不動産という担保があるのに不動産担保ローンの審査に通らなかった、あるいは通らないのではないかと不安を感じている方は少なくありません。事業資金やつなぎ資金を急いで用意したい場面ほど、否決の理由が分からないまま次の一手を決められず、時間だけが過ぎてしまいます。
不動産担保ローンが通らない背景には、返済能力・信用情報・担保評価・他社借入・書類など、いくつかの決まった要因があります。まず自分がどれに当てはまるのかを見極めれば、直せる理由なのか、時間が必要な理由なのか、それとも申し込む先を変えるべきなのかが判断できます。
本記事では、不動産担保ローンが通らない主な理由と、理由ごとの対処法を整理します。銀行とノンバンクで審査の見る所がどう違うか、信用情報のキズや二番抵当・税金滞納・赤字決算といった弱点別に通るのか、落ちた直後にやるべきことも解説します。
担保価値を重視して融資する先や、不動産担保ローン以外の資金調達手段も紹介します。次の相談先を選ぶ材料としてご活用ください。
目次
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不動産担保ローンが通らない主な理由【まず自分がどれか確認】
ここからは、不動産担保ローンが通らないときに考えられる主な理由を確認します。担保があっても否決されるのは珍しくなく、原因は次のいずれかに当てはまることがほとんどです。自分のケースを探しながら読み進めてください。
- 返済能力が足りないと判断された:収入に対して借入希望額が大きく、毎月の返済負担が重いと見なされたケースです。年間の返済額が年収に占める割合(返済比率)が高いほど、審査は厳しくなります。
- 信用情報にキズがある:過去の延滞、債務整理、保証会社による代位弁済などの事故情報が信用情報機関に登録されていると、返済の確実性を疑われます。
- 他社からの借入が多い:カードローンやキャッシングの残高が多いと、返済能力に余裕がないと見なされます。
- 担保となる不動産の評価が低い:築年数の古い物件、再建築不可物件、市街化調整区域、借地権、地方の物件などは、金融機関にとって換金しづらく、評価額が融資希望額に届かないことがあります。
- 二番抵当で担保余力が足りない:住宅ローンなどの残債が多く、不動産の価値から残債を引いた余力が小さいと、追加で融資できる枠が残りません。
- 税金の滞納・差押えがある:固定資産税や住民税などの滞納、差押えの登記があると、担保としての安全性が下がります。
- 申込書類に不備がある・申告内容と食い違う:提出書類の記載ミスや、申告した年収・借入状況と実際の内容が一致しないと、審査がそこで止まります。
- 仮審査の後に状況が変わった:仮審査の通過後に転職・収入減・新規借入があると、本審査で改めて否決されることがあります。
担保があっても返済能力が最優先される理由(与信の考え方)
「担保があるのに、なぜ返済能力まで細かく見られるのか」と感じる方は少なくありません。金融機関にとって担保は、返済が滞ったときに元本を回収するための保全手段であり、本来の収益は契約者が利息を付けて返済し続けることで得られます。担保処分による回収はあくまで最後の手段のため、審査ではまず「無理なく返し続けられるか」という返済能力を確認します。
返済能力の目安としてよく使われるのが返済比率(返済負担率)です。年間の返済額が年収に占める割合を指します。一般には年収の30〜35%程度が一つの目安とされますが、その水準や、分母を額面年収とするか手取り年収とするかは金融機関ごとに異なります。統一された基準があるわけではありません。
担保評価も同様です。実勢価格そのものではなく、路線価や積算価格などをもとにした金融機関独自の評価額に、一定の掛け目をかけて判断されます。掛け目は一般に評価額の6〜8割程度が目安とされますが、評価方法も各社で異なります。担保があっても、返済能力と担保評価の両面で基準を満たさなければ、希望額の融資には至りません。
自分に当てはまりそうな理由が見つかったら、次の章の対処法と照らし合わせてください。複数に当てはまる場合は、書類の不備や融資希望額のように申込内容の見直しですぐ直せるものから先に手を付けます。信用情報の事故や税金の滞納は解消に時間がかかるため、待つ間に担保価値を重視する先を探す、と並行して動くと無駄がありません。
