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反社チェックの対象外はどこまで?省いてよい相手・省けない相手と判断基準を解説

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反社チェックツール比較表(2026年版)

反社チェックを日常的に運用していると、「官公庁や上場企業まで一件ずつ調べる必要があるのか」「省いてよい相手はどこまでなのか」という疑問に必ず突き当たります。取引先も採用候補も株主もすべて同じ手間でチェックしていては、工数が膨らむ一方だからです。

一方で、対象外の線引きを誤り、本来調べるべき相手を省いてしまうと、後になって反社会的勢力との取引が発覚するリスクを抱え込みます。「対象外にしてよい相手」と「省いてはいけない相手」を、根拠とともにはっきりさせておくことが、効率と安全の両立につながります。

本記事では、暴力団排除条例と政府指針にもとづき、反社チェックの対象外にできる相手・省けない相手の線引きと、その根拠が「法的な免除」なのか「運用上の判断」なのかを整理します。あわせて、範囲を広げすぎない考え方と、対象をリスクに応じて絞り込むためのツール活用まで解説します。

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結論:反社チェックに「対象外」の法的免除はない

最初に結論をお伝えします。暴力団排除条例にも政府の指針にも、「この相手は反社チェックの対象外にしてよい」と定めた免除規定はありません。世の中で語られる「官公庁は対象外」「上場企業は省いてよい」といった線引きは、法律が免除しているのではなく、各社がリスクの高低を見て決めている運用上の判断です。

この点は、記事によって「対象外にできる相手がある」と「例外なく全て対象」で説明が真逆に割れる原因でもあります。両者は矛盾しているのではなく、「法的な免除はないが、リスクに応じて優先度を下げる運用は許容される」という一つの事実を、別々の側面から述べているにすぎません。

根拠を条文で確認します。暴力団排除条例(以下、暴排条例)は全47都道府県で整備されており、努力義務や罰則の構造はおおむね共通しています。ここでは代表例として東京都暴力団排除条例を引用します。企業の反社チェックにかかわる第18条は、次のように規定しています。

第十八条 事業者は、その行う事業に係る契約が暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとなる疑いがあると認める場合には、当該事業に係る契約の相手方、代理又は媒介をする者その他の関係者が暴力団関係者でないことを確認するよう努めるものとする。

出典:東京都暴力団排除条例(平成23年東京都条例第54号)第18条第1項|警視庁

条文は「確認するよう努めるものとする」という努力義務であり、特定の相手を確認から除外する規定ではありません。条例の罰則(第33条など)も第18条違反を対象としておらず、確認を怠っても直ちに罰則が科されるわけではない構造です。このように「対象外にしてよいかどうか」は、条例が線を引いてくれるのではなく、事業者が判断する領域として残されています。

もう一方の柱である政府指針「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(平成19年、以下、政府指針)も、自らの性格を次のように述べています。

本指針は、あらゆる企業を対象として、反社会的勢力による被害を防止するための基本的な理念や具体的な対応を定めたものであり、法的拘束力はない。したがって、本指針の内容を完全に実施しなかったからといって、直ちに、罰則等の何らかの不利益が、与えられるものではない。

出典:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針(平成19年6月19日 犯罪対策閣僚会議幹事会申合せ)解説|法務省

指針は「あらゆる企業を対象」としつつ「法的拘束力はない」行為規範であり、相手を限定して確認義務を外す条項は持ちません。むしろ本文では、反社会的勢力とは「取引関係を含めて、一切の関係をもたない」ことを求め、相手が反社かどうかについて「常に、通常必要と思われる注意を払う」よう促しています。免除の発想とは逆の、全方位の注意を前提とした規範です。

ただし、この指針は取締役の善管注意義務(善良な管理者としての注意義務)の判断で参考にされうるとも明記されています。法的拘束力がないからといって無視してよいわけではなく、「対象外」の判断も、後から善管注意義務の観点で妥当だったかを問われる余地が残ります。だからこそ、省く判断には根拠が要ります。

