自己資金がほとんどない状態で起業を考えると、「創業融資は自己資金がないと借りられないのではないか」と不安に感じる方は少なくありません。
結論から言えば、日本政策金融公庫の創業融資は、2024年の制度改正で自己資金の要件がなくなり、自己資金なしでも申し込めるようになりました。ただし、申し込めることと審査に通ることは別です。審査では自己資金の有無や事業計画の説得力が見られるため、通すための準備が欠かせません。
本記事では、自己資金なしで申し込める創業融資制度、現金がなくても自己資金として認められるもの、審査を通すための具体策、借りられる融資額の目安、そして公庫だけに頼らない資金調達の選択肢までを整理します。
資金の当てがないまま開業を諦める前に、いま使える制度と自分にできる準備を確かめていきましょう。
目次
一括ダウンロードする
自己資金なしでも創業融資は申し込める(2024年に自己資金要件が撤廃)
自己資金なしでも創業融資の申し込みは可能です。日本政策金融公庫では2024年に創業向けの融資制度が見直され、従来の「新創業融資制度」で設けられていた「創業資金総額の10分の1以上の自己資金があること」という要件が撤廃されました。あわせて融資限度額も3,000万円から7,200万円へ引き上げられています。
[2023年度]要件:創業時において、創業資金総額の1/10以上の自己資金があること等/融資限度額:3,000万円(うち運転資金1,500万円)
出典:日本公庫のスタートアップ向け融資制度の拡充について(2024年4月1日)|日本政策金融公庫
[2024年度]要件:なし/融資限度額:7,200万円(うち運転資金4,800万円)
この制度は現在、「新規開業・スタートアップ支援資金」という名称に一本化されています。2024年に旧「新創業融資制度」から「新規開業資金」へ統合されたのち、2025年3月にスタートアップも利用しやすいことを示すため現在の名称へ変更されました。制度ページを見ても、申し込みにあたって自己資金の割合を求める条件は記載されていません。
制度上は不要でも審査では自己資金が見られる理由
注意したいのは、「制度上は自己資金がなくても申し込める」ことと「誰でも借りられる」ことは違うという点です。要件から外れたのはあくまで申し込みのハードルであり、審査では引き続き自己資金の準備状況が見られます。
自己資金は、開業への計画性や本気度を示す材料と受け止められる傾向があります。計画的に準備してきた資金があれば、事業への準備期間や資金管理の姿勢を裏づけやすくなります。逆に自己資金がゼロに近い場合は、その分を事業計画や実務経験など別の材料で補って説得力を持たせる必要があります。実務では、自己資金がある方が審査で有利に働くと考えられています。
自己資金なしでも申し込める創業融資制度
自己資金なしで検討できる主な創業融資には、日本政策金融公庫の融資と、自治体の制度融資があります。それぞれの融資元・限度額・自己資金の要件を整理します。
| 新規開業・スタートアップ支援資金 | 制度融資(信用保証協会付き) | |
|---|---|---|
| 融資元 | 日本政策金融公庫 | 自治体・民間金融機関・信用保証協会 |
| 融資限度額 | 7,200万円 | 自治体により異なる |
| 自己資金の要件 | なし | 自治体により異なる(要件を設ける場合あり) |
| 主な対象 | 新たに事業を始める方・事業開始後おおむね7年以内の方 | 各自治体の要件を満たす創業者・中小事業者 |
※制度内容は変更される場合があるため、申し込み時は各制度の公式情報をご確認ください。
日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方が対象です。融資限度額は7,200万円で、返済期間は設備資金が20年以内、運転資金が10年以内(いずれも据置期間5年以内)と長めに設定されています。無担保・無保証人での利用も想定されており、自己資金の割合を求める条件は設けられていません。
自治体の制度融資は、自治体・民間金融機関・信用保証協会の三者が連携して行う融資です。信用保証協会が保証を付けることで、実績の乏しい創業者でも金融機関から借りやすくなります。利子や信用保証料の一部を自治体が補助する仕組みもあります。
