事業の支払いが増えて利用限度額が心もとない、経費を用途や部署ごとに分けて管理したい、付帯特典やポイントをもっと活かしたい——法人カードをすでに1枚持っていると、こうした場面で「2枚目以降を持つべきか」という迷いが出てきます。
結論から言えば、法人カードは同じ法人・同じ名義で複数枚持つことができ、発行枚数に法律上の上限はありません。ただし「2枚目を持てば限度額が必ず増える」とは限らず、持ち方によって得られる効果は変わります。
この記事では、複数枚持ちの可否から、メリットと限度額の実際、注意点、自社に合う枚数の目安、そして発行会社をまたいだ2枚目の組み合わせ方までを順に解説します。
目次
法人カードは複数枚持てる?発行枚数に上限はない
1つの法人、または1人の個人事業主が、同じ名義で法人カードを複数枚持つことは可能です。所有できる枚数について、法律で上限が定められているわけではありません。実際の発行可能枚数は、各カード会社が審査基準や商品ごとに任意で設定する上限によって決まります。
カード会社の公式解説でも、同じ名義で発行できる法人カードの枚数に法的な制限はないと説明されています。
1人の個人事業主、または1法人が同じ名義で発行できる法人カードの上限は法律などでは定められていません。
出典:法人カードの発行枚数に上限はある?複数枚持つメリットと注意点をわかりやすく解説|アメリカン・エキスプレス
複数枚を用意する方法は大きく2通りあります。1枚目とは別のカードを新規で発行する方法と、いま持っているカードで従業員向けの追加カードを発行する方法です。どちらを指すかで話が変わるため、次の章で切り分けて整理します。
「複数枚」には2つの意味がある|自分で2枚目と、従業員用の追加カード
「法人カードを複数枚持つ」と言うとき、内容は2つに分かれます。ひとつは経営者・事業主が別のカードを2枚目として持つケース、もうひとつは1枚のカードに従業員用の追加カードを足していくケースです。読者の関心がどちらにあるかで、確認すべきポイントが違ってきます。

(A) 経営者・事業主が自分で2枚目以降を持つ
限度額を広げたい、経費の用途を分けたい、別ブランドの特典を使いたいといった目的で、1枚目とは別のカードを発行するケースです。この記事の主線はこちらで、以降のメリット・限度額・注意点・枚数の目安・選び方は、主に自分で2枚目を持つ場面を想定して解説します。
(B) 従業員用の追加カードを増やす
従業員に持たせる追加カードを発行して、部署や担当者ごとに経費を管理するケースです。追加カードの券面には利用する従業員本人の氏名が記載され、名義人以外は使用できません。1枚あたりの上限を設定したり、部署名義で発行したりできる商品もあります。
追加カードは、本会員の審査が済んでいることを前提に発行されるため、発行時にあらためて審査が行われないのが一般的です。ただし、利用分が従業員個人の口座から引き落とされる「個人決済型」では扱いが異なります。
追加カード発行時には審査が行われないことが一般的です。追加カードは本会員に付随するカードであり、本会員である法人や法人代表者が、法人カードを発行する際に審査が完了しているためです。ただし、追加カードの利用金額が従業員の個人口座から引き落とされる「個人決済型」の法人カードでは、追加カードの発行を申し込むたびに従業員個人の支払能力や信用情報の審査が行われます。
出典:法人カードの従業員用追加カードとは?メリットや審査の有無、注意点を解説|JCB(監修:高柳政道/CFP)
追加カードで見落としやすいのが利用可能枠の扱いです。多くの場合、追加カードの枠は本会員と共有され、会社全体で使える金額はカードごとの枠を足し合わせた額にはなりません。追加カードを増やしたからといって、会社全体の枠が広がるわけではない点は先に押さえておきましょう。
多くの場合、法人カードの利用可能枠(限度額)は、本会員と追加カードで共有する形になるため、会社全体の利用可能枠は、カードごとに定められた利用可能枠のうち最も高い金額となります。複数枚の追加カードの利用可能枠の合計が、会社全体の利用可能枠になるわけではありません。
出典:法人カードの従業員用追加カードとは?メリットや審査の有無、注意点を解説|JCB
法人カードを複数枚持つメリット
ここからは、自分で2枚目以降を持つ場合のメリットを整理します。効果は大きく分けて、使える金額・経費管理・特典・決済の安定という4つの方向に現れます。