出典・参考資料(2件)

【一覧表】対象外にしてよい相手・省いてはいけない相手

ここからは、目の前の相手を「省いてよいか」で判断できるよう、相手の類型ごとに整理します。前述のとおりどれも法的な免除ではないため、表では「対象外にしやすいか」と、その根拠が優先度判断なのか努力義務の範囲なのかという「根拠の性質」をあわせて示します。

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相手の類型官公庁・地方自治体上場企業・大手金融機関認可を受けたインフラ企業(電気・ガス・水道など)少額×継続・定型の支払い(備品・消耗品の購入など)個人事業主・フリーランス(取引先・業務委託先)少額でも新規・スポットの取引先既存・継続取引先自社の役員・従業員(採用候補を含む)株主・出資者
対象外にできるか対象外にしやすい対象外寄り対象外寄り対象外にしやすい省けない関係性次第で省けない初回後も省けない対象にするのが一般的対象にするのが一般的
理由・条件反社会的勢力である可能性が極めて低く、実務上の優先度が低い取引所規則や監督指針のもとで、すでに高水準の反社確認を受けている主体許認可・公共性が高く、関与リスクが低いと考えやすい相手が定型的で、反社へ資金が渡る実態が想定しにくい法人と同じく、リスクは金額でなく「関係性」で決まる初めての相手への支払いは、一回限りでも資金が反社へ渡る危険がある取引開始後に反社との関与が生じることがある内部からのリスクを防ぐため、就任・採用時の確認が望まれる反社による株式取得を防ぐため、属性の判断が重要
根拠の性質運用上の優先度判断(法的免除ではない)運用上の優先度判断運用上の優先度判断運用上の優先度判断努力義務の範囲(対象)努力義務の範囲(対象)努力義務の範囲(対象)運用上の判断(内部統制)運用上の判断(指針が株主の属性判断に言及)

暴排条例・政府指針の趣旨をもとに整理。いずれの「対象外」も法的免除ではなく運用上の判断です。

「対象外にしやすい」は、官公庁や少額の定型取引のように関与リスクが構造的に低い相手です。「対象外寄り」は、上場企業や大手金融機関のように、取引所の上場審査などで反社排除の確認をすでに受けている相手を指します。どちらも省いてよい方向ですが、後者も含め、最低限の確認記録だけは残しておくと後の説明に困りません。

上場企業が上場審査で反社排除の確認を受けている点は取引所の上場審査基準に、株主を確認する必要性は政府指針の「株主の属性判断」に基づきます。

出典・参考資料(2件)

表の判定を支えているのが、反社会的勢力の捉え方です。政府指針は、反社会的勢力を暴力団などの「属性」だけで機械的に決めるのではなく、不当な要求といった「行為」の両面で捉えるとしています。

暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である「反社会的勢力」をとらえるに際しては、暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった属性要件に着目するとともに、暴力的な要求行為、法的な責任を超えた不当な要求といった行為要件にも着目することが重要である。

出典:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針(平成19年)別紙|法務省

属性と行為の両面で捉えるため、「相手が法人か個人か」「取引が大きいか小さいか」という外形だけで対象外を決めるのは危険です。外形上は小さく見える相手でも、関係性次第でリスクは生じます。次章では、その「対象外にしがちだが省くと危ない相手」を個別に見ていきます。

対象外と誤解しやすい相手(グレーゾーン)の見極め

ここからは、一覧表の類型に加え、実務でとくに対象外にしてしまいがちなケースを取り上げます。可否の判定自体は一覧表のとおりなので、本章では「なぜ省くと危ないのか」という理由に絞って解説します。

共通する考え方は、リスクの本質が金額や期間ではなく「関係性」にある、という点です。政府指針は、相手が不当要求をしないとしても、暴力団とつながりのある者と契約関係を持つこと自体が「利益供与の危険を伴う」と述べ、基本原則として「反社会的勢力への資金提供は、絶対に行わない」ことを掲げています。

