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新創業融資制度は廃止された?後継の新規開業・スタートアップ支援資金と自己資金・限度額・審査を解説

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これから起業する方や創業して間もない方が資金調達を調べていくと、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」という名前に行き当たります。ところが実際に申し込もうとすると、「すでに廃止された」という情報が出てきて戸惑う方も少なくありません。

新創業融資制度は、日本政策金融公庫が創業者向けに設けていた融資の枠組みで、無担保・無保証人で利用できる点が特徴でした。現在この名称の制度は取り扱われておらず、その内容は後継の「新規開業・スタートアップ支援資金」に引き継がれています。無担保・無保証人で創業資金を借りられる仕組み自体は、今も利用できます。

本記事では、新創業融資制度が今どうなっているのかという結論から整理し、後継制度の対象者・融資限度額・金利・返済期間、旧制度からの変更点、自己資金の考え方、申込みの流れまでを解説します。あわせて、公庫の審査に通らなかったときや民間の資金調達も検討したいときの選択肢も紹介します。

新創業融資制度は廃止された?現在は後継制度に集約

結論から述べると、「新創業融資制度」という単独の制度は、現在の日本政策金融公庫では取り扱われていません。2024年(令和6年)の創業融資まわりの制度再編を経て、その役割は「新規開業・スタートアップ支援資金」へ集約されています。これから創業資金を借りる方は、新創業融資制度そのものを探すのではなく、この新規開業・スタートアップ支援資金を申し込むことになります。

新創業融資制度は、もともと単独で使う融資ではなく、新規開業資金などの各種融資に上乗せして「無担保・無保証人」「金利の引下げ」といった条件を付ける特例的な枠組みでした。名称としては見当たらなくなりましたが、創業期の方が無担保・無保証人で融資を受けられる仕組みや、金利の引下げは、後継制度のなかに引き継がれています。日本政策金融公庫は現在、創業融資の特徴として次の3点を挙げています。

【POINT1】無担保・無保証人融資
新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方は、原則として無担保・無保証人で各種融資制度をご利用いただけます。

【POINT2】利率を一律0.65%引下げ
新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方は、原則として0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)引下げとなります。

【POINT3】長期でご返済可能(※)
設備資金は20年以内(うち据置期間5年以内)、運転資金は原則10年以内(うち据置期間5年以内)と長期でご返済いただけます。
(※)新規開業・スタートアップ支援資金をご利用いただく場合を示しています。

出典:創業融資のご案内|日本政策金融公庫 国民生活事業(https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/sogyoyushi.html

このように、新創業融資制度が使えなくなったからといって、創業者が無担保・無保証人で公庫から借りられなくなったわけではありません。以降では、その受け皿となる新規開業・スタートアップ支援資金の中身を具体的に見ていきます。

後継の「新規開業・スタートアップ支援資金」とは

ここからは、新創業融資制度の後継にあたる「新規開業・スタートアップ支援資金」の対象者・使いみち・融資限度額・返済期間・金利を確認します。

対象となるのは、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方で、資金は事業に必要な設備資金と運転資金の両方に使えます。融資限度額は7,200万円で、返済期間は設備資金が20年以内、運転資金が10年以内、いずれも据置期間(元金の返済を猶予し利息のみを支払う期間)は5年以内です。担保・保証人については、希望を聞きながら相談する形になっています。公庫が公表している制度概要は次のとおりです。

ご利用いただける方:新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方(注1)
資金のお使いみち:新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金(注2)
融資限度額:7,200万円
ご返済期間:設備資金 20年以内<うち据置期間5年以内>/運転資金 10年以内<うち据置期間5年以内>(注2)
担保・保証人:お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。
併用できる特例制度:経営者保証免除特例制度/創業支援貸付利率特例制度/賃上げ貸付利率特例制度
(注1)「新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」に限ります。なお、創業計画書のご提出等をいただき、事業計画の内容を確認させていただきます。
(注2)「廃業歴等があり、創業に再チャレンジする方」は、前事業に係る債務を返済するために必要な資金もお使いいただくことができ、運転資金は15年以内(うち据置期間5年以内)までご利用いただけます。