| メリット | 利用できる金額を広げやすい | 経費を用途・部署で分けられる | 付帯サービス・保険を重ねられる | ポイント・マイルを使い分けられる | ETC・追加カードの発行枚数を増やせる | 決済リスクを分散できる | 請求日・支払サイトを分散できる |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 内容 | 別のカード会社で発行すれば、独立した枠を持てるため、支払いの合計に対して余力を作りやすい(同じ会社での2枚目は枠が共有される場合がある。詳細は次章) | 「広告費はA、出張費はB」のようにカードを分けると、明細を見るだけで用途がわかり、部署別・プロジェクト別の集計がしやすい | 旅行傷害保険やショッピング保険、空港ラウンジなど、カードごとに異なる付帯特典を組み合わせて使える | 支払先や目的に応じて還元率の高いカードを選べば、同じ支出でも貯まる効率を上げやすい | 1枚あたりの発行可能枚数に上限があっても、カード自体を増やすことで社用車や従業員に対応しやすくなる | 国際ブランドを分けておけば、片方が使えない加盟店やブランド側の障害が起きても、もう1枚で支払いを続けられる | 締め日・支払日が異なるカードを使い分けると、支払いのタイミングを分けられ、資金繰りに余裕を持たせやすい |
このうち多くの人が最も気にするのが「利用限度額は本当に増えるのか」という点です。ここは条件によって答えが変わるため、次の章で切り分けて確認します。
複数枚で利用限度額は増える?増えない条件の整理
「2枚持てば枠が2倍になる」と考えがちですが、実際は発行元が同じか別かで結果が分かれます。カード会社の公式解説でも、この違いがはっきり示されています。

クレジットカードを2枚以上発行する際、それが同一のクレジットカード会社のものだった場合には、基本的に利用可能枠は合算となるため注意が必要です。利用可能枠を広げたい場合は、異なるクレジットカード会社での法人カード発行を検討しましょう。
出典:法人カードを複数枚持つメリットは?注意点や2枚目の選び方も解説|三井住友カード
整理すると、同じ発行会社で2枚目を作ると、枠は会社ごとに一体で扱われるため、単純に足し算で増えるとは限りません。一方、異なる発行会社のカードを持てば、それぞれに独立した枠が設定されるため、会社全体で使える金額を広げやすくなります。
たとえば、1枚目の利用可能枠が100万円で支払いに足りないとします。同じ発行会社でもう1枚作っても会社全体で使える金額は大きく変わりにくい一方、別の発行会社で2枚目を持てば、その2枚目に新たな枠が設定され、2枚を合わせて使える金額を増やせます。ただし2枚目の枠は申し込み時の審査で決まるため、1枚目と同じ水準になるとは限りません。
ただし、枠の考え方はカード会社や商品によって運用が異なります。限度額を広げることが2枚目の目的なら、申し込む前に「別の発行会社か」「独立した枠が持てるか」を確認しておくと、期待した効果が得られないという食い違いを避けられます。
法人カードを複数枚持つ際の注意点
複数枚持ちには、コストと管理の両面で気をつけたい点があります。持つ前に把握しておくと、後から想定外の負担に気づく事態を避けられます。
| 注意点 | 年会費が重なる | 短期間に何枚も申し込むと審査に響くことがある | 名義人以外は使えない | 紛失・盗難・不正利用のリスクが増える | 同じ発行会社では枠が広がらないことがある |
|---|---|---|---|---|---|
| 内容 | 枚数を増やすほど年会費の負担が積み上がる。得られる特典やポイントが年会費に見合うかを確認する | 新規申し込みの照会記録は信用情報に一定期間残る。間隔を空けずに複数申し込むと、審査で不利に働く場合がある | 本会員カードは名義人本人しか使えない。従業員に持たせるなら追加カードを発行する | 枚数が増えるほど管理対象が増え、利用明細の確認や利用停止の手続きも増える | 限度額を増やす目的なら、前章のとおり発行会社を分けるかどうかで結果が変わる |
とくに審査については、仕組みを知っておくと申し込みの計画を立てやすくなります。クレジットやローンの新規申し込みをすると、その照会事実が信用情報機関に記録されます。指定信用情報機関のCICでは、申込情報の保有期間を照会日から6か月間としています。
この記録自体は誰にでも残るもので、それだけで審査に落ちるわけではありません。ただし短期間に何枚も申し込むと、資金繰りに余裕がない状態と受け取られ、審査で不利に働くことがあります。2枚目以降は、ある程度の間隔を空けて申し込むほうが安全です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:CICが保有する信用情報|株式会社シー・アイ・シー(https://www.cic.co.jp/confidence/posession.html)
2枚目の申し込みで審査に通るか不安な場合は、審査でどのような項目が見られるのか、落ちる原因や申し込み前に準備しておきたい点を押さえておくと安心です。詳しくは次の記事で解説しています。