少額の支払いが直ちに条例違反になるわけではありません。しかし、わずかでも資金が反社へ渡れば、この基本原則に反する運用リスクを抱えることになります。

個人事業主・フリーランス

「相手が個人だから」という理由で省くのは誤りです。暴排条例は取引の相手方が法人か個人かを区別せず、反社会的勢力でないことを確認する体制の整備を事業者に求めています。業務委託や請負の相手がフリーランスであっても、資金が渡る取引である以上、法人取引先と同じ考え方で確認の対象に含めるのが妥当です。

少額・一回限りのスポット取引

金額が小さい、あるいは単発の取引でも、支払った資金が反社へ流れれば利益供与の危険は生じます。「少額だから」を対象外の理由にすると、線引きが金額基準に流れ、関係性というリスクの本質を見落とします。日常的な備品購入のような資金の流れが乏しい取引と、初めての相手への支払いを伴うスポット取引は分けて考える必要があります。

信頼できる知人からの「紹介」

紹介者への信頼と、紹介された相手の属性は別の問題です。紹介という経緯は相手が反社でないことを保証しません。むしろ、紹介だからと確認を省く運用が常態化すると、そこが抜け道になります。紹介経由であっても、通常の相手と同じ確認を通すことが、後の説明責任を果たすうえでも重要です。

反社会的勢力が実際にどのような形で取引へ入り込もうとするのかについて、弁護士の阿部由羅氏は次のように指摘しています。

阿部由羅氏
ゆら総合法律事務所 代表弁護士(埼玉弁護士会)
阿部由羅氏
専門家コラムより

近年では、多くの企業が反社会的勢力排除に取り組んでいます。そのため、暴力団や暴力団員などの反社会的勢力が一般企業との取引に関与しようとする際には、紹介者や別の会社を介在させるなどして、自らの素性を隠す傾向にあります。

既存・継続取引先の再チェック

「取引開始時に確認済みだから」という理由で以降の確認を省くのも、見落としの原因になります。反社会的勢力との関与は、取引が始まった後に生じることもあるためです。過去に一度クリアした相手でも、状況は時間とともに変わりえます。取引金額や継続性の高い相手には定期的な再確認を、それ以外には状況変化を検知する継続モニタリングを組み合わせると、工数を抑えながら見落としを防げます。

出典・参考資料(1件)

反社チェックの範囲はどこまで広げるべきか

「どの相手を対象にするか」とは別に、「対象にした一つの相手について、その関係者をどこまで遡って調べるか」という範囲の問題があります。役員・株主・実質的支配者、さらにはその家族や交友関係まで機械的に広げると、確認は際限なく膨らみます。ここでも判断の軸になるのは、リスクに応じた比例的な対応です。

政府指針は、取締役の善管注意義務として、事業の規模・特性に応じた内部統制システムを構築・運用する義務があると整理しています。裏を返せば、確認の深さは事業の規模やリスクに見合った範囲でよく、すべての相手について全役員・全株主を無制限に調べることが常に求められるわけではありません。これは条文の明文ではなく、比例原則から導かれる実務上の考え方です。

ある程度以上の規模の株式会社の取締役は、善管注意義務として、事業の規模、特性等に応じた内部統制システムを構築し、運用する義務があると解されている。

出典:企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針(平成19年)本文|法務省

実務では、調査の深さを段階的に設計するとよいでしょう。新規取引先の法人名・代表者名を確認する基礎レベル、役員や主要株主まで確認する標準レベル、支配関係や海外リスクまで踏み込む強化レベルの3段階を用意します。どのレベルを適用するかは、取引額・業種・関係性に応じて決めます。