理由別の対処法【直せるもの・時間が要るものの対応表】
ここからは、通らない理由ごとの対処法を整理します。対処法には、申込内容を見直せばすぐ改善できるものと、一定の時間が必要なものがあります。自分の理由がどちらなのかを見極めると、次の動き方が決めやすくなります。
| 通らない理由 | 返済能力が足りない(返済比率が高い) | 他社からの借入が多い | 申込書類の不備・申告内容の食い違い | 担保不動産の評価が低い | 二番抵当で担保余力が足りない | 税金の滞納・差押えがある | 仮審査後に状況が変わった(転職・収入減・新規借入) | 信用情報にキズ(延滞・債務整理などの事故情報) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な対処法 | 融資希望額を下げる。他社借入を整理して毎月の返済額を減らす | 借入を整理・完済してから再申込する。おまとめで件数を減らす | 書類の整合性を確認し、正確な内容で再提出する | 評価の出やすい別の不動産を担保にする・追加する。担保価値を重視する先に相談する | 担保余力のある別物件を担保にする。希望額を余力の範囲に抑える | 滞納を解消する。解消の見通しを資料で示す | 状況が落ち着いてから申し込む。変化は隠さず正直に申告する | 事故情報が消える時期を待つ。担保余力の大きい物件で担保重視の先に相談する |
| 対応の目安 | 比較的すぐ直せる | 数か月で直せることが多い | すぐ直せる | 担保にできる物件があるかで変わる | 残債と物件の価値しだい | 解消まで時間が要る | タイミングしだい | 時間が要る(登録期間の経過を待つ) |
返済比率が原因なら、融資希望額を下げるだけでも返済負担が軽くなり、審査結果が変わることがあります。他社借入が多い場合は、整理・完済して件数と残高を減らすと返済能力の評価が上がります。一方で、信用情報の事故や税金滞納は、その場ですぐ消せるものではなく、解消や登録期間の経過を待つ必要があります。
直せる理由なら手を打ってから再申込し、時間が要る理由なら、担保価値を重視して審査する先を検討するのが現実的です。

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銀行とノンバンクは審査で見る所が違う(人か担保価値か)
不動産担保ローンは、銀行が扱うものとノンバンク(貸金業者)が扱うものがあり、審査で重視する点が異なります。銀行で断られても、審査の観点が違う先なら通る可能性があるため、両者の違いを押さえておくと申込先を選びやすくなります。
| 金融機関のタイプ | 銀行 | ノンバンク(貸金業者) |
|---|---|---|
| 審査で重視する点 | 申込者の属性(年収・勤続・信用情報など、返済する「人」の信用力)を重視する傾向 | 担保となる不動産の価値を重視する傾向。属性に不安があっても担保余力があれば検討されやすい |
| 金利の傾向 | 低め | 銀行より高めになりやすい |
| 融資までの目安 | 数週間かかることもある | 最短数日での融資に対応する会社もある |
| 向いている人 | 属性が安定していて、金利を抑えたい人 | 銀行で断られた人、築古・変則的な物件を担保にしたい人、資金を急ぐ人 |
この違いから、「銀行で属性を理由に断られたが、不動産の担保余力は十分にある」という場合は、担保価値を重視するノンバンクに相談すると道が開けることがあります。ただしノンバンクは金利が高めになりやすいため、金利差も含めて比較することが大切です。
個人が生活資金などで借りる場合、貸金業者からの借入には総量規制(年収の3分の1を超える貸付けを原則禁止する仕組み)がかかります。これは貸金業法で定められた個人向けの規制で、法人向けの貸付けは対象外です。また、不動産担保ローンでも、事業を営む個人事業主の事業性資金や、居宅(自宅)以外の不動産を担保にする一定の融資は、総量規制の除外・例外として枠外で扱われる場合があります。
一方で、自宅を担保に入れる個人の生活資金向けローンは除外に当たらず、総量規制の対象になり得ます。事業資金として不動産担保ローンを利用する事業者は、年収の3分の1という枠に縛られにくい点を押さえておくとよいでしょう。
