対応が対象外、サポート窓口がないといった制限が付くことが一般的です。制限の中身は製品ごとに異なるため、具体的な範囲は後述の費用の節で確認してください。
サポート体制・操作性が飲食の現場に合うか
飲食店の場合、経理の作業時間は営業後や定休日に偏ります。サポート窓口が平日日中のみであれば、疑問が出たときにすぐ聞けないことになります。電話・メール・チャットのどれに対応し、受付時間はいつか、そしてサポートが料金に含まれるのか別料金なのかを確認してください。製品によっては、操作方法だけでなく仕訳や経理業務そのものの相談まで受け付けるプランがあります。
操作性については、無料体験期間を使って実際の取引を何件か入力してみるのが確実です。日次売上の仕訳と、仕入の納品書からの入力という、毎日繰り返す作業を試すと判断しやすくなります。
30秒で終わる選定診断ツール
ここまでの選び方の観点を、いくつかの質問に答えるだけで自店に当てはめられます。店舗の形態と数、記帳を誰が担当するか、費用の払い方から、5つのタイプのうちどれが合うかと候補のサービスを表示します。
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【比較表】飲食店向け会計ソフトの機能・料金を比較
ここからは、飲食店で使える会計ソフト15製品を、自店の状況に照らして比較・選定できるよう、5つのタイプに分けてご紹介します。分類の軸は「自店の規模」と「記帳を誰がどう回すか」です。
月額を抑えて自分で記帳する個人店・小規模法人向け、複数店舗の損益を管理したい法人向け、買い切りでランニングを抑えたい店向け、まず無料で始めたい開業直後の店向け、記帳や決算を税理士・専門家に任せたい店向けの5つで、自店がどこに当てはまるかを確かめながらご覧ください。
月額を抑えて自分で記帳する個人店・小規模法人向け
店主や店長が自分で入力する前提で、銀行口座・カード明細の自動取込と科目の自動提案によって日々の記帳を軽くできる価格帯です。
| サービス名 | 弥生会計 Next | freee会計 | マネーフォワード クラウド会計 | ジョブカン会計 | かんたんクラウド会計(MJS) |
|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 公式に記載なし |
| 月額(年額)費用 | 月約2,900円〜(エントリー・年34,800円) ベーシック年50,400円/ベーシックプラス年84,000円 | 月2,980円〜(ひとり法人・年払い) スターター月5,480円/スタンダード月8,980円(スターター以上は従量課金別) | 月2,480円〜(ひとり法人・年払い換算) スモールビジネス月4,480円/ビジネス月6,480円 | 月2,500円〜(スタートアップ・3ユーザーまで) ビジネス月5,000円(5ユーザーまで) | 月2,160円〜(Basic・年21,600円) Plus 月3,000円(年30,000円)。アカウント追加は1名月240円 |
| 銀行・カード・POS連携 | 銀行・クレジットカードなど2,500以上と連携 スマート取引取込を通じてAirレジ・スマレジ・ユビレジほかのレジと連携 | 銀行・クレジットカード・電子マネー・決済サービスなど1,000を超えるサービスと連携 スマレジ・Airレジ・Squareほかのレジと連携(freeeアプリストア) | 2,300以上の金融関連サービスと連携 Airレジ・スマレジ・Squareほかのレジと連携(公式のPOSレジ連携ページ) | 銀行・クレジットカードの明細を自動取込 POSレジとの直接連携は公式に記載なし | 銀行口座・クレジットカードの明細を自動取込 スマレジ・Airレジ・SquareほかのレジとMJSの連携製品として対応 |
| CSV取込(仕訳インポート) | 対応 | 対応 | 対応 | 対応(対応形式は要確認) | 対応(乗り換え時のデータ移行として案内) |
| 店舗別・部門別の損益管理 | ベーシックプラン以上で部門管理に対応 | タグ機能で部門別・取引先別の分析に対応(部門数無制限はアドバンス以上) | ビジネスプランで部門別損益管理に対応 | 試算表の部門別集計に対応 | 公式に記載なし |
| インボイス・電子帳簿保存法対応 | 両方に対応(電子帳簿保存法は証憑管理機能で対応) | 両方に対応(電子帳簿保存法はスキャナ保存・電子取引のJIIMA認証を取得) | 両方に対応 | 両方に対応 | 両方に対応(電子取引データの保存は「かんたんクラウド ファイルBOX」が担当) |
| 個人事業主・法人 | 法人のみ(個人事業主は対象外) | 法人・個人事業主(個人事業主は別プラン) | 法人のみ(個人事業主は別製品「マネーフォワード クラウド確定申告」) | 法人・個人事業主(双方の決算書作成に対応) | 公式に記載なし(対象はスタートアップ・中小企業・小規模事業者) |
| サポート | メール・チャット 電話での操作サポートと仕訳相談はベーシックプラス | チャット・メール(全プラン) 電話サポートはスタンダード以上 | 公式に記載なし(プランにより差がある) | サポート費用は無料 30日間の無料トライアル期間中から電話サポートを利用可能 | メール・チャットは無料 電話・オンライン遠隔操作は月360円のオプション |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※料金は2026年8月時点で各社が公式サイトに公表している金額(税抜)です。年払いと月払いで月額換算が変わる製品があります。
複数店舗の損益を管理したい法人向け
店舗別に数字を分けるだけなら上の価格帯でも対応できます。ここは承認フローや部門の階層管理まで必要になったときの選択肢です。
| サービス名 | 勘定奉行クラウド | PCAクラウド 会計 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0〜70,000円(エディションによる。Eシステムは0円) | 0円(月額払いのイニシャル0プラン) |
| 月額(年額)費用 | 年93,000円〜(Eシステム) Bシステム年282,000円/Sシステム年336,000円〜 | 月3,900円〜(PCAサブスク会計jiman) PCAクラウド 会計 月16,200円/会計hyper 月19,200円 |
| 銀行・カード・POS連携 | 金融機関の入出金明細データと連携し伝票起票を自動化 スマレジ・TenpoVisorと連携(奉行APIコネクト)(奉行APIコネクト) | 銀行口座・クレジットカードの取引履歴から自動仕訳(PCA FinTechサービス) POSレジとの直接連携は公式に記載なし(会計向けの連携は未確認) |
| CSV取込(仕訳インポート) | 対応 | 対応 |
| 店舗別・部門別の損益管理 | 部門・補助科目・取引先などの軸で試算表を集計 | 部門グループによる階層管理・セグメント別の集計に対応 複数法人の合算領域を作れるのは上位のhyper |
| インボイス・電子帳簿保存法対応 | 両方に対応(電子帳簿保存法はJIIMA認証4種をすべて取得) | 電子帳簿保存法はJIIMA認証「電子帳簿ソフト法的要件認証」を取得 インボイス制度はPCAシリーズとして対応(会計単体での対応範囲は要お問い合わせ) |
| 利用者数 | 標準1ユーザー+専門家1名 3名以上での利用は問い合わせが必要 | 公式料金ページに記載なし(構成により変動) |
| サポート | パートナー企業(販売店)経由での導入・運用支援 税理士・会計事務所と共有できる専門家ライセンスを標準付帯 | 電話・AIチャットボットで対応 インストール・操作指導・データ移行の導入支援費用は月額料金に含まれない |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※料金は2026年8月時点で各社が公式サイトに公表している金額(税抜)です。
買い切りでランニングを抑えたい店向け
初回の購入で使い続けられ、月額課金が積み上がりません。対応OSと、法令改正への対応をどう受けるかに条件が付きます。
| サービス名 | 会計王 | 弥生会計 デスクトップ版 | わくわく財務会計 |
|---|---|---|---|
| 提供形態 | インストール型(Windows 11、Mac非対応) | インストール型(Windows 11、Mac非対応) | インストール型(Windows、Mac対応の記載なし) |
| 初期費用 | 44,000円(税込・本体買い切り、初年度の年間保守込み) | 50,000円〜(税抜・スタンダード初年度優待価格、保守込み) プロフェッショナル88,000円 | 23,100円〜33,000円(税込・本体買い切り。ダウンロード版23,100円/パッケージ版33,000円) |
| 月額(年額)費用 | 月額なし(買い切り) 2年目以降の法令改正対応・最新版提供には年間保守「バリューサポート」の更新が必要 | 月額なし(買い切り) 2年目以降はあんしん保守サポート年36,700円〜(税抜) | 月額なし(買い切り) 年間保守契約は不要。ユーザー登録でサポート・アップデートを無償で継続利用 |