出典:新規開業・スタートアップ支援資金|日本政策金融公庫 国民生活事業(https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/01_sinkikaigyou_m.html

金利は、基準利率が基本です。ここに、創業支援貸付利率特例制度を併用することで、各種融資制度に定める利率から0.65%(雇用の拡大を図る場合は0.9%)が引き下げられます。対象は、新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方で、まさに創業期の方に向けた引下げです。

実際の適用金利は、基準利率そのものが毎月見直されるため、時期によって変わります。公庫が公表する主要利率一覧表(令和8年9月1日現在)では、無担保で税務申告を2期終えていない方の基準利率はおおむね年3.75%〜5.35%の範囲で示されています。

この基準利率から0.65%が引き下げられた率が、実際に適用される金利の目安です。上記の範囲をもとにすると、引下げ後はおおむね年3%台〜4%台が目安となります。実際の幅は返済期間や担保の有無、特別利率の対象かどうかで変わるため、正確な率は申込みを検討する時点の主要利率一覧表で確認してください。

出典・参考資料(3件)

新創業融資制度からの主な変更点

旧制度で借りるつもりだった方にとって気になるのは、「何がどう変わったのか」という点です。制度が集約されたことで、無担保・無保証人での相談や長期の返済といった創業者向けの条件は後継制度に引き継がれ、自己資金の扱いも見直されました。

とくに変化が大きいのが、自己資金の考え方です。新創業融資制度では自己資金の要件が設けられていたとされますが、現行の新規開業・スタートアップ支援資金では、一律の自己資金要件は設けられていません。

また、無担保・無保証人で相談できる点や、設備資金20年・運転資金10年という長期の返済期間、据置期間5年以内といった条件が、創業融資の枠組みとして整理されています。旧制度と現行制度の考え方を、確認できる範囲で対比すると次のようになります。

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新旧の比較新創業融資制度(旧)新規開業・スタートアップ支援資金(現行)
自己資金要件一定割合の自己資金が必要とされた定めなし(申込は可能。審査では計画全体の実現性を重視)
担保・保証人原則不要(無担保・無保証人)原則不要(創業期=税務申告2期未了の方)
融資限度額—(現在は取扱終了)7,200万円
返済期間—(現在は取扱終了)設備20年以内/運転10年以内(据置5年以内)

※ 新創業融資制度は現在取り扱いを終了しており、旧制度の限度額・返済期間などの詳細条件は公庫の現行サイトでは公開されていません(意図的な非公開ではなく、制度終了に伴う掲載終了によるものです)。そのため旧制度の欄は「—」としています。現行制度の数値は日本政策金融公庫の公式情報(令和8年9月1日現在)によります。

比較のポイントは、自己資金の扱いが「一定割合の要件」から「一律の要件なし」へと整理された点です。ただし、要件がないことと、自己資金がなくても借りやすいことは同じではありません。この点は次の節で詳しく見ていきます。

自己資金なしでも借りられる?自己資金要件撤廃の実務的な意味

「制度上の自己資金要件がないなら、自己資金ゼロでも借りられるのか」という疑問は、多くの創業予定者が抱くところです。ここは、制度上の建前と、審査での実際を分けて理解する必要があります。

制度としては、一律の自己資金要件は設けられていません。一方で、公庫自身が、自己資金は重要な要素の一つであり、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要だと説明しています。自己資金の目安についても、公庫の調査結果を示しています。

自己資金は重要な要素のひとつですが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要になります。(中略)自己資金の目安については、公庫が融資先の創業企業を対象として実施した調査(「新規開業実態調査」)によると、創業資金総額に占める自己資金の割合は平均で2割程度となっています。