反社チェックの調査の深さを3段階で示した図。基礎レベルは新規取引先の法人名・代表者名を確認、標準レベルは役員・主要株主まで確認、強化レベルは支配関係・海外リスクまで踏み込む。どのレベルを適用するかは取引額・業種・関係性に応じて決め、全ての相手に全役員・全株主の調査を課す必要はない。

ただし「実質的支配者」の確認は、金融機関など特定の事業者に課される犯罪収益移転防止法上の概念であり、一般企業に一律の義務があるわけではない点にも注意が必要です。

出典・参考資料(1件)

リスクの高い取引で、相手方の名称の照合にとどまらずどこまで調べるべきか。阿部氏は次のように指摘しています。

阿部由羅氏
ゆら総合法律事務所 代表弁護士(埼玉弁護士会)
阿部由羅氏
専門家コラムより

インターネット検索や新聞記事のデータベースなどを利用して、相手方の会社名や代表者名を検索しても、背後にいる反社会的勢力の存在は判明しません。相手方の実質的な支配者まで遡って徹底的に反社チェックを行い、少しでも疑わしい要素があれば取引中止を検討するといった厳密な取り組みが求められます。

役員・株主・従業員など対象者ごとに優先度をつけ、リスクの高い相手から深く調べる——この考え方で範囲を設計すれば、確認を無制限に広げずに、押さえるべき相手を押さえられます。自社のチェック対象は、この優先度の観点で過不足なく整理しておくとよいでしょう。

対象外をリスクベースで規程化する実務手順

対象外の判断が担当者ごとにばらつくと、「なぜこの相手を省いたのか」を後から説明できません。監査や稟議に耐える運用にするには、対象外の判断基準を規程として明文化し、判断の記録を残すことが欠かせません。

政府指針も、反社会的勢力による被害を防止するための体制整備を求めており、企業規模に応じた適切な対応が大切だとしたうえで、リスク評価の部分をとくに重点的に管理すべき項目と位置づけています。対象外の線引きは、この「リスク評価」を規程に落とし込む作業にほかなりません。

  • 判断基準を明文化する:どの類型を優先度低(簡易確認)とし、どの類型を必ず確認するかを、リスクの根拠とともに規程に定めます
  • 優先度を段階で設計する:新規取引前に必ず確認する対象、リスクに応じて確認する対象、継続モニタリングで対応する対象を分けます
  • 判断と証跡を記録する:確認結果と「対象外と判断した根拠」を保存し、後から検証できる状態にします
  • 定期的に見直す:取引状況や社会情勢の変化に応じて、対象外の基準と対象リストを更新します

属人的な「たぶん大丈夫」で省くのではなく、基準と記録に基づいて省く。これが、工数を抑えながらも説明責任を果たせる対象外の運用です。

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反社チェックの対象を効率化するツールの活用

対象外の基準を定めても、実際に「省けない相手」を一件ずつ手作業で調べていては工数が追いつきません。政府指針も、反社会的勢力の情報を集約したデータベースを構築し、逐次更新して活用することを平素からの対応として挙げています。ここからは、対象をリスクに応じて絞り込みつつ抜け漏れを防ぐ反社チェックツールを紹介します。

