社内の経費規程や上司との会話、取引先とのやりとりで「実費精算」という言葉に触れても、その意味を正確に説明できる人は多くありません。似た言葉に立替精算や仮払い、定額支給などがあり、どこがどう違うのかを混同したまま運用しているケースも見られます。
実費精算とは、実際にかかった費用を、領収書などの実額どおりに精算することです。交通費や出張旅費、消耗品の購入など、業務で立て替えた金額をそのまま精算する場面で使われます。
本記事では、実費精算の意味と、立替精算・仮払い・定額支給・経費精算との違いから、発生しやすい費用の例、立替方式・仮払方式の2つの精算方法と流れ、メリット・デメリットまでを整理します。
あわせて、上限額や社内規定・電子帳簿保存法・インボイス制度への対応といった注意点と、手作業の負担を減らす経費精算システムの活用まで、実務でそのまま使える形で解説します。
目次
一括ダウンロードする
実費精算とは?意味をわかりやすく解説
実費精算とは、業務で実際にかかった費用を、領収書などで確認できる実額どおりに精算することです。あらかじめ決めた定額を渡すのではなく、使った分だけを1円単位で精算するため、支払った金額と精算する金額が一致します。
たとえば従業員が取引先訪問の電車代1,240円を立て替えた場合、実費精算では領収書や交通系ICカードの履歴にもとづき、この1,240円をそのまま従業員へ払い戻します。実際の支出額を基準にする点が、実費精算の核心です。
建設・工事の分野には「実費精算(実数精算)」やコスト・プラス・フィー契約という別の用語があり、工事費の実数量や原価にもとづいて発注者と施工業者が精算する契約を指します。読者が探しているのがこの契約に関する内容であれば、本記事の経費の実費精算とは対象が異なる点にご注意ください。
実費精算と混同しやすい言葉との違い
実費精算は、立替精算・仮払い・定額支給・経費精算といった言葉と混同されがちです。まずは全体像を対比表で押さえ、そのうえで一つずつ違いを見ていきます。
| 用語 | 意味 | 実費精算との関係 |
|---|---|---|
| 実費精算 | 実際にかかった費用を実額どおりに精算する考え方 | — |
| 立替精算 | 従業員が費用を立て替え、後日その実額を精算する方式 | 実費精算を実現する精算方式の一つ |
| 仮払い | 支払い前におおよその金額を先に渡し、後で実額との差額を精算する方式 | 実費精算を実現する精算方式の一つ |
| 定額支給 | 実際の支出額にかかわらず、あらかじめ決めた一定額を支給する方法 | 実額で精算しない点で実費精算と対になる |
| 経費精算 | 業務で発生した経費を申請・承認・精算する一連の手続き全般 | 実費精算は経費精算の一つの方法 |
5つの言葉の関係を図にすると、次のように整理できます。

立替精算・仮払いとの違い
立替精算と仮払いは、実費精算と別の概念ではなく、実費精算を実現するための精算のやり方です。立替精算は従業員がいったん費用を立て替え、後日その実額を精算します。仮払いは支払い前におおよその金額を先に渡し、後で実額との差額を精算します。
どちらの方式でも、最終的に精算する金額は実際にかかった実額にそろえます。立替精算・仮払いそれぞれの具体的な流れは、後述の「2つの方法と流れ」で詳しく解説します。
経費精算との違い
経費精算は、業務で発生した経費を申請・承認・精算する手続き全般を指す広い言葉です。その中で、精算額を実額にもとづいて決める方法が実費精算にあたります。経費精算という大きな枠の中に、実費精算という具体的な方法が含まれる関係だと捉えると整理しやすくなります。
経費精算そのものの対象になる費用や、申請から精算までの一連の流れを基礎から確認したい場合は、以下の記事で整理しています。
定額支給との違い
定額支給は、実際の支出額にかかわらず、あらかじめ決めた一定額を支給する方法です。出張1回につき日当5,000円、といった形で支払うため、実額を確認する手間がかからない一方、実際の支出と過不足が生じます。実額どおりに精算する実費精算とは、この点で対になります。
通勤手当のように定額で支給するものについては、税務上の扱いも実費精算と分けて考えます。電車・バス通勤者の通勤手当は、最も経済的かつ合理的な経路・方法による金額が1か月あたり15万円を超える場合、15万円が非課税の限度額です。
出典・参考資料(1件)
自腹・自費との違い
自腹・自費は、本来は会社が負担すべき費用を従業員が負担したまま精算しない状態を指します。実費精算は、立て替えた費用を会社が実額で払い戻すため、従業員の負担が残りません。精算のルールが曖昧なまま運用すると、本来払い戻すべき費用が自腹になってしまう恐れがあるため、後述の社内規定の整備が重要になります。