法人カードは何枚持つのが適切か
適切な枚数に唯一の正解はなく、事業の規模・毎月の支払額・従業員に持たせるかどうかで変わります。枚数そのものを目的にせず、「何を解決したいか」から逆算すると判断しやすくなります。
- 1枚で足りる場合:支払額が今の限度額に収まり、用途分けや特典の使い分けにこだわりがなければ、無理に増やす必要はありません(詳しくは下記)
- 2枚が向く場合:限度額に余力を持たせたい、国際ブランドを分けて決済を安定させたい、経費を大きく2系統に分けたい——こうしたニーズが出てきたら、別の発行会社での2枚目が候補になります
- 3枚以上が要る場合:部署やプロジェクトが多く用途を細かく分けたい、従業員に幅広く持たせたい、出張・接待とマイルなど複数の特典を並行して使いたい規模では、3枚以上が選択肢に入ります
1枚に絞るのが向くケース
枚数を増やすほど年会費と管理の手間は積み上がります。支払額が現在の枠に収まっていて、用途分けや特典の使い分けに強い必要がない段階では、1枚を使い込むほうがコストと手間の両面で合理的です。ポイントも1枚に集約したほうが貯まりやすい場合があります。まず1枚を軸にし、限度額や用途分けで具体的な不便が出た時点で2枚目を検討する、という順番が過剰な保有を避けやすい進め方です。
2枚目の法人カードを選ぶときの軸
2枚目は「1枚目と同じようなカード」を選んでも効果が重なるだけで、複数枚持ちの利点を活かしきれません。1枚目を補い合う関係になるよう、次の4つの軸で考えると選びやすくなります。
国際ブランドを分散する(決済リスクを避ける)
1枚目がVisaなら2枚目はMastercardやJCB、Amexというように、異なる国際ブランドを組み合わせます。加盟店によっては特定のブランドが使えないことがあり、ブランド側のシステム障害が起きる可能性もあります。ブランドを分けておけば、片方が使えない場面でももう1枚で決済を続けられます。
1枚目にない付帯サービスを補う
1枚目に足りない特典を2枚目で埋める考え方です。出張が多いなら空港ラウンジや旅行傷害保険、海外取引があるなら海外決済に強い特典、会計処理を効率化したいなら会計ソフト連携——というように、自社に不足している機能を持つカードを選びます。
ワンランク上のカードを組み合わせる
普段使いの年会費が安いカードに加えて、接待や出張ではステータスの高いカードを使う、という使い分けです。ゴールドやプラチナは付帯特典やコンシェルジュが充実する一方で年会費も上がるため、使う場面を限定して2枚目に据えると費用対効果を保ちやすくなります。
発行会社(プロパー/提携)を分ける
発行会社を分けると、前章のとおり利用限度額の枠を独立して持ちやすくなります。国際ブランドが自ら発行するプロパーカードと、他社と組んで発行する提携カードでは、審査の傾向や付帯特典の方向性も異なります。限度額を広げたい場合は、まず「別の発行会社か」を軸に据えるのが近道です。
目的別|2枚目の組み合わせ例
ここからは、目的別に2枚目の組み合わせ例を見ていきます。前章の4つの軸のうちどれが効くかは目的で変わるので、目的ごとに具体的なカード名の組み合わせと、そこで効く軸を添えます。年会費・還元率などの具体的な条件は、この後の比較表と各カードの公式情報で確認してください(金額は変動するため、申し込み前に最新の情報をご確認ください)。
コスト重視の組み合わせ
年会費をかけずに複数枚持ちの利点を得たい場合は、年会費が永年無料または条件付き無料のカードどうしを、発行会社を分けて組み合わせます。基本還元率が高いカードを1枚加えると、日常の支出でポイントを取りこぼしにくくなります。決算書の提出が不要なカードも多く、創業まもない事業者でも申し込みやすい組み合わせです。
組み合わせの一例が、三井住友カード ビジネスオーナーズ(Visa、基本還元率0.5%)と JCB Biz ONE(JCB、基本還元率1.0%)です。どちらも年会費が永年無料で国際ブランドも分かれるため、発行会社と国際ブランドを分散させつつ、コストも抑えられます。
ステータス重視の組み合わせ
接待や出張で信頼感や付帯特典を重視するなら、普段使いのカードに、ゴールドやプラチナのステータスカードを組み合わせます。国際ブランドが自ら発行するプロパーカードは、空港ラウンジやコンシェルジュ、上位の付帯保険が充実する傾向があります。異なるブランドで組めば、ブランド分散による決済の安定も同時に得られます。
普段使いの年会費無料カードに、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード(American Express、年会費49,500円)や JCBプラチナ法人カード(JCB、年会費33,000円)を1枚加えると、接待・出張の場面だけステータスと付帯特典を厚くできます。ここでは「ワンランク上のカード」と「ブランド分散」の軸が効きます。