まずは、対象の絞り込みと効率化に役立つ主なサービスを比較します。一括検索や継続モニタリングの有無など、リスクベースの運用に直結する軸で整理しました。

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サービス名RISK EYESRoboRoboコンプライアンスチェックRiskAnalyzeComCheck反社チェックヒートマップ
提供形態クラウド
API連携可
クラウド
API連携可
クラウド
API連携可
クラウドクラウド
(会員制)
一括検索(CSV)リスト一括+差分検索Excelで一括登録CSV1,000件を約1分法人番号リスト対応要問い合わせ
継続モニタリングリスクアラート(5段階通知)要問い合わせ要問い合わせC-アラート登録企業を継続監視
リスク優先度付け・要注意区分AI懸念度判定・ノイズ除去AI注目度判定(3段階)AIがリスク分類・レポート要注意区分で指標化ヒートマップで5段階可視化
主な調査データ範囲WEB記事・新聞・
ブログ/掲示板・制裁リスト・
独自反社DB
ネット・新聞・官報・
海外DB(約190ヵ国)・
反社DB
国内1,000媒体以上・
海外240超の国地域・
行政処分・訴訟・風評
新聞・官公庁(行政処分等)・
登記・SNS・風評
新聞約50紙(過去10年)・
500万社超の企業DB
料金の目安初期費用無料
最低月額15,000円〜
+300円/検索(税抜)
初期費用無料
月額5,000円〜
+250円/件〜(税抜)
初期費用無料
月額27,500円〜
(年間600検索)
初期費用無料
料金は要問い合わせ
(公式に料金表なし)
入会費30,000円+
月額20,000円+
1件1,000円(いずれも税抜)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

各サービスの料金は、月額固定・従量課金・要問い合わせと体系が分かれ、1件あたりの単価にも幅があります。費用の条件をそろえて比べたい場合は、主要サービスの料金・1件あたり単価・料金体系の違いを一覧にまとめた以下の記事が参考になります。

RISK EYES(ソーシャルワイヤー株式会社)

RISK EYES公式サイト

ソーシャルワイヤー株式会社が提供する反社チェック・コンプライアンスチェック専用のSaaSです。WEB記事・新聞記事・ブログ/掲示板・制裁リスト・独自アンチソーシャルDBの5種類のデータソースを横断検索でき、法人名・個人名を入力するだけで確認が完了します。

継続取引先の再チェックや対象の絞り込み運用に向くのが、継続モニタリング機能(リスクアラート)です。調査員による人手調査と組み合わせ、懸念レベルを5段階で通知する運用に対応します。同姓同名対策として生年での絞り込みも可能で、個人取引先や従業員の確認精度を高められます。料金は最低月額15,000円(税抜)からの従量課金制です(2026年時点)。

リスクに応じて対象を絞り込んだうえで確認作業を効率化すると、工数はどの程度変わるのか。同社は取材で、導入事例の数値と、証跡を残すことの意味について次のように説明しています。

杉山賢人氏
ソーシャルワイヤー株式会社 事業部長
杉山賢人氏
独自インタビューより

導入事例では、広報支援会社で検索業務を約93%削減、オンラインマッチングサービスを運営する企業で反社チェック業務を約95%削減、採用管理システムを提供する企業で従来比約85%の工数削減を実現しています。採用管理システムを提供する企業では、日次20~30件の確認に100~150分かかっていた業務が大幅に短縮されました。単なる時間削減だけでなく、検索条件や確認結果を履歴として残すことで、担当者が変わっても同じ基準で運用しやすくなり、定期チェックや上場準備に必要な証跡整備にもつながっています。

RoboRoboコンプライアンスチェック(オープン株式会社)

RoboRoboコンプライアンスチェック公式サイト

累計導入社数10,000社(2026年2月時点)を数えるクラウド型コンプライアンスチェックツールです。オープン株式会社が提供し、SBI証券の監修のもとで上場企業・IPO準備企業に求められる要件を反映して開発されています。

インターネット記事検索・新聞記事データベース検索に加え、AIによる注目度判定(高・中・低の3段階)で、確認すべき記事の優先順位付けを支援します。対象を効率的に絞り込みたい運用と相性がよいのが特徴です。2025年11月に追加されたAIエージェント機能では、報道・登記・訴訟・反社関連データなどを5項目の健全性スコアとして可視化でき、与信情報が限られる新設法人や個人事業主にも対応します。

