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法人カードの審査で見られる項目とは?落ちる原因と申し込み前の準備を解説

法人カードの審査|見られる項目と落ちない準備のサムネイル画像

法人カードを申し込むとき、多くの人がまず気にするのが「自社は審査に通るのか」という点です。設立したばかりの会社、個人事業主、赤字が続いている事業、あるいは代表者個人の信用に不安がある場合など、状況によって通りやすさは変わります。ところが審査基準はカード会社が公表しておらず、何を見られるのかが分かりにくいのが実情です。

本記事では、法人カードの審査で確認される項目と落ちる主な原因を整理し、設立直後・個人事業主・赤字・個人信用の不安といった状況ごとに「作れるか」の見込みを解説します。申し込み前にやるべき準備、必要書類と審査期間の目安、信用情報機関(CIC・JICC・KSC)の役割と開示請求の方法まで解説します。

審査に通したい人だけでなく、与信審査そのものを避けたい人に向けて、プリペイドやデビットなど審査なしで持てる代替手段も扱います。自社の状況に合う一枚を選ぶための判断材料としてご活用ください。

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本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

法人カードの審査で見られる項目

審査基準そのものは各カード会社が公表しておらず会社ごとに異なりますが、各社が公表している「審査で確認する観点」はおおむね共通しており、次の4つの系統に整理できます。株式会社ジェーシービーも審査で確認する項目として経営実績・財務状況・信用情報・属性情報の4つを挙げています。まずはこの4系統を押さえておけば、自社が何を見られるのかの見当がつきます。

法人カードの審査で見られる4つの観点を示す図。経営者個人の信用情報(代表者本人のカード・ローンの利用履歴や申込履歴、返済遅延や多重申込が不利)、経営実績・設立年数、財務状況、事業実態・属性情報の4つ。どの項目をどれだけ重視するかは会社ごとに異なり基準そのものは非公開。

経営者個人の信用情報は、代表者や申込者本人のクレジットカード・ローンの利用履歴や申込履歴です。過去の返済遅延や短期間での多重申込があると不利に働きやすい部分です。JCBが挙げる「信用情報」も、法人カードでは主に代表者個人のこの信用情報を指します。

経営実績・設立年数は、事業をどれだけ続け、どのような業績を上げてきたかという観点です。株式会社ジェーシービーは「設立間もない企業が通過できないわけではない」としつつ、具体的な年数条件は公表していません。

財務状況は、資産と負債のバランスやキャッシュフローなど、支払い能力にかかわる部分です。事業実態・属性情報は、申込者の家族構成・住居・年収といった個人属性や、事業が実在し継続していることを指します。どの項目をどれだけ重視するかは会社ごとに異なり、外部から特定できません。

ただし、この4観点をどう重み付けするかという基準そのものは非公開です。株式会社ジェーシービーは審査基準について次のように説明しています。

法人カードに限らず、どのようなクレジットカードでも審査基準は公表されていません。

出典:法人カードの審査基準や確認されること。落ちる原因と対処法|株式会社ジェーシービー

三井住友カード株式会社も同様に、審査内容は開示されないとしています。攻略法が存在しないという踏み込んだ表現まで含めて明言している点が特徴です。

カード会社がどのような点を審査しているのか、具体的な審査内容や審査基準が開示されることはありません。そのため、カード会社が審査基準を非公開としている以上、「こうすれば審査に通る」という攻略法も存在しません。

出典:法人カードの審査基準や審査対象とは?|三井住友カード株式会社

したがって「この条件なら必ず通る」という通過ラインは示せません。それでも、上の4系統が共通の観点であることを踏まえれば、自社の弱みがどこにあるかを見極めて準備を進められます。

出典・参考資料(1件)

個人カードとの審査の違い(なぜ代表者個人の信用も見られるのか)

法人カードでも代表者個人の信用情報が確認されるのは、審査の建て付けに理由があります。三井住友カード株式会社は、法人カードの審査対象を大きく2タイプに分けて説明しています。

ひとつは、企業の経営状況や資本金をもとに審査する「法人が審査対象」のタイプで、登記事項証明書や決算書の提出を求めます。もうひとつは「法人代表者や個人事業主ご本人の信用情報を基に審査が行われます」とされるタイプで、本人確認書類と口座情報だけで申し込めます。後者では法人としての実績がまだ薄くても、代表者個人の信用力が判断の中心になります。