審査・創業期に配慮した組み合わせ
設立まもない企業や個人事業主は、決算書の提出が不要な独自の審査基準を持つカードや、会計データをもとに与信するカードが候補になります。こうしたカードは年会費無料のものも多く、追加カードやバーチャルカード(プラスチックのない、番号だけのカード)を柔軟に発行できるため、経費管理の起点としても使えます。ただし、一部のカードは個人事業主が対象外なので、申し込み条件を確認してください。
創業期の法人なら、会計データで与信する freeeカード Unlimited や、独自基準で与信する UPSIDERカードが申し込みやすい候補です。ただし、いずれも法人向けで個人事業主が対象外のものもあります。個人事業主の場合は、決算書不要で申し込めるマネーフォワード ビジネスカードのようなカードが起点になります。
マイル・還元重視の組み合わせ
出張が多く移動費の比重が大きい事業では、マイルが貯まるカードを2枚目に据える選び方があります。JALやANAなど貯めたいマイルの系統に合わせてカードを選び、日常の支出は高還元のカード、渡航や出張はマイル系のカードと使い分けると、同じ支出でも効率を高めやすくなります。
日常の支出は高還元の Airカード(基本還元率1.5%)でポイントを取りこぼさず、出張は ANA JCB法人カード(ANAマイル)や セゾンプラチナ・ビジネス・アメックス(JALマイル)に回す——貯めたいマイルの系統に合わせて2枚目を選び、ブランドも分ければ、移動費の多い事業で効率を高められます。
| サービス名 | 三井住友カード ビジネスオーナーズ(一般) | JCB Biz ONE(一般) | アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード | JCBプラチナ法人カード | freeeカード Unlimited | UPSIDERカード | Airカード | ANA JCB法人ワイドゴールドカード | セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード | マネーフォワード ビジネスカード | Wise Business |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 発行会社 | 三井住友カード | JCB | アメリカン・エキスプレス | JCB | freee finance lab | UPSIDER | リクルート(JCB提携) | JCB(ANA提携) | クレディセゾン | マネーフォワード | ワイズ・ペイメンツ・ジャパン |
| 年会費(税込) | 無料 | 無料 | 49,500円 | 33,000円 | 無料 | 無料 | 5,500円 | 20,900円 | 初年度無料、2年目以降33,000円 | 無料(前年に利用がない場合、2年目以降1,100円) | 無料(外貨口座情報の設定手数料は1回3,000円) |
| 国際ブランド | Visa | JCB | American Express | JCB | Visa | Visa | JCB | JCB | American Express | Visa | —(法人デビット) |
| 基本還元率 | 0.5% | 1.0% | 1.0% | 200円=1ポイント(優待店で最大20倍) | 記載なし | 1.0%〜 | 1.5% | 0.5%(マイル移行で実質約1%) | 0.5%(JALマイル最大1.125%) | 1.0% | —(クレジットではない) |
| 追加カード | パートナーカード最大18枚(年会費無料) | 要お問い合わせ(公式に記載なし) | 最大99枚(特典なしは無料、特典ありは13,200円) | 6,600円/枚 | 無料 | 無料(発行枚数無制限) | 使用者カード3,300円/枚 | ETCカード無料(使用者カードは要お問い合わせ) | 3,300円/枚(最大9枚) | 追加カード・バーチャルカードを無料発行(枚数無制限) | 法人デビットカードを追加発行可(従業員用) |
| 向く目的 | コスト重視 | コスト重視 | ステータス重視 | ステータス重視 | 審査・創業期 | 審査・創業期 | マイル・還元重視 | マイル・還元重視 | マイル・還元重視 | 用途分け・会計連携 | 外貨決済・海外送金 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る |
※年会費・還元率などは2026年9月時点の各社公式情報にもとづきます。最新の内容は各カードの公式サイトでご確認ください。