| 銀行・カード・POS連携 | 銀行・クレジットカードのWeb明細を取り込み仕訳を自動作成(MoneyLink) POSレジとの直接連携は公式に記載なし | 銀行・クレジットカードの明細から仕訳候補を自動作成(スマート取引取込) スマート取引取込を通じてAirレジ・スマレジ・ユビレジほかのレジと連携 | 銀行・カードの自動連携、POSレジ連携とも公式に記載なし |
| CSV取込(仕訳インポート) | 対応(対応形式は要確認) | 対応 | 対応 |
| 店舗別・部門別の損益管理 | 部門管理に対応(複数部門のグループ化) | プロフェッショナル以上で部門管理に対応 | 部門別・補助科目別の管理に対応 |
| インボイス・電子帳簿保存法対応 | 両方に対応(電子保存は付属の「電子帳簿保存BOX」) | 両方に対応(電子帳簿保存法はJIIMA認証 100700-01 を取得) | インボイス制度は複数税率・80%控除の計算に対応 電子帳簿保存法対応は別売「コラボクラウドストレージ」との連携が前提(10GB 月額1,100円税込〜) |
| 個人事業主・法人 | 法人・個人事業主(青色申告決算書・収支内訳書に対応) | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主(決算書・青色申告決算書に対応) |
| サポート | 電話・メール・チャット・FAX(平日10:00〜17:00) 購入時に最大15か月の電話サポートが付属 | 電話・メール・チャット(あんしん保守サポート契約者向け) 電話はベーシックプラン以上で契約期間中10回まで | Web問い合わせフォーム・FAX 電話は受け付けていない |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
※料金は2026年8月時点で各社が公式サイトに公表している金額です。税込・税抜の別は各社の公表表記に合わせて記載しています。
まず無料で始めたい開業直後の店向け
無料の範囲で決算書の作成まで到達できます。自動仕訳・法令対応・サポートの範囲に制限があるため、その中身を確かめて選んでください。
| サービス名 | 円簿会計 | フリーウェイ経理 |
|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド型 | インストール型(Windows 11・10、Mac非対応) |
| 月額(年額)費用 | 0円(1社・1ユーザーの範囲) 複数社・複数ユーザーで使う場合は上位版「円簿PRO」が年9,500円〜(税抜) | 0円(Lite無料版・期間の制限なし) 企業版は月3,000円・年36,000円(税抜) |
| 無料で使える範囲 | 仕訳帳・出納帳・試算表・総勘定元帳・補助元帳・年次決算・決算報告書 法人向け決算書の作成にも対応 | 仕訳形式・出納帳形式での入力、試算表と決算書の出力(決算書は勘定式のみ) インボイス制度にも追加費用なしで対応 |
| 無料版の制限 | 1社・1ユーザー 無料で使える期間は公式サイト内で記述が分かれる(サービス紹介ページは「新規ご登録から1年間」) | 登録できる会社データは1社、保存先はパソコン内のみ 自動仕訳・部門管理・伝票入力・クラウド保存・操作サポートは有料版のみ |
| 銀行・カード・POS連携 | 銀行・カードの自動連携、POSレジ連携とも公式に記載なし | 無料版は非対応(銀行・クレジットカード連携による自動仕訳は有料版のみ) POSレジとの直接連携は公式に記載なし |
| CSV取込(仕訳インポート) | 対応(弥生形式のCSVを取込) | 対応 |
| 店舗別・部門別の損益管理 | 公式に記載なし | 無料版は非対応(部門管理は有料版のみ) |
| インボイス・電子帳簿保存法対応 | インボイス制度は仕入税額控除の経過措置に対応 電子帳簿保存法への対応は公式に記載なし | インボイス制度に追加費用なしで対応 電子帳簿保存法の「優良な電子帳簿」対応は2026年9月以降のVer8.00でPro・顧問先版のみ(無料版・企業版は対象外) |
| 個人事業主・法人 | 法人・個人事業主(法人向け決算書の作成に対応) | 法人・個人事業主 |
| サポート | 問い合わせフォームのみ(個別の電話対応は行っていない) 回答できるのはソフトの操作方法まで | 無料版は操作サポートの対象外(無人のAIチャット・FAQのみ) 電話サポートは有料版契約者向け(平日9:00〜12:00/13:00〜17:00) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト |
※無料の範囲・制限および有料版の料金は2026年8月時点で各社が公式サイトに公表している内容です。
記帳や決算を税理士・専門家に任せたい店向け
会計ソフトと顧問税理士や記帳代行をセットで運用し、店側の記帳負担を最小限に抑える形です。
| サービス名 | Tenbook(テンブック) | TKC FXクラウドシリーズ | クラウド発展会計 |
|---|---|---|---|
| 契約の形 | 提供元と直接契約(クラウド会計ソフト「10book」と記帳代行・決算・申告がセット) | TKC全国会に所属する会計事務所(TKC会員事務所)を通じて導入(市販されていない) | 会計事務所向けのシステム。顧問税理士が採用している場合に顧問先として利用する |
| 任せられる範囲 | 記帳代行・月次処理・決算書作成・税務申告(法人税・所得税・消費税) 相続税・贈与税、法人税のうちグループ通算制度・組織再編税制・国際税務は範囲外 | 会計事務所が毎月の巡回監査で帳簿の適法性・正確性・適時性を検証 経営計画の策定支援など関与の範囲は事務所との契約による | 会計事務所と同じデータを同時に閲覧しながら入力 決算書・月次レポート・資金繰り実績表を自動作成 |
| 初期費用 | 0円 | 公式に記載なし(会計事務所との契約による) | 公式に記載なし(会計事務所との契約による) |
| 月額(年額)費用 | 月29,500円(免税事業者・売上1,000万円以下が目安) 月43,500円(課税事業者・売上5億円以下が目安)。決算料は別途かからない | 公式に記載なし(会計事務所との契約による) | 公式に記載なし(会計事務所との契約による) |
| 銀行・カード・POS連携 | 金融機関・クレジットカードのデータ自動取得に対応 POSレジとの直接連携は公式に記載なし | 銀行・信販データの自動受信と仕訳の自動生成に対応 ユビレジ・Airレジ・スマレジと連携(TKC会員事務所経由で導入) | インターネットバンキングの取引明細を取り込んで自動仕訳 通帳をAI-OCRで読み取るAI-BANKは有償オプション POSレジとの直接連携は公式に記載なし |
| CSV取込(仕訳インポート) | 公式に記載なし | 対応(仕訳読込テンプレートで取込) | 公式に記載なし |
| 店舗別・部門別の損益管理 | 部門別・予算・前期比較での確認に対応 | 部門別・得意先別の業績確認に対応(365日変動損益計算書) | 部門別管理(階層設定)に対応 |
| インボイス・電子帳簿保存法対応 | 見積書・請求書発行がインボイス制度に対応 支払管理・振込データ作成が電子帳簿保存法に対応 | 両方に対応(電子帳簿保存法はJIIMA認証を取得) | 両方に対応(「発展ストレージ」が電子帳簿保存法・インボイスに対応) |
| サポート | 10book・メール・オンライン・電話(平日9:30〜18:00) 原則3名体制で対応 | 導入・運用支援は顧問のTKC会員事務所が担う 直接の問い合わせ窓口・対応時間は公式に記載なし | 導入・支援は会計事務所経由が基本 体制・対応時間は公式に記載なし |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※料金・対応範囲は2026年8月時点で各社が公式サイト・カタログに公表している内容です。会計事務所を通じて導入する製品は、実際の費用が事務所との契約条件によって変わります。
飲食店向け会計ソフトおすすめ15選
ここからは、5つのタイプごとに各製品の特徴を見ていきます(料金は2026年8月時点)。
月額を抑えて自分で記帳する個人店・小規模法人向け
店主や店長が自分で記帳を回す前提で、銀行口座やカード明細の自動取込と科目の自動提案によって日々の入力を軽くできる製品群です。
1. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextは、2025年4月8日に提供が始まった法人向けのクラウド会計です。前身の弥生会計 オンラインは2025年4月7日で新規受付を終了し、会計に請求書発行・経費精算・証憑管理を統合した本製品に切り替わりました。
日々の記帳では、2,500以上の金融機関・クレジットカードなどと連携して明細を自動取得し、AIが勘定科目を提案します。証憑管理のAI-OCRは領収書・請求書に加えて納品書も読み取り対象としており、業者ごとに届く仕入の書類を撮影して処理に回せます。全機能を1事業者につき1回、最大3か月試せる無料体験も用意されています。
料金は年契約・税抜で、エントリーが34,800円(月換算で約2,900円)、経費精算と部門管理が加わるベーシックが50,400円、電話での操作サポートと仕訳相談が付くベーシックプラスが84,000円。ただし契約できるのは法人のみで、個人事業主は対象外です。個人で店を営んでいる場合は、やよいの青色申告 オンラインなど弥生の個人事業主向けラインが対象になります。
2. freee会計(フリー株式会社)