個人向けクレジットカードが申込者本人だけを見るのに対し、法人カードはこの2つの与信のかけ方が併存する点が違いです。どちらのタイプでも代表者個人の信用情報が確認されるため、事業とは別に個人の返済履歴を整えておくことが通過につながります。

法人カードの審査に落ちる主な原因

ここでは、審査で不利になりやすい原因の全体像を確認します。自分の状況が当てはまるかどうかの見極めと対処は次の章で扱い、ここでは原因の種類を押さえます。

信用情報の事故は、代表者個人の返済遅延・延滞や、債務整理・保証履行・破産といった記録です。これらは信用情報機関に登録されている間、審査で確認されます。目安として延滞などは機関ごとにおおむね5年、KSCの官報情報(破産・民事再生)は決定日から7年で消えます(機関別の内訳は後述します)。

設立直後・実績不足も原因になり得ます。法人の経営実績を審査対象にするタイプのカードでは、業歴が短いと判断材料が乏しくなるためです。ただし、代表者個人の信用で審査するタイプなら設立年数の影響は小さくなります。

赤字・債務超過は、財務状況を見るタイプのカードで不利に働きやすい要素です。短期間の多重申込も警戒されます。申し込んだ事実は信用情報機関に照会情報として登録され、株式会社シー・アイ・シー(CIC)では申込情報の保有期間が照会日より6か月間とされています。この間に何社も申し込むと、資金繰りに窮していると受け取られかねません。

そのほか、申込書類の不備や記入内容の誤りも見落とされがちな原因です。申込内容と提出書類の情報が食い違うと、確認のために審査が滞ったり、そのまま通らなかったりします。

自社の状況別に法人カードを作れるか

不安を感じやすい状況ごとに、法人カードを作れるかどうかと、向いているカードのタイプ、準備のポイントを見ていきます。自分に当てはまる項目から読み進めてください。いずれのケースでも「誰でも通る」わけではなく、最終的な可否は個別の審査によります。

設立直後(設立1年未満・初年度)の場合

設立して間もなくても、申し込めるカードはあります。決算書2期分・黒字決算を必須とする一般的な要件を課さず、設立1年未満の法人も申し込めるとする商品が公式に案内されています。

代表者個人の信用情報で審査するタイプなら、法人としての実績がまだ乏しくても、代表者本人の返済履歴が整っていれば通過が期待できます。設立直後は、まず個人与信型のカードを軸に検討するとよいでしょう。該当するカードは後述の比較表・各サービスの紹介を参照してください。

出典・参考資料(1件)

個人事業主の場合

個人事業主やフリーランスも、法人カード(ビジネスカード)を申し込めます。登記簿謄本・決算書の提出を求めず、本人確認書類だけで申し込める個人与信型のカードが対象です。申込対象を「個人事業主またはフリーランス、経営者」とし、法人設立からの経過年数を条件にしていない商品もあります。

審査で中心になるのは、開業前を含む本人の職歴や金融取引の状況、支払い遅延の有無です。事業の売上規模そのものよりも、代表者個人の信用が健全かどうかが見られます。開業直後で事業実績が浅くても、個人の返済履歴に問題がなければ検討の余地があります。該当するカードは後述の比較表・各サービスの紹介を参照してください。

出典・参考資料(1件)

赤字・債務超過の場合

赤字決算や債務超過は、法人の財務を審査対象とするタイプのカードでは不利になりがちです。一方で、代表者個人の信用情報で審査する個人与信型のカードは、法人の決算内容や業歴を主要な判断材料にしません。赤字が続いていても、代表者本人の信用が整っていれば申し込める余地があります。

さらに、法人の銀行口座の入出金データを分析する独自の与信モデルを採るカードもあります。過去の決算が赤字でも、口座の資金の動きから与信枠を判断する仕組みで、創業直後や赤字のスタートアップ向けの選択肢になります。該当するカードは後述の比較表・各サービスの紹介を参照してください。

個人信用に不安がある場合(延滞・多重申込・債務整理)