ここで挙げた組み合わせをさらに多くのカードで、目的別の最有力1枚と実額を突き合わせて比べたい場合は、次の記事で詳しく整理しています。
用途分け・一元管理に役立つサービス
複数枚を持つと管理の手間が増えるため、追加カードやバーチャルカードを柔軟に発行でき、会計ソフトと連携して明細を一元管理できるサービスを2枚目の軸にすると、運用を楽にできます。ここでは役割の異なる2つを紹介します。1つ目は用途分け・会計連携に直結するクレジットカード、2つ目はクレジットの2枚目とは別の軸で、海外への支払いがある場合に外貨決済を補う手段です。
1. マネーフォワード ビジネスカード(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード ビジネスカードは、法人・個人事業主向けに発行できるVisaのクレジットカードです。初期費用・年会費が無料(前年に利用実績がない場合は2年目以降に年会費が発生)で、従業員や部署ごとに追加カード・バーチャルカードを無料で発行できるため、用途分けの起点として使えます。
後払い型は決算書の提出が不要な独自の与信ロジックで審査するため、設立まもない企業でも申し込みの対象になります。マネーフォワード クラウド会計・確定申告と利用明細がリアルタイムで連携し、仕訳候補として自動で取り込まれる点も、複数のカードや部署の経費をまとめて管理したい場合に向いています。
2. Wise Business(ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社)

Wise Business は、クレジットの後払い与信ではなく、多通貨アカウントと法人デビットカードを組み合わせた海外決済向けのサービスです。海外への支払いや外貨での受け取りがある事業で、既存の法人カードとは別の「外貨決済用の1枚」として組み合わせる使い方に向いています。
1つのアカウントで40種類以上の通貨を手数料無料で保有でき、両替には上乗せのないミッドマーケットレート(仲値)が適用されます。日本では第一種・第二種資金移動業者(関東財務局長第00040号)として登録され、顧客資金は信託口座で分別管理されます。会計ソフト連携やチーム権限管理も備えるため、海外取引の経費を分けて管理したい事業に適しています。
複数枚を無理なく運用・管理するには
複数枚のメリットを活かすには、増えたカードを管理しきれる運用の仕組みが欠かせません。次の3点を決めておくと、枚数が増えても経理の負担を抑えられます。
- 用途分けのルールを決める:「広告費はこのカード」「出張費はこのカード」のように、どの支出をどのカードで払うかを先に決めておくと、明細を見るだけで用途が判別でき、集計や精算が速くなります
- 会計ソフトと連携する:カードの利用明細が会計ソフトに自動で取り込まれる仕組みにすると、複数枚でも手入力を減らせます。連携できる会計ソフトはカードによって異なるため、導入前に対応を確認します
- 不正利用を防ぐ社内ルールを整える:カードの使い回しを禁止し、利用限度額を用途に合わせて設定し、明細の確認担当を決めておくと、枚数が増えても不正やミスに気づきやすくなります
追加カードやバーチャルカードを部署・担当者ごとに発行し、それぞれに上限を設定できるカードを選ぶと、用途分けと管理を同時に進めやすくなります。会計ソフト連携と合わせて、複数枚を「増やしても回る」状態にしておくことが、運用の負担を抑える鍵です。
まとめ
法人カードは同じ名義で複数枚持つことができ、発行枚数に法律上の上限はありません。ただし「自分で2枚目を持つ」のか「従業員用の追加カードを増やす」のかで話が変わり、利用限度額も、同じ発行会社では枠が共有されて広がりにくく、別の発行会社なら独立した枠を持ちやすい、という違いがあります。
適切な枚数は事業の規模と目的しだいで、まず1枚を軸にし、限度額や用途分けで不便が出た段階で2枚目を検討する順番が過剰な保有を避けやすい進め方です。2枚目は、国際ブランド・付帯サービス・ランク・発行会社の4つの軸で1枚目を補い合う組み合わせを選ぶと、複数枚持ちの利点を活かせます。
年会費や還元率、追加カードの条件は各カードで異なります。目的に合う2枚目の候補を具体的に比べるなら、複数のサービスの資料をまとめて取り寄せ、条件を並べて自社に合う組み合わせを見つけてください。
法人カード全体を年会費・還元率・会計ソフト連携などの軸で幅広く見比べたい方は、次の比較記事が土台になります。2枚目の候補を具体的に絞り込む前に確認しておくと、組み合わせを決めやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. 法人カードは何枚まで持てますか?発行枚数に上限はありますか?