銀行口座・クレジットカード・電子マネーに加え、POSレジや決済サービスを含む1,000を超えるサービスと連携するのが、フリー株式会社のfreee会計です。取得した明細はAIが勘定科目を提案し、そのまま仕訳に反映されます。
自店で使っているPOSレジが連携先に含まれていれば、日次の売上をレジの締めレポートから打ち直す手間がなくなります。書類をアップロードするとAIが文字を読み取って仕訳を作る機能も備え、電子帳簿保存法についてはスキャナ保存と電子取引の両方でJIIMA認証を取得しています。
法人向けの料金は年払い・税抜で、代表1名の記帳に絞ったひとり法人が月2,980円、新設法人向けのスターターが月5,480円、スタンダードが月8,980円です(スターター以上は従量課金が別途)。個人事業主向けのプランも別に用意されているため、個人経営の店から法人成り後まで同じ製品ラインで続けられます。無料お試しは30日間です。
3. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

対象はひとり法人と中小企業で、公式サイトでは従業員50名以下が目安として示されています。2,300以上の金融関連サービスと連携して明細を自動取得し、AIが勘定科目を提案する仕組みです。個人事業主が使う場合は、別系統のマネーフォワード クラウド確定申告が該当します。
料金は年払い換算・税抜で、ひとり法人が月2,480円、3名まで使えるスモールビジネスが月4,480円、ビジネスが月6,480円。店舗を部門として分けて損益を追えるのはビジネスプランからのため、2店舗目を見据えるならこの価格帯で見込んでおくことになります。
ひとり法人プランは仕訳数が会計年度あたり500件までと定められており、日次で売上を記帳する飲食店では上限に届きやすい点を確かめておいてください。
レシートや請求書を読み取るAI-OCR(仕訳へのファイル添付)の枠はプランで異なり、ひとり法人は1か月30件まで、スモールビジネスは60件までです。ビジネスプランは101件目以降のファイルに1件20円(税抜)が加算されます。複数の業者から日々納品書が届く店では、この枠が実質的なプランの選択条件になります。無料トライアルは1か月、クレジットカードの登録は不要です。
4. ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

勤怠管理や給与計算を展開するジョブカンシリーズの会計製品で、株式会社DONUTSが提供しています。パッケージソフトの操作性を引き継いだキーボード中心の入力と、入力に連動した自動集計を掲げており、銀行・クレジットカードの明細取込にも対応します。
初期費用は0円で、月額はスタートアップが2,500円(3ユーザーまで)、権限管理・承認・履歴管理が加わるビジネスが5,000円(5ユーザーまで)。試算表は月次・年間推移・前年比較のほか部門別の集計に対応するため、店舗を部門として登録すれば店ごとの損益を分けて確認できます。法人・個人事業主のどちらの決算書作成にも対応します。
ただしレシートや請求書の読み取りは、有償オプション「ジョブカン証憑管理」の機能です。取引年月日・取引金額・取引先名を自動で読み取り、基本料金に月100枚まで含まれ、101枚目以降は1枚10円(税抜)が加算されます。会計のビジネス以上と併用すると証憑管理の基本料金が2,000円割り引かれ、30日間の無料トライアルでは期間中から電話サポートを使えます。
5. かんたんクラウド会計(MJS)(株式会社ミロク情報サービス)

取引例があらかじめ登録されており、簿記の知識がなくても入力できる設計を掲げたクラウド会計です。提供元の株式会社ミロク情報サービスは1977年設立で、会計事務所・企業向けの業務システムを手がけてきました。顧問先に導入した会計事務所が遠隔からサポートする運用にも対応しています。
銀行口座・クレジットカードの明細を自動で取り込むほか、レシート画像から日付・金額・電話番号を読み取って仕訳データに変換します。決算書に加えて消費税精算表や資金繰表も作成でき、インボイス制度と電子帳簿保存法に対応。電子で受け取った請求書の保存は同じシリーズの「かんたんクラウド ファイルBOX」が担い、会計契約時は100MB分が無料で付きます。
料金は税抜で、Basicが月2,160円(年21,600円)、財務分析や資金繰、消費税関係の機能が加わるPlusが月3,000円(年30,000円)です。アカウントは標準3名、追加は1名につき月240円。メールとチャットのサポートは無料ですが、電話とオンライン遠隔操作のサポートは月360円のオプションになります。無料体験は2か月です。
複数店舗の損益を管理したい法人向け
店舗別に数字を分けて見るだけなら、前のタイプの月額数千円のクラウド会計でも部門別集計に対応する製品があります。ここで挙げるのは、それに加えて仕訳の承認フローや部門の階層管理、予実対比まで回したい規模になったときの選択肢です。
6. 勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

店舗を部門として登録しておけば、部門・補助科目・取引先といった軸で試算表を集計でき、店舗別の損益をそのまま確認できます。基幹業務システム「奉行シリーズ」を展開する株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供するクラウド会計ソフトで、給与奉行や固定資産奉行など同社の他製品とデータ連携する前提で作られています。
日々の記帳は、金融機関の入出金明細データとの連携や、領収書・Excelからの学習によって伝票起票を自動化します。電子帳簿保存法についてはJIIMA認証4種をすべて取得しており、インボイス制度にも対応して仕訳単位で証憑データを添付できます。
料金は年額制で、伝票明細の件数と使える機能でエディションが分かれます。最小構成のEシステムが年93,000円・初期費用0円(税抜、伝票明細30,000件まで)、分析機能を加えたBシステムが年282,000円・初期費用60,000円、管理会計向けのSシステムが年336,000円からです。標準の利用者は1ユーザーと専門家1名分で、3名以上での利用は問い合わせが必要です。30日間の無料お試しがあります。
7. PCAクラウド 会計(ピー・シー・エー株式会社)