実費精算が発生する主な費用・場面
ここからは、実費精算が実際に使われる代表的な費用・場面を見ていきます。日々の業務で立替が生じやすい支出が中心です。
交通費
取引先訪問や外出の際の電車代・バス代・タクシー代などが、実費精算の代表例です。交通系ICカードの利用履歴や領収書をもとに、移動した区間の運賃を実額で精算します。日々発生する頻度が高く、件数が多いため、精算業務の負担が生じやすい費用でもあります。
出張旅費・宿泊費
出張時の新幹線・航空券代、宿泊費、現地での移動費なども実費精算の対象になります。金額が大きくなりやすいため、後述の仮払方式で先に概算額を渡し、帰着後に実額との差額を精算する運用がよく採られます。
従業員に支給する出張旅費・宿泊費・日当は、その旅行の目的や行き先、期間などからみて通常必要と認められる範囲内であれば非課税とされています(所得税基本通達9-3)。実費精算は実額にもとづくため、この通常必要と認められる範囲に収まりやすい支給方法だといえます。
出典・参考資料(1件)
消耗品費・備品代
文房具やコピー用紙などの消耗品、少額の備品を従業員が立て替えて購入した場合も、実費精算で払い戻します。金額は小さくても件数が積み上がりやすく、領収書の保管と記録が欠かせない支出です。
実費精算の2つの方法と流れ
実費精算には、立替方式(立替精算)と仮払方式(仮払い)の2つのやり方があります。どちらを使うかは、支出の金額や発生の頻度に応じて選びます。ここでは、それぞれの流れを順に見ていきます。
立替方式の流れ
立替方式は、従業員がいったん自分の財布から費用を立て替え、後日その実額を精算する方法です。少額で頻度の高い交通費などに向いています。一般的な流れは次のとおりです。
- 従業員が費用を立て替えて支払い、領収書やICカード履歴を受け取る
- 精算申請書に日付・金額・用途を記入し、領収書を添えて申請する
- 上長・経理が内容と金額を確認して承認する
- 承認された実額を従業員へ払い戻す
立替方式は仕組みがシンプルな反面、従業員が一時的に費用を負担する点が課題になります。金額が大きい支出では、従業員の負担が重くなりやすいため注意が必要です。
仮払方式の流れ
仮払方式は、支払いの前におおよその金額を会社が先に渡し、後で実額との差額を精算する方法です。出張旅費のように金額が大きく、従業員に立て替えさせにくい支出に向いています。流れは次のようになります。
- 従業員が概算額を見積もって仮払いを申請する
- 会社が概算額を先に支給する
- 従業員が実際に費用を支払い、領収書を保管する
- 帰着後に実額を報告し、仮払額との過不足を精算する(超過分は追加払い、余剰分は返金)
仮払方式は従業員の立替負担を抑えられますが、仮払額の管理と差額の精算という工程が増えます。仮払金がいつ・誰に・いくら渡っているかを把握する仕組みが必要です。
立替金・仮払金といった勘定科目での処理や仕訳、立替金・預り金・小口現金との違いまで、経理側の実務を詳しく知りたい場合は、以下の記事で解説しています。
実費精算のメリット・デメリット
実費精算を採用するかどうかを判断するために、メリットとデメリットの両面を整理します。定額支給と比べたときの特徴が中心です。
メリット
- 正確な金額で精算できる:実際の支出額どおりに精算するため、払い過ぎや不足が生じにくく、経費の実態を正しく把握できます。
- 過剰な支給を防げる:定額支給のように使わなかった分まで支払うことがなく、実際に使った分だけを負担します。
- 費用の内訳が明確になる:領収書にもとづくため、何にいくら使ったかが記録として残り、経費の分析や見直しに役立ちます。
デメリット
- 手続きが煩雑になりやすい:申請ごとに領収書の確認・金額の照合・承認が必要で、件数が多いと経理の負担が増します。
- 従業員が一時的に立て替える:立替方式では、精算までの間、従業員が費用を負担する場面があります。
- 領収書の管理が欠かせない:実額を証明する領収書の紛失や提出漏れがあると、精算そのものが滞ります。
実費精算を行う際の注意点
実費精算をトラブルなく運用するには、あらかじめ決めておくべきルールと、法令への対応があります。ここからは、自社の精算ルールを整えるうえで押さえたい注意点を順に解説します。
実費として認める範囲・上限額を決める
どこまでを実費として認めるか、上限額をいくらに設定するかを決めておきます。タクシーの利用条件や宿泊費の上限などを定めておかないと、精算のたびに可否の判断が生じ、社員によって扱いがばらつきます。上限を明確にすることで、過大な請求や判断のぶれを防げます。
社内規定(出張旅費規程など)を明確にして周知する