ミニマムプランは月額5,000円(インターネット検索のみ)からで、実際の取引先で10件まで無料お試しが可能です。

グレーゾーンの情報をどう扱うかは、対象外の判断と同じく、最終的には各社のリスク判断に委ねられる領域です。この点について、同社は取材で次のように述べています。

関根氏
オープン株式会社 RoboRobo事業部 マーケティング部 部長
関根氏
独自インタビューより

単体の反社チェックのスピードだけを比較すると、データベース検索に特化した他社ツールの方が速い場合もあります。ただし当社はリアルタイムのネット検索も行うため、白黒だけでなくグレーゾーンの情報まで取得できます。会社によってはグレーゾーンでも取引を進める判断もあれば、取引しないという判断もある。

RiskAnalyze(KYCコンサルティング株式会社)

RiskAnalyze公式サイト

KYCコンサルティング株式会社が提供するクラウド型の反社チェック・コンプライアンスチェックツールです。国内1,000媒体以上のメディア・官公庁の配信情報を自動収集する独自のリスクデータベースを軸に、個人名・法人名の入力から最短0.4秒で調査レポートを生成します。

大量の対象をまとめて処理したい場面に強く、CSVによる一括検索では1,000件のスクリーニングを約1分で処理します。240以上の国・地域の海外リスク情報も収録し、Salesforce AppExchangeやkintoneとのAPI連携も無料で利用できます。初期費用は0円、ライトプランは月額27,500円(年間600件相当)からで、累計導入企業数は1,300社(2025年6月時点)です。

ComCheck(三井物産クレジットコンサルティング株式会社)

ComCheck公式サイト

取引先のコンプライアンスリスクを指標でチェックできるクラウドサービスです。提供元は三井物産クレジットコンサルティング株式会社です。会社名や法人番号を入力すると、記事のヒット結果だけでなく、公開情報を組み合わせて評価した「要注意区分」が返る点が特徴で、判定の属人性を抑えやすくなっています。

対象をリスクベースで絞り込みたい運用に向くのが、この要注意区分と継続モニタリング機能「C-アラート」の組み合わせです。C-アラートは、モニタリング対象に指定した取引先の要注意区分の変化を監視し、状況が変わった際に早期にアラートを発信します。法人番号のリストがあれば一括チェックも可能です。

料金は利用件数に応じた複数プランがあり、具体的な金額は問い合わせによる確認が前提です(2026年時点で公式サイトに料金表の掲載なし)。

反社チェックヒートマップ(リスクモンスター株式会社)

反社チェックヒートマップ公式サイト

企業名で検索すると、反社警戒・事件事故・訴訟問題・行政処分という4区分でリスクの所在をヒートマップ(マトリクス図)に可視化する反社チェックサービスです。提供元はリスクモンスター株式会社です。色の濃淡でリスクの高低を直感的に把握でき、どの区分を優先して確認すべきかの見極めを支援します。

500万社超の独自企業データベースと、新聞約50紙・過去10年分の記事検索を基盤とし、機械検索に加えてスタッフによる精査で情報の信憑性を担保します。登録企業を継続的に監視するモニタリング機能も備えます。

料金は会員契約(入会費30,000円+月額システム利用料20,000円、いずれも税抜)に、1件あたりの従量課金を組み合わせる二段構成で、単独取得時の単価は1件1,000円(税抜)です(2026年時点)。

ここでは対象の絞り込みや効率化に役立つ主なサービスを取り上げました。反社チェックツールを料金・データソース・精度といった選定軸で横断的に比較検討したい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ

反社チェックの「対象外」に法的な免除規定はなく、官公庁や上場企業を省く判断も、リスクの高低を見た運用上の線引きにすぎません。一方で、個人事業主・少額取引・既存取引先などは「対象外にしがち」でも、リスクの本質である関係性の観点からは省けない相手です。外形ではなく関係性で判断し、対象外の基準を規程と記録に落とし込むことが、効率と安全を両立させる鍵になります。

「省けない相手」を効率的に確認するには、一括検索・継続モニタリング・リスク指標化を備えた反社チェックツールの活用が有効です。自社のチェック体制の見直しにあたって、各ツールの資料を比較検討してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 反社チェックの対象外とは何ですか?

