独立したばかりの個人事業主や、設立して間もない会社の経営者にとって、事業用の経費をまとめる法人カードは早く手に入れたい決済手段です。しかし実績や信用に自信がないと、「普通に申し込んでも審査に落ちそう」という不安がつきまといます。
結論から言えば、後払いの法人クレジットカードで「完全に審査なし」のものはありません。ただし、これは法律で審査が義務づけられているからではなく、後払い(立替)にともなう貸し倒れを避けるため、各カード会社が独自に与信審査を行っているためです。その一方で、与信審査を受けずに持てる事業用カードは、大きく4種類(デビット・プリペイド・デポジット=保証金型・協同組合発行)が実在します。
本記事では、与信審査なしで持てる法人カードの具体名を種類別に一覧化し、それぞれ「なぜ審査がいらないのか」という仕組みと、年会費・発行の目安・対象・初期費用(保証金や出資金)まで整理します。あわせて、審査はあるものの決算書が不要で通りやすいクレジットカードや、審査に落ちにくくするための準備も解説します。
目次
法人カードに「審査なし」はある?結論と、後払いに審査がある理由
まず、多くの人が探している「与信審査なしの法人クレジットカード」は、後払い方式のカードに限れば実在しません。クレジットカードは利用代金をカード会社がいったん立て替え、あとで利用者から回収する仕組みのため、貸し倒れを避ける目的で必ず与信審査(支払い能力の確認)が行われます。
ここで誤解されがちなのが、その根拠を「割賦販売法で審査が義務づけられているから」と説明するケースです。割賦販売法は、後払いのクレジット(包括信用購入あっせん)について、カード会社に「支払可能見込額」の調査を義務づけています。ただし、その対象は条文上「個人である利用者」に限られています。
包括信用購入あつせん業者は、包括信用購入あつせんをするためカード等を利用者(個人である利用者に限る。…)に交付し若しくは付与しようとする場合…には、その交付若しくは付与…に先立つて、…年収、預貯金、…借入れの状況その他の当該利用者の包括支払可能見込額を算定するために必要な事項…を調査しなければならない。
出典:割賦販売法 第30条の2第1項|e-Gov法令検索
対象は個人に限られるだけではありません。割賦販売法は、事業用の利用にあたる法人カード(営業のために、または営業として行う取引)を、支払可能見込額の調査を含む規定の適用除外としています(第35条の3の60第1項第1号)。二重の意味で、法人カードはこの過剰与信を防ぐための規制の対象外です。
したがって正確には、法人カードに審査があるのは法律の義務だからではなく、立替払い(後払い)にともなう貸し倒れリスクを管理するために、各カード会社が独自の与信判断として審査を行っているからです。「割賦販売法で審査が義務づけられている」と説明されることもありますが、その規制は個人向けで、事業用の法人カードは対象外である点は押さえておきたいところです。
一方で、あとで解説するデビットカードやプリペイドカードは、カード会社が代金を立て替える「後払い」の構造そのものを持ちません。立替が発生しないため与信審査が不要で、これが「審査なしで持てる」手段が成り立つ理由です。
出典・参考資料(3件)
- 出典:割賦販売法 第30条の2・第35条の3の60・第2条第3項|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000159)
- 参考資料:割賦販売法(後払分野)の概要・FAQ 問22|経済産業省(https://www.meti.go.jp/policy/economy/consumer/credit/kappuhanbaihoatobaraibunyanogaiyofaq.html)
- 参考資料:クレジット会社の審査|一般社団法人日本クレジット協会(https://www.j-credit.or.jp/customer/basis/examination.html)
与信審査なしで持てる法人カード4種類【横断比較表】