過去に支払いの延滞があった、短期間に何枚も申し込んだ、債務整理をしたといった場合は、その記録が信用情報機関に登録されている間、審査で不利に働きます。個人与信型のカードは代表者個人の信用を中心に見るため、この影響は避けにくい部分です。

まずは自分の登録内容を開示請求で確認し、いつ記録が消えるかを把握するのが現実的です。目安として、延滞は契約終了後おおむね5年で記録が消え、その後が申し込みの目安になります。破産・債務整理はKSCの官報情報で決定日から7年です。

記録が残っている間は、審査を伴わずに使えるプリペイド・デビット型や、口座残高・入出金データで判断する独自与信型のカードが選択肢になります。

審査に落ちないために申し込み前にやるべき準備

審査基準は非公開でも、通過率を下げない準備はできます。ここでは、申し込み前に手を打てることを具体的な手続きに落として挙げます。それぞれが「なぜ効くのか」もあわせて確認してください。

信用情報を事前に開示して確認する。自分の登録内容に延滞や事故の記録が残っていないかを、申し込み前に把握できます。信用情報機関に開示請求すれば確認でき、各機関の窓口と手数料は次章で詳しく扱います。心当たりのある記録がいつ消えるかが分かれば、申し込みの時期も見通せます。

必要書類を最新の状態でそろえる。本人確認書類や登記事項証明書は、有効期限や発行時期の要件があります。古い書類や記載の食い違いは確認の手間を生み、審査を遅らせます。引き落とし口座は法人名義・屋号名義を用意する。事業用の口座を指定できると、事業実態を示す材料になります。

確定申告・決算を期日内に済ませる。財務や事業実態を見るタイプのカードでは、申告・決算の状況が判断材料になります。申し込みは1社ずつにする。申し込んだ事実は信用情報機関に6か月間残るため、短期間に複数社へ申し込むと資金繰りへの懸念を招きます。1社の結果を待ってから次を検討するのが無難です。

事業規模に合うランクを選ぶ。限度額の大きい上位カードほど審査は慎重になりやすいため、まずは無理のないランクから検討します。申込内容と書類の情報を一致させる。住所・売上・事業内容などが書類と食い違わないよう確認しておくと、確認による遅延や否決を避けられます。

必要書類と審査期間の目安

申し込みに必要な書類は、審査の建て付け(法人を見るか、代表者個人を見るか)によって変わります。法人・個人事業主それぞれの目安と、審査から発行までの流れを確認します。

法人の場合

法人の経営実績を審査対象とするタイプでは、代表者の本人確認書類に加えて、現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(いわゆる登記簿謄本)や、引き落とし口座の情報が必要です。実質的支配者に関する情報の申告を求められることもあります。決算書の提出を求めるかどうかは会社・商品によって異なります。

一方、代表者個人の信用情報で審査する個人与信型のカードは、法人の登記簿謄本や決算書の提出を求めないものが多く、本人確認書類と口座情報で申し込めます。同じ「法人カード」でも、必要書類はタイプで大きく変わります。

個人事業主の場合

個人事業主が申し込む場合は、本人確認書類と引き落とし口座の情報が基本です。登記簿謄本や決算書を必須としない個人与信型のカードが中心となるため、法人に比べて用意する書類は少なめです。カードによっては確定申告書の写しなど事業を確認できる書類を求める場合があるので、申込ページの案内を確認しておくと安心です。

審査の流れと期間の目安

申し込みは、オンラインでの入力と本人確認、書類の提出、審査、カード発行という流れが一般的です。審査から発行までの期間は会社や申込方法によって幅があります。オンラインで本人確認が完結する個人与信型のカードでは、最短数営業日で発行されるものがあります。

たとえば個人与信型のカードには、対象金融機関の口座振替設定などの条件を満たせば最短3営業日で発行されるとするものもあります。一方、法人の経営実績を審査するタイプでは、書類の郵送・返送を挟む工程があり、手元に届くまで数週間かかることもあります。取引開始の予定に合わせて、余裕を持って申し込むとよいでしょう。

信用情報機関(CIC・JICC・KSC)の役割と開示請求の方法

審査の不透明さの多くは、信用情報の扱いが分かりにくいことに由来します。ここでは、日本の3つの信用情報機関が保有する情報の種類・保有期間・開示方法を、機関別に整理します。登録内容や保有期間は機関ごとに建て付けが異なるため、まとめずに機関別に確認します。