弱点別に「それでも通るか」を正面から回答(ブラック・二番抵当・税金滞納・赤字)
ここからは、自分の弱点そのもので通るのかどうかを、ケースごとに確認します。信用情報のキズ、二番抵当、税金滞納、赤字決算は、多くの人が「これがあると無理なのでは」と不安に感じる点です。結論と条件を正面から整理します。
信用情報にキズ(ブラック)があっても通るのか
信用情報に事故情報が残っている状態、いわゆる「ブラック」でも、担保価値を重視するノンバンクであれば融資を受けられる可能性はあります。ただし可能性があるというだけで、確実に通るわけではなく、金利は高めに設定されやすい点は理解しておく必要があります。事故から一定期間が経過し、現在は安定した収入があり、担保余力が十分にある場合に検討される、という条件付きです。
事故情報がいつまで残るかは、信用情報機関ごとに定められています。CIC(シー・アイ・シー)では、延滞や破産などの情報を含むクレジット情報を契約終了後5年以内、日本信用情報機構(JICC)でも延滞や債務整理の情報を契約終了後5年以内としています。銀行系の全国銀行個人信用情報センター(KSC)は取引情報を完済日から5年、官報に公告された破産・民事再生の情報は最長7年としています。
まず自分の信用情報を各機関に開示請求して現状を確認すると、待つべき期間の見通しが立ちます。CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センターはいずれも、インターネットや郵送で本人開示に対応しており、所定の手数料で自分の登録状況を確認できます。
取引情報 契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間
出典:センターの概要(情報の登録期間)|全国銀行個人信用情報センター|一般社団法人 全国銀行協会
官報情報〔官報に公告された破産・民事再生手続開始決定〕 当該決定日から7年を超えない期間
二番抵当・住宅ローン残債があっても借りられるか(担保余力の計算)
住宅ローンを返済中の自宅を担保にする場合でも、借りられる可能性はあります。判断の分かれ目になるのが担保余力です。担保余力は、おおまかに「不動産の担保評価額 − 住宅ローンなど既存の残債」で考えます。この差額がプラスで、しかも一定の余力があれば、二番抵当(住宅ローンの抵当権に次ぐ二番目の抵当権)を設定して追加融資を受けられる場合があります。

逆に、住宅の価値よりローン残高のほうが大きいオーバーローンの状態では、担保余力がないため追加融資は難しくなります。銀行は二番抵当に慎重なことが多い一方、担保価値を重視するノンバンクの中には、二番抵当や住宅ローン返済中の物件でも対応するとうたう会社があります。
担保評価額は、土地であれば国税庁が公表する路線価などから大まかな見当をつけられますが、金融機関ごとの評価方法によって差が出ます。まずは残債を把握したうえで、正確な担保余力は各社の無料査定や事前相談で確認するのが確実です。
税金滞納・差押えがあると通らないのか
税金の滞納や差押えは、審査で不利に働きます。ただし「税金を滞納していると必ず借りられない」わけではありません。分かれ目は、担保(抵当権)と税金のどちらが先に回収されるかという優先順位です。国税徴収法では、国税は原則として他の債権に優先して徴収されます。ただし抵当権との優劣は、抵当権を設定した時期と、税金の法定納期限等(税金を納める期限として法律で定められた日)のどちらが先かで決まります。
納税者が国税の法定納期限等以前にその財産上に抵当権を設定しているときは、その国税は、その換価代金につき、その抵当権により担保される債権に次いで徴収する。
出典:国税徴収法 第十六条(法定納期限等以前に設定された抵当権の優先)|e-Gov法令検索
具体的には、抵当権の設定が税金の法定納期限等より前なら抵当権(貸し手)が優先、後なら税金が優先されます。新規の不動産担保ローンでこれから設定する抵当権は、すでに滞納している税金の法定納期限等より後になるのが通常です。そのため滞納分が新しい抵当権より先に回収され、貸し手は担保を実行しても回収し切れないおそれがあります。これが、税金の滞納があると新規融資で敬遠される理由です。
固定資産税や住民税といった地方税にも、地方税法に同じ趣旨の規定(第十四条の九・第十四条の十)があり、抵当権との優劣は国税と同様に判定されます。