ここからは、与信審査を受けずに持てる法人カードを種類別に見ていきます。大きく分けると、法人デビットカード・法人プリペイドカード・デポジット(保証金)型ビジネスカード・協同組合発行のカードの4種類があります。それぞれの代表的なカードを、与信審査の有無・年会費・発行の目安・対象・初期費用(保証金や出資金)・会計連携で横断的に比較します。
| サービス名 | GMOあおぞらネット銀行 ビジネスデビットカード | Wise Business | マネーフォワード ビジネスカード | Bizプリカ | UPSIDERカード(保証金プラン) | バクラクビジネスカード | 法人ETCカード(ETC協同組合) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種類 | 法人デビット (銀行口座直結) | 法人デビット (多通貨・海外送金系) | 法人プリペイド +あと払い方式 | 法人プリペイド | デポジット(保証金)型 | デポジット(保証金)型 | 協同組合発行 (ETC専用) |
| 与信審査 | なし (口座開設の本人確認は別途) | なし (口座開設の本人確認は別途) | なし(プリペイド方式) あと払い方式は独自審査 | なし (本人確認・反社確認は実施) | なし(保証金プラン) | なし(保証金プラン) | なし (出資金+事業確認で発行) |
| 年会費 | 無料 | 無料 (従業員追加カードは1枚640円) | 無料 (前年に利用がない場合、2年目以降1,000円+税) | 月額150円(税別)/枚 (入会月含め6か月無料) | 無料 | 無料 | 880円(税込)/枚(年1回) +走行料金の8%の事務手数料 |
| 発行の目安 | 口座開設審査 最短当日〜1週間程度 (本人確認方法による) | 口座開設の本人確認 通常10営業日以内 | Web完結・最短5分で申込 (プリペイドは審査なしで利用開始) | 審査完了後およそ2週間で発送 | 最短1営業日で利用開始 | 最短当日〜3営業日で審査完了 | 公式に発行日数の記載なし |
| 対象 | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 | 法人・個人事業主 | 営利法人のみ (個人事業主は対象外) | 法人 (個人事業主の可否は要確認) | 法人のみ (個人事業主は対象外) | 法人・個人事業主 |
| 初期費用 | 保証金・出資金なし | 保証金・出資金なし | 保証金・出資金なし | 保証金・出資金なし | 保証金の預け入れが必要 (保証金額=利用枠) | 保証金の預け入れが必要 (入金額=利用枠) | 出資金10,000円/社 (脱退時返金) |
| 会計連携 | ●freee・MF・弥生 等 | ●Xero・QuickBooks等(国内ソフトは要確認) | ●MFクラウド会計と自動連携 | ●(連携先は公式要確認) | ●freee会計とAPI連携 | ●freee・MF・奉行とAPI連携 | ×(ETC専用) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※2026年9月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の料金・条件は各社公式サイトでご確認ください。会計連携欄の「●」は連携ありを示します。
表のとおり、同じ「審査なし」でも、デビット・プリペイドは口座残高やチャージ額の範囲で使うのに対し、デポジット型は保証金、協同組合発行は出資金という初期の持ち出しが前提になります。こうした条件は申し込み前に把握しておきたいところです。
状況別の選び方ガイド
自分の状況に合う手段を素早く絞り込めるよう、代表的なケースごとに向いている選択肢を整理します。
- 個人事業主・フリーランスである:GMOあおぞらネット銀行のビジネスデビット、マネーフォワード ビジネスカード(プリペイド方式)、Wise、ETC協同組合の法人ETCカードが申し込みの対象です。Bizプリカやバクラクビジネスカードの保証金プランは法人のみが対象なので、対象欄をあわせて確認しましょう。
- クレジットカードの審査に落ちた/信用情報に不安がある:与信審査そのものが不要な法人デビットカードや法人プリペイドカードが確実です。口座残高やチャージ額の範囲で使うため、信用情報の内容に左右されません。
