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資金調達方法とは?融資・出資・補助金・ファクタリングの全体像と選び方を解説

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手元の資金が足りなくなりそうだけれど、思いつくのは銀行からの借り入れくらい。そんなとき「そもそも、事業の資金を集める方法はほかに何があるのだろう」と気になって調べ始める方は少なくありません。資金調達には融資のほかにも、出資・補助金・ファクタリング・クラウドファンディングなど、性質の異なる選択肢が数多くあります。

選択肢を知らなければ、自社に合う手段を検討することもできません。まず必要なのは、どんな方法が全部で何があるのかという全体像です。そのうえで、それぞれが「返す必要があるお金か」「経営に外部の関与が入るか」を押さえると、自社の状況に合う候補を絞り込めます。

この記事では、事業者が使える資金調達方法を「借りる・出資を受ける・資産を使う・返さなくていいお金」の4つの系統で一覧にし、各方法の返済の要否・調達額の目安・スピード・審査・向いている場面を横並びで比較します。創業期・事業拡大期・急な資金繰り悪化といった状況別の考え方や、最初の一歩の進め方まで整理しました。読み終えたときに、自社の候補が2〜3個に絞れている状態を目指します。

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資金調達方法の全体像|4系統で見る一覧

まず、事業者が使える資金調達方法の全体像を確認します。数多くある方法も、お金の集め方で整理すると「借りる」「出資を受ける」「資産を使う」「返さなくていいお金」の4系統に分けられます。それぞれの系統に、次のような個別の手段が含まれます。

  • 借りる(負債型):日本政策金融公庫の融資、銀行・信用金庫などの民間融資、自治体の制度融資(信用保証協会付き)、ビジネスローン・ノンバンク融資、社債の発行
  • 出資を受ける(資本型):ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資、新株の発行
  • 資産を使う(資産活用型):ファクタリング(売掛債権の売却)、保有資産の売却やセール・アンド・リースバック、動産・売掛金担保融資(ABL)
  • 返さなくていいお金:補助金・助成金、クラウドファンディング(購入型・寄付型)

4系統はいずれも外部からお金を調達する方法です。その前提として、まず用意できる自己資金がどれくらいあるかが出発点になり、自己資金は返済不要の内部資金として創業融資の審査でも重視されます。

この4系統は、後で自社に合う方法を絞り込むときの軸にもなります。返済の要否や経営への関与の有無が系統ごとに異なるためです。まずは「これだけの選択肢がある」と押さえておけば十分です。

そもそも資金調達とは

資金調達とは、事業に必要なお金を外部から調達することを指します。運転資金の確保、創業や新規事業の立ち上げ、設備投資、急な支払いへの対応など、場面はさまざまです。集め方の性質によって、先ほどの4系統に整理できます。

金融の世界では、この整理を「デットファイナンス(負債による調達)」「エクイティファイナンス(資本による調達)」「アセットファイナンス(資産による調達)」と呼ぶこともあります。デットは借りて返すお金、エクイティは株式と引き換えに受ける出資、アセットは保有する資産を現金化する方法です。

呼び方は違っても、中身は「借りる・出資を受ける・資産を使う」と同じで、これに返済不要の補助金・助成金やクラウドファンディングを加えたものが、資金調達方法の全体像です。

【比較表】資金調達方法を横並びで比較

ここからは、主な資金調達方法を横並びで比較します。返済の要否・調達額の目安・入金までのスピード・審査や手続きの重さ・経営権への影響・向いている場面という6つの観点で整理しました。金額やスピードは制度や事業者、事業の状況によって変わるため、傾向として捉えてください。