まず全体像を一覧で示します。詳しい内訳と出典は各項で確認できます。

信用情報機関主な登録情報保有期間本人開示の経路・手数料・目安
CIC(クレジット・信販系)申込情報/クレジット情報(延滞・保証履行・破産などの支払状況を含む)/利用記録申込情報は照会日より6か月間、クレジット情報は契約終了後5年以内インターネット500円(郵送は1,500円)
JICC(消費者金融・信販系)契約内容/返済状況/取引事実(債務整理・破産申立など)/申込情報契約終了後5年以内、申込情報は照会日から6か月以内スマホアプリ700円(税込)
KSC(銀行系)取引情報/照会記録情報/官報情報(破産・民事再生手続開始決定)取引情報は完済日などから5年以内、官報情報は決定日から7年以内インターネット800円、最短3〜5営業日

CIC(クレジット・信販系)

株式会社シー・アイ・シー(CIC)は、クレジットカード会社や信販会社などが加盟する信用情報機関です。保有する情報と保有期間は次のとおり公表されています。

申込情報 … 保有期間:照会日より6ヶ月間
クレジット情報 … 保有期間:契約期間中および契約終了後5年以内(お支払状況に関する情報に「異動(延滞・保証履行・破産)の有無、異動発生日、延滞解消日」を含む)
利用記録 … 保有期間:利用日より6ヶ月間

出典:CICが保有する信用情報|株式会社シー・アイ・シー(CIC)

延滞や破産といった「異動」の情報は独立した区分ではなく、クレジット情報の支払状況の中に含まれ、契約終了後5年以内の範囲で保有されます。申し込んだ事実(申込情報)は照会日から6か月で消えます。開示は、インターネットなら手数料500円(マイナンバーカードと契約時の電話番号が必要)、郵送なら手数料1,500円で請求できます。

出典・参考資料(2件)

JICC(消費者金融・信販系)

株式会社日本信用情報機構(JICC)は、消費者金融会社や信販会社などが加盟する機関です。契約日が2019年10月1日以降の情報について、登録期間は次のように公表されています。

契約内容に関する情報 … 契約継続中及び契約終了後5年以内
返済状況に関する情報(入金日、残高金額、完済日、延滞等)… 契約継続中及び契約終了後5年以内
取引事実に関する情報(債権回収、債務整理、保証履行、強制解約、破産申立、債権譲渡等)… 契約継続中及び契約終了後5年以内
申込みに関する情報 … 照会日から6か月以内

出典:信用情報の内容と登録期間|株式会社日本信用情報機構(JICC)

債務整理や破産申立は「取引事実に関する情報」として、契約終了後5年以内の範囲で登録されます。申込情報は照会日から6か月以内で、CICと同じ考え方です。開示は、スマートフォン専用アプリからの申込で手数料700円(税込)が主な経路です。手続きにはマイナンバーカードなどによる本人確認が必要になります。

出典・参考資料(2件)

KSC(銀行系)

全国銀行個人信用情報センター(KSC)は、銀行・信用保証協会・銀行系カード会社などが会員となる、一般社団法人全国銀行協会が運営する機関です。登録情報と登録期間は次のとおり公表されています。

取引情報(ローンやクレジットカード等の契約内容とその返済状況の履歴)… 契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間
照会記録情報(会員がセンターを利用した日、申込み・契約の内容等)… 本人開示の対象は当該利用日から1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間
官報情報(官報に公告された破産・民事再生手続開始決定)… 当該決定日から7年を超えない期間

出典:センターの概要|全国銀行個人信用情報センター(一般社団法人全国銀行協会)

KSCでは、破産や民事再生の情報が「官報情報」として、決定日から7年を超えない期間で登録されます。この官報情報の登録期間は、かつては10年間でしたが、2022年11月に7年間へ短縮されました。

したがって、現在はいずれの機関も破産の情報を一律「10年」で登録しているわけではありません。CICとJICCでは契約終了後5年以内の枠、KSCの官報情報では決定日から7年以内という具合に、機関ごとに扱いが異なります。