出典:Q&A|日本政策金融公庫(https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/faq/

このことから読み取れるのは、自己資金がまったくなくても申込み自体はできる一方で、自己資金は事業計画を実行できるかどうかを見るうえで重視される、ということです。目安として創業資金総額の2割程度が示されている以上、自己資金をある程度用意できているほうが、計画の実現性を説明しやすくなると考えられます。

借りられる金額も、この考え方と地続きです。7,200万円はあくまで制度上の上限で、創業段階では自己資金と事業計画の内容に見合った範囲で借りるのが一般的です。まず必要な資金を積み上げ、その一部を自己資金でまかなう前提で計画を組むと、無理のない借入額の目安が見えてきます。自己資金が少ない場合は、その分、創業計画書で売上や資金繰りの根拠を丁寧に示すことが大切になります。

条件に該当すればより有利に借りられる関連制度・特別利率

先ほど触れた0.65%の引下げに加えて、新規開業・スタートアップ支援資金では、一定の条件に該当する方に対して、基準利率よりも低い特別利率が用意されています。自分が対象になるかを確認しておくと、金利面でさらに有利に借りられる可能性があります。公庫が示している主な対象は次のとおりです。

  • 女性の方、または35歳未満・55歳以上の方(特別利率A)
  • 認定特定創業支援等事業(自治体が関わる創業塾・創業セミナー等)を受け、認定市区町村が発行する証明書を取得した方(特別利率A)
  • 「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用して創業する方(特別利率A)
  • 日本ベンチャーキャピタル協会の会員などから出資を受けている方、または見込まれる方(特別利率B)

このほか、「廃業歴等があり、創業に再チャレンジする方」や、事業計画を高めるための各種の関連制度も設けられています。とくに、認定特定創業支援等事業の証明書は、特別利率の対象になるだけでなく、会社設立時の登録免許税の軽減など別の優遇にもつながるため、これから創業する方は取得を検討する価値があります。自分が特別利率A・Bのいずれかに該当しそうな場合は、申込みの相談時に確認するとよいでしょう。

特別利率は基準利率よりも低く設定されます。たとえば主要利率一覧表(令和8年9月1日現在・国民生活事業・無担保)で税務申告を2期終えた方の区分を見ると、基準利率が年3.80〜5.40%なのに対し、特別利率Aは年3.40〜5.00%、特別利率Bは年3.15〜4.75%、特別利率Cは年2.90〜4.50%と、区分ごとに段階的に低くなっています。

創業期(税務申告を2期終えていない方)は、基準利率自体が前述のとおり年3.75〜5.35%とこれよりやや低く、さらに創業支援貸付利率特例制度による0.65%の引下げが加わります。金利は毎月改定されるため、実際の適用率は申込みを検討する時点の主要利率一覧表で確認してください。

出典・参考資料(1件)

申込みから融資実行までの流れ・必要書類・審査のポイント

申し込むと決めたら、次に気になるのは手続きの流れと準備すべき書類です。ここでは、相談から融資実行までの一般的な流れ、必要書類、審査で見られる点を整理します。

申込みから融資実行までの流れ

公庫の創業融資は、おおむね次の流れで進みます。まず、申込み前にオンラインまたは支店窓口で相談し、次にインターネットなどで申込みを行います。その後、面談と実地調査で資金使途や事業計画を確認し、融資の可否が決定されます。

決定後は電子契約サービスなどで契約し、指定口座へ融資金が送金され、原則として月賦で返済していきます。申込みから融資決定までの期間は、公庫の案内では平均して3週間程度とされています。ただし、条件によってはこれより時間がかかる場合もあります。

創業融資の申込みから融資実行までの流れを示した図。事前相談、申込み、面談・実地調査、融資の決定、契約、融資、返済の7ステップを縦に並べている。申込みから融資決定までは平均3週間程度。