自己資金の要件や融資条件は自治体によって大きく異なり、自己資金の要件を設けないところもあります。開業予定地の自治体や商工会議所、地域の創業支援の相談窓口で、要件の有無や補助内容を確認するのが確実です。
公庫には、このほかに資本性ローン(挑戦支援資本強化特別貸付)など創業期に使える制度もあります。資本性ローンは審査上で自己資本とみなされるため、自己資金が乏しい創業期と相性のよい選択肢です。
自己資金として認められるもの・認められないもの
手元の現金がゼロでも、自己資金として算入できるものがあります。一方で、見た目は資金があっても自己資金と認められないものもあります。まずは自分の手元にある資産を、この区分に当てはめて確認しましょう。

自己資金として認められるもの
- 預貯金:通帳で計画的に積み立ててきた履歴が確認できる資金
- 現物資産:事業に使う自動車・機械・パソコンなど、開業に用いる資産
- 親族からの贈与:返済義務のない資金として受け取ったもの
- みなし自己資金:物件の敷金・礼金や設備の内金など、開業準備として既に支払った費用
自己資金として認められないもの
- 見せ金:申し込み直前に一時的に口座へ入れた資金
- タンス預金:通帳に記録がなく、出所や積み立ての経緯を確認できない現金
- 返済義務のある借入:他社のローンやカードローンで用意した資金
認められるものであっても、出所を説明できる証跡をそろえておくことが大切です。親族からの贈与を自己資金に含める場合、贈与は財産を無償で与える意思表示と相手方の受諾によって成立する契約であり、書面によらない贈与は各当事者が解除できます(民法第549条・第550条)。
そのため、贈与契約書を作成し、銀行振込で資金移動の履歴を残しておくと、贈与であることを説明しやすくなります。みなし自己資金は、開業準備で支払った費用の領収書や契約書を保管しておきましょう。また、まとまった額の贈与を受ける場合は贈与税がかかることがあるため、税務面もあわせて確認しておくと安心です。
出典・参考資料(1件)
自己資金なしでも審査を通すための具体策
自己資金が乏しいときは、その分を「事業として成り立つ」という説得力で補います。審査では事業の将来性や返済の見込みが見られるため、それを裏づける材料を用意することが通過につながります。ここでは、事業側で示せる代表的な材料を紹介します。
同業での経験・スキルを示す
これから始める事業と同じ業界での勤務経験や実務スキルは、事業を軌道に乗せられる裏づけになります。勤務年数・担当してきた業務・役職・取得資格などを、職務経歴として具体的に整理しておきましょう。自己資金が少なくても、実務の蓄積があれば「経験に裏打ちされた計画」として評価されやすくなります。
受注見込み・契約を証明する
開業後すぐに売上が立つ見込みがあると、返済の確実性を示しやすくなります。すでに決まっている取引先との契約書、発注書や見積書、口頭で合意している受注の一覧など、売上の裏づけになる資料をそろえておきましょう。開業前から仕事の当てがあることは、計画の実現性を大きく後押しします。
緻密な事業計画書を作る
事業計画書は、自己資金の不足を補う最も重要な書類です。売上の根拠となる単価・客数・稼働の想定、必要な資金の使い道、返済原資となる利益の見通しを、数字の裏づけとともに具体的に記載することが求められます。希望額の融資を返済していけることが計画上で示せれば、自己資金が少なくても返済能力を評価してもらいやすくなります。
認定支援機関・専門家に相談する
事業計画書の作成や資金調達の進め方に不安があるときは、認定経営革新等支援機関(認定支援機関)や税理士・中小企業診断士などの専門家に相談する方法があります。融資に必要な書類の整え方や、審査で見られる観点を踏まえた計画づくりの助言を受けられます。相談先を上手に活用することで、抜けのない準備がしやすくなります。
これらの材料は、一つずつは小さくても、積み重ねれば自己資金の不足を補う説得力になります。自己資金がゼロでも、同業での経験・確度の高い受注見込み・数字の裏づけのある事業計画をそろえられれば、審査を通す余地は十分にあります。
自己資金なしのときに借りられる融資額の目安
自己資金なし、あるいは少額のとき、実際にいくら借りられるのかは気になるところです。開業時の資金調達の実態を、日本政策金融公庫総合研究所の調査から見てみます。