- 創業直後で実績ゼロ・決算書がまだ出せない:後払いに近い使い勝手を保ちたい法人なら、保証金を預けて与信審査を省けるデポジット(保証金)型が有力です。ただし多くは法人が対象のため、個人事業主は法人デビット・プリペイド・協同組合発行のカードから選ぶと確実です。
- 海外取引や外貨決済が多い:外貨をそのまま保有して支払える法人デビットカード(多通貨対応)が向きます。
- とにかく今すぐ使い始めたい:バーチャルカードを即時発行できるプリペイド型やデポジット型が早く、口座開設や本人確認の所要日数を見込んでおくと安心です。
種類別の仕組みと代表カード(なぜ与信審査がいらないのか)
ここからは、4種類がそれぞれ「なぜ与信審査なしで持てるのか」という仕組みを、代表的なカードとあわせて解説します。仕組みが腑に落ちると、自分の使い方に合うかを判断しやすくなります。

法人デビットカード(口座残高内の即時払い)
法人デビットカードは、利用した瞬間に法人口座から代金が引き落とされる即時払いのカードです。カード会社が代金を立て替える後払いではないため、支払い能力を調べる与信審査が不要になります。ここが、後払いの法人クレジットカードとの根本的な違いです。
たとえばGMOあおぞらネット銀行のビジネスデビットカードは、法人口座に付帯する形でクレジット審査なしに発行でき、公式サイトでも「創業間もない企業でもご利用可能」と案内されています。年会費は無料で、利用金額に対して通常1%が還元されます。ただし、カードそのものに与信審査はなくても、前提となる法人口座の開設時には本人確認(口座開設審査)が必要です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:ビジネスデビットカード|GMOあおぞらネット銀行(https://gmo-aozora.com/business/card/)
海外取引が多い事業者には、外貨を保有したまま支払えるWiseの法人デビットカードも選択肢になります。いずれのデビットカードも、口座残高の範囲で使う設計のため、使いすぎを防ぎやすいという利点もあります。
法人プリペイドカード(前払いで立替なし)
法人プリペイドカードは、あらかじめチャージ(入金)した残高の範囲内で使う前払い方式のカードです。使う分を先に入金しておくためカード会社の立替が発生せず、デビットカードと同じく与信審査が不要になります。
代表例として、マネーフォワード ビジネスカードは1枚のカードに「プリペイド方式」と「あと払い方式」を備えており、事前チャージした残高で使うプリペイド方式であれば与信審査を受けずに発行・利用できます。
ほかにも、法人向けプリペイドのBizプリカ(月額150円・税別、営利法人が対象)やpaildなど、バーチャルカードを複数枚発行して部署・従業員ごとに配れるサービスがあります。従業員の立替経費や小口現金の代わりとして使いやすい点が特徴です。
デポジット(保証金)型ビジネスカード(保証金で貸し倒れリスクを解消)
デポジット(保証金)型は、利用枠に相当する金額を保証金として先に預けることで、与信審査を省けるビジネスカードです。預けた保証金がそのまま担保となり、カード会社が負う貸し倒れリスクが実質的に消えるため、決算書の提出や信用情報の審査を経ずに発行できます。
UPSIDERカードの保証金プランは、決算書の提出や銀行口座の連携なしに、本人確認のあと保証金を振り込むことで利用を開始できます。バクラクビジネスカードの保証金プランも、預けた金額を上限に与信審査なしで発行できる仕組みです(対象は法人で、個人事業主は対象外)。後払いに近い使い勝手を保ちながら審査を回避したい創業期の法人に向いています。
預ける保証金の額は利用したい枠に応じて決まり、最低額は各社で異なります。手元資金で始められるかは、申し込み前に公式サイトで確認しておくと安心です。
協同組合発行のカード(出資金と事業確認による発行)
協同組合が発行するカードは、クレジット会社の与信審査に代えて、組合への加入・出資金の拠出と事業実態の確認によって発行されるものです。