実費として認める費用の範囲・申請の手順・締め日・必要な書類を社内規定にまとめ、全社員へ周知することが大切です。出張が多い企業では出張旅費規程として整えると、精算の基準が共有され、申請と承認がスムーズになります。ルールが曖昧なままだと、本来払い戻すべき費用が自腹になったり、逆に対象外の費用が精算されたりする原因になります。
領収書・レシートを保管する
実費精算は実額を証明する領収書・レシートが前提になります。提出のルール(原本かデータか、提出期限など)を決め、紛失や提出漏れを防ぐ運用を整えることが重要です。領収書が受け取れない場合の扱い(出金伝票の作成など)も、あらかじめ決めておくと現場が迷いません。
電子帳簿保存法・インボイス制度に対応する
メールやWebで受け取った領収書・請求書などを扱う場合、電子帳簿保存法への対応が必要です。国税庁は、電子取引データの保存義務について次のように示しています。
申告所得税・法人税に関して帳簿・書類の保存義務が課されている者は、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした場合には、その電子データ(電子取引データ)を保存しなければなりません。
出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年4月)|国税庁
電子取引でやりとりした領収書・請求書は、原則として電子データのまま、改ざん防止などの要件を満たして保存する必要があります。あわせてインボイス制度では、仕入税額控除を受けるために、原則として適格請求書(インボイス)の保存が求められます。交付を受ける適格請求書には、次の事項の記載が必要です。
- 書類作成者の氏名または名称および登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
- 税率ごとに区分して合計した税込対価(または税抜対価)の額および適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額等
- 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称
実費精算で受け取る領収書が適格請求書の要件を満たすかどうかで、消費税の仕入税額控除の扱いが変わります。ただし、交通費など一部の取引には帳簿のみの保存で控除が認められる特例があり、詳しくは後述の税務のポイントで解説します。
出典・参考資料(2件)
帳簿・書類の保存年限を守る
実費精算で扱った領収書や帳簿には、保存年限が定められています。法人と個人事業主で扱いが異なる点に注意が必要です。
法人は、帳簿とその取引に関して作成・受領した書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければなりません。青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた事業年度などは、保存期間が10年間(2018年4月1日前に開始した事業年度は9年間)に延びます。
個人事業主(白色申告者)の場合は、収入金額や必要経費を記載した法定帳簿は7年間、それ以外の任意帳簿や、請求書・納品書・領収書などの書類は5年間の保存が必要です。法人のように一律7年ではないため、対象を分けて確認してください。青色申告の個人事業主は帳簿・書類の保存の扱いが異なるため、自社の申告区分に応じて国税庁の案内で確認することをおすすめします。
出典・参考資料(2件)
紙・電子それぞれの領収書を具体的にどう保存すればよいか、電子帳簿保存法・インボイス制度で満たすべき要件は何かを、条文レベルの根拠つきで確認したい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。
実費精算にかかわる税務のポイント
実費精算では、消費税の仕入税額控除や社会保険料の算定に関わる論点があります。制度ごとに条件が異なるため、混同しないように整理して押さえます。
消費税・インボイス制度の特例(帳簿のみの保存で控除できる取引)
インボイス制度では仕入税額控除に適格請求書の保存が原則必要ですが、請求書等の交付を受けることが困難な一部の取引は、一定の事項を記載した帳簿のみの保存で控除が認められます。国税庁は、その対象として次の取引を挙げています。
① 適格請求書の交付義務が免除される3万円未満の公共交通機関による旅客の運送
出典:No.6496 仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存|国税庁
⑨ 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)