1980年設立のピー・シー・エー株式会社が、パッケージ会計ソフト「PCA会計」をクラウド形態で提供する製品です。部門をグループにまとめた階層管理ができ、店舗ごとの損益に加えてエリアや業態といった単位でも数字を追えます。担当者が入力した仕訳を責任者が承認する機能もあるため、経理担当と経営者で確認の役割を分けられます。
日々の入力では、銀行口座やクレジットカードの取引履歴から仕訳を作る「PCA FinTechサービス」と、請求書・領収書ファイルやCSVから仕訳を起こす「クイック処理」が使えます。有償のAI-OCRオプションを併用すれば、証憑から読み取った取引日・取引先・金額や、軽減8%と標準10%を区分した消費税額をクイック処理に取り込んで仕訳にできます。無料体験は2か月です。
料金は月額制で、2026年8月時点ではサブスクリプション型の月3,900円からクラウド版の会計hyperの月19,200円まで、税抜で段階的に用意されています。複数法人を企業グループとして登録し合算領域を作れるのは上位のhyperです。
版が違ってもデータと画面レイアウトに互換性があり、1店舗から始めて後から上位版へ移せます。ただしインストールや操作指導、データ移行にかかる導入支援の費用は月額料金に含まれません。
導入してから効果が表れる順序について、提供元のピー・シー・エー株式会社は次のように話しています。

まず導入1ヶ月目には、日々の入力・仕訳作業のスピードアップを実感いただけるケースが多いです。銀行明細やクレジットカードデータの自動取込、定型・自動仕訳機能を活用することで日々の伝票入力の手間が減り、最初の1ヶ月が終わる頃には手入力の削減による残業時間の減少を実感していただけます。
半年から1年ほど経つと、過去のデータが蓄積されることで、複数階層での部門管理や予算・実績の対比分析がスムーズに行えるようになります。
買い切りでランニングを抑えたい店向け
初回の購入で使い続けられ、月額課金が積み上がらない製品群です。インストール型が中心で、利用する端末や対応OSに条件が付きます。
8. 会計王(ソリマチ株式会社)

ソリマチ株式会社が販売する、Windows PCにインストールして使うパッケージ型の会計ソフトです。本体は税込44,000円の買い切りで、購入時に年間保守「バリューサポート」の初年度分と、最大15か月の電話サポートが付きます。月額課金は発生しません。
日々の記帳では、MoneyLinkが銀行口座やクレジットカードのWeb明細を取り込んで仕訳を自動作成します。摘要欄の入力時にAIが過去の仕訳事例から勘定科目・部門・税率を予測するため、日次売上や仕入のように同じ形が続く入力を短縮できます。部門管理で店舗ごとに集計でき、インボイス制度と改正電子帳簿保存法には付属の「電子帳簿保存BOX」による電子保存で対応します。
一方で、動作環境はWindows 11のみでMacは対象外、かつ1台のパソコンで使うスタンドアロン製品のため、ソフトを入れた端末でしか作業できません。法令・消費税改正への対応と最新バージョンの提供を受け続けるには、2年目以降もバリューサポートの更新が必要です。サポートは電話・メール・チャット・FAXで、受付は平日10時〜17時。30日間の無料体験版が用意されています。
9. 弥生会計 デスクトップ版(弥生株式会社)

クラウド版の「弥生会計 Next」が法人向けであるのに対し、デスクトップ版の弥生会計(最新版は弥生会計 26)は個人事業主も対象です。個人経営のまま青色申告をしている店にとっては、こちらが弥生株式会社の選択肢になります。Windows PCにインストールして使い、本体のグレード購入と年1回の「あんしん保守サポート」を組み合わせる料金体系です。
初年度は本体と保守がセットの優待価格で、スタンダードがセルフ・ベーシックプランとも50,000円(税抜)、店舗別の損益を追える部門管理に対応するプロフェッショナルが88,000円(税抜)です。2年目以降は保守料のみで、スタンダードのセルフプラン36,700円からプロフェッショナルのベーシックプラン67,700円(いずれも税抜の年額)といった水準になります。
記帳はスマート取引取込が銀行・カードの明細から仕訳候補を作り、レシートや請求書は「スマート証憑管理」がAI-OCRで読み取ってクラウドに保存します(あんしん保守サポート加入者は追加費用なし)。
電子帳簿保存法についてはJIIMA認証(認証番号100700-01)を取得済みです。ただし対応OSはWindows 11のみで、保守サポートを更新しない年はバージョンアップと法令改正対応が受けられなくなります。
10. わくわく財務会計(株式会社コラボ)

価格はダウンロード販売が23,100円、エコパッケージが26,400円、パッケージ版が33,000円(いずれも税込)。株式会社コラボが販売するWindows向けの会計ソフトで、購入後の年間保守契約が不要な点が料金面の特徴です。ユーザー登録をすればサポートとアップデートを無償で継続利用でき、2年目以降の追加費用は原則かかりません。
消費税は10%と軽減税率8%、免税事業者等との取引の80%控除を含む複数税率の計算に対応しており、店内飲食とテイクアウトで税率が分かれる記帳を処理できます。部門別・補助科目別の管理と固定資産台帳を備え、入力した取引は仕訳帳・総勘定元帳へ自動転記されます。決算書と消費税申告書(原則課税・簡易課税)の作成まで同じソフトで行えます。
制約もはっきりしています。Windows専用で、本体は1台のパソコンでの利用を想定しており、複数の担当者がLAN経由で同時に入力するには上位版「らんらん財務会計」(希望小売価格 税込66,000円、最大5台同時接続)への切り替えが必要です。
電子帳簿保存法への対応は別売の「コラボクラウドストレージ」との連携が前提で、10GBで月額1,100円(税込)から。サポートはWeb問い合わせフォームとFAXのみで、電話は受け付けていません。
まず無料で始めたい開業直後の店向け
無料の範囲で決算書の作成まで到達できる製品群です。自動仕訳や法令対応、サポートの範囲に制限があるため、その中身を確かめたうえで選んでください。
11. 円簿会計(株式会社円簿インターネットサービス)

「クラウド円簿」というポータルの中で、株式会社円簿インターネットサービスが無料提供しているクラウド型の会計ソフトです。仕訳帳・出納帳から試算表・総勘定元帳、年次決算・決算報告書までを無料の範囲でカバーし、公式サイトには法人向け決算書の作成にも対応すると明記されています。利用は1社・1ユーザーの単位です。
注意したいのが無料で使える期間で、公式サイト内でも記述が分かれています。サービス紹介ページには「無料期間は新規ご登録から1年間」という脚注がある一方、別ページでは期間限定なしと案内されています。使い始める前に、無料の期間がいつまでかを公式へ直接確認しておくことをおすすめします。電子帳簿保存法への対応可否についても、公式に明示された記述はありません。
サポートの窓口は問い合わせフォームで、公式FAQでは個別の電話対応は行っておらず、回答できるのはソフトの操作方法までと案内されています(決算や経理の内容は税理士などに相談する前提です)。入力したデータは現会計年度を含めて7年間サーバーに保存されます。複数社・複数ユーザーで使う段階では、有料の上位版「円簿PRO」が年額9,500円(税抜)から用意されています。
12. フリーウェイ経理(株式会社フリーウェイジャパン)

無料版の「フリーウェイ経理Lite」には利用期間の制限がなく、ライセンスを購入せずに使い続けられます。提供元は1991年創業の株式会社フリーウェイジャパンで、決算書・試算表の出力までが無料の範囲に入ります(決算書は勘定式のみ)。個人事業主やフリーランスに限らず法人でも使え、インボイス制度にも追加費用なしで対応します。
無料版で登録できる会社データは1社、保存先はパソコン内のみで、クラウドへの保存・同期は有料版の機能です。銀行口座やクレジットカードと連携した自動仕訳も有料版限定のため、無料版では日々のキャッシュレス入金を手入力することになります。対応OSはWindows 11・10で、Macでは動作しません。
無料版は操作サポートの対象外で、窓口は無人のAIチャットとFAQに限られます。電子帳簿保存法の「優良な電子帳簿」への対応も、2026年9月以降に提供予定のVer8.00でPro・顧問先版のみが対象とされ、無料版は含まれません。電話サポートやクラウド保存、自動仕訳が必要になった段階では、月額3,000円・年間36,000円(いずれも税抜)の企業版が移行先になります。
記帳や決算を税理士・専門家に任せたい店向け
会計ソフトと顧問税理士や記帳代行をセットで運用し、店側の記帳負担を最小限に抑える型です。営業に時間を割きたい店に向きます。
13. Tenbook(テンブック)(シンアカウンティングサービス株式会社)