滞納を解消するか、少なくとも解消の見通しを納税証明などの資料で示せる状態にしてから申し込むのが現実的です。
赤字決算・リスケ中の事業者はどう返済原資を示すか
法人や個人事業主が事業資金として不動産担保ローンを申し込む場合、直近の決算が赤字だったり、返済のリスケジュール(条件変更)中だったりすると、返済能力に不安があると見られます。ただし、赤字や過去の財務内容だけで一律に否決されるわけではなく、これからの返済原資をどう示せるかが判断を左右します。
事業を営む個人事業主への貸付けを総量規制の枠外とする貸金業法施行規則の規定でも、事業計画・収支計画・資金計画に照らして返済能力を超えないことが要件とされています。裏を返せば、赤字であっても、受注残や成約済みの案件、今後の売上見込みなどをもとに、返済の原資が具体的に説明できれば審査で評価される余地があります。
決算書だけでなく、事業計画書や資金繰り表、受注状況が分かる資料をそろえて、返済の裏づけを自分から示すことが通過につながります。
審査に落ちた直後にやること【すぐ別社に出していいか】
審査に落ちた直後は、焦ってすぐ別の会社へ申し込みたくなります。ただ、やみくもに数を打つ前に、順序を踏んだほうが結果につながりやすくなります。
まず、なぜ落ちたのかを推測して整理することが出発点になります。金融機関は否決の理由を細かく教えてくれないことが多いため、本記事の理由一覧と照らして、返済能力・信用情報・担保評価・書類のどこが弱かったのか見当をつけましょう。直せる理由なら手を打ってから、担保価値の問題なら審査の観点が違う先を選んでから、次の申込に進むのが順序です。
短期間に何社も申し込むのは避けたほうが無難です。ローンに申し込むと、その申込情報が信用情報機関に一定期間登録されます。CIC・JICC・KSCのいずれでも、申込(照会)に関する情報はおよそ6か月残るため、短期間に複数社へ申し込むと、その履歴が他社の審査で見え、「資金繰りに困っているのではないか」と受け取られることがあります。
理由を整理し、通る見込みのある先を絞ってから申し込むことが、結果的に近道になります。
出典・参考資料(3件)
「絶対借りられる」「審査激甘」の広告に注意(悪質業者の見分け方)
審査に落ちて急いで資金を確保したいときほど、「誰でも絶対借りられる」「審査が激甘」といった広告が目に入ります。しかし、正規の貸金業者は、こうした断定的・誇大な表現を使えません。貸金業法は、貸付けの条件について実際よりも著しく有利だと誤認させる表示や、返済能力がない人を対象に勧誘する表示、借入れが容易であることを過度に強調する表示を禁じています。
貸金業者は、その貸金業の業務に関して広告又は勧誘をするときは、貸付けの利率その他の貸付けの条件について、著しく事実に相違する表示若しくは説明をし、又は実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような表示若しくは説明をしてはならない。
出典:貸金業法 第十六条(誇大広告の禁止等)|e-Gov法令検索
つまり、「絶対」「激甘」とうたう広告を出している時点で、正規業者ではない、いわゆるヤミ金の疑いがあります。相談先を選ぶときは、その会社が貸金業の登録を受けているかを確認してください。金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で登録の有無を調べられます。登録がない業者や、法外な金利・保証金を求める業者は避け、正規に登録された会社を選ぶことが、被害を防ぐ第一歩です。
出典・参考資料(1件)
担保価値で貸す先・不動産担保ローン以外の資金調達と相談先
ここからは、否決の理由を整理したうえで、次に相談できる具体的な選択肢を紹介します。まず検討したいのは、担保となる不動産の価値を重視して審査するノンバンクの不動産担保ローンです。それでも担保の条件が合わない場合や、不動産以外の資産・売掛債権を活かしたい場合は、代替の資金調達手段も選べます。読者の意思決定の順序に沿って、まず担保重視の再申込先を、続いて不動産担保ローン以外の手段を見ていきます。
銀行で断られても担保価値で貸すノンバンク不動産担保ローン