代表例のETC協同組合の法人ETCカードは、クレジット審査なしで作れる点を掲げており、出資金1万円(1社あたり・脱退時に返金)と、履歴事項全部証明書や確定申告書の控えなど事業を確認できる書類の提出で発行されます。設立直後の法人や開業したばかりの個人事業主でも申し込めます。
ただし、このカードは高速道路のETC利用に使える専用カードで、物品購入や一般的な経費決済に使える汎用の法人カードではありません。用途がETCに限られる点は、申し込み前に押さえておく必要があります。
「審査が甘い・通りやすい」法人クレジットカードと審査に落ちにくくするコツ
後払いのクレジットカードでも、審査はあるものの「通りやすい」とされるカードは存在します。ここでは、その具体的なカードと、審査に落ちにくくするための準備を解説します。なお「甘い」「必ず通る」といった断定は避け、公式に確認できる申し込み条件に基づいて整理します。
ここで扱うのは、あくまで与信審査そのものは行われるカードです。たとえばUPSIDERカードは、保証金を預ける「保証金プラン」なら与信審査なしで持てる一方、通常のプランでは決算書ではなく口座データ等をもとにした独自の与信審査を行います。「審査なし」で持ちたい場合は前章の4種類を、「審査はあるが通りやすい」カードを探す場合は以下を参考にしてください。
決算書不要・代表者の信用で申し込めるクレジットカード
審査はあるものの、決算書や登記事項証明書の提出が不要で、法人代表者・個人事業主本人の信用情報をもとに申し込めるカードは、創業まもない事業者でも比較的申し込みやすい傾向があります。
- JCB Biz ONE:法人の本人確認書類が不要で、登記事項証明書や決算書の提出なしに申し込めます。一般カードは年会費永年無料で、最短5分でカード番号が発行されます。
- ライフカードビジネスライトプラス:申し込み時に決算書・確定申告書・登記事項証明書が不要で、本人確認書類のみで申し込めます。スタンダードは年会費無料です。
- 三井住友カード ビジネスオーナーズ:登記事項証明書や決算書が不要で、代表者個人の信用をもとに申し込めます。一般カードは年会費永年無料です。
いずれも与信審査自体は行われるため「審査なし」ではありませんが、提出書類が少なく、代表者個人の信用で判断される点が、設立直後でも申し込みやすい理由です。
後払いのクレジットカードも選択肢に入れるなら、法人カードそのものの特徴や個人カードとの違い、選ぶ際に見るべきポイントを先に押さえておくと、自社に合う1枚を判断しやすくなります。
審査に落ちる主な原因
法人クレジットカードの審査で不利になりやすいのは、次のような点です。あらかじめ把握しておくと、対策を立てやすくなります。
- 設立からの年数が浅く、事業の継続性を示す実績が乏しい
- 直近の決算が赤字である、または開業して間もなく決算実績がない
- 代表者個人の信用情報に、延滞などの記録が残っている
審査に落ちにくくするための準備
申し込み前にできる準備を整えておくと、通過の可能性を高められます。次のような点を意識すると効果的です。
- 利用限度額を低めに申請する:高い枠を求めるほど審査は慎重になります。まず必要最小限の枠で申し込み、実績を積んでから増枠を検討します。
- 必要書類を漏れなく準備する:本人確認書類や口座情報など、求められる書類を正確に揃えることで、確認の差し戻しを避けられます。
- 短期間に複数のカードへ申し込まない:一度に何枚も申し込むと不利に働くことがあるため、間隔を空けて申し込みます。
審査に不安がある事業者の決済手段
ここまで見てきた「審査なしで持てる手段」のうち、会計連携や経費管理まで含めて事業用に使いやすいカードとして、マネーフォワード ビジネスカード(プリペイド利用なら与信審査なし)とWise(審査なしのデビット)の2つを紹介します。年会費や審査の要否は前掲の横断比較表を参照しつつ、ここでは「どちらが自社に向くか」を整理します。
| サービス名 | マネーフォワード ビジネスカード | Wise Business |
|---|---|---|
| 向いている事業者 | まず審査なしで持ちたい設立直後の法人・個人事業主 会計をマネーフォワードで揃えたい事業者 | 海外の仕入れ・広告費など外貨決済が多い事業者 |