公認会計士・税理士が代表を務めるシンアカウンティングサービス株式会社が、自社開発のクラウド会計ソフト「10book」と、記帳代行・決算書作成・税務申告をひとまとめにして提供しています。ソフトだけを借りる契約ではなく、日々の帳簿づくりから申告まで同じ会計事務所が担当するため、顧問税理士をまだ持たない店でも窓口が一つで済みます。
料金は事業者区分で2段階に分かれます。免税事業者は月額29,500円(売上1,000万円以下が目安)、課税事業者は月額43,500円(売上5億円以下が目安)で、初期費用は0円。年間一括払いなら免税事業者が300,000円、課税事業者が475,000円です。決算のたびに決算料が別途かかることはありません。
対応する税目は法人税・所得税・消費税で、相続税や贈与税は範囲外です(法人税のうちグループ通算制度・組織再編税制・国際税務も除きます)。導入例には小売業やサービス業と並んで飲食業が挙がっており、導入例は事業規模1名のサービス業から売上5億円の飲食業まで。やり取りはメール・オンラインと電話(平日9:30〜18:00)で、原則3名体制で対応します。
どのような状況で記帳や決算の委託が相談され、何が決め手になるのかについて、提供元のシンアカウンティングサービス株式会社は次のように話しています。
ご相談のきっかけで多いのは、経理担当者の退職などで経理が不安定になりそうだ、あるいはそもそも経理リソースがなくて体制を作りたい、という背景です。
比較検討の中で決め手になりやすいのは、経理だけで終わらず、決算書・申告書の作成や経営会議の資料作成まで含めて一貫して委託できる点だと思っています。最後まで責任範囲がつながっていることは、判断材料として分かりやすいはずです。
14. TKC FXクラウドシリーズ(株式会社TKC)

TKC FXクラウドシリーズは、市販されておらず、TKC全国会に所属する会計事務所(TKC会員事務所)を通じて導入する仕組みです。税理士・公認会計士による毎月の巡回監査とセットで使う設計で、帳簿の適法性・正確性・適時性を事務所が毎月検証します。月次決算が締まると業績報告がスマートフォンに配信されます。対応する事務所は検索サイト「myTaxPro」で探せます。
飲食店の関心に直結するのは、限界利益の管理を軸にした365日変動損益計算書です。部門別・得意先別の業績も確認でき、売上と利益の動きを日々追えます。経理事務の面では銀行・信販データの自動受信と仕訳の自動生成、証憑保存機能を備え、領収書等AI読取りオプションは公式に「90%超の高い読み取り精度」とされる一方、すべての文字を完璧に読み取れるわけではないとも明記されています。
もう一つの特徴がTKCモニタリング情報サービスです。経営者の依頼にもとづき月次試算表や決算書を金融機関へ開示できる無償のサービスで、出店資金の借入がある店には判断材料になります。小規模向けのFXまいスタークラウドは、専任の経理担当者がいなくても事務所の支援で経理を完結できる位置づけです。料金は公式サイトに記載がなく、会計事務所との顧問契約の条件と関与内容によります。
15. クラウド発展会計(日本ビズアップ株式会社)