A. 法人カードは同一の法人・個人事業主が同じ名義で複数枚持つことができ、所有できる枚数に法律上の上限はありません。実際に発行できる枚数は、各カード会社が審査基準や商品ごとに任意で定める上限によって決まります。従業員用の追加カードやETCカードについては、本カード1枚あたりの発行枚数に上限を設けている商品もあるため、多くの枚数が必要な場合は申し込み前に各社の条件を確認しましょう。
出典・参考資料(1件)
- 出典:法人カードの発行枚数に上限はある?複数枚持つメリットと注意点をわかりやすく解説|アメリカン・エキスプレス(https://www.americanexpress.com/ja-jp/benefits/good-news/work/business-card-issuance-count)
Q. 法人カードの追加カードを発行するのに審査はありますか?
A. 本会員の口座で決済する一般的な追加カードは、発行時にあらためて審査が行われないのが一般的です。本会員である法人や法人代表者の審査が、法人カードの発行時にすでに完了しているためです。ただし、利用分が従業員個人の口座から引き落とされる「個人決済型」の追加カードは例外で、申し込みのたびに従業員個人の支払能力や信用情報が審査されます。
出典・参考資料(1件)
- 出典:法人カードの従業員用追加カードとは?メリットや審査の有無、注意点を解説|JCB(https://www.jcb.co.jp/corporate/special/addition_card.html)
Q. 同じ発行会社で法人カードを2枚持つ意味はありますか?
A. 同じ発行会社の2枚目は利用可能枠が本会員と共有されて限度額は広がりにくいものの、用途・部署ごとの経費分けや、ETC・追加カードの増枠、付帯特典の使い分けといった意味はあります。一方で、会社全体で使える金額そのものを増やしたい場合は、独立した枠を持ちやすい別の発行会社の2枚目を選ぶほうが目的に合います。何のために2枚目を持つのかを整理してから、同じ発行会社か別会社かを選ぶとよいでしょう。
Q. 個人事業主や設立まもない会社でも法人カードを複数枚持てますか?
A. 個人事業主や設立まもない会社でも、各カードの申し込み条件を満たせば法人カードを複数枚持つことは可能です。決算書の提出が不要な独自の審査基準を持つカードや、会計データをもとに与信するカードは、創業初期でも申し込みやすい傾向があります。ただし、カードによっては個人事業主が申し込み対象外の場合があるため、申し込み条件を事前に確認してください。
Q. 短期間に複数の法人カードを申し込むと審査に不利になりますか?
A. 短期間に何枚も法人カードを申し込むと、資金繰りに余裕がない状態と受け取られ、審査で不利に働くことがあります。クレジットやローンの新規申し込みをすると、その照会事実が信用情報機関に記録され、指定信用情報機関のCICでは申込情報を照会日から6か月間保有します。記録が残ること自体で審査に落ちるわけではありませんが、2枚目以降はある程度の間隔を空けて申し込むほうが安全です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:CICが保有する信用情報|株式会社シー・アイ・シー(https://www.cic.co.jp/confidence/posession.html)
Q. 法人カードのプロパーカードと提携カードの違いは何ですか?
A. プロパーカードは国際ブランドが自ら発行するカード、提携カードはカード会社が他社と組んで発行するカードです。プロパーカードは付帯特典やステータスが充実する傾向があり、提携カードは提携先ならではの特典を受けられます。審査の傾向や付帯特典の方向性も異なるため、2枚目で発行会社や系統を分けると、利用可能枠を独立して持ちやすく、特典やリスクも分散できます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。