以下は、担保となる不動産の価値を重視して審査する、ノンバンク系の不動産担保ローンの比較表です。銀行で属性を理由に断られた場合でも、担保余力や物件の条件によっては検討の余地があります。融資額・金利・対象・対応できる物件の幅・スピードを見比べ、自分の状況に合う先を探してください。
表を見比べるときは2点に注目してください。信用情報に不安がある場合は、審査で重視する点の欄を確認します。担保価値を重視する会社ほど、属性より不動産の価値を見て判断します。金利は会社ごとに契約利率や実質年率の上限など表記が異なるため、実際に適用される金利は審査で決まる点を踏まえ、下限から上限までの幅で捉えてください。
| サービス名 | アサックス(ASAX) | AGビジネスサポート | 日宝 不動産活用ローン | マテリアライズ | つばさコーポレーション | 丸の内AMS |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 融資対象 | 個人・個人事業主・法人・不動産業者 | 個人事業主・法人 | 個人・個人事業主・法人 | 個人・個人事業主・法人 (公式に区分明示なし) | 個人事業主・法人 | 個人・法人 |
| 審査で重視する点 | 担保価値を重視(専業・東証上場) 第2順位以下も実績多数 | 担保物件を重視(抵当順位不問) 事業資金向け・調査料/保証料無料 | 担保価値を重視 他社借入・債務整理中でも相談可 | 「信用情報より担保物件を重視」と明示 | 担保価値を重視 二番抵当以下も可 | 担保価値を重視 共有持分・二番抵当以下に対応 |
| 対応できる弱点物件・状況 | 築古・建ぺい率/容積率オーバー・共有持分 第2順位以下・住宅ローン残債あり | 抵当順位を問わない(第2順位以下も申込可) 全国の物件が対象 | 借地・底地・共有持分・再建築不可・市街化調整区域 第2順位以下・住宅ローン残債あり | 市街化調整区域・他人名義・再建築不可・共有持分・借地/底地 第2・第3順位・住宅ローン残債あり | 借地・底地・共有持分・調整区域・再建築不可 二番・三番抵当以下・住宅ローン残債あり | 共有名義・共有持分(本人持分のみ可・共有者の同意不要) 第2・第3順位・住宅ローン残債あり |
| 融資額の目安 | 300万円〜10億円 | 100万円〜5億円 | 50万円〜5億円 | 100万円〜1億円 | 50万円〜5億円 | 500万円〜5億円 |
| 実質年率の目安 | 年2.20%〜8.76%(契約利率) 実質年率15.00%以下 | 年2.99%〜11.80%(固定金利型・2025年5月以降の新規契約) | 年4.0%〜9.9% | 実質年率15.0%以下 | 年4.00%〜15.00% 実質年率15.00%以下 | 年3.8%〜 実質年率15.0%以下 |
| 融資までの目安スピード | 簡易審査1日・最短3日で融資 | 簡易診断最短1日・最短3日で融資 | 最短即日〜1週間目安 | 最短即日審査・最短翌営業日融資 | 最短即日〜1週間程度 | 最短2日(対応エリアは一都三県中心) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※2026年8月時点の各社公式情報に基づきます。融資額・金利・対応物件・審査基準・対応エリアは変更される場合があるため、申込時点で各社公式サイトをご確認ください。「実質年率15.0%以下」等は貸金業法上の上限表示で、実際に適用される金利の範囲とは異なります。
対応エリアはアサックス=首都圏中心・丸の内AMS=一都三県中心(一部対応外あり)・その他は全国など各社で異なります。
各社の特徴を個別に見ていきます。金利・融資額・対応物件は申込時点の条件を必ず公式サイトで確認してください。
1. アサックス(ASAX)不動産担保ローン(株式会社アサックス)

1969年創業の、不動産担保ローンを専業とするノンバンクです。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、法人・個人事業者向けから個人向けまで幅広く扱います。首都圏を中心に、恵比寿・日本橋・新宿・池袋・横浜に店舗を構えています。