こちらは会計事務所向けに作られたクラウド会計システムで、日本ビズアップ株式会社が提供しています。公式サイトによれば全国1,400件の会計事務所が利用しており、店側は顧問税理士が採用していれば、同じデータを事務所と同時に閲覧しながら日々の入力を進める形になります。決算書や月次レポート、資金繰り実績表は自動で作成されます。
入力の自動化に力点があり、AI-BANKは通帳の文字情報をAI-OCRで読み取って日付・金額・取引内容を抽出し、仕訳まで作成します。請求書やレシートを読み取るMONEYのAI-OCRも稼働中で、2025年12月には証憑スキャンからの仕訳作成と業績分析レポートの自動生成を担う生成AIオプションが加わりました。いずれも有償オプションで、金額は公表されていません。
手書きの現金出納帳をスキャンして仕訳を作るAI-MONEYは、公式サイトに「現在開発中」と記載されており、まだ使えません。現金のやり取りが多い店ほど期待したくなる機能ですが、判断は現時点で使える範囲で行ってください。料金表も公式サイトには掲載がないため、顧問税理士がこのシステムを使っているかどうかを確かめるところが出発点になります。
飲食店向け会計ソフトの費用相場
ここからは、実際にかかる金額の帯を、事業規模と無料利用のケースに分けて整理します。製品ごとの具体的な金額は比較表に記載しています(2026年8月時点)。
個人事業主・小規模店の費用目安
個人経営の1店舗や、従業員数名の小規模法人であれば、クラウド型の会計ソフトは月額2,000円台から3,000円台が中心です。年払いを選ぶと月額換算の単価が下がる製品が多く、契約期間の縛りと併せて確認する価値があります。
この価格帯で使えるのは、銀行口座・クレジットカードの自動連携、AIによる科目提案、帳簿と決算書の作成といった基本機能です。買い切りのインストール型なら2万円台から4万円台で購入でき、2年目以降のランニングをほぼゼロにできます。ただし法令改正に対応した最新版を使うには保守契約かバージョンアップ版の購入が必要になる点を織り込んでください。
なお本記事は法人会計も扱える製品を対象にしているため、個人事業主の確定申告に特化したソフトは含めていません。個人経営で申告だけを効率化したい場合は、そちらのラインも選択肢になります。
法人・多店舗の費用目安
複数店舗を運営し、店舗別の損益管理や複数人での利用が必要になると価格帯は上がります。ただし部門別の集計だけなら月額数千円の帯でも対応する製品があり、価格帯だけで判断はできません。
仕訳の承認フローや部門の階層管理、予実対比まで求める場合は、年額9万円台から数十万円の帯になります。自店に必要なのがどこまでかを決めてから比較表を見ると、候補が絞れます。
記帳や決算を外部に任せる形は、ソフト利用料とは別の考え方になります。会計ソフトに記帳代行・決算・申告を束ねた形であれば月額3万円前後からが目安です。顧問税理士と契約して記帳を任せる場合の顧問料は、契約内容や訪問頻度によって幅があるため、個別の見積もりで確認してください。
表示価格に含まれず、後から乗る費用
月額の表示価格だけで比べると、実際に必要な機能を揃えた状態での金額が変わってきます。製品をまたいで確認したいのは次の5点です。
- ユーザーの追加費用(標準で何名まで使えるか。店主とスタッフの2名で使うなら追加が要るか)
- 電話サポートが基本料金に含まれるか、別料金か
- 証憑の読み取り(AI-OCR)の月間枚数と、超過したときの従量料金
- 部門管理など、上位プランでのみ使える機能の有無
- 導入支援・データ移行の費用が月額に含まれるか
とくに読み取り枚数は飲食店で効いてきます。複数の業者から日々届く納品書とレシートを撮影して処理する運用では、月100枚前後の無料枠は超えやすく、超過分が1枚あたり十数円でも積み上がります。自店の月間の証憑枚数を数えてから料金表を見てください。
無料で使えるケースと注意点
無料で使える会計ソフトもあります。開業直後で取引件数が少ない段階では、これらから始めるのは現実的な選択です。
ただし制限の中身を把握しておく必要があります。無料版でよくあるのは、銀行・クレジットカード連携による自動仕訳が使えない、データのクラウド保存に対応しない、電子帳簿保存法への対応が対象外、扱えるのが1社分のみ、電話でのサポート窓口がない、といった条件です。
自動仕訳が使えなければ、日々のキャッシュレス入金を手入力することになります。製品ごとの制限の中身と、有料版に上げたときに使えるようになる機能は比較表で確認してください。
無料で足りるかどうかは、取引件数と法令対応の要否で決まります。キャッシュレス決済の入金が増えて自動仕訳の必要が出てきたとき、あるいは電子で受け取る請求書が増えたときが、有料版への切り替えを考える時期です。
ここで挙げた以外の無料ソフトも含めて選びたい場合は、以下の記事が17製品について「どこまで無料で使えるか」を法人・個人事業主別に整理しています。
会計ソフトの導入に補助金は使えるか
飲食店の会計ソフト導入は、「デジタル化・AI導入補助金2026」の補助対象になり得ます。ただし対象は事務局に登録されたITツールに限られ、IT導入支援事業者を通じて申請する仕組みのため、店が自分で選んだソフトを単独で申請することはできません。
同補助金の通常枠では、対象となる業務プロセスの区分に「会計・財務・経営」があり、仕訳、各種出納帳、総勘定元帳、残高試算表、財務三表、法定調書・税務申告書作成といった会計ソフトの機能がここに該当します。補助対象経費にはソフトウェア購入費とクラウド利用料(最大2年分)が含まれます。
インボイス枠(インボイス対応類型)は会計・受発注・決済のうち1機能以上を備えることが要件で、補助率は3/4以内、小規模事業者は4/5以内とされています。ハードウェアとしてレジ・券売機も補助対象に含まれるため、POSレジと会計ソフトを同時に入れ替える場面では検討する価値があります。ただし補助額の区分によって率が変わる部分があるため、実際の金額は公募要領で確認してください。
対象者の要件では、飲食店は中小企業基本法上「小売業」に分類されます。そのため中小企業者の基準は、資本金の額または出資の総額が5,000万円以下、もしくは常時使用する従業員の数が50人以下です。従業員5人以下であれば、より高い補助率が適用される小規模事業者に該当します。
会社役員と個人事業主本人は「常時使用する従業員」に含まれないため、家族経営の店の多くは小規模事業者に当てはまります。ただし制度によって「中小企業」として扱われる範囲は異なり、申請期間も年度ごとに設定されるため、最終的な適否と締切は公式サイトで確認してください。
出典・参考資料(4件)
飲食店が会計ソフトを導入する際の注意点
導入して期待した効果が出ないケースには、共通する原因があります。契約前と導入初月に押さえておきたい点を挙げます。
初期設定と過去データの移行は、繁忙期を避けて期首に合わせる。勘定科目や補助科目の設定、店舗を部門として登録する作業、期首残高の入力は、導入初期にまとまった時間を要します。営業の合間に少しずつ進めると設定が中途半端なまま運用が始まり、後から科目を整理し直すことになります。
他の会計ソフトからの乗り換えでは、過去の仕訳をどこまで持っていけるかが製品によって異なります。期首残高だけを入力し直して当期から新しいソフトで始める形が扱いやすく、過去分は前のソフトの帳簿を保存しておくことで足ります。移行作業の支援が有償のサポートに含まれる製品もあるため、契約前に範囲と費用を確認してください。
レシートと納品書を溜めてから処理する運用のままでは、自動取込の効果が出ない。月末にまとめて処理する形では、明細の自動取得や科目提案が働いても、証憑を突き合わせる作業が結局月末に集中します。日次または週次で処理する形に切り替えることで、はじめて入力の手間が減ります。
飲食店の場合、この切り替えで決めることは3つです。誰が締めるか(店主か、店長か、事務担当か)、いつ締めるか(閉店後か、翌日の仕込み前か)、そしてレシート・納品書を店のどこに集約するか。この3点を決めずに運用を始めると、結局これまでと同じ月末のまとめ処理に戻ります。
複数店舗では、店舗にまたがる費用の扱いを先に決めておく。店舗を部門として登録しても、役員報酬や本部の通信費、共通で仕入れる酒類のように、どちらの店に属するとも言い切れない費用が残ります。本部という部門を別に作って集約するか、売上比などの基準で各店に配賦するかを決めておかないと、部門別の数字は出ても実態と合いません。
飲食店の会計・経理の基礎知識
ここからは、会計ソフトを導入した後に実際に向き合うことになる記帳と法令対応の要点を整理します。選定時にこれらを把握しておくと、必要な機能とそうでない機能の区別がつきやすくなります。
飲食店でよく使う勘定科目
前提として、勘定科目の名称を法令が一覧で定めているわけではありません。青色申告決算書の様式に印字された科目や、会計ソフトの初期設定にある科目をもとに、自店の実態に合わせて決めていくことになります。飲食店では、食材や飲料の仕入を「仕入高」、店舗の家賃を「地代家賃」、水道光熱費・おしぼりや割り箸などの消耗品費、従業員の給与を「給料賃金」といった科目で処理するのが一般的です。
科目名そのものより判断に迷うのは、どの科目に入れるかで税務上の取扱いが変わる場面です。飲食店で特に頻出するのが、従業員に出すまかないを「福利厚生費」とするか「給料賃金」とするか、食材の廃棄をどう扱うか、そしてカード決済など決済手数料をどの税区分で処理するかです。次の項で、この3つに絞って具体的に見ていきます。