開示は、インターネットから申し込むと最短3営業日~5営業日ほどで確認でき、手数料は800円です。マイナンバーカードを用いてWeb上で本人確認を行います。KSC自身は「当センターでは審査業務を一切行っておりません」と明記しており、開示で分かるのは登録内容であって、審査結果の理由そのものではありません。また、各機関の登録情報は互いに共有されないため、3機関それぞれに開示請求する必要があります。

出典・参考資料(3件)

与信タイプ別の審査要件と自社への向き(法人与信型/個人与信型/審査なし・独自与信型)

ここまで見てきた与信のかけ方は、3つのタイプに集約できます。自社がどのタイプを軸に選べばよいかを見分けられるよう、それぞれの定義と向き不向きを示します。該当するカードは後述の比較表・各サービスの紹介を参照してください。

与信タイプ別の審査要件と自社への向きを示す図。法人与信型は企業の経営実績・財務状況を審査し登記事項証明書などを求め、業歴があり財務が安定した企業に向く。個人与信型は代表者個人の信用情報が中心で登記簿・決算書は不要、設立直後・個人事業主・赤字でも代表者個人の信用が整えば検討でき選択肢が最も多い。審査なし・独自与信型は従来の信用情報に依存せず銀行口座データやプリペイド・デビットで、審査を避けたい場合の受け皿。

法人与信型は、企業の経営実績・財務状況を審査し、登記事項証明書などを求めるタイプです。業歴があり財務が安定した企業に向き、設立直後や赤字の事業にはハードルが上がりやすくなります。

個人与信型は、代表者個人の信用情報を審査の中心に置き、登記簿謄本・決算書を求めないタイプです。設立直後・個人事業主・赤字でも代表者個人の信用が整っていれば検討でき、本記事の中心読者に最も選択肢が多いタイプです。

審査なし・独自与信型は、従来の信用情報に依存しないタイプです。銀行口座データで与信枠を決める独自与信型や、残高の範囲で使うプリペイド・デビット型が含まれ、個人信用に不安がある場合や審査そのものを避けたい場合の受け皿になります。

審査なしで持てる代替手段(プリペイド・デビット・チャージ型)

与信審査に通らない場合や、そもそも与信を使いたくない場合には、審査なしで持てるカードが現実的な選択肢になります。仕組みごとに整理し、どんな企業に向くかを確認します。

チャージ(プリペイド)型は、あらかじめ入金した残高の範囲でだけ使う方式です。与信枠を持たないため、与信審査を経ずにカードを発行でき、設立直後でも持ちやすいのが特徴です。デビット型は、法人口座の残高からその場で引き落とす方式で、こちらも与信枠を伴いません。口座の開設時には本人確認・事業確認の手続きがありますが、決算書や信用情報にもとづく与信審査とは性質が異なります。

独自与信型(後払い)は、代表者個人の信用情報ではなく、法人の銀行口座データなどを分析して与信枠を判断する方式です。創業直後や赤字でも枠が出やすい設計で、後払いの審査に通らなくても、前払い(入金額を上限に使う)プランなら審査なしで利用を始められるサービスもあります。いずれも、次の章で紹介するサービスで具体的な使い方を確認できます。

ここまでで、審査で見られる点・自社の状況・信用情報の確認方法・与信タイプと審査なしの代替まで押さえました。与信タイプと自社の状況が整理できたら、条件に合うカードを実際に見比べる段階です。年会費・申込対象・必要書類を並べて確認すると絞り込みやすくなります。

自社に合う法人カードの選び方

ここまでの内容を踏まえ、与信タイプ別に代表的な法人カードを紹介します。まずは、申込対象・必要書類の要否・審査で見られる点・年会費・発行期間を一覧で比較し、その後に各カードの特徴を個別に確認してください。掲載順は、法人与信型から個人与信型、審査なし・独自与信型へと、与信のかけ方の順に並べています。