A. 反社チェックの対象外とは、法律で確認を免除された相手ではなく、反社会的勢力である可能性が低いとして各社がリスクベースで確認の優先度を下げる相手のことです。暴力団排除条例にも政府指針にも「この相手は対象外にしてよい」と定めた免除規定はなく、官公庁や上場企業を省く判断も、法的な免除ではなく運用上の線引きにすぎません。

Q. 反社チェックで官公庁や上場企業を対象外にすると法律違反になりますか?

A. 反社チェックで官公庁や上場企業を対象外にしても、それだけで直ちに法律違反になるわけではありません。暴排条例の確認は努力義務で罰則の対象外であり、政府指針にも法的拘束力はないためです。ただし政府指針は取締役の善管注意義務の判断で参考にされうるため、対象外にした判断が後から妥当だったかを問われる余地は残ります。だからこそ、省く判断には根拠と記録が必要です。

出典・参考資料(2件)

Q. 上場企業のグループ会社も無条件で反社チェックの対象外にしてよいですか?

A. 上場企業のグループ会社は、上場企業本体と同じ扱いで無条件に対象外にはできません。上場企業本体は取引所規則のもとで高水準の反社確認を受けているため対象外寄りに扱えますが、子会社・関連会社が同じ管理下にあるとは限りません。非上場のグループ会社は、資本関係だけを理由に省かず、通常の取引先と同じ考え方で確認するのが妥当です。

Q. NPO法人や一般社団法人は公的機関に近いため反社チェックの対象外にしてよいですか?

A. NPO法人や一般社団法人は、公的機関に近いという理由だけでは対象外にできません。官公庁や自治体と違って設立のハードルが比較的低く、誰が運営しているかによって反社リスクが変わるためです。法人格の種類ではなく、相手との関係性や実態でリスクを判断し、通常の法人取引先と同様に確認するのが安全です。

Q. 反社チェックで継続・既存の取引先も毎年の再審査が必要ですか?

A. 継続・既存の取引先も、取引開始時に確認済みでも省かず、定期的な再確認や継続モニタリングの対象にすべきです。反社会的勢力との関与は取引が始まった後に生じることもあり、過去にクリアした相手でも状況は変わりうるためです。

すべてを一律「毎年」とする必要はなく、取引金額や継続性の高い相手には定期的な再確認を、それ以外には状況変化を検知する継続モニタリングを組み合わせると、工数を抑えつつ見落としを防げます。

Q. 過去に一度反社チェックで対象外と判定した企業は、再チェックしなくてよいですか?

A. 過去に対象外と判定した企業でも、その判定を根拠に以降の確認を恒久的に省くことはできません。対象外は「その時点でリスクが低い」という運用判断にすぎず、相手の実態や社会情勢は時間とともに変わるためです。対象外リストも定期的に見直し、状況の変化があれば判定をやり直す前提で運用してください。

Q. 反社チェックは相手の法人名と代表者名だけを確認すればよいですか?

A. 反社チェックは、法人名と代表者名の確認だけで十分とは限りません。政府指針は反社会的勢力を暴力団などの「属性」と不当要求などの「行為」の両面で捉えるとしており、リスクの高い取引では役員や主要株主、実質的支配者まで確認範囲を広げる必要があるためです。一方で、すべての相手に全役員・全株主の調査を課す必要はなく、取引額や関係性に応じて確認の深さを段階的に変えるのが実務的です。

出典・参考資料(1件)

Q. 反社チェックは取引先だけでなく採用候補者や従業員、株主も対象にすべきですか?

A. 反社チェックは取引先に限らず、自社の役員・従業員(採用候補者を含む)や株主も対象にするのが一般的です。内部からのリスクや、反社会的勢力による株式取得を防ぐ目的があり、政府指針も株主の属性判断に言及しているためです。取引先の外部チェックと、採用・株主の内部チェックを、それぞれリスクに応じた深さで設計してください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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