| 会計・特徴 | マネーフォワード クラウド会計とリアルタイム連携し利用明細が自動で仕訳候補に。バーチャルカードを無料で複数枚発行し部署・従業員別に配れる | 多通貨を保有し外貨残高からそのまま支払い。両替は上乗せなしのミッドマーケットレート(仲値)を適用 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
※2026年9月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の料金・条件は各社公式サイトでご確認ください。
1. マネーフォワード ビジネスカード(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード ビジネスカードは、1枚のカードに「プリペイド方式」と「あと払い方式」の2つの決済方式を備えたVisaカードです。事前にチャージした残高の範囲で使うプリペイド方式なら与信審査を受けずに発行・利用でき、設立直後の法人や個人事業主でも持てます。
チャージなしで即座に決済できるあと払い方式を使う場合は独自の与信審査が必要になりますが、その審査でも決算書や登記事項証明書の提出は不要で、連携した口座残高やクラウド会計の利用データなどをもとに判断されます。初期費用・年会費は無料(利用実績がない場合は2年目以降に年会費が発生)で、バーチャルカードを無料で複数枚発行し、部署や従業員ごとに配れます。
マネーフォワード クラウド会計・確定申告とリアルタイムで連携し、カードの利用明細が自動で仕訳候補になる点も、経理業務の効率化につながります。与信に不安がある段階ではプリペイド方式で使い始め、事業が育ってからあと払い方式を申し込むといった段階的な使い方ができます。
2. Wise Business(ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社)

Wise Businessは、複数通貨を保有・受取・両替・送金できる法人向けアカウントで、あわせて発行できるWise法人デビットカードは、アカウント残高から都度引き落とすデビット方式です。クレジットカードのような信用調査に基づく与信審査は課されないため、「与信審査なしで持てる法人カード」の選択肢になります。
保有している外貨の残高からそのまま支払えるため、海外の仕入れや広告費など外貨の支払いが多い事業者に向いています。両替時には上乗せのないミッドマーケットレート(仲値)が適用される点も特徴です。
ただし、与信審査がない一方で、法人アカウントの開設には本人確認(KYC)と法人確認が必須で、代表者の本人確認書類や履歴事項全部証明書などの提出が必要になります。本人確認には通常10営業日以内かかるため、「与信審査は不要だが、口座開設時の本人確認は必要」という点を理解して申し込むとスムーズです。
事業の実績が積み上がり、一般的な法人クレジットカードも視野に入ってきたら、年会費・還元率・会計ソフトとの連携といった軸で具体的なカードを比べておくと選びやすくなります。以下の記事で法人カード全体の選び方と各カードの違いを整理しています。
まとめ
後払いの法人クレジットカードで「完全に審査なし」のものはありませんが、それは法律の義務ではなく、各カード会社が貸し倒れを避けるために与信審査を行っているためです。与信審査を受けずに持てる手段としては、法人デビット・法人プリペイド・デポジット(保証金)型・協同組合発行の4種類があり、いずれも立替(後払い)が発生しない、あるいは保証金・出資金で担保する仕組みで審査を回避しています。
審査への不安があるうちは、口座残高やチャージの範囲で使えるデビット・プリペイド方式から始め、事業の実績が積み上がった段階で、決算書不要で申し込める通りやすいクレジットカードや、あと払い方式へ広げていくのが現実的です。自社の状況と使い方に合った1枚を選び、事業用の決済をスムーズに整えていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 審査なしの法人カードとは何ですか?