申込みの窓口は、個人の場合は創業予定地を管轄する支店、法人の場合は登記上の本店所在地を管轄する支店です。事前相談は、事業資金相談ダイヤルやオンライン相談でも受け付けています。

必要書類と創業計画書

申込みにあたって必要となる主な書類は、公庫の案内で次のように示されています。創業計画書には公庫が用意する様式があり、事業の見通しや資金計画を記入します。

創業計画書
設備資金のお申込の場合は見積書
履歴事項全部証明書または登記簿謄本(法人の場合)
担保をご希望の場合は、不動産の登記簿謄本または登記事項証明書
運転免許証(両面)、マイナンバーカード(表面のみ)またはパスポート
許認可証(飲食店などの許可・届出等が必要な事業を営んでいる方)

出典:お手続きの流れ(創業予定の方)|日本政策金融公庫 国民生活事業(https://www.jfc.go.jp/n/finance/flow/tetsudukij_c.html

必要書類のうち、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)は法務局で取得でき、創業計画書は公庫の公式サイトからひな型をダウンロードして作成します。設備資金を申し込む場合は、購入予定の設備の見積書もあわせて用意します。

このなかでも、審査の要になるのが創業計画書です。公庫の様式には、創業の動機・経営者の略歴・取扱商品やサービスの強み・取引先・必要な資金と調達方法・事業の見通し(収支計画)といった項目があります。なかでも必要な資金と調達方法、売上・利益の見通しは、根拠となる数字とセットで書くことが求められます。

数字の根拠が薄いと、面談でも説明に困りやすくなります。できるだけ具体的な裏づけをそろえて書いておくことが準備の中心です。また、法人設立のための資本金の払込みにあてる資金は、事業資金の融資の対象外とされている点にも注意が必要です。

審査で見られるポイント

公庫は個別の審査基準を公表していませんが、公式に示されている情報からは、次の点が重視されると読み取れます。

  • 事業計画の適正さと遂行能力:計画が適正で、それを実行できる能力が十分にあると認められること。公庫は創業計画書の提出を通じて内容を確認します。
  • 自己資金:前述のとおり、計画の実現性を見るうえで重要な要素の一つとされます。
  • 面談・実地調査:面談で資金使途や事業内容を確認し、店舗や事業所の予定地を訪問する実地調査も行われます。

審査対策の中心は小手先のテクニックではなく、実現性のある事業計画を、自分の言葉で説明できるように準備することです。創業計画書に書いた数字の根拠を面談で問われても答えられる状態にしておくことが、通過に向けた基本になります。

出典・参考資料(2件)

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公庫の創業融資に落ちた・併用したいときの資金調達

創業資金の調達手段は、公庫の融資だけではありません。審査に通らなかったとき、あるいは公庫の融資だけでは資金が足りず併用したいときのために、ほかの選択肢も知っておくと安心です。

審査に通らなかったときの選択肢

公庫の審査に通らなかった場合、大きく2つの方向があります。1つは、通らなかった理由を踏まえて事業計画や自己資金を見直し、期間を置いて再申請する方法です。もう1つは、公庫以外の資金調達に切り替える、または併用する方法です。

事業が動き出していて、すぐに運転資金が必要な場合には、審査が比較的柔軟で入金までが早い民間のビジネスローンが選択肢になります。個人事業主でも申し込めるサービスや、決算書・確定申告書が1期分でも相談できるサービスもあります。

ただし、民間のビジネスローンは公庫の創業融資に比べて金利が高くなりやすい傾向があります。必要な時期・金額に絞って使い、公庫の融資と組み合わせて全体の負担を抑えるのが現実的です。まだ事業が始まっておらず実績がない段階で公庫の審査に通らなかった場合は、計画を練り直して再申請する方向が基本になります。