実費精算で扱う交通費や出張旅費は、この特例に該当する場合があります。3万円未満の特例は公共交通機関(船舶・バス・鉄道)による旅客の運送に限られる点に注意が必要で、金額は1回の取引単位(税込3万円未満)で判定します。従業員に支給する通常必要と認められる出張旅費等は、金額の上限なく帳簿のみの保存で控除できる別枠の特例です。
これらとは別に、基準期間の課税売上高が1億円以下(または特定期間の課税売上高が5,000万円以下)の事業者は、税込1万円未満の課税仕入れについて、帳簿のみの保存で控除できる少額特例があります。少額特例は2023年10月1日から2029年9月30日までの経過措置で、対象となる事業者の規模が限られます。
「3万円未満なら一律に領収書が不要」という理解は誤りで、何の取引か・いくら未満か・どの事業者かを取り違えないことが大切です。
出典・参考資料(2件)
社会保険料の算定基礎への影響
交通費を実費で精算するか、通勤手当として定額支給するかは、社会保険料の算定にも関わります。通勤手当は報酬に含まれ、標準報酬月額の算定基礎になります。
通勤手当は報酬に含まれます。厚生年金保険法でいう報酬とは、被保険者が事業主から労務の対償として支給されるすべてのものをいい、賃金、給料、手当などその名称にかかわらず対象になります。
出典:標準報酬月額の対象となる報酬に通勤手当は含まれるか|日本年金機構
一方、業務命令により従業員が一時的に出社する際の移動にかかる実費を会社が負担する場合、その費用は原則として実費弁償と認められ、標準報酬月額の算定基礎となる報酬には含まれません。定額の通勤手当は算定基礎に含まれ、実費弁償と認められる交通費は含まれない、という線引きになります。
出典・参考資料(2件)
実費精算を顧客に請求するときの見積書の書き方
ここまでは社内で従業員に支払う実費精算を扱ってきました。一方、業務の受注側では、交通費や材料費などの実費を顧客に請求する場面があります。ここでは、実費を請求する側の見積書の書き方を簡潔に解説します。
見積書の基本構成と内訳の書き方
実費を請求する見積書では、報酬(サービス料)と実費を分けて記載すると、費用の性質が相手に伝わりやすくなります。実費の項目は「交通費」「宿泊費」「材料費」などに分け、それぞれの金額と、実費精算である旨(実際にかかった費用を精算する扱い)を明記します。
交通費であれば区間・交通手段・利用日、宿泊費であれば施設名・宿泊日数、材料費であれば品名・数量・単価まで内訳として記載すると、相手が金額の根拠を確認しやすくなります。実費が確定した後に領収書の写しを添えて請求すると、記載額の裏づけになります。
金額が確定していない場合の書き方
見積り時点で実費が確定していない場合は、「実費精算」「別途実費」といった記載にとどめ、概算額を示すときは「〜円程度(実費精算)」と注記します。あわせて、精算の方法(実額を後日請求するのか、上限を設けるのか)を見積書や契約書で取り決めておくと、後のトラブルを防げます。
実費精算の手間を減らすには?経費精算システムの活用
実費精算は正確さの面ですぐれる一方、申請・確認・承認・記録の手間がかかります。紙やExcelでの精算に負担を感じる場合は、経費精算システムの活用で作業を減らせます。領収書のスマホ撮影による自動入力、交通系ICカードの読み取り、承認ワークフロー、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応などを備え、実費精算の運用をそのまま効率化できます。
一括ダウンロードする
ここでは、実費精算の負担軽減に役立つ代表的なサービスを紹介します。自社の規模や既存の会計ソフトとの連携も踏まえて比較してください。
| サービス名 | Bill One経費 | 弥生経費 Next | マネーフォワード クラウド経費 |
|---|---|---|---|
| 提供会社 | Sansan株式会社 | 弥生株式会社 | 株式会社マネーフォワード |
| 初期費用 | 要問い合わせ(金額非公表) | 0円 (エキスパートプランの初期設定支援は要問い合わせ) | 0円 |
| 月額費用 | 要問い合わせ (初期費用+年額費用制/処理件数に応じ個別設定) | エキスパートプラン: 21,000円/月〜(税抜・30名分) 会計Nextセット版: 追加1名400円/月(税抜) (2026年9月時点) | 2,480円/月〜(ひとり法人・年払い時) ビジネスプラン6,480円/月〜、6名以降+500円/名 (2026年9月時点) |
| 交通系IC読み取り | △モバイル明細連携のみ | ● | ● |
| 電子帳簿保存法対応 | ● | ● | ● |
| インボイス対応 | ● | — | ● |