開業時の資金調達額は平均1,219万円であった。資金調達先は、「金融機関等からの借り入れ」が平均827万円(平均調達額に占める割合は67.9%)、「自己資金」が平均279万円(同22.9%)であり、両者で全体の90.7%を占める。
出典:2025年度新規開業実態調査|日本政策金融公庫総合研究所
この調査では、借入額の平均827万円を自己資金の平均279万円で割ると約3倍にあたります。融資額は実務で「自己資金の3〜4倍程度」と幅を持たせて語られることが多いものの、実態としては自己資金の約3倍前後が一つの目安と考えられます。
ただし、この倍率をそのまま自己資金ゼロに当てはめると、借入額もゼロという計算になってしまいます。実際には、現物資産・親族からの贈与・みなし自己資金を自己資金として積み上げれば、その分が借入額を見積もる土台になります。まずは現金以外の形も含めて自己資金をいくら用意できるかが、借りられる額を大きく左右します。
開業費用そのものは、同じ調査で平均975万円、中央値600万円でした。平均は大きな金額の開業に引き上げられるため、多くの人の実感に近いのは中央値の600万円前後です。自己資金がゼロに近い場合、この開業費用を借入だけでまかなうのは現実的ではありません。借入希望額を絞る、みなし自己資金を積み上げる、開業規模を見直すといった工夫で、返済に無理のない資金計画に近づけることが大切です。
出典・参考資料(1件)
一括ダウンロードする
審査に落ちる人の共通点と回避策
自己資金なしで申し込む場合でも、いくつかの落とし穴を避ければ審査を通す可能性は高まります。よくある失敗の共通点と、その回避策を確認しておきましょう。
見せ金・出所を説明できない資金を使う
自己資金を多く見せようと申し込み直前にまとまった資金を口座へ入れる「見せ金」は、審査で落ちる典型例です。通帳の入出金履歴から一時的な資金移動は見抜かれやすく、発覚すれば自己資金だけでなく事業計画全体の信頼まで損ないます。前述のとおり、贈与や みなし自己資金として出所を説明できる形に整えたうえで申告することが、確実な回避策です。
事業計画の数字が甘い
売上の見込みが根拠なく高すぎたり、経費や返済の見通しが曖昧だったりすると、計画の実現性を疑われます。とくに自己資金が少ない場合は、計画書の説得力がそのまま評価に直結します。単価・客数・稼働率など数字の前提を明確にし、想定どおりに進まなかった場合の見通しまで示せると、計画の信頼度が上がります。
信用情報に懸念がある
過去のクレジットやローンの延滞、税金・公共料金の滞納があると、返済への懸念材料になります。申し込み前に、自分の信用情報を確認しておくと安心です。
クレジットやローンの契約内容・支払い状況は、CIC(シー・アイ・シー)やJICC(日本信用情報機構)といった信用情報機関で、本人が有料で開示請求できます。気になる点があれば、滞納を解消してから申し込む、状況を正直に説明できるよう準備するといった対応がとれます。
出典・参考資料(2件)
公庫だけに頼らない資金調達の選択肢
創業融資は公庫や制度融資が中心ですが、希望額に届かない、審査に時間がかかる、開業までのつなぎ資金が必要といった場面もあります。公庫の融資と並行して、あるいは補完する形で検討できる資金調達の選択肢を整理します。
- 自治体の制度融資:信用保証協会の保証を付けて民間金融機関から借りる方法。利子や保証料の補助がある自治体もあります。
- 補助金・助成金:返済不要の資金。ただし多くは後払い(精算払い)で、募集時期や要件が限られるため、当座の開業資金には向きません。
- クラウドファンディング:商品やサービスへの共感を通じて支援を集める方法。資金調達と同時に開業前の宣伝・需要確認にもつながります。
- ファクタリング:保有する売掛金を売却して早期に資金化する方法。融資ではなく債権の売買のため、開業後に売掛金が発生してから使える選択肢です。手数料や入金スピード、業者の選び方は「ファクタリングおすすめ26選を比較」で解説しています。
- ノンバンク系のビジネスローン・カードローン:銀行より審査が速く、少額から借りやすいのが特徴。金利は銀行系より高めなため、つなぎ資金や短期の運転資金として使い分けます。