担保順位に制限がなく、第2順位以下の抵当権が付いた物件でも融資実績があります。築古物件や建ぺい率・容積率オーバーの物件、共有持分の物件など、対応できる担保の幅が広いのも特徴です。融資限度額は300万円から10億円と上限が高く、簡易審査は1日、最短3日での融資実行に対応します。契約利率は年2.20%から8.76%(実質年率は年15.00%以下と別途明記)で、資金使途は原則自由です。
2. 不動産担保ビジネスローン(AGビジネスサポート株式会社)

アイフルグループのAGビジネスサポート株式会社が、法人・個人事業主向けに提供する事業資金向けの不動産担保ローンです。土地・建物を担保に、全国の物件を対象として融資します。
抵当順位を問わず、既存の抵当権が付いた不動産でも申込対象になり得ます。調査料・保証料は無料で、事務手数料は0.00%から3.00%です。融資限度額は100万円から5億円、返済期間は最長30年と長期の設定に対応します。
簡易診断は最短1日、融資実行までは最短3日というスピードを掲げており、WEBからの申込にも対応しています。金利は固定金利型で年2.99%からとなっています。
3. 日宝 不動産活用ローン(株式会社日宝)

不動産担保融資を専業とするノンバンクで、法人・個人事業主・個人を対象に全国対応します。資金使途が自由な「不動産活用ローン」は、金融機関の審査基準では対応しづらい案件を主な対象として掲げています。
抵当順位を問わず、住宅ローンや他の不動産担保ローンを返済中でも申込可能と公式に明記しています。借地・底地・共有持分・再建築不可・市街化調整区域といった、担保評価が難しい物件にも対応します。融資金額は50万円から5億円、融資期間は1か月から30年、実質年率は4.0%から9.9%です。他社借入が多い場合や債務整理中でも、不動産の所有または保証人があれば相談可能としています。
4. マテリアライズ 不動産担保ローン(株式会社マテリアライズ)

「信用情報より担保物件を重視する」という審査方針を掲げる貸金業者です。他社で取り扱いが難しいとされる不動産にも対応する姿勢を打ち出しています。
市街化調整区域の物件、他人名義の物件、再建築不可物件のほか、第2順位・第3順位の抵当や住宅ローン残債のある物件にも対応可能としています。実質年率は年15.0%以下、返済期間は1か月から20年で、最短即日審査・最短翌営業日融資を掲げています。資金使途は自由で、複数社からのおまとめや事業資金、税金の支払いなどに利用できます。
マテリアライズは、融資限度額を申込用ページで最大3億円とするなど、公式ページによって融資額・金利の表記が異なります。上表は公式サイト掲載の基本条件をもとにしており、適用される条件は申込前に最新の公式情報でご確認ください。
5. つばさコーポレーション 不動産ビジネスローン(つばさコーポレーション株式会社)

個人・個人事業主・法人向けに不動産担保融資を手がける会社です。「不動産ビジネスローン」は、個人事業主・法人を対象にした資金使途自由のローンとして位置づけられています。
よくある質問のなかで、住宅ローンの抵当権が設定された物件でも二番抵当・三番抵当以下で融資可能としており、日本全国の不動産を対象としています。融資限度額は50万円から5億円、融資期間は最長30年、適用年率は4.00%から15.00%(実質年率15.00%以下)です。返済方式は元金一括返済・元利均等返済・元金自由返済から選べ、連帯保証人は原則不要としています。
より低金利の「不動産スーパーサポートローン」(年率3.8%から7.8%、審査基準あり)も別商品として選べます。
6. 丸の内AMS 不動産担保ローン(丸の内AMS株式会社)

個人・法人向けの不動産担保ローンに加え、共有名義・共有持分の不動産を担保にした融資を扱うノンバンクです。共有持分ローンでは、申込者本人の持分だけで融資でき、他の共有者への同意取得や通知が不要な点を打ち出しています。
第2順位・第3順位の抵当や、住宅ローン残債のある物件にも対応します。金利は年率3.8%から(実質年率15.0%以下)、融資限度額は500万円から5億円、返済期間は1か月から35年、最短2日での融資に対応するとしています。対応エリアは東京・神奈川・埼玉・千葉の一都三県が中心で、同じ都県内でも対応外の市区町村があるため、自分の物件が対象になるかを事前に確認するとよいでしょう。
それでも難しい場合の代替の資金調達(不動産担保ローン以外)