| 無料トライアル | — | 最大2か月 (弥生会計 Next全体) | 1ヶ月 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 |
●=公式に対応の記載あり/△=条件付き・部分的な対応/—=公式に明示なし。料金・機能は各社の公式資料で最新をご確認ください(2026年9月時点)。
1. Bill One経費(Sansan株式会社)

Bill One経費は、専用の「Bill Oneビジネスカード」を社員に配布し、経費をカードで支払わせることで立替払いそのものをなくすことをコンセプトにしたクラウド経費精算サービスです。従業員が費用を立て替える運用そのものを見直したい企業に向いています。
領収書はSansanのデータ化技術で読み取り、カードの利用明細と自動で突合します。適格請求書の要件を満たすかの自動判定や電子帳簿保存法への対応も備え、経理の確認作業を軽減できます。料金は初期費用と年額費用で構成され、処理する件数に応じて個別に設定されるため、詳細は資料で確認してください。
2. 弥生経費 Next(弥生株式会社)

会計ソフトを提供する弥生の、スマートフォン1台で経費の申請・承認・精算まで完結できるクラウド経費精算ソフトが弥生経費 Nextです。領収書のスマホ撮影とAIによる科目予測、交通系ICカードの読み取りによる交通費精算、電子帳簿保存法対応チェックなどを備えます。
NAVITIMEと連携した経路検索や、電車区間の定期区間の自動控除にも対応し、交通費の実費精算を効率化できます。弥生会計 Next と組み合わせて仕訳連携できるほか、経費精算機能を単体で導入するエキスパートプランも用意されています。
3. マネーフォワード クラウド経費(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド経費は、領収書のOCR入力から交通系ICカードの読み取り、経路検索による交通費入力、多段階の承認ワークフロー、会計ソフトへの仕訳連携までを一気通貫で扱えるクラウド経費精算システムです。電子帳簿保存法とインボイス制度に対応します。
マネーフォワード クラウド会計との連携に加え、勘定奉行・弥生会計・PCA会計など他社の会計ソフトともCSV・API連携で接続できます。単体プランは初期費用0円で、利用人数に応じたプランが用意されているため、小規模から段階的に導入できます。
紙やExcelでの精算をシステムに切り替えた企業では、現場の負担が具体的に変わっています。同社の栗本氏は、独自インタビューで導入企業の変化を次のように語っています。

紙ベースの煩雑な経費精算フローが店舗と本社双方の業務時間を圧迫していて、毎月60店舗中50店舗で申請の差し戻しが発生している企業がいらっしゃいました。しかし、クラウドの導入後は、月初の作業時間が最大60時間から約6時間へ削減されたとのお声をいただいています。電子帳簿保存法への対応とセットで導入していただくことで、紙でのレシート・領収書管理自体が店舗で不要になり、現場と経理担当者の双方で迅速な効果を感じていただいています。
ここで取り上げた3サービス以外にも、経費精算システムは数多くあります。料金や機能、既存システムとの連携まで含めて主要なサービスを比較したうえで、自社に合うものをじっくり選びたい方は、あわせて次の記事もご覧ください。
おすすめ経費精算システム徹底比較!料金、機能、使いやすさ、導入方法を解説
経費精算システムを比較検討中の大企業、中小企業の方必見!無料プランやトライアルの有無、料金、メリット・デメリット、選定方法を徹底解説。個別の経費精算システムに関する特徴を網羅して説明しています。経費精算ソフトの導入を通して、業務効率と法令対…
まとめ
実費精算とは、業務で実際にかかった費用を、領収書などの実額どおりに精算することです。立替精算・仮払いはその精算のやり方であり、定額支給とは実額で精算するかどうかで対になります。交通費や出張旅費、消耗品費など、日々の立替が生じる支出で用いられます。
運用にあたっては、実費として認める範囲や上限額、社内規定、領収書の保管、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応、帳簿・書類の保存年限を押さえておくことが大切です。手続きの負担が重いと感じる場合は、経費精算システムの活用で申請から承認・記録までを効率化し、正確さと業務効率の両立を図ることができます。自社の運用に合った方法を選び、精算ルールの整備やシステムの導入を検討してみてください。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. 実費精算とは何ですか?