制度融資・補助金・ファクタリングとの違い

創業期に使える資金調達には、性質の異なる手段が複数あります。混同しやすいので、返済義務の有無で整理しておくと選びやすくなります。

創業期の資金調達手段を返済義務の有無で整理した図。借入(公庫の創業融資・民間のビジネスローン・制度融資)は返済義務あり、補助金・助成金は原則返済不要で多くは後払い、ファクタリングは売掛債権を売却する仕組みで返済義務なし。
  • 公庫の創業融資・民間のビジネスローン・制度融資:いずれも借入であり、返済義務があります。制度融資は自治体・金融機関・信用保証協会が連携する仕組みで、創業期向けの枠が用意されています
  • 補助金・助成金:原則として返済不要ですが、多くは後払い(事業実施後の精算)で、採択の審査や対象経費の制限があります
  • ファクタリング:売掛債権を売却して早期に資金化する仕組みで、借入ではないため返済義務はありません。売掛先への請求が発生していることが前提です

このなかでファクタリングは、すでに発生している売掛金を売って早期に資金化する方法です。創業後に取引が始まって請求が立っていれば、公庫の審査結果を待たずに手元資金を用意できます。個人事業主・フリーランスでも使いやすい会社を、手数料や入金スピードで比べたい場合は次の記事が参考になります。

いっぽう、公庫の融資と併用しやすく、事業開始後の運転資金として使いやすいのが民間のビジネスローンです。ここでは、創業期・個人事業主でも比較的申し込みやすいサービスを紹介します。金利や限度額はサービスによって幅があるため、条件を比べたうえで、公庫の融資と組み合わせて検討するとよいでしょう。

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サービス名ビジネスパートナー スモールビジネスローンAGビジネスサポート 事業者向けビジネスローンアイフル 事業サポートプラン
実質年率9.98%〜18.0%3.1%〜18.0%3.0%〜18.0%
(不動産担保は3.0%〜12.0%)
融資限度額50万円〜500万円50万円〜1,000万円1万円〜500万円
(不動産担保は100万円〜1億円)
融資スピード最短5日(公式表記)最短即日公式で明示なし
対象法人・個人事業主法人・個人事業主法人・個人事業主
無担保・保証人無担保/保証人原則不要
(法人は代表者の連帯保証)
無担保/保証人原則不要
(法人は代表者の連帯保証)
無担保・不動産担保の2形態
(個人プランは保証人原則不要)
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※ 実質年率・融資限度額・融資スピード等は各社公式サイトの表記にもとづく(2026年6月時点)。アイフル 事業サポートプランは公式に融資までの所要時間の明示がないため「公式で明示なし」と記載しています。実際の適用条件・金利・審査結果は変動するため、申込み前に各社の最新情報をご確認ください。

1. ビジネスパートナー スモールビジネスローン(株式会社ビジネスパートナー)

ビジネスパートナー スモールビジネスローンのウェブサイト

株式会社ビジネスパートナーが提供する、法人・個人事業主向けのカードローン型ビジネスローンです。決算書または確定申告書が1期分でも審査の対象となるため、創業して間もない事業者でも相談しやすい点が特徴です。

実質年率は9.98%〜18.0%、融資限度額は50万円〜500万円で、無担保・保証人は原則不要です(法人の場合は代表者の連帯保証が必要)。限度額の範囲内で繰り返し利用でき、セブン銀行ATMで借入・返済ができるため、運転資金の一時的な不足に機動的に使えます。来店不要で郵送により手続きが完結します。

2. AGビジネスサポート 事業者向けビジネスローン(AGビジネスサポート株式会社)

AGビジネスサポート 事業者向けビジネスローンのウェブサイト

アイフルグループで事業者向け融資を専門に扱う、AGビジネスサポート株式会社の無担保ビジネスローンです。法人・個人事業主が対象で、給与所得者は対象外という、事業者に絞った商品設計になっています。