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比較項目自己資金日本政策金融公庫の融資民間金融機関の融資(銀行・信用金庫)制度融資(信用保証協会付き)ビジネスローン・ノンバンク融資社債(少人数私募債)ベンチャーキャピタル・エンジェル投資新株発行(第三者割当増資など)ファクタリング資産売却・セール・アンド・リースバック動産・売掛金担保融資(ABL)補助金・助成金クラウドファンディング(購入型・寄付型)
返済の要否不要(自前の資金)必要(借入)必要(借入)必要(借入)必要(借入)必要(借入)不要(出資)不要(出資)不要(売掛債権の売却)不要(資産の売却)必要(借入)不要(ただし原則後払い)不要
調達額の目安手元資金の範囲内新規開業・スタートアップ支援資金で
7,200万円以内
数百万〜数億円
(実績・担保による)
自治体により
数百万〜数千万円程度が多い
数十万〜数千万円
(各社による)
数百万〜数千万円
(縁故者50人未満から)
数百万〜数億円
(案件により幅が大きい)
数百万〜数億円
(引受先による)
数十万〜数億円
(売掛債権の範囲内)
対象資産の評価額の範囲内担保資産の評価額の範囲内数十万〜数千万円
(制度による)
数十万〜数千万円
(プロジェクトによる)
入金までのスピード速い(すぐ使える)中(申込〜融資まで数週間程度)遅〜中遅(保証審査を含み数週間〜)速い(各社の条件による)遅(交渉・審査に時間)遅(交渉・手続きに時間)速い(各社の条件による)遅(採択〜交付、精算払い)遅(準備・募集期間が必要)
審査・手続きの重さなし中(事業計画書などが必要)重(事業実績・担保を重視)中(信用保証協会の保証が前提)軽〜中(銀行より速いが金利は高め)中(引受先の確保が前提)重(成長性を重視)重(引受先との交渉)軽〜中(売掛先の信用を重視)中(資産の査定)中(担保の評価)中〜重(申請・採択審査)軽〜中(プラットフォームの審査)
経営権への影響なしなしなしなしなしなしあり(株式の一部を渡す)あり(株式を渡す)なしなしなしなしなし
向いている場面創業期の元手・
他の調達の土台
創業期・小規模事業の
設備・運転資金
一定の実績がある
事業拡大・設備投資
信用力が乏しい
中小企業・創業者
急ぎのつなぎ資金縁故者から
中期資金を集めたい企業
高い成長を目指す
スタートアップ
出資者を確保できる
成長企業
売掛金がある事業の
つなぎ資金
遊休資産・不動産を
持つ事業
在庫・機械・売掛金を
担保にしたい事業
対象となる事業・取り組みがある場合共感を集めやすい
商品・プロジェクト

※上記は各方法の一般的な傾向です。金利・手数料・調達額・入金スピードは、制度・事業者・契約形態や事業の状況によって異なります。個別の条件は各制度・各サービスの公式情報をご確認ください(2026年9月時点)。

返済が要るか要らないか、経営権に影響があるかどうかで、方法の性格が大きく分かれるのが分かります。次の章で、各方法の中身をもう少し詳しく見ていきます。

各資金調達方法の特徴とメリット・デメリット

ここからは、4系統それぞれに含まれる主な方法の特徴を、メリットと注意点をあわせて解説します。同じ系統でも、調達額や審査の重さ、向いている事業者は方法ごとに異なります。

借りる(負債型):融資・制度融資・ビジネスローン・社債

借りる方法は、返済義務がある代わりに経営に外部の関与が入らず、事業者にとって最も基本的な資金調達です。代表的なのが金融機関からの融資で、公的な融資と民間の融資に大きく分かれます。

公的な融資の中心が、日本政策金融公庫です。創業期を対象とした「新規開業・スタートアップ支援資金」では、融資限度額が7,200万円以内、返済期間は設備資金で20年以内、運転資金で10年以内と定められています。新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方が対象で、女性・35歳未満または55歳以上の方などは特別利率の対象になります。

金利は、2026年9月1日時点で、無担保かつ税務申告を2期終えていない方の基準利率が年3.75〜5.35%です。特別利率に該当すればさらに引き下げられます。ただし金利は金融情勢によって変動するため、実際の借入時に最新の利率を確認してください。かつての「新創業融資制度」は2024年に廃止され、この新規開業・スタートアップ支援資金へ統合されています。

出典・参考資料(2件)

民間金融機関(銀行・信用金庫)からの融資は、まとまった資金を調達できる一方、事業実績や担保を重視する審査があり、創業直後や実績の乏しい事業者にはハードルが高くなりがちです。この壁を下げる仕組みが、自治体の制度融資です。制度融資は自治体・金融機関・信用保証協会が連携する融資で、信用保証協会が保証人となることで、信用力の乏しい中小企業や創業者でも融資を受けやすくなります。