担保にできる不動産の条件が合わない、あるいは自宅を担保に入れたくないという場合は、不動産以外の資産や売掛債権を活かす方法があります。ここでは、保有する暗号資産を担保にする方法と、売掛金を早期に資金化するファクタリングを紹介します。あわせて、事業者であれば公的融資や担保に頼らないビジネスローンも選択肢になります。
7. デジタルアセット担保ローン(Fintertech株式会社)

保有するビットコインやイーサリアムを担保に差し入れ、暗号資産を売却せずに日本円または米ドルで資金を借りられるローンです。売却益への課税を避けながら流動性を確保できる点が特徴で、大和証券グループと株式会社クレディセゾンの合弁会社であるFintertech株式会社が提供しています。
法人・個人事業者・個人が対象で、納税資金・事業資金・不動産購入資金などに利用できます。実質年率は4.0%から8.0%(融資金額が大きいほど低金利)、担保掛目は50%、融資限度額は事業者向けで500万円から5億円です。返済は期日に元本と利息をまとめて払う元利一括返済で、契約期間中は毎月の返済が発生しません。基本契約から最短3営業日で借入金を受け取れます。
不動産の担保評価がネックで通らなかった場合の、別の資産を活かす選択肢になります。
8. AGビジネスサポート ファクタリング(AGビジネスサポート株式会社)

アイフルグループのAGビジネスサポート株式会社が提供する、事業者向けの売掛債権ファクタリングです。融資ではなく、保有する売掛金を買い取ってもらう形で資金化するため、担保となる不動産がなくても、取引先への請求書があれば利用できます。
買取対象の債権額は1万円からと小口に対応し、入金は最短即日です。買取手数料は買取金額に対して2%から9.9%で、取引形態や金額によって条件が変わります。売掛先が支払不能になった場合の負担を求めない完全買取型(ノンリコース)で、債権譲渡登記は原則不要です。
オンライン申込に対応し、来店は不要です。不動産担保ローンの審査が難しく、かつ売掛金がある事業者にとって、つなぎ資金の調達手段になります。
ここで挙げたのは一例で、ファクタリング会社によって手数料や入金スピード、買取可能額には幅があります。売掛金の早期資金化を本格的に検討するなら、複数社を横並びで比べておくと、自社の売掛先や資金ニーズに合う相手を選びやすくなります。
事業資金であれば、民間の金融機関以外に公的な融資も検討できます。日本政策金融公庫の融資や、信用保証協会の保証を付けて金融機関から借りる制度融資は、創業間もない事業者や民間の審査が通りにくい局面でも相談しやすい制度です。金利や条件が民間と異なるため、あわせて比較しておくと選択肢が広がります。
事業用ではなく生活資金として不動産担保ローンを申し込んで断られた個人の場合は、担保となる自宅の評価と収入の状況を踏まえ、担保価値を重視するノンバンクに改めて相談するのが基本の選択肢になります。返済に行き詰まっている場合は、自治体や国民生活センターの相談窓口で、家計や債務の整理について相談することもできます。
不動産の担保にこだわらず、資金調達の手段そのものを広く見比べたい事業者の方は、法人・個人事業主が使えるビジネスローンを金利・即日融資への対応・審査の柔軟性で比較した記事もあわせてご覧ください。
まとめ
不動産担保ローンが通らないときは、まず否決の理由を特定することが出発点になります。返済能力・信用情報・担保評価・他社借入・書類・税金滞納など、原因は決まったパターンに当てはまることが多く、返済比率や書類の不備のように直せる理由なら手を打ってから再申込することで結果が変わります。
信用情報の事故や税金滞納のように時間が必要な理由でも、担保となる不動産の価値を重視して審査するノンバンクなら、担保余力や物件の条件しだいで道が開けることがあります。銀行で断られても、審査の観点が違う先を選ぶ、あるいは暗号資産担保やファクタリングといった別の手段に切り替えるという選択肢があります。
落ちた直後に焦って何社も申し込む前に、理由を整理し、通る見込みのある先を絞って動くことが、遠回りに見えて確実な進め方です。まずは否決の要因を整理したうえで、自分の状況に合う次の相談先を選んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 不動産担保ローンとは何ですか?