実質年率は3.1%〜18.0%、融資限度額は50万円〜1,000万円で、最短即日の融資に対応します。無担保で利用でき、返済は元利均等返済で最長5年、元金一括返済なら最長1年から選べます。スピードと限度額のバランスがとれており、事業開始後の運転資金を早めに確保したい場面に向いています。

3. アイフル 事業サポートプラン(アイフル株式会社)

アイフル 事業サポートプランのウェブサイト

個人事業主向けの個人プランと法人プランを持つ、アイフル株式会社の事業者向け融資です。無担保ローンと不動産担保ローンの2形態があり、事業の運転資金や設備投資資金に利用できます。

無担保ローンの実質年率は3.0%〜18.0%、契約限度額は1万円〜500万円で、返済期間は最長10年(120回)と長めに設定できます。少額から借りられ、返済期間を長くとって毎月の負担を抑えられるため、創業初期でまだ売上が安定しない時期の資金繰りに向いています。より大きな金額が必要な場合は、不動産担保ローン(限度額100万円〜1億円)という選択肢もあります。

ここで取り上げた3社は、創業期でも申し込みやすいサービスの一部です。金利や即日融資の可否、審査の柔軟性まで含めて、法人・個人事業主向けのビジネスローンを幅広く比較して選びたい方は、以下の記事で23社をまとめています。

まとめ

新創業融資制度は、現在は単独の制度としては取り扱われておらず、その役割は「新規開業・スタートアップ支援資金」に集約されています。これから創業資金を借りる方は、後継のこの制度を申し込むことになります。無担保・無保証人で利用でき、金利の引下げや長期返済といった創業者向けの条件は、後継制度に引き継がれています。

制度としての一律の自己資金要件はなくなりましたが、審査では自己資金を含めた創業計画全体の実現性が見られます。だからこそ、根拠のある創業計画書の準備が申込みの中心になります。

公庫の融資だけで足りないときや審査に通らなかったときは、返済義務の有無を踏まえて、民間のビジネスローンや補助金などの手段も組み合わせて検討するとよいでしょう。自社の事業フェーズと資金計画に合わせて、最適な資金調達を検討してください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 新創業融資制度とは何ですか?

A. 新創業融資制度とは、日本政策金融公庫が創業者向けに設けていた、無担保・無保証人で創業資金を借りられる融資の枠組みです。単独で使う融資ではなく、新規開業資金などの各種融資に上乗せして「無担保・無保証人」「金利の引下げ」といった条件を付ける特例的な仕組みでした。現在この名称の制度は取り扱われておらず、その役割は後継の「新規開業・スタートアップ支援資金」に引き継がれています。

Q. 新創業融資制度は今も使えますか?廃止されたのですか?

A. 新創業融資制度という単独の制度は、現在の日本政策金融公庫では取り扱われておらず、その役割は「新規開業・スタートアップ支援資金」に集約されています。ただし、創業期の方が無担保・無保証人で融資を受けられる仕組みや金利の引下げは後継制度に引き継がれているため、創業者が公庫から創業資金を借りられなくなったわけではありません。

これから申し込む方は、新創業融資制度そのものを探すのではなく、新規開業・スタートアップ支援資金を利用することになります。

Q. 新規開業・スタートアップ支援資金は自己資金ゼロでも借りられますか?

A. 制度としては一律の自己資金要件が設けられていないため、自己資金ゼロでも申込み自体は可能です。ただし、公庫は自己資金を計画の実現性を見るうえで重要な要素の一つとしており、目安として創業資金総額の約2割程度が示されています。自己資金が少ない場合は、その分、創業計画書で売上や資金繰りの根拠を丁寧に示すことが大切になります。

Q. 新規開業・スタートアップ支援資金は担保や保証人が必要ですか?

A. 新たに事業を始める方や、事業開始後まだ税務申告を2期終えていない方は、原則として無担保・無保証人で利用できます。担保・保証人については、公庫が希望を聞きながら相談する形になっています。無担保・無保証人で創業資金を借りられる点は、旧・新創業融資制度から後継制度に引き継がれた特徴です。