それぞれ資金の性質や使いどきが異なります。開業までの時間や必要な金額に応じて、公庫の融資を軸にしつつ、足りない部分をこれらの手段で補うと現実的です。
スピードや少額の調達に向くノンバンク系ビジネスローン
公庫の創業融資は準備や審査に一定の時間がかかります。開業後のつなぎ資金や少額の運転資金を早く用意したい場面では、ノンバンク系のビジネスローンが選択肢になります。
ここで紹介するのは、無担保で少額から借りられる、または売上データをもとに審査するサービスです。いずれも売上や取引実績が出てきた開業後に使いやすい手段で、創業前で実績がまだない段階では、公庫や自治体の制度融資が主軸になります。
| サービス名 | ビジネスパートナー スモールビジネスローン | GMOイプシロン トランザクションレンディング |
|---|---|---|
| 対象 | 法人・個人事業主 | GMOイプシロン加盟店 (法人・個人) |
| 決算書類 | 原則2期分 (個人は2年分) | 不要 (売上データで審査) |
| 実質年率 | 9.98%〜18.0% | 法人3.5%〜12.0% 個人6.0%〜13.5% |
| 融資限度額 | 50万円〜500万円 | 法人30万円〜/個人15万円〜 最大5,000万円 |
| 融資スピード | 最短5日 | 最短5営業日 |
| 担保・保証人 | 不要 (法人は代表者の連帯保証) | 不要 |
| 返済方法 | 残高スライドリボ (最長5年) | 売上から自動で相殺 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※金利・融資限度額・審査条件は加盟店種別や審査状況により異なります。最新の条件は各サービスの詳細ページ・公式情報をご確認ください。
ビジネスパートナー スモールビジネスローン(株式会社ビジネスパートナー)

法人・個人事業主向けのカードローン型ビジネスローンです。必要書類は原則として法人が直近2期分の決算書、個人事業主が直近2年分の確定申告書です。赤字決算の場合も、単年の結果だけでなく過去の実績や将来の事業計画・収益見込みを含めて審査する方針を示しています。無担保で利用でき、保証人は原則不要(法人の場合は代表者の連帯保証が必要)です。
限度額の範囲内で繰り返し借入・返済ができ、追加融資にも対応します。来店不要で郵送手続きが完結し、借入・返済はセブン銀行ATMでも行えます。利息以外の事務手数料や繰上返済手数料がかからないため、少額を短期間だけ借りたい場面でも使いやすい設計です。
GMOイプシロン トランザクションレンディング(GMOイプシロン株式会社)

決済代行サービスを手がけるGMOイプシロンが、自社の加盟店向けに提供する融資です。加盟店の日々の売上実績をもとに融資上限を設定し、返済は月々の売上から自動で相殺されます。日々の売上実績をもとに審査するため、加盟店として取引を続けていれば申し込みやすいのが特徴です。
担保・保証人は不要で、申し込みから貸し出しまで最短5営業日です。法人・個人の加盟店がともに対象で、返済が売上から自動で差し引かれるため、返済管理の手間が小さく済みます。すでにGMOイプシロンで決済を利用している事業者にとって、追加の資金調達の窓口になります。
ここで取り上げたサービス以外にも、法人・個人事業主が利用できるビジネスローンは数多くあります。金利や即日融資への対応、審査の柔軟性まで含めて比べたい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
日本政策金融公庫の創業融資は、2024年の制度改正で自己資金の要件がなくなり、自己資金なしでも申し込めるようになりました。ただし審査では引き続き自己資金の準備状況が見られるため、通すには工夫が必要です。
現金がゼロでも、現物資産・親族からの贈与・みなし自己資金は自己資金として算入できます。出所を説明できる証跡をそろえ、同業での経験や受注見込み、緻密な事業計画書といった事業側の材料で説得力を高めれば、自己資金なしでも道は開けます。公庫だけで足りないときは、自治体の制度融資やノンバンク系のビジネスローンなどを組み合わせ、返済に無理のない資金計画を立てていきましょう。
一括ダウンロードする
創業融資と自己資金に関するよくある質問(FAQ)