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サービス名JCB法人カード三井住友カード ビジネスオーナーズセゾンコバルト・ビジネス・アメックスUPSIDERマネーフォワード ビジネスカードWise Business
与信タイプ個人与信型/法人与信型
(カードにより異なる)
個人与信型個人与信型独自与信型
(銀行口座データをAI分析。前払いプランは審査なし)
プリペイド(審査なし)/独自与信型(あと払い)
あと払いは会計サービス利用者向け
審査なし(デビット)
口座残高からの即時引き落とし
申込対象法人代表者・個人事業主
設立1年未満の法人も申込可
満18歳以上の法人代表者・個人事業主
(副業・フリーランス含む)
個人事業主・フリーランス・経営者
設立1年未満・開業前も対象
法人のみ(個人事業主・フリーランスは対象外)
設立直後も利用可
法人代表者・個人事業主
設立直後もプリペイド利用なら可
法人・個人事業主・フリーランス
(代表者は18歳以上・日本在住)
必要書類(決算書・登記簿の要否)個人与信型(JCB Biz ONE等)は登記簿・決算書 不要
法人与信型(一般法人カード等)は登記簿謄本が必要
登記簿謄本・決算書 不要(一般・ゴールド)
本人確認書類・口座情報で申込
本人確認書類のみ
登記簿・決算書・確定申告書 不要
本人確認書類・登記関連書類
審査は銀行口座データによる独自与信
本人確認書類(法人は登記簿謄本も)
あと払いも決算書・税務申告書 不要
登記簿(履歴事項全部証明書)・実質的支配者情報・本人確認書類
決算書・信用情報は不要
年会費無料〜(カードにより異なる)
JCB Biz ONE 一般は永年無料
一般 永年無料
ゴールドは年100万円利用で翌年以降永年無料
永年無料
(追加カードも最大9枚まで無料)
永年無料
(カード発行手数料も無料)
無料
(1年間利用がない場合は翌年1,000円/税抜)
無料
(外貨の口座情報を取得する設定手数料は1回3,000円)
発行期間の目安最短5分〜(カードにより異なる)
JCB Biz ONE モバ即入会は最短5分でカード番号を発行
最短3営業日
(対象金融機関の口座振替設定などの条件あり)
最短3営業日
(審査結果メール到着の翌日から起算)
最短2〜3営業日
(代表者以外の申込は4〜7営業日)
審査結果の連絡まで2〜3営業日
カード発送は結果連絡後1週間〜10日程度
通常10営業日以内
(本人確認・事業確認〈KYC/KYB〉の完了まで)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイトカタログで詳細を見るカタログで詳細を見る

※2026年9月時点の各社公式情報にもとづく。最新の条件は各社公式サイトでご確認ください。

JCB法人カード(株式会社ジェーシービー)

JCB法人カードのウェブサイト

JCB法人カードは、株式会社ジェーシービーが個人事業主から大規模企業まで向けに展開する法人カード群の総称です。フリーランス・個人事業主向けのJCB Biz ONE、JCB CARD Bizと、中小企業向けのJCB一般法人カード・ゴールド法人カード、大規模企業向けのJCBコーポレートカードなどがあり、与信のかけ方はカードによって分かれます。

JCB Biz ONEやJCB CARD Bizは法人の登記簿謄本・決算書の提出が不要な個人与信型で、開業直後の個人事業主でも申し込みのハードルが低いのが特徴です。JCB Biz ONEは個人名義の口座を使うモバ即入会なら最短5分でカード番号を発行できます。

一方、JCB一般法人カード・ゴールド法人カードは法人の登記簿謄本の提出を求める法人与信型で、こちらも「設立1年未満の法人も申し込めます」と公式に明記されています。用途と与信タイプに合わせてカードを選べる幅の広さが強みです。

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード(株式会社クレディセゾン)

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードのウェブサイト

開業前や設立1年未満でも申し込める点を前面に出しているのが、株式会社クレディセゾンのセゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードです。申込対象を「個人事業主またはフリーランス、経営者」とし、法人設立からの経過年数を条件にしていないため、創業直後の事業者でも対象に含まれます。

審査は代表者個人の信用情報にもとづく個人与信型で、必要書類は代表者の本人確認書類のみ、登記簿謄本・決算書・確定申告書の提出は求めません。年会費は永年無料で、追加カードも最大9枚まで無料のため、複数枚を発行してもカードの維持コストが増えません。設立直後・個人事業主で、まず年会費をかけずに1枚持ちたい場合の入り口として検討できます。