Q. 個人事業主や副業でも新規開業・スタートアップ支援資金の対象になりますか?

A. 法人化していない個人事業主も新規開業・スタートアップ支援資金の対象になり、副業として創業する場合も対象になる可能性があります。対象は「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方」で、法人・個人の別は問われません。ただし、いずれの場合も適正な事業計画があることが前提で、最終的な可否は計画全体の内容で判断されます。

Q. 個人事業主から法人成りする場合も対象になりますか?

A. 法人成りする場合も対象になり得ますが、個人事業主としての事業年数が7年を超えていると対象外と判断される可能性があります。新規開業・スタートアップ支援資金の対象は事業開始後おおむね7年以内とされているため、法人成り前の個人事業の期間を含めて7年以内かどうかが目安になります。判断に迷う場合は、申込みの相談時に確認するとよいでしょう。

Q. 借りたお金を会社設立の資本金に使えますか?

A. 法人設立のための資本金の払込みにあてる資金は、事業資金の融資の対象外とされています。融資の資金使途は、事業に必要な設備資金と運転資金に限られます。会社設立の準備を進める際は、資本金は融資ではまかなえない点に留意して資金計画を立てる必要があります。

Q. 創業融資はいつ申し込むのがよいですか?

A. 新規開業・スタートアップ支援資金は「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方」が対象で、この期間内であれば申し込めます。申込みから融資決定までは公庫の案内で平均3週間程度とされているため、資金が必要になる時期から逆算し、審査期間を見込んで早めに相談・申込みを進めるとよいでしょう。事業開始前の計画段階から相談できる点も、公庫の創業融資の特徴です。

Q. 融資の申込みから入金までどのくらいかかりますか?

A. 公庫の案内では、申込みから融資決定までの期間は平均して3週間程度とされています。その後、契約手続きを経て指定口座へ融資金が送金されます。ただし、条件によってはこれより時間がかかる場合もあるため、資金が必要な時期に間に合うよう、余裕をもって相談・申込みを進めるのが安全です。

Q. 創業融資の面談では何を聞かれますか?

A. 面談では、事業内容や資金の使いみち、売上の見込みとその根拠、自己資金などが中心に確認されます。公庫は創業計画書の内容を確認するとしており、計画書に書いた数字の根拠を自分の言葉で説明できるように準備しておくことが基本です。あわせて、店舗や事業所の予定地を訪問する実地調査も行われます。

Q. 特定創業支援等事業の証明書は必ず必要ですか?

A. 認定特定創業支援等事業の証明書は必須ではありませんが、取得すると特別利率による金利優遇の対象になります。さらに、会社設立時の登録免許税の軽減など別の優遇にもつながるため、これから創業する方は取得を検討する価値があります。証明書は、自治体が関わる創業塾・創業セミナーなどを受けた方に、認定市区町村が発行します。

Q. 過去に債務整理をした経験があっても申し込めますか?

A. 債務整理の経験があっても、申込み自体は可能です。公庫は個別の審査基準を公表していないため、過去の債務整理が可否にどう影響するかを一概に断定することはできません。ただし一般には、返済や信用の状況が融資判断で見られると指摘されることが多く、不安がある場合は、事業計画の実現性を丁寧に示すとともに、公庫以外の資金調達もあわせて検討しておくと安心です。

Q. 公庫の創業融資の審査に落ちたらどうすればよいですか?

A. 審査に通らなかった場合は、理由を踏まえて事業計画や自己資金を見直して期間を置いて再申請するか、公庫以外の資金調達に切り替える・併用する方法があります。すぐに運転資金が必要な場合は、審査が比較的柔軟で入金までが早い民間のビジネスローンが選択肢になります。個人事業主でも申し込めるサービスや、決算書・確定申告書が1期分でも相談できるサービスもあります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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