信用保証協会は、借り手が返済できなくなった場合に金融機関へ「代位弁済」を行いますが、これは借金が帳消しになる仕組みではありません。全国信用保証協会連合会は、代位弁済した分について次のように説明しています。

信用保証協会が金融機関に対し代位弁済したものについては、実情に即して中小企業・小規模事業者の方から信用保証協会にご返済いただきます。

出典:信用保証制度|全国信用保証協会連合会

より早く資金が必要な場面では、ビジネスローンやノンバンク融資が選択肢になります。銀行融資より審査が速く、事業者向けのカードローンなら短期間で借り入れできる商品もあります。

その分、金利は年利で数%から18%程度が一つの目安で、銀行融資より高めに設定される傾向があるため、返済負担とのバランスを見て使うことが大切です。個々の金利や限度額、入金スピードは事業者ごとに異なるので、複数のサービスを比較して判断してください。

このほか、社債の発行も借りる方法の一つです。投資家などから資金を募り、満期に元本を返済して利息を支払う仕組みで、少人数私募債のように中小企業でも活用できる形式があります。少人数私募債は縁故者など50人未満から社債を引き受けてもらう形で、比較的自由な条件で数百万〜数千万円規模を調達できる一方、償還時にまとめて返済する負担があります。

出資を受ける(資本型):ベンチャーキャピタル・エンジェル投資・新株発行

出資を受ける方法は、返済義務がないのが最大の特徴です。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から資金を受け入れたり、新株を発行して株主から資本を集めたりします。返さなくてよい代わりに、株式(=会社の持ち分)を渡すため、経営に外部の関与が入る点が借りる方法との大きな違いです。

ベンチャーキャピタルは、成長が見込まれる企業に出資し、株式公開や売却による値上がり益を狙います。大きな資金と経営支援を受けられる一方、高い成長を求められ、持ち株比率によっては経営の自由度が下がることもあります。調達額は案件によって数百万円から数億円まで幅が大きく、事業の将来性をどう評価されるかで決まります。高い成長を目指すスタートアップに向いた方法です。

エンジェル投資は、個人の投資家が創業して間もない企業に出資するもので、ベンチャーキャピタルより早い段階で、比較的小口の資金を柔軟な条件で受けやすいのが特徴です。

新株発行は、新たに株式を発行して株主から資本を集める方法で、特定の相手に引き受けてもらう第三者割当増資などの形があります。いずれも返済は不要な代わりに、発行した株式の分だけ経営権の持ち分が外部に移ります。

資産を使う(資産活用型):ファクタリング・資産売却・ABL

資産を使う方法は、保有する資産を現金化して資金を得るものです。代表的なファクタリングは、期日前の売掛債権を業者に買い取ってもらう資金調達で、借り入れではありません。金融庁は、ファクタリングの法的性質を次のように説明しています。

一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。

出典:ファクタリングの利用に関する注意喚起|金融庁

債権の売買であるため返済義務がなく、売掛先が期日に支払えば取引は完了します。売掛金があれば比較的早く現金化できる点が利点です。手数料は契約形態(利用者と業者の2社間か、売掛先を含む3社間か)や売掛先の信用によって幅があり、一般に3社間のほうが低めで、数%から20%程度まで開きがあります。

ただし金融庁は、受け取る金銭が債権額に比べて著しく低額なケースは偽装ファクタリングの疑いがあると注意を促しています。手数料が相場からかけ離れて高い業者は避け、契約内容をよく確認することが必要です。

このほか、遊休資産や不動産を売却する方法、売却後も使い続けるセール・アンド・リースバック、売掛金や在庫・機械などを担保に借り入れる動産・売掛金担保融資(ABL)も、資産を活用した資金調達に含まれます。