A. 実費精算とは、業務で実際にかかった費用を、領収書などで確認できる実額どおりに精算することです。あらかじめ決めた定額を渡す定額支給とは異なり、使った分だけを1円単位で払い戻すため、支払った金額と精算する金額が一致します。交通費や出張旅費、消耗品の購入など、従業員が立て替えた費用を精算する場面で使われます。
Q. 実費精算と立替精算・仮払いはどう違いますか?
A. 実費精算は「実額どおりに精算する」という考え方で、立替精算と仮払いは、その実費精算を実現するための精算のやり方です。立替精算は従業員がいったん費用を立て替えて後日その実額を精算する方式、仮払いは支払い前に概算額を先に渡して後で実額との差額を精算する方式で、どちらも最終的に精算する金額は実際にかかった実額にそろえます。両者は実費精算と別物ではなく、その手段だと捉えると混同しません。
Q. 実費精算で受け取った領収書は何年間保存する必要がありますか?
A. 実費精算で扱う領収書や帳簿の保存年限は、法人が原則7年、個人事業主(白色申告者)は帳簿の種類や書類に応じて5年または7年です。法人は帳簿と取引に関して作成・受領した書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する義務があり、欠損金額が生じた事業年度などは10年間(2018年4月1日前に開始した事業年度は9年間)に延びます。
個人事業主(白色申告者)は、収入金額や必要経費を記載した法定帳簿が7年、それ以外の任意帳簿や請求書・領収書などの書類は5年です。
出典・参考資料(2件)
Q. 実費精算する交通費は「3万円未満なら領収書がなくてもよい」のですか?
A. 「3万円未満なら一律に領収書が不要」という理解は正しくありません。インボイス制度で帳簿のみの保存が認められる3万円未満の特例は、船舶・バス・鉄道といった公共交通機関による旅客の運送に限られ、金額は1回の取引単位(税込3万円未満)で判定します。従業員に支給する通常必要と認められる出張旅費・宿泊費・日当・通勤手当は、金額の上限なく帳簿のみの保存で控除できる別枠の特例です。
これらとは別に、税込1万円未満の課税仕入れを帳簿のみの保存で控除できる少額特例もありますが、基準期間の課税売上高が1億円以下などの一定規模以下の事業者に限られ、2029年(令和11年)9月30日までの経過措置です。「何の取引か・いくら未満か・どの事業者か」を取り違えないことが大切です。
出典・参考資料(2件)
Q. 実費精算した交通費は社会保険料の算定基礎に含まれますか?
A. 実費弁償と認められる交通費は算定基礎に含まれませんが、定額で支給する通勤手当は報酬として算定基礎に含まれます。厚生年金保険法でいう報酬にはその名称にかかわらず労務の対償として支給されるものが含まれ、通勤手当も報酬に該当するため標準報酬月額の算定基礎になります。
一方、業務命令により一時的に出社する際の移動にかかる実費を会社が負担する場合は、原則として実費弁償と認められ、算定基礎となる報酬には含まれません。定額支給か実費弁償かで扱いが分かれる点に注意が必要です。
出典・参考資料(2件)
Q. 実費精算の手間を減らすにはどうすればよいですか?
A. 実費精算の負担を減らすには、社内規定で精算ルールを明確にしたうえで、経費精算システムを導入して申請から承認・記録までを自動化するのが効果的です。実費精算は申請ごとに領収書の確認・金額の照合・承認が必要で、件数が多いほど経理の負担が増します。
経費精算システムには、領収書のスマホ撮影による自動入力、交通系ICカードの読み取り、承認ワークフロー、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応などが備わっており、手作業のミスや確認工数を減らせます。自社の規模や既存の会計ソフトとの連携を踏まえて比較検討するとよいでしょう。
実費精算の手間を減らせる経費精算システムの料金を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、経費精算システムの最新資料をワンクリックで一括入手できます。初期費用や月額費用、電子帳簿保存法への対応、無料トライアルの有無など、比較に必要な情報をまとめて把握できます。実費精算の手間を減らしたい場合は、各社の資料を見比べて検討を進めてください。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