A. 審査なしの法人カードとは、カード会社の与信審査を受けずに持てる事業用カードの総称で、法人デビット・法人プリペイド・デポジット(保証金)型・協同組合発行の4種類が該当します。いずれも代金を立て替える後払いの仕組みを持たない、または保証金・出資金で担保するため、決算書や信用情報の審査なしで発行できます。なお、後払いの法人クレジットカードに完全に審査なしのものはありません。
Q. 個人事業主やフリーランスでも審査なしの法人カードは作れますか?
A. 個人事業主やフリーランスでも、与信審査なしの法人カードは作れます。法人デビット(GMOあおぞらネット銀行など)や法人プリペイド(マネーフォワード ビジネスカードなど)、協同組合発行のETCカードは個人事業主も対象です。ただし、Bizプリカやバクラクビジネスカードのように営利法人のみで個人事業主は申し込めないカードもあるため、対象範囲は事前に確認しましょう。
Q. 設立直後や赤字決算でも審査なしの法人カードは持てますか?
A. 設立直後で実績がなく、赤字決算や決算書が未提出の状態でも、与信審査なしの法人カードは持てます。デビット・プリペイド・デポジット(保証金)型・協同組合発行のカードは、事業の業績や信用情報にもとづく与信審査を行わないため、創業期の状況に左右されません。とくにデポジット型は保証金を、協同組合発行は出資金を預けることで、決算書なしに利用枠を確保できます。
Q. 法人デビットカードと法人クレジットカードは何が違いますか?
A. 法人デビットカードは利用した瞬間に口座から代金が引き落とされる即時払い、法人クレジットカードはカード会社が代金を立て替えて後日引き落とす後払いである点が最大の違いです。デビットは立替が発生しないため与信審査が不要で、口座残高の範囲で使います。クレジットは立替(与信)をともなうため審査があり、与信枠の範囲で後払いができます。
Q. デポジット(保証金)型の保証金や、協同組合の出資金は返ってきますか?
A. 協同組合が発行するETCカードの出資金(1社あたり1万円)は、組合を脱退する際に返金されます。デポジット(保証金)型の保証金も、利用枠の担保として預けるものなので、カードを解約して未払いがなければ返還されるのが一般的です。ただし、返還の条件や時期は各社で異なるため、申し込み前に規定を確認しておくと安心です。
Q. 「審査が甘い」法人クレジットカードは、審査なしのカードと同じですか?
A. 「審査が甘い」法人クレジットカードと審査なしのカードは別物です。審査が甘いとされるカード(JCB Biz ONE、三井住友カード ビジネスオーナーズなど)は、決算書や登記事項証明書が不要で代表者個人の信用で申し込める後払いカードですが、与信審査そのものは行われます。まったく審査を受けたくない場合は、デビット・プリペイド・デポジット型・協同組合発行のカードを選びます。
Q. 審査なしのカードから、通常の与信枠がある法人クレジットカードに移行できますか?
A. 与信に不安がある段階では審査なしのカードから始め、事業の実績を積んでから通常の与信枠がある法人クレジットカードへ広げていくのが現実的です。たとえばマネーフォワード ビジネスカードは、審査なしのプリペイド方式で使い始め、事業が育ってから独自審査のあと払い方式を申し込む、という段階的な使い方ができます。デビットやプリペイドで決済実績を重ねながら、後払いのクレジットカードを申し込む方法もあります。
Q. 法人カードに審査があるのは、割賦販売法で義務づけられているからですか?
A. 法人カードの審査は割賦販売法の義務ではなく、各カード会社が独自の与信判断として行うものです。割賦販売法が支払可能見込額の調査を義務づけるのは個人向けの後払いで、事業用に使う法人カードは同法の適用除外です(第35条の3の60)。それでも後払いには貸し倒れリスクがあるため、カード会社は独自に審査を行い、後払いの法人クレジットカードに「完全な審査なし」は存在しません。
出典・参考資料(1件)
- 出典:割賦販売法 第30条の2・第35条の3の60|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000159)
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。