返さなくていいお金:補助金・助成金・クラウドファンディング

補助金・助成金は、国や自治体が事業者の取り組みを後押しするために支給するお金で、原則として返済が不要です。ただし多くは後払いで、対象の事業を実施して経費を支払った後に、報告と精算を経て入金される「精算払い」となっています。手元資金でいったん立て替える必要があり、採択されても交付決定の前に発注した経費は対象外になる場合があるため、入金までの資金繰りと申請の順序に注意が必要です。

出典・参考資料(1件)

クラウドファンディングは、インターネットを通じて多くの人から少額ずつ資金を集める方法です。種類によって性質が大きく異なり、商品やサービスをリターンとして返す「購入型」と見返りを求めない「寄付型」は返済が不要です。一方、お金の貸し借りや出資の形をとる「融資型(ソーシャルレンディング)」「株式投資型」は、返済や配当を伴うため、返さなくていいお金ではありません。

また、クラウドファンディングは目標額が必ず集まる保証はなく、多くのサービスで調達額に応じた利用手数料がかかる点にも留意が必要です。

投資型は法律による規制の対象です。株式投資型クラウドファンディングについて、日本証券業協会は次のように定めています。

発行者が資金調達できる額は1年間に5億円未満、投資家が投資できる額は同一の会社につき1年間に200万円を超えない範囲内

出典:株式投資型クラウドファンディング業務|日本証券業協会

自社のプロジェクトに共感を集めやすいかどうかに加え、どの型を使うかで返済義務の有無が変わる点を押さえておきましょう。

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返済は要る?経営権は渡す?お金の性質で選び分ける

方法が多くて迷うときは、細かな条件の前に「お金の性質」で大きくふるいにかけると絞り込みやすくなります。判断の軸は、返済が必要かどうかと、経営権に影響するかどうかの2つです。

借りる方法(融資・制度融資・ビジネスローン・社債)は、返済義務がある代わりに経営権に影響しません。事業の主導権を保ったまま資金を得たい場合の基本になります。出資(ベンチャーキャピタル・エンジェル投資・新株発行)は返済不要ですが、株式と引き換えであるため経営に外部の関与が入ります。「返済不要」という言葉だけで選ぶと、経営権を渡す点を見落としがちなので注意が必要です。

返さなくていいお金にも、それぞれ裏側の条件があります。補助金・助成金は返済不要ですが、原則は後払いで、対象事業や採択審査の要件を満たす必要があります。クラウドファンディングは、購入型・寄付型なら返済不要ですが、融資型・株式投資型は返済や配当を伴う点で「借りる・出資を受ける」に近い性質です。

ファクタリングは借入ではなく売掛債権の売却なので、返済義務は生じません。こうした裏側の条件まで含めて比べると、都合のよい面だけで判断せずに済みます。

個人事業主やフリーランスの場合は、株式を使う出資(ベンチャーキャピタル・新株発行)や社債は使いにくく、公庫・制度融資・ビジネスローン・ファクタリング・補助金が中心の選択肢になります。とくに起業準備中でまだ事業実績がない段階では、まず自己資金をどれだけ用意できるかを整理することが出発点になります。

状況別に見る資金調達方法(創業期・事業拡大・資金繰り悪化)

同じ資金調達でも、事業のどの段階にいるかで現実的な選択肢は変わります。ここでは、創業期・事業拡大期・急な資金繰り悪化という3つの場面ごとに、まず何から検討するとよいかを整理します。

創業期:自己資金+公庫・制度融資を軸に

創業期は事業実績がないため、民間金融機関の融資は受けにくい段階です。この時期の軸になるのが、自己資金に、日本政策金融公庫の創業向け融資や自治体の制度融資を組み合わせる方法です。前述の新規開業・スタートアップ支援資金は、創業前や創業後まもない事業者を対象にしており、制度融資は信用保証協会の保証によって創業者でも融資を受けやすくします。

創業期に気になる経営者保証についても、無保証で調達できる道が広がっています。2022年12月に国が公表した「経営者保証改革プログラム」では、創業から5年以内の事業者を対象に、経営者保証を求めない新しい信用保証制度が2023年3月に始まりました。保証割合100%・保証上限額3,500万円・無担保という枠組みです。公庫の融資でも「経営者保証免除特例制度」を併用できる場合があります。

出典・参考資料(1件)