A. 不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保に入れて資金を借りる融資です。担保があるぶん無担保のローンより大きな金額を借りやすく、返済期間も長く設定しやすい一方、返済が滞ると担保不動産を処分して回収される仕組みです。銀行が扱うものとノンバンク(貸金業者)が扱うものがあり、審査で重視する点(申込者の属性か、担保となる不動産の価値か)が異なります。
Q. 不動産担保ローンの本審査に落ちる確率はどのくらいですか?
A. 不動産担保ローンの本審査に落ちる確率は、各金融機関が審査結果を公表していないため、数値で示すことはできません。確率を気にするよりも、返済能力・信用情報・担保評価・他社借入・書類のどこが弱かったのかという否決の要因を特定し、直せる点を改善してから申し込むほうが現実的です。なお、仮審査を通過していれば、申告内容と事実に相違がない限り本審査も通りやすくなります。
Q. 総量規制は不動産担保ローンにも関係がありますか?
A. 総量規制が不動産担保ローンに関係するかは、借りる人の属性と、担保・資金使途によって変わります。総量規制(年収の3分の1を超える貸付けを原則禁止する仕組み)は貸金業法上「個人顧客」への貸付けが対象で、法人向けの貸付けはそもそも対象外です。個人でも、事業を営む個人事業主の事業性資金(施行規則の例外)や、自宅(居宅)以外の不動産を担保とする一定の融資(同・除外)は枠外で扱われます。
一方、自宅を担保に入れる個人の生活資金向けローンは除外に当たらず、総量規制の対象になり得ます。
Q. 二番抵当の担保余力はどのように計算しますか?
A. 二番抵当の担保余力は、「不動産の担保評価額 − 住宅ローンなど既存の残債」でおおまかに計算します。この差額がプラスで一定の余力があれば、住宅ローンの抵当権に次ぐ二番抵当を設定して追加融資を受けられる場合があります。逆に、住宅の価値よりローン残高が大きいオーバーローンの状態では担保余力がなく、追加融資は難しくなります。まずは自宅の評価額の見当と残債を把握することが出発点です。
Q. 税金の滞納があると不動産担保ローンは必ず借りられないのですか?
A. 税金の滞納があっても、必ず借りられないわけではありませんが、新規の不動産担保ローンでは不利に働きます。国税徴収法では、担保(抵当権)と税金のどちらが優先されるかは、抵当権を設定した時期と税金の法定納期限等のどちらが先かで決まります(固定資産税・住民税などの地方税も、地方税法に同趣旨の規定があり同様です)。
新規融資でこれから設定する抵当権は、既存の滞納の法定納期限等より後になるのが通常のため、滞納分が先に回収され、貸し手が回収を確保しにくくなります。
滞納を解消するか、納税証明などで解消の見通しを示せる状態にしてから申し込むのが現実的です。
Q. 審査に落ちた後、短期間に複数社へ申し込んでもよいですか?
A. 審査に落ちた後に短期間で複数社へ申し込むのは、避けたほうが無難です。ローンに申し込むと、その申込情報がCIC・JICC・KSCのいずれの信用情報機関にもおよそ6か月登録されます。短期間に何社も申し込むと、その履歴が他社の審査で見え、「資金繰りに困っているのではないか」と受け取られることがあります(いわゆる申込ブラック)。
否決の理由を整理し、通る見込みのある先を絞ってから申し込むほうが、結果的に近道になります。
出典・参考資料(3件)
Q. 本人に収入がない専業主婦や無職でも不動産担保ローンを申し込めますか?
A. 本人に収入がない場合、単独での申し込みは原則として難しくなります。不動産担保ローンでも、担保だけでなく「無理なく返し続けられるか」という返済能力が重視されるためです。ただし、収入のある配偶者や親族を連帯保証人にする、あるいは家賃収入などの安定した収入がある場合は、返済能力が認められて申し込める可能性があります。
Q. 自分名義ではない親族の不動産を担保にできますか?
A. 自分名義でない不動産でも、その所有者が担保提供と連帯保証に同意すれば、担保にできる場合があります。親族などが所有する物件を担保に入れるには、原則として所有者本人が担保提供者・連帯保証人として手続きに加わる必要があります。共有名義の物件では、他の共有者の同意が求められることもあるため、申し込む前に所有者と話を通しておくことが大切です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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