経費として認められる範囲については、国税庁が「総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額」および「その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額」と示しています。店舗兼住宅のように事業と家事の両方に関わる支出は、事業に使った割合を合理的に区分して経費に計上します。
出典・参考資料(1件)
まかない・廃棄・キャッシュレス売上の仕訳例
飲食店で処理を誤りやすい3つの取引について、判断の基準を整理します。
まかないは、条件を満たせば福利厚生費として処理でき、満たさなければ従業員の給与として課税されます。国税庁は次の2要件を示しています。
役員や使用人に支給する食事は、次の2つの要件をどちらも満たしていれば、給与として課税されません。
出典:No.2594 食事を支給したとき|国税庁
(1)役員や使用人が食事の価額の半分以上を負担していること。
(2)次の金額が1か月当たり7,500円(消費税および地方消費税の額を除きます。)以下であること。
(食事の価額)-(役員や使用人が負担している金額)
この非課税限度額は、2026年(令和8年)3月31日の法令解釈通達の改正により、従来の月額3,500円から月額7,500円に引き上げられました。引き上げ後の金額は2026年(令和8年)4月1日以後に支給する食事について適用されます。
古い解説では3,500円と書かれていることがあるため、現在の金額で判断してください。食事の価額は、社内で調理して提供する場合、材料費など食事を作るために直接かかった費用の合計額で算定します。
注意したいのは、要件を満たすために従業員から食事代を徴収すると、その徴収額は消費税の課税売上になる点です。国税庁は「社員食堂において従業員に有償で食事を提供した場合には、従業員から徴収する食事代金が課税資産の譲渡等の対価に該当しますので、消費税の課税の対象となります」としています。所得税の非課税要件を満たす処理が消費税では売上を生むため、会計ソフト上でも売上として記帳する必要があります。
食材の廃棄については、専用の勘定科目や仕訳が法令で定められているわけではありません。売上原価が期首棚卸高と仕入高から期末棚卸高を差し引いて計算される仕組みのため、廃棄した食材は期末の棚卸に残らず、結果として売上原価に含まれることになります。
売上原価=年初(期首)の棚卸高+年間の仕入高 − 年末(期末)の棚卸高
出典:令和7年分 青色申告の決算の手引き(一般用)|国税庁
この算式が成り立つ前提として、年末(12月31日)時点の棚卸が必要になります。多忙で年末に棚卸ができない場合は多少前後した日に行っても差し支えありませんが、その場合は棚卸日と12月31日の間の売上・仕入から年末時点の棚卸高を計算し、その計算方法を明らかにしておく必要があります。廃棄が多い月の原価率を把握したい場合は、廃棄分を別途記録して管理会計上の数字として持つ運用が現実的です。
キャッシュレス売上は、売上を計上する日と入金される日がずれるため、いったん未収入金などで受けて、入金時に消し込む処理になります。ここで見落とされやすいのが、決済会社に差し引かれる加盟店手数料の税区分です。
国税庁の質疑応答事例では、信販会社が加盟店から譲り受ける債権の額と加盟店への支払額との差額は消費税法施行令第10条第3項第8号に該当し、非課税になるとされています。課税仕入れとして処理すると仕入税額控除の計算が狂うため、会計ソフトの税区分設定で非課税仕入れを選ぶ必要があります。
出典・参考資料(1件)
飲食店がインボイス制度・電子帳簿保存法で求められること
ここでは、制度の側から店に求められる対応を整理します。
まず消費税の税率です。同じ店の中で、店内飲食は標準税率10%、テイクアウトは軽減税率8%が適用されます。国税庁は軽減税率の対象外となる「外食」を「飲食店業等の事業を営む者が飲食に用いられる設備がある場所において行う食事の提供」と定義しています。
そして事業者には、取引を税率の異なるごとに区分して記帳する区分経理が求められます。テイクアウトを扱う店であれば、レジと会計ソフトの双方で8%と10%を分けて処理できる状態が必須になります。
インボイス制度については、飲食店に認められた簡便な取扱いがあります。適格請求書には通常6項目の記載が必要ですが、飲食店業が交付する書類は記載を一部省略できます。
(注1)小売業、飲食店業、タクシー等を営む事業者が交付する書類については、④の適用税率又は⑤の消費税額等は、いずれかの記載で差し支えありません。また、この場合⑥の記載は不要となります。
出典:No.6625 適格請求書等の記載事項|国税庁
この④のうち適用税率、⑤は税率ごとに区分した消費税額等、⑥は交付を受ける事業者の氏名または名称を指します。飲食店が交付するレシート(適格簡易請求書)では宛名の記載が不要で、税率と税額はどちらか一方を記載すれば足ります。適格簡易請求書を交付できる事業の範囲は消費税法施行令第70条の11に定められており、そこに「小売業、飲食店業、写真業及び旅行業」と飲食店業が明記されています。
自店が発行するレシートが簡易インボイスとして通用する条件や、受け取る側での確認点まで押さえたい方は、こちらの記事で両者の記載事項の違いを解説しています。
次に電子帳簿保存法です。取引に関して電子でやりとりしたデータ、たとえばメールで届く請求書や、仕入サイト・デリバリー配達代行の管理画面からダウンロードする支払明細は、電子データのまま保存することが義務付けられています。国税庁は原則的なルールとして次の3つを示しています。
原則的な電子取引データ保存のルールは3つ!!
出典:電子取引データを適切に保存できていますか?(令和6年11月)|国税庁
① 改ざん防止のための措置をとること
② 保存データを確認するためのディスプレイやプリンタ等を備え付けること
③ 「日付・金額・取引先」の3つの要素で検索できること
このうち③の検索要件については、基準期間(2年前)の売上高が5,000万円以下であれば、税務調査の際にデータのダウンロードの求めに応じられる状態にしておくことで、満たす必要がなくなります。個人経営の店や小規模な法人であれば、基準期間の売上高が5,000万円以下であれば、この緩和の対象になります。
また、原則的なルールへの対応が間に合わない場合の猶予措置も設けられています。所轄税務署長が相当の理由があると認め、かつ税務調査でデータのダウンロードと書面の提示・提出の求めに応じられるようにしていれば、電子取引データを保存しておくだけで済みます。
事前の届出は不要で、国税庁は「人手不足」「システム整備の資金不足」「システム整備が間に合わない」なども相当の理由として認められるとしています。この猶予措置に期限は定められていません。
とはいえ、猶予措置はデータを探せない状態を許すものではありません。日付・金額・取引先で必要な書類をすぐ引き出せる状態を作ることが、証憑管理機能を持つ会計ソフトを導入する実利になります。
出典・参考資料(3件)
FL比率の計算方法と、参考にできる公的統計
FL比率は、食材費(Food)と人件費(Labor)の合計を売上高で割った比率です。計算式は「(食材費+人件費)÷ 売上高 × 100」で、飲食業の経営管理で広く使われています。
ただしこれは業界で定着した慣行の指標であり、法令にも公的機関の統計にも「FL比率」という指標の定義や基準値は存在しません。よく見かける「何%以下が適正」という数字にも公的な裏づけはなく、業態や立地によって前提が変わります。
近い水準を知る手がかりになるのが、日本政策金融公庫総合研究所の「小企業の経営指標調査」です。2026年8月公表の調査で、一般飲食店(調査対象464社)の売上高総利益率は平均65.0%、人件費対売上高比率は平均32.9%でした。黒字かつ自己資本がプラスの企業(166社)に絞ると、それぞれ67.8%、31.5%です。
ここから先は本記事による計算です。売上高総利益率を100から引くと売上原価率は35.0%(黒字企業では32.2%)となり、人件費率と足すとおよそ68%(同64%)になります。業績のよい店ほどこの2つの費目を抑えられている傾向が読み取れます。
ただしこの合計値をFL比率と同じものとして扱うことはできません。調査上の人件費は役員報酬・退職金・福利厚生費を含む定義で、一般的なFL比率の「L」より範囲が広いためです。また対象は日本政策金融公庫国民生活事業が融資した従業者50人未満の法人企業で、全国の飲食店を代表する統計ではありません。
そのため実務では、他店と比べて高いか低いかを判断するより、自店の過去実績と比べて動きを追う使い方が現実的です。会計ソフトの観点で言えば、月次で試算表が締まることが前提になります。決算のときにまとめて処理する運用では、原価率が上がった月を後から知ることになり、手を打てません。
まとめ
飲食店の会計ソフト選びで最初に決めるのは、自店の規模と、記帳を誰が回すかの2点です。ここまでの内容を、5つのタイプに沿って整理します。
個人経営の1店舗で、自分で記帳する場合は、月額を抑えるタイプが中心になります。まず確認したいのは個人事業主が契約できるかで、この価格帯には法人専用の製品も混じっています。銀行・カード明細の自動取込と科目提案の精度が、日々の負担を左右します。該当タイプの比較表を見る