事業拡大・設備投資:民間融資・社債・出資で成長資金を

事業に一定の実績が積み上がってきた拡大期は、選択肢が広がります。設備投資や増産のためのまとまった資金は、銀行・信用金庫の融資や社債の発行でまかなうのが基本です。返済負担を避けて大きな成長資金を得たい場合は、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資も候補になります。対象となる取り組みがあれば、補助金・助成金で投資の一部を補うことも検討できます。

拡大期は実績や担保が評価される段階のため、まとまった資金は民間融資が主軸になります。返済負担を抑えて大きく成長させたい高成長局面なら出資、というように目的で使い分けると迷いにくくなります。

急な資金繰り悪化・つなぎ:スピード重視の現実解

支払いが迫っているのに手元資金が足りない、といったつなぎの場面では、入金までのスピードが重要になります。銀行融資は審査に時間がかかるため、間に合わないこともあります。こうしたときの現実的な選択肢が、審査の速いビジネスローンやノンバンク融資、事業者向けのカードローン、そして売掛金があるならファクタリングです。ファクタリングは借入ではないため、負債を増やさずに資金を確保できます。

いずれもスピードと引き換えに、金利や手数料は銀行融資より高くなりがちです。使いすぎると資金繰りをかえって圧迫するため、必要な額を短期で調達し、早めに立て直す使い方が向いています。具体的な金利・手数料・入金スピードはサービスごとに差が大きいので、複数を比べて選ぶことが欠かせません。

売掛金を持つ事業者がつなぎ資金にファクタリングを使う場合は、会社ごとに手数料や入金までの日数が大きく変わります。主要なファクタリング会社を手数料・入金スピード・買取可能額で見比べたいときは、次の記事が候補選びの参考になります。

資金調達の最初の一歩と、具体的なサービスの探し方

全体像を押さえたら、次は自社の状況に当てはめて候補を2〜3個に絞る段階です。「返済してよいか」「経営権を渡してよいか」「いつまでにいくら必要か」を書き出すと、検討すべき方法が見えてきます。公庫や制度融資なら要件と申込手順を調べ、補助金なら対象制度を探し、ファクタリングやビジネスローンなら具体的な事業者を比較する、という流れです。

ビジネスローン・ノンバンク融資・カードローンは、事業者ごとに金利・限度額や審査・入金までのスピードが異なります。主要なサービスを金利や即日融資の可否、審査の柔軟性で比べて候補を絞りたいときは、次の記事が手がかりになります。

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まとめ

資金調達方法は、「借りる・出資を受ける・資産を使う・返さなくていいお金」の4系統で全体像を捉えると整理しやすくなります。方法を選ぶときは、細かな条件の前に、返済の要否と経営権への影響という性質で大きくふるいにかけ、そのうえで創業期・事業拡大・資金繰り悪化といった自社の状況に当てはめると、候補を絞り込めます。

創業期は公庫や制度融資、拡大期は民間融資・社債・出資、急ぎのつなぎはビジネスローンやファクタリングが現実的な起点になります。「返済不要」の裏側にある条件まで確認しながら、自社に合う手段を選んでいきましょう。候補が絞れたら、具体的なサービスの条件を比較して次の一歩に進んでください。

よくある質問(FAQ)

Q. 資金調達方法とは何ですか?

A. 資金調達方法とは、事業に必要なお金を外部から集める手段の総称で、「借りる(負債型)・出資を受ける(資本型)・資産を使う(資産活用型)・返さなくていいお金」の4系統に整理できます。借りる方法には融資や制度融資、出資にはベンチャーキャピタルや新株発行、資産活用にはファクタリング、返さなくていいお金には補助金・助成金や購入型のクラウドファンディングが含まれます。

返済の要否と経営権への影響が系統ごとに異なるため、まず全体像を押さえると自社に合う候補を絞り込みやすくなります。

Q. 資金調達方法で返済が不要なのはどれですか?

A. 資金調達方法のうち、出資(ベンチャーキャピタル・エンジェル投資・新株発行)、補助金・助成金、購入型・寄付型のクラウドファンディング、ファクタリングが返済不要です。ただし、それぞれに裏側の条件があります。出資は返済不要な代わりに株式と引き換えに経営権の一部を渡します。