Q. 創業融資は自己資金なしでも受けられますか?
A. 創業融資は、日本政策金融公庫の制度上は自己資金なしでも申し込めます。2024年の制度改正で、従来あった「創業資金総額の10分の1以上の自己資金があること」という要件が撤廃されたためです。ただし申し込めることと審査に通ることは別で、審査では引き続き自己資金の準備状況が見られます。自己資金が乏しいときは、事業計画や同業での経験といった別の材料で説得力を補う必要があります。
Q. みなし自己資金とは何ですか?
A. みなし自己資金とは、開業準備としてすでに支払った費用を、自己資金として扱えるようにしたものです。物件の敷金・礼金、設備の内金、事業に使うために購入した備品などが該当し、手元の現金が少なくても自己資金に算入できます。認めてもらうには、支払いの事実を示す領収書や契約書を保管し、出所を説明できるようにしておくことが前提になります。
Q. 親からもらったお金は創業融資の自己資金にできますか?
A. 親など親族からの資金は、返済義務のない「贈与」として受け取ったものであれば自己資金に含められます。一方、返済義務のある「借入」は自己資金にはできません。贈与として認めてもらうには、贈与契約書を作成し、銀行振込で資金移動の履歴を残して、贈与であることを説明できるようにしておくことが大切です。
Q. 見せ金は創業融資の審査でばれますか?
A. 申し込み直前に口座へまとまった資金を入れる「見せ金」は、通帳の入出金履歴から見抜かれやすく、かえって信頼を損ねます。自己資金は、時間をかけて計画的に積み立ててきた履歴があるかどうかが見られるためです。急いで用意した資金を自己資金として申告するのではなく、贈与やみなし自己資金など、出所を説明できる形に整えるほうが安全です。
Q. 個人事業主でも自己資金なしで創業融資を受けられますか?
A. 個人事業主でも、自己資金なしで創業融資に申し込むこと自体は可能です。ただし個人事業主の場合、生活費と事業用の自己資金の線引きが曖昧だと計画性を疑われやすい点に注意が必要です。事業用の資金の動きを通帳で分けて示し、開業準備として積み立ててきた経緯を説明できるようにしておくと、審査で理解を得やすくなります。
Q. 無職の状態でも創業融資は申し込めますか?
A. 無職の状態でも、創業融資の申し込み自体はできます。ただし自己資金がゼロに近いことに加えて収入もない場合、開業への計画性や準備状況を疑われやすくなります。これから始める事業と同じ業界での実務経験、すでにある受注の見込み、数字の裏づけがある事業計画書など、事業として成り立つ根拠を別の材料で示すことが通過の鍵になります。
Q. 自己資金なしのとき、創業融資はいくらまで借りられますか?
A. 自己資金なしのときに借りられる額は、事業計画で示せる返済の見込みによって決まり、自己資金がある場合より抑えられやすい傾向があります。日本政策金融公庫総合研究所の調査では、開業時の借入は平均827万円、自己資金は平均279万円(調達額の22.9%)でした。融資額は自己資金の3〜4倍程度が一般的な目安として語られますが、これはあくまで実態としての傾向で、確約されるものではありません。
Q. 創業融資の自己資金は最低いくらあれば安心ですか?
A. 「いくら以上あれば必ず通る」という明確な基準はありません。2024年の制度改正で自己資金は必須ではなくなりましたが、あると審査では有利です。実務では創業資金総額の2〜3割程度が望ましい水準として語られ、公庫の調査でも自己資金は開業時の資金調達額の平均22.9%を占めています。ただし金額より、積み立ててきた履歴や出所を説明できるかが重視されます。
Q. 自己資金なしで公庫の審査に落ちたら、次にどんな資金調達がありますか?
A. 公庫の創業融資が難しいときは、自治体の制度融資、ノンバンク系のビジネスローン、補助金・助成金、クラウドファンディングなどが次の選択肢になります。信用保証協会付きの制度融資は実績の乏しい創業者でも借りやすく、ノンバンク系のビジネスローンは審査が速く少額から借りやすいため、開業直後のつなぎ資金に向きます。資金の性質や使いどきに応じて、公庫の融資を軸にしつつ足りない部分を補うと現実的です。
ノンバンク融資・カードローンの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、ノンバンク融資・カードローンの最新資料を無料で一括請求できます。金利や融資限度額、審査スピード、対象となる事業者の条件などを、まとめて比較できます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。