UPSIDER(株式会社UPSIDER)

UPSIDERのウェブサイト

代表者個人の信用情報ではなく、法人の銀行口座の残高・入出金データをAIで分析して与信枠を決める——この独自の審査モデルを採るのが、株式会社UPSIDERの法人カード「UPSIDER」です。信用情報の蓄積が薄い創業直後の企業や、成長中の赤字スタートアップにも与信枠が出やすい設計を公式に訴求しています。

決済方式は後払い(ポストペイ)プランと前払い(保証金)プランの2種類があり、後払いは独自与信の審査を受けますが、前払いは入金額がそのまま利用上限になるため審査なしで使い始められます。後払いの審査に通らない場合も前払いで利用を続けられる点が、審査に不安のある企業の受け皿になります。年会費・カード発行手数料は無料で、対象は株式会社・合同会社などの法人(個人事業主・フリーランスは対象外)です。

出典・参考資料(1件)

マネーフォワード ビジネスカード(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード ビジネスカードのウェブサイト

1枚でプリペイドとクレジットの両方の使い方ができるのが、株式会社マネーフォワードのマネーフォワード ビジネスカードです。チャージした残高の範囲で使うプリペイド利用と、与信枠を使うあと払い利用を、同じカードで切り替えられます。

公式FAQでは、与信枠を利用しない(プリペイド利用に限る)場合は与信審査を申し込む必要がないと明記されており、審査を避けたい事業者は残高の範囲でカードを持てます。

与信枠を使う場合も、対象はマネーフォワード クラウド会計・確定申告などの利用者に限られる代わりに、連携した銀行口座の残高・入出金履歴をもとに審査し、決算書・税務申告書の提出は不要です。会計サービスと明細がリアルタイムで連携するため、経理の効率化も進めやすいカードです。

出典・参考資料(1件)

Wise Business(ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社)

Wise Businessのウェブサイト

Wise Businessは、英国のWise Payments Limitedが提供する多通貨対応の法人アカウントで、日本ではワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社が運営しています。付帯するのは口座残高から即時に引き落とすデビットカードで、後払いの与信枠を持つクレジットカードではありません。

そのため口座開設時の確認は、決算書や信用情報にもとづく与信審査ではなく、登記情報・実質的支配者情報・代表者の本人確認書類による本人確認・事業確認(KYC/KYB)です。必要書類がそろえば通常10営業日以内に完了します。

40種類以上の通貨を手数料無料で保有でき、両替に上乗せのないミッドマーケットレート(仲値)を適用する点が特徴で、海外送金や外貨での支払いが多い事業に向いた選択肢です。与信審査を伴わずに事業用の決済手段を持ちたい場合の代替として検討できます。

Wise Businessのように与信審査を伴わない決済手段は、海外送金や外貨での支払いが多い事業ほど、送金手数料や為替コストの差が総額に響きます。銀行・ネット銀行・専門サービスを手数料と為替コストの面で見比べたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

法人カードの審査基準は各社とも非公開で、通過ラインを断定することはできません。それでも、審査で見られるのは代表者個人の信用情報・経営実績・財務状況・事業実態という共通の観点で、代表者個人の返済履歴を整え、書類と申込内容をそろえ、申し込みを1社ずつに絞るといった準備は通過率を下げないために有効です。

設立直後・個人事業主・赤字といった状況でも、代表者個人の信用で審査する個人与信型なら選択肢は残ります。個人信用に不安がある場合や審査を避けたい場合は、プリペイド・デビット型や独自与信型が受け皿になります。まずは信用情報を開示して自分の状況を確認し、与信タイプの違いを踏まえて、自社に合う一枚を選んでください。

よくある質問(FAQ)

Q. 法人カードの審査とは何ですか?

A. 法人カードの審査とは、申込者がカード利用代金を支払えるかどうかを、代表者個人の信用情報・経営実績・財務状況・事業実態から確認する手続きです。審査基準は各カード会社が公表しておらず会社ごとに異なるため、「この条件なら必ず通る」という通過ラインは存在しません。どの項目をどれだけ重視するかも外部からは特定できません。