補助金・助成金は原則後払いで、対象事業を実施して経費を支払った後に精算払いで入金されます。ファクタリングは借入ではなく売掛債権の売却のため返済義務が生じません。一方、同じクラウドファンディングでも融資型(ソーシャルレンディング)・株式投資型は返済や配当を伴うため、返さなくていいお金ではない点に注意が必要です。

Q. 資金調達方法のうち、審査が重いのはどれですか?

A. 民間金融機関(銀行・信用金庫)の融資やベンチャーキャピタルからの出資は審査が重く、ビジネスローン・ノンバンク融資やファクタリングは比較的軽い傾向です。銀行・信用金庫の融資は事業実績や担保を重視するため時間がかかり、出資は事業の成長性を厳しく評価されます。

日本政策金融公庫の融資や制度融資は事業計画書などが必要で中程度、ビジネスローンやファクタリングは売掛先の信用を見るなど手続きが速い代わりに、金利・手数料は高めになりがちです。

Q. 急な資金繰りの悪化に間に合う資金調達方法はどれですか?

A. 支払いが迫っているときは、審査の速いビジネスローン・ノンバンク融資、事業者向けカードローン、そして売掛金があるならファクタリングが現実的な選択肢です。銀行融資は審査に時間がかかり、間に合わないことがあります。

ファクタリングは借入ではないため、負債を増やさずに資金を確保できます。いずれもスピードと引き換えに金利・手数料が高くなりがちなので、必要な額を短期で調達し、早めに立て直す使い方が向いています。

Q. 経営者保証を付けずに資金調達はできますか?

A. 経営者保証を付けない資金調達の道は広がっており、条件を満たせば無保証での借り入れが可能です。「経営者保証に関するガイドライン」では、3つの要件が示されています。1つ目は法人と経営者の関係を明確に区分・分離すること、2つ目は財務基盤を強化することです。3つ目は、財務状況を正確に把握し、適時適切な情報開示によって経営の透明性を確保することです。

加えて2022年12月の「経営者保証改革プログラム」により、創業から5年以内の事業者を対象に、保証割合100%・保証上限額3,500万円・無担保で経営者保証を求めない新しい信用保証制度が2023年3月に始まりました。公庫の融資でも「経営者保証免除特例制度」を併用できる場合があります。

出典・参考資料(2件)

Q. 補助金・助成金はいつ入金されますか?

A. 補助金・助成金は原則として後払いで、対象の事業を実施して経費を支払った後、報告と精算を経て入金される「精算払い」が基本です。そのため、採択されても手元資金でいったん立て替える必要があり、交付決定の前に発注した経費は対象外になる場合があります。入金までの資金繰りと申請の順序に注意し、必要であれば立替期間をつなぐ融資も併せて検討するとよいでしょう。

出典・参考資料(1件)

Q. ファクタリングは安全な資金調達方法ですか?

A. ファクタリング自体は合法的な資金調達で、金融庁も法的には売掛債権の売買(債権譲渡)契約であると説明しています。借入ではないため返済義務は生じません。ただし金融庁は、業者から受け取る金銭が債権額に比べて著しく低額であるケースは偽装ファクタリング(実質的なヤミ金融)の疑いがあると注意を促しています。手数料が相場からかけ離れて高い業者は避け、契約内容をよく確認したうえで利用することが大切です。

出典・参考資料(1件)

Q. 自社に合った資金調達方法はどうやって選べばよいですか?

A. 「返済してよいか」「経営権を渡してよいか」「いつまでにいくら必要か」の3点を書き出し、まずお金の性質でふるいにかけてから、自社の事業段階に当てはめて選ぶのが基本です。

創業期は自己資金に日本政策金融公庫の創業向け融資や自治体の制度融資を組み合わせる、事業拡大期は民間融資・社債・出資、急なつなぎはビジネスローンやファクタリング、というのが現実的な起点になります。候補を2〜3個に絞ったら、具体的なサービスの金利・手数料・限度額・入金スピードを横並びで比較して、次の一歩に進みましょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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