法人で2〜3店舗を運営し、店舗別の損益を見たい場合は、部門別集計が使えるプランかどうかで判断します。この機能は上位プランに置かれていることが多い一方、月額数千円の帯で対応する製品もあるため、価格帯だけで絞らないでください。月額を抑えるタイプと承認フローまで回すタイプの両方を見比べるのが確実です。
月々の支払いを増やしたくない場合は、買い切りのインストール型が選択肢になります。対応OSと利用台数の制約、そして法令改正に対応した最新版をどう受け取るかを確認してください。該当タイプの比較表を見る
開業直後で取引件数が少ない場合は、無料の範囲から始められます。自動仕訳が使えない、電子帳簿保存法の対応が対象外といった制限が付くため、キャッシュレス決済の入金が増えて手入力が追いつかなくなった時点が、有料版へ移る目安です。該当タイプの比較表を見る
記帳そのものを外に出したい場合は、顧問税理士がいるかどうかで分かれます。すでに契約しているなら、その事務所が使う製品に合わせる形になります。契約先がまだ決まっていないなら、ソフトと記帳・決算・申告をまとめて引き受ける形も選択肢です。該当タイプの比較表を見る
候補を絞ったら、無料体験期間で日次売上の仕訳と仕入の入力という毎日繰り返す作業を試してください。自店のPOSレジと連携できるか、必要な人数で使えるか、レシートの読み取り枚数が足りるかは、この段階で確認しておくと導入後の追加費用を避けられます。
MCB FinTechカタログでは、本記事で取り上げた会計ソフトの詳細な資料を無料で請求できます。ぜひ各社の資料をご覧になって、比較検討を進めてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 飲食店向け会計ソフトとは何ですか?
A. 飲食店向け会計ソフトとは、日次で大量に発生する売上と仕入の記帳、POSレジやキャッシュレス決済との連携、店舗別の損益管理といった飲食店特有の業務に対応できる会計ソフトのことです。
飲食業専用に作られた製品として知られていたものにはすでに提供を終えたものもあり、現在は汎用の会計ソフトの中から「飲食店の日々の業務をどこまで回せるか」で選ぶのが実情です。専用ソフトだから高い、汎用だから安いといった価格の違いがあるわけではなく、比較の軸になるのは日別売上・現金管理、POSレジ連携、店舗別の損益、インボイス制度と電子帳簿保存法への対応の4点です。
Q. 飲食店向け会計ソフトの費用相場はどのくらいですか?
A. 飲食店向け会計ソフトの費用は、クラウド型で月額2,000円台から始まり、部門別管理や複数ユーザーが必要になると年額数万円から十数万円の帯に移ります。
個人経営の1店舗や従業員数名の小規模法人であれば、月額2,000円台から3,000円台に収まる製品が中心です。複数店舗の損益管理や承認機能まで求めると、年額93,000円からといった価格帯になります。記帳・決算・申告までまとめて外部に任せる形では、月額3万円前後からが目安です。低価格の製品を探す場合も、銀行・カードとの自動連携や電子帳簿保存法への対応がその価格に含まれるかを併せて確認してください。
Q. 飲食店向け会計ソフトの初期費用はどのくらいかかりますか?
A. 飲食店向け会計ソフトの初期費用は、クラウド型なら0円の製品が多く、買い切りのインストール型では2万円台から、保守を含むグレードでは8万円台までの本体購入費が初期費用に当たります。
ただしクラウド型でも、上位のエディションでは6万円程度の初期費用が別に設定されていることがあります。インストール作業や操作指導、過去データの移行といった導入支援が月額料金に含まれず、別料金となる製品もあります。加えて、勘定科目や補助科目の設定、店舗を部門として登録する作業、期首残高の入力といった自店側の作業時間も、金額表に載らない初期コストとして見込んでおくと計画が狂いません。
Q. 飲食店の会計ソフト導入に補助金は使えますか?
A. 「デジタル化・AI導入補助金2026」の補助対象になり得ます。ただし対象は事務局に登録されたITツールに限られ、IT導入支援事業者を通じて申請する仕組みのため、店が自分で選んだソフトを単独で申請することはできません。
飲食店は中小企業基本法上「小売業」に分類されるため、中小企業者の基準は資本金5,000万円以下または従業員50人以下です。対象要件・補助率・申請期間の詳細は補助金の節をご覧ください。
Q. 飲食店の経理はExcelや手書きでは対応できませんか?
A. 取引件数が少ないうちはExcelでも記帳は回りますが、キャッシュレス決済の入金が増えて突合に時間がかかり始めた時点が切り替えの目安です。Excelは費用がかからない一方、フォーマットを自分で作る必要があり複式簿記の知識も求められます。段階ごとの使い分けは会計ソフトが必要な理由の節で詳しく整理しています。
Q. 無料の会計ソフトだけで飲食店の経理は足りますか?
A. 開業直後で取引件数が少なければ足りますが、無料版は自動仕訳が使えない、電子帳簿保存法への対応が対象外、扱えるのが1社分のみ、といった制限が付くのが一般的です。日々のキャッシュレス入金を手入力し続けることになるため、件数が増えた段階で有料版への切り替えを検討することになります。製品ごとの制限の中身は費用相場の節で比較しています。
Q. 自店のPOSレジと連携できる会計ソフトがない場合はどうすればよいですか?
A. 会計ソフト側が直接連携を公表していなくても、仕訳のCSV取込に対応していれば、レジの締めデータを書き出して取り込めます。本記事の15製品のうち13製品がCSV取込に対応しています。
さらに、スマレジやAirレジなどPOSレジ側が対応会計ソフトを公表しているので、レジ側から見ると繋がる組み合わせが見つかることもあります。それも難しい場合は、1日分の売上を決済手段ごとに分けた仕訳をパターン登録し、毎日は金額を入れるだけで済む形にすると手間を抑えられます。具体的な確認手順は選び方の節で整理しています。
Q. 個人事業主の飲食店でも会計ソフトは使えますか?
A. 個人事業主の飲食店でも会計ソフトは使えますが、クラウド会計の中には契約対象を法人に限っている製品があり、その場合は同じメーカーの個人事業主向けラインを選ぶことになります。
個人向けと法人向けのプランを同じ製品ラインで用意し、法人成りしても乗り換えずに続けられる製品もあります。買い切りのインストール型には、個人事業主と法人の双方の決算書作成に対応するものがあり、個人経営のまま青色申告をしている店の選択肢になります。近いうちに法人化を予定しているなら、個人向けから法人向けへデータを引き継いで移行できるかを契約前に確認しておくと、後の乗り換えの手間を避けられます。
個人事業主として使える製品を具体的に見比べたい場合は、以下の記事で16製品の料金と青色申告65万円控除・e-Tax対応をまとめています。
Q. 飲食店の店内飲食とテイクアウトの消費税率は会計ソフトでどう分けますか?
A. 店内飲食は標準税率10%、テイクアウトは軽減税率8%が適用され、事業者には取引を税率ごとに区分して記帳する区分経理が求められます。会計ソフト側では、売上を税率ごとの税区分に分けて入力できることが要件になります。POSレジで税率を分けて登録し、そのデータを会計ソフトに引き継ぐ形が実務的です。「外食」の定義と区分経理の要件は基礎知識の節に国税庁の記載を引用しています。
Q. 飲食店で従業員に支給するまかないはどう記帳すればよいですか?
A. 従業員が食事の価額の半分以上を負担し、かつ会社の負担額が1か月あたり7,500円以下であれば給与として課税されず、福利厚生費として処理できます。
この非課税限度額は2026年(令和8年)4月1日以後に支給する食事から適用されており、それ以前の3,500円という金額で書かれた解説が残っている点に注意してください。要件を満たすために徴収した食事代が消費税の課税売上になる点を含め、詳しくは基礎知識の節で扱っています。
Q. 飲食店が電子帳簿保存法に対応できていない場合はどうなりますか?
A. 原則的な保存ルールに対応できていなくても、所轄税務署長が相当の理由があると認め、税務調査でデータのダウンロードと書面の提示に応じられる状態であれば、電子取引データを保存しておくだけで済む猶予措置があります。事前の届出は不要で、この措置に期限は定められていません。また基準期間の売上高が5,000万円以下であれば検索要件も不要です。保存ルールの中身は基礎知識の節をご覧ください。
Q. 複数店舗の飲食店で店舗別の損益を見るには何が必要ですか?
A. 店舗を部門として登録し、部門別に試算表を集計できる機能が必要です。この機能は上位プランに置かれていることが多いため、料金表で部門管理がどのプランから使えるかを確認してください。月額数千円の帯で対応する製品もあり、価格帯だけでは判断できません。
あわせて、役員報酬や本部の通信費のような複数店舗にまたがる費用を、本部部門を作って分けるのか各店に配賦するのかを先に決めておくと、部門別の数字が実態に合います。製品ごとの対応状況は比較表で確認できます。
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松嶋真倫
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