Q. 法人カードは審査なしで作れますか?

A. 後払いの与信枠を持つ法人カードは審査なしでは作れませんが、プリペイド(チャージ)型やデビット型なら与信審査を経ずに持てます。これらは事前に入金した残高や法人口座の残高の範囲で使う仕組みで、与信枠を持たないためです。個人信用に不安がある場合や、審査そのものを避けたい場合の現実的な受け皿になります。

Q. 法人カードの審査に落ちた理由は教えてもらえますか?

A. 法人カードの審査に落ちても、カード会社から個別の理由が開示されることは基本的にありません。審査基準が非公開である以上、否決の理由も伝えられないのが通常です。ただし一般的な要因としては、申込条件を満たしていない、申込内容の誤り、代表者個人の返済遅延、短期間の多重申込などが考えられます。

Q. 個人事業主でも法人カードの審査に通りますか?

A. 個人事業主でも法人カード(ビジネスカード)は申し込め、個人事業主だからという理由だけで不利になるわけではありません。登記簿謄本や決算書の提出を求めず本人確認書類で申し込める個人与信型のカードが対象で、審査では事業の売上規模そのものより、開業前を含む代表者個人の信用が健全かどうかが見られます。

Q. 法人カードの審査は何日かかりますか?

A. 法人カードの審査期間はカード会社や申込方法によって幅があり、オンラインで本人確認が完結する個人与信型では最短数営業日、書類の郵送・返送を挟む法人与信型では数週間かかることもあります。たとえば個人与信型のカードには、条件を満たせば最短3営業日で発行されるものもあります。取引開始の予定に合わせて、余裕を持って申し込むとよいでしょう。

Q. 法人カードの審査に必要な書類は何ですか?

A. 必要書類は審査の建て付けによって変わり、法人の経営実績を見るタイプは登記事項証明書(登記簿謄本)や引き落とし口座の情報、代表者個人の信用で審査する個人与信型は本人確認書類と口座情報が基本です。法人として申し込む場合は、実質的支配者に関する情報の申告を求められることもあります。決算書の提出を求めるかどうかは会社・商品によって異なります。

Q. 法人カードの審査に関わる信用情報はどうやって確認しますか?

A. 自分の信用情報は、CIC・JICC・KSCの3つの信用情報機関に開示請求すれば確認できます。各機関は登録情報を互いに共有しないため、3機関それぞれへの請求が必要です。

開示は、CICがインターネットで手数料500円、JICCがスマートフォンアプリで700円、KSCがインターネットで800円などの経路で申し込めます。申込前に開示しておくと、延滞などの記録がいつ消えるかを把握でき、申し込みの時期も見通せます。

Q. 信用情報に登録された延滞や自己破産の記録はいつ消えますか?

A. 信用情報の保有期間は機関ごとに異なり、延滞や破産などの記録は、CICとJICCでは契約終了後5年以内、KSCの官報情報(破産・民事再生手続開始決定)では決定日から7年以内で登録されます。KSCの官報情報はかつて10年でしたが、2022年11月に7年へ短縮されました。したがって、すべての機関が破産の情報を一律「10年」で登録しているわけではありません。正確な消滅時期は開示請求で確認できます。

Q. 従業員カード・追加カードの発行にも審査はありますか?

A. 追加カード(従業員用カード)は、引き落としを法人・代表者名義の口座にまとめる利用形態であれば、従業員個人の信用情報は基本的に審査対象になりません。支払い義務を負うのは名義人である代表者だからです。ただし、従業員個人が引き落とし口座を持つ個人決済型などの方式では、従業員個人が審査対象となる場合があります。

Q. 代表者が変わった場合、法人カードは再審査になりますか?

A. 代表者や代表者名が変わった場合は、カード会社への代表者変更手続きが必要で、これに伴って再審査が行われるのが一般的です。法人カードでも与信は代表者個人の信用情報を軸に判断されるため、新しい代表者をもとに与信を見直すことになります。変更が生じたら速やかに届け出ましょう。

Q. 法人カードの年会費は経費として計上できますか?

A. 事業のために使う法人カードの年会費は、経費として計上できます。仕訳では一般に「支払手数料」や「諸会費」の勘定科目が用いられます。プライベートと兼用しているカードは、事業で利用した分に按分するなど、実態に沿って処理します。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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